JP2023103654A - 吸着材の再生方法 - Google Patents

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靖史 浅井
Yasushi Asai
薫 村上
Kaoru Murakami
裕紀 手塚
Hironori Tezuka
浩義 岡田
Hiroyoshi Okada
弘毅 内場
Koki Uchiba
暁斗 菅野
Akito Sugano
洋平 多羅
Yohei Tara
武志 安河内
Takeshi Yasukochi
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Abstract

【課題】 環境負荷を与えることなく、大掛かりな設備を使用することなく、吸着性能を変化させることなく、油分を含む汚染物質を除去できる方法を提供すること。【解決手段】 油分を含む汚染物質を吸着する吸着材を再生する方法は、過酸化水素を含む第1の洗浄水に、気泡を注入しながら吸着材を15分~30分浸漬させる工程と、第2の洗浄水に、気泡を注入しながら第1の洗浄水から取り出した前記吸着材を15分~30分浸漬させる工程とを含む。【選択図】 図5

Description

本発明は、吸着材を再生する方法に関する。
工場、焼却炉、火力発電所、道路トンネル等から排出される排ガス中には、二酸化窒素(NO)等の大気を汚染する汚染物質が含まれることから、大気中へ放出する前に、活性炭等の吸着材を使用して汚染物質が除去される。
吸着材は、細孔を有し、細孔内に汚染物質が付着することにより排ガス中の汚染物質を除去する。吸着材は、付着した汚染物質を除去することにより再生し、再利用することが可能である。
吸着材を再生する方法として、例えば流動輸送炉、流動炉、ロータリーキルン等を用い、800℃~900℃の高温で活性炭を炭化・賦活し、活性炭の性能を回復させる加熱再生法が知られている(例えば、特許文献1、非特許文献1参照)。また、有機溶媒による再生法(例えば、特許文献2、3参照)や、微生物分解による再生法(例えば、特許文献4参照)等も知られている。
特開2014-4511号公報 特開昭57-46894号公報 特開平10-57808号公報 特許第3560474号公報
浦野紘平、"水処理用活性炭の再生技術"、化学工学、公益社団法人化学工学会、1973年、第37巻、第7号、p.677-683
しかしながら、上記の有機溶媒や微生物分解による再生法は、有機溶媒に可溶な物質や代謝可能な物質に除去対象が限定されており、吸着材に付着した油分の除去には不向きである。一方、上記の加熱再生法は、吸着材に付着した油分を除去することが可能であるが、燃料を使用して高温で加熱するため、環境負荷を与え、大掛かりな設備が必要で、しかも吸着材の細孔や硬度に影響を与え、吸着性能が変化するという問題がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、油分を含む汚染物質を吸着する吸着材を再生する方法であって、
過酸化水素を含む第1の洗浄水に、気泡を注入しながら吸着材を15分~30分浸漬させる工程と、
第2の洗浄水に、気泡を注入しながら第1の洗浄水から取り出した吸着材を15分~30分浸漬させる工程と
を含む、再生方法が提供される。
本発明によれば、環境負荷を与えることなく、大掛かりな設備を使用することなく、吸着性能を変化させることなく、油分を含む汚染物質を除去することが可能となる。
従来の加熱再生法で使用される流動輸送炉について説明する図。 大気浄化システムについて説明する図。 大気浄化システムを構成する脱硝装置について説明する図。 吸着材を再生する装置の構成例を示した図。 吸着材を再生する作業の流れを示したフローチャート。 本再生方法による吸着材を再生する試験を実施した結果を示した図。 図6に示した結果を折れ線グラフで示した図。 再生済みの吸着材の吸着性能を確認する試験を実施するための試験装置の構成を示した図。 吸着性能の第1の確認試験の結果を示した図。 吸着性能の第2の確認試験の結果を示した図。
本発明の吸着材の再生方法は、天然ガス、ガソリン、軽油、重油、タールピッチ等の燃料を燃焼することにより排出される排ガス中のNO等の汚染物質を吸着除去する吸着材を、再利用するために再生する方法である。汚染物質には、NO等の有害ガスのほか、煤等の粒状物質、オイルミスト等の油分も含まれる。吸着材は、活性炭を用いることができるが、活性炭に限られるものではなく、細孔を有するものであれば、シリカ、ゼオライト等であってもよい。
はじめに、図1を参照して、従来の加熱再生法について簡単に説明する。加熱再生法では、図1に示すような流動輸送炉10を用いる。なお、流動輸送炉10に限定されるものではなく、流動炉、ロータリーキルン等を用いてもよい。流動輸送炉10は、吸着材としての粉末炭が貯槽11から計量フィーダ12を介して混合管13へ供給され、スチームとともに炉14内に吹き込まれる。炉14は、天然ガスを燃料とし、空気を吹き込むバーナー15で燃焼し、スチームとともに吹き込まれた粉末炭を加熱する。その後、再生器16で水により冷却され、バグフィルタ17で捕集される。
加熱再生法は、炉14を使用して800℃~900℃で活性炭等を焼成し、その表層や細孔(マクロ孔、メソ孔、マイクロ孔)に付着した汚染物質を熱分解によって除去し、細孔を再生することで吸着除去性能を回復させる。
吸着材が活性炭の場合、800℃~900℃の高温で加熱すると、一部の細孔が水蒸気等による再賦活によって拡張され過ぎてしまい、分子サイズの小さいガス分子が主に吸着するメソ孔やマイクロ孔が加熱前より減少することが知られている。また、再賦活によって粒状活性炭の硬度が減少する弊害も発生する。なお、これらの詳細については、上記の非特許文献1を参照されたい。
加熱再生法では、図1に示すように、炉14、再生器16、バグフィルタ17等を使用するため、高価で大掛かりな設備が必要で、イニシャルコストやランニングコストが増大する。また、加熱再生法では、重油等の化石燃料を使用するため、多量のCOガスが発生する。近年、地球温暖化が問題となっており、多量のCOガスの発生は、大きな環境負荷を与えることなる。
そこで、本発明では、このような環境負荷を与えることなく、大掛かりな設備を使用することなく、吸着性能を変化させることなく、油分を含む汚染物質を除去することが可能な方法を提案する。
本再生方法について説明する前に、本再生方法が適用されるシステムの一例として、大気浄化システムについて説明する。大気浄化システムは、発電用・工業用のボイラの排ガスラインや、車両が通行するトンネルの換気口等に接続する形で設置される。ボイラや排気口等から排出される排ガスには、NOやNO等の有害ガスのほか、煤等の浮遊粒子状物質(SPM)が含まれる。大気浄化システムは、排ガス中のこれらの汚染物質を、環境基準値以下の濃度まで低下させ、大気中へ放出させるシステムである。
図2は、道路トンネルの換気口に設置される大気浄化システムの構成例を示した図である。道路トンネル20は、車両21が通行し、車両21からガソリン等を燃焼した後の排気ガスが排出される。排出された排気ガスは、換気通路22に設置された大気浄化システムを通過し、換気塔23から大気中へ放出される。
大気浄化システムは、道路トンネル20内の排気ガスを含む空気を吸い込む換気ファン24と、集塵装置25と、脱硝装置26と、サイレンサー27と、電源設備や制御機器等の補機類28とを含む。補機類28は、電源設備や制御盤等であり、換気ファン24、集塵装置25、脱硝装置26を駆動させ、制御するために使用される。
大気浄化システムは、集塵装置25によりSPMを除去し、脱硝装置26により有害ガスであるNOを除去する。集塵装置25は、集塵極と、放電極とを含み、集塵極と放電極との間に高圧電流を流し、その間に排ガスを流すことで、排ガス中のSPMが帯電し、帯電したSPMが集塵極へ引き寄せられ、付着することにより、排ガス中からSPMを除去する。なお、集塵極に付着したSPMは、ハンマリングや水洗により除去される。
脱硝装置26は、NO中のNOを重点的に除去するタイプの装置であってもよいし、NOとNOの両方を除去するタイプの装置であってもよい。NOとNOの両方を除去するタイプの装置は、NOを酸化し、NOを生成する酸化装置と、NOの吸着性能を高める加湿装置と、NOを吸着除去する吸着装置とを含む。NOを重点的に除去するタイプの装置は、酸化手段を省略し、加湿装置と、吸着装置とから構成される装置である。
図3を参照して、NOを重点的に除去するタイプの脱硝装置について説明する。脱硝装置26は、加湿装置30と、吸着装置31とを含む。吸着装置31は、複数段の吸着材が充填された吸着層32を含み、加湿装置30を通過した排ガスが各吸着層32へ供給され、各吸着層32を通過する際、排ガス中のNOを吸着材に吸着除去する。
吸着材は、活性炭、ゼオライト、シリカ等の多孔質材を用い、それを成形し、例えばペレット状にしたものを用いることができる。ここでは、活性炭をベースとしたペレット状のものを用いるものとして説明する。
各吸着層32は、各吸着容器33内に設けられ、各吸着容器33の一方の側方には、排ガスを受け入れる供給口34が設けられ、他方の側方には、排ガスを排出する排出口35が設けられる。供給口34は、通路36により吸着層32の底部へ連続し、排出口35は、通路37により吸着層32の上部へ連続している。吸着層32は、網状の板の上に吸着材が所定の高さに充填された層である。このため、排ガスは、供給口34から下側の通路36を通して吸着層32の下部から上部へと通過し、この通過する間に排ガス中のNOを吸着除去する。吸着層32を通過した排ガスは、上側の通路37を通して排出口35から排出される。
吸着装置31は、再生溶液槽38と、再生溶液ポンプ39とを含み、所定の吸着時間が経過するごとに、あるいは任意の時間に、再生溶液槽38に貯留される再生溶液を、再生溶液ポンプ39により各吸着容器33へ供給する。再生溶液は、吸着材が浸漬する高さまで供給される。吸着材は、再生溶液に一定時間浸漬させることにより再生される。
再生溶液は、吸着したNOを除去するため、例えばNOと化学反応する亜硫酸ナトリウム(NaSO)水溶液を使用することができる。NaSOの濃度は、例えば1質量%(以下、単に%で表すことにする。)とされる。
吸着装置31は、全ての吸着容器33の供給口34にダンパーが設けられ、ダンパーを閉じ、排ガスの流れを停止した後に、再生溶液による吸着材の再生が行われる。なお、吸着材の再生は、大気浄化システムの運転を停止することなく実施するため、各段の吸着層32を1つずつ順に実施される。
加湿装置30は、設置しなくてもよいが、設置しないと、NOが吸着材の細孔に物理吸着するのみとなる。一方、加湿装置30により排ガスを加湿すると、細孔への物理吸着に加え、細孔内に毛管凝縮した水に吸収される液相吸着が生じ、吸着性能を向上させることができる。
加湿装置30は、排ガス中に水分を霧状に噴霧する噴霧ノズル、水を収容する水槽、水槽から噴霧ノズルへと水を供給する水供給ポンプを備えることができる。
吸着材は、再生溶液を使用し、適宜再生することで、繰り返し使用することができる。したがって、吸着材は、繰り返し再生することで永遠に使用できるように思われる。しかしながら、排ガス中には、オイルミスト等の油分が含まれ、それが蓄積していくと、吸着材の細孔や表層を覆い、吸着材の吸着性能を低下させる。油分は、再生溶液に溶解しないため、再生溶液による再生で除去することができず、吸着材の細孔や表層に蓄積し続ける。このため、吸着材は、長期間の使用で所望の吸着性能が得られなくなり、最終的に産業廃棄物として処分しなければならなかった。
そこで、本発明では、油分を含む汚染物質を吸着する吸着材を再生する方法を提供する。これにより、再生溶液による再生でも除去できない吸着材の細孔や表層に堆積した油分を除去し、再利用することができるようにする。その結果、産業廃棄物として処分される吸着材の量を少なくすることができる。
図4は、吸着材を再生する装置の構成例を示した図である。再生装置は、第1の容器40と、第2の容器41と、空気供給手段としてのブロワ42とを含む。第1の容器40には、洗浄水が投入され、適宜pHが調整され、過酸化水素(H)が添加される。第2の容器41には、洗浄水が投入され、適宜pHが調整される。洗浄水と、再生対象の吸着材43とは、体積比で3:1になるように、洗浄水を各容器に投入することができる。なお、この体積比は一例であるので、その他の体積比であってもよい。しかしながら、使用する洗浄水の量を出来るだけ削減しつつ効果的に再生するためには、上記の3:1の体積比とすることが望ましい。
使用済みの吸着材43は、最初に、第1の容器40に投入される。吸着材43は、そのまま投入してもよいし、ネットに入れ、ネットごと投入してもよい。第1の容器40には、ブロワ42から圧縮空気が供給され、H溶液44中に気泡45として吹き込み、エアレーションを行う。吸着材43は、エアレーションを行いながら所定時間浸漬される。ここでは、ブロワ42を使用し、ブロワ42から空気を供給しているが、空気の供給はブロワ42に限定されるものではない。
吸着材43は、H溶液44への浸漬により、吸着材43に付着した油分を酸化分解する。また、吸着材43の油分は、エアレーションにより、吸着材43から剥離させるとともに、上記の酸化分解に使用する酸素を供給し、溶液中の酸素濃度を高めることができる。なお、気泡粒径の大きさはミリバブル、マイクロバブル、ナノバブルの順に細かい粒径となり、粒径が細かいほど吸着材43からの油分の剥離が容易になるとともに、溶存酸素濃度が高まりやすくなる。また、pHを酸性側に調整することで、Hの酸化分解を促進させることができる。
の濃度は、1%~5%とすることができるが、1%が好ましい。pHは、塩酸等の酸性溶液を使用し、3~5に調整することができる。第1の容器40に吸着材43を浸漬させる時間は、15分~30分とすることができる。
吸着材43から剥離等して水面に浮いた油分は、ペーパーを使用して吸い取る等して、適宜除去することができる。なお、油分の除去方法は、ペーパーを使用する方法に限定されるものではなく、その他の方法を使用してもよい。
吸着材43を第1の容器40内の溶液中に所定時間浸漬させた後、その溶液から取り出し、第2の容器41内に投入する。第2の容器41にも、ブロワ42から空気が供給され、洗浄水46中に気泡として吹き込み、エアレーションを行う。ここでは、空気を供給しているが、空気に限定されるものではなく、溶液中の酸素濃度を高めるためには、酸素やオゾンをボンベ等から供給してもよい。吸着材43は、エアレーションを行いながら所定時間浸漬される。これにより、吸着材43に再付着した油分や、吸着材43に残存するHをすすぎによって取り除く。
第2の容器41内の洗浄水46のpHも、塩酸等の酸性溶液を使用し、3~5に調整することができる。このようにpHを3~5に調整することで、残存するHの酸化分解を促進させ、取り除くことができる。再付着した油分は、エアレーションにより剥離させて取り除くことができる。第2の容器41内の洗浄水46へも、ブロワ42からの空気ではなく、ボンベ等から酸素やオゾンを供給してもよい。
再生後の吸着材43にHが残存していると、排ガス中のNOをNOに還元し、NOが吸着材43に吸着されないまま大気中に放出されることになる。しかしながら、第2の容器41を使用し、pHを調整した洗浄水46ですすぎ洗いを行うことで、再付着した油分や残存するHを取り除くことができる。
この例では、2つの容器を使用しているが、1つの容器のみを使用し、油分の剥離および酸化分解が終了した後、吸着材43を回収し、容器内の溶液を洗浄水に入れ替え、再び吸着材43を投入し、すすぎ洗いを行うことも可能である。
図5は、吸着材43を再生する作業の流れを示したフローチャートである。再生作業は、吸着材43を再生する必要が生じたときに実施することができ、例えば再生期間を決め、再生期間に達したときに実施することができる。作業を実施する前に、吸着装置31から吸着材43を回収する。
作業は、ステップ100から開始し、ステップ101では、第1の容器40に洗浄水を投入する。洗浄水は、水槽からポンプを使用して供給することができるが、これに限られるものではない。洗浄水は、常温の水を使用することができる。洗浄水の量は、吸着材43の体積の約3倍の量を投入することができる。
第1の容器40に洗浄水を投入後、ステップ102で、塩酸等の酸性溶液を使用し、洗浄水のpHを3~5に調整する。そして、pHを調整した洗浄水にHを添加する。Hの濃度が、約1%となるようにHを添加する。
ステップ103で、第1の容器40内に、回収した吸着材43を投入する。吸着材43を投入後、ステップ104で、第1の容器40内のH溶液44へブロワ42から空気を送り込み、エアレーションを行う。エアレーションを行いながら、15分~30分程度浸漬させる。エアレーションにより吸着材43の細孔や表層に付着した油分の剥離を行い、Hの酸化分解やエアレーションにより供給される酸素により油分の酸化分解を行う。
エアレーションにより油分が剥離すると、溶液の表面に、剥離した油分が浮いてくる。そこで、ステップ105では、溶液の表面に浮いた油分を、ペーパー等を使用して除去する。油分の除去は、適宜実施することができる。第1の容器40において指定した時間の浸漬が終了したところで、ステップ106で、第1の容器40から吸着材43を回収する。
次に、ステップ107で、第2の容器41内に、第1の容器40内に投入した量と同じ量の洗浄水を投入し、塩酸等の酸性溶液を使用して洗浄水のpHを3~5に調整する。そして、ステップ108で、第1の容器40から回収した吸着材43を、第2の容器41内へ投入する。ステップ109では、第2の容器41内の洗浄水46へブロワ42から空気を送り込み、エアレーションを行う。エアレーションを行いながら、15分~30分程度浸漬させる。これにより、汚れたH溶液(洗浄液)44から再付着した油分や余剰Hを取り除く。暫く放置し、指定した時間が経過したところで、ステップ110へ進み、再生作業を終了する。
再生作業終了後、第2の容器41内から吸着材43を回収し、元の吸着層32へ戻す。吸着材43は、上記のように湿った状態の方が液相吸着も期待できるので、湿った状態のまま吸着材43として利用することができる。なお、吸着材43は、自然乾燥等、乾燥させた後に元の吸着層32へ戻してもよい。
ここで、実際に道路トンネルに設置された大気浄化システムで使用された使用済み吸着材43を、本方法により再生する試験を行い、試験結果から吸着材43の回復効果について検証した。吸着材43には、主材として活性炭を用いた。
洗浄水は、常温の水を使用し、吸着材43と洗浄水は、体積比で1:3とした。塩酸を添加し、洗浄水のpHを3~5とし、Hを添加して洗浄液を作成した。洗浄液のHの濃度は1%とした。試験は、洗浄液で1回洗浄を行い、その後、すすぎ洗いを行うケース1と、洗浄液で2回洗浄を行い、その後、すすぎ洗いを行うケース2で行った。
図6は、本方法による吸着材を再生する試験を実施した結果を示した図である。図6は、ケース1、2で各浸漬時間において測定した細孔分布と回復量を算出した結果を示した図である。細孔分布は、細孔サイズが2nm未満の細孔容積分布を測定した値である。
ケース2は、1回目の洗浄を、エアレーションを行いながら15分間浸漬させることにより行い、続けて2回目の洗浄を、エアレーションを行いながら30分間浸漬させることにより実施した。図6に示すケース2の結果は、2回目の洗浄での各浸漬時間における測定値を示している。
回復量は、各浸漬時間での測定結果の中で最も大きい値から、使用済み吸着材を洗浄前に測定した測定結果である初期値を減算した値である。細孔分布の最大値は、ケース1については浸漬時間15分、20分のときの値で、ケース2については浸漬時間20分のときの値であり、初期値は浸漬時間0分のときの値であるため、それぞれ0.020、0.036と算出されている。図7に、図6に示した結果を折れ線グラフで示す。
新品の吸着材の細孔分布は、約0.1cm/gであり、ケース1では0.02cm/gに回復しているため、2割程度回復していることが分かる。また、ケース2では0.036cm/gに回復しているため、4割程度回復していることが分かる。このことから、浸漬は2回繰り返すことで、1回の浸漬の約2倍の洗浄効果があることが確認された。
参考で、Hの濃度を5%とし、2回洗浄を行った場合、回復量は0.018であり、濃度が1%の場合の1回洗浄のときと同等の回復量となった。このことから、Hの濃度は5%であってもよいが、1%に抑えることが効率的であることが確認できた。また、浸漬時間は、30分でも2割程度回復しているため、15分~30分とすることができるが、回復量が最大となる15分~20分がより望ましいが分かった。ちなみに、従来の800℃~900℃で加熱し、焼成して再生する方法では、回復量が0.011であり、本方法には及ばない結果であった。
以上のことから、本方法では、Hの濃度を1%とし、浸漬時間を15分~20分とすることが最適であることが分かった。
本方法で再生した吸着材のNO除去性能を確認する試験を行った。試験は、NOの模擬ガスを用いた図8に示すカラム試験装置50を用いて実施した。カラム試験装置50は、ファン51、カラム52、チャンバー53を含む。
ファン51により室内空気を吸引し、NOボンベからNOを供給し、それをオゾン酸化させ、NO(NO+NO)ガスにし、低濃度NO試験ガスとして使用した。低濃度NO試験ガスにNOボンベガスを注入して高濃度にし、高濃度NO2試験ガスとして使用した。濃度調整は、質量流量計を用いて行い、カラム52の入口に設けられるNO計54により確認した。試験条件は、カラム試験装置50内を通過する1時間当たりのガス量である空間速度(SV)を12000とし、カラム52の出口側に設けられる風速計55によって線速度を測定することにより確認した。カラム52内に均一にガスが流れるようにカラム52の上流側、下流側に整流板56を設置した。カラム52を通過したガス中のNOx濃度をNOx計57により測定した。試験ガス中の空気の温度および湿度は、温湿度計58により測定した。
図9は、吸着性能のケース1の確認試験の結果を示した図であり、図10は、吸着性能のケース2の確認試験の結果を示した図である。図9および図10中、濃度(ppm)、温度(℃)、湿度(%)、線風速(m/s)は、1時間の平均値である。入口NO濃度は0.1ppm~1.0ppmの間で12時間試験した。その後、低濃度条件として、入口NO濃度を0.05ppm付近とし、1時間試験した。さらにその後、高濃度条件として、入口NO濃度を1.5ppm付近とし、1時間試験した。
図9および図10を参照すると、ケース1、2の両方とも、NO除去率は100%を示し、使用済み吸着材が、新品の吸着材と同等の除去性能にまで回復していることが確認された。
以上のように、本方法では、過酸化水素とエアレーションを用い、強力な酸化分解により油分を含む汚染物質を除去することができる。本方法では、従来のキルン等の再生処理用加熱炉を使用しないため、イニシャルコストやランニングコストの大幅な低減が可能となり、重油等の化石燃料の燃焼を伴わないため、COの排出がなく、環境負荷が極めて小さい。また、コンパクトな設備で実現することができ、高温で加熱することがないため、細孔の減少や硬度の減少が発生することがなく、再生による材の損失が少なくなる。これは、再生処理の歩留まり向上に寄与する。
これまで本発明の吸着材の再生方法について図面に示した実施形態を参照しながら詳細に説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態や、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
10…流動輸送炉
11…貯槽
12…計量フィーダ
13…混合管
14…炉
15…バーナー
16…再生器
17…バグフィルタ
20…道路トンネル
21…車両
22…換気通路
23…換気塔
24…換気ファン
25…集塵装置
26…脱硝装置
27…サイレンサー
28…補機類
30…加湿装置
31…吸着装置
32…吸着層
33…吸着容器
34…供給口
35…排出口
36、37…通路
38…再生溶液槽
39…再生溶液ポンプ
40…第1の容器
41…第2の容器
42…ブロワ
43…吸着材
44…H溶液
45…気泡
46…洗浄水
50…カラム試験装置
51…ファン
52…カラム
53…チャンバー
54、57…NOx計
55…風速計
56…整流板
58…温湿度計

Claims (7)

  1. 油分を含む汚染物質を吸着する吸着材を再生する方法であって、
    過酸化水素を含む第1の洗浄水に、気泡を注入しながら前記吸着材を15分~30分浸漬させる工程と、
    第2の洗浄水に、気泡を注入しながら前記第1の洗浄水から取り出した前記吸着材を15分~30分浸漬させる工程と
    を含む、再生方法。
  2. 前記第1の洗浄水に浸漬させる工程を少なくとも2回繰り返す、請求項1に記載の再生方法。
  3. 前記第1の洗浄水の前記過酸化水素の濃度が1%~5%である、請求項1または2に記載の再生方法。
  4. 前記第1の洗浄水のpHを3~5に調整する工程を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の再生方法。
  5. 前記第2の洗浄水のpHを3~5に調整する工程を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の再生方法。
  6. 前記第1の洗浄水の前記過酸化水素の濃度は1%であり、
    前記吸着材を前記第1の洗浄水に浸漬させる時間は15分~20分であり、
    前記吸着材を前記第2の洗浄水に浸漬させる時間は15分~20分である、請求項1~5のいずれか1項に記載の再生方法。
  7. 前記気泡は、内部に含まれる気体が空気、酸素、オゾンのいずれかである、請求項1~6のいずれか1項に記載の再生方法。
JP2022004294A 2022-01-14 2022-01-14 吸着材の再生方法 Pending JP2023103654A (ja)

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