JP2023107189A - トルク伝達構造 - Google Patents

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Yuichiro Kitamura
健太 山崎
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Abstract

【課題】舟形の雄スプラインを有するトルク伝達構造の強度を高める。【解決手段】雄スプライン40の軸方向一方側の端部に、軸方向一方側に行くにつれて歯底42aを徐々に拡径させると共に溝幅を徐々に小さくした切り上がり部42を設ける。雌スプライン50の軸方向一方側の端部に、軸方向一方側に行くにつれて歯先52bを徐々に拡径させると共に歯幅を徐々に小さくした傾斜部52を設ける。雄スプライン40の切り上がり部42と雌スプライン50の傾斜部52とを嵌合させる。【選択図】図3

Description

本発明は、雄スプラインと雌スプラインを嵌合させてトルクを伝達するトルク伝達構造に関する。
自動車のエンジンの動力を各車輪に伝達するドライブシャフトは、通常、一対の等速自在継手と、これらを連結する中間シャフトとで構成される。中間シャフトの両端には雄スプラインが形成され、各等速自在継手の内側継手部材の内周には雌スプラインが形成される。中間シャフトの雄スプラインと各等速自在継手の内側継手部材の雌スプラインとが嵌合することで、両者がトルク伝達可能に結合される。
また、ドライブシャフトのアウトボード側に設けられる等速自在継手(通常、固定式等速自在継手)は、車輪用軸受を介して車輪に取り付けられる。車輪用軸受は、車体に取り付けられる外方部材と、車輪に取り付けられる内方部材と、これらの間に配された複列の転動体とを有する。等速自在継手の外側継手部材のステム部には雄スプラインが形成され、車輪用軸受の内方部材の内周面には雌スプラインが形成される。外側継手部材のステム部の雄スプラインと車輪用軸受の内方部材の雌スプラインとが嵌合することで、両者がトルク伝達可能に結合される。
雄スプラインの反軸端側の端部形状には種々のタイプがあり、例えば図12に示すように、雄スプライン101の谷部102の歯底が反軸端側の端部までストレート形状である「切り抜けタイプ」や、図13に示すように、雄スプライン201の谷部202の歯底を反軸端側に行くにつれて徐々に拡径させて外周面に滑らかに連続した「切り上がりタイプ」等がある。
例えば、下記の特許文献1には、切り上がりタイプの雄スプラインと、雌スプラインとを有するトルク伝達構造が示されている。このトルク伝達機構では、雄スプラインのストレート部だけでなく切り上がり部も雌スプラインと嵌合させることで、スプライン嵌合部の強度向上を図っている。
特開2000-97244号公報
雄スプラインの切り上がり部の形状としては、図14に示す「槍型」や、図15に示す「舟形」がある。何れの切り上がり部も、歯底301、401が反軸端側(図中左上側)へ行くほど拡径している。図14に示す槍型の雄スプライン300では、切り上がり部の歯面302aの横断面形状が、歯底301の深さが一定であるストレート部の歯面302bの横断面形状と同一であり、周方向に対向する歯面302aの周方向間隔(以下、「溝幅」と言う。)が一定である。一方、図15に示す舟形の雄スプライン400では、切り上がり部の歯面402aの横断面形状が、歯底401の深さが一定であるストレート部における歯面402bの横断面形状と異なっており、反軸端側に行くほど溝幅が狭まっている。
雄スプラインは転造加工やプレス加工で形成する事が一般的であるが、雄スプラインが形成される中間シャフトが中空である場合、中実の場合と比べて断面積が小さい為、雄スプラインの加工時に中空状のスプライン部が変形しやすい。そのため、中空状シャフトのスプラインはプレスによる成形が主流である。さらに、雄スプラインの切り上がり部を、反軸端側に向かって一定の溝幅で成形する槍型に成形すると、加工負荷が高いため、塑性加工が困難になる場合がある。そのような場合、加工負荷が比較的低い舟形が採用される。
一方、内側継手部材等の内周面に設けられる雌スプラインは、ブローチ加工により形成されることが一般的である。この場合、横断面形状が軸方向で一定となるため、軸方向全域で歯幅が一定となる。槍型の雄スプライン300では、図16に示すように、ストレート部(歯面302b形成領域)及び切り上がり部(歯面302a形成領域)において溝幅が一定であるため、雄スプライン300の歯面302a、302bと雌スプライン500の歯面501とが軸方向全域で平行となる。そのため、両スプライン300、500を、ストレート部だけでなく切り上がり部においても問題なく嵌合させることができる。
これに対し、舟形の雄スプライン400の切り上がり部は、図17に示すように、端部に行くにつれて溝幅が徐々に狭まっているため、歯幅が一定の雌スプライン500の歯面501を雄スプライン400の切り上がり部の歯面402aに嵌合させることができない。もし、雌スプライン500を雄スプライン400の切り上がり部の歯面402aに押し込むと、雌スプライン500の歯のエッジ502が雄スプライン400の切り上がり部の歯面402aに食い込み、かえって強度低下を招く。
そこで、本発明は、舟形の雄スプラインを有するトルク伝達構造の強度を高めることを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は、雄側部材の外周面に設けられた雄スプラインと、雌側部材の内周面に設けられた雌スプラインとを嵌合させてなるトルク伝達構造において、
前記雄スプラインが、軸方向一方側に行くにつれて歯底を徐々に拡径させると共に溝幅を徐々に小さくした切り上がり部を有し、
前記雌スプラインが、軸方向一方側に行くにつれて歯先を徐々に拡径させると共に歯幅を徐々に小さくした傾斜部を有し、
前記雄スプラインの切り上がり部と前記雌スプラインの傾斜部とを嵌合させたトルク伝達構造を提供する。
上記のように、本発明では、雌スプラインに、舟形の雄スプラインの切り上がり部に倣った形状の傾斜部を設けている。これにより、雌スプラインの傾斜部と雄スプラインの切り上がり部とを、エッジを食い込ませることなく嵌合させることができるため、両スプラインの強度向上が図られる。
以上のように、本発明によれば、舟形の雄スプラインを有するトルク伝達構造の強度を高めることができる。
ドライブシャフトの断面図である。 本発明の一実施形態に係るトルク伝達構造を適用した、内側継手部材と中間シャフトとの嵌合部を示す断面図である。 下図は、図2のA部の拡大図であり、上図は、下図のB-B線(ピッチ円)における断面図である。 本発明の一実施形態に係るトルク伝達構造を構成する雄スプラインの切り上がり部の斜視図である。 本発明の一実施形態に係るトルク伝達構造を構成する雌スプラインの斜視図である。 図5の雌スプラインの傾斜部付近の拡大図である。 上記雌スプラインの傾斜部付近の断面図である。 他の実施形態に係る雌スプラインの傾斜部付近の断面図である。 (a)~(c)は、それぞれ図3のa~c線における断面図である。 下図は、本発明の他の実施形態に係る内側継手部材と中間シャフトとの嵌合部の拡大断面図であり、上図は、下図のB-B線(ピッチ円)における断面図である。 (a)~(c)は、それぞれ図10のa~c線における断面図である。 従来の切り抜けタイプの雄スプラインの断面図である。 従来の切り上がりタイプの雄スプラインの断面図である。 従来の槍型の雄スプラインの切り上がり部の斜視図である。 従来の舟形の雄スプラインの切り上がり部の斜視図である。 従来の槍型の雄スプラインの切り上がり部とストレート形状の雌スプラインとの嵌合状態を示す断面図である。 従来の舟型の雄スプラインの切り上がり部とストレート形状の雌スプラインとの嵌合状態を示す断面図である。 本発明に係るトルク嵌合構造を適用した車輪用軸受装置の断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1に、自動車に設けられるドライブシャフト1を示す。ドライブシャフト1は、アウトボード側(車幅方向外側)に設けられる固定式等速自在継手2と、インボード側(車幅方向中央側)に設けられる摺動式等速自在継手3と、両等速自在継手2、3を連結する中間シャフト4とを備える。
固定式等速自在継手2は、ツェッパ型と称されるものであり、外側継手部材21と、内側継手部材22と、トルク伝達部材としての複数のボール23と、保持器24とを有する。外側継手部材21の内球面に形成された複数のトラック溝21aと、内側継手部材22の外球面に形成された複数のトラック溝22aとで複数のボールトラックが形成され、各ボールトラックにボール23が一個ずつ配される。外側継手部材21と内側継手部材22との間で、角度変位を許容しながら、ボール23を介してトルクが等速で伝達される。外側継手部材21のステム部21bは、図示しない車輪用軸受を介して車輪と連結される。尚、固定式等速自在継手2は上記に限らず、例えばアンダーカットフリー型やクロスグルーブ型であってもよい。
摺動式等速自在継手3は、トリポード型と称されるものであり、外側継手部材31と、内側継手部材(トリポード部材)32と、トルク伝達部材としての複数のローラ33とを有する。内側継手部材32に設けられた3本の脚軸32aの外周に、ローラ33が針状ころを介して配される。外側継手部材31の内周面に形成された複数のトラック溝31aに、ローラ33が配される。外側継手部材31と内側継手部材32との間で、角度変位及び軸方向変位を許容しながら、ローラ33を介してトルクが等速で伝達される。外側継手部材31のステム部31bは、図示しないデファレンシャル装置に連結される。尚、摺動式等速自在継手3は上記に限らず、例えば、トルク伝達部材としてボールを用いたもの(ダブルオフセット型等)であってもよい。
中間シャフト4の両端の外周には、雄スプライン40、40’が形成される。固定式等速自在継手2の内側継手部材22の内周には雌スプライン50が形成され、摺動式等速自在継手3の内側継手部材32の内周には、雌スプライン50’が形成される。中間シャフト4の雄スプライン40、40’が、各等速自在継手2、3の内側継手部材22、32の雌スプライン50、50’と嵌合することで、これらがトルク伝達可能に連結される。本実施形態の中間シャフト4は中空であり、軸方向に貫通した貫通孔を有する。尚、中間シャフト4は中実であってもよい。
図2及び図3に、中間シャフト4のアウトボード側の雄スプライン40と固定式等速自在継手2の内側継手部材22の雌スプライン50との連結部を示す。この連結部に、本発明の一実施形態に係るトルク伝達構造が適用される。尚、この連結部の説明において、中間シャフト4の軸端側(図中左側)を「軸端側」と言い、中間シャフト4の軸端と反対側(図中右側)を「反軸端側」と言う。また、中間シャフト4のインボード側の雄スプライン40’と摺動式等速自在継手3の内側継手部材32の雌スプライン50’との連結部の構造は同様であるため、説明を省略する。
中間シャフト4の雄スプライン40の軸端側には環状溝4aが設けられ、雄スプライン40の反軸端側には肩部4bが設けられる。内側継手部材22の内周面の反軸端側の端部22bを、中間シャフト4の肩部4bに軸端側から当接させると共に、内側継手部材22の内周面の軸端側の端部22cを、環状溝4aに配した止め輪6で係止することで、中間シャフト4に対して内側継手部材22が軸方向で位置決めされる。
雄スプライン40は、図4に示すように、軸方向に延びる谷部と山部とを周方向で交互に有する。雄スプライン40の山部に歯先41bが形成され、雄スプライン40の谷部に歯底41aが形成される。雄スプライン40は、ストレート部41と、ストレート部41の反軸端側に設けられた切り上がり部42とを有する。切り上がり部42は、雄スプライン40の反軸端側の端部、すなわち、雌スプライン50を軸端側から雄スプライン40に嵌合させたときに最後に嵌合する部分に設けられる。
ストレート部41の歯底41a、歯先41b、及び歯面41cは、軸方向と平行な方向に延びている。すなわち、ストレート部41の横断面は、軸方向で同一形状を成している。ストレート部41の歯面41cは、例えば、横断面でインボリュート曲線あるいはストレート形状(直線歯)を成している。
切り上がり部42は、舟形を成している。すなわち、切り上がり部42の歯底42aは、反軸端側に行くにつれて徐々に拡径している(図3の下図参照)。また、切り上がり部42の溝幅(すなわち周方向に対向する歯面42cの周方向間隔)、特に、両スプライン40、50のピッチ円における溝幅は、反軸端側に行くにつれて徐々に狭くなっている(図3の上図参照)。図示例では、切り上がり部42の歯底42aの周方向幅が、ストレート部41の歯底41aの周方向幅と略等しく、軸方向で略一定となっている(図4参照)。この他、切り上がり部42の歯底42aの周方向幅を、反軸端側に行くにつれて徐々に小さくしてもよい。
雌スプライン50は、図5に示すように、軸方向に延びる谷部と山部とを周方向で交互に有する。雌スプライン50は、ストレート部51と、ストレート部51の反軸端側に設けられた傾斜部52と、傾斜部52のさらに反軸端側に設けられた逃げ部53とを有する。逃げ部53は、ストレート部51の歯先51bよりも大径な円筒面で構成される。雌スプライン50のストレート部51及び傾斜部52は、それぞれ雄スプライン40のストレート部41及び切り上がり部42と嵌合する(図2参照)。尚、図2及び図3の散点領域は、雄スプライン40と雌スプライン50との嵌合領域、すなわち、両スプライン40、50が回転方向で重複する領域を示す。
ストレート部51の歯底51a、歯先51b、及び歯面51cは、軸方向と平行な方向に延びている(図5参照)。ストレート部51の歯面51cは、例えば、横断面でインボリュート曲線あるいはストレート形状(直線歯)を成している。図示例では、雌スプライン50のストレート部51の歯底51aが反軸端側に延長され、内側継手部材22の内周面の軸方向全域に軸方向と平行なストレート形状の歯底51aが形成される。
傾斜部52は、図6に示すような舟形を成している。本実施形態の傾斜部52は、ストレート部51の歯先51bと逃げ部53とを接続する歯先52bと、歯先52bの周方向両側に設けられた歯面52cとを有する。傾斜部52の歯先52bは、反軸端側に行くにつれて徐々に拡径している(図3の下図参照)。傾斜部52の歯幅(すなわち、歯先52
bの周方向両側に隣接する歯面52cの周方向間隔)、特に、両スプライン40、50のピッチ円における歯幅は、反軸端側に行くにつれて徐々に狭くなっている(図3の上図参照)。
傾斜部52の歯先52bは、例えば軸方向に対して傾斜した面で構成される(図6参照)。傾斜部52の歯先52bの軸方向に対する傾斜角度θ(図7参照)は、例えば10~30°の範囲で設定される。傾斜部52の歯先52bと逃げ部53とは、曲面54を介して滑らかに接続している。この他、図8のように、傾斜部52の歯先52bとストレート部51の歯先51bとを曲面55を介して滑らかに接続してもよい。曲面54、55は、例えば、曲率半径1~10mmの断面円弧状の曲面で構成される。
図示例では、傾斜部52の歯先52bの周方向幅が、ストレート部51の歯先51bの周方向幅と略等しく、軸方向で略一定となっている(図6参照)。ストレート部51の歯先51bと歯面51cとの境界は、曲面57を介して滑らかに接続している。傾斜部52の歯先52bと歯面52cとの境界は、曲面56を介して滑らかに接続している。曲面56、57は、例えば、曲率半径1~10mmの断面円弧状の曲面で構成される。尚、傾斜部52の歯先52bと歯面52cを直接接続して、これらの境界に曲面56ではなく角部を設けてもよい。同様に、ストレート部51の歯先51bと歯面51cを直接接続して、これらの境界に曲面57ではなく角部を設けてもよい。
傾斜部52の歯面52cは、雄スプライン40の切り上がり部42の歯面42cに倣った形状を有し、例えば切り上がり部42の歯面42cと略平行な平面で構成される(図3の上図参照)。傾斜部52の歯面52cは、ストレート部51の歯面51cに対して歯隙拡大方向に傾斜している(図6参照)。尚、傾斜部52の歯面52cを曲面としてもよい。
上記の雌スプライン50のストレート部51及び傾斜部52を、それぞれ雄スプライン40のストレート部41及び切り上がり部42と嵌合させる。図3及び図9(a)~(c)に示すように、両スプライン40、50のピッチ円に沿った断面において、雄スプライン40の切り上がり部42の歯面42cは、雌スプライン50の傾斜部52の歯面52cと嵌合している。図示例では、雄スプライン40のストレート部41と切り上がり部42との境界の軸方向位置と、雌スプライン50のストレート部51と傾斜部52との境界の軸方向位置とが一致している。このため、雄スプライン40のストレート部41だけでなく、切り上がり部42にも雌スプライン50を嵌合させることで、雄スプライン40の強度、ひいては中間シャフト4の強度向上が図られる。
このとき、雌スプライン50のうち、雄スプライン40の舟形の切り上がり部42と嵌合する領域に、切り上がり部42に倣った舟形の傾斜部52を設けることで、切り上がり部42の歯面42cと傾斜部52の歯面52cとを面嵌合させることができる。これにより、舟形の切り上がり部42の歯面42cに、雌スプライン50のエッジが食い込む事態が回避されるため、雄スプライン40の強度低下を回避できる。
上記の実施形態では、傾斜部52の歯先52bの周方向幅が一定である場合を示したが、これに限らず、例えば、傾斜部52の歯先52bの周方向幅を、反軸端側に行くにつれて徐々に小さくしてもよい。この場合、図10及び図11(a)~(c)に示すように、雄スプライン40の切り上がり部42の歯面42cと雌スプライン50の傾斜部52の歯面52cとの嵌合部を、上記の実施形態よりも奥側(反軸端側)まで延ばすことができるため、スプライン嵌合部の強度をさらに高めることができる。
また、上記の実施形態では、内側継手部材22の内周面の反軸端側の端部22bと中間シャフト4の肩部4bとを当接させることで、これらを軸方向で位置決めする場合を示したが、これに限られない。例えば、内側継手部材22の雌スプライン50の歯面52cと中間シャフト4の雄スプライン40の歯面42cとの当接部で、内側継手部材22と中間シャフト4との軸方向の位置決めを行ってもよい。この場合、内側継手部材22と中間シャフト4とが歯面52c、42cのみで軸方向で係合する。この場合、中間シャフト4の肩部4b及びその反軸端側に連続する大径部4c(図2参照)を省略することができるため、中間シャフトの素材径を小さくして軽量化及び低コスト化を図ることができる。
内側継手部材22は、例えば以下の手順で製造される。尚、摺動式等速自在継手3のトリポード部材32も、同様の手順で製造される。
[鍛造工程]
鍛造金型のキャビティ内にビレットを投入し、ビレットを塑性加工により金型に充足させることにより、内輪素材(摺動式等速自在継手3ではトラニオン素材。以下同様。)が形成される。内輪素材の外球面にはトラック溝が形成され、内輪素材の内周面は円筒面状とされる。
[旋削加工工程]
内輪素材の必要部位(軸方向両端面や内周面)に旋削加工を施す。この旋削加工により、内輪素材の内周面に、止め輪溝、雌スプライン50の下径、及び、雌スプライン50の傾斜部52の歯先52b及び逃げ部53に相当する面を形成する。
[スプライン加工工程]
内輪素材の内周面にブローチ加工を施して、雌スプライン50を形成する。詳しくは、雌スプライン50のストレート部51の歯底51a、歯先51b、及び歯面51cを形成するための工具(ブローチ)を、内輪素材の内周面の一部を除去しながら軸方向に通過させることで、内輪素材の内周面の軸方向全長にわたって同一断面形状の谷部を形成する。
[塑性加工工程]
雌スプライン50の傾斜部52の側面に塑性加工を施す。塑性加工としては、プレス加工、サイジング加工、鍛造加工等を適用できる。この塑性加工により、傾斜部52の側面が押しつぶされて、軸方向及び周方向の何れに対しても傾斜した歯面52cが形成される。また、傾斜部52の歯先52bと歯面52cとを接続する曲面56や、ストレート部51の歯先51bと歯面51cとを接続する曲面57も、塑性加工で形成される。尚、ストレート部51の歯先51bと歯面51cとを接続する曲面57は、上記のブローチ加工で形成してもよい。
[熱処理工程]
内輪素材に熱処理を施して硬度を高める。熱処理としては、焼き入れ焼き戻し処理を適用することができ、具体的には、高周波焼き入れ焼き戻し、浸炭焼き入れ焼き戻し、ズブ焼き入れ焼き戻しの何れかが施される。
[研削加工工程]
内輪素材のトラック溝(摺動式等速自在継手3では、脚軸の外周面)を研削加工で仕上げる。
以上の実施形態では、等速自在継手の内輪と中間シャフトとの連結部に本発明のトルク伝達構造を適用した場合を示したが、これに限らず、雄スプラインと雌スプラインとの嵌合によりトルクを伝達する部位であれば、用途に限らず適用できる。
例えば、本発明のトルク伝達構造は車輪用軸受装置に適用することができる。図18に示す車輪用軸受装置60は、車輪用軸受61と等速自在継手2とを有する。尚、図18の左側がアウトボード側、同右側がインボード側である。
等速自在継手2は、図1に示すドライブシャフト1のアウトボード側に設けられた固定式等速自在継手2と同様の構成を有するものであるため、図1の符号を援用し、重複する点の説明は省略する。図18では、等速自在継手2の構成部品のうち、外側継手部材21のみを示している。外側継手部材21のステム部21bの外周には、雄スプライン40が形成される。
車輪用軸受61は、車輪に取り付けられる内方部材であるハブ輪63および内輪64と、複列の転動体65,66と、車体に取り付けられる外方部材である外輪67とを有する。
ハブ輪63の内周面には、雌スプライン50が形成される。ハブ輪63の外周面には、アウトボード側の内側軌道面68が形成される。ハブ輪63は、車輪を取り付けるための車輪取付用フランジ69を有する。車輪取付用フランジ69の円周方向等間隔に、ホイールディスクを固定するためのハブボルト70が植設される。ハブ輪63の外周面のインボード側端部に形成された小径段部71に、内輪64が圧入により固定される。内輪64の外周面には、インボード側の内側軌道面72が形成される。
外輪67は、内周面にハブ輪63および内輪64の内側軌道面68,72と対向する複列の外側軌道面73,74を有する。外輪67は、車体の懸架装置から延びるナックルに取り付けるための車体取付フランジ75を備える。
車輪用軸受61は、複列のアンギュラ玉軸受構造を備える。具体的に、ハブ輪63および内輪64の外周面に形成された内側軌道面68,72と外輪67の内周面に形成された外側軌道面73,74との間に、転動体65,66が配される。各列の転動体65,66は、保持器76,77により円周方向等間隔に保持される。
等速自在継手2の外側継手部材21のステム部21bをハブ輪63の内周に挿入し、ステム部21bの雄スプライン40とハブ輪63の雌スプライン50とを嵌合させる。これらの雄スプライン40と雌スプライン50との嵌合部に、本発明に係るトルク伝達構造が適用される。すなわち、図18のBで示す領域が、図3と同様の構造を有している。これらのスプライン40、50の嵌合部の構造及び機能は、上記の実施形態と同様であるため重複説明を省略する。こうして両スプライン40、50を嵌合させた状態で、ステム部21bの軸端にナット78を螺合させて締め付けることで、車輪用軸受61と等速自在継手2とが固定される。
1 ドライブシャフト
2 固定式等速自在継手
21 外側継手部材
22 内側継手部材(雌側部材)
3 摺動式等速自在継手
31 外側継手部材
32 内側継手部材
4 中間シャフト(雄側部材)
40 雄スプライン
41 ストレート部
41a 歯底
41b 歯先
41c 歯面
42 切り上がり部
42a 歯底
42c 歯面
50 雌スプライン
51 ストレート部
51a 歯底
51b 歯先
51c 歯面
52 傾斜部
52b 歯先
52c 歯面
53 逃げ部

Claims (10)

  1. 雄側部材の外周面に設けられた雄スプラインと、雌側部材の内周面に設けられた雌スプラインとを嵌合させてなるトルク伝達構造において、
    前記雄スプラインが、軸方向一方側に行くにつれて歯底を徐々に拡径させると共に溝幅を徐々に小さくした切り上がり部を有し、
    前記雌スプラインが、軸方向一方側に行くにつれて歯先を徐々に拡径させると共に歯幅を徐々に小さくした傾斜部を有し、
    前記雄スプラインの切り上がり部と前記雌スプラインの傾斜部とを嵌合させたトルク伝達構造。
  2. 前記雄側部材がシャフトであり、前記雌側部材が等速自在継手の内側継手部材である請求項1に記載のトルク伝達構造。
  3. 前記雌スプラインの傾斜部の歯先が、軸方向に対して10~30°の角度で傾斜した面である請求項1又は2に記載のトルク伝達構造。
  4. 前記雌スプラインの傾斜部の歯先の周方向幅が軸方向で略一定か、あるいは軸方向一方側に行くにつれて徐々に小さくなっている請求項1又は2に記載のトルク伝達構造。
  5. 前記雌スプラインの傾斜部の歯面が、平面あるいは曲面である請求項1又は2に記載のトルク伝達構造。
  6. 前記雌スプラインの傾斜部の歯先と歯面との境界、及び、前記傾斜部に隣接するストレート部の歯先と歯面との境界が、それぞれ曲面を介して滑らかに連続している請求項1又は2に記載のトルク伝達構造。
  7. 前記雌スプラインの傾斜部の歯面が塑性加工で形成された請求項1又は2に記載のトルク伝達構造。
  8. 前記雌側部材に焼き入れ焼き戻しが施された請求項1又は2に記載のトルク伝達構造。
  9. 請求項1又は2に記載のトルク伝達構造を有するドライブシャフトであって、
    前記雄側部材としての中間シャフトと、
    前記雌側部材としての内側継手部材を有する等速自在継手とを備えたドライブシャフト。
  10. 請求項1又は2に記載のトルク伝達構造を有する車輪用軸受装置であって、
    前記雌側部材としてのハブ輪と、
    前記雄側部材としての外側継手部材を有する等速自在継手とを備えた車輪用軸受装置。
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