JP2023105539A - 多層配線基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】隣り合う2つの絶縁層の間において優れた密着性を達成する多層配線基板を提供する。
【解決手段】本発明の多層配線基板1は、互いに積層された複数の絶縁層であって、隣り合った2つの一方には、他方と隣接した面に溝部が設けられ、前記他方の絶縁層の前記一方と隣接した面は、前記溝部に対応した第1領域の表面粗さRa1が、他の位置に対応した第2領域の表面粗さRa2と比較してより小さい複数の絶縁層と、前記溝部を埋め込んだ配線部を含んだ導体層とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、多層配線基板に関する。
近年、電子デバイスにおいては、高機能化等に伴う高集積化や、高速信号処理化に伴う電気信号の周波数、所謂、動作周波数の高周波化が進んでいる。このため、これら電子デバイスに使用される多層配線基板においては、配線の微細化による配線の高密度化や、高周波化への対応が求められている。
通常、多層配線基板は、導体層と絶縁樹脂層との各々を1層以上積層することで製造される。例えば、導体層と絶縁樹脂層との密着性が低い場合、層間剥離やクラック、絶縁信頼性の低下などの問題を引き起こしうる。
導体層と絶縁樹脂層との密着性を向上させる方法として、例えば、特許文献1には、導体層と絶縁樹脂層との間にシラン化合物からなる層を設ける方法が提案されている。
特開平11-354922号公報
本発明は、隣り合う2つの絶縁層の間において優れた密着性を達成する多層配線基板を提供することを目的とする。
本発明の一態様によると、互いに積層された複数の絶縁層であって、隣り合った2つの一方には、他方と隣接した面に溝部が設けられ、前記他方の絶縁層の前記一方と隣接した面は、前記溝部に対応した第1領域の表面粗さRa1が、他の位置に対応した第2領域の表面粗さRa2と比較してより小さい複数の絶縁層と、前記溝部を埋め込んだ配線部を含んだ導体層とを備えた多層配線基板が提供される。
本発明の他の態様によると、前記表面粗さRa1は5nm乃至200nmの範囲内にある上記態様に係る多層配線基板が提供される。
本発明の更に他の態様によると、前記表面粗さRa2は150nmより大きい上記態様の何れかに係る多層配線基板が提供される。
本発明の更に他の態様によると、前記表面粗さRa1と前記表面粗さRa2との比Ra1/Ra2は0.1乃至0.83の範囲内にある上記態様の何れかに係る多層配線基板が提供される。
本発明の更に他の態様によると、前記配線部の表面のうち、前記溝部の内面と向き合った領域の表面粗さRa3は、前記表面粗さRa1よりも小さい上記態様の何れかに係る多層配線基板が提供される。
本発明の更に他の態様によると、前記配線部とこれに隣接した前記複数の絶縁層の1つとの間に介在した部分を含んだ機能層を更に備えた上記態様の何れかに係る多層配線基板が提供される。
本発明の更に他の態様によると、前記機能層は、前記第2領域を被覆した部分を更に含んだ上記態様に係る多層配線基板が提供される。
本発明の更に他の態様によると、前記機能層のうち前記第2領域を被覆した前記部分は不連続である上記態様に係る多層配線基板が提供される。
本発明の更に他の態様によると、前記第1領域を被覆したシード層を更に備えた上記態様の何れかに係る多層配線基板が提供される。
本発明の更に他の態様によると、前記溝部の底面及び側壁を被覆したシード層を更に備えた上記態様の何れかに係る多層配線基板が提供される。
本発明の更に他の態様によると、一方の面が第1領域と第2領域とを含んだ第1絶縁層の上に、前記第1領域の位置で開口した溝を有するダミー層を形成することと、前記溝を埋め込むように、導体層を形成することと、その後、前記ダミー層を除去することと、前記第2領域を粗化することと、前記第1絶縁層及び前記導体層の上に第2絶縁層を形成することとを含んだ多層配線基板の製造方法が提供される。
本発明の更に他の態様によると、前記ダミー層を形成する前に、前記第1領域を粗化することを更に含み、前記第1領域及び前記第2領域の粗化は、第1領域の表面粗さRa1が前記第2領域の表面粗さRa2と比較してより小さくなるように行う上記態様に係る多層配線基板の製造方法が提供される。
本発明の更に他の態様によると、前記ダミー層を形成する前に、前記第1絶縁層上にシード層を形成することと、前記ダミー層を除去した後であって、前記第1絶縁層のうち露出している前記部分を粗化する前に、前記シード層のうち露出している部分を除去することとを更に含んだ上記態様の何れかに係る多層配線基板の製造方法が提供される。
本発明の更に他の態様によると、前記シード層は無電解銅めっきにより形成する上記態様に係る多層配線基板の製造方法が提供される。
本発明の更に他の態様によると、前記第2領域を粗化した後に、前記導体層上に機能層を形成することを更に含んだ上記態様の何れかに係る多層配線基板の製造方法が提供される。
本発明の更に他の態様によると、下地層上に、溝を有する第1絶縁層を形成することと、前記溝を埋め込むように、導体層を形成することと、前記導体層の表面である第1領域の表面粗さRa1が、前記第1絶縁層の表面である第2領域の表面粗さRa2よりも小さくなるように、前記第2領域を粗化することと、前記第1絶縁層及び前記導体層の上に第2絶縁層を形成することとを含んだ多層配線基板の製造方法が提供される。
本発明によると、隣り合う2つの絶縁層の間において優れた密着性を達成する多層配線基板が提供される。
本発明の一実施形態に係る多層配線基板を概略的に示す断面図。 図1に示す多層配線基板の一部を概略的に示す拡大図。 図2に示す多層配線基板の一部を概略的に示す拡大図。 図3に示す多層配線基板の一部を概略的に示す拡大図。 本発明の一実施形態に係る多層配線基板の製造方法における一工程を概略的に示す断面図。 本発明の一実施形態に係る多層配線基板の製造方法における他の工程を概略的に示す断面図。 本発明の一実施形態に係る多層配線基板の製造方法における更に他の工程を概略的に示す断面図。 本発明の一実施形態に係る多層配線基板の製造方法における更に他の工程を概略的に示す断面図。 本発明の一実施形態に係る多層配線基板の製造方法における更に他の工程を概略的に示す断面図。 本発明の一実施形態に係る多層配線基板の製造方法における更に他の工程を概略的に示す断面図。 本発明の一実施形態に係る多層配線基板の製造方法における更に他の工程を概略的に示す断面図。 本発明の一実施形態に係る多層配線基板の製造方法における更に他の工程を概略的に示す断面図。 本発明の一実施形態に係る多層配線基板の製造方法における更に他の工程を概略的に示す断面図。 本発明の一実施形態に係る多層配線基板の製造方法における更に他の工程を概略的に示す断面図。 本発明の一実施形態に係る多層配線基板の製造方法における更に他の工程を概略的に示す断面図。 本発明の一実施形態に係る多層配線基板の製造方法における更に他の工程を概略的に示す断面図。 本発明の一実施形態に係る多層配線基板の製造方法における更に他の工程を概略的に示す断面図。 本発明の一実施形態に係る多層配線基板の製造方法における更に他の工程を概略的に示す断面図。 本発明の一実施形態に係る多層配線基板の製造方法における更に他の工程を概略的に示す断面図。 本発明の一実施形態に係る多層配線基板の製造方法における更に他の工程を概略的に示す断面図。 本発明の一実施形態に係る多層配線基板の製造方法における更に他の工程を概略的に示す断面図。 本発明の一実施形態に係る多層配線基板の製造方法における更に他の工程を概略的に示す断面図。 比較例に係る多層配線基板を概略的に示す断面図。 他の比較例に係る多層配線基板を概略的に示す断面図。 更に他の比較例に係る多層配線基板を概略的に示す断面図。 本発明の他の実施形態に係る多層配線基板を概略的に示す断面図。
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下に説明する実施形態は、上記態様の何れかをより具体化したものである。以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化した例を示すものであって、本発明の技術的思想を、以下に記載する構成要素の材質、形状、構造、及び配置等に限定するものではない。本発明の技術的思想には、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
以下の説明において参照する図面では、同様又は類似した機能を有する構成要素に、同一の参照符号を付している。ここで、図面は模式的なものであり、厚さ方向の寸法と厚さ方向に垂直な方向、即ち面内方向の寸法との関係や、複数の層の厚さ方向における寸法の関係等は、現実のものとは異なり得ることに留意すべきである。従って、具体的な寸法は、以下の説明を参酌して判断すべきである。また、2以上の構成要素の寸法の関係が、複数の図面の間で異なっている可能性があることにも留意すべきである。
なお、本開示において、「上面」及び「下面」は、板状部材又はそれに含まれる層の2つの主面、即ち、厚さ方向に垂直であり且つ最も広い面積を有する面及びその裏面であって、図面において上方に示された面と下方に示された面とをそれぞれ意味している。また、「側面」とは、上記主面に対して垂直であるか又は傾いた面を意味している。
また、本開示において、「AAをBBの上に」という記載は、重力方向とは無関係に使用している。「AAをBBの上に」という記載によって特定される状態は、AAがBBと接触した状態を包含する。「AAをBBの上に」という記載は、AAとBBとの間に他の1以上の構成要素を介在させることを除外するものではない。
<構造>
図1は、本発明の一実施形態に係る多層配線基板を概略的に示す断面図である。図1に示す多層配線基板1は、コア層11と、絶縁層120a及び120bと、層12a及び12bと、接合用導体14a及び14bとを含んでいる。
多層配線基板1は、例えば、一方の主面に設けられた接合用導体14aを介して1以上の機能デバイスと接合され、他方の主面に設けられた接合用導体14bを介してマザーボード等の実装用基板と接合される。機能デバイスは、例えば、フリップチップボンディングによって、多層配線基板1へ接合される。機能デバイスの1以上は、ワイヤボンディングなどの他のボンディング法によって多層配線基板1へ接合されていてもよい。
ここで、「機能デバイス」は、電力及び電気信号の少なくとも一方が供給されることにより動作するデバイス、外部からの刺激により電力及び電気信号の少なくとも一方を出力するデバイス、又は、電力及び電気信号の少なくとも一方が供給されることにより動作し且つ外部からの刺激により電力及び電気信号の少なくとも一方を出力するデバイスである。機能デバイスは、例えば、半導体チップや、ガラス基板などの半導体以外の材料からなる基板上に回路や素子が形成されたチップのように、チップの形態にある。機能デバイスは、例えば、大規模集積回路(LSI)、メモリ、撮像素子、発光素子、及びMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)の1以上を含むことができる。MEMSは、例えば、圧力センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ、傾斜センサ、マイクロフォン、及び音響センサの1以上である。一例によれば、機能デバイスは、LSIを含んだ半導体チップである。
コア層11は、コア基板111と、導体層112a、112b及び112cとを含んでいる。
コア基板111は、絶縁層である。コア基板111は、例えば、織布又は不織布に熱硬化性の絶縁樹脂を含浸させた繊維強化基板である。織布又は不織布としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、又はアラミド繊維を使用することができる。絶縁樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂を使用することができる。
コア基板111には、貫通孔が設けられている。導体層112cは、貫通孔の側壁を被覆している。ここでは、導体層112cは、側壁が導体からなる貫通孔を生じるように、コア基板111に設けられた貫通孔の側壁を被覆している。これら側壁が導体からなる貫通孔は、絶縁体で埋め込んでもよい。
導体層112a及び112bは、それぞれコア基板111の上面及び下面に設けられている。導体層112a及び112bの各々は、導体層112cと接触している。
絶縁層120a及び120bは、それぞれ、コア層11の上面及び下面上に設けられている。絶縁層120a及び120bは、それぞれ、導体層112a及び112bを埋め込んでいる。絶縁層120a及び120bは、例えば、絶縁樹脂からなる層である。
層12a及び層12bは、それぞれ、絶縁層120a及び120b上に設けられている。複数の層12aは多層配線構造を形成し、複数の層12bも多層配線構造を形成している。層12aは、導体層122a及び絶縁層121を含み、層12bは、導体層122b及び絶縁層121を含んでいる。
層12a及び層12bが含む各絶縁層121は、例えば、絶縁樹脂からなる層である。絶縁層121には、凹部が設けられている。絶縁樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂を使用することができる。
導体層122a及び122bは、銅などの金属又は合金からなる。導体層122a及び122bの各々は、単層構造を有していてもよく、多層構造を有していてもよい。
導体層122a及び122bは、配線部122Wとランド部122Lとビア部122Vとを含んでいる。
絶縁層13a及び13bの各々は、上記の多層配線構造の最表面に位置した絶縁層121である。絶縁層13a及び13bは、例えば、ソルダーレジストなどの絶縁樹脂層である。絶縁層13a及び13bの各々には、接合用導体を設けるための凹部が設けられている。
接合用導体14aは、絶縁層13aの凹部の位置で露出した部分に設けられた金属バンプである。なお、接合用導体は、接合端子ともいう。接合用導体14aは、例えば、はんだからなる。接合用導体14bは、そのピッチが接合用導体14aのピッチと異なること以外は、接合用導体14aと同様である。一例によると、接合用導体14bのピッチは、接合用導体14aのピッチよりも大きい。
多層配線基板1について、図2を参照しながら、更に詳しく説明する。
図2は、図1に示す多層配線基板1の一部を概略的に示す拡大図である。
図2に示す多層配線基板1は、図2に示すように、絶縁層120aと、層12aと、表面処理層15aと、接合用導体14aとを含んでいる。
絶縁層120aは、コア層11の導体層112aと、絶縁層120aと接している層12aが有するビア部122Vとを埋め込んでいる。なお、図2では、導体層112a及びビア部122Vを図示していない。
図2に示す多層配線基板1では、3つの層12aが積層されている。層12aの数は、2であってもよく、4以上であってもよい。
これら層12aの各々は、絶縁層121と、導体層122aと、シード層123と、機能層124とを含んでいる。
絶縁層121は、例えば、厚さ方向に一体に形成されている。絶縁層121は、図2に示すように、第1面S1と、その裏面である第2面S2とを有している。絶縁層121には、複数の第1凹部R1、複数の溝部G及び第2凹部R2が設けられている。
第1凹部R1は、第1面S1で開口している。第1凹部R1は、ランド部122Lで埋め込まれたランド用凹部である。
第1凹部R1は、深さが互いに等しい。第1凹部R1の深さは、絶縁層121の厚さよりも小さい。
第1凹部R1の1以上は、溝部Gの1つと連通している。また、第1凹部R1の1以上は、この第1凹部R1が設けられた絶縁層121が有している第2凹部R2と連通している。
第1凹部R1は、開口と側壁と底面とを有している。第1凹部R1の底面は、厚さ方向に対して垂直な平面である。一例によれば、第1凹部R1は円形状の底面を有しており、第2凹部R2と連通した第1凹部R1の底面は円形に開口している。
第1凹部R1は、ここでは、厚さ方向に平行な断面が矩形状である。即ち、第1凹部R1は、高さ方向が厚さ方向に平行な角柱又は円柱形状を有している。第1凹部R1は、厚さ方向に対して垂直な方向の寸法が開口から底面に向かって漸次大きくなる形状を有していてもよい。即ち、第1凹部R1は、厚さ方向に対して垂直な断面が逆テーパ状であってもよい。この場合、第1凹部R1は、例えば、円錐台形状を有している。
溝部Gは、第1面S1で開口している。溝部Gは、配線部122Wで埋め込まれている。溝部Gの深さは、第1凹部R1の深さと等しい。
溝部Gは、開口と側壁と底面とを有している。溝部Gの底面は、厚さ方向に対して垂直な平面である。
溝部Gは、ここでは、長さ方向に対して垂直な断面が矩形状である。溝部Gは、開口から底面に向かって幅が漸次広くなる形状を有していてもよい。即ち、溝部Gは、長さ方向に対して垂直な断面が逆テーパ状であってもよい。
第2凹部R2は、第2面S2で開口している。第2凹部R2は、ビア部122Vで埋め込まれたビア用凹部、又は、接合用導体14a及び表面処理層15aで埋め込まれた接合導体用凹部である。
第2凹部R2は、第1凹部R1の1以上と連通している。具体的には、第2凹部R2の各々は、第1凹部R1の何れかと連通している。
第2凹部R2は、開口と側壁とを有している。第2凹部R2は、その底部の位置で、第1凹部R1と連通している。厚さ方向に垂直な平面への第2凹部R2の正射影は、この第2凹部R2と連通した第1凹部R1の底面の先の平面への正射影の輪郭によって取り囲まれている。
第2凹部R2は、厚さ方向に対して垂直な方向の寸法が開口から底部へ向かって漸次小さくなる形状を有している。即ち、第2凹部R2は、厚さ方向に対して垂直な断面が順テーパ状である。一例によれば、第2凹部R2は、円錐台形状を有している。第2凹部R2は、厚さ方向に平行な断面が矩形状であってもよい。即ち、第2凹部R2は、高さ方向が厚さ方向に平行な角柱又は円柱形状を有していてもよい。
なお、第1凹部R1、溝部G及び第2凹部R2については、後で更に詳しく説明する。
導体層122aは、絶縁層121の第1凹部R1及び溝部Gをそれぞれ埋め込んだランド部122L及び配線部122Wと、ランド部122Lの位置で第1面S1から突出したビア部122Vとを含んでいる。各導体層122aにおいて、ビア部122Vの各々は、その導体層122aが含んでいるランド部122Lの1つと一体に形成されている。各導体層122aのビア部122Vは、その導体層122aのランド部122L及び配線部122Wによって第1凹部R1及び溝部Gがそれぞれ埋め込まれた絶縁層121とその第1面S1側で隣接した他の絶縁層の第2凹部R2を埋め込んでいる。
導体層122aは、銅などの金属又は合金からなる。一例によれば、導体層122aは銅からなる。
シード層123は、図2に示すように、配線部122Wの側面を被覆することなしに、配線部122Wの第1面S1側の領域、即ち、第1領域を被覆している。第1領域については後述する。また、シード層123は、ランド部122Lの側面を被覆することなしにランド部122Lの第1面S1側の領域を被覆している。また、シード層123は、ビア部122Vの側面及び下面を被覆している。シード層123は、導体層122aの電解めっきによる成膜において、給電層としての役割を果たす。
機能層124は、配線部122Wとこれに隣接した複数の絶縁層の1つとの間に介在した部分、即ち、第1部分を含んでいる。図2では、機能層124は第2部分及び第3部分を更に含んでいる。第2部分は、ランド部122Lと絶縁層121との間に介在した部分である。第3部分は、絶縁層121と、絶縁層121の第1面S1側で隣り合った他の絶縁層とが隣接した領域、即ち、第2領域を被覆した部分である。第2領域については後述する。機能層124は、絶縁層121との密着性に優れるため、絶縁層121と導体層122aとの密着性を向上させる。
機能層124の材料は、例えば、シランカップリング剤、チオール化合物、アゾール化合物、又はチタンである。機能層124の材料としては、導電性を有するものを使用してもよく、導電性を有していない材料を使用してもよい。導電性を有している材料は、例えば、チタンである。導電性を有していない材料は、例えば、シランカップリング剤である。
絶縁層13aは、多層配線基板1の最表面に位置する層12aが有する絶縁層121である。絶縁層13aに設けられた第2凹部R2は、接合用導体14a及び表面処理層15aで埋め込まれた接合導体用凹部である。
表面処理層15aは、絶縁層13aに設けられた第2凹部R2の底面に設けられている。表面処理層15aは、ランド部122Lの表面の酸化防止及びはんだに対する濡れ性向上のために設ける。
接合用導体14aは、表面処理層15a上に設けられている。接合用導体14aは、絶縁層13aの第2凹部R2を埋め込むとともに、絶縁層13aの上面のうち第2凹部R2の開口及びその周囲の領域を被覆している。
図2に示すように、2以上の層12aの隣り合った各2つは、例えば、絶縁層121同士が接している。
図3は、図2に示す多層配線基板1の一部を概略的に示す拡大図である。図3における層12aが含む絶縁層121の絶縁層120aと隣接した面は、第1領域A1と第2領域A2と第3領域A3とを含んでいる。第1領域A1は、上記の面のうち、溝部Gに対応した領域である。第3領域A3は、上記の面のうち、ランド部122Lに対応した領域である。第2領域A2は、上記の面のうち、導体層122aに対応していない領域、即ち、第1領域A1及び第3領域A3以外の領域である。第1領域A1の表面粗さRa1は、第2領域A2の表面粗さRa2と比較してより小さい。なお、図3においては第3領域A3を図示していない。
配線部122Wの表面のうち、溝部Gの内面と向き合った領域の表面粗さ(以下、表面粗さRa3と呼ぶ)は、表面粗さRa1よりも小さいことが好ましい。
表面粗さRa1は、5nm乃至200nmの範囲内にあることが好ましい。表面粗さRa1が上記の範囲内にある場合、特に高い伝送特性を達成することができる。
表面粗さRa2は、150nmより大きいことが好ましい。表面粗さRa2は、一例によると、500nm以下である。表面粗さRa2が上記の範囲内にある場合、隣り合う2つの絶縁層の間で特に高い密着性を達成することができる。
表面粗さRa3は、300nm以下であることが好ましく、100nm以下であることがより好ましい。表面粗さRa3は、一例によると、5nm以上である。表面粗さRa3が上記の範囲内にある場合、特に高い伝送特性を達成することができる。
表面粗さRa1と表面粗さRa2との比Ra1/Ra2は0.1乃至0.83の範囲内にあることが好ましい。比Ra1/Ra2が上記の範囲内にある場合、隣り合う2つの絶縁層の間で特に高い密着性を達成することができる。また、高い伝送特性を達成することができる。
表面粗さRa3と表面粗さRa2との比Ra3/Ra2は0.1乃至0.83の範囲内にあることが好ましい。比Ra3/Ra2が上記の範囲内にある場合、隣り合う2つの絶縁層の間で特に高い密着性を達成することができる。また、高い伝送特性を達成することができる。
図4は、図3に示す多層配線基板1の一部を概略的に示す拡大図である。図4に示すように、第2領域A2には機能層124が設けられている。
機能層124の厚さは、例えば、1nm以上1μm以下の範囲内にある。機能層124の厚さは、10nm以上100nm以下の範囲内にあることが好ましい。機能層124が薄い場合、機能層124の材料として導電性を有する材料を使用したときに、隣り合う2つの配線部122Wの間で特に高い絶縁信頼性を達成することができる。ただし、機能層124が薄すぎると、厚さが均一な機能層124を得ることが難しい。
上述した通り、機能層124の材料としては、導電性を有する材料を使用してもよく、導電性を有していない材料を使用してもよい。機能層124の材料として導電性を有する材料を使用する場合、機能層124の厚さは、表面粗さRa2よりも小さいことが好ましい。この場合、機能層124のうち、第2領域A2を被覆した部分は不連続膜となる。不連続膜は、例えば、孔又は溝を有している膜である。このため、機能層124の材料として導電性を有する材料を使用した場合であっても、隣り合う2つの配線部122Wの間で高い絶縁信頼性を達成することができる。一例によると、表面粗さRa2が150nmより大きい場合、機能層124の厚さは100nmとすることができる。
以上、多層配線基板1について述べた。
なお、シード層、機能層及び表面処理層のうち少なくとも1つは省略してもよい。
<製造方法>
多層配線基板1は、例えば、以下の方法により製造することができる。
図5乃至図22は、本発明の一実施形態に係る多層配線基板の製造方法を概略的に示す断面図である。
この方法では、先ず、図5に示すように、上述したコア層11の一方の面に、第1絶縁層としての絶縁層120aを形成する。絶縁層120aは、コア層11が有する導体層112aの位置に貫通孔を有している。なお、図5乃至図22においては、コア基板111に設けられた貫通孔並びに導体層112a、112b及び112cについては図示しておらず、絶縁層120aに設けられた貫通孔についても図示していない。
絶縁層120aの材料は、例えば、無機フィラーと絶縁樹脂との混合物である。上記の混合物は、液状であってもよく、フィルム状であってもよい。
絶縁層120aの材料として、液状の上記の混合物を用いる場合は、絶縁層120aは、例えば、スリットコート、カーテンコート、ダイコート、スプレーコート、静電塗布法、インクジェットコート、グラビアコート、スクリーン印刷、グラビアオフセット印刷、スピンコート、及びドクターコートの何れかの方法でコア層11上に形成することができる。絶縁層120aとして、上記の混合物の硬化物、例えば、フィルム状の硬化物を用いる場合、絶縁層120aは、例えば、ラミネート、真空ラミネート、真空プレスなどの何れかの方法でコア層11上に設けることができる。
絶縁層120aは、無機フィラーを含んでいなくてもよい。この場合、絶縁層120a、例えば、液晶ポリマー(Liquid Crystal Polymer、LCP)、フッ素樹脂、又はポリイミドからなる。ここでは、絶縁層120aは、絶縁樹脂からなるとする。
次に、図6に示すように、絶縁層120aの上面を粗化する。例えば、絶縁層120aの上面の粗化は、図5に示す構造の絶縁層120aにエッチング液を供給することで行われる。ここでは、一例として、過マンガン酸塩を含んだエッチング液に上記の積層体を浸漬することで絶縁層120aの上面を粗化する。この場合、エッチング液の温度及び浸漬時間等の条件を調節することで、絶縁層120aの表面粗さを調節することが可能である。ここでは、一例として、絶縁層120aの上面の表面粗さ、即ち、表面粗さRa1は100nmとした。
絶縁層120aの上面の粗化は、チャンバー内に入れた上記の積層体を真空中でプラズマ処理することによって行ってもよい。この場合、チャンバーに供給する気体の量及び処理時間等の条件を調節することで、絶縁層120aの表面粗さを調節することが可能である。
次に、図7に示すように、絶縁層120a上にシード層123を形成する。シード層123は、導体層122aを形成するための電解めっきにおいて、給電層としての役割を果たす。
シード層123は、例えば、無電解めっき等の湿式めっき又はスパッタリング法等の乾式めっきにより形成することができる。
無電解めっきを利用する場合、シード層123としては、例えば、Cu、Pd、Al、Sn、Ni又はCrからなる層を形成することができる。スパッタリング法を利用する場合、シード層123としては、例えば、Cu、Ni、Al、Ti、Cr、Mo、W、Ta、Au、Ir、Ru、Pd、Pt、AlSi、AlSiCu、AlCu、NiFe、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、AZO(Aluminum-doped Zinc Oxide)、ZnO、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)、TiN、Cu、Cu合金、又はこれらの2以上の組み合わせからなる層を形成することができる。ここでは、一例として、電気特性、製造の容易性及びコストを考慮して、無電解めっきによって、厚さが300nmの銅層を形成することとする。
次に、図8に示すように、シード層123上に、溝G’と、貫通孔R1’とを有するダミー層191を形成する。ダミー層191の溝G’及び貫通孔R1’は、それぞれ、絶縁層121の溝部G及び第1凹部R1に相当する。ダミー層191は、絶縁層120aの上記一方の面が含む第2領域A2上に設けられている。溝G’及び貫通孔R1’は、それぞれ、絶縁層120aの一方の面が含む第1領域A1及び第3領域A3の位置で開口している。ここでは、溝部G’は、長さ方向に垂直な断面が矩形形状を有するように形成する。また、貫通孔R1’は、その厚さ方向と平行な断面が矩形形状を有するように形成する。溝部G’は、長さ方向に垂直な断面が順テーパ形状を有するように形成してもよい。また、貫通孔R1’は、その厚さ方向と平行な断面が順テーパ形状を有するように形成してもよい。
ダミー層191は、感光性樹脂からなる。感光性樹脂は、例えば、ノボラック樹脂又はエポキシ樹脂である。感光性樹脂は、液状であってもよく、フィルム状であってもよい。
ダミー層191の材料としてフィルム状の感光性樹脂を用いる場合、例えば、ポリエステルからなる保護層と、ポリエチレンからなる剥離層と、保護層と剥離層との間に介在した感光性樹脂層とを備えたフィルムを使用することができる。具体的には、先ず、図7に示す構造におけるシード層123の表面を洗浄した後、上述したフィルムから剥離層を除去し、その後、シード層123と感光性樹脂層とを熱圧着によりラミネートする。次に、感光性樹脂層の一部の領域に対して紫外線を照射する。次に、保護層を除去し、得られた構造に対して現像液を供給し、感光性樹脂層をパターニングする。このようにして、上述したダミー層191を得る。なお、感光性樹脂としてネガ型のレジストを用いた場合には、有機溶剤を含む現像液を用いることができる。また、ポジ型のレジストを用いた場合には、アルカリ系の現像液を用いることができる。
ダミー層191の材料として液状の感光性樹脂を用いる場合、例えば、以下の方法によってダミー層191を形成することができる。具体的には、先ず、図7に示す構造におけるシード層123の表面を洗浄した後、シード層123上に液状の感光性樹脂を塗布する。次に、液状の感光性樹脂を乾燥させ、その後、得られた感光性樹脂層の一部の領域に対して紫外線に露光する。次に、感光性樹脂層を現像液で処理する。このようにして、上述したダミー層191を得る。
次に、図9に示すように、シード層123上に導体層122aを形成する。導体層122aは、溝部G’と貫通孔R1’との下面及び、絶縁層120aに設けられた貫通孔を埋め込むように形成する。導体層122aのうち、溝部G’、貫通孔’及び絶縁層120aに設けられた貫通孔を埋め込んだ部分は、それぞれ、配線部122W、ランド部122L及びビア部122Vに相当する。導体層122aは、例えば、電解めっきによって形成することができる。導体層122aは、例えば、銅からなる。
次に、図10に示すように、ダミー層191を除去する。ダミー層191の材料としてフィルム状の感光性樹脂を使用した場合には、例えば、水酸化ナトリウム又はモノエタノールアミン系薬剤等のアルカリ性の溶液を用いてダミー層191を除去することができる。ダミー層191の材料として、ノボラック樹脂又はエポキシ樹脂等の樹脂からなる液状の感光性樹脂を使用した場合には、例えば、アセトン又はアルコールを用いてダミー層191を除去することができる。ダミー層191の除去後には所定の表面洗浄を行うことが好ましい。
次に、図11に示すように、図10に示す構造においてシード層123の露出部を除去する。シード層123の除去は、例えば、過酸化水素-硫酸系のエッチング液を用いて行うことができる。シード層123の除去は、導体層122aの上面及び側面の表面粗さが300nm以下となるように行うことが好ましく、100nm以下となるように行うことがより好ましい。この場合、高い伝送特性を達成可能な多層配線基板が得られやすい。また、シード層123の露出部の除去により、導体層122aと絶縁層120aとの間に介在したシード層123が一部除去されてもよい。即ち、シード層123の露出部の除去により、シード層123にアンダーカットが生じても良い。
次に、図12に示すように、図11に示す構造において絶縁層121の露出部、即ち、第2領域A2を粗化する。この粗化は、絶縁層121の露出部の表面粗さが150nm乃至500nmの範囲内となるように行うことが好ましい。絶縁層121の粗化は、例えば、図6を参照しながら説明した方法と同様の方法によって行うことができる。ただし、図12に示す絶縁層121の粗化は、第2領域A2の表面粗さRa2が第1領域A1の表面粗さRa1よりも大きくなるように行う。ここでは、一例として、過マンガン酸塩を含んだエッチング液に図11に示す構造を浸漬することで絶縁層121の露出部を粗化したとする。また、ここでは、絶縁層121の露出部の表面粗さ、即ち、表面粗さRa2は200nmとした。
次に、図13に示すように、絶縁層121及び導体層122a上に機能層124を形成する。ここでは、機能層124の厚さを100nmとした。このように、機能層124の厚さを表面粗さRa2よりも小さくすることで、第2領域A2上における機能層124を不連続膜とした。機能層124は、例えば、ウエットコーティングにより形成することができる。
次に、図14に示すように、機能層124を被覆するとともに、ランド部122L及び配線部122Wの間を埋め込んだ、第2絶縁層としての絶縁層121を設ける。なお、絶縁層121のうちランド部122L及び機能層124で埋め込まれた凹部は、上述した第1凹部R1である。また、絶縁層121のうち配線部122W及び機能層124で埋め込まれた凹部は、上述した溝部Gである。
絶縁層121は、感光性樹脂又は非感光性樹脂からなる。絶縁層121の材料としては、例えば、ダミー層191及び絶縁層120aについて上述したのと同様の材料を使用することができる。
次に、図15に示すように、絶縁層121に第2凹部R2を形成する。第2凹部R2は、例えば、炭酸ガスレーザ又はエキシマレーザにより形成することができる。このような方法により第2凹部R2を形成した場合、図15に示すように、第2凹部R2の下面に樹脂残渣192が生じることがある。
次に、図16に示すように、樹脂残渣192及び機能層124の露出部を除去するとともに、絶縁層121の上面を粗化する。これらの除去及び絶縁層121の粗化は、例えば、過マンガン酸塩を含んだ溶液への浸漬処理、プラズマ処理、又はこれら2つの処理によって行う。ここでは、一例として、過マンガン酸塩を含んだ溶液に図15に示す構造を浸漬することとする。この工程は、絶縁層121の上面の表面粗さ、即ち、表面粗さRa1が100nmとなるように行った。このようにして層12aを得た。
次に、図17に示すように、絶縁層121及びランド部122Lの露出部上にシード層123を形成する。シード層123の形成は、例えば、上述したシード層123について説明したのと同様の方法により行う。ここでは、一例として、シード層123を無電解めっきにより形成した。なお、図17に示すランド部122Lは、その上面に窪みを有しており、ランド部122L上のシード層123は、上記の窪みの形状に沿った形状を有している。これは、無電解めっきでは、シード層123を堆積させる前に、シード層123を形成する部分、即ち、ランド部122Lの上面がエッチングされるためである。
次に、図8及び図9を参照しながら説明した方法と同様の方法によりダミー層191を形成し、その後、導体層122aを形成する。これにより、図18に示す構造を得る。この導体層122aの形成により、絶縁層121に設けられた第2凹部R2を埋め込んだビア部122Vを形成する。
次に、図10乃至図13を参照しながら説明した工程を行う。これにより、図19に示す構造を得る。
次に、図14乃至19を参照しながら説明した工程を行う。これにより、図20に示す構造を得る。
次に、図21に示すように、機能層124を被覆するとともに、ランド部122L及び配線部122Wの間を埋め込んだ絶縁層13aを形成する。絶縁層13aは、ランド部122Lの位置に、機能層124を露出させる貫通孔を有している。絶縁層13aは、例えば、絶縁層13aと隣接する機能層124上にソルダーレジストを設け、ソルダーレジストを露光処理及び現像処理することにより形成する。ソルダーレジストは、例えば、感光性エポキシ樹脂からなる。なお、ソルダーレジストから得られる絶縁層は、ソルダーレジスト層ともいう。また、絶縁層13aに貫通孔を設ける際に樹脂残渣が生じた場合、樹脂残渣は、後に図22を用いて説明する工程において機能層124と共に除去することが可能である。
次に、図22に示すように、機能層124の露出部を除去する。機能層124の露出部の除去は、例えば、デスミア処理又はプラズマ処理によって行うことができる。
次に、ランド部122L上に表面処理層を形成し、その後、表面処理層上に接合用導体を形成する。表面処理層としては、無電解Ni/Auめっき層、無電解Ni/Pd/Auめっき層、金めっき層、スズめっき層、OSP(Organic Solderability Preservative)膜、即ち、水溶性プレフラックスによる表面処理層を形成してもよい。接合用導体の材料としては、例えば、スズ又はインジウムを含んだはんだ材料を使用することができる。
このようにして、図2に示す多層配線基板を得る。
なお、絶縁層120b、層12b及び接合用導体14bは、それぞれ、上述した、絶縁層120a、層12a及び接合用導体14aの形成方法と同様の方法によって形成することができる。
以上、本発明の一実施形態に係る多層配線基板の製造方法について説明した。
<効果>
図23は、比較例に係る多層配線基板を概略的に示す断面図である。図23に示す多層配線基板は、上述した機能層124を設けなかったこと、及び、第1領域A1の表面粗さRa1と第2領域A2の表面粗さRa2とが等しく、且つ、これら領域が平滑であること以外は、図3に示す多層配線基板と同様である。このような多層配線基板では、第1領域A1の表面粗さRa1と第2領域A2の表面粗さRa2とが等しく、且つ、これら領域が平滑であるため、第2領域A2において高い密着性を達成することができない。
図24は、他の比較例に係る多層配線基板を概略的に示す断面図である。図24に示す多層配線基板は、第1領域A1の表面粗さRa1と第2領域A2の表面粗さRa2とが等しく、且つ、これら領域が平滑であること以外は、図3に示す多層配線基板と同様である。図24に示す多層配線基板は、図23に示す多層配線基板と比較して、配線部122Wと絶縁層121との間の密着性に優れる。しかしながら、図24に示す多層配線基板において、機能層124の材料として導電性を有する材料を使用した場合、隣り合う2つの配線部122Wの間で高い絶縁信頼性を達成することが難しい。また、この多層配線基板は、第1領域A1の表面粗さRa1と第2領域A2の表面粗さRa2とが等しく、且つ、これら領域が平滑であるため、第2領域A2において高い密着性を達成することができない。
図25は、更に他の比較例に係る多層配線基板を概略的に示す断面図である。図25に示す多層配線基板は、第1領域A1の表面粗さRa1と第2領域A2の表面粗さRa2とが等しく、且つ、これら領域が粗いこと以外は、図3に示す多層配線基板と同様である。図25に示す多層配線基板は、図23に示す多層配線基板と比較して、第1領域A1及び第2領域A2において高い密着性を達成することが可能である。しかしながら、図25に示す多層配線基板では、第1領域A1の表面粗さRa1が大きいため、高い伝送特性を達成することが難しい。
一方、上述した多層配線基板1では、第1領域A1の表面粗さRa1が第2領域A2の表面粗さRa2よりも小さい。このため、第2領域A2、即ち、隣り合う2つの絶縁層の間において高い密着性を達成することができる。また、上述した多層配線基板1は、図25に示す多層配線基板と比較して、高い伝送特性を達成することができる。
<他の実施形態>
図26は、本発明の他の実施形態に係る多層配線基板を概略的に示す断面図である。図26に示すように、この多層配線基板では、シード層123は溝部Gの底面及び側壁を被覆している。図26に示す多層配線基板は、導体層122aがダマシン法によって形成される。以下、図26に示す多層配線基板の製造方法について説明する。
先ず、図5に示す構造を準備する。以下、絶縁層120aが有している貫通孔を第1貫通孔と呼ぶ。次に、以下に説明する工程を含むシークエンスSを行う。
シークエンスSでは、先ず、下地層としての絶縁層120a上に、第1絶縁層としての絶縁層121を設ける。絶縁層121は、1以上が第1貫通孔と連通した第2貫通孔と、溝部Gとを有している。絶縁層121は、例えば、感光性絶縁樹脂からなる。
次に、絶縁層121の上面と、第1貫通孔の内面と、溝部Gの内面と、第2貫通孔の内面とを被覆したシード層123を形成する。シード層123は、例えば、チタン層と銅層とからなる層である。シード層123は、例えば、スパッタリングによって形成する。
次に、シード層123上に、第1貫通孔、第2貫通孔及び溝部Gを埋め込むように導体層を形成する。次に、導体層及びシード層123のうち、第1貫通孔、第2貫通孔又は溝部Gの外に位置した部分を除去する。これにより、第1貫通孔を埋め込んだビア部122V、第2貫通孔を埋め込んだランド部122L及び溝部Gを埋め込んだ配線部122Wを含んだ導体層122aを形成する。
次に、図12を参照しながら説明したのと同様の方法により、絶縁層121の露出部を粗化する。即ち、導体層122aの表面である第1領域A1の表面粗さRa1が、第1絶縁層としての絶縁層121の表面である第2領域A2の表面粗さRa2よりも小さくなるように、第2領域A2を粗化する。
次に、図13を参照しながら説明したのと同様の方法により、絶縁層121、導体層122a及びシード層123上に機能層124を形成する。これにより、絶縁層120a、絶縁層121、導体層122a、シード層123及び機能層124を含んだ層12aを得る。
次に、絶縁層121及び機能層124上に、第2絶縁層としての絶縁層121を形成する。次に、第2絶縁層としての絶縁層121に、ランド部122Lの位置でランド部122Lを露出させる第1貫通孔を形成する。
以上、シークエンスSについて述べた。
次に、上述したシークエンスSを1回以上繰り返す。次に、上方に位置した第2絶縁層としての絶縁層121上に、シード層を形成する。次に、上方に位置した層12aが含むランド部122Lの位置で開口したダミー層を形成する。次に、シード層上に導体層を形成する。次に、ダミー層を除去し、その後、露出したシード層を除去する。次に、上方に位置した絶縁層121及び導体層上に、ソルダーレジストからなり、導体層の位置に貫通孔有する絶縁層(以下、ソルダーレジスト層と呼ぶ)を形成する。次に、導体層上に、上述した表面処理層15a及び接合用導体14aの形成方法と同様の方法により、これらを形成する。
以上、図26に示す多層配線基板の製造方法について述べた。
図26に示す多層配線基板においても、第1領域A1の表面粗さRa1が第2領域A2の表面粗さRa2よりも小さい。このため、第2領域A2、即ち、隣り合う2つの絶縁層の間において高い密着性を達成することができる。また、図26に示す多層配線基板では、第1領域A1が平滑であるため、高い伝送特性を達成することができる。また、図26に示す多層配線基板においても、機能層124の厚さを表面粗さRa2よりも小さくすることで、機能層124を不連続膜として形成することが可能である。このため、この多層配線基板においても隣り合う2つの配線部122Wの間で絶縁信頼性を向上させることが可能である。
1…多層配線基板、11…コア層、12a…層、12b…層、13a…絶縁層、13b…絶縁層、14a…接合用導体、14b…接合用導体、111…コア基板、112a…導体層、112b…導体層、112c…導体層、120a…絶縁層、120b…絶縁層、121…絶縁層、122a…導体層、122b…導体層、122V…ビア部、122L…ランド部、122W…配線部、123…シード層、124…機能層、191…ダミー層、192…樹脂残渣、R1…第1凹部、R1’…貫通孔、R2…第2凹部、S1…第1面、S2…第2面、G…溝部、G’…溝。

Claims (17)

  1. 互いに積層された複数の絶縁層であって、隣り合った2つの一方には、他方と隣接した面に溝部が設けられ、前記他方の絶縁層の前記一方と隣接した面は、前記溝部に対応した第1領域の表面粗さRa1が、他の位置に対応した第2領域の表面粗さRa2と比較してより小さい複数の絶縁層と、
    前記溝部を埋め込んだ配線部を含んだ導体層と
    を備えた多層配線基板。
  2. 前記表面粗さRa1は5nm乃至200nmの範囲内にある請求項1に記載の多層配線基板。
  3. 前記表面粗さRa2は150nmより大きい請求項1又は2に記載の多層配線基板。
  4. 前記表面粗さRa1と前記表面粗さRa2との比Ra1/Ra2は0.1乃至0.83の範囲内にある請求項1乃至3の何れか1項に記載の多層配線基板。
  5. 前記配線部の表面のうち、前記溝部の内面と向き合った領域の表面粗さRa3は、前記表面粗さRa1よりも小さい請求項1乃至4の何れか1項に記載の多層配線基板。
  6. 前記配線部とこれに隣接した前記複数の絶縁層の1つとの間に介在した部分を含んだ機能層を更に備えた請求項1乃至5の何れか1項に記載の多層配線基板。
  7. 前記機能層は、前記第2領域を被覆した部分を更に含んだ請求項6に記載の多層配線基板。
  8. 前記機能層のうち前記第2領域を被覆した前記部分は不連続である請求項7に記載の多層配線基板。
  9. 前記第1領域を被覆したシード層を更に備えた請求項1乃至8の何れか1項に記載の多層配線基板。
  10. 前記溝部の底面及び側壁を被覆したシード層を更に備えた請求項1乃至8の何れか1項に記載の多層配線基板。
  11. 一方の面が第1領域と第2領域とを含んだ第1絶縁層の上に、前記第1領域の位置で開口した溝を有するダミー層を形成することと、
    前記溝を埋め込むように、導体層を形成することと、
    その後、前記ダミー層を除去することと、
    前記第2領域を粗化することと、
    前記第1絶縁層及び前記導体層の上に第2絶縁層を形成することと
    を含んだ多層配線基板の製造方法。
  12. 前記ダミー層を形成する前に、前記第1領域を粗化することを更に含み、前記第1領域及び前記第2領域の粗化は、第1領域の表面粗さRa1が前記第2領域の表面粗さRa2と比較してより小さくなるように行う請求項11に記載の多層配線基板の製造方法。
  13. 前記ダミー層を形成する前に、前記第1絶縁層上にシード層を形成することと、
    前記ダミー層を除去した後であって、前記第2領域を粗化する前に、前記シード層のうち露出している部分を除去することと
    を更に含んだ請求項11又は12に記載の多層配線基板の製造方法。
  14. 前記シード層は無電解銅めっきにより形成する請求項13に記載の多層配線基板の製造方法。
  15. 前記第2領域を粗化した後に、前記導体層上に機能層を形成することを更に含んだ請求項11乃至14の何れか1項に記載の多層配線基板の製造方法。
  16. 前記導体層は電解銅めっきにより形成する請求項11乃至15の何れか1項に記載の多層配線基板の製造方法。
  17. 下地層上に、溝部を有する第1絶縁層を形成することと、
    前記溝部を埋め込むように、導体層を形成することと、
    前記導体層の表面である第1領域の表面粗さRa1が、前記第1絶縁層の表面である第2領域の表面粗さRa2よりも小さくなるように、前記第2領域を粗化することと、
    前記第1絶縁層及び前記導体層の上に第2絶縁層を形成することと
    を含んだ多層配線基板の製造方法。
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