JP2023116347A - アンテナ装置、及び、電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属メッシュで実現され、モアレの抑制とアンテナ特性の改善とを両立可能なアンテナ装置を提供する。【解決手段】アンテナ装置は、第1絶縁体基板の表面に設けられ金属メッシュ製のアンテナエレメントと、第1絶縁体基板の表面に設けられ金属メッシュ製で第1端部とアンテナエレメントの給電部に接続される第2端部との間で延在する給電線路とを含み、表面に含まれ直交する第1軸及び第2軸に対して給電線路は第1端部から第2軸方向に延在し、第1絶縁体基板は表示装置の表示面側に設けられ、表示装置が有する複数の画素は第1軸方向及び第2軸方向に沿って配列されており、アンテナエレメント及び給電線路の金属メッシュは第1軸方向における第1長さと第2軸方向における第2長さとを有するセルを複数含み、複数のセルを構成する金属細線の延在方向は第1軸方向及び第2軸方向に対して角度を有し、第1長さよりも第2長さの方が長い。【選択図】図7

Description

本開示は、アンテナ装置、及び、電子機器に関する。
従来より、基板の表面に設けられたアンテナエレメントにコプレーナ線路を接続し、アンテナエレメント及びコプレーナ線路を透明導体で形成したアンテナ装置をディスプレイの上に搭載したアンテナ・オン・ディスプレイがある。透明導体は、人間が目視できない程度に微細な金属メッシュである。金属メッシュの形状は菱形であり、菱形形状は、コプレーナ線路の延在方向に沿った長さの方が、平面視でコプレーナ線路の延在方向に垂直な幅方向に沿った長さよりも長い(例えば、非特許文献1参照)。
An Optically Invisible Antenna-on-Display Concept for Millimeter-Wave 5G Cellular Devices, IEEE TRANSACTIONS ON ANTENNAS AND PROPAGATION, VOL. 67, NO. 5, MAY 2019
ところで、従来のアンテナ装置に関しては、表示装置の画素の配列方向と金属メッシュの菱形形状との具体的な関係については記載されていない。また、菱形形状について、コプレーナ線路の延在方向に沿った長さの方をコプレーナ線路の幅方向に沿った長さよりも長くすることについての利点及び理由等に関する記載もない。
そこで、金属メッシュで実現され、モアレの抑制とアンテナ特性の改善とを両立可能なアンテナ装置、及び、電子機器を提供することを目的とする。
本開示の実施形態のアンテナ装置は、第1絶縁体基板と、前記第1絶縁体基板の表面に設けられ、金属メッシュで形成されたアンテナエレメントと、前記第1絶縁体基板の前記表面に設けられ、金属メッシュで形成される給電線路であって、第1端部と、前記アンテナエレメントの給電部に接続される第2端部との間で延在する給電線路とを含み、前記表面に含まれ直交する第1軸及び第2軸に対して、前記給電線路は、前記第1端部から前記第2軸方向に延在しており、前記第1絶縁体基板は、表示装置の表示面側に設けられており、前記表示装置が有する複数の画素は、前記第1軸方向及び前記第2軸方向に沿って配列されており、前記アンテナエレメント及び前記給電線路の前記金属メッシュは、前記第1軸方向における第1長さと、前記第2軸方向における第2長さとを有するセルを複数含み、前記複数のセルを構成する金属細線の延在方向は、前記第1軸方向及び前記第2軸方向に対して角度を有し、前記第1長さよりも前記第2長さの方が長い。
金属メッシュで実現され、モアレの抑制とアンテナ特性の改善とを両立可能なアンテナ装置、及び、電子機器を提供できる。
ディスプレイモジュールDを搭載した電子機器200におけるアンテナ装置100の位置の一例を示す全体図である。 図1の電子機器200のA-A矢視断面の構成の一例を示す図である。 ディスプレイモジュールDの断面の構成の一例を示す図である。 アンテナ装置100の構成の一例を示す斜視図である。 アンテナ装置100を分解した状態の一例を示す図である。 アンテナ装置100の透明導体30の構成の一例を示す図である。 X方向の長さX30AよりもY方向の長さY30Aの方が長い理由を説明する例示的な図である。 アンテナ装置100のS11パラメータの周波数特性の一例を示す図である。 アンテナ装置100のYZ平面における指向性の一例を示す図である。 透明導体30のセルの形状と効率及びピークゲインとの関係の一例を示す図である。 実施形態の変形例のセル30MA1の構成の一例を示す図である。 実施形態の変形例のセル30MA2の構成の一例を示す図である。
以下、本開示のアンテナ装置、及び、電子機器を適用した実施形態について説明する。以下では、同一の要素に同一の符号を付して、重複する説明を省略する場合がある。
以下では、XYZ座標系を定義して説明する。X軸に平行な方向(X方向)、Y軸に平行な方向(Y方向)、Z軸に平行な方向(Z方向)は、互いに直交する。また、以下では、説明の便宜上、-Z方向側を下側又は下、+Z方向側を上側又は上と称す場合がある。また、平面視とはXY面視することをいう。また、以下では構成が分かりやすくなるように各部の長さ、太さ、厚さ等を誇張して示す場合がある。また、平行、直角、直交、水平、垂直、上下等の文言は、実施形態の効果を損なわない程度のずれを許容するものとする。
<実施形態>
<電子機器200>
図1及び図2を用いて本開示のアンテナ装置100を含むディスプレイモジュールDが搭載される通信装置の一例である電子機器200の構成について説明する。図1は、ディスプレイモジュールDを搭載した電子機器200におけるアンテナ装置100の位置の一例を示す全体図である。図2は、図1の電子機器200のA-A矢視断面の構成の一例を示す図である。
図1、図2では、X方向は電子機器200の縦方向(機器の長手方向)、Y方向は電子機器200の横方向(機器の短手方向)、Z方向は電子機器200の高さ方向を指している。以下では、XYZ座標系を定義して説明する。また、説明の便宜上、平面視とはXY面視をいい、+Z方向側を上側、-Z方向側を下側とする上下方向と、上下方向に対する横方向(側方)とを用いて説明するが、普遍的な上下方向と横方向を表すものではない。
また、平行、直角、直交、水平、垂直、上下、左右等の方向には、実施の形態における開示の効果を損なわない程度のずれが許容される。また、X方向、Y方向、Z方向は、それぞれ、X軸に平行な方向、Y軸に平行な方向、Z軸に平行な方向を表す。X方向とY方向とZ方向は、互いに直交する。XY平面、YZ平面、ZX平面は、それぞれ、X方向及びY方向に平行な仮想平面、Y方向及びZ方向に平行な仮想平面、Z方向及びX方向に平行な仮想平面を表す。X軸、Y軸、Z軸は、それぞれ、第1軸、第2軸、第3軸の一例であり、X方向、Y方向、Z方向は、それぞれ、第1軸方向、第2軸方向、第3軸方向の一例である。
電子機器200は、例えば、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ノートブック型PC(Personal Computer)等の情報処理端末機である。また、電子機器200は、これらに限られず、例えば、柱や壁等の構造物、デジタルサイネージ、電車内のディスプレイパネルを含む電子機器、又は、車両の中の様々なディスプレイパネルを含む電子機器等であってもよい。
図1及び図2に示すように、電子機器200の上面全体、または上面の少なくとも一部は表示機能を実行可能なディスプレイモジュールDが配置されている。そして、アンテナ装置100は、ディスプレイパネル220上のタッチパネル230の上側に配置されている。アンテナ装置100の上側は、透明カバー240を介して電子機器200の外から見えており、アンテナ装置100を介して外側からディスプレイパネル220を視認可能なように、透明である。ディスプレイパネル220は、表示装置の一例である。ディスプレイパネル220の表示面は、ディスプレイパネル220の+Z方向側の表面である。
図2を参照して、電子機器200において、ディスプレイパネル220、タッチパネル230、アンテナ装置100、及び透明カバー240を、合わせてディスプレイモジュールD(表示モジュールともいう)とする。
電子機器200は、ディスプレイモジュールDの他に、筐体210、配線基板250、電子部品260A、260B、260C、260D及びバッテリー270等を含む。
図1、図2では、アンテナ装置100が搭載される電子機器200は、スマートフォンである例を示しているが、アンテナ装置100が搭載される電子機器は、筐体210、透明カバー240、及びディスプレイパネル220を含む電子機器であれば、他の構成であってもよい。また、電子機器200はタッチパネル230を設けない機器であってもよい。
筐体210は、例えば金属製及び/又は樹脂製のケースであり、電子機器200の下面側及び側面側を覆っている。筐体210は、周壁の上端となる開口端211を有し、開口端211には、透明カバー240が取り付けられている。筐体210は、開口端211に連通する内部空間である収納部212を有し、収納部212には、配線基板250、電子部品260A~260D及びバッテリー270等が収納されている。
カバーガラスの一例である透明カバー240は、最上面に設けられる透明なガラス板であり、平面視で筐体210の開口端211に合わせられたサイズを有する。透明カバー240は、本例では、大半が平面で、横方向(±Y方向)の両端部が緩やかに下側に湾曲した形状のガラス板である例を示すが、横方向において平板状のガラス板であってもよい。あるいは、透明カバー240は、電子機器200の縦方向(±X方向)においても両端部が緩やかに下側に湾曲した形状であってもよい。ここでは、透明カバー240がガラス製である形態について説明するが、透明カバー240は、樹脂製であってもよい。
透明カバー240が筐体210の開口端211に取り付けられることにより、筐体210の収納部212は封止される。
透明カバー240の上面は、透明カバー240の外表面の一例であり、透明カバー240の下面は、透明カバー240の内表面の一例である。透明カバー240の内表面側には、アンテナ装置100及びタッチパネル230が設けられる。透明カバー240は透明であるため、電子機器200の外部からは、透明カバー240を介して内部に設けられるタッチパネル230及びディスプレイパネル220が見える。
配線基板250には、電子部品260A~260Cが実装される。配線基板250には、アンテナ装置の給電線路120(図5参照)から伸びる、図2点線で示す給電線路等が接続される。配線基板250と、アンテナ装置100の給電線路120とは、コネクタやACF(Anisotropic Conductive Film)等を用いて接続されていてもよく、その他の構成要素を用いて接続されていてもよい。
電子部品260Aは、一例として、配線基板250の配線を介してアンテナ装置100の給電線路120に接続されており、アンテナ装置100を介して送信又は受信する信号の処理を行う通信モジュールである。また、中央の電子部品260Bは、例えば、カメラである。
電子部品260C、260Dは、一例として、電子機器200の動作に関連する情報処理等を行う部品であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、入出力インターフェース、及び内部バス等を含むコンピュータによって実現される。
バッテリー270は、充電可能な二次電池であり、ディスプレイモジュールD、及び電子部品260A~260D等の動作に必要な電力を供給する。
<ディスプレイモジュールD>
次に、ディスプレイモジュールDにおけるアンテナ装置100の位置を説明する。図3は、ディスプレイモジュールDの断面の構成の一例を示す図である。
図2では記載を省略しているが、図3に示すようにディスプレイモジュールDは、タッチパネル230と透明カバー240との間に、偏光板(ポラライザ)280を有している。また、図2では、1つの部材で示しているが、アンテナ装置100は、偏光板280を挟むように、第1の透明基板101と、第2の透明基板102の2つの基板によって構成されている。第1の透明基板101は第1絶縁体基板の一例であり、第2の透明基板102は第2絶縁体基板の一例である。第1の透明基板101の上面(+Z方向側の表面)は表面の一例である。第2の透明基板102は、第1の透明基板101よりもディスプレイパネル220側に設けられている。
接着層としては、上側から下側に向けて、第1の接着層291、第2の接着層292、第3の接着層293、及び第4の接着層294が設けられている。第1の接着層291乃至第4の接着層294は、透明光学粘着剤OCA(Optical Clear Adhesive)で構成されている。
図3では、タッチパネル230は、接着層を設けずにディスプレイパネル220の表面上に直接形成された「オンーセルタッチパネル用金属細線層」である例を示している。しかし、タッチパネル230と、ディスプレイパネル220との間に、接着層を設けてもよい。
なお、図2、図3は、ディスプレイモジュールDにおいて、タッチパネル230を設ける例を示しているが、電子機器200に搭載されるディスプレイモジュールDにおいて、タッチパネル230は搭載されていなくてもよい。
ディスプレイパネル220は、例えば、液晶ディスプレイパネル、有機EL(Electro-luminescence)、又は、OLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイパネルであり、いずれの構成でも、ディスプレイモジュールDの最も下側に配置される。
なお、ディスプレイモジュールDにおいて、図1のようにアンテナ装置100は部分的に設けられるため、アンテナ装置100が設けられる領域については、他の部分よりも、タッチパネル230、偏光板280、又は/及び第1乃至第4の接着層291~294を薄くしたり、あるいは、偏光板280、又は/及び第1乃至第4の接着層291~294を設けない構造にしたりしてもよい。これにより、ディスプレイモジュールDにおいて、アンテナ装置100の部分だけが盛り上がることを防止することができる。
また、アンテナ装置100が厚すぎると、アンテナ装置100のエッジ部が視認できたり、第1乃至第4の接着層291~294との境界に空気が混入しやすくなるおそれがある。アンテナ装置100の第1の透明基板101及び第2の透明基板102の厚さはそれぞれ300μm以下が好ましく、150μm以下がさらに好ましく、100μm以下が特に好ましい。また、ハンドリング容易性の観点から、アンテナ装置100のそれぞれの透明基板101、102の厚さは10μm以上が好ましく、50μm以上がさらに好ましい。
さらに、アンテナ装置100において、第1の透明基板101と第2の透明基板102は、±X方向及び±Y方向において基板の大きさが異なっていてもよい。また、アンテナ装置100を構成する透明基板101、102の基板の厚さは同じであっても異なっていてもよいが、異なっている場合は、第1の透明基板101の厚さt1<第2の透明基板102の厚さt2の関係であると好適である。
また、アンテナ装置100は、後述するように、第1の透明基板101と第2の透明基板102は配線では接続せずに、交流的に接続される。第2の接着層292、偏光板280、及び第3の接着層293は、第1の透明基板101と第2の透明基板102とに挟まれる誘電体として機能する。第2の接着層292、偏光板280、及び第3の接着層293の誘電率εは、第1の透明基板101の誘電率ε1と第2の透明基板102の誘電率ε2の間の範囲内であると好適である。
また、図1、図2では、ディスプレイモジュールDは、±Y方向の両端部が、緩やかに曲面の形状である例を示したが、ディスプレイモジュールDは、端部が曲がらない、平面形状であってもよい。その場合は、アンテナ装置100も、平面形状であってもよい。なお、アンテナ装置100が部分的に曲面になる場合は、後述する伝送領域が曲面形状になる。
<アンテナ装置の構成例>
次に図3に加えて図4乃至図6を用いてアンテナ装置100の構成の一例について説明する。図4は、アンテナ装置100の構成の一例を示す斜視図である。図5は、アンテナ装置100を分解した状態の一例を示す図である。図5の(A)は第1の透明基板101の+Z方向から見た上面図であり、図5の(B)は第1の透明基板101の-Z方向から見た下面図である。また、図5の(C)は第2の透明基板102の+Z方向から見た上面図であり、図5の(D)は第2の透明基板102の-Z方向から見た下面図である。なお、図1のようにアンテナ装置100の一部がカーブに沿って配置される場合においても、図4では、アンテナ装置100を折り曲げる前の状態をXY平面に平行に示す。
アンテナ装置100は、第1の透明基板101の上面(表面)にアンテナエレメント110、及び給電線路120が設けられている。アンテナエレメント110は、パッチ型のアンテナの一例である。そして、第2の透明基板102の下面(裏面)に、グランド層130が設けられている。なお、アンテナエレメント110及び給電線路120は、第1の透明基板101の下面に設けられていてもよい。
図3のように、第1の透明基板101と第2の透明基板102との間に、第2の接着層292、偏光板280、第3の接着層293が設けられている。図4に示す第1の透明基板101と第2の透明基板102との間の距離dsは、約150μmである。
さらに、図4に示すように、アンテナエレメント110は、第1の透明基板101の上面に設けられ、グランド層130は、第2の透明基板102の下面に設けられる。アンテナエレメント110とグランド層130の間の距離dmは、約500μmである。距離dmは100μm以上であり、200μm以上が好ましく、300μm以上がより好ましい。
図3に示したように、第2の透明基板102は、接着層294を挟んで、タッチパネル230又はディスプレイパネル220のすぐ上に配置される。そのため、偏光の方向に対する屈折率差(Δn)と基板の厚さ(d)の積(Δnd)であるリタデーションδ2は低い方が好ましい。一方、第1の透明基板101は、タッチパネル230又はディスプレイパネル220から離れているため、リタデーションδ1は低くなくてもよい。そのため、第1の透明基板101と第2の透明基板102におけるリタデーションは、δ1≧δ2の関係であると好適であり、δ1>δ2であってよい。
上記リタデーションを満たすべく、第1の透明基板101は、PET(ポリエチレンテレフタレート樹脂)又はCOP(シクロオレフィンポリマー)であり、第2の透明基板102は例えばCOPである。例えば、PETのリタデーションは、100μmの厚さで、5061.7nmであり、COPのリタデーションは、100μmの厚さで、3.77nmである。
上述のように、同じ厚さの場合、リタデーションは基板の素材に起因した複屈折率によって増減する値であり、画像の鮮明性等に影響を及ぼす量である。したがってリタデーションは可視光領域(波長380nm~780nm)の光を使用して評価する。
一方、誘電率はアンテナ特性に関する量である。したがって、誘電率は使用する電波の波長範囲で評価する。第2の透明基板102の誘電率ε2は第1の透明基板101の誘電率ε1より低いことが好ましい。ε2が低いことで、グランド層130の金属細線間のピッチは、電気長で考えると相対的に狭くなるため、グランド層130から下側への電波の漏洩が抑制される。例えば、第1の透明基板101を構成するPETの誘電率は、35GHzで3.31であり、第2の透明基板102を構成するCOPの誘電率は、35GHzで2.31である。
さらに、アンテナ装置100が無色透明であることを担保するために、各基板101、102の透過率は、80%以上であると好適であり、いずれの透明基板101、102も、Z方向及び/又はX方向に折り曲げ可能なフレキシブル基板である。
アンテナエレメント110は、第1の透明基板101のX方向の中央付近に設けられているパッチ型のアンテナエレメントである。アンテナエレメント110は、平面視で矩形状であり、給電部111と凹部112を有する。
凹部112は、アンテナエレメント110の-Y方向側でX方向に延在する端辺の中央部が+Y方向側に凹んだ部分であり、給電部111は、凹部112のX方向の中央に位置する。給電部111は、給電線路120の信号線路121Bに接続されており、凹部112は、信号線路121Bによって+X方向側と-X方向側に分断されている。
アンテナエレメント110は、第1の透明基板101の上面に設けられている。凹部112は、アンテナエレメント110の周辺部材の厚さや誘電率、および、パッチエレメントサイズから決定される放射抵抗と、給電線路インピーダンスの整合を取るために設けられる。
ここで、アンテナエレメント110のX方向の長さをX110、Y方向の実効的な長さをY110とする。X110は、アンテナエレメント110のX方向における全体の長さであり、Y110は、アンテナエレメント110の+Y方向側の端から給電部111までの長さである。アンテナエレメント110は、Y方向に励振するため、Y110は、アンテナエレメント110の励振方向における実効的な長さである。
アンテナ装置100の共振周波数f1(28GHz)における第1の透明基板101上での波長をλ(電気長)とすると、Y110は約0.5λの整数倍に設定され、X110は1.0λよりも小さい値に設定される。したがって、共振周波数f1でのアンテナ利得を向上させたい場合には、アンテナエレメント110の大きさを規定するX110、Y110を、例えば、それぞれ約2.5mmの±10%以内に調整するとよい。
また、給電線路120は、第1の透明基板101の長手方向端部(-Y方向側端部)に配置されている。給電線路120は、一例として、コプレーナーウェーブガイド(CPW)の区間と、マイクロストリップライン(MSL)の区間とを有する。給電線路120は、第1の透明基板101の上面において第1の透明基板101のX方向の中央で延在する信号線路121と、X方向において信号線路121を挟む面状のグランド部122、123とを有している。
信号線路121は、-Y方向側の信号線路121Aと、+Y方向側の信号線路121Bとを有する。信号線路121Aは、信号線路121のうちの-Y方向側の部分であり、信号線路121Bは、信号線路121のうちの+Y方向側の部分である。信号線路121の-Y方向側の端部121A1は、第1の透明基板101の-Y方向側でX方向に延在する端辺の近傍に位置し、第1端部の一例である。信号線路121Bの+Y方向側の端部121B1は第2端部の一例である。端部121B1は、アンテナエレメント110の給電部111に接続される。
信号線路121Aは、グランド部122、123に挟まれてコプレーナーウェーブガイドを構築する部分であり、信号線路121Bは、MLSを構築する部分である。信号線路121Bは、第2の透明基板102の下面のグランド層130と重なっていることによってマイクロストリップラインを構築する。なお、グランド層130は第2の透明基板102の下面の全体に設けられているため、信号線路121のうちの信号線路121Aもグランド層130と重なっている。
本構成例では、給電線路120を構成する信号線路121及びグランド部122、123のいずれも、第1の透明基板101の上面に設けられている。
給電線路120の信号線路121は、アンテナ装置100が電子機器200に組み込まれた際、配線基板250や、通信回路である電子部品260Aと電気的に接続され、電力が供給される。図4では、一例として、給電線路120は、-Y方向側の端部からY方向における約1/2の区間に設けられている構成を示すが、給電線路120は、-Y方向側の1/4~3/4程度の区間に設けられていてもよい。また、第1の透明基板101がさらに-Y方向側に延在する部分を有していてもよく、信号線路121の-Y方向側の端部121A1に、信号線路121よりも-Y方向側に位置し、金属メッシュではなく金属箔等で構成される信号線路が接続されていてもよい。
また、図4では、給電線路120の端部が、第1の透明基板101の端部(-Y側端部)まで延在する例を説明しているが、給電線路120の一部又は全部が第1の透明基板101の周縁よりも外側に位置していてもよい。また、給電線路120を柔軟に形成することにより、給電線路120がディスプレイモジュールDの側端や裏面に回り込んで、側面や裏面側で電気的に接続できるようにしてもよい。
一方、アンテナ装置100の下側の第2の透明基板102では、グランド層130は、第2の透明基板102の下面の全体に設けられている。
グランド層130は、+Y側において、少なくともアンテナエレメント110の領域全域をカバーし、さらにアンテナエレメント110の端部に対して、Y方向で+2.5mm、X方向で2.5mm余裕をもって配置されていると好適である。
図4、図5では、第1の透明基板101と、第2の透明基板102の縦、横のサイズが等しく(X101=X102、Y101=Y102)、上下方向において全て重なっている構成例を示したが、第1の透明基板101と第2の透明基板102との縦、横のサイズが異なっていてもよく、平面視で一部分のみが重なっている構成であってもよい。第1の透明基板101と第2の透明基板102とのサイズや位置がずれている場合は、少なくとも、X方向及びY方向において、第2の基板102のグランド層130がアンテナエレメント110と、給電線路120のグランド部122、123と重なっていればよい。
ここで、図4、図5でメッシュ状に示した、アンテナエレメント110、給電線路120、及びグランド層130は、図6に示す透明導体30で構成される。
<アンテナ装置の透明導体(金属細線層)>
図6は、アンテナ装置100の透明導体30の構成の一例を示す図である。透明導体30は、第1の透明基板101及び第2の透明基板102の最表面に形成されており、一例として、図4及び図5に示すアンテナエレメント110、給電線路120、及びグランド層130を構成するものとして用いられる。透明導体30は、人間の視力では確認が難しいほど光透過性が高い導体である。
透明導体30は、光透過性を高くするために、一例としてメッシュ状に形成されている導電線路の層であり、金属細線層である。図6に示すように、透明導体30を構成するメッシュ状の金属細線層は、一方の方向に延在する複数の金属細線31と、他方の方向に延在する複数の金属細線32が交差するように設けられて、網目状の隙間(目開き)である開口部(透孔)33が空いている。
透明導体30がメッシュ状に形成される場合、メッシュの開口部33は、菱形、又は、菱形以外の多角形であればよいが、ここでは開口部33が菱形の形態について説明する。透明導体30は複数の開口部33を有し、複数の開口部33は、基本的にすべて同一の形状であればよいが、アンテナエレメント110、給電線路120、又はグランド層130の外縁では、開口部33の形状は同一ではなくてもよい。図6には、開口部33の形状がすべて同一である部分を示す。
透明導体30は、複数のセル30Aを含む。各セル30Aは、1つの開口部33を有する。透明導体30に含まれる複数のセル30Aは、すべて同一の形状を有し、ここでは一例として、X方向の長さX30AよりもY方向の長さY30Aの方が長い。X方向の長さX30Aは第1軸方向における第1長さの一例であり、Y方向の長さY30Aは第2軸方向における第2長さの一例である。また、Y方向は、セル30Aの長手方向である。X方向の長さX30AよりもY方向の長さY30Aの方が長い理由については、図7を用いて後述する。
ディスプレイパネル220の画素は、X方向及びY方向に沿って配列されている。金属細線31及び32の延在方向は、X方向及びY方向に対して角度を有しているため、X方向及びY方向に対して斜めの方向である。ここで、金属細線31及び32の延在方向は、X方向及びY方向に対して角度を有するとは、絶対値で0度よりも大きい角度を有することである。金属細線31及び32の延在方向がディスプレイパネル220の画素の配列方向に対して角度を有することにより、モアレを抑制できる。なお、アンテナエレメント110、給電線路120、又はグランド層130の外縁では、金属細線31又は32がディスプレイパネル220の画素の配列方向に平行である部分があってもよい。
メッシュを構成する金属細線31、32それぞれの線幅w31、w32は、1~10μmが好ましく、1~5μmがさらに好ましい。線幅w31、w32は、金属細線31、32の延在方向に対して平面視で垂直な方向の幅である。また、セル30AのX方向の長さX30Aは、50μm~500μmが好ましく、100μm~400μmがさらに好ましい。ここでは一例としてX30Aは、100μmであることとする。また、セル30AのY方向の長さY30Aは、50μm~500μmが好ましく、100μm~400μmがさらに好ましい。ここでは一例としてY30Aは、200μmであることとする。
透明導体30におけるメッシュ全体に対する開口部33の面積の割合である開口率は、80%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。透明導体30の開口率を大きくするほど、透明導体30の可視光透過率を高くできる。
透明導体30がメッシュ状に形成される場合、透明導体30の厚さは、1~40μmであってよい。透明導体30がメッシュ状に形成されることにより、透明導体30が厚くても、可視光透過率を高くできる。透明導体30の厚さは、5μm以上がより好ましく、8μm以上がさらに好ましい。また、透明導体30の厚さは、30μm以下がより好ましく、20μm以下がさらに好ましく、15μm以下が特に好ましい。
なお、透明導体30において、メッシュ状の金属細線31、32の線幅(導体幅)w31、w32よりも、金属細線31、32の厚さ(Z方向の厚さ)は小さく設定される。アスペクト比が1を超えると、構造的にアンバランスになり、壊れやすく、また製造も困難なためである。ただし、金属細線31、32が厚いほどシート抵抗値を小さくすることができるため、アンテナの効率としては金属細線31、32が厚い方が良い。このため、金属細線31、32の厚さは金属細線31、32の線幅(導体幅)w31、w32より小さく、かつなるべく大きい値が好適である。
なお、透明導体30の金属細線31、32の導体材料としては銅が挙げられるが、他にも、銀、アルミニウム、クロム、ニッケル、金、白金、錫、鉄、等の金属材料を使用でき、また、これらの材料に限られない。
このような透明導体30で実現されるアンテナエレメント110、給電線路120及びグランド層130は、透明であり、人間の視力では確認が難しいほど光透過性が高く、かつ導体として機能することができる。また、これらの金属細線層を構成する透明導体30は、例えば、面抵抗が5Ω/sq以下であり、より好ましくは、1Ω/sq以下であり、さらに好ましくは0.5Ω/sq前後である。
ここで、図3に示したように、アンテナ装置100の上側の第1の透明基板101は、偏光板280よりも表面側に設けられる。そのため、第1の透明基板101に形成されるアンテナエレメント110及び給電線路120を構成する金属細線層は、可視光を反射しにくい、黒化処理をすると好適である。黒化処理では、金属細線の表面を、酸化銅(CuO)又は窒化銅(CuN)を含む材料でコーティングする。なお、偏光板280よりも内面側に設けられる第2の透明基板102の金属細線層であるグランド層130の金属細線に関しては、その加工はなくてもよい。
<X方向の長さX30AよりもY方向の長さY30Aの方が長い理由>
図7は、X方向の長さX30AよりもY方向の長さY30Aの方が長い理由を説明する例示的な図である。信号線路121には、電流がY方向に流れる。換言すれば、信号線路121における信号の伝送方向は、Y方向である。また、アンテナエレメント110の励振方向はY方向である。また、グランド層130には電流がY方向に流れるため、グランド層130における信号の伝送方向は、Y方向である。
セル30AのY方向の長さY30Aが、X方向の長さX30Aよりも長いと、Y方向において、アンテナエレメント110、給電線路120、及びグランド層130の等価インピーダンスが低くなり、電流が流れやすくなって、アンテナ装置100の放射効率が増大する。アンテナ装置100の放射効率が増大すると、アンテナ装置100のゲインが増大する。特に、給電線路120の信号線路121において、セル30AのY方向の長さY30AがX方向の長さX30Aよりも長いと、アンテナ装置100の放射効率が増大してゲインが増大することが分かった。長さX30A及びY30Aが100μmの正方形の開口部を有するセルが配列されている透明導体よりも、長さX30Aが100μmで長さY30Aが200μmの正方形の開口部33を有するセル30Aが配列されている透明導体30の方が、Y方向における金属細線31、32の長さが短くなるためと考えられる。
このような理由から、アンテナ装置100では、アンテナエレメント110、給電線路120、及びグランド層130を構成する透明導体30のセル30AのY方向の長さY30AをX方向の長さX30Aよりも長く設定している。
また、図7において、アンテナエレメント110の-Y方向側の端部と、グランド部122、123の+Y方向側の端部との間の距離D1は、一例として500μmである。また、アンテナエレメント110の-Y方向側の端部と、凹部112の+Y方向側の端部との間の距離D2は、一例として210μmである。このため、信号線路121BのY方向の長さは、一例として710μmである。また、凹部112のX方向側の距離D3は、一例として200μmである。
また、アンテナエレメント110、給電線路120、及びグランド層130の外縁では、金属細線がX方向及びY方向に延在している。このように、アンテナエレメント110、給電線路120、及びグランド層130の外縁では、金属細線がディスプレイパネル220の画素の配列方向に平行である部分があってもよい。ディスプレイパネル220の全体で見れば、これらの外縁は、僅かな部分に過ぎないためである。
また、セル30AのX方向の長さX30AとY方向の長さY30Aとが異なることによってX方向とY方向とで不規則性が生じるため、モアレをより効果的に抑制することができる。
また、アンテナエレメント110及び給電線路120と、グランド層130とは重なるため、一例として、アンテナエレメント110及び給電線路120の透明導体30のセル30Aと、グランド層130の透明導体30のセル30Aとのサイズは同一であり、セル30A同士のX方向及びY方向における位置が一致している。モアレをより効果的に抑制するためである。
また、一例として、セル30AのX方向の長さX30Aは、ディスプレイパネル220のX方向における画素のピッチ(第1ピッチの一例)とは異なり、Y方向の長さY30Aは、ディスプレイパネル220のY方向における画素のピッチ(第2ピッチの一例)とは異なる。モアレをより効果的に抑制するためである。また、一例として、セル30AのX方向及びY方向の境界と、ディスプレイパネル220のX方向及びY方向における画素同士の境界とがなるべく重ならないようにセル30Aの配置を設定している。モアレをさらに効果的に抑制するためである。
また、セル30AのX方向の長さX30Aに対するY方向の長さY30Aの比率は、ここでは一例として2(200μm/100μm)であるが、比率Y30A/X30Aは、モアレの抑制と放射効率を改善する観点から、1.2~5.0の範囲内であることが好ましく、1.5~3の範囲内であることがより好ましい。また、比率Y30A/X30Aは、2以上であることがさらに好ましい。
また、ディスプレイパネル220のX方向における画素のピッチ(第1ピッチの一例)に対するセル30AのX方向の長さX30Aの比率は、0.5~2.3の範囲内であることが好ましい。また、Y方向における画素のピッチ(第2ピッチの一例)に対するセル30AのY方向の長さY30Aの比率は、1.2~4.0の範囲内にあることが好ましい。また、比率Y30A/X30Aは、ディスプレイパネル220のX方向における画素のピッチに対するY方向における画素のピッチの比率よりも大きいことが好ましく、1.5倍以上であることがより好ましい。
<アンテナ装置100の特性>
図8は、アンテナ装置100のS11パラメータの周波数特性の一例を示す図である。図8に示すS11パラメータは、給電部111に入力した電力に対して、給電部111に反射で戻ってくる電力の割合であり、電磁界シミュレーションで得たものである。
一例として-10dBで検討すると、約26.8GHzから約29.7GHzの周波数帯域で-10dB以下になっており、アンテナ装置100の共振周波数f1(28GHz)を含む周波数帯域で良好な放射効率が得られていることを確認できた。セル30Aの長手方向と、給電線路120及びグランド層130における信号の伝送方向とが一致し、また、セル30Aの長手方向と、アンテナエレメント110の励振方向とが一致していることで、アンテナ装置100の放射効率が増大してゲインが増大したことの効果であると考えられる。
図9は、アンテナ装置100のYZ平面における指向性の一例を示す図である。図9に示す指向性は、電磁界シミュレーションで得たものである。90度の方向が+Y方向であり、0度の方向が+Z方向であり、-90度の方向が-Y方向である。図9に示すように、YZ平面において均等で上向きの指向性が得られていることを確認できた。良好な指向性が得られたのは、アンテナ装置100の放射効率が増大してゲインが増大したことの効果であると考えられる。
図10は、透明導体30のセルの形状と効率及びピークゲインとの関係の一例を示す図である。比較用に、セルの形状が正方形の透明導体と、X方向に長い菱形の透明導体とを用いて電磁界シミュレーションで効率及びピークゲインを求めた。セルの形状は、セルの開口形状である。
正方形のセルで構成される透明導体については、セルのX方向の長さを100μm、Y方向の長さを100μm、線幅を6μmにした。正方形のセルは、X方向及びY方向に対して、金属細線が45度の方向に延在するセルである。効率は59.1%、ピークゲインは3.85dBであった。
X方向に長いセルで構成される透明導体については、セルのX方向の長さを200μm、Y方向の長さを100μm、線幅を6μmにした。X方向に長いセルは、図6に示すセル30Aを平面視で時計回りに90度回転させた構成を有するセルである。効率は50.5%、ピークゲインは3.04dBであり、いずれも正方形のセルよりも低い値を示した。
セル30Aで構成される透明導体30については、セルのX方向の長さを100μm、Y方向の長さを200μm、線幅を6μmにした。効率は62.8%、ピークゲインは4.03dBであり、いずれも正方形のセルよりも高い値を示した。
<効果>
以上のように、アンテナエレメント110、給電線路120、及びグランド層130を構成する透明導体30のセル30AのY方向の長さY30AをX方向の長さX30Aよりも長く設定し、給電線路120の信号線路121のうちの-Y方向側の信号線路121AがY方向に延在している。このため、アンテナ装置100の放射効率が増大させて、ゲインを増大させることができる。また、セル30AのY方向の長さY30AをX方向の長さX30Aよりも長く設定することにより、モアレを抑制することができる。
したがって、金属メッシュで実現され、モアレの抑制とアンテナ特性の改善とを両立可能なアンテナ装置100、及び、電子機器200を提供できる。特に、特に、給電線路120の信号線路121において、セル30AのY方向の長さY30AをX方向の長さX30Aよりも長くしたことによって、等価インピーダンスが低下し、電流が流れやすくなり、アンテナ装置100の放射効率が増大とゲインの増大が得られた。
また、ディスプレイパネル220の画素のX方向におけるピッチは、セル30Aの長さX30Aとは異なり、ディスプレイパネル220のY方向におけるピッチは、セル30Aの長さY30Aとは異なるので、モアレをより効果的に抑制できる。
また、セル30Aの長さX30Aに対する長さY30Aの比率(Y30A/X30A)は、2以上であることが好ましい。高周波電流の伝搬方向(Y方向)のシート抵抗が下がることで、給電線路120における損失の低減とアンテナ効率の向上とを両立できる。
また、長さX30Aに対する長さY30Aの比率(Y30A/X30A)は、ディスプレイパネル220の画素のX方向におけるピッチに対するY方向のピッチの比率よりも大きいことが好ましい。比率Y30A/X30Aは、モアレを低減する観点から、ディスプレイパネル220の画素のX方向におけるピッチに対するY方向のピッチの比率の1.5倍以上であることがより好ましい。
また、アンテナエレメント110、給電線路120、及びグランド層130の金属メッシュの開口率は、80%以上であるので、視認し難く無色透明なアンテナ装置100を実現できる。
また、メッシュは、菱形であるので、Y方向の長さY30AとX方向の長さX30Aとが異なるセル30Aを作製しやすく、モアレの抑制とアンテナ特性の改善とをより確実に両立可能なアンテナ装置100、及び、電子機器200を提供できる。
給電線路120の信号線路121は、端部121A1から端部121B1までY方向に沿って延在するので、電流が流れやすくなって、アンテナ装置100の放射効率が増大する。このため、アンテナ特性をより改善したアンテナ装置100、及び、電子機器200を提供できる。
また、アンテナエレメント110の励振方向は、Y方向に沿っているので、アンテナエレメント110で電流が流れやすくなって、アンテナ装置100の放射効率がより増大する。このため、アンテナ特性をさらに改善したアンテナ装置100、及び、電子機器200を提供できる。
アンテナエレメント110は、パッチアンテナ、モノポール、又はダイポールアンテナであるので、簡易な構成のアンテナエレメント110で、モアレの抑制とアンテナ特性の改善とを両立可能なアンテナ装置100、及び、電子機器200を提供できる。
また、給電線路120は、コプレーナ線路、又は、マイクロストリップラインであるので、簡易な構成の給電線路120で、モアレの抑制とアンテナ特性の改善とを両立可能なアンテナ装置100、及び、電子機器200を提供できる。
また、第1の透明基板101の-Z方向側に設けられる第2の透明基板102と、第2の透明基板102に設けられるグランド層130とを含み、給電線路120の信号線路121のうちの信号線路121Bは、マイクロストリップラインを構築する。このため、信号線路121のうち、グランド部122、123の+Y方向側でX方向に延在する端辺よりも+Y方向側の信号線路121Bにおいても、アンテナエレメント110とインピーダンス整合が取れ、モアレの抑制に加えて、アンテナ特性のより一層の改善を実現可能なアンテナ装置100、及び、電子機器200を提供できる。
なお、信号線路121は、少なくとも-Y方向側の端部を含む側において、-Y方向側の端部からY方向に延在していればよい。このため、例えば、信号線路121は、給電部111に近い側で+X方向又は-X方向に折り曲がっていてもよい。この場合に、アンテナエレメント110の励振方向はX方向であってもよい。
また、アンテナエレメント110は、パッチ型に限られず、モノポール型やダイポール型であってもよい。特にダイポール型の場合には、信号線路121は、給電部111に近い側で+X方向又は-X方向に折り曲がっていてもよい。
<変形例>
図11A及び図11Bは、実施形態の変形例のセル30MA1及び30MA2の構成の一例を示す図である。図11Aに示すセル30MA1、及び、図11Bに示すセル30MA2は、図6に示すセル30Aの代わりに、透明導体30に配列可能なセルである。
図11Aに示すセル30MA1は、二等辺三角形を平面視で回転させることで、3辺がX軸及びY軸に対して角度を有するように構成されている。このようなセル30MA1のX方向の長さX30MA1は、セル30MA1の-X方向側の端部と+X方向の端部との間の長さであり、長さY30MA1は、セル30MA1の-Y方向側の端部と+Y方向の端部との間の長さである。セル30MA1の±X方向側及び±Y方向側の端部は、セル30MA1の金属細線の幅の中央に位置する。長さY30MA1は、長さX30MA1よりも長い。
図11Bに示すセル30MA2は、六角形を平面視で回転させることで、6辺がX軸及びY軸に対して角度を有するように構成されている。このようなセル30MA2のX方向の長さX30MA2は、セル30MA2の-X方向側の端部と+X方向の端部との間の長さであり、長さY30MA2は、セル30MA2の-Y方向側の端部と+Y方向の端部との間の長さである。セル30MA2の±X方向側及び±Y方向側の端部は、セル30MA2の金属細線の幅の中央に位置する。長さY30MA2は、長さX30MA2よりも長い。
セル30MA1及び30MA2は、菱形以外の多角形のセルである。ここでは、一例として、二等辺三角形及び六角形のセル30MA1及び30MA2を示したが、菱形以外の多角形のセルは、五角形、七角形、又は8つ以上の辺を有する多角形であっても良く、Y方向の長さがX方向の長さよりも長ければよい。
以上、本開示の例示的なアンテナ装置、及び、電子機器について説明したが、本開示は、具体的に開示された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
30 透明導体
30A、30MA1、30MA2 セル
31、32 金属細線
33 開口部
100 アンテナ装置
101 第1の透明基板(第1絶縁体基板の一例)
102 第2の透明基板(第2絶縁体基板の一例)
110 アンテナエレメント
111 給電部
112 凹部
120 給電線路
121、121A、121B 信号線路
121A1 端部(第1端部の一例)
121B1 端部(第2端部の一例)
122、123 グランド部
130 グランド層
200 電子機器

Claims (13)

  1. 第1絶縁体基板と、
    前記第1絶縁体基板の表面に設けられ、金属メッシュで形成されたアンテナエレメントと、
    前記第1絶縁体基板の前記表面に設けられ、金属メッシュで形成される給電線路であって、第1端部と、前記アンテナエレメントの給電部に接続される第2端部との間で延在する給電線路と
    を含み、
    前記表面に含まれ直交する第1軸及び第2軸に対して、前記給電線路は、前記第1端部から前記第2軸方向に延在しており、
    前記第1絶縁体基板は、表示装置の表示面側に設けられており、
    前記表示装置が有する複数の画素は、前記第1軸方向及び前記第2軸方向に沿って配列されており、
    前記アンテナエレメント及び前記給電線路の前記金属メッシュは、前記第1軸方向における第1長さと、前記第2軸方向における第2長さとを有するセルを複数含み、
    前記複数のセルを構成する金属細線の延在方向は、前記第1軸方向及び前記第2軸方向に対して角度を有し、
    前記第1長さよりも前記第2長さの方が長い、アンテナ装置。
  2. 前記複数の画素の前記第1軸方向における第1ピッチは、前記第1長さとは異なり、前記複数の画素の前記第2軸方向における第2ピッチは、前記第2長さとは異なる、請求項1に記載のアンテナ装置。
  3. 前記第1長さに対する前記第2長さの比率は、1.2~5.0の範囲内である、請求項1又は2に記載のアンテナ装置。
  4. 前記第1長さに対する前記第2長さの比率は、前記第1ピッチに対する前記第2ピッチの比率の1.5倍以上である、請求項2に記載のアンテナ装置。
  5. 前記第1ピッチに対する前記第1長さの比率が0.5~2.3の範囲内であり、前記第2ピッチに対する前記第2長さの比率が1.2~4.0の範囲内である、請求項2に記載のアンテナ装置。
  6. 前記アンテナエレメント及び前記給電線路の前記金属メッシュの開口率は、80%以上である、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
  7. 前記セルは、菱形、又は、菱形以外の多角形である、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
  8. 前記給電線路は、前記第1端部から前記第2端部まで前記第2軸方向に沿って延在する、請求項1乃至7のいずれか1項のアンテナ装置。
  9. 前記アンテナエレメントの励振方向は、前記第2軸方向に沿っている、請求項1乃至8のいずれか1項のアンテナ装置。
  10. 前記アンテナエレメントは、パッチアンテナ、モノポール、又はダイポールアンテナである、請求項1乃至9のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
  11. 前記給電線路は、コプレーナ線路、又は、マイクロストリップラインである、請求項1乃至10のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
  12. 前記第1絶縁体基板よりも前記表示装置側に設けられる第2絶縁体基板と、
    前記第2絶縁体基板に設けられるグランド層と
    をさらに含み、
    前記給電線路のうちの前記グランド層と重なる部分は、マイクロストリップラインを構築する、請求項1乃至11のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
  13. 表示装置と、
    前記表示装置の表示面側に設けられるアンテナ装置と
    を含む、電子機器であって、
    前記表示装置は、液晶ディスプレイ又は有機発光ダイオードであり、
    前記アンテナ装置は、
    第1絶縁体基板と、
    前記第1絶縁体基板の表面に設けられ、金属メッシュで形成されたアンテナエレメントと、
    前記第1絶縁体基板の前記表面に設けられ、金属メッシュで形成される給電線路であって、第1端部と、前記アンテナエレメントの給電部に接続される第2端部との間で延在する給電線路と
    を有し、
    前記表面に含まれ直交する第1軸及び第2軸に対して、前記給電線路は、前記第1端部から前記第2軸方向に延在しており、
    前記表示装置が有する複数の画素は、前記第1軸方向及び前記第2軸方向に沿って配列されており、
    前記アンテナエレメント及び前記給電線路の前記金属メッシュは、前記第1軸方向における第1長さと、前記第2軸方向における第2長さとを有するセルを複数含み、
    前記複数のセルを構成する金属細線の延在方向は、前記第1軸方向及び前記第2軸方向に対して角度を有し、
    前記第1長さよりも前記第2長さの方が長い、電子機器。
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