JP2023114139A - 車輌用前照灯 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は光源の駆動時に発生する熱を放出するヒートシンクを備えた車輌用前照灯についての技術分野に関する。
車輌用前照灯には、カバーとランプハウジングによって構成された灯具外筐の内部に光を出射する光源が配置され、光源から出射される光を制御して外部へ向けて照射するタイプがある。このような車輌用前照灯には光源の駆動時に発生する熱を放出するヒートシンクと光源から出射される光を制御する投影レンズと投影レンズを保持するレンズホルダーとを備えた構成にされたものがある(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載された車輌用前照灯においては、光源から出射された光を反射するリフレクターと投影レンズを保持するレンズホルダーとが一体に形成され、光源から出射されリフレクターで反射された光が投影レンズによって制御されて平行光にされ外部へ向けて照射される。
ところで、上記のような車輌用前照灯においては、灯具外筐の内部に光源や投影レンズやレンズホルダーの他に、例えば、光を反射するリフレクターや光源から出射された光の一部を遮蔽するシェード等の各部材が配置されるため、各部材の配置状態等によっては大型化を来たすことがある。特に、投影レンズの中心軸方向においては光を制御する各部材が並んで配置されることが多く、投影レンズの中心軸方向における大型化を来し易くなってしまう。
そこで、本発明車輌用前照灯は、投影レンズの中心軸方向における小型化を図ることを目的とする。
本発明に係る車輌用前照灯は、光源に電力を供給するための基板と、前記光源から出射された光が透過される投影レンズと、前記投影レンズを保持するレンズホルダーと、前記光源の駆動時に発生する熱が伝達されると共に伝達された熱を放出するヒートシンクとを備え、前記レンズホルダーと前記ヒートシンクは前記投影レンズの中心軸方向に直交する方向において少なくとも一部が重なる状態で位置されたものである。
これにより、投影レンズの中心軸方向においてレンズホルダーとヒートシンクを合わせた分の配置スペースが小さくなる。
本発明によれば、投影レンズの中心軸方向においてレンズホルダーとヒートシンクを合わせた分の配置スペースが小さくなるため、投影レンズの中心軸方向における小型化を図ることができる。
以下に、本発明車輌用前照灯を実施するための形態について添付図面を参照して説明する。
以下には、本発明車輌用前照灯をヘッドランプに適用した例について説明する。但し、本発明車輌用前照灯はフォグランプにも適用することが可能である。
車輌用前照灯1は前端に開口を有するランプハウジング2とランプハウジング2の開口を閉塞するカバー3とを備えている(図1参照)。ランプハウジング2とカバー3によって灯具外筐4が構成され、灯具外筐4の内部空間が灯室5として形成されている。
灯室5にはランプユニット6が配置されている。ランプユニット6は複合機能部材7と基板8とレンズホルダー9と投影レンズ10と第1の制御レンズ11と第2の制御レンズ12を有している(図1乃至図3参照)。
複合機能部材7はヒートシンク13とシェード14が、例えば、押出成形によって一体に形成されて成る(図1、図2及び図4参照)。複合機能部材7は金属材料によって形成されている。
ヒートシンク13は前後方向に貫通された環状のベース部15とベース部15の外周面から突出された複数の放熱フィン16とによって構成されている。ヒートシンク13におけるベース部15の内部の空間は配置空間17として形成されている。
ベース部15は、例えば、八角形状に形成されている。但し、ベース部15は八角形状以外の他の形状、例えば、円形状や楕円形状や矩形状等に形成されていてもよい。また、ベース部15は環状以外の形状、例えば、下方や上方に開口されたコ字状や円弧面状等の内部に空間が形成されるような他の形状に形成されていてもよい。ベース部15は後面が取付面15aとして形成されている。
放熱フィン16は、例えば、前後方向が長手方向にされた長方形の板状に形成されている。但し、放熱フィン16は板状であれば他の形状であってもよい。複数の放熱フィン16はベース部15の周方向に離隔して位置されている。放熱フィン16はベース部15の前端から後端までの位置から突出され、前後方向における長さがベース部15からの突出方向における幅より長くされている。放熱フィン16は前後方向における長さが長くされることにより放熱面積が大きくされている。
ヒートシンク13においては、例えば、ベース部15の下端部の一部からは放熱フィン15が突出されておらず、この部分が下方に開口された空間15bとして形成されている。空間15bには基板8に接続される図示しないコネクターが配置される。コネクターは図示しないケーブルを介して図示しない制御回路に接続されている。
シェード14はベース部15の内部に位置され、上下方向を向く略平板状に形成されている。シェード14はベース部15の左右両側面部間に亘って設けられ、シェード14によって配置空間17が上下に略2等分されている(図4参照)。従って、配置空間17は上側の第1の空間17aと下側の第2の空間17bによって構成される。シェード14には左右方向における中央部に段差14aが形成されている。段差14aは配光パターンにおけるカットラインの中央部の相当する部分である。
上記のように、複合機能部材7はヒートシンク13とシェード14が押出成形により形成されることにより、ヒートシンク13とシェード14が一体成形によって一つの工程で形成されるため、ヒートシンク13とシェード14を容易に形成することが可能になり車輌用前照灯1の製造時間の短縮化及び製造時における工数の低減化を図ることができる。
基板8は前後方向を向く取付板18の前面に取り付けられている(図1及び図2参照)。基板8は、例えば、フレキシブルプリント配線板であり、左右方向に延びる第1の電力供給部8aと上下方向に延びる第2の電力供給部8bとを有し、下端部が接続端子部8cとして設けられている。
第1の電力供給部8aには、例えば、三つの第1の光源19が左右に離隔した状態で接続され、第2の電力供給部8bには、例えば、上端部に一つの第2の光源20が接続されている。第1の光源19と第2の光源20としては、例えば、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)が用いられている。第1の光源19はロービーム用の光源であり、第2の光源20はハイビーム用の光源であり、ハイビームの照射時には全ての第1の光源19と第2の光源20が点灯状態にされ、ロービームの照射時には第1の光源19のみが点灯状態にされる。
第1の光源19と第2の光源20はそれぞれ第1の電力供給部8aと第2の電力供給部8bに接続された状態において取付板18の前面に搭載されている。
取付板18はヒートシンク13の取付面15aに取り付けられている。従って、基板8はヒートシンク13の後端側に配置されている。尚、車輌用前照灯1においては、取付板18が設けられず、基板8がヒートシンク13の取付面15aに取り付けられた構成にされていてもよい。この場合には、第1の光源19と第2の光源20がそれぞれ第1の電力供給部8aと第2の電力供給部8bに搭載される。
取付板18が取付面15aに取り付けられた状態においては、第1の光源19がヒートシンク13の第1の空間17aに対応して位置され、第2の光源20がヒートシンク13の第2の空間17bに対応して位置される。取付板18が取付面15aに取り付けられた状態においては、基板8の接続端子部8cがコネクターに接続される。従って、第1の光源19と第2の光源20の点消灯制御が制御回路によって行われる。
レンズホルダー9は前側の部分が前後に貫通された環状部21として設けられ環状部21より後側の部分が環状部21から後方に突出された突状部22として設けられている。突状部22は環状部21の下端部以外の部分から後方に突出されている。突状部22の左右両端部にはそれぞれ後方に開口された挿入スリット22aが形成されている。突状部22は挿入スリット22aより上側の部分が第1のレンズ取付部22bとして設けられ挿入スリット22aより下側の部分が第2のレンズ取付部22cとして設けられている。
投影レンズ10は入射された光を平行光にする機能を有している。投影レンズ10はレンズホルダー9の前面に接着等によって取り付けられている。
第1の制御レンズ11と第2の制御レンズ12はそれぞれレンズホルダー9の第1のレンズ取付部22bと第2のレンズ取付部22cに接着等によって取り付けられている。第1の制御レンズ11と第2の制御レンズ12はそれぞれ第1のレンズ取付部22bと第2のレンズ取付部22cの各後面に取り付けられている。第1の制御レンズ11と第2の制御レンズ12はレンズホルダー9に取り付けられた状態において上下に離隔した状態で位置されている。
第1の制御レンズ11は第1の光源19から出射された光を投影レンズ10へ向けて集光する機能を有し、第2の制御レンズ12は第2の光源20から出射された光を投影レンズ10へ向けて集光する機能を有している。
上記のようにレンズホルダー9に投影レンズ10と第1の制御レンズ11と第2の制御レンズ12が取り付けられた状態において、レンズホルダー9の一部と第1の制御レンズ11と第2の制御レンズ12とが複合機能部材7におけるヒートシンク13の配置空間17に前側から挿入され、突状部22がヒートシンク13のベース部15にネジ止めや接着等によって取り付けられる。このときシェード14が第1の制御レンズ11と第2の制御レンズ12の間から突状部22の二つの挿入スリット22aに挿入される。従って、レンズホルダー9は第1のレンズ取付部22bが第1の空間17aに位置され第2のレンズ取付部22cが第2の空間17bに位置され、第1の制御レンズ11が第1の空間17aに位置され第2の制御レンズ12が第2の空間17bに位置される。
このようにレンズホルダー9は突状部22が配置空間17に配置されるため、レンズホルダー9とヒートシンク13は投影レンズ10の中心軸M方向(前後方向)に直交する方向において少なくとも一部が重なる状態で位置される(図1参照)。重なる部分を図1にPで示す。
尚、複合機能部材7に対するレンズホルダー9の取付においては、シェード14と二つの挿入スリット22aが位置決め部として機能し、シェード14が挿入スリット22aに挿入されることにより複合機能部材7に対するレンズホルダー9の位置決めが行われるようにされていてもよい。
上記のように、車輌用前照灯1においては、第1の光源19から出射された光を制御する第1の制御レンズ11と第2の光源20から出射された光を制御する第2の制御レンズ12とが設けられ、第1の制御レンズ11と第2の制御レンズ12がベース部15の内部においてシェード14を挟んで反対側に配置されている。
従って、ベース部15の内部空間が第1の制御レンズ11と第2の制御レンズ12の配置スペースとして用いられるため、車輌用前照灯1の小型化を確保した上で高機能化を図ることができる。
また、シェード14によって第1の制御レンズ11と第2の制御レンズ12が仕切られるため、第1の光源19から出射される光と第2の光源20から出射される光とが相互に影響を及ぼさず、第1の光源19から出射される光と第2の光源20から出射される光との双方の光に関する配光制御の適正化を図ることができる。
さらに、レンズホルダー9に第1のレンズ取付部22bと第2のレンズ取付部22cが設けられ、第1のレンズ取付部22bに第1の制御レンズ11が取り付けられ、第2のレンズ取付部22cに第2の制御レンズ12が取り付けられている。
従って、第1の制御レンズ11と第2の制御レンズ12をそれぞれ取り付けるための専用の部材が必要ないため、部品点数の削減及び小型化を図った上で第1の光源19から出射される光と第2の光源20から出射される光との双方の光に関する配光制御の適正化を図ることができる。
さらにまた、ヒートシンク13にレンズホルダー9が取り付けられているため、レンズホルダー9を取り付けるための専用の部材が必要なく、部品点数の削減及び小型化を図ることができる。
上記のように構成された車輌用前照灯1において、第1の光源19から光が出射されると、出射された光が第1の制御レンズ11によって制御されて集光される(図5参照)。このとき第1の光源19から出射され第1の制御レンズ11に入射された光は一部が内面反射されて投影レンズ10へ向かう。投影レンズ10へ向かった光は投影レンズ10によって制御されて平行光にされ、カバー3を透過されて外部へ向けて照射される。
一方、第2の光源20から光が出射されると、出射された光が第2の制御レンズ12によって制御されて集光される。このとき第2の光源20から出射され第2の制御レンズ12に入射された光は一部が内面反射されて投影レンズ10へ向かう。投影レンズ10へ向かった光は投影レンズ10によって制御されて平行光にされ、カバー3を透過されて外部へ向けて照射される。
第1の光源19と第2の光源20の点灯時には、第1の光源19と第2の光源20に加えて基板8からも熱が発生する。発生した熱はヒートシンク13に伝達され、主として放熱フィン16から放出される。従って、第1の光源19と第2の光源20と基板8の温度の上昇が抑制され、第1の光源19と第2の光源20からの光の良好な出射状態が確保される。
以上に記載した通り、車輌用前照灯1にあっては、レンズホルダー9とヒートシンク13が投影レンズ10の中心軸M方向に直交する方向において少なくとも一部が重なる状態で位置されている。
従って、中心軸M方向においてレンズホルダー9とヒートシンク13を合わせた分の配置スペースが小さくなるため、車輌用前照灯1の中心軸M方向における小型化を図ることができる。
また、ヒートシンク13に環状に形成されたベース部15とベース部15の外周面から突出された複数の放熱フィン16とが設けられ、レンズホルダー9の少なくとも一部がベース部15の内側に位置されている。
従って、ベース部15の内部空間の少なくとも一部がレンズホルダー9の配置スペースとして用いられるため、中心軸M方向及び中心軸M方向に直交する方向における小型化を図ることができる。
さらに、車輌用前照灯1においては、基板8が取付板18に取り付けられ、取付板18がヒートシンク13の後面である取付面15aに取り付けられている。
従って、基板8がレンズホルダー9と干渉することなくヒートシンク13に取り付けられるため、車輌用前照灯1の中心軸M方向における一層の小型化を図ることができる。
さらにまた、第1の光源19と第2の光源20から出射された光の一部を遮蔽するシェード14がヒートシンク13の内側に設けられ、ヒートシンク13とシェード14が一体に形成されている。
従って、ヒートシンク13とシェード14が同一の部材として設けられるため、車輌用前照灯1における部品点数の削減及び組立工数の低減化を図ることができる。また、シェード14が一体に形成されたヒートシンク13に基板8が取り付けられることにより、第1の光源19及び第2の光源20とシェード14との関係において累積の取付公差が少なくて済み、第1の光源19及び第2の光源20から出射される光に関して高い精度で配光制御を行うことができる。
1…車輌用前照灯、8…基板、9…レンズホルダー、10…投影レンズ、11…第1の制御レンズ、12…第2の制御レンズ、13…ヒートシンク、14…シェード、15…ベース部、15a…取付面、16…放熱フィン、18…取付板、19…第1の光源、20…第2の光源
Claims (8)
- 光源に電力を供給するための基板と、
前記光源から出射された光が透過される投影レンズと、
前記投影レンズを保持するレンズホルダーと、
前記光源の駆動時に発生する熱が伝達されると共に伝達された熱を放出するヒートシンクとを備え、
前記レンズホルダーと前記ヒートシンクは前記投影レンズの中心軸方向に直交する方向において少なくとも一部が重なる状態で位置された
車輌用前照灯。 - 前記ヒートシンクには環状に形成されたベース部と前記ベース部の外周面から突出された複数の放熱フィンとが設けられ、
前記レンズホルダーの少なくとも一部が前記ベース部の内側に位置された
請求項1に記載の車輌用前照灯。 - 前記ヒートシンクは前記投影レンズの中心軸方向において前記投影レンズの位置する側と反対側の端面が取付面として形成され、
前記基板が取付板に取り付けられ、
前記取付板が前記取付面に取り付けられた
請求項1又は請求項2に記載の車輌用前照灯。 - 前記光源から出射された光の一部を遮蔽するシェードが前記ヒートシンクの内側に設けられ、
前記ヒートシンクと前記シェードが一体に形成された
請求項1、請求項2又は請求項3に記載の車輌用前照灯。 - 前記ヒートシンクと前記シェードが押出成形により形成された
請求項4に記載の車輌用前照灯。 - 前記光源が複数設けられると共に前記光源としてロービーム用の第1の光源とハイビーム用の第2の光源が設けられ、
前記第1の光源から出射された光を制御する第1の制御レンズと前記第2の光源から出射された光を制御する第2の制御レンズとが設けられ、
前記第1の制御レンズと前記第2の制御レンズが前記ヒートシンクの内部において前記シェードを挟んで反対側に配置された
請求項4又は請求項5に記載の車輌用前照灯。 - 前記レンズホルダーに第1のレンズ取付部と第2のレンズ取付部が設けられ、
前記第1のレンズ取付部に前記第1の制御レンズが取り付けられ、
前記第2のレンズ取付部に前記第2の制御レンズが取り付けられた
請求項6に記載の車輌用前照灯。 - 前記ヒートシンクに前記レンズホルダーが取り付けられた
請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6又は請求項7に記載の車輌用前照灯。
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