JP2023110459A - 超高圧封止装置および往復駆動ポンプ - Google Patents

超高圧封止装置および往復駆動ポンプ Download PDF

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Abstract

【課題】超高圧における封止性能を向上させるとともに、導通溝によってリリーフ流路を形成することでプランジャの往復移動による背圧の影響が低減されるように流体の導水性を高め、耐久性を向上させることができる超高圧封止装置および往復駆動ポンプを提供する。【解決手段】本発明の超高圧封止装置は、低圧側で外側部材と接触して封止するボトムリングと、ボトムリングの先端部に接触して封止するバックアップリングと、ボトムリングとバックアップリングの高圧側端面部と接触して封止するパッキンリングと、パッキンリングの先端部に接触して封止する弾性リングと、を備える。パッキンリングの先端部は、単一または複数の導通溝を有し、内側部材が高圧側に移動するときは、外側部材、パッキンリングおよび弾性リングで形成される環状空間と導通せず、内側部材が低圧側に移動するときは、環状空間と導通する。【選択図】図1

Description

本発明は、超高圧封止装置および往復駆動ポンプに係り、特に、単一または複数の導通溝を形成したパッキンリングを備えた超高圧封止装置および往復駆動ポンプに関する。
従来、圧力が400MPaとなるような高圧ポンプにおいて、低圧部から高圧部に向かって、ボトムリング、バックアップリング、パッキンリング、および、弾性リングを軸方向に順次並べて構成したシール装置が知られている。
例えば、特許文献1に記載の高圧ポンプに使用されるシール装置は、内側部材(プランジャ)との摺動特性を確保するため、ボトムリングには強度の高いステンレス部材が採用されている。また、外側部材(シリンダ)とのシール性を確保するため、バックアップリングや、弾性リングを備える。
また、特許文献2記載の超高圧封止装置は、ボトムリングとバックアップリングは、銅合金であり、ボトムリングは、バックアップリングよりも引張強さおよび硬度を高くしている。
特許第4123547号公報 特許第6397377号公報
しかしながら、超高圧(500MPa以上)に耐えうるようにシール性が向上することによって、逆に、シリンダ内部の背圧がパッキンリングや弾性リングの隙間に籠る機会が増加し、シリンダ内部の背圧によるエネルギーがパッキンリングや弾性リングに影響を与え、結果、パッキンリングや弾性リングが損傷してしまうという課題があった。
本発明は、このような背景に鑑みてなされたものであり、超高圧における封止性能を向上させるとともに、導通溝によってリリーフ流路を形成することでプランジャの往復移動によるシリンダ内部の背圧の影響が低減されるように流体の導水性を高め、耐久性を向上できる超高圧封止装置および往復駆動ポンプを提供することを目的とする。
本発明の超高圧封止装置は、外側部材と内側部材との間に形成された環状隙間に配設され、環状隙間を封止して高圧室と低圧室とを仕切る超高圧封止装置であって、低圧側で外側部材と接触して封止するボトムリングと、ボトムリングの先端部に接触して封止するバックアップリングと、ボトムリングとバックアップリングの高圧側端面部と接触して封止するパッキンリングと、パッキンリングの先端部に接触して封止する弾性リングと、を備え、パッキンリングの先端部は、単一または複数の導通溝を有し、内側部材が高圧側に移動するときは、環状隙間の一部であり、外側部材、パッキンリングおよび弾性リングで形成される環状空間と導通せず、内側部材が低圧側に移動するときは、環状空間と導通する。
本発明に係る超高圧封止装置は、超高圧における封止性能を向上させるとともに、導通溝によってリリーフ流路を形成することでプランジャの往復移動によるシリンダ内部の背圧の影響が低減されるように流体の導水性を高め、耐久性を向上できる。そのため、この超高圧封止装置は、特に、圧力の高い超高圧領域(500~700MPa)において使用される往復駆動ポンプに好適に使用できる。
本発明の実施形態に係る超高圧封止装置および往復駆動ポンプを示す要部概略断面図 本発明の実施形態に係るパッキンシール(a)導通溝が周方向に均一に配置される場合(b)導通溝が1つの場合、(c)導通溝が2つの場合を示す斜視図 超高圧が負荷されたときの状態を示す従来の超高圧封止装置および往復駆動ポンプの要部拡大図 超高圧の負荷が解消されたときの状態を示す従来の超高圧封止装置および往復駆動ポンプの要部拡大図 超高圧が負荷されたときの状態を示す本発明の実施形態に係る超高圧封止装置および往復駆動ポンプの要部拡大図 超高圧の負荷が解消されたときの状態を示す本発明の実施形態に係る超高圧封止装置および往復駆動ポンプの要部拡大図
本発明の実施形態に係る超高圧封止装置および往復駆動ポンプの一例を説明する。
≪超高圧封止装置≫
図1に示すように、超高圧封止装置1は、バルブ、スイベルジョイント等の流体継手や、往復駆動ポンプ、高圧プランジャポンプ等のポンプや、流体を加圧する高圧発生装置等の非常に高圧な流体をシールして漏れを防止するのに好適な装置であり、500MPa以上の圧力の流体を封止できる。超高圧封止装置1は、外側部材2と内側部材3との間に形成された環状隙間C1を封止するように配設され、この環状隙間C1を封止して高圧室RHと低圧室RLとを仕切るように設けられている。以下、超高圧封止装置1の一例として、外側部材2は圧力容器を構成するシリンダ部材20、内側部材3はシリンダ部材20内を進退移動するプランジャ部材30として構成される往復駆動ポンプ10(プランジャポンプ)に使用される場合を例に挙げて説明する。
超高圧封止装置1は、環状隙間C1内において、プランジャ部材30の低圧室RL寄りの外周部に外嵌されたボトムリング4と、ボトムリング4の小径外周部4fおよび中央外周部4gに外嵌されたバックアップリング5と、プランジャ部材30の外周面の高圧室RH寄りのボトムリング4に隣接した位置に外嵌されたパッキンリング6と、パッキンリング6の小径外周部6fおよび中央外周部6gに外嵌された弾性リング7と、プランジャ部材30の高圧室RH側の外周部に遊嵌されたスペーサリング8と、で構成される。
<外側部材>
図1に示すように、外側部材2は、シリンダ部材20等の圧力容器である。外側部材2は、内側部材3が進退自在に挿入されるシリンダ室2aを形成した円筒状の部材であり、不図示のハウジングに内設される。
<内側部材>
内側部材3は、油圧等によって往復動作するプランジャ部材30(ピストン)である。内側部材3は、例えば、低圧室RL側に設けた弁ばね(図示省略)で後退することによって、流体を高圧室RH内に吸入して、高圧室RH側に前進するため、高圧室RH内の高圧流体を押圧して排出するポンプの機能を果たす。
<環状隙間>
環状隙間C1は、プランジャ部材30とシリンダ部材20の間に形成された縦断面視して円筒形状の空間であり、パッキンリング6および弾性リング7等のパッキン部材(シール部材)が配置される設置空間である。環状隙間C1内は、低圧室RL側から高圧室RH低圧側へ向って順に、ボトムリング4、バックアップリング5、パッキンリング6、弾性リング7、スペーサリング8が挿入されて、高圧室RH側と低圧室RL側とを仕切るように封止されて、高圧流体が外部に漏れないように構成される。
<ボトムリング>
ボトムリング4は、バックアップリング5、パッキンリング6、および弾性リング7よりも剛性を有する略円筒状の部材である。ボトムリング4は、プランジャ部材30(内側部材3)に当接する内周部4aと、低圧室側端面部4bに繋がりシリンダ部材20(外側部材2)に当接する大径外周部4eと、この大径外周部4eよりも縮径され高圧室側端面部4cに繋がる小径外周部4fと、外周部4dが大径外周部4eと小径外周部4fに繋がるように形成された中央外周部4gと、で構成される。ボトムリング4の先端部4Aは、縮径された突起である。
ボトムリング4は、シリンダ部材20のシリンダ室2aの低圧室RL側の開口部に内嵌して配置される。
内周部4aは、ボトムリング4において、最も軸心線側に形成されて、プランジャ部材30の外周面が当接するプランジャ部材30の軸受部位である。
低圧室側端面部4bは、略円筒状のボトムリング4の低圧室RL側に形成された側面視して平な環状の端面である。
高圧室側端面部4cは、ボトムリング4の高圧室RH側に形成された環状の端面である。この高圧室側端面部4cは、パッキンリング6の低圧室側端面部6bの軸心寄りの部位に当接した状態に配置される。
外周部4dは、ボトムリング4の円筒状の外周面であって、後記する大径外周部4eと小径外周部4fと中央外周部4gとによって段差状に形成される。大径外周部4eは、外周部4dにおいて、最も外径が大きく形成された大径の外周面であり、低圧室RL寄りの部位に円筒状に形成される。この大径外周部4eには、シリンダ部材20のシリンダ室2aの内壁が当接した状態に配置される。ボトムリング4の大径外周部4eの外径と、バックアップリング5の外周部5cの外径と、パッキンリング6の大径外周部6eの外径と、弾性リング7の外周部7cの外径と、スペーサリング8の内周部8bの外径は、略同一である。
小径外周部4fは、外周部4dにおいて、最も小径の周面であり、高圧室RH寄りの部位に円筒状に形成される。小径外周部4fには、バックアップリング5の内周部5aの内壁が当接した状態に配置される。互いに当接する小径外周部4fと内周部5aは、シリンダ室2aの内壁面およびプランジャ部材30の外周面に平行に配置される。
ボトムリング4とバックアップリング5とは、テーパ形状でない嵌め合い部位である小径外周部4fおよび内周部5aを形成したことによって、同軸度を確保している。そのボトムリング4とバックアップリング5とのテーパ形状でない垂直な高圧室側端面部4cおよび高圧室側端面部5eは、パッキンリング6の低圧室側端面部6bに当接していることによって、直角度および同軸が確保されて、プランジャ部材30の同芯が振れないように軸支するとともに、流体漏れおよびパッキンの寿命を向上させる。
中央外周部4gは、ボトムリング4の大径外周部4eから小径外周部4fに繋がるテーパ形状をなしている側面部位(外周部位)である。中央外周部4gには、軸心側の部位にバックアップリング5の係止部5bが当接した状態に配置され、外周寄りの部位に環状隙間C2が形成される。
環状隙間C2は、ボトムリング4の中央外周部4gと、バックアップリング5の隙間形成端面5dと、シリンダ部材20のシリンダ室2aの内壁との間に形成された縦断面視して三角形の封止された環状空間である。環状隙間C2は、縦断面視して傾斜状に形成された中央外周部4gの外周寄りの部位に形成されていることによって、バックアップリング5の楔効果を高める役目を果している。
<バックアップリング>
バックアップリング5は、縦断面視して五角形(五辺を有する多角形)の楔形状のリング状部材であり、ボトムリング4の小径外周部4fおよび中央外周部4gに外嵌される。ボトムリング4の高圧室RH側は、縦断面視して、プランジャ部材30側のボトムリング4の小径部位と、シリンダ部材20(外側部材2)側のバックアップリング5と、に二分割した状態に配置される。バックアップリング5は、ボトムリング4の小径外周部4fに外嵌されてこの小径外周部4fに当接する内周部5aと、軸方向の移動が規制されるようにボトムリング4の中央外周部4gに係止される係止部5bと、シリンダ部材20に当接する外周部5cと、環状隙間C2に面した位置に形成された隙間形成端面5dと、パッキンリング6に当接する高圧室側端面部5eと、で構成される。
内周部5aは、リング形状のバックアップリング5の軸心側(プランジャ部材30側)の内側表面であり、ボトムリング4の高圧室RH側に形成された小径外周部4fに外嵌される。係止部5bは、ボトムリング4のテーパ形状に適合するテーパ形状をなし、内周部5aの低圧室側端部から外周部方向に拡径して形成される。係止部5bは、ボトムリング4の中央外周部4gの軸心寄りの部位に外嵌して配置され、バックアップリング5の内周部5aの一部を形成する。
外周部5cは、リング形状のバックアップリング5の外周側(シリンダ部材20のシリンダ室2a側)の外側表面であり、シリンダ室2aの内壁の当接した状態に配置される。隙間形成端面5dは、バックアップリング5の低圧室側端部の外周部側部位であり、外周部5cの低圧室側端部から係止部5bの外周側端部に亘って縮径して形成される。このため、隙間形成端面5dは、外周部5cの一部を構成する。
高圧室側端面部5eは、バックアップリング5の高圧室側端面であり、パッキンリング6の低圧室側端面部6bの外周部側部位に当接して配置される。バックアップリング5の高圧室側端面部5eおよびボトムリング4の高圧室側端面部4cは、パッキンリング6が偏ったり、傾いたりするのを防止するために、軸方向(プランジャ部材30の外周面)に対して垂直な同じ面上に形成されて、縦断面視して一直線上に配置される。
<パッキンリング>
パッキンリング6は、環状隙間C1において、ボトムリング4およびバックアップリング5と、スペーサリング8との間に介在された略円筒状の部材である。パッキンリング6は、バックアップリング5の高圧室側端面部5eに当接する低圧室側端面部6bと、プランジャ部材30に当接する内周部6aと、低圧室側端面部6bに繋がりシリンダ部材20に当接する大径外周部6eと、この大径外周部6eよりも縮径され高圧室側端面部6cに繋がる小径外周部6fと、外周部6dが大径外周部6eと小径外周部6fに繋がるように形成された中央外周部6gと、で構成する。パッキンリング6は、例えば、高分子ポリエチレン等の合成樹脂である。パッキンリング6の先端部6Aは、縮径された突起である。
内周部6aは、パッキンリング6において、最も軸心線側に形成されて、プランジャ部材30の外周面3aが当接して配置されたシール部位である。
低圧室側端面部6bは、バックアップリング5の高圧室側端面部5eおよびボトムリング4の高圧室側端面部4cに当接して配置された部位である。この低圧室側端面部6bは、軸方向(プランジャ部材30の摺動方向)に対して垂直に形成されていることによって、パッキンリング6の垂直面の形状、および、パッキンリング6の同芯位置を保つ機能を果す。
高圧室側端面部6cは、パッキンリング6の高圧室RH側に形成された縦断面視して垂直な端面であり、側面視して環状に形成されている。高圧室側端面部6cは、スペーサリング8に低圧室RL方向の荷重aが負荷されていないときに、スペーサリング8の低圧室側端面部8cが離間した状態に配置される。高圧室側端面部6cは、スペーサリング8に低圧室RL方向の荷重aが負荷されているときに、スペーサリング8の低圧室側端面部8cに押圧されて、パッキンリング6が圧縮される。
外周部6dは、パッキンリング6の円筒状の外周面であって、大径外周部6eと小径外周部6fと中央外周部6gとによって段差状に形成される。
大径外周部6eは、外周部6dにおいて、最も外径が大きく形成された外周面であり、低圧室RL寄りの部位にプランジャ部材30の外周面に沿って平行な円筒状に形成される。この大径外周部6eには、シリンダ部材20のシリンダ室2aの内壁が当接した状態に配置される。大径外周部6eは、バックアップリング5と弾性リング7との間に介在されて、バックアップリング5と弾性リング7とが互いに当接しないように離間させて配置される。
小径外周部6fは、外周部6dにおいて、大径外周部6eよりも小径の周面であり、高圧室RH寄りの部位に円筒状に形成されている。この小径外周部6fには、環状の弾性リング7の内周部7aの内壁が当接した状態に配置されて、シリンダ部材20とは非当接状態に配置される。
中央外周部6gは、パッキンリング6の大径外周部6eから小径外周部6fに繋がるテーパ形状をなしている側面部位である。中央外周部6gには、軸心側の部位にパッキンリング6の係止部7bが当接した状態に配置され、外周寄りの部位に環状隙間(環状空間)C3が形成される。
環状隙間(環状空間)C3は、パッキンリング6の中央外周部6gと、弾性リング7の隙間形成端面7dと、シリンダ室2aの内壁との間に形成された縦断面視して直角三角形の封止された空間である。環状隙間(環状空間)C3は、縦断面視して傾斜状に形成された中央外周部6gの外周寄りの部位に形成されていることによって、弾性リング7の楔効果を高め役目を果たす。
導通溝6iは、図1および図2に示すように、パッキンリング6の先端部6Aに形成される溝である。導通溝6iは、内側部材3が高圧側に移動するときは、外側部材2、パッキンリング6および弾性リング7で形成される環状隙間(環状空間)C3と導通せず、内側部材3が低圧側に移動するときは、環状隙間(環状空間)C3と導通する。
内側部材3が往復移動を繰り返した場合であっても、環状隙間(環状空間)C3内に浸入する流体が、リリーフ流路として機能する導通溝6iから環状隙間(環状空間)C3の外へ排出されることによって、環状隙間(環状空間)内が加圧状態となることがなく(背圧による悪影響が低減され)、環状隙間(環状空間)C3を構成する外側部材2、パッキンリング6および弾性リング7の損傷を防ぐことができる。
図2(a)に示すように、導通溝6iは、単一または複数形成することができるが、パッキンリング6の先端部6Aの周方向に均等に複数配置することで、シリンダ内部の(環状隙間(環状空間)C3に籠る)背圧を均一に分散することができる。
導通溝6iは、流体が通過する箇所になるため、損傷等の対策を一層図ることを目的として、導通溝用保護部6ibを配置できる。導通溝用保護部6ibは、導通溝6iに連結できるものであればよい。導通溝用保護部6ibに代わり、パッキンリング6の先端部6Aの表面をコーティング処理すること等も想定できる。
導通溝6iは、内側部材3の移動に伴う導通を機能させることができるものであればよく、図2(b)および(c)に示すように、導通溝6iの個数は適宜変更できることは言うまでもなく、高さ、幅、深さ、形状等についても同様である。
また、導通溝6iは、パッキンリング6の先端部6Aの幅L1よりも長い導通溝6iの幅L2とすることもできる。内側部材7の移動に伴い発生するエネルギーによって弾性リング7は収縮と膨張を繰り返すものの、誤差が極めて小さいため、導通溝6iの幅が短すぎると導通溝6iを形成する目的である環状隙間(環状空間)C3内の流体の排出が(リリーフ回路として)機能しないため、導通溝6iの幅L2をパッキンリング6の先端部6Aの幅L1よりも長く形成することによって、導水性を確実に得られる。
図3に示すように、導通溝6iを形成せず、超高圧が負荷された状態の超高圧封止装置の場合、弾性リング7には、矢印c方向および矢印d方向の力が加わり、外側部材2とパッキンリング6と密着した状態となる。このときに、環状隙間(環状空間)C3内の面積は、超高圧が負荷する前よりも小さくなり、圧力が籠る状態である。
また、図4に示すように、超高圧の負荷が解消されたときの状態の超高圧封止装置の場合、弾性リング7には、矢印ca方向および矢印da方向の力が加わり、外側部材2とパッキンリング6の先端部6aと密着した状態となる。このときに、環状隙間(環状空間)C3内の面積は、超高圧で負荷をかけた状態の反動も影響し、超高圧が負荷する前よりも大きくなり、背圧が緩む状態である。
そして、往復駆動ポンプは、内部部材3を往復させることで、高圧流体を生成するものであるため、再び、図3の超高圧が負荷されたときの状態になるが、各要素で封止していても、流体の浸入を100%防ぐことは難しく、環状隙間(環状空間)C3に流体が残ることや、さらに浸入してきた後に、環状隙間(環状空間)C3内の面積が再度小さくなるわけであるから、環状隙間(環状空間)C3の背圧によって、環状隙間(環状空間)C3を構成する外側部材2、パッキンリング6および弾性リング7の損傷を誘発する。
そこで、本発明の超高圧封止装置において、導通溝6iを形成することで、環状隙間(環状空間)C3に背圧が過度に籠らない状態にできる。
図5に示す超高圧が負荷されたときの状態は、図3および図4で作用するエネルギーや流体の移動と、基本的な原理は同じである。異なるのは、図6に示すように、超高圧の負荷が解消されたときの状態の際におけるメカニズムである。
弾性リング7には、矢印ca方向および矢印da方向の力が加わり、外側部材2とパッキンリング6の先端部6aと密着した状態となるものの、導水溝6iを形成したことによって、環状隙間(環状空間)C3に浸入した流体がS1の方向に排出されることで、再び超高圧を負荷したとしても、環状隙間(環状空間)C3の内部に背圧が籠らないことで、環状隙間(環状空間)C3を構成する外側部材2、パッキンリング6および弾性リング7の損傷を抑制できる。
<弾性リング>
弾性リング7は、縦断面視して五角形(五辺を有する多角形)の環状部材である。弾性リング7は、パッキンリング6の小径外周部6fに外嵌されてこの小径外周部6fに当接する内周部7aと、軸方向の移動が規制されるようにパッキンリング6の中央外周部6gに係止される係止部7bと、シリンダ部材20に当接する外周部7cと、環状隙間(環状空間)C3に面した位置に形成された隙間形成端面7dと、スペーサリング8に当接する高圧室側端面部7eと、で構成される。
弾性リング7は、パッキンリング6の小径外周部6fおよび中央外周部6gに外嵌されて、スペーサリング8に押圧された状態に配置されているので、シリンダ部材20とテーパ形状の中央外周部6gとの間に圧縮されて密着されるように配置される。このため、弾性リング7は、パッキンリング6をプランジャ部材30側方向(矢印b方向)に押圧する。その結果、弾性リング7は、弾性リング7の内周部7aおよび係止部7bがパッキンリング6の小径外周部6fおよび中央外周部6gに密着するとともに、外周部7cがシリンダ室2aの内壁面に密着し、パッキンリング6の内周部6aがプランジャ部材30の外周面に密着させて、各部材間の初期圧が得られるようになっている。弾性リング7は、例えば、ウレタンゴム等の弾性を有する合成ゴムである。
内周部7aは、リング形状の弾性リング7の軸心側の内側表面であり、パッキンリング6の小径外周部6fに外嵌される。係止部7bは、パッキンリング6のテーパ形状に適合するテーパ形状をなし、内周部7aの低圧室側端部から外周部方向に拡径して形成されている。係止部7bは、パッキンリング6の中央外周部6gの軸心寄りの部位に外嵌して配置されて、弾性リング7の内周部7aの一部を形成する。
外周部7cは、リング形状の弾性リング7の外周側の外側表面であり、シリンダ室2aの内壁の当接した状態に配置される。隙間形成端面7dは、弾性リング7の低圧室側端部の外周部側部位であり、外周部7cの低圧室側端部から係止部7bの外周側端部に亘って垂直に形成される。
高圧室側端面部7eは、弾性リング7の高圧室RH側の端面であり、スペーサリング8に低圧室RL方向の荷重aが負荷されていないときに、スペーサリング8の低圧室側端面部8cの外周端が当接した状態に配置される。つまり、弾性リング7の高圧室側端面部7は、軸方向に対して外周部7c側の端部から内周部7a側の端部に亘って高圧室RH側から低圧室RL側に縮径するようにテーパ状に形成される。高圧室側端面部7eは、スペーサリング8に低圧室RL方向の荷重aが負荷されているときに、スペーサリング8の低圧室側端面部8cの端面全体が押圧されて、弾性リング7が圧縮する。
<スペーサリング>
スペーサリング8は、高圧室RH内において、弾性リング7の高圧室側端面部7eの外周端に当接した状態に、シリンダ室2aの内壁に内嵌された金属製の円筒状部材である。図1に示すように、スペーサリング8は、プランジャ部材30が進退自在に挿入配置された外周部8aと、シリンダ室2aの内壁面に内嵌された内周部8bと、パッキンリング6の高圧室側端面部6cおよび弾性リング7の高圧室側端面部7eに対向配置された低圧室側端面部8cと、で構成される。
さらに、スペーサリング8は、低圧側の端面に導水溝8dを有することもできる。導水溝8dを形成することによって、導水箇所が増え、環状空間Cにおける流体が籠らないようにすることで、パッキンリング6や弾性リング7の損傷を低減できる。図6に示すように、S2の方向に流体を逃がすことができる。
さらに、スペーサリング8は、中央部に中央導水溝(孔)8eを有することもできる。中央導水溝8eを形成することによって、環状隙間Cにおける流体が籠らないようにすることで、パッキンリング6や弾性リング7の損傷を低減できる。図6に示すように、S3の方向に流体を逃がすことができる。
中央導水溝(孔)8eによる導水性でも十分であるが、導水溝8dの方がスペーサリング8の低圧側で、パッキンリング6や弾性リング7と接する機会が多い箇所のため、より高い効果(損傷を低減する)が得られる可能性が高い。
なお、導水溝8dおよび中央導水溝(孔)8eの高さ、幅、深さ、形状、個数等は、適宜変更できる。
≪作用≫
本発明の実施形態に係る超高圧封止装置1および往復駆動ポンプ10の作用を説明する。
往復駆動ポンプ10は、パッキンリング6の高圧室RH側に、スペーサリング8に当接した弾性リング7が圧縮されるように配置されていることで、パッキンリング6を介してバックアップリング5およびボトムリング4に高圧室RH方向の圧力が伝達されて、それらの部材間が隙間なく密着されるため、各シール部材間に適宜な初期圧を得ることができる。
また、往復駆動ポンプ10は、スペーサリング8に高圧室RH側から低圧室RL方向(矢印a方向)の負荷がかかると、弾性リング7およびパッキンリング6を低圧室RL方向に押し込んで、圧縮させる。弾性リング7は、全体的に低圧室RL方向に圧縮されて移動し、係止部7bが中央外周部6gのテーパ面に沿って移動し、外周部7cがシリンダ室2aの内壁面に押し当てられて密着してシールする。また、係止部7bは、パッキンリング6の中央外周部6gを軸心方向(矢印b方向)に押し込んで、内周部6aをプランジャ部材30に密着させてシールする。そのパッキンリング6は、バックアップリング5およびボトムリング4の高圧室側端面部5e、4cを押圧する。
パッキンリング6の低圧室側端面部6bは、バックアップリング5の高圧室側端面部5eおよびボトムリング4の高圧室側端面部4cに当接していることで、パッキンリング6から伝達される超高圧の軸方向(矢印e方向)の押圧力をバックアップリング5とボトムリング4の両方に同時に伝達することができる。このため、バックアップリング5によるシリンダ室2aの内壁面に対するシール性と、ボトムリング4によるプランジャ部材30に対するシール性とを早期に発生させてシール性を向上できる。
バックアップリング5は、ボトムリング4の小径外周部4fに外嵌されていることによって、パッキンリング6から伝達される超高圧の軸方向(矢印e方向)の押圧力をバックアップリング5とボトムリング4の両方でそれぞれ役割を分担できる。また、ボトムリング4の小径外周部4fは、バックアップリング5が外嵌されていることによって、ボトムリング4とバックアップリング5の同軸度を確保することができるため、パッキンリング6の外周部6dを適切にシリンダ室2aの内壁面に密着させることができる。
バックアップリング5は、外周方向(矢印g方向)に拡径された外周部5cがシリンダ室2aの内壁面に押圧されて密着されるため、シリンダ室2aの内壁面とのシール性を向上できる。また、楔形状のバックアップリング5の係止部5bは、その軸心側にあるボトムリング4の内周部4aを、軸心方向(矢印f方向)に押し込んでプランジャ部材30の外周面に密着させてシールする。
このため、ボトムリング4の内周部4aは、超高圧状態におけるプランジャ部材30に対するシール性を確保しながら摺動特性、封止性能、耐久性、およびシール寿命を大幅に向上できるため、500MPa以上の超高圧の流体であっても封止できる。
前記実施形態では、超高圧において使用する超高圧封止装置1について説明したが、これに限定されるものではなく、超高圧(500MPa以上)よりも低圧な高圧の種々の部位にも同様に適用できる。
1 超高圧封止装置
2 外側部材
3 内側部材
4 ボトムリング
4a、5a、6a、7a 内周部
4b、6b 低圧室側端面部
4c、5e、6c 高圧室側端面部
4d、5c、6d、7c 外周部
4e、6e 大径外周部
4f、6f 小径外周部
4g、6g 中央外周部
6i 導通溝
5 バックアップリング
5b、7b 係止部
6 パッキンリング
7 弾性リング
8 スペーサリング
8d 導水溝
8e 中央導水溝
10 往復駆動ポンプ
20 シリンダ部材
30 プランジャ部材
C 環状隙間
RH 高圧室
RL 低圧室


Claims (7)

  1. 外側部材と内側部材との間に形成された環状隙間に配設され、当該環状隙間を封止して高圧室と低圧室とを仕切る超高圧封止装置であって、
    低圧側で前記外側部材と接触して封止するボトムリングと、
    前記ボトムリングの先端部に接触して封止するバックアップリングと、
    前記ボトムリングと前記バックアップリングの高圧側端面部と接触して封止するパッキンリングと、
    前記パッキンリングの先端部に接触して封止する弾性リングと、を備え、
    前記パッキンリングの先端部は、単一または複数の導通溝を有し、
    前記内側部材が高圧側に移動するときは、当該環状隙間の一部であり、前記外側部材、前記パッキンリングおよび前記弾性リングで形成される環状空間と導通せず、
    前記内側部材が低圧側に移動するときは、前記環状空間と導通する、超高圧封止装置。
  2. 前記導通溝は、前記パッキンリングの先端部の周方向に均等に複数配置される、請求項1に記載の超高圧封止装置。
  3. 前記導通溝は、前記パッキンリングの先端部の幅よりも長い導通溝の幅を有する、請求項1または請求項2に記載の超高圧封止装置。
  4. 前記導通溝を保護するための導通溝用保護部と、を有する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の超高圧封止装置。
  5. 前記弾性リングの高圧側で封止するスペーサリングを備え、
    前記スペーサリングは、低圧側の端面に導水溝を有する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の超高圧封止装置。
  6. 前記弾性リングの高圧側で封止するスペーサリングを備え、
    前記スペーサリングは、中央部に中央導水溝を有する、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の超高圧封止装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の超高圧封止装置を備え、圧力が500MPa以上の往復駆動ポンプであって、
    前記外側部材は、シリンダ部材であり、
    前記内側部材は、プランジャ部材であること、を特徴とする往復駆動ポンプ。
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