JP2023115286A - 散気システム、散気システムの運転方法及び送風機の更新方法 - Google Patents
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Abstract
Description
また、本発明は、散気システムに用いる送風機の更新方法に関するものである。
したがって、散気装置を用いた水処理では、省エネルギー化及び処理効率の維持・向上の観点から、散気装置により散気槽へ供給される気体量を適正範囲とすることが求められている。
しかし、特許文献1には、送風圧力の減少幅を考慮して送風量を設定することは記載されているが、送風圧力を維持した状態で送風量を制御することについては記載されていない。特許文献1に記載されるように、送風圧力の減少幅を考慮した送風量の制御を行う場合、実質的に制御可能な送風量範囲が狭くなってしまうという問題がある。
すなわち、本発明は、以下の散気システム、散気システムの運転方法及び送風機の更新方法である。
この特徴によれば、主送風機に対して副送風機を小型化することができる。これにより、散気システムの省エネルギー化をより一層行うことが可能となる。
この特徴によれば、散気部で必要な風量について、主送風機のみで満たすものとせず、副送風機により制御可能な送風量範囲とすることにより、送風量の微調整に係る精度がより一層向上する。また、散気部で必要な風量を主送風機及び副送風機で満たすものとするため、主送風機及び副送風機をそれぞれ小型化することができる。これにより、散気システムの省エネルギー化及び処理効率の維持・向上がより一層可能となる。
本発明の散気システムの運転方法によれば、散気部全体に気体を供給する主送風工程に、散気部ごとに風量可変の副送風工程を加えることで、主送風工程により送風に必要な送風圧力を維持した状態で、副送風工程により送風量を制御することができ、送風時に制御可能な送風量範囲を広げるとともに、送風量の微調整が可能となる。これにより、散気部に対して必要な気体量を適正範囲で供給することができ、散気システムの省エネルギー化及び処理効率の維持・向上が可能となる。
本発明の送風機の更新方法によれば、副送風機を用いることで、散気システム全体を停止することなく、かつ散気システムの処理能力を低下させることなく、既設主送風機よりも最大風量が小さい主送風機への交換を効果的に行うことが可能となる。また、更新後の散気システム全体の送風機(主送風機及び副送風機)の最大風量を、散気部で必要な気体量に合わせたものとすることが容易となる。これにより、散気システムの省エネルギー化及び処理効率の維持・向上がより一層可能となる。
(散気システム)
図1は、本発明の実施態様の散気システムの構造を示す概略説明図である。
本実施態様に係る散気システム1は、図1に示すように、複数の散気槽2と、散気槽2ごとに設けられた散気部3と、主送風機4と、主送風機4と接続される主流路5と、主流路5から分岐し、散気部3に接続される副流路6と、副流路6上に設けられる副送風機7とを備えている。主送風機4は、主流路5及び副流路6を介して各散気槽2の散気部3に気体を供給する。また、副送風機7は、副流路6を介して、散気槽2の散気部3に気体を供給する。
本実施態様の散気システム1では、副流路6ごとに1つの水処理系統Sを形成しているものとし、図1には、2つの水処理系統S1及びS2を備えるものについて示している。また、以下の説明は、散気システム1が2つの水処理系統S1及びS2を備えているものについて説明する。なお、水処理系統Sの数についてはこれに限定されるものではなく、被処理水Wの処理量などに基づき、適宜選択することができるものである。
散気槽2としては、散気槽2内部に散気部3を備え、被処理水Wに対して散気を行うものであれば特に限定されない。例えば、散気槽2内に生物処理に用いられる各種微生物や活性汚泥を収容した生物処理槽とすることや、被処理水WのpH調整槽とすることなどが挙げられる。
また、散気槽2は、1つの区画のみからなるものであってもよく、散気槽2内を複数の区画に区分するものであってもよい。
散気部3としては、微細な気泡を発生させ、被処理水Wに対し気体を供給することができるものであれば特に限定されない。例えば、散気板や散気管からなる散気体を備えるものなどが挙げられる。
図2は、本実施態様の散気システムにおける散気部の概要説明図を示す。
散気部3は、図2に示すように、副流路6から分岐したライザー管31を介して気体が供給されるヘッダー管32と、ヘッダー管32の軸線方向に沿って配置され、ヘッダー管32から気体が供給される複数の散気体33を有する散気ユニット34を備えている。
散気体33としては、図2に示すように、気体が通過する微細な散気孔を有するメンブレンが巻かれた管状部材からなり、微細気泡を発生させることができる超微細気泡式散気管が挙げられるが、これに限定されるものではない。散気体33の他の例としては、多孔質の合成樹脂又はセラミックからなる散気筒や、多数のスリットを設けたフレキシブルチューブのような管状部材からなる散気管などが挙げられる。また、散気体33は、管状部材に限定されるものではなく、例えば、角型、丸型などの板状部材からなる散気板であってもよい。
本実施態様の主送風機4としては、散気槽2内の水圧と同程度、あるいはそれ以上の圧力上昇が可能なものが好ましく、例えば、吐出圧力が10kPa以上(圧力比1.1以上)のブロワなどを用いることが挙げられる。
本実施態様の散気システム1には、散気部3で必要とされる風量を設定するための風量設定手段を設けるものとしてもよい(不図示)。風量設定手段としては、例えば、散気槽2内に散気槽2内での被処理水Wの処理効率に係るパラメータを検出する各種検出器を設けるとともに、各種検出器の検出結果に基づき、散気部3で必要とされる風量を演算する演算部を設けることなどが挙げられる。各種検出器としては、例えば、DO計、アンモニア計、pH計、水温計などが挙げられる。
また、副送風機7に設けた制御部71に、風量設定手段の演算結果を自動又は手動で入力し、副送風機7の自動制御又は作業員による手動制御を行うものとしてもよい。
図3を参照して、散気システムの運転制御例について説明する。
図3は、本実施態様における散気システムの運転制御に係るフロー図である。なお、図3における散気システムの装置構成及び説明については図1と同様である。また、図3内の太線の矢印は、気体の流れを示すものである。
また、同時に副送風機7から副流路6を介して、各散気槽2A及び2Bに設けられた散気部3A及び3Bに気体を供給する(副送風工程-1)。このとき、散気槽2Aでは、散気部3Aの必要風量QRAからQ1を減算した風量Q2Aを、散気槽2Aに設けられた副送風機7Aから供給する風量とする。また、散気槽2Bでは、散気部3Bの必要風量QRBからQ1を減算した風量Q2Bを、散気槽2Bに設けられた副送風機7Bから供給する風量とする。これにより、各散気部3A及び3Bの必要風量QRA、QRBごとに適正な風量を供給することができる。
さらに、散気槽2A及び2B内の処理状況の変化に伴い、各散気部3A及び3Bの必要風量QRA、QRBが変化した場合、主送風機から供給される風量Q1は一定のまま、それぞれの副送風機7A又は7Bの風量Q2A又はQ2Bを変化させることで、必要風量QRA、QRBを満たすものとする(副送風工程-2)。これにより、必要風量QRA、QRBに対して常に適正な風量を供給することが可能となる。
本実施態様における送風機の更新方法は、散気部3の高効率化に伴い、適正な風量を供給するための送風機4の更新を、散気システム全体を停止することなく効果的に行うものである。また、送風機4の更新後は本実施態様における散気システム1と同様の効果を発揮する散気システムを構築するものである。
図4~図7は、主送風機の更新方法に係る工程を示すフロー図である。図4~図7内の四角囲いの数字は、説明のために仮定した送風機の最大風量又は散気部で必要とされる風量を示すものである。
なお、図1に示した散気システムと同様の構造及び説明については省略する。また、図5~図7においては、図4で説明した構成の一部を省略している。
ここで、一般的に安定した散気を継続して行うためには、送風機の最大風量の合計が散気部の必要風量の合計を超えることが好ましい。しかし、例えば、単に既設主送風機4Cを撤去した場合では、既設主送風機4A及び4Bの最大風量の合計が、散気部3C~3Eの必要風量の合計を超えないため、散気システム10a全体を一度停止する必要がある。一方、図4に示すように、副送風機7Cを設けることで、送風機の最大風量の合計が散気部の必要風量の合計を超えるため、既設主送風機4Cの撤去及び散気部3Cの更新をスムーズに行うことが可能となる。また、撤去した主送風機4Eよりも最大風量が小さい副送風機7Cを設けることで、散気システム10a全体として省エネルギー化が可能となる。
また、散気槽2に導入される被処理水Wの導入量及び水質が、人間の生活サイクルなど1日の中の時間帯や、カレンダーに応じて変わるものである場合、過去の実績などから主送風機及び副送風機から供給する風量を時間帯やカレンダーのデータに基づき推計して、制御するものとしてもよい。これにより、被処理水Wの導入量及び水質に関連するパラメータの測定点数を増やすことなく、散気システムの処理効率を向上させることが可能となる。
Claims (5)
- 複数の水処理系統ごとに設けられた散気部と、
前記散気部へ気体を供給する主送風機と、
前記主送風機に接続される主流路と、
前記主流路から分岐し、前記散気部に接続される副流路と、
前記副流路に、風量可変で気体を供給する副送風機と、を備えることを特徴とする、散気システム。 - 前記主送風機の最大風量よりも、前記副送風機の最大風量の方が低風量であることを特徴とする、請求項1に記載の散気システム。
- 前記散気部で必要とされる風量は、前記主送風機から供給される風量よりも多く、かつ前記主送風機及び前記副送風機から供給される風量以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の散気システム。
- 複数の水処理系統ごとに設けられた散気部を備えた散気システムの運転方法であって、
前記散気部全体へ気体を供給する主送風工程と、
前記散気部ごとに風量可変で気体を供給する副送風工程とを備えることを特徴とする、散気システムの運転方法。 - 送風機の更新方法であって、
主流路から分岐し、複数の水処理系統ごとに設けられた散気部と既設主送風機との間の副流路に、副送風機の流路を合流させる合流ステップと、
最大風量が既設主送風機よりも小さい主送風機に交換する交換ステップと、を備えることを特徴とする送風機の更新方法。
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