JP2023104148A - 検査システムおよび検査方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】被検査体の平行度の判定に要する時間およびコストを低減できる検査システムおよび検査方法を提供する。【解決手段】検査システムは、被検査体とそれぞれの先端が対向するように配置された複数のプローブを有する検査治具と、プローブごとに、被検査体と先端の間隔に依存して変化する電気パラメータを測定する測定装置と、複数の間隔においてそれぞれ測定された電気パラメータの測定値を用いて、間隔の変化に起因する電気パラメータの変化量を、プローブごとに検出する検出装置と、電気パラメータの変化量に基づいて、被検査体と検査治具が平行に配置されているか否かを判定する判定装置を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、被検査体の平行度の確認検査に使用する検査システムおよび検査方法に関する。
特性検査の対象物または加工作業の対象物などについて、平行度を確認する検査が必要な場合がある。ここで、「平行度」とは、検査装置または加工装置に対する対象物の平行の度合いをいう。プリント基板またはウェハに形成された半導体装置などの検査対象物の特性を検査するために、検査対象物に接触するプローブを有する検査装置が用いられている。検査対象物に複数のプローブを同時に接触させた状態で正確に検査を行うには、各プローブが均等な圧力で検査対象物に接触する必要がある。そのため、検査装置のプローブを保持する検査治具と検査対象物とが平行に配置されていることが重要である。また、加工対象物の研削または研磨などの加工において、加工装置に対して加工対象物が平行に配置されている必要がある。以下、平行度の確認検査が必要な対象物を「被検査体」とも称する。
被検査体の平行度を判定するために、例えば、プローブ毎にプローブの先端と被検査体との間隔を測定する方法がある。この方法では、各プローブの先端と被検査体との間隔が均等になるように検査治具又は被検査体の配置を調整することにより、検査治具と被検査体を平行にする。
しかしながら、プローブ毎にプローブの先端と被検査体との間隔を測定するには時間がかかる。また、間隔を測定するための測定装置が必要である。このため、検査治具と被検査体の平行度の判定は、時間およびコストを要していた。
本発明は、被検査体の平行度の判定に要する時間およびコストを低減できる検査システムおよび検査方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、複数のプローブを有する検査治具と、電気パラメータを測定する測定装置と、電気パラメータの変化量を検出する検出装置と、被検査体と検査治具が平行に配置されているか否かを判定する判定装置を備える検査システムが提供される。検査治具は、被検査体とそれぞれの先端が対向するように配置された複数のプローブを有する。測定装置は、プローブごとに、被検査体と先端の間隔に依存して変化する電気パラメータを測定する。検出装置は、複数の間隔においてそれぞれ測定された電気パラメータの測定値を用いて、間隔の変化に起因する電気パラメータの変化量を、プローブごとに検出する。判定装置は、電気パラメータの変化量に基づいて、被検査体と検査治具が平行に配置されているか否かを判定する。
本発明によれば、被検査体の平行度の判定に要する時間およびコストを低減できる検査システムおよび検査方法を提供できる。
次に、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各部の厚みの比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。以下に示す実施形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の実施形態は、構成部品の材質、形状、構造、配置などを下記のものに特定するものでない。
(第1の実施形態)
図1に示す本発明の第1の実施形態に係る検査システム1は、被検査体2の平行度の確認検査に使用される。更に、検査システム1は、被検査体2の平行度を確認した後に、被検査体2の特性検査に使用してもよい。被検査体2は、第1面201に配置された第1端子211~第3端子213を有する。以下、第1端子211~第3端子213のそれぞれを限定しない場合は、端子21と表記する。被検査体2は、例えば、複数の端子21に配線パターンがそれぞれ接続されたプリント基板である。被検査体2がプリント基板である場合、検査システム1は、例えばプリント基板の配線パターンの短絡や断線の有無などの特性検査に使用される。
図1に示す本発明の第1の実施形態に係る検査システム1は、被検査体2の平行度の確認検査に使用される。更に、検査システム1は、被検査体2の平行度を確認した後に、被検査体2の特性検査に使用してもよい。被検査体2は、第1面201に配置された第1端子211~第3端子213を有する。以下、第1端子211~第3端子213のそれぞれを限定しない場合は、端子21と表記する。被検査体2は、例えば、複数の端子21に配線パターンがそれぞれ接続されたプリント基板である。被検査体2がプリント基板である場合、検査システム1は、例えばプリント基板の配線パターンの短絡や断線の有無などの特性検査に使用される。
検査システム1は、検査治具11、切替器12、測定装置13、検出装置14、および判定装置15を備える。
検査治具11は、被検査体2とそれぞれの先端が対向する第1プローブ101~第3プローブ103を有する。第1プローブ101~第3プローブ103は、第1プローブ101~第3プローブ103の先端が被検査体2の第1端子211~第3端子213と対向するように配置されている。以下、第1プローブ101~第3プローブ103のそれぞれを限定しない場合は、プローブ10と表記する。検査治具11は、被検査体2に対向して配置される。以下において、相互に対向する端子21とプローブ10の対を「対向対」とも称する。
図1に示すように、被検査体2に対して検査治具11が配置される方向をZ方向とする。図1において、Z方向は紙面の上下方向であり、X方向は紙面の左右方向、Y方向は紙面の奥行方向である。
図1では検査治具11が保持するプローブ10の本数が3本である例を示したが、プローブ10の本数は3本に限定されるものではない。被検査体2の第1面201の相互に離間した複数の領域に対向するように、複数のプローブ10が検査治具11に配置される。図1はX方向に沿ってプローブ10を配列した例を示すが、Y方向に沿ってプローブ10を配列してもよいし、Z方向に垂直なXY平面にプローブ10をマトリクス状に配置してもよい。
切替器12は、検査治具11が保持する複数のプローブ10を選択的に測定装置13と電気的に接続する。切替器12は、2本以上のプローブ10を同時に測定装置13と電気的に接続することができる。
測定装置13は、プローブ10ごとに、端子21とプローブ10の先端の間隔(以下において「対向距離D」と称する。)に依存して変化する電気パラメータを測定する。対向距離Dは、Z方向に沿った距離である。測定装置13が測定した電気パラメータの測定値は、測定値記憶装置16に記憶される。切替器12が複数のプローブ10を同時に測定装置13と電気的に接続した場合は、測定装置13は、複数のプローブ10について同時に電気パラメータを測定する。
検出装置14は、プローブ10ごとに複数の対向距離Dにおいて測定装置13が測定した電気パラメータの測定値を用いて、対向距離Dの変化に起因する電気パラメータの変化量を、プローブ10ごとに検出する。例えば、検出装置14は、異なる対向距離Dのそれぞれにおいて測定された電気パラメータの測定値の差分として電気パラメータの変化量を検出してもよい。
検出装置14は、測定値記憶装置16に記憶された電気パラメータの測定値を読み出して、プローブ10ごとに電気パラメータの変化量を検出する。或いは、検出装置14が、測定装置13により測定された電気パラメータの測定値を、測定装置13から直接に取得してもよい。
判定装置15は、検出装置14が検出した電気パラメータの変化量に基づいて、被検査体2と検査治具11が平行に配置されているか否かを判定する。以下において、被検査体2と検査治具11が平行に配置されているか否かの判定を、「平行度の判定」とも称する。判定装置15による平行度の判定の方法の詳細は後述する。
判定結果表示装置17は、判定装置15による平行度の判定の結果を表示する。判定結果表示装置17は、例えばディスプレイなどの画像表示装置であってもよい。
検査システム1は、被検査体2と検査治具11の間隔を調整して、対向距離Dを変化させる間隔調整装置18を備える。図1に示す検査システム1は、間隔調整装置18として、被検査体2を戴置する検査ステージ181、および検査ステージ181を制御するステージ駆動装置182を有する。例えば、ステージ駆動装置182は、検査ステージ181をZ方向に移動させる。
図1に示す検査システム1は、被検査体2とプローブ10の先端との間の電気容量を、平行度の判定のための電気パラメータとして使用する。図1に示すように、第1プローブ101の先端と第1端子211の間の電気容量を、第1可変電気容量C11とする。第2プローブ102の先端と第2端子212の間の電気容量を、第2可変電気容量C12とする。第3プローブ103の先端と第3端子213の間の電気容量を、第3可変電気容量C13とする。以下、第1可変電気容量C11~第3可変電気容量C13のそれぞれを限定しない場合は、プローブ10の先端と端子21の間の電気容量を可変電気容量C1と表記する。可変電気容量C1は、対向距離Dの変化に起因して変化する。
被検査体2は、導電性の平行プレート23を有する。平行プレート23は、端子21と容量性カップリングする。図1に示した被検査体2では、第1面201に対向する第2面202に平行プレート23が配置されている。第1端子211~第3端子213と平行プレート23の間の電気容量を、第1固定電気容量C21~第3固定電気容量C23とする。以下、第1固定電気容量C21~第3固定電気容量C23のそれぞれを限定しない場合は、端子21と平行プレート23の間の電気容量を固定電気容量C2と表記する。例えば、固定電気容量C2は被検査体2の内部の電気容量である。対向距離Dが変化しても、固定電気容量C2は変化しない。
被検査体2の第1面201には、平行プレート23と電気的に接続する基準端子22が配置されている。例えば、第1面201から第2面202まで被検査体2を貫通する内部配線24によって、基準端子22と平行プレート23は電気的に接続する。
検査システム1は、電気パラメータを測定する際に基準端子22と電気的に接続可能な測定端子121を備える。測定装置13は、プローブ10と測定端子121間の電気パラメータを測定する。つまり、図1に示す測定装置13は、可変電気容量C1と固定電気容量C2を合成した電気容量を測定する。
測定装置13は、第1プローブ101が測定装置13に接続する状態で、第1プローブ101と第1端子211の対向対を含む電気経路について第1合成電気容量C31を測定する。ここで、第1合成電気容量C31は、第1可変電気容量C11と第1固定電気容量C21を直列接続した合成電気容量である。また、測定装置13は、第2プローブ102が測定装置13に接続する状態で、第2プローブ102と第2端子212の対向対を含む電気経路について、第2合成電気容量C32を測定する。第2合成電気容量C32は、第2可変電気容量C12と第2固定電気容量C22を直列接続した合成電気容量である。更に、測定装置13は、第3プローブ103が測定装置13に接続する状態で、第3プローブ103と第3端子213の対向対を含む電気経路について、第3合成電気容量C33を測定する。第3合成電気容量C33は、第3可変電気容量C13と第3固定電気容量C23を直列接続した合成電気容量である。以下、第1合成電気容量C31~第3合成電気容量C33のそれぞれを限定しない場合は、可変電気容量C1と固定電気容量C2を合成した電気容量を合成電気容量C3と表記する。
検査システム1は、切替器12により測定装置13と接続するプローブ10を切り替えながら、プローブ10ごとに合成電気容量C3を順次測定する。或いは、切替器12が複数のプローブ10を同時に測定装置13と電気的に接続して、測定装置13が、複数のプローブ10について同時に電気パラメータを測定する。例えば、検査システム1が、第1合成電気容量C31、第2合成電気容量C32および第3合成電気容量C33を同時に測定してもよい。複数のプローブ10について同時に電気パラメータを測定することにより、平行度の判定に要する時間を短縮することができる。
検査治具11と被検査体2の平行度の判定のための測定は、測定端子121と基準端子22が電気的に接続した状態で対向距離Dを変化させて行う。例えば、柔軟性を有する測定端子121を使用することにより、測定端子121と基準端子22が電気的に接続した状態のままで、対向距離Dを変化させることができる。或いは、Z方向に伸縮自在な構成を測定端子121に採用して、測定端子121と基準端子22が電気的に接続した状態のままで対向距離Dを変化させてもよい。Z方向に伸縮自在な構成の測定端子121として、例えば、Z方向に伸縮するバネ部を有するプローブを使用してもよい。また、測定端子121と測定装置13とを柔軟性を有する導電性ワイヤなどの接続部材で接続してもよい。
以下に、図1に示した検査システム1を用いて検査治具11と被検査体2の平行度を判定する方法の例を、図2を参照して説明する。
図2のステップS10において、測定端子121と基準端子22が電気的に接続した状態で、間隔調整装置18が、被検査体2と検査治具11の間隔を第1の対向距離D1に設定する。
次いで、ステップS20において、測定装置13が、プローブ10ごとに第1の対向距離D1における合成電気容量C3を電気パラメータとして測定する。測定された合成電気容量C3は、プローブ10ごとに第1の対向距離D1に関連付けて測定値記憶装置16に記憶される。
次に、ステップS30において、間隔調整装置18が、被検査体2と検査治具11の間隔を第1の対向距離D1と異なる第2の対向距離D2に設定する。例えば、第2の対向距離D2は第1の対向距離D1よりも短くする。
次いで、ステップS40において、測定装置13が、プローブ10ごとに第2の対向距離D2における合成電気容量C3を電気パラメータとして測定する。測定された合成電気容量C3は、プローブ10ごとに第2の対向距離D2に関連付けて測定値記憶装置16に記憶される。
ステップS50において、検出装置14が、第1の対向距離D1および第2の対向距離D2においてそれぞれ測定された電気パラメータの測定値を用いて、対向距離Dの変化に起因する電気パラメータの変化量を、プローブ10ごとに検出する。すなわち、検出装置14は、第1の対向距離D1において測定された合成電気容量C3と第2の対向距離D2において測定された合成電気容量C3を用いて、対向距離Dの変化に起因する合成電気容量C3の変化量をプローブ10ごとに検出する。例えば、検出装置14は、第1の対向距離D1において測定された合成電気容量C3(以下、「第1測定電気容量C3A」と称する。)と第2の対向距離D2において測定された合成電気容量C3(以下、「第2測定電気容量C3B」と称する。)を、測定値記憶装置16から読み出す。そして、検出装置14は、第1測定電気容量C3Aと第2測定電気容量C3Bの差分を、対向距離Dの変化に起因する合成電気容量C3の変化量(以下において、「差分電気容量Cd」とも称する。)として検出する。例えば、第2の対向距離D2が第1の対向距離D1よりも短い場合には、第2測定電気容量C3Bから第1測定電気容量C3Aを引いた値が、差分電気容量Cdである。検出された差分電気容量Cdは、判定装置15に送信される。
ステップS60において、判定装置15が、電気パラメータの変化量である差分電気容量Cdに基づいて、被検査体2と検査治具11が平行に配置されているか否かを判定する。例えば、判定装置15は、それぞれのプローブ10について、差分電気容量Cdが所定の判定値の範囲内であるか否かを判定する。判定装置15は、プローブ10のすべてにおいて差分電気容量Cdが判定値の範囲内である場合に、被検査体2と検査治具11が平行に配置されていると判定する。一方、差分電気容量Cdが判定値の範囲内ではないプローブ10が1つでもあれば、判定装置15は、被検査体2と検査治具11が平行に配置されていないと判定する。
判定装置15による判定結果は、判定結果表示装置17に送信される。検査システム1の使用者は、判定結果表示装置17が表示する判定結果を参照して、被検査体2の特性検査を実行するか否かを判断してもよい。すなわち、被検査体2と検査治具11が平行に配置されているという判定結果が得られた場合には、検査システム1を用いた被検査体2の特性検査が実行される。一方、被検査体2と検査治具11が平行に配置されていないという判定結果が得られた場合には、検査システム1の使用者は、被検査体2と検査治具11が平行になるように、被検査体2と検査治具11のいずれか若しくは両方の配置を調整する。例えば、XY平面に対する被検査体2又は検査ステージ181のなす角が調整される。或いは、XY平面に対する検査治具11のなす角が調整される。
判定装置15が被検査体2と検査治具11の平行度の判定に使用する判定値は、被検査体2の検査内容に必要な平行度の精度などに応じて、任意に設定可能である。つまり、被検査体2の検査に影響を及ぼさない範囲で被検査体2と検査治具11の平行度が得られるように、判定値が設定される。判定値は、例えば、検査システム1の図示を省略した入力装置を介して判定装置15に入力してもよい。
第1の対向距離D1と第2の対向距離D2は、可変電気容量C1が測定可能な距離に設定される。例えば、シミュレーションや事前の試験測定などにより、可変電気容量C1が測定精度を保証された有効な測定値である距離の範囲になるように、第1の対向距離D1と第2の対向距離D2を設定する。また、第1測定電気容量C3Aと第2測定電気容量C3Bとで一定の差が生じるように、第1の対向距離D1と第2の対向距離D2の差を設定する。
対向距離Dが十分に長いと可変電気容量C1はゼロである。そして、対向距離Dを短くすることにより可変電気容量C1は増加する。このため、測定装置13が合成電気容量C3を測定する複数の対向距離Dが、第1測定電気容量C3Aがゼロである第1の対向距離D1と、第1の対向距離D1よりも短い第2の対向距離D2を含むようにしてもよい。
第1の対向距離D1は、例えば図3に示す方法のように設定してもよい。まず、ステップS11において、間隔調整装置18が、被検査体2と検査治具11の間隔を任意の初期距離に設定する。次いで、ステップS12において、測定装置13が、複数のプローブ10のうちの任意の1つと基準端子22の間の電気容量を測定する。例えば、測定装置13が、第1プローブ101と基準端子22の間の電気容量を測定する。以下において、ステップS12において測定された電気容量値を「設定用電気容量値」とも称する。
ステップS13において、測定装置13は、設定用電気容量値を所定の容量しきい値と比較する。設定用電気容量値が容量しきい値よりも大きい場合には、処理はステップS14に進み、その時の被検査体2と検査治具11の間隔を第1の対向距離D1に設定する。一方、ステップS13において設定用電気容量値が容量しきい値を超えない場合には、処理はステップS15に進み、被検査体2と検査治具11の間隔を狭くする。ステップS15の後、処理はステップS12に戻る。
容量しきい値は、被検査体2と検査治具11を近づける目安となる電気容量値である。容量しきい値は、測定精度を保証された有効な測定値に設定される。初期距離は、例えば、測定装置13により有効な測定値の取得が可能と見込まれる最大の距離としてもよい。
上記では、1つの端子21に1本のプローブ10が対向する例を説明したが、1つの端子21に複数のプローブ10が対向していてもよい。例えば、被検査体2の第1端子211と第2端子212がつながっていてもよい。また、被検査体2が第1面201に広がる1つの端子21を有する場合は、端子21に対向して複数のプローブ10を相互に離間して配置することにより、検査システム1は被検査体2の平行度を判定することができる。
なお、被検査体2のすべての端子21にプローブ10が対向していなくてもよい。つまり、プローブ10同士の間隔が被検査体2の平行度を判定できる範囲で、被検査体2の第1面201に対向して複数のプローブ10が配置されていればよい。
また、端子21と容量性カップリングする平行プレート23を有する被検査体2について説明したが、被検査体2が平行プレート23を有しなくてもよい。平行プレート23を有しない被検査体2では、例えば被検査体2の内部の電気容量によって端子21と基準端子22が容量性カップリングしていることにより、検査システム1により合成電気容量C3が測定される。更に、被検査体2が端子21および平行プレート23のいずれも有しなくてもよい。プローブ10の先端に対向する第1面201の領域と基準端子22が被検査体2の内部の電気容量によって容量性カップリングしていることにより、検査システム1により合成電気容量C3が測定される。
ところで、上記では、対向対のそれぞれの差分電気容量Cdを判定値と比較する方法により、被検査体2と検査治具11の平行度を判定する方法を説明した。しかし、差分電気容量Cdを用いた他の方法によって被検査体2と検査治具11の平行度を判定してもよい。
例えば、プローブ10についてそれぞれ検出された差分電気容量Cdにおける最大値と最小値の差が所定の判定値の範囲内である場合に、被検査体2と検査治具11が平行に配置されていると判定してもよい。
或いは、プローブ10の1つを基準プローブとして選択し、基準プローブの測定値を用いて被検査体2の平行度を判定してもよい。すなわち、検査システム1が、基準プローブを除いた他のすべてのプローブ10の差分電気容量Cdと基準プローブの差分電気容量Cdとの差が所定の判定値の範囲内である場合に、被検査体2と検査治具11が平行に配置されていると判定してもよい。この基準プローブは、合成電気容量C3の測定値を用いて選択してもよい。例えば、すべてのプローブ10について測定された合成電気容量C3の平均値に最も近い合成電気容量C3が測定されたプローブ10を、基準プローブとして選択してもよい。この場合、検査治具11と被検査体2の平行度を判定するための合成電気容量の測定の途中で、基準プローブを選択してもよい。
<変形例>
図1に示した検査システム1では、被検査体2の第2面202の大部分が検査ステージ181と離間している。一方、図4に示す検査システム1では、検査ステージ181が被検査体2の第2面202の全面と接触する。検査ステージ181が導電性であることにより、被検査体2に平行プレート23がなくても、被検査体2の端子21と基準端子22を電気的に接続することができる。言い換えると、被検査体2の第2面202が導電性の検査ステージ181と接触していれば、被検査体2に平行プレート23がなくても、検査システム1は合成電気容量C3を測定できる。
図1に示した検査システム1では、被検査体2の第2面202の大部分が検査ステージ181と離間している。一方、図4に示す検査システム1では、検査ステージ181が被検査体2の第2面202の全面と接触する。検査ステージ181が導電性であることにより、被検査体2に平行プレート23がなくても、被検査体2の端子21と基準端子22を電気的に接続することができる。言い換えると、被検査体2の第2面202が導電性の検査ステージ181と接触していれば、被検査体2に平行プレート23がなくても、検査システム1は合成電気容量C3を測定できる。
検査システム1による平行度の判定と比較するために、図5に示す比較例の平行度判定システム1Mによって検査治具11と被検査体2の平行度を判定する方法を以下に示す。平行度判定システム1Mは、変位測定装置51と変位判定装置52を備える。
変位測定装置51は、検査治具11と被検査体2の間に配置されている。変位測定装置51は、検査治具11に対向して配置された第1レーザ変位計511および被検査体2に対向して配置された第2レーザ変位計512を有する。変位計駆動装置513の制御により、第1レーザ変位計511および第2レーザ変位計512はXY平面に沿って移動する。
変位測定装置51から第1プローブ101の先端までの距離を測定するために、図5に示すように、変位計駆動装置513が、第1レーザ変位計511を第1プローブ101の直下に移動させる。そして、第1レーザ変位計511が、第1プローブ101に投光した第1レーザ光L1の第1プローブ101からの反射光を受光して、変位測定装置51から第1プローブ101までの距離を測定する。更に、変位計駆動装置513が第1レーザ変位計511の位置を変更しながら、第1レーザ変位計511が、変位測定装置51から第2プローブ102までの距離および変位測定装置51から第3プローブ103までの距離を測定する。
変位測定装置51からプローブ10までの距離は、変位判定装置52に送信される。変位判定装置52は、変位測定装置51からそれぞれのプローブ10までの距離を用いて、検査治具11と変位測定装置51の平行度が所定の許容範囲内であるか否かを判定する。例えば、変位判定装置52は、変位測定装置51からプローブ10までの距離の差がすべて平行しきい値よりも小さい場合に、検査治具11と変位測定装置51の平行度が許容範囲内であると判定する。平行しきい値は、入力装置521から変位判定装置52に入力するようにしてもよい。変位判定装置52による判定結果は、判定表示装置522に表示される。
また、変位測定装置51から第1端子211までの距離を測定するために、図5に示すように、変位計駆動装置513が第2レーザ変位計512を第1端子211の直上に移動させる。そして、第2レーザ変位計512が、第1端子211に投光した第2レーザ光L2の第1端子211からの反射光を受光して、変位測定装置51から第1端子211までの距離を測定する。更に、変位計駆動装置513が第2レーザ変位計512の位置を変更しながら、第2レーザ変位計512が、変位測定装置51から第2端子212までの距離および変位測定装置51から第3端子213までの距離を測定する。
変位測定装置51から端子21までの距離は、変位判定装置52に送信される。変位判定装置52は、変位測定装置51からそれぞれの端子21までの距離を用いて、被検査体2と変位測定装置51の平行度が所定の許容範囲内であるか否かを判定する。例えば、変位判定装置52は、変位測定装置51から端子21までの距離の差がすべて平行しきい値よりも小さい場合に、被検査体2と変位測定装置51の平行度が許容範囲内であると判定する。変位判定装置52による判定結果は、判定表示装置522に表示される。
上記のように、平行度判定システム1Mは、変位測定装置51からプローブ10までの距離を測定して、検査治具11と変位測定装置51の平行度を判定する。更に、平行度判定システム1Mは、変位測定装置51から端子21までの距離を測定して、被検査体2と変位測定装置51の平行度を判定する。平行度判定システム1Mは、検査治具11と変位測定装置51の平行度、および被検査体2と変位測定装置51の平行度を判定することにより、間接的に検査治具11と被検査体2の平行度を判定する。
平行度判定システム1Mは、プローブ10の本数の回数だけ第1レーザ変位計511を移動させて、変位測定装置51からプローブ10までの距離をプローブ10ごとに測定する。そして、平行度判定システム1Mは、端子21の個数の回数だけ第2レーザ変位計512を移動させて、変位測定装置51から端子21までの距離を端子21ごとに測定する。したがって、プローブ10の本数の回数だけプローブ10と第1レーザ変位計511とを位置合わせし、端子21の個数の回数だけ端子21と第2レーザ変位計512とを位置合わせする必要がある。
このため、平行度判定システム1Mを用いて検査治具11と被検査体2の平行度を判定する方法は、平行度の判定に必要な時間が長い。特に、プローブ10の本数および端子21の個数が多いほど、平行度判定システム1Mによる平行度の判定に要する時間が増大する。例えば、レーザ変位計による測定時間が1箇所あたり1秒と仮定すると、プローブ10の本数および端子21の個数が10000である場合には、距離を測定するだけで約333分を要する。このように、平行度判定システム1Mを用いて検査治具11と被検査体2の平行度を判定する方法は、生産性が低い。
一方、検査システム1を用いて検査治具11と被検査体2の平行度を判定する場合は、すべてのプローブ10と端子21を位置合わせした状態で、測定装置13がプローブ10ごとに電気パラメータを測定する。このため、検査システム1を用いる方法によれば、平行度判定システム1Mを用いる方法と比べて、平行度の判定に要する時間を短縮できる。また、距離を測定するためのレーザ変位計などの測定装置が不要であるため、検査治具11と被検査体2の平行度を判定するためのコストを抑制できる。
以上に説明したように、第1の実施形態に係る検査システム1では、対向距離Dの変化に起因する電気パラメータの変化量として電気容量の変化量をプローブ10について測定する。そして、プローブ10について測定された電気容量の変化量に基づいて、検査治具11と被検査体2の平行度を判定する。したがって、検査システム1によれば、検査治具11と被検査体2の平行度の判定に要する時間およびコストを低減することができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態に係る検査システム1は、プローブ10について測定される電気パラメータが電気抵抗である点が、電気パラメータが電気容量である第1の実施形態に係る検査システム1と異なる。図6に、検査治具11と被検査体2の平行度を判定するための電気パラメータが電気抵抗である場合における、検査システム1による検査方法を説明する模式図を示す。図6に示す検査システム1は、図1に示す検査システム1と同様に、検査治具11、測定装置13、検出装置14、判定装置15および間隔調整装置18を備える。
第2の実施形態に係る検査システム1は、プローブ10について測定される電気パラメータが電気抵抗である点が、電気パラメータが電気容量である第1の実施形態に係る検査システム1と異なる。図6に、検査治具11と被検査体2の平行度を判定するための電気パラメータが電気抵抗である場合における、検査システム1による検査方法を説明する模式図を示す。図6に示す検査システム1は、図1に示す検査システム1と同様に、検査治具11、測定装置13、検出装置14、判定装置15および間隔調整装置18を備える。
図6に示すように、第1プローブ101の先端と第1端子211の間の電気抵抗を、第1可変電気抵抗R11とする。第2プローブ102の先端と第2端子212の間の電気抵抗を、第2可変電気抵抗R12とする。第3プローブ103の先端と第3端子213の間の電気抵抗を、第3可変電気抵抗R13とする。以下、第1可変電気抵抗R11~第3可変電気抵抗R13のそれぞれを限定しない場合は、プローブ10の先端と端子21の間の電気抵抗を可変電気抵抗R1と表記する。
図6では、説明をわかりやすくするためにプローブ10の先端と端子21が離れた状態で可変電気抵抗R1を図示した。可変電気抵抗R1は、対向距離Dの変化に起因して変化する。すなわち、対向距離Dが十分に長いと可変電気抵抗R1はほぼ無限大である。一方、プローブ10の先端と端子21が接触した状態では、可変電気抵抗R1はほぼゼロである。このように、対向距離Dを変化させることにより、可変電気抵抗R1は変化する。
被検査体2は、端子21と電気的に接続する導電性プレート25を有する。図6に示した被検査体2では、端子21を配置した第1面201に導電性プレート25が配置されている。更に、被検査体2の第1面201には、導電性プレート25と電気的に接続する基準端子22が配置されている。端子21と基準端子22は導電性プレート25を介して電気的に接続し、端子21と基準端子22の間の電気抵抗はゼロである。図6に示す検査システム1の測定端子121は、図1に示す検査システム1と同様に、電気パラメータを測定する際に基準端子22と電気的に接続する。
図6に示す検査システム1では、測定装置13が、プローブ10ごとにプローブ10と測定端子121間の電気抵抗を測定する。以下において、プローブ10と測定端子121間の電気抵抗の合計を「合成電気抵抗」とも称する。合成電気抵抗は可変電気抵抗R1を含む。
以下に、図2を参照して、図6に示した検査システム1により検査治具11と被検査体2の平行度を判定する方法の例を説明する。まず、ステップS10において、間隔調整装置18が、被検査体2と検査治具11の間隔を第1の対向距離D1に設定する。例えば、プローブ10と端子21が接触する距離を第1の対向距離D1に設定してもよい。
次いで、ステップS20において、切替器12により測定装置13と接続するプローブ10を切り替えながら、測定装置13が、プローブ10ごとに第1の対向距離D1における合成電気抵抗を電気パラメータとして順次測定する。或いは、切替器12が複数のプローブ10を同時に測定装置13と電気的に接続して、測定装置13が、複数のプローブ10について同時に合成電気抵抗を測定する。測定された合成電気抵抗は、プローブ10ごとに第1の対向距離D1に関連付けて測定値記憶装置16に記憶される。例えば第1の対向距離D1においてプローブ10と端子21が接触する場合、測定される合成電気抵抗はゼロΩである。
次に、ステップS30において、間隔調整装置18が、被検査体2と検査治具11の間隔を第1の対向距離D1と異なる第2の対向距離D2に設定する。例えば、第1の対向距離D1においてプローブ10と端子21が接触する場合に、第2の対向距離D2を第1の対向距離D1よりも長く設定する。
次いで、ステップS40において、測定装置13が、プローブ10ごとに第2の対向距離D2における合成電気抵抗を電気パラメータとして測定する。測定された合成電気抵抗は、プローブ10ごとに第2の対向距離D2に関連付けて測定値記憶装置16に記憶される。
ステップS50において、検出装置14が、第1の対向距離D1において測定された合成電気抵抗と第2の対向距離D2において測定された合成電気抵抗を用いて、対向距離Dの変化に起因する合成電気抵抗の変化量をプローブ10ごとに検出する。例えば、検出装置14が、第1の対向距離D1において測定された合成電気抵抗と第2の対向距離D2において測定された合成電気抵抗の差分を、対向距離Dの変化に起因する合成電気抵抗の変化量(以下において、「差分電気抵抗Rd」とも称する。)として検出する。検出された差分電気抵抗Rdは、判定装置15に送信される。例えば第1の対向距離D1においてプローブ10と端子21が接触する場合、第1の対向距離D1において測定された合成電気抵抗はゼロΩであるため、差分電気抵抗Rdは、第2の対向距離D2において測定された合成電気抵抗である。
ステップS60において、判定装置15が、差分電気抵抗Rdに基づいて、被検査体2と検査治具11が平行に配置されているか否かを判定する。例えば、判定装置15は、それぞれのプローブ10について、差分電気抵抗Rdが所定の判定値の範囲内であるか否かを判定する。判定装置15は、すべてのプローブ10において差分電気抵抗Rdが判定値の範囲内である場合に、被検査体2と検査治具11が平行に配置されていると判定する。一方、差分電気抵抗Rdが判定値の範囲内にないプローブ10が1つでもあれば、判定装置15は、被検査体2と検査治具11が平行に配置されていないと判定する。
例えば第1の対向距離D1でプローブ10と端子21が接触する場合、判定装置15は、第2の対向距離D2において測定された合成電気抵抗がすべてのプローブ10においてオープン抵抗値であると、被検査体2と検査治具11が平行に配置されていると判定する。ここで、「オープン抵抗値」は、プローブ10と基準端子22が離間していることを示す抵抗値である。オープン抵抗値は、第1の対向距離D1においてプローブ10と端子21が接触している状態の合成電気抵抗より大きい。
第1の対向距離D1と第2の対向距離D2は、第1の対向距離D1における合成電気抵抗と第2の対向距離D2における合成電気抵抗の比較が可能な距離に設定される。
例えば、第1の対向距離D1をプローブ10と端子21が接触する距離とし、第2の対向距離D2をプローブ10と端子21が離間する距離に設定してもよい。このとき、第1の対向距離D1において、測定装置13が、すべてのプローブ10と基準端子22の間の電気抵抗がショート抵抗値であることを確認してもよい。ここで、「ショート抵抗値」とは、プローブ10と基準端子22が接触していることを示す抵抗値であり、ほぼゼロΩである。第2の対向距離D2は、例えば、検査治具11と被検査体2の平行度が許容範囲である場合にすべてのプローブ10と端子21が離間する距離に設定される。
すべてのプローブ10が端子21とそれぞれ接触するように第1の対向距離D1を設定した場合には、第2の対向距離D2は、例えば図7に示す方法により設定してもよい。
図7のステップS31において、間隔調整装置18が、被検査体2と検査治具11の間隔を第1の対向距離D1に設定する。このとき、すべてのプローブ10について合成電気抵抗がショート抵抗値であることを確認してもよい。次いで、ステップS32において、間隔調整装置18が、被検査体2と検査治具11の間隔を広げる。
ステップS33において、測定装置13が、複数のプローブ10のうちの任意の1つと基準端子22の間の電気抵抗を測定する。例えば、測定装置13が、第1プローブ101と基準端子22の間の電気抵抗を測定する。以下において、ステップS33において測定された電気抵抗値を「設定用電気抵抗値」とも称する。
ステップS34において、測定装置13は、設定用電気抵抗値がオープン抵抗値であるか否かを判定する。設定用電気抵抗値がオープン抵抗値である場合には、処理はステップS35に進み、その時の被検査体2と検査治具11の間隔を第2の対向距離D2に設定する。このため、第2の対向距離D2は、プローブ10と端子21が離間している距離である。一方、ステップS34において設定用電気抵抗値がオープン抵抗値でない場合には、処理はステップS32に戻り、被検査体2と検査治具11の間隔を広くする。その後、処理はステップS33に進む。
なお、すべてのプローブ10が端子21と接触するように第1の対向距離D1を設定する場合には、被検査体2と検査治具11の間隔を第1の対向距離D1を設定する前に、被検査体2と検査治具11とがある程度は平行であるように留意する。被検査体2に対して検査治具11が大きく傾いていると、第1の対向距離D1において端子21に強く接触するプローブ10により端子21が破損する可能性がある。
上記では、第1の対向距離D1よりも第2の対向距離D2が長い場合を説明した。或いは、第1の対向距離D1よりも第2の対向距離D2を短くしてもよい。例えば、対向距離Dが十分に大きく合成電気抵抗が無限大である状態から、測定装置13が合成電気抵抗を測定できる第1の対向距離D1まで対向距離Dを狭くする。その場合、任意のプローブ10について合成電気抵抗を測定しながら、徐々に対向距離Dを狭くしてもよい。そして、有効な合成電気抵抗が測定された対向距離Dを第1の対向距離D1に設定する。第1の対向距離D1において合成電気抵抗を測定した後、第1の対向距離D1における測定値から合成電気抵抗が変化するまで、任意のプローブ10について合成電気抵抗を測定しながら、徐々に対向距離Dを短くする。そして、第1の対向距離D1における測定値から合成電気抵抗が変化した対向距離Dを、第2の対向距離D2に設定する。
ところで、複数のプローブ10と基準端子22の間の電気抵抗を測定しながら、対向距離Dを変化させてもよい。その場合、切替器12が、検査治具11が保持する複数のプローブ10のうち2本以上のプローブ10を選択的に測定装置13と電気的に接続する。
以下に、切替器12が、第1プローブ101および第3プローブ103を同時に測定装置13と電気的に接続する例を説明する。この例では、以下に説明するように、測定装置13が、第1プローブ101と基準端子22の間の電気抵抗と、第3プローブ103と基準端子22の間の電気抵抗を同時に測定する。
対向距離Dを変化させながら、測定装置13が、第1プローブ101と基準端子22の間の電気抵抗(以下、「第1設定抵抗Rs1」と称する。)と、第3プローブ103と基準端子22の間の電気抵抗(以下、「第3設定抵抗Rs3」と称する。)を同時に測定する。検出装置14は、測定装置13が測定した第1設定抵抗Rs1と第3設定抵抗Rs3を、測定と同時にモニタする。検出装置14は、第1設定抵抗Rs1と第3設定抵抗Rs3の少なくともいずれかが所定の抵抗しきい値の範囲から外れた時点で、対向距離Dの変化を停止させる。抵抗しきい値は、プローブ10と端子21の間の電気抵抗の変化を検出するための目安となる電気抵抗値である。対向距離Dの変化を停止した後にプローブ10ごとに合成電気抵抗を測定することにより、XY平面における合成電気抵抗の面内分布を取得することができる。
合成電気抵抗の面内分布を取得することにより、検査治具11と被検査体2の平行度を効率的に判定することができる。一方、1本のプローブ10と基準端子22の間の電気抵抗値により対向距離Dを設定する場合には、以下のような問題が生じる可能性がある。例えば、第1プローブ101の先端に対して第3プローブ103の先端が被検査体2に近い場合に、第3プローブ103と第3端子213が接触した状態で、第1プローブ101は第1端子211に接触していない。その場合、すべてのプローブ10について合成電気抵抗を測定したときに、検査治具11と被検査体2の平行度を合成電気抵抗の面内分布により判定することが困難である。
これに対し、複数のプローブ10と基準端子22の間の電気抵抗を測定しながら対向距離Dを変化させることにより、被検査体2の電気抵抗値の面内分布の傾向を検出できる。面内分布の傾向を検出することにより、効率的に検査治具11と被検査体2の平行度を判定することができる。
上記では、切替器12が、第1プローブ101と第3プローブ103を同時に測定装置13と電気的に接続する例を説明したが、任意の複数のプローブ10を同時に測定装置13と接続してもよい。なお、検査治具11の中央部と外縁部にそれぞれ配置されたプローブ10について同時に電気抵抗値を測定することにより、検査治具11の傾きや撓りによる影響を考慮することができる。
以上に説明した電気パラメータが電気抵抗である検査システム1では、プローブ10のそれぞれの差分電気抵抗Rdを判定値と比較する方法により、被検査体2と検査治具11の平行度を判定する。しかし、差分電気抵抗Rdを用いた他の方法によって被検査体2と検査治具11の平行度を判定してもよい。
例えば、プローブ10についてそれぞれ検出された差分電気抵抗Rdにおける最大値と最小値の差が所定の判定値の範囲内である場合に、検査システム1が、被検査体2と検査治具11が平行に配置されていると判定してもよい。或いは、複数のプローブ10の1つを基準プローブとして選択し、基準プローブの測定値を用いて平行度を判定してもよい。すなわち、検査システム1が、基準プローブを除いた他のすべてのプローブ10の差分電気抵抗Rdと基準プローブの差分電気抵抗Rdとの差が所定の判定値の範囲内である場合に、被検査体2と検査治具11が平行に配置されていると判定してもよい。
以上に説明したように、第2の実施形態に係る検査システム1では、対向距離Dの変化に起因して変化する電気パラメータとして電気抵抗を使用し、電気抵抗の変化量に基づいて検査治具11と被検査体2の平行度を判定する。他は、第2の実施形態は第1の実施形態と実質的に同様であり、重複した記載を省略する。
(その他の実施形態)
上記のように本発明は実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述および図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替の実施形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
上記のように本発明は実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述および図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替の実施形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
例えば、上記では被検査体2を戴置した検査ステージ181をZ方向に移動させることにより対向距離Dを変化させる例を説明した。しかし、検査治具11をZ方向に移動させることにより対向距離Dを変化させてもよい。
また、上記では、被検査体2の特性を検査する例を説明したが、被検査体2の外観検査や寸法検査を行うために、被検査体2の平行度を確認してもよい。また、被検査体2の平行度を確認した後に、検査システム1に代えて他の検査システムを用いて被検査体2の特性検査を実行してもよい。例えば、検査治具11に他の検査装置を接続して、被検査体2を検査してもよい。
被検査体2がプリント基板である場合を例示的に説明したが、被検査体2がプリント基板以外であってもよい。例えば、被検査体2がウェハに形成された半導体装置であってもよい。被検査体2が半導体装置である場合、検査システム1は、半導体装置の電気的特性などの検査に使用される。検査システム1では、半導体装置の電気的特性を検査する前に、半導体装置に形成された端子21に対向するプローブ10について電気パラメータを測定することにより、検査治具11とウェハの平行度が判定される。
或いは、被検査体2は、金属板や絶縁板であってもよい。また、被検査体2が加工対象物であってもよい。すなわち、被検査体2の平行度を確認した後に、加工装置を用いて被検査体2の研削加工または研磨加工を行ってもよい。検査システム1は、検査または加工する対象が平面である板状などの被検査体2の平行度の確認に、好適に使用することができる。
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施形態などを含むことはもちろんである。
1…検査システム
2…被検査体
10…プローブ
11…検査治具
12…切替器
13…測定装置
14…検出装置
15…判定装置
18…間隔調整装置
21…端子
2…被検査体
10…プローブ
11…検査治具
12…切替器
13…測定装置
14…検出装置
15…判定装置
18…間隔調整装置
21…端子
Claims (21)
- 被検査体の平行度の検査に使用される検査システムであって、
前記被検査体とそれぞれの先端が対向するように配置された複数のプローブを有する検査治具と、
前記プローブごとに、前記被検査体と前記先端の間隔に依存して変化する電気パラメータを測定する測定装置と、
複数の前記間隔においてそれぞれ測定された前記電気パラメータの測定値を用いて、前記間隔の変化に起因する前記電気パラメータの変化量を、前記プローブごとに検出する検出装置と、
前記電気パラメータの前記変化量に基づいて、前記被検査体と前記検査治具が平行に配置されているか否かを判定する判定装置と
を備える、検査システム。 - 前記判定装置が、前記プローブのすべてにおいて前記変化量が所定の判定値の範囲内である場合に、前記被検査体と前記検査治具が平行に配置されていると判定する、請求項1に記載の検査システム。
- 前記判定装置が、前記プローブについてそれぞれ検出された前記変化量の最大値と最小値の差が所定の判定値の範囲内である場合に、前記被検査体と前記検査治具が平行に配置されていると判定する、請求項1に記載の検査システム。
- 前記判定装置が、複数の前記プローブの1つを基準プローブとして、前記基準プローブを除いた他のすべての前記プローブでそれぞれ検出された前記変化量と前記基準プローブで検出された前記変化量との差が所定の判定値の範囲内である場合に、前記被検査体と前記検査治具が平行に配置されていると判定する、請求項1に記載の検査システム。
- 前記プローブについてそれぞれ測定された前記電気パラメータの測定値の平均値に最も近い測定値が測定された前記プローブを前記基準プローブに選択する、請求項4に記載の検査システム。
- 前記電気パラメータが、前記被検査体と前記プローブの前記先端との間の電気容量を含む、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の検査システム。
- 前記測定装置が前記電気パラメータを測定するときの前記間隔が、前記被検査体と前記プローブの前記先端との間の電気容量がゼロである第1の対向距離と、前記第1の対向距離よりも短い第2の対向距離を含む、請求項6に記載の検査システム。
- 前記電気パラメータが、前記被検査体と前記プローブの前記先端との間の電気抵抗を含む、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の検査システム。
- 前記測定装置が前記電気パラメータを測定するときの前記間隔が、前記プローブが前記被検査体と接触する第1の対向距離と、前記プローブと前記被検査体が離間している第2の対向距離を含む、請求項8に記載の検査システム。
- 前記測定装置が、複数の前記プローブについて前記電気パラメータを同時に測定する、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の検査システム。
- 前記プローブを前記被検査体と接触させて前記被検査体の特性を検査する、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の検査システム。
- 複数のプローブを有する検査治具を、前記プローブの先端が被検査体と対向するように配置し、
前記プローブごとに、前記被検査体と前記先端の間隔に依存して変化する電気パラメータを測定し、
複数の前記間隔においてそれぞれ測定された前記電気パラメータの測定値を用いて、前記間隔の変化に起因する前記電気パラメータの変化量を、前記プローブごとに検出し、
前記電気パラメータの前記変化量に基づいて、前記被検査体と前記検査治具が平行に配置されているか否かを判定する
を含む、検査方法。 - 前記プローブのすべてにおいて前記変化量が所定の判定値の範囲内である場合に、前記被検査体と前記検査治具が平行に配置されていると判定する、請求項12に記載の検査方法。
- 前記プローブについてそれぞれ検出された前記変化量の最大値と最小値の差が所定の判定値の範囲内である場合に、前記被検査体と前記検査治具が平行に配置されていると判定する、請求項12に記載の検査方法。
- 複数の前記プローブの1つを基準プローブとして、前記基準プローブを除いた他のすべての前記プローブでそれぞれ検出された前記変化量と前記基準プローブで検出された前記変化量との差が所定の判定値の範囲内である場合に、前記被検査体と前記検査治具が平行に配置されていると判定する、請求項12に記載の検査方法。
- 前記プローブについてそれぞれ測定された前記電気パラメータの測定値の平均値に最も近い測定値が測定された前記プローブを前記基準プローブに選択する、請求項15に記載の検査方法。
- 前記電気パラメータが、前記被検査体と前記プローブの前記先端との間の電気容量を含む、請求項12乃至16のいずれか1項に記載の検査方法。
- 前記電気パラメータを測定するときの前記間隔が、前記被検査体と前記プローブの前記先端との間の電気容量がゼロである第1の対向距離と、前記第1の対向距離よりも短い第2の対向距離を含む、請求項17に記載の検査方法。
- 前記電気パラメータが、前記被検査体と前記プローブの前記先端との間の電気抵抗を含む、請求項12乃至16のいずれか1項に記載の検査方法。
- 前記電気パラメータを測定するときの前記間隔が、前記プローブが前記被検査体と接触する第1の対向距離と、前記プローブと前記被検査体が離間している第2の対向距離を含む、請求項19に記載の検査方法。
- 複数の前記プローブについて前記電気パラメータを同時に測定する、請求項12乃至20のいずれか1項に記載の検査方法。
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