JP2023110734A - エンジン駆動型作業機におけるマフラの防振支持構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】エンジンの始動から安定運転に移行する迄の間に生じるエンジン駆動型作業機の振動に伴う騒音の発生を抑制する。【解決手段】架台32とその天板322上に載置したマフラ本体31から成るマフラ30を,防振部材33を介して防音箱10のフレーム12上に取り付け,エンジン2の出力軸の軸線方向と同方向に配置されたボンネット11の側壁(サイドカバー113)の内面に,エンジン2の軸線方向に対し直交する方向の平面41a,42aを有する一対のブラケット41,42を設け,両ブラケットの平面間に,マフラに固定した弾性体から成るストッパ部材43を挟持して,前記マフラの移動規制手段40を形成し,エンジン駆動型作業機1のエンジン2の始動から安定運転に至る迄の間に,エンジンの出力軸の軸線方向に生じるマフラの大きな振動が抑制され,エンジン駆動型作業機の始動時における騒音が抑制される。【選択図】図6
Description
本発明はエンジン駆動型作業機におけるマフラの防振支持構造に関し,より詳細には,エンジン駆動型作業機に設けられているマフラの振動が防音箱に伝達されることにより生じる騒音の低減を可能としたマフラの防振支持構造に関する。
図11に示すように,発電機や圧縮機等の作業機本体206(図示の例では発電機),該作業機本体206を駆動するエンジン202,及び,その他の必要な機器から構成されるエンジン駆動型作業機200では,これらの構成機器を載置するフレーム212と,このフレーム212上部を覆うボンネット211によって構成される防音箱210内にこれらの構成機器を収容してパッケージ化することが行われており,これにより防音箱210外への騒音の漏出を防止すると共に,屋外で使用した場合でも構成機器が直接,風雨にさらされることがないよう構成されている。
このようなエンジン駆動作業機200では,防音箱210内を垂直に仕切る仕切壁213で内部を防音箱210の長手方向で前後二室に仕切り,その一方をエンジン202や作業機本体206を収容するエンジン室210aと成すと共に,他方を,前記エンジン室210aを通過した冷却風を機外に排出するための排風室210bとする構成が一般に採用されている。
そして,この仕切壁213の中央部分に前記エンジン室210aと排風室210bを連通する開口(図示せず)を設け,この開口にラジエータコア(図示せず)を取り付けると共に,該ラジエータコアに冷却風を送風するラジエータファン203を設けることで,エンジン室210a側のボンネット211に設けた吸気口(図示せず)を介して機外よりエンジン室210a内に導入された冷却風が,エンジン室210a内を冷却した後,ラジエータコアを通過して排風室210bに至り,排風室210bに設けた排風口219を介して機外へ排出できるように構成されている。
以上のように構成されたエンジン駆動型作業機200では,エンジン202のマフラ230を排風室210b内に配置し,エンジン室210a内に配置されたエンジン202と,排風室210b内に配置したマフラ230の一端側を,エキゾーストパイプ220を介して連通すると共に,マフラ230の他端側にテールパイプ225の一端を連通し,このテールパイプ225の他端を,排風口219を介して機外に向けて配置することで,マフラ230を通過した排気ガスを機外へと排出することができるように構成されている。
このように,エンジン202とマフラ230はエキゾーストパイプ220によって連通されているが,エンジン202が配置されたエンジン室210aと,マフラ230が配置された排風室210b間には,前述した仕切壁213が存在する。
そのため,この仕切壁213には,図12に示すようにエンジン室210aから排風室210bにエキゾーストパイプ220を通すための切欠や穴等から成る開口部213aを設け,この開口部213aにエキゾーストパイプ220を挿入すると共に,エキゾーストパイプ220を仕切板213に固定している。
一例として図11及び図12に示した構成例では,仕切壁213にボルト止めなどの方法で取り付けたブラケット214にU字ボルト215を使用してエキゾーストパイプ220を固定することで,振動の発生によってもエキゾーストパイプ220が開口部213aの開口縁と接触しないように構成されている。
また,排風室210b内に配置されたマフラ230も,排風室210b内においてフレーム212やボンネット211の内壁等(図示の例ではフレーム212)にボルト止め等の方法で固定されている。
以上のように構成された防音型のエンジン駆動型作業機200において,エキゾーストパイプ220には,その一部に,蛇腹構造を有する金属管等であるフレキシブルパイプ221(図11参照)を設け,この部分を変形可能とすることでエンジン202から伝わった振動を吸収することができるように構成されている。
しかし,このようなフレキシブルパイプ221を設けていたとしても,エンジン202で発生した振動を完全に吸収させることができず,エキゾーストパイプ220を介してエンジン202から伝わった振動が仕切壁213,更には,仕切壁213を固定しているフレーム212やボンネット211に伝達される結果,防音箱210全体が振動して騒音が発生する。
また,エンジン202からエキゾーストパイプ220に伝わった振動は,エキゾーストパイプ220に連通されたマフラ230にも伝達されると共に,マフラ230内における排気ガスの膨張や収縮に伴いマフラ230自体も振動を発生することから,このようなマフラ230の振動が,マフラ230を固定しているフレーム212を介して防音箱210全体に伝達されることによっても,防音箱210が騒音を発生する。
このような振動により発生する騒音のうち,マフラ230の振動が防音箱210に伝わることによって発生する騒音の発生を防止するために,後掲の特許文献1には,図13に示すように,防音箱210のボンネット211内壁より突設した防音箱側のステー261上に,防振ゴム等の弾性体から成る防振部材233を介してマフラ230の両端より突設したマフラ側のステー262を載置すると共に固定することで,マフラ230の振動がボンネット211に伝わり難くすることが提案されている(特許文献1の図4,図7参照)。
前掲の特許文献1として紹介した装置構成のように,マフラ側のステー262を,防振ゴム等の防振部材233を介して防音箱側のステー261上に取り付けた構成では,マフラ230の振動は防振部材233によって減衰されるため防音箱210側に伝達され難い構造となっており,マフラ230を振動源とした防音箱210の振動,及びこれに伴い発生する騒音の低減効果が得られるものと期待される。
しかしながら,前掲の特許文献1に記載の構成においても,エキゾーストパイプ220は,図13に示すようにエキゾーストパイプ220に設けられているフランジ222を仕切壁213にボルト止めする等して仕切壁213に固定されていることから,エンジン202からエキゾーストパイプ220に伝達された振動が,仕切壁213を介して防音箱210全体を振動させることにより生じる騒音の発生は,依然として解消されていない。
そこで,本発明の発明者らは,エキゾーストパイプ220の振動が仕切壁213を介して防音箱210に伝達されることにより生じる騒音の発生を防止すべく,試みに,特許文献1で採用している,防振部材233を介して防音箱210に対するマフラ230の取り付けるという構造については維持しつつ,仕切壁213に対するエキゾーストパイプ220の固定を解除した状態でエンジン202を作動させてみた。
その結果,エンジン202の始動後,エンジン202の運転が安定する迄の間,マフラ230がエンジン202の出力軸の軸線方向(図11中の白抜きの矢印方向)に比較的大きな振幅で振動し,このマフラ230の振動が防音箱210に伝達されることで,エンジンの始動時における騒音がむしろ増大するという新たな問題の発生が確認された。
また,マフラ230がエンジンの出力軸の軸線方向(図11中の白抜きの矢印方向)に大きく振動することで,エキゾーストパイプ220が上下に大きく振れて仕切壁213に設けた開口部213aの開口縁と干渉して新たな騒音が発生すると共に,エキゾーストパイプ220に設けたフレキシブルパイプ221が繰り返し大きく変形されることでフレキシブルパイプ221が金属疲労を起こして比較的早期に破損してしまうおそれもある。
また,マフラ230に生じるこのような大きな振動は,前掲の特許文献1のように比較的強度の低いボンネット211の側壁に防音箱側のステー261を取り付けてマフラ230を固定する構造を採用する場合,マフラ230の支持に必要な強度を得ることができない懸念もある。
そこで,本発明の発明者らは,仕切壁213に対するエキゾーストパイプ220の固定を解除した場合にマフラ230で生じる大きな振動の発生を抑制すべく,このような振動が発生するメカニズムを調査した。
その結果,このようなマフラ230の振動の増大は,エンジン202の始動時にエキゾーストパイプ220内で排気ガスが膨張,収縮することによりフレキシブルパイプ221が伸縮することが原因で発生するものであることが判明した。
すなわち,エキゾーストパイプ220を仕切壁213に固定した構造では,仕切壁213によってフレキシブルパイプ221の伸縮が規制されていたのに対し,仕切壁213に対するエキゾーストパイプ220の固定を解除した構造では,フレキシブルパイプ221は仕切壁213による規制を受けることなく自由に伸縮できるようになった結果,この伸縮によってマフラ230がフレキシブルパイプ221の長手方向,従って,エンジン202の出力軸の軸線方向に揺さぶられていることが判明した。
一方,このようなフレキシブルパイプ221の伸縮に伴うマフラ230の振動は,エンジン202の始動時においてのみ生じ,エンジンが安定した運転状態に移行した後は,エンジン202の出力軸の軸線方向へマフラ230が大きな振幅で振動することは無くなると共に,エンジンの出力軸の軸線方向に対し直交する方向(図12中に墨塗りの矢印で示した方向)に移動する比較的小刻みな振動へと変化することが確認された。
そして,エンジン202が安定な運転状態となった際に生じる,エンジンの出力軸の軸線方向に対し直交方向の小刻みな振動については,マフラ230を防振ゴム等の防振部材233を介して防音箱210に取り付ける構成を採用することで減衰させることができていることが確認されている。
以上の結果から,エンジン202の始動後,安定した運転状態に移行するまでの間にマフラ230に生じる大きな振動の発生を抑制することができれば,マフラを振動源とする騒音の発生を抑制することができるだけでなく,エキゾーストパイプ220を仕切壁213やボンネット211に固定しない構造が採用可能となり,従って,エキゾーストパイプ220から防音箱210に伝わる振動についても低減させることで,エンジン駆動型作業機200の静寂性を大幅に向上させることができることになる。
そこで本発明は,エンジンの始動から安定運転に移行する迄の間に生じるマフラの大きな振動を抑制することのできる,エンジン駆動型作業機におけるマフラの防振支持構造を提供することを目的とする。
以下に,課題を解決するための手段を,発明を実施するための形態で使用する符号と共に記載する。この符号は,特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態の記載との対応を明らかにするために記載したものであり,言うまでもなく,本発明の技術的範囲の解釈に制限的に用いられるものではない。
上記目的を達成するために,本発明のエンジン駆動型作業機におけるマフラの防振支持構造は,
構成機器を搭載する基台となるフレーム12と該フレーム12上を覆うボンネット11とを備えた防音箱10と,該防音箱10内に収容されるエンジン2,該エンジン2により駆動される作業機本体6,少なくとも一部がフレキシブルパイプ21によって構成されたエキゾーストパイプ20,及び,前記エキゾーストパイプ20を介して前記エンジン2に連通されたマフラ30を備えるエンジン駆動型作業機における前記マフラ30の防振支持構造において,
前記マフラ30が,消音器であるマフラ本体31と,該マフラ本体31を前記フレーム12上に固定する固定用脚部32を備え,該マフラ30を平面視において前記エンジン2の出力軸の軸線を延長した線L(図4参照)上に配置した状態で,前記固定用脚部32が防振部材33を介して前記フレーム12上に取り付けられていると共に,
前記エンジン2の出力軸の軸線方向に対し直交する方向(図4中,墨塗りの矢印の方向)への前記マフラ30の移動を許容しつつ,前記出力軸の軸線方向(図4中,白抜きの矢印の方向)に対する前記マフラ30の移動を規制する,移動規制手段40を前記防音箱10内に設けたことを特徴とする(請求項1)。
構成機器を搭載する基台となるフレーム12と該フレーム12上を覆うボンネット11とを備えた防音箱10と,該防音箱10内に収容されるエンジン2,該エンジン2により駆動される作業機本体6,少なくとも一部がフレキシブルパイプ21によって構成されたエキゾーストパイプ20,及び,前記エキゾーストパイプ20を介して前記エンジン2に連通されたマフラ30を備えるエンジン駆動型作業機における前記マフラ30の防振支持構造において,
前記マフラ30が,消音器であるマフラ本体31と,該マフラ本体31を前記フレーム12上に固定する固定用脚部32を備え,該マフラ30を平面視において前記エンジン2の出力軸の軸線を延長した線L(図4参照)上に配置した状態で,前記固定用脚部32が防振部材33を介して前記フレーム12上に取り付けられていると共に,
前記エンジン2の出力軸の軸線方向に対し直交する方向(図4中,墨塗りの矢印の方向)への前記マフラ30の移動を許容しつつ,前記出力軸の軸線方向(図4中,白抜きの矢印の方向)に対する前記マフラ30の移動を規制する,移動規制手段40を前記防音箱10内に設けたことを特徴とする(請求項1)。
前記移動規制手段40を,
前記エンジン2の前記出力軸の軸線方向と平行な方向に配置された前記ボンネット11の側壁(113,又は113及び114)の内面,又は前記マフラ30いずれか一方(図示の例ではボンネットの側壁113,又は113及び114の内面)に設けられた一対のブラケット41,42と,他方(図示の例ではマフラ30)に固定された弾性体から成るストッパ部材43を備えたものとし,
前記一対のブラケット41,42に,それぞれ,前記エンジン2の前記出力軸の軸線方向に対し直交する方向の平面41a,42aを設けると共に,該平面41a,42a間に前記ストッパ部材43を挟持させる構造とすることができる(請求項2:図6,7,9,10)。
前記エンジン2の前記出力軸の軸線方向と平行な方向に配置された前記ボンネット11の側壁(113,又は113及び114)の内面,又は前記マフラ30いずれか一方(図示の例ではボンネットの側壁113,又は113及び114の内面)に設けられた一対のブラケット41,42と,他方(図示の例ではマフラ30)に固定された弾性体から成るストッパ部材43を備えたものとし,
前記一対のブラケット41,42に,それぞれ,前記エンジン2の前記出力軸の軸線方向に対し直交する方向の平面41a,42aを設けると共に,該平面41a,42a間に前記ストッパ部材43を挟持させる構造とすることができる(請求項2:図6,7,9,10)。
前述したマフラ30の固定用脚部32は,例えばマフラ本体31の長手方向両端にアングル材を取り付ける等してこれを固定用脚部32とするものとしても良いが,好ましくは,脚部321,321と,該脚部321,321上に架設された天板322を備えた架台上に前記マフラ本体31を載置すると共に固定して,該架台を前記固定用脚部32とすることで前記マフラ本体31を前記フレーム12上に,前記フレーム12より離間させて配置すると共に,
前記架台32の前記脚部321,321の下端部を,前記防振部材33を介して前記フレーム12上に取り付けるものとしても良い(請求項3:図2,3,5参照)。
前記架台32の前記脚部321,321の下端部を,前記防振部材33を介して前記フレーム12上に取り付けるものとしても良い(請求項3:図2,3,5参照)。
前記防音箱10が,該防音箱10内を垂直方向に仕切る仕切壁13を備えていると共に,前記エンジン2を前記仕切壁13で仕切られた一方の室(エンジン室10a)に収容すると共に,前記マフラ30を他方の室(排風室10b)に収容した構造のエンジン駆動型作業機1では,
前記エンジン2と前記マフラ30の前記マフラ本体31を,前記仕切壁13及び前記ボンネット11のいずれにも固定されていない前記エキゾーストパイプ20で連通すると共に,
前記仕切壁13に,前記エキゾーストパイプ20が挿入される開口部13aを,振動発生時においても前記エキゾーストパイプ20が該開口部13aの開口縁と干渉しない寸法で形成することが好ましい(請求項4)。
前記エンジン2と前記マフラ30の前記マフラ本体31を,前記仕切壁13及び前記ボンネット11のいずれにも固定されていない前記エキゾーストパイプ20で連通すると共に,
前記仕切壁13に,前記エキゾーストパイプ20が挿入される開口部13aを,振動発生時においても前記エキゾーストパイプ20が該開口部13aの開口縁と干渉しない寸法で形成することが好ましい(請求項4)。
更に,前記マフラ30を,前記マフラ本体31の長さ方向が前記エンジン2の前記出力軸の軸線方向に対し直交方向となるように配置すると共に,
少なくとも前記エキゾーストパイプ20の接続側とは反対側の前記マフラ30の端部側に,前記移動規制手段40を設けることが好ましい(請求項5:図6,図7参照)。
少なくとも前記エキゾーストパイプ20の接続側とは反対側の前記マフラ30の端部側に,前記移動規制手段40を設けることが好ましい(請求項5:図6,図7参照)。
以上で説明した本発明の構成により,本発明のエンジン駆動型作業機1におけるマフラの防振支持構造では,以下の顕著な効果を得ることができた。
移動規制手段40を設けてエンジン2の出力軸の軸線方向に対するマフラ30の移動を規制することで,エンジン2の始動から安定運転に至るまでの間に,エンジン2の出力軸の軸線方向にマフラ30が大きく振動することを防止することができた。
その結果,エンジン2の始動から安定運転に至る迄の間に発生する騒音を低減することができると共に,エキゾーストパイプ20に設けたフレキシブルパイプ21に繰り返し大きな変形が加わることを防止して,フレキシブルパイプ21の寿命を延長することができた。
なお,移動規制手段40によってエンジン2の出力軸の軸線方向に対するマフラの移動が規制されることで,例えばエンジン駆動型作業機1をトラック等の荷台に載せて搬送する際に,輸送時の振動によってマフラ30が大きく振動してエキゾーストパイプ20のフレキシブルパイプ21を繰り返し大きく変形させることによる破損等についても好適に防止することができた。
一方,この移動規制手段40は,エンジン2の出力軸の軸線方向に対し直交する方向のマフラ30の移動を規制するものではないため,エンジン2が安定運転に移行して,マフラ30の振動がエンジン2の出力軸の軸線方向に対し直交する方向の小刻みな振動に変化すると,このような小刻みな振動は,移動規制手段40を介してボンネット11の側壁に伝わり難い構造となっている。
また,このような小刻みな振動は,マフラ30の固定用脚部32とフレーム12間に設けられた防振部材33によって減衰されることで,マフラ30の振動はフレーム12に対しても伝達され難くなっており,エンジン2が安定運転に移行した後の騒音の低減についても達成することができた。
このような移動規制手段40をボンネット11の側壁(113,又は113及び114)の内面,又は,マフラ30のいずれか一方に設けた一対のブラケット41,42と,他方に固定した弾性体から成るストッパ部材43により構成し,前記一対のブラケット41,42の平面41a,42a間でストッパ部材43を挟持した構成では,比較的簡単な構造でありながら,エンジン2の出力軸の軸線方向に対し直交する方向へのマフラ30の移動を規制することなく,エンジン2の出力軸の軸線方向へのマフラ30の移動のみを確実の規制することができた。
更に,マフラ本体31を架台上に載置すると共に固定して,該架台を,マフラ本体31をフレーム12上に固定するための固定用脚部32とした構成では,マフラ本体31から防振部材33までの距離を長く取ることができることから,防振部材33として防振ゴム等の熱に弱い材質のものを採用した場合であっても,防振部材33がマフラ本体31の熱によって早期に劣化等することを防止できた。
前述したように,移動規制手段40を設けてエンジン2の始動時におけるマフラ30の大きな振動が抑制されたことで,仕切壁13によって内部が二室に仕切られた構造の防音箱10を備えたエンジン駆動型作業機1に本発明のマフラの防振支持構造を採用する場合,エキゾーストパイプ20を仕切壁13に固定しない構造の採用が可能となると共に,防音箱10内を仕切る仕切壁13に,振動発生時においても開口縁に前記エキゾーストパイプ20が干渉しない寸法でエキゾーストパイプ20を挿入するための開口部13aを形成することで,エキゾーストパイプ20の振動が,仕切壁13を介して防音箱10に伝達されることを防止でき,エンジン2の始動時はもとより,安定運転に移行した後のいずれにおいても静寂性の向上を実現することができた。
なお,マフラ本体31を,その長さ方向がエンジン2の前記出力軸の軸線方向に対し直交方向となるように配置した構成では,移動規制手段40を,少なくともマフラ30のエキゾーストパイプ20の接続側とは反対側の端部側に設ける構成を採用することで,エキゾーストパイプ20の接続側の端部側にのみ移動規制手段40を設ける場合に比較して,高い騒音抑制効果が得られることが実験的に確認されている。
次に,本発明の実施形態につき添付図面を参照しながら説明する。
〔エンジン駆動型作業機の全体構成〕
図中の符号1は本発明の防振支持構造が適用されるエンジン駆動型作業機を示し,このエンジン駆動型作業機1は,図2及び図3に示すように防音箱10内にエンジン駆動型作業機の構成機器である発電機や圧縮機等の作業機本体6(図3参照),前記作業機本体6を駆動するエンジン2,前記エンジン2にエキゾーストパイプ20を介して連通されたマフラ30等を収容した,パッケージ型のエンジン駆動型作業機として構成されている。
図中の符号1は本発明の防振支持構造が適用されるエンジン駆動型作業機を示し,このエンジン駆動型作業機1は,図2及び図3に示すように防音箱10内にエンジン駆動型作業機の構成機器である発電機や圧縮機等の作業機本体6(図3参照),前記作業機本体6を駆動するエンジン2,前記エンジン2にエキゾーストパイプ20を介して連通されたマフラ30等を収容した,パッケージ型のエンジン駆動型作業機として構成されている。
エンジン駆動型作業機1の構成機器を収容する前述の防音箱10は,図1に示すように,フロントパネル111,リヤパネル112,サイドパネル113,114,及びトップパネル115から成るボンネット11と,構成機器を載置する基台であるフレーム12を備えており,エンジン駆動型作業機1の構成機器を載置した状態でフレーム12上を前述のボンネット11で覆うことで,構成機器を防音箱10内に収容可能に構成されている。
この防音箱10内の空間は,図2及び図3に示すように防音箱10の長手方向と直交方向に配置された仕切壁13で二室に仕切られており,仕切られた一方の空間にエンジン及び作業機本体を収容するエンジン室10aが形成されていると共に,他方の空間に,エンジン室10aを通過した冷却風を機外に排出するための排風室10bが形成されている。
エンジン室10a内において,エンジン2は,その出力軸の軸線方向が防音箱10の長手方向,従って,仕切壁13に対し直交方向となるように配置されており,該エンジン2に設けたラジエータファン3が仕切壁13に向かって冷却風を発生させることができるように構成されている。
この仕切壁13の中央部分には前記エンジン室10aと排風室10bを連通する開口が設けられており,この開口部分にラジエータコア4(図3及び図4参照)を取り付け,該ラジエータコア4に前述のラジエータファン3が発生した冷却風を吹き付けることで,エンジン室10aの形成位置におけるボンネット11のサイドパネル113,114に設けられた吸気口116,117(図1参照)を介して機外よりエンジン室10a内に導入された冷却風が,エンジン室10a内を冷却した後,ラジエータコア4を通過して排風室10bに至り,排風室10bに設けた排風口119(図1参照)を介して機外に排出できるように構成されている。
そして,この排風室10b内にマフラ30を配置すると共に,エンジン室10a内に配置されたエンジン2と,排風室10b内に配置したマフラ30(マフラ30のマフラ本体31)を,仕切壁13を貫通して二室10a,10bにまたがって配置されたエキゾーストパイプ20で連通すると共に,一端がマフラ30(マフラ本体31)に連通されたテールパイプ25の他端を,排風口119を介して機外に向けて配置することで,マフラ30(マフラ本体31)を通過した排気ガスを機外へと排出することができるように構成されている。
〔マフラ〕
排風室10b内に配置される前述のマフラ30は,図2及び図3に示すように,消音器であるマフラ本体31と,該マフラ本体31をフレーム12上に取り付けるための固定用脚部32により構成されており,図示の実施形態では,マフラ本体31を架台上に載置,固定することで,この架台を前述した固定用脚部32としている。
排風室10b内に配置される前述のマフラ30は,図2及び図3に示すように,消音器であるマフラ本体31と,該マフラ本体31をフレーム12上に取り付けるための固定用脚部32により構成されており,図示の実施形態では,マフラ本体31を架台上に載置,固定することで,この架台を前述した固定用脚部32としている。
なお,この固定用脚部32は,図示の構成のように架台によって構成する例に限定されず,例えばマフラ本体31の長手方向の両端面にそれぞれアングル材等を直接取り付けて固定用脚部32としても良く,図示の構成に限定されず種々の構成が採用可能である。
図示の実施形態では,前述したようにマフラ本体31を載置する架台を固定用脚部32としたことで,マフラ本体31をフレーム12より所定の高さ上方に離間させた位置,図示の例ではラジエータファン3の回転軸の延長上の位置に配置することで,マフラ30に対し冷却風が当たりやすくしている。
本実施形態では,この架台32を,図2及び図5に示すようにフレーム12上に立設された一対の脚部321,321と,該脚部321,321の上端上に架設された天板322によって構成したが,架台32の構成は,図示の構成に限定されず,マフラ本体31を排風室10b内の所定の高さ位置に配置し得るものであれば各種構造のものが採用可能である。
フレーム12に対するマフラ30の取り付けは,防振ゴム等の防振部材33を介して行い,前述した架台32を固定用脚部とした図示の実施形態では,架台32に設けた脚部321,321の下端を,防振部材33を介してフレーム12に取り付けている。
このように架台32上にマフラ本体31を載置する構成とすると共に,架台32の脚部321,321の下端部に防振部材33を取り付けることで,防振部材33として防振ゴム等の熱に弱い材質のものを採用した場合であっても,防振部材33を熱源であるマフラ本体31から離れた位置に配置することができ,防振部材33がマフラ本体31からの熱によって早期に劣化することを防止し得る。
架台32上に載置・固定されたマフラ本体31の長手方向の一端側は,少なくとも一部分が変形可能な蛇腹構造の金属管等であるフレキシブルパイプ21によって構成されたエキゾーストパイプ20を介してエンジン2の排気口に連通されている。
エンジン室10aに配置されたエンジン2の排気口と,排風室10bに配置されたマフラ本体31間をエキゾーストパイプ20で連通するために,仕切壁13にはエキゾーストパイプ20を通すための開口部13aが設けられている。
そして,エキゾーストパイプ20を,仕切壁13やボンネット11に対し固定しない構成と成すと共に,仕切壁13に設けた前述の開口部13aを,エキゾーストパイプ20の振動によっても該開口部13aの開口縁にエキゾーストパイプ20が干渉することのないサイズに形成している。
本実施形態では,一例として開口部13aに挿入される部分のエキゾーストパイプ20の外径よりも20mm程度大きな径で開口部13aを形成することで,エキゾーストパイプ20の外径と開口部13aの開口縁との間に約10mmの隙間Δ2(図5参照)が生じるように構成した。
このように構成することで,エキゾーストパイプ20の振動が仕切壁13を介して防音箱10に伝達されることが防止でき,その結果,このような振動の伝達に伴う騒音の発生が防止される。
また,マフラ本体31の長手方向の他端側には,テールパイプ25の一端が連通されており,このテールパイプ25の他端を,排風口119を介して機外に向けて配置することにより,マフラ本体31を通過した排気ガスを機外に排出することができるように構成されている。
以上のように構成されたマフラ30は,図4に示すように平面視においてエンジン2の出力軸の軸線を延長した線L上に配置されていると共に,図示の実施形態においてマフラ本体31の長手方向が,エンジン2の出力軸の軸線方向に対し直交する方向,従って,防音箱の幅方向を向くように配置されている。
〔移動規制手段〕
以上のように構成されたマフラ30は,移動規制手段40によってエンジン2の出力軸の軸線方向に対し直交する方向(図4中,墨塗りの矢印で示す方向)への移動を許容しつつ,エンジン2の出力軸の軸線方向(図4中,白抜きの矢印で示す方向)への移動が規制されている。
以上のように構成されたマフラ30は,移動規制手段40によってエンジン2の出力軸の軸線方向に対し直交する方向(図4中,墨塗りの矢印で示す方向)への移動を許容しつつ,エンジン2の出力軸の軸線方向(図4中,白抜きの矢印で示す方向)への移動が規制されている。
この移動規制手段40は,図6に示すように,エンジン2の出力軸の軸線方向と平行な方向に配置されたボンネット11の側壁(図示の例ではサイドカバー113)の内面に設けられた一対のブラケット41,42と,マフラ30に固定された弾性材料から成るストッパ部材43により構成されている。
このうちのブラケット41,42には,それぞれ,エンジン2の出力軸の軸線方向に対し直交する方向の平面41a,42aが設けられており,この平面41a,42aを所定間隔で対向させた状態で2つのブラケット41,42がサイドカバー113の内面に取り付けられている。
そして,前述したストッパ部材43を,一対のブラケット41,42に設けた前記平面41a,42a間の間隔に挟持させている。
このように構成することで,エンジン2の出力軸の軸線方向(図6中,白抜きの矢印で示す方向)へのマフラ30の移動が規制される一方,エンジン2の出力軸の軸線方向に対し直交する方向(図6中,墨塗りの矢印で示す方向)へのマフラ30の移動は許容されるように構成されている。
移動規制手段40を構成する一方の部材である前述のストッパ部材43は,図6中に拡大図で示したように,架台32の天板322の側面に,ボンネット11のサイドパネル113の内壁側に向かって突出する,Z字金具45をボルト止め等の方法で取り付け,このZ字金具45の先端部分に,ゴム等の弾性部材から成る前述のストッパ部材43を取り付けている。
なお,ストッパ部材43の構成は図示の例に限定されるものではなく,一対のブラケット41,42と協働して,エンジン2の出力軸の軸線方向へのマフラ30の移動を規制し得るものであれば各種構成を採用可能であり,一例として図7に示すように,架台32の天板322の隅角部に貼着したゴムバンパをストッパ部材43’とし,このストッパ部材43’を一対のブラケット41,42の平面41a,42a間で挟持するものとしても良い。
なお,このようなゴムパンパをストッパ部材43’とする構成では,図7中に変形例として示したように,ストッパ部材43’を天板322の幅方向における反対側の角部にも設け,一対のブラケット41,42でこれら2つのストッパ部材43’,43’と共に架台32の天板322を幅方向より挟持するように構成するものとしても良い。
また,図6及び図7を参照して説明した実施形態では,ストッパ部材43,43’をいずれも架台32の天板322の隅角部に設ける構成について説明したが,この構成に代えて,図8及び図9に示すように,例えば架台32の天板322の幅方向の中央裏面にサイドパネル113側に向かって突出する取付金具45’を設け,この取付金具45’の先端にストッパ部材43を取り付けるものとしても良く,その取り付け位置は図示の構成に限定されない。
一方,サイドパネル113(114)の内壁に設けられる一対のブラケット41,42は,その平面41a,42a間に前述したストッパ部材43,43’を挟持する。
このブラケット41,42は,図9に示すようにブラケット41,42となるアングル材等を別途,溶接,その他の方法でサイドパネル113,114に取り付ける等して設けるものとしても良いが,ブラケット41,42の一方又は双方を,サイドパネル113,114に既に備わっている部材によって構成するものとしても良く,このように構成することで部品点数の減少と組み立て工数の減少を実現させることができる。
一例として,図6に示す実施形態では,サイドパネル113の側縁に設けられた折り曲げ部を一方のブラケット41と成すと共に,サイドパネル113の内面より突出する給油口カバーの側面を他方のブラケット42とし,この2部材間にストッパ部材43を挟持させている。
また,図7及び図10に示す実施形態では,サイドパネル113(,114)の側縁に設けられた折り曲げ部を一方のブラケット41と成す一方,他方のブラケット42については,サイドパネル131(,114)の内面に別途アングル材を取り付ける等して形成している。
この一対のブラケット41,42の平面41a,42a間の間隔は,ストッパ部材43を弾性変形させることなく挿入(挟持)可能な間隔とすることが必要で,ストッパ部材43と同一幅,又は,それよりも僅かに広い間隔に形成する。
図6中に符号δで示す,ストッパ部材43とブラケット41,42の平面41a,42b間の隙間δ(0~X)は,マフラ30がエンジン2の出力軸の軸線方向(図6中,白抜きの矢印で示す方向)に移動することを規制する上では0(ゼロ)であることが好ましい。
一方,エンジン2が安定した運転状態に移行した後にマフラ30に生じる,エンジン2の出力軸の軸線方向と直交する方向(図6中,墨塗りの矢印で示す方向)の小刻みな振動をサイドパネル113に伝達させないようにするためには,ストッパ部材43をブラケット41,42の平面41a,42bから離間させることが望ましい。
このような隙間δ(0~X)の最大値Xは,一例として防振部材を介してフレーム12に取り付けられているエンジン及び作業機本体の移動幅Δ(図4参照)の最大値(本実施形態では一例として7mm),又は,エキゾーストパイプ20の外径と,仕切壁13に設けた開口部13aの開口縁間の間隔Δ2(図5参照:本実施形態において10mm)と対応させるものとしても良い。
この移動規制手段40は,一例として図6及び図7に示すように,マフラ本体31の長手方向の一方の端部側(図示の例ではテールパイプ25の取付側)に設けるものとしても良く,又は,図9及び図10に示すようにマフラ本体31の長手方向の両端部側にそれぞれに設けるものとしても良い。
もっとも,図6及び図7に示すように,移動規制手段40をマフラ本体31の長手方向における一方の端部側にのみ設ける構成を採用する場合,エキゾーストパイプ20の取り付け側とは反対側のマフラ本体31の長手方向の端部側(図示の例ではテールパイプ25の取り付け側の端部側)に移動規制手段40を設けることが好ましい。
この位置に移動規制手段40を設けることで,反対側(エキゾーストパイプ20の取り付け側)にのみ移動規制手段40を設ける場合に比較して,より防振効果を高めることができることが実験的に確認されている。
なお,図6~図10を参照して説明した実施形態では,ストッパ部材43,43’をいずれも架台32の天板322に取り付けるものとして説明したが,この位置に限定されず,ストッパ部材43,43’を架台32の脚部321やマフラ本体31に取り付けるものとしても良い。
また,図示の実施形態では,いずれも,マフラ30側にストッパ部材43を設けると共に,ボンネット11のサイドパネル113(,114)の内壁に一対のブラケット41,42を設ける構成を示したが,これとは逆に,マフラ30側に一対のブラケット41,42を,ボンネットのサイドパネル113(,114)の内面にストッパ部材43を設ける構成を採用するものとしても良く,その構成は,図示の実施形態に限定されない。
〔作用等〕
以上のように構成された防振支持構造で支持されたマフラ30を備えたエンジン駆動型作業機1においてエンジン2を始動させると,エンジン2の始動から安定した運転状態に移行するまでの間,エキゾーストパイプ20のフレキシブルパイプ21の伸縮によって,マフラ30には,エンジン2の出力軸の軸線方向へ移動させようとする力が繰り返し加わる。
以上のように構成された防振支持構造で支持されたマフラ30を備えたエンジン駆動型作業機1においてエンジン2を始動させると,エンジン2の始動から安定した運転状態に移行するまでの間,エキゾーストパイプ20のフレキシブルパイプ21の伸縮によって,マフラ30には,エンジン2の出力軸の軸線方向へ移動させようとする力が繰り返し加わる。
しかし,エンジン2の出力軸の軸線方向へのマフラ30の移動は,移動規制手段40のストッパ部材43がブラケット41,42の平面41a,42a間に挟持されていることにより規制されており,マフラ30の移動幅は,ストッパ部材43とブラケット41,42の平面41a,42a間に形成された隙間δとストッパ部材43の変形量の総和の範囲に制限されることで,マフラ30が大きく振動することが防止されている。
その結果,エンジン2の始動から安定運転に移行するまでの間に生じる防音箱10の振動や,この振動に伴う騒音の発生を大幅に低減することができる。
また,エンジン2の始動時にマフラ30が大きく振動することが防止できたことで,エキゾーストパイプ20のフレキシブルパイプ21が繰り返し大きな変形を受けることも防止でき,その結果,フレキシブルパイプ21の寿命を延ばすことができる。
しかも,エンジンの始動時に生じるマフラ30の大きな振動を抑制できたことで,エキゾーストパイプ20を仕切壁13やボンネット11に固定する必要がなくなり,固定部分を介してエキゾーストパイプ20の振動が防音箱10に対し伝達されることも防止される。
一方,移動規制手段40に設けた一対のブラケット41,42は,エンジン2の出力軸の軸線方向にストッパ部材43が移動することは規制するが,ストッパ部材43がブラケット41,42の平面41a,42aに沿った方向へ移動すること,すなわち,エンジン2の出力軸の軸線方向と直交する方向への移動は規制していない。
その結果,エンジン2の運転状態が安定して,マフラ30の振動が,エンジン2の出力軸の軸線方向に対し直交への小刻みな振動に変化すると,この方向へのマフラ30の振動は移動規制手段40に伝達されず,従って,サイドパネル113(,114)にも伝達されない。
また,このような小刻みなマフラ30の振動は,架台32の脚部321下端とフレーム12間に設けられた防振部材33によって減衰されることで,フレーム12を介して防音箱に伝達される振動も抑制されている。
その結果,本発明のマフラの防振支持構造では,エンジン2の始動から安定運転に至る迄の間の騒音や振動,及び,安定運転に移行した後の騒音や振動のいずれ共に減衰させることができ,より静寂性の高いエンジン駆動型作業機を提供することができるものとなっている。
1 エンジン駆動型作業機
2 エンジン
3 ラジエータファン
4 ラジエータコア
6 作業機本体(発電機)
10 防音箱
10a エンジン室
10b 排風室
11 ボンネット
111 フロントパネル
112 リヤパネル
113,114 サイドパネル(ボンネットの側壁)
115 トップパネル
116,117 吸気口
119 排風口
12 フレーム
13 仕切壁
13a 開口部
20 エキゾーストパイプ
21 フレキシブルパイプ
25 テールパイプ
30 マフラ
31 マフラ本体(消音器)
32 固定用脚部(架台)
321 脚部
322 天板
33 防振部材
40 移動規制手段
41,42 ブラケット
41a,42a 平面(ブラケットの)
43,43’ ストッパ部材
45 Z字金具
45’ 取付金具
200 エンジン駆動型作業機
202 エンジン
203 ラジエータファン
206 作業機本体(発電機)
210 防音箱
210a エンジン室
210b 排風室
211 ボンネット
212 フレーム
213 仕切壁
213a 開口部
214 ブラケット
215 U字ボルト
219 排風口
220 エキゾーストパイプ
221 フレキシブルパイプ
222 フランジ
225 テールパイプ
230 マフラ
233 防振部材
261 防音箱側のステー
262 マフラ側のステー
L エンジンの出力軸の軸線を延長した線
2 エンジン
3 ラジエータファン
4 ラジエータコア
6 作業機本体(発電機)
10 防音箱
10a エンジン室
10b 排風室
11 ボンネット
111 フロントパネル
112 リヤパネル
113,114 サイドパネル(ボンネットの側壁)
115 トップパネル
116,117 吸気口
119 排風口
12 フレーム
13 仕切壁
13a 開口部
20 エキゾーストパイプ
21 フレキシブルパイプ
25 テールパイプ
30 マフラ
31 マフラ本体(消音器)
32 固定用脚部(架台)
321 脚部
322 天板
33 防振部材
40 移動規制手段
41,42 ブラケット
41a,42a 平面(ブラケットの)
43,43’ ストッパ部材
45 Z字金具
45’ 取付金具
200 エンジン駆動型作業機
202 エンジン
203 ラジエータファン
206 作業機本体(発電機)
210 防音箱
210a エンジン室
210b 排風室
211 ボンネット
212 フレーム
213 仕切壁
213a 開口部
214 ブラケット
215 U字ボルト
219 排風口
220 エキゾーストパイプ
221 フレキシブルパイプ
222 フランジ
225 テールパイプ
230 マフラ
233 防振部材
261 防音箱側のステー
262 マフラ側のステー
L エンジンの出力軸の軸線を延長した線
Claims (5)
- 構成機器を搭載する基台となるフレームと該フレーム上を覆うボンネットとを備えた防音箱と,該防音箱内に収容されるエンジン,該エンジンにより駆動される作業機本体,少なくとも一部がフレキシブルパイプによって構成されたエキゾーストパイプ,及び,前記エキゾーストパイプを介して前記エンジンに連通されたマフラを備えるエンジン駆動型作業機における前記マフラの防振支持構造において,
前記マフラが,消音器であるマフラ本体と,該マフラ本体を前記フレーム上に固定する固定用脚部を備え,該マフラを平面視において前記エンジンの出力軸の軸線を延長した線上に配置した状態で,前記固定用脚部が防振部材を介して前記フレーム上に取り付けられていると共に,
前記エンジンの出力軸の軸線方向に対し直交する方向への前記マフラの移動を許容しつつ,前記出力軸の軸線方向に対する前記マフラの移動を規制する,移動規制手段を前記防音箱内に設けたことを特徴とするエンジン駆動型作業機におけるマフラの防振支持構造。 - 前記移動規制手段が,
前記エンジンの前記出力軸の軸線方向と平行な方向に配置された前記ボンネットの側壁の内面,又は前記マフラいずれか一方に設けられた一対のブラケットと,他方に固定された弾性体から成るストッパ部材を備え,
前記一対のブラケットが,それぞれ,前記エンジンの前記出力軸の軸線方向に対し直交する方向の平面を有すると共に,該平面間で前記ストッパ部材を挟持することを特徴とする請求項1記載のエンジン駆動型作業機におけるマフラの防振支持構造。 - 脚部と,該脚部上に架設された天板を備えた架台上に前記マフラ本体を載置すると共に固定して,該架台を前記固定用脚部とすることで前記マフラ本体を前記フレーム上に,前記フレームより上方に離間させて配置すると共に,
前記架台の前記脚部の下端部を,前記防振部材を介して前記フレーム上に取り付けたこと特徴とする請求項1又は2記載のエンジン駆動型作業機におけるマフラの防振支持構造。 - 前記防音箱が,該防音箱内を垂直方向に仕切る仕切壁を備えていると共に,前記エンジンを前記仕切壁で仕切られた一方の室に収容すると共に,前記マフラを他方の室に収容して成り,
前記エンジンと前記マフラの前記マフラ本体を,前記仕切壁及び前記ボンネットのいずれにも固定されていない前記エキゾーストパイプで連通すると共に,
前記仕切壁に,前記エキゾーストパイプが挿入される開口部を,振動発生時においても前記エキゾーストパイプが該開口部の開口縁と干渉しない寸法で形成したことを特徴とする請求項1~3いずれか1項記載のエンジン駆動型作業機におけるマフラの防振支持構造。 - 前記マフラを,前記マフラ本体の長さ方向が,前記エンジンの前記出力軸の軸線方向に対し直交方向となるように配置すると共に,
少なくとも前記エキゾーストパイプの接続側とは反対側の前記マフラの端部側に,前記移動規制手段を設けたことを特徴とする請求項1~4いずれか1項記載のエンジン駆動型作業機におけるマフラの防振支持構造。
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