JP2023114005A - 風向制御装置、室外機、および空気調和機 - Google Patents
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Abstract
【課題】室外機の熱交換の効率が低下するのを抑制することができる風向制御装置、室外機、および空気調和機を得る。【解決手段】風向制御装置は、対向部を備える。対向部は、室外機の筐体の吹出口の第1方向側で吹出口と間隔をあけて対向し、第1方向側から見て、吹出口の鉛直方向の下側の下端部を含む一部を覆い、且つ吹出口の鉛直方向の上側の上端部を含む他部を覆わない。対向部と筐体との間の空間が、少なくとも、鉛直方向の上側に開放されている。【選択図】図5
Description
本発明の実施形態は、風向制御装置、室外機、および空気調和機に関する。
エアコンディショナのような空気調和機は、冷凍サイクルにおける冷媒の凝縮および蒸発により、室内の温度を調節する。例えば冷房運転時において、冷媒は、室外機の室外熱交換器で凝縮し、室内機の室内熱交換器で蒸発する。
この種の空気調和機は、例えば、マンションのバルコニー等の風通しが悪く空気が滞留しやすい場所に室外機が設置された場合、冷房運転時に、室外機から排出された排気を室外機が吸い込むという所謂ショートサーキットが発生し、室外機の熱交換の効率が低下する場合がある。
本発明が解決する課題の一例は、室外機の熱交換の効率が低下するのを抑制することができる風向制御装置、室外機、および空気調和機を得ることである。
本発明の実施形態に係る風向制御装置は、鉛直方向と交差する第1方向に空気を吹き出す吹出口が設けられた筐体を備えた空気調和機の室外機、に設けられる風向制御装置であって、前記吹出口の前記第1方向側で前記吹出口と間隔をあけて対向し、前記第1方向側から見て、前記吹出口の前記鉛直方向の下側の下端部を含む一部を覆い、且つ前記吹出口の前記鉛直方向の上側の上端部を含む他部を覆わない対向部と、を備え、前記対向部と前記筐体との間の空間が、少なくとも、前記鉛直方向の上側に開放されている。
前記風向制御装置では、例えば、前記対向部と前記筐体との間の空間が、前記鉛直方向および前記第1方向と交差する方向の少なくとも一側に開放されている。
前記風向制御装置は、例えば、前記吹出口よりも前記鉛直方向の下側において前記筐体側から前記対向部側に延び、前記対向部の前記鉛直方向の下側の端部を支持する支持部を備える。
前記風向制御装置は、例えば、前記筐体の前記鉛直方向の上側の上面に設けられ、前記上面から突出した凸部を有し、前記筐体の前記鉛直方向の上側から前記筐体に向かう空気を前記第1方向側に案内する上側風向制御部を備える。
前記風向制御装置では、例えば、前記上側風向制御部は、前記凸部における前記上面側の端部から前記第1方向に延びた第1面を有する。
前記風向制御装置では、例えば、前記鉛直方向および前記第1方向と交差する方向における前記対向部の幅は、少なくとも前記吹出口と対向する領域で、同方向における前記吹出口の最大幅よりも広い。
前記風向制御装置では、例えば、前記支持部は、前記第1方向の長さが可変である。
前記風向制御装置では、例えば、前記対向部は、前記鉛直方向の長さが可変である。
前記風向制御装置では、例えば、前記対向部は、前記吹出口の前記鉛直方向の寸法で前記吹出口の半分以上を覆う。
本発明の実施形態に係る室外機は、前記風向制御装置を備える。
本発明の実施形態に係る空気調和機は、前記室外機を備える。
以上の空気調和機によれば、例えば、室外機の熱交換の効率が低下するのを抑制することができる。
以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。なお、本明細書では、序数は、部品や、部材、部位、位置、方向等を区別するためだけに用いられており、順番や優先度を示すものではない。また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合がある。また、図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。また、本明細書においては、鉛直上方を上方向、鉛直下方を下方向と定義する。
<実施形態>
図1は、実施形態の暖房運転時の空気調和機10を概略的に示す冷媒系統図である。空気調和機10は、例えば、家庭用のエアコンディショナである。なお、空気調和機10は、この例に限られず、業務用のエアコンディショナのような他の空気調和機であっても良い。
図1は、実施形態の暖房運転時の空気調和機10を概略的に示す冷媒系統図である。空気調和機10は、例えば、家庭用のエアコンディショナである。なお、空気調和機10は、この例に限られず、業務用のエアコンディショナのような他の空気調和機であっても良い。
図1に示されるように、空気調和機10は、室外機11と、室内機12と、冷媒配管13と、制御装置14とを有する。室外機11は、例えば、屋外に配置される。室内機12は、例えば、屋内に配置される。
空気調和機10は、室外機11と室内機12とが冷媒配管13により接続された冷凍サイクルを備える。室外機11と室内機12との間で、冷媒配管13を通り、冷媒が流れる。また、室外機11と室内機12とは、例えば電気配線により互いに電気的に接続される。
室外機11は、室外熱交換器21と、室外送風ファン22と、圧縮機23と、アキュムレータ24と、四方弁25と、減圧器26と、筐体51とを有する。室外熱交換器21、室外送風ファン22、圧縮機23、アキュムレータ24、四方弁25、および減圧器26は、筐体51に収容されている。室内機12は、室内熱交換器31と、室内送風ファン32とを有する。
冷媒配管13は、例えば、銅又はアルミニウムのような金属で作られた管である。冷媒配管13は、第1配管41と、第2配管42とを有する。第1配管41は、室外熱交換器21と室内熱交換器31とを接続する。圧縮機23、アキュムレータ24、および四方弁25は、第1配管41に設けられる。第2配管42は、室内熱交換器31と室外熱交換器21とを接続する。減圧器26は、第2配管42に設けられる。
暖房運転において、冷媒は、第1配管41を通って室外熱交換器21から室内熱交換器31へ流れ、第2配管42を通って室内熱交換器31から室外熱交換器21へ流れる。図1の矢印は、暖房運転時における冷媒の流れを示す。
図2は、本実施形態の冷房運転時の空気調和機10を概略的に示す冷媒系統図である。図2に示されるように、冷房運転において、冷媒は、第2配管42を通って室外熱交換器21から室内熱交換器31へ流れ、第1配管41を通って室内熱交換器31から室外熱交換器21へ流れる。図2の矢印は、冷房運転時における冷媒の流れを示す。
室外機11の室外熱交換器21は、冷媒の流れる方向に応じて、蒸発器として冷媒の吸熱を行い、又は凝縮器として冷媒の放熱を行う。室外送風ファン22は、室外熱交換器21に向かって送風し、室外熱交換器21における冷媒と空気との熱交換を促進する。言い換えると、室外送風ファン22は、室外熱交換器21と熱交換する気流を生成する。
室外熱交換器21は、例えば、内部に微小な冷媒流路が複数形成された扁平多穴管を伝熱管として有する、いわゆるマイクロチャネル熱交換器の熱交換機である。室外熱交換器21は、複数の板状の伝熱フィンと各伝熱フィンを貫通する伝熱管とを有する、いわゆるクロスフィン熱交換器であっても良いし、他の種類の熱交換機であっても良い。
圧縮機23は、吸入口23aと吐出口23bとを有する。圧縮機23は、吸入口23aから冷媒を吸入し、圧縮した冷媒を吐出口23bから吐出する。これにより、圧縮機23は、冷凍サイクルにおいて冷媒を圧縮するとともに、冷媒の循環を生じさせる。圧縮機23は、例えば、インバータ制御により運転周波数を変更可能である。
アキュムレータ24は、圧縮機23の吸入口23aに接続される。アキュムレータ24は、気体状の冷媒と液体状の冷媒とを分離する。これにより、圧縮機23は、アキュムレータ24を通過した気体状の冷媒を吸入口23aから吸入することができる。
四方弁25は、室外熱交換器21と、室内熱交換器31と、圧縮機23の吐出口23bと、アキュムレータ24とに接続される。四方弁25は、暖房運転時と冷房運転時とで、室外熱交換器21、室内熱交換器31、圧縮機23の吐出口23b、およびアキュムレータ24のそれぞれに接続される流路を切り替え、冷媒が流れる方向を変更する。
図1に示されるように、暖房運転時において、四方弁25は、室外熱交換器21とアキュムレータ24とを接続する。さらに、暖房運転時において、四方弁25は、室内熱交換器31と圧縮機23の吐出口23bとを接続する。これにより、圧縮機23で圧縮された冷媒が室内熱交換器31へ流れ、室外熱交換器21で蒸発した冷媒がアキュムレータ24へ流れる。
図2に示されるように、冷房運転時において、四方弁25は、室外熱交換器21と圧縮機23の吐出口23bとを接続する。さらに、冷房運転時において、四方弁25は、室内熱交換器31とアキュムレータ24とを接続する。これにより、圧縮機23で圧縮された冷媒が室外熱交換器21へ流れ、室内熱交換器31で蒸発した冷媒がアキュムレータ24へ流れる。
減圧器26は、例えば、電磁膨張弁である。なお、減圧器26は、他の減圧器であっても良い。減圧器26としての電磁膨張弁は、例えば、圧縮機23の吸入口23aの温度又は圧力に応じて開度を制御され、通過する冷媒の量を調節する。
室内機12の室内熱交換器31は、例えば、複数の板状の伝熱フィンと各伝熱フィンを貫通する伝熱管とを有する、いわゆるクロスフィン熱交換器である。室内熱交換器31は、他の種類の熱交換器であっても良い。室内熱交換器31は、冷媒の流れる方向に応じて、蒸発器として吸熱し、又は凝縮器として放熱する。
室内送風ファン32は、室内熱交換器31に向かって送風し、室内熱交換器31と空気との熱交換を促進する。言い換えると、室内送風ファン32は、室内熱交換器31と熱交換する気流を生成する。
以上のように各要素が配置された空気調和機10において、第1配管41は、第1領域41aと、第2領域41bと、第3領域41cと、第4の領域41dとを有する。第1領域41aは、室外熱交換器21と四方弁25との間における第1配管41の一部である。第2領域41bは、四方弁25とアキュムレータ24との間における第1配管41の一部である。第3領域41cは、圧縮機23の吐出口23bと四方弁25との間における第1配管41の一部である。第4の領域41dは、四方弁25と室内熱交換器31との間における第1配管41の一部である。
第2配管42は、第5の領域42aと、第6の領域42bとを有する。第5の領域42aは、室内熱交換器31と減圧器26との間における第2配管42の一部である。第6の領域42bは、減圧器26と室外熱交換器21との間における第2配管42の一部である。
制御装置14は、例えば、室外制御装置61と、室内制御装置62とを有する。室外制御装置61と室内制御装置62とは、互いに電気配線により電気的に接続される。室外制御装置61および室内制御装置62のうち少なくとも一方は、例えば、CPU(Central Processing Unit)又はマイクロコントローラのような制御装置と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)と、フラッシュメモリのような記憶装置とを有するコンピュータである。なお、制御装置14は、この例に限られない。例えば、制御装置14は、室外制御装置61および室内制御装置62のいずれか一方を有しても良い。
室外制御装置61は、室外機11の室外送風ファン22、圧縮機23、四方弁25、および減圧器26を制御する。室内制御装置62は、室内機12の室内送風ファン32を制御する。制御装置14が室外機11および室内機12を制御することで、空気調和機10は、冷房運転、暖房運転、除湿運転、除霜運転、および他の運転を行う。室内制御装置62は、例えば、リモートコントローラから信号を入力されても良いし、通信装置を通じてスマートフォンのような情報端末から信号を入力されても良い。
次に、室外機11について詳細に説明する。図3は、実施形態の室外機11を示す正面図である。図4は、図3のIV-IV断面図である。なお、図4では、筐体51内に収容された室外送風ファン22等の収容品の図示が省略されている。
以下の説明では、便宜上、互いに直交する三方向が定義されている。X方向は、筐体51の奥行方向(前後方向、短手方向)に沿い、Y方向は、筐体51の幅方向(左右方向、長手方向)に沿い、Z方向は、筐体51の高さ方向(上下方向)に沿う。また、以下の説明では、X方向は前方向、X方向の反対方向は後方向とも称され、Y方向は左方向、Y方向の反対方向は右方向とも称され、Z方向は上方、Z方向の反対方向は下方とも称される。前方向(X方向)は、第1方向の一例である。
筐体51の形状は、略直方体である。筐体51は、例えば、下壁51aや、上壁51b、前壁51c、後壁51d、左壁51e、右壁51f等の複数の壁を有している。筐体51は、金属材料や合成樹脂材料等によって構成されている。壁は、パネルとも称される。なお、筐体51の形状は、略直方体に限られない。
下壁51aおよび上壁51bは、いずれも、鉛直方向(Z方向)と直交する方向(XY平面)に沿って延びており、前後方向に間隔をあけて互いに平行に設けられている。下壁51aは、上壁51bに対して下方向側に位置している。上壁51bは、上面51gを含む。
前壁51cおよび後壁51dは、いずれも、前後方向と直交する方向(YZ平面)に沿って延びており、前後方向に間隔をあけて互いに平行に設けられている。前壁51cは、後壁51dに対して前方向側に位置している。
図4に示されるように、前壁51cは、ベース部51mと、突出部51nと、を有する。突出部51nは、ベース部51mから前方向に突出している。また、前壁51cには、吹出口51jが設けられている。吹出口51jは、前壁51cのベース部51mおよび突出部51nを前壁51cの厚さ方向(X方向)に貫通している。吹出口51jは、室外送風ファン22によって送られる筐体51内の空気を筐体51外に吹き出す。このとき、吹出口51jは、空気を筐体51の前方向すなわち水平方向に吹き出す。後壁51dには、吸込口51iが設けられている。吸込口51iは、後壁51dを後壁51dの厚さ方向(X方向)に貫通している。吸込口51iは、室外送風ファン22の動作に伴い筐体51外の空気を筐体51内に吸い込む。吹出口51jおよび吸込口51iは、複数の孔によって構成されうる。なお、図4では、便宜上、吹出口51jおよび吸込口51iは、それぞれ一つの孔によって記載されている。
左壁51eおよび右壁51fは、いずれも、左右方向と直交する方向(XZ平面)に沿って延びており、左右方向に間隔をあけて互いに平行に設けられている。左壁51eは、右壁51fの左方向側に位置している。
また、図3および図4に示されるように、室外機11は、風向制御装置52を備える。風向制御装置52は、前側風向制御部53と、上側風向制御部54と、を有する。
前側風向制御部53は、筐体51の前面51hに設けられている。前側風向制御部53は、固定部53aと、支持部53bと、対向部53cとを有する。前側風向制御部53は、金属材料や合成樹脂材料等によって構成されている。
固定部53aは、吹出口51jの下方向側の筐体51の前面51hに固定さている。
支持部53bは、固定部53aからから前方向(X方向、第1方向)に延びている。すなわち、支持部53bは、吹出口51jよりも鉛直方向の下側において筐体51側から対向部53c側に延びている。支持部53bは、対向部53cの鉛直方向の下側の端部を支持する。支持部は上面53dを有する。上面53dは、鉛直方向と直交する方向すなわち水平方向に沿う。支持部53bは、吹出口51jから吹き出された空気の下方への移動を制限する。
図4に示されるように、対向部53cは、支持部53bの前端部から上方向に延びている。対向部53cは、吹出口51jの前方向側で吹出口51jと間隔をあけて対向している。対向部53cは、吹出口51jと対向する対向面53eを有する。対向面53eは、鉛直方向に沿う。図3に示されるように、対向部53cは、前方向(X方向)側から見て、吹出口51jのうち吹出口51jの鉛直方向の下側の下端部51jaを含む一部51jcを覆い、且つ吹出口51jのうち吹出口51jの鉛直方向の上側の上端部51jbを含む他部51jdを覆わない。図3に示されるように、鉛直方向および前方向と交差する方向における対向部53cの幅L1(一例として左右方向の幅L1)は、少なくとも吹出口51jと対向する領域で、同方向における吹出口51jの最大幅L2(一例として左右方向の最大幅L2)よりも広い。また、対向部53cは、吹出口51jの鉛直方向の寸法のうち所定の範囲H1を覆う。所定の範囲H1は、例えば、半分である。すなわち、対向部53cは、吹出口51jの鉛直方向の寸法で吹出口51jの半分以上を覆う。所定の範囲H1は、吹出口51jの鉛直方向の寸法の80%以上であることが望ましい。
対向部53cは、吹出口51jの一部51jcから吹き出された空気を前方向に案内して当該空気を吹出口51jの前記他部51jdから吹き出された空気と合流させることにより、吹出口51jから吹き出された空気を前方向に対して斜め上方向に向かわせる(図5)。すなわち、対向部53cは、吹出口51jから吹き出された空気を前方向に対して斜め上方向に導く。
対向部53cと筐体51との間の空間Sは、鉛直方向の上側に開放されている。また、空間Sは、鉛直方向および前方向と交差する方向(左右方向)の両側に開放されている。空間Sの下方向側は、支持部53bによって閉じられている。
図3および図4に示されるように、上側風向制御部54は、筐体51の鉛直方向の上側の上面51gに設けられている。上側風向制御部54は、凸部54aと、ガイド面54b(第1面)とを有する。上側風向制御部54は、金属材料や合成樹脂材料によって構成されている。
凸部54aは、筐体51の上面51gから上方向に突出している。凸部54aの後面は、筐体51の後面と鉛直方向に並ぶ。換言すると、凸部54aの後面と筐体51の後面とは、面一である。凸部54aは、ベース部54cと、突起54dと、を有する。ベース部54cは、上面51gに重ねられている。ベース部54cは、ガイド面54eを有する。ガイド面54eは、ベース部54cにおける前方向側の面すなわち前面を構成する。ガイド面54eは、鉛直方向および前後方向に対して傾斜した傾斜面であり、下方向に向かうにつれて前方に向かう。突起54dは、ベース部54cの上端部から上方に延びている。突起54dは、筐体51の上方向側から筐体51に向かう空気を凸部54aの前方向側すなわち筐体51の前方向側と、凸部54aの後方側すなわち筐体51の後方向側とに分ける。ガイド面54eは、傾斜面とも称される。
ガイド面54bは、凸部54aにおける上面51g側の端部54aaから前方向に延びている。ガイド面54bは、筐体51の上面51gの前端部を含む一部によって構成されている。なお、ガイド面54bは、筐体51とは別部材によって構成されていてもよい。
上記の構成の風向制御装置52は、筐体51の鉛直方向の上側から筐体51に向かう空気を前方向側に案内する。すなわち、風向制御装置52は、筐体51の鉛直法上側から筐体51に向かう空気を前方向側に導く。
図5は、実施形態の室外機11がバルコニー102に設置された状態での空気の流れを説明するための図である。詳細には、図5は、室外機11が、建物100の外壁101とバルコニー102の立壁104との間でバルコニーの床面103に設置されている例を示している。室外機11は、台105を介して床面103に置かれている。図5には、室外機11が動作した場合の室外機11の周囲の空気の流れが矢印で示されている。
図5に示されるように、室外機11の吹出口51jの一部51jcから前方向に吹き出された暖かい空気(以後、排気とも称する)は、前側風向制御部53によって、前方に対して斜め上方に向かわされる。斜め上方向に進んだ排気の一部はバルコニー102の立壁104に沿って上方に流れる。バルコニー102の立壁104から上方へ流れる排気は、バルコニー102の上部を通って室外機11の上方に移動して、室外機11に向かって下方に移動する。この際、排気は、立壁104の上方側の比較的低温の空気(以後、外気とも称する)によって冷やされる。また、この際、排気と外気とが混ざる。さらに、排気の一部は、バルコニー102外へと流出する。そして、筐体51の上方向側から筐体51に向かう排気(外気)の一部は、凸部54aの突起54dによって突起54dの前方向側に流され、突起54dによって後方向への移動が制限される。突起54dの前方方向側に流れた排気は、ガイド面54eに沿って、前方向に対して斜め下方に進み、その後、ガイド面54bによって、前方向に沿うように案内される。これにより、排気は、ガイド面54bから略前方向に沿って流れる。このように、上側風向制御部54は、筐体51の上方向側から筐体51に向かう空気を凸部54aの前方向側に案内する。ガイド面54bから略X方向(略第1方向)に流れた排気は、前側風向制御部53によって吹出口51jから斜め上方に向かわされた排気と合流して、当該排気とともに前方向に対して斜め上方に流れる。以上から分かるように、吹出口51jから吹き出された空気の一部は、室外機11の上方向側で循環する。これにより、室外機11の吹出口51jから吹き出された空気の少なくとも一部が吸込口51iから吸い込まれるのが抑制される。
一方、筐体51の上方向側から筐体51に向かう排気の別の一部は、突起54dの後方向側に流れ、吸込口51iから吸い込まれる。この排気は、上述のように外気によって温度が下げられているので、室外機11の室外熱交換器21の熱交換の効率が下がるのが抑制される。
また、上側風向制御部54から斜め上方向に進んだ空気の別の一部はバルコニー102の立壁104に沿って下方に流れ、バルコニー102の床面103に向かう。バルコニーの床面103に流れた空気の一部は、吸込口51iから吸い込まれて吹出口51jから噴き出される。また、バルコニーの床面103に流れた空気の一部は、上側風向制御部54の対向部53cの対向面53eに沿って上方に向かい、上側風向制御部54から斜め上方向に進む空気と合流する。以上から分かるように、吹出口51jから吹き出された空気の一部は、室外機11の前方側で循環する。なお、バルコニー102の立壁104が低い場合は、吹出口51jからの排気の大半がバルコニー102に遮られずにバルコニー102外に排出される。よって、排気の熱がバルコニー102内にこもることを抑制することができる。
図5のような設置での空気温度のシミュレーションを行った結果を説明する。第1シミュレーションの条件は下記の通りである。すなわち、床面103からの外壁101の高さが1140mmであり、外壁101と立壁104との間の距離が1500mmであり、外壁101と筐体51の後面との間の距離が50mmであり、バルコニー102の床面103と筐体51の下面(底面)との間の距離が50mmである。また、外気温度が35℃であり、吹出口51jから吹き出される空気の温度が42℃である。この第1シミュレーションでは、吸込口51iでの空気の温度が、吹出口51jでのっ温度に比べて-3℃となった。これは、上述のように、筐体51の上方で冷やされた空気が吸込口51iから吸い込まれるためと考えられる。
また、第2シミュレーションの条件は下記の通りである。すなわち、床面103からの外壁101の高さが1140mmであり、立壁104と筐体51の前面51hとの間の距離が400mmであり、外壁101と筐体51の後面との間の距離が50mmであり、バルコニー102の床面103と筐体51の下面(底面)との間の距離が50mmである。また、外気温度が35℃であり、吹出口51jから吹き出される空気の温度が42℃である。この第2シミュレーションでは、吸込口51iでの空気の温度が、吹出口51jでのっ温度に比べて-3℃となった。これは、上述のように、筐体51の上方で冷やされた空気が吸込口51iから吸い込まれるためと考えられる。
以上のように、実施形態の風向制御装置52は、鉛直方向と交差する前方向(X方向、第1方向)に空気を吹き出す吹出口51jが設けられた筐体51を備えた空気調和機10の室外機11、に設けられる。風向制御装置52は、対向部53cを備える。対向部53cは、吹出口51jの前方向側で吹出口51jと間隔をあけて対向し、前方向側から見て、吹出口51jの鉛直方向の下側の下端部51jaを含む一部51jcを覆い、且つ吹出口51jの鉛直方向の上側の上端部51jbを含む他部51jdを覆わない。対向部53cと筐体51との間の空間Sが、少なくとも、鉛直方向および前方向(X方向、第1方向)と交差する方向に開放されている。対向部53cが、吹出口51jの一部51jcから吹き出された空気を前方向に案内して当該空気を吹出口51jの他部51jdから吹き出された空気と合流させることにより、吹出口51jから吹き出された空気を前方向に対して斜め上方向に向かわせる。
このような構成によれば、対向部53cが、吹出口51jの一部51jcから吹き出された空気を前方向に案内して当該空気を吹出口51jの他部51jdから吹き出された空気と合流させることにより、吹出口51jから吹き出された空気を前方向に対して斜め上方向に向かわせる。よって、室外機11がバルコニー102に設置された場合であっても、吹出口51jから吹き出された空気を室外機11が吸い込むのが抑制される。よって、室外機11の熱交換の効率が低下するのを抑制することができる。
また、対向部53cと筐体51との間の空間Sが、鉛直方向および前方向と交差する方向(左右方向)の少なくとも一側(一例として両側)に開放されている。
このような構成によれば、空間Sが左右方向(横方向)に解放されているので、左右方向に排気の一部を排出可能になり、吹出口51jから吹き出された空気を室外機11が吸い込むのがより抑制される。
また、風向制御装置52は、吹出口51jよりも鉛直方向の下側において筐体51側から対向部53c側に延び、対向部53cの鉛直方向の下側の端部を支持する支持部53bを備える。
このような構成によれば、支持部53bによって、吹出口51jから吹き出された空気の下方への移動を制限することができる。よって、吹出口51jから吹き出された空気を室外機11が吸い込むのがより一層抑制される。したがって、室外機11の熱交換の効率が低下するのをより一層抑制することができる。
また、風向制御装置52は、上側風向制御部54を備える。上側風向制御部54は、筐体51の鉛直方向の上側の上面51gに設けられている。上側風向制御部54は、上面5gから突出した凸部54aを有し、筐体51の上方向側から筐体51に向かう空気を前方向側に案内する。
このような構成によれば、上側風向制御部54が、筐体51の鉛直方向の上側から筐体51に向かう空気を前方向側に案内するので、吹出口51jから吹き出された空気を室外機11が吸い込むのがより一層抑制される。よって、室外機11の熱交換の効率が低下するのをより一層抑制することができる。
また、上側風向制御部54は、凸部54aにおける上面51g側の端部54aaから前方向に延びたガイド面54b(第1面)を有する。
このような構成によれば、ガイド面54b(第1面)によって、筐体51の上方向側から筐体51に向かう空気を前方向に沿うように案内することができるので、室外機11の上方で空気の循環がしやすくなる。よって、吹出口51jから吹き出された空気を室外機11が吸い込むのがより一層抑制される。よって、室外機11の熱交換の効率が低下するのをより一層抑制することができる。
鉛直方向および前方向と交差する方向における対向部53cの幅L1は、少なくとも吹出口51jと対向する領域で、同方向における前記吹出口51jの最大幅L2よりも広い。
このような構成によれば、対向部53cの幅L1の一部が吹出口51jの最大幅L2よりも狭い構成に比べて、対向部53cによって、前方向に対して斜め上方向に向かわせることができる空気の量が多くなる。よって、対向部53cの幅L1の一部が吹出口51jの最大幅L2よりも狭い構成に比べて、吹出口51jから吹き出された空気を室外機11が吸い込むのが抑制される。よって、室外機11の熱交換の効率が低下するのを抑制することができる。
また、対向部53cは、吹出口51jの鉛直方向の寸法で吹出口51jの半分以上を覆う。
このような構成によれば、対向部53cが、吹出口51jの鉛直方向の寸法で吹出口51jの半分未満しか覆わない構成に比べて、前方向に対して斜め上方向に向かわせることができる空気の量が多くなる。よって、出口の鉛直方向の寸法で吹出口51jの半分未満しか覆わない構成に比べて、吹出口51jから吹き出された空気を室外機11が吸い込むのが抑制される。よって、室外機11の熱交換の効率が低下するのを抑制することができる。
<第1変形例>
図6は、実施形態の第1変形例の室外機11の断面図である。第1変形例では、ガイド面54eが、下方向に向かうにつれて前方に向かう湾曲面である。換言すると、ガイド面54eは、突起54dから下方に向けて滑らかに変化する面である。すなわち、ガイド面54eは、滑らかな凹状面である。
図6は、実施形態の第1変形例の室外機11の断面図である。第1変形例では、ガイド面54eが、下方向に向かうにつれて前方に向かう湾曲面である。換言すると、ガイド面54eは、突起54dから下方に向けて滑らかに変化する面である。すなわち、ガイド面54eは、滑らかな凹状面である。
<第2変形例>
図7は、実施形態の第2変形例の前側風向制御部の側面図である。第2変形例では、支持部53bは、前方向の長さが可変である。具体的には、支持部53bは、ベース部材53bAと、可動部材53bBとを有する。可動部材53bBは、周知のスライド機構によってベース部材53bAに対して前後方向にスライド可能に連結されている。可動部材53bBは、例えば、ボルトおよびナット等のような固定具によってベース部材53bAに固定される。
図7は、実施形態の第2変形例の前側風向制御部の側面図である。第2変形例では、支持部53bは、前方向の長さが可変である。具体的には、支持部53bは、ベース部材53bAと、可動部材53bBとを有する。可動部材53bBは、周知のスライド機構によってベース部材53bAに対して前後方向にスライド可能に連結されている。可動部材53bBは、例えば、ボルトおよびナット等のような固定具によってベース部材53bAに固定される。
また、対向部53cは、鉛直方向の長さが可変である。具体的には、対向部53cは、ベース部材53cAと、可動部材53cBとを有する。可動部材53cBは、周知のスライド機構によってベース部材53cAに対して鉛直方向にスライド可能に連結されている。可動部材53cBは、例えば、ボルトおよびナット等のような固定具によってベース部材53cAに固定される。
このような構成によれば、支持部53bの前方向の長さが可変であるので、支持部53bの前方向の長さをバルコニー102の大きさに応じて調整することができる。
また、対向部53cの鉛直方向の長さが可変であるので、対向部53cの鉛直方向の長さをバルコニー102の大きさに応じて調整することができる。対向部53cの鉛直方向の長さは、特に、吹出口51jからの排気の大半がバルコニー102外に排出されるように、調整することが望ましい。
また、他の変形例として、ガイド面54eの傾斜角度が可変であってもよい。また、支持部53bが設けられず、空間Sの上方向方、下方向、左方向および右方向が開放された状態で、対向部53cが連結棒等によって筐体51に連結されてもよい。
また、吹出口51jからの空気の吹き出し方向は、水平方向に限られず、水平方向に対して多少斜め方向であってもよい。
また、上側風向制御部54が室外機11の筐体51と一体的に形成されていてもよい。また、風向制御装置52が室外機11の筐体51と一体的に形成されていてもよい。
また、空間Sは、少なくとも、鉛直方向の上側に開放されていればよい。すなわち、空間Sの鉛直方向および前方向と交差する方向(左右方向)の両側は、閉じていてもよいし、当該両側のうち一側が解放され当該両側の他側が閉じられていてもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…空気調和機、11…室外機、51…筐体、51j…吹出口、51ja…下端部
51jb…上端部、51jc…一部、51jd…他部、52…風向制御装置、53b…支持部、53c…対向部、54…上側風向制御部、54a…凸部、54b…ガイド面(第1面)、L1…幅、L2…最大幅、S…空間。
51jb…上端部、51jc…一部、51jd…他部、52…風向制御装置、53b…支持部、53c…対向部、54…上側風向制御部、54a…凸部、54b…ガイド面(第1面)、L1…幅、L2…最大幅、S…空間。
Claims (11)
- 鉛直方向と交差する第1方向に空気を吹き出す吹出口が設けられた筐体を備えた空気調和機の室外機、に設けられる風向制御装置であって、
前記吹出口の前記第1方向側で前記吹出口と間隔をあけて対向し、前記第1方向側から見て、前記吹出口の前記鉛直方向の下側の下端部を含む一部を覆い、且つ前記吹出口の前記鉛直方向の上側の上端部を含む他部を覆わない対向部と、
を備え、
前記対向部と前記筐体との間の空間が、少なくとも、前記鉛直方向の上側に開放された風向制御装置。 - 前記対向部と前記筐体との間の空間が、前記鉛直方向および前記第1方向と交差する方向の少なくとも一側に開放された、請求項1に記載の風向制御装置。
- 前記吹出口よりも前記鉛直方向の下側において前記筐体側から前記対向部側に延び、前記対向部の前記鉛直方向の下側の端部を支持する支持部を備えた、請求項1または2に記載の風向制御装置。
- 前記筐体の前記鉛直方向の上側の上面に設けられ、前記上面から突出した凸部を有し、前記筐体の前記鉛直方向の上側から前記筐体に向かう空気を前記第1方向側に案内する上側風向制御部を備えた、請求項1~3のうちいずれか一つに記載の風向制御装置。
- 前記上側風向制御部は、前記凸部における前記上面側の端部から前記第1方向に延びた第1面を有した、請求項4に記載の風向制御装置。
- 前記鉛直方向および前記第1方向と交差する方向における前記対向部の幅は、少なくとも前記吹出口と対向する領域で、同方向における前記吹出口の最大幅よりも広い、請求項1~5のうちいずれか一つに記載の風向制御装置。
支持部支持部 - 前記支持部は、前記第1方向の長さが可変である、請求項3に記載の風向制御装置。
- 前記対向部は、前記鉛直方向の長さが可変である、請求項1~7のうちいずれか一つに記載の風向制御装置。
- 前記対向部は、前記吹出口の前記鉛直方向の寸法で前記吹出口の半分以上を覆う、請求項1~8のうちいずれか一つに記載の風向制御装置。
- 請求項1~9のうちいずれか一つに記載の風向制御装置を備えた室外機。
- 請求項10に記載の室外機を備えた空気調和機。
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