JP2023113522A - 車両用灯具 - Google Patents

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Hidemaru Koyano
初男 武沢
Hatsuo Takesawa
俊一 藤下
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【課題】所望の明るさの分布となる照明光の配光パターンを小型化した光学部材を用いて形成できるようにした技術を提供する。【解決手段】本発明の車両用灯具は、光が出射される出射面の輝度分布において、当該出射面の中心から第1方向又は当該第1方向に直交する第2方向のいずれか一方向にずれた位置に、輝度が他の領域よりも高くなる高輝度領域を有する第1の照明光を照射する第1の発光装置を備える。また、前記第1の発光装置からの光を投影して配光パターンを形成するレンズを有し、前記出射面は、矩形状であり、前記高輝度領域は、前記出射面の前記輝度分布において前記矩形状の出射面の一辺側に形成され、前記第1の発光装置は、前記出射面における前記一辺が前記レンズの光軸側に配置されている。【選択図】図1

Description

本発明は、車両用灯具に関する。
近年、発光素子の平面サイズにおいてパッケージが発光素子とほぼ同等の大きさとなるチップスケールパッケージ(CSP)の開発が進められている。このような発光素子を用いた発光装置では、必要に応じて、実装基板に搭載する個数や場所を調整することが容易となることから、照明装置等の設計の自由度を向上させることができる。
特開2011-253774号公報
例えば特許文献1では、発光素子の上面に配置される波長変換部材に第一蛍光体を、また、波長変換素子及び当該波長変換素子が上面に配置された発光素子を包囲する被覆部材に第二蛍光体を、それぞれ含んで構成し、また、第二蛍光体の発光スペクトルにおける主波長と発光装置の発光スペクトルにおける主波長との差が30nm以下とし、さらに例えばCIE1931の色度図において、特定の領域に含まれる色度の光を発することで、発光装置から射出される光の指向色度特性を改善することを開示している。
ところで、自動車などの車両に用いられる車両用灯具において、視認性の確保や対向車等の眩惑防止や法規等を鑑みて、上述した発光素子から照射される光(以下、照明光)で配光パターンを形成する必要がある。例えば特許文献1に開示される光の指向色度特性を改善した発光素子は、その発光面において均一な輝度分布を有している。したがって、このような発光素子を車両用灯具に用いた場合、求められる明るさの分布を確保した照明光の配光パターンを、小型化した光学部材を用いて形成することが困難である。
本発明は、所望の明るさの分布となる照明光の配光パターンを小型化した光学部材を用いて形成できるようにした技術を提供することを目的とする。
本発明における車両用灯具の一態様は、光が出射される出射面の輝度分布において、当該出射面の中心から第1方向又は当該第1方向に直交する第2方向のいずれか一方向にずれた位置に、輝度が他の領域よりも高くなる高輝度領域を有する第1の発光装置を備えるものである。
また、前記第1の発光装置からの光を投影して配光パターンを形成するレンズを有し、前記出射面は、矩形状であり、前記高輝度領域は、前記出射面の前記輝度分布において矩形状の前記出射面の一辺側に形成され、前記第1の発光装置は、前記出射面の一辺が前記レンズの光軸側に位置するように配置されるものである。
また、前記レンズは、前記配光パターンにおける水平ラインと傾斜ラインとから構成されたカットオフラインに合わせて分割される2つの入射面を有し、前記第1の発光装置は、前記出射面が前記レンズの光軸よりも下方側に位置し、且つ前記高輝度領域が前記水平ラインに沿うように配置されるものである。
前記レンズは、当該レンズの光軸上に設けられて前記第1の発光装置からの光を出射する中心レンズ部と、前記中心レンズ部の外側に設けられて前記第1の発光装置からの光を内部で反射してから出射する外側レンズ部と、を有し、前記2つの入射面は、前記中心レンズ部に設けられるものである。
また、前記出射面における輝度分布が均一となる照明光を発光することが可能な第2の発光装置を有する補助灯具とともに使用されるものである。
また、光を投影して配光パターンを形成するレンズを有し、前記第1の発光装置は、矩形状の出射面を有し、前記高輝度領域は、矩形状の前記出射面における輝度分布において、水平方向に直交する鉛直方向に延びる一辺側に形成され、前記第1の発光装置は、前記水平方向に沿って複数配置され、複数の前記第1の発光装置のうち、少なくとも2つ以上の前記第1の発光装置は、前記レンズの光軸を挟んで向かい合うように配置されるものである。
また、前記出射面における前記輝度分布において、前記高輝度領域の面積と、当該高輝度領域を除く領域の面積の比は1:2であり、前記高輝度領域における輝度と、当該高輝度領域を除く領域における輝度の比は、5:1である。
また、前記第1の発光装置は、基板と、前記基板の上面に固定される発光素子と、前記発光素子の上面に接着される蛍光体と、前記発光素子及び前記蛍光体を前記基板とで封止する封止部材と、から構成されるLEDパッケージであり、矩形状の前記出射面の四辺のうち、前記高輝度領域が形成される一辺の外方を封止する前記封止部材の幅は、前記一辺に直交する二辺のそれぞれの外方を封止する前記封止部材の幅よりも狭い。
本発明によれば、所望の明るさの分布となる照明光の配光パターンを小型化した光学部材を用いて形成することができる。
(a)はLEDパッケージの一例を示す平面図、(b)は(a)におけるI-I断面図である。 (a)は発光素子におけるpドット及びnドットの配置例を示す図、(b)は(a)におけるII-II断面図である。 LEDパッケージの出射面における輝度分布の一例を示す図である。 (a)は上下方向に延びるpライン及びnラインが幅方向に交互に配置される発光素子におけるpドット及びnドットの配置例を示す図、(b)は(a)に示す発光素子を用いたときに、出射面の四辺のうち、上下方向に延びる一辺の側に高輝度領域が形成されるLEDパッケージの一例を示す平面図である。 自動車の前面の一例を示す図である。 ロービーム(LB)用の車両用灯具の構成の一例を示す斜視図である。 (a)はレンズ33の前面側の構成の一例を示す平面図、(b)はレンズ33の後面側の構成の一例を示す平面図である。 図7(a)に示すIII-III端面図である。 ロービーム(LB)用の車両用灯具からの光をスクリーンに投影したときの高度分布を示す図である。 レンズ33の中心出射面51に拡散プリズムを配置する場合のレンズ33の出射面側の平面図である。 図6に示すロービーム(LB)用の車両用灯具の他に、車両用灯具を併用してロービームを照射する場合の配置の一例を示す斜視図である。 ハイビーム(HB)用の車両用灯具の構成の一例を示す斜視図である。 レンズ83の光軸Lbを含む鉛直端面図である。 ハイビーム(HB)用の車両用灯具からの光をスクリーンに投影したときの高度分布を示す図である。 (a)は自動車の前方から見たときの、レンズとLEDパッケージの位置関係、及び各LEDパッケージから照射される照射光の配光パターンを示す図、(b)は自動車の前照灯における照射範囲を自動車の上方から示す図である。
以下、本実施の形態について、図面を用いて説明する。図1(a)は、発光装置の説明図、図1(b)は図1(a)で示すI-I断面図である。図1(a)及び図1(b)に示すように、LEDパッケージ100は、発光素子111と、蛍光体112とを、放熱基板113側から発光素子111、蛍光体112の順で放熱基板113に積層することで構成される。蛍光体112は、発光素子111の上面に接着固定される。図1(b)中、符号114が接着剤層となる。放熱基板113の下面には、複数のLED電極115,116が設けられる。LED電極115,116は、発光素子111に設けられたn電極及びp電極のそれぞれに対応して設けられ、放熱基板113の下面から上面へと貫通するように設けられる。
図1(a)に示すように、放熱基板113は、図1(a)中上下方向を長手方向、図1(a)中左右方向を短手方向とする矩形状である。以下、放熱基板113の短手方向をx方向、当該放熱基板113の長手方向をy方向とする。また、放熱基板113の厚み方向をz方向とする。
放熱基板113の発光素子111の外側となる部位には、保護素子として、例えばツェナーダイオード117が設けられる。ツェナーダイオード117は、過大な電圧印加による素子破壊や性能劣化を防止するためのものである。ツェナーダイオード117は、放熱基板113のy方向における一端部(図1(a)及び図1(b)においては下端部)に、且つ放熱基板113のz方向における中央部分に配置される。なお、ツェナーダイオード117が配置される部位については、上記記載に限定されるものではない。
詳細は図示を省略するが、ツェナーダイオード117は、p電極とn電極とを有する。ツェナーダイオード117のp電極は発光素子111のn電極125に、ツェナーダイオード117のn電極は発光素子111のp電極126に各々接続される。
発光素子111は、図1(a)に示すLEDパッケージ100の平面視において、例えば矩形状をしている。発光素子111は、図2(a)及び図2(b)bに示すように、絶縁層121、p型半導体層122、発光層(活性層)123、n型半導体層124、n電極125及びp電極126を有し、絶縁層121の上面に、p型半導体層122、発光層123、n型半導体層124が順に積層されている。発光素子111は、p型半導体層122とn型半導体層124との間に電流が流れると発光層123から青色の光が発せられ、その光が最も上側に位置するn型半導体層124の上面から出射される。
絶縁層121は、二酸化ケイ素(SiO)や窒化ケイ素(Si)等で形成され、エレクトロマイグレーション(Electromigration)を防ぐ効果と、絶縁効果と、を有する。エレクトロマイグレーションは、電気伝導体に流れる電子の金属原子との衝突により金属原子が輸送されることでイオンが徐々に移動して材料の形状に欠損を生じさせる現象である。p型半導体層122と、発光層123と、n型半導体層124とは、少なくとも一層(例えば、発光層)を窒化物半導体層で構成している。ここで、p型半導体層122と、発光層123と、n型半導体層124とは、全ての層が窒化物半導体層からなることが好ましいが、窒化物以外の半導体層を含んでいてもよい。
図2(a)及び図2(b)に示すように、p型半導体層122には、p電極126から絶縁層121を通して設けられたpドット131が接続されている。また、n型半導体層124には、n電極125から絶縁層121、p型半導体層122及び発光層123を通して設けられたnドット132が接続されている。なお、pドット131やnドット132は、複数設けられている。なお、図2(a)においては、複数設けられるpドット131やnドット132の一部にのみ符号を付している。
発光素子111には、発光素子111の平面視において、幅方向(図2(a)中x方向)に伸びるpライン135とnライン136とが、それぞれ複数設けられている。pライン135は、複数のpドット131が幅方向(図2(b)中x方向)に沿って略等間隔で整列されるものである。また、nライン136は、複数のnドット132が幅方向(図2(b)中x方向)に沿って略等間隔で整列されるものである。発光素子111には、pライン135とnライン136とが、上下方向(図2(b)中y方向)に交互に並列されている。
図示は省略するが、発光素子111において、例えば発光素子111の上端側(図2(b)中に示す第1辺部141の側)におけるpライン135とnライン136との間隔は、発光素子111の下端側(図2(b)中に示す第2辺部142の側)におけるpライン135とnライン136との間隔よりも広くなっている。すなわち、発光素子111では、第1辺部141の側におけるpドット131及びnドット132の密度が相対的に高くされ、第2辺部142の側におけるpドット131及びnドット132の密度が相対的に低くされている。
したがって、発光素子111において、第1辺部141の側のpドット131及びnドット132の密度が相対的に高くされた領域における輝度は、第2辺部142の側のpドット131及びnドット132の密度が相対的に低くされた領域における輝度よりも高くなる。すなわち、図3に示すように、LEDパッケージ100の出射面100aにおける輝度分布では、当該出射面100aの上端の側における輝度は、当該出射面100aの上端の側における輝度よりも高くなる。以下、LEDパッケージ100の出射面100aにおける輝度分布において、輝度が高くなる領域を高輝度領域145(図1参照)、輝度が低くなる領域を低輝度領域146(図1参照)と称する。この場合、LEDパッケージ100の出射面100aにおいて、高輝度領域145と低輝度領域146とが出射面100aの上下方向に沿って形成される。なお、図3においては、発光素子111の第1辺部141を基準としている。ここで、高輝度領域145における輝度と、低輝度領域146における輝度の比は、例えば5:1に設定されている。高輝度領域145と、低輝度領域146との面積比が1:2に設定される。図1に示す例では、幅方向における高輝度領域145の長さと低輝度領域146の長さは同一の長さであることから、上下方向における高輝度領域145の長さW1と低輝度領域146の長さW2の比が、例えば1:2に設定されている。
図1(b)に戻って説明すると、蛍光体112は、例えば、発光素子111から照射された青色の光により励起されて黄色い光を発光する蛍光体で、その青色の光と黄色い光とを合わせることで白色の光とする。蛍光体112は、例えば、板状の部材であり、光を透過させる接着剤(図1(b)に示す接着剤層114)により発光素子111の上面全体を覆うように取り付けられている。なお、蛍光体112は、発光素子111の上面に塗布されていてもよい。蛍光体112には、接着剤層114から当該蛍光体112の下面から光が入射され、蛍光体112の上面から出射する。したがって、光が出射する蛍光体112の上面が、LEDパッケージ100の出射面100aとなる。
上述した放熱基板113の上面には、発光素子111、及び発光素子111に接着される蛍光体112を封止する封止部材138が設けられる。封止部材138には、光を通さない材料が用いられる。詳細には、封止部材138には、例えば白色の樹脂材料が用いられる。封止部材138は、放熱基板113上に設けられた発光素子111及び蛍光体112を取り囲みつつ蛍光体112の上面を露出させて設けられ、放熱基板113及び蛍光体112と協働して発光素子111を封止する。つまり、封止部材138は、発光素子111から照射される光を、蛍光体112の上面からのみ出射させる。なお、放熱基板113の上面に封止部材138を設けることで、放熱基板113の上面に設けられるツェナーダイオード117,118は、封止部材138に被覆される。
なお、上述したLEDパッケージ100では、搭載される発光素子111におけるpドット131及びnドット132の密度を、発光素子111の第1辺部141の側を高くし、第2辺部142の側で低くすることで、LEDパッケージ100の出射面100aの上端の側に高輝度領域145を、当該出射面100aの下端の側に低輝度領域146を形成している。しかしながら、搭載される発光素子111におけるpドット131及びnドット132の密度を、発光素子111の第1辺部141の側を低くし、第2辺部142の側で高くすることで、LEDパッケージ100の出射面100aの上端の側に低輝度領域を、当該出射面100aの下端の側に高輝度領域を形成してもよい。
なお、上述したLE また、この他に、図4(a)に示すように、発光素子150におけるpドット131及びnドット132の配置において、pドット131やnドット132を上下方向(図4(a)中y方向に)に各々配置したpライン151及びnライン152を、幅方向(図4(a)中x方向)に交互に並置してもよい。
この場合、当該発光素子150の幅方向(図4(a)中x方向)における左端側に位置する第3辺部161の側に配置されるpドット131及びnドット132の密度を相対的に高くし、発光素子150の幅方向(図4(a)中x方向)における右端側に位置する第4辺部162の側に配置されるpドット131及びnドット132の密度を相対的に低くする。このようにpドット131及びnドット132を配置することで、図4(b)に示すLEDパッケージ170の出射面170aにおける幅方向(図4(a)中x方向)の輝度分布では、当該出射面170aの左端側で輝度が高くなり、当該出射面170aの右端側で輝度が低くなる。すなわち、高輝度領域171及び低輝度領域172が、LEDパッケージ170の出射面170aの左端側から、高輝度領域171、低輝度領域172の順で形成される。
なお、第3辺部161の側に配置されるpドット131及びnドット132の密度を相対的に低くし、発光素子150の幅方向(図4(a)中x方向)における右端側に位置する第4辺部162の側に配置されるpドット131及びnドット132の密度を相対的に高くしてもよい。この場合、図示は省略するが、LEDパッケージの出射面における左端側で輝度が低くなり、出射面における右端側で輝度が高くなる。すなわち、低輝度領域及び高輝度領域が、LEDパッケージの出射面の左端側から、低輝度領域及び高輝度領域の順で形成される。
上述したLEDパッケージ100は、例えば自動車10の前照灯21,22に用いられる。図5に示すように、自動車10の前照灯21,22は自動車10の幅方向の左右に設けられる。例えば、前照灯21,22としては、例えば、ロービーム(LB)用の車両用灯具、ハイビーム(HB)用の車両用灯具の他、ADB(Adaptive Driving Beam)用の車両用灯具などを組み合わせたコンビネーションランプユニットが用いられる。なお、ADBとは、例えば車両に設置した車載カメラ(図示省略)により、対向車や先行車を検知して、対向車や先行車を運転する運転者に眩しさを与えないように自動でハイビーム配光の一部を消すものである。
上述したLEDパッケージ100は、ロービーム(LB)用の車両用灯具、ハイビーム(HB)用の車両用灯具の他、或いはADB(Adaptive Driving Beam)用の車両用灯具の少なくともいずれか1つの車両用灯具に用いられる。
まず、上述したLEDパッケージ100をロービーム(LB)用の車両用灯具30に用いる場合について、第1の実施例として説明する。以下、ロービーム(LB)用の車両用灯具30を、車両用灯具30と称する場合もある。また、以下の説明においては、自動車10の左右方向を水平(H)方向、自動車10の上下方向を鉛直(V)方向とする。
<第1の実施例>
図6に示すように、ロービーム(LB)用の車両用灯具30は、例えば、光源部31と、放熱部材32と、レンズ33とを有する。光源部31は、上述したLEDパッケージ100が基板35に実装されている。このとき、LEDパッケージ100は、レンズ33の光軸Laよりも下方側に位置し、また、LEDパッケージ100の出射面100aにおける高輝度領域145は、レンズ33の光軸Laに近接する側に位置している。図示は省略するが、基板35は、自らに設けられた端子がLEDパッケージ100のLED電極115,116に接続されてLEDパッケージ100を当該基板35に固定する。基板35は、自動車に搭載された電力供給源からの電力を、点灯制御回路(図示省略)を介してLEDパッケージ100に供給する。これにより、LEDパッケージ100の発光素子111が適宜点灯する。基板35は、放熱部材32に固定され、LEDパッケージ100からの熱を逃がすことが可能とされている。なお、図6においては、基板35を放熱部材32に位置決めするための挿通孔や、基板35を放熱部材32に固定するためのねじが挿通される孔については省略している。
放熱部材32は、光源部31で発生する熱を放射する(逃がす)ヒートシンク部材である。放熱部材32は、アルミニウムなどの熱伝導率の高い金属材料により製造される部材である。放熱部材32は、ベース部36とフィン部37とを有する。ベース部36は、レンズ33の光軸La方向に直交する円板状で、当該光軸La方向における一方の面に光源部31が固定され、その反対側となる面から複数のフィン部37が突出されている。図5においては、基板35を位置決めするためのピンや、基板35を固定するねじが螺合するねじ穴についての記載は省略している。
図7(a)はレンズ33の出射面側の形状を示す平面図、図7(b)はレンズ33の入射面側の形状を示す平面図である。また、図8は、図7(a)に示すIII-III断面図である。レンズ33は、レンズ33の中心に位置する中心レンズ部41と、当該中心レンズ部41の外周を取り巻く外側レンズ部42と、を有する。中心レンズ部41は、例えばロービームをスクリーンに投影したときに、照射されるロービームの中心パターン領域A1を形成する。中心レンズ部41は、レンズ33の光軸La方向における後側の面の中心部分が光源部31側に突出した中心入射面45を有する。中心入射面45は、レンズ33の中心を含む水平ライン46と、レンズ33の中心から斜めに下り傾斜する傾斜ライン47とにより、上部入射面48と下部入射面49との2つの入射面に分割されている。これら分割された2つの入射面48,49のうち、上部入射面48は、下部入射面49に対して、レンズ33の光軸La方向の後ろ側(光源部31側)に位置する。したがって、下部入射面49は、上部入射面48よりも焦点距離が大きく、また、F値が大きくされる。なお、上述した光源部31は、上部入射面48の後側の焦点に配置される。
中心入射面45を構成する2つの入射面のうち、上部入射面48に入射した光は、光軸Laに少しずつ近づくように進行した後、レンズ33の中心出射面51を出射する。レンズ33の中心出射面51を出射した光は、レンズ33の光軸Laを含む水平線H0よりも下方で水平方向に長尺で、また、中心位置の左上側がレンズ33の光軸Laを含む水平線H0よりも上方に張り出した光として、例えばスクリーンに投影される。また、下部入射面49に入射した光は、光源部31からの光を光軸Laから少しずつ離れるように進行した後、レンズ33の中心出射面51を出射する。レンズ33の中心出射面51を出射した光は、レンズ33の光軸Laを含む水平線よりも下方で水平方向に長尺な光として、例えばスクリーンに投影される。すなわち、中心入射面45の上部入射面48及び下部入射面49の各々に入射し、中心出射面51から出射される光を投影すると、水平線H0よりも下側で水平方向に長尺なものとされるとともに、中心位置の左上側が水平線H0を越えて上側に張り出した、中心パターン領域A1を形成する。
上述したように、中心入射面45が水平ライン46及び傾斜ライン47により上部入射面48と下部入射面49とに分割されている。したがって、上部入射面48に入射し、中心出射面51を出射した光は、上記スクリーンに投影される中心パターン領域A1の上端部において、水平ライン46及び傾斜ライン47に対応した、水平ラインL1及び傾斜ラインL2からなるカットオフラインを形成する。なお、カットオフラインの上側と下側との明暗差は大きくなる。
外側レンズ部42は、光軸Laを通りつつ左右方向に伸びる面で上下方向に2分割されており、下側が第1レンズ部分53とされ、上側が第2レンズ部分54とされている。第1レンズ部分53は、例えば光源部31から出射した光をレンズ33を介してスクリーンに投影したときに、図9に示す中心パターン領域A1の外側の領域、すなわち、外側パターン領域A2の一部(例えば中拡散領域:図示省略)を形成する。なお、中拡散領域は、外側パターン領域A2におけるカットオフラインのエルボーの近傍の領域である。第2レンズ部分54は、例えば光源部31から出射した光をレンズ33を介してスクリーンに投影したときに、図9に示す中心パターン領域A1の外側の領域、すなわち、外側パターン領域A2の一部(例えば大拡散領域:図示省略)を形成する。大拡散領域は、中拡散領域よりも大きい領域で、外側パターン領域の外形を形成する。
外側レンズ部42は、中心入射面45を取り巻く環状入射面56と、環状入射面56を取り囲む円錐台状の反射面57とが、レンズ33の光軸La方向における後側(光源部31側)に突出している。環状入射面56は、光源部31からの光のうち、中心入射面45へと進行しないものをレンズ33の内部に入射させる。反射面57は、環状入射面56からレンズ33の内部に入射した光が進行する位置に形成されている。反射面57は、環状入射面56から入射した光を反射すると、レンズ33の光軸Laと略平行に進行する平行光とする。ここで、反射面57は、全反射を利用して光を反射してもよく、蒸着や塗装等によりアルミや銀等を接着させることで光を反射してもよい。この環状入射面56と反射面57とは、第1レンズ部分53と第2レンズ部分54とで一体的な構成とされている。
外側レンズ部42は、レンズ33における光軸La方向の前側の面(光を照射する側の面)において、中心出射面51の外側で環状となる外側出射面61を有する。外側出射面61は、光軸Laを通りつつ左右方向に伸びる面により上下方向で2つに分割される。以下、下側に位置する外側出射面を外側第1出射面部62、上側に位置する外側出斜面を外側第2出射面部63と称する。外側第1出射面部62は、環状入射面56を経た後に反射面57で反射された平行光(主に光軸Laよりも下側を通る平行光)を屈折させることで、左右方向(水平方向)に拡散しつつ前後方向の前側へ向けて進行させて中拡散領域を形成するように形状(曲率等)が設定される。
外側第2出射面部63は、環状入射面56を経た後に反射面57で反射された平行光(主に光軸Laよりも上側を通る平行光)を屈折させることで、左右方向(水平方向)に大きく拡散しつつ前後方向の前側へ向けて進行させて大拡散領域を形成するように形状(曲率等)が設定される。すなわち、外側第2出射面部63は、光軸Laに沿う平行光を、外側第1出射面部62よりも左右方向に広げるように形状(曲率等)が設定される。
外側第2出射面部63は、左右方向における中央部(上下方向で見て光軸と重なる箇所)が、外側第1出射面部62の中央部よりも光軸La方向の後側に変位している。また、外側第2出射面部63は、左右方向における両端部が、外側第1出射面部62の両端部よりも光軸La方向の前側に変位している。なお、図6においては、外側第1出射面部62と外側第2出射面部63との境界部分を同一面にて記載しているが、実際には、外側第2出射面部63は、左右方向における両端部が、外側第1出射面部62の両端部よりも光軸La方向の前側に変位している。つまり、外側第2出射面部63は、外側第1出射面部62よりも曲率が大きく設定され、また、左右方向に対する傾斜が大きい。このため、外側第2出射面部63は、外側第1出射面部62と比較して光軸La方向に引き伸ばされた形状とされている。これにより、レンズ33の出射面側における正面視において、外側第1出射面部62が略円形状とされているのに対して、外側第2出射面部63は左右方向の中央部が上下方向の下側に潰されたように湾曲された形状とされている。外側第2出射面部63は、このような構成とされることにより、光軸Laに沿う平行光を外側第1出射面部62よりも左右方向に広げることができる。
外側レンズ部42は、光源部31から出射される光を、環状入射面56から入射させて反射面57で反射した後に、外側出射面61から出射して前後方向の前側へ向けて進行させることで、外側パターン領域A2を形成する。このとき、外側レンズ部52は、光源部31からの光を、上下方向に集光しつつ左右方向に拡散させて前後方向の前側へ向けて進行させる。
上述した構成からなる車両用灯具30を用いた場合、光源部31から照射される光は、中心レンズ部41の中心入射面45及び外側レンズ部42の環状入射面56に入射された後、中心レンズ部41の中心出射面51及び外側レンズ部42の外側出射面61からロービームとして車両用灯具30の前方に照射される。上述したように、中心レンズ部41の中心入射面45は、水平ライン46及び傾斜ライン47により上部入射面48と下部入射面49とに分割されている。したがって、光源部31から照射される光が中心レンズ部41の中心入射面45に入射すると、中心入射面45の上部入射面48の下端部を形成する水平ライン46及び傾斜ライン47によって、車両用灯具30から照射されるロービームの配光パターンにおいてカットオフラインが形成される。このとき、LEDパッケージ100が有する発光素子111の高輝度領域145はレンズ33の中心入射面45の水平ライン46に沿って配置されているので、上述したカットオフラインの明暗境界線が明確に表れたロービームを車両用灯具30から照射することができる。
例えば、従来の車両用灯具では、光源部からの光をレンズやリフレクタなどの光学部材により複数の光源像を形成し、これら光源像を重ね合わせることでロービームにおけるカットオフラインを形成しているため、複数の光源像を形成するためのレンズやリフレクタなどの光学部材の設計が複雑であった。本実施の形態では、高輝度領域145を有する発光素子111を光源部31に用いることで、レンズやリフレクタなどの光学部材により形成する光源像の配置に対する設計が容易となり、また、好適な配光パターンの照明光を照射することができる。また、レンズやリフレクタなどの光学部材により形成する光源像の配置に対する設計が容易となることで、従来ではカットオフラインとして必要となる光源像の一部を形成する光学要素を光学部材に設ける必要がなくなり、光学部材を小型化することが可能となる。
なお、ロービーム用の車両用灯具30においては、レンズ33の中心入射面45を上部入射面48及び下部入射面49の2つの入射面に分割しているが、レンズ33の中心入射面45を分割する必要はなく、図10に示すように、レンズ33の中心出射面51に拡散プリズム65を設けることも可能である。なお、拡散プリズム65の上面は、水平面に沿った面となり、拡散プリズムの65の下面は、レンズ33の中心から水平面に対して所定の角度傾斜した傾斜面となる。
ところで、ロービームにおいては、水平ラインと傾斜ラインとの交点(エルボー点ともいう)における光度が6400cd以上であることが規定されており、上述したLEDパッケージ100では、エルボー点における光度が規定を満たすことができない場合がある。
このような場合には、図11に示すように、上述したロービーム(LB)用の車両用灯具30の他に、ロービーム(LB)用の車両用灯具70を補助灯具として配置した、灯火システム71とすることも可能である。この場合、追加して配置した車両用灯具70には、出射面における輝度分布が均一の輝度の光となるLEDパッケージ72が搭載されている光源部73を有するものが使用される。これによれば、これら車両用灯具30,70から照射されるロービーム全体の光度を上げることができる。
次に、上述したLEDパッケージ100をハイビーム(HB)用の車両用灯具の光源部に用いる場合を、第2の実施例として説明する。なお、この場合も、ハイビーム(HB)用の車両用灯具80を、車両用灯具80と称する場合がある。
<第2の実施例>
図12に示すように、ハイビーム(HB)用の車両用灯具80は、例えば、上記に説明したロービーム(LB)用の車両用灯具30と同様に、光源部81と、放熱部材82と、レンズ83とを有する。光源部81は、上述したLEDパッケージ100が基板84に実装されている。上述したLEDパッケージ100をハイビーム(HB)用の車両用灯具80の光源部81として用いる場合、LEDパッケージ100は、当該LEDパッケージ100の出射面100aが光軸Lbの上方に位置し、且つLEDパッケージ100の出射面100aにおける高輝度領域145が光軸Lb側に近接するように基板84に実装されている。放熱部材82は、光源部81の発熱を放熱する。レンズ33は、例えばTIR(Total Internal Reflection)レンズが用いられる。図13に示すように、レンズ83は、中心レンズ部85と、外側レンズ部86とを有する。ここで、光源部81は、中心レンズ部85の中心入射面87の後ろ側の焦点に配置される。
中心レンズ部85は、中心入射面87から光が入射することで屈折し、また、中心出射面88から光が出射することで、再度屈折して、レンズ83の光軸Lbと平行な平行光となる。中心レンズ部85の中心出射面88から出射した光をスクリーンなどに投影したときに中心パターン領域A3(図14参照)を形成する。
外側レンズ部86は、中心入射面87を取り巻く環状入射面89と、環状入射面89を取り囲む円錐台状の反射面90とが、レンズ83の光軸Lb方向における後側(光源部81側)に突出している。図13に示すように、環状入射面89は、光源部81からの光のうち、中心入射面87へと進行しないものをレンズ83の内部に入射させる。反射面90は、環状入射面89からレンズ83の内部に入射した光が進行する位置に形成されている。なお、反射面90を反射した光は、レンズ83の光軸Lbと平行な平行光として、外側レンズ部86の外側出射面91から出射する。なお、外側レンズ部86の外側出射面91から出射した光は、ハイビームをスクリーンなどに投影したときに外側パターン領域A4(図14参照)を形成する。
上述したLEDパッケージ100をハイビーム(HB)用の車両用灯具80の光源部81に用いる場合、LEDパッケージ100は、当該LEDパッケージ100の出射面100aが光軸Lbの上方に位置し、且つLEDパッケージ100の出射面100aにおける高輝度領域145が光軸Lb側に近接するように、すなわち、LEDパッケージ100の出射面100aの中心をレンズ83の光軸Lbの上方にずらして配置することで、レンズ83の光軸Lb近傍が明るい(中心パターン領域A3の光度が高い)ハイビームを照射することが可能となる。また、LEDパッケージ100の出射面100aをレンズ83の中心レンズ部85の中心入射面87の後ろ側の焦点に配置することで、ハイビームの配光パターンを形成しやすくなる。
最後に、ADB用の車両用灯具について、第3の実施例として説明する。
<第3の実施例>
ADB用の車両用灯具は、1つのLEDパッケージではなく、複数のLEDパッケージを備えている点で、第1の実施例に説明した車両用灯具30及び第2の実施例に説明した車両用灯具80と相違する。図15(a)は自動車の前方から見たときの、レンズとLEDパッケージの位置関係、及び各LEDパッケージから照射される照射光の配光パターンを示す図、図15(b)は自動車の前照灯における照射範囲を自動車の上方から示す図である。以下、自動車及び前照灯については、図5と同一の符号を付して説明する。
図15(a)及び図15(b)に示すように、自動車10の左側の前照灯21に設けられるADB用の車両用灯具95について説明する。ADB用の車両用灯具95に設けられる複数(図15(a)では9個)のLEDパッケージ181は、水平方向に沿って配置される。自動車10の前方から見たとき、9個のLEDパッケージ181のうち、例えば4個のLEDパッケージ181がレンズ96の光軸L3の右方(自動車10を上方から見たとき、当該自動車10の幅方向における左端の側)に配置され、残り(5個)のLEDパッケージ181が当該レンズ96の光軸L3の左方(自動車10を上方から見たとき、当該自動車10の幅方向における中心側)に配置される。9個のLEDパッケージ181は、出射面181aがレンズ96の光軸L3よりも上方に位置している。また、自動車10の前方から見たとき、9個のLEDパッケージ181のうち、例えば8個のLEDパッケージ181がレンズ96の光軸L3を挟んで向かい合うように配置される。
また、9個のLEDパッケージ181は、出射面181aにおける高輝度領域184が、例えばレンズ96の光軸L3を含む鉛直方向に延びる平面P1側に近接するように各々配置される。すなわち、レンズ96の光軸L3の右方に配置される4個のLEDパッケージ181は、LEDパッケージ181の出射面181aにおける高輝度領域184がLEDパッケージ181の幅方向における左端の側に形成される。また、レンズ96の光軸L3の左方に配置される5個のLEDパッケージ181は、LEDパッケージ181の出射面181aにおける高輝度領域184がLEDパッケージ181の幅方向における右端の側に形成される。
また、自動車10の右側に設けられる前照灯22にADB用の車両用灯具97を用いる場合、自動車10の前方から見たとき、9個のLEDパッケージ186のうち、例えば4個のLEDパッケージ186がレンズ98の光軸L4の左方(自動車10を上方から見たとき、当該自動車10の幅方向における右端の側)に配置され、残り(5個)のLEDパッケージ186が当該レンズ98の光軸L4の右方(自動車10を上方から見たとき、当該自動車10の幅方向における中心側)に配置される。9個のLEDパッケージ186は、出射面186aがレンズ98の光軸L4よりも上方に位置している。また、自動車10の前方から見たとき、9個のLEDパッケージ186のうち、例えば8個のLEDパッケージ186がレンズ98の光軸L4を挟んで向かい合うように配置される。
また、9個のLEDパッケージ186は、出射面186aにおける高輝度領域188が、例えばレンズ98の光軸L4を含む鉛直方向に延びる平面P2側に近接するように各々配置される。すなわち、レンズ98の光軸L5の左方に配置される4個のLEDパッケージ186は、LEDパッケージ186の出射面186aにおける高輝度領域188がLEDパッケージ186の幅方向における右端の側に形成される。また、レンズ98の光軸L5の右方に配置される5個のLEDパッケージ186は、LEDパッケージ186の出射面186aにおける高輝度領域188がLEDパッケージ186の幅方向における左端の側に形成される。
車両用灯具95に設けられる複数のLEDパッケージ181の配置において、レンズ96の光軸L3を含む平面P1の左方及び右方に各々配置されるLEDパッケージ181の数は一例を示したに過ぎず、レンズ96の光軸L3に対して、少なくとも2個以上のLEDパッケージ181が向かい合うように配置されていればよい。また、車両用灯具97に設けられるLEDパッケージ186についても同様である。
また、図15においては、ADB用の車両用灯具95に用いられるレンズ96、及びADB用の車両用灯具97に用いられるレンズ98として、1つのレンズを例示しているが、複数のレンズであってもよい。複数のレンズを用いる場合には、例えばLEDパッケージの各々に対応して設けてもよいし、LEDパッケージの各々に対応したレンズと、これらレンズから出射される光を投光するレンズの組み合わせとしてもよい。
上述したように、車両用灯具95に用いられるLEDパッケージ181は、LEDパッケージ181の出射面181aにおける高輝度領域184が、レンズ96の光軸L3を含む鉛直方向に延びる平面P1側に近接するように各々配置される。つまり、図15(a)に示すように、各LEDパッケージ181から射出される照射光は、鉛直方向に延びるカットオフラインを有する配光パターンとして自動車の前方に照射される。そして、先行車や対向車を検出したときには、先行車や対向車の領域を投影するLEDパッケージに対する点灯制御を行わずに、他のLEDパッケージに対する点灯制御を行う。これにより、先行車や対向車の領域に向けた照射光の照射を行わずに済む。また、車両用灯具97を右側の前照灯22として用いた場合も同様である。
図示は省略するが、上述したLEDパッケージ181,186は、基板と、前記基板上面に固定される発光素子と、前記発光素子の上面に接着される蛍光体と、前記発光素子及び前記蛍光体を前記基板とで封止する封止部材と、から構成される。LEDパッケージ181,186において、少なくともLEDパッケージ181,186の出射面181a,186aの高輝度領域となる側に位置する封止部材の幅は、LEDパッケージ181,186の上下方向における封止部材の幅よりも狭くすることが好ましい。ADB用の車両用灯具では、複数のLEDパッケージ181(186)を水平方向に沿って配置しており、LEDパッケージ181(186)の幅があれば、その分、レンズ96(98)は大型化される。したがって、少なくともLEDパッケージ181(186)の出射面181a(186a)における高輝度領域となる側の封止部材の幅を、LEDパッケージ181(186)の上下方向における封止部材の幅よりも狭くすることで、水平方向に沿って配置される複数のLEDパッケージ181(186)の全長を短くでき、また、レンズ96(98)も小型化することができる。
<効果について>
本実施の形態による車両用灯具は、光が出射される出射面100aの輝度分布において、出射面100aの中心から幅方向又は幅方向に直交する上下方向のいずれか一方向にずれた位置に、輝度が他の領域よりも高くなる高輝度領域145を有する光を照射するLEDパッケージ100を備えている。
これによれば、LEDパッケージ100の出射面100aにおける輝度分布において、高輝度領域145を当該出射面100aにおける一方向にずれた輝度分布とすることで、レンズやリフレクタなどの光学部材により形成する光源像の配置に対する設計が容易となり、また、好適な配光パターンの照明光を照射することができる。また、レンズやリフレクタなどの光学部材により形成する光源像の配置に対する設計が容易となることで、従来ではカットオフラインとして必要となる光源像の一部を形成する光学要素を光学部材に設ける必要がなくなり、光学部材を小型化することが可能となる。
LEDパッケージ100からの光を投影して配光パターンを形成するレンズ33,83を有し、出射面100aは、矩形状であり、高輝度領域145は、出射面100aの輝度分布において矩形状の出射面100aの第1辺部141側に形成され、LEDパッケージ100は、出射面100aにおける第1辺部141がレンズ33,83の光軸La,Lb側に配置されるものである。
例えば、ロービームを照射する車両用灯具の場合には、LEDパッケージ100の出射面100aにおける輝度分布において形成される高輝度領域145をレンズ33の光軸La側に配置することで、中心パターン領域の輝度が高いロービームを照射することができる。また、ハイビームを照射する車両用灯具の場合も同様にして、中心パターン領域の輝度が高いハイビームを照射することができる。
また、レンズ33は、配光パターンにおける水平ラインL1と傾斜ラインL2とから構成されたカットオフラインに合わせて分割される上部入射面48、下部入射面49を有し、LEDパッケージ100は、出射面100aがレンズ33の光軸Lbよりも下方側に位置し、且つ高輝度領域145が水平ラインL1に沿うように配置されるものである。
これによれば、上述したカットオフラインの明暗境界線が明確に表れたロービームを照射することが可能となる。
レンズ33は、レンズ33の光軸La上に設けられてLEDパッケージ100からの光を出射する中心レンズ部41と、中心レンズ部41の外側に設けられてLEDパッケージ100からの光を内部で反射してから出射する外側レンズ部42と、を有し、上部入射面48、下部入射面49は、中心レンズ部41に設けられるものである。
これによれば、ロービーム用の車両用灯具において照射されるロービームの配光パターンにおいて、カットオフライン近傍の光度を高くするだけでなく、水平方向における照射範囲や光度が高いロービームを照射することが可能となる。
また、発光面における輝度分布が均一となる照明光を第2の照明光として発光することが可能なLEDパッケージ72を有する車両用灯具70とともに使用されるものである。
これによれば、ロービーム全体の光度を上げることが可能となり、また、カットオフラインを明確にすることができる。
また、光を投影して配光パターンを形成するレンズ96(98)を有し、LEDパッケージ181(186)は、水平方向及び水平方向に直交する鉛直方向に延びる4辺を有する矩形状の出射面181a(186a)を有し、高輝度領域184(188)は、前記矩形状の出射面181a(186a)における輝度分布において、鉛直方向に延びる2辺のいずれか一方の辺側に形成され、LEDパッケージ181(186)は、少なくとも2つ以上のLEDパッケージ181(186)をレンズ96(98)の光軸L3(L4)を挟んで向かい合う位置に複数配置され、複数のLEDパッケージ181(186)は、出射面181a(186a)における4辺のうち、高輝度領域184(188)が形成される一辺を光軸L3(L4)に近接するように、各々配置されるものである。
例えば自動車の走行時に、当該自動車に先行する自動車を検知した場合、ハイビームを照射していると、先行する自動車を運転する運転者は眩しく感じる。したがって、ADB用の車両用灯具を用いてハイビームを照射することで、先行する自動車を検知したとき、先行する自動車にハイビームが照射しないように、ADB用の車両用灯具が点灯制御される。このとき、先行する自動車にハイビームが照射しないようにするためには、鉛直方向のカットオフラインが必要となる。したがって、LEDパッケージにおいて、高輝度領域が、鉛直方向に沿って分布する光源を用いることで、容易に、鉛直方向に沿ったカットオフラインを形成したハイビームを照射することができる。
また、上述したLEDパッケージの出射面における輝度分布において、高輝度領域の面積と、高輝度領域を除く領域の面積の比は1:2であり、高輝度領域における輝度と、高輝度領域を除く領域における輝度の比は、5:1である。
これによれば、高輝度領域の面積と、高輝度領域を除く領域の面積の比を1:2とすることで、発光素子において高輝度領域に相当する領域の光束を高くできる。また、高輝度領域における輝度と、その他の領域における輝度との比を5:1とすることで、カットオフラインを有する配光パターンを形成しやすいという利点がある。
また、LEDパッケージは、基板と、前記基板上面に固定される発光素子と、前記発光素子の上面に接着される蛍光体と、前記発光素子及び前記蛍光体を前記基板とで封止する封止部材と、から構成されるLEDパッケージであり、前記矩形状の出射面の四辺のうち、前記高輝度領域が形成される一辺の外方を封止する前記封止部材の幅は、前記一辺に直交する二辺のそれぞれの外方を封止する前記封止部材の幅よりも狭い。
例えばADB用の車両用灯具では、複数のLEDパッケージを水平方向に沿って配置しており、LEDパッケージの幅があれば、その分、レンズは大型化される。したがって、少なくともLEDパッケージの出射面における高輝度領域となる側の封止部材の幅を、LEDパッケージの上下方向における封止部材の幅よりも狭くすることで、水平方向に沿って配置される複数のLEDパッケージの全長を短くでき、また、レンズも小型化することができる。
30,77,80,95・・・車両用灯具
33,83…レンズ
41…中心レンズ部
42…外側レンズ部
48…上部入射面
49…下部入射面
70…車両用灯具(補助灯具)
75…LEDパッケージ(第2の発光装置)
100,170,181,186・・・LEDパッケージ(第1の発光装置)
100a,140a,181a,186a・・・出射面

Claims (8)

  1. 光が出射される出射面の輝度分布において、当該出射面の中心から第1方向又は当該第1方向に直交する第2方向のいずれか一方向にずれた位置に、輝度が他の領域よりも高くなる高輝度領域を有する第1の発光装置を備える車両用灯具。
  2. 請求項1に記載の車両用灯具において、
    前記第1の発光装置からの光を投影して配光パターンを形成するレンズを有し、
    前記出射面は、矩形状であり、
    前記高輝度領域は、前記出射面の前記輝度分布において矩形状の前記出射面の一辺側に形成され、
    前記第1の発光装置は、前記出射面の一辺が前記レンズの光軸側に位置するように配置される車両用灯具。
  3. 請求項2に記載の車両用灯具において、
    前記レンズは、前記配光パターンにおける水平ラインと傾斜ラインとから構成されたカットオフラインに合わせて分割される2つの入射面を有し、
    前記第1の発光装置は、前記出射面が前記レンズの光軸よりも下方側に位置し、且つ前記高輝度領域が前記水平ラインに沿うように配置される車両用灯具。
  4. 請求項3に記載の車両用灯具において、
    前記レンズは、当該レンズの光軸上に設けられて前記第1の発光装置からの光を出射する中心レンズ部と、前記中心レンズ部の外側に設けられて前記第1の発光装置からの光を内部で反射してから出射する外側レンズ部と、を有し、
    前記2つの入射面は、前記中心レンズ部に設けられる車両用灯具。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の車両用灯具において、
    前記出射面における輝度分布が均一となる照明光を発光することが可能な第2の発光装置を有する補助灯具とともに使用される車両用灯具。
  6. 請求項1に記載の車両用灯具において、
    光を投影して配光パターンを形成するレンズを有し、
    前記第1の発光装置は、矩形状の出射面を有し、
    前記高輝度領域は、矩形状の前記出射面における輝度分布において、水平方向に直交する鉛直方向に延びる一辺側に形成され、
    前記第1の発光装置は、前記水平方向に沿って複数配置され、
    複数の前記第1の発光装置のうち、少なくとも2つ以上の前記第1の発光装置は、前記レンズの光軸を挟んで向かい合うように配置される車両用灯具。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の車両用灯具において、
    前記出射面における前記輝度分布において、前記高輝度領域の面積と、当該高輝度領域を除く領域の面積の比は1:2であり、
    前記高輝度領域における輝度と、当該高輝度領域を除く領域における輝度の比は、5:1である車両用灯具。
  8. 請求項6に記載の車両用灯具において、
    前記第1の発光装置は、基板と、前記基板の上面に固定される発光素子と、前記発光素子の上面に接着される蛍光体と、前記発光素子及び前記蛍光体を前記基板とで封止する封止部材と、から構成されるLEDパッケージであり、
    矩形状の前記出射面の四辺のうち、前記高輝度領域が形成される一辺の外方を封止する前記封止部材の幅は、前記一辺に直交する二辺のそれぞれの外方を封止する前記封止部材の幅よりも狭い車両用灯具。

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