JP2023117362A - プレス成形方法及びプレス成形品の製造方法 - Google Patents

プレス成形方法及びプレス成形品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】プレス成形後のトリミング工程を必須とすることなく、縮みフランジ成形によって生じるフランジ部のしわを十分に抑制し、曲げ成形にも適用可能なプレス成形方法及びプレス成形品の製造方法を提供する。【解決手段】本発明に係るプレス成形方法及びプレス成形品の製造方法は、外周縁又はその一部が外方に向かって凸状に湾曲した凸状外周縁部3aを有する天板部3と、天板部3にパンチ肩R部23を介して連続する縦壁部5と、縦壁部5にダイ肩R部25を介して連続するフランジ部7とを有するプレス成形品1を成形する方法であって、金属板を中間成形品17に成形する第1成形工程と、第1成形工程で成形した中間成形品17を目標形状のプレス成形品1に成形する第2成形工程とを備え、第1成形工程は、中間成形品17の少なくとも天板部3の凸状外周縁部3aに対応して形成されるダイ肩R部25の曲げ半径を目標形状のプレス成形品1のダイ肩R部25の曲げ半径よりも大きくなるように成形するものである。【選択図】 図1

Description

本発明は、天板部と、縦壁部と、フランジ部とを有するプレス成形品を成形するプレス成形方法及びプレス成形品の製造方法に関する。特に、前記プレス成形品を成形する際の縮みフランジ成形に伴うしわの発生を抑制するプレス成形方法及びプレス成形品の製造方法に関する。
自動車の衝突安全性基準の厳格化により、車体の衝突安全性の向上が進む中で、二酸化炭素排出規制を受けて、燃費向上やEV化のために車体の軽量化も必要とされている。これら車体の衝突安全性向上と軽量化を両立させるために、車体構造部品への590MPa級以上の高強度鋼板(ハイテン材とも称する)の適用が進んでいる。ハイテン材を車体構造部品にプレス成形する際には、縮みフランジ成形により生じるしわの抑制が課題となっている。
例えば、自動車部品には、AピラーアッパーやAピラーロア、バンパー部品等のように、天板部と、縦壁部と、フランジ部を有する部品がある。このような部品において天板部の外周縁又はその一部が外方に向かって凸状に湾曲した形状となっている場合、プレス成形の際に当該部位の縦壁部やフランジ部は縮みフランジ成形となり、フランジ部の端部にしわが発生する場合がある。特にハイテン材の場合、高強度化によって座屈しやすくなり、しわが発生しやすい。
そこで、特許文献1には、天板部と、該天板部の少なくとも片側に連続して先端にフランジのない斜壁部を有し、斜壁部の全体もしくは一部が平面視でプレス成形品の長手方向において斜壁部側に凸状に湾曲したプレス成形品を、凹状のダイと凸状のパンチにより成形するに際し、成形途中においてブランク材における斜壁部に相当する部位よりも端部側の部位をダイとパンチとで挟持し、端部側の部位を挟持した状態で斜壁部を成形することにより、ブランク材の板厚方向への座屈を防止して、斜壁部で発生するしわを抑制する方法が開示されている。
また、特許文献2には、天板部とフランジ部とが側壁部を介して幅方向で連続しているハット形断面を有すると共に天板部及びフランジ部が長手方向に沿って天板部側に凸に湾曲した湾曲部分を有する製品形状に、金属板をプレス成形してプレス成形品を製造するに際し、フランジ部位置よりも外周部分に対しシワ押さえで上記金属板を押さえるシワ押さえ領域を設定し段絞りで成形を行う段絞り工程を有し、段絞りで成形を行う際に、フランジ部位置の一部にも、シワ押さえで押さえる付加領域を設定することにより、フランジ部で発生するしわを抑制するプレス成形品の製造方法が開示されている。
特開2016-221558号公報 特開2018-034176号公報
しかしながら、特許文献1に記載のプレス成形方法では、ブランク材における斜壁部に相当する部位よりも端部側の部位をダイとパンチで挟持した状態で斜壁部を成形するため、ダイとパンチで挟持した部位を次工程でトリミングする必要がある。
さらに、特許文献1の方法は、縦壁部(斜壁部)に連続するフランジ部を有するプレス成形品の成形には適用できないという問題もある。
この点、特許文献2に記載のプレス成形方法は、フランジ部を有するプレス成形品の成形に適用できるものの、しわ押さえを使用するため、曲げ(フォーム)成形によるプレス成形には適用できないという問題がある。
本発明は、かかる課題を解決するためになされたものである。即ち、プレス成形後のトリミング工程を必須とすることなく、縮みフランジ成形によって生じるフランジ部のしわを十分に抑制し、曲げ成形にも適用可能なプレス成形方法及びプレス成形品の製造方法を提供することを目的とする。
(1)本発明に係るプレス成形方法は、外周縁又はその一部が外方に向かって凸状に湾曲した凸状外周縁部を有する天板部と、該天板部にパンチ肩R部を介して連続する縦壁部と、該縦壁部にダイ肩R部を介して連続するフランジ部とを有するプレス成形品を成形する方法であって、金属板を中間成形品に成形する第1成形工程と、該第1成形工程で成形した前記中間成形品を目標形状の前記プレス成形品に成形する第2成形工程とを備え、前記第1成形工程は、前記中間成形品の少なくとも前記天板部の凸状外周縁部に対応して形成されるダイ肩R部の曲げ半径を前記目標形状のプレス成形品のダイ肩R部の曲げ半径よりも大きくなるように成形することを特徴とするものである。
(2)また、上記(1)に記載のものにおいて、前記第1成形工程は、絞り成形又は曲げ成形を適用し、前記第2成形工程は、曲げ成形を適用することを特徴とするものである。
(3)また、上記(1)又は(2)に記載のものにおいて、前記金属板を、引張強度が590MPa級以上の鋼板とすることを特徴とするものである。
(4)本発明に係るプレス成形品の製造方法は、外周縁又はその一部が外方に向かって凸状に湾曲した凸状外周縁部を有する天板部と、該天板部にパンチ肩R部を介して連続する縦壁部と、該縦壁部にダイ肩R部を介して連続するフランジ部とを有するプレス成形品を製造する方法であって、金属板を中間成形品に成形する第1成形工程と、該第1成形工程で成形した前記中間成形品を目標形状の前記プレス成形品に成形する第2成形工程とを備え、前記第1成形工程は、前記中間成形品の少なくとも前記天板部の凸状外周縁部に対応して形成されるダイ肩R部の曲げ半径を前記目標形状のプレス成形品のダイ肩R部の曲げ半径よりも大きくなるように成形することを特徴とするものである。
本発明においては、金属板を中間成形品に成形する第1成形工程と、中間成形品を目標形状のプレス成形品に成形する第2成形工程とを備え、第1成形工程において、中間成形品のダイ肩R部の曲げ半径を目標形状のプレス成形品のダイ肩R部の曲げ半径よりも大きくなるように成形することにより、縮みフランジ成形によって生じるフランジ部のしわを十分に抑制できる。これにより、しわのない良好な形状のプレス成形品が得られ、プレス成形における歩留まり向上に繋がる。
また、パンチとダイでブランクの端部を挟持する必要がないので、従来のトリミング工程を必須としない。
さらに、しわ押さえも必要としないので、曲げ成形にも適用可能である。
本発明の一実施の形態に係るプレス成形方法の説明図である。 実施の形態で対象とした部品(目標形状)の説明図であり、図2(a)は斜視図、図2(b)は平面図である。 図3(a)は従来例の方法で目標形状に成形した場合の成形下死点の状態を示す図であり、図3(b)は実施の形態の第1成形工程で中間成形品を成形した場合の成形下死点の状態を示す図である。 図3(a)の目標形状に成形した下死点と図3(b)の中間成形品に成形した下死点との平面視した外周ラインを重ねて示した平面図である。 実施の形態に係る第2成形工程の説明図である。 第1成形工程でプレス成形した中間成形品の板厚増加率分布を示す図である。 第2成形工程で目標形状にプレス成形したプレス成形品の板厚増加率分布を示す図である。 図6の中間成形品の板厚増加率分布と図7の目標形状にプレス成形したプレス成形品の板厚増加率分布を比較する図である。 図2に示す部品を従来例の方法でプレス成形する場合の課題を説明する図である。
本実施の形態に係るプレス成形方法が対象とするプレス成形品について、図2に基づいて説明する。なお、図2は、プレス成形品の一部を示したものである。図2に示すプレス成形品1は、天板部3と、縦壁部5と、フランジ部7を有するものであって、天板部3の外周縁の一部が外方に向かって凸状に湾曲した部位(以下、「凸状外周縁部3a」という)を有するものである。なお、凸状外周縁部3aと他の部位との境界は、例えば天板部3を平面視したときの凸状外周縁部3aのR止まりまでとする。
また、天板部3と縦壁部5の境界部はプレス成形に用いたパンチの肩部の形状に対応したR形状となっているので、本明細書において単に「パンチ肩R部」と表記したときにはプレス成形品1側の当該部位を指す。同様に、縦壁部5とフランジ部7の境界部はダイの肩部の形状に対応したR形状となっているので、単に「ダイ肩R部」と表記したときにはプレス成形品1側の当該部位を指す。これらの部位については後述にて詳しく説明する。
まず、本実施の形態に係るプレス成形方法を説明するに先立って、従来の方法で図2のようなプレス成形品1をプレス成形する場合の問題点について図9を用いて説明する。図9は、従来の方法でプレス成形品1をプレス成形した場合についてFEM解析した結果であり、板厚増加率の分布を色の濃淡で示している。板厚増加率は、プレス成形後のプレス成形品の板厚とプレス成形前のブランクの板厚との差(板厚増分)を求め、ブランクの板厚との比(割合)で表したものであり、値が大きいほど板厚が増加していることを表している。
図2のようなプレス成形品1をプレス成形する場合、天板部3の凸状外周縁部3aに対応する縦壁部5とフランジ部7は、縮みフランジ成形となって材料が集中し、しわが発生しやすい。図9の例の場合、最も板厚が増加したのは図中の矢印で示すフランジ部7の端部であり、最大板厚増加率は+12.5%であった。このように、局所的に板厚が増加することで当該部分にしわが生じ、問題となっていた。
そこで、従来は、フランジ部7にしわ押さえを活用して、板厚方向の座屈を防ぐ手段が取られていたが、必ずしも十分ではなかった。また、しわ押さえを使用すると絞り成形となって、曲げ成形を適用できないという課題もあった。
そこで、フランジ部7に生じるしわの発生を従来よりも低減しつつ、曲げ成形も適用できるようにしたのが、本実施の形態のプレス成形方法である。
具体的には、本実施の形態に係るプレス成形方法は、図2に一例を示したような、外周縁の一部が外方に向かって凸状に湾曲した凸状外周縁部3aを有する天板部3と、天板部3にパンチ肩R部を介して連続する縦壁部5と、縦壁部5にダイ肩R部を介して連続するフランジ部7とを有するプレス成形品1を成形する方法であって、図1に示すように、金属板であるブランク13を中間成形品17に成形する第1成形工程と、中間成形品17を目標形状であるプレス成形品1に成形する第2成形工程を備えている。図1は、各工程における図2(b)のA-A´断面に相当する部分の成形前の状態を示している。
なお、該プレス成形方法を実行することによって、プレス成形品1が製造されるので、プレス成形方法の発明は、プレス成形品の製造方法の発明として構成することができる。したがって、以下に説明するプレス成形方法の実施の形態は、プレス成形品の製造方法の実施の形態と共通するものである。
以下、各工程を詳細に説明する。
<第1成形工程>
第1成形工程は、金属板であるブランク13を下記に説明する中間成形品17にプレス成形する工程である。第1成形工程で成形する中間成形品17は、縮みフランジ成形によって形成される縦壁部5とフランジ部7の境界部のダイ肩R部の形状が目標形状と異なっている。この点ついて、以下、具体的に説明する。
第1成形工程においては、図1(a)に示すように、パンチ9の上面とパッド11でブランク13の一部を挟持した状態でパンチ9に対してダイ15を相対的に移動させて中間成形品17を成形する。ダイ15の成形面部は、肩部15aを除いて目標形状に対応した形状となっているが、肩部15aの曲率半径R1は、第2成形工程で目標形状を成形するダイ21の肩部21aの曲率半径R0よりも大きい(R0<R1)。
上記のような金型を用いて第1成形工程を実施したときの本発明に関わる中間成形品17の形状について、図3に一例を示して説明する。
図3(a)は、従来の方法で図2の目標形状を成形した場合のA-A´断面に相当する部分の成形下死点の状態を示したものであり、図3(b)は、本実施の形態の第1成形工程で中間成形品17を成形した場合のA-A´断面に相当する部分の成形下死点の状態を示したものである。なお、図3(a)の従来例の金型は、図1(b)に示した第2成形工程に用いる金型と同形状であるので、同一の符号を付す。また、図3(a)、図3(b)においてはダイの図示を省略している。
図3(a)、図3(b)に示すように、目標形状及び中間成形品17における天板部3と縦壁部5の境界部はパンチ19の肩部19a又はパンチ9の肩部9aに沿ったR形状となる部分である。したがって、目標形状及び中間成形品17におけるこの部分をパンチ肩R部23という。同様に、縦壁部5とフランジ部7の境界部はダイ21の肩部21a又はダイ15の肩部15a(図1参照)に沿ったR形状となる部分であるので、目標形状及び中間成形品17におけるこの部分をダイ肩R部25という。
第1成形工程においては、図1(a)に示した金型を用いることにより、図3(b)に示すように、中間成形品17のダイ肩R部25の曲げ半径が目標形状のダイ肩R部25(図3(a))の曲げ半径よりも大きくなるように成形する。
図3の例においては、目標形状のダイ肩R部25の曲げ半径をR4mmとし、これに対する中間成形品17のダイ肩R部25の曲げ半径をR10mmとした。
上記のようにすることで、成形下死点における中間成形品17のパンチ肩R部23の縦壁部5側のR止まりからブランク端部までの距離aが、目標形状の距離aよりも長くなる。具体的には、図3(a)の目標形状の距離aが7.3mmであるのに対し、図3(b)の中間成形品17の距離aは9.5mmとなり、2.2mm長くなっている。
また、図3(a)の目標形状と図3(b)の中間成形品17の形状の違いを平面視で比較したものを図4に示す。図4は、目標形状及び中間成形品17を、天板部3を合わせて重ねた場合の外周ラインをそれぞれ示したものである。
図4においても図3と同様に、中間成形品17(発明例)のフランジ部7の端部が、目標形状(従来例)よりも2.2mm程外側に位置することがわかる。
上記のように、中間成形品17のダイ肩R部25の曲げ半径を大きくしたことにより、縦壁部5及びフランジ部7の変形量が目標形状と比べて小さくなるので、中間成形品17の当該部位に縮みフランジ成形によるしわは生じにくくなる。
なお、中間成形品17のダイ肩R部25の曲げ半径を目標形状のダイ肩R部25の曲げ半径より大きくするのは、ダイ肩R部25の全長(縦壁部5とフランジ部7の稜線全長)に亘ってでもよいが、縮みフランジ成形となる部位のみでもよい。即ち、中間成形品17における少なくとも凸状外周縁部3aに対応する縦壁部5に連続して形成される部分のダイ肩R部25の曲げ半径を目標形状のダイ肩R部25の曲げ半径より大きくすればよい。
なお、目標形状のダイ肩R部25の曲げ半径に対して、中間成形品17のダイ肩R部25の曲げ半径を1.2倍から5倍とするとよい。さらに、1.2倍から3倍にするとさらによい。これは、後述する第2成形工程での縮みフランジ成形開始時点で、パンチ19とダイ21の隙間を最適化するためである。
<第2成形工程>
第2成形工程は、第1成形工程で成形した中間成形品17を目標形状のプレス成形品1に成形する工程である。前述したように、第2成形工程で用いる金型であるパンチ19及びダイ21は、ダイ肩R部25の成形部位を除いて第1成形工程で用いた金型であるパンチ9及びダイ15と同じ形状である。したがって、本工程は、同じ金型で成形品を再プレスしてスプリングバックの低減を図る「リストライク」も兼ねるものである。
第2成形工程においては、図1(b)に示すように、中間成形品17のパンチ肩R部23をパンチ19の肩部19aに合わせてセットし、パンチ19とパッド11で中間成形品17の天板部3を挟持した状態でダイ21を下降させて目標形状であるプレス成形品1に成形する。ダイ21は目標形状に対応した形状となっており、前述したように、ダイ21の肩部21aの曲率半径R0は、第1成形工程で用いたダイ15の肩部15aの曲率半径R1よりも小さい。(R0<R1)。
パンチ19とダイ21を用いて中間成形品17の凸状外周縁部3aに対応した縦壁部5とフランジ部7を目標形状に成形する際、当該部位は縮みフランジ成形となるが、第2成形工程の縮みフランジ成形においてもしわの発生を抑制できる。その理由について図5に基づいて説明する。
図5は、第2成形工程の成形過程におけるダイ肩R部25の外観の変化と、図2のA-A´断面に相当する部分の成形過程の様子を示したものである。「5mmup」等の数値はダイ21の成形下死点までの中間成形品17の板厚を考慮した距離である。したがって、「5mmup」のときのパンチ19とダイ21のプレス成形方向の隙間は中間成形品17の板厚+5mmとなる。数値が小さくなるほどダイ21がパンチ19に近づいて成形が進み、「0mmup」で成形下死点の状態となる。
本実施の形態の第2成形工程において、中間成形品17をパンチ19の上面にセットして、ダイ21を下降させると、図5に示すように、成形下死点より1mm手前の時点(1mmup)からダイ肩R部25が成形され始めた。
ダイ肩R部25が目標形状に成形されるとき、当該部位は縮みフランジ成形となるが、縮みフランジ成形が始まった時点でパンチ19とダイ21の隙間は板厚+1mmと非常に小さく、以降、成形下死点までさらに隙間は小さくなっていくため、材料が局所的に集中しにくい。したがって、第2成形工程においてもフランジ部7の端部にしわが生じにくい。
上述した本実施の形態の効果を図6、図7に基づいて具体的に説明する。
図6は、本実施の形態の第1成形工程で成形した中間成形品17の板厚増加率の分布を示したものである。なお、板厚増加率及び色の濃淡については図9と同様である。
図6に示すように、図9の従来例の最大板厚増加率が+12.5%であるのに対し、本実施の形態の中間成形品17の最大板厚増加率は+6.5%であり、縮みフランジ成形となる部位の板厚増加を半減できた。
次に、図6の中間成形品17を第2成形工程で目標形状に成形した場合の板厚増加率の分布を図7に示す。
図7に示すように、本実施の形態の第2成形工程後の最大板厚増加率は+7.3%であり、中間成形品17の最大板厚増加率からわずか0.8%増加したのみであった。このように、最終成形品を比較した場合においても、本実施の形態のプレス成形方法で製造したプレス成形品1は、従来の方法でプレス成形したプレス成形品1よりも縮みフランジ成形となる部位の板厚の増加を十分に低減しており、当該部位のしわの発生を抑制できることがわかる。
また、第2成形工程において中間成形品17のダイ肩R部25を目標形状の曲げ半径に成形するとき、パンチ19とダイ21の隙間が非常に小さいことで、材料が局所的に集中しにくいことを説明したが、この効果についても確認したので図8を用いて説明する。
図8(a)は第1成形工程の成形下死点における中間成形品17の板厚増加率の分布であり、図8(b)は第2成形工程の成形下死点におけるプレス成形品1の板厚増加率の分布である。板厚増加率の分布は図6、図7よりも小さいレンジで示している。
図8(a)、図8(b)に示すように、第2成形工程では、板厚の増加が第1成形工程よりも広い範囲に分散している。これは第2成形工程時の縮みフランジ成形におけるひずみが広範囲に分散して生じていることを示しており、これによって、局所的な板厚増加が生じず、しわの発生が抑制できる。
上記のように、本実施の形態では、第1成形工程で縮みフランジ成形となる部位のダイ肩R部25の曲げ半径を目標形状よりも大きく成形してから第2成形工程で目標形状に成形することで、局所的な板厚増加の問題を解消し、しわの発生を抑制できる。
さらに、パンチとダイでブランクの端部を挟持する必要がないので、特許文献1に示す従来例のようにトリミング工程を必須としない。
また、前述したように、本実施の形態のプレス成形方法は、しわ押さえを用いることなくフランジ部7のしわを抑制することができるので、曲げ(フォーム)成形によるプレス成形に適用できる。即ち、中間成形品17を成形する第1成形工程で絞り成形又は曲げ成形を適用し、目標形状を成形する第2成形工程で曲げ成形を適用する場合に特に効果的である。
さらに、本実施の形態のプレス成形方法は、縮みフランジ成形によってしわが生じやすい高強度鋼板を用いる場合に特に効果的である。例えば、金属板(ブランク)を、引張強度が590MPa級以上の鋼板としてもよく、その場合も十分なしわの低減効果を奏することができる。
なお、上記プレス成形方法の各工程を実行することにより、目標とするプレス成形品が製造でき、製造されたプレス成形品は上述の通り、しわが抑制されたものとなる。
本発明のプレス成形方法における縮みフランジ成形しわの抑制効果について、FEM解析を用いて具体的な検討を行ったので、その結果について以下に説明する。
本実施例では、板厚1.0mm、引張強度が980MPa級の鋼板をブランクとして用い、図2のプレス成形品1を目標形状としてプレス成形する場合について確認した。なお、目標形状のダイ肩R部25の曲げ半径は4mmとした。
金属板を1工程で目標形状に成形する従来例と、金属板を2工程で目標形状に成形する本発明例についてFEM解析を実施し、縮みフランジ成形部位における最大板厚増加率を求めた。なお、本発明例は、中間成形品17のダイ肩R部25の曲げ半径を変更して複数例実施した。その結果を表1に示す。
Figure 2023117362000002
No.1は、金属板から1工程で直接目標形状に成形する従来例である。
No.2~No.5は、金属板を中間成形品17に成形する1工程目(実施の形態の第1成形工程)、中間成形品17を目標形状に成形する2工程目(実施の形態の第2成形工程)の2工程で行った本発明例である。本発明例では中間成形品17のダイ肩R部25の曲げ半径を6mm、8mm、10mm、12mmの4パターンに変更して実施した。
表1に示すように、No.1の従来例では、プレス成形品1の最大板厚増加率が12.5%であった。これに対し、1工程目のダイ肩R部25の曲げ半径を6mmとした本発明例のNo.2は、1工程目の最大板厚増加率が7.4%、2工程目の最大板厚増加率が8.2%であり、No.1の従来例と比較して板厚増加率を低減できた。
また、1工程目のダイ肩R部25の曲げ半径を8mmとした本発明例のNo.3においても、1工程目の最大板厚増加率が7.4%、2工程目の最大板厚増加率が8.2%であり、No.2と同様に板厚増加率を低減できた。
さらに、1工程目のダイ肩R部25の曲げ半径を10mmとした本発明例のNo.4は、1工程目の最大板厚増加率が6.5%、2工程目の最大板厚増加率が7.3%であり、No.2、No.3よりさらに板厚増加率を低減できた。
そして、1工程目のダイ肩R部25の曲げ半径を12mmとした本発明例のNo.5は、1工程目の最大板厚増加率が5.2%となり他の発明例よりさらに低減したが、2工程目の最大板厚増加率では8.9%となり、従来例より低減したものの、他の発明例より増加した。
したがって、本実施例においては、No.4の例が最も板厚増加率を低減できることがわかった。
上記のように、中間成形品のダイ肩R部の曲げ半径を大きくするほど、第1成形工程における板厚増加が低減されるが、一方で、第2成形工程で板厚が増加しやすくなる。これは、中間成形品のダイ肩R部の曲げ半径が大きいほど、第2成形工程におけるダイ肩R部の成形開始時期が早まるので、ダイ肩R部の成形開始時点でのパンチとダイの隙間が大きくなってしわ抑制効果が低下するからである。
したがって、中間成形品のダイ肩R部の曲げ半径が大きすぎると、第2成形工程においてパンチとダイの隙間が十分小さくなる前にダイ肩R部の成形が開始されて、材料の局所的な集中を抑制しにくい場合があるので、第1成形工程、第2成形工程の双方でバランスよくしわ抑制効果が得られるように中間成形品のダイ肩R部の曲げ半径を設定するのが好ましい。
1 プレス成形品(目標形状)
3 天板部
3a 凸状外周縁部
5 縦壁部
7 フランジ部
9 パンチ(第1成形工程)
9a 肩部
11 パッド
13 ブランク(金属板)
15 ダイ(第1成形工程)
15a 肩部
17 中間成形品
19 パンチ(第2成形工程、従来例)
19a 肩部
21 ダイ(第2成形工程)
21a 肩部
23 パンチ肩R部
25 ダイ肩R部

Claims (4)

  1. 外周縁又はその一部が外方に向かって凸状に湾曲した凸状外周縁部を有する天板部と、該天板部にパンチ肩R部を介して連続する縦壁部と、該縦壁部にダイ肩R部を介して連続するフランジ部とを有するプレス成形品を成形するプレス成形方法であって、
    金属板を中間成形品に成形する第1成形工程と、
    該第1成形工程で成形した前記中間成形品を目標形状の前記プレス成形品に成形する第2成形工程とを備え、
    前記第1成形工程は、前記中間成形品の少なくとも前記天板部の凸状外周縁部に対応して形成されるダイ肩R部の曲げ半径を前記目標形状のプレス成形品のダイ肩R部の曲げ半径よりも大きくなるように成形することを特徴とするプレス成形方法。
  2. 前記第1成形工程は、絞り成形又は曲げ成形を適用し、
    前記第2成形工程は、曲げ成形を適用することを特徴とする請求項1記載のプレス成形方法。
  3. 前記金属板を、引張強度が590MPa級以上の鋼板とすることを特徴とする請求項1又は2に記載のプレス成形方法。
  4. 外周縁又はその一部が外方に向かって凸状に湾曲した凸状外周縁部を有する天板部と、該天板部にパンチ肩R部を介して連続する縦壁部と、該縦壁部にダイ肩R部を介して連続するフランジ部とを有するプレス成形品の製造方法であって、
    金属板を中間成形品に成形する第1成形工程と、
    該第1成形工程で成形した前記中間成形品を目標形状の前記プレス成形品に成形する第2成形工程とを備え、
    前記第1成形工程は、前記中間成形品の少なくとも前記天板部の凸状外周縁部に対応して形成されるダイ肩R部の曲げ半径を前記目標形状のプレス成形品のダイ肩R部の曲げ半径よりも大きくなるように成形することを特徴とするプレス成形品の製造方法。
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