JP2023114646A - 管理システム - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の移動体による物体の搬送作業を良好に行わせる管理システムを提供する。【解決手段】管理システムにおいて、管理装置Cは、第1車両Vaが出発地から目的地まで予め定められた経路に沿って移動した場合に、回生制動により第1車両Vaのバッテリ32に蓄積されると予測される電気エネルギ量である予測充電量を取得する予測充電量取得部58と、第1車両Va、第2車両Vbの各々において消費されると予測されるエネルギ量である予測エネルギ消費量を取得する予測エネルギ消費量取得部60と、第1車両及び第2車両の各々において残っていると予測されるエネルギ量である予測エネルギ残量を取得する予測エネルギ残量取得部62と、車両情報に含まれるバッテリ蓄積量情報,燃料蓄積量情報、予測エネルギ残量、予測充電量等に基づいて、第1車両及び第2車両の各々が搬送する物体である搬送物体Mを決定する搬送物体決定部56と、を具備する。【選択図】図2
Description
本発明は、複数の車両を管理する管理システムに関するものである。
特許文献1,2には、複数の車両と通信可能な管理装置を含み、複数の車両を管理する管理システムが記載されている。
特許文献1に記載の管理システムにおいて、複数の車両は、それぞれ、電動車両であり、バッテリの電力で走行するものである。複数の車両の各々において、管理装置から供給された運行計画に基づいて、それぞれの車両の電気エネルギの消費量が推定される。そして、バッテリへの充電が必要である場合には、車両と充電ステーションとの通信により、充電ステーションが確保される。
特許文献1に記載の管理システムにおいて、複数の車両は、それぞれ、電動車両であり、バッテリの電力で走行するものである。複数の車両の各々において、管理装置から供給された運行計画に基づいて、それぞれの車両の電気エネルギの消費量が推定される。そして、バッテリへの充電が必要である場合には、車両と充電ステーションとの通信により、充電ステーションが確保される。
特許文献2に記載の管理システムは、荷物の配送サービスに用いられるものであり、複数の車両としての配送用の車両が運送会社に設けられた管理装置によって管理される。管理装置は、複数の配送用の車両の各々との通信により、複数の配送用の車両の各々のバッテリの劣化状態を取得する。そして、複数の配送用の車両の各々のバッテリの劣化状態と運行経路の地理情報、運行経路を走行した場合の消費電力等とに基づいて、複数の配送用の車両が複数の配送地域に配備される。例えば、バッテリの劣化が進んでいる車両は長い走行距離が要求されない配送地域に配備され、バッテリの劣化が軽微である車両は長い走行距離が要求される配送地域に配備されるようにすることができる。
本発明の課題は、複数の移動体による物体の搬送作業が良好に行われるようにすることである。
本発明に係る管理システムにおいて、複数の移動体の各々が、それぞれ、蓄えているエネルギの量であるエネルギ蓄積量に基づいて、複数の移動体の各々が搬送する物体である搬送物体が決定される。
例えば、移動体が電動モータを備えた駆動装置を含むものであり、移動体が下り坂を下る場合には、バッテリに蓄えられているエネルギ蓄積量が少ない移動体が搬送する1つ以上の搬送物体の重量(1つ以上の搬送物体の合計重量を示す。移動体の積載重量である)が大きくされる。例えば、搬送される物体の個数を増やす等により、搬送される1つ以上の物体の重量が大きくされるのである。その結果、回生制動によりバッテリに多くの電気エネルギを充電することが可能となる。移動体による物体の搬送作業の途中に、充電ステーションにおいてバッテリに充電をする回数を少なくすることができる。それにより、作業効率を向上させることができ、搬送作業が良好に行われるようにすることができる。
また、移動体が電動モータを備えていない駆動装置を含むものである場合に、タンクに蓄えられている燃料の量であるエネルギ蓄積量としての燃料蓄積量が少ない移動体が搬送する1つ以上の搬送物体の重量が小さくされる。その結果、搬送途中に、燃料補給が必要になる回数を少なくすることができる。物体の搬送作業において、作業効率を向上させることができ、搬送作業を良好に行うことができる。
以下、本発明の一実施形態に係る管理システムについて図面に基づいて説明する。
本実施例に係る管理システムは、図1に示すように、例えば、鉱山等で作業を行う複数の移動体である車両Vの各々と通信可能な管理装置C、1つ以上のアンテナA等を含む。これら車両Vと管理装置Cとの間において、直接またはアンテナAを介して無線の通信が行われる。
複数の車両Vの各々は、物体Mを出発地から目的地まで搬送する作業を行う。物体Mには、人(作業員)、荷物(作業用機械、測定器等の機器、土砂等のうちの1つ以上を含む)のうちの1つ以上等が含まれる。本実施例において、複数の車両Vの各々は、例えば、運転者による運転操作により走行可能なマニュアル運転車両であっても、カメラ、ライダー等により取得された車両Vの周辺の情報と、管理装置Cからの走行指示情報とに基づいて走行可能な自動運転車両であってもよい。また、複数の車両Vには、図2に示すように、駆動装置が電動モータを含み、回生制動可能な第1移動体としての1つ以上の第1車両Vaと、駆動装置が電動モータを含まず、回生制動不能な第2移動体としての1つ以上の第2車両Vbとが含まれる。
1つ以上の第1車両Vaの各々は、それぞれ、図2に示すように、第1車両Vaを駆動する駆動装置Da,第1車両Vaを制動する制動装置Ba,第1車両Vaの操舵輪を転舵する転舵装置Ta,GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機としてのGPS(Global Positioning System)受信機10a、周辺情報取得装置12a、無線の情報を送信したり受信したりする第1移動体通信装置としての第1車両通信装置14a、エネルギ蓄積量検出装置としてのバッテリ蓄積量検出装置16a、コンピュータを主体とする移動体ECUとしての第1車両ECU20a等を含む。
駆動装置Daは、例えば、第1車両Vaの複数の車輪30のうちの複数の駆動輪に連結された駆動源としての電動モータと、電動モータを制御する駆動回路とを含む。電動モータは、バッテリ32から電気エネルギが供給されることにより駆動させられる。駆動輪に加えられる駆動力は駆動回路の制御により制御される。
また、電動モータの回生制動により運動エネルギが電気エネルギに変換されてバッテリ32に蓄えられる(充電される)。また、電動モータの回生制動により駆動輪の回転が抑制される。駆動輪に加えられる回生制動力は駆動回路の制御により制御される。駆動装置Daは回生制動装置としての機能を有する。
制動装置Baは、例えば、複数の車輪30の各々に対応して設けられ、摩擦係合部材を車輪30と一体的に回転可能なブレーキ回転体に押し付けることにより車輪30の回転を抑制する摩擦ブレーキと、複数の摩擦ブレーキの各々の押付力を制御可能な押付力制御アクチュエータとを含むものとすることができる。摩擦ブレーキが、押付力としての流体圧により作動可能な流体圧ブレーキである場合には、押付力制御アクチュエータを流体圧制御アクチュエータとすることができる。押付力制御アクチュエータの制御により、複数の車輪30の各々に設けられた摩擦ブレーキの押付力が制御され、複数の車輪30の各々に加えられる制動力が制御される。
転舵装置Taは、複数の車輪30のうちの操舵輪である左側車輪30Lと右側車輪30Rとを転舵するものである。転舵装置Taは、例えば、左側車輪30L、右側車輪30Rを連結する一対のタイロッドおよび一対のタイロッドを連結する転舵ロッド、転舵ロッドに設けられた転舵アクチュエータ等を含む。転舵アクチュエータにより転舵ロッドが車両の幅方向に移動させられることにより、左側車輪30Lと右側車輪30Rとが転舵される。
GPS受信機10aは、GPS信号を受信するものであり、GPS信号に基づいて、第1車両Vaである自車両の位置を取得する。
周辺情報取得装置12aは、カメラ、ライダー等を含み、第1車両Vaである自車両の周辺の物体を認識するとともに、その物体と自車両との相対位置関係等を取得する。
周辺情報取得装置12aは、カメラ、ライダー等を含み、第1車両Vaである自車両の周辺の物体を認識するとともに、その物体と自車両との相対位置関係等を取得する。
第1車両通信装置14aは、第1車両ECU20aにおいて作成された第1移動体情報としての車両情報を無線で送信したり、管理装置Cから無線で送信された情報である管理情報を受信したりするものである。
また、第1車両Vaを管理する管理者が情報通信端末34を携帯する場合がある。情報通信端末34には、第1車両通信装置14aから管理情報が送信されるようにしたり、管理装置Cから管理情報が送信されるようにしたりすること等ができる。
また、第1車両Vaを管理する管理者が情報通信端末34を携帯する場合がある。情報通信端末34には、第1車両通信装置14aから管理情報が送信されるようにしたり、管理装置Cから管理情報が送信されるようにしたりすること等ができる。
バッテリ蓄積量検出装置16aは、例えば、バッテリ32に蓄えられている実際の電気エネルギ量(バッテリ蓄積量の一例であり、バッテリ残量と称する場合がある)を検出するものである。バッテリ蓄積量検出装置16aは、例えば、バッテリ32の電圧を測定する電圧センサを含むものとしたり、バッテリ32に流れる電流を測定する電流センサを含むものとしたりすること等ができる。
第1車両ECU20aには、これら駆動装置Daの駆動回路、制動装置Baの押付力制御アクチュエータ、転舵装置Taの転舵アクチュエータ、GPS受信機10a、周辺情報取得装置12a、第1車両通信装置14a、バッテリ蓄積量検出装置16a等が接続される。また、第1車両ECU20aには、識別情報等記憶部22a、車両情報作成部24a、走行制御部26a等が含まれる。
識別情報等記憶部22aは、第1車両Vaである自車両に設定された識別情報等を記憶するものである。複数の第1車両Va、第2車両Vbの各々は、互いに異なる識別情報が付与されている。
車両情報作成部24aは、バッテリ蓄積量検出装置16aによって取得されたバッテリ蓄積量を表す情報であるバッテリ蓄積量情報、GPS受信機10aにおいてGPS信号に基づいて取得された第1車両Vaの位置を表す情報である車両位置情報、第1車両Vaの識別情報等を含む車両情報を作成する。作成した車両情報は、第1車両通信装置14aに出力される。第1車両通信装置14aは車両情報を無線で送信する。
図5に示す車両情報作成プログラムは、車両情報作成部24aにおいて予め定められた設定時間毎に実行される。ステップ101(以下、S101と略称する。他のステップについても同様とする)において、エネルギ蓄積量情報としてのバッテリ蓄積量情報が取得される。S102において、第1車両Vaの位置を表す車両位置情報が取得される。S103において、識別情報が読み込まれる。そして、S104において、識別情報、車両位置情報、バッテリ蓄積量情報等を含む車両情報が作成されて、第1車両通信装置14aに出力される。
走行制御部26aは、駆動装置Da,制動装置Ba,転舵装置Ta等を制御することにより、第1移動体Vaの走行を制御するものである。第1車両Vaが自動運転車両である場合には、走行制御部26aは、第1車両通信装置14aにおいて受信した管理情報に含まれる走行指令と、周辺情報取得装置12aによって取得された自車両の周辺の情報とに基づいて、駆動装置Da,制動装置Ba,転舵装置Ta等を制御する。第1車両Vaがマニュアル運転車両である場合には、運転者によって操作可能な図示しない操作部材の操作状態に基づいて駆動装置Da,制動装置Ba,転舵装置Ta等を制御する。
なお、第1車両Vaには、バッテリ32の劣化の程度を検出するバッテリ劣化状態検出装置を設けることができる。バッテリ劣化状態検出装置は、バッテリ32に流れる電流や電圧の変化に基づいてバッテリ32の劣化の程度を検出する。バッテリ32の劣化が進むと、バッテリ32に充電可能な電気エネルギの量が少なくなる。
また、駆動装置Daが電動モータとエンジンとを含む場合には、第1車両Vaにエンジンに供給する燃料が蓄えられた給油タンクの燃料の蓄積量を検出する燃料蓄積量検出装置を設けることができる。この場合には、燃料蓄積量とバッテリ蓄積量との和がエネルギ蓄積量に対応する。
第2車両Vbの各々は、それぞれ、図2に示すように、駆動装置Db,制動装置Bb,転舵装置Tb,GPS受信機10b、周辺情報取得装置12b、第2車両通信装置14b、エネルギ蓄積量検出装置としての燃料蓄積量検出装置16b、コンピュータを主体とする第2車両ECU20b等を含む。これらのうち制動装置Bb,転舵装置Tb,GPS受信機10b、周辺情報取得装置12b、第2車両通信装置14b、第2車両ECU20bは、それぞれ、第1車両Vaに含まれる制動装置Ba,転舵装置Ta,GPS受信機10a、周辺情報取得装置12a、第2車両通信装置14a、第1車両ECU20aとほぼ同様の構造を成すため、説明を省略する。
駆動装置Dbは、エンジンを含み、電動モータを含まないものである。そのため、駆動装置Dbは、回生制動装置としての機能を有していない。エンジンは、給油タンク42に蓄えられている燃料が供給されることにより駆動させられる。給油タンク42に蓄えられている燃料の蓄積量である燃料蓄積量は、燃料蓄積量検出装置16bによって検出される。
第2車両ECU20bは、識別情報等記憶部22b、車両情報作成部24b、走行制御部26b等を含む。
車両情報作成部24bにおいては、車両情報作成部24aにおける場合と同様に、図5に示すフローチャートで表される車両情報作成プログラムが実行される。S101において、エネルギ蓄積量としての燃料蓄積量が燃料蓄積量検出装置16bによって検出されて、燃料蓄積量を表す情報である燃料蓄積量情報が取得される。S102,103において、第2車両Vbの位置を表す情報である車両位置情報が取得され、識別情報が読み込まれる。そして、S104において、識別情報、車両位置情報、燃料蓄積量情報等を含む車両情報が作成されて、第2車両通信装置14bに出力される。
車両情報作成部24bにおいては、車両情報作成部24aにおける場合と同様に、図5に示すフローチャートで表される車両情報作成プログラムが実行される。S101において、エネルギ蓄積量としての燃料蓄積量が燃料蓄積量検出装置16bによって検出されて、燃料蓄積量を表す情報である燃料蓄積量情報が取得される。S102,103において、第2車両Vbの位置を表す情報である車両位置情報が取得され、識別情報が読み込まれる。そして、S104において、識別情報、車両位置情報、燃料蓄積量情報等を含む車両情報が作成されて、第2車両通信装置14bに出力される。
管理装置Cは、図2に示すように、コンピュータを主体とする管理ECU50と管理ECU50に接続された管理通信装置52とを含む。管理ECU50は、管理情報作成部54、搬送物体決定部56、予測充電量取得部58、予測エネルギ消費量取得部60、予測エネルギ残量取得部62、作業計画記憶部64、車両情報記憶部66等を含む。
管理通信装置52は、管理情報作成部54によって作成された管理情報を無線で送信したり、第1車両Va,第2車両Vbから無線で送信された車両情報を受信したりするものである。
作業計画記憶部64は、第1車両Va,第2車両Vbの各々の作業計画に関する情報を記憶するものである。作業計画には、第1移動体Va、第2移動体Vbの各々の移動計画(移動経路)、搬送予定の物体等が含まれる。移動計画を表す情報は複数の第1車両Va,第2車両Vbの各々の識別情報と対応付けて記憶されることが多い。
車両情報記憶部66は、管理通信装置52において受信した車両情報に含まれる車両位置情報、エネルギ蓄積量情報等を記憶するものである。これら情報は、過去のものも記憶されている。例えば、第1車両Va,第2車両Vbの各々について、過去の位置の変化とエネルギ蓄積量の変化とに基づけば、単位エネルギ量当たりの走行距離等を取得することができる。
予測充電量取得部58は、第1車両Vaが出発地から目的地まで予め定められた経路に沿って移動した場合に、回生制動により第1車両Vaのバッテリ32に蓄積されると予測される電気エネルギ量である予測充電量を取得するものである。予測充電量は、第1車両Vaの重量である移動体重量としての車両重量と第1車両Vaに搭載される(搬送される)物体Mの重量(第1車両Vaの積載重量)との和である総重量、出発地から目的地までの高低差等に基づいて取得することができる。予測充電量は、総重量が大きいほど多くなり、高低差が大きいほど多くなる。
予測エネルギ消費量取得部60は、第1車両Va、第2車両Vbの各々が出発地から目的地まで予め定められた経路に沿って走行した場合に、第1車両Va、第2車両Vbの各々において消費されると予測されるエネルギ量である予測エネルギ消費量を取得するものである。予測エネルギ消費量は車両重量と積載重量との和である総重量、出発地から目的地までの高低差、単位エネルギ量当たりの走行距離等に基づいて取得することができる。予測エネルギ消費量は、総重量、高低差が大きいほど多く、単位エネルギ当たりの走行距離が短いほど多くなる。
なお、第1車両Vaについての予測エネルギ消費量を予測電気エネルギ消費量と称し、第2車両Vbについての予測エネルギ消費量を予測燃料消費量と称することができる。
予測エネルギ残量取得部62は、第1車両Va、第2車両Vbの各々が出発地から目的地まで予め定められた経路に沿って走行した後に、第1車両Va,第2車両Vbの各々において残っていると予測されるエネルギ量である予測エネルギ残量を取得するものである。
第2車両Vbについては、例えば、出発地におけるエネルギ蓄積量から予測エネルギ消費量を引くことによって取得することができる。予測エネルギ残量を予測燃料残量と称することができる。
予測エネルギ残量(予測燃料残量)=エネルギ蓄積量(燃料蓄積量)-予測エネルギ消費量(予測燃料消費量)
第2車両Vbについては、例えば、出発地におけるエネルギ蓄積量から予測エネルギ消費量を引くことによって取得することができる。予測エネルギ残量を予測燃料残量と称することができる。
予測エネルギ残量(予測燃料残量)=エネルギ蓄積量(燃料蓄積量)-予測エネルギ消費量(予測燃料消費量)
第1車両Vaについては、例えば、出発地におけるエネルギ蓄積量に予測充電量を加えた値から予測エネルギ消費量を引くことによって取得することができる。予測エネルギ残量を予測電気エネルギ残量と称することができる。
予測エネルギ残量(予測電気エネルギ残量)=エネルギ蓄積量(バッテリ蓄積量)+予測充電量-予測エネルギ消費量(予測電気エネルギ消費量)
予測エネルギ残量(予測電気エネルギ残量)=エネルギ蓄積量(バッテリ蓄積量)+予測充電量-予測エネルギ消費量(予測電気エネルギ消費量)
搬送物体決定部56は、管理通信装置52において受信した車両情報に含まれるバッテリ蓄積量情報,燃料蓄積量情報、予測エネルギ残量取得部62によって取得された予測エネルギ残量(予測電気エネルギ残量、予測燃料残量)、予測充電量取得部58によって取得された予測充電量等に基づいて、第1車両Va,第2車両Vbの各々が搬送する物体である搬送物体Mを決定するものである。
出発地から目的地まで搬送する予定の予め定められた複数の搬送物体Mを、第1車両Va,第2車両Vbに分けて、第1車両Va,第2車両Vbの各々についての搬送物体Mを決定する。例えば、第1車両Va,第2車両Vbの各々についての搬送物体Mの積載重量を決定することにより、第1車両Va,第2車両Vbがそれぞれの搬送物体Mを決定することができる。
管理情報作成部54は、搬送物体決定部56によって決定された第1車両Va,第2車両Vbの各々についての搬送物体Mに関する搬送物体情報、その車両Vの識別情報等を含む管理情報を作成するものである。
以上のように構成された管理システムにおいて、鉱山等において、例えば、図1に示すように、搬送作業が開始される前には、複数の車両Vが出発地に集合している。また、出発地には、目的地まで搬送する予定の荷物が集められ、人(目的地において作業を行う作業員、車両Vを運転する運転者等が含まれる)が集合している。搬送すべき荷物の個数や重量等の情報、搬送すべき人の人数や重量等の情報、出発地から目的地までの経路、例えば、経路の高低差に関する情報等は、管理装置Cの作業計画記憶部64に記憶されている。
本実施例においては、管理装置Cの管理通信装置52と複数の第1車両Va,第2車両Vbの第1車両通信装置14a,第2車両通信装置14bとの間の通信により、管理装置Cにおいて、第1車両Vaのバッテリ蓄積量、第2車両Vbの燃料蓄積量が取得される。そして、搬送物体決定部56において、第1車両Va,第2車両Vbの各々において搬送される物体M(例えば、物体Mの積載重量)が暫定的に決定される。
次に、予測充電量取得部58によって、第1車両Vaの各々が、搬送物体決定部56によって暫定的に決定された搬送物体M(積載重量)を、出発地から目的地まで搬送すると仮定した場合に、バッテリ32に充電されると予測される予測充電量が取得される。
また、予測エネルギ残量取得部62によって、第1車両Va,第2車両Vbの各々が、搬送物体決定部56によって暫定的に決定された搬送物体Mを、出発地から目的地まで搬送したと仮定した場合に、その後に、バッテリ32,給油タンク42に残っていると予測される予測エネルギ残量(予測電気エネルギ残量、予測燃料残量)が取得される。
また、予測エネルギ残量取得部62によって、第1車両Va,第2車両Vbの各々が、搬送物体決定部56によって暫定的に決定された搬送物体Mを、出発地から目的地まで搬送したと仮定した場合に、その後に、バッテリ32,給油タンク42に残っていると予測される予測エネルギ残量(予測電気エネルギ残量、予測燃料残量)が取得される。
そして、これら予測充電量、予測エネルギ残量に基づき、第1車両Va,第2車両Vbの各々について暫定的に決定された搬送物体Mを適宜変更(調整)して、最終的に、第1車両Va,第2車両Vbの各々が搬送する物体Mが決定される。その最終的に決定された物体Mを表す情報である搬送物体情報と、車両Vの識別情報とを含む管理情報が送信される。
管理装置Cの搬送物体決定部56において、図3のフローチャートで表される下り坂用搬送物体決定プログラムが予め定められた設定時間毎に実行される。
例えば、図3のフローチャートで表される下り坂用搬送物体決定プログラムは、出発地の標高より目的地の標高の方が低く、経路の大部分が下り坂である場合に実行される。
例えば、図3のフローチャートで表される下り坂用搬送物体決定プログラムは、出発地の標高より目的地の標高の方が低く、経路の大部分が下り坂である場合に実行される。
S21において、管理通信装置52において車両情報を受信したか否かが判定され、S22において、車両情報にバッテリ蓄積量情報が含まれるか否かが判定される。S22の判定がNOである場合には、車両情報を送信した車両が第2車両Vbであるため、S23において、その車両情報を送信した車両についての優先順位が第4番目に決定される。
本実施例においては、第1車両Vaのバッテリ蓄積量Qvを複数段階(例えば、3段階)で分類して、第1車両Vaの搬送物体Mが決定される。そのため、回生制動不能であり、回生制動によりエネルギを蓄えることが困難である第2車両Vbについての優先順位は、便宜的に4番目とした。なお、バッテリ蓄積量Qvを2段階または4段階以上で分類することも可能であるが、いずれの場合であっても、第2車両Vbについての優先順位は、分類外の順位に設定される。
S22の判定がYESである場合には、S24,25において、バッテリ蓄積量Qvが予め定められた設定量である第1設定量Q1より少ないか否か、第1設定量Q1より大きい第2設定量Q2より多いか否かが判定される。S24の判定がYESである場合には、S26において、その車両情報を送信した第1車両Vaについての優先順位が第1番目に設定され、S24,25の判定がNOである場合には、S27において、優先順位が第2番目に設定され、S25の判定がYESである場合には、S28において、優先順位が第3番目に設定される。
下り坂を走行する場合には、駆動源における制動(いわゆるエンジンブレーキ)として回生制動が行われることが多い。回生制動によりバッテリ32に電気エネルギが充電されることにより、バッテリ蓄積量Qvは多くなる。この場合において、バッテリ32に充電されると予測される予測充電量は、第1車両Vaが有する位置エネルギが大きいほど大きくなる。位置エネルギは、下り坂の高低差が同じである場合には、第1車両Vaに搭載された物体Mの積載重量と第1車両Vaの車両重量との和である総重量が大きいほど大きくなる。そのため、バッテリ蓄積量Qvが少ない第1車両Vaについては、物体Mの積載重量を大きくすることが望ましい。
そこで、本実施例においては、図6に示すように、複数の車両Vが出発地に位置する場合におけるバッテリ蓄積量Qvが第1設定量Q1より少ない第1車両Vaについての優先順位が第1番目に設定され、バッテリ蓄積量Qvが第1設定量Q1以上、第2設定量Q2以下である第1車両Vaについての優先順位が第2番目に設定され、バッテリ蓄積量Qvが第2設定量Q2より多い第1車両Vaについての優先順位が第3番目に設定されるのである。そして、S29において、優先順位に従って、複数の第1車両Vaの各々が搬送する物体Mまたは物体Mの積載重量が暫定的に決定される。
次に、S30において、第1車両Vaの各々が、S29において暫定的に決定された物体Mを、出発地から目的地まで予め定められた経路に沿って搬送すると仮定した場合に、回生制動によりバッテリ32に充電されると予測される予測充電量が予測充電量取得部58によって取得される。
S31において、S29において暫定的に決定された第1車両Vaの搬送物体Mを変更する必要があるか否かが判定される。例えば、バッテリ蓄積量Qvが少ない第1車両Vaにおいて、予測充電量が小さく、バッテリ蓄積量Qvを十分に増加させることが困難である場合が該当する。この場合には、S29において、暫定的に決定された搬送物体Mより積載重量を大きくすることが望ましい。また、予測充電量が、バッテリ32に充電可能なエネルギ量より大きい場合が該当する。この場合には、S29において暫定的に決定された搬送物体Mより積載重量を小さくすることが望ましい。
S31の判定がYESである場合には、S32において、第1車両Vaの各々において暫定的に決定された搬送物体Mの積載重量の調整(修正)等されて、第1車両Va、第2車両Vbの各々が搬送する物体Mが最終的に決定される。S33において、第1車両Va,第2車両Vbの各々に、最終的に決定された搬送物体Mを表す情報である搬送物体情報、その車両Vの識別情報等を含む管理情報が作成されて、管理通信装置52に出力される。管理通信装置52は、管理情報を送信する。
それに対して、S31の判定がNOである場合には、S32が実行されることなく、S33が実行される。
それに対して、S31の判定がNOである場合には、S32が実行されることなく、S33が実行される。
第1車両Va,第2車両Vbの各々において、第1車両通信装置14a、第2車両通信装置14bにおいて管理情報が受信された場合には、管理情報に含まれる識別情報が自身を表す識別情報と合致するか否かが判定される。合致する場合には、搬送物体情報が読み込まれ、搬送物体情報を含む情報が情報通信端末34に送信される。第1車両Va,第2車両Vbの各々の管理者は、搬送物体情報に従って、車両Vに物体M(荷物や人)を搭載する。
このように、第1車両Vaにおいて、バッテリ32のエネルギ蓄積量と、予測充電量とに基づいて搬送物体Mが決定される。エネルギ蓄積量が少ない第1車両Vaにおいて、バッテリ32に良好に電気エネルギを充電することが可能となり、物体Mの搬送途中に、充電ステーションにおいて充電する回数を減らすことが可能となり、搬送作業の効率を向上させることができる。
また、バッテリ32のエネルギ蓄積量が多い第1車両Vaについては、物体Mの積載重量が小さくされる。そのため、下り坂を下る場合に回生制動を加えることができない場合であっても、フェードが起き難くすることができ、走行安定性の低下を抑制することができる。また、それにより、作業効率の低下を良好に抑制することができる。
また、バッテリ32のエネルギ蓄積量が多い第1車両Vaについては、物体Mの積載重量が小さくされる。そのため、下り坂を下る場合に回生制動を加えることができない場合であっても、フェードが起き難くすることができ、走行安定性の低下を抑制することができる。また、それにより、作業効率の低下を良好に抑制することができる。
出発地の高度が目的地の高度より低く、経路の大部分が上り坂である場合には、図4のフローチャートで表される上り坂用搬送物体決定プログラムが実行される。
S51において、管理装置Cの管理通信装置52において、車両情報を受信したか否かが判定され、判定がYESである場合には、S52において、バッテリ蓄積量情報、燃料蓄積量情報に基づいてバッテリ蓄積量Qv,燃料蓄積量Qtが取得される。S53において、それぞれ、バッテリ蓄積量Qv、燃料蓄積量Qtのいずれか一方が、それに対応する第1設定量Qav,Qatのいずれか一方より少ないか否かが判定され、S54において、第1設定量Qav,Qatより大きい第2設定量Qbv,Qbtのいずれか一方より多いか否かが判定される。
S51において、管理装置Cの管理通信装置52において、車両情報を受信したか否かが判定され、判定がYESである場合には、S52において、バッテリ蓄積量情報、燃料蓄積量情報に基づいてバッテリ蓄積量Qv,燃料蓄積量Qtが取得される。S53において、それぞれ、バッテリ蓄積量Qv、燃料蓄積量Qtのいずれか一方が、それに対応する第1設定量Qav,Qatのいずれか一方より少ないか否かが判定され、S54において、第1設定量Qav,Qatより大きい第2設定量Qbv,Qbtのいずれか一方より多いか否かが判定される。
図7に示すように、S54の判定がYESである場合には、S55において、その車両Vについての優先順位が第1番目に設定され、S53,54の判定がNOである場合には、S56において、優先順位が第2番目に設定される。そして、S53の判定がYESである場合には、S57において、さらに、バッテリ蓄積量Qv、燃料蓄積量Qtがそれぞれ第1設定量Qav,Qatより小さい第3設定量Qcv,Qctより少ないか否かが判定される。S57の判定がNOである場合にはS58において優先順位が第3番目に設定され、S57の判定がYESである場合には、S59において、第4番目に設定される。
車両Vが上り坂を上る場合には、エネルギを消費する。そのため、エネルギ蓄積量が少ない車両についての搬送物体Mの積載重量を小さくすることが望ましい。
そして、S60において、車両Vの各々が搬送する物体M(例えば、物体Mの積載重量)が暫定的に決定される。優先順位No.4である車両については、物体Mとしての人(作業員)が搬送されないようにされている。なお、優先順位No.4である車両が自動運転車両である場合には、運転者も作業員も搭乗しない場合がある。優先順位がNo.1-No.3である車両については、原則として人(作業員や運転者)が搭乗するが、荷物等の都合により搭乗しない場合もある。S61において、予測エネルギ残量取得部62によって予測エネルギ残量(予測電気エネルギ残量、予測燃料残量)が取得される。
S62において、S60において暫定的に決定された搬送物体M(積載重量)を変更する必要があるかどうかが判定される。例えば、予測エネルギ残量が過少または0となり、搬送途中に、バッテリ32への充電や、給油タンク42への燃料の補給が必要になる可能性が高い場合には、S60において暫定的に決定された搬送物体Mの積載重量を小さくすることが望ましい。また、予測エネルギ残量が十分に多い車両Vについては、S60において暫定的に決定された搬送物体Mの積載重量を大きくすることができるのである。
S62の判定がYESである場合には、S63において、S60において暫定的に決定された各車両Vの各々についての搬送物体Mが、調整(修正)等されて、最終的に決定される。S64において、最終的に決定された搬送物体Mを表す搬送物体情報、識別情報等を含む管理情報が作成されて、管理通信装置52に出力される。
車両Vが上り坂を上る場合には、エネルギを消費する。そのため、エネルギ蓄積量が少ない車両Vについての搬送物体Mの積載重量を小さくすることにより、エネルギ不足が生じ難くすることができる。目的地に達するまでの間に、エネルギ(電気エネルギや燃料)を補給する回数を減らすことが可能となり、作業効率の低下を抑制することができる。
上記実施例において、管理通信装置52、管理ECU50の図3,4のフローチャートのS22,52を記憶する部分、実行する部分等によりエネルギ蓄積量取得部、バッテリ蓄積量取得部が構成される。
なお、上記実施例において、管理システムが鉱山の作業において利用される場合について説明したが、鉱山の作業に限らず、種々の作業現場において利用することができる。
また、管理ECU50は、人口知能(AI:artificial intelligence)を利用して、複数の車両Vの各々についての搬送物体を決定することができる。その場合には、例えば、複数の車両Vの各々が蓄えている現在のエネルギ蓄積量、複数の車両Vの各々の過去の移動に関する情報、過去のエネルギ蓄積量に関する情報、作業計画(例えば、作業計画等に基づいて複数の車両Vの各々のエネルギ蓄積量の変化を予測することができる)等に基づいて、複数の車両Vの各々についての搬送物体Mの最適解がAIによって求められる。
さらに、充電予測量、予測エネルギ残量等を考慮することは不可欠ではなく、エネルギ蓄積量に基づいて搬送物体が決定されるようにしたり、エネルギ蓄積量と予測エネルギ消費量とに基づいて搬送物体が決定されるようにしたりすること等ができる。
また、上記実施例においては、管理装置Cから車両Vに搬送物体情報が送信され、車両Vから情報通信端末34に搬送物体情報が送信されるようにされていたが、管理装置Cから情報通信端末34に搬送物体情報が送信されるようにすることもできる。
さらに、管理情報の内容は、管理装置Cから出発地に向かって音声出力されるようにすることもできる。音声に従って、搬送物体がそれぞれ車両Vに搭載される。
また、予測充電量、予測エネルギ消費量、予測エネルギ残量等は、車両において取得され、それらを表す情報を含む車両情報が作成されて、管理装置Cに送信されるようにすることができる。その場合には、予測充電量取得部、予測エネルギ消費量取得部、予測エネルギ残量取得部は、それぞれ、管理通信装置52と、管理ECU50の車両情報を処理する部分等によって構成されることになる。
さらに、駆動装置Da,Db、制動装置Ba,Bb、転舵装置Ta,Tbの構造は問わない等、本発明は、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することができる。
10a,10b:GPS受信機 12a,12b:周辺情報取得装置 14a:第1車両通信装置 14b:第2車両通信装置 16a:バッテリ蓄積量検出装置 16b:燃料蓄積量検出装置 20a:第1車両ECU 20b:第2車両ECU 24a,24b:車両情報作成部 34:情報通信端末 50:管理ECU 52:管理通信装置 54:管理情報作成部 56:搬送物体決定部 58:予測充電量取得部 60:予測エネルギ残量取得部 62:予測エネルギ消費量取得部 64:作業計画記憶部 66:車両情報記憶部
以下の各項に、特許請求可能な発明を記載する。
(1)複数の移動体を管理する管理装置を備えた管理システムであって、
前記管理装置が、
前記複数の移動体の各々に、それぞれ、蓄えられているエネルギの量であるエネルギ蓄積量を取得するエネルギ蓄積量取得部と、
前記エネルギ蓄積量取得部によって取得された前記複数の移動体の各々についてのエネルギ蓄積量に基づいて、前記複数の移動体の各々が搬送する物体である搬送物体をそれぞれ決定する搬送物体決定部と
を含む管理システム。
(1)複数の移動体を管理する管理装置を備えた管理システムであって、
前記管理装置が、
前記複数の移動体の各々に、それぞれ、蓄えられているエネルギの量であるエネルギ蓄積量を取得するエネルギ蓄積量取得部と、
前記エネルギ蓄積量取得部によって取得された前記複数の移動体の各々についてのエネルギ蓄積量に基づいて、前記複数の移動体の各々が搬送する物体である搬送物体をそれぞれ決定する搬送物体決定部と
を含む管理システム。
移動体が、電動モータを備えた駆動装置と、電動モータに供給する電力を蓄えるバッテリとを含む場合には、バッテリに蓄えられている電気エネルギの量がエネルギ蓄積量に該当する。また、移動体が、エンジンを備えた駆動装置と、エンジンに供給する燃料を蓄える給油タンクとを含む場合には、給油タンクに蓄えられている燃料の量がエネルギ蓄積量に該当する。
複数の移動体が出発地から目的地まで搬送する予定の複数の物体は予め決まっている。管理装置は、これら複数の物体を複数の移動体に分けて、それぞれの移動体が搬送する物体である搬送物体を決める。
「搬送物体を決める」には、例えば、(i)搬送物体の個数、搬送物体の重量(移動体の積載重量)等を決めること、(ii)複数の移動体のうちの特定の移動体Aの搬送物体の重量を別の移動体Bの搬送物体の重量より大きくなるよう決めること、(iii)複数の移動体について、積載重量を大きくできる優先順位を決めること、(iv)複数の移動体のうちの移動体Cにおいては搬送物体としての人を含まず、複数の移動体のうちの移動体Dにおいては搬送物体としての人を含めるように決めること等が該当する。
「搬送物体を決める」には、例えば、(i)搬送物体の個数、搬送物体の重量(移動体の積載重量)等を決めること、(ii)複数の移動体のうちの特定の移動体Aの搬送物体の重量を別の移動体Bの搬送物体の重量より大きくなるよう決めること、(iii)複数の移動体について、積載重量を大きくできる優先順位を決めること、(iv)複数の移動体のうちの移動体Cにおいては搬送物体としての人を含まず、複数の移動体のうちの移動体Dにおいては搬送物体としての人を含めるように決めること等が該当する。
(2)前記複数の移動体が、それぞれ、電動モータを備えた駆動装置と、前記電動モータに電気エネルギを供給可能なバッテリとを含む1つ以上の第1移動体を含み、
前記エネルギ蓄積量取得部が、前記1つ以上の第1移動体の各々について、前記バッテリに蓄えられている電気エネルギの量であるバッテリ蓄積量をそれぞれ取得するバッテリ蓄積量取得部を含み、
前記搬送物体決定部が、前記バッテリ蓄積量取得部によって取得された前記1つ以上の第1移動体の各々の前記バッテリ蓄積量に基づいて、前記1つ以上の第1移動体の各々の前記搬送物体をそれぞれ決めるものである(1)項に記載の管理システム。
前記エネルギ蓄積量取得部が、前記1つ以上の第1移動体の各々について、前記バッテリに蓄えられている電気エネルギの量であるバッテリ蓄積量をそれぞれ取得するバッテリ蓄積量取得部を含み、
前記搬送物体決定部が、前記バッテリ蓄積量取得部によって取得された前記1つ以上の第1移動体の各々の前記バッテリ蓄積量に基づいて、前記1つ以上の第1移動体の各々の前記搬送物体をそれぞれ決めるものである(1)項に記載の管理システム。
(2-1)前記搬送物体決定部が、前記第1移動体が下り坂を下る場合には、前記バッテリ蓄積量取得部によって取得された前記バッテリ蓄積量が予め定められた下り用設定量より少ない第1移動体については、前記バッテリ蓄積量が前記下り用設定量以上である第1移動体より、前記搬送物体を重量の大きいものに決定する。
第1移動体が下り坂を下る場合には、回生制動が行われるのが普通である。また、回生制動においてバッテリに充電される電気エネルギの量は、第1移動体が有する位置エネルギが大きいほど多くなる。さらに、第1移動体が下り坂を下る前に有する位置エネルギは、第1移動体の重量が同じ場合には搬送物体の重量が大きいほど多くなる。そのため、バッテリ蓄積量が少ない第1移動体についての搬送物体が、積載重量が大きいものに決定されるようにしたのである。
下り用設定量は、上記実施例の第1設定量Q1または第2設定量Q2に対応する。
下り用設定量は、上記実施例の第1設定量Q1または第2設定量Q2に対応する。
(2-2)前記搬送物体決定部が、前記第1移動体が上り坂を上る場合には、前記バッテリ蓄積量取得部によって取得された前記バッテリ蓄積量が予め定められた上り用設定量より少ない第1移動体については、前記バッテリ蓄積量が前記上り用設定量以上である第1移動体より、前記搬送物体を重量が小さいものに決定する。
第1移動体が上り坂を上る場合には、電気エネルギが消費される。そのため、バッテリ蓄積量が多い第1移動体に、積載重量が大きい物体が搬送されるようにした。その結果、搬送途中において、バッテリ蓄積量が不足し難くすることができ、充電ステーション等における充電の必要が生じ難くすることができる。
上り用設定量は、上記実施例の第1設定量Qavまたは第2設定量Qbvに対応する。
上り用設定量は、上記実施例の第1設定量Qavまたは第2設定量Qbvに対応する。
(3)前記1つ以上の前記第1移動体が、それぞれ、前記バッテリ蓄積量を検出するバッテリ蓄積量検出装置と、前記バッテリ蓄積量検出装置によって検出された前記バッテリ蓄積量を表す情報であるバッテリ蓄積量情報を含む情報である第1移動体情報を無線により送信する第1移動体通信装置とを含み、
前記管理装置が、前記第1移動体情報を受信可能な管理通信装置を含み、
前記バッテリ蓄積量取得部が、前記管理通信装置において受信した前記第1移動体情報を処理して、前記バッテリ蓄積量を取得するものである(2)項に記載の管理システム。
前記管理装置が、前記第1移動体情報を受信可能な管理通信装置を含み、
前記バッテリ蓄積量取得部が、前記管理通信装置において受信した前記第1移動体情報を処理して、前記バッテリ蓄積量を取得するものである(2)項に記載の管理システム。
管理装置は、無線による通信により、第1移動体に関する情報を取得する。
(4)前記管理装置が、前記1つ以上の第1移動体の各々について、それぞれ、前記第1移動体が、予め定められた経路を出発地から目的地まで移動した場合に、回生制動により前記バッテリに充電されると予測される電気エネルギの量である予測充電量を取得する予測充電量取得部を含み、
前記搬送物体決定部が、前記バッテリ蓄積量取得部によって取得された前記バッテリ蓄積量と、前記予測充電量取得部によって取得された前記予測充電量とに基づいて、前記1つ以上の第1移動体の各々の前記搬送物体を決めるものである(2)項または(3)項に記載の管理システム。
前記搬送物体決定部が、前記バッテリ蓄積量取得部によって取得された前記バッテリ蓄積量と、前記予測充電量取得部によって取得された前記予測充電量とに基づいて、前記1つ以上の第1移動体の各々の前記搬送物体を決めるものである(2)項または(3)項に記載の管理システム。
(5)前記予測充電量取得部が、前記1つ以上の第1移動体の各々についての前記予測充電量を、それぞれ、前記第1移動体の重量である移動体重量と前記搬送物体決定部によって決定された前記搬送物体の重量である積載重量との和である総重量と、前記出発地と前記目的地との高低差との少なくとも一方に基づいて取得するものである(4)項に記載の管理システム。
第1移動体が下り坂を下る前に第1移動体が有する位置エネルギは、第1移動体の総重量が大きいほど大きくなり、高低差が大きいほど大きくなる。
(6)前記搬送物体決定部が、前記1つ以上の第1移動体の各々について、前記予測充電量取得部によって取得された予測充電量に基づいて、前記バッテリ蓄積量に基づいて決定した前記搬送物体を変更するものである(4)項または(5)項に記載の管理システム。
例えば、バッテリ蓄積量に対して予測充電量が少ない場合には、搬送物体の個数を増やす等により、搬送物体の積載重量を大きくすることが望ましい。
また、バッテリ蓄積量に対して予測充電量が過多である場合には、搬送物体の個数を減らす等により、積載重量を小さくすることが望ましい。
また、バッテリ蓄積量に対して予測充電量が過多である場合には、搬送物体の個数を減らす等により、積載重量を小さくすることが望ましい。
(7)前記管理装置が、前記複数の移動体の各々が、それぞれ、予め定められた経路に沿って出発地から目的地まで移動した後に、前記複数の移動体の各々に残っていると予測されるエネルギの量である予測エネルギ残量を取得する予測エネルギ残量取得部を含み、
前記搬送物体決定部が、前記エネルギ蓄積量取得部によって取得された複数の移動体の各々についての前記エネルギ蓄積量と、前記予測エネルギ残量取得部によって取得された前記複数の移動体の各々についての前記予測エネルギ残量とに基づいて、前記複数の移動体の各々の前記搬送物体をそれぞれ決めるものである(1)項ないし(6)項のいずれか1つに記載の管理システム。
前記搬送物体決定部が、前記エネルギ蓄積量取得部によって取得された複数の移動体の各々についての前記エネルギ蓄積量と、前記予測エネルギ残量取得部によって取得された前記複数の移動体の各々についての前記予測エネルギ残量とに基づいて、前記複数の移動体の各々の前記搬送物体をそれぞれ決めるものである(1)項ないし(6)項のいずれか1つに記載の管理システム。
予測エネルギ残量は、例えば、エネルギ蓄積量と予測充電量との和から、移動体が、予め定められた経路を出発地から目的地まで移動した場合に消費すると予測される予測エネルギ消費量を引くことによって取得することができる。移動体が第1移動体でない場合には、予測充電量は0となる。
予測エネルギ残量は、移動体が電動モータを備えた駆動装置を含む場合には、バッテリに残っていると予測される電気エネルギの量である予測電気エネルギ残量であり、移動体が電動モータを備えた駆動装置を含まない場合には、給油タンクに残っていると予測される燃料の量である予測燃料残量である。
(8)前記搬送物体決定部が、前記複数の移動体の各々について、前記予測エネルギ残量取得部によって取得された前記予測エネルギ残量に基づいて、前記エネルギ蓄積量に基づいて決定した前記搬送物体を変更するものである(7)項に記載の管理システム。
例えば、エネルギ蓄積量に基づいて決定された搬送物体の重量が大きい移動体についての予測エネルギ残量が少ない場合には、搬送物体の重量を小さくすることが望ましい。エネルギ蓄積量に基づいて決定された搬送物体の重量が小さい移動体についての予測エネルギ残量が多い場合には、搬送物体の重量を大きくすることができる。
(9)前記搬送物体決定部が、前記複数の移動体のうち、前記予測エネルギ残量取得部によって取得された前記予測エネルギ残量と前記エネルギ蓄積量取得部によって取得された前記エネルギ蓄積量との少なくとも一方が設定量より多い1つ以上の移動体には、前記搬送物体に人を含めるよう決めるものである(7)項または(8)項に記載の管理システム。
(10)前記搬送物体決定部が、前記複数の移動体のうち、前記予測エネルギ残量取得部によって取得された前記予測エネルギ残量と前記エネルギ蓄積量取得部によって取得された前記エネルギ蓄積量との少なくとも一方が、前記設定量以下である移動体には、前記搬送物体としての人を含めないよう決定するものである (9)項に記載の管理システム。
移動体が自動運転可能なものである場合には、物体としての人に運転者を含めることができる。
設定量は、上記実施例においては、第3設定量Qcv,Qctに対応するが、第1設定量Qav,Qatや第2設定量Qbv,Qbtとすることもできる。
設定量は、上記実施例においては、第3設定量Qcv,Qctに対応するが、第1設定量Qav,Qatや第2設定量Qbv,Qbtとすることもできる。
(11)前記予測エネルギ残量取得部が、前記複数の移動体の各々についての前記予測エネルギ残量を、それぞれ、前記複数の移動体の各々の重量である移動体重量と前記搬送物体決定部によって決定された前記搬送物体の重量である積載重量との和である総重量と、出発地から目的地までの間の高低差との少なくとも一方に基づいて取得するものである(7)項ないし(10)項のいずれか1つに記載の管理システム。
移動体についての総重量と、出発地から目的地までの間の高低差とに基づけば、移動体が出発地から目的地まで移動する場合の予測エネルギ消費量を取得することができる。予測エネルギ残量は、出発地のエネルギ蓄積量が同じであり、予測充電量が0である場合には、予測エネルギ消費量が大きくなると小さくなる。
(12)前記予測エネルギ残量取得部が、前記複数の移動体の各々の過去の移動に関する情報と、前記移動体に蓄えられているエネルギ蓄積量に関する情報とに基づいて取得するものである(7)項ないし(11)項のいずれか1つに記載の管理システム。
管理装置は、移動体の搬送作業中の位置に関する情報、エネルギ蓄積量に関する情報を、通信により取得することができる。管理装置は、例えば、移動体の過去の移動に関する情報と、そのエネルギ蓄積量に関する情報とに基づけば、移動体の単位エネルギ量当たりの走行距離等を取得することができ、予測エネルギ消費量を取得することができる。
(13)前記管理装置が、前記搬送物体決定部によって決定された前記複数の移動体の各々についての前記搬送物体を表す情報である搬送物体情報を含む管理情報を送信する管理通信装置を含む(1)項ないし(12)項のいずれか1つに記載の管理システム。
なお、管理装置は、搬送物体情報を音声により出力することもできる。
(14)前記複数の移動体が、それぞれ、前記管理情報を受信する移動体通信装置を含む(13)項に記載の管理システム。
移動体通信装置は、移動体の各々の位置に関する情報、エネルギ蓄積量を表す情報等を含む移動体情報を送信する。
また、移動体通信装置は、移動体の管理者が有する情報通信端末に、管理情報に含まれる搬送物体情報を送信可能なものとすることができる。それに対して、情報通信端末は、管理情報を移動体通信装置を介することなく受信可能なものとすることができる。
また、移動体通信装置は、移動体の管理者が有する情報通信端末に、管理情報に含まれる搬送物体情報を送信可能なものとすることができる。それに対して、情報通信端末は、管理情報を移動体通信装置を介することなく受信可能なものとすることができる。
(15)前記搬送物体決定部が、人口知能{AI(artificial intelligence)}により、前記複数の移動体の各々についての前記搬送物体を、前記移動体が蓄えているエネルギ蓄積量と、前記移動体の過去の移動に関する情報およびエネルギ蓄積量に関する情報と、前記移動体の各々の作業計画とのうちの1つ以上に基づいて決定するものである(1)項ないし(14)項のいずれか1つに記載の管理システム。
AIにより、複数の移動体の各々についての過去の情報、作業計画に基づく予測等に基づいて、搬送物体の最適解を取得することができる。
(16)複数の移動体を管理する管理装置を含む管理システムであって、
前記複数の移動体が、電動モータを備えた駆動装置が搭載された1つ以上の第1移動体と、前記電動モータを備えた駆動装置が搭載されていない1つ以上の第2移動体とを含み、
前記管理装置が、前記複数の移動体が下り坂を下る場合に、前記複数の移動体のうち、前記第1移動体が搬送する1つ以上の物体の積載重量が、前記第2移動体が搬送する1つ以上の前記物体の積載重量より大きくなるように、前記複数の移動体の各々が搬送する1つ以上の前記物体をそれぞれ決める搬送物体決定部を含む管理システム。
前記複数の移動体が、電動モータを備えた駆動装置が搭載された1つ以上の第1移動体と、前記電動モータを備えた駆動装置が搭載されていない1つ以上の第2移動体とを含み、
前記管理装置が、前記複数の移動体が下り坂を下る場合に、前記複数の移動体のうち、前記第1移動体が搬送する1つ以上の物体の積載重量が、前記第2移動体が搬送する1つ以上の前記物体の積載重量より大きくなるように、前記複数の移動体の各々が搬送する1つ以上の前記物体をそれぞれ決める搬送物体決定部を含む管理システム。
本項に記載の管理システムには、(1)項ないし(15)項のいずれかに記載の技術的特徴を採用することができる。
Claims (8)
- 複数の移動体を管理する管理装置を備えた管理システムであって、
前記管理装置が、
前記複数の移動体の各々に、それぞれ、蓄えられているエネルギの量であるエネルギ蓄積量を取得するエネルギ蓄積量取得部と、
前記エネルギ蓄積量取得部によって取得された前記複数の移動体の各々についてのエネルギ蓄積量に基づいて、前記複数の移動体の各々が搬送する物体である搬送物体をそれぞれ決定する搬送物体決定部と
を含む管理システム。 - 前記複数の移動体が、それぞれ、電動モータを備えた駆動装置と、前記電動モータに電気エネルギを供給可能なバッテリとを含む1つ以上の第1移動体を含み、
前記エネルギ蓄積量取得部が、前記1つ以上の第1移動体の各々について、前記バッテリに蓄えられている電気エネルギの量であるバッテリ蓄積量をそれぞれ取得するバッテリ蓄積量取得部を含み、
前記搬送物体決定部が、前記バッテリ蓄積量取得部によって取得された前記1つ以上の第1移動体の各々の前記バッテリ蓄積量に基づいて、前記1つ以上の第1移動体の各々の前記搬送物体をそれぞれ決めるものである請求項1に記載の管理システム。 - 前記1つ以上の前記第1移動体が、それぞれ、前記バッテリ蓄積量を検出するバッテリ蓄積量検出装置と、前記バッテリ蓄積量検出装置によって検出された前記バッテリ蓄積量を表す情報であるバッテリ蓄積量情報を含む情報である第1移動体情報を無線により送信する第1移動体通信装置とを含み、
前記管理装置が、前記第1移動体情報を受信可能な管理通信装置を含み、
前記バッテリ蓄積量取得部が、前記管理通信装置において受信した前記第1移動体情報を処理して、前記バッテリ蓄積量を取得するものである請求項2に記載の管理システム。 - 前記管理装置が、前記1つ以上の第1移動体の各々について、それぞれ、前記第1移動体が、予め定められた経路を出発地から目的地まで移動した場合に、回生制動により前記バッテリに充電されると予測される電気エネルギの量である予測充電量を取得する予測充電量取得部を含み、
前記搬送物体決定部が、前記バッテリ蓄積量取得部によって取得された前記バッテリ蓄積量と、前記予測充電量取得部によって取得された前記予測充電量とに基づいて、前記1つ以上の第1移動体の各々の前記搬送物体を決めるものである請求項2または3に記載の管理システム。 - 前記予測充電量取得部が、前記1つ以上の第1移動体の各々についての前記予測充電量を、それぞれ、前記第1移動体の重量である移動体重量と前記搬送物体決定部によって決定された前記搬送物体の重量である積載重量との和である総重量と、前記出発地と前記目的地との高低差との少なくとも一方に基づいて取得するものである請求項4に記載の管理システム。
- 前記管理装置が、前記複数の移動体の各々が、それぞれ、予め定められた経路に沿って出発地から目的地まで移動した後に、前記複数の移動体の各々に残っていると予測されるエネルギの量である予測エネルギ残量を取得する予測エネルギ残量取得部を含み、
前記搬送物体決定部が、前記エネルギ蓄積量取得部によって取得された複数の移動体の各々についての前記エネルギ蓄積量と、前記予測エネルギ残量取得部によって取得された前記複数の移動体の各々についての前記予測エネルギ残量とに基づいて、前記複数の移動体の各々の前記搬送物体をそれぞれ決めるものである請求項1ないし5のいずれか1つに記載の管理システム。 - 前記予測エネルギ残量取得部が、前記複数の移動体の各々の前記予測エネルギ残量を、それぞれ、(i)前記複数の移動体の各々の重量である移動体重量と前記搬送物体決定部によって決定された前記搬送物体の重量である積載重量との和である総重量と、出発地から目的地までの間の高低差との少なくとも一方と、(ii)前記複数の移動体の各々の過去の移動に関する情報および前記移動体に蓄えられているエネルギ蓄積量に関する情報との少なくとも一方に基づいて取得するものである請求項6に記載の管理システム。
- 前記搬送物体決定部が、人口知能により、前記複数の移動体の各々についての前記搬送物体を、前記移動体が蓄えているエネルギ蓄積量と、前記移動体の過去の移動に関する情報およびエネルギ蓄積量に関する情報と、前記移動体の各々の作業計画とのうちの1つ以上に基づいて決定するものである請求項1ないし7のいずれか1つに記載の管理システム。
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