JP2023106783A - 円筒水車を使った発電装置及び製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
そして、水路に設置する発電装置として、例えば特許文献1に示すような軸方向で回転する円筒型の水車が知られている。
ここにおいて、特許文献1に記載の発明のように、内周面に水受けを設ける円筒水車においては、仮に水受けを大きく構成しても、流れを受ける部分が回転中心に近くなるため大きな回転トルクを得がたくある。また、水受け部分に異物が引っ掛かり回転が阻害される恐れもある。特許文献1の発明は、これらの点において改良点がある。
このように、前記中空部を設けることによって異物の排出を促進し、また、内周面及び外周面に前記水受け部を設けることによって大きな回転力を得ることができる。
このような構成によって。水受け部内周面に設けられる水受け部と外周面に設けられる水受け部のトルクの差によって生じる不具合を軽減するとともに、回転管に係る遠心力を軽減して耐久性を高められる。
このような構成によって、前記回転管内部にある沈降又は浮遊する異物が、回転に伴って次第に流路の下流に移動し、内部に異物が留まることを防ぐことができる。
このような構成によって、それぞれの周面において流水を効率的に受け止め回転力をさらに高めることができる。
このような構成によって、流水を受ける面積を増やし、回転のトルクを増やすことができるようになる。
このような構成によって、流水が整流され、回転管周りの流れを水受けが受けやすくなることで、回転の効率が上昇する。
このような構成によって、流水を大径管内に発生させることが容易になる。
このような構成によって、内部に異物が引っ掛かることを防ぐとともに、水力発電に十分な回転トルクや回転数を得ることができる円筒型水車を製造することができる。
なお、以下に示す各実施形態は本発明の一例であり、本発明を以下の各実施形態に限定するものではない。
また、シャフト本体121は、回転管1の回転軸上に設けられており、一端は、増速機2ないしは発電機3と接続しており、他端は大径管4の底面に軸受けを介して回転可能に貫入されている。これによって、回転管本体11の回転を発電機3等に伝達する。
さらに、シャフト12は中空部13に位置するため、その体積によって回転管1の外部に対して内部の水圧が上昇する。これにより、後述する内側水受け部142に与える流体力を上昇させ、回転の効率を高めることができる。この効果は、シャフト本体121を流水の流れる方向に向かって徐々に太径になるように構成することによってさらに高めることができる。
また、シャフトブラケット122は、シャフト本体121を貫入し、キー溝等によってシャフト本体121の円周方向に回転を固定する筒状の貫入部Vと、貫入部Vから径方向へ伸びる固定羽Wを有し、固定羽Wの端部は回転管本体11の内周面でキー溝等によって固定されている。なお、固定羽Wは、回転管本体11を貫通することによって固定されていてもよい。
このように、固定羽Wが占める割合を減らし、流水が通過する面を幅広にとる構成によって、中空部13を流れる流水を効率よく挿通させるとともに、浮遊物等によって回転管内部を詰まりにくくすることができる。
なお、固定羽Wは、先端が回転管本体11の開口端面に向く流線形状の部材としてもよく、このようにすることで、流水をさらに効率的に通すことができる。
また、各々の水受け部14は、実際に流れを受ける受け部本体143と、受け部本体143を所定の角度となるように支える支え部144と、外周面又は内周面に取り付けられる取付板145と、後述するワイヤーYを嵌め込む、嵌め込み部146によって構成される。
なお、図面中においては、各々の水受け部14は中実に構成されているが、嵌め込み部146を設けず、受け部本体143や支え部144を板として他部品と張り合わせることによって中空にしてもよい。これにより、各々の水受け部14の軽量化を図り、さらに内側においても水を受けることで回転トルクの上昇を見込める。
なお、迎え角αは、回転管本体11の長さ方向全体においてらせんが一周するように設けられていても良い。このように構成することによって、流れを効率的に回転に生かすことができる。
本実施形態において、外側水受け部141は、15個の柱状の部材が敷き詰められるように設けられており、それらのすべての面が水受け部14として作用するため、強力なトルクを得ることができる。
本実施形態において、内側水受け部142は、シャフトブラケット122が設けられる部位を除いて、12個の柱状の部材が敷き詰められるように設けられており、それらのすべての面が水受け部14として作用するため、強力なトルクを得ることができる。
このように構成することによって、迎え角αをもって軸方向の水の流れを受け、円周方向への回転作用を発生させて回転管本体11を回転させることができる。
好ましくは、内側水受け部142における受け部本体143の高さは外側水受け部141における受け部本体143の高さよりも高く(面積を大きく)して、流れによる流体力を調整することが好ましい。すなわち、所定の流速下において、外周面に係る流体力によるトルクと内周面に係る流体力によるトルクの大きさを略同一となるように設計し、一方の回転トルクが他方の回転トルクを阻害しないようにする。
また、表面の流水を流しやすくするように、周面から離れる方向へ向かう凸状の曲面を形成してもよい。
本実施形態において、回転管本体11にすべての水受け部14が取り付けられた状態にあっては、回転管本体11の外周面と取付板145及び隣接する取付板145の側面同士が略密着するように構成されており、内周面及び外周面の全体が取付板145に覆われる状態となる。一方、取付板145同士は離間してもよい。
また、図6に示すように、実際に流路Rに沈められ、流水を供給する入り口である供給口411を大径管4の径より大きく構成することによれば、大径管4内部の水圧を高くすることができるため、回転管1の回転トルク上昇が見込める。
さらに、流路Rにおいて供給管41に向かうように流れを誘導する誘導部R1を設けることによれば、大径管4内部の水圧をさらに高めることができる。
また、包囲管42は、両端に蓋421が水密に設けられている。蓋421の中心では、シャフト本体121が軸受けを介して軸方向で回転可能に貫入支持されており、これによって回転管1の回転を発電機3まで伝達できるようにしてある。
さらに、包囲管42を流路の中に沈めず、流路Rの縁に沿って設けることによって、日常的な点検・確認や簡易的な修理を簡単にできるようにすることができる。
なお、包囲管42と回転管1との間には、流水を挿通可能な隙間を有する。これにより、境界層による流速の低下を軽減するとともに、浮遊物等によって包囲管42の内部が詰まることを抑止することができる。
なお、排出管43が実際に水を排出する排出口431は、供給口411よりも低い位置に設けることが好ましく、排出先は流路Rに限られず田等に向けられていてもよい。その場合は供給口411や排出口431に流水を遮断する蓋を設けることが好ましい。
なお、図6(a)はワイヤーYを金網Y2に貼り付けた状態、図6(b)は回転管の内周面にワイヤーY、および金網Y2を貼り付け、さらに取り付け管Y1を挿入した状態を表す概略図であり、図6(c)は水受け取り付け工程を表す回転管の断面説明図である。
ワイヤーYは、径が1~10mm程度の可撓性を有する線形部材である。
また、取り付け管Y1は、外径が回転管本体11の内径よりも小さい管であって、ワイヤーY及び金網Y2を取り付けた状態において回転管本体11に篏合できるように構成される。
金網Y2は目の細かい金属製の網部材であり、網目の内部において接着剤Pを保持する。また、回転管本体11に巻き付けられる程度の可撓性を有する。接着剤Pを保持できて、可撓性を有すれば板状の部材であってもよい。
接着剤Pは、回転管本体11等に利用される材を接着可能な剤であり、例えば金属パテが挙げられる。
その後、製造者は切断した回転管本体11をもとの円筒形状になるように接着剤Pで貼り合わせる。
まず、製造者は、内側水受け部142と同様に、金網Y2に所定の間隔においてワイヤーYを貼り付け、図6(a)に示すような状態にする。
次に、製造者は、金網Y2に接着剤Pを塗布し、ワイヤーYが外側を向くようにして回転管本体11の外周面に巻き付ける。この際、内側水受け部142におけるワイヤーの位置と、ワイヤーYの位置が略一致するように設けることが好ましい。なお、ワイヤーYを回転管に直接巻き付けても良い。
以下に、図面を用いて、本発明の第二の実施形態について詳述する。第一の実施形態と同一の構成については、同一の符号を用いて説明を省略する。
第二の実施形態は、第一の実施形態の構成に加えて、さらに大回転管15を設け、その周囲を包囲管42によって包囲した構成である。このような構成によって、二重回転管として構成することができるため、回転管1に占める水受け部の割合を増やし、回転トルクを上昇させる。
また、回転管本体11は、所定の位置に固定羽Wを貫通可能な孔を有している
また、回転管本体11及び大回転管15は、同一の回転軸を中心に回転するように設けられており、シャフト本体121は、前述の回転軸上に重なるように設けられており、一端は、増速機2ないしは発電機3と接続しており、他端は大径管4の蓋に軸受けを介して回転可能に貫入されている。これによって、回転管本体11の回転を発電機3に伝達する。
また、シャフトブラケット122は、シャフト本体121を貫入し、キー溝等によって回転方向に固定する筒状の貫入部Vと、貫入部Vから径方向へ伸びる固定羽Wを有する。
一方、固定羽Wは、貫入部Vと回転管本体11との位置関係を保持する内側固定羽と、回転管本体11と大回転管15と位置関係を保持する外側固定羽とによって構成されていてもよい。
また、回転管本体11と同様に外側水受け部141、内側水受け部142に相当する部分を大外側水受け部51、大内側水受け部152を有している。さらにそれぞれの水受け部14は、受け部本体143に相当する大受け部本体153、支え部144に対応する大支え部154、取付板145に対応する大取付板155、嵌め込み部146に対応する大篏合部156を有している。
図面においては、各部の大きさはその径に比例して大きくなっているが、その大きさや数、位置、角度は任意に変更可能である。好ましくは、回転管本体11に取り付けられた水受け部14と対応する位置に設けられていることが好ましい。
まず、製造者は、回転管本体11に設けられている孔に固定羽Wを貫入して、貫入部Vの外周面に取り付ける。
次に、固定羽Wが装着された回転管本体11を大回転管15に挿入し、固定羽Wの径方向端部と大回転管15の内周面をキー溝等によって固定する。これによって、内側の回転管本体11と大回転管15が協働して回転する発電装置を設けることができる。
使用者は、大径管4の径の大きさに対応して、内部に設けられる回転管1を、単一回転管、二重回転管、三重回転管、あるいはそれ以上の多重回転管を任意に選択することができる。
上記は、回転管1の前端部において迎え角αの角度を小さくすることで水流を回転管1内部に容易に誘導し、後端に向かうにつれその角度を大きくする構成とすることで、水流を設計上の迎え角αに速やかに誘導させることができるという考え方による。これに従うと、設計上の迎え角αを高速回転の70°とする場合は、回転管1の前端における迎え角を30°として水流を回転管1内部に容易に誘導し、後方に向かうにつれて緩やかに角度を上昇させて水流を迎え角αが70°の水受け部14に誘導することで、目的の回転速度を取得してトルクを大きくできるという考え方ができる。
図9は、上記の実施形態に係る回転管の製造に係る説明図である。本図は、回転管本体11の外周面にワイヤーY及び巻き付けられている工程での側面図を表しており、ここから水受け部14をワイヤーYに沿って設けることによって上記の構成とすることができる。なお、上記の構成は内側水受け部142にあってもよい。
11 回転管本体
12 シャフト
121 シャフト本体
122 シャフトブラケット
13 中空部
14 水受け部
141 外側水受け部
142 内側水受け部
143 受け部本体
144 支え部
145 取付板
146 嵌め込み部
15 大回転管
16 巨大回転管
2 増速機
3 発電機
4 大径管
41 供給管
411 供給口
42 包囲管
43 排出管
431 排出口
W 固定羽
V 貫入部
Y ワイヤー
Y1 取り付け管
Y2 金網
α 迎え角
R 流路
R1 誘導部
X 発電装置
Claims (8)
- 軸方向で回転可能な回転管と、前記回転管の回転を伝達するシャフトと、前記シャフトと接続する発電機とを備える発電装置であって、
前記回転管は、流水を挿通する中空部と、軸方向の流れを回転方向の作用に変換する水受け部を有し、
前記水受け部は、前記回転管の外周面及び内周面に設けられる発電装置。 - 前記内周面に設けられる前記水受け部は、前記外周面に設けられる前記水受け部よりも面積が大きい請求項1に記載の発電装置。
- 前記水受け部は、らせん状の羽部材である請求項1又は2に記載の発電装置。
- 前記水受け部は、前記外周面及び前記内周面にそれぞれ複数設けられる請求項1~3の何れかに記載の発電装置。
- 前記回転管は、軸方向で回転する回転管本体と、前記回転管本体の側面を覆う大回転管と、を有し、前記大回転管は前記回転管本体と協働して回転する請求項1~4の何れかに記載の発電装置。
- 前記回転管の外径よりも大きい内径を有する大径管を備え、
前記大径管は前記回転管の側面を覆うように設けられる請求項1~5の何れかに記載の発電装置。 - 前記大径管は、流路から流水を取り入れる供給口と、流水を排出する排出口と、を有し、
前記供給口は前記排出口よりも高い位置に設けられる請求項6に記載の発電装置。 - ワイヤーを回転管の内周面および外周面に取り付けるワイヤー取り付け工程と、軸方向の流れを回転方向の作用に変換する水受け部を前記ワイヤーに取り付ける水受け取り付け工程と、を含む発電装置の製造方法。
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