JP2023111092A - 潜在抑制機能障害を呈する疾患の予防又は治療剤 - Google Patents

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貴博 村岡
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Abstract

【課題】潜在抑制機能障害を呈する疾患に対する新たな予防又は治療剤を提供することを課題とする。【解決手段】フェニルベンゾアミド誘導体又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含む、潜在抑制機能障害を呈する疾患の予防又は治療剤を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、フェニルベンゾアミド誘導体、蛍光剤、潜在抑制機能障害を呈する疾患の予防又は治療剤、及び潜在抑制機能障害を呈する疾患の予防又は治療用医薬組成物に関する。
注意欠陥・多動性障害(Attention Deficit and Hyperactivity Disorder;ADHD)は、不注意、多動性、及び衝動性等の症状を伴う発達障害の一種である。注意欠陥・多動性障害は小児のみならず成人においても珍しくない障害であり、その有病率は、小児では3~7%、成人では約4~6%に達すると推計されている。
注意欠陥・多動性障害の患者は、学校や職場での社会生活や家庭での日常生活にしばしば支障をきたし、その結果としてうつ病や不眠等を発症する場合も少なくない。それ故、社会的損失が極めて大きいために、その予防及び治療法の開発は重要な課題となっている。
注意欠陥・多動性障害の治療法として、現状では認知行動療法やソーシャルスキルトレーニング等の心理療法が主に行われている。しかし、心理療法は有効性が認められる場合がある反面、患者は治療プログラムへの参加や通院が必要となるため、QOL低下が避けられない点が問題である。一方、薬剤投与により注意欠陥・多動性障害を治療することができれば、患者のQOLを改善し得ると考えられる。
非特許文献1には、注意欠陥・多動性障害の小児に対する3年間に亘る追跡調査の結果が開示されている。追跡調査の開始前に14か月の投薬を行った投薬群では、調査開始から36か月後に対照群に対する差が見い出されなかったことが記載されている。
非特許文献2には、注意欠陥・多動性障害に対する治療薬が、動物実験において生殖機能を損なった結果が記載されている。
非特許文献1~2に開示されているように、安全かつ有効に使用できる治療薬は十分に開発されていないのが現状である。したがって、注意欠陥・多動性障害等の潜在抑制機能障害を呈する疾患に対する新たな治療薬の開発が求められている。
J Am Acad Child Adolesc Psychiatry, 2007, 46(8):989-1002. Int J Risk Saf Med, 2017, 29(1-2):107-124.
本発明の目的は、潜在抑制機能障害を呈する疾患に対する新たな予防又は治療剤を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために、アルキル鎖を付加した新たなフェニルベンゾアミド誘導体を合成した。このフェニルベンゾアミド誘導体を潜在抑制機能障害のモデルマウスに投与した結果、その症状が大幅に改善されることを見出した。さらに、アルキル鎖を有するフェニルベンゾアミド誘導体が蛍光性を示すことも見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明は、上記研究成果に基づくものであって、以下を提供する。
(1)以下の式(I)で示されるフェニルベンゾアミド誘導体又はその薬学的に許容される塩からなる蛍光剤。
Figure 2023111092000001
[式中、Rは、任意に置換されていてもよい、炭素数1以上のアルキル基である]
(2)前記アルキル基の炭素数が1~10である、(1)に記載の蛍光剤。
(3)前記アルキル基の炭素数が3又は7である、(1)に記載の蛍光剤。
(4)励起波長が220nm~400nmである、(1)~(3)のいずれかに記載の蛍光剤。
(5)以下の式(I)で示されるフェニルベンゾアミド誘導体又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含む、潜在抑制機能障害を呈する疾患の予防又は治療剤。
Figure 2023111092000002
[式中、Rは、任意に置換されていてもよい、炭素数1以上のアルキル基である]
(6)前記アルキル基の炭素数が1~10である、(5)に記載の予防又は治療剤。
(7)前記アルキル基の炭素数が3又は7である、(5)に記載の予防又は治療剤。
(8)(5)~(7)のいずれかに記載の予防又は治療剤を含む、潜在抑制機能障害を呈する疾患の予防又は治療用医薬組成物。
(9)前記潜在抑制機能障害を呈する疾患が、発達障害又は統合失調症である、(8)に記載の医薬組成物。
(10)前記フェニルベンゾアミド誘導体又はその薬学的に許容される塩が1 μmol/kg体重~1000 μmol/kg体重の用量で投与される、(8)又は(9)に記載の医薬組成物。
(11)以下の式(II)で示されるフェニルベンゾアミド誘導体。
Figure 2023111092000003
本発明によれば、潜在抑制機能障害を呈する疾患に対する新たな予防又は治療剤を提供することができる。
フェニルベンゾアミド誘導体である、PBA-C0-OH、PBA-C3-OH、及びPBA-C7-OHのメタノール溶液に対して310 nmの励起光を照射した際の蛍光スペクトルを示す図である。図1Aは、PBA-C0-OHの蛍光スペクトルを示す。図1Bは、PBA-C3-OHの蛍光スペクトルを示す。図1Bは、PBA-C7-OHの蛍光スペクトルを示す。図中、「*」は装置由来のピークを示す。 潜在抑制機能障害のモデルマウスにおいてフェニルベンゾアミド誘導体であるPBA-C7-OHの効果を検討した結果を示す図である。エラーバーは標準誤差を示す。**は、P<0.01(スチューデントt検定)を示す。
<蛍光剤>
一態様において、本発明は蛍光剤に関する。本発明の蛍光剤は、フェニルベンゾアミド誘導体又はその薬学的に許容される塩からなる。本発明の蛍光剤は、励起光を照射すると蛍光を発することができるため、その蛍光性に基づいて細胞内や脳等の生体内における局在を容易に追跡することが可能である。
本発明の蛍光剤を構成するフェニルベンゾアミド誘導体は、以下の式(I)で示される。
Figure 2023111092000004
[式中、Rは、任意に置換されていてもよい、炭素数1以上のアルキル基である]
本明細書において「アルキル」又は「アルキル基」とは、1つ以上の炭素原子を有する飽和炭化水素をいう。アルキル基の具体例として、直鎖アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル等)、環状アルキル基(シクロアルキル基、脂環式基、又は炭素環基という場合もあり、例えばシクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル等が挙げられる)、分岐鎖アルキル基(例えば、イソプロピル、tert-ブチル、sec-ブチル、イソブチル等)等が挙げられる。
上記式(I)におけるアルキル基の炭素数は、1以上であれば、限定しない。アルキル基の炭素数は、例えば、1以上、2以上、3以上、4以上、5以上、6以上、7以上、8以上、9以上、若しくは10以上、及び/又は50以下、40以下、30以下、20以下、10以下、9以下、8以下、7以下、6以下、5以下、4以下、若しくは3以下であってもよい。例えば1~40、1~30、1~20、又は1~10であってもよく、より好ましくは1~9、2~8、又は3~7であってもよい。より具体的には、アルキル基の炭素数は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10、例えば3又は7であってもよい。なお、本明細書の実施例では、フェニルベンゾアミド誘導体においてアルキル基の炭素数が1以上であれば蛍光性を示すことが見出された。
上記式(I)におけるアルキル基の置換の例として、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、ニトロ、ハロゲン(例えば、Cl、F、Br、又はI)、チオール、アルキル基、アルコキシル基、エステル、チオエーテル、チオエステル、ニトロ、又はアミン等による置換が挙げられる。上記式(I)におけるアルキル基の置換の数は限定せず、例えば1又は2以上の置換であってもよい。
一実施形態において、上記の式(I)におけるRは、任意に置換されていてもよい炭素数7のアルキル基である。例えば、本発明の蛍光剤を構成するフェニルベンゾアミド誘導体は、以下の式(II)で示されるフェニルベンゾアミド誘導体であってもよい。本明細書において式(II)で示されるフェニルベンゾアミド誘導体を「PBA-C7-OH」という。
Figure 2023111092000005
さらなる実施形態では、上記の式(I)におけるRは、任意に置換されていてもよい炭素数3のアルキル基である。例えば、本発明の蛍光剤を構成するフェニルベンゾアミド誘導体は、以下の式(III)で示されるフェニルベンゾアミド誘導体であってもよい。本明細書において、式(III)で示されるフェニルベンゾアミド誘導体を「PBA-C3-OH」という。
Figure 2023111092000006
本発明の蛍光剤を構成するフェニルベンゾアミド誘導体の薬学的に許容される塩は、限定しない。薬学的に許容される塩の例として、無機酸の塩、有機酸の塩、及び金属塩が挙げられる。無機酸の塩は、塩酸、臭素酸、リン酸、硫酸、又は二硫酸の塩であってもよい。有機酸の塩は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、シュウ酸、酒石酸、リンゴ酸、マレイン酸、クエン酸、フマル酸、ベシル酸、カンシル酸、エジシル酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、安息香酸、グルコン酸、メタンスルホン酸、グリコール酸、コハク酸、4-トルエンスルホン酸、ガラクツロン酸、エンボン酸、グルタミン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、又はアスパラギン酸の塩であってもよい。金属塩は、カルシウム塩、ナトリウム塩、マグネシウム塩、ストロンチウム塩、又はカリウム塩であってもよい。
本発明の蛍光剤は、励起光の照射により蛍光を発することができる。本発明の蛍光剤に対して照射する励起光の励起波長は、フェニルベンゾアミド誘導体を励起し得る波長範囲であれば限定せず、具体的なフェニルベンゾアミド誘導体の種類(例えば、上記式(I)におけるアルキル基の炭素数や置換基の種類)に基づいて適宜選択すればよい。具体的な励起波長範囲は、例えば130 nm~490 nm、160 nm~460 nm、190 nm~430 nm、220 nm~400 nm、250 nm~370 nm、270 nm~350 nm、又は290 nm~330 nmであってもよく、好ましくは300 nm~320 nmである。
本発明の蛍光剤から検出される蛍光の蛍光波長は、フェニルベンゾアミド誘導体の蛍光を検出できる波長範囲であれば、限定しない。蛍光波長範囲は、フェニルベンゾアミド誘導体の種類(例えば、上記式(I)におけるアルキル基の炭素数や置換基の種類)や蛍光剤に対して照射する励起光の励起波長に基づいて適宜選択すればよい。具体的な蛍光波長範囲は、例えば310 nm~700 nm、340 nm~610 nm、370 nm~590 nm、400 nm~560 nm、430 nm~530 nm、450 nm~510 nm、又は460 nm~500 nmであってもよく、好ましくは470 nm~490 nmである。
<潜在抑制機能障害を呈する疾患の予防又は治療剤>
一態様において、本発明は潜在抑制機能障害を呈する疾患の予防又は治療剤に関する。本発明の予防又は治療剤は、フェニルベンゾアミド誘導体又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含む。本発明の予防又は治療剤は、潜在抑制機能障害を呈する疾患を予防又は治療するために使用することができる。
「潜在抑制(latent inhibition)」とは、一般に、報酬や罰等によって強化することなく動物に対して特定の刺激を繰り返し提示した後、同じ刺激を条件刺激(CS)として条件付けを行う場合、刺激の事前提示により、条件付けによる条件刺激(CS)と無条件刺激(US)との連合が抑制されることをいう(Lubow and Moore, J Comp Physiol Psychol., 1959, 52:415-9)。
本明細書において「潜在抑制機能障害」とは潜在抑制機能の低下や欠損等の異常をいう(Lubow R. E., "Latent Inhibition and Conditioned Attention Theory", 1989, ISBN:0521363071)。なお、潜在抑制機能障害は低潜在抑制(low latent inhibition)や低潜在抑制機能と呼ぶこともできる。潜在抑制機能障害を呈する疾患の例として、発達障害及び統合失調症が挙げられる。発達障害及び統合失調症では、潜在抑制機能が低下し得ることが知られている(Lubow R. E. and Gewirtz J. C., Psychol Bull., 1995, 117(1): 87-103.; Lubow R. E., Behav Brain Res., 1997, 88(1): 75-83.)。なお、ヒトの潜在抑制機能障害を鑑別できる病院は限られており、通常は発達障害又は統合失調症の診断を受けた後に詳細な検査により潜在抑制機能障害が鑑別され得る。それ故、本発明の予防又は治療剤が後述のように発達障害や統合失調症を対象とする場合には、潜在抑制機能障害の診断が既に示されているか否かは問わないものとする。
「発達障害」とは、学習、言語、注意、対人関係、又は行動制御等に関係する脳機能の障害である。発達障害の例として、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、自閉スペクトラム症、及びアスペルガー症候群が挙げられる。発達障害の一部の患者は、潜在抑制機能障害を示すことが知られている。
「注意欠陥・多動性障害(Attention Deficit and Hyperactivity Disorder;ADHD)」は、不注意、多動性、及び/又は衝動性等の症状を伴う、発達障害の一つである。注意欠陥・多動性障害として診断されるための具体的な要件として、年齢や発達段階に不相応な不注意、多動性、及び/又は衝動性等の症状が生活や学業に悪影響を及ぼす状態が6か月以上持続していることが挙げられる。注意欠陥・多動性障害の発症には、遺伝的な素因、周産期等の発達段階の要因、及び環境要因等が関連すると考えられている。なお、注意欠陥・多動性障害は、注意欠陥障害(ADD)若しくは多動性障害(HD)のいずれか一方、又はその両方を示すものであってもよい。
「自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorder; ASD)」とは、自閉症、広汎性発達障害、及びアスペルガー症候群等を統合して呼ぶ名称でる。自閉スペクトラム症の症状としては、複数の状況で社会的コミュニケーションおよび対人的相互反応における持続的欠陥があることや、行動、興味、又は活動の限定された反復的な様式が2つ以上あること等が挙げられる。
「統合失調症」とは、幻覚や妄想等の症状を特徴と精神疾患である。統合失調症は、主として10代後半から20代に発症し、慢性に進行することが知られている。陽性症状(幻覚や妄想等)、陰性症状(感情の平板化、意欲の低下等)、及び認知障害(注意障害、作業記憶低下等)を主な症状とする。統合失調症の一部の患者は、潜在抑制機能障害を示すことが知られている。
本明細書において「治療」とは、疾患の罹患に伴う症状の緩和又は除去、及び/又は疾患の進行の阻止又は抑制、並びに疾患の治癒をいう。
また本明細書において「予防」とは、障害の発生又は疾患の罹患を防ぐことをいう。予防は、発症予防、進行予防、及び再発予防を含み、好ましくは再発予防である。
(予防又は治療剤の有効成分)
本発明の予防又は治療剤において有効成分として含まれるフェニルベンゾアミド誘導体は、以下の式(I)で示される。
Figure 2023111092000007
[式中、Rは、任意に置換されていてもよい、炭素数1以上のアルキル基である]
本発明の予防又は治療剤に含まれるフェニルベンゾアミド誘導体のさらなる例や薬学的に許容される塩の例については、上述の蛍光剤について説明した構成に準じるものとする。
(予防又は治療剤の剤形)
本発明の予防又は治療剤の剤形は、有効成分であるフェニルベンゾアミド誘導体又はその薬学的に許容される塩を不活化させないか、させにくく、かつ投与後に生体内でその薬理効果を十分に発揮し得る剤形であれば特に限定しない。
剤形は、その形態により液体剤形又は固体剤形(ゲルのような半固体剤形を含む)に分類できるが、本発明の予防又は治療剤は、そのいずれであってもよい。また剤形は投与方法により経口剤形と非経口剤形とに大別できるが、これに関してもいずれであってもよい。
具体的な剤形としては、経口剤形であれば、例えば、懸濁剤、乳剤、及びシロップ剤のような液体剤形、散剤(粉剤、粉末剤を含む)、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、舌下剤、及びトローチ剤等の固体剤形が挙げられる。また、非経口剤形であれば、例えば、注射剤、懸濁剤、乳剤等の液体剤形が挙げられる。
(予防又は治療剤の投与方法)
本発明の予防又は治療剤は、潜在抑制機能障害を呈する疾患を予防又は治療するために、有効成分であるフェニルベンゾアミド誘導体又はその薬学的に許容される塩を生体に有効量投与することができる方法であれば、当該分野で公知のあらゆる方法を適用することができる。
本明細書において「有効量」とは、有効成分がその機能を発揮する上で必要な量、すなわち、本発明では、予防又は治療剤が、潜在抑制機能障害を呈する疾患を予防又は治療する上で必要な量であって、かつそれを適用する生体に対して有害な副作用をほとんど又は全く付与しない量をいう。この有効量は、対象者の情報、投与経路、及び投与回数等の条件によって変化し得る。
前記「対象者」とは、潜在抑制機能障害を呈する疾患の予防若しくは治療剤、又は後述の態様の潜在抑制機能障害を呈する疾患の予防又は治療用医薬組成物の適用対象となる個体、特にヒト個体をいう。
本発明の予防若しくは治療剤、又は組成物の適用対象となる対象者は、潜在抑制機能障害を呈する疾患、例えば発達障害又は統合失調症に罹患している、又は今後罹患することが予想される個体である。好ましくは注意欠陥・多動性障害患者等の発達障害患者である。
「対象者の情報」とは、対象者の様々な個体情報であって、例えば、対象者の年齢、体重、性別、全身の健康状態、薬剤感受性、服用中の医薬品の有無等を含む。有効量、及びそれに基づいて算出される投与量は、個々の対象者の情報等に応じて決定される。潜在抑制機能障害を呈する疾患の予防又は治療の十分な効果を得る上で、本発明の予防又は治療剤を大量投与する必要がある場合、対象に対する負担軽減のために、数回に分割して投与することもできる。
本発明の予防又は治療剤の投与方法は、特定の限定はない。投与は全身投与であっても局所投与であってもよい。投与経路は、経口投与又は非経口投与であってよい。非経口投与の具体例として、静脈内投与、動脈内投与、輸血による投与、腹腔内投与、脳室内投与、髄腔内投与、眼内投与、筋肉内投与、皮下投与、皮内投与、膀胱内投与、直腸投与、並びに吸入又は点鼻投与が挙げられる。
本発明の予防又は治療剤は、限定はしないが、例えば1日に1~4回投与される。或いは、本発明の予防又は治療剤は、毎日、隔日、1週間に1回、隔週、1ヶ月に1回等の様々な投与頻度で投与してもよい。
具体的な投与量の一例として、有効成分であるフェニルベンゾアミド誘導体又はその薬学的に許容される塩が0.1 mg/kg~100 g/kg、1 mg/kg~10 g/kg、又は10 mg/kg~1 g/kg、好ましくは10 mg/kg~100 mg/kgとなるように投与される。或いは、有効成分であるフェニルベンゾアミド誘導体又はその薬学的に許容される塩が1 μmol/kg体重~1000 μmol/kg体重、10 μmol/kg体重~500 μmol/kg体重、又は50 μmol/kg体重~200 μmol/kg体重の用量で投与される。
なお、必要に応じて、上記の範囲外の量を用いることもでき、これらの投与量に制限されるものではない。
(予防又は治療剤の効果)
本発明の予防又は治療剤によれば、潜在抑制機能障害を呈する疾患を予防又は治療することができる。例えば、注意欠陥・多動性障害(ADHD)等の発達障害や統合失調症を予防又は治療することができる。
注意欠陥・多動性障害の治療法として、現状では心理療法が主に行われているが、患者は通院が必要となるため、QOL低下が避けられない点が問題である。本発明の予防又は治療剤によれば、投薬による注意欠陥・多動性障害の治療が可能となるため、患者のQOLを改善することができる。
本発明によれば、潜在抑制機能障害を呈する疾患を治療する薬物の製造における、フェニルベンゾアミド誘導体若しくはその薬学的に許容される塩の使用もまた提供される。当該使用の一実施形態では、潜在抑制機能障害を呈する疾患は発達障害又は統合失調症であってもよい。
<潜在抑制機能障害を呈する疾患の予防又は治療用医薬組成物>
一態様において、本発明は、潜在抑制機能障害を呈する疾患の予防又は治療用医薬組成物に関する。本態様の医薬組成物は、上述のいずれかの潜在抑制機能障害を呈する疾患の予防又は治療剤を含む。
本態様の医薬組成物は、必須の構成成分として有効成分を、また選択成分として薬学的に許容可能な担体、又は他の薬剤を包含する。
(医薬組成物の有効成分)
本発明の医薬組成物における有効成分は、上述のいずれかの潜在抑制機能障害を呈する疾患の予防又は治療剤である。より具体的には、上記式(I)で示されるフェニルベンゾアミド誘導体又はその薬学的に許容される塩である。フェニルベンゾアミド誘導体又はその薬学的に許容される塩の構成については、上で既に詳述していることから、ここではその具体的な説明を省略する。
本発明の医薬組成物における、フェニルベンゾアミド誘導体又はその薬学的に許容される塩の含量は特に限定しない。例えば、本発明の医薬組成物は、有効成分として0.001~99重量%、0.01~10重量%、又は0.1~10重量%のフェニルベンゾアミド誘導体又はその薬学的に許容される塩、例えば90重量%、50重量%、10重量%、5重量%、3重量%、2重量%、1重量%、0.1重量%、又は0.01重量%のフェニルベンゾアミド誘導体又はその薬学的に許容される塩を含んでもよい。また、本発明の医薬組成物は、有効成分として0.001~99重量%、0.01~10重量%、又は0.1~10重量%のフェニルベンゾアミド誘導体若しくはその薬学的に許容される塩、例えば90重量%、50重量%、10重量%、5重量%、3重量%、2重量%、1重量%、0.1重量%、又は0.01重量%のフェニルベンゾアミド誘導体若しくはその薬学的に許容される塩を含んでもよい。
(医薬組成物が含むことができる薬学的に許容可能な担体)
「薬学的に許容可能な担体」とは、製剤技術分野において通常使用し得る溶媒及び/又は添加剤であって、生体に対して有害性がほとんどないか又は全くないものをいう。
薬学的に許容可能な溶媒には、例えば、水、エタノール、プロピレングリコール、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等が挙げられる。
また、薬学的に許容可能な添加剤には、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、充填剤、乳化剤、流動添加調節剤、滑沢剤等が挙げられる。
賦形剤としては、例えば、単糖、二糖類、シクロデキストリン及び多糖類のような糖(より具体的には、限定はしないが、グルコース、スクロース、ラクトース、ラフィノース、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、デキストリン、マルトデキストリン、デンプン及びセルロースを含む)、金属塩(例えば、塩化ナトリウム、リン酸ナトリウム若しくはリン酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム)、クエン酸、酒石酸、グリシン、低、中又は高分子量のポリエチレングリコール(PEG)、プルロニック、カオリン、ケイ酸、或いはそれらの組み合わせが挙げられる。
結合剤としては、例えば、トウモロコシ、コムギ、コメ、若しくはジャガイモのデンプンを用いたデンプン糊、単シロップ、グルコース液、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、セラック及び/又はポリビニルピロリドン等が挙げられる。
崩壊剤としては、例えば、前記デンプンや、乳糖、カルボキシメチルデンプン、架橋ポリビニルピロリドン、アガー、ラミナラン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、アルギン酸若しくはアルギン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド又はそれらの塩が挙げられる。
充填剤としては、例えば、前記糖及び/又はリン酸カルシウム(例えば、リン酸三カルシウム、若しくはリン酸水素カルシウム)が挙げられる。
乳化剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステルが挙げられる。
流動添加調節剤及び滑沢剤としては、例えば、ケイ酸塩、タルク、ステアリン酸塩又はポリエチレングリコールが挙げられる。
上記の添加剤の他、必要に応じて矯味矯臭剤、溶解補助剤(可溶化剤)、懸濁剤、希釈剤、界面活性剤、安定剤、吸収促進剤(例えば、第4級アンモニウム塩類、ラウリル硫酸ナトリウム)、増量剤、保湿剤(例えば、グリセリン、澱粉)、吸着剤(例えば、澱粉、乳糖、カオリン、ベントナイト、コロイド状ケイ酸)、崩壊抑制剤(例えば、白糖、ステアリン、カカオバター、水素添加油)、コーティング剤、着色剤、防腐剤、保存剤、抗酸化剤、香料、風味剤、甘味剤、緩衝剤等を含むこともできる。
薬学的に許容可能な担体は、フェニルベンゾアミド誘導体若しくはその薬学的に許容される塩の体内動態を向上させるために、フェニルベンゾアミド誘導体若しくはその薬学的に許容される塩を封入する生体適合性粒子の成分であってもよい。生体適合性粒子は、例えばポリマーから製造することができる。当該ポリマーとしては、生体への刺激や毒性が低く、かつ投与後分解して代謝される生体適合性を備える生体適合性ポリマーが好ましい。好ましくは、生体適合性ポリマーとして、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、乳酸/グリコール酸共重合体、又は乳酸/アスパラギン酸共重合体が用いられる。好適には、生体適合性粒子は、生体適合性ポリマーとして、ポリラクチドグリコライド共重合体(PLGA)又はポリエチレングリコール/キトサン修飾‐PLGA(PEG/CS‐PLGA)を含む。
(医薬組成物の剤形)
本発明の医薬組成物の剤形は、上述の潜在抑制機能障害を呈する疾患の予防又は治療剤について説明した剤形に準じる。
(医薬組成物の投与方法)
本発明の医薬組成物の投与方法は、特定の限定はない。投与は全身投与であっても局所投与であってもよい。投与経路は、経口投与又は非経口投与であってよい。投与方法の具体的態様は、上述の潜在抑制機能障害を呈する疾患の予防又は治療剤の投与方法や、投与量等に準じるものとする。
一実施形態において、本発明の医薬組成物の対象となる潜在抑制機能障害を呈する疾患は発達障害又は統合失調症である。発達障害は、注意欠陥・多動性障害(ADHD)又は自閉症であってもよい。
一実施形態において、本発明の医薬組成物は経口投与用、静脈内投与用、又は点滴用である。
(医薬組成物の効果)
本発明の医薬組成物を投与した対象では、潜在抑制機能障害を呈する疾患(例えば、発達障害又は統合失調症)を予防又は治療することができる。発達障害は、例えば注意欠陥・多動性障害(ADHD)又は自閉スペクトラム症であり得る。
本発明によれば、治療有効量の本発明の予防又は治療剤、又は医薬組成物を対象に投与する工程を含む、潜在抑制機能障害を呈する疾患を予防又は治療する方法がさらに提供される。
<実施例1:フェニルベンゾアミド誘導体の合成>
(目的)
フェニルベンゾアミド誘導体として、PBA-C7-OH、PBA-C3-OH、及びPBA-C0-OHを合成する。
(方法と結果)
以下の式(II)、式(III)、及び式(IV)で示されるフェニルベンゾアミド誘導体を合成した。具体的には、以下のフローチャートに示すように、化合物1と化合物2をDMF溶媒中においてEDCI、DMAP、DIPEAを添加して縮合させ、式(IV)で示されるフェニルベンゾアミド誘導体(以下、「PBA-C0-OH」と称する)を合成した。次にウィリアムソンエーテル合成によってPBA-C0-OHに対してDMF溶媒中において炭酸カリウムの存在下、プロピレンブロミド、またはヘプタンブロミドをカップリングさせることで、式(III)で示されるフェニルベンゾアミド誘導体(以下、「PBA-C3-OH」と称する)及び式(II)で示されるフェニルベンゾアミド誘導体(以下、「PBA-C7-OH」と称する)を得た。それぞれの化合物はシリカゲルカラムによって精製した。
Figure 2023111092000008
<実施例2:フェニルベンゾアミド誘導体の蛍光性>
(目的)
実施例1で合成したPBA-C0-OH、PBA-C3-OH、及びPBA-C7-OHに励起光を照射し、蛍光を発するかどうかを検討する。
(方法と結果)
実施例1で合成したPBA-C0-OH及びPBA-C3-OHのクロロホルム溶液(5 mM)を調製した。また、実施例1で合成したPBA-C7-OHの水分散液(5 mM)を調製した。調製した各溶液を入れたガラス容器に対して、容器の側面から365 nmの紫外光を照射した。
その結果、PBA-C0-OHは蛍光性を示さなかったのに対して、PBA-C3-OH及びPBA-C7-OHは蛍光性を示すことが観察された。この結果から、フェニルベンゾアミド誘導体においてアルキル鎖を有することが蛍光性を示すために重要であることが明らかになった。
次に、PBA-C0-OH、PBA-C3-OH、及びPBA-C7-OHのメタノール溶液(1 mg/mL)を調製した。分光蛍光光度計(SHIMADZU RF-6000)を用いて、310 nmの励起光を照射した際の蛍光スペクトルを測定した。
蛍光スペクトルの測定結果を図1に示す。PBA-C0-OHでは400 nm~550 nmの波長域で蛍光のピークが観察されなかった(図1A;図中の「*」は装置由来のピークを示す)。一方、PBA-C3-OH及びPBA-C7-OHでは480 nm付近に蛍光ピークが観察された(図1B、C)。
以上の結果から、PBA-C3-OH及びPBA-C7-OHは蛍光性を有し、細胞内や脳等の生体内において局在を追跡する上で極めて有利な性質を有することが示された。
<実施例3:注意欠陥多動性障害のモデルマウスに対する効果>
(目的)
PBA-C7-OHを潜在抑制機能障害の疾患モデルマウスに投与し、潜在抑制機能障害を改善する効果を示すか否かを検証する。本実施例では、潜在抑制機能障害の疾患モデルマウスとして、シンタキシン1a遺伝子の片側アレルのみを欠損したシンタキシン1aヘテロノックアウトマウス(以下、「シンタキシン1a-HTマウス」と称する)を用いる。シンタキシン1a-HTマウスでは、脳におけるシンタキシン1A遺伝子の発現量が減少することによって潜在抑制機能が低下することが知られている(Fujiwara T et al., Eur J Neurosci 2010,32(1) p99-107)。シンタキシン1a-HTマウスで観察される低潜在抑制機能は、ヒトにおける注意欠陥多動性障害(注意欠陥障害(ADD)若しくは多動性障害(HD)のいずれか一方、又はその両方)や統合失調症等の症状に相当すると考えられている。
(方法と結果)
シンタキシン1a-HTマウス(8~12週齢、雄)を用いて、以下の手順により潜在抑制機能行動解析を行った。
7日間の実験期間中PBA-C7-OHを投与していないシンタキシン1a-HTマウス(以下、対照マウスという)、及びPBA-C7-OHを毎日1回39.9 μmol/kgで腹腔内投与したシンタキシン1a-HTマウス(以下、PBA-C7-OH投与マウスという)を用意した。対照マウスとPBA-C7-OH投与マウスに対して以下の行動実験を行い、潜在抑制機能障害に対する薬剤投与の効果を検証した。
まず、対照マウスとPBA-C7-OH投与マウスの各々を、CSマウスとUSマウスの2群に分けた。CSマウスに対しては、3日間に亘って音刺激の事前提示を行うことで条件付けを行った。なお、PBA-C7-OH投与マウスのCSマウスでは、音刺激の事前提示を開始する2日前からPBA-C7-OHの投与を開始した。USマウスに対しては、音刺激の事前提示を行わず、条件付けを行わなかった。次にCSマウスとUSマウスの各々を対象として、音刺激と0.8mA電気刺激を1分間隔で3回同時に与えることによって、条件付けを行った。その翌日、電気刺激なしで音刺激のみを与えた際のすくみ行動(freezing)反応時間を測定した。USマウス及びCSマウスのすくみ行動反応時間に基づいて、潜在抑制比率(Latent Inhibition Ratio;LI比)を以下の式(I)により算出した。
[式1]
LI比(%)=[(USマウスのすくみ行動反応時間)-(CSマウスのすくみ行動反応時間)]/(USマウスのすくみ行動反応時間)×100 (I)
正常な潜在抑制機能を示すマウスでは、USマウスと比較してCSマウスのすくみ反応時間が短くなり、その結果として高いLI比を示す。一方、潜在抑制機能障害のマウスでは、USマウスと比較してCSマウスのすくみ反応時間が短くならないため、低いLI比を示す。薬剤投与によって注意欠陥多動性障害が改善される場合にはLI比が増大する。
結果を図2に示す。対照マウスは約5%の低いLI比を示し、潜在抑制機能障害を示した(図2、Control)。一方、PBA-C7-OH投与マウスでは、LI比が顕著かつ有意に向上し、低潜在抑制機能障害の症状が大幅に改善された(図2、PBA-C7-OH)。
以上の結果から、潜在抑制機能障害マウスにおける症状が、PBA-C7-OHの投与によって改善することが示された。

Claims (11)

  1. 以下の式(I)で示されるフェニルベンゾアミド誘導体又はその薬学的に許容される塩からなる蛍光剤。
    Figure 2023111092000009
    [式中、Rは、任意に置換されていてもよい、炭素数1以上のアルキル基である]
  2. 前記アルキル基の炭素数が1~10である、請求項1に記載の蛍光剤。
  3. 前記アルキル基の炭素数が3又は7である、請求項1に記載の蛍光剤。
  4. 励起波長が220nm~400nmである、請求項1~3のいずれか一項に記載の蛍光剤。
  5. 以下の式(I)で示されるフェニルベンゾアミド誘導体又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含む、潜在抑制機能障害を呈する疾患の予防又は治療剤。
    Figure 2023111092000010
    [式中、Rは、任意に置換されていてもよい、炭素数1以上のアルキル基である]
  6. 前記アルキル基の炭素数が1~10である、請求項5に記載の予防又は治療剤。
  7. 前記アルキル基の炭素数が3又は7である、請求項5に記載の予防又は治療剤。
  8. 請求項5~7のいずれか一項に記載の予防又は治療剤を含む、潜在抑制機能障害を呈する疾患の予防又は治療用医薬組成物。
  9. 前記潜在抑制機能障害を呈する疾患が、発達障害又は統合失調症である、請求項8に記載の医薬組成物。
  10. 前記フェニルベンゾアミド誘導体又はその薬学的に許容される塩が1 μmol/kg体重~1000 μmol/kg体重の用量で投与される、請求項8又は9に記載の医薬組成物。
  11. 以下の式(II)で示されるフェニルベンゾアミド誘導体。
    Figure 2023111092000011
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