JP2023104869A - 水系塗材組成物及び塗材仕上げ組成物及び塗材仕上げ工法 - Google Patents

水系塗材組成物及び塗材仕上げ組成物及び塗材仕上げ工法 Download PDF

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亮弥 松崎
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Abstract

【課題】意匠性骨材を隠蔽しないために意匠性が損なわれることがなく、優れた下地追従性を有する水系塗材組成物、塗材仕上げ組成物、及び塗材仕上げ工法を提供する。
【解決手段】アクリル樹脂系エマルジョンと、充填材と、骨材と、顔料と、増粘剤と、成膜助剤と、を含む組成物であって、顔料は一次粒子径が10~100nmである微粒子酸化チタン及び/または微粒子酸化亜鉛を含み、微粒子酸化チタン及び/または微粒子酸化亜鉛の総量は組成物全体100重量部中0.5~4.5重量部であることを特徴とする水系塗材組成物である。
【選択図】図1

Description

本発明は、建物の壁を石材調に仕上げることを可能にする水系塗材組成物、塗材仕上げ組成物、及び塗材仕上げ工法に関する。
従来、建物の壁の仕上げとして、素朴で無機質な重厚感のある石材調の仕上げが意匠性に優れるとして好まれてきた。
例えば特許文献1には、石材調、砂岩調等のような装飾性の高い外観が形成できる塗膜の形成方法として、第一の塗材、及び第二の塗材を順に積層する装飾性塗膜の形成方法であって、第一の塗材、及び第二の塗材がいずれも、(A)合成樹脂エマルション、(B)自然石の粉砕物、陶磁器の粉砕物、及び着色骨材から選ばれる少なくとも一種の骨材、を含む装飾性塗材であり、第一の塗材の(A)成分として、(A-1)ガラス転移温度が、-80~30℃且つ下記(A-2)成分のガラス転移温度以下である合成樹脂エマルションを含み、第二の塗材の(A)成分として、(A-2)ガラス転移温度が-10~60℃の合成樹脂エマルションを含み、第一の塗材によって形成される塗膜の単位体積当たりの骨材比率が、第二の塗材によって形成される塗膜の単位体積当たりの骨材比率より小さいことを特徴とする装飾性塗膜の形成方法が開示されている。
特開2003-126771号公報
しかしながら、前記装飾性塗膜の形成方法では下地隠蔽性が不十分となる場合があるという課題があり、この課題を解決するために酸化チタン等の下地隠蔽性を向上させる顔料を、該第一の塗材又は/及び該第二の塗材に配合すると、意匠性を付与させるための(B)自然石の粉砕物、陶磁器の粉砕物、及び着色骨材から選ばれる少なくとも一種の骨材を隠蔽してしまい石材調や砂岩調の意匠性が損なわれる場合があるという課題があった。
また、特許文献1では下地追従性の評価試験として[20℃水浸漬、18時間]→[-20℃、3時間]→[50℃、3時間]の条件でサイクルする温冷繰り返し試験を行っているが、該温冷繰り返し試験で評価できる塗膜の性状は、温度変化による塗膜のひび割れ、剥がれ、及び膨れの有無程度であり、下地に生じたひび割れに塗膜が追従して塗膜にひび割れが生じないという高い水準の下地追従性の評価には不十分であると考えられる。実際に、前記装飾性塗膜の形成方法で形成された塗膜は前記水準の下地追従性が不十分である場合があるという課題があった。
そこで本発明が解決しようとする課題は、下地に生じたひび割れに塗膜が追従することで塗膜にひび割れが生じないという優れた下地追従性を有し、意匠性骨材を隠蔽することがないために建物の壁を石材調に仕上げることを可能とする水系塗材組成物、塗材仕上げ組成物、及び塗材仕上げ工法を提供することにある。
上記課題を解決するために請求項1記載の発明は、アクリル樹脂系エマルジョンと、充填材と、骨材と、顔料と、増粘剤と、成膜助剤と、を含む組成物であって、
顔料は一次粒子径が10~100nmである微粒子酸化チタン及び/または微粒子酸化亜鉛を含み、微粒子酸化チタン及び/または微粒子酸化亜鉛の総量は組成物全体100重量部中0.5~4.5重量部であることを特徴とする水系塗材組成物を提供する。
また請求項2記載の発明は、請求項1記載の水系塗材組成物と、意匠性骨材と、を含み、
意匠性骨材の粒径は0.3~2.5mmであり、配合量は水系塗材組成物100重量部に対して50~200重量部であることを特徴とする塗材仕上げ組成物を提供する。
また請求項3記載の発明は、下地に必要によりシーラーを塗付して乾燥させ、
この上に、アクリル樹脂系エマルジョンと、充填材と、骨材と、顔料と、増粘剤と、成膜助剤と、を含み、顔料の配合量は組成物全体100重量部中0.5~5.0重量部であることを特徴とする下塗材組成物を、塗付量0.7~1.5kg/mで塗付して乾燥させ、
この上に、請求項2記載の塗材仕上げ組成物を、鏝にて塗付量3.0~4.0kg/mで塗付し、
直ちに、塗付面全体を略平滑に押さえた後、乾燥させて仕上げることを特徴とする塗材仕上げ工法を提供する。
また請求項4記載の発明は、下地に必要によりシーラーを塗付して乾燥させ、
この上に、アクリル樹脂系エマルジョンと、充填材と、骨材と、顔料と、増粘剤と、成膜助剤と、を含み、顔料の配合量は組成物全体100重量部中0.5~5.0重量部であることを特徴とする下塗材組成物を、塗付量0.7~1.5kg/mで塗付して乾燥させ、
この上に、請求項2記載の塗材仕上げ組成物を、口径8~12mmの建築塗材用スプレーガンにて塗付量2.0~3.0kg/mで吹付けた後、乾燥させて仕上げることを特徴とする塗材仕上げ工法を提供する。
また請求項5記載の発明は、下地に必要によりシーラーを塗付して乾燥させ、
この上に、アクリル樹脂系エマルジョンと、充填材と、骨材と、顔料と、増粘剤と、成膜助剤と、を含み、顔料の配合量は組成物全体100重量部中0.5~5.0重量部であることを特徴とする下塗材組成物を、塗付量0.7~1.5kg/mで塗付して乾燥させ、
この上に、請求項2記載の塗材仕上げ組成物を、口径10~14mmの建築塗材用スプレーガンにて塗付量3.0~4.0kg/mで吹付けた後、
直ちに、鏝を略横方向に動かしながら塗付面の凸部を5~50cmの間隔で繰り返しランダムに略平滑に押さえた後、乾燥させて仕上げることを特徴とする塗材仕上げ工法を提供する。
また請求項6記載の発明は、下地に必要によりシーラーを塗付して乾燥させ、
この上に、アクリル樹脂系エマルジョンと、充填材と、骨材と、顔料と、増粘剤と、成膜助剤と、を含み、顔料の配合量は組成物全体100重量部中0.5~5.0重量部であることを特徴とする下塗材組成物を、塗付量0.7~1.5kg/mで塗付して乾燥させ、
この上に、請求項2記載の塗材仕上げ組成物を、鏝にて塗付量3.0~4.0kg/mで塗付した後、
直ちに、表面に深さ1~5mm、長さ10~200mm、幅2~8mmの複数の起伏を有する模様付けローラーを一方向にのみ転動させて深さ1~5mm、長さ10~200mm、幅2~8mmの起伏を形成した後、乾燥させて仕上げることを特徴とする塗材仕上げ工法を提供する。
また請求項7記載の発明は、下地に必要によりシーラーを塗付して乾燥させ、
この上に、アクリル樹脂系エマルジョンと、充填材と、骨材と、顔料と、増粘剤と、成膜助剤と、を含み、顔料の配合量は組成物全体100重量部中0.5~5.0重量部であることを特徴とする下塗材組成物を、塗付量0.7~1.5kg/mで塗付して乾燥させ、
この上に、請求項2記載の塗材仕上げ組成物を、鏝にて塗付量3.0~4.0kg/mで塗付した後、
直ちに、表面に深さ4~10mm、幅2~40mmの複数の凹凸を有する模様付けローラーを転動させて深さ4~10mmの凹凸を形成した後、乾燥させて仕上げることを特徴とする塗材仕上げ工法を提供する。
本発明の水系塗材組成物は、意匠性骨材と混合して塗材仕上げ組成物とした際に、該意匠性骨材を隠蔽しないため塗材仕上げ組成物の意匠性を損なうことがないという効果がある。本発明者は前記の課題を解決するために試行錯誤と実験を繰り返した結果、顔料として一般の酸化チタンや酸化亜鉛ではなく微粒子酸化チタン及び/または微粒子酸化亜鉛を用いることにより、水系塗材組成物に混合する意匠性骨材を隠蔽することがなく、意匠性が損なわれない美観に優れた塗材仕上げを提供できることを発見したものである。微粒子酸化チタン及び/または微粒子酸化亜鉛は一次粒子径が一般のものよりも小さいために光散乱が小さく、透明度が高くなっていると考えられ、これにより意匠性骨材を隠蔽しないものと推測する。
また、本発明の水系塗材組成物は、建物の地震や風圧、車両の通過等による振動や該振動により生じた下地のひび割れに追従できるという下地追従性を有する、という効果があり、塗膜にひび割れや剥がれが起こりにくいという効果がある。
請求項2記載の塗材仕上げ組成物は、前記の水系塗材組成物を含むため意匠性骨材が隠蔽されることがなく、石材調の意匠性の高い仕上げを提供できるという効果があり、また、繰り返しになるが建物の地震や風圧、車両の通過等による振動や該振動により生じた下地のひび割れに追従できるという下地追従性を有する、という効果があり、塗膜にひび割れや剥がれが起こりにくいという効果がある。
請求項3記載の塗材仕上げ工法は、塗材仕上げ組成物を塗付した後に塗面全体を略平滑に押さえるため、建物の壁を石材が切り出された際に表れるフラットで重厚感のあるテクスチュアに仕上げられる効果がある。
請求項4記載の塗材仕上げ工法は、塗材仕上げ組成物を口径8~12mmの建築塗材用スプレーガンにて吹付けた後、そのまま乾燥させて仕上げとするため、建物の壁を吹付けによるラフな表情と石材のボリュームや自然な風合いを感じられるテクスチュアに仕上げられる効果がある。
請求項5記載の塗材仕上げ工法は、塗材仕上げ組成物を口径10~14mmの建築塗材用スプレーガンにて吹付けた後、鏝を略横方向に動かしながら塗付面の凸部を5~50cmの間隔で繰り返しランダムに略平滑に押さえて仕上げるため、建物の壁を、大理石のトラバーチンが切り出された際に表れる、フラットな面にトラバーチンの特徴である多数の微細な空隙が散在しているテクスチュアに仕上げられる効果がある。
請求項6記載の塗材仕上げ工法は、塗材仕上げ組成物を塗付した後、直ちに、表面に深さ1~5mm、長さ10~200mm、幅2~8mmの複数の起伏を有する模様付けローラーを転動させるため、深さ1~5mm、長さ10~200mm、幅2~8mmの起伏を形成できる効果があり、建物の壁を石材の表面仕上げ方法の一つである小叩き仕上げ調のテクスチュアに仕上げられる効果がある。
請求項7記載の塗材仕上げ工法は、塗材仕上げ組成物を塗付した後、直ちに、表面に深さ4~10mm、幅2~40mmの複数の凹凸を有する模様付けローラーを転動させるため、深さ4~10mmの凹凸を形成できる効果があり、建物の壁を石材の表面仕上げ方法の一つであるビシャン仕上げ調のテクスチュアに仕上げられる効果がある。
また、請求項3から請求項7に記載の塗材仕上げ工法は、請求項1記載の水系塗材組成物と、意匠性骨材と、を含む請求項2記載の塗材仕上げ組成物を使用するため、前記同様に意匠性骨材が隠蔽されないという効果がある。これにより、請求項3から請求項7記載の塗材仕上げ工法によって建物の壁に施される石材調の仕上げは、意匠性の高いものになる、という効果がある。
また、請求項3から請求項7に記載の塗材仕上げ工法は、アクリル樹脂系エマルジョンがバインダーとして配合された下塗り塗材組成物、及び塗材仕上げ組成物を使用するため、硬化した塗膜は可とう性があり、建物の地震や風圧、車両の通過等による振動や該振動により生じた下地のひび割れに追従することができる、という効果がある。
本発明の請求項3記載の塗材仕上げ工法によって仕上げられた塗膜表面(200×260mm)の平面写真である。 本発明の請求項4記載の塗材仕上げ工法によって仕上げられた塗膜表面(200×260mm)の平面写真である。 本発明の請求項5記載の塗材仕上げ工法によって仕上げられた塗膜表面(200×260mm)の平面写真である。 本発明の請求項6記載の塗材仕上げ工法によって仕上げられた塗膜表面(200×260mm)の平面写真である。 本発明の請求項6記載の塗材仕上げ工法に使用できる、表面に深さ2~4mm、長さ15~200mm、幅3~7mmの複数の起伏を有する模様付けローラーJR-197(内径約40mm、外径約70mm、長さ約180mm、アイカ工業株式会社製、商品名)の正面写真である。 本発明の請求項7記載の塗材仕上げ工法によって仕上げられた塗膜表面(200×260mm)の平面写真である。 本発明の請求項7記載の塗材仕上げ工法に使用できる、表面に深さ6~10mm、幅2~40mmの複数の凹凸を有するパターンローラーJR-198(内径約40mm、外径約70mm、長さ約180mm、アイカ工業株式会社製、商品名)の正面写真である。
以下、本発明について詳細に説明する。
まず、本発明の水系塗材組成物、及び本発明の塗材仕上げ工法に使用する下塗材組成物について説明する。尚、本願における「石材調」とは、天然の石材が呈するような重厚感のあるテクスチュアを有し、且つ石材中に含まれる色や形の異なる微細な石の存在まで模倣すること、を意味する。
<アクリル樹脂系エマルジョン>
本発明の水系塗材組成物、及び本発明に使用する下塗材組成物を構成するアクリル樹脂系エマルジョンには、アクリル酸エステル系共重合樹脂、酢酸ビニル・アクリル酸エステル系共重合樹脂、シリコン変性アクリル樹脂等のアクリル樹脂系エマルジョンを使用することができる。アクリル樹脂とするアクリル系単量体としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n-プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n-ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、sec-ブチルアクリレート、t-ブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、ノニルアクリレート、デシルアクリレート、ドデシルアクリレート、n-アミルアクリレート、イソアミルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec-ブチル(メタ)アクリレート、t -ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、n-アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシプロピル(メタ)アクリレート、エトキシプロピル(メタ)アクリレート、等を使用することができる。
他の不飽和単量体としては、スチレン、α-メチルスチレン、クロロスチレン、ビニルトルエン、メトキシスチレン等のスチレン誘導体;(メタ)アクリル酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、及びクロトン酸等のカルボキシル基含有単量体;(メタ)アクリル酸や、クロトン酸、イタコン酸;2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートや、2(3)-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレート、アリルアルコール、多価アルコールのモノ(メタ)アクリル酸エステル等の水酸基含有単量体;(メタ)アクリルアミドや、マレインアミド等のアミド基含有単量体;2-アミノエチル(メタ)アクリレートや、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、3-アミノプロピル(メタ)アクリレート、2-ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ビニルピリジン等のアミノ基含有単量体;グリシジル(メタ)アクリレートや、アリルグリシジルエーテル、2個以上のグリシジル基を有するエポキシ化合物と活性水素原子を有するエチレン性不飽和単量体との反応により得られるエポキシ基含有単量体やオリゴノマー;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、3-(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、2-(メタ)アクリロキシエチルトリメトキシシラン、2- (メタ)アクリロキシエチルトリエトキシシラン、3-(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-(メタ)アクリロキシプロピルメチルジプロポキシシラン、3-(メタ)アクリロキシブチルフェニルジメトキシシラン、3 -(メタ)アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、及び3-(メタ)アクリロキシプロピルジエチルメトキシシラン等のアルコキシシリル基含有単量体;その他、酢酸ビニル、塩化ビニル、更には、エチレン、ブタジエン、アクリロニトリル、ジアルキルフマレート等を使用することができる。
アクリル樹脂系エマルジョン中の樹脂のガラス転移温度は-30~40℃が好ましい。ガラス転移温度が-30℃未満の場合は仕上がり表面にタックが生じて汚れやすくなり、40℃超の場合は成膜不良となる場合がある。ここでいうガラス転移温度は、示差走査熱量計(Differential scanning calorimetry、DSC)によって測定される値である。また、本発明の水系塗材組成物全体100重量部中の樹脂固形分は5.0~25.0重量部が好ましく、5.0重量部未満では粘着性、塗付作業性が低下する場合があり、また25.0重量部超では粘度が低下し塗付作業性が低下する場合がある。また、本発明に使用する下塗材組成物全体100重量部中の樹脂固形分は7.0~27.0重量部が好ましく、7.0重量部未満では粘着性、塗付作業性が低下する場合があり、27.0重量部超では粘度が低下し塗付作業性が低下する場合がある。市販のアクリル樹脂系エマルジョンとしては、アクロナール7059(固形分:55重量%、樹脂のガラス転移温度:30℃、スチレン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルの共重合体、BASF社製、商品名)や、アクロナールYJ6235D(固形分:55%、樹脂のガラス転移温度:6℃、スチレン、アクリル酸エステルの共重合体、BASF社製、商品名)等がある。
<充填材>
本発明の水系塗材組成物、及び本発明の塗材仕上げ工法に使用する下塗材組成物を構成する充填材は、平均粒径D50(重量による積算50%の粒径)が100μm未満のものを言い、組成物の粘度や塗付作業性の調整を目的として配合し、重質炭酸カルシウム、クレー、カオリン、タルク、沈降性硫酸バリウム、炭酸バリウム、硅砂粉等が使用でき、重質炭酸カルシウムが安価でコスト的負担を軽減させることができる(顔料は該充填材から除く)。充填材の配合量は水系塗材組成物においては組成物全体100重量部中3~20重量部が好ましく、4~12重量部であるとより好ましい。3重量部未満では下地の色が透けるなどの隠蔽性が不足し、20重量部超では粘度が高くなって塗付作業性が不良となる場合があり、4重量部未満では色調によっては隠蔽性が低下する場合があり、12重量部超では冬季等の低温環境での塗付作業性が低下する傾向にある。下塗材組成物においては組成物全体100重量部中40~60重量部が好ましく、45~55重量部であるとより好ましい。40重量部未満では下地の色が透けるなどの隠蔽性が不足し、60重量部超では粘度が高くなって塗付作業性が不良となる場合があり、45重量部未満では色調によっては隠蔽性が低下する場合があり、55重量部超では冬季等の低温環境での塗付作業性が低下する傾向にある。
<骨材>
本発明の水系塗材組成物、及び本発明の塗材仕上げ工法に使用する下塗材組成物を構成する骨材は、平均粒径D50(重量による積算50%の粒径)が100μm以上、300μm未満のものを言い、仕上がり表面に凹凸を付与することを目的として配合されるが、平均粒径が100μm以上、300μm未満であればその粒子径は任意に選択することができ、例えば硅砂、ガラス、シリカ、タルク、重質炭酸カルシウムなどが使用可能である(顔料は該骨材から除く)。市販の平均粒径が150μmの硅砂としては東北硅砂7号(東北硅砂株式会社製、商品名)が、平均粒径が200μmの重質炭酸カルシウムとしてはK-250(旭鉱末株式会社製、商品名)がある。また、骨材の配合量は水系塗材組成物全体100重量部中40~60重量部が好ましく、40重量部未満では意匠性(塗材の凹凸感)が不足する場合があり、60重量部超では塗付作業性が低下する場合がある。また、下塗材組成物においては組成物全体100重量部中25~45重量部が好ましく、25重量部未満では意匠性(塗材の凹凸感)が不足する場合があり、45重量部超では塗付作業性が低下する場合がある。
<顔料>
本発明の水系塗材組成物は顔料として微粒子酸化チタン及び/または微粒子酸化亜鉛を含み、これらは一次粒子径が概ね200nm以上である一般のものと比較して小さいものである。本発明において微粒子酸化チタン及び/または微粒子酸化亜鉛は水系塗材組成物を意匠性骨材と混合して塗材仕上げ組成物とした際に、水系塗材組成物が意匠性骨材を隠蔽することがなく、意匠性が損なわれないようにする目的で使用する。また、耐候性を向上させる目的でも使用する。微粒子酸化チタン及び/または微粒子酸化亜鉛は粒子径が小さいため、可視光線の散乱効率が最小化されて一般の酸化チタンや酸化亜鉛よりも透明性が高くなっており、本発明の水系塗材組成物においても該透明性によって意匠性骨材を隠蔽しないという効果が得られているものと推測する。
微粒子酸化チタンは水酸化ジルコニウムや水酸化アルミニウム等による無機系の表面処理、ステアリン酸やラウリン酸等による有機系の表面処理、又は無機系と有機系を複合した表面処理をされる場合があるが、無機系で表面処理されたものは親水性となり有機系で表面処理されたものは撥水性となるため、本発明の水系塗材組成物においては分散性を良好とするために無機系で表面処理されて親水性であるものを使用することが好ましい。
本発明の水系塗材組成物に使用する微粒子酸化チタン及び/または微粒子酸化亜鉛の一次粒子径としては10~100nmであることが好ましく、10~50nmであるとより好ましい。一次粒子径が10nm未満であると分散性が低下する場合があり、100nm超であると透明性が低下して意匠性骨材と混合した際に意匠性骨材を隠蔽してしまう場合がある。配合量は微粒子酸化チタン及び/または微粒子酸化亜鉛の総量が水系塗材組成物全体100重量部中0.5~4.5重量部であることが好ましく、0.5重量部未満であると耐候性が不足する場合があり、4.5重量部超であると意匠性骨材を隠蔽してしまう場合がある。本発明の水系塗材組成物に使用できる微粒子酸化チタンの市販品としては、TTO-55(D)(表面処理:水酸化ジルコニウム/水酸化アルミニウム、一次粒子径:30~50nm、石原産業株式会社製、商品名)があり、微粒子酸化亜鉛の市販品としては、FZO-50(一次粒子径:21nm、石原産業株式会社製、商品名)がある。
本発明の水系塗材組成物に使用する顔料としては微粒子酸化チタン及び/または微粒子酸化亜鉛の他に、カーボンブラック、酸化第二鉄(弁柄)、クロム酸鉛、黄鉛、黄色酸化鉄等の無機系顔料等が使用できる。また、白く着色するために粒径の大きい一般の酸化チタンや酸化亜鉛を使用してもよいが、前記の通り一般の酸化チタンや酸化亜鉛は意匠性骨材を隠蔽する場合があるため、配合量は少量に限られる。具体的には水系塗材組成物全体100重量部中3.0重量部未満であることが好ましい。
本発明の塗材仕上げ工法に使用する下塗材組成物を構成する顔料は、酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラック、酸化第二鉄(弁柄)、クロム酸鉛、黄鉛、黄色酸化鉄等の無機系顔料等が使用できるが、中でも酸化チタンは下地の隠蔽性に優れ、白色であるため隠蔽性を付与するための主たる顔料として使用することができる。該酸化チタンとしては一般の酸化チタンが使用でき、一次粒子径が200nm超のものが好ましい。配合量は下塗材組成物全体100重量部中0.5~5.0重量部が好ましく、0.5重量部未満では下地隠蔽性が不十分である場合があり、5.0重量部超では塗付作業性が不良となる場合がある。下塗材組成物が含む顔料が前記範囲であることにより下地が良好に隠蔽され、この上に塗材仕上げ組成物を塗付しても下地が透けることがなく、意匠性に優れる仕上げとすることができる。
<増粘剤>
本発明の水系塗材組成物、及び本発明の塗材仕上げ工法に使用する下塗材組成物を構成する増粘剤は、鏝塗り作業性や保水性の向上を目的として配合し、水溶性セルロースエーテル、ウレタン変性ポリエーテル、ポリカルボン酸等が使用できる。水溶性セルロースエーテルとしてはhiメトローズ90SH-15000(信越化学株式会社製、商品名)がある。増粘剤の配合量は各組成物全体100重量部中0.1~5.0重量部が好ましく、0.1重量部未満では十分な増粘効果が得られず塗付時にダレが生じて作業性が不良となる場合があり、5.0重量部超では鏝での塗付時に重たくなる場合があり、建築塗材用スプレーガンでの塗付時には詰まりが生じる場合がある。
<成膜助剤>
本発明の水系塗材組成物、及び本発明の塗材仕上げ工法に使用する下塗材組成物を構成する成膜助剤には、エマルジョンのポリマー粒子の融着を促進し、ポリマーによる均一な皮膜を形成させることを目的で配合し、エチレングリコールジエチルエーテル、ベンジルアルコール、ブチルセロソルブ、エステルアルコール等を使用することができる。成膜助剤の配合量は各組成物全体100重量部中0.5~10重量部が好ましく、0.5重量部未満では低温での成膜が不十分となる場合があり、10重量部超では塗材の表面に汚れが付着し易くなる場合がある。
本発明の水系塗材組成物、及び本発明の塗材仕上げ工法に使用する下塗材組成物には、上記の他に一般的に水系組成物に使用される消泡剤、防腐剤、分散剤、防藻防カビ剤、凍結防止剤を配合することが好ましい。
次に、本発明の塗材仕上げ組成物について説明する。
本発明の塗材仕上げ組成物は、上記説明により構成される水系塗材組成物と、意匠性骨材と、を含む組成物であり、該塗材仕上げ組成物を使用して種々の方法で仕上げられた建物の壁は石材調のテクスチュアとなる。
<意匠性骨材>
本発明の塗材仕上げ組成物を構成する意匠性骨材は、石材調の意匠を表すために配合し、ミジン砂、玉石、合成マイカ、寒水石、黒寒水石等を使用することができ、単独で使用しても良いが、粒径の異なる2種類以上のものを混合して使用すると、得られる意匠をより本物の石材に近づけることができる。意匠性骨材の粒径は平均粒径D50(重量による積算50%の粒径)が0.3~2.5mmであれば良く、0.3mm未満であると大部分の意匠性骨材が組成物に埋もれて石材調の意匠を再現することに貢献しない場合があり、2.5mm超であると塗付作業性が不良となる場合がある。
意匠性骨材の配合量は、水系塗材組成物100重量部に対して50~200重量部が好ましく、75~150重量部がより好ましい。50重量部未満では石材調の意匠が得られず、200重量部超では塗付作業性が不良となる場合があり、75重量部未満では厚く塗付して施工する必要のある意匠によっては石材調の凹凸感が得られない場合があり、150重量部超では冬季等の低温環境において塗付作業性が不良となる場合がある。
意匠性骨材の配合量や施工環境によっては塗材仕上げ組成物の粘度が高くなり塗付作業性が不良となる場合があるが、その際には水系塗材組成物100重量部に対して水を0重量部超、15重量部以下だけ配合して粘度を調整しても良い。
次に、本発明の塗材仕上げ工法について説明する。
本発明の塗材仕上げ工法は、モルタル下地、コンクリート下地、プレキャスト・コンクリートパネル(PCパネル)下地、オートクレーブ養生した軽量気泡コンクリートから成るパネル(ALCパネル)下地、窯業系サイディング下地、及び塗装下地等に実施することができ、該塗装下地としては、アクリル樹脂系、アクリルウレタン樹脂系、ポリウレタン樹脂系、フッ素樹脂系、シリコンアクリル樹脂系、酢酸ビニル樹脂系、エポキシ樹脂系などの塗装が挙げられる。十分な付着性を確保するために各下地に適したシーラーを塗付できるが、下地に直接本発明の塗材仕上げ工法に使用する下塗材組成物を塗付した際の下地との付着性が十分である場合は、シーラーは不要である。使用できるシーラーとしては、JS-800(水系アクリル樹脂シーラー、アイカ工業株式会社製、商品名)、JS-410(溶剤型塩化ゴム系下塗り材、アイカ工業株式会社製、商品名)、JS-90(水系アクリル樹脂系下塗り材、アイカ工業株式会社製、商品名)等が挙げられる。
本発明の塗材仕上げ工法に使用する下塗材組成物の塗付には鏝、ローラー、又は口径4~8mmの建築塗材用スプレーガンを使用することができる。塗装道具によっては塗付厚みが付かず下地隠蔽性が不足する場合があるが、その際には乾燥後続けて2回以上塗付すると良い。また、本発明の塗材仕上げ組成物の塗付には鏝、又は口径8~14mmの建築塗材用スプレーガンを使用することができる。鏝は厚みが0.3~0.7mmのステンレスから成る金鏝であると作業性良く塗付できるため好ましい。建築塗材用スプレーガンは口径のサイズによって吹付けられる組成物の粒の大きさが変化して得られる意匠が変化するため、所望の意匠を形成するのに適当な口径のサイズを適宜選択する。建築塗材用スプレーガンには重力式、吸い上げ式、圧送式等の種類があるが、本発明ではいずれも使用することができ、組成物の詰まりが生じにくい重力式が好ましい。勿論、組成物毎に定められる塗付量に作業性良く塗付できたり、所望の粒の大きさに組成物を吹付けられたりできるのであれば、他の塗装道具を使用できる。
前記の口径4~8mmの建築塗材用スプレーガンとしては、リシンガンやジュラクガン等を使用でき、吹き圧力は0.4~0.8MPaで施工するのが好ましい。また、前記の口径8~14mmの建築塗材用スプレーガンとしては、タイルガンやスタッコガン等を使用でき、吹き圧力は0.3~0.7MPaで施工するのが好ましい。
請求項3記載の塗材仕上げ工法は、下地の上に、若しくはシーラーを塗付した場合は乾燥させたその上に、上記説明により構成される下塗材組成物を鏝、ローラー、又は口径4~8mmの建築塗材用スプレーガンにて塗付量0.7~1.5kg/mで下地が透けて見えないように塗付して乾燥させ、続けて上記説明により構成される塗材仕上げ組成物をステンレスから成る金鏝にて塗付量3.0~4.0kg/mで塗付し、直ちに、塗付面全体を略平滑に押さえた後、乾燥させて仕上げるものである。本発明により、建物の壁を石材が切り出された際に表れるフラットで重厚感のあるテクスチュアに仕上げることができる。塗付面全体を押さえる際には該ステンレスから成る金鏝を円状に動かすと良い。
また、請求項4記載の塗材仕上げ工法は、下地の上に、若しくはシーラーを塗付した場合は乾燥させたその上に、上記説明により構成される下塗材組成物を鏝、ローラー、又は口径4~8mmの建築塗材用スプレーガンにて塗付量0.7~1.5kg/mで下地が透けて見えないように塗付して乾燥させ、続けて上記説明により構成される塗材仕上げ組成物を口径8~12mmの建築塗材用スプレーガンにて塗付量2.0~3.0kg/mで吹付け、乾燥させて仕上げるものである。本発明により、建物の壁を吹付けによるラフな表情と石材のボリュームや自然な風合いを感じられるテクスチュアに仕上げることができる。
前記口径8~12mmの建築塗材用スプレーガンとしては、タイルガンを使用するのが好ましい。
また、請求項5記載の塗材仕上げ工法は、下地の上に、若しくはシーラーを塗付した場合は乾燥させたその上に、上記説明により構成される下塗材組成物を鏝、ローラー、又は口径4~8mmの建築塗材用スプレーガンにて塗付量0.7~1.5kg/mで下地が透けて見えないように塗付して乾燥させ、続けて上記説明により構成される塗材仕上げ組成物を口径10~14mmの建築塗材用スプレーガンにて塗付量3.0~4.0kg/mで吹付け、直ちに、ステンレスから成る金鏝を略横方向に動かしながら塗付面の凸部を5~50cmの間隔で繰り返しランダムに略平滑に押さえた後、乾燥させて仕上げるものである。本発明により、建物の壁を、大理石のトラバーチンが切り出された際に表れる、フラットな面にトラバーチンの特徴である多数の微細な空隙が散在しているテクスチュアに仕上げることができる。
前記口径10~14mmの建築塗材用スプレーガンとしては、スタッコガンを使用するのが好ましい。
また、請求項6記載の塗材仕上げ工法は、下地の上に、若しくはシーラーを塗付した場合は乾燥させたその上に、上記説明により構成される下塗材組成物を鏝、ローラー、又は口径4~8mmの建築塗材用スプレーガンにて塗付量0.7~1.5kg/mで下地が透けて見えないように塗付して乾燥させ、続けて上記説明により構成される塗材仕上げ組成物をステンレスから成る金鏝にて塗付量3.0~4.0kg/mで塗付し、直ちに、表面に深さ1~5mm、幅2~8mmの複数の起伏を有する模様付けローラーを一方向にのみ転動させて深さ1~5mm、長さ10~200mm、幅2~8mmの起伏を形成した後、乾燥させて仕上げるものである。本発明により、建物の壁を石材の表面仕上げ方法の一つである小叩き仕上げ調のテクスチュアに仕上げることができる。
前記模様付けローラーとは、表面に深さ1~5mm、幅2~8mmの複数の起伏を有するものであり、未硬化の塗材仕上げ組成物の塗付面に一方向にのみ転動させることで深さ1~5mm、長さ10~200mm、幅2~8mmの起伏を形成することができる。該模様付けローラーとしては例えばJR-197(アイカ工業株式会社製、商品名、図5)が使用できる。該模様付けローラーを使用する際には、模様付けローラーへの組成物の付着を防ぐために、模様付けローラー及び/又は塗付した塗材仕上げ組成物の表面に転写液を散布することが好ましい。転写液としては例えばJT-180N(主成分:イソパラフィン、アイカ工業株式会社製、商品名)が使用でき、霧吹きに入れて散布すると扱い易く、散布量の目安としては0.02~0.08kg/mが好ましい。
また、請求項7記載の塗材仕上げ工法は、下地の上に、若しくはシーラーを塗付した場合は乾燥させたその上に、上記説明により構成される下塗材組成物を鏝、ローラー、又は口径4~8mmの建築塗材用スプレーガンにて塗付量0.7~1.5kg/mで下地が透けて見えないように塗付して乾燥させ、続けて上記説明により構成される塗材仕上げ組成物をステンレスから成る金鏝にて塗付量3.0~4.0kg/mで塗付し、直ちに、表面に深さ4~10mm、幅2~40mmの複数の凹凸を有する模様付けローラーを転動させて深さ4~10mmの凹凸を形成した後、乾燥させて仕上げるものである。本発明により、建物の壁を石材の表面仕上げ方法の一つであるビシャン仕上げ調のテクスチュアに仕上げることができる。
前記模様付けローラーとは、表面に深さ4~10mm、幅2~40mmの複数の凹凸を有するものであり、未硬化の塗材仕上げ組成物の塗付面に転動させることで深さ4~10mmの凹凸を形成することができる。該模様付けローラーとしては例えばJR-198(アイカ工業株式会社製、商品名、図7)が使用できる。該模様付けローラーを使用する際には、模様付けローラーへの組成物の付着を防ぐために、模様付けローラー及び/又は塗付した塗材仕上げ組成物の表面に転写液を散布することが好ましい。転写液としては例えばJT-180N(主成分:イソパラフィン、アイカ工業株式会社製、商品名)が使用でき、霧吹きに入れて散布すると扱い易く、散布量の目安としては0.02~0.08kg/mが好ましい。
以下、実施例及び比較例にて具体的に説明する。
<下塗材組成物>
アクリル樹脂系エマルジョンとしてアクロナールYJ6235D(固形分:55%、樹脂のガラス転移温度:6℃、スチレン、アクリル酸エステルの共重合体、BASF社製、商品名)を30重量部と、充填材として重質炭酸カルシウムBF200S(平均粒径D50:5μm、備北粉化工業株式会社製、商品名)を10重量部と、骨材として重質炭酸カルシウムK-250(平均粒径D50:200μm、旭鉱末株式会社製、商品名)を35重量部と、顔料として一般の酸化チタンであるTi-Pure R-960(平均粒径D50:500nm、ケマーズ社製、商品名)を2.5重量部と、増粘剤として水溶性セルロースエーテルhiメトローズ90SH-15000(信越化学株式会社製、商品名)を1.0重量部と、成膜助剤としてテキサノールCS-12(チッソ株式会社製、商品名)を1.5重量部と、水を15重量部と、水系組成物用の市販品の消泡剤及び分散剤を合計5.0重量部と、を均一に混合分散させて下塗材組成物とした。
<水系塗材組成物>
表1の配合に従って、実施例及び比較例の水系塗材組成物を作製した。表1において、アクリル樹脂系エマルジョンはアクロナール7059(固形分:55%、樹脂のガラス転移温度:30℃、スチレン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルの共重合体、BASF社製、商品名)を使用し、充填材は硅砂粉#300(平均粒径D50:25μm、株式会社トウチュウ製、商品名)を使用し、骨材は東北硅砂7号(比重:1.5、平均粒径D50:150μm、東北硅砂株式会社製、商品名)を使用し、顔料は微粒子酸化チタンとしてTTO-55(D)(一次粒子径:30~50nm、石原産業株式会社製、商品名)を、微粒子酸化亜鉛としてFZO-50(一次粒子径:21nm、石原産業株式会社製、商品名)を、一般の酸化チタンとしてチタンハクR-820(一次粒子径:260nm、石原産業株式会社製、商品名)を使用し、増粘剤は水溶性セルロースエーテルhiメトローズ90SH-15000(信越化学株式会社製、商品名)を使用し、成膜助剤はテキサノールCS-12(チッソ株式会社製、商品名)を使用した。この他には消泡剤及び分散剤を添加したが、これらは水系塗材組成物用の市販品より適宜選択されるものを使用した。これらの原料を均一に混合分散させ、実施例及び比較例の水系塗材組成物とした。
<塗材仕上げ組成物>
上記実施例及び比較例の水系塗材組成物に、意匠性骨材と、水と、を重量比100:100:10で混合して塗材仕上げ組成物とし、評価に供した。本評価に用いる該意匠性骨材としては、ミジン砂(平均粒径D50:2厘、山川産業株式会社製、商品名)を50重量部と、玉石(桃山)(平均粒径D50:7厘、エスケー鉱産株式会社製、商品名)を12重量部と、玉石(紅サンゴ)(平均粒径D50:5厘、仲須砕石工業株式会社製、商品名)を35重量部と、合成マイカ(平均粒径D50:5mm、株式会社ヤマグチマイカ製、商品名)を1.5重量部と、黒寒水石(平均粒径D50:3厘、新東陶料株式会社製、商品名)を1.5重量部と、を混合して使用した。尚、1厘は0.303mmに相当する。
<評価方法>
上記の実施例及び比較例について、以下の評価を行った。尚、特に記載のない限り、試験体の作製、養生、評価試験は23℃、50%RHの環境下にて行った。
<意匠性>
下地としてJISA 5430規定のフレキシブルボード(150×210mm、厚さ10mm)を使用し、請求項3記載の塗材仕上げ工法にて評価することとし、シーラーとして水系アクリル樹脂シーラーJS-800(固形分:17.4重量%、アイカ工業株式会社製、商品名)を塗付量0.1kg/mで塗布して6時間養生し、乾燥後、下塗材組成物を塗付量1.0kg/mで塗付し、18時間養生し、続いて、実施例及び比較例の水系塗材組成物を含む塗材仕上げ組成物を鏝にて塗付量4.0kg/mで塗付し、直ちに該鏝を円状に動かして塗付面全体を略平滑に押さえ、24時間養生した。意匠性骨材が鮮明に視認できて石材が切り出された際に表れるフラットで重厚感のあるテクスチュアに仕上がっているものを○と、意匠性骨材が少し隠蔽されているものの該テクスチュアに仕上がっているものを△と、意匠性骨材が隠蔽されて視認できないものを×と評価した。実施例1の水系塗材組成物を使用して仕上げた塗膜表面の状態が図1である。
<下地追従性>
下地としてJIS A 5430規定のフレキシブルボード(100×100mm、厚さ10mm)を使用し、該下地2枚の木口同士を突き付け、その裏面を養生テープで仮止めした。下地表面にシーラーとして水系アクリル樹脂シーラーJS-800(固形分:17.4重量%、アイカ工業株式会社製、商品名)を塗付量0.1kg/mで塗布して6時間養生し、乾燥後、下塗り材組成物を塗付量1.0kg/mで塗付し、18時間養生し、続いて、実施例及び比較例の水系塗材組成物を含む塗材仕上げ組成物を塗付量4.0kg/mで塗付し、14日間養生して試験体とした。試験体裏面の仮止めの養生テープをはがし、万能試験機(インストロン社製)にて、試験体の両端を2mm/分で引張り、突きつけ部の塗膜にピンホールが発生した時の距離が0.5mm以上のものを○と、0.5mm未満のものを×と評価した。
<耐候性>
下地としてJIS A 5430規定のフレキシブルボード(70×70mm、厚さ8mm)を使用し、シーラーとして水系アクリル樹脂シーラーJS-800(固形分:17.4重量%、アイカ工業株式会社製、商品名)を塗付量0.1kg/mで塗布して6時間養生し、乾燥後、下塗り材組成物を塗付量1.0kg/mで塗付し、18時間養生し、続いて、実施例及び比較例の水系塗材組成物を含む塗材仕上げ組成物を塗付量4.0kg/mで塗付し、7日間養生して試験体とした。尚、色の変化を観察しやすくするために塗材仕上げ組成物はアンバー色に着色することとし、該塗材仕上げ組成物100重量部に、AMJ8800(ベンガラ系水系トナー、大日精化工業株式会社製、商品名):AMJ8150(オーカー系水系トナー、大日精化工業株式会社製、商品名):AMI9700(カーボンブラック系水系トナー、大日精化工業株式会社製、商品名)を4:1:1の配合比で混合したものを1重量部加えて均一に撹拌し、これを使用して前記の試験体を作製した。試験体は2体ずつ作製し、このうち1体を紫外線耐候性試験機(EYESUPER UV TESTER SUV-W161、メタルハライドランプ、岩崎電気株式会社製)に供して試験を行った。UV照射条件は、温度50℃、湿度50%RHで24時間UV照射し、その後、湿度99%RHで24時間UV未照射にて試験体表面を結露させ、これを1サイクルとし、トータルで500時間試験に供した。試験実施後の塗膜ともう一体のUV未照射塗膜との色差(ΔE)を色彩色差計(CM-2600d、コニカミノルタセンシング株式会社製)にて測定し、ΔEが1.0以下のものを○と、ΔEが1.0超、3.0以下のものを△と、ΔEが3.0超のものを×と評価した。
<耐汚染性>
下地としてJIS A 5430規定のフレキシブルボード(80×265mm、厚さ4mm)を使用し、シーラーとして水系アクリル樹脂シーラーJS-800(固形分:17.4重量%、アイカ工業株式会社製、商品名)を塗付量0.1kg/mで塗布して6時間養生し、乾燥後、下塗り材組成物を塗付量1.0kg/mで塗付し、18時間養生し、続いて、実施例及び比較例の水系塗材組成物を含む塗材仕上げ組成物を塗付量4.0kg/mで塗付し、7日間養生して試験体とした。試験体は2体ずつ作製し、そのうちの一体を水平面に対して70度の角度で縦長状に設置した。当該試験体の塗膜面の上部から高さ300mmの位置には、水平面に対して10度の角度で設置された波板(波の幅32mm、長さ500mm)の下端部を配設させ、波板の波底部を流下してくる雨水が、試験体の塗膜上部に落下し、当該雨水が試験体の塗膜下部に自重で流下するようにした。この条件で3ヶ月間屋外に暴露し、雨水によって汚れた塗膜部分と、暴露していないもう一体の試験体塗膜との色差(ΔE)を色彩色差計(CM-2600d、コニカミノルタセンシング株式会社製)にて測定し、当該色差を耐汚染性として評価した。ΔEが1未満のものを○と、1以上3未満のものを△と、3以上のものを×と評価した。
<塗材仕上げ工法の評価>
下地としてJIS A 6901相当の石膏ボード(厚さ12mm)にシーラーとして水系アクリル樹脂シーラーJS-800(固形分:17.4重量%、アイカ工業株式会社製、商品名)を塗付量0.1kg/mで塗布して6時間養生して乾燥させた。この上に、下塗り材組成物、及び上記実施例1の水系塗材組成物を配合した塗材仕上げ組成物を用い、請求項3から請求項7記載の塗材仕上げ工法を実施して仕上げた。請求項3記載の塗材仕上げ工法によって仕上げられた塗膜表面が図1であり、石材が切り出された際に表れるフラットで重厚感のあるテクスチュアに仕上げられていた。また、請求項4記載の塗材仕上げ工法によって仕上げられた塗膜表面が図2であり、吹付けによるラフな表情と石材のボリュームや自然な風合いを感じられるテクスチュアに仕上げられていた。また、請求項5記載の塗材仕上げ工法によって仕上げられた塗膜表面が図3であり、大理石のトラバーチンが切り出された際に表れる、フラットな面にトラバーチンの特徴である多数の微細な空隙が散在しているテクスチュアに仕上げられていた。また、請求項6記載の塗材仕上げ工法によって仕上げられた塗膜表面が図4であり、石材の表面仕上げ方法の一つである小叩き仕上げ調のテクスチュアに仕上げられていた。また、請求項7記載の塗材仕上げ工法によって仕上げられた塗膜表面が図6であり、石材の表面仕上げ方法の一つであるビシャン仕上げ調のテクスチュアに仕上げられていた。
<評価結果>
塗材仕上げ工法の評価以外の評価項目に関する評価結果を表2に示す。


Claims (7)

  1. アクリル樹脂系エマルジョンと、充填材と、骨材と、顔料と、増粘剤と、成膜助剤と、を含む組成物であって、
    顔料は一次粒子径が10~100nmである微粒子酸化チタン及び/または微粒子酸化亜鉛を含み、微粒子酸化チタン及び/または微粒子酸化亜鉛の総量は組成物全体100重量部中0.5~4.5重量部であることを特徴とする水系塗材組成物。
  2. 請求項1記載の水系塗材組成物と、意匠性骨材と、を含み、
    意匠性骨材の粒径は0.3~2.5mmであり、配合量は水系塗材組成物100重量部に対して50~200重量部であることを特徴とする塗材仕上げ組成物。
  3. 下地に必要によりシーラーを塗付して乾燥させ、
    この上に、アクリル樹脂系エマルジョンと、充填材と、骨材と、顔料と、増粘剤と、成膜助剤と、を含み、顔料の配合量は組成物全体100重量部中0.5~5.0重量部であることを特徴とする下塗材組成物を、塗付量0.7~1.5kg/mで塗付して乾燥させ、
    この上に、請求項2記載の塗材仕上げ組成物を、鏝にて塗付量3.0~4.0kg/mで塗付し、
    直ちに、塗付面全体を略平滑に押さえた後、乾燥させて仕上げることを特徴とする塗材仕上げ工法。
  4. 下地に必要によりシーラーを塗付して乾燥させ、
    この上に、アクリル樹脂系エマルジョンと、充填材と、骨材と、顔料と、増粘剤と、成膜助剤と、を含み、顔料の配合量は組成物全体100重量部中0.5~5.0重量部であることを特徴とする下塗材組成物を、塗付量0.7~1.5kg/mで塗付して乾燥させ、
    この上に、請求項2記載の塗材仕上げ組成物を、口径8~12mmの建築塗材用スプレーガンにて塗付量2.0~3.0kg/mで吹付けた後、乾燥させて仕上げることを特徴とする塗材仕上げ工法。
  5. 下地に必要によりシーラーを塗付して乾燥させ、
    この上に、アクリル樹脂系エマルジョンと、充填材と、骨材と、顔料と、増粘剤と、成膜助剤と、を含み、顔料の配合量は組成物全体100重量部中0.5~5.0重量部であることを特徴とする下塗材組成物を、塗付量0.7~1.5kg/mで塗付して乾燥させ、
    この上に、請求項2記載の塗材仕上げ組成物を、口径10~14mmの建築塗材用スプレーガンにて塗付量3.0~4.0kg/mで吹付けた後、
    直ちに、鏝を略横方向に動かしながら塗付面の凸部を5~50cmの間隔で繰り返しランダムに略平滑に押さえた後、乾燥させて仕上げることを特徴とする塗材仕上げ工法。
  6. 下地に必要によりシーラーを塗付して乾燥させ、
    この上に、アクリル樹脂系エマルジョンと、充填材と、骨材と、顔料と、増粘剤と、成膜助剤と、を含み、顔料の配合量は組成物全体100重量部中0.5~5.0重量部であることを特徴とする下塗材組成物を、塗付量0.7~1.5kg/mで塗付して乾燥させ、
    この上に、請求項2記載の塗材仕上げ組成物を、鏝にて塗付量3.0~4.0kg/mで塗付した後、
    直ちに、表面に深さ1~5mm、長さ10~200mm、幅2~8mmの複数の起伏を有する模様付けローラーを一方向にのみ転動させて深さ1~5mm、長さ10~200mm、幅2~8mmの起伏を形成した後、乾燥させて仕上げることを特徴とする塗材仕上げ工法。
  7. 下地に必要によりシーラーを塗付して乾燥させ、
    この上に、アクリル樹脂系エマルジョンと、充填材と、骨材と、顔料と、増粘剤と、成膜助剤と、を含み、顔料の配合量は組成物全体100重量部中0.5~5.0重量部であることを特徴とする下塗材組成物を、塗付量0.7~1.5kg/mで塗付して乾燥させ、
    この上に、請求項2記載の塗材仕上げ組成物を、鏝にて塗付量3.0~4.0kg/mで塗付した後、
    直ちに、表面に深さ4~10mm、幅2~40mmの複数の凹凸を有する模様付けローラーを転動させて深さ4~10mmの凹凸を形成した後、乾燥させて仕上げることを特徴とする塗材仕上げ工法。

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