JP2023115896A - ゴム組成物およびタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】低速度走行時に、長時間、大きな力が加わる状況下での早期摩耗を抑制し、耐摩耗性を向上し得るゴム組成物、および、当該ゴム組成物で構成されているトレッドを有するタイヤを提供すること。【解決手段】イソプレン系ゴム、ブタジエンゴムおよびスチレンブタジエンゴムを含むゴム成分と、微粒子カーボンブラックおよびシリカを含む充填剤とを含むゴム組成物であって、前記微粒子カーボンブラックの平均一次粒子径が19nm以下である、ゴム組成物。【選択図】なし

Description

本開示は、ゴム組成物およびタイヤに関する。
従来から、トレッドの中央に位置する陸部の早期摩耗を抑制することが検討されている。例えば、特許文献1には主溝の深さおよび陸部の踏面の形状を規定することによりミドル陸部の早期摩耗を抑制し、耐摩耗性能を向上させることが記載されている。
特開2020-117020号公報
本開示は、低速度走行時に、長時間、大きな力が加わる状況下での早期摩耗を抑制することを目的とする。
本開示は、イソプレン系ゴム、ブタジエンゴムおよびスチレンブタジエンゴムを含むゴム成分と、微粒子カーボンブラックおよびシリカを含む充填剤とを含むゴム組成物であって、前記微粒子カーボンブラックの平均一次粒子径が19nm以下である、ゴム組成物に関する。
本開示によれば、低速度走行時に、長時間、大きな力が加わる状況下での早期摩耗を抑制し、耐摩耗性を向上し得るゴム組成物、および、当該ゴム組成物で構成されているトレッドを有するタイヤを提供することができる。
本開示の一実施形態に係るタイヤの、回転軸を含む面での断面図である。 本開示の一実施形態に係るタイヤにおいて、トレッド接地面を示した図である。同図中の囲われた領域がトレッド接地面である。
以下、本開示について説明する。但し、以下の記載は本開示を説明するための例示であり、本開示の技術的範囲をこの記載範囲にのみ限定する趣旨ではない。なお、本明細書において、「~」を用いて数値範囲を示す場合、その両端の数値を含むものとする。
本開示に係るゴム組成物は、イソプレン系ゴム、ブタジエンゴムおよびスチレンブタジエンゴムを含むゴム成分と、微粒子カーボンブラックおよびシリカを含む充填剤とを含み、前記微粒子カーボンブラックの平均一次粒子径が19nm以下であるゴム組成物である。
理論に拘束されることは意図しないが、本開示のゴム組成物が低速度走行時に、長時間、大きな力が加わる状況下での早期摩耗を抑制し、耐摩耗性を向上し得るメカニズムとしては、以下が考えられる。すなわち、(a)ゴム成分がイソプレン系ゴム、スチレンブタジエンゴムおよびブタジエンゴムの3種を含むため、長期かつ大きな変形による歪みを緩和し易いと考えられる。(b)また、ゴム組成物が所定の微粒子カーボンブラックを含むことで、3種のゴム成分が相互に補強されると考えられる。(c)さらに、ゴム組成物がシリカを含むことで、シリカがイソプレン系ゴム層に優先的に分散し、これを補強すると考えられる。そして、これら(a)~(c)が協働することで、低速度走行時に、長時間、大きな力が加わる状況下でも早期摩耗を抑制し、耐摩耗性が向上するものと考えられる。
前記ゴム組成物は、前記ゴム成分100質量部に対して、前記微粒子カーボンブラックの含有量(質量部)をAとし、前記シリカの含有量(質量部)をBとするとき、AとBとが、以下の式(1)を満たすことが好ましい。
B/(A+B)<0.50 (1)
上記式(1)を満たす場合、充填剤であるカーボンブラックとシリカの総量に対するシリカの割合が半量未満となることから、シリカの分散不良が抑制され、より本開示の効果が発揮されると考えられる。
前記ゴム組成物は、さらに樹脂成分を含有することが好ましい。
樹脂成分をさらに含有することで、衝撃等をより熱に変換し易くなるため、さらに早期摩耗が抑制されると考えられる。
前記ゴム組成物は、さらに硫黄を含有し、ゴム成分100質量部に対する硫黄の含有量が1.25質量部以下であることが好ましい。
硫黄の含有量を抑えることで、摩耗末期でもゴムの劣化代を維持することができ、早期摩耗が抑制できるものと考えらえる。
本開示に係るタイヤは、外面がトレッド面を構成する第一層と、タイヤ半径方向最内側に位置する第二層とを少なくとも備えるトレッドを有するタイヤであって、前記第一層が、前記ゴム組成物で構成されているトレッドを有するタイヤである。
理論に拘束されることは意図しないが、本開示に係る前記タイヤにおいて、本開示の効果が発揮されるメカニズムとしては、以下が考えられる。すなわち、本開示のゴム組成物が本開示の効果を発揮すると考えられるメカニズムは上記(a)~(c)のとおりであるが、前記タイヤでは、さらに、トレッドを少なくとも2層を有する構造とした上で、(d)路面に接するトレッド第一層が本開示のゴム組成物で構成されるため、より直接的に本開示のゴム組成物の効果が発揮されると考えられる。そして、これら(a)~(d)が協働することで、低速度走行時に、長時間、大きな力が加わる状況下でも早期摩耗を抑制し、耐摩耗性が向上するものと考えられる。
本開示に係るタイヤは、外面がトレッド面を構成する第一層と、タイヤ半径方向最内側に位置する第二層と、前記第一層と前記第二層との間に少なくとも一つの中間層をさらに備えるトレッドを有するタイヤであって、前記第一層が、前記ゴム組成物で構成されているトレッドを有するタイヤである。
理論に拘束されることは意図しないが、本開示に係る前記タイヤにおいて、本開示の効果が発揮されるメカニズムとしては、以下が考えられる。すなわち、本開示のゴム組成物が本開示の効果を発揮すると考えられるメカニズムは上記(a)~(c)のとおりであるが、前記タイヤでは、さらに、トレッドを少なくとも3層を有する構造とした上で、(d)路面に接するトレッド第一層が本開示のゴム組成物で構成されるため、より直接的に本開示のゴム組成物の効果が発揮されると考えられる。また、(e)トレッドを3層以上の構造とすることで、より衝撃を吸収し易くなると考えられる。これら(a)~(e)が協働することで、低速度走行時に、長時間、大きな力が加わる状況下でも早期摩耗を抑制し、耐摩耗性が向上するものと考えられる。
本開示に係るタイヤは、外面がトレッド面を構成する第一層と、タイヤ半径方向最内側に位置する第二層と、前記第一層と前記第二層との間に少なくとも一つの中間層をさらに備えるトレッドを有するタイヤであって、前記第一層、前記第二層および前記中間層の少なくともいずれかが、前記ゴム組成物で構成されているトレッドを有するタイヤである。
理論に拘束されることは意図しないが、本開示に係る前記タイヤにおいて、本開示の効果が発揮されるメカニズムとしては、以下が考えられる。すなわち、本開示のゴム組成物が前記第一層を構成している場合のメカニズムは上述のとおり(a)~(e)が協働してのものと考えられるところ、本開示のゴム組成物がそれ以外の層、すなわち、トレッド第一層以外の中間層や第二層を構成している場合、上記(d)の効果は期待できない。しかし、それでも、上記(a)~(c)および(e)が協働するので、これにより、前記低速度走行時に、長時間、大きな力が加わる状況下でも早期摩耗を抑制し、耐摩耗性が向上するものと考えられる。
前記第一層が前記ゴム組成物で構成されている場合において、トレッド面のランド比をCとするとき、前記第一層におけるゴム成分100質量部に対する微粒子カーボンブラックの含有量(質量部)A1とCとは、以下の式(2)を満たすことが好ましい。
1×C<6000 (2)
ランド比と微粒子カーボンブラックの含有量は、いずれもトレッドの剛性を高める方向に働くが、両者が式(2)の如くに互いに他を律する形で調和することで、最適な耐摩耗性が達成されると考えられる。
前記ゴム組成物で構成されている、トレッドのいずれかのゴム層において、当該ゴム層の厚み(mm)をDとするとき、当該ゴム層におけるゴム成分100質量部に対する微粒子カーボンブラックの含有量(質量部)AとDとは、以下の式(3)を満たすことが好ましい。
A×D<2000 (3)
ゴム層の厚みと微粒子カーボンブラックの含有量は、いずれもトレッドの剛性を高める方向に働くが、両者が式(3)の如くに互いに他を律する形で調和することで、最適な耐摩耗性が達成されると考えられる。
前記第一層と、前記少なくとも一つの中間層のうち前記第一層に隣接する中間層のいずれもが前記ゴム組成物で構成されているタイヤにおいて、前記第一層のゴム成分100質量部に対する微粒子カーボンブラックの含有量(質量部)をA1とし、前記第一層に隣接する中間層のゴム成分100質量部に対する微粒子カーボンブラックの含有量(質量部)をAmとするとき、A1とAmとは以下の式(4)を満たすことが好ましい。
m/A1<1.00 (4)
(但し、Amは20以上である。)
微粒子カーボンブラックの含有量に濃度勾配を付けることで、3層以上からなるトレッド層がより衝撃を吸収し易くなると考えられる。
前記第一層と、前記少なくとも一つの中間層のうち前記第一層に隣接する中間層のいずれもが前記ゴム組成物で構成されているタイヤにおいて、前記第一層のゴム成分100質量部に対するシリカの含有量(質量部)をB1とし、前記第一層に隣接する中間層のゴム成分100質量部に対するシリカの含有量(質量部)をBmとするとき、B1とBmとは以下の式(5)を満たすことが好ましい。
m/B1<1.00 (5)
(但し、Bmは8以上である。)
シリカの含有量に濃度勾配を付けることで、3層以上からなるトレッド層がより衝撃を吸収し易くなると考えられる。
前記タイヤは重荷重用であることが好ましい。
トラックやバスなどの積載量の多い重荷重用の車両の場合には、本開示の効果が顕著に表れるものと考えられる。
[定義]
「タイヤの各部の寸法等」は、特に断りがない限り、は、正規リムにリム組みされかつ正規内圧が充填された無負荷の正規状態において特定される値とする。
「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えば、JATMA(日本自動車タイヤ協会)であれば「JATMA YEAR BOOK」に記載されている適用サイズにおける標準リム、ETRTO(The European Tyre and Rim Technical Organisation)であれば「STANDARDS MANUAL」に記載されている「Measuring Rim」、TRA(The Tire and Rim Association, Inc.)であれば「YEAR BOOK」に記載されている「Design Rim」を指す。そして、規格に定められていないタイヤの場合には、リム組み可能であって、内圧が保持できるリム、即ちリム/タイヤ間からエア漏れを生じさせないリムの内、最もリム径が小さく、次いでリム幅が最も狭いものを指す。
「正規内圧」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば「最高空気圧」、TRAであれば表「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の最大値、ETRTOであれば“INFLATION PRESSURE”とする。
「正規荷重」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において定められた荷重を意味する。JATMA規格における「最大負荷能力」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「LOAD CAPACITY」は、正規荷重である。
「トレッドの厚さ」とは、タイヤを回転軸を含む面で切断し、これを正規リムに保持させた状態で計測される、タイヤ中心線上でのトレッドの厚さである。タイヤ中心線上に溝が存在する場合は、当該溝を埋めたものとして認識される厚さである。例えば、図1において、Hがトレッドの厚さに相当する。トレッドの第一層の厚さおよび他の層の厚さも同様にして計測される。なお、トレッドの厚さは、タイヤを周方向に72°ずつ回転させ、5か所の位置で求めたトレッドの厚さの平均値である。
「ランド比」とは、正規状態のタイヤに、正規荷重を負荷した場合のトレッドの接地面において、当該接地面に存在する溝およびサイプをすべて埋めた接地面の全面積(全接地面積)に対する、当該溝およびサイプの面積を除いた接地面の面積(有効接地面積)の割合(%)である。例えば、図2において、枠囲いされた部分が、正規状態のタイヤに正規荷重を負荷した場合のトレッドの接地面を表している。したがって、当該接地面に存在する溝およびサイプをすべて埋めた接地面の全面積(全接地面積)に対する、当該溝およびサイプの面積を除いた接地面の面積(有効接地面積)の割合(%)がランド比となる。なお、「全接地面積」と「有効接地面積」は、下記操作に従い得られる5箇所の接地形状における平均値として得られる。すなわち、接地形状は、タイヤを正規リムに組み付け、正規内圧を加え、25℃で24時間静置した後、タイヤトレッド表面に墨を塗り、正規荷重を負荷して厚紙に押しつけ(キャンバー角は0°)、紙に転写させることで得られる。タイヤを周方向に72°ずつ回転させて、5か所で転写させる。得られた接地形状の外輪により得られる面積の5箇所平均値が全接地面積である。墨部分の面積の5箇所平均値が有効接地面積である。
[測定方法]
「スチレン含量」は、1H-NMR測定により算出される。
「ビニル結合量(1,2-結合ブタジエン単位量)」は、JIS K 6239-2:2017によって測定される。
「重量平均分子量(Mw)」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(東ソー(株)製GPC-8000シリーズ、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製のTSKGEL SUPERMALTPORE HZ-M)による測定値を基に標準ポリスチレン換算により求めることができる。
「シス含量(シス-1,4-結合ブタジエン単位量)」は、JIS K 6239-2:2017によって測定される。
「カーボンブラックの平均一次粒子径」は、透過型電子顕微鏡によって視野内に観察された一次粒子を400個以上測定し、その算術平均により求めることができる。なお、粒子の形状が球形の場合には球の直径を粒子径とし、球形以外の場合には透過型電子顕微鏡画像から円相当径({4×(粒子の面積)÷π}の正の平方根)を算出して粒子径とする。
「カーボンブラックのN2SA」は、JIS K 6217-2:2017によって求められる値である。
「シリカのN2SA」は、ASTM D 3037-93に準じてBET法で測定される値である。
「樹脂成分の軟化点」は、特に断りのない限り、JIS K 6220-1:2015に規定される軟化点を環球式軟化点測定装置で測定し、球が降下した温度である。他の方法で測定された軟化点は、その旨、記載される。
[ゴム組成物]
以下、本開示のゴム組成物について説明する。本開示のゴム組成物は、イソプレン系ゴム、ブタジエンゴムおよびスチレンブタジエンゴムを含むゴム成分と、平均一次粒子径19nm以下の微粒子カーボンブラックおよびシリカを含む充填剤とを含むゴム組成物である。
<ゴム成分>
本開示のゴム組成物は、ゴム成分として、イソプレン系ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)およびブタジエンゴム(BR)を含む。
(イソプレン系ゴム)
イソプレン系ゴムとしては、例えば、イソプレンゴム(IR)および天然ゴム等タイヤ工業において一般的なものを使用することができる。天然ゴムには、非改質天然ゴム(NR)の他に、エポキシ化天然ゴム(ENR)、水素化天然ゴム(HNR)、脱タンパク質天然ゴム(DPNR)、高純度天然ゴム、グラフト化天然ゴム等の改質天然ゴム等も含まれる。このうち、天然ゴムが好ましく、より好ましくは非改質天然ゴム(NR)である。これらのイソプレン系ゴムは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
NRとしては、特に限定されず、タイヤ業界において一般的なものを用いることができ、例えば、SIR20、RSS#3、TSR20等が挙げられる。
イソプレン系ゴムのゴム成分中の含有量は、60質量%超が好ましく、65質量%超がより好ましく、70質量%以上がさらに好ましい。一方、イソプレン系ゴムの含有量は、100質量%未満である。
第一層を構成するゴム組成物において、イソプレン系ゴムの含有量は、90質量%未満であることが好ましく、85質量%未満であることがより好ましく、80質量%未満であることがさらに好ましい。中間層を構成するゴム組成物において、イソプレン系ゴムの含有量は、95質量%未満であることが好ましく、90質量%未満であることがより好ましく、85質量%未満であることがさらに好ましい。第二層を構成するゴム組成物において、イソプレン系ゴムの含有量は、100質量%未満であり、99質量%未満であってもよく、98質量%以下であってもよい。
(SBR)
SBRとしては特に限定はなく、溶液重合SBR(S-SBR)、乳化重合SBR(E-SBR)、これらの変性SBR(変性S-SBR、変性E-SBR)等が挙げられる。変性SBRとしては、末端および/または主鎖が変性されたSBR、スズ、ケイ素化合物等でカップリングされた変性SBR(縮合物、分岐構造を有するもの等)等が挙げられる。なかでもS-SBRおよび変性SBRが好ましい。さらに、これらSBRの水素添加物(水素添加SBR)等も使用することができる。これらのSBRは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
SBRとしては油展SBRを用いることもできるし、非油展SBRを用いることもできる。油展SBRを用いる場合、SBRの油展量、すなわち、SBRに含まれる油展オイルの含有量は、SBRのゴム固形分100質量部に対して、10~50質量部であることが好ましい。
本開示で使用できるS-SBRとしては、JSR(株)、住友化学(株)、宇部興産(株)、旭化成(株)、ZSエラストマー(株)、ARLANXEO社等より市販されているものを使用することができる。
変性SBRとしては、主鎖および/または末端が変性剤により変性されたものであってもよいし、例えば、四塩化スズ、四塩化ケイ素等の多官能型の変性剤により変性されて一部に分岐構造を有するものであってもよいが、主鎖および/または末端がシリカと相互作用する官能基を有する変性剤で変性されたSBR(シリカ用変性BR)が好ましい。特に第一層および/または第二層に変性SBRを含有することが好ましい。
上記シリカと相互作用する官能基としては、例えば、アミノ基、アミド基、アルコキシシリル基、イソシアネート基、イミノ基、イミダゾール基、ウレア基、エーテル基、カルボニル基、オキシカルボニル基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオカルボニル基、アンモニウム基、イミド基、ヒドラゾ基、アゾ基、ジアゾ基、カルボキシル基、ニトリル基、ピリジル基、アルコキシ基、炭化水素基、水酸基、オキシ基、エポキシ基等が挙げられる。なお、これらの官能基は、置換基を有していてもよい。なかでも、シリカの分散性を向上させる観点から、アミノ基、エポキシ基、水酸基、アルコキシ基、およびアルコキシシリル基が好ましく、アミノ基およびアルコキシシリル基がより好ましい。
SBRのスチレン含量は、ウェットグリップ性能および耐摩耗性能の観点から、10質量%超が好ましく、15質量%超がより好ましく、20質量%超がさらに好ましい。また、グリップ性能の温度依存性および耐ブロー性能の観点からは、60質量%未満が好ましく、55質量%未満がより好ましく、50質量%未満がさらに好ましい。なお、本明細書において、SBRのスチレン含量は前記方法により算出される。
SBRのビニル含量は、シリカとの反応性の担保、ウェットグリップ性能、ゴム強度、および耐摩耗性能の観点から、10モル%超が好ましく、13モル%超がより好ましく、15モル%超がさらに好ましい。また、SBRのビニル含量は、温度依存性の増大防止、破断伸び、および耐摩耗性能の観点から、70モル%未満が好ましく、60モル%未満がより好ましく、40モル%未満がさらに好ましい。なお、本明細書において、SBRのビニル含量(1,2-結合ブタジエン単位量)は前記方法よって測定される。
SBRの重量平均分子量(Mw)は、ウェットグリップ性能の観点から、20万超が好ましく、25万超がより好ましく、30万超がさらに好ましい。また、架橋均一性の観点から、重量平均分子量は200万未満が好ましく、150万未満がより好ましく、100万未満がさらに好ましい。なお、本明細書において、SBRの重量平均分子量は前記方法により求めることができる。
SBRのゴム成分中の含有量は、20質量%未満が好ましく、15質量%以下がより好ましく、10質量%未満がさらに好ましい。
第一層を構成するゴム組成物において、SBRの含有量は、0質量%超であることが好ましく、5質量%超であることがより好ましく、10質量%超であることがさらに好ましい。中間層を構成するゴム組成物において、SBRの含有量は、0質量%超であることが好ましく、3質量%超であることがより好ましく、7質量%超であることがさらに好ましい。第二層を構成するゴム組成物において、SBRの含有量は、0質量%超であることが好ましく、0.5質量%超であることがより好ましく、1.0質量%以上であることがさらに好ましい。
(BR)
BRとしては特に限定されるものではなく、例えば、シス含量が50モル%未満のBR(ローシスBR)、シス含量が90モル%以上のBR(ハイシスBR)、希土類元素系触媒を用いて合成された希土類系ブタジエンゴム(希土類系BR)、シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含有するBR(SPB含有BR)、変性BR(ハイシス変性BR、ローシス変性BR)等タイヤ工業において一般的なものを使用することができる。これらのBRは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ハイシスBRとしては、例えば、日本ゼオン(株)、宇部興産(株)、JSR(株)等より市販されているものを使用することができる。シス含量は、好ましくは94モル%超、より好ましくは95モル%超、さらに好ましくは96モル%以上、特に好ましくは98質量%以上である。なお、本明細書において、シス含量(シス-1,4-結合ブタジエン単位量)は前記方法により算出される値である。
希土類系BRとしては、希土類元素系触媒を用いて合成され、ビニル含量が、好ましくは1.8モル%未満、より好ましくは1.0モル%未満、さらに好ましくは0.8%モル未満であり、シス含量が、好ましくは94モル%超、より好ましくは95モル%超、さらに好ましくは96モル%以上、特に好ましくは98モル%以上である。希土類系BRとしては、例えば、ランクセス(株)、ARLANXEO社等より市販されているものを使用することができる。
SPB含有BRは、1,2-シンジオタクチックポリブタジエン結晶が、単にBR中に結晶を分散させたものではなく、BRと化学結合したうえで分散しているものが挙げられる。このようなSPB含有BRとしては、宇部興産(株)等より市販されているものを使用することができる。
変性BRとしては、リチウム開始剤により1,3-ブタジエンの重合を行ったのち、スズ化合物を添加することにより得られ、さらに変性BR分子の末端がスズ-炭素結合で結合されているもの(スズ変性BR)や、ブタジエンゴムの主鎖および/または末端が上記のシリカと相互作用する官能基を有する変性剤で変性されたブタジエンゴム(シリカ用変性BR)等が挙げられる。また、変性BRは、水素添加されていないもの、水素添加されているもののいずれであってもよい。
BRの重量平均分子量(Mw)は、耐摩耗性能の観点から、30万超が好ましく、35万超がより好ましく、40万超がさらに好ましい。また、架橋均一性の観点からは、200万未満が好ましく、150万未満がより好ましく、100万未満がさらに好ましい。なお、BRの重量平均分子量は前記方法により求めることができる。
BRのゴム成分中の含有量は、20質量%未満が好ましく、15質量%以下がより好ましく、10質量%未満がさらに好ましい。
第一層を構成するゴム組成物において、BRの含有量は、0質量%超であることが好ましく、5質量%超であることがより好ましく、10質量%超であることがさらに好ましい。中間層を構成するゴム組成物において、BRの含有量は、0質量%超であることが好ましく、3質量%超であることがより好ましく、7質量%超であることがさらに好ましい。第二層を構成するゴム組成物において、BRの含有量は、0質量%超であることが好ましく、0.5質量%超であることがより好ましく、1.0質量%以上であることがさらに好ましい。
ゴム成分の好ましい態様としては、例えば、イソプレン系ゴムの含有量が70質量%以上100質量%未満、SBRの含有量が0質量%超20質量%未満、BRの含有量が0質量%超10質量%未満のゴム成分である。また、ゴム成分は、イソプレン系ゴム、SBRおよびBRのみからなるものが好ましい。
(その他のゴム成分)
本開示に係るゴム成分として、前記のイソプレン系ゴム、SBR、およびBR以外のゴム成分を含有してもよい。他のゴム成分としては、タイヤ工業で一般的に用いられる架橋可能なゴム成分を用いることができ、例えば、スチレン-イソプレン-ブタジエン共重合ゴム(SIBR)、スチレン-イソブチレン-スチレンブロック共重合体(SIBS)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリル-ブタジエンゴム(NBR)、水素化ニトリルゴム(HNBR)、ブチルゴム(IIR)、エチレンプロピレンゴム、ポリノルボルネンゴム、シリコーンゴム、塩化ポリエチレンゴム、フッ素ゴム(FKM)、アクリルゴム(ACM)、ヒドリンゴム等が挙げられる。これらその他のゴム成分は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<充填剤>
本開示のゴム組成物は、所定の微粒子カーボンブラックおよびシリカを含む。
(微粒子カーボンブラック)
微粒子カーボンブラックは、平均一次粒子径が19nm以下のカーボンブラックである。微粒子カーボンブラックとしては、タイヤ工業で通常使用されているものを適宜利用することができる、微粒子カーボンブラックは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
微粒子カーボンブラックの平均一次粒子径は、19nm未満が好ましく、よりこのましくは18nm以下である。該平均一次粒子径の下限は特に限定されないが、例えば、1nm超であってもよいし、3nm超であってもよいし、5nm超であってもよい。なお、微粒子カーボンブラックの平均一次粒子径は前記方法により測定することができる。
微粒子カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)は、補強性の観点から、130m2/g超が好ましく、135m2/g超がより好ましく、140m2/g超がさらに好ましい。また、低燃費性能および加工性の観点からは、300m2/g未満が好ましく、200m2/g未満がより好ましく、180m2/g未満がさらに好ましい。なお、微粒子カーボンブラックのN2SAは前記方法により測定することができる。
微粒子カーボンブラックとしては、旭カーボン(株)、キャボットジャパン(株)、東海カーボン(株)、三菱ケミカル(株)、ライオン(株)、日鉄カーボン(株)、コロンビアカーボン社等によって製造販売されるものなどを用いることができる。
ゴム成分100質量部に対する微粒子カーボンブラックの含有量は、20質量部超が好ましく、25質量部超がより好ましく、27.5質量部以上がさらに好ましい。一方、該微粒子カーボンブラックの含有量は、150質量部未満が好ましく、100質量部未満がより好ましく、80質量部未満がさらに好ましく、55質量部以下がさらに好ましく、50質量部未満がさらに好ましい。
微粒子カーボンブラックの含有量は、トレッドを構成する各ゴム層において、第一層から第二層に向かうにつれて、小さくなるように濃度勾配がつけられたものであることが好ましい。この点については、タイヤについての説明の欄で後述する。
(シリカ)
シリカとしては、特に限定されず、例えば、乾式法により調製されたシリカ(無水シリカ)、湿式法により調製されたシリカ(含水シリカ)等、タイヤ工業において一般的なものを使用することができる。なかでもシラノール基が多いという理由から、湿式法により調製された含水シリカが好ましい。これらのシリカは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
シリカの窒素吸着比表面積(N2SA)は、耐チッピング性能の観点から、120m2/g以上が好ましく、140m2/g以上がより好ましく、160m2/g以上がさらに好ましい。また、低燃費性能および加工性の観点からは、350m2/g以下が好ましく、300m2/g以下がより好ましく、250m2/g以下がさらに好ましい。なお、本明細書におけるシリカのN2SAは、ASTM D 3037-93に準じてBET法で測定される値である。
ゴム成分100質量部に対するシリカの含有量は、1質量部超が好ましく、3質量部超がより好ましく、5質量部以上がさらに好ましい。一方、該シリカの含有量は、75質量部未満が好ましく、50質量部未満がより好ましく、40質量部未満がさらに好ましく、、27.5質量部以下がさらに好ましく、10質量部未満がさらに好ましく、7質量部未満がさらに好ましい。
シリカの含有量は、トレッドを構成する各ゴム層において、第一層から第二層に向かうにつれて、小さくなるように濃度勾配がつけられたものであることが好ましい。この点については、タイヤについての説明の欄で後述する。
シリカの含有量と微粒子カーボンブラックの含有量については、シリカの含有量は、微粒子カーボンブラックの含有量より少ないことが好ましい。すなわち、前記ゴム成分100質量部に対して、前記微粒子カーボンブラックの含有量(質量部)をAとし、前記シリカの含有量(質量部)をBとするとき、AとBとが、以下の式(1)を満たすことが好ましい。
B/(A+B)<0.50 (1)
上記式(1)の右辺は、好ましくは0.40、より好ましくは0.30、さらに好ましくは0.25、さらに好ましくは0.20、さらに好ましくは0.15、さらに好ましくは0.12である。
シリカと微粒子カーボンブラックのゴム成分100質量部に対する合計含有量は、25質量部超が好ましく、35質量部超がより好ましく、45質量部超がさらに好ましく、50質量部超がさらに好ましい。また、該合計含有量は、160質量部未満が好ましく、120質量部未満がより好ましく、80質量部未満がさらに好ましく、60質量部未満が特に好ましい。
(その他の充填剤)
充填剤としては、上記微粒子カーボンブラック、シリカ以外に、さらにその他の充填剤を用いてもよい。そのような充填剤としては、特に限定されず、例えば、上記微粒子カーボンブラック以外のカーボンブラック、水酸化アルミニウム、アルミナ(酸化アルミニウム)、炭酸カルシウム、硫酸マグネシウム、タルク、クレー等この分野で一般的に使用される充填剤をいずれも用いることができる。これらの充填剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。充填剤は、その他の充填剤を含まず、微粒子カーボンブラックおよびシリカのみからなるものが好ましい。
(シランカップリング剤)
本開示のゴム組成物にはシランカップリング剤を用いることができる。シランカップリング剤としては、特に限定されず、タイヤ工業において、従来シリカと併用される任意のシランカップリング剤を使用することができるが、例えば、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド等のスルフィド系シランカップリング剤;ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニル系シランカップリング剤;3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-(2-アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノ系シランカップリング剤;γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のグリシドキシ系シランカップリング剤;3-ニトロプロピルトリメトキシシラン、3-ニトロプロピルトリエトキシシラン等のニトロ系シランカップリング剤;3-クロロプロピルトリメトキシシラン、3-クロロプロピルトリエトキシシラン等のクロロ系シランカップリング剤;メルカプト系シランカップリング剤等が挙げられる。なかでも、スルフィド系シランカップリング剤および/またはメルカプト系シランカップリング剤が好ましい。これらのシランカップリング剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
メルカプト系シランカップリング剤は、下記化学式(1)で表される化合物、および/または下記化学式(2)で表される結合単位Aと下記化学式(3)で表される結合単位Bとを含む化合物であることが好ましい。
Figure 2023115896000001
(式中、R101、R102、およびR103は、それぞれ独立して、炭素数1~12のアルキル、炭素数1~12のアルコキシ、または-O-(R111-O)z-R112(z個のR111は、それぞれ独立して、炭素数1~30の2価の炭化水素基を表し;R112は、炭素数1~30のアルキル、炭素数2~30のアルケニル、炭素数6~30のアリール、または炭素数7~30のアラルキルを表し;zは、1~30の整数を表す。)で表される基を表し;R104は、炭素数1~6のアルキレンを表す。)
Figure 2023115896000002
Figure 2023115896000003
(式中、xは0以上の整数を表し;yは1以上の整数を表し;R201は、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシルもしくはカルボキシルで置換されていてもよい炭素数1~30のアルキル、炭素数2~30のアルケニル、または炭素数2~30のアルキニルを表し;R202は、炭素数1~30のアルキレン、炭素数2~30のアルケニレン、または炭素数2~30のアルキニレンを表し;ここにおいて、R201とR202とで環構造を形成してもよい。)
化学式(1)で表される化合物としては、例えば、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2-メルカプトエチルトリメトキシシラン、2-メルカプトエチルトリエトキシシランや、下記化学式(4)で表される化合物(エボニックデグサ社製のSi363)等が挙げられ、下記化学式(4)で表される化合物を好適に使用することができる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
Figure 2023115896000004
化学式(2)で示される結合単位Aと化学式(3)で示される結合単位Bとを含む化合物としては、例えば、モメンティブ社等より製造販売されているものが挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、シリカの分散性を高める観点から、1.0質量部超が好ましく、3.0質量部超がより好ましく、5.0質量部超がさらに好ましい。また、コストおよび加工性の観点からは、20質量部未満が好ましく、15質量部未満がより好ましく、12質量部未満がさらに好ましい。
<樹脂成分>
樹脂成分としては、特に限定されないが、タイヤ工業で慣用される石油樹脂、テルペン系樹脂、ロジン系樹脂、フェノール系樹脂等が挙げられる。樹脂成分は熱可塑性樹脂であることが好ましい。これらの樹脂成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
石油樹脂としては、C5系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、C5C9系石油樹脂などが挙げられる。このうち、C5系石油樹脂とは、C5留分を重合することにより得られる樹脂をいう。C5留分としては、例えば、シクロペンタジエン、ペンテン、ペンタジエン、イソプレン等の炭素数4~5個相当の石油留分が挙げられる。C5系石油樹脂しては、ジシクロペンタジエン樹脂(DCPD樹脂)が好適に用いられる。
芳香族系石油樹脂とは、C9留分を重合することにより得られる樹脂をいい、それらを水素添加したものや変性したものであってもよい。C9留分としては、例えば、ビニルトルエン、アルキルスチレン、インデン、メチルインデン等の炭素数8~10個相当の石油留分が挙げられる。芳香族系石油樹脂の具体例としては、例えば、クマロンインデン樹脂、クマロン樹脂、インデン樹脂、および芳香族ビニル系樹脂が好適に用いられる。芳香族ビニル系樹脂としては、経済的で、加工しやすく、発熱性に優れているという理由から、α-メチルスチレンもしくはスチレンの単独重合体またはα-メチルスチレンとスチレンとの共重合体が好ましく、α-メチルスチレンとスチレンとの共重合体がより好ましい。芳香族ビニル系樹脂としては、例えば、ブラスケム(Braskem)社、クレイトン社、イーストマンケミカル社等より市販されているものを使用することができる。
C5C9系石油樹脂とは、前記C5留分と前記C9留分を共重合することにより得られる樹脂をいい、それらを水素添加したものや変性したものであってもよい。C5留分およびC9留分としては、前記の石油留分が挙げられる。C5C9系石油樹脂としては、例えば、東ソー(株)、LUHUA社等より市販されているものを使用することができる。
テルペン系樹脂としては、α-ピネン、β-ピネン、リモネン、ジペンテン等のテルペン化合物から選ばれる少なくとも1種からなるポリテルペン樹脂;前記テルペン化合物と芳香族化合物とを原料とする芳香族変性テルペン樹脂;テルペン化合物とフェノール系化合物とを原料とするテルペンフェノール樹脂;並びにこれらのテルペン系樹脂に水素添加処理を行ったもの(水素添加されたテルペン系樹脂)が挙げられる。芳香族変性テルペン樹脂の原料となる芳香族化合物としては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルトルエン等が挙げられる。テルペンフェノール樹脂の原料となるフェノール系化合物としては、例えば、フェノール、ビスフェノールA、クレゾール、キシレノール等が挙げられる。
ロジン系樹脂としては、特に限定されないが、例えばトールロジン、ガムロジン、ウッドロジン等の天然樹脂ロジン、それを水素添加、不均化、二量化、エステル化等で変性したロジン変性樹脂等が挙げられる。
フェノール系樹脂としては、特に限定されないが、フェノールホルムアルデヒド樹脂、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂、アルキルフェノールアセチレン樹脂、オイル変性フェノールホルムアルデヒド樹脂等が挙げられる。
樹脂成分の軟化点は、ウェットグリップ性能の観点から、60℃以上が好ましく、65℃以上がより好ましく、70℃以上がさらに好ましい。また、加工性、ゴム成分と充填剤との分散性向上という観点からは、150℃以下が好ましく、140℃以下がより好ましく、130℃以下がさらに好ましい。なお、軟化点は、JIS K 6220-1:2001に規定される軟化点を環球式軟化点測定装置で測定し、球が降下した温度として定義され得る。
樹脂成分を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、耐チッピング性能の観点から、0.5質量部超が好ましく、1.0質量部超がより好ましく、1.5質量部以上がさらに好ましい。一方、該含有量は、発熱性抑制の観点からは、20質量部未満が好ましく、10質量部未満がより好ましく、5質量部未満がさらに好ましい。
<その他の配合剤>
本開示に係るトレッドの各層を構成するゴム組成物には、前記成分以外にも、従来タイヤ工業で一般に使用される配合剤、例えば、樹脂成分以外の可塑剤、ワックス、加工助剤、ステアリン酸、酸化亜鉛、老化防止剤、加硫剤、加硫促進剤等を適宜含有することができる。
(樹脂成分以外の可塑剤)
本開示に係るトレッドの各層を構成するゴム組成物は、樹脂成分以外の可塑剤を含有することが好ましい。可塑剤としては、例えば、オイル、液状ゴム、エステル系可塑剤等が挙げられる。
オイルとしては、例えば、プロセスオイル、植物油脂、動物油脂等が挙げられる。前記プロセスオイルとしてはパラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル等が挙げられる。また、環境対策で多環式芳香族(polycyclic aromatic compound:PCA)化合物の含量の低いプロセスオイルを使用することもできる。前記低PCA含量プロセスオイルとしては、軽度抽出溶媒和物(MES)、処理留出物芳香族系抽出物(TDAE)、重ナフテン系オイル等が挙げられる。
オイルを含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、加工性の観点から、1質量部超が好ましく、3質量部超がより好ましく、5質量部超がさらに好ましく、7質量部超が特に好ましい。また、耐摩耗性能の観点からは、50質量部未満が好ましく、25質量部未満がより好ましく、10質量部未満がさらに好ましい。なお、本明細書において、オイルの含有量には、油展ゴムに含まれるオイル量も含まれる。
液状ゴムは、常温(25℃)で液体状態のポリマーであれば特に限定されないが、例えば、液状ブタジエンゴム(液状BR)、液状スチレンブタジエンゴム(液状SBR)、液状イソプレンゴム(液状IR)、液状スチレンイソプレンゴム(液状SIR)、液状ファルネセンゴム等が挙げられる。これらの液状ゴムは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
液状ゴムを含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、1質量部超が好ましく、3質量部超がより好ましく、5質量部超がさらに好ましく、7質量部超が特に好ましい。また、液状ゴムの含有量は、50質量部未満が好ましく、25質量部未満がより好ましく、10質量部未満がさらに好ましい。
エステル系可塑剤としては、例えば、アジピン酸ジブチル(DBA)、アジピン酸ジイソブチル(DIBA)、アジピン酸ジオクチル(DOA)、アゼライン酸ジ2-エチルヘキシル(DOZ)、セバシン酸ジブチル(DBS)、アジピン酸ジイソノニル(DINA)、フタル酸ジエチル(DEP)、フタル酸ジオクチル(DOP)、フタル酸ジウンデシル(DUP)、フタル酸ジブチル(DBP)、セバシン酸ジオクチル(DOS)、リン酸トリブチル(TBP)、リン酸トリオクチル(TOP)、リン酸トリエチル(TEP)、リン酸トリメチル(TMP)、チミジントリリン酸(TTP)、リン酸トリクレシル(TCP)、リン酸トリキシレニル(TXP)等が挙げられる。これらのエステル系可塑剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(ワックス)
ワックスを含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、ゴムの耐候性の観点から、0.5質量部超が好ましく、1.0質量部超がより好ましい。また、ブルームによるタイヤの白色化防止の観点からは、10質量部未満が好ましく、5質量部未満がより好ましい。
(加工助剤)
加工助剤としては、例えば、脂肪酸金属塩、脂肪酸アミド、アミドエステル、シリカ表面活性剤、脂肪酸エステル、脂肪酸金属塩とアミドエステルとの混合物、脂肪酸金属塩と脂肪酸アミドとの混合物等が挙げられる。これらの加工助剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。加工助剤としては、例えば、Schill+Seilacher社、パフォーマンスアディティブス社等より市販されているものを使用することができる。
加工助剤を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、加工性の改善効果を発揮させる観点から、0.5質量部超が好ましく、1.0質量部超がより好ましい。また、耐摩耗性および破壊強度の観点からは、10質量部未満が好ましく、8質量部未満がより好ましい。
(老化防止剤)
老化防止剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、アミン系、キノリン系、キノン系、フェノール系、イミダゾール系の各化合物や、カルバミン酸金属塩等の老化防止剤が挙げられ、N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-イソプロピル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ジフェニル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ジ-2-ナフチル-p-フェニレンジアミン、N-シクロヘキシル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン等のフェニレンジアミン系老化防止剤、および2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン重合体、6-エトキシ-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン等のキノリン系老化防止剤が好ましい。これらの老化防止剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
老化防止剤を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、ゴムの耐オゾンクラック性の観点から、0.5質量部超が好ましく、1.0質量部超がより好ましく、1.5質量部超がさらに好ましい。また、耐摩耗性能やウェットグリップ性能の観点からは、10.0質量部未満が好ましく、5.0質量部未満がより好ましい。
(ステアリン酸)
ステアリン酸を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、加工性の観点から、0.5質量部超が好ましく、1.0質量部以上がより好ましく、1.5質量部超がさらに好ましい。また、加硫速度の観点からは、10.0質量部未満が好ましく、5.0質量部未満がより好ましい。
(酸化亜鉛)
酸化亜鉛を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、加工性の観点から、0.5質量部超が好ましく、1.0質量部超がより好ましく、1.5質量部超がさらに好ましい。また、耐摩耗性能の観点からは、10.0質量部未満が好ましく、5.0質量部未満がより好ましい。
(加硫剤)
加硫剤としては硫黄が好適に用いられる。硫黄としては、粉末硫黄、油処理硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄等を用いることができる。
加硫剤として硫黄を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、十分な加硫反応を確保する観点から、0.1質量部超が好ましく、0.3質量部超がより好ましく、0.5質量部超がさらに好ましい。また、劣化防止の観点からは、3.0質量部未満が好ましく、1.5質量部未満がより好ましく、1.25質量部以下がさらに好ましく、1質量部以下がさらに好ましい。なお、加硫剤として、オイル含有硫黄を使用する場合の加硫剤の含有量は、オイル含有硫黄に含まれる純硫黄分の合計含有量とする。
硫黄以外の加硫剤としては、例えば、アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物、1,6-ヘキサメチレン-ジチオ硫酸ナトリウム・二水和物、1,6-ビス(N,N’-ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサン等が挙げられる。これらの硫黄以外の加硫剤は、田岡化学工業(株)、ランクセス(株)、フレクシス社等より市販されているものを使用することができる。
(加硫促進剤)
加硫促進剤としては、例えば、スルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系、チオウレア系、グアニジン系、ジチオカルバミン酸系、アルデヒド-アミン系若しくはアルデヒド-アンモニア系、イミダゾリン系、またはキサンテート系加硫促進剤等が挙げられる。これら加硫促進剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、スルフェンアミド系、グアニジン系、およびチアゾール系加硫促進剤からなる群から選ばれる1以上の加硫促進剤が好ましく、スルフェンアミド系加硫促進剤がより好ましい。
スルフェンアミド系加硫促進剤としては、例えば、N-tert-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBBS)、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N,N-ジシクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(DCBS)等が挙げられる。なかでも、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)が好ましい。
グアニジン系加硫促進剤としては、例えば、1,3-ジフェニルグアニジン(DPG)、1,3-ジ-o-トリルグアニジン、1-o-トリルビグアニド、ジカテコールボレートのジ-o-トリルグアニジン塩、1,3-ジ-o-クメニルグアニジン、1,3-ジ-o-ビフェニルグアニジン、1,3-ジ-o-クメニル-2-プロピオニルグアニジン等が挙げられる。なかでも、1,3-ジフェニルグアニジン(DPG)が好ましい。
チアゾール系加硫促進剤としては、例えば、2-メルカプトベンゾチアゾール、2-メルカプトベンゾチアゾールのシクロヘキシルアミン塩、ジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィド等が挙げられる。なかでも、2-メルカプトベンゾチアゾールが好ましい。
加硫促進剤を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、1.0質量部超が好ましく、1.25質量部以上がより好ましい。また、加硫促進剤のゴム成分100質量部に対する含有量は、8.0質量部未満が好ましく、6.0質量部未満がより好ましく、3.0質量部未満がさらに好ましい。加硫促進剤の含有量を上記範囲内とすることにより、破壊強度および伸びが確保できる傾向がある。
[タイヤ]
本開示のタイヤは、上記ゴム組成物で構成されている所定のトレッドを有するタイヤであって、当該トレッドは2層以上のゴム層からなるものである。
本開示のタイヤについて、以下適宜図面を用いて説明するが、図面は例示にすぎない。図1に示される本開示の一の実施形態のタイヤ1は、外面がトレッド面2を構成する第一層4と、タイヤ半径方向最内側に位置する第二層5とを少なくとも備えるトレッド3を有するタイヤであって、前記第一層4が、上記ゴム組成物で構成されている。ここで、前記第二層5は、図1に示されるように、ベルト層6のタイヤ半径方向外側にあって、当該ベルト層6に隣接している。また、上記で定義されたトレッドの厚さがHで表されており、さらに、トレッド第一層の厚さがH1で、トレッド第二層の厚さがH2で表されている。
本開示のタイヤの他の実施形態は、外面がトレッド面を構成する第一層と、タイヤ半径方向最内側に位置する第二層と、前記第一層と前記第二層との間に少なくとも一つの中間層をさらに備えるトレッドを有するタイヤであって、前記第一層が、上記ゴム組成物で構成されているトレッドを有するタイヤである。ここで、前記中間層は2層からなるものであってもよいし、3層以上からなるものであってもよい。さらに、前記中間層は、4層からなるものであってもよいし、5層からなるものであってもよい。
本開示のタイヤの他の実施形態は、外面がトレッド面を構成する第一層と、タイヤ半径方向最内側に位置する第二層と、前記第一層と前記第二層との間に少なくとも一つの中間層をさらに備えるトレッドを有するタイヤであって、前記第一層、前記第二層および前記中間層の少なくともいずれかが、上記ゴム組成物で構成されているトレッドを有するタイヤである。ここで、前記中間層は2層からなるものであってもよいし、3層以上からなるものであってもよい。さらに、前記中間層は、4層からなるものであってもよいし、5層からなるものであってもよい。
本開示のタイヤにおいて、トレッドの第一層が本開示のゴム組成物で構成されている場合において、トレッド面のランド比(%)をCとするとき、前記第一層におけるゴム成分100質量部に対する微粒子カーボンブラックの含有量(質量部)A1とCとが、以下の式(2)を満たすことが好ましい。
1×C<6000 (2)
上記式(2)の右辺は、好ましくは5000、より好ましくは4500、さらに好ましくは4000、さらに好ましくは3000である。一方、A1×Cの値の下限は、特に限定されないが、例えば、1000程度であってもよいし、1500であってもよいし、2000であってもよい。
本開示のタイヤにおいて、トレッドのいずれかのゴム層が本開示のゴム組成物で構成されている場合において、当該ゴム層の厚み(mm)をDとするとき、当該ゴム層におけるゴム成分100質量部に対する微粒子カーボンブラックの含有量(質量部)AとDとが、以下の式(3)を満たすことが好ましい。
A×D<2000 (3)
上記式(3)の右辺は、好ましくは1500、より好ましくは1200、さらに好ましくは1100、さらに好ましくは1000、さらに好ましくは650、さらに好ましくは600、さらに好ましくは500、さらに好ましくは400、さらに好ましくは300である。一方、A×Dの値の下限は、特に限定されないが、例えば、100程度であってもよいし、200であってもよい。
本開示のタイヤにおいて、トレッドの第一層と、当該第一層に隣接する中間層とが本開示のゴム組成物で構成されている場合において、当該第一層のゴム成分100質量部に対する微粒子カーボンブラックの含有量(質量部)をA1とし、当該第一層に隣接する中間層のゴム成分100質量部に対する微粒子カーボンブラックの含有量(質量部)をAmとするとき、A1とAmとが以下の式(4)を満たすことが好ましい。
m/A1<1.00 (4)
(但し、Amは20以上である。)
上記式(4)の右辺は、好ましくは0.98、より好ましくは0.95、さらに好ましくは0.80、さらに好ましくは0.75、さらに好ましくは0.70、さらに好ましくは0.65、さらに好ましくは0.60、さらに好ましくは0.56である。一方、Am/A1の値の下限は、特に限定されないが、例えば、0.50程度である。
本開示のタイヤにおいて、トレッドの第一層と、当該第一層に隣接する中間層とが本開示のゴム組成物で構成されている場合において、当該第一層のゴム成分100質量部に対するシリカの含有量(質量部)をB1とし、当該第一層に隣接する中間層のゴム成分100質量部に対するシリカの含有量(質量部)をBmとするとき、B1とBmとが以下の式(5)を満たすことが好ましい。
m/B1<1.00 (5)
(但し、Bmは8以上である。)
上記式(5)の右辺は、好ましくは0.90、より好ましくは0.60、さらに好ましくは0.55、さらに好ましくは0.51、さらに好ましくは0.40、さらに好ましくは0.35、さらに好ましくは0.31、さらに好ましくは0.30である。一方、Bm/B1の値の下限は、特に限定されないが、例えば、0.10程度である。
(ランド比)
本開示のタイヤにおいて、前記ランド比(%)Cは、好ましくは60%超、より好ましくは70%超、さらに好ましくは80%超、さらに好ましくは85%超である。また、当該Cは93%未満であることが好ましく、91%未満であることが好ましい。
(各層の厚さ)
本開示において、前記ゴム層の厚み(mm)Dは所定の範囲内であることが好ましい。例えば、本開示のタイヤが第一層と第二層とからなるトレッドを備えるものである場合、第一層の厚さは、好ましくは16mm超であり、より好ましくは18mm超、さらに好ましくは20mm超である。一方、該第一層の厚さは、好ましくは28mm未満、より好ましくは26mm未満、さらに好ましくは24mm未満である。また、第二層の厚さは、好ましくは0.5mm超であり、より好ましくは1.0mm超、さらに好ましくは1.5mm超である。一方、該第二層の厚さは、好ましくは3.5mm未満、より好ましくは3.0mm未満、さらに好ましくは2.5mm未満である。
本開示のタイヤが第一層と中間層と第二層とからなるトレッドを備えるものである場合、第一層の厚さは、好ましくは8mm超であり、より好ましくは9mm超、さらに好ましくは10mm超である。一方、該第一層の厚さは、好ましくは14mm未満、より好ましくは13mm未満、さらに好ましくは12mm未満である。また、中間層の厚さは、好ましくは8mm超であり、より好ましくは9mm超、さらに好ましくは10mm超である。一方、該中間層の厚さは、好ましくは14mm未満、より好ましくは13mm未満、さらに好ましくは12mm未満である。さらに、第二層の厚さは、好ましくは0.5mm超であり、より好ましくは1.0mm超、さらに好ましくは1.5mm超である。一方、該第二層の厚さは、好ましくは3.5mm未満、より好ましくは3.0mm未満、さらに好ましくは2.5mm未満である。
[用途]
本開示に係るタイヤは、2層または3層以上のゴム層からなるトレッドを備えるものであり、空気入りタイヤ、非空気入りタイヤを問わないが、空気入りタイヤとして、好適に使用することができる。また、本開示のタイヤは、乗用車用タイヤ、トラック・バスなどの重荷重用タイヤ、二輪車用タイヤ、高性能タイヤ等さまざまな用途に使用することができ、特に重荷重用タイヤとして好適に使用される。重荷重用タイヤとは、大型のトラックやバスだけでなく、小型のトラック、バス、バンなどを含む概念であり、最大負荷能力が1000kg超のタイヤである。重荷重用タイヤを大型用として適用する場合には、最大負荷能力が1400kg以上のタイヤであることが好ましい。また、重荷重用タイヤを小型用として適用する場合には、ベルト補強層および/またはカーカスのコードがテキスタイルコードであることが好ましい。
[製法]
<ゴム組成物の製造>
本開示のゴム組成物は、公知の方法により製造することができる。例えば、前記の各成分をオープンロール、密閉式混練機(バンバリーミキサー、ニーダー等)等のゴム混練装置を用いて混練りすることにより製造できる。混練り工程は、例えば、加硫剤および加硫促進剤以外の配合剤および添加剤を混練りするベース練り工程と、ベース練り工程で得られた混練物に加硫剤および加硫促進剤を添加して混練りするファイナル練り(F練り)工程とを含んでなるものである。さらに、前記ベース練り工程は、所望により、複数の工程に分けることもできる。混練条件としては特に限定されるものではないが、例えば、ベース練り工程では、排出温度150~170℃で3~10分間混練りし、ファイナル練り工程では、50~110℃で1~5分間混練りする方法が挙げられる。
<タイヤの製造>
上記成分を配合したゴム組成物は、未加硫の段階で、所望のトレッドの各層の形状にあわせて押出し加工し、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤとすることができる。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧(加硫)することにより、本開示のタイヤを得ることができる。加硫条件としては、特に限定されるものではなく、例えば、150~200℃で5~30分間加硫する方法が挙げられる。
以下では、実施をする際に好ましいと考えられる例(実施例)を示すが、本開示の範囲は実施例に限られない。以下に示す各種薬品を用いて、各表に従って得られるタイヤを検討して下記評価方法に基づいて算出した結果を各表の下部に耐摩耗性指数として示す。
[実施例及び比較例]
<各種薬品>
以下、実施例および比較例において用いた各種薬品をまとめて示す。
NR:TSR20
SBR1:ARLANXEO社製のSBR1502(スチレン含量:23.5質量%、ビニル含量:18モル%、Mw:50万)
BR:ARLANXEO社製のBUNA CB24(Nd系触媒を用いて合成したBR、シス量:96モル%、ビニル量:0.7モル%、Mw:50万)
カーボンブラック1:キャボットジャパン(株)製のショウブラックN134(N2SA:148m2/g、平均一次粒子径:18nm)
カーボンブラック2:Birla Carbon Brasil Ltda社製のN220(N2SA:115m2/g、平均一次粒子径:22nm)
シリカ:OSC Siam Silica社製のTOKUSIL USG-A(N2SA:175m2/g)
シランカップリング剤:エボニックデグサ社製のSi266(ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)
樹脂成分1:Braskem社製のUNILEN A-100(芳香族系石油樹脂、軟化点96~105℃(前記軟化点の測定はASTM D6943による))
樹脂成分2:ヤスハラケミカル(株)製のYSレジンTO-125(芳香族変性テルペン樹脂、軟化点:125℃)
樹脂成分3:ハリマ化成(株)製のハリスターP(エステル化されたロジン樹脂、軟化点102℃)
オイル:出光興産(株)製のダイアナプロセスオイルPA32
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華2種
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン)
ステアリン酸:日油(株)製のビーズステアリン酸つばき
ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノックN
硫黄:軽井沢硫黄(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS-P(N-tert-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
<未加硫ゴム組成物>
表1に示す配合処方にしたがい、1.7Lの密閉型バンバリーミキサーを用いて、硫黄および加硫促進剤以外の薬品を排出温度150~160℃になるまで1~10分間混練りし、混練物を得る。次に、2軸オープンロールを用いて、得られた混練物に硫黄および加硫促進剤を添加し、4分間、105℃になるまで練り込み、未加硫ゴム組成物を得る。
<二層トレッドのタイヤ>
未加硫ゴム組成物を用いて、表2に従い、トレッドの第一層(厚さ:22.0mm)および第二層(厚さ:2.0mm)の形状に合わせて成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせて未加硫タイヤを作製し、170℃で加硫して、各試験用タイヤ(サイズ:12R22.5、トラック・バス用タイヤ)を得る。
<三層トレッドのタイヤ>
未加硫ゴム組成物を用いて、表3~表5に従い、トレッドの第一層(厚さ:11.0mm)、中間層(厚さ:11.0mm)、および第二層(厚さ:2.0mm)の形状に合わせて成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせて未加硫タイヤを作製し、170℃で加硫して、各試験用タイヤ(サイズ:12R22.5、トラック・バス用タイヤ)を得る。
(耐摩耗性能の評価方法)
各試験タイヤをリム(7.50×22.5)にリム組みし、内圧を750kPaに調整する。このタイヤを、試験車両(2-Dトラック)のドライブ輪に装着する。この試験車両(積載荷重:8トン)で、礫や砂が混在する未舗装路の悪路を走行し、耐摩耗性を評価する。走行距離が4万5000km(摩耗率30%に相当)に達した時点で、摩耗量を計測する。摩耗量の逆数を、基準例(比較例1、比較例8、比較例15、比較例16)を100として指数表示する。数値が大きいほど、摩耗量が少なく、耐摩耗性に優れる。
Figure 2023115896000005
Figure 2023115896000006
Figure 2023115896000007
Figure 2023115896000008
Figure 2023115896000009
Figure 2023115896000010
Figure 2023115896000011
<実施形態>
以下に、好ましい実施形態を示す。
[1]イソプレン系ゴム、ブタジエンゴムおよびスチレンブタジエンゴムを含むゴム成分と、微粒子カーボンブラックおよびシリカを含む充填剤とを含むゴム組成物であって、
前記微粒子カーボンブラックの平均一次粒子径が19nm以下、好ましくは18nm以下である、ゴム組成物、
[2]前記ゴム成分100質量部に対して、前記微粒子カーボンブラックの含有量(質量部)をAとし、前記シリカの含有量(質量部)をBとするとき、AとBとが、以下の式(1)を満たす、好ましくは式(1)の右辺が0.40である、より好ましくは式(1)の右辺が0.30である、さらに好ましくは式(1)の右辺が0.25である、さらに好ましくは式(1)の右辺が0.20である、さらに好ましくは式(1)の右辺が0.15である、さらに好ましくは式(1)の右辺が0.12である、前記[1]記載のゴム組成物、
B/(A+B)<0.50 (1)
[3]さらに樹脂成分を含有する、前記[1]または[2]記載のゴム組成物、
[4]さらに硫黄を含有し、ゴム成分100質量部に対する硫黄の含有量が1.25質量部以下、より好ましくは1質量部以下である、前記[1]~[3]のいずれかに記載のゴム組成物、
[5]外面がトレッド面を構成する第一層と、タイヤ半径方向最内側に位置する第二層とを少なくとも備えるトレッドを有するタイヤであって、
前記第一層が、前記[1]~[4]のいずれかに記載のゴム組成物で構成されているトレッドを有するタイヤ、
[6]外面がトレッド面を構成する第一層と、タイヤ半径方向最内側に位置する第二層と、前記第一層と前記第二層との間に少なくとも一つの中間層をさらに備えるトレッドを有するタイヤであって、
前記第一層が、前記[1]~[4]のいずれかに記載のゴム組成物で構成されているトレッドを有するタイヤ、
[7]外面がトレッド面を構成する第一層と、タイヤ半径方向最内側に位置する第二層と、前記第一層と前記第二層との間に少なくとも一つの中間層をさらに備えるトレッドを有するタイヤであって、
前記第一層、前記第二層および前記中間層の少なくともいずれかが、前記[1]~[4]のいずれかに記載のゴム組成物で構成されているトレッドを有するタイヤ、
[8]前記第一層が前記[1]~[4]のいずれかに記載のゴム組成物で構成されている場合において、トレッド面のランド比をCとするとき、前記第一層におけるゴム成分100質量部に対する微粒子カーボンブラックの含有量(質量部)A1とCとが、以下の式(2)を満たす、好ましくは式(2)の右辺が5000である、より好ましくは式(2)の右辺が4500である、さらに好ましくは式(2)の右辺が4000である、さらに好ましくは式(2)の右辺が3000である、前記[5]~[7]のいずれかに記載のタイヤ、
1×C<6000 (2)
[9]前記[1]~[4]のいずれかに記載のゴム組成物で構成されている、トレッドのいずれかのゴム層において、当該ゴム層の厚み(mm)をDとするとき、当該ゴム層におけるゴム成分100質量部に対する微粒子カーボンブラックの含有量(質量部)AとDとが、以下の式(3)を満たす、好ましくは式(3)の右辺が1500である、より好ましくは式(3)の右辺が1200である、さらに好ましくは式(3)の右辺が1100である、さらに好ましくは式(3)の右辺が1000である、さらに好ましくは式(3)の右辺が650である、さらに好ましくは式(3)の右辺が600、さらに好ましくは式(3)の右辺が500である、さらに好ましくは式(3)の右辺が400である、さらに好ましくは式(3)の右辺が300である、前記[5]~[8]のいずれかに記載のタイヤ、
A×D<2000 (3)
[10]前記少なくとも一つの中間層のうち、前記第一層に隣接する中間層が、前記[1]~[4]のいずれかに記載のゴム組成物で構成されている、前記[6]記載のタイヤであって、
前記第一層のゴム成分100質量部に対する微粒子カーボンブラックの含有量(質量部)をA1とし、前記第一層に隣接する中間層のゴム成分100質量部に対する微粒子カーボンブラックの含有量(質量部)をAmとするとき、A1とAmとが以下の式(4)を満たす、好ましくは式(4)の右辺が0.98である、より好ましくは式(4)の右辺が0.95である、さらに好ましくは式(4)の右辺が0.80である、さらに好ましくは式(4)の右辺が0.75である、さらに好ましくは式(4)の右辺が0.70である、さらに好ましくは式(4)の右辺が0.65である、さらに好ましくは式(4)の右辺が0.60である、さらに好ましくは式(4)の右辺が0.56であるタイヤ、
m/A1<1.00 (4)
(但し、Amは20以上である。)
[11]前記少なくとも一つの中間層のうち、前記第一層に隣接する中間層が、前記[1]~[4]のいずれかに記載のゴム組成物で構成されている、前記[6]または[10]記載のタイヤであって、
前記第一層のゴム成分100質量部に対するシリカの含有量(質量部)をB1とし、前記第一層に隣接する中間層のゴム成分100質量部に対するシリカの含有量(質量部)をBmとするとき、B1とBmとが以下の式(5)を満たす、好ましくは式(5)の右辺が0.90である、より好ましくは式(5)の右辺が0.60である、さらに好ましくは式(5)の右辺が0.55である、さらに好ましくは式(5)の右辺が0.51である、さらに好ましくは式(5)の右辺が0.40である、さらに好ましくは式(5)の右辺が0.35である、さらに好ましくは式(5)の右辺が0.31である、さらに好ましくは式(5)の右辺が0.30であるタイヤ、
m/B1<1.00 (5)
(但し、Bmは8以上である。)
[12]重荷重用である、前記[5]~[11]のいずれかに記載のタイヤ。
1・・・タイヤ
2・・・トレッド面
3・・・トレッド
4・・・第一層
5・・・第二層
6・・・ブレーカー
H・・・トレッドの厚さ
H1・・トレッドの第一層の厚さ
H2・・トレッドの第二層の厚さ
C・・・タイヤ中心線

Claims (12)

  1. イソプレン系ゴム、ブタジエンゴムおよびスチレンブタジエンゴムを含むゴム成分と、微粒子カーボンブラックおよびシリカを含む充填剤とを含むゴム組成物であって、
    前記微粒子カーボンブラックの平均一次粒子径が19nm以下である、ゴム組成物。
  2. 前記ゴム成分100質量部に対して、前記微粒子カーボンブラックの含有量(質量部)をAとし、前記シリカの含有量(質量部)をBとするとき、AとBとが、以下の式(1)を満たす、請求項1記載のゴム組成物。
    B/(A+B)<0.50 (1)
  3. さらに樹脂成分を含有する、請求項1または2記載のゴム組成物。
  4. さらに硫黄を含有し、ゴム成分100質量部に対する硫黄の含有量が1.25質量部以下である、請求項1または2記載のゴム組成物。
  5. 外面がトレッド面を構成する第一層と、タイヤ半径方向最内側に位置する第二層とを少なくとも備えるトレッドを有するタイヤであって、
    前記第一層が、請求項1または2記載のゴム組成物で構成されているトレッドを有するタイヤ。
  6. 外面がトレッド面を構成する第一層と、タイヤ半径方向最内側に位置する第二層と、前記第一層と前記第二層との間に少なくとも一つの中間層をさらに備えるトレッドを有するタイヤであって、
    前記第一層が、請求項1または2記載のゴム組成物で構成されているトレッドを有するタイヤ。
  7. 外面がトレッド面を構成する第一層と、タイヤ半径方向最内側に位置する第二層と、前記第一層と前記第二層との間に少なくとも一つの中間層をさらに備えるトレッドを有するタイヤであって、
    前記第一層、前記第二層および前記中間層の少なくともいずれかが、請求項1または2記載のゴム組成物で構成されているトレッドを有するタイヤ。
  8. 前記第一層が前記請求項1または2記載のゴム組成物で構成されている場合において、トレッド面のランド比をCとするとき、前記第一層におけるゴム成分100質量部に対する微粒子カーボンブラックの含有量(質量部)A1とCとが、以下の式(2)を満たす、請求項5記載のタイヤ。
    1×C<6000 (2)
  9. 前記請求項1または2記載のゴム組成物で構成されている、トレッドのいずれかのゴム層において、当該ゴム層の厚み(mm)をDとするとき、当該ゴム層におけるゴム成分100質量部に対する微粒子カーボンブラックの含有量(質量部)AとDとが、以下の式(3)を満たす、請求項7記載のタイヤ。
    A×D<2000 (3)
  10. 前記少なくとも一つの中間層のうち、前記第一層に隣接する中間層が、請求項1または2記載のゴム組成物で構成されている、請求項6記載のタイヤであって、
    前記第一層のゴム成分100質量部に対する微粒子カーボンブラックの含有量(質量部)をA1とし、前記第一層に隣接する中間層のゴム成分100質量部に対する微粒子カーボンブラックの含有量(質量部)をAmとするとき、A1とAmとが以下の式(4)を満たすタイヤ。
    m/A1<1.00 (4)
    (但し、Amは20以上である。)
  11. 前記少なくとも一つの中間層のうち、前記第一層に隣接する中間層が、請求項1または2記載のゴム組成物で構成されている、請求項6記載のタイヤであって、
    前記第一層のゴム成分100質量部に対するシリカの含有量(質量部)をB1とし、前記第一層に隣接する中間層のゴム成分100質量部に対するシリカの含有量(質量部)をBmとするとき、B1とBmとが以下の式(5)を満たすタイヤ。
    m/B1<1.00 (5)
    (但し、Bmは8以上である。)
  12. 重荷重用である、請求項5記載のタイヤ。
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