JP2023112277A - 3次元計測方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】3次元計測を効率的に行うことのできる3次元計測方法を提供する。【解決手段】3次元計測方法は、例えば発電プラントにおいて設定されたルートに沿って、パノラマ画像やパノラマ動画が撮影され、撮影されたパノラマ画像やパノラマ動画に基づいて、例えば発電プラントにおいて計測対象に対して3次元計測を行う計測点を設定する計測点設定工程P5を有する。設定された計測点により3次元計測が実施され、3次元計測結果を用いて例えば3次元モデルが生成される。【選択図】図1
Description
本開示は、3次元計測方法に関するものである。
例えばプラント等の施設において、施設内に設置された機器に対して、詳細な外形や配置を計測するために3次元計測が行われる。3次元計測で使用される計測装置は、例えばレーザ光等を用いて光学的に対象物を計測する。
特許文献1は、検査映像からその映像を撮影したカメラの3次元位置を算出する遠隔目視検査支援システムが開示されている。
3次元計測においては、一般的に、光学的に対象物を計測するため、3次元計測装置から視界が通っている範囲しか計測ができない。一方で、プラント等の施設では、機器や配管、ダクト等が広範囲かつ密に入り組んで配置されていることが多く、死角が多くなる傾向がある。このような死角が多い施設に対して3次元計測を行う場合、十分な事前準備をせずに3次元計測を実施した場合、死角によって計測できていない範囲が多く発生して必要な計測データが得られないことがある。また、死角を回避して必要な計測データを得るためには、プラントの停止期間中などの許容される時間内で計測が完了せず、必要な計測データが得られないことがある。
このため、計測者(計測装置のオペレータ等)は、プラント等の死角が発生しやすい施設において3次元計測を実施する場合には、計測依頼者(プラント技術者等)が必要とする計測データ及び計測対象機器の周囲の状況を把握し、計測対象機器の選定、計測機器を設置する位置の設定、計測作業を実施する際の施設内の順路の設定など、事前に計測作業の計画を立てることが重要である。
しかし、例えば、建設から長い年数が経過したプラントなどでは、建設時の記録や資料が残っていない場合がある。このような場合は、計測依頼者であっても施設内に設置された機器の詳細形状や配置を把握できず、必要とする計測データが明確でないことがある。また、計測者も計測対象やその周囲の現場の状況が事前に把握できないため、計測作業の計画を立てることが困難である。
また、一般的に、計測依頼者が有する計測対象に関する技術的な知識や常識を計測者が有しているとは限らず、また反対に、計測者が有する3次元計測に関する技術的な知識や常識を計測依頼者が有しているとは限らない。このため、計測依頼者は、必要な計測データを得るために計測者へどのような情報を事前に提供すれば良いかが判断できないため、計測者が計測作業に必要とする情報を十分に得られない場合がある。
これらの課題を解決するため、計測者と計測依頼者が計測対象の施設に同行し、計測者と計測依頼者が一緒に現場の状況や計測対象を確認しながら、計測作業の計画を行うのが一般的であるが、この方法では、計測者に加えて、計測依頼者の派遣のためのコストが発生する。特にプラント施設では、計測依頼者(プラント技術者)が複数人となることが多く、その人数分のコストが必要となり、プラント施設において、3次元計測を実施する上での制約となっている。
また、計測者と計測依頼者が対象施設へ同行する方法では、計測依頼者が対象施設へ赴くこととなる。3次元計測が一般的に実施され始める以前から、対象施設・機器の詳細な外形や配置を把握することを目的に、プラント技術者等が施設へ赴き、スケールやレーザ距離計などを使用して詳細寸法を自ら計測することは一般的に実施されているため、計測依頼者(プラント技術者等)が対象施設へ赴くのであれば、従来通り自ら詳細寸法計測することが可能である。計測依頼者が必要としている詳細な外形や配置は従来通りの寸法計測で十分計測可能であることが多く、計測のために要する期間も3次元計測と大きくは変わらないことが多い。すなわち、計測依頼者が対象施設へ赴くのであれば、3次元モデル作成に計測データを使用するなどの特別な理由がない限り、そもそも追加のコストを投じて3次元計測を実施する必要がないことが多い。このため、計測依頼者が計測者と対象施設へ同行する必要があること自体が、3次元計測を活用するうえでの制約となっている。
このため、計測者(計測装置のオペレータ等)は、プラント等の死角が発生しやすい施設において3次元計測を実施する場合には、計測依頼者(プラント技術者等)が必要とする計測データ及び計測対象機器の周囲の状況を把握し、計測対象機器の選定、計測機器を設置する位置の設定、計測作業を実施する際の施設内の順路の設定など、事前に計測作業の計画を立てることが重要である。
しかし、例えば、建設から長い年数が経過したプラントなどでは、建設時の記録や資料が残っていない場合がある。このような場合は、計測依頼者であっても施設内に設置された機器の詳細形状や配置を把握できず、必要とする計測データが明確でないことがある。また、計測者も計測対象やその周囲の現場の状況が事前に把握できないため、計測作業の計画を立てることが困難である。
また、一般的に、計測依頼者が有する計測対象に関する技術的な知識や常識を計測者が有しているとは限らず、また反対に、計測者が有する3次元計測に関する技術的な知識や常識を計測依頼者が有しているとは限らない。このため、計測依頼者は、必要な計測データを得るために計測者へどのような情報を事前に提供すれば良いかが判断できないため、計測者が計測作業に必要とする情報を十分に得られない場合がある。
これらの課題を解決するため、計測者と計測依頼者が計測対象の施設に同行し、計測者と計測依頼者が一緒に現場の状況や計測対象を確認しながら、計測作業の計画を行うのが一般的であるが、この方法では、計測者に加えて、計測依頼者の派遣のためのコストが発生する。特にプラント施設では、計測依頼者(プラント技術者)が複数人となることが多く、その人数分のコストが必要となり、プラント施設において、3次元計測を実施する上での制約となっている。
また、計測者と計測依頼者が対象施設へ同行する方法では、計測依頼者が対象施設へ赴くこととなる。3次元計測が一般的に実施され始める以前から、対象施設・機器の詳細な外形や配置を把握することを目的に、プラント技術者等が施設へ赴き、スケールやレーザ距離計などを使用して詳細寸法を自ら計測することは一般的に実施されているため、計測依頼者(プラント技術者等)が対象施設へ赴くのであれば、従来通り自ら詳細寸法計測することが可能である。計測依頼者が必要としている詳細な外形や配置は従来通りの寸法計測で十分計測可能であることが多く、計測のために要する期間も3次元計測と大きくは変わらないことが多い。すなわち、計測依頼者が対象施設へ赴くのであれば、3次元モデル作成に計測データを使用するなどの特別な理由がない限り、そもそも追加のコストを投じて3次元計測を実施する必要がないことが多い。このため、計測依頼者が計測者と対象施設へ同行する必要があること自体が、3次元計測を活用するうえでの制約となっている。
本開示は、このような事情に鑑みてなされたものであって、3次元計測を効率的に行うことのできる3次元計測方法を提供することを目的とする。
本開示の第1態様は、ルート(R1)に沿って撮影されたパノラマ画像に基づいて、計測対象に対して3次元計測を行う計測点を設定する計測点設定工程(P5)を有する3次元計測方法である。
本開示によれば、3次元計測を効率的に行うことができるという効果を奏する。
以下に、本開示に係る3次元計測方法の一実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態では、発電プラント1おいて3次元計測を実施する場合を例として説明する。なお、3次元計測は、発電プラント1に限定されるものではなく、化学プラントやごみ焼却場、工場、ビル内設備などのあらゆる施設、及び計測対象物などに対して用いることが可能である。
図1は、3次元計測方法の一例を示すフロー図である。図1に示すように、3次元計測方法は、ルート設定工程P1と、撮影工程P2と、作成工程P3と、計測対象設定工程P4、計測点設定工程P5と、計測工程P6と、モデル作成工程P7とを有している。
ルート設定工程P1は、撮影工程P2における撮影のルートR1を設定する工程である。ルートR1は、撮影の際に通過する通路及びその順番として設定される。図2は、発電プラント1においてルートR1を設定した場合の一例を示す図である。なお、図2に示すように、ルートを分けてルートR2を設定することとしてもよい。例えば、発電プラント1では施設内に通路が設計されているため、通過する通路と順番が設定される。なお、通過する通路だけ設定して順番は撮影時にその場で決めても良い。
特に、ルートR1は、メンテナンス通路を通過するように設定されることが好ましい。メンテナンス通路とは、施設内に設置された各機器の点検やメンテナンスを行うときに通る通路であり、通路から目視で各機器とその周囲を漏れなく確認可能なように施設内に設けられている。メンテナンス通路は、例えば発電プラント1等の施設において予め設定されている。特に発電プラント1は、メンテナンス用に各通路が設計されることが多いため、通路に沿ってルートを設定することで、メンテナンス通路を通過するようにルートR1が設定されることとなる。
また、ルートR1は、施設内をまんべんなく撮影できるように設定されることがより好ましい。特に、ルートR1は、施設における重要機器や、予め撮影対象として指定された機器があれば当該機器を撮影可能なように設定されることが好ましい。
なお、ルート設定工程P1については、省略することも可能である。省略する場合には、例えば、後述する撮影工程P2で撮影者が任意のルートで撮影を行い、撮影者が実際に通った施設内の道順(ルート)をルートR1とする。
ルート設定工程P1の後は、撮影工程P2が行われる。
撮影工程P2は、ルートR1に沿ってパノラマ画像を撮影する工程である。すなわち、撮影工程P2では、撮影者がルートR1を移動しながら撮影を行い、パノラマ画像を記録していく。パノラマ画像とは、広い画角を持った画像である。特に、パノラマ画像は、360度パノラマ画像であることが好ましい。またパノラマ画像は、一回の撮影で一度に広い画角を持った画像を撮影してもよいし、より狭い画角で撮影された複数の画像を合成して広い画角を持った画像としてもよい。パノラマ画像を撮影する場合には、ルートR1の開始から終了まで所定の間隔で撮影が実施されることが好ましい。
また、撮影工程P2では、パノラマ動画が撮影されることがより好ましい。パノラマ動画は、連続した複数のパノラマ画像をつなぎ合わせて動画としたものである。この場合には、撮影者は、ルートR1を移動しながらパノラマ動画の撮影(動画撮影)を行う。パノラマ動画は、ルートR1の開始から終了まで途切れず撮影されることが好ましい。なお、意図的に分割することとしてもよい。撮影工程P2では、現場で人が撮影を行うこととしても良いし、ロボットやドローンなどの機器を用いて撮影を行うこととしても良い。
撮影工程P2の後は、作成工程P3が行われる。
作成工程P3は、ルートR1と、パノラマ画像の撮影位置とを関連付けた位置関係情報を作成する工程である。位置関係情報は、例えばマップ情報である。例えばマップ情報は、情報処理端末上に表示され、ルートR1及びパノラマ画像が確認可能となっている。具体的には、マップ情報には、ルートR1が示されており、ルートR1の各位置に、その位置で撮影が行われたパノラマ画像が対応付けられる。例えばルートR1の各位置をクリックなど指定することで、クリックした位置で撮影されたパノラマ画像が表示される。
パノラマ動画を撮影した場合には、マップ情報には、ルートR1の各位置と、対応したパノラマ動画の再生時間とが対応付けられる。図3は、マップ情報の一例を示す図である。図3に示すように、マップ情報には、ルートR1における各位置とパノラマ動画の記録時間(タイムスタンプ)とが対応付けられている。このような場合にも、ルートR1の各位置をクリックなど指定することで、該位置から開始されるパノラマ動画が確認可能となっている。
このように、ルートR1と各パノラマ画像とが対応付けられて位置関係情報とされることで、パノラマ画像を確認した際に、ルートR1のどの位置で撮影された画像であるかを容易に認識することができる。
位置関係情報については、上記形態のマップ情報に限定されず、ルートR1上の特定位置とパノラマ画像の撮影位置とを関連付けた情報であれば用いることが可能である。
なお、作成工程P3については、省略することも可能である。
作成工程P3の後は、計測対象設定工程P4が行われる。
計測対象設定工程P4は、パノラマ画像(パノラマ動画を含む)に基づいて、3次元計測を行う対象を設定する工程である。すなわち、3次元計測の事前準備として、パノラマ画像により現場の状況把握をして、具体的に計測すべき対象物や対象範囲、対象箇所が検討される。例えば、計測対象設定工程P4は、3次元計測の依頼者(例えば、発電プラント1の設計者、以下、「計測依頼者」と言う。)により検討が行われる。このため、例えば資料が残っておらず詳細な現場状況が不明な場合でも、計測依頼者は計測が必要な計測対象や範囲、箇所を特定することができる。なお、パノラマ画像以外の資料に基づいて事前に計測対象検討を実施したうえで、計測対象設定工程P4を実施することとしてもよい。
計測対象設定工程P4においては、計測者が認識している計測対象に関する情報(計測対象とする機器及びその周辺の状況等)と、計測依頼者が認識している計測対象に関する情報とが、一致していることを確認することを含む。すなわち、計測対象を設定することとは、計測者と計測依頼者で計測対象に関する情報を共有することを含んでいる。
計測対象設定工程P4の後は、計測点設定工程P5が行われる。なお、計測対象を設定する工程は、より前段階(例えばルート設定工程P1の前)に行われることとしてもよい。
計測点設定工程P5は、パノラマ画像(パノラマ動画を含む)に基づいて、3次元計測を行う計測点を設定する工程である。すなわち、3次元計測の事前準備として、パノラマ画像により現場の状況把握をして、どのように3次元計測を行うかが検討される。例えば、計測点設定工程P5は、計測依頼者と3次元計測の計測者(例えば、計測装置のオペレータ、以下、「計測者」と言う。)とにより検討が行われる。パノラマ画像を用いて確認を行うため、計測依頼者と計測者は、現場へ出張せずに現場の状況を把握することができる。また計測者は、例えば計測依頼者と一緒にパノラマ画像を確認することで、計測対象に対する認識の齟齬をなくすことができる。計測点設定工程P5では、位置関係情報も用いられることがより好ましい。
具体的には、計測点設定工程P5では、パノラマ画像に基づいて、計測対象に対して3次元計測を行う計測点を設定する。すなわち、パノラマ画像で3次元計測の計測対象である機器の状態及び周囲の状況を確認し、計測対象の機器を中心とした領域(以下、「計測対象領域」と言う。)の3次元計測を行うための計測点を設定する。計測点設定では、3次元計測装置の設置位置(一定の範囲を持った設置可能範囲でもよい)を設定することが好ましい。3次元計測では、計測装置から視界が通っている箇所を計測するため、計測点設定工程P5では、計測対象に対して死角が少なくなるように3次元計測を行う計測点が設定されることが好ましい。なお、計測対象に対して死角がないように3次元計測を行う計測点が設定されることがより好ましい。死角とは、計測対象領域のうち、3次元計測装置から見えない(視界が通らない)範囲である。例えば、3次元計測装置と計測対象との間に他の機器が存在して計測対象の一部が計測できないということが少なくなるように(もしくはなくなるように)計測点設定が検討される。パノラマ画像に基づくことで、3次元計測を実施すると死角が発生しやすい計測対象領域であっても、現場の状況を十分に把握して、どのように3次元計測を実施すればよいかを検討することができる。また、パノラマ画像から現場の状況を実際の機器の形状や位置関係まで含めて詳細に把握することができるため、計測依頼者と計測者とが、現場へ同行しなくても、計測依頼者が必要とする計測データについて計測依頼者と計測者との間で認識の齟齬をなくすことができる。
計測点設定工程P5の後は、計測工程P6が行われる。
計測工程P6では、設定した計測点で3次元計測を行う工程である。すなわち、計測点設定工程P5で設定した計測点に3次元計測装置を設置して、計測対象領域に対して3次元計測を実施する。計測点設定工程P5において、パノラマ画像を用いて現場の状況確認をして計測点を設定しているため、計測依頼者にとって必要な計測データを得るための3次元計測を、効率的かつ効果的に行うことができる。
計測工程P6の後は、モデル作成工程P7が行われる工程である。
モデル作成工程P7では、3次元計測の結果に基づいて3次元モデルを作成する。すなわち計測工程P6で、計測対象に対して3次元計測を実施することができるため、この計測結果を用いて計測対象領域の3次元モデルを作成する。3次元モデルの作成は、例えば、3次元計測で得られた点群データを用いて情報処理装置等で作成する。
なお、モデル作成工程P7については、3次元モデルが不要であれば省略することも可能である。
このように、パノラマ画像を用いることで、計測依頼者は現場で直接確認しなくても効率的かつ正確に現場の状況を把握し、計測対象を設定することができる。例えば、プラントの建設時に設計に携わった複数の設計者が社内外にまたがっており、それぞれの設計者が自分の担当する機器を別々の図面にしか記載していない等の影響で、1枚の図面だけで計測対象機器やその周辺状況を把握することができず、また関係する全ての図面を収集することは現実的に困難であり、そもそも関係する全ての図面を漏れなく収集できたか確証を得る手段がないような場合や、初期の設計から変更や改造が加えられている場合であっても、パノラマ画像で実際の現場の状況を把握し、計測対象を設定することができる。また、計測依頼者と計測者でパノラマ画像を用いて計測対象を確認することで、現場で直接確認することなく、計測対象についての認識を統一することができる。
なお上記を通常の狭い画角の写真や動画で実施しようとした場合、現場の詳細状況が不明であるため計測対象も不明瞭であることから、そもそもパノラマ画像を撮影する者には具体的に何を撮影すればよいか判断することができず、可能な限り現場状況を撮影しようとすると長い期間をかけて極めて膨大な枚数の写真撮影が必要となる。また膨大な枚数の写真は閲覧性が極めて悪く、また別々の写真に写っている物同士の位置関係も把握しづらい。撮影と閲覧の両方の観点から、通常の写真や動画のみで計測対象を設定することは現実的ではない。一方パノラマ画像の場合、一枚で広範囲を確認でき、画像を連続的に確認できるため写っている物同士の位置関係も把握しやすく、より死角を少なくするため撮影枚数を増やしたとしても、枚数は通常写真より大幅に少なくなる。特にパノラマ動画は、画像が連続的に描写されるため更に閲覧性がよく、パノラマ画像/動画のみで現場状況を把握し、計測対象を設定し、計測対象を共有することが可能となる。
なお上記を通常の狭い画角の写真や動画で実施しようとした場合、現場の詳細状況が不明であるため計測対象も不明瞭であることから、そもそもパノラマ画像を撮影する者には具体的に何を撮影すればよいか判断することができず、可能な限り現場状況を撮影しようとすると長い期間をかけて極めて膨大な枚数の写真撮影が必要となる。また膨大な枚数の写真は閲覧性が極めて悪く、また別々の写真に写っている物同士の位置関係も把握しづらい。撮影と閲覧の両方の観点から、通常の写真や動画のみで計測対象を設定することは現実的ではない。一方パノラマ画像の場合、一枚で広範囲を確認でき、画像を連続的に確認できるため写っている物同士の位置関係も把握しやすく、より死角を少なくするため撮影枚数を増やしたとしても、枚数は通常写真より大幅に少なくなる。特にパノラマ動画は、画像が連続的に描写されるため更に閲覧性がよく、パノラマ画像/動画のみで現場状況を把握し、計測対象を設定し、計測対象を共有することが可能となる。
これによって、計測依頼者は従来実施していたように計測者と共同で出張する必要がなく、計測依頼者にとって必要な計測データが得られる3次元計測を実施できるようになる。計測依頼者は、時間的拘束の低減やコストの増加を抑制することができる。特に、計測対象機器に複数の設計者が関連する場合には、現場確認のための大人数での出張を抑制してコストを効果的に抑制することができる。また、計測依頼者は、時間的拘束が低減されることで、3次元計測に係る業務を省力化したり、他の業務に時間を割り当てたりすることができる。また、3次元計測を実施する際に計測依頼者と計測者が現場に同行する必要がなくなることで、従来手作業で実施していた対象物の詳細寸法計測や配置確認を、3次元計測で置き換えることが可能となる。
なお、上記では撮影工程P2の後に計測点設定工程P5を行う場合について説明したが、両工程を同時に行うこととしても良い。すなわち、現場でパノラマ画像やパノラマ動画を撮影・確認しながら、リアルタイムで計測依頼者とパノラマ画像を共有し、計測点設定の検討を行うこととしても良い。この場合には、現場で計測者や計測依頼者以外の第3者が撮影を行うこととしても良く、また、ロボットやドローンを用いて撮影を行うこととしても良い。
以上説明したように、本実施形態に係る3次元計測方法によれば、ルートR1に沿ってパノラマ画像の撮影をして、このパノラマ画像に基づいて3次元計測のための計測点を設定するため、計測装置からの視野の確保が重要な3次元計測であっても、パノラマ画像を確認しながら効率的に計測点設定を行うことが可能となる。
例えば、計測点設定のために3次元計測の計測依頼者(プラント設計者)と3次元計測の計測者が現場へ出張すると、追加のコストが必要となる。発電プラントのような設備では通常複数の設計者が関わっているため、その人数分コストも大きくなり、また出張のために時間的拘束を受けることとなる。また、パノラマ画像ではなく通常の狭い画角の写真のみを用いた場合には、現場のごく一部の箇所からのごく一部の視野だけを切り取った画像であるため、計測対象機器とその周辺空間(計測対象領域)を含めた現場の状況を正確に把握することが困難であり、正しく計測点設定ができず、計測を実施する際に計測点の再設定等の手間が発生する可能性がある。さらに、通常の写真でパノラマ画像や動画と同様の撮影範囲を得ようとした場合、非常に多くの画像を撮影する必要があるため、撮影に極めて長い時間が必要となるだけでなく、画像数が膨大となって閲覧そのものが困難となり、現実的ではない。つまり、パノラマ画像を用いることで、特に3次元計測を行う計測点を効率的に設定することが可能となる。また、3次元計測を実施する際に計測依頼者と計測者が現場に同行する必要がなくなることで、従来手作業で実施していた対象物の詳細寸法計測や配置確認を、3次元計測で置き換えることが可能となる。
本開示は、上述の実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々変形実施が可能である。
例えば、上記で説明した各工程について、情報処理装置で処理を行うこととしてもよい。この場合には、ルート設定工程P1、撮影工程P2、作成工程P3、計測対象設定工程P4、計測点設定工程P5、計測工程P6、及びモデル作成工程P7の少なくともいずれか1つの工程が情報処理装置による処理によって自動化される。例えばこの場合には、情報処理装置は、ルート設定部、撮影部、作成部、計測対象設定部、計測点設定部、計測部、及びモデル作成部を備える。ルート設定部は、ルート設定工程P1に対応し、撮影のルートR1を設定する処理を行う。撮影部は、撮影工程P2に対応し、ルートR1に沿ってパノラマ画像を撮影する処理を行う。例えばドローン等のロボットを制御して撮影を行う。作成部は、作成工程P3に対応し、ルートR1と、パノラマ画像の撮影位置とを関連付けた位置関係情報を作成する処理を行う。計測対象設定部は、計測対象設定工程P4に対応し、パノラマ画像に基づいて、3次元計測を行う対象を設定する処理を行う。計測点設定部は、計測点設定工程P5に対応し、パノラマ画像に基づいて、3次元計測を行う計測点を設定する処理を行う。計測部は、計測工程P6に対応し、設定した計測点で3次元計測を行う処理を行う。例えばドローン等のロボットを制御して3次元計測を行うこととしてもよい。モデル作成部は、モデル作成工程P7に対応し、3次元計測の結果に基づいて3次元モデルを作成する処理を行う。すなわち、各部は、それぞれの工程に対応した処理を実行可能となっている。
情報処理装置は、コンピュータシステム(計算機システム)であり、例えば、CPUと、CPUが実行するプログラム等を記憶するためのROM(Read Only Memory)と、各プログラム実行時のワーク領域として機能するRAM(Random Access Memory)と、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)と、ネットワーク等に接続するための通信部とを備えている。なお、大容量記憶装置としては、ソリッドステートドライブ(SSD)を用いることとしてもよい。これら各部は、バスを介して接続されている。情報処理装置は、キーボードやマウス等からなる入力部や、データを表示する液晶表示装置等からなる表示部などを備えていてもよい。なお、CPUが実行するプログラム等を記憶するための記憶媒体は、ROMに限られない。例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ等の他の補助記憶装置であってもよい。後述の各種機能を実現するための一連の処理の過程は、プログラムの形式でハードディスクドライブ等に記録されており、このプログラムをCPUがRAM等に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、後述の各種機能が実現される。なお、プログラムは、ROMやその他の記憶媒体に予めインストールしておく形態や、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等である。
情報処理装置は、コンピュータシステム(計算機システム)であり、例えば、CPUと、CPUが実行するプログラム等を記憶するためのROM(Read Only Memory)と、各プログラム実行時のワーク領域として機能するRAM(Random Access Memory)と、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)と、ネットワーク等に接続するための通信部とを備えている。なお、大容量記憶装置としては、ソリッドステートドライブ(SSD)を用いることとしてもよい。これら各部は、バスを介して接続されている。情報処理装置は、キーボードやマウス等からなる入力部や、データを表示する液晶表示装置等からなる表示部などを備えていてもよい。なお、CPUが実行するプログラム等を記憶するための記憶媒体は、ROMに限られない。例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ等の他の補助記憶装置であってもよい。後述の各種機能を実現するための一連の処理の過程は、プログラムの形式でハードディスクドライブ等に記録されており、このプログラムをCPUがRAM等に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、後述の各種機能が実現される。なお、プログラムは、ROMやその他の記憶媒体に予めインストールしておく形態や、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等である。
以上説明した各実施形態に記載の3次元計測方法は例えば以下のように把握される。
本開示に係る3次元計測方法は、ルート(R1)に沿って撮影されたパノラマ画像に基づいて、計測対象に対して3次元計測を行う計測点を設定する計測点設定工程(P5)を有する。
本開示に係る3次元計測方法は、ルート(R1)に沿って撮影されたパノラマ画像に基づいて、計測対象に対して3次元計測を行う計測点を設定する計測点設定工程(P5)を有する。
本開示に係る3次元計測方法によれば、ルート(R1)に沿って撮影されたパノラマ画像に基づいて3次元計測のための計測点を設定するため、計測装置からの視野を考慮した計測点の設定が重要である3次元計測であっても、パノラマ画像を確認しながら効率的に計測点設定を行うことが可能となる。
例えば、計測点設定のために現場へ直接出向くこととすると、出張者が複数となり時間及びコストの増加を招く可能性がある。また、パノラマ画像ではなく狭角の写真を用いた場合には、一部の空間の切り取りであるため空間を正確に把握することが困難であり、計測点の再設定等の手間が発生する可能性がある。つまり、パノラマ画像を用いることで、特に3次元計測を行う計測点を効率的に設定することが可能となる。
本開示に係る3次元計測方法は、前記計測点設定工程(P5)では、前記計測対象に対して死角が少なくなるように3次元計測を行う前記計測点を設定することとしてもよい。
本開示に係る3次元計測方法によれば、計測対象に対して死角が少なくなるように計測点設定を行うことで、3次元計測の効率性を向上させることができる。
本開示に係る3次元計測方法は、ルート(R1)に沿って撮影されパノラマ画像に基づいて、計測対象を設定する計測対象設定工程(P4)を有する。
本開示に係る3次元計測方法によれば、3次元計測の事前準備として、パノラマ画像により現場の状況把握をして、計測対象を設定できる。
本開示に係る3次元計測方法は、前記パノラマ画像を撮影する撮影工程(P2)を有することとしてもよい。
本開示に係る3次元計測方法によれば、計測点設定のために参照されるパノラマ画像を撮影することができる。
本開示に係る3次元計測方法は、前記撮影工程(P2)では、複数の前記パノラマ画像によるパノラマ動画を撮影することとしてもよい。
本開示に係る3次元計測方法によれば、パノラマ動画が撮影され、パノラマ動画に基づいて3次元計測を行う計測点を設定するため、計測点設定の効率性が向上する。
本開示に係る3次元計測方法は、前記撮影工程(P2)では、前記ルート(R1)を移動しながら前記パノラマ動画の撮影を行うこととしてもよい。
本開示に係る3次元計測方法によれば、ルート(R1)を移動しながらパノラマ動画が撮影されることで、ルート(R1)と動画の撮影位置とを認識しやすくなる。
本開示に係る3次元計測方法は、前記ルート(R1)を設定するルート設定工程(P1)を有し、前記ルート(R1)は、メンテナンス通路を通過することとしてもよい。
本開示に係る3次元計測方法によれば、メンテナンス通路を通過するようにルート(R1)が設定されることによって、メンテナンスの対象となる装置を含むように撮影することができる。メンテナンス通路とは、各機器のメンテナンスを行うときに通る通路であり、例えばプラント等の施設において予め設定されている。
本開示に係る3次元計測方法は、前記ルート(R1)と、前記パノラマ画像の撮影位置とを関連付けた位置関係情報を作成する作成工程(P3)を有することとしてもよい。
本開示に係る3次元計測方法によれば、ルート(R1)と、パノラマ画像の撮影位置とを関連付けた位置関係情報によって、パノラマ画像の撮影位置を把握しやすくなる。
本開示に係る3次元計測方法は、計測点で3次元計測を行う計測工程(P6)を有することとしてもよい。
本開示に係る3次元計測方法によれば、パノラマ画像を用いて設定した計測点で3次元計測を行うことで、効率的に計測を実施することができる。
本開示に係る3次元計測方法は、3次元計測の結果に基づいて3次元モデルを作成するモデル作成工程(P7)を有することとしてもよい。
本開示に係る3次元計測方法によれば、効率的かつ効果的に、計測から3次元モデル作成まで行うことができる。
本開示に関わる3次元計測方法で、計測依頼者と計測者は同一の個人や企業などでもよいが、異なってもよい。
1 :発電プラント
P1 :ルート設定工程
P2 :撮影工程
P3 :作成工程
P4 :計測対象設定工程
P5 :計測点設定工程
P6 :計測工程
P7 :モデル作成工程
R1 :ルート
R2 :ルート
P1 :ルート設定工程
P2 :撮影工程
P3 :作成工程
P4 :計測対象設定工程
P5 :計測点設定工程
P6 :計測工程
P7 :モデル作成工程
R1 :ルート
R2 :ルート
Claims (10)
- ルートに沿って撮影されたパノラマ画像に基づいて、計測対象に対して3次元計測を行う計測点を設定する計測点設定工程を有する3次元計測方法。
- 前記計測点設定工程では、前記計測対象に対して死角が少なくなるように3次元計測を行う前記計測点を設定する請求項1に記載の3次元計測方法。
- ルートに沿って撮影されパノラマ画像に基づいて、計測対象を設定する計測対象設定工程を有する3次元計測方法。
- 前記パノラマ画像を撮影する撮影工程を有する請求項1から3のいずれか1項に記載の3次元計測方法。
- 前記撮影工程では、複数の前記パノラマ画像によるパノラマ動画を撮影する請求項4に記載の3次元計測方法。
- 前記撮影工程では、前記ルートを移動しながら前記パノラマ動画の撮影を行う請求項5に記載の3次元計測方法。
- 前記ルートを設定するルート設定工程を有し、
前記ルートは、メンテナンス通路を通過する請求項1から6のいずれか1項に記載の3次元計測方法。 - 前記ルートと、前記パノラマ画像の撮影位置とを関連付けた位置関係情報を作成する作成工程を有する請求項1から7のいずれか1項に記載の3次元計測方法。
- 計測点で3次元計測を行う計測工程を有する請求項1から8のいずれか1項に記載の3次元計測方法。
- 3次元計測の結果に基づいて3次元モデルを作成するモデル作成工程を有する請求項1から9のいずれかに記載の3次元計測方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022013950A JP2023112277A (ja) | 2022-02-01 | 2022-02-01 | 3次元計測方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2022013950A JP2023112277A (ja) | 2022-02-01 | 2022-02-01 | 3次元計測方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN117537735A (zh) * | 2023-10-20 | 2024-02-09 | 中国中建设计研究院有限公司 | 一种测量方法以及装置 |
-
2022
- 2022-02-01 JP JP2022013950A patent/JP2023112277A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN117537735A (zh) * | 2023-10-20 | 2024-02-09 | 中国中建设计研究院有限公司 | 一种测量方法以及装置 |
CN117537735B (zh) * | 2023-10-20 | 2024-04-30 | 中国中建设计研究院有限公司 | 一种测量方法以及装置 |
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