JP2023104462A - 膜厚測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】金型の表面に塗布された塗布剤の膜厚等の塗布状態を簡易に測定することが可能な膜厚測定装置を提供すること。【解決手段】膜厚測定装置100は、塗布剤を塗布することにより塗膜1が形成された金型Mの表面を撮像して撮像画像を生成する撮像部20と、撮像画像に関心領域Rを設定する領域設定部31と、関心領域Rの輝度を算出する輝度算出部32と、予め設定された輝度と膜厚との関係を示す膜厚テーブルを参照して関心領域Rの輝度に対応する塗膜1の膜厚を算出する膜厚算出部33と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は膜厚測定装置に関し、特に金型の表面に塗布された塗布剤の膜厚を測定する膜厚測定装置に関する。
成形用金型の表面には、潤滑剤等の塗布剤が塗布される場合がある。このように金型に塗布された塗布剤(塗膜)の膜厚を測定する技術として、特許文献1には、金型上の塗布剤の膜厚測定方法が開示されている。
特許文献1に記載の技術は、赤外線画像装置及び2色放射温度計を用いて放射率を求める。2色放射温度計を用いることで、放射率の影響を受けずに鍛造型上の潤滑剤の測定対象ポイントにおける温度が求まるので、測定対象ポイントの温度の検出精度が向上し、当該温度を真値として黒体放射輝度を算出する。この黒体放射輝度と赤外線画像装置が得た測定対象ポイントにおける放射輝度とから測定対象ポイントにおける放射率を求め、この放射率を、予め設定された鍛造型上の潤滑剤の放射率-膜厚特性に適用して潤滑剤の膜厚を求めるので、放射率を考慮した膜厚検出が行われる。このため、放射率の影響を受けるにも拘らずその影響が考慮されずに膜厚を算出する従来技術に比べて、良好な精度を持って潤滑剤の膜厚を検出できることが記載されている。
特開2005-188994号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、使用する計測機器の点数が多く、且つ、測定ポイントを複数の計測機器で測定するため、演算処理が複雑化して処理時間が長くなるという問題があった。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、金型の表面に塗布された塗布剤の膜厚等の塗布状態を簡易に測定することが可能な膜厚測定装置を提供することを目的とするものである。
一実施の形態にかかる膜厚測定装置は、塗布剤を塗布することにより塗膜が形成された金型の表面を撮像して撮像画像を生成する撮像部と、撮像画像に関心領域を設定する領域設定部と、関心領域の輝度を算出する輝度算出部と、予め設定された輝度と膜厚との関係を示す膜厚テーブルを参照して関心領域の輝度に対応する塗膜の膜厚を算出する膜厚算出部と、を有する。
本発明により、金型の表面に塗布された塗布剤の膜厚等の塗布状態を簡易に測定することが可能な膜厚測定装置を提供することができる。
実施の形態1にかかる膜厚測定装置により塗膜の膜厚等の塗布状態を測定する様子を示す図である。 可視化された撮像画像の一例を示す図である。 図1に示す膜厚測定装置の動作を示すフローチャートである。
実施の形態1
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。また、説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜、簡略化されている。図中に示したものは、全体の一部であり、図示しないその他の構成が実際には多く含まれる。さらに、以下の説明において同一又は同等の要素には、同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図1~図3を参照して、本実施形態にかかる膜厚測定装置について説明する。例えば、鋳造、ダイカスト、鍛造等に用いられる成形用の金型Mの表面(塗布剤が塗布される塗布面)に、離型剤、潤滑剤等の塗布剤を塗布することにより、焼付き、カジリ等を抑制し、製品品質の向上を図ることができる。本実施形態にかかる膜厚測定装置によれば、金型Mの表面に塗布された塗布剤により形成される塗膜1の膜厚等の塗布状態を簡易に測定することが可能である。なお、本実施形態において、金型Mの表面上の塗膜1は、潤滑剤(塗布剤)により形成されている。
本実施形態にかかる膜厚測定装置100は、金型Mの表面上の塗膜1について膜厚等の塗布状態を画像解析により評価するものである。まず、図1を参照して、膜厚測定装置100の構成を説明する。図1は、実施の形態1にかかる膜厚測定装置により塗膜の膜厚等の塗布状態を測定する様子を示す図である。図1には、膜厚測定装置100により一対の金型Mの一方の表面上の塗膜1について膜厚等の塗布状態を測定する様子を例示している。
図1に示すように、膜厚測定装置100は、金型Mの近傍に配置された撮像部20と、撮像部20に電気的に接続された処理部30と、処理部30に電気的に接続された入出力部40と、を有している。
撮像部20は、金型Mの表面における撮像範囲10を撮像可能な位置に設置されている。撮像部20は、撮像範囲10を撮像して撮像範囲10の撮像画像を生成し、生成した撮像画像を処理部30に出力する。撮像部20は、例えば撮像素子及びレンズを含むCCD(Charge-Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)センサ等である。撮像部20により生成される撮像画像は、各測定点(画素)に少なくとも輝度情報(輝度値)を格納した画像である。
処理部30は、撮像部20から取得した撮像画像に基づいて塗膜1の膜厚等の塗布状態を測定する処理を行なう。処理部30は、領域設定部31と、輝度算出部32と、膜厚算出部33と、記憶部34と、を有している。
領域設定部31は、撮像画像に関心領域R(Region of Interest;ROI)を設定する。関心領域Rは、撮像画像の全体又は一部に設定される。ここで、図2は、可視化された撮像画像の一例を示す図である。例えば、図2に示す金型Mの表面上の複数箇所に塗膜1が付着している。図2に示す関心領域Rのそれぞれは、塗膜1を含む特定の領域である。
関心領域Rは、ユーザが入出力部40を介して膜厚測定装置100に入力した操作に基づいて設定する(ユーザが手動で設定する)ことができる。手動で設定する場合、ユーザが所望する領域を関心領域Rとして設定することができる。関心領域Rは、金型Mの摩耗量や離型成否等による塗布剤の付着量変動の影響を受ける部位を選定し、設定することが好ましい。
輝度算出部32は、領域設定部31が設定した関心領域Rの輝度を算出する。本実施形態において関心領域Rの輝度は、関心領域Rに含まれる複数の測定点の輝度の平均値を用いる。関心領域Rの輝度は、関心領域Rの最大輝度又は最低輝度を用いてもよい。
膜厚算出部33は、記憶部34から膜厚テーブルを読み出し、読み出した膜厚テーブルを参照して輝度算出部32により算出された関心領域Rの輝度に対応する塗膜1の膜厚を算出(推定)する。膜厚テーブルは、予め設定された輝度と膜厚との関係を示すものである。膜厚テーブルを参照することにより、輝度を画像化した撮像画像を直接目視したり画像解析したりすることによって、膜厚を簡易に測定することが可能となる。
膜厚テーブルは、金型M及びその表面に塗布された塗布剤を対象にした実験的な計測・解析結果に基づいて定めることができる。例えば、型材で作製されたテストピースをホットプレートで熱した後、塗布剤を塗布し、一定の金型温度において膜厚計により測定される膜厚と、この測定された膜厚に対応して得られる輝度を求めるようにするとよい。膜厚テーブルは、理論計算等に基づいて定めてもよい。
膜厚テーブルは、例えば、輝度と膜厚との関係を数値的又は視覚的に示したものである。このような膜厚テーブルとして、輝度に応じて段階的に膜厚を把握することが可能なもの(例えば、輝度値に応じた濃淡を示す画像)や、輝度に応じた膜厚を連続的に把握することが可能なもの(例えば、検量線)が挙げられる。
図2に示す例では、塗布剤は、塗膜1の膜厚が大きくなるにしたがって(塗布剤の塗布量が多くなるにしたがって)、輝度が高くなる。一方、塗布剤は、塗膜1の膜厚が小さくなるにしたがって(塗布剤の塗布量が少なくなるにしたがって)、輝度が低くなる。すなわち、金型温度が一定である場合、撮像画像を用いて輝度算出部32により算出される関心領域Rの輝度は、膜厚に比例して高くなる傾向を有する。
したがって、輝度と膜厚との関係を示す膜厚テーブルを作成し、当該膜厚テーブルを参照して各関心領域Rの輝度に基づき、関心領域R毎の塗膜1の膜厚を推定することができる。また、例えば膜厚テーブルの輝度に閾値を設け、関心領域Rの輝度が閾値未満の値を示す場合に塗膜1が形成されていないと判定するように構成することもできる。これにより、関心領域R内の塗膜1の有無を確認することが可能となる。
なお、塗膜1の膜厚と輝度との関係性は、塗布剤の種類によって異なるものであるため上記に限定されない。例えば、塗膜1の膜厚が大きくなるにしたがって、輝度が低くなる塗布剤であってもよい。
入出力部40は、例えば、キーボード、マウス、テンキー、ボタン等の物理キーや、ディスプレイと一体化されたタッチパネル等の入力手段、及び液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等の出力手段によって構成される。
入出力部40は、膜厚測定装置100の操作に係る種々の情報及び指示等を処理部30に入力したり、撮像画像等の各種画像情報、膜厚測定装置100による測定結果等を出力したりする。関心領域Rを手動で設定する場合、ユーザは、入出力部40を介して関心領域Rを設定するための条件を膜厚測定装置100に入力することができる。
記憶部34は、撮像画像等の各種画像情報や、処理部30の演算処理過程で得られた処理データ等の各種データ、膜厚測定装置100による計測結果等を記憶する。また、記憶部34には、膜厚テーブルが予め記憶されている。膜厚テーブルは、膜厚測定装置100において膜厚を算出する処理を行なうまでに予め記憶部34に記憶しておく。記憶部34は、HDD(Hard Disk Drive)等の各種の記憶媒体を用いることができる。
処理部30は、例えばコンピュータとしての機能を有する。処理部30は、互いにバスを介して接続されたCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及び入出力ポート(I/O)等により実現される。CPUは、制御処理及び演算処理等を行う処理デバイスとしての機能を有する。ROMは、CPUによって実行される各種プログラム等を記憶するための機能を有する。RAMは、処理データ等を一時的に記憶するための機能を有する。そして、CPUは、ROMに記憶されている各種プログラムを読み出してRAMに展開し、展開されたプログラムに従って各種処理を実行し、膜厚測定装置100における各部の動作を制御する。
次に、上記の膜厚測定装置100を用いた膜厚測定方法について説明する。そこで、図3は、図1に示す膜厚測定装置用いた膜厚測定方法を示すフローチャートである。図3に示すように、膜厚測定方法は、ステップS1~S3の工程を有する。
ステップS1は、塗布剤を塗布することにより塗膜1が形成された金型Mの表面を撮影装置により撮像して撮像画像を生成する。このステップでは、撮像部20が、撮像範囲10を撮像することにより撮像画像を生成した後、生成した撮像画像を処理部30に出力する。
ステップS2は、撮像画像に関心領域Rを設定する。このステップでは、領域設定部31が、撮像部20から取得した撮像画像に関心領域Rを設定する。また、撮像部20から取得した撮像画像や関心領域Rに関する情報を記憶部34に記憶する処理を行ってもよく、入出力部40に出力する処理を行ってもよい。
ステップS3は、関心領域Rの輝度を算出する。このステップでは、輝度算出部32が、領域設定部31により設定された関心領域Rに含まれる各測定点の輝度を読み取り、読み取った各測定点の輝度の平均値として関心領域Rの輝度を算出する。また、算出された関心領域Rの輝度に関する情報を記憶部34に記憶する処理を行ってもよく、入出力部40に出力する処理を行ってもよい。
ステップS4は、予め設定された輝度と膜厚との関係を示す膜厚テーブルを参照して関心領域Rの輝度に対応する塗膜1の膜厚を算出する。このステップでは、膜厚算出部33が、記憶部34か読み出した膜厚テーブルと輝度算出部32により算出された関心領域Rの輝度とに基づいて当該関心領域Rの輝度に対応する塗膜1の膜厚を算出する。
以上のフローにより、金型Mの表面に塗布された塗布剤(塗膜1)の膜厚等の塗布状態を測定することができる。膜厚測定装置100により算出された膜厚の測定結果は、必要に応じて、記憶部34に記憶されるとともに、入出力部40に表示される。
以上、本実施形態にかかる膜厚測定装置100について説明した。ここで、例えば特許文献1に記載の技術では、使用する計測機器の点数が多いため、量産ラインへの適用には不向きであるという問題がある。計測機器の点数が多くなる要因として、膜厚の測定精度の向上を図るために赤外線画像装置に加えて放射温度計を用いる必要があることが挙げられる。
また、特許文献1に記載の技術では、膜厚を測定するための処理時間が長くなる。そのため、量産ラインのサイクルタイム内で膜厚を測定するための一連の処理を行うことが困難であるという問題がある。処理時間が長くなる要因として、測定ポイントを複数の計測機器で測定するため演算処理が複雑化することや、赤外線画像から膜厚を測定する方式を採用していること等が挙げられる。
このような問題に対して、本実施形態にかかる膜厚測定装置100は、塗布剤を塗布することにより塗膜1が形成された金型Mの表面を撮像して撮像画像を生成する撮像部20と、撮像画像に関心領域Rを設定する領域設定部31と、関心領域Rの輝度を算出する輝度算出部32と、予め設定された輝度と膜厚との関係を示す膜厚テーブルを参照して関心領域Rの輝度に対応する塗膜1の膜厚を算出する膜厚算出部33と、を有する。
本実施形態にかかる膜厚測定装置100を用いれば、1台の撮像部20で膜厚の測定が可能であるため、複数の計測機器を用いて膜厚を測定する場合と比べて計測機器の点数を減らすことができる。これにより、装置のコンパクト化を図ることができる。したがって、量産ラインへの適用に有利である。
また、本実施形態にかかる膜厚測定装置100では、撮像画像中の関心領域Rの輝度を算出し、予め設定された膜厚テーブルと関心領域Rの輝度とに基づく簡素な演算処理により膜厚を算出することができるため、データ出力や演算処理等に要する処理時間を短縮することができる。したがって、迅速な処理が求められる量産ラインへの適用に有利である。
本実施形態にかかる膜厚測定装置100によれば、塗膜1の膜厚等の塗布状態を簡易に測定することが可能である。
1 塗膜
10 撮像範囲
20 撮像部
30 処理部
31 領域設定部
32 輝度算出部
33 膜厚算出部
34 記憶部
40 入出力部
100 膜厚測定装置
M 金型
R 関心領域

Claims (1)

  1. 塗布剤を塗布することにより塗膜が形成された金型の表面を撮像して撮像画像を生成する撮像部と、
    前記撮像画像に関心領域を設定する領域設定部と、
    前記関心領域の輝度を算出する輝度算出部と、
    予め設定された輝度と膜厚との関係を示す膜厚テーブルを参照して前記関心領域の輝度に対応する前記塗膜の膜厚を算出する膜厚算出部と、
    を有する膜厚測定装置。
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