JP2023113032A - 排気浄化システム - Google Patents

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Abstract

【課題】窒素酸化物(NOx)の浄化及び亜酸化窒素(N2O)の排出抑制を両立できる排気浄化システムを提供する。【解決手段】排気浄化システム1は、排気通路20と、DPF装置(フィルタ)31と、NOx(窒素酸化物)を還元するための鉄系触媒83を含む第1SCR装置(第1触媒部)41と、NOxを還元するための銅系触媒92を含む第2SCR装置(第2触媒部)51と、第1SCR装置41及び第2SCR装置51におけるdeNOx量を制御するための制御部70と、を備え、制御部70は、NOxを第1SCR装置41により還元可能な第1可能量(可能量)を算出し、第1可能量が所定量以上となったとき、第2SCR装置51におけるdeNOx量を減少させると共に、第1SCR装置41におけるdeNOx量を増加させる。【選択図】図1

Description

本開示は、排気浄化システムに関する。
特許文献1には、排気ガスの窒素酸化物を浄化する排気ガス浄化装置が記載されている。この排気ガス浄化装置は、排気ガスの排気路に設けられた中高温活性浄化触媒と、中高温活性浄化触媒よりも下流側に設けられた低温活性浄化触媒と、中高温活性浄化触媒よりも上流側に設けられたCoイオン交換金属含有シリケート触媒と、を備えている。
特許第3330654号
ところで、上記技術分野にあっては、尿素水から生成されるアンモニア(NH)を還元剤とし、SCR(Selective Catalytic Reduction)触媒を用いて排気ガス中の窒素酸化物(NOx)を浄化するSCR装置を用いた排気浄化システムが知られている。エンジンから発生する一酸化窒素(NO)や二酸化窒素(NO)等は、まとめて窒素酸化物(NOx)と称される。エンジンからの排気ガスに含まれる二酸化窒素の比率は、一酸化窒素の比率に比べ低い。この排気浄化システムは、一例として、窒素酸化物と同様に規制物質である例えばPM(Particulate Matter)等の微粒子状物質を捕集するためのDPF(Diesel Particulate Filter)装置と、排気ガスに含まれる所定の物質を酸化するDOC(Diesel Oxidation Catalyst)装置と、を備えている。DPF装置によるPMの再生(酸化)には、窒素酸化物から副生した一酸化窒素がDOC装置において酸化されることで生成される二酸化窒素が利用される。SCR触媒におけるNOxの浄化は、NOx中のNOとNOとの比率が1:1に近い場合に効率よく行うことができるため、SCR装置は、排気路におけるDOC装置及びDPF装置の下流側に設けられる。
ここで、DOC装置、DPF装置、SCR装置のそれぞれでは、例えばコージェライト等の大きな熱容量を有する担体に触媒が担持されている。このため、例えばエンジンの冷間始動時には、DOC装置及びDPF装置の下流側に設けられたSCR装置は、窒素酸化物を還元可能な温度に達して活性となるまでに所定の時間を要する。この間、SCR装置が窒素酸化物を還元できないため、窒素酸化物を十分に浄化できない可能性がある。これに対し、低温でも窒素酸化物を還元可能な銅系触媒をSCR装置で用いることが考えられる。しかしこの場合、銅系触媒は、窒素酸化物を還元するに際し、地球温暖化物質である亜酸化窒素(NO)を副生し易いため、亜酸化窒素の排出抑制が課題となる。
本開示は、窒素酸化物の浄化及び亜酸化窒素の排出抑制を両立できる排気浄化システムを提供することを目的とする。
本開示に係る排気浄化システムは、車両に搭載された内燃機関の排気ガスを流通させる排気通路と、排気通路に設けられ、排気ガスに含まれる粒子状物質を捕集するためのフィルタと、排気通路におけるフィルタの下流側に設けられ、排気ガスに含まれる窒素酸化物を還元するための鉄系触媒及び/又はバナジウム系触媒を含む第1触媒部と、排気通路におけるフィルタの上流側に設けられ、排気ガスに含まれる窒素酸化物を還元するための銅系触媒を含む第2触媒部と、第1触媒部及び第2触媒部における窒素酸化物の還元量を制御するための制御部と、を備え、制御部は、窒素酸化物を第1触媒部により還元可能な量である可能量を算出し、可能量が所定量以上となったとき、第2触媒部における窒素酸化物の還元量を減少させると共に、第1触媒部における窒素酸化物の還元量を増加させる。
この排気浄化システムでは、排気通路におけるフィルタの上流側に設けられ、銅系触媒を含む第2触媒部と、排気通路におけるフィルタの下流側に設けられ、鉄系触媒やバナジウム系触媒を含む第1触媒部とにより、排気ガスに含まれる窒素酸化物を還元する。第2触媒部に用いられる銅系触媒は、例えば鉄系触媒に比べ、比較的幅広い温度帯で窒素酸化物の還元が可能である。また、内燃機関の冷間始動時において、排気通路においてフィルタの上流側に設けられた第2触媒部は、フィルタの下流側に設けられた第1触媒部よりも早期に活性温度に到達する。したがって、内燃機関を冷間始動させた場合でも、例えば排気通路におけるフィルタの下流側のみに窒素酸化物を還元する触媒部を設ける構成に比べ、より早期に窒素酸化物の還元を行うことができる。よって、低温時でも窒素酸化物を効率的に浄化できる。ここで、鉄系触媒及び/又はバナジウム系触媒を含む第1触媒部は、例えば銅系触媒を含む第2触媒部に比べ、窒素酸化物を還元するに際しての亜酸化窒素の副生量を抑制できる。そこで、この排気浄化システムでは、制御部が、第1触媒部による窒素酸化物の還元可能量を算出し、当該還元可能量が所定量以上となったとき、第2触媒部における窒素酸化物の還元量を減少させると共に、第1触媒部における窒素酸化物の還元量を増加させる。これにより、例えば内燃機関の冷間始動から一定時間経過後には、第1触媒部を利用して、亜酸化窒素の副生量を抑制しつつ、窒素酸化物を還元することができる。以上より、この排気浄化システムによれば、窒素酸化物の浄化及び亜酸化窒素の排出抑制を両立できる。なお、第1触媒部は、銅系触媒を含んでもよい。この場合、第1触媒部における銅系触媒に対する鉄系触媒(及び/又はバナジウム系触媒)の重量比率は、第2触媒部における銅系触媒に対する鉄系触媒(及び/又はバナジウム系触媒)の重量比率よりも大きい。なお、銅系触媒に対する鉄系触媒(及び/又はバナジウム系触媒)の重量比率は、((鉄系触媒の重量)+(バナジウム系触媒の重量))/(銅系触媒の重量)により規定される。
本開示に係る排気浄化システムは、第1触媒部に向けて窒素酸化物の還元を行うための還元剤を供給する第1供給部と、第2触媒部に向けて窒素酸化物の還元を行うための還元剤を供給する第2供給部と、をさらに備え、制御部は、第1供給部及び第2供給部における還元剤の供給量を制御することで、第1触媒部及び第2触媒部における窒素酸化物の還元量を変化させてもよい。このように、第1触媒部及び第2触媒部での窒素酸化物の還元量を調整するに際し、第1触媒部及び第2触媒部に対する還元剤の供給量を制御することができる。
本開示に係る排気浄化システムは、排気通路における第2触媒部の上流側において排気通路から分岐すると共に、排気通路における第2触媒部の下流側であってフィルタの上流側において排気通路に合流するバイパス路をさらに備え、制御部は、バイパス路における排気ガスの流通量を制御することで、第1触媒部及び第2触媒部における窒素酸化物の還元量を変化させてもよい。このように、第1触媒部及び第2触媒部での窒素酸化物の還元量を調整するに際し、第1触媒部及び第2触媒部を流通する排気ガスの量を制御することができる。
本開示によれば、窒素酸化物の浄化及び亜酸化窒素の排出抑制を両立できる排気浄化システムを提供できる。
図1は、第1実施形態に係る排気浄化システムを示す模式的な図である。 図2の(a)は、図1に示された第1SCR装置の一部の一例を示す模式的な図であり、図2の(b)は、図1に示された第2SCR装置の一部を示す模式的な図であり、図2の(c)は、図1に示された第1SCR装置の一部の別の例を示す模式的な図である。 図3の(a)は、各触媒構成における温度に対するNOx低減時のNO生成量の一例を示すグラフであり、図3の(b)は、各触媒構成における温度に対するdeNOx低減効率の一例を示すグラフである。 図4の(a)は、第1SCR装置及び第2SCR装置における時間に対する温度を示すグラフであり、図4の(b)は、第1SCR装置及び第2SCR装置における時間に対するdeNOx量を示すグラフである。 図5は、図1に示された制御部の機能構成を示すブロック図である。 図6は、制御部の処理を示すフローチャートである。 図7は、第2実施形態に係る排気浄化システムを示す模式的な図である。 図8は、変形例に係る第1SCR装置の一部を示す模式的な図である。
以下、図面を参照して一実施形態に係る排気浄化システムについて説明する。なお、各図において、同一の要素又は相当する要素には、互いに同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
[第1実施形態]
まず、第1実施形態に係る排気浄化システム1について説明する。図1は、第1実施形態に係る排気浄化システム1を示す模式的な図である。図1に示される排気浄化システム1は、例えばバスやトラック等の大型車両、産業車両等の車両に搭載され、エンジン(内燃機関)10によって発生した排気ガスを浄化するためのものである。排気浄化システム1が搭載される車両は、例えばエンジン10を発電用の動力源として利用する、いわゆるシリーズ方式のハイブリッド車であってもよい。ここでは、エンジン10から発生する一酸化窒素(NO)や二酸化窒素(NO)等をまとめて窒素酸化物(NOx)と称する。
エンジン10は、ディーゼルエンジン等の内燃機関であり、(例えばハイブリッド車である場合)バッテリの残存容量が低下した時に駆動する。また、図1に示されるように、排気浄化システム1は、排気通路20を備えている。排気通路20は、車両に搭載されたエンジン10の排気ガスを流通させるためのものである。以下では、排気通路20内において、排気ガスが流通する方向における上流側(図1の例では、左側)を単に「上流側」と称し、排気ガスが流通する方向における下流側(図1の例では、右側)を単に「下流側」と称することがある。排気浄化システム1は、第1浄化ユニット30と、第2浄化ユニット40と、第3浄化ユニット50と、を備えている。第3浄化ユニット50、第1浄化ユニット30、及び第2浄化ユニット40(以下、単に「浄化ユニット」と称することがある)は、この順に排気通路20の上流側から下流側に向かって配置されている。
第1浄化ユニット30は、排気通路20に配置されたDPF装置(フィルタ)31を有している。DPF装置31は、例えば多数の通気孔が形成されたセラミック製のフィルタであり、排気ガスに含まれる粒子状物質(PM)を捕集するためのものである。
また、第1浄化ユニット30は、DPF装置31よりも排気ガスの上流側に設けられたDOC装置32を有している。DOC装置32は、例えばセラミック製の担体と、当該担体上に担持される酸化触媒と、を含み、排気ガスに含まれる炭化水素(HC)及び一酸化炭素(CO)等を酸化して浄化する。DOC装置32に含まれる酸化触媒としては、白金、ロジウム、パラジウム等の貴金属触媒が挙げられる。
さらに、第1浄化ユニット30は、温度センサ33,34,35を有している。温度センサ33は、DOC装置32の上流側に設けられており、温度センサ34は、DOC装置32とDPF装置31との間に設けられており、温度センサ35は、DPF装置31の下流側に設けられている。温度センサ33は、DOC装置32の入口温度を取得すると共に、取得した温度に関する情報を後述する制御部70に出力する。温度センサ34は、DOC装置32の出口温度(DPF装置31の入口温度)を取得すると共に、取得した温度に関する情報を制御部70に出力する。温度センサ35は、DPF装置31の出口温度を取得すると共に、取得した温度に関する情報を制御部70に出力する。
第2浄化ユニット40は、排気ガスの上流側から下流側に向けて順に配置された第1SCR装置(第1触媒部)41と、第1ASC(アンモニアスリップ触媒:Ammonia Slip Catalyst)42と、を有している。
第1SCR装置41は、排気通路20におけるDPF装置31の下流側に設けられている。第1SCR装置41は、排気ガスに含まれるNOxを還元するための選択還元触媒を含んでいる。選択還元触媒は、例えばセラミック等の担体上に担持される。選択還元触媒は、還元剤を用いて排気ガスに含まれるNOxを選択的に還元する。選択還元触媒としては、例えば銅系触媒、鉄系触媒、及びバナジウム系触媒が利用される。第1SCR装置41は、アンモニア(NH)等の還元剤を用いて排気ガスに含まれるNOxを窒素(N)及び水(HO)に還元する。
なお、「還元剤」には、還元剤の前駆体が含まれるものとする。このように、第1SCR装置41は、排気通路20におけるDPF装置31の下流側に設けられ、排気ガスに含まれるNOxを還元するための触媒部である。本実施形態では、第1SCR装置41の活性温度は、180℃程度とされている。活性温度とは、SCR触媒(選択還元触媒)上で尿素がNHに分解されて吸着されることによりSCR装置が活性となることでNOxを還元可能となる温度をいう。第1SCR装置41の活性温度は、選択還元触媒の構成等により、適宜変更され得る。
第1ASC42は、第1SCR装置41を通過した排気ガスを受け、排気ガスに含まれる過剰なNHを酸化して浄化する。
さらに、第2浄化ユニット40は、温度センサ43,44,45を有している。温度センサ43は、第1SCR装置41の上流側に設けられており、温度センサ44は、第1SCR装置41と第1ASC42との間に設けられており、温度センサ45は、第1ASC42の下流側に設けられている。温度センサ43は、第1SCR装置41の入口温度を取得すると共に、取得した温度に関する情報を制御部70に出力する。温度センサ44は、第1SCR装置41の出口温度を取得すると共に、取得した温度に関する情報を制御部70に出力する。温度センサ45は、第1ASC42の出口温度を取得すると共に、取得した温度に関する情報を制御部70に出力する。なお、温度センサ44,45は、構成により省略され得る。
第3浄化ユニット50は、排気ガスの上流側から下流側に向けて順に配置された第2SCR装置(第2触媒部)51と、第2ASC52と、を有している。
第2SCR装置51は、排気通路20におけるDPF装置31の上流側に設けられている。第2SCR装置51は、排気ガスに含まれるNOxを還元するための選択還元触媒を含んでいる。選択還元触媒は、例えばセラミック等の担体上に担持される。選択還元触媒としては、例えば銅系触媒が利用される。第2SCR装置51は、アンモニア(NH)等の還元剤を用いて排気ガスに含まれるNOxを窒素(N)及び水(HO)に還元する。このように、第2SCR装置51は、排気通路20におけるDPF装置31の上流側に設けられ、排気ガスに含まれるNOxを還元するための触媒部である。本実施形態では、第2SCR装置51の活性温度は、180℃程度とされている。第2SCR装置51の活性温度は、選択還元触媒の構成等により、適宜変更され得る。
第2ASC52は、第2SCR装置51を通過した排気ガスを受け、排気ガスに含まれる過剰なNHを酸化して浄化する。
さらに、第3浄化ユニット50は、温度センサ53,54を有している。温度センサ53は、第2SCR装置51の上流側に設けられており、温度センサ54は、第2ASC52の下流側に設けられている。温度センサ53は、第2SCR装置51の入口温度を取得すると共に、取得した温度に関する情報を制御部70に出力する。温度センサ54は、第2ASC52の出口温度を取得すると共に、取得した温度に関する情報を制御部70に出力する。なお、温度センサ54は、構成により省略され得る。
本実施形態では、排気浄化システム1は、DOC装置37を備えている(備えていなくてもよい)。DOC装置37は、第2浄化ユニット40の上流側、且つ、エンジン10の下流側に設けられている。DOC装置37は、DOC装置32と同様のものが用いられ得る。
さらに、排気浄化システム1は、尿素添加装置61,62を備えている。尿素添加装置(第1供給部)61は、第2浄化ユニット40の上流側(第1浄化ユニット30の下流側)に設けられている。尿素添加装置61は、第1SCR装置41の上流側で排気通路20及び排気ガスに還元剤として尿素水を添加する(噴射する)。これにより、尿素添加装置61は、第1SCR装置41に向けてNOxの還元を行うための尿素水(還元剤)を供給する。排気通路20に噴射された尿素水は、排気ガスの熱でNHに分解される。尿素水由来のNHは、排気ガスと共に第1SCR装置41に供給され、第1SCR装置41に吸着する。第1SCR装置41に吸着されたNHは、第1SCR装置41上で排気ガスに含まれるNOxと反応してNOxの還元に供される。尿素添加装置61は、第1SCR装置41に供給した尿素水の量に関する情報を制御部70に出力する。
尿素添加装置(第2供給部)62は、第3浄化ユニット50の上流側に設けられている。尿素添加装置62は、第2SCR装置51の上流側で排気通路20及び排気ガスに還元剤として尿素水を添加する(噴射する)。これにより、尿素添加装置62は、第2SCR装置51に向けてNOxの還元を行うための尿素水を供給する。排気通路20に噴射された尿素水は、排気ガスの熱でNHに分解される。尿素水由来のNHは、排気ガスと共に第2SCR装置51に供給され、第2SCR装置51に吸着する。第2SCR装置51に吸着されたNHは、第2SCR装置51上で排気ガスに含まれるNOxと反応してNOxの還元に供される。尿素添加装置62は、第2SCR装置51に供給した尿素水の量に関する情報を制御部70に出力する。
さらに、排気浄化システム1は、NOxセンサ63,64,65を備えている。NOxセンサ63は、第2SCR装置51の上流側(ここではDOC装置37の下流側)に設けられており、NOxセンサ64は、第2ASC52の下流側に設けられており、NOxセンサ65は、第1ASC42の下流側に設けられている。NOxセンサ63,64,65のそれぞれ(以下、単にNOxセンサと称することがある)は、排気ガスに含まれるNOxの量を取得すると共に、取得したNOxの量に関する情報を制御部70に出力する。NOxセンサは、排気ガスに含まれるNOxの濃度を取得することで、NOxの量に関する情報を取得してもよい。なお、NOxセンサ63は、構成によりDOC装置37の上流側に設けられてもよい。
本実施形態では、排気浄化システム1は、燃料添加弁66を備えている。燃料添加弁66は、第1浄化ユニット30と第2浄化ユニット40との間に設けられている。燃料添加弁66は、DPF装置31の上流側の適宜の位置において、排気通路20内に向けて燃料を添加する(噴射する)。なお、燃料添加弁66は、構成により省略され得る。
上述したように、排気浄化システム1は、制御部70を備えている。制御部70の制御の詳細については後述する。制御部70は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、CAN(Controller Area Network)通信回路等を有する電子制御ユニットである。制御部70では、ROMに記憶されているプログラムをRAMにロードし、RAMにロードされたプログラムをCPUで実行することにより後述する各部の機能を実現する。制御部70は、複数の電子制御ユニットから構成されていてもよい。また、制御部70は、エンジン10を含めて制御する構成としてもよい。
図2の(a)は、図1に示された第1SCR装置41の一部の一例を示す模式的な図であり、図2の(b)は、図1に示された第2SCR装置51の一部を示す模式的な図であり、図2の(c)は、図1に示された第1SCR装置41の一部の別の例を示す模式的な図である。図2の(a)に示されるように、第1SCR装置41は、担体81と、銅系触媒82と、鉄系触媒83と、を有している。担体81は、触媒を担持するためのものであり、一例としてコージェライトを採用することができる。銅系触媒82及び鉄系触媒83は、担体81に担持されている。銅系触媒82及び鉄系触媒83は、排気ガスGの上流側から下流側に向けて担体81上に順に配置されている。すなわち、鉄系触媒83は、銅系触媒82よりも上流側に配置されている。また、図2(c)に示されるように、鉄系触媒83は、銅系触媒82の表層(すなわち銅系触媒82上)に配置されていてもよい。より具体的には、銅系触媒82及び鉄系触媒83は、担体81上にこの順に配置(積層)されていてもよい。本実施形態では、第1SCR装置41は、銅系触媒82及び鉄系触媒83を含むが、鉄系触媒83に代えて、バナジウム系触媒を含んでもよい。また、第1SCR装置41は、鉄系触媒及びバナジウム系触媒の両方を含んでもよい。このように、第1SCR装置41は、鉄系触媒83及び/又はバナジウム系触媒に加えて、銅系触媒82を含んでいてもよい。但し、第1SCR装置41は、鉄系触媒83及び/又はバナジウム系触媒のみを含むと共に、銅系触媒82を含んでいなくてもよい。
図2の(b)に示されるように、第2SCR装置51は、担体91と、銅系触媒92と、を有している。担体91は、触媒を担持するためのものであり、一例として、コージェライトを採用することができる。銅系触媒92は、担体91に担持されている。第2SCR装置51では、第1SCR装置41とは異なり、担体91上に鉄系触媒(及び/又はバナジウム系触媒)が設けられていない。このように、第2SCR装置51は、銅系触媒92のみを含むと共に、鉄系触媒及び/又はバナジウム系触媒を含んでいなくてもよい。但し、第2SCR装置51は、銅系触媒92に加えて、鉄系触媒及び/又はバナジウム系触媒を含んでもよい。本実施形態では、第1SCR装置41における銅系触媒82に対する鉄系触媒83(及び又はバナジウム系触媒)の重量比率は、第2SCR装置51における銅系触媒92に対する鉄系触媒(及び又はバナジウム系触媒)の重量比率よりも大きい。なお、銅系触媒に対する鉄系触媒(及び/又はバナジウム系触媒)の重量比率は、((鉄系触媒の重量)+(バナジウム系触媒の重量))/(銅系触媒の重量)により規定される。
このように、排気浄化システム1では、第1浄化ユニット30の下流側に鉄系触媒83(及び/又はバナジウム系触媒)を有すると共に銅系触媒82を有する第1SCR装置41が設けられ、第1浄化ユニット30の上流側に銅系触媒92を有すると共に鉄系触媒(及び/又はバナジウム系触媒)を有さない第2SCR装置51が設けられている。そして、排気浄化システム1では、これらの第1SCR装置41及び第2SCR装置51が協働して排気ガスGのNOxを還元する。引き続いて、第1SCR装置41及び第2SCR装置51に用いられる各触媒の特性について説明する。
図3の(a)は、各触媒構成における温度に対するNOx低減時のNO生成量の一例を示すグラフであり、図3の(b)は、各触媒構成における温度に対するNOx低減効率の一例を示すグラフである。図3の(a)及び(b)の例では、図中に実線で示すグラフCは、SCR装置の選択還元触媒として銅系触媒のみを用いた場合のNO生成量及びNOx低減効率を示している。また、図中に破線で示すグラフFは、SCR装置の選択還元触媒として鉄系触媒のみを用いた場合のNO生成量及びNOx低減効率を示している。さらに、図中にグラフCよりも太い実線で示すグラフCFは、SCR装置の選択還元触媒として銅系触媒及び鉄系触媒を用いた場合のNO生成量及びNOx低減効率を示している。
図3の(a)に示されるように、鉄系触媒のみを用いたSCR装置(グラフF)と銅系触媒及び鉄系触媒を用いたSCR装置(グラフCF)とでは、銅系触媒のみを用いたSCR装置に比べてNO生成量が小さい。これにより、銅系触媒に代えて、或いは銅系触媒に加えて鉄系触媒を用いることにより、NOの生成量(副生量)を抑制できることが理解される。なお、銅系触媒に加えて鉄系触媒を用いる場合、例えば、上記のように銅系触媒の表層又は上流側に鉄系触媒を配置することができる。
また、図3の(b)に示されるように、銅系触媒のみを用いたSCR装置(グラフC)では、鉄系触媒のみを用いたSCR装置(グラフF)と銅系触媒及び鉄系触媒を用いたSCR装置(グラフCF)とに比べて、より低温においてNOx低減効率の立ち上がりが生じる。これにより、銅系触媒では、鉄系触媒に比べて低い温度で活性となることが理解される。
したがって、比較的低い温度領域では、銅系触媒を用いたSCR装置を主に用いてNOxの還元を行いつつ、比較的高い温度領域では、鉄系触媒を含むSCR装置を主に用いてNOxの還元を行うことにより、NOxの好適な浄化とNOの排出抑制を両立できる。
特に、排気浄化システム1では、銅系触媒92を有すると共に鉄系触媒(及び/又はバナジウム系触媒)を有さない第2SCR装置51が、第1浄化ユニット30の熱容量の大きなDPF装置31及びDOC装置32の上流側に設けられている。このため、図4の(a)のグラフFAに示されるように、第2SCR装置51では、グラフCFAに示される第1SCR装置41と比較して早期に温度上昇がなされる。この例では、第2SCR装置51は、エンジン10の始動から第1時刻T1の時点で、SCR触媒(選択還元触媒)上で尿素がNHに分解されて吸着されることによりNOxの還元が可能となる温度(ここでは180℃)に達する。
一方、第1SCR装置41は、第1浄化ユニット30の熱容量の大きなDPF装置31及びDOC装置32の下流側に設けられているため、エンジン10の始動から第1時刻T1よりも後の第2時刻T2の時点で、同様の温度(180℃)に達し、さらなる温度上昇と共に還元可能なNOxの量が徐々に増加する。したがって、排気浄化システム1では、制御部70が、第1SCR装置41におけるNOxの還元可能量の増加に伴って、第2SCR装置51におけるdeNOx量を減少させると共に、第1SCR装置41におけるdeNOx量を増加させることにより、NOxの好適な浄化とNOの排出抑制を両立することが可能となる。引き続いて、制御部70の具体的な構成について説明する。
図5は、図1に示された制御部70の機能構成を示すブロック図である。制御部70は、上述したように、第1SCR装置41及び第2SCR装置51のそれぞれ(以下、単に「SCR装置」と称することがある)におけるdeNOx量を変化させる。そのために、制御部70は、情報取得部71と、第1可能量算出部72と、第2可能量算出部73と、第1目標量算出部74と、第2目標量算出部75と、第1指示量算出部76と、第2指示量算出部77と、尿素添加量算出部78と、を有している。
情報取得部71は、排気通路20内における各情報を取得する。より具体的には、情報取得部71は、第1浄化ユニット30の温度センサ33,34,35、第2浄化ユニット40の温度センサ43,44,45、第3浄化ユニット50の温度センサ53,54から各部の温度に関する情報を取得する。また、情報取得部71は、NOxセンサ63,64,65からNOxの量に関する情報を取得する。さらに、情報取得部71は、尿素添加装置61,62から第1SCR装置41及び第2SCR装置51に供給された尿素水の量に関する情報を取得する。これにより、情報取得部71は、第1SCR装置41及び第2SCR装置51のそれぞれにおける、排気ガスGの温度、排気ガスGの流量、NHの吸着量、及び触媒のdeNOx効率(NOx低減効率)のそれぞれに関する情報を取得する。また、情報取得部71は、第1SCR装置41及び第2SCR装置51のそれぞれに流入する排気ガスGに含まれるNOの量と、NOxの量との比(以下、単に「流入NO/NOx比」と称することがある)に関する情報を取得する。情報取得部71が取得する情報は、適宜変更され得る。なお、排気ガスGの流量は、エンジン10に搭載される吸気流量センサ(不図示)により取得してもよく、エンジン10の回転数、噴射量のマップから取得してもよい。
第1可能量算出部72は、NOxを第1SCR装置41により還元可能な量である第1可能量(可能量)を算出する。第1可能量算出部72は、情報取得部71により取得された各情報に基づいて、第1可能量を算出する。一例として、第1可能量算出部72は、第1SCR装置41における排気ガスGの温度及び流量、第1SCR装置41におけるNHの吸着量、第1SCR装置41における触媒(銅系触媒及び鉄系触媒)のdeNOx効率、及び流入NO/NOx比に関する情報に基づいて、第1可能量を算出する。
第2可能量算出部73は、NOxを第2SCR装置51により還元可能な量である第2可能量を算出する。第2可能量算出部73は、情報取得部71により取得された各情報に基づいて、第2可能量を算出する。一例として、第2可能量算出部73は、第2SCR装置51における排気ガスGの温度及び流量、第2SCR装置51におけるNHの吸着量、第2SCR装置51における触媒(銅系触媒)のdeNOx効率、及び流入NO/NOx比に関する情報に基づいて、第2可能量を算出する。
第1目標量算出部74は、第1SCR装置41によるdeNOx量の目標量である第1目標量を算出する。ここで、「deNOx量」とは、SCR装置によるNOxの還元量を言う。一例として、第1目標量算出部74は、NOxセンサ63により取得されたDOC装置37の下流側(エンジン10の出口)におけるNOxの量と、後述する第2指示量とに基づいて、第1目標量を算出する。
第2目標量算出部75は、第2SCR装置51によるdeNOx量の目標量である第2目標量を算出する。一例として、第2目標量算出部75は、NOxセンサ63により取得されたDOC装置37の下流側(エンジン10の出口)におけるNOxの量と、第1可能量算出部72により算出された第1可能量とに基づいて、第2目標量を算出する。
第1指示量算出部76は、第1SCR装置41によるdeNOx量の指示量である第1指示量を算出する。一例として、第1指示量算出部76は、第1可能量と、第1目標量とに基づいて、第1指示量を算出する。
第2指示量算出部77は、第2SCR装置51によるdeNOx量の指示量である第2指示量を算出する。一例として、第2指示量算出部77は、第2可能量と、第2目標量とに基づいて、第2指示量を算出する。
尿素添加量算出部78は、尿素添加装置61,62によりSCR装置に供給する(添加する)尿素水の量を算出する。尿素添加量算出部78は、第1指示量算出部76により算出された第1指示量と、第2指示量算出部77により算出された第2指示量とに基づいて、尿素添加装置61,62によりSCR装置に供給される尿素水の量を算出する。
本実施形態では、制御部70は、尿素添加量算出部78の算出値に基づいて尿素添加装置61,62における尿素水の供給量を制御することで、第1SCR装置41及び第2SCR装置51におけるdeNOx量を変化させる。
引き続いて、第1SCR装置41及び第2SCR装置51におけるdeNOx量を変化させるための制御部70による一連の処理について説明する。図6は、制御部70の処理を示すフローチャートである。図6に示されるように、まず、車両のエンジン始動時(一例として、冷間始動時)、且つ、車両の走行中に、情報取得部71が各情報を取得する(工程S1)。エンジン10の冷間始動時では、SCR装置の温度は、SCR触媒(選択還元触媒)上で尿素がNHに分解されて吸着されることによりNOxの還元が可能となるSCR装置における触媒の活性温度に達していない。SCR装置の温度は、一例として、180℃以下である。
続いて、第2可能量算出部73が、第2SCR装置51のdeNOx可能量(第2可能量)を算出する(工程S2)。上述したように、第2可能量算出部73は、情報取得部71により取得された各情報に基づいて、第2可能量を算出する。
続いて、第1可能量算出部72が、第1SCR装置41のdeNOx可能量(第1可能量)を算出する(工程S3)。上述したように、第1可能量算出部72は、情報取得部71により取得された各情報に基づいて、第1可能量を算出する。
続いて、第2目標量算出部75が、第2SCR装置51のdeNOx目標量(第2目標量)を算出する(工程S4)。上述したように、第2目標量算出部75は、NOxセンサ63により取得されたエンジン10の出口におけるNOxの量と、工程S3において第1可能量算出部72により算出された第1可能量とに基づいて、第2目標量を算出する。より具体的には、第2目標量算出部75は、エンジン10の出口におけるNOxの量から第1可能量を減算することにより、第2目標量を算出する。
したがって、第1SCR装置41においてNOxの還元が可能でない場合(第1可能量が0である場合)には、エンジン10の出口におけるNOxの量の全量が第2SCR装置51により還元されるように第2目標量が算出される。一方、第1SCR装置41においてNOxの還元が可能となると(第1可能量が0よりも大きくなると)、第1可能量の分だけ第2目標量が減少する。なお、第2目標量には、下限値を設けてもよい。
続いて、第2指示量算出部77が、第2SCR装置51のdeNOx指示量(第2指示量)を算出する(工程S5)。上述したように、第2指示量算出部77は、第2可能量と、第2目標量とに基づいて、第2指示量を算出する。より具体的には、第2指示量算出部77は、第2可能量と第2目標量とを比較し、第2可能量が第2目標量よりも大きい場合、第2目標量を第2指示量とする。一方、第2指示量算出部77は、第2可能量と第2目標量とを比較し、第2可能量が第2目標量よりも小さい場合、第2可能量を第2指示量とする。
続いて、第1目標量算出部74が、第1SCR装置41のdeNOx目標量(第1目標量)を算出する(工程S6)。上述したように、第1目標量算出部74は、NOxセンサ63により取得されたエンジン10の出口におけるNOxの量と、第2指示量とに基づいて、第1目標量を算出する。より具体的には、第1目標量算出部74は、エンジン10の出口におけるNOxの量から第2指示量を減算することにより第1目標量を算出する。
続いて、第1指示量算出部76が、第1SCR装置41のdeNOx指示量(第1指示量)を算出する(工程S7)。上述したように、第1指示量算出部76は、第1可能量と、第1目標量とに基づいて、第1指示量を算出する。より具体的には、第1指示量算出部76は、第1可能量と第1目標量とを比較し、第1可能量が第1目標量よりも大きい場合、第1目標量を第1指示量とする。一方、第1指示量算出部76は、第1可能量と第1目標量とを比較し、第1可能量が第1目標量よりも小さい場合、第1可能量を第1指示量とする。
上述したように、工程S4では、エンジン10の出口におけるNOxの量から工程S3で算出された第1可能量が減算されることにより第2目標量が算出される。そして、工程S5では、その第2目標量に応じて第2指示量が算出される。一方、工程S6では、エンジン10の出口におけるNOxの量から工程S5で算出された第2指示量が減算されることにより第1目標量が算出され、工程S7では、その第1目標量に応じた第1指示量が算出される。
したがって、第1SCR装置41においてNOxの還元が可能でない場合(第1可能量が0である場合)には、エンジン10の出口におけるNOxの量と第2目標量が等しくなり、エンジン10の出口におけるNOxの全量が第2SCR装置51により還元されるように第2指示量が算出される。また、この場合には、エンジン10の出口におけるNOxの量と第2指示量が等しいため、第1目標量及び第1指示量が0とされる。
この結果、図4の(b)に示されるように、例えば第1時刻T1から第1SCR装置41においてNOxの還元が可能となる第2時刻T2に至るまでは、第2SCR装置51のdeNOx量Dに対する第1SCR装置41によるdeNOx量の比率(グラフCFB)は0となる。
一方、第1SCR装置41においてNOxの還元が可能となると(第1可能量が所定量=0よりも大きくなると)、第1可能量の増加分だけ第2目標量及び第2指示量が減少し、且つ、第1目標量及び第1指示量が増加する。この結果、例えば第2時刻T2以降では、第2SCR装置51のdeNOx量Dに対する第1SCR装置41によるdeNOx量の比率(グラフCFB)が漸増する。
このように、排気浄化システム1では、制御部70が、第1SCR装置41でのNOxの還元可能量である第1可能量の増加に伴って、第2SCR装置51におけるdeNOx量を減少させると共に、第1SCR装置41におけるdeNOx量を増加させることにより、NOxの好適な浄化とNOの排出抑制を両立することを可能とする。なお、本実施形態では、制御部70は、以上のように算出された第1指示量及び第2指示量に基づいて、第1SCR装置41及び第2SCR装置51に供給する尿素水の量を調整することにより、第1SCR装置41及び第2SCR装置51のdeNOx量の調整を行う。
すなわち、続く工程では、尿素添加量算出部78が、尿素添加装置61,62によりSCR装置に供給する尿素水の量(尿素添加量)を算出する(工程S8)。上述したように、尿素添加量算出部78は、第1指示量算出部76により算出された第1指示量と、第2指示量算出部77により算出された第2指示量とに基づいて、尿素添加装置61,62によりSCR装置に供給される尿素水の量を算出する。本実施形態では、工程S8においては、第1指示量が第1SCR装置41によるdeNOx量となるように、尿素添加装置61が第1SCR装置41に供給する尿素水の量が算出される。また、工程S8においては、第2指示量が第2SCR装置51におけるdeNOx量となるように、尿素添加装置62が第2SCR装置51に供給する尿素水の量が算出される。
さらに、工程S8の後に、尿素添加量算出部78が算出した尿素水の量に関する情報を尿素添加装置61及び尿素添加装置62に出力する。尿素添加装置61及び尿素添加装置62のそれぞれは、取得した尿素水の量に関する情報に基づいて、SCR装置に尿素水を供給する。これにより、SCR装置におけるdeNOx量が調整される。
以上説明したように、本実施形態に係る排気浄化システム1では、排気通路20におけるDPF装置31の上流側に設けられ、銅系触媒92を含む第2SCR装置51と、排気通路20におけるDPF装置31の下流側に設けられ、鉄系触媒83を含む第1SCR装置41とにより、排気ガスGに含まれるNOxを還元する。第2SCR装置51に用いられる銅系触媒92は、例えば鉄系触媒に比べ、比較的幅広い温度帯でNOxの還元が可能である。また、エンジン10の冷間始動時において、排気通路20においてDPF装置31の上流側に設けられた第2SCR装置51は、DPF装置31の下流側に設けられた第1SCR装置41よりも早期に活性温度に到達する。したがって、エンジン10を冷間始動させた場合でも、例えば排気通路20におけるDPF装置31の下流側のみにNOxを還元する触媒部を設ける構成に比べ、より早期にNOxの還元を行うことができる。よって、低温時でもNOxを効率的に浄化できる。
ここで、鉄系触媒83を含む第1SCR装置41は、例えば銅系触媒92を含む第2SCR装置51に比べ、NOxを還元するに際してのNOの副生量を抑制できる。そこで、この排気浄化システム1では、制御部70が、第1SCR装置41によるNOxの第1可能量を算出し、当該第1可能量が所定量以上となったとき(本実施形態では0よりも大きくなったとき、すなわち、第1SCR装置41がNOxの還元が可能となったとき)、第2SCR装置51におけるdeNOx量を減少させると共に、第1SCR装置41におけるdeNOx量を増加させる。これにより、例えばエンジン10の冷間始動から一定時間経過後(例えば第2時刻T2以降)には、第1SCR装置41を利用して、NOの副生量を抑制しつつ、NOxを還元することができる。以上より、この排気浄化システム1によれば、NOxの浄化及びNOの排出抑制を両立できる。
なお、本実施形態では、第2目標量に下限値を設けることができる。この場合の効果について説明する。まず、本実施形態では、上述したように、制御部70が、第2SCR装置51でのNOx還元の目標量(第2目標量)を、エンジン10の出口におけるNOxの量から、第1SCR装置41におけるNOxの還元可能量(第1可能量)を減算することで算出する。したがって、第1SCR装置41が十分にNOxを還元可能な状態となると、第1可能量が大きくなる結果、第2目標量に下限値が設定されていない場合には第2目標量が極めて小さくなる(例えば0となる)。第2目標量が極めて小さいと、それに応じて、第2SCR装置51への尿素水の供給量を規定する第2指示量も小さくなり、結果的に、第2SCR装置51への尿素水の供給量も小さくなり、例えば0となる。
これにより、仮に第2目標量に下限値が設けられていない場合、第2SCR装置51に対して尿素水が供給されない状態が生じ得る。この状態において排気浄化システム1の運用が継続されると、エンジン10から排出された排気ガスGに含まれるNOxの還元により第2SCR装置51に吸着されたNHが消費され、エンジン10の停止後に第2SCR装置51に十分な量のNHが吸着されていない状態となり得る。よって、次にエンジン10を冷間始動させた際、尿素水からNHを生成可能な温度に達する前には、第2SCR装置51によるdeNOx量が不足する可能性がある。この点、第2目標量に所定の下限値が設けられることにより、第2指示量が極端に小さくなることが避けられ、第2SCR装置51に対して尿素水が供給されない状態が生じることを抑制できる。このため、エンジン10の停止後、第2SCR装置51に対してNHが予め吸着された状態とすることができる。よって、次にエンジン10を冷間始動させたときでも、第2SCR装置51よるdeNOx量が不足することを抑制できる。
[第2実施形態]
続いて、第2実施形態に係る排気浄化システム1Aについて説明する。第2実施形態に係る排気浄化システム1Aは、構成及び制御部70により実行される制御において、第1実施形態に係る排気浄化システム1と相違している。以下では、相違点の詳細について説明する。
図7は、第2実施形態に係る排気浄化システム1Aを示す模式的な図である。排気浄化システム1Aは、バイパス路20Aをさらに備える。バイパス路20Aは、排気通路20における第2SCR装置51の上流側において排気通路20から分岐すると共に、排気通路20における第2SCR装置51の下流側であってDPF装置31の上流側において排気通路20に合流する。
また、排気通路20における第2SCR装置51の上流側において、排気通路20からバイパス路20Aが分岐する箇所には、バイパス路20Aにおける排気ガスGの流通量を調整するための調整弁21が設けられている。調整弁21は、制御部70により制御される。
排気浄化システム1Aでは、第1SCR装置41及び第2SCR装置51におけるdeNOx量を変化させるための制御において、排気浄化システム1と相違している。上述したように、バイパス路20Aは、排気通路20における第2SCR装置51の上流側から分岐すると共に、排気通路20における第2SCR装置51の下流側に合流する。よって、制御部70は、調整弁21の開度を制御してバイパス路20Aにおける排気ガスGの流通量を増加させることにより、第2SCR装置51を介さずに第1SCR装置41に至る排気ガスGの量を増大させ、第1SCR装置41におけるdeNOx量を増加させることができる。また、制御部70は、バイパス路20Aにおける排気ガスGの流通量を減少させることにより、第2SCR装置51を通過する排気ガスGの量を増加させ、第2SCR装置51におけるdeNOx量を増加させることができる。このような制御を実行することにより、制御部70は、第1SCR装置41及び第2SCR装置51におけるdeNOx量を変化させることができる。
このように、排気浄化システム1Aでは、排気浄化システム1における制御部70の処理の工程S8の尿素水の供給量の調整に代えて(加えて)、第1指示量及び第2指示量に応じてバイパス路20Aにおける排気ガスGの流通量を調整することにより、第1SCR装置41及び第2SCR装置51におけるdeNOx量を変化させることができる。すなわち、排気浄化システム1Aでは、制御部70は、バイパス路20Aにおける排気ガスGの流通量を制御することで、第1SCR装置41及び第2SCR装置51におけるdeNOx量を変化させる。
以上説明した第2実施形態に係る排気浄化システム1Aによっても、第1実施形態に係る排気浄化システム1と同様の理由により、NOxの浄化及びNOの排出抑制を両立できる。また、第2実施形態に係る排気浄化システム1Aによれば、第1SCR装置41及び第2SCR装置51でのdeNOx量を調整するに際し、第1SCR装置41及び第2SCR装置51を流通する排気ガスGの量を制御することができる。また、排気ガスGが第2SCR装置51をバイパスする構成とすることで、排気通路20に第2SCR装置51が設けられることによる第2SCR装置51及び第2ASC52の抵抗分の圧損が低減される。これにより、エンジン10の燃費の低下を抑制できる。
本実施形態では、第1可能量が所定量以上となったとき、制御部70は、調整弁21を制御することによりバイパス路20Aにおける排気ガスGの流通量を増加させることで、第2SCR装置51におけるdeNOx量を減少させる。この場合、第2SCR装置51への排気ガスGの流通量が減少するため(又は、第2SCR装置51に排気ガスGが流通しないため)、第2SCR装置51におけるdeNOx量を減少させるために尿素水の供給量を減少させた場合でも(又は尿素水が供給されなくても)、排気ガスGに含まれるNOxにより第2SCR装置51に吸着されているNHが消費されにくくなる。この結果、エンジン10の停止後、第2SCR装置51に対してNHが予め吸着された状態とすることができる。よって、次にエンジン10を冷間始動させたときでも、第2SCR装置51によるdeNOx量が不足することを抑制できる。
以上の実施形態は、本開示の一側面を説明したものであり、本開示は上記一例に限定されることなく変形され得る。
図8は、変形例に係る第1SCR装置41の一部を示す模式的な図である。変形例に係る第1SCR装置41では、担体81上における触媒の配置において、第1実施形態に係る第1SCR装置41と相違する。図8に示されるように、第1SCR装置41は、担体81と、第1銅系触媒82Aと、第2銅系触媒82Bと、鉄系触媒83と、を有している。第1銅系触媒82A、第2銅系触媒82B、及び鉄系触媒83は、担体81に担持されている。第1銅系触媒82A及び鉄系触媒83は、排気ガスGの上流側から下流側に向けて担体81上にこの順に配置されている。また、第2銅系触媒82Bは、鉄系触媒83及び担体81の間に配置されている。このように触媒が配置された第1SCR装置41によっても、担体81における上流側に配置された鉄系触媒83を用いてNOxを還元した後に、担体81に配置された第1銅系触媒82A及び第2銅系触媒82Bを用いてNOxを還元できる。これにより、第1銅系触媒82A及び第2銅系触媒82Bにより還元するNOxの量を低減することができ、NOの副生量を抑制しつつ、NOxの十分な還元量を確保できる。なお、第1銅系触媒82A及び第2銅系触媒82Bは、一体に設けられていてもよい。
また、第1実施形態の変形例として、車両の運転終了後(例えば、ドライバーによるキーオフ時)、制御部70は、第2SCR装置51に対して加熱された空気と尿素水とを供給する制御を実行してもよい。この場合、例えばキーオフ後のエンジン停止を遅らせることで、排気ガスG及び尿素を第2SCR装置51に供給させてもよい。この結果、車両の運転終了後に第2SCR装置51に対して予めNHを吸着させておくことができる。よって、このような構成によっても、エンジン10を冷間始動させた際に、第2SCR装置51によるdeNOx量が不足することを抑制できる。
1…排気浄化システム、20…排気通路、20A…バイパス路、31…DPF装置(フィルタ)、41…第1SCR装置(第1触媒部)、51…第2SCR装置(第2触媒部)、61…尿素添加装置(第1供給部)、62…尿素添加装置(第2供給部)、70…制御部、83…鉄系触媒、92…銅系触媒、G…排気ガス。

Claims (3)

  1. 車両に搭載された内燃機関の排気ガスを流通させる排気通路と、
    前記排気通路に設けられ、前記排気ガスに含まれる粒子状物質を捕集するためのフィルタと、
    前記排気通路における前記フィルタの下流側に設けられ、前記排気ガスに含まれる窒素酸化物を還元するための鉄系触媒及び/又はバナジウム系触媒を含む第1触媒部と、
    前記排気通路における前記フィルタの上流側に設けられ、前記排気ガスに含まれる前記窒素酸化物を還元するための銅系触媒を含む第2触媒部と、
    前記第1触媒部及び前記第2触媒部における前記窒素酸化物の還元量を制御するための制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記窒素酸化物を前記第1触媒部により還元可能な量である可能量を算出し、
    前記可能量が所定量以上となったとき、前記第2触媒部における前記窒素酸化物の還元量を減少させると共に、前記第1触媒部における前記窒素酸化物の還元量を増加させる、
    排気浄化システム。
  2. 前記第1触媒部に向けて前記窒素酸化物の還元を行うための還元剤を供給する第1供給部と、
    前記第2触媒部に向けて前記窒素酸化物の還元を行うための前記還元剤を供給する第2供給部と、をさらに備え、
    前記制御部は、前記第1供給部及び前記第2供給部における前記還元剤の供給量を制御することで、前記第1触媒部及び前記第2触媒部における前記窒素酸化物の還元量を変化させる、
    請求項1記載の排気浄化システム。
  3. 前記排気通路における前記第2触媒部の前記上流側において前記排気通路から分岐すると共に、前記排気通路における前記第2触媒部の前記下流側であって前記フィルタの上流側において前記排気通路に合流するバイパス路をさらに備え、
    前記制御部は、前記バイパス路における前記排気ガスの流通量を制御することで、前記第1触媒部及び前記第2触媒部における前記窒素酸化物の還元量を変化させる、
    請求項1又は2記載の排気浄化システム。
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