JP2023115546A - リングレーザージャイロスコープ - Google Patents

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Abstract

【課題】ディザ振動によってさえも阻止できないロックイン現象に起因する検出角速度の精度劣化の蓄積を低減できるリングレーザージャイロスコープを提供する。【解決手段】リングレーザージャイロスコープ100は、閉ループ状の光学路を対向伝播するレーザー光を生成するための光学ブロックと、光学ブロックにロックイン現象を緩和させるディザ振動を与えるディザ機構200と、ディザ振動を制御するディザ制御器300を含む。ディザ制御器300は、ディザ振動の角速度の周波数にランダム性を付与する。【選択図】図5

Description

本開示は、ロックイン現象を緩和するディザ機構を持つリングレーザージャイロスコープに関し、より詳しくは、ディザ機構が生成する振動の性質に関する。
図1と図2を参照して、先行技術として知られているリングレーザージャイロスコープ900を概説する。リングレーザージャイロスコープ900は、光学機構910と信号処理器920を含む。光学機構910は、ガラス製の光学ブロック11を持っている。光学ブロック11の内部に閉ループ状(通例、多角形状であり、図1に示す例では三角形状である)の光学路12が形成されている。光学路12の各頂部にミラー13,14,15が配置されている。ミラー13は一部透過ミラーであり、ミラー14,15のそれぞれは全反射ミラーである。光学路12の各辺に陽極16,17および陰極18が取り付けられている。光学路12内にレーザー媒質が封入されている。陽極16,17と陰極18との間に高電圧を印加することによってレーザー媒質を励起する。この結果、光学路12を対向伝播するレーザー光(図1に示す例では、時計回りのレーザー光と反時計回りのレーザー光である)が発生する。時計回りのレーザー光は、光学路12内にてミラー13,14,15で反射して、三角ループ状に時計回りに進行する。反時計回りのレーザー光は、光学路12内にてミラー13,14,15で反射して、三角ループ状に反時計回りに進行する。以下、光学路12内のレーザー光の進路をループ状進路と呼称する。
光学ブロック11がループ状進路を含む平面の法線周りに或る角速度(以下、入力角速度と呼称する)で時計周りに回転する時、サニャック効果によって、時計回りのレーザー光の周波数は入力角速度の大きさに比例して減少し、反時計回りのレーザー光の周波数は入力角速度の大きさに比例して増大する。光学ブロック11が反時計周りに回転する時、時計回りのレーザー光の周波数は入力角速度の大きさに比例して増大し、反時計回りのレーザー光の周波数は入力角速度の大きさに比例して減少する。時計回りのレーザー光の周波数と反時計回りのレーザー光の周波数の周波数差は、光干渉縞の単位時間の移動数に相当する。したがって、周波数差と光干渉縞の移動方向を計測することによって、入力角速度の大きさと極性を検出することができる。
このために、ミラー13を通してレーザー光が取り出される。図1において、符号22は一方のレーザー光の進路を屈折させることによって互いに同じ方向に進行する一方のレーザー光と他方のレーザー光との光干渉縞を形成するためのプリズムを示しており、符号21は光干渉縞(つまり、干渉光)を検出するフォトセンサを示している。符号23は、ループ状進路の長さを制御するために、取り出されたレーザー光の強度を測定するレーザー光強度測定器を示している。図1では、レーザー光強度測定器23によって測定されるレーザー光の強度を一定に保つようにループ状進路の長さを制御する進路長制御器の図示を省略している。
図1では、フォトセンサ21、プリズム22およびレーザー光強度測定器23は光学ブロック11から離されて図示されているが、フォトセンサ21、プリズム22およびレーザー光強度測定器23は光学ブロック11又は光学ブロック11が固定されているケースに取り付けられている。
リングレーザージャイロスコープにおいて、実用的見地から好ましくない現象の一つがロックイン現象である。ロックイン現象は、非ゼロの入力角速度が光学ブロック11に実際に印加されているにもかかわらず、時計回りのレーザー光の周波数と反時計回りのレーザー光の周波数の差がゼロになり、この結果、リングレーザージャイロスコープによって検出される角速度がゼロになる現象である。ロックイン現象は、対向伝播するレーザー光の同期現象に由来しており、ゼロを含む小さい角速度範囲(以下、ロックイン角速度範囲と呼称する)に含まれる非ゼロの入力角速度で光学ブロック11が回転する時に発生する。対向伝播するレーザー光はリングレーザージャイロスコープを構成する種々の部品からの擾乱を受けるので、ロックイン現象の発生を完全に阻止することは不可能である。
ロックイン現象を緩和するため(つまり、レーザー光間の周波数差がゼロになるロックイン角速度範囲を小さくするため)、ループ状進路の周方向の振動、つまりループ状進路を含む平面に垂直な光学ブロック11の軸心周りの振動を光学ブロック11に与えるディザ機構200が、光学ブロック11の中央に形成されている開口部19に取り付けられている。以下、この振動をディザ振動と呼称する。例えば、ディザ振動の角振動数は、ロックイン角速度範囲の上限の値(或いは下限の絶対値)と比較してかなり大きい値であり(通例、数百ラジアン毎秒である)、ディザ振動の角度振幅は1度に及ばない。
ディザ機構200は図2に示すように、一方向(つまり、図2の紙面に垂直な方向である)に伸びる軸部34と、円筒状の側壁部32と、複数個(この例では3個である)の連結部33を含む。軸部34は側壁部32の軸心に位置している。3個の連結部33は、軸部34から放射状に伸びて側壁部32に至る。3個の連結部33は、軸部34と側壁部32の間の空間を等間隔に区切っている。この例では、軸部34と側壁部32と隣り合う2個の連結部33によって囲まれた3個の空間が存在しており、軸部34から3個の空間のそれぞれに向かって1個の取り付け部34aが突出している。取り付け部34aは、ディザ機構200を具備するリングレーザージャイロスコープ900を例えばケースにネジ止め固定して搭載する際に使用するネジのための穴34bを持っている。各連結部33の両側面のそれぞれに圧電素子35が取り付けられている。側壁部32は、光学ブロック11に接触している。
3個の変形部33に取り付けられた計3対(つまり、6個)の圧電素子35のうち、2対はディザ振動を発生させるために使用され、残る1対はディザ振動の検出のために使用される。
ディザ機構200は、振動発生機構であり、通例、ディザ機構200に固有の振動数を持っている。したがって、効率的にディザ機構200を駆動するために、ディザ振動の周波数がディザ機構200の固有振動数に概ね一致することが望ましい。先行技術によると、ロックイン現象を緩和させるために、信号処理器920に含まれるディザ制御部43は、ディザ振動の検出のために使用される圧電素子によって得られた電気信号(以下、ディザピックオフ信号と呼称する)を用いて、ディザ振動がディザ機構200の固有振動数に概ね一致する周波数を持つように、ディザ振動を制御する(特許文献2の図3を参照)。ディザ振動を発生させるために使用される圧電素子は、ディザ制御部43によって制御されたディザ振動を発生する。ディザピックオフ信号は、信号処理器920に含まれるバイアス信号除去部42にも入力される。
フォトセンサ21によって検知された光干渉縞の情報(例えば、光干渉縞の移動方向と速さ)は、信号処理器920に含まれる検出処理部41に入力され、角速度情報に変換される。検出処理部41によって出力された角速度情報は、バイアス信号除去部42に入力される。
バイアス信号除去部42は、ディザピックオフ信号を用いてディザ振動に相当する振動角速度成分を角速度情報から除去し、この結果を角速度信号として出力する。この角速度信号が、リングレーザージャイロスコープ900を備える機器の運動における角速度を表す。
このようなリングレーザージャイロスコープは、例えば、特許文献1,2,3において先行技術として開示されている。
日本国特開2014-055801号公報 日本国特開2013-024802号公報 米国特許6683692号公報
先述のとおり、光学ブロックにディザ振動を与えてもロックイン現象の発生を完全に阻止することは不可能である。なぜなら、ディザ振動の方向が変わるたびに光学ブロックの角速度がロックイン角速度範囲に入る時間帯があるからである。この時、ロックイン現象が発生する。したがって、例えばリングレーザージャイロスコープの経年変化あるいは環境温度の所為で、信号処理器のデジタル処理のためのサンプリングがロックイン現象の発生と同期する可能性があり、この同期によって検出角速度の精度劣化が蓄積する可能性がある。先行技術によると、このような精度劣化の蓄積を低減するため、ディザ振動の角速度の振幅にランダム性が付与される(つまり、振幅にランダムなノイズが加えられる)。
しかし、ディザ振動の角速度の振幅にランダム性を付与しても、ディザ振動の角速度の周波数が一定であるので、信号処理器のデジタル処理のためのサンプリングがロックイン現象の発生と同期することを十分に抑制できない。
このような背景技術に鑑みて、別の観点から、ディザ振動によってさえも阻止できないロックイン現象に起因する検出角速度の精度劣化の蓄積を低減できるリングレーザージャイロスコープが提供される。
ここで述べる技術事項は、特許請求の範囲に記載された発明を明示的にまたは黙示的に限定するためではなく、さらに、本発明によって利益を受ける者(例えば出願人と権利者である)以外の者によるそのような限定を容認する可能性の表明でもなく、単に、本発明の要点を容易に理解するために記載される。他の観点からの本発明の概要は、例えば、この特許出願の出願時の特許請求の範囲から理解できる。
本発明によると、ディザ振動の角速度の周波数にランダム性が付与される。つまり、ディザ振動の角速度の周波数にランダムなノイズが加えられる。
本発明によれば、ディザ振動によってさえも阻止できないロックイン現象に起因する検出角速度の精度劣化の蓄積を低減できる。
先行技術のリングレーザージャイロスコープの構成。 ディザ機構の構成。 フィードバック系のブロック線図。 1次移相器の例。 実施形態のリングレーザージャイロスコープの構成。
実施形態の説明に先立ち、本発明の理論的概要を説明する。
リングレーザージャイロスコープのロックイン現象は、対向伝播するレーザー光の同期現象に由来している。対向伝播するレーザー光間の位相差φ(t)の時間変化率は、Adler Equationとして式(1)で表される。tは時刻であり、Ωは入力角速度であり、Ωはロックイン角速度範囲の上限値(あるいは下限値の絶対値)である。
Figure 2023115546000002
ロックイン現象を緩和するためディザ振動の角速度を表す例えば正弦波を式(1)に付加することによって式(2)が得られる。Ωはディザ振動の角速度の振幅であり、ωはディザ振動の角速度の角振動数である。ディザ振動の角速度は、正弦波に限定されず、例えば三角波によって表されてもよい。
Figure 2023115546000003
ωが十分に大きいとき(通例、数百ラジアン毎秒である)、式(2)は近似的に式(3)に書き換えられる。J(x)は0次の第1種ベッセル関数であり、φは初期位相である。
Figure 2023115546000004
先行技術によると、ディザ振動によってさえも阻止できないロックイン現象に起因する検出角速度の精度劣化の蓄積を低減するために、ディザ振動の角速度の振幅にランダムなノイズが加えられる。これは、式(4)を意味する。ξ(t)はランダムなノイズである。この明細書では、「ランダム」あるいは「ランダム性」という用語は、規則性を持たない或いは周期性を持たないという意味で使用されており、確定性を有さないことあるいは再現性を有さないことは必ずしも要求されない。
Figure 2023115546000005
先行技術によると、ωが一定であるので、ディザ振動の角速度の振幅にランダムなノイズを加えたとしても、信号処理器のデジタル処理のためのサンプリングがロックイン現象の発生と同期することを十分に抑制できない。よって、本発明では、ディザ振動によってさえも阻止できないロックイン現象に起因する検出角速度の精度劣化の蓄積を低減するために、ディザ振動の角速度の周波数にランダムなノイズが加えられる。これは、式(5)を意味する。
Figure 2023115546000006
以下、ωにランダムなノイズを与える機構の一例について説明する。ここでは、説明を簡単にするため、アナログ回路に基づく説明を提供するが、ωにランダムなノイズを与える機構はデジタル回路で構築してよい。正弦トルクu=Msinωtを光学ブロックに与えるディザ機構による光学ブロックの回転運動の運動方程式は式(6)で表される。θはディザ振動による光学ブロックの変位角を表し、Jは光学ブロックの慣性モーメントを表し、Cは粘性減衰係数を表し、Kはバネ定数を表し、Mは正弦トルクの振幅を表す。θは時刻tの関数である。
Figure 2023115546000007
式(6)の右辺が0であるときの同次方程式すなわち減衰自由振動の解は時間と共に減衰するので、十分な時間が経った後に、正弦トルクに対する特解である定常振動のみが残る。したがって、定常振動のみを調べる。特解が式(7)で与えられるとして、角度振幅Θと位相角φの関係を求める。
Figure 2023115546000008
式(7)を式(6)に代入することによって式(8)および式(9)が得られる。ただし、η=ωは振動数比であり、ζ=C/Cは減衰比率であり、ω=√(K/J)は不減衰固有角振動数であり、C=2√(JK)=2Jωは臨界減衰係数であり、Θ=M/Kである。
Figure 2023115546000009
光学ブロックとディザ機構で構成される振動系が共振するとき、最大の応答倍率を与える振動数比ηは共振点と呼ばれ式(10)で与えられる。共振点での位相角は式(11)で与えられる。なお、実際の光学ブロックの粘性減衰係数Cは十分に小さいので、φは概ね90度である。
Figure 2023115546000010
このように、ω=ηωの角振動数で正弦トルクuを光学ブロックに与えることよって、振動系は共振し、式(11)のφに相当する位相遅れをもって変位角θが検出される。したがって、変位角θに基づいて正弦トルクuをフィードバック制御するフィードバック系800を考えるならば、フィードバック系800が上述の振動系810と、変位角θを検知するセンサ820と、1次移相器830を含み、且つ、センサ820で検知された変位角θを表す信号の位相を1次移相器830によってφだけ進めた信号でディザ機構を駆動して正弦トルクuを光学ブロックに与えることによって、共振周波数で振動する振動系を構築できるであろう。このフィードバック系800のブロック線図は図3に示すとおりである。
振動系810つまり式(6)の伝達関数は式(12)で与えられる。式(12)の分子は単なるゲインであるから、以下の説明では、一般的な2次遅れ系の伝達関数である式(13)について考える。
Figure 2023115546000011
図3に示すフィードバック系800の閉ループ伝達関数Wは式(14)で表される。Lはセンサ820のゲインである。τは1次移相器830の時定数であり、1次移相器830が一例として図4に示す構成を持つ場合、τ=CRである。
Figure 2023115546000012
の分母の第2項は一巡伝達関数Wであり、一巡伝達関数Wのゲイン|W|(式(15)参照)が概ね1である帯域においてフィードバック系は共振特性を示すことが知られている。
Figure 2023115546000013
は式(16)に展開される。
Figure 2023115546000014
式(16)を部分分数展開することよって、Wが式(17)で表せるとする。
Figure 2023115546000015
振動系は、振動が拡大もしくは持続するように、つまり系が不安定もしくは安定限界となるように設計されるので、安定限界で持続的な振動を得るならば、c=aである。したがって、式(16)と式(17)を比較することによって、式(18)から式(23)が得られる。ただし、ω>0,L<0,τ>0である。
Figure 2023115546000016
式(22)と式(23)から式(24)が得られる。1次移相器830のゲインはよく知られているように振動数によらず1であり、また、2次遅れ系の伝達関数のゲインはよく知られているように式(25)で与えられる。したがって、2次遅れ系の振動数がωに一致するとき(ω=ω)、一巡伝達関数Wのゲイン|W|は1であり、フィードバック系800は共振特性を示すことがわかる。
Figure 2023115546000017
さらに、式(24)と式(8)から式(26)が得られる。したがって、光学ブロックの角度振幅を一定に保つ制御を行うことによって、Lとωが一定値に落ち着く。このとき、制御の応答速度よりも十分に遅い速度でもってτをランダムに変化させることによって、ωを共振点付近でランダムに変化させることが可能であることがわかる。つまり、移相器による移相量をランダムに変化させることによって、ωにランダムなノイズを与えることができる。
Figure 2023115546000018
ディザ機構の効率的な駆動の観点から、移相量の上限は、ディザ機構の固有振動数ωの例えば1%を超えないことが好ましい。つまり、ランダム性を付与された周波数の変動の幅は、ディザ機構の固有振動数の2%を超えないことが好ましい。移相量の下限は、例えば環境温度の変化または経年変化によるディザ機構の固有振動数の変化の程度に応じて決めることができ、ディザ機構の固有振動数ωに例えば0.25Hzの変化を与えることのできる移相量である。
図5を参照して、実施形態のリングレーザージャイロスコープ100を説明する。リングレーザージャイロスコープ100は、リングレーザージャイロスコープ900のディザ制御部43に換えてディザ制御器300を含むことを除いて、リングレーザージャイロスコープ900と同じ構成を持っている。したがって、ディザ制御部43を除くリングレーザージャイロスコープ900の説明を取り込むことをここに明記することによって、同一構成要素の重複説明を省略する。図5では、信号処理器920に含まれるディザ制御部43以外の構成要素の図示が省略されている。
ディザ制御器300は、A/D変換器302と、振幅制御回路304と、第1ランダムノイズ発生器306と、移相器308と、第2ランダムノイズ発生器310と、乗算器312と、D/A変換器314と、増幅回路316を含む。
A/D変換器302は、ディザピックオフ信号をデジタル信号に変換する。振幅制御回路304は、例えば、デジタルディザピックオフ信号をローパスフィルタと平方根演算器に通すことによって得られる振幅と基準振幅とを比較し、デジタルディザピックオフ信号の振幅が一定になるように当該振幅をPID制御する。デジタルディザピックオフ信号の振幅にランダム性を付与する方法として、例えば、第1ランダムノイズ発生器306が発生する疑似乱数値に基づいて基準振幅を変化させる方法、あるいは、PID制御で得られたデジタルディザピックオフ信号の振幅に、第1ランダムノイズ発生器306が発生する疑似乱数値に基づく振幅を付加する方法を採用できる。
移相器308は、例えば電圧制御デジタル移相器であり、既述のように、デジタルディザピックオフ信号の位相を安定自励振動が発生するように制御する。デジタルディザピックオフ信号の位相にランダム性を付与する方法として、例えば、第2ランダムノイズ発生器310が発生する疑似乱数値に基づいて位相量を変化させる方法を採用できる。
乗算器312は、振幅制御回路304の出力と移相器308の出力を乗算する。D/A変換器314は、乗算器312の出力をアナログ信号に変換する。増幅回路316は、D/A変換器314の出力を電力増幅する。電力増幅されたD/A変換器314の出力はディザ振動を発生させるための圧電素子に供給される。なお、D/A変換器314の代わりに、PWM変換器を使用してもよい。
A/D変換器302の入力は、ディザピックオフ信号に限定されず、例えば、レーザー光間の位相差φ(t)を表す信号をハイパスフィルタに通すことによって得られる信号であってもよい。
上述の実施形態に限定されず、ディザ制御器300が第1ランダムノイズ発生器306を含まない構成も許容される。
ディザ振動の角速度の周波数にランダムなノイズを常時、印加してもよいが、振幅制御回路304の出力信号の強さが所定の閾値を下回るときに、ディザ振動の角速度の周波数にランダムなノイズを印加してもよい。ディザ振動の角速度の振幅にランダムなノイズを常時、印加してもよいが、振幅制御回路304の出力信号の強さが所定の閾値を下回るときに、ディザ振動の角速度の振幅にランダムなノイズを印加してもよい。
第2ランダムノイズ発生器310は、一定の時間間隔で疑似乱数値を発生してもよいし、ランダムな時間間隔で疑似乱数値を発生してもよい。
ディザ振動の角速度の周波数にランダム性が付与されているか否かは、例えばディザ振動の音をFFT解析することによって容易に判明する。
<補遺>
例示的な実施形態を参照して本発明を説明したが、当業者は本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更を行い、その要素を均等物で置き換えることができることを理解するであろう。さらに、本発明の本質的な範囲から逸脱することなく、特定のシステム、デバイス、またはそのコンポーネントを本発明の教示に適合させるために、多くの修正を加えることができる。したがって、本発明は、本発明を実施するために開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、添付の請求の範囲に含まれるすべての実施形態を含むものとする。
さらに、「第1」、「第2」などの用語の使用は順序や重要性を示すものではなく、「第1」、「第2」などの用語は要素を区別するために使用される。本明細書で使用される用語は、実施形態を説明するためのものであり、本発明を限定することを意図するものでは決してない。用語「含む」とその語形変化は、本明細書および/または添付の請求の範囲で使用される場合、言及された特徴、ステップ、操作、要素、および/またはコンポーネントの存在を明らかにするが、一つまたは複数の他の特徴、ステップ、操作、要素、コンポーネント、および/またはそれらのグループの存在または追加を排除しない。「および/または」という用語は、それがもしあれば、関連するリストされた要素の一つまたは複数のありとあらゆる組み合わせを含む。請求の範囲および明細書において、特に明記しない限り、「接続」、「結合」、「接合」、「連結」、またはそれらの同義語、およびそのすべての語形は、例えば互いに「接続」または「結合」されているか互いに「連結」している二つの間の一つ以上の中間要素の存在を必ずしも否定しない。請求の範囲および明細書において、「任意」という用語は、それがもしあれば、特に明記しない限り、全称記号∀と同じ意味を表す用語として理解されるべきである。例えば、「任意のXについて」という表現は「すべてのXについて」あるいは「各Xについて」と同じ意味を持つ。
特に断りが無い限り、本明細書で使用されるすべての用語(技術用語および科学用語を含む)は、本発明が属する分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。さらに、一般的に使用される辞書で定義されている用語などの用語は、関連技術および本開示の文脈におけるそれらの意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、明示的に定義されていない限り、理想的にまたは過度に形式的に解釈されるものではない。
本発明の説明において、多くの技法およびステップが開示されていることが理解されるであろう。これらのそれぞれには個別の利点があり、それぞれ他の開示された技法の一つ以上、または場合によってはすべてと組み合わせて使用することもできる。したがって、煩雑になることを避けるため、本明細書では、個々の技法またはステップのあらゆる可能な組み合わせを説明することを控える。それでも、明細書および請求項は、そのような組み合わせが完全に本発明および請求項の範囲内であることを理解して読まれるべきである。
以下の請求項において手段またはステップと結合したすべての機能的要素の対応する構造、材料、行為、および同等物は、それらがあるとすれば、他の要素と組み合わせて機能を実行するための構造、材料、または行為を含むことを意図する。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更と変形が許される。選択され且つ説明された実施形態は、本発明の原理およびその実際的応用を解説するためのものである。本発明は様々な変更あるいは変形を伴って様々な実施形態として使用され、様々な変更あるいは変形は期待される用途に応じて決定される。そのような変更および変形のすべては、添付の請求の範囲によって規定される本発明の範囲に含まれることが意図されており、公平、適法および公正に与えられる広さに従って解釈される場合、同じ保護が与えられることが意図されている。
11 光学ブロック
12 光学路
13 ミラー
14 ミラー
16 陽極
18 陰極
19 開口部
21 フォトセンサ
22 プリズム
23 レーザー光強度測定器
32 側壁部
33 連結部
33 変形部
34 軸部
34a 取り付け部
34b 穴
35 圧電素子
41 検出処理部
42 バイアス信号除去部
43 ディザ制御部
100 リングレーザージャイロスコープ
200 ディザ機構
300 ディザ制御器
302 A/D変換器
304 振幅制御回路
306 第1ランダムノイズ発生器
308 移相器
310 第2ランダムノイズ発生器
312 乗算器
314 D/A変換器
316 増幅回路
800 フィードバック系
810 振動系
820 センサ
830 1次移相器
900 リングレーザージャイロスコープ
910 光学機構
920 信号処理器

Claims (5)

  1. リングレーザージャイロスコープであって、
    閉ループ状の光学路を対向伝播するレーザー光を生成するための光学ブロックと、
    上記光学ブロックにロックイン現象を緩和させるディザ振動を与えるディザ機構と、
    上記ディザ振動を制御するディザ制御器と
    を含み、
    上記ディザ制御器は、上記ディザ振動の角速度の周波数にランダム性を付与する
    リングレーザージャイロスコープ。
  2. 請求項1に記載のリングレーザージャイロスコープにおいて、
    上記ディザ制御器は、上記ディザ機構の変位に基づいて上記ディザ機構が上記ディザ振動の固有振動で振動するように上記ディザ振動をフィードバック制御し、且つ、上記ディザ振動を表す信号の位相にランダムな位相を与えることによって上記ディザ振動の角速度の周波数にランダム性を付与する
    ことを特徴とするリングレーザージャイロスコープ。
  3. 請求項1または請求項2に記載のリングレーザージャイロスコープにおいて、
    上記ランダム性を付与された上記周波数の変動の幅は、上記ディザ機構の固有振動数の2%を超えない
    ことを特徴とするリングレーザージャイロスコープ。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載のリングレーザージャイロスコープにおいて、
    上記ディザ制御器は、ランダムな時間間隔で、上記ディザ振動の角速度の周波数にランダム性を付与する
    ことを特徴とするリングレーザージャイロスコープ。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載のリングレーザージャイロスコープにおいて、
    上記ディザ制御器は、上記ディザ振動の角速度の振幅にランダム性を付与する
    ことを特徴とするリングレーザージャイロスコープ。
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