JP2023111354A - インクセット - Google Patents

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竜太 野田
Ryuta NODA
正樹 村上
Masaki Murakami
聡史 平川
Satoshi Hirakawa
由佳 松橋
Yuka Matsuhashi
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Abstract

【課題】印字や画像が耐擦性に優れ、かつ印刷面の洗濯堅牢度及びタック性(引っ付きがない)が良好な印刷物(布地)とすることができるインクセットを得ること。【解決手段】前処理液とインク組成物とを有するインクセットであって、前処理液が1気圧下で沸点120℃以下の有機酸を含有し、インク組成物が下記A~Eを含有する、インクセット。A.白色顔料B.酸価が200mgKOH/g以上であり、かつ、カルボキシル基を有する単量体と疎水性基含有単量体を単量体成分として含有するアクリル系共重合樹脂であるアルカリ可溶性樹脂の含有量がインク組成物中1.0~3.0質量%C.ガラス転移温度が-25℃~10℃の水分散性樹脂D.シリコン系界面活性剤E.水【選択図】なし

Description

本発明は、前処理液及びインク組成物からなるインクセットに関する。
特許文献1に記載のように、ポリオレフィン系樹脂がポリウレタン系樹脂に含有された複合樹脂粒子、マロン酸等の有機酸、架橋剤及び水を含有するインクジェット記録用前処理液は公知である。この前処理液を使用して得た画像はインク滲みがなく、密着性に優れ、ラミネート強度に優れるものとしている。このような効果を目的としていることからみて、ラミネートをするための印刷に向けた前処理液及びインク組成物である。このような用途の印刷部は、印刷物の使用時において、ラミネートされた製品の内部に存在し、最外層に位置しない。そして、特許文献1に記載の発明は、印刷部の耐洗濯性やタック性に関する効果を向上させることを意図しない。
特許文献2には、被印刷物表面を酸性の前処理液で処理した後に、インクジェット記録用インクにより印刷を行うことが記載されている。そして、前処理液を酸性にするために各種の酸を使用できることも記載されている。しかしながら、このような印刷により得られる印字パターンは画像等に滲みがないものに留まると共に、印刷部の耐洗濯性やタック性に関する効果を向上させることを意図しない。
特許文献3には、前処理液で処理された布帛にウレタン樹脂含有白色インク組成物で洗濯耐久性に優れた捺染を行うことが記載されている。しかしながら、タック性も合わせて向上させることまでは記載されていない。
特開2019-177510号公報 特開2005-001259号公報 特開2017-186455号公報
本発明が解決する課題は、印字や画像が耐擦性に優れ、かつ印刷面の洗濯堅牢度及びタック性(引っ付きがない)が良好な印刷物(布地)とすることができるインクセットを得ることである。
本発明者らは、上記の課題を解決するため鋭意研究した結果、特定の組成とすることにより、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
1.前処理液とインク組成物とを有するインクセットであって、
前処理液が1気圧下で沸点120℃以下の有機酸を含有し、
インク組成物が下記A~Eを含有する、
インクセット。
A.白色顔料
B.酸価が200mgKOH/g以上であり、かつ、カルボキシル基を有する単量体と疎水性基含有単量体を単量体成分として含有するアクリル系共重合樹脂であるアルカリ可溶性樹脂の含有量がインク組成物中1.0~3.0質量%
C.ガラス転移温度が-25℃~10℃の水分散性樹脂
D.シリコン系界面活性剤
E.水
2.C.インク組成物の水分散性樹脂の固形分の割合が10.0~30.0質量%である1に記載のインクセット。
3.インクジェット印刷用である1又は2に記載のインクセット。
4.捺染用である1~3のいずれか1項に記載のインクセット。
本発明のインクセットによれば、印字や画像が耐擦性に優れ、印刷面の洗濯堅牢度及びタック性(引っ付きがない)が良好な印刷物(布地)が得られる。
本発明のインクセットは、前処理液とインク組成物とを有するインクセットであり、以下に順に説明する。インクセットとしてインクジェット印刷用インクセットでも良く、捺染用であっても良い。
本明細書中の樹脂に関するガラス転移温度及び重量平均分子量は以下のように定義される。
<ガラス転移温度>
本発明における樹脂のガラス転移温度は、樹脂がアクリル系共重合体樹脂の場合、下記のWoodの式により求めた理論ガラス転移温度である。
Woodの式:1/Tg=W1/Tg1+W2/Tg2+W3/Tg3+・・・・・+Wx/Tgx
[式中、Tg1~Tgxは樹脂を構成する単量体1、2、3・・・xのそれぞれの単独重合体のガラス転移温度、W1~Wxは単量体1、2、3・・・xのそれぞれの重合分率、Tgは理論ガラス転移温度を表す。ただし、Woodの式におけるガラス転移温度は絶対温度である。]
樹脂のガラス転移温度は、樹脂がアクリル系共重合体樹脂以外の場合、熱分析により求めた理論ガラス転移温度である。熱分析の方法としては、JIS K7121(プラスチックの転移温度測定方法)に準じ、一例として、パーキンエルマー社Pyris1 DSCを用いて、昇温速度20℃/分、窒素ガス流速20ミリリットル/分の条件下でガラス転移温度を測定することができる。
<重量平均分子量>
本明細書における樹脂の重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法によって測定することができる。一例として、GPC装置としてWater2690(ウォーターズ社)、カラムとしてPLgel、5μ、MIXED-D(Polymer Laboratories社)を使用して、展開溶媒としてテトラヒドロフラン、カラム温度25℃、流速1ミリリットル/分、RI検出器、試料注入濃度10ミリグラム/ミリリットル、注入量100マイクロリットルの条件下、クロマトグラフィーを行ない、ポリスチレン換算の重量平均分子量として求める。
<前処理液>
本発明中の前処理液は、1気圧下で沸点120℃以下の有機酸を含有し、さらに必要に応じて界面活性剤を含有することができる。
(1気圧下で沸点120℃以下の有機酸)
前処理液にて使用される1気圧下で沸点120℃以下の有機酸としては、ギ酸(1気圧下で沸点100.8℃)、及び/又は酢酸(1気圧下で沸点118℃)を使用できる。
このような有機酸は前処理液中に5.0質量%以上含有することが好ましく、8.0質量%以上含有することがより好ましい。また30.0質量%以下含有することが好ましく、25.0質量%以下含有することがより好ましい。有機酸の含有量が過少であると、その上に印刷したインク組成物中の樹脂の定着に時間を要する可能性がある。また、過剰に含有させると、印刷後に有機酸が蒸発して印字や画像中の遊離の酸が消滅するまでに時間を要する可能性がある。
(界面活性剤)
上記のように前処理液に界面活性剤を含有しても良く、含有しなくても良い。含有できる界面活性剤としては、カチオン系界面活性剤及びノニオン系界面活性剤が好ましい。アニオン系界面活性剤や両性界面活性剤を含有させると、上記1気圧下で沸点120℃以下の有機酸と塩を構成してしまう可能性がある。
界面活性剤の含有量は、例えば、前処理液全体に対して、0~1.0質量%、好ましくは0.01~1.0質量%、より好ましくは0.1~0.7質量%である。
カチオン系界面活性剤としては、例えば、アミドアミン型界面活性剤や4級アンモニウム塩界面活性剤を採用できる。
アミドアミン型界面活性剤としては、アルキルジメチルアミノプロピルアミド等が挙げられる。
4級アンモニウム塩界面活性剤としては、例えば、炭素原子数10以上25以下のアルキル基を有する、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、アルキルジメチルアンモニウムエチルサルフェート、アルキルジメチルアンモニウムクロライド(いずれも第一工業製薬社)が挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤及びアセチレン系界面活性剤から選ばれる1種又は2種以上があげられる。
シリコーン系界面活性剤としては、BYK-347、BYK-377、BYK-3455(ビックケミー・ジャパン社)等などが挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、F-410、F-444、F-553(以上、DIC社)、FS-65、FS-34、FS-35、FS-31、FS-30(以上、デュポン社)などがあげられる。
アセチレン系界面活性剤としては、例えば、サーフィノール104E、サーフィノール104H、サーフィノール104A、サーフィノール104BC、サーフィノール104DPM、サーフィノール104PA、サーフィノール104PG-50、サーフィノール420、サーフィノール440、サーフィノール465(EVONIK社)、ダイノール607、ダイノール609、オルフィンE1004、オルフィンE1010、オルフィンE1020、オルフィンPD-001、オルフィンPD-002W、オルフィンPD-004、オルフィンPD-005、オルフィンEXP.4001、オルフィンEXP.4200、オルフィンEXP.4123、オルフィンEXP.4300(日信化学工業社)等の商品名で市販されているものから選ばれる1種又は2種以上があげられる。
(溶媒)
本発明中の前処理液は溶媒として、水のみ、又は水と水溶性有機溶媒の混合溶媒を採用できる。
この水溶性有機溶媒としては、例えば、モノアルコール類、多価アルコール類、多価アルコールの低級アルキルエーテル類、ケトン類、エーテル類、エステル類、窒素含有化合物類等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記モノアルコール類としては、メタノール、エタノール、n-プロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、n-ペンタノール、n-ヘキサノール、n-ヘプタノール、n-オクタノール、n-ノニルアルコール、n-デカノール、またはこれらの異性体、シクロペンタノール、シクロヘキサノール等が挙げられ、好ましくはアルキル基の炭素数が1~6のアルコールを使用できる。
上記多価アルコール類としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、1,4-ブチレングリコール、1,2-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,2-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,2-シクロヘキサンジオール、ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、チオジグリコール等を使用できる。
上記多価アルコールの低級アルキルエーテル類としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールイソブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール-n-プロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ-n-ブチルエーテル等を使用できる。
上記ケトン類の具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソプロピルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等が挙げられる。
上記エーテル類の具体例としては、イソプロピルエーテル、n-ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4-ジオキサン等である。
上記エステル類としては、プロピレンカルボネート、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、乳酸エチル、酪酸エチル、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、及び、ε-カプロラクトン、ε-カプロラクタム等の環状エステル等がある。
上記水溶性有機溶媒の含有量としては、極力少なくすることが好ましく、配合しないこともできる。
しかしながら配合する際の含有量は、前処理液中0~10.0質量%が好ましく、さらに好ましくは0~5.0質量%である。10.0質量%を超えるときには乾燥不良や耐ブロッキング性が低下する可能性がある。
(その他成分)
本発明中の前処理液には、その他の成分として水溶性多価金属塩を含有しても良く、含有しなくても良い。
水溶性多価金属塩としては20℃における水100mLに対する溶解度が1g/100mL以上、好ましくは2g/100mL以上、より好ましくは20g/100mL以上である、多価金属の有機酸又は無機酸の塩である。
水溶性多価金属塩は、多価金属を含む複塩であってもよく、水和物であってもよい。
多価金属としては、例えば、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、亜鉛、銅、鉄、及びアルミニウムから選ばれる1種又は2種以上があげられる。
水溶性多価金属塩を構成するための有機酸としては、例えば、RCOOH(式中、Rは、水素、炭素数1~30の有機基)で表される脂肪酸の1種又は2種以上があげられる。このような有機酸として、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、オクチル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、12-ヒドロキシステアリン酸、リシノール酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、乳酸、クエン酸、グルコン酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、マレイン酸、フマル酸、グルタコン酸、安息香酸、アスコルビン酸等があげられる。
無機酸としては、例えば、硝酸、硫酸、塩化水素(塩酸)、臭化水素、ヨウ化水素、塩素酸、臭素酸、炭酸、リン酸から選ばれる1種又は2種以上があげられる。
有機酸の多価金属塩である水溶性多価金属塩としては、例えば、酢酸亜鉛、酢酸カルシウム、酢酸ストロンチウム、酢酸マグネシウム、ギ酸亜鉛、ギ酸カルシウム、ギ酸ストロンチウム、ギ酸銅(II)、ギ酸マグネシウム、安息香酸カルシウム、安息香酸マグネシウム、安息香酸亜鉛、乳酸カルシウム、乳酸マグネシウム、乳酸アルミニウム、乳酸鉄(II)、乳酸銅、アスコルビン酸カルシウム、アスコルビン酸マグネシウム、プロピオン酸カルシウム、プロピオン酸マグネシウム、グルコン酸カルシウム、グルコン酸マグネシウム、グルコン酸亜鉛、グルコン酸銅、クエン酸亜鉛、クエン酸銅、及びこれらの水和物から選ばれる1種又は2種以上があげられる。
また、無機酸の多価金属塩である水溶性多価金属塩としては、例えば、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、塩化カルシウム、塩化ストロンチウム、塩化鉄、塩化銅(II)、塩化ニッケル、塩化マグネシウム、塩化マンガン(II)、臭化亜鉛、臭化カルシウム、臭化ストロンチウム、臭化鉄(II)、臭化銅(II)、臭化マグネシウム、ヨウ化亜鉛、ヨウ化カルシウム、ヨウ化マグネシウム、硝酸アルミニウム、硝酸カルシウム、硝酸ストロンチウム、硝酸鉄(III)、硝酸銅(II)、硝酸マグネシウム、硫酸亜鉛、硫酸アルミニウム、硫酸鉄(II)、硫酸鉄(III)、硫酸銅、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウムカリウム、リン酸二水素カルシウム、炭酸水素カルシウム、及びこれらの水和物から選ばれる1種又は2種以上があげられる。
水溶性多価金属塩の配合量は、塩種や配合目的に応じて適宜調整し得るものであり、特に限定されない。
水溶性多価金属塩の含有量の下限は、例えば、前処理液中に固形分換算で0.1質量%以上、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上である。また、水溶性多価金属塩の含有量の上限は、例えば、前処理液中に固形分換算で20質量%以下、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下である。
水溶性多価金属塩の含有量は、例えば、前処理液中に固形分換算で0.1~20質量%、好ましくは0.5~15質量%、より好ましくは1~10質量%である。
<インク組成物>
(A.白色顔料)
本発明中のインク組成物はA.白色顔料を含有する。白色顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化アルミニウム等が挙げられ、好ましくは、アルミナとシリカで表面処理された酸化チタン、アルミナとシリカ及び有機物で表面処理された酸化チタンが挙げられる。
インク組成物における白色顔料の含有量は、インク組成物の総質量に対して1.0質量%以上が好ましく、4.0質量%以上がより好ましく、7.0質量%以上が更に好ましい。また、20.0質量%以下が好ましく、15.0質量%以下がより好ましく、13.0質量%以下が更に好ましい。白色顔料の含有量が1.0質量%未満では、得られる印刷物の画像品質が低下する傾向がある。一方、20.0質量%を超えると、インク組成物の粘度特性に悪影響を与える傾向がある。
(その他の顔料)
本発明において、インク組成物中に白色以外の顔料を配合しても良い。
このような顔料としては、通常のインク組成物で従来から使用されている有機顔料や無機顔料を特に制限なく使用できる。
そして有機顔料としては、例えば、染料レーキ顔料、アゾ系、ベンズイミダゾロン系、フタロシアニン系、キナクリドン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、インジゴ系、チオインジコ系、ペリレン系、ペリノン系、ジケトピロロピロール系、イソインドリノン系、ニトロ系、ニトロソ系、アンスラキノン系、フラバンスロン系、キノフタロン系、ピランスロン系、インダンスロン系の顔料等が挙げられる。無機顔料としては、カーボンブラック、酸化チタン、ベンガラ、黒鉛、鉄黒、酸化クロムグリーン、水酸化アルミニウム等が挙げられる。
また、顔料の具体例としては以下のものが挙げられる。
イエロー顔料としては、例えば、C.I.PigmentYellow1、2、3、12、13、14、16、17、42、73、74、75、81、83、87、93、95、97、98、108、109、114、120、128、129、138、139、150、151、155、166、180、184、185、213等が挙げられ、好ましくは、C.I.PigmentYellow150、155、180、213等が挙げられる。
マゼンタ顔料としては、例えば、C.I.PigmentRed5、7、12、22、38、48:1、48:2、48:4、49:1、53:1、57、57:1、63:1、101、102、112、122、123、144、146、149、168、177、178、179、180、184、185、190、202、209、224、242、254、255、270、C.I.PigmentViolet19等が挙げられ、好ましくは、C.I.PigmentRed122、202、PigmentViolet19等が挙げられる。
シアン顔料としては、例えば、C.I.PigmentBlue1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、18、22、27、29、60等で、好ましくは、C.I.PigmentBlue15:4等が挙げられる。
ブラックインク組成物として使用するためのブラック顔料としては、例えば、カーボンブラック(C.I.Pigment Black7)等が挙げられる。
なお、上記白色顔料とその他の顔料は共に着色樹脂粒子ではなくても良い。
(顔料分散剤)
本発明中のインク組成物は、必要に応じて顔料分散剤を含有していてもよい。
顔料分散剤は、顔料の分散性、本発明のインク組成物の保存安定性を向上させるために使用するもので、従来から使用されているものを特に制限なく使用できるが、その中でも高分子分散剤を使用することが好ましい。このような顔料分散剤としては、カルボジイミド系分散剤、ポリエステルアミン系分散剤、脂肪酸アミン系分散剤、変性ポリアクリレート系分散剤、変性ポリウレタン系分散剤、多鎖型高分子非イオン系分散剤、高分子イオン活性剤等が挙げられる。これら顔料分散剤は単独で又は2種以上を混合して使用できる。
上記顔料分散剤は、使用する全顔料の量を100質量部としたときに、1~200質量部含有することが好ましい。顔料分散剤の含有量が1質量部未満では、顔料分散、本発明のインク組成物の貯蔵安定性が低下する場合がある。一方、200質量部を超えて含有させることもできるが効果に差がでない場合もある。顔料分散剤の含有量のより好ましい下限は5質量部、より好ましい上限は60質量部である。
(B.酸価が200mgKOH/g以上であり、かつ、カルボキシル基を有する単量体と疎水性基含有単量体を単量体成分として含有するアクリル系共重合樹脂であるアルカリ可溶性樹脂の含有量がインク組成物中1.0~3.0質量%)
酸価が200mgKOH/g以上のアルカリ可溶性樹脂は、カルボキシル基を有する単量体と疎水性基含有単量体を単量体成分として含有するものである。そして、このアルカリ可溶性樹脂はインク組成物中に1.0質量%以上含有される。そして1.3質量%以上が好ましく、1.5質量%以上がより好ましい。また、3.0質量%以下含有される。そして2.6質量%以下が好ましく、2.3質量%以下がより好ましい。
前記アルカリ可溶性樹脂の含有量は、前記顔料100質量部に対して、顔料の分散性を高める観点から、5.0質量部以上であることが好ましく、15.0質量部以上であることがより好ましい。前記アルカリ可溶性樹脂の含有量は、前記顔料100質量部に対して、インク組成物の粘度を低下させる観点から、100.0質量部以下であることが好ましく、70.0質量部以下であることがより好ましく、40.0質量部以下であることがさらに好ましい。
アクリル系共重合樹脂としては、例えば、カルボキシル基を有する単量体と、共重合可能な他の単量体の混合物を、通常のラジカル発生剤(例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ターシャリブチルパーオキシベンゾエート、アゾビスイソブチロニトリルなど)の存在下、溶媒中で重合して得られるものが使用できる。
カルボキシル基を有する単量体に加えて、スルホン酸基、ホスホン酸基よりなる群から選ばれる少なくとも1種のアニオン性基を有する単量体を併用しても良い。但し、アニオン性基含有単量体としてカルボキシル基を有する単量体のみを使用することが特に好ましい。
前記カルボキシル基を有する単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、2-カルボキシエチル(メタ)アクリレート、2-カルボキシプロピル(メタ)アクリレート、無水マレイン酸、無水フマル酸、マレイン酸ハーフエステルなどが挙げられる。また、前記スルホン酸基を有する単量体としては、例えば、スルホエチルメタクリレートなどが挙げられる。また、前記ホスホン酸基を有する単量体としては、例えば、ホスホノエチルメタクリレートなどが挙げられる。
カルボキシル基を有する単量体と共重合可能な他の単量体としては、顔料との吸着性を向上させる観点から、疎水性基含有単量体を含む単量体である。
前記疎水性基含有単量体としては、例えば、長鎖アルキル基を有する単量体として、(メタ)アクリル酸などのラジカル重合性不飽和カルボン酸の炭素数が8以上のアルキルエステル類(例えば、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシステアリル(メタ)アクリレートなど)、炭素数が8以上のアルキルビニルエーテル類(例えば、ドデシルビニルエーテルなど)、炭素数が8以上の脂肪酸のビニルエステル類(例えば、ビニル2-エチルヘキサノエート、ビニルラウレート、ビニルステアレートなど);脂環族炭化水素基を有する単量体として、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなど;芳香族炭化水素基を有する単量体として、ベンジル(メタ)アクリレート、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエンなどのスチレン系単量体などが挙げられる。前記疎水性基含有単量は単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
前記カルボキシル基を有する単量体と共重合可能な他の単量体としては、水性媒体中でアルカリ可溶性樹脂の凝集を抑制する観点から、親水性基含有単量体を含むことができる。
前記親水性基含有単量体としては、例えば、(ポリ)オキシアルキレン鎖を有する単量体として、メトキシポリエチレングリコール、メトキシポリエチレンポリプロピレングリコール、エトキシポリエチレングリコール、エトキシポリエチレンポリプロピレングリコール、プロポキシポリエチレングリコール、プロポキシポリエチレンポリプロピレングリコールなどの片末端アルキル封鎖(ポリ)アルキレングリコールと(メタ)アクリル酸などのラジカル重合性不飽和カルボン酸とのエステル化物や、(メタ)アクリル酸などのラジカル重合性不飽和カルボン酸へのエチレンオキシド付加物及び/又はプロピレンオキシド付加物など;塩基性基含有単量体として、例えば、1-ビニル-2-ピロリドン、1-ビニル-3-ピロリドンなどのビニルピロリドン類、2-ビニルピリジン、4-ビニルピリジン、5-メチル-2-ビニルピリジン、5-エチル-2-ビニルピリジンなどのビニルピリジン類、1-ビニルイミダゾール、1-ビニル-2-メチルイミダゾールなどのビニルイミダゾール類、3-ビニルピペリジン、N-メチル-3-ビニルピペリジンなどのビニルビペリジン類、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸第3ブチルアミノエチル、(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-メトキシ(メタ)アクリルアミド、N-エトキシ(メタ)アクリルアミド、N-ジメチルアクリルアミド、N-プロピルアクリルアミドなどの(メタ)アクリル酸の含窒素誘導体類など;水酸基を有する単量体として、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル類など;エポキシ基を有する単量体として、例えば、グリシジル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。前記親水性基含有単量体は単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
前記疎水性基含有単量体、および親水性基含有単量体以外の共重合可能な他の単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなどの(メタ)アクリル酸の炭素数が8未満のアルキルエステル類などが挙げられる。前記疎水性基含有単量体、および親水性基含有単量体以外の共重合可能な他の単量体は単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
アルカリ可溶性樹脂は、構成する単量体の質量比で、好ましくはスチレン/ラジカル重合性不飽和カルボン酸の炭素数が8以上のアルキルエステル/(メタ)アクリル酸=35~55/25~35/15~35、より好ましくはスチレン/アクリル酸ラウリル/アクリル酸=35~55/25~35/15~35である。
また好ましくは炭素数が8以下の脂環族炭化水素の(メタ)アクリル酸エステル/アクリル酸/メタクリル酸=50~70/13~25/15~25、より好ましくはアクリル酸シクロヘキシル/アクリル酸/メタクリル酸=50~70/13~25/15~25である。
前記アルカリ可溶性樹脂は、当該樹脂を適度に架橋して、顔料の凝集を抑制させる観点から、2官能以上の架橋剤を使用してもよく、架橋させなくてもよい。
前記2官能以上の架橋剤は、アルカリ可溶性樹脂が有する官能基と反応するために、分子内に2つ以上の反応性官能基を有するものであればよい。当該反応性官能基としては、例えば、エポキシ基、水酸基、イソシアネート基、アミノ基、アジリジン基などが挙げられる。さらに、水中に分散、乳化、溶解されているか、または水中に分散できる、乳化できる及び/または溶解できる架橋剤が特に好ましい。前記2官能以上の架橋剤は単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
前記アルカリ可溶性樹脂の酸価は、前処理液に含有れる有機酸との反応性を高める観点から、200mgKOH/g以上であり、210mgKOH/g以上がより好ましく、220mgKOH/g以上がさらに好ましい、また、前記アルカリ可溶性樹脂の酸価は、印刷物の耐水性を向上させる観点から、300mgKOH/g以下が好ましく、250mgKOH/g以下がより好ましく、240mgKOH/g以下がさらに好ましい。なお、前記酸価は、アルカリ可溶性樹脂を合成するために用いる単量体の組成に基づいて、アルカリ可溶性樹脂1gを中和するのに理論上要する水酸化カリウムのmg数を算術的に求めた理論酸価である。
前記アルカリ可溶性樹脂のガラス転移温度は、印刷物の耐ブロッキング性を向上させる観点から、0℃以上が好ましく、20℃以上がより好ましく、40℃以上がさらに好ましい。前記アルカリ可溶性樹脂のガラス転移温度は、印刷物の耐折り曲げ性を向上させる観点から、100℃以下が好ましく、80℃以下がより好ましく60℃以下がさらに好ましい。
前記アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量は、印刷物の耐水性を向上させる観点から、5,000以上であり、8,000以上がより好ましく、9,000以上が更に好ましい。前記アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量は、水性媒体への溶解性を高める観点から、50,000以下であり、40,000以下が好ましく、30,000以下がより好ましい。
また、このアルカリ可溶性樹脂は、塩基性化合物により中和されていても良い。その塩基性化合物としては、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物や、アルキルアミン、アルカノールアミン等の有機塩基性化合物を挙げることができる。
(C.ガラス転移温度が-25℃~10℃の水分散性樹脂)
C.水分散性樹脂として、アクリル系樹脂エマルジョン、スチレンアクリル系樹脂エマルジョン、ポリウレタン系樹脂エマルジョン及びポリオレフィン系樹脂エマルジョンから選ばれた1種以上を採用できる。中でもアクリル系樹脂エマルジョン及び/又はスチレンアクリル系樹脂エマルジョンのみを使用することが好ましい。
この水分散性樹脂のガラス転移温度は-25℃~10℃であり、中でも-20℃以上のもの、-15℃以上のもの、-10℃以上のもの、―5℃以上のもの、0℃以上のもの、3℃以上のものが順に好ましい。
本発明中のインク組成物中の水分散性樹脂の固形分の割合は、印刷画質および耐擦過性を向上させる観点から、10.0質量%以上が好ましく、13.0質量%以上がより好ましく、そして、印刷画質を向上させる観点から、30.0質量%以下が好ましく、25.0質量%以下がより好ましい。
また本発明中のインク組成物中の樹脂と顔料の合計量に対する、水分散性樹脂の固形分の割合は、印刷画質および耐擦過性を向上させる観点から、30.0質量%以上が好ましく、40.0質量%以上がより好ましく、50.0質量%以上がさらに好ましく、60.0質量%以上が最も好ましい。そして、印刷画質を向上させる観点から、93.0質量%以下が好ましく、90.0質量%以下がより好ましい。
また水分散性樹脂の酸価は、耐酸性を高める観点から、25.0mgKOH/g以下が好ましく、20.0mgKOH/g以下がより好ましく、15.0mgKOH/g以下がさらに好ましく、13.0mgKOH/g以下が最も好ましく、0mgKOH/gでもよく、5.0mgKOH/g以上が好ましい。なお、前記酸価は、アルカリ可溶性樹脂を合成するために用いる単量体の組成に基づいて、アルカリ可溶性樹脂1gを中和するのに理論上要する水酸化カリウムのmg数を算術的に求めた理論酸価である。
アクリル系樹脂エマルジョンは、下記の単量体から1種又は2種以上を混合した重合体である。
例えば、炭素数1~18のアルキル基を有するアルコールとの(メタ)アクリル酸エステル、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。なお、(メタ)アクリレートとは、アクリレートとメタクリレートの総称である。また、上記に加えて下記エチレン性不飽和単量体を併用しても良い。例えば、アクリロニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、スチレン、アクリル酸、メタクリル酸、(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-メトキシメチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
中でも本発明による効果をより発揮させるには、(メタ)アクリル酸、メタアクリル酸アルキル及びアクリル酸アルキルの3種のモノマーを共重合してなる共重合体が好ましく、さらに、この共重合体中の各モノマーの構成は、(メタ)アクリル酸が0.5~10.0質量部、メタアクリル酸アルキルが15.0~60.0質量部及びアクリル酸アルキルが30.0~80.0質量部であることが好ましい。
スチレンアクリル系樹脂エマルジョンは、スチレンアクリル系樹脂が水に分散したエマルジョンであり、乳化重合、分散重合、懸濁重合、粉砕又は溶液/バルク重合、その後の後乳化により製造できる。
この方法及び安定化剤についての詳しい情報は、“Emulsion Polymerization and Emulsion Polymer”(P.A.Lovell,M.S.El-Aasser,John Wiley & Sons Ltd.,England、1977年、引用することにより本明細書に包含する)に記載されている。
スチレンアクリル系樹脂エマルジョンの市販品としては、M6963(ジャパンコーティングレジン社)J-450、J-734、J-7600、J-352、J-390、J-7100、J-741、J-74J、J-511、J-840、J-775、HRC-1645、HPD-71、PDX-6102B、JDX-5050(スチレンアクリル系樹脂エマルジョン、BASF社)、UC-3900(スチレンアクリル系樹脂エマルジョン、東亜合成社)などが挙げられる。
前記ポリウレタン系樹脂エマルジョンは、ポリウレタン樹脂が水に分散したエマルジョンであり、アニオン性、カチオン性、ノニオン性のいずれも使用できるが、アニオン性、ノニオン性が好ましい。また、前記ポリウレタン樹脂としては、例えば、ポリエーテル系ポリウレタン樹脂、ポリエステル系ポリウレタン樹脂、ポリエステル・ポリエーテル系ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂などが挙げられる。前記ポリウレタン系樹脂エマルジョンは単独で、または2種以上を組み合わせて使用できる。
前記ポリウレタン系樹脂エマルジョンの市販品としては、例えば、「スーパーフレックス210」(第一工業製薬社、アニオン性ポリエステル系ポリウレタン樹脂)、「スーパーフレックス130」(第一工業製薬社、アニオン性ポリエーテル系ポリウレタン樹脂)、「スーパーフレックス500M」(第一工業製薬社、ノニオン性ポリエステル系ポリウレタン樹脂)、「スーパーフレックス460」(第一工業製薬社、アニオン性ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂)、「インプラニールDLP」(住化コベストロウレタン社、アニオン性ポリエステル系ポリウレタン樹脂)、「バイボンド PU407」(住化コベストロウレタン社、アニオン性/非イオン性ポリエステル系ポリウレタン樹脂)、スーパーフレックス420NS (第一工業製薬社、アニオン性ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂)、タケラックWシリーズ(ポリウレタン系樹脂エマルジョン、三井化学社)、R967、酸価19mgKOH/g、(商品名「NeoRez R-967、ポリエーテルポリウレタン系エマルジョン(固形分濃度40質量%)、DSM Neoresins社)などが挙げられる。
前記ポリオレフィン系樹脂エマルジョンは、ポリオレフィン系樹脂が水に分散したエマルジョンである。前記ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブチレン樹脂、ならびにエチレン、プロピレン、およびブチレンのうち2種以上を共重合させたポリオレフィン樹脂などが挙げられる。また、前記ポリオレフィン樹脂は、ポリオレフィン鎖に対して、アミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アクリロイル基、その他の高分子鎖を導入した変性ポリオレフィン樹脂;ポリオレフィン鎖の一部を酸化処理した酸化ポリオレフィン樹脂;一部をハロゲンで処理したハロゲン化ポリオレフィン樹脂などであってもよい。前記ポリオレフィン系樹脂エマルジョンは単独で、または2種以上を組み合わせて使用できる。
前記ポリオレフィン系樹脂エマルジョンの市販品としては、例えば、「ケミパールS100」(三井化学社、ポリエチレン系樹脂エマルジョン)、「ケミパールXEP800H」(三井化学社、ポリプロピレン系樹脂エマルジョン)、「アローベースTC-4010」(ユニチカ社、ポリプロピレン系樹脂エマルジョン)などが挙げられる。
樹脂エマルジョンには、前記アクリル系樹脂エマルジョン、前記スチレンアクリル系樹脂エマルジョン、前記ポリウレタン系樹脂エマルジョンおよび前記ポリオレフィン系樹脂エマルジョン以外の、インク組成物に使用される、AP4710(アクリルーシリコン系樹脂エマルジョン、昭和高分子社)等の公知の樹脂エマルジョン(その他の樹脂エマルジョン)を、本発明の効果を損なわない範囲で含むことができる。当該その他の樹脂エマルジョンとしては、例えば、ポリ酢酸ビニル系樹脂エマルジョン、ポリ塩化ビニル系樹脂エマルジョンなどが挙げられる。
前記樹脂エマルジョン中、前記スチレンアクリル系樹脂エマルジョン及び/又は前記ポリウレタン系樹脂エマルジョンは、耐擦過性などの塗膜耐性を向上させる観点から、70質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましく、95質量%以上が最も好ましい。
(D.シリコン系界面活性剤)
本発明中のインク組成物は、印刷や捺染工程を最適化させるためにD.シリコン系界面活性剤を含有でき、さらにインクジェット用インク組成物にする際には、使用するインクジェットヘッドに応じて、界面活性剤として従来からインク組成物に使用されているD.シリコン系界面活性剤を、吐出安定性を改良するために含有することが好ましい。
シリコン系界面活性剤の具体例としては、BYK-377(ビックケミー社)等のポリエーテル変性水酸基含有ポリジメチルシロキサン、BYK-302、BYK-306、BYK-331、BYK-333、BYK-349やBYK-378(ビックケミー社)等のポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、BYK-307やBYK-375(ビックケミー社)等のポリエーテルエステル変性ポリジメチルシロキサン、BYK-310やBYK-313(ビックケミー社)等のポリエステル変性ポリジメチルシロキサン、BYK-370(ビックケミー社)等のポリエステル変性水酸基含有ポリジメチルシロキサン、ポリエステル変性メチルアルキルポリシロキサン、BYK-3566(ビックケミー社)等のシリコンおよびポリエーテルのマクロマー変性アクリレート等が挙げられる。これらは単独又は2種以上を併用して用いることができる。
本発明中のインク組成物における界面活性剤の含有量は、好ましくは0.005~1.0質量%である。0.005質量%未満であると、本発明のインク組成物の表面張力が高くなり、インクジェットヘッドからの吐出安定性が低下する。一方、1.0質量%を超えると、インク組成物中に泡が増加し吐出安定性が低下する。
(E.水)
本発明中のインク組成物は溶媒として水を使用する。又は更に水溶性有機溶媒の混合溶媒を水に含有させても良い。
この水溶性有機溶媒としては、例えば、モノアルコール類、多価アルコール類、多価アルコールの低級アルキルエーテル類、ケトン類、エーテル類、エステル類、窒素含有化合物類等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの水溶性有機溶媒としては、上記の前処理液にて使用できるものを同程度の含有量となるように使用できる。
(添加剤)
本発明中のインク組成物には、必要に応じて種々の機能性を発現させるため、各種の添加剤を添加することができる。具体的には、その他の界面活性剤、表面調整剤、光安定化剤、表面処理剤、酸化防止剤、老化防止剤、架橋促進剤、重合禁止剤、可塑剤、防腐剤、pH調整剤、消泡剤、保湿剤等が挙げられる。また、ビヒクルとして機能するが硬化性ではない樹脂を配合しても良く、配合しなくても良い。また、溶媒を含有させても良いが、含有しなくても良い。
(塩基性化合物)
本発明中のインク組成物には、アルカリ可溶性樹脂を溶解させる観点から、塩基性化合物を含有しても良い。前記塩基性化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの無機塩基性化合物;アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、モノエタノールアミン、N,N-ジメチルエタノールアミン、N,N-ジエチルエタノールアミン、N,N-ジブチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、N-メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、N-メチルモルホリン、N-エチルモルホリンなどの有機塩基性化合物などが挙げられる。前記塩基性化合物は単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明中のインク組成物中の前記塩基性化合物の割合は、前記アルカリ可溶性樹脂を媒体中に溶解させる量であればよいが、通常、アルカリ可溶性樹脂の分散安定性を高める観点から、0.05質量%以上であることが好ましく、0.1質量%以上であることがより好ましく、そして、印刷物の耐水性を高める観点から、1質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下であることがより好ましい。
本発明中のインク組成物には、さらに、目的に応じて公知の樹脂、顔料分散剤、防黴剤、防錆剤、増粘剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、保存性向上剤、消泡剤、pH調整剤などの添加剤を添加することができる。
<前処理液の調製方法>
本発明中の前処理液は、水に対して、有機酸及び必要に応じて界面活性剤等の所定量を任意の順で添加して調製できる。
<インク組成物の調製方法>
本発明中のインク組成物を調製(製造)する方法としては、特に限定されず、上記の成分を順番に、あるいは同時に添加して、混合すればよい。例えば、下記(1)や(2)の方法を採用できる。
(1)前記塩基性化合物の存在下にアルカリ可溶性樹脂を水に溶解した水性樹脂ワニス、顔料、必要に応じて顔料分散剤などを混合した後、各種分散機、例えばボールミル、アトライター、ロールミル、サンドミル、アジテーターミルなどを利用して顔料分散液(インクベース)を調製し、さらに残りの材料を添加して、インク組成物を調製する方法。
(2)上記の方法で顔料を分散した後、酸析法や再公表特許WO2005/116147号公報に記載の公知のイオン交換手段などにより、顔料表面にアルカリ可溶性樹脂を析出させた樹脂被覆顔料を得、次いで得られた樹脂被覆顔料を塩基性化合物で中和し、各種分散機(高速撹拌装置など)を用いて水に再分散し、さらに残りの材料を添加して、インク組成物を調製する方法。
本発明中のインク組成物は、製造後の初期粘度が2.0~15.0mPa・s、好ましくは3.0~12.0mPa・sの範囲である。粘度は、例えば、E型粘度計(商品名「RE100L型粘度計」、東機産業社)により測定できる。
<本発明のインクセットによる印刷方法>
本発明のインクセットによる印刷方法は、印刷用紙、樹脂フィルム等の被印刷基材表面に対して、前処理液を塗布する工程と、インク組成物により印刷を行う印刷工程の2つの工程からなる。
前処理液を塗布する工程はインクジェット印刷により行っても良く、その他の周知の方法により行ってもよい。
この2つの工程に関して、インク組成物により印刷を行う工程は、塗布された前処理液が乾燥してないウエットオンウエットで行ってもよく、塗布された前処理液を乾燥させた後に行うドライオンウェットで行ってもよい。
<前処理液>
前処理液1(酢酸20質量部、サーフィノール440(アセチレンジオール系界面活性剤、HLB8、EVONIK社)を0.2質量部、及び精製水を撹拌混合し、100質量部としたもの)
前処理液2(前処理液1において酢酸を10質量部としたもの)
前処理液3(前処理液1において酢酸を乳酸(1気圧下で沸点が120℃を超える有機酸)に置換したもの)
<インク組成物>
(顔料)
JR-809(商品名「JR-809」、シリカとアルミナで処理された酸化チタン、平均粒子径0.23μm、DBP給油量24ml/100g、テイカ社)
PF-690(商品名「PF-690」、シリカとアルミナと有機物で処理された酸化チタン、平均粒子径0.21μm、DBP給油量16ml/100g、石原産業社)
(アルカリ可溶性樹脂)
アルカリ可溶性樹脂1(重量平均分子量9,500、酸価235mgKOH/gの、アクリル酸シクロヘキシル/アクリル酸/メタクリル酸=65/16/19の共重合体)
アルカリ可溶性樹脂2(重量平均分子量30,000、酸価220mgKOH/gの、スチレン/アクリル酸ラウリル/アクリル酸=40/30/30の共重合体)
(アルカリ可溶性樹脂ワニス)
上記アルカリ可溶性樹脂1を25質量部と、中和当量100%となる水酸化ナトリウムと、精製水を混合して100質量部とし、90℃で加熱撹拌して溶解させ、アルカリ可溶性樹脂ワニス1とした。
同様にして、上記アルカリ可溶性樹脂2を25質量部と、中和当量が100%となる質量の水酸化ナトリウムと、精製水を混合して100質量部とし、90℃で加熱撹拌して溶解させ、それぞれアルカリ可溶性樹脂ワニス2とした。
(水性白色インクベース)
JR-809を50質量部、アルカリ可溶性樹脂ワニス1を40質量部、及び精製水10質量部を撹拌混合後、湿式サーキュレーションミルで練肉を行い、水性白色インクベース1を調製した。
同様にして、PF-690を50質量部、アルカリ可溶性樹脂ワニス2を40質量部、及び精製水10質量部を撹拌混合後、湿式サーキュレーションミルで練肉を行い、水性白色インクベース2を調製した。
(水分散性樹脂)
(水分散性樹脂1(Tg=0℃)の製造方法)
アクリル酸1.5質量部、メタクリル酸メチル46.1質量部、アクリル酸ブチル52.4質量部からなる単量体の混合物に、界面活性剤としてアクアロンHS-10(第一工業製薬社)を3質量部加え、更に蒸留水46質量部に過硫酸カリウム0.3質量部を溶解した水溶液を加え、撹拌機であらかじめ乳化した。撹拌機、冷却管、温度計、窒素導入管を取り付けた重合容器に蒸留水20質量部を入れ、窒素置換し80℃に昇温したところへ、上記単量体の乳化液を3時間かけて滴下し、さらに2時間反応させて重合を終えた。ただし、重合後期に少量の過硫酸カリウムを添加して残存単量体を消費させた。得られたエマルションに水酸化ナトリウムを加えてpHを7.5に調整したのち、固形分濃度が50質量%となるように蒸留水を加えて、水分散性樹脂1(ガラス転移温度0℃、固形分50質量%)を得た。
(水分散性樹脂2(Tg=5℃)の製造方法)
上記アクリル樹脂エマルション1の製造において、単量体の組成を、アクリル酸1.5質量部、メタクリル酸メチル49.5質量部、アクリル酸ブチル49.0質量部からなる単量体に変更し、同様の方法にて製造した。
(水分散性樹脂3(Tg=-20℃)の製造方法)
上記アクリル樹脂エマルション1の製造において、単量体の組成を、アクリル酸1.5質量部、メタクリル酸メチル31.1質量部、アクリル酸ブチル67.4質量部からなる単量体に変更し、同様の方法にて製造した。
(水分散性樹脂4(Tg=-30℃)の製造方法)
上記アクリル樹脂エマルション1の製造において、単量体の組成を、アクリル酸1.5質量部、メタクリル酸メチル22.8質量部、アクリル酸ブチル75.7質量部からなる単量体に変更し、同様の方法にて製造した。
M6963(商品名「M6963」、スチレン-アクリル系エマルジョン(Tg=-26℃、固形分濃度45質量%)、酸価10mgKOH/g未満、ジャパンコーティングレジン社)
(シリコン系界面活性剤)
BYK-377(ポリエーテル変性水酸基含有ポリジメチルシロキサン、ビックケミー社)
(溶剤)
グリセリン
プロピレングリコール
(添加剤)
E1010(商品名「オルフィンE-1010」、アセチレンジオール系界面活性剤、HLB13、日信化学工業社)
<インク組成物の製造>
表1に示す通り各成分を撹拌混合して、各実施例及び比較例のインク組成物を得た。
Figure 2023111354000001
<捺染物の作製>
実施例及び比較例の前処理液を、綿100%の黒色布帛のA4サイズの面積当たり10g含浸させた後に加熱乾燥して印刷媒体を得た。
前記印刷媒体に対して、SPECTRA社ヘッドを搭載した評価用プリンターと、実施例および比較例のインク組成物を用いてベタ画像を印字して捺染物を得た。
<評価方法>
(洗濯堅牢度)
実施例1~5及び比較例1~4の捺染物を家庭用洗濯機で通常の洗濯(洗濯条件:通常モードでの洗濯→脱水→乾燥、洗濯時の水温20℃程度)を5回実施し、各捺染物の洗濯前と洗濯後の明度を色差計(製品名「DR-321」、コニカミノルタ社)を用いて測定し、洗濯前の明度(L*)の初期値からの変化率を測定し、以下の基準で評価した。
◎:洗濯後において画像濃度が初期値の90%以上を保つもの
○:洗濯後において画像濃度が初期値の80%以上90%未満のもの
△:洗濯後において画像濃度が初期値の70%以上80%未満のもの
×:洗濯後において画像濃度が初期値の70%未満のもの
(タック性)
捺染物の白色ベタ部分を指触により、以下の基準で評価した。
○:塗膜が指に貼り付かない
△:塗膜が指に貼り付くが、すぐに剥がれる
×:塗膜が指に貼り付く
本発明に沿った例である実施例1~5によれば、洗濯堅牢度及びタック性に優れた画像等を形成できる。しかし、水分散性樹脂としてM6963を含有させた比較例1、及びガラス転移温度が-30℃の水分散性樹脂を含有させた比較例2によれば、捺染物のタック性が良くなかった。また、シリコン系界面活性剤を含有しない比較例3によれば、洗濯堅牢度が不十分であり、タック性も良くなかった。また、1気圧下で沸点が120℃を超える有機酸を使用した比較例4によれば、洗濯堅牢度が不十分であった。

Claims (4)

  1. 前処理液とインク組成物とを有するインクセットであって、
    前処理液が1気圧下で沸点120℃以下の有機酸を含有し、
    インク組成物が下記A~Eを含有する、
    インクセット。
    A.白色顔料
    B.酸価が200mgKOH/g以上であり、かつ、カルボキシル基を有する単量体と疎水性基含有単量体を単量体成分として含有するアクリル系共重合樹脂であるアルカリ可溶性樹脂の含有量がインク組成物中1.0~3.0質量%
    C.ガラス転移温度が-25℃~10℃の水分散性樹脂
    D.シリコン系界面活性剤
    E.水
  2. C.インク組成物の水分散性樹脂の固形分の割合が10.0~30.0質量%である請求項1に記載のインクセット。
  3. インクジェット印刷用である請求項1又は2に記載のインクセット。
  4. 捺染用である請求項1~3のいずれか1項に記載のインクセット。
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