JP2023105888A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】記録材のトナー濃度の適正化を図る。【解決手段】中間転写ベルトに形成されたトナー像を記録材に二次転写する二次転写部と、記録材に形成されたトナー像を加熱して定着する定着部と、定着部の定着温度を制御する制御部と、を備える。制御部は、中間転写ベルトに形成されるトナー像の濃度である第1予測濃度を予測する第1予測手段と、記録材に定着されるトナー像の濃度である第2予測濃度を予測する第2予測手段と、を有し、第1予測手段により予測された第1予測濃度と第2予測手段により予測された第2予測濃度とに基づき、定着部の定着温度を変更するか否かを制御する(ステップS2605~S2606)。【選択図】図25
Description
本発明は、電子写真方式や静電記録方式を用いた複写機、プリンタ、ファクシミリ装置、あるいは、これら複数の機能を備えた複合機などの画像形成装置に関する。
電子写真方式などを用いた画像形成装置では、像担持体に形成されたトナー像が記録材に転写され、このトナー像が記録材に定着されて、記録画像が出力される。この種の画像形成装置では、画像形成条件、使用期間、部品の消耗などに応じて、画像の最大濃度や階調特性が徐々に変化してくることがある。そのため、画像形成装置は適宜なタイミングでキャリブレーションを実行することで、画像の最大濃度を目標濃度に維持したり、階調特性を目標となる階調特性に維持したりする。
例えば、階調パターンを記録材に形成して読み取り、階調パターンの読取情報を画像形成条件にフィードバックさせるキャリブレーションを実施する画像形成装置が提案されている(特許文献1参照)。しかしながら、この画像形成装置では、画像形成装置がパターン画像を形成し、パターン画像を測定し、測定結果に応じて画像形成条件を更新している。そのため、キャリブレーションによって、長いダウンタイムを発生させてしまう可能性がある。そこで、このようなキャリブレーションを実行することなく、環境に依拠した環境条件と画像形成装置に設定されている画像形成条件とを入力値として、画像の濃度を予測する画像形成装置が提案されている(特許文献2参照)。この画像形成装置では、特に濃度の変化が大きい電源投入直後や節電モードからの復帰直後の画像の濃度を予測するものとしている。
しかしながら、特許文献2に記載の画像形成装置では、環境条件や画像形成条件から直接シート上の画像の濃度を予測している。つまり、中間転写材に画像を形成する以前の画像形成条件と、それ以降の画像形成条件と、を切り分けることなく予測している。その結果、一例として、記録材の温度や水分状態のみが変わっているときは本来転写条件により制御するべきであるが、記録材上のトナー画像の濃度を露光条件などで制御しようとすると、中間転写材上のトナー載り量が想定外に載ってしまう。それにより、記録材上のトナー載り量が想定外に多くなるなどの不具合が起こる可能性があった。
本発明は、記録材のトナー濃度の適正化を図ることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明の画像形成装置は、像担持体と、前記像担持体の表面を帯電する帯電部と、前記帯電部により帯電された前記像担持体の表面に露光して静電潜像を形成する露光部と、前記静電潜像を現像剤により現像してトナー像を形成する現像部と、中間転写体と、前記像担持体に形成されたトナー像を前記中間転写体に一次転写する一次転写部と、前記中間転写体に形成されたトナー像を記録材に二次転写する二次転写部と、前記記録材に形成されたトナー像を加熱して定着する定着部と、前記定着部の定着温度を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記中間転写体に形成されるトナー像の濃度である第1予測濃度を予測する第1予測手段と、記録材に定着されるトナー像の濃度である第2予測濃度を予測する第2予測手段と、を有し、前記第1予測手段により予測された前記第1予測濃度と前記第2予測手段により予測された前記第2予測濃度とに基づき、前記定着部の定着温度を変更するか否かを制御することを特徴とする。
本発明によれば、記録材のトナー濃度の適正化を図ることができる。
<第1の実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態を、図1~図19を参照しながら詳細に説明する。本実施形態では、画像形成装置100の一例として電子写真方式を用いて記録材に画像を形成するタンデム型のフルカラープリンタについて説明している。尚、画像形成装置100としては、複数の画像形成部を並べて配置したタンデム型には限られず、円筒状に配置したロータリ型であってもよい。また、フルカラーであることには限られず、モノクロやモノカラーであってもよく、プリンタ、各種印刷機、複写機、FAX、複合機等、種々の用途で実施することができる。記録材はシートSであり、普通紙の他に、コート紙等の特殊紙、封筒やインデックス紙等の特殊形状からなる記録材、及びオーバーヘッドプロジェクタ用のプラスチックフィルムや布などを含むものとする。また、本実施形態では、磁性キャリアと非磁性トナーを混合した二成分現像剤を用いている。但し、これには限られず、一成分現像剤を用いるようにしてもよい。
以下、本発明の第1の実施形態を、図1~図19を参照しながら詳細に説明する。本実施形態では、画像形成装置100の一例として電子写真方式を用いて記録材に画像を形成するタンデム型のフルカラープリンタについて説明している。尚、画像形成装置100としては、複数の画像形成部を並べて配置したタンデム型には限られず、円筒状に配置したロータリ型であってもよい。また、フルカラーであることには限られず、モノクロやモノカラーであってもよく、プリンタ、各種印刷機、複写機、FAX、複合機等、種々の用途で実施することができる。記録材はシートSであり、普通紙の他に、コート紙等の特殊紙、封筒やインデックス紙等の特殊形状からなる記録材、及びオーバーヘッドプロジェクタ用のプラスチックフィルムや布などを含むものとする。また、本実施形態では、磁性キャリアと非磁性トナーを混合した二成分現像剤を用いている。但し、これには限られず、一成分現像剤を用いるようにしてもよい。
[画像形成システム]
図1は、本発明を適用できる画像形成システムを示す図である。この画像形成システムは、画像形成装置100、機械学習サーバ102、データサーバ105、画像形成装置100に対するプリントデータの送信等を行う汎用コンピュータ103で構成されている。これらの機器は、有線LAN等のネットワーク104によって接続されている。画像形成装置100は、AI機能を搭載していて、このAI機能を実現するための学習済みモデルは、機械学習サーバ102が中心的に生成する役割を備えている。データサーバ105は、機械学習サーバ102において機械学習を行うために使用される学習データを外部機器から収集して機械学習サーバへ提供する役割を持っている。
図1は、本発明を適用できる画像形成システムを示す図である。この画像形成システムは、画像形成装置100、機械学習サーバ102、データサーバ105、画像形成装置100に対するプリントデータの送信等を行う汎用コンピュータ103で構成されている。これらの機器は、有線LAN等のネットワーク104によって接続されている。画像形成装置100は、AI機能を搭載していて、このAI機能を実現するための学習済みモデルは、機械学習サーバ102が中心的に生成する役割を備えている。データサーバ105は、機械学習サーバ102において機械学習を行うために使用される学習データを外部機器から収集して機械学習サーバへ提供する役割を持っている。
画像形成装置100は随時、生成された学習済みモデルを機械学習サーバ102から受信して特定のAI機能を実現可能になっている。機械学習サーバ102は、特定のAI機能実現するための学習済みモデルの学習に必要な学習データをデータサーバ105や画像形成装置100、汎用コンピュータ103等外部機器から受信を行う。そして、機械学習サーバ102は、受信した学習データの一部または全部を用いて、学習処理を行うことが可能になっている。
本発明の画像形成システムの特徴としては、画像形成装置100を操作するユーザ固有の本体装置状況をデータサーバ105に収集し、そのデータを機械学習サーバ102で学習して学習モデルを生成することが挙げられる。画像形成装置100側では、機械学習サーバ102からロードした画像出力の際の色濃度設定値を推定する学習モデルを活用したAI機能を備えている。このようなシステム構成で色濃度設定値を適用することで、色濃度変動を抑制することが可能になっている。
[画像形成装置の制御系]
図1に示すように、画像形成装置100は、使用するユーザが各種の操作を行うための操作部140と、操作部140からの指示に従って画像情報を読み取るリーダ250と、画像データをシートに印刷するプリンタ部20などを有する。操作部140は、例えば、マルチタッチセンサ等を備えた液晶ディスプレイと入出力デバイスとから構成する。即ち、操作部140は、プリンタ制御部700に情報を入力可能な情報入力部の一例である。また、画像形成装置100は、プリンタ制御部(制御部)700を有する。
図1に示すように、画像形成装置100は、使用するユーザが各種の操作を行うための操作部140と、操作部140からの指示に従って画像情報を読み取るリーダ250と、画像データをシートに印刷するプリンタ部20などを有する。操作部140は、例えば、マルチタッチセンサ等を備えた液晶ディスプレイと入出力デバイスとから構成する。即ち、操作部140は、プリンタ制御部700に情報を入力可能な情報入力部の一例である。また、画像形成装置100は、プリンタ制御部(制御部)700を有する。
リーダ250は、リーダ250を制御するCPUや原稿読取を行うための不図示の照明ランプや走査ミラーなどを有する。プリンタ部20は、画像形成や定着を行うための感光ドラム201や定着器40を有する。プリンタ制御部700は、操作部140、リーダ250、プリンタ部20、LAN104など接続されており、画像形成装置100の動作を統括的に制御する。プリンタ制御部700の詳細については、後述する。
[機械学習サーバ]
図2は、機械学習サーバ102の構成を示す図である。機械学習サーバ102は、システムバス1307で相互に接続されているCPU1301、RAM1302、ROM1303、HDD1304、ネットワークIF部1310、IO部1305、GPU1306を有するように構成される。CPU1301は、OS(Operating System)やアプリケーションソフトなどのプログラムをHDD1304から読み出して実行することで種々の機能を提供する。RAM1302は、CPU1301がプログラムを実行する際のシステムワークメモリである。ROM1303は、BIOS(Basic Input Output System)やOSを起動するためのプログラム、設定ファイルを記憶している。HDD1304は、ハードディスクドライブであって、システムソフトウェアなどが記憶されている。
図2は、機械学習サーバ102の構成を示す図である。機械学習サーバ102は、システムバス1307で相互に接続されているCPU1301、RAM1302、ROM1303、HDD1304、ネットワークIF部1310、IO部1305、GPU1306を有するように構成される。CPU1301は、OS(Operating System)やアプリケーションソフトなどのプログラムをHDD1304から読み出して実行することで種々の機能を提供する。RAM1302は、CPU1301がプログラムを実行する際のシステムワークメモリである。ROM1303は、BIOS(Basic Input Output System)やOSを起動するためのプログラム、設定ファイルを記憶している。HDD1304は、ハードディスクドライブであって、システムソフトウェアなどが記憶されている。
ネットワークIF部1310は、LAN104に接続され、画像形成装置100などの外部機器と通信(送受信)を行う。IO部1305は、マルチタッチセンサ等を備えた液晶ディスプレイと入出力デバイスとから構成する不図示の操作部との情報を入出力するインターフェースである。操作部にはプログラムが指示する画面情報に基づき所定の解像度や色数等で所定の情報が描画される。例えば、GUI(Graphical User Interface)画面を形成し、操作に必要な各種ウィンドウやデータ等が表示される。
GPU1306は、データをより多く並列処理することで効率的な演算を行うことができるので、ディープラーニングのような学習モデルを用いて複数回に亘り学習を行う場合にはGPU1306で処理を行うことが有効である。そこで、本実施形態では、機械学習部414(図4参照)による処理にはCPU1301に加えてGPU1306を用いる。具体的には、学習モデルを含む学習プログラムを実行する場合に、CPU1301とGPU1306が協働して演算を行うことで学習を行う。なお、機械学習部414の処理は、CPU1301またはGPU1306の一方のみにより行われても良い。また、推定処理部405(図4参照)による処理についても、機械学習部414と同様にGPU1306を用いても良い。
[画像形成装置]
図3は、本実施形態に係る画像形成装置100の全体構成を示す断面図であり、電子写真方式のフルカラープリンタの概略構成を示している。画像形成装置100は、4つの画像形成ユニットPy,Pm,Pc,Pkを有しており、それぞれイエロー色、マゼンタ色、シアン色、黒色の画像形成を行う。各画像形成ユニットPy,Pm,Pc,Pkは色が異なることを除き、構成は同様であるので、以下では代表して画像形成ユニットPyについて説明する。画像形成ユニットPyは、感光ドラム(感光体)201と、感光ドラム201の周囲に配置された帯電器(帯電部)202、レーザスキャナ(露光部)200、現像器(現像部)203、一次転写器(一次転写部)204、ドラムクリーナ4とを有している。
図3は、本実施形態に係る画像形成装置100の全体構成を示す断面図であり、電子写真方式のフルカラープリンタの概略構成を示している。画像形成装置100は、4つの画像形成ユニットPy,Pm,Pc,Pkを有しており、それぞれイエロー色、マゼンタ色、シアン色、黒色の画像形成を行う。各画像形成ユニットPy,Pm,Pc,Pkは色が異なることを除き、構成は同様であるので、以下では代表して画像形成ユニットPyについて説明する。画像形成ユニットPyは、感光ドラム(感光体)201と、感光ドラム201の周囲に配置された帯電器(帯電部)202、レーザスキャナ(露光部)200、現像器(現像部)203、一次転写器(一次転写部)204、ドラムクリーナ4とを有している。
帯電器202は、感光ドラム201の表面を帯電させる帯電ローラを備える。帯電ローラには帯電バイアスが印加される。印加されるバイアスとしては、直流電圧に交流電圧を重畳した高圧を印加する。尚、本実施形態では、直流+交流印加方式の帯電ローラを用いたがこれに限定されず、直流電圧のみを印加する方式を適用してもよい。さらに、帯電方式に関してもコロナ帯電方式を適用しても、学習用データに必要な情報が入力データ内に包含されていればよい。レーザスキャナ200は、光源とミラーとレンズとを備える。
現像器203は、現像剤(トナー)を収容する筐体と筐体内の現像剤を担持する現像ローラ225とを備え、現像ローラ225には現像バイアスが印加される。本実施形態では、直流電圧に交流電圧を重畳した高圧を印加するが、これに限定されず直流電圧のみでもよく、学習用データに必要な情報が入力データ内に包含されていればよい。一次転写器204は、例えば転写ブレードまたは転写ローラにより構成されており、転写バイアスが供給される。本実施形態では、直流電圧を印加、不図示の電流検知手段より規定の電流値に収束するよう定電流制御にて動作する。ドラムクリーナ4は、感光ドラム11の表面の転写残トナーを除去するクリーニングブレードを備える。
次に、イエローの画像形成ユニットPyがトナー画像を形成するプロセスを説明する。画像読取部404から転送された画像データ、又は外部装置(例えばPC)から転送された画像データに基づき画像が形成される場合、プリンタコントローラ700aが画像データに画像処理を施す。なお、イエロー以外の他の色の画像形成ユニットがトナー画像を形成するプロセスも同様のプロセスであるので、ここでの説明は省略する。画像形成が開始されると、感光ドラム201は回転する。帯電器202は感光ドラム201の表面を一様に帯電させる。レーザスキャナ200は、プリンタコントローラ700aから出力される画像データに基づいてレーザ光を出力し、感光ドラム201の表面を露光する。これによって、感光ドラム201には静電潜像が形成される。現像器203はトナーを用いて静電潜像を現像し、トナー画像を形成する。一次転写器204は感光ドラム201に担持されたトナー画像を中間転写ベルト205に転写する。中間転写ベルト205はトナー画像が転写される中間転写体として機能する。ドラムクリーナ4は一次転写器204によって中間転写ベルト205へ転写されずに感光ドラム201に残ったトナーを除去する。
二次転写ローラ(二次転写部)222にて中間転写ベルト205上のトナー像をシートSに転写するために、二次転写ローラ222には転写バイアスが印加される。本実施形態では直流電圧を印加したが、交流電圧を重畳してもよく、学習用データに必要な情報が入力データ内に包含されていればよい。中間転写ベルト205上に転写されたトナー像は、二次転写内ローラ221と二次転写ローラ222の間でシートSに4色分が一括で二次転写される。転写クリーナ35は、中間転写ベルト205の表面のトナーを除去するクリーニングブレードを備える。転写クリーナ35は、転写ニップ部においてシートSに転写されずに中間転写ベルト205上に残ったトナーを除去する。トナー像が転写されたシートSは、定着器(定着部)40に搬送され熱圧着により定着された後、排出ローラ208等によって装置外に排出される。
排出ローラ208の上流に位置するインラインセンサ(第2検知手段)215では、画像不良、シート上のトナー画像の濃度、レジ精度の検出を行う。画像濃度センサ(第1検知手段)408は、中間転写ベルト205に担持された未定着画像を測定する。画像濃度センサ408は、例えば、発光素子と受光素子とを有し、中間転写ベルト205上の未定着画像からの反射光を測定する光学センサである。未定着画像のトナー付着量に応じて未定着画像からの反射光の強度又は光量が変化する。画像形成装置100は、例えば、未定着画像からの反射光の強度と未定着画像の濃度との変換テーブルに基づいて、未定着画像の濃度を検出できる。
給送カセット209又は手差しトレイ210にはシートSが積載されている。給送ローラ214が給送カセット209又は手差しトレイ210からシートSを給送する。給送ローラ214により給送されたシートSは、搬送ローラによってレジストレーションローラ211へ向けて搬送される。レジストレーションローラ211は、中間転写ベルト205上のトナー画像がシートSに転写されるように、シートSを、中間転写ベルト205と二次転写内ローラ221と二次転写ローラ222との間の転写ニップ部に搬送する。
両面印刷時には、定着器40を通ったシートSは両面反転パス212の方向に導かれてスイッチバックにより表裏を反転して、両面パス113へ搬送される。両面パス213を通ったシートSは再び給送ローラ214を通り、1面目と同様に2面目の画像を作像、転写、定着されて排出される。以上の動作により、画像形成された印刷物を得ることができる。
リーダ250は、画像読取機能を有しており、セットされたシートに示された画像を画像データとして取り込むことができる。リーダ250は、原稿やテストチャートを読み取る読取装置である。テストチャートとは、複数のパターン画像が形成されたシートのことである。光源23は原稿台ガラス22上に置かれた原稿21に光を照射する。光学系24は原稿21からの反射光をCCDセンサ25に導き、結像させる。CCDセンサ25は、レッド、グリーン、ブルーの色成分信号を生成する。リーダ画像処理部1280は、CCDセンサ25により得られた色成分信号に画像処理(例:シェーディング補正など)を実行して画像データを生成し、生成した画像データをプリンタコントローラ700aに転送する。
[ソフトウェア構成]
図4は、図1のハードウェア構成図で示したハードウェア資源とプログラムを利用することで実現されるソフトウェア構成400を示す図である。図4に示したソフトウェア構成を実現するためのプログラムは、その構成要素ごとにストレージに格納されており、RAMに読みだされてCPUにて実行されるものである。例えば、画像形成装置100では、HDD1204に格納されていてRAM1202に読み出されてCPU1201にて実行されるものである。機械学習サーバ102や、データサーバ105も同様である。このソフトウェア構成400は、本発明のシステムにおいて画像形成装置100の色濃度調整を行うための情報を学習して、色濃度設定値の推定処理を行う機能を実現可能にするためのものである。
図4は、図1のハードウェア構成図で示したハードウェア資源とプログラムを利用することで実現されるソフトウェア構成400を示す図である。図4に示したソフトウェア構成を実現するためのプログラムは、その構成要素ごとにストレージに格納されており、RAMに読みだされてCPUにて実行されるものである。例えば、画像形成装置100では、HDD1204に格納されていてRAM1202に読み出されてCPU1201にて実行されるものである。機械学習サーバ102や、データサーバ105も同様である。このソフトウェア構成400は、本発明のシステムにおいて画像形成装置100の色濃度調整を行うための情報を学習して、色濃度設定値の推定処理を行う機能を実現可能にするためのものである。
図4を用いて、ソフトウェア構成400の構成要素の機能的役割について説明する。画像形成装置100のソフトウェアは、データ記憶部401、ジョブ制御部403、色濃度調整部411、画像読取部404、推定処理部405、カウンタ部406、装置状態検出部407から構成される。機械学習サーバ102のソフトウェアは、学習データ生成部413、機械学習部414、データ記憶部415から構成される。データサーバ105のソフトウェアは、データ収集・提供部410とデータ記憶部412とから構成される。
データ記憶部401は、図1に示したハードウェア構成におけるRAM1202やHDD1204に対して、画像データや学習データ、学習モデル等、画像形成装置100が入出力を行うデータの記録を行う機能的役割を有する。ジョブ制御部403は、ユーザの指示に基づきコピーやファックス、プリント等の画像形成装置100の基本機能の実行や基本機能の実行に伴い、他のソフト構成要素間の指示やデータの送受信を中心的に行う機能的役割を有する。色濃度調整部411は、ユーザによる色濃度調整実行結果をもとに、色濃度を最適にする設定値の提供及び本発明のシステムにおける推定処理部405による推定結果を基に色濃度設定値に反映する役割を有している。
環境センサ検出部409は、画像形成装置100が設置されている環境や画像形成装置100の内部環境状態を検出する役割を有する。カウンタ部406は、画像形成時、非形成時におけるカウンタ情報を有するデータを格納する場所である。例えば、現像器203にトナーが補給された回数等がこれにあたる。画像形成装置100は、不図示の補給機構を有しており、補給機構は1回の補給動作において現像器203へ補給するトナーの量が予め決まっている。従って、プリンタ部20は、カウンタ部406のカウント値から現像器203へのトナーの補給量を予測することが可能となる。
画像読取部404は、ジョブ制御部403の指示に基づきコピーやスキャン機能を実行する制御を行う場合に動作する。この場合、レーザスキャナ200(図3参照)により原稿を光学的に読み取る動作や、装置内のインラインセンサ215によりシートSを光学的に読み取る動作を行う機能的役割を有している。推定処理部405は、図1に示したCPU1201やGPU1291により実行されるものであり、画像形成装置100が入出力を行うデータに対してAI機能を実現するための推定処理や分類処理等を行う機能的役割がある。推定処理部405は、ジョブ制御部403の指示に基づき処理が行われる。推定処理部405の結果出力は、ジョブ制御部403に送信され操作部140に通知メッセージの表示を行う等、ユーザに対してフィードバックを行うことが可能になっている。画像形成条件制御部430は、ジョブ制御部403にて送受信された仕様要件を満足するために、最適な画像形成条件を画像形成装置100に提示する機能を有する。
データサーバ105のソフトウェアは、データ収集・提供部410とデータ記憶部412とから構成される。データ収集・提供部410は、機械学習サーバ102において学習するための学習データの収集と提供を行う機能的役割を有している。本発明のシステムにおいては画像形成装置100から画像形成装置100の操作情報を含む学習データの受信を行って、機械学習サーバ102へ提供する機能的役割を有している。データ記憶部412は、収集した学習データの記録管理を行う機能的役割を有している。
機械学習サーバ102のソフトウェアは、学習データ生成部413、機械学習部414、データ記憶部415から構成される。学習データ生成部413は、データサーバ105から受信を行ったデータを目的の学習効果を得るためにノイズになる不要なデータを除去するなど、効果的学習結果が得られる形に加工して学習データの最適化を行う機能的役割を有する。これらの機能的役割は、図1に示すCPU1301により実行される。本発明のシステムでは、効果的な学習するためのデータの前処理加工の一例として画像形成装置100から受信した色濃度調整情報の中から、調整直後の装置情報をフィルタリングするようにして効果的に色濃度設定値を学習できるように工夫している。データ記憶部415は、データサーバ105から受信したデータや生成された学習データ、機械学習部414における学習済みモデルを図1に示すRAM1302やHDD1304へ一時記録を行う。機械学習部414は、学習データ生成部413によって生成された学習データを入力として、図1に示したハードウェアリソースであるGPU1306やCPU1301と図5(a),(b)に示す学習モデルによる学習方法を活用して機械学習を行う。
本実施形態では、プリンタ制御部700は、第1モードと第2モードとを選択して実行可能である。第1モードとは、画像形成条件及び使用状態に基づいて中間転写ベルト205に形成されるトナー像の濃度である第1予測濃度を第1予測手段(学習モデル)により予測するモードである。また、第1モードは、第1予測濃度を第1基準濃度に補正するように、テーブル作成部723と帯電器202とレーザスキャナ200と現像器203と一次転写器204とのうちの少なくとも1つを制御するモードである。第2モードとは、画像形成条件と使用状態とシートSの種類とに基づいてシートSに定着されるトナー像の濃度である第2予測濃度を第2予測手段により予測するモードである。第2モードは、第2予測濃度を第2基準濃度に補正するように、二次転写ローラ222の二次転写バイアスを制御するモードである。
[学習モデル]
図5(a),(b)は、第1の実施形態の機械学習部414における学習モデルを用いた入出力の構造を示す概念図であり、ニューラルネットワークを用いた学習モデルを例に図示している。本発明のシステムの特徴を説明するための一例として、入力データXを示す。この入力データXは、図5(a)に示すニューラルネットワークにより、画像形成時及び非画像形成時に取得可能な設定値或いは測定値を入力信号として色濃度設定値を予測するための学習モデルの生成に関わる。入力データXの具体例としては、例えば、X1:環境(温度℃、湿度%)、X2:感光ドラムの使用時間(h)、X3:中間転写ベルトの使用時間(h)、X4:定着器の使用時間(h)、X5:シート種データ(サイズ、坪量、光沢の有無)である。更に、X6:連続通紙枚数、X7:トナーの使用時間(h)、X8:定着温調温度(℃)である。学習データの要素として、図5(a)には色濃度変動にかかわる要因を示しているが、その他、画像形成装置100に設けられたセンサなどからデータ取得が可能なものを学習データの要素とすることが可能になっており、限定されるものではない。
図5(a),(b)は、第1の実施形態の機械学習部414における学習モデルを用いた入出力の構造を示す概念図であり、ニューラルネットワークを用いた学習モデルを例に図示している。本発明のシステムの特徴を説明するための一例として、入力データXを示す。この入力データXは、図5(a)に示すニューラルネットワークにより、画像形成時及び非画像形成時に取得可能な設定値或いは測定値を入力信号として色濃度設定値を予測するための学習モデルの生成に関わる。入力データXの具体例としては、例えば、X1:環境(温度℃、湿度%)、X2:感光ドラムの使用時間(h)、X3:中間転写ベルトの使用時間(h)、X4:定着器の使用時間(h)、X5:シート種データ(サイズ、坪量、光沢の有無)である。更に、X6:連続通紙枚数、X7:トナーの使用時間(h)、X8:定着温調温度(℃)である。学習データの要素として、図5(a)には色濃度変動にかかわる要因を示しているが、その他、画像形成装置100に設けられたセンサなどからデータ取得が可能なものを学習データの要素とすることが可能になっており、限定されるものではない。
なお、用紙設定、両面印刷、連続または間欠動作を行う場合の項目がカテゴライズ変数として表現されるデータを数値として機械学習で取り扱うことがある。この場合は、データの前処理として既知のone hot encoding等の手法によって数値として表現を変換して機械学習処理の入力として利用できるようにしている。機械学習の具体的なアルゴリズムとしては、ニューラルネットの他、最近傍法、ナイーブベイズ法、決定木、サポートベクターマシンなどが挙げられる。また、ニューラルネットワークを利用して、学習するための特徴量、結合重み付け係数を自ら生成する深層学習(ディープラーニング)も挙げられる。適宜、上記アルゴリズムのうち利用できるものを用いて本実施形態に適用することができる。
また、実際には、常に学習を継続するものではなく、テーブルとしてもよい。即ち、第1予測手段は、入力された画像形成条件及び使用状態に対して第1予測濃度を出力する第1予測テーブルであるようにできる。この場合、第2予測手段は、入力された画像形成条件と使用状態とシートSの種類に対して第2予測濃度を出力する第2予測テーブルであるようにできる。尚、これら第1予測手段及び第2予測手段は、画像形成装置100に設けられていてもよく、あるいは、画像形成装置100に接続されたサーバやコンピュータなどに設けられていてもよい。
学習モデルは、誤差検出部と、更新部と、を備えてもよい。誤差検出部は、入力層に入力される入力データX((2)入力)に応じてニューラルネットワークの出力層から出力される出力データY((4)出力)と、教師データTとの誤差を得る。そして、損失関数を用いて、ニューラルネットワークからの出力データと教師データとの誤差を表す損失(L)を計算するようにしてもよい。更新部は、誤差検出部で得られた損失(L)に基づいて、その損失が小さくなるように、ニューラルネットワークのノード間の結合重み付け係数等を更新する。この更新部は、例えば、誤差逆伝播法を用いて、結合重み付け係数等を更新する。尚、誤差逆伝播法は、上記の誤差が小さくなるように、各ニューラルネットワークのノード間の結合重み付け係数等を調整する手法である。
学習モデル(W)では「正解値が既知の入力データ」と「正解値」をセットにした学習データを多数用意する。そして、この正解値に対応する入力データを入力した場合の出力が正解値に極力近づくように学習モデル(W)内の重み付け係数を調整することで、精度の高い学習モデル(W)を得る作業を行う。これを学習工程と呼び、学習工程を経て調整された学習モデルを学習済モデルと呼ぶ。用意する教師データ(「正解値が既知の入力データ」と「正解値」のセット)は以下のようなものとする。即ち、第1予測手段は、画像形成条件及び使用状態が入力されることで、機械学習により第1予測濃度を出力し、第2予測手段は、画像形成条件と使用状態とシートSの種類とが入力されることで、機械学習により第2予測濃度を出力するものにできる。
[プリンタ制御部]
次に、画像形成装置100が有するプリンタ制御部700について、図6(a)を用いて説明する。プリンタ制御部700は、プリンタコントローラ700aとエンジンコントローラ700bとを有する。プリンタコントローラ700aは、画像形成装置100を統括的に制御するコントローラである。エンジンコントローラ700bは、主にプリンタ部20を制御するコントローラである。
次に、画像形成装置100が有するプリンタ制御部700について、図6(a)を用いて説明する。プリンタ制御部700は、プリンタコントローラ700aとエンジンコントローラ700bとを有する。プリンタコントローラ700aは、画像形成装置100を統括的に制御するコントローラである。エンジンコントローラ700bは、主にプリンタ部20を制御するコントローラである。
プリンタコントローラ700aのCPU701は、プリンタコントローラ700aの各部を制御する中央演算処理装置である。RAM702は、画像形成条件や制御テーブル、変換テーブルなどを記憶する記憶装置である。ROM703は、制御プログラムなどを記憶する記憶装置である。プリンタコントローラ700aは、複数の通信回路を有している。ホストIF704は、ホストコンピュータなどと通信するための通信回路であり、プリント指示や画像データを受信する。IFはインターフェースの略称である。リーダIF705はリーダ250と通信する通信回路であり、原稿の画像データを受信する。リーダ250にパターン画像を読み取らせるためにユーザがパターン画像の形成されたシート(テストチャート)を原稿台ガラス22に載せて読取動作を実行した場合、リーダIF705はリーダ250から出力された読取データを取得する。
エンジンIF710はエンジンコントローラ700bと通信する通信回路であり、画像信号を送信信したり、様々な測定データを受信したりする。RIP(ラスタイメージプロセッサ)706は、画像データを展開してビットマップ画像に展開するプロセッサである。色処理部707は、カラーマネージメントプロファイルなどを用いてビットマップ画像の色空間を変換する。例えば、RGB形式の画像データがYMCK形式の画像データに変換される。階調補正部708は、プリンタ部20により形成される画像の階調特性が理想的な階調特性となるように、画像データを階調補正テーブル(γLUT)に基づいて補正する。
中間調部709は、階調補正された画像データに対してディザマトリクスや誤差拡散法などの擬似中間調処理を実行する。中間調部709から出力される画像信号は、エンジンIF710を介してエンジンコントローラ700bに出力される。操作部140は、画像形成装置100の操作者が指示を入力したり、操作者に情報を表示したりするタッチパネルディスプレイである。なお、色処理部707、階調補正部708、中間調部709は、複数の画像処理に対応している。
尚、画像形成装置100がこれら複数の画像処理の全てを実行する不図示のイメージプロセッサを有してもよい。イメージプロセッサはCPU701と異なるプロセッサである。また、イメージプロセッサは複数の画像処理の一部を実行してもよい。また、イメージプロセッサが1つのプロセッサを有することに限定されず、複数のプロセッサを有していてもよい。
エンジンコントローラ700bのCPU712は、ROM714に記憶されている制御プログラムにしたがって高圧電源717やレーザスキャナ200などを制御する。RAM713は、CPU712のワークエリアとして機能する記憶装置である。高圧電源717は、帯電バイアスや現像バイアス、転写バイアスなどを生成する電源回路である。環境センサ(環境検知手段)715は、画像形成装置100が設置されている環境や画像形成装置1の内部環境を示す環境情報(例:温度や湿度、絶対水分量)を検知するセンサである。濃度センサ716は、現像器203のトナー濃度(例:キャリアに対するトナーの割合を示すパラメータ)を検知するセンサであり、例えば、透磁率型のセンサである。
タイマ719は、プリントジョブが終了すると計時を開始することで、画像形成装置100が画像を形成していない時間(放置時間)を計時する。逆に稼働時間を計時することも可能である。カウンタ720は、現像器203にトナーが補給された回数をカウントするカウンタである。画像形成装置100は、不図示の補給機構を有している。補給機構は、1回の補給動作において現像器203へ補給するトナーの量が予め決まっている。従って、プリンタコントローラ700aは、カウンタ720のカウント値から現像器203へのトナーの補給量を予測する。
図6(b)は、CPU701が制御プログラムを実行することで実現する機能を示している。電位制御部721は、環境センサ715により取得された環境情報に応じて、帯電バイアスVdT、及び現像バイアスVdcなどを決定する。電位制御部721は、これらのパラメータを高圧電源717に設定する。電位制御部721や高圧電源717は、電圧制御手段として機能する。載り量調整部722は、シートに載せられる最大のトナー量(最大トナー載り量)を調整する。最大トナー載り量は、帯電バイアスVdT、及び現像バイアスVdcに基づいて調整する。載り量調整部722は、他にも、レーザスキャナ200のレーザパワー(露光量)LPWを制御することで、最大トナー載り量を調整する。載り量調整部722やレーザスキャナ200は、露光制御手段として機能する。
テーブル作成部723は、階調補正部708で使用される階調補正テーブル(γLUT)を作成する。テーブル作成部723は、パターン作成モードと予測モードとの2つのモードを有している。パターン作成モードは、従来のようにパターン画像を形成し、パターン画像の測定結果に基づき階調補正テーブルを作成するモードである。本実施形態では、パターン作成モードにより作成された階調補正テーブルは基本テーブルと呼ばれる。予測モードは、本実施形態に特有のモードであり、環境情報や画像形成条件などに基づき画像濃度を予測し、予測された画像濃度に基づき階調補正テーブルを作成するモードである。ここで作成される階調補正テーブルを修正テーブルと呼ぶ。
画像濃度の予測は、予測部724で実行される。本実施形態では、予測濃度に基づき修正テーブルが作成され、基本テーブルと修正テーブルとを合成するごとで合成テーブルが作成され、階調補正部708に設定される。階調補正部708は、設定された合成テーブルを使用して画像データの階調を補正する。予測モードでは、パターン画像の形成と測定とが実行されないため、ダウンタイムが大幅に短縮される。
図6(c)は、RAM702に記憶される情報の一部を示している。基本テーブル725は、パターン作成モードにより作成された階調補正テーブルである。修正テーブル726は、予測濃度に基づき生成されたテーブルであり、基本テーブル725を修正して合成テーブルを取得するためのテーブルである。画像形成条件727は、例えば、帯電バイアスや帯電設定、現像設定、転写設定、露光設定(現像バイアスやレーザパワーなど)を含む。
[予測部]
予測部724は、画像濃度の変動と相関して変動する入力値(例:環境情報や画像形成条件など)に基づき階調レベルごとの画像濃度を予測する。本実施形態では、機械学習サーバ102より得られた学習モデルを画像形成中における濃度変動時に適用した。図7は、予測部724により予測された濃度を目標濃度D0に補正する場合のイメージ図を示したものである。時刻t1の初期濃度D1に対して、時刻t2における予測濃度D21,D22が目標濃度D0となるように、レーザパワーLPWの制御量等の画像形成条件を変更する必要がある。
予測部724は、画像濃度の変動と相関して変動する入力値(例:環境情報や画像形成条件など)に基づき階調レベルごとの画像濃度を予測する。本実施形態では、機械学習サーバ102より得られた学習モデルを画像形成中における濃度変動時に適用した。図7は、予測部724により予測された濃度を目標濃度D0に補正する場合のイメージ図を示したものである。時刻t1の初期濃度D1に対して、時刻t2における予測濃度D21,D22が目標濃度D0となるように、レーザパワーLPWの制御量等の画像形成条件を変更する必要がある。
上記の制御量に応じて補正された予測濃度D21は目標濃度D0に等しくなることから、予測部724は、時刻t1の初期濃度D1、目標濃度D0に基づき、時刻t1から時刻t2の間の様々な時点における階調レベル毎の濃度を予測する。テーブル作成部723は、各時点の予測濃度D21に基づき修正テーブルを作成する。例えば、時刻t1において1枚目の基準画像が形成され、時刻t2において5枚目のシートに画像が形成される場合、予測部724は2枚目から4枚目の画像濃度は、修正テーブルに基づき画像形成される。このように画像形成装置100は、画像形成を実行しながら階調補正テーブルを修正することができる。尚、本実施形態では、予測部724内に複数の推定手段を有するため、修正テーブルも複数有する事になる。
図8は、予測部724の構成を示す図である。入力処理部900は、濃度を予測するために必要となるパラメータの入力を受け付ける。パラメータは、例えば画像形成条件727や環境センサ715の測定値、濃度センサ716の測定値、タイマ719のカウント値、カウンタ720のカウンタ値等である。入力処理部900は、信号値記憶部901と差分部902とを有している。信号値記憶部901は、差分部902で差分演算の基準となる信号値を記憶する。差分部902は、入力された信号値と記憶されている信号値(基準値)との差分(変動量)を求める。
例えば、画像形成装置100を起動したときの環境値(例:温度や湿度、絶対水分量)についての差分、現像器203の内部におけるトナー濃度の差分、画像形成条件(例:レーザパワーLPWや帯電バイアスVd)の差分などが求められる。基準値は、前回テストチャートを用いて画像形成条件と階調補正テーブルとを生成したタイミングにおいて記憶された値を用いる。なお、放置時間、トナー補給回数、累積された画像形成枚数などの変動と相関する信号値(相関パラメータ)が、後述する未定着トナー情報演算部910、紙上定着後トナー情報演算部920に供給される。また、入力処理部900は、画像形成条件を除く相関パラメータについても差分を未定着トナー情報演算部910、紙上定着後トナー情報演算部920に供給する。
[未定着トナー情報演算部]
未定着トナー情報演算部910は、中間転写ベルト205上の未定着トナー濃度を予測演算する演算部である。例えば、時刻t2における未定着トナー濃度を予測する。未定着トナー情報演算部910は、濃度記憶部911と予測関数部912とを有している。濃度記憶部911は、予測の基準となる濃度(基準濃度)を記憶している。予測関数部912は、入力処理部900から入力された差分(入力値)と、記憶されている基準濃度とから、ある時刻における濃度を予測する。予測関数部912は、前述の学習モデルを有している。学習モデルは、入力値から濃度を予測し、予測された濃度の変動量を推測する。予測関数部912は、基準濃度に濃度変動量を加算することである時刻における濃度を予測する。
未定着トナー情報演算部910は、中間転写ベルト205上の未定着トナー濃度を予測演算する演算部である。例えば、時刻t2における未定着トナー濃度を予測する。未定着トナー情報演算部910は、濃度記憶部911と予測関数部912とを有している。濃度記憶部911は、予測の基準となる濃度(基準濃度)を記憶している。予測関数部912は、入力処理部900から入力された差分(入力値)と、記憶されている基準濃度とから、ある時刻における濃度を予測する。予測関数部912は、前述の学習モデルを有している。学習モデルは、入力値から濃度を予測し、予測された濃度の変動量を推測する。予測関数部912は、基準濃度に濃度変動量を加算することである時刻における濃度を予測する。
未定着トナー情報演算部910は、ある時刻における濃度を選択部930に出力する。未定着トナー情報演算部910は、最大濃度を示す階調レベル100%から10%刻みにて最小10%の各濃度を予測する。ここで、未定着トナー情報演算部910は、差分の代わりに例えば変化割合(変化率)を入力値として予測してもよい。
[紙上定着後トナー情報演算部]
紙上定着後トナー情報演算部920は、定着後の紙上トナー濃度を予測演算する演算部である。例えば、時刻t2における紙上定着後トナー濃度を予測する。紙上定着後トナー情報演算部920は、濃度記憶部921と予測関数部922とを有している。濃度記憶部921は、予測の基準となる濃度(基準濃度)を記憶している。予測関数部922は、入力処理部900から入力された差分(入力値)と、記憶されている基準濃度とからある時刻における濃度を予測する。予測関数部922は、前述の学習モデルを有している。学習モデルは、入力値から濃度を予測し、予測された濃度の変動量を推測する。予測関数部922は、基準濃度に濃度変動量を加算することである時刻における濃度を予測する。
紙上定着後トナー情報演算部920は、定着後の紙上トナー濃度を予測演算する演算部である。例えば、時刻t2における紙上定着後トナー濃度を予測する。紙上定着後トナー情報演算部920は、濃度記憶部921と予測関数部922とを有している。濃度記憶部921は、予測の基準となる濃度(基準濃度)を記憶している。予測関数部922は、入力処理部900から入力された差分(入力値)と、記憶されている基準濃度とからある時刻における濃度を予測する。予測関数部922は、前述の学習モデルを有している。学習モデルは、入力値から濃度を予測し、予測された濃度の変動量を推測する。予測関数部922は、基準濃度に濃度変動量を加算することである時刻における濃度を予測する。
紙上定着後トナー情報演算部920は、ある時刻における濃度を選択部930に出力する。紙上定着後トナー情報演算部920は、最大濃度を示す階調レベル100%から10%刻みにて最小10%の各濃度を予測する。ここで、紙上定着後トナー情報演算部920は、差分の代わりに変化割合(変化率)を入力値として予測してもよい。
[選択部]
選択部930は、未定着トナー情報演算部910及び紙上定着後トナー情報演算部920より演算された予測濃度D21と、それぞれの基準濃度のうちどちらの演算部の結果を採択し、結果を決定部940に出力するかを判断する。選択部930では、演算部931にて図9に示すフローチャートを適用し、決定部940に結果を送信する。
選択部930は、未定着トナー情報演算部910及び紙上定着後トナー情報演算部920より演算された予測濃度D21と、それぞれの基準濃度のうちどちらの演算部の結果を採択し、結果を決定部940に出力するかを判断する。選択部930では、演算部931にて図9に示すフローチャートを適用し、決定部940に結果を送信する。
図9に示すように、選択部930は、未定着トナー情報演算部910から基準濃度α0、予測された予測濃度α1を取得する(ステップS1000)。選択部930は、演算部931にて基準濃度α0、予測濃度α1から、差分Δαを取得する(ステップS1001)。選択部930は、演算部931にて算出されたΔαが予め決められた閾値範囲内であるか否かを判断する(ステップS1002)。選択部930は、Δαが閾値範囲内であると判断された場合(ステップS1002のYES)、本結果を非選択処理し(ステップS1003)、S1004に移行する。
選択部930は、Δαが閾値範囲内でないと判断された場合(ステップS1002のNO)、Δαの結果を保持しつつ、紙上定着後トナー情報演算部920から基準濃度β0、予測された予測濃度β1を取得する(ステップS1004)。選択部930は、演算部931にて基準濃度β0、予測濃度β1から差分Δβを取得する(ステップS1005)。選択部930は、演算部931にて算出されたΔβが予め決められた閾値範囲内であるか否かを判断する(ステップS1006)。選択部930は、Δβが閾値範囲内であると判断された場合(ステップS1006のYES)、本結果を非選択処理し(ステップS1007)、再び処理フローを回す(ステップS1000)。
選択部930は、Δβが閾値範囲内でないと判断された場合(ステップS1006のNO)、ΔαとΔβの値を比較して、Δα≦Δβであるか否かを判断する(ステップS1008)。選択部930は、Δα≦Δβであると判断した場合(ステップS1008のYES)、紙上定着後トナー情報演算部920の結果を採択する(ステップS1009)。選択部930は、Δα≦Δβでないと判断した場合(ステップS1008のNO)、未定着トナー情報演算部910の結果を採択する(ステップS1010)。選択部930は、採択した結果を決定部940に送信する(ステップS1011)。
即ち、プリンタ制御部700は、第1予測濃度α0と第1基準濃度α1との差分である第1差分Δαと、第2予測濃度β0と第2基準濃度β1との差分である第2差分Δβと、を算出する。プリンタ制御部700は、第1差分Δαが第2差分Δβ以上(差分以上)である場合に、第1モードを実行し、第1差分Δαが第2差分Δβ未満(差分未満)である場合に、第2モードを実行する。尚、図9ではシリアルでの処理フローを説明したが、パラレルにて処理を行える環境であるならばこれに限定されない。また、本実施形態では、未定着トナー情報演算部910から紙上定着後トナー情報演算部920の順番にて処理を実施したが、逆順にて処理をしても構わない。
[決定部]
図8に示すように、決定部940は、演算部941、目標濃度記憶部942及び制御量テーブル943を有している。目標濃度記憶部942は、図7中に示す目標濃度D0を記憶している。演算部941は、選択部930により選択された予測濃度D21と目標濃度D0との差分を求め、制御量テーブル943を参照して差分を画像形成条件の制御量に変換する。このように制御量テーブル943は、濃度差分を画像形成条件の制御量に変換するテーブルである。なお、画像形成条件の制御量は、以下では単に画像形成条件と呼ばれる。なお、演算部941は、選択部930により、各演算部による結果を取得し、この情報に基づき画像形成条件を選択する。例えば、選択部930にて未定着トナー情報演算部910の結果を採択した場合、初期濃度D1を目標濃度D0に一致させるために、予測関数部912に用いられた画像形成条件が選択される。
図8に示すように、決定部940は、演算部941、目標濃度記憶部942及び制御量テーブル943を有している。目標濃度記憶部942は、図7中に示す目標濃度D0を記憶している。演算部941は、選択部930により選択された予測濃度D21と目標濃度D0との差分を求め、制御量テーブル943を参照して差分を画像形成条件の制御量に変換する。このように制御量テーブル943は、濃度差分を画像形成条件の制御量に変換するテーブルである。なお、画像形成条件の制御量は、以下では単に画像形成条件と呼ばれる。なお、演算部941は、選択部930により、各演算部による結果を取得し、この情報に基づき画像形成条件を選択する。例えば、選択部930にて未定着トナー情報演算部910の結果を採択した場合、初期濃度D1を目標濃度D0に一致させるために、予測関数部912に用いられた画像形成条件が選択される。
このように、演算部941は、選択された演算モデルを使用して濃度変動量を基準濃度に加算して予測濃度D21を求める。例えば、10個の階調レベル(例:10%、20%、…、100%)に対応する10個の濃度を予測するために、演算部941は20個の予測モデルを有していてもよい。例えば、演算部941は、10%の入力レベルに対応する濃度を予測するために、10%の入力レベルに対応する予測モデルを使用する。
画像形成装置100が30枚のシートに連続して画像を形成する場合、予測部724は1枚目と30枚目のシートとに形成される画像の濃度に基づいて2枚目から29枚目までの各シートに形成される画像の濃度を予測する。この場合、予測部724は、1枚目のシートに形成される画像の初期濃度D1と、30枚目のシートに形成される画像の予測濃度D21とを結ぶ対数近似線を求め、2枚目から29枚目までの各シートに形成される画像の濃度を補間演算すればよい。本実施形態において、複数の推定手段を用いて濃度を予測することにより、従来の紙上のみで濃度を予測するよりも、未定着での変化を把握することにより、外乱を含んだ過補正を抑制することができる。
[テーブル作成部]
図6(b)に示すように、予測部724は、予測濃度をテーブル作成部723に出力する。これらの予測濃度群は画像濃度特性を形成し、階調補正テーブルの作成に使用される。テーブル作成部723は、予測濃度群に基づき階調補正テーブルを作成する。上述したように、テーブル作成部723は、予測濃度群に基づき修正テーブル726を作成し、基本テーブル725と合成して階調補正テーブルを作成し、階調補正部708に書き込む。
図6(b)に示すように、予測部724は、予測濃度をテーブル作成部723に出力する。これらの予測濃度群は画像濃度特性を形成し、階調補正テーブルの作成に使用される。テーブル作成部723は、予測濃度群に基づき階調補正テーブルを作成する。上述したように、テーブル作成部723は、予測濃度群に基づき修正テーブル726を作成し、基本テーブル725と合成して階調補正テーブルを作成し、階調補正部708に書き込む。
図6(a)に示すように、階調補正部708は、エンジンコントローラ700bにより形成される画像の階調特性が理想的な階調特性となるように、画像データを階調補正テーブル(γLUT)に基づいて補正する。中間調部709は、階調補正された画像データに対してディザマトリクスや誤差拡散法などの擬似中間調処理を実行する。中間調部709から出力される画像信号は、エンジンIF710を介してエンジンコントローラ700bに出力される。
[濃度補正制御]
以下、濃度補正制御を実施する処理手順について、図10に示すフローチャートに沿って説明する。図10は、CPU701が実行する濃度補正制御(キャリブレーションを示すフローチャートである。CPU701は、メインキャリブレーション(パターン作成モード)の実行条件が満たされたか否かを判定する(ステップS1100)。条件を満たしていれば(ステップS1100のYES)、S1101へ進む。実行条件を満たさなければ(ステップS1100のNO)、S1107の予測型キャリブレーション実行要件判断へ進む。尚、メインキャリブレーションとは、シートSにパターン画像を形成し、パターン画像の読取データを濃度データへ変換し、濃度データに基づいて画像形成条件を補正する処理である。また、予測型キャリブレーションとは、シートSにパターン画像を形成せずに、予測濃度を用いて画像形成条件を補正する処理である。
以下、濃度補正制御を実施する処理手順について、図10に示すフローチャートに沿って説明する。図10は、CPU701が実行する濃度補正制御(キャリブレーションを示すフローチャートである。CPU701は、メインキャリブレーション(パターン作成モード)の実行条件が満たされたか否かを判定する(ステップS1100)。条件を満たしていれば(ステップS1100のYES)、S1101へ進む。実行条件を満たさなければ(ステップS1100のNO)、S1107の予測型キャリブレーション実行要件判断へ進む。尚、メインキャリブレーションとは、シートSにパターン画像を形成し、パターン画像の読取データを濃度データへ変換し、濃度データに基づいて画像形成条件を補正する処理である。また、予測型キャリブレーションとは、シートSにパターン画像を形成せずに、予測濃度を用いて画像形成条件を補正する処理である。
[メインキャリブレーション]
まず初めに、メインキャリブレーションの制御フローについて説明する。CPU701は、エンジンコントローラ700bに対して電位制御を実行するために電位制御部721より命令を実行する(ステップS1101)。例えば、CPU701は、環境センサ検出部409により取得された環境条件(例:温度や湿度、絶対水分量)に応じて帯電バイアス(VdT)、及び現像バイアス(Vdc)を決定する。電位制御は当技術分野において既知であるため、その詳細な説明は省略される。
まず初めに、メインキャリブレーションの制御フローについて説明する。CPU701は、エンジンコントローラ700bに対して電位制御を実行するために電位制御部721より命令を実行する(ステップS1101)。例えば、CPU701は、環境センサ検出部409により取得された環境条件(例:温度や湿度、絶対水分量)に応じて帯電バイアス(VdT)、及び現像バイアス(Vdc)を決定する。電位制御は当技術分野において既知であるため、その詳細な説明は省略される。
CPU701の載り量調整部722は、最大濃度の為の画像形成条件(例:レーザパワーLPW)を調整する(ステップS1102)。最大濃度は、最大載り量と呼ばれてもよい。例えば、載り量調整部722は、電位制御で決定されたグリットバイアス(Y)と現像バイアス(Vdc)とをエンジンコントローラ700bに設定し、プリンタ部20を制御してトナーの最大載り量を調整するためのパターン画像をシートSに形成させる。ユーザは、パターン画像が形成されたシートS(テストチャート)をリーダ2に載せて読み取らせると、リーダIF212はリーダ2から出力された読取データを取得する。載り量調整部722は、載り量とレーザパワーLPWとの関係を読取データに基づいて求める。さらに、載り量調整部722は、この関係から最大載り量が得られるレーザパワーLPWを決定する。トナーの最大載り量を調整する手法も当技術分野において既知であるため、その詳細な説明は省略される。
CPU701のテーブル作成部723は、エンジンコントローラ700bを通じて画像形成部を制御し、階調補正用のパターン画像をシートSに形成する(ステップS1103)。階調補正用のパターン画像には、例えば、トナー色ごとに64階調のパターン画像が含まれている。ユーザがパターン画像を形成したシートS(テストチャート)をリーダ2に載せて読み取らせると、リーダIF705はリーダ250から出力された読取データを取得する。CPU701のテーブル作成部723は、各階調ごとの画像濃度をリーダIF705により取得された階調補正用のパターン画像の読取データに基づいて求める(ステップS1104)。
CPU701のテーブル作成部723は、測定された階調補正用のパターン画像の濃度を基準濃度として取得し、このときの各センサの基準信号値を取得する(ステップS1105)。テーブル作成部723は、パターン画像を形成するためにエンジンコントローラ700bに設定した画像形成条件の基準値と基準信号値を取得する。画像形成条件の基準値は、例えば、帯電バイアス、現像バイアス及びレーザパワーLPWである。基準濃度は、各階調ごとの画像濃度である。基準信号値は、例えば、上述のトナー濃度、カウント値、タイマ値である。基準値と基準信号値とは、信号値記憶部901に格納される。基準濃度は、濃度記憶部911,921に格納される。
CPU701のテーブル作成部723は、シートSに形成される画像の階調特性が理想的な階調特性(階調ターゲット)に一致するように、測定された画像濃度に基づいて基本テーブル725を作成する(ステップS1106)。テーブル作成部723は、例えば、測定された画像濃度に対して補間処理とスムージング処理を行い、プリンタ部20の階調特性を取得する。テーブル作成部723は、全濃度領域の階調特性と階調ターゲットとに基づき、基本テーブル725を作成する。テーブル作成部723は、基本テーブル725を階調補正部708に設定する。
[予測型キャリブレーション]
次に、予測型キャリブレーションの制御フローについて説明する。基本テーブル725が作成されたときから、時間が経過、或いは画像形成を経ることにより環境条件や画像形成装置100の状態は逐次変化する。そのため、これらの変化に応じて、基本テーブル725は修正されなければならない。基本テーブル725を作成するためには、パターン画像を形成しなければならないので、ダウンタイムが発生してしまう。そこで、予測型キャリブレーション(予測モード)を適用することにより、上記課題を解決できる。予測型キャリブレーションとは、パターン画像を形成することなく、階調補正テーブルを更新する処理である。予測型キャリブレーションを採用することで、ダウンタイムが大幅に削減される。なお、予測型キャリブレーションでは修正テーブル726が求められ、メインキャリブレーションで求められた基本テーブル725に合成される。これにより、階調補正テーブルが補正(修正)される。即ち、プリンタ制御部700は、環境センサ715の検知結果と画像形成条件と使用状態に基づいて、第1予測濃度を第1予測手段により予測する。また、プリンタ制御部700は、環境センサ715の検知結果と画像形成条件と使用状態とシートSの種類とに基づいて、第2予測濃度を第2予測手段により予測する。
次に、予測型キャリブレーションの制御フローについて説明する。基本テーブル725が作成されたときから、時間が経過、或いは画像形成を経ることにより環境条件や画像形成装置100の状態は逐次変化する。そのため、これらの変化に応じて、基本テーブル725は修正されなければならない。基本テーブル725を作成するためには、パターン画像を形成しなければならないので、ダウンタイムが発生してしまう。そこで、予測型キャリブレーション(予測モード)を適用することにより、上記課題を解決できる。予測型キャリブレーションとは、パターン画像を形成することなく、階調補正テーブルを更新する処理である。予測型キャリブレーションを採用することで、ダウンタイムが大幅に削減される。なお、予測型キャリブレーションでは修正テーブル726が求められ、メインキャリブレーションで求められた基本テーブル725に合成される。これにより、階調補正テーブルが補正(修正)される。即ち、プリンタ制御部700は、環境センサ715の検知結果と画像形成条件と使用状態に基づいて、第1予測濃度を第1予測手段により予測する。また、プリンタ制御部700は、環境センサ715の検知結果と画像形成条件と使用状態とシートSの種類とに基づいて、第2予測濃度を第2予測手段により予測する。
上記合成に至るまでの制御フローに関して、図10を用いて説明する。CPU701は、予測型キャリブレーションの実行条件が満たされたか否かを判定する(ステップS1107)。実行条件は、例えば、電源がONしたこと、画像形成装置100がスリープモード(節電モード)から復帰したこと、環境が変動したこと、予め設定されたタイミングになったことである。予測型キャリブレーションの実行頻度は、メインキャリブレーションの実行頻度よりも多い。実行条件が満たされていなければ(ステップS1107のNO)、CPU701はS1100に戻る。一方、実行条件が満たされていれば(ステップS1107のYES)、CPU701の予測部724は予測濃度D21を求める(ステップS1108)。ここでは、予測部724は、10階調に対応した10個の予測濃度D21の演算処理を実行する。
CPU701のテーブル作成部723は、10個の予測濃度D21に基づき予測濃度特性(予測階調特性)を作成する(ステップS1109)。例えば、予測部724は、10個の予測濃度D21を用いて補間演算することによって、全ての階調の濃度を求める。なお、テーブル作成部723は、10個の予測濃度D21を用いて予測濃度特性を表す近似式を求めてもよい。
図11(a)は、階調ターゲット1201、基本テーブル725、基準濃度特性1203を示している。横軸は、階調レベル[%]に相当する入力信号を示している。縦軸は、画像濃度を示している。基準濃度特性1203は、S1105で取得された基準濃度である。基本テーブル725は、基準濃度特性1203を階調ターゲット1201に対して反転させる(逆変換する)ことで作成される。図11(b)は、階調ターゲット1201、基準濃度特性1203、予測濃度特性1204を示している。予測濃度特性1204は、S1108及びS1109で求められた予測濃度D21である。経時変化などに起因して、画像形成装置100の濃度特性は、基準濃度特性1203から予測濃度特性1204へ変化してしまう。そのため、階調補正部708が基準濃度特性1203に基づいて作成された基本テーブル725を用いてしまうと、階調特性を高精度に補正することができない。
そこで、図10に示すように、CPU701のテーブル作成部723は、予測濃度特性1204に基づき修正テーブル726を作成する(ステップS1110)。例えば、テーブル作成部723は、予測濃度特性1204を基本テーブル725の特性に補正するために、予測濃度特性1204を基本テーブル725の特性に対して逆変換を実行することで、修正テーブル726を作成する。
CPU701のテーブル作成部723は、基本テーブル725と修正テーブル726を合成することで、修正された階調補正テーブルを作成する(ステップS1111)。図12は、階調ターゲット1201、基本テーブル725、修正テーブル726、修正された階調補正テーブル1301を示している。テーブル作成部723は、階調補正テーブル1301を階調補正部708に設定する。階調補正部708は、階調補正テーブル1301を用いて入力画像信号を出力画像信号に変換される。即ち、プリンタ制御部700は、中間転写ベルト205に形成するトナー像の画像濃度に関して、予測濃度D21を目標濃度(基準濃度)D0に補正する階調補正テーブルを作成する。
[学習モデルの濃度予測に基づき帯電手段、露光手段、現像手段を変更]
上述した処理では学習モデルの濃度予測に基づき階調ターゲットを変更する場合について説明したが、少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段の制御量を変更することで画像濃度を調整する場合について、図13及び図14を用いて説明する。
上述した処理では学習モデルの濃度予測に基づき階調ターゲットを変更する場合について説明したが、少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段の制御量を変更することで画像濃度を調整する場合について、図13及び図14を用いて説明する。
図13は、決定部940が実行する制御量の決定処理の他の例のフローチャートを示している。ここでは、画像形成条件の制御量として、レーザパワーLPWと帯電バイアスVdが決定されるものと仮定されている。決定部940の演算部941は、予測濃度D21の変動量ΔDを演算する(ステップS1400)。演算部941は、変動量ΔDを求めるための演算モデルを有していてもよい。ここでは、変動量ΔDに寄与する相関因子は、例えば、レーザパワーLPW、現像器203内のトナー濃度、帯電バイアスVd、機内温度T、機外湿度Hであってもよい。演算モデルは、相関因子ごとのモデル係数を有している。
図14は、相関因子の一例を示す表である。図14において、基準点とは、基準濃度が取得されたときの各因子の値である。予測点とは、予測された初期濃度D1あるいは予測濃度(D21あるいはD22)が算出されたときの各因子の値である。ここでは、予測点のトナー濃度は予測濃度D21であると仮定されている。差分データとは、予測点から基準点を減算して得られる値である。トナー濃度の差分データを補正するための各相関因子の補正係数が予め実験などで決定されている。補正係数としては、初期濃度D1の補正係数と、予測濃度D21用の補正係数とが存在する。予測濃度D21用の補正係数は、選択部930の選択結果に応じて切り替えられる。本実施形態では、選択部930において選択された補正係数を適用した場合について説明する。
ここでは、図7に示すように、予測濃度D21が初期濃度D1よりも低いことが想定されている。そのため、図14の補正係数は、予測濃度D21用の補正係数である。補正係数とは、その係数に各相関因子の変動量を乗算してトナー濃度の変動量ΔDを計算するためのものである。本実施形態では、レーザパワーLPWについての補正係数mc1は0.0024、帯電バイアスVdについての補正係数mc2は0.0005、機内温度についての補正係数mc3は-0.0170、機外湿度についての補正係数mc4は0.0021とする。予測差分とは、各因子の予測濃度D21の変動量ΔDへの寄与成分である。演算部941は、差分データに補正係数を乗算することで予測差分を演算する。さらに、演算部941は、各因子の予測差分を加算することで変動量ΔDを演算する。図14において、変動量ΔDは0.07である。
図13に示すように、演算部941は、変動量ΔDを0にするための制御量の関係式を求める(ステップS1401)。これは、変動量ΔDが0となるときに、予測濃度D21が目標濃度D0に一致するからである。ここで、図14に示された4個の因子(レーザパワーLPW、帯電バイアスVd、機内温度T、機外湿度H)のうちで、実際に制御可能な因子はレーザパワーLPWと帯電バイアスVdの目標温度である。その他の因子(本実施形態においては機内温度Tと機外湿度H)は、画像形成装置1の起動時に既に決定されており、制御不可能であるか、または制御するためには時間がかかる。機内温度Tと機外湿度Hの差分データに補正係数を乗算した予測差分+0.046と-0.005の合計値+0.041(α)が、その他の因子による基準点からの変動量ΔDへの影響量である。よって、その他の因子による変動量ΔD+0.041を0となるように、レーザパワーLPWと帯電バイアスVdの値を変更することになる。つまり、以下の数式(1)が求められるべき関係式である。
α+mc1×ΔLPW+mc2×ΔVd=0 ・・・数式(1)
α+mc1×ΔLPW+mc2×ΔVd=0 ・・・数式(1)
演算部941は、環境条件に基づき帯電バイアスVdを決定する(ステップS1402)。ここでは、制御量テーブル943に格納されている環境条件を帯電バイアスVdに変換するテーブルを用いる。環境条件は環境センサ261により取得される環境値であり、例えば、環境湿度である。演算部941は、帯電バイアスの制御量ΔVdを決定する(ステップS1403)。例えば、演算部941は、環境湿度に基づいて決定された帯電バイアスVd(例:550)から基準点の帯電バイアスVd(例:557)を減算することで制御量ΔVd(=-7)を演算してもよい。演算部941は、以下の数式(2)を用いてレーザパワーの制御量ΔLPWを決定する。ここでは、ΔLPW=-16と算出される。
ΔLPW=(-α-mc2×ΔVd)/mc1 ・・・数式(2)
ΔLPW=(-α-mc2×ΔVd)/mc1 ・・・数式(2)
演算部941は、基準点のレーザパワーLPW(=112)に制御量ΔLPW(=-26)を加算することで、レーザパワーLPW(=96)を決定する(ステップS1405)。本実施形態におけるトナー濃度補正後の各相関因子の値を示したのが、図14の「補正後」である。S1402では環境条件から帯電バイアスVdが決定されているが、環境条件からレーザパワーLPWが決定されてもよい。この場合、S1403でΔLPWが決定され、S1404でΔVdが決定され、S1405で帯電バイアスVdが決定される。
上述したように、学習モデルの濃度予測に基づき帯電手段、露光手段、現像手段を変更した場合として、画像形成条件としてVdやLPWを用いた場合について説明したが、現像バイアスやコントラスト電位が採用されてもよい。このように、演算部941は、入力値の差分と、初期濃度D1と予測濃度D21のうち低いほうの画像濃度に関連付けられている補正係数との積の総和(変動量ΔD)が0となるように、制御量を決定する。
[学習モデルの濃度予測に基づき二次転写部を変更]
上述した処理では学習モデルの濃度予測に基づき二次転写ローラ222よりも上流側を変更する場合について説明したが、中間転写ベルト205よりも下流側を変更することができる。ここでは、二次転写バイアスを変更することによって画像濃度を調整する場合について、参照例として、図15及び図16を用いて説明する。
上述した処理では学習モデルの濃度予測に基づき二次転写ローラ222よりも上流側を変更する場合について説明したが、中間転写ベルト205よりも下流側を変更することができる。ここでは、二次転写バイアスを変更することによって画像濃度を調整する場合について、参照例として、図15及び図16を用いて説明する。
ここでは、図8における選択部930において、未定着トナー情報演算部910、紙上定着後トナー情報演算部920より演算された予測濃度D21とそれぞれの基準濃度のうちどちらの演算部の結果を採択する際を想定する。この場合に、紙上定着後トナー情報演算部920より演算された予測濃度D21とそれぞれの基準濃度を選択した場合において、変更する画像形成条件を二次転写バイアスとしている。即ち、図9に示したフローのS1006においてΔβが閾値範囲外であって、S1008においてΔβの値がΔαよりも大きい場合に、二次転写バイアスの変更制御が実行される。図8の決定部940において、演算部941は、選択部930により選択された予測濃度D21と目標濃度D0との差分を求め、制御量テーブル943を参照して差分を画像形成条件、本実施形態においては二次転写バイアスの制御量に変換する。
図15は、決定部940が実行する制御量が二次転写バイアスである例のフローチャートを示している。決定部940の演算部941は、予測濃度D21の変動量ΔDを演算する(ステップS1600)。演算部941は、変動量ΔDを求めるための演算モデルを有していてもよい。ここでは、変動量ΔDに寄与する相関因子は、例えば、二次転写バイアス、機内温度T、機外湿度Hであってもよい。演算モデルは、相関因子ごとのモデル係数を有している。 図16は、相関因子の一例を示す表である。図16において、基準点とは、基準濃度が取得されたときの各因子の値である。予測点とは、予測された初期濃度D1あるいは予測濃度(D21あるいはD22)が算出されたときの各因子の値である。ここでは、予測点の予測濃度D21は、初期濃度D1であると仮定されている。差分データとは、予測点から基準点を減算して得られる値である。トナー濃度の差分データを補正するための各相関因子の補正係数が予め実験などで決定されている。
補正係数としては、初期濃度D1用の補正係数と、予測濃度D21用の補正係数とが存在する。予測濃度D21用の補正係数は、選択部930の選択結果に応じて切り替えられる。本実施形態では、選択部930において選択された補正係数を適用した場合について説明する。ここでは、図7に示すように、予測濃度D21が初期濃度D1よりも低いことが想定されている。そのため、図16の補正係数は、予測濃度D21用の補正係数である。補正係数とは、その係数に各相関因子の変動量を乗算してトナー濃度の変動量ΔDを計算するためのものである。本実施形態においては、二次転写バイアスについての補正係数mc5は-0.001、機内温度についての補正係数mc3は-0.0170、機外湿度についての補正係数mc4は0.0021とする。予測差分とは、各因子の予測濃度D21の変動量ΔDへの寄与成分である。演算部941は、差分データに補正係数を乗算することで予測差分を演算する。さらに、演算部941は、各因子の予測差分を加算することで変動量ΔDを演算する。図16において、変動量ΔDは0.07である。
演算部941は、変動量ΔDを0にするための制御量の関係式を求める(ステップS1601)。これは、変動量ΔDが0となるときに、予測濃度D21が目標濃度D0に一致するからである。ここで、図16に示された3個の因子(二次転写バイアス、機内温度T、機外湿度H)のうちで、実際に制御可能な因子は二次転写バイアスの目標濃度である。その他の因子(本実施形態においては機内温度Tと機外湿度H)は、画像形成装置1の起動時に既に決定されており、制御不可能であるか、または制御するためには時間がかかる。機内温度Tと機外湿度Hの差分データに補正係数を乗算した予測差分+0.046と-0.005の合計値+0.041(α)が、その他の因子による基準点からの変動量ΔDへの影響量である。よって、その他の因子による変動量ΔD+0.041を0となるように、二次転写バイアスの値を変更することになる。つまり、以下の数式(3)が求められるべき関係式である。
α+mc5×Δ2TrV=0 ・・・数式(3)
α+mc5×Δ2TrV=0 ・・・数式(3)
演算部941は、環境条件に基づき二次転写バイアス2TrVを決定する(ステップS1602)。ここでは、制御量テーブル943に格納されている環境条件を二次転写バイアス2TrVに変換するテーブルを用いる。環境条件は、環境センサ261により取得される環境値であり、例えば、環境湿度である。演算部941は、二次転写バイアスの制御量Δ2TrVを決定する(ステップS1603)。例えば、演算部941は、環境湿度に基づいて決定された二次転写バイアス2TrV(例:1050)から基準点の二次転写バイアス2TrV(例:1000)を減算することで制御量ΔVd(=50)を演算してもよい。本実施形態におけるトナー濃度補正後の各相関因子の値を示したのが、図16に示す「補正後」である。
以上の実施形態では、画像形成条件として二次転写バイアス2TrVが用いられているが、定電流制御の場合など二次転写電流2TrIが採用されてもよい。このように、演算部941は、入力値の差分と、初期濃度D1と予測濃度D21のうち低いほうの画像濃度に関連付けられている補正係数との積の総和(変動量ΔD)が0となるように、制御量を決定する。
[学習モデルの濃度予測に基づき定着手段を変更]
次に、本発明の特徴的な構成について説明する。上述した処理では学習モデルの濃度予測に基づき二次転写部を変更する場合について参照例として説明したが、定着手段を変更する例について説明する。ここでは、定着温度を変更することによって画像濃度を調整する場合について、図17~図19を用いて説明する。
次に、本発明の特徴的な構成について説明する。上述した処理では学習モデルの濃度予測に基づき二次転写部を変更する場合について参照例として説明したが、定着手段を変更する例について説明する。ここでは、定着温度を変更することによって画像濃度を調整する場合について、図17~図19を用いて説明する。
まず、本実施形態で用いる定着器40の構成について、図19を用いて説明する。図19は、定着器40の構成を示す断面説明図である。図19に示す定着器40は、定着ユニット41と、加圧手段となる加圧ローラ42とを有して構成される。定着器40は、加熱手段となるヒータ43、定着フィルム44、フィルムガイド45、ステー46、温度検知素子からなるサーミスタ47a,47bとを有して構成されている。
ヒータ43は、電気的絶縁性を有する不図示のセラミック製の基板上に発熱ペーストを印刷した発熱体と、該発熱体の保護と絶縁性を確保するためのガラスコーティング層等を有して構成される。不図示の電源から電力制御された交流電流が、発熱体に供給されて発熱する。定着フィルム44(加熱回転体)の基層膜厚は、100μm以下である。また、定着フィルム44(加熱回転体)の基層材料は、金属で構成されている。本実施形態の定着フィルム44は、厚さが約50μmのステンレス(SUS)製で外径が32mmの円筒形で構成されている。定着フィルム44(加熱回転体)は、ヒータ43(加熱手段)により加熱される。定着フィルム44は、ヒータ43からの熱を効率良くシートS上のトナーに伝える。
フィルムガイド45には、定着フィルム44の内周面に摺動する円弧状のリブが該フィルムガイド45の長手方向に沿って複数設けられている。これにより、定着フィルム44の内周面との摺動抵抗を抑えながら、定着フィルム44の回転を補助する。ステー46は、鋼板により構成され、フィルムガイド45の長手方向において加圧力を均一に加える。基板43aの裏側に設けられたサーミスタ47a,47bは、ヒータ43の温度変化を検知する。サーミスタ47a,47bにより検知した検知結果に基づいて、ヒータ43の目標温度を決定する。制御手段となるCPUにより、ヒータ43に供給する交流電流の電力制御を行う。これにより、ヒータ43の温度を目標温度(印刷温度)に保つ。
加圧ローラ42は、外径が12mmのアルミニウムから成る芯金42aの外周上に体積低効率が1×105Ω・cm程度の導電性シリコンゴムからなる弾性層42bを被覆する。該弾性層42bの外周上に、約60μmの絶縁チューブを被覆した表層42cを設けている。加圧ローラ42の外径は、20mmである。加圧ローラ42は、不図示のばね等の付勢手段により定着フィルム44を挟んで、ヒータ43に対して所定の圧力(定着ニップ圧)で圧接されている。定着フィルム44の外周面と、加圧ローラ42の表面とにより記録材搬送方向(図19の左右方向)において、5mm~8mmの定着ニップ部Nを形成している。
加圧ローラ42は、駆動手段となるモータにより回転駆動される。定着フィルム44は、加圧ローラ42の表面との接触抵抗、或いは、定着ニップ部Nに介在するシートSとの接触抵抗により加圧ローラ42に従動回転する。これにより、定着ニップ部Nに搬送されたシートSを定着フィルム44の外周面と密着させた状態で搬送する。シートSが定着ニップ部Nに搬送され、定着フィルム44の外周面と加圧ローラ42の表面とにより挟持搬送されることで、シートS上に担持された未定着のトナー像がヒータ43の熱と定着ニップ圧とにより加熱及び加圧されて定着処理される。
本実施形態においては、定着手段を変更することによって画像濃度を調整する。図17は、決定部940が実行する制御量が定着温度である例のフローチャートを示している。ここでは、画像形成条件の制御量として、ヒータ43の目標温度Tが決定されるものと仮定されている。
決定部940の演算部941は、予測濃度の変動量ΔDを演算する(ステップS1800)。演算部941は、変動量ΔDを求めるための演算モデルを有していてもよい。ここでは、変動量ΔDに寄与する相関因子は、例えば、ヒータ43の目標温度T、定着ニップ圧P、機内温度T、機外湿度Hであってもよい。演算モデルは、相関因子ごとのモデル係数を有している。図18は、相関因子の一例を示す表である。図18において、基準点とは、基準濃度が取得されたときの各因子の値である。予測点とは、予測された初期濃度D1あるいは予測濃度(D21あるいはD22)が算出されたときの各因子の値である。ここでは、予測点のトナー濃度は、予測濃度D21であると仮定されている。差分データとは、予測点から基準点を減算して得られる値である。トナー濃度の差分データを補正するための各相関因子の補正係数が予め実験などで決定されている。
補正係数としては、初期濃度D1用の補正係数と、予測濃度D21用の補正係数とが存在する。予測濃度D21用の補正係数は、選択部930の選択結果に応じて切り替えられる。本実施形態では、選択部930において選択された補正係数を適用した場合について説明する。ここでは、図7に示すように、予測濃度D21が初期濃度D1よりも低いことが想定されている。そのため、図18の補正係数は、予測濃度D21用の補正係数である。補正係数とは、その係数に各相関因子の変動量を乗算してトナー濃度の変動量ΔDを計算するためのものである。本実施形態においては、ヒータ43の目標温度Tについての補正係数mc6は0.011、機内温度についての補正係数mc3は-0.0170、機外湿度についての補正係数mc4は0.0021とする。予測差分とは、各因子の予測濃度の変動量ΔDへの寄与成分である。演算部941は、差分データに補正係数を乗算することで予測差分を演算する。さらに、演算部941は、各因子の予測差分を加算することで変動量ΔDを演算する。図18において、変動量ΔDは0.07である。
演算部941は、変動量ΔDを0にするための制御量の関係式を求める(ステップS1801)。これは、変動量ΔDが0となるときに、予測濃度が目標濃度に一致するからである。ここで、図18に示された3個の因子(ヒータ43の目標温度T、機内温度T、機外湿度H)のうちで、実際に制御可能な因子はヒータ43の目標温度Tである。その他の因子(本実施形態においては機内温度Tと機外湿度H)は、画像形成装置1の起動時に既に決定されており、制御不可能であるか、または制御するためには時間がかかる。機内温度Tと機外湿度Hの差分データに補正係数を乗算した予測差分+0.046と-0.005の合計値+0.041(α)が、その他の因子による基準点からの変動量ΔDへの影響量である。よって、その他の因子による変動量ΔD+0.041を0となるように、ヒータ43の目標温度Tの値を変更することになる。つまり、以下の数式(4)が求められるべき関係式である。
α+mc6×ΔT=0 ・・・数式(4)
α+mc6×ΔT=0 ・・・数式(4)
演算部941は、環境条件に基づきヒータ43の目標温度Tを決定する(ステップS1802)。ここでは、制御量テーブル943に格納されている環境条件をヒータ43の目標温度Tに変換するテーブルを用いる。環境条件は、環境センサ261により取得される環境値であり、例えば、環境温度である。演算部941は、ヒータ43の目標温度ΔTを決定する(ステップS1803)。例えば、演算部941は、環境温度に基づいて決定されたヒータ43の目標温度T(例:174)から基準点のヒータ43の目標温度T(例:170)を減算することで、目標温度ΔT(=-4)を演算してもよい。本実施形態におけるトナー濃度補正後の各相関因子の値を示したのが、図18の「補正後」である。
以上の実施形態では、画像形成条件としてヒータ43の目標温度Tを用いられているが、定着ニップ圧Pが採用されてもよい。このように、演算部941は、入力値の差分と、初期濃度D1と予測濃度D21のうち低いほうの画像濃度に関連付けられている補正係数との積の総和(変動量ΔD)が0となるように、制御量を決定する。
以上、説明したように、本実施形態では、プリンタ制御部700は、第1モードと第2モードとを選択して実行可能である。第1モードとは、画像形成条件及び使用状態に基づいて中間転写ベルト205に形成されるトナー像の濃度である第1予測濃度を第1予測手段(学習モデル)により予測するモードである。また、第1モードは、第1予測濃度を第1基準濃度に補正するように、テーブル作成部723と帯電器202とレーザスキャナ200と現像器203と一次転写器204とのうちの少なくとも1つを制御するモードである。第2モードとは、画像形成条件と使用状態とシートSの種類とに基づいてシートSに定着されるトナー像の濃度である第2予測濃度を第2予測手段により予測するモードである。第2モードは、第2予測濃度を第2基準濃度に補正するように、二次転写ローラ222の二次転写バイアスを制御するモードである。
上述したように、本実施形態の画像形成装置100によれば、第1モードと第2モードとを選択的に実行可能なので、濃度のズレに対する補正箇所を最適化して、効率よくシートSのトナー濃度の適正化を図ることができる。また、本実施形態では、二次転写部よりも上流側における基準濃度に対する差分Δαと下流側における基準濃度に対する差分Δβとを比較し、大きい方の領域で補正するようにしている。このため、例えば、上流側の差分Δαが大きかった場合に定着部などの下流側の要素を補正することなく、上流側の要素を補正することで、効率よくシートSのトナー濃度の適正化を図ることができる。また、下流側の差分Δβが大きかった場合に階調ターゲットや露光手段などの上流側の要素を補正することなく、定着器40の定着温度を補正することで、効率よくシートSのトナー濃度の適正化を図ることができる。更に、二次転写部を利用していないので、制御を簡易化することができる。プリンタ制御部700は、第1予測濃度と第2予測濃度とに基づき、定着器40の定着温度を変更するか否かを制御する。即ち、プリンタ制御部700は、第1予測濃度を用いて算出した差分Δαと第2予測濃度を用いて算出した差分Δβとを比較することに基づき、上記の変更をするか否かを制御する。
このように、本発明により、シートS上のトナー画像の濃度だけでなく中間転写ベルト205上のトナー濃度も推定することで、中間転写ベルト205上のトナー濃度を目標濃度に近い濃度で安定させたうえでシートS上のトナー画像の濃度も推定できる。それにより、シートS上のトナー載り量が想定外に乗せすぎるなどの不具合を防止しながら、ダウンタイムなしで安定した画像形成を維持できる。
また、本実施形態の画像形成装置100によれば、中間転写ベルト205に形成されるトナー像の濃度を検知可能な画像濃度センサ408を有しており、プリンタ制御部700は、画像濃度センサ408の検知結果に基づいて第1予測手段を補正できる。あるいは、中間転写ベルト205における4色の色ズレを検知することができる。また、シートSに定着されるトナー像の濃度を検知可能なインラインセンサ215を有しており、プリンタ制御部700は、インラインセンサ215の検知結果に基づいて、第2予測手段を補正できる。あるいは、シートSにおける4色の色ズレを検知することができる。このため、予測のみで濃度を制御する場合に比べて、更に画像形成の検出精度を向上することができる。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態を、図20~図24を参照しながら詳細に説明する。本実施形態では、複数の学習済モデルを備える構成においてユーザの指示によって学習済モデルを選択できる点で、第1の実施形態と構成を異にしている。但し、それ以外の構成については、第1の実施形態と同様であるので、符号を同じくして詳細な説明を省略する。本実施形態における画像形成装置1のハード構成は、第1の実施形態における画像形成装置1と同様である。
次に、本発明の第2の実施形態を、図20~図24を参照しながら詳細に説明する。本実施形態では、複数の学習済モデルを備える構成においてユーザの指示によって学習済モデルを選択できる点で、第1の実施形態と構成を異にしている。但し、それ以外の構成については、第1の実施形態と同様であるので、符号を同じくして詳細な説明を省略する。本実施形態における画像形成装置1のハード構成は、第1の実施形態における画像形成装置1と同様である。
ユーザの使用環境や各種印刷設定、色設計の好み等によっては、学習済みモデルが最適化されていない可能性が考えられる。したがって、用いられる学習済モデルは各条件において個別に選択できることが望ましく、学習済モデルによる濃度制御の適用優先順位を設定することによって、より好適な画像濃度制御が可能となる。また、画像形成装置100の不具合を含めた想定外の状況下でユーザによって学習済モデルが正常に稼働していないと判断された場合には、学習済モデルを非有効化できることが望ましい。即ち、個々のユーザが使用する状況や成果物に応じて、学習済モデルの有効化と非有効化を選択可能とすることで、より高品質な成果物を提供することが可能となる。そこで、本実施形態では、操作部140に、学習済モデルの有効化と非有効化の選択画面を備える。
図20は、本実施形態における制御ブロック図である。操作部140より入力された学習済モデルの選択値情報は、推定手段選択部950に送られる。ここで、選択値参照部951において入力処理部900から入力された情報が、選択値情報に基づいて各情報演算部へ出力される。
次に、図21及び図22を用いて、本実施形態における操作部140について説明する。図21は、本発明を適用できるシステムにおける画像形成装置100の操作部140の一例を示す図である。操作部140である液晶操作パネルは、液晶(表示部2202)とタッチパネル、及びハードキーを組み合わせたものであり、操作画面を表示するとともに表示キーがユーザにより押されるとその情報を操作部I/F1206を介してCPU1201に送る。スタートキー2208は、原稿画像の読み取り印刷の動作を開始するときや、その他機能の開始指示に用いられる。スタートキー2208には、不図示の緑色と赤色の2色のLEDが組み込まれ、緑色点灯時には開始可能を示し、赤色点灯時には開始不可であることを示す。ストップキー2207は、稼動中の動作を止める働きをする。ハードキー群2205には、テンキー、クリアキー、認証キーが設けられる。節電キー2204は、画像形成装置100を操作部140からスリープモードに移行、または復帰させる際に用いられる。画像形成装置100は、通常モードで節電キー2204がユーザによって押下されるとスリープモードへ移行し、スリープモードで節電キー2204がユーザによって押下されると通常モードへ移行する。設定キー2203は、AI機能設定等の設定を行う際に用いられる。また、操作部140は、ユーザが液晶操作パネル2201を用いて入力したユーザ名や印刷枚数、出力属性情報といったジョブ情報作成に必要な情報を操作部I/F1206に送信する。
次に、図22を用いて、ユーザ指示により学習済モデルを選択する処理を説明する。図22は、操作部140が備える表示部2202である液晶タッチパネル上に表示した学習済モデルにかかわる設定画面である。設定画面には、制御部内のROM1203より読み込まれた学習済モデルの選択画面が表示される。選択画面は、操作部140の表示部2202を介してユーザに提供する不図示のメニュー画面において、ユーザが学習済モデルの選択を開始するボタンを押下することで表示されるものである。
選択画面では、各学習済モデルのそれぞれについて有効化と非有効化を選択可能とするボタンが表示され、学習済モデルの各モデルに対応した選択ボタン2301がモデルの数と同数個表示される。有効化状態では該学習済モデルの優先順位が表示され、非有効化が選択された場合は「OFF」と表示される。有効化されている学習済モデルについてはさらに複数の学習済モデル間における実行優先順位を選択可能とし、同位の優先順位選択は不可とする。ユーザが各学習済モデルについての設定を選択し確定ボタン2302を押すことで、CPU1201は複数の学習済モデルの有効と非有効を変更しRAM1202に記憶する。このとき記憶した学習済モデルの設定に基づいて、画像形成装置100は選択された制御を実行する。
図23は、本実施形態における学習済モデルの有効可否を選択する組み合わせを表わしたものである。組み合わせは表にあるように5種類の可能性があり、参考として示すように複数の情報システムに対して同じ優先順位の選択は設定できない。ここで、学習済モデル表示は全てのユーザに表示され閲覧可能としてよく、選択可能としてもよい。即ち、操作部140により、第1モードと第2モードとのうちで優先度の高い順に第1優先モードと第2優先モードとを入力して設定したり、第1モードと第2モードとのそれぞれについて実行可否を入力して設定できる。
こうすることで、全てのユーザが状況に応じた最適な学習済モデルを選択することが可能となり、より高品質な成果物を得ることができる。また、本選択画面で設定された学習済モデルは該当ユーザが操作する場合にのみ限定されるものか、またはその他の全ユーザに適用するかも選択可能である。一方、学習済モデルを管理者のみに表示及び選択可能としてもよい。この場合は例えば、学習済モデルの選択を限られた管理者とすることで誤った設定が選択されることを防止できる。
次に、図24を用いて、本実施形態における処理フローを説明する。図24は、本実施形態における学習済モデルの選択に関するフローチャートである。画像形成装置100が動作を開始すると、学習済モデルが有効になっているか否かが判定される(ステップS2500)。学習済モデルが有効でないと判定された場合(ステップS2500のNO)、従来制御の実行タイミングを判断する(ステップS2507)。そして、前述したパターン画像の測定結果に基づき、階調補正テーブルを作成するパターン作成モードによる濃度調整のみが実行される(S2508)。
学習済モデルが有効であると判定された場合(ステップS2500のYES)、前述した学習済モデルによる濃度制御が実行される。まず、画像形成装置100の稼働中に情報推定タイミングに到達すると(ステップS2501)、学習済モデルが開始される。CPUは上記選択画面において設定された学習済モデルの優先順位を参照し、学習済モデルの実行可否を判断する(ステップS2502)。複数の学習済モデルが実装されている場合は、これらのうち優先順位が上位に設定されたシステムから学習済モデルが利用可能かを判断する(ステップS2502~S2503)。この時、CPUは、上述したようにユーザによる各設定値やセンサから得られた情報をもとに情報推定の可否を判断する。
推定不可と判断された場合(ステップS2502のNO)、優先順位が下位に設定された学習済モデルが利用可能かを順次判定する(ステップS2503)。推定不可の場合とは、例えば、パラメータが上限又は下限に達するなどして適切な推定を実行できなくなる場合などである。即ち、プリンタ制御部700は、第1優先モードの実行可否を判断し、実行可能である場合は第1優先モードを実行し、実行不可である場合は第2優先モードを実行する。また、プリンタ制御部700は、実行可能と設定されたモードを実行し、実行不可と設定されたモードは実行しない。
ユーザによって選択され、さらに順位付けされた学習済モデルがすべて利用不可能であると判断された場合(ステップS2503のNO)、従来制御の実行タイミングを判断する(ステップS2507)。そして、前述したパターン画像の測定結果に基づき、階調補正テーブルを作成するパターン作成モードによる濃度調整のみが実行される(S2508)。S2502またはS2503において実行可能と判断された学習済モデルがある場合は、当該学習済みモデルが決定して(ステップS2504)、実行される(ステップS2505)。前述した推定結果に基づいた濃度制御が実行され(ステップS2506)、制御動作の終了後は作像動作の継続実行または装置の動作が終了する。
上述したように、本実施形態の画像形成装置100によれば、個々のユーザが使用する状況等に応じて学習済モデルの有効と非有効を切り替えることでより高品質な成果物を提供することが可能となる。
尚、本実施形態における学習済モデル数は2つであるが、これに限るものではなく3つ以上あってもよい。さらに、本発明は上述の機能を実現する手段を画像形成装置100に備えられた操作部140の他に、外部通信網を介した外部端末上でも使用可能とする。こうすることで実際に画像形成装置100が設置されている場所にいなくても、遠隔操作によって学習済モデルの有効可否を変更することが可能となる。
<第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態を、図25を参照しながら詳細に説明する。本実施形態では、学習モデルを選択する際にパラレル処理を行う点で、第1の実施形態と構成を異にしている。但し、それ以外の構成については、第1の実施形態と同様であるので、符号を同じくして詳細な説明を省略する。本実施形態における画像形成装置1のハード構成は、第1の実施形態における画像形成装置1と同様である。
次に、本発明の第3の実施形態を、図25を参照しながら詳細に説明する。本実施形態では、学習モデルを選択する際にパラレル処理を行う点で、第1の実施形態と構成を異にしている。但し、それ以外の構成については、第1の実施形態と同様であるので、符号を同じくして詳細な説明を省略する。本実施形態における画像形成装置1のハード構成は、第1の実施形態における画像形成装置1と同様である。
複数の学習モデルを備える構成では、例えば、同時に複数の学習モデルから出力された予測濃度が算出された場合、結果に応じて補正する手段を選択する上でどの学習モデルの結果を適用すればいいか判断できなくなる。そこで、学習済モデルによる濃度制御の適用優先順位を設定することによって、より好適な画像濃度制御が可能となる処理判断を備えるようにできる。この場合、選択部930は、未定着トナー情報演算部910、紙上定着後トナー情報演算部920より演算された予測濃度D21とそれぞれの基準濃度のうちどちらの演算部の結果を採択し、結果を決定部940に出力するかを判断する。そして、どの構成に対して補正処理を実施するか判断する。
選択部930では、演算部931にて図25に示すフローチャートを適用し、決定部940に結果を送信する。選択部930は、未定着トナー情報演算部910から基準濃度α0、予測された予測濃度α1を取得し(ステップS2601)、演算部931にて基準濃度α0、予測濃度α1から、差分Δαを取得する(ステップS2602)。一方、選択部930は、紙上定着後トナー情報演算部920から基準濃度β0、予測された予測濃度β1を取得し(ステップS2603)、演算部931にて基準濃度β0、予測濃度β1から、差分Δβを取得する(ステップS2604)。
選択部930は、演算部931にて算出されたΔα、Δβについて、ΔαがΔβより小さいか否かを判断する(ステップS2605)。選択部930は、ΔαがΔβより小さいと判断された場合(ステップS2605のYES)、紙上定着後トナー情報演算部920による第2モード(紙上定着後トナー情報推定システム)を採用する(ステップS2606)。選択部930は、ΔαがΔβより小さくないと判断された場合(ステップS2605のNO)、未定着トナー情報演算部910による第1モード(未定着トナー情報推定システム)を採用する(ステップS2607)。選択部930は、それぞれ使用する推定システムに応じて補正対象を選択し(ステップS2608)、決定部940にて補正処理の実行命令を下す。
決定部940にて補正処理を実行する(ステップS2609)。本実施形態では、上記フローに則り、未定着トナー情報演算部910を採用した場合、学習モデルの濃度予測に基づき階調ターゲットを変更するものとする。また、紙上定着後トナー情報演算部920を採用した場合、学習モデルの濃度予測に基づき定着温度を変更するものとする。尚、補正対象はこれに限らず、未定着トナー情報演算部910を採用した場合には、帯電手段、露光手段、現像手段を変更するようにしてもよい。
即ち、プリンタ制御部700は、第1予測濃度α0と第1基準濃度α1との差分である第1差分Δαと、第2予測濃度β0と第2基準濃度β1との差分である第2差分Δβと、を算出する。プリンタ制御部700は、第1差分Δαが第2差分Δβ以上である場合に、第1モードを実行し、第1差分Δαが第2差分Δβ未満である場合に、第2モードを実行する。
上述したように、本実施形態の画像形成装置100によれば、最適な推定システムの選択による濃度予測の実施とダウンタイムなしで安定した画像形成を維持できる。
40…定着器(定着部)、100…画像形成装置、140…操作部(情報入力部)、200…レーザスキャナ(露光部)、201…感光ドラム(感光体)、202…帯電器(帯電部)、203…現像器(現像部)、204…一次転写器(一次転写部)、205…中間転写ベルト(中間転写体)、215…インラインセンサ(第2検知手段)、222…二次転写ローラ(二次転写部)、408…画像濃度センサ(第1検知手段)、700…プリンタ制御部(制御部)、715…環境センサ(環境検知手段)、S…シート(記録材)
Claims (11)
- 像担持体と、
前記像担持体の表面を帯電する帯電部と、
前記帯電部により帯電された前記像担持体の表面に露光して静電潜像を形成する露光部と、
前記静電潜像を現像剤により現像してトナー像を形成する現像部と、
中間転写体と、
前記像担持体に形成されたトナー像を前記中間転写体に一次転写する一次転写部と、
前記中間転写体に形成されたトナー像を記録材に二次転写する二次転写部と、
前記記録材に形成されたトナー像を加熱して定着する定着部と、
前記定着部の定着温度を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、
前記中間転写体に形成されるトナー像の濃度である第1予測濃度を予測する第1予測手段と、
記録材に定着されるトナー像の濃度である第2予測濃度を予測する第2予測手段と、を有し、
前記第1予測手段により予測された前記第1予測濃度と前記第2予測手段により予測された前記第2予測濃度とに基づき、前記定着部の定着温度を変更するか否かを制御する、
ことを特徴とする画像形成装置。 - 前記制御部は、前記第1予測濃度と第1基準濃度との差分である第1差分が前記第2予測濃度と第2基準濃度との差分である第2差分未満である場合に、前記定着部の定着温度を変更する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記制御部は、前記第1予測濃度と第1基準濃度との差分である第1差分が前記第2予測濃度と第2基準濃度との差分である第2差分以上である場合に、前記帯電部の帯電バイアスを補正する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。 - 前記制御部は、前記第1予測濃度と第1基準濃度との差分である第1差分が前記第2予測濃度と第2基準濃度との差分である第2差分以上である場合に、前記露光部の露光量を補正する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。 - 前記制御部は、前記第1予測濃度と第1基準濃度との差分である第1差分が前記第2予測濃度と第2基準濃度との差分である第2差分以上である場合に、前記現像部の現像バイアスを補正する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。 - 前記制御部は、前記第1予測濃度と第1基準濃度との差分である第1差分が前記第2予測濃度と第2基準濃度との差分である第2差分以上である場合に、前記一次転写部の転写バイアスを補正する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。 - 環境情報を検知する環境検知手段を備え、
前記第1予測手段は、前記環境検知手段の検知結果に基づいて、前記第1予測濃度を予測し、
前記第2予測手段は、前記環境検知手段の検知結果と記録材の種類とに基づいて、前記第2予測濃度を予測する、
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記第1予測手段は、画像形成装置が画像を形成するための画像形成条件及び前記画像形成装置の使用状態が入力されることで、機械学習により前記第1予測濃度を出力し、
前記第2予測手段は、前記画像形成条件と前記使用状態と前記記録材の種類とが入力されることで、機械学習により前記第2予測濃度を出力する、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記第1予測手段は、画像形成装置が画像を形成するための画像形成条件及び前記画像形成装置の使用状態が入力されることで前記第1予測濃度を出力する第1予測テーブルを有し、
前記第2予測手段は、前記画像形成条件と前記使用状態と前記記録材の種類が入力されることで前記第2予測濃度を出力する第2予測テーブルを有する、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記中間転写体に形成されるトナー像の濃度を検知可能な第1検知手段を備え、
前記制御部は、前記第1検知手段の検知結果に基づいて、前記第1予測手段により予測される前記第1予測濃度を補正する、
ことを特徴とする請求項8又は9に記載の画像形成装置。 - 記録材に定着されるトナー像の濃度を検知可能な第2検知手段を備え、
前記制御部は、前記第2検知手段の検知結果に基づいて、前記第2予測手段により予測される前記第2予測濃度を補正する、
ことを特徴とする請求項8乃至10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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JP2022006895A JP2023105888A (ja) | 2022-01-20 | 2022-01-20 | 画像形成装置 |
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JP2022006895A Pending JP2023105888A (ja) | 2022-01-20 | 2022-01-20 | 画像形成装置 |
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JP (1) | JP2023105888A (ja) |
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2022
- 2022-01-20 JP JP2022006895A patent/JP2023105888A/ja active Pending
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