JP2023104450A - 半導体ウエハ表面の平坦化方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 半導体の高密度化に対応し、半導体ウエハの表面をより精密に平坦化できる、半導体ウエハの平坦化方法の提供。【解決手段】 半導体ウエハにレーザを照射し、照射位置において上記半導体ウエハの表面を溶融させることと、上記照射位置において、上記表面を平坦化する方向にローレンツ力が働くよう、上記照射位置に磁界を印加し、かつ、上記磁界に対する上記半導体ウエハの相対的な位置を移動させることと、を含む、半導体ウエハ表面の平坦化方法。【選択図】図1
Description
本発明は、半導体ウエハの加工変質層である表面欠陥の修復と表面粗さ、うねり、エッチピット等の平坦化をレーザ熱処理により行う平坦化方法に関する。
従来、半導体デバイス等の製作に使用されるシリコンウエハ等の半導体ウエハは、切削・研削・ラッピング・ポッリシング等の機械加工プロセスによって表面加工が行われていた。しかし、その表面及び内部は、加工変質層が形成され、一部の加工変質層には、マイクロクラック(微小亀裂)が含まれる。この内部クラック等の除去は、主にエッチングや化学機械研磨(CMP)等の化学的・機械的方法により行われている。
このような粗さの平坦化の方法として、特許文献1には、「レーザ熱処理を用いたウエハエッジ部の改質方法であって、レーザ光を反射して、側面がくの字状に組み合わされ凹面鏡となる円弧型であるミラーへ導くポリゴンミラーと、断面形状が平凸型で上面から見て曲面形状となった3次元曲面体であり、前記ミラーで反射した前記レーザ光をノッチ部へ集光する集光レンズと、を備えた光学系を用いて、前記ポリゴンミラーを回転させることで前記ノッチ部へ前記レーザ光を走査して照射し、前記ノッチ部の結晶方位に対応した累積照射エネルギを決定して前記レーザ光を前記照射することを特徴とするウエハエッジ部の改質方法。」が記載されている。
特許文献1に記載の改質方法は、優れた性能を有しており、レーザの照射条件を適切に定めることによって、研削加工による研削痕等のダメージの修復、平坦化処理を行うことが可能だった。
しかし、パワー半導体は近年、特にパッケージの小型化が進み、半導体の面積当たりの消費電力が増加し、密度が高まっており、より高品質が求められている。そのため、半導体ウエハの表面は、より平坦となっていることが求められてきており、十数ナノメートル以下の極微小なうねり、粗さ状態となっていることが要求されるようになってきている。
しかし、パワー半導体は近年、特にパッケージの小型化が進み、半導体の面積当たりの消費電力が増加し、密度が高まっており、より高品質が求められている。そのため、半導体ウエハの表面は、より平坦となっていることが求められてきており、十数ナノメートル以下の極微小なうねり、粗さ状態となっていることが要求されるようになってきている。
特許文献1に記載の方法は、高性能であったものの、好ましくない表面形状である極微小なうねり、粗さを十数ナノメートル以下に平坦化させるには、必ずしも十分ではなく、改善の余地が残されていた。特に、レーザ照射のみによってこの微小なうねり等を平坦化させようとすると、表面張力による対流等により溶融固化後の表面に、更にうねり等が生じたり、うねりが残存したりする場合があった。つまり、十数ナノメートルオーダーの極めて平坦化された表面を得るには、従来技術の延長、すなわち、レーザ照射の条件を精緻に調整する等の方法だけでは、到達しえない隔たりがあった。
そこで、本発明の課題は、上記従来技術の課題を解決し、半導体の高密度化に対応し、半導体ウエハの表面をより精密に平坦化できる、半導体ウエハの平坦化方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、以下の構成により上記課題を解決することができることを見出した。
[1] 半導体ウエハにレーザを照射し、照射位置において上記半導体ウエハの表面を溶融させることと、上記照射位置において、上記表面を平坦化する方向にローレンツ力が働くよう、上記照射位置に磁界を印加し、かつ、上記磁界に対する上記半導体ウエハの相対的な位置を移動させることと、を含む、半導体ウエハ表面の平坦化方法。
[2] レーザ照射前の上記表面の形状測定を行い、マッピング情報を得ることと、上記磁界の方向、上記照射位置、及び、上記移動の方向からなる群より選択される少なくとも1種を、上記マッピング情報に基づき決定することと、を更に含む、[1]に記載の平坦化方法。
[3] 上記レーザは、上記照射位置において発生する表面張力の差により起こる、流動が、所定の方向となるように調整されたビームプロファイルを有し、上記ローレンツ力の方向と、上記流動の方向とが略一致するよう、上記相対的な位置が移動される、[1]又は[2]に記載の平坦化方法。
[4] 上記半導体ウエハの相対的な位置の移動が、上記半導体ウエハを保持し、X軸、Y軸、及び、Z軸の3軸に加えて、回転のヨー軸、及び、傾斜のピッチ軸の2軸を加えた5軸構造の保持テーブルによって行われる、[1]~[3]のいずれかに記載の平坦化方法。
[5] レーザ照射前の上記表面の形状測定を行い、マッピング情報を得ることと、上記レーザのエネルギ密度、同一の上記照射位置への累積照射回数、及び、スキャンピッチからなる群より選択される少なくとも1種を、上記マッピング情報に基づき決定すること、を更に含む、[1]~[4]のいずれかに記載の平坦化方法。
[6] 上記レーザは、光源、ビームエキスパンダ、マスク、及び、集光レンズをこの順に有するレーザ照射系から照射され、上記レーザは、上記ビームエキスパンダによって拡大された後に、所定の形状の窓を持つ上記マスクにより成形されたものである、[1]~[5]のいずれかに記載の平坦化方法。
[7] 上記ローレンツ力が、上記表面における条痕の斜面の傾斜方向に沿って発生するよう調整される、[1]~[6]のいずれかに記載の平坦化方法。
[8] 上記レーザのビームプロファイルは、上記傾斜方向に沿ってエネルギ密度が低下するよう調整される、[7]に記載の平坦化方法。
[9] 上記レーザ照射系は、上記ビームエキスパンダ、上記マスク、及び、上記集光レンズを含むスポット形状調整系の複数と、ビームスプリッタとを有し、上記スポット形状調整系には、上記光源から出射され、上記ビームスプリッタを介して分割されたレーザが入射する、[6]に記載の平坦化方法。
[10] 上記光源に対して直列に配置された複数の上記ビームスプリッタを有し、上記スポット形状調整系には、上記ビームスプリッタのそれぞれから分割されたレーザが入射する、[9]に記載の平坦化方法。
[2] レーザ照射前の上記表面の形状測定を行い、マッピング情報を得ることと、上記磁界の方向、上記照射位置、及び、上記移動の方向からなる群より選択される少なくとも1種を、上記マッピング情報に基づき決定することと、を更に含む、[1]に記載の平坦化方法。
[3] 上記レーザは、上記照射位置において発生する表面張力の差により起こる、流動が、所定の方向となるように調整されたビームプロファイルを有し、上記ローレンツ力の方向と、上記流動の方向とが略一致するよう、上記相対的な位置が移動される、[1]又は[2]に記載の平坦化方法。
[4] 上記半導体ウエハの相対的な位置の移動が、上記半導体ウエハを保持し、X軸、Y軸、及び、Z軸の3軸に加えて、回転のヨー軸、及び、傾斜のピッチ軸の2軸を加えた5軸構造の保持テーブルによって行われる、[1]~[3]のいずれかに記載の平坦化方法。
[5] レーザ照射前の上記表面の形状測定を行い、マッピング情報を得ることと、上記レーザのエネルギ密度、同一の上記照射位置への累積照射回数、及び、スキャンピッチからなる群より選択される少なくとも1種を、上記マッピング情報に基づき決定すること、を更に含む、[1]~[4]のいずれかに記載の平坦化方法。
[6] 上記レーザは、光源、ビームエキスパンダ、マスク、及び、集光レンズをこの順に有するレーザ照射系から照射され、上記レーザは、上記ビームエキスパンダによって拡大された後に、所定の形状の窓を持つ上記マスクにより成形されたものである、[1]~[5]のいずれかに記載の平坦化方法。
[7] 上記ローレンツ力が、上記表面における条痕の斜面の傾斜方向に沿って発生するよう調整される、[1]~[6]のいずれかに記載の平坦化方法。
[8] 上記レーザのビームプロファイルは、上記傾斜方向に沿ってエネルギ密度が低下するよう調整される、[7]に記載の平坦化方法。
[9] 上記レーザ照射系は、上記ビームエキスパンダ、上記マスク、及び、上記集光レンズを含むスポット形状調整系の複数と、ビームスプリッタとを有し、上記スポット形状調整系には、上記光源から出射され、上記ビームスプリッタを介して分割されたレーザが入射する、[6]に記載の平坦化方法。
[10] 上記光源に対して直列に配置された複数の上記ビームスプリッタを有し、上記スポット形状調整系には、上記ビームスプリッタのそれぞれから分割されたレーザが入射する、[9]に記載の平坦化方法。
本発明によれば、半導体の高密度化に対応し、半導体ウエハの表面をより精密に平坦化できる、半導体ウエハの平坦化方法が提供できる。
[平坦化方法]
本発明の実施形態に係る半導体ウエハの表面の平坦化方法(以下、「本平坦化方法」ともいう。)は、半導体ウエハにレーザを照射し、半導体ウエハの表面を溶融させることと、上記照射位置において、上記表面を平坦化する方向にローレンツ力が働くよう、前記照射位置に磁界を印加し、かつ、前記磁界に対する前記半導体ウエハの相対的な位置を移動させることと、を含む半導体ウエハの表面の平坦化方法である。
本発明の実施形態に係る半導体ウエハの表面の平坦化方法(以下、「本平坦化方法」ともいう。)は、半導体ウエハにレーザを照射し、半導体ウエハの表面を溶融させることと、上記照射位置において、上記表面を平坦化する方向にローレンツ力が働くよう、前記照射位置に磁界を印加し、かつ、前記磁界に対する前記半導体ウエハの相対的な位置を移動させることと、を含む半導体ウエハの表面の平坦化方法である。
上記平坦化方法について、図面を参照して説明する。図1は、本平坦化方法の手順を示すフローチャートであり、図2は本平坦化方法による半導体ウエハの粗平坦化の手順の説明図である。
まず、ステップS1として、カメラ等の光学測定器により、半導体ウエハ表面の形状測定を行い、うねり、あらさ分布、微小なくぼみであるエッチピット(凹凸)の情報(マッピング情報)を得る。
このマッピング情報には、典型的には、半導体ウエハの表面の所定の位置における厚み方向の高さの変動、すなわち、変動(変位)の分布に関する情報が含まれる。マッピング情報を参照することにより、半導体ウエハの表面のどの部分にどれだけの高さの不均一があるかを理解することができる。
本平坦化方法は上記ステップS1を有していなくともよいが、本平坦化方法が上記ステップS1を有していると、後段の平坦化をより効率よく行うことができる。マッピング情報によって、凹凸の程度、及び、その位置が把握されると、レーザのエネルギ密度、同一の前記照射位置への累積照射回数、及び、スキャンピッチ等をより適切に定めることができる。
本平坦化方法は上記ステップS1を有していなくともよいが、本平坦化方法が上記ステップS1を有していると、後段の平坦化をより効率よく行うことができる。マッピング情報によって、凹凸の程度、及び、その位置が把握されると、レーザのエネルギ密度、同一の前記照射位置への累積照射回数、及び、スキャンピッチ等をより適切に定めることができる。
ステップS2では、表面に凹凸がある、典型的には、研削加工等の後の半導体ウエハの表面ヘレーザ照射を行い、表面を溶融させて流動させることで、粗平坦化させる。一般に、研削加工等で製造された半導体ウエハ(中間製品)の表面には、研削加工によって生じた数百ナノメートルオーダーの条痕等が存在する場合がある。本工程では、後段の精密な平坦化に先立ち、レーザ照射によって上記凹凸を平坦化し、粗平坦化された表面(数十ナノメートルオーダー)を得る。
本工程において使用されるレーザのビームプロファイルは特に制限されず、ガウシアン、及び、トップハット等のいずれであってもよい。適切なレーザ条件で半導体ウエハの全体、又は、一部を走査してレーザを照射する。この際、レーザ照射の条件、例えば、エネルギ密度、同一箇所への累積照射回数、及び、スキャンピッチ等は、予め定められたものであってもよいし、マッピング情報、及び、ウエハの材質(溶融温度)等によって適宜変更されてもよい。
すなわち、本工程の前に、マッピング情報に基づき、エネルギ密度、同一箇所への累積照射回数、及び、スキャンピッチからなる群より選択される少なくとも1種を決定する工程を更に有していてもよい。
すなわち、本工程の前に、マッピング情報に基づき、エネルギ密度、同一箇所への累積照射回数、及び、スキャンピッチからなる群より選択される少なくとも1種を決定する工程を更に有していてもよい。
なお、本工程におけるレーザは、半導体ウエハの表面の凹凸を平坦化するために照射されるもので、その表面の一部又は全部、半導体ウエハ全体からすると局所的に溶融させる程度の強度で照射される。例えば、半導体ウエハの厚み方向に沿って、半導体ウエハ全体における凹凸の高さ(例えば、粗さ曲線の最大山高さと最大谷深さとの合計)と同程度の領域を溶融させる形態であってもよい。この強度は、マッピング情報をもとに、エネルギ密度、同一箇所への累積照射回数、及び、スキャンピッチ等に加えて、後述の半導体ウエハの材質に応じて、調整されることが好ましい。
処理対象となる半導体ウエハの材質は、Si(シリコン)、及び、Ge(ゲルマニウム)等の単元素、GaAs(ヒ化ガリウム)、及び、InP(リン化インジウム)等の化合物であり、溶融状態で導電性を有する半導体材料である。一般に、半導体材料は融液(溶融)状態ではいずれも導電性を有する導電性流体とみなすことができるため、本方法は、材質によらず、種々の材質からなる半導体ウエハ(単結晶半導体ウエハを含む)に適用できる。なかでも、より優れた本発明の効果が得られる点で、半導体ウエハの材質はSi又はGeが好ましく、Siがより好ましい。
本工程、及び、後段のステップにおいて照射されるレーザは、処理対象物質に応じたパルスレーザ又はCW(連続波)レーザであり、その波長は紫外から赤外(波長λ=355nm、532nm、785nm、1080nm)が好ましい。エネルギ密度(単位面積あたりのエネルギ:フルーエンス)は、加工閾値以下でレーザーアブレーションさせず、溶融する範囲とする。
次に、レーザ照射位置により起こる表面の流動について説明する。
レーザが照射されると、照射位置では半導体ウエハが溶融する。その際、照射レーザのエネルギ密度の高い部分では、溶融したウエハ(流体)の温度が高くなり、逆に、エネルギ密度が低い部分では温度が低くなる。
これにより、照射位置では表面張力の勾配が発生し、その高い部分(温度の高い部分)から、低い部分(温度の低い部分)へと流動が生ずる(マランゴニ対流)。例えば、スポット形状が円形で、中心から周縁に向かう半径方向に沿ってエネルギ密度が減衰するガウシアン型のプロファイルを有するレーザを照射すると、照射位置の中心(焦点)から半径方向に沿って対流が発生する。この対流によって、ウエハ表面状態はある程度改善される。
レーザが照射されると、照射位置では半導体ウエハが溶融する。その際、照射レーザのエネルギ密度の高い部分では、溶融したウエハ(流体)の温度が高くなり、逆に、エネルギ密度が低い部分では温度が低くなる。
これにより、照射位置では表面張力の勾配が発生し、その高い部分(温度の高い部分)から、低い部分(温度の低い部分)へと流動が生ずる(マランゴニ対流)。例えば、スポット形状が円形で、中心から周縁に向かう半径方向に沿ってエネルギ密度が減衰するガウシアン型のプロファイルを有するレーザを照射すると、照射位置の中心(焦点)から半径方向に沿って対流が発生する。この対流によって、ウエハ表面状態はある程度改善される。
なお、照射されるレーザのスポット形状(以下「ビームスポット(形状)」ともいう。)は、円形、及び、矩形等のいずれの形状であってもよい。
レーザは、回折格子、ホモジナイザ、及び、フィールドマッピング等のビームシェーパを用いて、ビーム強度分布(ガウシアン、トップハット、逆ガウス、ドーナッツ、及び、マルチフォーカス等)、ビーム形状(円形、矩形、ライン、楕円、及び、長方形等)を適宜調整したものを使用できる。
レーザは、回折格子、ホモジナイザ、及び、フィールドマッピング等のビームシェーパを用いて、ビーム強度分布(ガウシアン、トップハット、逆ガウス、ドーナッツ、及び、マルチフォーカス等)、ビーム形状(円形、矩形、ライン、楕円、及び、長方形等)を適宜調整したものを使用できる。
図2は、ステップS2の粗平坦化処理の説明図であり、研削加工後の半導体ウエハ表面の側面視(模式図)である。図2に示されるように、断面が三角形状の条痕が一定間隔で形成されている。図2は模式図であるが、実際に、研削によって整えられた半導体ウエハ表面に形成される条痕はこのような一定の規則性を有する形状であることが多い。レーザの照射は、図のレーザ照射位置のエネルギ密度を定めて、レーザ照射エリア(一形態としては例えば、スポット径が数100μm~1mm)同等の大きさのスキャンピッチPか、又はそれが重なる程度(~1/2P)で走査すればよい。
レーザの照射時間は、半導体ウエハの材質等によって定めればよいが、一形態として、数フェムト~数ナノ秒が挙げられる。数フェムト秒の照射によれば、数ナノ秒の照射で生ずる熱伝導による影響はほとんど無視できる。
また、レーザは、一形態として、波長λ=355、532、785、又は、1080nmのいずれかのナノ秒パルスレーザ好ましく、パルス幅1パルス当たりのエネルギは、0.5μジュールから30μジュール、エネルギ密度が0.125J/cm2から7.5J/cm2が好ましい。
レーザの照射時間は、半導体ウエハの材質等によって定めればよいが、一形態として、数フェムト~数ナノ秒が挙げられる。数フェムト秒の照射によれば、数ナノ秒の照射で生ずる熱伝導による影響はほとんど無視できる。
また、レーザは、一形態として、波長λ=355、532、785、又は、1080nmのいずれかのナノ秒パルスレーザ好ましく、パルス幅1パルス当たりのエネルギは、0.5μジュールから30μジュール、エネルギ密度が0.125J/cm2から7.5J/cm2が好ましい。
また、ナノ秒パルスレーザは、照射位置の曲率等に対応してエネルギ密度、スキャンピッチP、及び、照射回数の少なくともいずれか一つを変えて照射することが好ましい。
例えば、必要な照射エネルギは、Si(110)>Si(100)>Si(111)の大小関係となり、結晶方位に対応した照射条件を定めてもよい。結晶方位に対応した照射条件は、Si(110)面のエネルギは、Si(100)面の訳1.3倍、Si(111)面は、Si(100)面と同程度から0.7倍の照射エネルギとしてもよい。
例えば、必要な照射エネルギは、Si(110)>Si(100)>Si(111)の大小関係となり、結晶方位に対応した照射条件を定めてもよい。結晶方位に対応した照射条件は、Si(110)面のエネルギは、Si(100)面の訳1.3倍、Si(111)面は、Si(100)面と同程度から0.7倍の照射エネルギとしてもよい。
上記の処理により、半導体ウエハ表面は、レーザ照射前(研削加工後)の状態(上図)に対して下図に示すように、表面の状態(うねり、粗さ)がある程度改善される。すなわち、高い山状だったものが、ある程度低い山状に整えられる。このような低い山状になると、単にレーザを照射するだけでは、これ以上に平面形状を整えることは難しい状態である。
なお、本平坦化方法は、ステップS2を有していなくてもよい。例えば、本工程とは別の方法によって粗平坦化された半導体ウエハを後段の工程に供してもよい。一方、本平坦化方法がステップS2を有する場合、後段の工程と連続して(同一の装置で)行うことも可能なため、半導体ウエハの平坦化に要する時間がより短くなりやすい。
次に、ステップS3として、半導体ウエハ表面の形状測定を再度行い、マッピング情報を得る。本工程における形状測定は、ステップS1において行われたのと同様の方法で行われてもよい。本工程によって、粗平坦化の効果と、その結果として生じた、又は、残存している表面の凹凸の性状(高さ等)、及び、その位置が把握され、後段のより精密な平坦化を行う際、諸条件の設定のための基礎データとすることができる。
本平坦化方法は、本工程を有していなくてもよいが、本工程を有することにより、より効率的に半導体ウエハの平坦化を行うことができる。
本平坦化方法は、本工程を有していなくてもよいが、本工程を有することにより、より効率的に半導体ウエハの平坦化を行うことができる。
本平坦化方法は、ステップS3の後に、マッピング情報をもとに、後段の工程における処理の条件を決める工程を更に有することが好ましい。
この工程として、ステップS3-2では、マッピング情報に基づき、磁界の方向、照射位置、及び/又は、磁界の方向に対する半導体ウエハの相対的な移動の方向が決定される。磁界の方向、及び、相対的な移動の方向については、後段のステップS5において詳述するが、ローレンツ力が表面を平坦化する方向に働くよう、調整される。また、照射位置については、後段の精密な平坦化(ステップS4-S5)がステップS2と比較してより狭い範囲を対象にしている、典型的には、ステップS2が半導体ウエハの表面の一部又は全部を対象とするのに対して、後段のステップS4-S5は、半導体ウエハの表面の特定の凹凸(条痕等)を対象とするため、照射位置もマッピング情報に沿って、より局所的に定められることが好ましい。
この工程として、ステップS3-2では、マッピング情報に基づき、磁界の方向、照射位置、及び/又は、磁界の方向に対する半導体ウエハの相対的な移動の方向が決定される。磁界の方向、及び、相対的な移動の方向については、後段のステップS5において詳述するが、ローレンツ力が表面を平坦化する方向に働くよう、調整される。また、照射位置については、後段の精密な平坦化(ステップS4-S5)がステップS2と比較してより狭い範囲を対象にしている、典型的には、ステップS2が半導体ウエハの表面の一部又は全部を対象とするのに対して、後段のステップS4-S5は、半導体ウエハの表面の特定の凹凸(条痕等)を対象とするため、照射位置もマッピング情報に沿って、より局所的に定められることが好ましい。
また、ステップS3-3では、マッピング情報に基づき、エネルギ密度、同一照射位置への累積照射回数、及び、スキャンピッチからなる群より選択される少なくとも1種が決定される。後段のステップS4-S5における精密な平坦化は、ステップS2の粗平坦化と比較してより小さな凹凸を処理対象とする。そのため、レーザ照射の強度は、ステップS2と比較してより小さく調整されることが好ましい。本工程によって、処理対象とする各凹凸に最適な照射条件が決定される。
なお、本平坦化方法は、上記ステップS3-2、及び、S3-3を有していなくてもよいが、上記各工程を有していると、より精密な平坦化が実現でき、結果として、より優れた品質の半導体ウエハが製造できる。
なお、本平坦化方法は、上記ステップS3-2、及び、S3-3を有していなくてもよいが、上記各工程を有していると、より精密な平坦化が実現でき、結果として、より優れた品質の半導体ウエハが製造できる。
次に、ステップS4として、半導体ウエハにレーザを照射し、半導体ウエハの表面を溶融させる。
Si、Ge、及び、GaAs等の半導体材料は、一般に、加熱により電気伝導率(導電率)が上がり、溶融状態では導電性流体(例えば、Siであれば、融点1450°Cで導電率=1.25×104Ω―1cm―1)とみなすことができる。
なお、本工程において照射するレーザは、すでに説明したステップS2において用いられるレーザと同様のものを使用できるが、一般に、粗平坦化後の表面における凹凸(粗さ)は、非常に小さく、また、本平坦化方法による最終的な表面粗さ(高低差)は十数ナノメートルオーダー(20nm未満)と非常に小さいため、本工程において使用されるレーザはそのエネルギ密度も、照射範囲(ビームスポットの大きさ)も、一形態として、ステップS2で用いられるレーザと比較すると、より小さいことが好ましい。
Si、Ge、及び、GaAs等の半導体材料は、一般に、加熱により電気伝導率(導電率)が上がり、溶融状態では導電性流体(例えば、Siであれば、融点1450°Cで導電率=1.25×104Ω―1cm―1)とみなすことができる。
なお、本工程において照射するレーザは、すでに説明したステップS2において用いられるレーザと同様のものを使用できるが、一般に、粗平坦化後の表面における凹凸(粗さ)は、非常に小さく、また、本平坦化方法による最終的な表面粗さ(高低差)は十数ナノメートルオーダー(20nm未満)と非常に小さいため、本工程において使用されるレーザはそのエネルギ密度も、照射範囲(ビームスポットの大きさ)も、一形態として、ステップS2で用いられるレーザと比較すると、より小さいことが好ましい。
なお、本工程におけるレーザは、半導体ウエハの表面の微細な凹凸を平坦化するために照射されるもので、その表面の凹凸のそれぞれの一部又は全部、半導体ウエハ全体からすると特に局所的に溶融させる程度の強度で照射される。例えば、半導体ウエハの厚み方向に沿って、処理対象とする凹凸の高さ(例えば、処理対象とする凹凸の粗さ曲線の最大山高さと最大谷深さとの合計)と同程度の領域を溶融させる形態であってもよい。この強度は、マッピング情報をもとに、エネルギ密度、同一箇所への累積照射回数、及び、スキャンピッチ等に加えて、後述の半導体ウエハの材質に応じて、調整されることが好ましい。
次に、ステップS5として、レーザ照射位置において、半導体ウエハ表面を平坦化する方向にローレンツ力が働くよう、照射位置に磁界を印加し、かつ、磁界に対する半導体ウエハの相対的な位置を移動させる。
すでに説明したとおり、照射位置で溶融した半導体ウエハ(半導体材料)は、導電性流体である。したがって、溶融部(流動体)に磁界を印加して、半導体ウエハを移動させることで、表面を平坦化する方向へとローレンツ力を発生させ、精密な平坦化が実現できる。
すでに説明したとおり、照射位置で溶融した半導体ウエハ(半導体材料)は、導電性流体である。したがって、溶融部(流動体)に磁界を印加して、半導体ウエハを移動させることで、表面を平坦化する方向へとローレンツ力を発生させ、精密な平坦化が実現できる。
ここで、ステップS4、及び、ステップS5における、レーザ照射による流動の誘起とローレンツ力の発生について図を用いて説明する。図3は、ステップS4、及び、ステップS5の説明図である。より詳細には、図3は、図2(下図)における、条痕の左斜面を平坦化する方法を示している。
まず図3(a)は、照射位置に照射されるレーザのビームプロファイルとビームスポット形状とを示す図である。
図3(a)において、ビームスポットは半円形となっている。この半円形のビームスポットは、ガウシアン型のエネルギ密度分布(ビームプロファイル)を有する円形のビームスポットを半分に切ったような状態となっており、所定の形状のマスク等を介して成形されたものである。このビームスポットは、中心から周縁部へと向かう半径方向に沿ってエネルギ密度が漸減するビームプロファイルを有している。そのため、照射位置では、ビームスポットの中心(焦点)部分で、半導体ウエハは高温となり、周縁へと向かう半径方向に沿って温度が低下していく。
なお、図3(a)におけるビームスポットは模式図であり、色の濃さでエネルギ密度の大きさを示しているが、視認しやすいよう、輪郭線も記載されている。輪郭線は上記エネルギ密度の大きさの図示上のルールを反映したものではない。
なお、図3(a)におけるビームスポットは模式図であり、色の濃さでエネルギ密度の大きさを示しているが、視認しやすいよう、輪郭線も記載されている。輪郭線は上記エネルギ密度の大きさの図示上のルールを反映したものではない。
これを条痕(例えば、円錐状の隆起)の左斜面に適用すれば、頂点付近から、裾に向けての流れ(斜面方向に沿った流れ)を誘起すること(上述のマランゴニ対流)ができる。この方法の有利な点は、右斜面に対する影響をより抑制することができる点である。すなわち、スポットを半円状とすることによって、右斜面は、溶融、及び、対流を抑制することができるのである。溶融しない状態では後述するローレンツ力も発生しにくいため、この処理によって影響を受けにくい。
精密な平坦化においては、微小な凹凸を平坦化しなければならないため、レーザ照射によって、意図しない表面の荒れが生じてしまうことがある。しかし、上述のような方法によって、マッピング情報に基づき、流動を発生させたい位置に、流動を発生させたい方向にだけレーザを照射することができる。逆に言えば、そのレーザ照射によって、動いてほしくない(流動してほしくない)部分に与える影響をより少なくできる。
精密な平坦化においては、微小な凹凸を平坦化しなければならないため、レーザ照射によって、意図しない表面の荒れが生じてしまうことがある。しかし、上述のような方法によって、マッピング情報に基づき、流動を発生させたい位置に、流動を発生させたい方向にだけレーザを照射することができる。逆に言えば、そのレーザ照射によって、動いてほしくない(流動してほしくない)部分に与える影響をより少なくできる。
なお、上記では、ビームスポットを半円状としているが、ビームスポットの形状は上記に制限されない。矩形でもよいし、円形でもよい。また、プロファイルは、ガウシアン型でも、トップハット型でもよい。
なかでも、より形状を整えやすい(平坦化しやすい)観点では、照射位置において発生する表面張力の差により、所定の方向に流動が起こるよう、調整されていることが好ましい。すなわち、ステップS3において得られたマッピング情報に基づき、半導体ウエハ表面において、周囲よりも凸に(高く)なっている部分を頂点として、その頂点から、その周囲の凹に(低く)なっている部分に向けてパワーの減衰するようなプロファイルにてレーザ照射することが好ましい。
なかでも、より形状を整えやすい(平坦化しやすい)観点では、照射位置において発生する表面張力の差により、所定の方向に流動が起こるよう、調整されていることが好ましい。すなわち、ステップS3において得られたマッピング情報に基づき、半導体ウエハ表面において、周囲よりも凸に(高く)なっている部分を頂点として、その頂点から、その周囲の凹に(低く)なっている部分に向けてパワーの減衰するようなプロファイルにてレーザ照射することが好ましい。
しかし、すでに説明したとおり、半導体ウエハ表面の粗さを十数ナノメートル以下に極めて精密に平坦化させることは、レーザ照射のみでは、必ずしも十分ではない。レーザ照射により生ずる表面張力差により誘起される対流だけでは、溶融固化後の表面の微小なうねりを消すのは難しい。ある程度平坦化した表面では、一定以上のエネルギ密度を持つレーザを照射すると、照射部にへこみ(クレータ)ができたりして、逆にうねり、粗さが悪化する場合もある。この調整は、レーザのビームプロファイル、及び、ビームスポット形状等の調整だけでは困難を極める。
本発明の方法はこれに対し、磁界を印加するとともに、半導体ウエハを移動させることで、表面の平坦化する方向にローレンツ力を発生させて、表面形状を整える点に特徴の1つがある。
本発明の方法はこれに対し、磁界を印加するとともに、半導体ウエハを移動させることで、表面の平坦化する方向にローレンツ力を発生させて、表面形状を整える点に特徴の1つがある。
図3(b)は、半導体ウエハの移動方向と、磁界の印加方向とそれにより生ずるローレンツ力を表す図である。図3(b)のように、磁束密度B(T)の磁界を印加し、この磁界に対して、半導体ウエハを移動させる(又は半導体ウエハに対して磁界を移動させる)と、電流J(A/m2)が誘導され、ローレンツ力F(N)が発生する。これは、照射位置において溶融する半導体ウエハが導電性流体としての性質を有するためである。
ローレンツ力を、表面を平坦化する方向に発生させることで、従来、レーザ照射のみでは難しかった凹凸を極めて精密に平坦化することができ、かつて達成されてこなかった、十数ナノメートルオーダーの粗さの極めて平坦な表面が実現される。
ローレンツ力を、表面を平坦化する方向に発生させることで、従来、レーザ照射のみでは難しかった凹凸を極めて精密に平坦化することができ、かつて達成されてこなかった、十数ナノメートルオーダーの粗さの極めて平坦な表面が実現される。
また、ローレンツ力を発生させる方向は、マッピング情報に基づき定めることができる。マッピング情報をもとに、好ましいローレンツ力の方向が決まれば、磁界の方向、及び/又は、磁界(の方向)に対する半導体ウエハの相対的な移動方向を調整すればよい。なお、磁界の方向に対する半導体ウエハの相対的な移動方向を調整する方法としては、半導体ウエハに対して磁界を移動させる、及び/又は、磁界に対して半導体ウエハを移動させる方法が挙げられる。
また、マッピング情報に基づき、平坦化の必要な部分に照射位置を順次移動してもよい。これにより、半導体ウエハ上の、所望の範囲で平坦化を行うことができる。
なお、マッピング情報に基づいて決定するとは、例えば、斜面状の条痕を平坦化する場合には、斜面の傾斜方向に沿って、ローレンツ力を発生させる方向を決定する等の方法が挙げられる。
なお、マッピング情報に基づいて決定するとは、例えば、斜面状の条痕を平坦化する場合には、斜面の傾斜方向に沿って、ローレンツ力を発生させる方向を決定する等の方法が挙げられる。
更に、ローレンツ力の発生方向は、上記レーザ照射によって誘起される表面の流動方向が略同一となるよう、レーザ照射形状、及び、位置が調整されることが好ましい。ローレンツ力の発生方向は、典型的には、磁界の方向と磁界に対する半導体ウエハの相対的な移動方向とによって定まる一定方向であるから、上記調整は容易に行うことができる。上記によれば、より効率的に平坦化ができる。
次に、ステップS6として、再度、半導体ウエハの表面の形状測定を行い、マッピング情報を得て、ステップS3において得られたマッピング情報と比較することにより、平坦化処理の品質を判別する。なお、本平坦化方法は、ステップS6を有していなくてもよい。ステップS6を有しない場合、より簡便に半導体ウエハの平坦化を行うことができる。
本平坦化方法によれば、従来レーザ照射だけでは難しかった、十数ナノメートル程度の表面粗さ(粗さ曲線の高低差)を有する高品質な半導体ウエハを製造できる。
[平坦化装置]
次に、上記平坦化方法を実施可能な半導体ウエハの平坦化装置について説明する。本発明の実施形態に係る半導体ウエハの平坦化装置は、半導体ウエハにレーザを照射し、照射位置において半導体ウエハの表面を溶融させるレーザ照射系と、レーザの照射位置に磁界を印加する磁界印加装置と、磁界、及び、半導体ウエハの相対位置、並びに、表面における照射位置をそれぞれ移動可能とする移動機構と、制御装置と、を備え、制御装置は、照射位置において、表面を平坦化する方向にローレンツ力が働くよう、磁界の方向、及び、磁界に対する半導体ウエハの相対的な移動方向を調整する、半導体ウエハの平坦化装置(以下、「本平坦化装置」ともいう。)である。
以下では、本平坦化装置を構成する各部について、詳述する。
次に、上記平坦化方法を実施可能な半導体ウエハの平坦化装置について説明する。本発明の実施形態に係る半導体ウエハの平坦化装置は、半導体ウエハにレーザを照射し、照射位置において半導体ウエハの表面を溶融させるレーザ照射系と、レーザの照射位置に磁界を印加する磁界印加装置と、磁界、及び、半導体ウエハの相対位置、並びに、表面における照射位置をそれぞれ移動可能とする移動機構と、制御装置と、を備え、制御装置は、照射位置において、表面を平坦化する方向にローレンツ力が働くよう、磁界の方向、及び、磁界に対する半導体ウエハの相対的な移動方向を調整する、半導体ウエハの平坦化装置(以下、「本平坦化装置」ともいう。)である。
以下では、本平坦化装置を構成する各部について、詳述する。
まず、レーザ照射系について説明する。図4は、本平坦化装置が有するレーザ照射系10の基本構成を示す説明図であり、所望の形状のビームスポットを形成するための方法を表している。
レーザ照射系10は、レーザ光源10-1と、ビームエキスパンダ10-2と、マスク10-3と、集光レンズ10-4とをこの順に有する。なお、上記はレーザ照射系の基本的な構成であり、本発明の効果を奏する範囲内において他の機能を有する部分を更に有していてもよい。このような部分としては、例えば、ホモジナイザ等が挙げられる。
レーザ照射系10は、レーザ光源10-1と、ビームエキスパンダ10-2と、マスク10-3と、集光レンズ10-4とをこの順に有する。なお、上記はレーザ照射系の基本的な構成であり、本発明の効果を奏する範囲内において他の機能を有する部分を更に有していてもよい。このような部分としては、例えば、ホモジナイザ等が挙げられる。
レーザ光源10-1は平坦化方法においてすでに説明したレーザを照射できる装置であり、例えば、ガウシアンのビームプロファイルを有するレーザを出射する。具体的には、その処理対象物質に応じたパルスレーザ、又は、CWレーザを出射する。また、その波長は紫外から赤外(波長λ=355nm、532nm、785nm、又は、1080nm)の一般的な市販レーザ光源でよい。
レーザ光源10-1からのレーザ出射光は、ビームエキスパンダ10-2でビームスポット11の径が拡大される。ビームスポット11の形状は、例えば、半円形状の窓を持つマスク10-3を通過して半円の方向へ偏向したエネルギ密度の分布に成形される。
レーザ光源10-1からのレーザ出射光は、ビームエキスパンダ10-2でビームスポット11の径が拡大される。ビームスポット11の形状は、例えば、半円形状の窓を持つマスク10-3を通過して半円の方向へ偏向したエネルギ密度の分布に成形される。
レーザ照射系10では、レーザ光源10-1とマスク10-3との間にビームエキスパンダ10-2が配置されているため、マスク10-3がより劣化しにくいという特徴がある。レーザ照射系10は、ビームエキスパンダ10-2を有していなくてもよいが、ビームエキスパンダ10-2を有することにより、レーザ光源10-1から出射したレーザの径が一旦拡大しているため、相対的にエネルギ密度が低下し、より容易にマスク10-3による成形が可能になっている。
マスク10-3は、ガラス、合成石英、及び、高分子フィルム等の上にクロムあるいは黒化金属銀を遮光膜として描画図形を形成したものが使用できる。図4では、マスク10-3の窓形状は半円形状であるが、所望のスポット形状に応じて、適宜変更可能である。上記レーザ照射系10によれば、エネルギ密度のビームプロファイルを、単純な斜面形状に限らず、エッチピット(凹凸)の形状等にも合わせることができる。
このマスクは、処理対象となる部分(照射位置)の形状に応じて、適宜交換して用いられもよい。また、レーザ照射系10はマスクを10-3有していなくてもよい。
たとえば、粗平坦化の際にはマスク10-3を用いず、後段の緻密な平坦化の際にはマスク10-3を用いてもよい。
このマスクは、処理対象となる部分(照射位置)の形状に応じて、適宜交換して用いられもよい。また、レーザ照射系10はマスクを10-3有していなくてもよい。
たとえば、粗平坦化の際にはマスク10-3を用いず、後段の緻密な平坦化の際にはマスク10-3を用いてもよい。
その後、ビームスポット11は、平凸レンズで構成された集光レンズ10-4で集光される。エネルギ密度は、照射位置でビームスポット11の大きさで調整され、所定値となる。レーザ照射系10の枠部は、光を吸収あるいは反射するものが安全上好ましく、適当な厚みを有する金属、アルミに黒色アルマイト処理したもの等が適する。
図5は、レーザ照射系10と半導体ウエハとの関係を示す構成図である。なお、図5は、レーザ照射系と半導体ウエハの位置関係を説明するための図であり、平坦化装置30が有する他の構成については図示が省略されている。
レーザ照射系10は、ベースボード15に固定される。半導体ウエハを保持して姿勢を可変する保持テーブル16は、真空チャック方式が望ましく、X軸、Y軸、及び、Z軸の3軸に加えて、回転のヨー軸と傾斜のピッチ軸の2軸を加えた5軸構造となっている。上記によって、半導体ウエハの表面における照射位置を自在に移動することができる。
具体的には、半導体ウエハの表面は、X軸方向にスキャンピッチPをとって漸次走査して全面をレーザ処理することができ、周縁のエッジ部は、斜面、端面に対してピッチ軸を回転させて照射面が垂直になるようにレーザを照射することができる。更に、外周部は、ヨー軸を360度回転させて一周処理することが可能となる。
レーザ照射系10は、ベースボード15に固定される。半導体ウエハを保持して姿勢を可変する保持テーブル16は、真空チャック方式が望ましく、X軸、Y軸、及び、Z軸の3軸に加えて、回転のヨー軸と傾斜のピッチ軸の2軸を加えた5軸構造となっている。上記によって、半導体ウエハの表面における照射位置を自在に移動することができる。
具体的には、半導体ウエハの表面は、X軸方向にスキャンピッチPをとって漸次走査して全面をレーザ処理することができ、周縁のエッジ部は、斜面、端面に対してピッチ軸を回転させて照射面が垂直になるようにレーザを照射することができる。更に、外周部は、ヨー軸を360度回転させて一周処理することが可能となる。
なお、照射位置を移動させるための移動機構としては、上記保持テーブル以外を用いてもよい。例えば、レーザ照射系10を移動可能に構成してもよい。具体的には、ベースボード15をX軸、Y軸、及び、Z軸方向に移動できる構成としてもよい。
図6は、平坦化装置30のブロック図と、各ステップを示す構成図である。
制御装置20は、図1で説明した手順によってカメラ等の光学測定器である表面形状測定器21、磁界印加装置22、レーザ光源10-1のオン/オフ、及び、レーザ照射位置のエネルギ密度等を制御する。制御装置20は典型的には、コンピュータであってよい。レーザ光源10-1、ビームエキスパンダ10-2、マスク10-3、及び、集光レンズ10-4は、図4で示したレーザ照射系10と同様である。ただし、レーザ光源10-1からのレーザは、直列に配置されたビームスプリッタ23で分割され、分割されたレーザが、ビームエキスパンダ10-2、マスク10-3、及び、集光レンズ10-4を含むスポット形状調整系に入射する構成となっている。図6では、レーザ光源10-1から出射レーザは、4つのビームスプリッタ23で分割され、各スポット形状調整系に入射し、成形されている。
制御装置20は、図1で説明した手順によってカメラ等の光学測定器である表面形状測定器21、磁界印加装置22、レーザ光源10-1のオン/オフ、及び、レーザ照射位置のエネルギ密度等を制御する。制御装置20は典型的には、コンピュータであってよい。レーザ光源10-1、ビームエキスパンダ10-2、マスク10-3、及び、集光レンズ10-4は、図4で示したレーザ照射系10と同様である。ただし、レーザ光源10-1からのレーザは、直列に配置されたビームスプリッタ23で分割され、分割されたレーザが、ビームエキスパンダ10-2、マスク10-3、及び、集光レンズ10-4を含むスポット形状調整系に入射する構成となっている。図6では、レーザ光源10-1から出射レーザは、4つのビームスプリッタ23で分割され、各スポット形状調整系に入射し、成形されている。
平坦化装置30は、複数のビームスプリッタ23、及び、ビームスプリッタ23ごとにスポット形状調整系を有しているため、1つのレーザ光源10-1を用いる場合であっても所望のエネルギプロファイルを有する照射用レーザを調整しやすい。
すなわち、ビームスプリッタを直列に多段に配置したことによって、1つ目のビームスプリッタ・ビーム成型用光学系を経て照射されるレーザは強度が高く、後段のビームスプリッタ・ビーム成型用光学系を経て照射されるレーザは強度が漸減していく。これによって、図6に示すような、合成後のビームプロファイルは、エネルギ密度がある方向に向かって漸減するようなレーザが得られる。
すなわち、ビームスプリッタを直列に多段に配置したことによって、1つ目のビームスプリッタ・ビーム成型用光学系を経て照射されるレーザは強度が高く、後段のビームスプリッタ・ビーム成型用光学系を経て照射されるレーザは強度が漸減していく。これによって、図6に示すような、合成後のビームプロファイルは、エネルギ密度がある方向に向かって漸減するようなレーザが得られる。
また、上記の構成によってレーザ光源10-1が1つであっても、所望のレーザが得られるため、制御装置20における制御用プログラム、及び、平坦化装置30の全体の構造もより簡易なものになりやすい。
なお、集光レンズ10-4は、複数の平凸のシリンドリカルレンズを一体化してレンズアレイとしてもよい。これにより、半導体ウエハ表面の照射エリアは、レーザ照射系10による半円形のビームスポット11を複合することで表面形状に合わせて、より広い範囲のエネルギ密度を図で示す偏向した温度分布として制御できる。
そして、平坦化装置30は、図4で示したレーザ照射系10、ビームスプリッタ23、表面形状測定器21、磁界印加装置22、図5で説明した保持テーブル16を有し、レーザ条件の制御、印加磁界の制御、半導体ウエハの移動・姿勢変化、各部電源供給を行う制御装置20、表面形状測定器21を備えて構成される。表面形状測定器21は、レーザ照射部の形状測定として、ナノメートルのうねり、粗さ測定が可能なことが必要とされる。
また、制御装置20は、半導体ウエハの材質に応じた波長、パルス又は連続(CW)レーザを選択する。また、制御装置20は、レーザ照射系10を複数台組み合わせ、レーザの照射角度を変化させたり、種類を組み合わせたりして、結晶方位や表面のうねり、粗さ、条痕、エッチピット等の局所的な様相(状態)に好適な条件で表面処理を行ってもよい。表面処理の好適な条件は、例えばレーザ照射を表面の粗さ曲線における高い領域(山頂部、凸となる領域)から、低い領域(谷底部、凹となる領域)に向かって行うことが挙げられる。更に、制御装置20は、照射部の結晶方位や形状に対応して照射条件を決定して照射の開始、停止、切替え、スキャンピッチ等を制御し、例えば、結晶方位に対応した累積照射エネルギを決定してレーザ照射を制御してもよい。
図7は、レーザ照射系10と半導体ウエハ及び磁界印加装置22の関係を示すY軸正面図である。磁界印加装置22は、保持テーブル16の外周に電磁石17、18を配置することにより構成される。また、磁界印加装置22による磁束密度Bは、方向が可変とされる。
レーザ照射系10、ベースボード15、保持テーブル16は、図5と同様である。
レーザ照射系10、ベースボード15、保持テーブル16は、図5と同様である。
図8は、レーザ照射系10と半導体ウエハ及び磁界印加装置22の関係を示すX軸正面図、図9は、磁界印加装置22を示す斜視図である。電磁石17、18は、Y軸方向に移動可能とされている。電磁石17、18は、磁性材料の芯の回りに、コイルを巻いて磁束密度Bの磁界を発生させるものであり、通電時はコイル、電流の向きで制御され、磁束密度Bの向きが一致する。
また、電磁石17、18は、レーザ照射系10と同様にX、Y、Z軸方向に移動可能とされている。保持テーブル16は、図5と同様に5軸構造であるので、半導体ウエハの全面を磁界の印加と共に、レーザ照射することができる。また、外周部のエッジ部は、ピッチ軸を回転させて照射面が垂直になるようにレーザの照射及び磁界の印加を行うことができる。さらに、外周部は、ヨー軸を360度回転させて一周処理することが可能となる。
次に平坦化装置30の動作について説明する。
半導体ウエハが保持テーブル16に保持されると、制御装置20は、表面形状測定器21を制御して、半導体ウエハの表面のマッピング情報を取得する。次に、制御装置20はレーザ照射系10を制御して、半導体ウエハの表面へのレーザ照射を行い、表面を溶融させて流動を起こし、粗平坦化する。平坦化装置30は、レーザ照射系10の1種類を有しているが、粗平坦化と、精密な平坦化のためのそれぞれのレーザ照射系を有し、制御装置20によって切り替えて使用されてもよい。
半導体ウエハが保持テーブル16に保持されると、制御装置20は、表面形状測定器21を制御して、半導体ウエハの表面のマッピング情報を取得する。次に、制御装置20はレーザ照射系10を制御して、半導体ウエハの表面へのレーザ照射を行い、表面を溶融させて流動を起こし、粗平坦化する。平坦化装置30は、レーザ照射系10の1種類を有しているが、粗平坦化と、精密な平坦化のためのそれぞれのレーザ照射系を有し、制御装置20によって切り替えて使用されてもよい。
粗平坦化の際、制御装置20は、マッピング情報に基づき、レーザのエネルギ密度、同一の前記照射位置への累積照射回数、及び、スキャンピッチからなる群より選択される少なくとも1種を調整してもよい。このようにすることで、より効率的に粗平坦化が可能である。
次に、制御装置20は、表面形状測定器21を制御して、粗平坦化後の半導体ウエハ表面のマッピング情報を取得する。次に、制御装置20は、レーザ照射系10を制御して、半導体ウエハの表面を溶融させる。この際、制御装置20は、上記と同様に、レーザのエネルギ密度、同一の前記照射位置への累積照射回数、及び、スキャンピッチからなる群より選択される少なくとも1種を調整してもよい。
また、制御装置20は、マッピング情報に基づき、レーザの照射位置を調整してもよい。すなわち、凹凸が存在する部位に局所的に照射を行ってもよい。このようにすることで、より精密な平坦化が可能になる。
また、制御装置20は、マッピング情報に基づき、レーザの照射位置を調整してもよい。すなわち、凹凸が存在する部位に局所的に照射を行ってもよい。このようにすることで、より精密な平坦化が可能になる。
次に、制御装置20は、照射位置において、表面を平坦化する方向にローレンツ力が働くよう、磁界の方向、及び、磁界に対する半導体ウエハの相対的な移動方向を調整する。この調整は、具体的には、保持テーブル16を所定の方向に移動させる、及び/又は、磁界印加装置22を移動させることによって行われる。なお、この際、制御装置20は、マッピング情報に基づき、磁界の方向、及び/又は、移動方向を調整してもよい。このようにすることで、表面に存在する凹凸のそれぞれを平坦化する方向にローレンツ力をより働かせやすい。
また、制御装置20は、ビーム照射による表面張力の差に誘起される流動の方向と、ローレンツ力の発生方向とが略一致するよう各部を制御することが好ましい。このようにすることで、より効率的に平坦化が可能になる。具体的には、平坦化方法のステップS4、及び、ステップS5として説明したとおりであり、制御装置20は、所定の形状に調整されたビームプロファイルを有するレーザを出射するレーザ照射系10の照射位置を所望の位置とするよう、保持テーブル16を制御し、更に、ローレンツ力の発生方向を所望の方向とするよう、磁界印加装置22、及び、保持テーブル16を併せて制御する。
より具体的には、表面における条痕を平坦化する場合には、条痕の斜面の傾斜方向に沿ってローレンツ力が発生するよう、保持テーブル16、及び、磁界印加装置22を制御し、レーザ照射により生ずる流動方向が上記斜面の傾斜方向に沿って生ずるよう、斜面の傾斜方向に沿ってエネルギ密度が低下するよう、照射位置を調整する。照射位置の調整は、典型的には保持テーブル16の制御によって実施される。これらの調整は、マッピング情報に基づき行われることが好ましい。
図10は、半導体ウエハの周縁(外周)のエッジ部を照射する場合のレーザ照射系10、半導体ウエハ、及び、磁界印加装置22の関係を示すY軸正面図である。エッジ部の断面は、平置き状態で図(a)に示すように斜面θを有している。図(b)は、斜面の照射状態を示し、保持テーブル16をピッチ軸回りに回転させて、レーザ照射系10から照射されるレーザと、照射面とのなす角が略直角になるように、かつ、X軸方向に移動してレーザ照射系10によるレーザ走査を行う。
図(c)は、端面に照射する場合を示したもので、図(b)と同様に照射面がレーザに対して略垂直になるようにレーザが照射される。さらに、外周部は、保持テーブル16をヨー軸回りに360度回転させて一周処理する。
図11は、外周のエッジ部を照射する場合のレーザ照射系10と半導体ウエハ及び磁界印加装置22の関係を示すX軸正面図である。磁界印加装置22を構成する電磁石17、18は、Y軸方向に移動可能とされている。半導体ウエハは、図5と同様の保持テーブル16に保持され、ピッチ軸、チルト(傾斜)軸回りに姿勢を変えて、エッジ部の照射が可能とされる。また、レーザ照射は、処理面(照射面)に対し略垂直(入射角として10~15°以下)とする。さらに、照射条件は、結晶方位や形状に対応して決定する。
本発明の平坦化装置によれば、半導体ウエハ表面ヘレーザ照射を行い、表面を溶融させると共に、所定方向の磁界を印加してローレンツ力を発生させるので、Si等の半導体は、溶融状態で導電性流体となり、一定方向の磁界を印加して所望のローレンツ力を発生させ流動を制御することができる。これにより、より高品質な半導体ウエハ表面の平坦化を行うことができる。
10 :レーザ照射系
10-1 :レーザ光源
10-2 :ビームエキスパンダ
10-3 :マスク
10-4 :集光レンズ
11 :ビームスポット
15 :ベースボード
16 :保持テーブル
17 :電磁石
18 :電磁石
20 :制御装置
21 :表面形状測定器
22 :磁界印加装置
23 :ビームスプリッタ
30 :平坦化装置
10-1 :レーザ光源
10-2 :ビームエキスパンダ
10-3 :マスク
10-4 :集光レンズ
11 :ビームスポット
15 :ベースボード
16 :保持テーブル
17 :電磁石
18 :電磁石
20 :制御装置
21 :表面形状測定器
22 :磁界印加装置
23 :ビームスプリッタ
30 :平坦化装置
Claims (10)
- 半導体ウエハにレーザを照射し、照射位置において前記半導体ウエハの表面を溶融させることと、
前記照射位置において、前記表面を平坦化する方向にローレンツ力が働くよう、前記照射位置に磁界を印加し、かつ、前記磁界に対する前記半導体ウエハの相対的な位置を移動させることと、
を含む、半導体ウエハ表面の平坦化方法。 - レーザ照射前の前記表面の形状測定を行い、マッピング情報を得ることと、
前記磁界の方向、前記照射位置、及び、前記移動の方向からなる群より選択される少なくとも1種を、前記マッピング情報に基づき決定することと、を更に含む、請求項1に記載の平坦化方法。 - 前記レーザは、前記照射位置において発生する表面張力の差により起こる、流動が、所定の方向となるように調整されたビームプロファイルを有し、
前記ローレンツ力の方向と、前記流動の方向とが略一致するよう、前記相対的な位置が移動される、請求項1又は2に記載の平坦化方法。 - 前記半導体ウエハの相対的な位置の移動が、前記半導体ウエハを保持し、X軸、Y軸、及び、Z軸の3軸に加えて、回転のヨー軸、及び、傾斜のピッチ軸の2軸を加えた5軸構造の保持テーブルによって行われる、請求項1~3のいずれか1項に記載の平坦化方法。
- レーザ照射前の前記表面の形状測定を行い、マッピング情報を得ることと、
前記レーザのエネルギ密度、同一の前記照射位置への累積照射回数、及び、スキャンピッチからなる群より選択される少なくとも1種を、前記マッピング情報に基づき決定すること、を更に含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の平坦化方法。 - 前記レーザは、光源、ビームエキスパンダ、マスク、及び、集光レンズをこの順に有するレーザ照射系から照射され、前記レーザは、前記ビームエキスパンダによって拡大された後に、所定の形状の窓を持つ前記マスクにより成形されたものである、請求項1~5のいずれか1項に記載の平坦化方法。
- 前記ローレンツ力が、前記表面における条痕の斜面の傾斜方向に沿って発生するよう調整される、請求項1~6のいずれか1項に記載の平坦化方法。
- 前記レーザのビームプロファイルは、前記傾斜方向に沿ってエネルギ密度が低下するよう調整される、請求項7に記載の平坦化方法。
- 前記レーザ照射系は、前記ビームエキスパンダ、前記マスク、及び、前記集光レンズを含むスポット形状調整系の複数と、ビームスプリッタとを有し、
前記スポット形状調整系には、前記光源から出射され、前記ビームスプリッタを介して分割されたレーザが入射する、請求項6に記載の平坦化方法。 - 前記光源に対して直列に配置された複数の前記ビームスプリッタを有し、前記スポット形状調整系には、前記ビームスプリッタのそれぞれから分割されたレーザが入射する、請求項9に記載の平坦化方法。
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JP2022005441A JP2023104450A (ja) | 2022-01-18 | 2022-01-18 | 半導体ウエハ表面の平坦化方法 |
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JP2022005441A Pending JP2023104450A (ja) | 2022-01-18 | 2022-01-18 | 半導体ウエハ表面の平坦化方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2024018854A1 (ja) * | 2022-07-20 | 2024-01-25 | 東京エレクトロン株式会社 | 基板処理方法、基板処理装置および研削装置 |
-
2022
- 2022-01-18 JP JP2022005441A patent/JP2023104450A/ja active Pending
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