JP2023102721A - 新型コロナウイルスの検出に使用可能な融合タンパク質およびその用途 - Google Patents

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Abstract

【課題】 抗体への結合能が改善された融合タンパク質を提供する。【解決手段】 本開示の融合タンパク質は、B型肝炎ウイルス表面抗原タンパク質と、少なくとも1つのプロテインAの抗体結合ドメインと、少なくとも1つのプロテインGの抗体結合ドメインとを含み、前記B型肝炎ウイルス表面抗原タンパク質は、S領域を含み、前記プロテインAの抗体結合ドメインおよび前記プロテインGの抗体結合ドメインは、前記S領域のN末端側に配置されている。【選択図】 図2

Description

本開示は、新型コロナウイルスの検出に使用可能な融合タンパク質およびその用途に関する。
B型肝炎ウイルス(HBV)の表面抗原タンパク質は、自己組織化能を有する。このため、HBVの表面抗原タンパク質を脂質膜に発現させると、前記表面抗原は、表面抗原粒子(ウイルス様粒子)を形成する。そこで、特許文献1では、前記表面抗原タンパク質にプロテインAの抗体結合ドメインを連結させることにより、抗体が結合可能なウイルス様粒子を調製する技術が記載されている。また、特許文献2には、ウイルス様粒子が抗体センサとして利用可能であることが記載されている。
特開2004-002313号公報 特開2008-191143号公報 国際公開第2016/017037号
本発明者らは、プロテインG由来の抗体結合部位であるBドメイン2個と、プロテインA由来の抗体結合部位であるZドメイン1個とを含む抗体結合タンパク質を化学的な架橋反応により、Zドメインを2個提示するウイルス様粒子に結合させ、改良型のウイルス様粒子を取得した(特許文献3参照)。前記改良型のウイルス様粒子は、プロテインAでは結合し難い抗体にも結合することを確認している。また、前記改良ウイルス様粒子のシステイン残基を、シグナル発生用の酵素であるHRP等により標識することで優れた検出試薬となることも確認している。以上のことから、本発明者らは、前記ウイルス様粒子がプロテインAおよびプロテインGの両者の抗体結合ドメインを提示する場合、前記ウイルス様粒子が、プロテインAのみを提示する粒子と比較して、多種の抗体に結合できる可能性があるとの知見を得た。しかしながら、前記特許文献3のように、化学的架橋反応を用いて他の抗体結合タンパク質をウイルス様粒子に提示させる場合、元のウイルス様粒子の抗体結合能を損なう可能性があり、かつ、工程が複雑になるため、製造効率が悪いという課題がある。
そこで、本開示は、簡易な工程で製造でき、かつ抗体への結合能が改善された融合タンパク質の提供を目的とする。
前記目的を達成するために、本開示の融合タンパク質は、B型肝炎ウイルス表面抗原タンパク質と、少なくとも1つのプロテインAの抗体結合ドメインと、少なくとも1つのプロテインGの抗体結合ドメインとを含み、
前記B型肝炎ウイルス表面抗原タンパク質は、S領域を含み、
前記プロテインAの抗体結合ドメインおよび前記プロテインGの抗体結合ドメインは、前記S領域のN末端側に配置されている。
本開示のウイルス様粒子は、抗体結合タンパク質を含み、
前記抗体結合タンパク質は、前記本開示のタンパク質を含む。
本開示の免疫学的測定用試薬は、本開示の融合タンパク質、および/または、本開示のウイルス様粒子を含む。
本開示の標的抗原に対する抗体の検出用キットは、本開示の融合タンパク質、および/または、本開示のウイルス様粒子と、標的抗原とを含む。
本開示の方法は、標的抗原に対する抗体の検出方法(以下「抗体の検出方法」ともいう)であって、
標的抗原とサンプル液とを接触させ、前記サンプル液における前記標的抗原に対する抗体と、前記標的抗原との第1の複合体を形成する工程と、
前記第1の複合体と、前記本開示の融合タンパク質または前記本開示のウイルス様粒子とを接触させ、前記第1の複合体と、前記融合タンパク質または前記ウイルス様粒子との第2の複合体を形成する工程と、
前記第2の複合体を検出する工程とを含む。
本開示の標的抗原の検出用キットは、本開示の融合タンパク質、および/または、本開示のウイルス様粒子と、標的抗原に結合可能な第1の抗体と、前記標的抗原に結合可能な第2の抗体とを含む。
本開示の方法は、標的抗原の検出方法であって、
第1の複合体とサンプル液とを接触させ、前記サンプル液における標的抗原と、前記第1の複合体との第2の複合体を形成する工程であり、
前記第1の複合体は、本開示の融合タンパク質、および/または、本開示のウイルス様粒子と、前記標的抗原に結合可能な第1の抗体との複合体である工程と、
前記第2の複合体と、前記標的抗原に対する第2の抗体とを接触させ、前記第2の複合体と、前記第2の抗体との第3の複合体を形成する工程と、
前記第3の複合体を検出する工程とを含む。
本開示の融合タンパク質は、簡易な工程で製造でき、かつ抗体への結合能が改善されている。
図1は、実施例1におけるELISAによる各ウイルス様粒子の抗体結合能を示したグラフである。 図2は、実施例1におけるELISAによる各ウイルス様粒子の抗体結合能を示したグラフである。 図3は、実施例1におけるウエスタンブロッティングによる抗原の検出結果を示す写真である。 図4は、実施例1におけるELISAによる抗原の検出結果を示すグラフである。 図5は、実施例1におけるELISAによる抗原の検出結果を示すグラフである。 図6は、実施例1におけるELISAによる抗原の検出結果、および抗体価を示すグラフである。 図7は、実施例1におけるELISAによる抗原に対する抗体の抗体価を示すグラフである。
<定義>
本明細書において、「タンパク質」は、未修飾アミノ酸(天然のアミノ酸)、修飾アミノ酸、および/または人工アミノ酸から構成されるペプチドのポリマーを意味する。前記ポリマーの形状は、例えば、直鎖、分岐、および環状等があげられる。前記タンパク質は、ペプチドまたはポリペプチドということもできる。
本明細書において「ドメイン」は、例えば、ポリペプチドにおいて、立体構造または機能的にまとまった領域を意味する。
本明細書において、「融合タンパク質」は、2つ以上の異なるタンパク質または異種のタンパク質の一部または全部がペプチド結合を介して結合(連結)したタンパク質を意味する。前記融合タンパク質は、例えば、1つのタンパク質が、2つ以上の異なるタンパク質または異種のタンパク質の一部または全部を含むということもできる。前記融合タンパク質は、天然の融合タンパク質でもよいし、人工の融合タンパク質でもよい。前記人工の融合タンパク質は、例えば、遺伝子工学的手法により設計されたタンパク質があげられる。
本明細書において、「B型肝炎ウイルス」は、ヘパドナウイルス(Hepadnaviridae)科に属する二本鎖DNAを有するエンベロープウイルスを意味する。前記B型肝炎ウイルスは、外被にHBs抗原を、内部にHBc抗原を有する。前記B型肝炎ウイルスは、B型肝炎ウイルス感染者の血液中に、HBe抗原を分泌することが知られている。
本明細書において、「B型肝炎ウイルスの表面抗原タンパク質」は、B型肝炎ウイルスによって産生されるタンパク質を意味する。前記B型肝炎ウイルスの表面抗原は、例えば、HBs抗原等があげられる。
本明細書において、「プロテインA」は、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)の細胞壁から単離された抗体結合能を有するタンパク質を意味する。前記プロテインAは、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)から単離されたタンパク質と同じアミノ酸配列を有するタンパク質でもよいし、前記タンパク質に変異が導入され、かつ抗体結合能を有する範囲での機能等価物(変異体)でもよい。前記プロテインAは、免疫グロブリンのFc領域に特異的に結合する抗体結合ドメインを有する。
本明細書において、「プロテインG」は、レンサ球菌(Streptococcus sp.)の細胞壁から単離された抗体結合能を有するタンパク質を意味する。前記プロテインGは、レンサ球菌(Streptococcus sp.)から単離されたタンパク質と同じアミノ酸配列を有するタンパク質でもよいし、前記タンパク質に変異が導入され、かつ抗体結合能を有する範囲での機能等価物(変異体)でもよい。前記プロテインGは、免疫グロブリンのFc領域に特異的に結合する抗体結合ドメインを有する。
本明細書において、「自己組織化能」は、適切な条件下において、タンパク質間相互作用により自己集合する性質を意味する。前記「自己組織化能」がHBVの表面抗原タンパク質またはその変異体と組合せて用いられる場合、前記「自己組織化能」は、生体内の脂質二重膜と共にウイルス様粒子を形成する性質を意味する。前記生体内の脂質二重膜は、例えば、小胞体ルーメン、細胞膜、核膜等である。
本明細書において、「標識」は、核酸、タンパク質または抗体等の分子に直接または間接的に結合(連結)し、結合(連結)した分子の検出または捕捉を容易または可能にする化合物または組成物を意味する。前記標識は、標識自体が検出可能に構成されてもよいし、別の分子と結合(連結)することにより、検出可能となるように構成されてもよい。
本明細書において、「ウイルス様粒子(VLP)」は、少なくとも1つの属性がウイルスに類似しているが、伝染性を有さない、または伝染性を有さないことが示されている構造体を意味する。前記ウイルス様粒子は、例えば、前記ウイルス様粒子が由来するウイルスのゲノムを欠き、非伝染性であることが好ましい。
本明細書において、「免疫学的測定」は、抗原抗体反応を測定原理として利用した測定方法を意味する。
本明細書において、「免疫学的測定用試薬」は、免疫学的測定に用いる試薬を意味する。
本明細書において、「標的抗原」は、抗体が特異的に結合する標的分子を意味する。
本明細書において、「抗体」は、免疫グロブリン遺伝子または免疫グロブリン遺伝子の断片により実質的または部分的にコードされる、1または複数のポリペプチドを含むタンパク質を意味する。免疫グロブリン遺伝子は、例えば、κ、λ、α(α1、α2を含む)、γ(γ1、γ2、γ3、γ4を含む)、δ、εおよびμ等の定常領域をコードする遺伝子と、V領域、D領域、J領域等の無数の免疫グロブリン可変領域をコードしうる遺伝子とを含む。前記抗体は、例えば、重鎖および軽鎖を含む。前記軽鎖は、κおよびλを含み、それぞれ、κ鎖およびλ鎖を構成する。前記重鎖は、γ、μ、α、δ、またはεを含み、それぞれ、免疫グロブリンのクラスであるIgG、IgM、IgA、IgDおよびIgEを構成する。前記抗体は、四量体から構成される典型的な免疫グロブリン(抗体)の構造単位であってもよい。この場合、前記抗体は、2つの同一のポリペプチド鎖の対から構成され、各対は、1つの軽鎖(約25kDa)と1つの重鎖(約50~70kDa)とから構成される。また、各鎖のN末端は、主に抗原認識に関与する約100~110個またはそれ以上のアミノ酸から構成される可変領域を規定する。前記抗体は、全長の免疫グロブリンでもよいし、その抗原結合断片でもよい。
本明細書において、「核酸」は、デオキシリボヌクレオチド(DNA)、リボヌクレオチド(RNA)、および/または、改変ヌクレオチドのポリマーを意味する。本明細書において、「核酸」が特定のタンパク質と組合わせて用いられる場合、前記「核酸」は、タンパク質のアミノ酸配列をコードするヌクレオチドのポリマーを意味する。前記核酸は、例えば、ゲノムDNA、cDNA、mRNA等があげられる。前記核酸は、例えば、一本鎖または二本鎖等であってもよい。前記核酸は、「ポリヌクレオチド」または「核酸分子」と互いに読み替え可能である。
本明細書において、「宿主」は、外来の核酸を導入される細胞、および/または、個体を意味する。前記宿主が細胞の場合、前記宿主は、宿主細胞ということもできる。
本明細書において、「ベクター」および「発現ベクター」は、in vitroまたはin vivoにおいて、宿主または宿主細胞に送達される核酸を含む組換えプラスミドまたはウイルスを意味する。前記「ベクター」および「発現ベクター」は、ウイルスベクターおよび非ウイルスベクターがあげられる。
本明細書において、「形質転換体」は、外来の核酸が導入された宿主を意味する。
本明細書において、「単離」は、同定し、分離すること、自然状態での成分から回収すること、同定され、かつ分離された状態、および/または自然状態での成分から回収された状態を意味する。前記「単離」は、例えば、少なくとも1つの精製工程を得ることにより実施できる。前記単離は、精製ということもできる。
本明細書において、「新型コロナウイルス」は、SARS-CoV-2(severe acute respiratory syndrome coronavirus 2)を意味する。SARS-CoV-2による感染症は、COVID-19とも呼ばれる。SARS-Cov-2は、ベータコロナウイルス属に分類されるウイルスである。
以下、本開示について例をあげて説明するが、本開示は以下の例等に限定されるものではなく、任意に変更して実施できる。また、本開示における各説明は、特に言及がない限り、互いに援用可能である。なお、本明細書において、「~」という表現を用いた場合、その前後の数値または物理値を含む意味で用いる。また、本明細書において、「Aおよび/またはB」という表現には、「Aのみ」、「Bのみ」、「AおよびBの双方」が含まれる。
<融合タンパク質>
ある態様において、本開示は、抗体、および/または標的抗原の検出に使用可能な融合タンパク質を提供する。本開示の融合タンパク質は、B型肝炎ウイルス表面抗原タンパク質と、少なくとも1つのプロテインAの抗体結合ドメインと、少なくとも1つのプロテインGの抗体結合ドメインとを含み、前記B型肝炎ウイルス表面抗原タンパク質は、S領域を含み、前記プロテインAの抗体結合ドメインおよび前記プロテインGの抗体結合ドメインは、前記S領域のN末端側に配置されている。
本発明者らは、鋭意研究の結果、前記表面抗原タンパク質にプロテインAおよび/またはプロテインGの抗体結合ドメインを連結する際に、前記プロテインAの抗体結合ドメインおよび前記プロテインGの抗体結合ドメインの配置順序により、得られた融合タンパク質から形成されるウイルス様粒子の抗体への結合性が異なるとの知見を得た。そして、本発明者らは、前記表面抗原タンパク質のS領域のN末端に、少なくとも1つのプロテインAの抗体結合ドメインと、少なくとも1つのプロテインGの抗体結合ドメインとを、配置することにより、抗体への結合能を改善できることを見出し、本開示を確立するに至った。このため、本開示の融合タンパク質によれば、例えば、血液等の抗体測定に通常用いられる生体試料と比較して、尿等のより微量の抗体が含有される生体試料においても、前記生体試料中の抗体を検出可能である。また、前記融合タンパク質によれば、例えば、より微量の抗体および/または標的抗原を、感度良く検出できる。さらに、前記融合タンパク質は、前記プロテインAの抗原結合ドメインおよびプロテインGの抗原結合ドメインを一体として含むペプチドであるため、発現後に、さらに、他の抗体結合ドメインを結合させる必要が無く、簡易な工程で製造できる。
前記B型肝炎ウイルス表面抗原(HBsAg)は、例えば、HBs-L抗原、HBs-M抗原、およびHBs-S抗原の3種類の表面抗原が知られている。前記融合タンパク質において、前記表面抗原タンパク質は、HBs-L抗原、HBs-M抗原、およびHBs-S抗原のいずれの1種類のHBsAgでもよいし、複数種類のHBsAgでもよい。
前記HBs-L抗原は、表面に提示されるタンパク質のN末からPre-S1領域、Pre-S2領域、およびS領域の3つの領域から構成される。前記Pre-S1領域は、HBVが感染する肝細胞を認識し結合するセンサ領域であり、HBV感染機構の最初のステップで重要な役割を持っていることが知られている。前記Pre-S2領域は、発癌との関与が推定されている他、HBVが感染細胞へ侵入する際に役割を果たすと推定されている。前記S領域は、HBVがウイルス粒子としての構造を保持するために重要な膜貫通ドメインを有している。前記HBs-M抗原は、Pre-S1領域を有しない。前記HBs-S抗原は、Pre-S1領域およびPre-S2領域を有さず、S領域のみから構成されている。前記HBs-L抗原を形成するLタンパク質は、通常、400個のアミノ酸からなっているが、欠失が多いタイプ(変異体)では、例えば、382個のアミノ酸から構成されるものもある。前記Lタンパク質が400個のアミノ酸からなる場合(配列番号1)、前記Pre-S1領域は、下記配列番号1のアミノ酸配列において括弧で示すように、N末側からの1番から119番目まで、前記Pre-S2領域は、120番から174番目まで、前記S領域は、175~400番目までのアミノ酸で構成されている。種々の変異体において、各領域の重要なアミノ酸配列はよく保存されており、400個のアミノ酸から構成されるLタンパク質のアミノ酸配列とアライメントすることにより、当業者であれば、欠失が多い変異体においても、3つの領域を容易に区別できる。前記配列番号1のアミノ酸配列は、NCBIアクセッション番号:X01587で登録されたポリヌクレオチドによりコードされるアミノ酸配列である。前記HBs-M抗原およびHBs-S抗原のアミノ酸配列は、前記HBs-L抗原またはその変異体の説明において、前述の領域を欠失したアミノ酸配列とすることができる(以下、同様)。
Lタンパク質(配列番号1)
[MGGWSSKPRQGMGTNLSVPNPLGFFPDHQLDPAFGANSHNPDWDFNPNKDHWPEANQVGAGAFGPGFTPPHGGLLGWSPQAQGVLTTVPVAPPPASTNRQSGRQPTPISPPLRDSHPQA][MQWNSTTFHQALLDPRVRGLYFPAGGSSSGTVNPVPTTASPISSISSRTGDPAPN][MENTTSGFLGPLLVLQAGFFLLTRILTIPQSLDSWWTSLNFLGGAPTCPGQNSQSPTSNHSPTSCPPICPGYRWMCLRRFIIFLFILLLCLIFLLVLLDYQGMLPVCPLLPGTSTTSTGPCKTCTIPAQGTSMFPSCCCTKPSDGNCTCIPIPSSWAFARFLWEGASVRFSWLSLLVPFVQWFVGLSPTVWLSVIWMMWYWGPSLYNILSPFLPLLPIFFCLWVYI]
前記HBs-L抗原(Lタンパク質)は、変異体でもよい。前記変異体は、例えば、下記(a1)、(a2)、(a3)、または(a4)のタンパク質があげられる。
(a1)配列番号2のアミノ酸配列からなるタンパク質
(a2)配列番号2のアミノ酸配列において、6番目から113番目のPre-S1領域内で6個以下、114番目から162番目のPre-S2領域内で6個以下、163番目から385番目のS領域において13個以下であり、かつ合計で16個以下のアミノ酸が欠失または置換されたアミノ酸配列からなるタンパク質
(a3)配列番号1または2のアミノ酸配列に対して70%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなるタンパク質
(a4)配列番号1または2のアミノ酸配列に対して、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入および/または付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質
前記(a2)、(a3)、または(a4)のタンパク質は、自己組織化能を有するタンパク質であることが好ましい。
前記(a1)において、前記配列番号2のアミノ酸配列は、以下の通りである。前記配列番号2のアミノ酸配列は、Lタンパク質のアミノ酸配列の一例である。前記配列番号2のアミノ酸配列において、括弧で示したアミノ酸配列が、N末端側から、それぞれ、Pre-S1領域、Pre-S2領域、およびS領域に対応するアミノ酸配列である。
Lタンパク質改変体(配列番号2)
[KVRQGMGTNLSVPNPLGFFPDHQLDPAFGANSNNPDWDFNPNKDQWPEANQVGAGAFGPGFTPPHGGLLGWSPQAQGILTTVPAAPPPASTNRQSGRQPTPISPPLRDSHPQA][MQWNSTTFHQALLDPRVRGLYFPAGGSSSGTVNPVPTTASPISGDPAPN][MENTTSGFLGPLLVLQAGFFLLTRILTIPQSLDSWWTSLNFLGGAPTCPGQNSQSPTSNHSPTSCPPICPGYRWMCLRRFIIFLFILLLCLIFLLVLLDYQGMLPVCPLLPGTSTTSTGPCKTCTIPAQGTSMFPSCCCTKPSDGNCTCIPIPSSWAFARFLWEWASVRFSWLSLLVPFVQWFVGLSPTVWLSVIWMMWYWGPSLYNILSPFLPLLPIFFCLWVYI]
前記(a3)において、「同一性」は、例えば、前記(a3)が、自己組織化能を有するタンパク質である範囲とすることが好ましい。「同一性」は、前記(a1)のアミノ酸配列に対して、例えば、70%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上である。前記「同一性」の算出は、例えば、全米バイオテクノロジー情報センター(NCBI)の相同性アルゴリズムBLAST(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/)において、デフォルトのパラメーターを用いることによって算出できる(以下、同様)。
前記(a4)において、「1もしくは数個」は、例えば、前記(a4)が、自己組織化能を有するタンパク質である範囲とすることが好ましい。「1もしくは数個」は、前記(a1)のアミノ酸配列において、例えば、1~77個、1~58個、1~38個、1~19個、1~15個、1~13個、1~11個、1~10個、1~6個、1~5個、1~3個、1または2個である。本開示において、個数の数値範囲は、例えば、その範囲に属する正の整数を全て開示するものである(以下、同様)。
前記(a4)において、置換は、保存的置換であることが好ましい。前記保存的置換は、アミノ酸残基が類似の側鎖を有するアミノ酸残基への置換を意味する。前記保存的置換は、例えば、リジン、アルギニン、ヒスチジン等の塩基性側鎖を有するアミノ酸残基間の置換;アスパラギン酸、グルタミン酸等の酸性側鎖を有するアミノ酸残基間の置換;グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシン、システイン等の非帯電性極性側鎖を有するアミノ酸残基間の置換;アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン等の非極性側鎖を有するアミノ酸残基間の置換;スレオニン、バリン、イソロイシン等のβ-分枝側鎖を有するアミノ酸残基間の置換;チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン等の芳香族側鎖を有するアミノ酸残基間の置換;等があげられる。
前記(a3)および(a4)のタンパク質は、例えば、下記(i)~(iv)のタンパク質があげられる。下記(i)~(iv)のタンパク質は、例えば、自己組織可能を有するタンパク質である。前記(i)のタンパク質は、例えば、前記配列番号1のアミノ酸配列かなるタンパク質と言うこともできる。
(i)配列番号2のアミノ酸配列の1番目から5番目のKVRQG(配列番号3)に代わってMGGWSSKPRKG(配列番号4)が挿入されたアミノ酸配列からなるタンパク質
(ii)配列番号2で表されるアミノ酸配列の156番と157番との間へSIFSRT(配列番号5)の6個のアミノ酸が挿入されたアミノ酸配列からなるタンパク質
(iii)配列番号2のアミノ酸配列の163番目から385番目のS領域において13個以下のアミノ酸が置換されたアミノ酸配列からなるタンパク質
(iv)配列番号2のアミノ酸配列において、6番目から113番目のPre-S1領域内で6個以下、114番目から162番目のPre-S2領域内で6個以下、163番目から385番目のS領域内で13個以下であり、かつ合計で16個以下のアミノ酸が欠失または置換された配列(156番と157番との間への6個のアミノ酸の挿入を除く)
本開示において、前記HBsAgは、前記S領域を含む。前記S領域は、例えば、下記(S)のポリペプチドを含む。
(S)下記(S1)、(S2)、または(S3)のポリペプチド:
(S1)配列番号6または7のアミノ酸配列からなるポリペプチド;
(S2)前記(S1)のアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミノ酸が付加、欠失、置換、および/または挿入されたアミノ酸配列からなり、かつ自己組織可能を有するポリペプチド;
(S3)前記(S1)のアミノ酸配列に対して、70%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ抗体結合能を有するポリペプチド。
S領域(配列番号6)
MENTTSGFLGPLLVLQAGFFLLTRILTIPQSLDSWWTSLNFLGGAPTCPGQNSQSPTSNHSPTSCPPICPGYRWMCLRRFIIFLFILLLCLIFLLVLLDYQGMLPVCPLLPGTSTTSTGPCKTCTIPAQGTSMFPSCCCTKPSDGNCTCIPIPSSWAFARFLWEGASVRFSWLSLLVPFVQWFVGLSPTVWLSVIWMMWYWGPSLYNILSPFLPLLPIFFCLWVYI
S領域改変体(配列番号7)
MENTTSGFLGPLLVLQAGFFLLTRILTIPQSLDSWWTSLNFLGGAPTCPGQNSQSPTSNHSPTSCPPICPGYRWMCLRRFIIFLFILLLCLIFLLVLLDYQGMLPVCPLLPGTSTTSTGPCKTCTIPAQGTSMFPSCCCTKPSDGNCTCIPIPSSWAFARFLWEWASVRFSWLSLLVPFVQWFVGLSPTVWLSVIWMMWYWGPSLYNILSPFLPLLPIFFCLWVYI
前記(S1)において、配列番号6のアミノ酸配列は、Lタンパク質(配列番号1)のS領域のアミノ酸配列に対応する。また、前記(S1)において、配列番号7のアミノ酸配列は、Lタンパク質改変体(配列番号2)のS領域のアミノ酸配列に対応する。
前記(S2)において、「1もしくは数個」は、例えば、前記(S2)が、自己組織化能を有するポリペプチドである範囲とすることが好ましい。「1もしくは数個」は、前記(a1)のアミノ酸配列において、例えば、1~67個、1~45個、1~33個、1~22個、1~11個、1~10個、1~6個、1~5個、1~3個、1または2個である。前記置換は、例えば、前述の保存的置換であることが好ましい。
前記(S3)において、「同一性」は、例えば、前記(S3)が、自己組織化能を有するポリペプチドである範囲とすることが好ましい。「同一性」は、前記(a1)のアミノ酸配列に対して、例えば、70%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上である。
前記HBsAgは、例えば、さらに、前記Pre-S1領域および/または前記Pre-S2領域を含んでもよいし、前記Pre-S1領域および/または前記Pre-S2領域を含まなくてもよい。前記HBsAgが前記Pre-S2領域を含まない場合、前記Pre-S2領域は、例えば、前記Pre-S2領域の一部または全部が欠失されている。前記HBsAgにおいて、前記Pre-S1領域が含まれ、前記Pre-S2領域の一部または全部が欠失されている場合、前記HBsAgは、例えば、前記Pre-S2領域が、前記プロテインAの抗体結合ドメインおよび前記プロテインGの抗体結合ドメインに置換されていてもよい。前記HBsAgは、前記融合タンパク質の発現を向上させるために、前記Pre-S1領域を有することが好ましい。前記Pre-S1領域は、例えば、分泌シグナルペプチドと組合わせて用いることにより、粒子の小胞体への蓄積を促進し、発現を向上できると推定される。
前記Pre-S1領域の部分ペプチドは、前記Pre-S1領域のアミノ酸配列における2以上の連続するアミノ酸配列からなるポリペプチドである。前記Pre-S1領域の部分ペプチドは、前記配列番号1または2のアミノ酸配列におけるPre-S1領域のアミノ酸配列の部分アミノ酸配列からなるポリペプチドがあげられる。前記部分ペプチドの長さは、例えば、10~100アミノ酸長、20~80アミノ酸長、30~70アミノ酸長、または40~60アミノ酸長である。具体例として、前記Pre-S1領域の部分ペプチドは、例えば、下記配列番号8のアミノ酸配列からなるポリペプチドがあげられる。
Pre-S1領域の部分ペプチド(配列番号8)
MGTNLSVPNPLGFFPDHQLDPAFGANSNNPDWDFNPNKDQWPEANQVGAG
前記Pre-S1領域またはその部分ペプチドを含む場合、前記プロテインAの抗体結合ドメインおよび前記プロテインGの抗体結合ドメインは、例えば、前記Pre-S1領域またはその部分ペプチドのC末端側に配置される。
前記Pre-S2領域の一部が欠失されている場合、前記Pre-S2領域の部分ペプチドは、前記配列番号1または2のアミノ酸配列におけるPre-S2領域のアミノ酸配列の部分アミノ酸配列からなるポリペプチドがあげられる。前記Pre-S2領域の一部が欠失されている場合、前記Pre-S2領域の部分ペプチドの長さは、例えば、2~20アミノ酸長、2~10アミノ酸長、または2~5アミノ酸長である。具体例として、前記Pre-S2領域の部分ペプチドは、例えば、下記配列番号9のアミノ酸配列からなるポリペプチドがあげられる。
Pre-S2領域の部分ペプチド(配列番号9)
PAPN
前記Pre-S2領域またはその部分ペプチドを含む場合、前記プロテインAの抗体結合ドメインおよび前記プロテインGの抗体結合ドメインは、例えば、前記Pre-S2領域またはその部分ペプチドのN末端側に配置される。
本開示において、前記HBsAgは、例えば、前記Pre-S1領域の部分ペプチドおよび前記S領域を含み、前記Pre-S2領域の一部または全部が欠失されている。前記部分ペプチドは、例えば、前記配列番号9のアミノ酸配列からなるポリペプチドである。
前記HBs-L抗原の変異体は、1つ以上のシステイン残基を有することが好ましい。前記変異体は、例えば、1つ以上のシステイン残基を有することにより、後述の標識化が可能となり、免疫学的測定試薬として好適に使用できる。
前記プロテインAは、例えば、既存のデータベースに登録されている情報を参照できる。具体例として、前記プロテインAは、タンパク質として、例えば、Uniprotアクセッション番号P38507で登録されている下記アミノ酸配列(配列番号10)からなるタンパク質があげられる。
プロテインA(配列番号10)
MKKKNIYSIRKLGVGIASVTLGTLLISGGVTPAANAAQHDEAQQNAFYQVLNMPNLNADQRNGFIQSLKDDPSQSANVLGEAQKLNDSQAPKADAQQNKFNKDQQSAFYEILNMPNLNEEQRNGFIQSLKDDPSQSTNVLGEAKKLNESQAPKADNNFNKEQQNAFYEILNMPNLNEEQRNGFIQSLKDDPSQSANLLAEAKKLNESQAPKADNKFNKEQQNAFYEILHLPNLNEEQRNGFIQSLKDDPSQSANLLAEAKKLNDAQAPKADNKFNKEQQNAFYEILHLPNLTEEQRNGFIQSLKDDPSVSKEILAEAKKLNDAQAPKEEDNNKPGKEDGNKPGKEDGNKPGKEDNKKPGKEDGNKPGKEDNKKPGKEDGNKPGKEDGNKPGKEDGNKPGKEDGNKPGKEDGNGVHVVKPGDTVNDIAKANGTTADKIAADNKLADKNMIKPGQELVVDKKQPANHADANKAQALPETGEENPFIGTTVFGGLSLALGAALLAGRRREL
前記プロテインAは、Eドメイン、Dドメイン、Aドメイン、Bドメイン、およびCドメインの5つの免疫グロブリン結合性ドメインと、XM領域とから構成される。前記プロテインAの抗体結合ドメインは、前記Eドメイン、Dドメイン、Aドメイン、Bドメイン、およびCドメインのいずれか1つから構成されてもよいし、複数から構成されてもよい。前記Eドメイン、Dドメイン、Aドメイン、Bドメイン、およびCドメインのアミノ酸配列は、例えば、それぞれ、下記配列番号11~15のアミノ酸配列があげられる。
Eドメイン(配列番号11)
AQHDEAQQNAFYQVLNMPNLNADQRNGFIQSLKDDPSQSANVLGEAQKLNDSQAPK
Dドメイン(配列番号12)
ADAQQNKFNKDQQSAFYEILNMPNLNEEQRNGFIQSLKDDPSQSTNVLGEAKKLNESQAPK
Aドメイン(配列番号13)
ADNNFNKEQQNAFYEILNMPNLNEEQRNGFIQSLKDDPSQSANLLAEAKKLNESQAPK
Bドメイン(配列番号14)
ADNKFNKEQQNAFYEILHLPNLNEEQRNGFIQSLKDDPSQSANLLAEAKKLNDAQAPK
Cドメイン(配列番号15)
ADNKFNKEQQNAFYEILHLPNLTEEQRNGFIQSLKDDPSVSKEILAEAKKLNDAQAPK
前記プロテインAの抗体結合ドメインは、例えば、前記抗体結合活性を有する範囲での機能等価物(変異体)でもよい。前記抗体結合ドメインの機能等価物は、例えば、前記プロテインAの抗体結合ドメインの基準となるアミノ酸配列(配列番号11~15)に対して、70%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、または99%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、抗体結合活性を有するポリペプチドがあげられる。前記機能等価物は、例えば、前記プロテインAの基準となるアミノ酸配列(配列番号11~15)において、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入および/または付加されたアミノ酸配列からなり、抗体結合活性を有するポリペプチドがあげられる。前記1もしくは数個は、例えば、1~18個、1~17個、1~16個、1~15個、1~12個、1~11個、1~10個、1~8個、1~6個、1~5個、1~4個、1~3個、1または2個、1個である。前記置換は、例えば、前述の保存的置換であることが好ましい。
前記プロテインAの抗体結合ドメインがBドメインである場合、前記機能等価物は、例えば、前記Bドメインに変異が導入されたZドメイン(配列番号16)があげられる。前記Zドメインは、前記Bドメイン(配列番号14)の1位のアラニンを、バリンに、29位のグリシンを、アラニンに置換する変異を導入した改変ドメインである。前記Zドメインは、例えば、前記Bドメインに比べ、安定性が向上した改変ドメインであることが特徴である。前記融合タンパク質における、前記プロテインAの抗体結合ドメインは、好ましくは、Zドメインである。
Zドメイン(配列番号16)
VDNKFNKEQQNAFYEILHLPNLNEEQRNAFIQSLKDDPSQSANLLAEAKKLNDAQAPK
前記プロテインAの抗体結合ドメインは、例えば、抗体結合活性を有する範囲において、前記Zドメインの機能等価物(変異体)であってもよい。前記Zドメインの機能等価物は、例えば、前記Zドメインのアミノ酸配列(配列番号16)に対して、70%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、または99%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、抗体結合活性を有するポリペプチドがあげられる。前記機能等価物は、例えば、前記Zドメインのアミノ酸配列(配列番号16)において、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入および/または付加されたアミノ酸配列からなり、抗体結合活性を有するポリペプチドがあげられる。前記1もしくは数個は、例えば、1~17個、1~11個、1~8個、1~5個、1~4個、1~3個、1または2個、1個である。前記置換は、例えば、前述の保存的置換であることが好ましい。前記機能等価物は、1位のバリンおよび29位のアラニンが保存されていてもよい。
前記プロテインGは、例えば、既存のデータベースに登録されている情報を参照できる。具体例として、前記プロテインGは、タンパク質として、例えば、Uniprotアクセッション番号P19909で登録されている下記のアミノ酸配列(配列番号17)からなるタンパク質があげられる。
プロテインG(配列番号17)
MEKEKKVKYFLRKSAFGLASVSAAFLVGSTVFAVDSPIEDTPIIRNGGELTNLLGNSETTLALRNEESATADLTAAAVADTVAAAAAENAGAAAWEAAAAADALAKAKADALKEFNKYGVSDYYKNLINNAKTVEGVKDLQAQVVESAKKARISEATDGLSDFLKSQTPAEDTVKSIELAEAKVLANRELDKYGVSDYHKNLINNAKTVEGVKDLQAQVVESAKKARISEATDGLSDFLKSQTPAEDTVKSIELAEAKVLANRELDKYGVSDYYKNLINNAKTVEGVKALIDEILAALPKTDTYKLILNGKTLKGETTTEAVDAATAEKVFKQYANDNGVDGEWTYDDATKTFTVTEKPEVIDASELTPAVTTYKLVINGKTLKGETTTEAVDAATAEKVFKQYANDNGVDGEWTYDDATKTFTVTEKPEVIDASELTPAVTTYKLVINGKTLKGETTTKAVDAETAEKAFKQYANDNGVDGVWTYDDATKTFTVTEMVTEVPGDAPTEPEKPEASIPLVPLTPATPIAKDDAKKDDTKKEDAKKPEAKKEDAKKAETLPTTGEGSNPFFTAAALAVMAGAGALAVASKRKED
前記プロテインGは、B1、B2、およびB3の3つの免疫グロブリン結合性ドメインを有する。前記融合タンパク質における、前記プロテインGの抗体結合ドメインは、前記B1ドメイン、B2ドメイン、およびB3ドメインのいずれか1つから構成されてもよいし、複数から構成されてもよい。前記B1ドメイン、B2ドメイン、およびB3ドメインのアミノ酸配列は、例えば、それぞれ、下記配列番号18~20のアミノ酸配列があげられる。前記プロテインGの抗体結合ドメインは、好ましくは、B2ドメイン(配列番号19)およびB3ドメイン(配列番号20)である。前記プロテインGの抗体結合ドメインが前記B2ドメインおよびB3ドメインを含む場合、前記B2ドメインと、前記B3ドメインとは、例えば、N末端側からこの順序で配置される。
B1ドメイン(配列番号18)
DTYLKLILNGKTLKGETTTEAVDAATAEKVFKQYANDNGVDGEWTYDDATKTFTVTE
B2ドメイン(配列番号19)
TYKLVINGKTLKGETTTEAVDAATAEKVFKQYANDNGVDGEWTYDDATKTFTVTE
B3ドメイン(配列番号20)
TYKLVINGKTLKGETTTKAVDAETAEKAFKQYANDNGVDGVWTYDDATKTFTVTE
前記プロテインGの抗体結合ドメインは、例えば、前記Bドメインの機能等価物であってもよい。前記Bドメインの機能等価物は、例えば、前記Bドメインのアミノ酸配列(配列番号18~20)に対して、70%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、または99%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、抗体結合活性を有するポリペプチドがあげられる。前記機能等価物は、例えば、前記B2ドメインのアミノ酸配列(配列番号18~20)において、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入および/または付加されたアミノ酸配列からなり、抗体結合活性を有するポリペプチドがあげられる。前記1もしくは数個は、例えば、1~17個、1~11個、1~8個、1~5個、1~4個、1~3個、1または2個、1個である。前記置換は、例えば、前述の保存的置換であることが好ましい。
前記プロテインGの前記機能等価物は、例えば、前記B1ドメインの改変体があげられ、例えば、特許第5278940号公報を参照できる。
前記融合タンパク質は、自己組織化能を有することが好ましい。前記融合タンパク質は、例えば、前記HBsAgタンパク質を含む。このため、前記融合タンパク質は、例えば、前記HBsAgタンパク質が自己組織化能により表面抗原粒子を形成する際に、あわせて表面抗原粒子上に配置される。これにより、前記融合タンパク質は、例えば、粒子上に複数配置されるため、抗体への結合能を改善できる。
前記融合タンパク質は、例えば、前記融合タンパク質と結合する抗体を検出、および可視化するために、標識化されていてもよい。前記標識は、例えば、放射線同位体、酵素、化学発光物質、蛍光物質、発光物質等があげられる。前記標識は、少なくとも1つのシステイン残基のチオール基に標識されていることが好ましい。
前記融合タンパク質において、前記B型肝炎ウイルス表面抗原のS領域(S)、前記プロテインAの抗体結合ドメイン(P)、および前記プロテインGの抗体結合ドメイン(P)の配置は、例えば、下記(A)~(F)があげられ、より改善された感度で抗体を検出できることから、下記(A)または(B)が好ましく、下記(A)がより好ましい。下記式(A)~(F)において、前記S領域(S)と、前記プロテインAの抗体結合ドメイン(P)または前記プロテインGの抗体結合ドメイン(P)とは、連続して配置されているが、他のドメインを介して配置されてもよい。また、下記式(A)~(F)において、前記プロテインAの抗体結合ドメイン(P)と前記プロテインGの抗体結合ドメイン(P)とは、連続して配置されているが、他のドメインを介して配置されてもよい。前記プロテインAの抗体結合ドメイン(P)は、例えば、前記Zドメインまたはその変異体があげられる。前記プロテインGの抗体結合ドメイン(P)は、例えば、前記Bドメインまたはその変異体があげられる。前記プロテインGの抗体結合ドメイン(P)が2つ以上連続する場合、前記プロテインGの抗体結合ドメイン(P)は、例えば、B2ドメインとB3ドメインとを含む。
(A)(N末端)P-P-P-P-S(C末端)
(B)(N末端)P-P-P-P-S(C末端)
(C)(N末端)P-P-P-S(C末端)
(D)(N末端)P-P-P-S(C末端)
(E)(N末端)P-P-P-S(C末端)
(F)(N末端)P-P-S(C末端)
前記融合タンパク質が前記Pre-S1領域またはその部分ペプチドを含む場合、前記融合タンパク質において、前記B型肝炎ウイルス表面抗原のPre-S1領域またはその部分ペプチド(S1)、S領域(S)、前記プロテインAの抗体結合ドメイン(P)、および前記プロテインGの抗体結合ドメイン(P)の配置は、例えば、下記(A1)~(F1)があげられ、より改善された感度で抗体を検出できることから、下記(A1)または(B1)が好ましく、下記(A1)がより好ましい。下記式(A)~(F1)において、Pre-S1領域またはその部分ペプチド(S1)またはS領域(S)と、前記プロテインAの抗体結合ドメイン(P)または前記プロテインGの抗体結合ドメイン(P)とは、連続して配置されているが、他のドメインを介して配置されてもよい。また、下記式(A1)~(F1)において、前記プロテインAの抗体結合ドメイン(P)と前記プロテインGの抗体結合ドメイン(P)とは、連続して配置されているが、他のドメインを介して配置されてもよい。前記プロテインAの抗体結合ドメイン(P)は、例えば、前記Zドメインまたはその変異体があげられる。前記プロテインGの抗体結合ドメイン(P)は、例えば、前記Bドメインまたはその変異体があげられる。前記プロテインGの抗体結合ドメイン(P)が2つ以上連続する場合、前記プロテインGの抗体結合ドメイン(P)は、例えば、B2ドメインとB3ドメインとを含む。
(A1)(N末端)S1-P-P-P-P-S(C末端)
(B1)(N末端)S1-P-P-P-P-S(C末端)
(C1)(N末端)S1-P-P-P-S(C末端)
(D1)(N末端)S1-P-P-P-S(C末端)
(E1)(N末端)S1-P-P-P-S(C末端)
(F1)(N末端)S1-P-P-S(C末端)
前記融合タンパク質において、前記B型肝炎ウイルス表面抗原のPre-S1領域またはその部分ペプチド(S1)、S領域(S)、前記プロテインA(P)、および前記プロテインG(P)の各ドメインは、別の領域および/または別のドメインと直接または間接的に結合している。前記直接的な結合は、あるドメインのN末端またはC末端のアミノ酸が、他のドメインのC末端またはN末端のアミノ酸とペプチド結合を形成し、結合していることを意味する。他方、前記間接的な結合は、あるドメインのN末端またはC末端のアミノ酸が、リンカーペプチド(ペプチドリンカー)を介して、他のドメインのC末端またはN末端のアミノ酸と結合していることを意味する、すなわち、あるドメインのN末端またはC末端のアミノ酸が、前記リンカーペプチドのC末端またはN末端のアミノ酸とペプチド結合を形成し、結合し、かつ前記リンカーペプチドの他端のアミノ酸と他のドメインのN末端またはC末端のアミノ酸と結合していることを意味する。前記リンカーペプチドの長さは、例えば、1~30アミノ酸、2~20アミノ酸、または3~10アミノ酸である。前記リンカーペプチドは、公知のリンカーペプチドを使用でき、具体例として、GSリンカー(GS、GGS、またはGGGGS(配列番号21))、GSリンカーが繰り返したリンカーペプチド([GS]、[GGS]、または[GGGGS](l、m、およびnは、それぞれ、2以上の整数))、GGRGGGGS(配列番号22)等があげられる。
前記(A)、(A1)、(D)、および(D1)において、2つのプロテインAの抗体結合ドメイン(P)は、直接的に結合していることが好ましい。また、前記(A)~(F)および(A1)~(F1)において、前記プロテインA(P)と前記プロテインG(P)は、間接的に結合していることが好ましい。前記間接的な結合は、例えば、GGRGGGGS(配列番号22)リンカーを介した結合があげられる。また、前記(A)、(C)、(A1)、および(C1)において、前記2つのプロテインG(P)は、直接的に結合していることが好ましい。
本開示の融合タンパク質は、例えば、シグナルペプチド、タグペプチド等の付加ペプチドが付加されてもよい。前記付加ペプチドは、例えば、N末端および/またはC末端に付加されている。
本開示の融合タンパク質は、一例として、下記(Pa)のポリペプチドを含んでもよい。
(Pa)下記(Pa1)、(Pa2)、または(Pa3)のポリペプチド:
(Pa1)配列番号23または24のアミノ酸配列からなるポリペプチド;
(Pa2)前記(Pa1)のアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミノ酸が付加、欠失、置換、および/または挿入されたアミノ酸配列からなり、かつ抗体結合能を有するポリペプチド;
(Pa3)前記(Pa1)のアミノ酸配列に対して、70%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ抗体結合能を有するポリペプチド。
ZZBB型融合タンパク質(未成熟)(配列番号23)
[MRSLLILVLCFLPLAALGKVRQG][MGTNLSVPNPLGFFPDHQLDPAFGANSNNPDWDFNPNKDQWPEANQVGAG]GRAQHDEA[VDNKFNKEQQNAFYEILHLPNLNEEQRNAFIQSLKDDPSQSANLLAEAKKLNDAQAPKVDNKFNKEQQNAFYEILHLPNLNEEQRNAFIQSLKDDPSQSANLLAEAKKLNDAQAPK]GGRGGGGS[TYKLVINGKTLKGETTTEAVDAATAEKVFKQYANDNGVDGEWTYDDATKTFTVTE]KPEVIDASELTPAVT[TYKLVINGKTLKGETTTKAVDAETAEKAFKQYANDNGVDGVWTYDDATKTFTVTE]GGRPAPN[MENTTSGFLGPLLVLQAGFFLLTRILTIPQSLDSWWTSLNFLGGAPTCPGQNSQSPTSNHSPTSCPPICPGYRWMCLRRFIIFLFILLLCLIFLLVLLDYQGMLPVCPLLPGTSTTSTGPCKTCTIPAQGTSMFPSCCCTKPSDGNCTCIPIPSSWAFARFLWEWASVRFSWLSLLVPFVQWFVGLSPTVWLSVIWMMWYWGPSLYNILSPFLPLLPIFFCLWVYI]
ZZBB型融合タンパク質(成熟後)(配列番号24)
[KVRQG][MGTNLSVPNPLGFFPDHQLDPAFGANSNNPDWDFNPNKDQWPEANQVGAG]GRAQHDEA[VDNKFNKEQQNAFYEILHLPNLNEEQRNAFIQSLKDDPSQSANLLAEAKKLNDAQAPKVDNKFNKEQQNAFYEILHLPNLNEEQRNAFIQSLKDDPSQSANLLAEAKKLNDAQAPK]GGRGGGGS[TYKLVINGKTLKGETTTEAVDAATAEKVFKQYANDNGVDGEWTYDDATKTFTVTE]KPEVIDASELTPAVT[TYKLVINGKTLKGETTTKAVDAETAEKAFKQYANDNGVDGVWTYDDATKTFTVTE]GGRPAPN[MENTTSGFLGPLLVLQAGFFLLTRILTIPQSLDSWWTSLNFLGGAPTCPGQNSQSPTSNHSPTSCPPICPGYRWMCLRRFIIFLFILLLCLIFLLVLLDYQGMLPVCPLLPGTSTTSTGPCKTCTIPAQGTSMFPSCCCTKPSDGNCTCIPIPSSWAFARFLWEWASVRFSWLSLLVPFVQWFVGLSPTVWLSVIWMMWYWGPSLYNILSPFLPLLPIFFCLWVYI]
前記(Pa1)は、2つのプロテインAの抗体結合ドメインと、2つのプロテインGの結合ドメインを含み、前記Pre-S1領域の部分ペプチド、前記2つのプロテインAの抗体結合ドメイン、前記2つのプロテインGの抗体結合ドメイン、前記Pre-S2領域の部分ペプチド、および前記S領域がこの順序で配置されたポリペプチドである。前記(Pa1)において、括弧で囲ったアミノ酸配列が、N末端から、それぞれ、シグナルペプチド、前記Pre-S1領域の部分ペプチド、前記2つのZドメイン(2つのプロテインAの抗体結合ドメイン)、前記B2ドメイン(プロテインGの抗体結合ドメイン)、前記B3ドメイン(プロテインGの抗体結合ドメイン)、前記Pre-S2領域の部分ペプチド、および前記S領域を示す。前記(Pa1)において、配列番号23のアミノ酸配列は、成熟前のポリペプチドであり、N末端に、括弧で囲んだシグナルペプチドを含む。前記配列番号23のアミノ酸配列からなるポリペプチドは、例えば、酵母等の真核細胞に発現させると、前記シグナルペプチドが切断され、前記配列番号24のアミノ酸配列からなるポリペプチドに変換され、発現する。
前記(Pa2)において、「1もしくは数個」は、例えば、前記(Pa2)が、自己組織化能を有するタンパク質である範囲であればよい。前記(Pa2)の「1もしくは数個」は、前記(Pa1)のアミノ酸配列において、例えば、1~168個、1~162個、1~112個、1~108個、1~84個、1~81個、1~56個、1~54個、1~28個、1~27個、1~22個、1~21個、1~16個、1~15個、1~11個、1~10個、1~5個、1~4個、1~3個、1または2個である。前記置換は、例えば、前述の保存的置換であることが好ましい。
前記(Pa3)において、「同一性」は、例えば、前記(Pa3)が、自己組織化能を有するタンパク質である範囲であればよい。前記(Pa3)の「同一性」は、前記(Pa1)のアミノ酸配列に対して、例えば、70%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上である。
本開示の融合タンパク質は、一例として、下記(Qa)のポリペプチドを含んでもよい。
(Qa)下記(Qa1)、(Qa2)、または(Qa3)のポリペプチド:
(Qa1)配列番号25または26のアミノ酸配列からなるポリペプチド;
(Qa2)前記(Qa1)のアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミノ酸が付加、欠失、置換、および/または挿入されたアミノ酸配列からなり、かつ抗体結合能を有するポリペプチド;
(Qa3)前記(Qa1)のアミノ酸配列に対して、70%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ抗体結合能を有するポリペプチド。
ZBBZ型融合タンパク質(未成熟)(配列番号25)
[MRSLLILVLCFLPLAALGKVRQG][MGTNLSVPNPLGFFPDHQLDPAFGANSNNPDWDFNPNKDQWPEANQVGAG]GRAQHDEA[VDNKFNKEQQNAFYEILHLPNLNEEQRNAFIQSLKDDPSQSANLLAEAKKLNDAQAPK]GGRGGGGS[TYKLVINGKTLKGETTTEAVDAATAEKVFKQYANDNGVDGEWTYDDATKTFTVTE]KPEVIDASELTPAVT[TYKLVINGKTLKGETTTKAVDAETAEKAFKQYANDNGVDGVWTYDDATKTFTVTE]GGRAQHDEA[VDNKFNKEQQNAFYEILHLPNLNEEQRNAFIQSLKDDPSQSANLLAEAKKLNDAQAPK]GGR[PAPNMENTTSGFLGPLLVLQAGFFLLTRILTIPQSLDSWWTSLNFLGGAPTCPGQNSQSPTSNHSPTSCPPICPGYRWMCLRRFIIFLFILLLCLIFLLVLLDYQGMLPVCPLLPGTSTTSTGPCKTCTIPAQGTSMFPSCCCTKPSDGNCTCIPIPSSWAFARFLWEWASVRFSWLSLLVPFVQWFVGLSPTVWLSVIWMMWYWGPSLYNILSPFLPLLPIFFCLWVYI]
ZBBZ型融合タンパク質(成熟)(配列番号26)
[KVRQG][MGTNLSVPNPLGFFPDHQLDPAFGANSNNPDWDFNPNKDQWPEANQVGAG]GRAQHDEA[VDNKFNKEQQNAFYEILHLPNLNEEQRNAFIQSLKDDPSQSANLLAEAKKLNDAQAPK]GGRGGGGS[TYKLVINGKTLKGETTTEAVDAATAEKVFKQYANDNGVDGEWTYDDATKTFTVTE]KPEVIDASELTPAVT[TYKLVINGKTLKGETTTKAVDAETAEKAFKQYANDNGVDGVWTYDDATKTFTVTE]GGRAQHDEA[VDNKFNKEQQNAFYEILHLPNLNEEQRNAFIQSLKDDPSQSANLLAEAKKLNDAQAPK]GGR[PAPNMENTTSGFLGPLLVLQAGFFLLTRILTIPQSLDSWWTSLNFLGGAPTCPGQNSQSPTSNHSPTSCPPICPGYRWMCLRRFIIFLFILLLCLIFLLVLLDYQGMLPVCPLLPGTSTTSTGPCKTCTIPAQGTSMFPSCCCTKPSDGNCTCIPIPSSWAFARFLWEWASVRFSWLSLLVPFVQWFVGLSPTVWLSVIWMMWYWGPSLYNILSPFLPLLPIFFCLWVYI]
前記(Qa1)は、2つのプロテインAの抗体結合ドメインと、2つのプロテインGの結合ドメインを含み、前記Pre-S1領域の部分ペプチド、前記プロテインAの抗体結合ドメイン、前記2つのプロテインGの抗体結合ドメイン、前記プロテインAの抗体結合ドメイン、および前記S領域がこの順序で配置されたポリペプチドである。前記(Qa1)において、括弧で囲ったアミノ酸配列が、N末端から、それぞれ、シグナルペプチド、前記Zドメイン(プロテインAの抗体結合ドメイン)、前記B2ドメイン(前記プロテインGの抗体結合ドメイン)、前記B3ドメイン(プロテインGの抗体結合ドメイン)、前記Zドメイン(プロテインAの抗体結合ドメイン)、および前記S領域を示す。前記(Qa1)において、配列番号25のアミノ酸配列は、成熟前のポリペプチドであり、N末端に、かっこで囲んだシグナルペプチドを含む。前記配列番号25のアミノ酸配列からなるポリペプチドは、例えば、酵母等の真核細胞に発現させると、前記シグナルペプチドが切断され、前記配列番号26のアミノ酸配列からなるポリペプチドに変換され、発現する。
前記(Qa2)において、「1もしくは数個」は、例えば、前記(Qa2)が、自己組織化能を有するタンパク質である範囲であればよい。前記(Qa2)の「1もしくは数個」は、前記(Qa1)のアミノ酸配列において、例えば、1~171個、1~165個、1~114個、1~110個、1~85個、1~83個、1~57個、1~55個、1~28個、1~27個、1~22個、1~17個、1~16個、1~11個、1~5個、1~3個、1~4個、1または2個である。前記置換は、例えば、前述の保存的置換であることが好ましい。
前記(Qa3)において、「同一性」は、例えば、前記(Qa3)が、自己組織化能を有するタンパク質である範囲であればよい。前記(Qa3)の「同一性」は、前記(Qa1)のアミノ酸配列に対して、例えば、70%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上である。
本開示の融合タンパク質は、一例として、下記(Ra)のポリペプチドを含んでもよい。
(Ra)下記(Ra1)、(Ra2)、または(Ra3)のポリペプチド:
(Ra1)配列番号27または28のアミノ酸配列からなるポリペプチド;
(Ra2)前記(Ra1)のアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミノ酸が付加、欠失、置換、および/または挿入されたアミノ酸配列からなり、かつ抗体結合能を有するポリペプチド;
(Ra3)前記(Ra1)のアミノ酸配列に対して、70%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ抗体結合能を有するポリペプチド。
ZBB型融合タンパク質(未成熟)(配列番号27)
[MRSLLILVLCFLPLAALGKVRQG][MGTNLSVPNPLGFFPDHQLDPAFGANSNNPDWDFNPNKDQWPEANQVGAG]GRAQHDEA[VDNKFNKEQQNAFYEILHLPNLNEEQRNAFIQSLKDDPSQSANLLAEAKKLNDAQAPK]GGRGGGGS[TYKLVINGKTLKGETTTEAVDAATAEKVFKQYANDNGVDGEWTYDDATKTFTVTE]KPEVIDASELTPAV[TTYKLVINGKTLKGETTTKAVDAETAEKAFKQYANDNGVDGVWTYDDATKTFTVTE]GGR[PAPNMENTTSGFLGPLLVLQAGFFLLTRILTIPQSLDSWWTSLNFLGGAPTCPGQNSQSPTSNHSPTSCPPICPGYRWMCLRRFIIFLFILLLCLIFLLVLLDYQGMLPVCPLLPGTSTTSTGPCKTCTIPAQGTSMFPSCCCTKPSDGNCTCIPIPSSWAFARFLWEWASVRFSWLSLLVPFVQWFVGLSPTVWLSVIWMMWYWGPSLYNILSPFLPLLPIFFCLWVYI]
ZBB型融合タンパク質(成熟)(配列番号28)
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前記(Ra1)は、1つのプロテインAの抗体結合ドメインと、2つのプロテインGの結合ドメインを含み、前記Pre-S1領域の部分ペプチド、前記プロテインAの抗体結合ドメイン、前記2つのプロテインGの抗体結合ドメイン、および前記S領域がこの順序で配置されたポリペプチドである。前記(Ra1)において、括弧で囲ったアミノ酸配列が、N末端から、それぞれ、シグナルペプチド、前記Pre-S1領域の部分ペプチド、前記Zドメイン(プロテインAの抗体結合ドメイン)、前記B2ドメイン(前記プロテインGの抗体結合ドメイン)、前記B3ドメイン(プロテインGの抗体結合ドメイン)、および前記S領域を示す。前記(Ra1)において、配列番号27のアミノ酸配列は、成熟前のポリペプチドであり、N末端に、かっこで囲んだシグナルペプチドを含む。前記配列番号27のアミノ酸配列からなるポリペプチドは、例えば、酵母等の真核細胞に発現させると、前記シグナルペプチドが切断され、前記配列番号28のアミノ酸配列からなるポリペプチドに変換され、発現する。
前記(Ra2)において、「1もしくは数個」は、例えば、前記(Ra2)が、自己組織化能を有するタンパク質である範囲であればよい。前記(Ra2)の「1もしくは数個」は、前記(Ra1)のアミノ酸配列において、例えば、1~151個、1~146個、1~101個、1~97個、1~75個、1~73個、1~50個、1~48個、1~25個、1~24個、1~20個、1~19個、1~15個、1~14個、1~10個、1~9個、1~5個、1~4個、1または2個である。前記置換は、例えば、前述の保存的置換であることが好ましい。
前記(Ra3)において、「同一性」は、例えば、前記(Ra3)が、自己組織化能を有するタンパク質である範囲であればよい。前記(Ra3)の「同一性」は、前記(Ra1)のアミノ酸配列に対して、例えば、70%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上である。
本開示の融合タンパク質は、一例として、下記(Sa)のポリペプチドを含んでもよい。
(Sa)下記(Sa1)、(Sa2)、または(Sa3)のポリペプチド:
(Sa1)配列番号29または30のアミノ酸配列からなるポリペプチド;
(Sa2)前記(Sa1)のアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミノ酸が付加、欠失、置換、および/または挿入されたアミノ酸配列からなり、かつ抗体結合能を有するポリペプチド;
(Sa3)前記(Sa1)のアミノ酸配列に対して、70%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ抗体結合能を有するポリペプチド。
ZZB型融合タンパク質(未成熟)(配列番号29)
[MRSLLILVLCFLPLAALGKVRQG][MGTNLSVPNPLGFFPDHQLDPAFGANSNNPDWDFNPNKDQWPEANQVGAG]GRAQHDEA[VDNKFNKEQQNAFYEILHLPNLNEEQRNAFIQSLKDDPSQSANLLAEAKKLNDAQAPKVDNKFNKEQQNAFYEILHLPNLNEEQRNAFIQSLKDDPSQSANLLAEAKKLNDAQAPK]GGRGGGGS[TYKLVINGKTLKGETTTEAVDAATAEKVFKQYANDNGVDGEWTYDDATKTFTVTE]KPEVIDGGR[PAPNMENTTSGFLGPLLVLQAGFFLLTRILTIPQSLDSWWTSLNFLGGAPTCPGQNSQSPTSNHSPTSCPPICPGYRWMCLRRFIIFLFILLLCLIFLLVLLDYQGMLPVCPLLPGTSTTSTGPCKTCTIPAQGTSMFPSCCCTKPSDGNCTCIPIPSSWAFARFLWEWASVRFSWLSLLVPFVQWFVGLSPTVWLSVIWMMWYWGPSLYNILSPFLPLLPIFFCLWVYI]
ZZB型融合タンパク質(成熟)(配列番号30)
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前記(Sa1)は、2つのプロテインAの抗体結合ドメインと、1つのプロテインGの結合ドメインを含み、前記Pre-S1領域の部分ペプチド、前記2つのプロテインAの抗体結合ドメイン、前記プロテインGの抗体結合ドメイン、および前記S領域がこの順序で配置されたポリペプチドである。前記(Sa1)において、括弧で囲ったアミノ酸配列が、N末端から、それぞれ、シグナルペプチド、前記Pre-S1領域の部分ペプチド、前記2つのZドメイン(プロテインAの抗体結合ドメイン)、前記B2ドメイン(前記プロテインGの抗体結合ドメイン)、および前記S領域を示す。前記(Sa1)において、配列番号29のアミノ酸配列は、成熟前のポリペプチドであり、N末端に、かっこで囲んだシグナルペプチドを含む。前記配列番号29のアミノ酸配列からなるポリペプチドは、例えば、酵母等の真核細胞に発現させると、前記シグナルペプチドが切断され、前記配列番号30のアミノ酸配列からなるポリペプチドに変換され、発現する。
前記(Sa2)において、「1もしくは数個」は、例えば、前記(Sa2)が、自己組織化能を有するタンパク質である範囲であればよい。前記(Sa2)の「1もしくは数個」は、前記(Sa1)のアミノ酸配列において、例えば、1~149個、1~144個、1~99個、1~96個、1~74個、1~73個、1~73個、1~49個、1~48個、1~25個、1~24個、1~19個、1~18個、1~15個、1~14個、1~10個、1~9個、1~5個、1~4個、1または2個である。前記置換は、例えば、前述の保存的置換であることが好ましい。
前記(Sa3)において、「同一性」は、例えば、前記(Sa3)が、自己組織化能を有するタンパク質である範囲であればよい。前記(Sa3)の「同一性」は、前記(Sa1)のアミノ酸配列に対して、例えば、70%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上である。
本開示の融合タンパク質は、一例として、下記(Ta)のポリペプチドを含んでもよい。
(Ta)下記(Ta1)、(Ta2)、または(Ta3)のポリペプチド:
(Ta1)配列番号31または32のアミノ酸配列からなるポリペプチド;
(Ta2)前記(Ta1)のアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミノ酸が付加、欠失、置換、および/または挿入されたアミノ酸配列からなり、かつ抗体結合能を有するポリペプチド;
(Ta3)前記(Ta1)のアミノ酸配列に対して、70%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ抗体結合能を有するポリペプチド。
ZBZ型融合タンパク質(未成熟)(配列番号31)
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ZBZ型融合タンパク質(成熟)(配列番号32)
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前記(Ta1)は、2つのプロテインAの抗体結合ドメインと、1つのプロテインGの結合ドメインを含み、前記Pre-S1領域の部分ペプチド、前記プロテインAの抗体結合ドメイン、前記プロテインGの抗体結合ドメイン、前記プロテインAの抗体結合ドメイン、および前記S領域がこの順序で配置されたポリペプチドである。前記(Ta1)において、括弧で囲ったアミノ酸配列が、N末端から、それぞれ、シグナルペプチド、前記Pre-S1領域の部分ペプチド、前記Zドメイン(プロテインAの抗体結合ドメイン)、前記B2ドメイン(前記プロテインGの抗体結合ドメイン)、前記Zドメイン(プロテインAの抗体結合ドメイン)、および前記S領域を示す。前記(Ta1)において、配列番号31のアミノ酸配列は、成熟前のポリペプチドであり、N末端に、かっこで囲んだシグナルペプチドを含む。前記配列番号31のアミノ酸配列からなるポリペプチドは、例えば、酵母等の真核細胞に発現させると、前記シグナルペプチドが切断され、前記配列番号32のアミノ酸配列からなるポリペプチドに変換され、発現する。
前記(Ta2)において、「1もしくは数個」は、例えば、前記(Ta2)が、自己組織化能を有するタンパク質である範囲であればよい。前記(Ta2)の「1もしくは数個」は、前記(Ta1)のアミノ酸配列において、例えば、1~152個、1~147個、1~101個、1~98個、1~76個、1~73個、1~50個、1~49個、1~25個、1~24個、1~20個、1~19個、1~15個、1~14個、1~10個、1~9個、1~5個、1~4個、1または2個である。前記置換は、例えば、前述の保存的置換であることが好ましい。
前記(Ta3)において、「同一性」は、例えば、前記(Ta3)が、自己組織化能を有するタンパク質である範囲であればよい。前記(Ta3)の「同一性」は、前記(Ta1)のアミノ酸配列に対して、例えば、70%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上である。
本開示の融合タンパク質は、一例として、下記(Ua)のポリペプチドを含んでもよい。
(Ua)下記(Ua1)、(Ua2)、または(Ua3)のポリペプチド:
(Ua1)配列番号33または34のアミノ酸配列からなるポリペプチド;
(Ua2)前記(Ua1)のアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミノ酸が付加、欠失、置換、および/または挿入されたアミノ酸配列からなり、かつ抗体結合能を有するポリペプチド;
(Ua3)前記(Ua1)のアミノ酸配列に対して、70%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ抗体結合能を有するポリペプチド。
ZB型融合タンパク質(未成熟)(配列番号33)
[MRSLLILVLCFLPLAALGKVRQG][MGTNLSVPNPLGFFPDHQLDPAFGANSNNPDWDFNPNKDQWPEANQVGAG]GRAQHDEA[VDNKFNKEQQNAFYEILHLPNLNEEQRNAFIQSLKDDPSQSANLLAEAKKLNDAQAPK]GGRGGGGS[TYKLVINGKTLKGETTTEAVDAATAEKVFKQYANDNGVDGEWTYDDATKTFTVTE]KPEVIDGGR[PAPNMENTTSGFLGPLLVLQAGFFLLTRILTIPQSLDSWWTSLNFLGGAPTCPGQNSQSPTSNHSPTSCPPICPGYRWMCLRRFIIFLFILLLCLIFLLVLLDYQGMLPVCPLLPGTSTTSTGPCKTCTIPAQGTSMFPSCCCTKPSDGNCTCIPIPSSWAFARFLWEWASVRFSWLSLLVPFVQWFVGLSPTVWLSVIWMMWYWGPSLYNILSPFLPLLPIFFCLWVYI]
ZB型融合タンパク質(成熟)(配列番号34)
[KVRQG][MGTNLSVPNPLGFFPDHQLDPAFGANSNNPDWDFNPNKDQWPEANQVGAG]GRAQHDEA[VDNKFNKEQQNAFYEILHLPNLNEEQRNAFIQSLKDDPSQSANLLAEAKKLNDAQAPK]GGRGGGGS[TYKLVINGKTLKGETTTEAVDAATAEKVFKQYANDNGVDGEWTYDDATKTFTVTE]KPEVIDGGR[PAPNMENTTSGFLGPLLVLQAGFFLLTRILTIPQSLDSWWTSLNFLGGAPTCPGQNSQSPTSNHSPTSCPPICPGYRWMCLRRFIIFLFILLLCLIFLLVLLDYQGMLPVCPLLPGTSTTSTGPCKTCTIPAQGTSMFPSCCCTKPSDGNCTCIPIPSSWAFARFLWEWASVRFSWLSLLVPFVQWFVGLSPTVWLSVIWMMWYWGPSLYNILSPFLPLLPIFFCLWVYI]
前記(Ua1)は、1つのプロテインAの抗体結合ドメインと、1つのプロテインGの結合ドメインを含み、前記Pre-S1領域の部分ペプチド、前記プロテインAの抗体結合ドメイン、前記プロテインGの抗体結合ドメイン、および前記S領域がこの順序で配置されたポリペプチドである。前記(Ua1)において、括弧で囲ったアミノ酸配列が、N末端から、それぞれ、シグナルペプチド、前記Pre-S1領域の部分ペプチド、前記Zドメイン(プロテインAの抗体結合ドメイン)、前記B2ドメイン(前記プロテインGの抗体結合ドメイン)、および前記S領域を示す。前記(Ua1)において、配列番号33のアミノ酸配列は、成熟前のポリペプチドであり、N末端に、かっこで囲んだシグナルペプチドを含む。前記配列番号33のアミノ酸配列からなるポリペプチドは、例えば、酵母等の真核細胞に発現させると、前記シグナルペプチドが切断され、前記配列番号34のアミノ酸配列からなるポリペプチドに変換され、発現する。
前記(Ua2)において、「1もしくは数個」は、例えば、前記(Ua2)が、自己組織化能を有するタンパク質である範囲であればよい。前記(Ua2)の「1もしくは数個」は、前記(Ua1)のアミノ酸配列において、例えば、1~132個、1~126個、1~88個、1~84個、1~66個、1~63個、1~44個、1~42個、1~22個、1~21個、1~17個、1~16個、1~13個、1~12個、1~9個、1~8個、1~5個、1~4個、1または2個である。前記置換は、例えば、前述の保存的置換であることが好ましい。
前記(Ua3)において、「同一性」は、例えば、前記(Ua3)が、自己組織化能を有するタンパク質である範囲であればよい。前記(Ua3)の「同一性」は、前記(Ua1)のアミノ酸配列に対して、例えば、70%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上である。
本開示の融合タンパク質は、例えば、より改善された感度で、標的抗原に対する抗体を検出できることから、好ましくは、前記(Pa)のポリペプチドを含む。
前記融合タンパク質は、例えば、免疫学的測定に用いてもよい。前記免疫学的測定は、例えば、前記免疫学的測定は、例えば、ウエスタンブロッティング法、免疫染色法、酵素免疫アッセイ(ELISA:Enzyme-Linked Immuno Sorbent Assay、EIA:Enzyme Immunoassay)、放射線免疫アッセイ(RIA:Radioimmunoassay)、蛍光免疫測定法(FIA:Fluoroimmunoassay)、および発光免疫測定法(CLIA:Chemiluminescent Immunoassay)およびこれらを基にした改変法等があげられる。
本開示において、前記融合タンパク質の製造方法(以下、「製造方法」という)は、特に制限されず、例えば、酵母等の宿主を用いて遺伝子工学的手法による合成してもよいし、無細胞系により合成してもよく、当業者に周知の方法を用いることができる。前記製造方法は、後述の本開示の融合タンパク質の製造方法の説明を援用できる。
<核酸>
別の態様において、本開示は、融合タンパク質の合成に使用可能な核酸を提供する。本開示の核酸は、前記本開示の融合タンパク質をコードする。本開示の核酸は、前記本開示の融合タンパク質をコードすることが特徴であり、その他の構成および条件は、特に制限されない。本開示の核酸によれば、遺伝子工学的手法により、前記本開示の融合タンパク質を好適に製造できる。
本開示の核酸は、前記本開示の融合タンパク質のアミノ酸配列に基づいて、対応するコドンに置き換えることで設計可能である。前記本開示の核酸の塩基配列は、例えば、コドン最適化されていてもよい。
本開示において、各種核酸およびポリヌクレオチドは、例えば、遺伝子工学的手法または有機合成的手法によって合成でき、cDNA等の合成DNA、合成RNAということもできる。
<発現ベクター>
別の態様において、本開示は、融合タンパク質の合成に使用可能な発現ベクターを提供する。本開示の発現ベクターは、前記本開示の核酸を含む。本開示の発現ベクターによれば、遺伝子工学的手法により、前記本開示の融合タンパク質を好適に製造できる。
前記本開示の発現ベクターは、例えば、前記本開示の核酸が、発現ベクターに挿入されている。前記発現ベクターは、例えば、前記核酸が機能的に連結されているということもできる。前記発現ベクターは、例えば、挿入された遺伝子を細胞等の標的内に輸送できる核酸分子を意味する。
前記発現ベクターは、例えば、前記本開示の核酸のポリヌクレオチドがコードする融合タンパク質を発現可能なように、融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含んでいればよく、その構成は、特に制限されない。
前記発現ベクターは、例えば、骨格となるベクター(以下、「基本ベクター」ともいう)に、融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド、すなわち、前記本開示の核酸を挿入することで作製できる。前記発現ベクターの種類は、特に制限されず、例えば、前記宿主の種類に応じて、適宜決定できる。具体的には、前記発現ベクターを遺伝子工学的手法により合成する場合、まず、前記発現ベクターの合成は、例えば、前記融合タンパク質をコードする核酸を設計して合成する。前記設計および合成は、例えば、前記融合タンパク質をコードする核酸を含むベクター等を鋳型とし、所望の核酸領域を合成し得るように設計したプライマーを用いて、PCR法により行うことができる。そして、得られた核酸を適当なベクターに連結することによってタンパク質発現用組換えベクター(発現ベクター)を得て、この組換えベクターを目的遺伝子が発現し得るように宿主中に導入することによって形質転換体を得ることができる(Sambrook J.et al.,Molecular Cloning,A Laboratory Manual(4th edition)(Cold Spring Harbor Laboratory Press(2012))。
形質転換に使用する宿主としては、目的の核酸を発現できるものであれば、特に制限されず、例えば、微生物、動物細胞、昆虫細胞、または、これらの培養細胞等の非ヒト宿主、単離したヒト細胞またはその培養細胞、哺乳類細胞等があげられる。前記原核生物は、例えば、大腸菌(Escherichia coli)等のエッシェリヒア属、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)等のシュードモナス属等の細菌があげられる。前記真核生物は、例えば、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)等の酵母等があげられる。前記動物細胞は、例えば、COS細胞、CHO細胞等があげられ、前記昆虫細胞は、例えば、Sf9、Sf21等があげられる。
前記発現ベクターは、ウイルスベクターおよび非ウイルスベクターがあげられる。前記導入方法としてヒートショック法により宿主の形質転換を行う場合、前記発現ベクターは、例えば、バイナリーベクター等があげられる。前記発現ベクターは、例えば、pETDuet-1、pQE-80L、pUCP26Km等があげられる。大腸菌等の細菌に形質転換を行う場合、前記発現ベクターは、pETDuet-1ベクター(ノバジェン社)、例えば、pQE-80L(QIAGEN社)、pBR322、pB325、pAT153、pUC8等があげられる。前記酵母に形質転換を行なう場合、前記発現ベクターは、例えば、pYepSec1、pMFa、pYES2等があげられる。前記昆虫細胞に形質転換を行なう場合、前記発現ベクターは、例えば、pAc、pVL等があげられる。前記哺乳類細胞に形質転換を行なう場合、前記発現ベクターは、例えば、pCDM8、pMT2PC等があげられる。
前記発現ベクターは、例えば、前記融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドの発現および前記融合タンパク質のポリヌクレオチドがコードする前記本開示の融合タンパク質の発現を調節する、調節配列を有することが好ましい。前記調節配列は、例えば、プロモーター、ターミネーター、エンハンサー、ポリアデニル化シグナル配列、複製起点配列(ori)等があげられる。前記発現ベクターにおいて、前記調節配列の配置は特に制限されない。前記発現ベクターにおいて、前記調節配列は、例えば、前記融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドの発現およびこれがコードする融合タンパク質の発現を、機能的に調節できるように配置されていればよく、公知の方法に基づいて配置できる。前記調節配列は、例えば、前記vベクターが予め備える配列を利用してもよいし、前記発現ベクターに、さらに、前記調節配列を挿入してもよいし、前記基本ベクターが備える調節配列を、他の調節配列に置き換えてもよい。
<形質転換体および形質転換体の製造方法>
別の態様において、本開示は、融合タンパク質を製造可能な形質転換体およびその製造方法を提供する。本開示の形質転換体は、本開示の融合タンパク質をコードする核酸を含む。本開示の形質転換体は、本開示の融合タンパク質をコードする核酸を含むことが特徴であり、その他の構成および条件は、特に制限されない。本開示の形質転換体によれば、前記本開示の融合タンパク質を好適に製造できる。
本開示の形質転換体の製造方法は、宿主に、前記本開示の核酸を導入する工程を含む。本開示の形質転換体の製造方法は、前記宿主に本開示の核酸を導入することが特徴であり、その他の工程および条件は、特に制限されない。本開示の形質転換体の製造方法によれば、前記形質転換体を製造できる。本開示の形質転換体およびその製造方法は、前記本開示の融合タンパク質、核酸、発現ベクター、および融合タンパク質の製造方法の説明を援用できる。
本開示の形質転換体において、前記融合タンパク質をコードする核酸は、前記本開示の融合タンパク質をコードする核酸の説明を援用できる。本開示の核酸としては、前記本開示の発現ベクターを用いてもよい。
本開示の形質転換体では、本開示の核酸が外来性の分子として存在する。このため、本開示の形質転換体は、例えば、前記宿主に、前記本開示の核酸を導入することにより製造できる。
前記核酸の導入方法は、特に制限されず、公知の方法により行うことができる。前記核酸は、例えば、前記発現ベクターにより導入されてもよい。前記発現ベクターの宿主への導入方法は、特に制限されず、公知の方法により行うことができる。前記導入方法は、例えば、前記宿主の種類に応じて、適宜設定できる。前記導入方法は、例えば、パーティクルガン等の遺伝子銃による導入法、リン酸カルシウム法、ポリエチレングリコール法、リポソームを用いるリポフェクション法、エレクトロポレーション法、超音波核酸導入法、DEAE-デキストラン法、微小ガラス管等を用いた直接注入法、ハイドロダイナミック法、カチオニックリポソーム法、導入補助剤を用いる方法、アグロバクテリウムを介する方法等があげられる。前記リポソームは、例えば、リポフェクタミンおよびカチオニックリポソーム等があげられ、前記導入補助剤は、例えば、アテロコラーゲン、ナノ粒子およびポリマー等があげられる。前記宿主が、微生物の場合、例えば、中でも、酵母等を介する方法が好ましい。前記本開示の融合タンパク質のポリヌクレオチドは、例えば、前記本開示の発現ベクターにより前記宿主に導入してもよい。
<融合タンパク質の製造方法>
別の態様において、本開示は、融合タンパク質の製造方法を提供する。本開示の融合タンパク質の製造方法は、本開示の融合タンパク質を発現させる発現工程を含む。本開示の融合タンパク質の製造方法は、前記発現工程を含むことが特徴であり、その他の工程および条件は、特に制限されない。本開示の融合タンパク質の製造方法によれば、本開示の融合タンパク質を製造できる。
前記融合タンパク質の製造は、例えば、酵母等の宿主を用いて遺伝子工学的手法により実施してもよいし、無細胞系により実施してもよく、当業者に周知の方法を用いることができる。前記融合タンパク質の製造は、例えば、国際公開第2016/017037号公報(米国特許出願公開2016/0202251号明細書)を参照できる。
前記融合タンパク質の製造を前記遺伝子工学的手法により実施する場合、本開示の製造方法は、前記発現工程に先立ち、前記本開示の核酸または発現ベクターを含む形質転換体を準備してもよい。この場合、前記発現工程は、例えば、前記形質転換体を培養し、その培養物から融合タンパク質を採取する。前記培養の条件は、前記形質転換体の製造に用いた宿主の種類に応じて適宜設定できる。前記培養物は、培養上清でもよいし、培養細胞もしくは培養菌体等の形質転換体、またはその処理物もしくは破砕物のいずれでもよい。
前記培養後、前記融合タンパク質が宿主内に生産される場合、本開示の製造方法は、例えば、前記宿主を破砕することにより融合タンパク質を抽出する。また、前記融合タンパク質が前記宿主外に生産または分泌される場合、本開示の製造方法は、例えば、培養液をそのまま使用するか、遠心分離等により宿主を除去する。その後、本開示の製造方法は、例えば、タンパク質の単離精製に用いられる一般的な生化学的方法、具体的には、限外ろ過膜による濃縮;硫酸アンモニウム沈殿等の塩析;ゲル濾過、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー等の各種カラムを用いたクロマトグラフィー;を単独で、または適宜組み合わせて用いることにより、前記融合タンパク質を単離または精製することができる。本開示の製造方法では、例えば、前記形質転換体を用いることにより、前記融合タンパク質は、前記形質転換体の脂質膜上で自己組織化し、表面抗原粒子を形成する。このため、本開示の製造方法は、前記形質転換体を用いることで、前記融合タンパク質と前記脂質膜とを含む表面抗原粒子を簡便に調製できる。本開示の製造方法は、前記表面抗原粒子から前記融合タンパク質を単離する単離工程を含んでもよい。前記単離は、例えば、前記表面抗原粒子から脂質膜成分を除去することにより実施できる。具体例として、前記単離は、例えば、前記表面抗原粒子と、膜タンパク質の可溶化活性を有する界面活性剤とを接触させることにより、実施できる。前記界面活性剤は、例えば、Triton(商標)X-100等のTriton(商標)X、CHAPS、CHAPSO、BIGCHAP、deoxy-BIGCHAP、n-Dodecyl-β-D-maltoside、n-Decyl-β-D-maltoside、n-Nonyl-β-D-thiomaltoside、n-Octyl-β-D-glucoside、n-Octyl-β-D-maltoside、n-Heptyl-β-D-thioglucoside、n-Octyl-β-D-thioglucoside、MEGA-8(n-Octanoyl-N-methyl-D-glucamine)、MEGA-9(n-Nonanoyl-N-methyl-D-glucamine)、MEGA-10(n-Decanoyl-N-methyl-D-glucamine)等があげられる。
本開示の製造方法では、無細胞合成系を用いて、in vitro翻訳により、前記融合タンパク質を得てもよい。この場合は、本開示の作製方法は、前記融合タンパク質をコードするRNAを鋳型にする方法で実施してもよいし、前記融合タンパク質をコードするDNAを鋳型にする方法(転写および翻訳)により実施してもよい。前記無細胞合成系は、市販のシステムが使用でき、具体例として、Expressway(商標)システム(インビトロジェン社)等を用いることができる。前記翻訳後、本開示の製造方法は、例えば、タンパク質の単離精製に用いられる一般的な生化学的方法、具体的には、限外ろ過膜による濃縮;硫酸アンモニウム沈殿等の塩析;ゲル濾過、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー等の各種カラムを用いたクロマトグラフィー;等を単独で、または適宜組み合わせて用いることにより、前記融合タンパク質を単離または精製することができる。前記単離または精製は、例えば、前記形質転換体を用いた場合と同様に実施できる。
本開示の製造方法により得られた融合タンパク質は、例えば、そのまま粗精製物として使用してもよいし、部分的に精製した部分精製物として使用してもよいし、単一に精製した精製物として使用してもよい。
本開示の製造方法は、得られた融合タンパク質を、例えば、凍結乾燥や真空乾燥或いはスプレードライなどにより粉末化してもよい。この場合、本開示の製造方法は、例えば、融合タンパク質を予め酢酸緩衝液、リン酸緩衝液、トリエタノールアミン緩衝液、トリス塩酸緩衝液、GOODバッファー(例えば、PIPES、MES、MOPS等)等の緩衝液に溶解させておいてもよい。
<ウイルス様粒子>
別の態様において、本開示は、ウイルス様粒子を提供する。本開示のウイルス様粒子は、抗体結合タンパク質を含み、前記抗体結合タンパク質は、前記本開示の融合タンパク質を含む。
前記ウイルス様粒子は、例えば、B型肝炎ウイルス(HBV)、またはこれらの変異体等に由来するウイルス様粒子があげられる。前記ウイルス様粒子は、例えば、前記融合タンパク質を含む表面抗原粒子ということもできる。
前記ウイルス様粒子は、例えば、免疫学的測定に好適に使用できる。
<免疫学的測定用試薬>
別の態様において、本開示は、免疫学的測定用試薬を提供する。本開示の免疫学的測定用試薬は、前記本開示の融合タンパク質、および/または前記本開示のウイルス様粒子を含む。本開示の免疫学的測定用試薬によれば、改善された感度で、前記標的抗原に対する抗体を検出できる。
前記免疫学的測定用試薬は、例えば、免疫学的測定を実施するために有用な他の成分を含んでもよい。前記他の成分は、例えば、免疫学的測定において使用するバッファー、塩等があげられる。
前記免疫学的測定用試薬は、例えば、キットの形態で保存および/または流通されてもよい。
前記免疫学的測定用試薬は、例えば、免疫学的測定に使用することが好ましい。前記免疫学的測定は、前記本開示の融合タンパク質の説明を援用できる。
<標的抗原に対する抗体の検出用キット>
別の態様において、本開示は、標的抗原に対する検出用キット(以下、「抗体の検出用キット」)を提供する。本開示の抗体の検出用キットは、前記本開示の融合タンパク質、および/または前記本開示のウイルス様粒子と、標的抗原とを含む。本開示の抗体の検出用キットによれば、改善された感度で、前記標的抗原に対する抗体を検出できる。
本開示の抗体の検出用キットは、例えば、その他の構成を含んでもよい。前記その他の構成は、例えば、ブロッキング剤、バッファー、および使用説明書等があげられる。
<標的抗原に対する抗体の検出方法>
別の態様において、本開示は、標的抗原に対する抗体の検出方法(以下、「抗体の検出方法」)を提供する。本開示の抗体の検出方法は、標的抗原とサンプル液とを接触させ、前記サンプル液における前記標的抗原に対する抗体と、前記標的抗原との第1の複合体を形成する工程(以下、「第1の形成工程」という)と、前記第1の複合体と、前記本開示の融合タンパク質または前記本開示のウイルス様粒子とを接触させ、前記第1の複合体と、前記融合タンパク質または前記ウイルス様粒子との第2の複合体を形成する工程(以下、「第2の形成工程」という)と、前記第2の複合体を検出する工程(以下、「第1の検出工程」という)とを含む。本開示の抗体の検出方法によれば、改善された感度で、前記標的抗原に対する抗体を検出できる。本開示の抗体の検出方法は、例えば、前記本開示の抗体の検出用キットを用いて実施できる。
本開示の抗体の検出方法において、前記融合タンパク質または前記ウイルス様粒子は、例えば、前述の本開示の融合タンパク質の製造方法で説明するように、遺伝子工学的手法により調製できる。このため、本開示の抗体の検出方法は、例えば、前記第1の形成工程、および/または前記第2の形成工程に先立ち、前記融合タンパク質または前記ウイルス様粒子を調製する調製工程を含んでもよい。この場合、本開示の抗体の検出方法は、例えば、前記調製工程で得られた融合タンパク質またはウイルス様粒子について、前記第2の形成工程に供する。前記調製工程は、前記本開示の融合タンパク質、核酸、発現ベクター、形質転換体、形質転換体の製造方法、融合タンパク質の製造方法、ウイルス様粒子の説明を援用できる。
前記第1の形成工程では、前記標的抗原と前記サンプル液とを接触させ、前記サンプル液における前記標的抗原に対する抗体と前記標的抗原との第1の複合体を形成させる。前記第1の形成工程では、例えば、前記標的抗原と、前記サンプル液中の標的抗原に対する抗体との抗原抗体反応を利用することにより、前記第1の複合体を形成させる。このため、前記第1の形成工程では、例えば、前記サンプル液中に前記標的抗原に対する抗体が存在すると、前記第1の複合体が、前記標的抗原に対する抗体の量依存的に形成される。他方、前記第1の形成工程では、例えば、前記サンプル液中に前記標的抗原に対する抗体が存在しないと、前記第1の複合体が、形成されない。このため、前記第1の形成工程では、前記標的抗原に前記標的抗原に対する抗体を結合させることにより、後述の第2の形成工程および第1の検出工程で前記抗体を検出可能な形で、前記抗体を捕捉できる。
前記標的抗原は、特に制限されず、任意の抗原とでき、例えば、がん抗原、ウイルス抗原、細菌抗原、寄生虫抗原、自己免疫疾患に関連する抗原、糖鎖抗原等があげられる。前記がん抗原は、例えば、細胞のがん化により、新たに発現する抗原、発現量が増加する抗原等の抗原性を有する生体分子を意味する。前記がん抗原は、例えば、がん特異的抗原でもよいし、がん関連抗原でもよい。前記ウイルス抗原は、例えば、SARS-Cov-2等のコロナウイルス由来の抗原があげられる。
前記標的抗原は、例えば、単体で存在してもよい、すなわち、他の物質から遊離した状態でもよいし、担体等に固定化または固相化されてもよい。前記担体は、例えば、前記標的抗原を表面に担持(例えば、固定または保持)できる構造体であればよく、一般的な担体を使用できる。前記担体は、例えば、樹脂製ビーズ、アガロースビーズ、磁気ビーズ、多孔性ビーズ(多孔質体)、イオン性(陽イオンまたは陰イオン)ビーズ等のビーズ(粒子);チューブ;前記ビーズを備えるカラム;中空糸膜、精密濾過膜、限外濾過膜、逆浸透膜、不織布等のフィルター;ニトロセルロースメンブレン、PVDFメンブレン等のメンブレン;プレート、ウェル等の壁等があげられる。
前記サンプル液は、例えば、測定対象の試料または測定対象の試料から調製された液体である。前記測定対象の試料が液体の場合、前記サンプル液は、例えば、前記測定対象の液体試料でもよいし、前記測定対象の液体試料を緩衝液等の水性溶媒で希釈した希釈液でもよい。前記測定対象の試料が固体の場合、前記サンプル液は、例えば、前記試料を緩衝液等の水性溶媒に分散させることにより調製できる。前記試料は、例えば、生体試料があげられ、具体例として、生体から分離した、体液、体液由来細胞、器官、組織または細胞等があげられる。前記体液は、例えば、血液検体または尿検体等があげられ、具体例として、例えば、全血、血清、血漿、尿等があげられる。前記試料は、例えば、標的抗原を含むウイルスまたは細菌等の感染性病原体等に罹患した患者から採取した検体でもよい。
前記第1の形成工程では、前記標的抗原と前記サンプル液との接触に先立って、前記標的抗原をブロッキングする工程を含んでもよい。前記ブロッキングの条件は、前記標的抗原の形態に応じて、適宜決定できる。前記標的抗原が前記担体に保持されている場合、本開示の抗体の検出方法は、例えば、前記ブロッキングを実施することにより、シグナルノイズ比(S/N比)を改善できる。
前記第1の形成工程において、前記標的抗原と前記サンプル液との接触は、前記標的抗原および前記サンプル液の種類に応じて、適宜決定できる。前記接触は、緩衝液等の存在下で実施することが好ましい。前記緩衝液は、非特異的な結合を防ぐために、ブロッキング剤等を含有してもよい。前記標的抗原は、固体でもよいし、液体でもよいが、液体が好ましい。前記標的抗原は粉末等の固体である場合、前記標的抗原は、緩衝液、生理的食塩水、水等の水性溶媒に予め分散されていることが好ましい。また、前記標的抗原が液体である場合、前記標的抗原は、緩衝液、生理的食塩水、水等の水性溶媒を用いて予め希釈されてもよい。前記接触の具体例として、前記標的抗原が前記標的抗原を含む液体(標的抗原液)である場合、前記接触は、例えば、前記標的抗原液をプレートに添加した後、サンプル液を添加または混合することにより実施できる。前記標的抗原が前記担体に保持されている場合、前記第1の形成工程では、前記サンプル液に、前記標的抗原を添加または混合することにより実施できる。
そして、前記第1の形成工程では、例えば、前記サンプル液内の前記標的抗原に対する抗体と、前記標的抗原とが、抗原抗体反応によって結合し、前記サンプル液内の前記標的抗原に対する抗体と、前記標的抗原との第1の複合体が形成されるのに十分な条件で抗原抗体反応を実施する。前記第1の形成工程の反応条件は、例えば、一般的な抗原抗体反応条件に準じて設定できる。
前記第1の形成工程における温度(第1の形成温度)は、例えば、低温反応の場合、2~10℃であり、常温反応の場合、20~37℃である。
前記第1の形成工程における時間(第1の形成時間)は、例えば、低温反応の場合、3~48時間であり、常温反応の場合、30分~3時間であり、イムノクロマト反応の場合、数秒~1分である。
前記第2の形成工程は、前記第1の複合体と、前記本開示の融合タンパク質または前記本開示のウイルス様粒子とを接触させることで、前記第1の複合体と、前記融合タンパク質または前記ウイルス様粒子との第2の複合体を形成する。前述のように、前記融合タンパク質およびウイルス様粒子は、少なくとも2つのプロテインAの抗体結合ドメインと、少なくとも2つのプロテインGの抗体結合ドメインとを含む。このため、前記第2の形成工程では、例えば、前記第1の複合体に含まれる抗体に、前記融合タンパク質の抗体結合ドメインまたは前記ウイルス様粒子の抗体結合ドメインが結合することにより、第2の複合体を形成できる。また、前記第1の形成工程では、例えば、前記サンプル液中に前記標的抗原に対する抗体が存在すると、前記第1の複合体が、前記標的抗原に対する抗体の量依存的に形成される。他方、前記第1の形成工程では、例えば、前記サンプル液中に前記標的抗原に対する抗体が存在しないと、前記第1の複合体が、形成されない。したがって、前記第2の形成工程では、前記サンプル液中に前記標的抗原に対する抗体が存在すると、前記第2の複合体が、前記第1の複合体または前記標的抗原に対する抗体の量依存的に形成される。他方、前記第2の形成工程では、例えば、前記サンプル液中に前記標的抗原に対する抗体が存在しないと、前記第2の複合体が、形成されない。
前記第2の形成工程において、前記第1の複合体と、前記本開示の融合タンパク質または前記本開示のウイルス様粒子との接触は、前記第1の複合体と、前記本開示の融合タンパク質または前記本開示のウイルス様粒子の形態に応じて、適宜決定できる。前記接触は、緩衝液等の存在下で実施することが好ましい。前記緩衝液は、ブロッキング剤等を含有してもよい。前記本開示の融合タンパク質または前記本開示のウイルス様粒子は、固体でもよいし、液体でもよいが、液体が好ましい。前記本開示の融合タンパク質または前記本開示のウイルス様粒子は粉末等の固体である場合、前記標的抗原は、緩衝液、生理的食塩水、水等の水性溶媒に予め分散されていることが好ましい。また、前記本開示の融合タンパク質または前記本開示のウイルス様粒子が液体である場合、前記本開示の融合タンパク質または前記本開示のウイルス様粒子は、緩衝液、生理的食塩水、水等の水性溶媒を用いて予め希釈されてもよい。前記接触の具体例として、前記本開示の融合タンパク質または前記本開示のウイルス様粒子が液体である場合、プレート上で形成された前記第1の複合体に、前記本開示の融合タンパク質または前記本開示のウイルス様粒子を添加することにより実施できる。
そして、前記第2の形成工程では、例えば、前記本開示の融合タンパク質または前記本開示のウイルス様粒子の前記抗体結合ドメインと、前記第1の複合体に含まれる抗体のFc領域とが結合し、前記第2の複合体が形成されるのに十分な条件で反応を実施する。前記第2の形成工程における反応条件は、例えば、抗体をプロテインAおよび/またはプロテインGに結合させる反応条件に準じて設定できる。
前記第2の形成工程における温度(第2の形成温度)は、例えば、低温反応の場合、2~10℃であり、常温反応の場合、20~37℃である。
前記第2の形成工程における時間(第2の形成時間)は、例えば、低温反応の場合、30分~48時間または3~48時間であり、常温反応の場合、30分~3時間であり、イムノクロマト反応の場合、1秒~5分または数秒~1分である。
本開示の抗体の検出方法は、前記第2の形成工程後、前記第2の複合体を洗浄する工程を含むことが好ましい。これにより、本開示の検出方法は、例えば、前記第2の複合体を未形成の第1の複合体を除去できるため、シグナルノイズ比(S/N比)を改善できる。前記洗浄は、例えば、前述の水性溶媒を用いて実施できる。前記水性溶媒は、前記第1の複合体と前記融合タンパク質または前記ウイルス様粒子との結合を阻害しないことが好ましい。
前記第1の形成工程と、前記第2の形成工程とは、同時に実施してもよいし、一方の工程の実施後、他方の工程を実施してもよい。
前記第1の検出工程は、前記第2の複合体を検出する。本開示の抗体の検出方法は、前記第2の複合体を検出することで、前記第2の複合体における標的抗原に対する抗体を間接的に検出することができる。前記第2の複合体は、前記第1の複合体に前記融合タンパク質または前記ウイルス様粒子が結合している。このため、前記第1の検出工程は、例えば、前記融合タンパク質または前記ウイルス様粒子の構成要素を検出することにより、前記標的抗原に対する抗体を間接的に検出することができる。
本開示の融合タンパク質または本開示のウイルス様粒子が標識を有する場合、前記第1の検出工程は、例えば、前記第2の複合体における標識を検出することが好ましい。前記標識の検出は、前記標識の種類に応じ、適宜決定できる。具体例として、前記標識が、蛍光物質である場合、前記標識の検出は、例えば、前記蛍光物質の励起光を照射し、蛍光を検出することにより実施できる。前記標識が、化学発光物質である場合、前記標識の検出は、例えば、前記化学発光反応の反応物を添加し、前記化学発光反応で生じる光を測定することにより実施できる。
前記第1の検出工程の検出は、例えば、定量的な検出でもよいし、定性的な検出でもよい。前記検出が定量的な検出である場合、前記第1の検出工程は、例えば、濃度既知のスタンダードを測定して検量線を作成し、前記第2の複合体の測定値と前記検量線とを用いて、前記サンプル液中の標的抗原に対する抗体の量を定量することで実施できる。前記定性的な検出方法の場合、例えば、ポジティブコントロールおよび/またはネガティブコントロールを測定し、前記第2の複合体の測定結果と比較することで実施できる。前記第1の検出工程において、定量的な検出を行なう場合、本開示の検出方法は、例えば、分析方法ということもできる。
これにより、本開示の抗体の検出方法は、前記標的抗原に対する抗体を検出できる。
<標的抗原の検出用キット>
別の態様において、本開示は、標的抗原の検出用キットを提供する。本開示の標的抗原の検出用キットは、前記本開示の融合タンパク質、および/または前記本開示のウイルス様粒子と、標的抗原に結合可能な第1の抗体と、前記標的抗原に結合可能な第2の抗体とを含む。本開示の標的抗原の検出用キットによれば、改善された感度で、前記標的抗原を検出できる。
本開示の標的抗原の検出用キットにおいて、前記第1の抗体は、前記融合タンパク質または前記ウイルス様粒子上で、前記第1の抗体、前記標的抗原および後述の第2の抗体の複合体を形成させることにより、前記標的抗原を間接的に検出可能に構成される。このため、本開示の標的抗原の検出用キットにおいて、前記第1の抗体は、前記融合タンパク質、および/または、前記ウイルス様粒子と複合体を形成可能であることが好ましい。他方、前記第2の抗体は、前記融合タンパク質、および/または、前記ウイルス様粒子との複合体形成能が、前記第1の抗体と比較して低減されていることが好ましい。これにより、本開示の標的抗原の検出用キットでは、前記融合タンパク質または前記ウイルス様粒子に、前記第1の抗体を優先的に結合できるため、例えば、シグナルノイズ比(S/N比)を改善できる。前記第1の抗体は、例えば、前記標的抗原の種類に応じて、適宜決定できる。前記第1の抗体は、モノクローナル抗体でもよいし、ポリクローナル抗体でもよい。前記標的抗原に結合可能な第1の抗体は、前記標的抗原の種類に応じて、適宜決定できる。前記第1の抗体は、例えば、市販の抗体を用いてもよいし、前記標的抗原を動物等に免疫することにより得られた抗体を用いてもよい。
本開示の標的抗原の検出用キットにおいて、前記第2の抗体は、例えば、前記標的抗原に結合可能であればよく、前記標的抗原の種類に応じて、適宜決定できる。前記第2の抗体は、モノクローナル抗体でもよいし、ポリクローナル抗体でもよい。前記標的抗原に結合可能な第1の抗体は、前記標的抗原の種類に応じて、適宜決定できる。前記第2の抗体は、例えば、市販の抗体を用いてもよいし、前記標的抗原を動物等に免疫することにより得られた抗体を用いてもよい。前記第2の抗体は、前記第1の抗体と、前記標的抗原に対する結合が競合しないことが好ましい。前記競合は、一方の抗体が存在すると、他方の抗体の標的抗原への結合が抑制されることを意味する。具体的には、前記第1の抗体と前記第2の抗体とは、前記標的抗原において、異なる部位にエピトープを有することが好ましい。前記第2の抗体は、前記本開示の融合タンパク質、および/または前記本開示のウイルス様粒子との結合を抑制するために、Fc領域を持たず、Fab領域を持つ抗体であることが好ましい。前記第2の抗体は、例えば、F(ab)抗体、F(ab’)抗体等があげられる。前記第2の抗体は、例えば、前述の標識を有してもよい。
前記第2の抗体は、単体で存在してもよい、すなわち、他の物質から遊離した状態でもよいし、担体等に固定化または固相化されてもよい。前記担体は、例えば、前述の例示を援用できる。
本開示の標的抗原の検出用キットでは、前記第1の抗体および前記第2の抗体のいずれを捕捉抗体として用いてもよい。具体例として、前記第2の抗体が担体に固定化されている場合、前記第2の抗体は、捕捉抗体として使用でき、前記第1の抗体は、検出用抗体として使用できる。この場合、本開示の標的抗原の検出用キットでは、前記担体上に、前記第1の抗体、前記標的抗原、前記第2の抗体、および前記融合タンパク質または前記ウイルス様粒子の複合体が形成される。また、本開示の標的抗原の検出用キットでは、前記第1の抗体に結合した前記融合タンパク質または前記ウイルス様粒子を直接または間接的に標識として利用することにより、前記標的抗原を検出できる。他方、前記第2の抗体が担体に固定化されていない場合、前記第1の抗体は、捕捉抗体として使用でき、前記第2の抗体は、検出用抗体として使用できる。この場合、本開示の標的抗原の検出用キットでは、前記融合タンパク質または前記ウイルス様粒子上に、前記第1の抗体、前記標的抗原、および前記第2の抗体の複合体が形成される。また、本開示の標的抗原の検出用キットでは、前記第2の抗体を直接または間接的に検出することにより、前記標的抗原を検出できる。このため、前記第2の抗体は、前述の標識を有することが好ましい。
<標的抗原の検出方法>
別の態様において、本開示は、標的抗原の検出方法を提供する。本開示の標的抗原の検出方法は、第1の複合体とサンプル液とを接触させ(以下「接触工程」という)、前記サンプル液における標的抗原と、前記第1の複合体との第2の複合体を形成する工程(複合体形成工程)であり、前記第1の複合体は、前記本開示の融合タンパク質、および/または、前記本開示のウイルス様粒子と、前記標的抗原に結合可能な第1の抗体との複合体である工程と、前記第2の複合体と、前記標的抗原に対する第2の抗体とを接触させ、前記第2の複合体と、前記第2の抗体との第3の複合体を形成する工程(第3の複合体形成工程)と、前記第3の複合体を検出する工程とを含む。本開示の標的抗原の検出方法によれば、改善された感度で、前記標的抗原を検出できる。本開示の標的抗原の検出方法は、例えば、前記本開示の標的抗原の検出用キットを用いて実施できる。
本開示の標的抗原の検出方法では、前記複合体形成工程において、前記第1の複合体を使用する。前記第1の複合体は、予め調製したものを用いてもよいし、使用時に調製してもよい。後者の場合、本開示の標的抗原の検出方法は、前記複合体形成工程に先立ち、前記第1の複合体を形成する工程を含んでもよい。前記第1の複合体の形成は、前記本開示の抗体の検出方法における第1の形成工程と同様にして実施できる。
前記第1の複合体において、前記標的抗原に結合可能な第1の抗体は、モノクローナル抗体でもよいし、ポリクローナル抗体でもよい。前記標的抗原に結合可能な第1の抗体は、前記標的抗原の種類に応じて、適宜決定できる。前記第1の抗体は、例えば、市販の抗体を用いてもよいし、前記標的抗原を動物等に免疫することにより得られた抗体を用いてもよい。
前記複合体形成工程では、前記第1の複合体と前記サンプル液とを接触させ、前記サンプル液に含まれる標的抗原と、前記第1の複合体に含まれる前記標的抗原に結合可能な第1の抗体との第2の複合体を形成する。前記複合体形成工程では、例えば、前記標的抗原と、前記第1の抗体との抗原抗体反応を利用することにより、前記第2の複合体を形成させる。このため、前記複合体形成工程では、例えば、前記サンプル液中に前記標的抗原が存在すると、前記第2の複合体が、前記標的抗原の量依存的に形成される。他方、前記複合体形成工程では、例えば、前記サンプル液中に前記標的抗原が存在しないと、前記第2の複合体が、形成されない。このため、前記複合体形成工程では、前記標的抗原に前記第1の抗体を結合させることにより、後述の第3の複合体の形成工程および第2の検出工程で前記標的抗原を検出可能な形で、前記標的抗原を捕捉できる。
前記複合体形成工程において、前記第1の複合体と前記サンプル液の接触は、前記第1の複合体と前記サンプル液の形態に応じて、適宜決定できる。前記接触は、緩衝液等の存在下で実施することが好ましい。前記複合体形成工程における接触は、例えば、前記本開示の抗体の検出方法における第2の形成工程における接触と同様に実施できる。
前記複合体形成工程では、例えば、前記サンプル液内の前記標的抗原と、前記第1の抗体とが、抗原抗体反応によって結合し、前記サンプル液内の前記標的抗原と、前記第1の抗体との第2の複合体が形成されるのに十分な条件で抗原抗体反応を実施する。前記複合体形成工程の反応条件は、例えば、一般的な抗原抗体反応条件に準じて設定できる。
前記第1の複合体と、前記サンプル液との接触工程は、例えば、低温反応の場合は2~10℃であり、常温反応の場合は20~37℃である。
前記第1の複合体と、前記サンプル液との接触工程は、例えば、低温反応の場合、30分~48時間または3~48時間であり、常温反応の場合、30分~3時間であり、イムノクロマト反応の場合、1秒~5分または数秒~1分時間である。
前記第3の複合体形成工程では、前記第2の複合体と、前記標的抗原に対する第2の抗体とを接触させ、前記第2の複合体と、前記第2の抗体との第3の複合体を形成する。前記第3の複合体形成工程では、例えば、前記第2の複合体と、前記第2の抗体との抗原抗体反応を利用することにより、前記第3の複合体を形成させる。このため、前記複合体形成工程では、例えば、前記サンプル液中に前記標的抗原が存在すると、前記第2の複合体が、前記標的抗原の量依存的に形成される。他方、前記複合体形成工程では、例えば、前記サンプル液中に前記標的抗原が存在しないと、前記第2の複合体が、形成されない。したがって、前記第3の複合体形成工程では、前記サンプル液中に前記標的抗原が存在すると、前記第3の複合体が、前記第2の複合体または前記標的抗原の量依存的に形成される。他方、前記第3の複合体形成工程では、例えば、前記サンプル液中に前記標的抗原が存在しないと、前記第3の複合体が、形成されない。
前記第2の抗体は、後述の第2の検出工程において、前記第1の抗体と識別可能な抗体であることが好ましい。具体例として、前記第2の工程は、例えば、Fc領域を有さず、Fab領域を有する抗体があげられる。前記抗体は、例えば、F(ab)抗体、F(ab’)抗体等があげられる。
前記第3の複合体を形成する工程において、前記第2の複合体と前記第2の抗体の接触は、前記第2の複合体と前記第2の抗体の形態に応じて、適宜決定できる。前記接触は、緩衝液等の存在下で実施することが好ましい。前記第3の複合体形成工程における接触は、例えば、前記本開示の抗体の検出方法における第2の形成工程における接触と同様に実施できる。
前記第3の複合体形成工程では、例えば、前記第2の複合体内の前記標的抗原と、前記第2の抗体とが、抗原抗体反応によって結合し、前記第2の複合体と、前記第2の抗体との第3の複合体が形成されるのに十分な条件で抗原抗体反応を実施する。前記第3の複合体形成工程の反応条件は、例えば、一般的な抗原抗体反応条件に準じて設定できる。
前記第2の複合体と、前記第2の抗体との接触工程は、例えば、低温反応の場合、2~10℃であり、常温反応の場合、20~37℃である。
前記第2の複合体と、前記第2の抗体との接触工程は、例えば、低温反応の場合、30分~48時間または3~48時間、常温反応の場合、30分~3時間、イムノクロマト反応の場合、1秒~5分または数秒~1分である。
前記複合体形成工程と、前記第3の複合体形成工程とは、同時に実施してもよいし、一方の工程の実施後、他方の工程を実施してもよい。
前記第2の検出工程では、前記第3の複合体を検出する。本開示の抗体の検出方法は、前記第3の複合体を検出することで、前記第3の複合体における標的抗原を間接的に検出することができる。前記第3の複合体は、前記第1の抗体、前記標的抗原、前記第2の抗体および本開示の融合タンパク質または本開示のウイルス様粒子が結合している。このため、前記第2の検出工程は、例えば、本開示の融合タンパク質もしくは本開示のウイルス様粒子、または前記第2の抗体を検出することにより、前記標的抗原に対する抗体を間接的に検出することができる。前記第2の検出工程は、例えば、前記第1の検出工程と同様にして実施できる。
前記第2の検出工程は、例えば、前記第3の複合体を容易に検出できるように、本開示の融合タンパク質もしくは本開示のウイルス様粒子、または前記第2の抗体が標識を有することが好ましい。
前記第2の検出工程は、例えば、定量的な検出方法でもよいし、定性的な検出方法でもよい。前記検出が定量的な検出である場合、前記第2の検出工程は、例えば、濃度既知のスタンダードを測定して検量線を作成し、前記第3の複合体の測定値と前記検量線とを用いて、前記サンプル液中の標的抗原の量を定量することで実施できる。前記定性的な検出方法の場合、例えば、ポジティブコントロールおよび/またはネガティブコントロールを測定し、前記第3の複合体の測定結果と比較することで実施できる。前記第2の検出工程において、定量的な検出を行なう場合、本開示の検出方法は、例えば、分析方法ということもできる。
以下、実施例を用いて本開示を詳細に説明するが、本開示は実施例に記載された態様に限定されるものではない。
[実施例1]
本開示の融合タンパク質について、抗体および/または抗原を高感度に検出できることを確認した。
(1)融合タンパク質を含むウイルス様粒子の調製
本開示の融合タンパク質を含むウイルス様粒子調製は、特許第4212921号の方法に従って行った。前記ウイルス様粒子として、抗体結合ドメインの数と並び方を変えた6種類の融合タンパク質、または比較対象1種類の融合タンパク質を含むウイルス様粒子を作製した。前記6種類の融合タンパク質は、BNC-ZB(ZB、配列番号33)、BNC-ZBB(ZBB、配列番号27)、BNC-ZZB(ZZB、配列番号29)、BNC-ZBZ(ZBZ、配列番号31)、BNC-ZZBB(ZZBB、配列番号23)、およびBNC-ZBBZ(ZBBZ、配列番号25)であり、比較対象はBNC-ZZ(ZZ、配列番号35)である。なお、Zは、前記Zドメインを意味し、Bは、前記抗体結合ドメインのBドメインを意味する。各配列番号のアミノ酸配列において、括弧で示すアミノ酸配列は、シグナルペプチドの部分ペプチドであり、後述の酵母で発現すると切断され消失する。このため、前記ウイルス用粒子は、括弧で示したアミノ酸配列が欠失された融合タンパク質を含む。ウイルス様粒子の調製は、具体的には、特許第4212921号の方法で作製したBNC-ZZのZZ部位に、ZB、ZZB、ZBZ、ZBB、ZBBZ、およびZZBBの配列をそれぞれ挿入したプラスミドを作製した。作製した前記プラスミドは、スフェロプラスト法により、酵母S.cerevisiae AH22R‐にそれぞれ形質転換した。前記形質転換後、得られた各形質転換体を、30℃で3日間の条件下で、3mlの培地High-Piを用いて培養した。前記培養後、30℃で3日間の条件下で、3mlの8S5N-P400を用いて培養した。前記培養後、培養液を回収し、ガラスビーズを用いて前記培養液内の培養細胞を破砕し、ウイルス様粒子を抽出した。その後、70℃で20分の条件下で、熱処理を行った。前記熱処理後、遠心処理を行った。前記遠心後、上清を回収した。その後、Porcine IgGカラム、およびゲル濾過カラムを用いて、前記上清からウイルス様粒子を精製した。前記精製後、得られた前記ウイルス様粒子は、0.2mg/mlの濃度になるように濃縮を行った。
BNC-ZZ(配列番号35)
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BNC-ZB(配列番号33)
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BNC-ZBB(配列番号27)
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BNC-ZZB(配列番号29)
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BNC-ZBZ(配列番号31)
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BNC-ZZBB(配列番号23)
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BNC-ZBBZ(配列番号25)
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(2)融合タンパク質を含むウイルス様粒子の抗体結合能
BNC-ZZは、マウスIgG1、ヤギIgG、およびヒトIgG3に対する結合が極めて低いことが分かっている。前記実施例1(1)で得た各融合タンパク質を含むウイルス様粒子について、各種抗体に対する結合能を検討した。具体的には、各種抗体は、ウサギIgG、マウスIgG1、ヤギIgG、およびヒトIgG3の4種類を用いた。0.5μg/mlの濃度に調製した前記各種抗体を、ELISAプレートに固相化した。前記固相化後、前記実施例1(1)で得たBNC-ZZ、BNC-ZB、BNC-ZBB、BNC-ZBBZ、および実施例のBNC-ZZBBを、それぞれ6段階に濃度を希釈し、前記プレートに添加した。前記6段階の濃度は、0ng/ml、25ng/ml、50ng/ml、75ng/ml、100ng/ml、および150ng/mlである。前記添加後、HRP標識ウサギIgGのFcフラグメント(Cat No:011-0303、Rockland社製)を反応させた。前記反応後、プレートリーダー(BMG Labtech社製)で吸収波長450nmにおける吸光度を測定した。これらの結果を図1に示す。
図1は、ELISAによる各ウイルス様粒子の抗体結合能を示したグラフである。図1において、(A)は、ウサギIgGに対する結合能を示したグラフであり、(B)は、ヤギIgGに対する結合能を示したグラフであり、(C)は、マウスIgG1に対する結合能を示したグラフであり、(D)は、ヒトIgG3に対する結合能を示したグラフである。図1において、縦軸は、吸光度(OD)を示し、横軸は、ウイルス様粒子の濃度を示す。図1に示すように、BNC-ZZBBのウサギIgGへの結合能は、BNC-ZZのウサギIgGへの結合能と同等であった。また、図1に示すように、BNC-ZZは、ヤギIgG、マウスIgG1、およびヒトIgG3に対する結合が極めて低いことが確かめられた。他方、BNC-ZZと比較して、BNC-ZB、BNC-ZBB、BNC-ZBBZ、およびBNC-ZZBBは、ヤギIgG、マウスIgG1、およびヒトIgG3に対する結合が高いことがわかった。以上のことから、Bドメインを含有するBNC-ZB、BNC-ZBB、BNC-ZBBZ、およびBNC-ZZBBは、抗体への結合が向上することがわかった。また、BNC-ZB、BNC-ZBB、BNC-ZBBZ、およびBNC-ZZBBを比較すると、BNC-ZZBBが各種抗体に対する結合能が高いことがわかった。
(3)融合タンパク質を含むウイルス様粒子の抗体結合能(2)
前記実施例1(1)で得た各融合タンパク質を含むウイルス様粒子について、各種抗体に対する結合能を検討した。具体的には、各種抗体は、ウサギIgG、マウスIgG1、ヤギIgG、およびヒトIgG3の4種類を用いた。0.5μg/mlの濃度に調製した前記各種抗体を、ELISAプレートに固相化した。前記固相化後、実施例1(1)で得たBNC-ZZ、BNC-ZZB、BNC-ZBZ、および実施例のBNC-ZZBBを、それぞれ7段階に濃度を希釈し、前記プレートに添加した。前記7段階の濃度は、0ng/ml、25ng/ml、50ng/ml、75ng/ml、100ng/ml、150ng/ml、および300ng/mlである。前記添加後、前記HRP標識ウサギIgGのFcフラグメントを反応させた。前記反応後、前記プレートリーダーで吸収波長450nmにおける吸光度を測定した。これらの結果を図2に示す。
図2は、ELISAによる各ウイルス様粒子の抗体結合能を示したグラフである。図2において、(A)は、ウサギIgGに対する結合能を示したグラフであり、(B)は、ヤギIgGに対する結合能を示したグラフであり、(C)は、マウスIgG1に対する結合能を示したグラフであり、(D)は、ヒトIgG3に対する結合能を示したグラフである。図2において、縦軸は、吸光度(OD)を示し、横軸は、ウイルス様粒子の濃度を示す。図2に示すように、BNC-ZZは、ヤギIgG、マウスIgG1、およびヒトIgG3に対する結合が極めて低いことが確かめられた。他方、BNC-ZZと比較して、BNC-ZZB、BNC-ZBZ、およびBNC-ZZBBは、ヤギIgG、マウスIgG1、およびヒトIgG3に対する結合が高いことがわかった。以上のことから、Bドメインを含有するBNC-ZZB、BNC-ZBZ、およびBNC-ZZBBは、抗体への結合が向上することがわかった。また、BNC-ZZB、BNC-ZBZ、およびBNC-ZZBBを比較すると、BNC-ZZBBが最も各種抗体に対する結合能が高いことがわかった。
実施例1(2)および実施例1(3)の結果より、実施例の融合タンパク質を含むウイルス様粒子BNC-ZZBBは、他の融合タンパク質を含むウイルス様粒子BNC-ZZ、BNC-ZB、BNC-ZZB、BNC-ZBZ、BNC-ZBB、およびBNC-ZBBZと比較して、各種抗体への結合能が優れていることがわかった。
(4)融合タンパク質を含むウイルス様粒子のHRP標識
実施例の融合タンパク質を含むウイルス様粒子BNC-ZZBBを、HRPで標識を行った。ウイルス様粒子をHRP等で標識することにより、2次抗体の代替物として利用可能であるため、ELISA等で容易に使用できる。具体的には、特許第5867890号の方法に従って、BNC-ZZBBのチオール基(SH基)に、HRP標識した。EDTA含有PBSを用いて、Maleimide-activated peroxidase(Cat No:P1709、Sigma社製)を溶解した。前記溶解後、還元BNC-ZZBBに添加し、混合し、混合物を得た。前記混合後、25℃で3時間の条件下で、前記混合物の入った反応チューブをローテ―ターを用いて回転させ、BNC-ZZBB/HRP複合体となるように反応させた。前記反応後、濾過カラムを用いて、peroxidase、およびBNC-ZZBBに/HRP複合体(以下「MAD II」ともいう)を分離し、MADIIを回収した。
(5)MAD IIを用いたウエスタンブロッティング
実施例1(4)で得た、BNC-ZZBB/HRP複合体(MAD II)が、ウエスタンブロッティングによって、抗原に結合した1次抗体を検出できるか検討した。具体的には、抗原には、B型肝炎ウイルス表面抗原Lタンパク質ST型:HBs-L ST型(BCL-AGS-02、ビークル社製)を用いた。前記抗原を、10%アクリルアミドゲルの1レーン当たり100ngアプライした。前記アプライ後、電気泳動を行った。前記電気泳動後、PVDF膜を用いて転写を行った。その後、転写されたPVDF膜を、スキムミルクを用いてブロッキングし、1次抗体を反応させた。前記反応後、2次抗体を反応させた。前記1次抗体には、Pre-S2領域抗体(マウスモノクローナル抗体、IgG1、ビークル社製)を50ng/mlとなるように使用した。2次抗体には、実施例1(4)で得たMAD II、およびBNC-ZZをHRP標識した従来型のMADを200ng/mlに希釈したものを使用した。これらの結果を図3に示す。
図3は、ウエスタンブロッティングによる抗原の検出結果を示す写真である。図3において、写真の左側は、分子量(kDa)を示し、写真の上部は、2次抗体の種類を示す。図3に示すように、MADは、Pre-S2領域を検出できなかったのに対し、MAD IIは、Pre-S2領域を検出できることがわかった。以上のことから、実施例のMAD IIは、B型肝炎ウイルス表面抗原Lタンパク質ST型のPre-S2領域を認識するPre-S2抗体を、検出できることがわかった。
(6)MAD IIを用いた抗原検出ELISAの構築
実施例1(4)で得たMAD IIを用いた抗体サンドイッチELISAを構築した。抗体にはFc領域、およびFab領域が存在する。固相化された抗体にFc領域がある場合、MAD II等は前記固相化された抗体のFc領域、および検出用の抗体の両方に結合するため、そのままでは抗体サンドイッチELISA法には使用できない。そこで、固相化抗体をFab領域のみからなるFab抗体とすることで、MAD II等を抗体サンドイッチELISA法に使用できると考えた。具体的には、Pre-S2領域抗体(マウスモノクローナル抗体、IgG1、ビークル社製)を、タンパク分解酵素パパインを用いて消化処理を行った。前記消化処理後、プロテインGカラムでFc領域を除去し、Pre-S2領域のFab抗体を精製した。前記Pre-S2領域のFab抗体を、0.5μg/mlの濃度に調製し、ELISAプレートに固相化した。前記固相化後、ブロッキングを行った。前記ブロッキング後、Pre-S2領域抗原(BCL-AGS2C-22、ビークル社製)を添加し、前記抗原を前記固相化された抗体によって捕捉させた。前記捕捉後、検出抗体としてPre-S2領域抗体(マウスモノクローナル抗体、IgG1、ビークル社製)を添加し、捕捉された前記抗原に結合させた。その後、実施例1(4)で得た、MAD IIを添加し、前記検出抗体に結合させた。また、コントロールとしては、MAD IIの代わりに、HRP標識抗マウス抗体(ビークル社製)を用いた。前記反応後、前期プレートリーダーで吸収波長450nmにおける吸光度を測定した。これらの結果を図4に示す。
図4は、ELISAによる抗原の検出結果を示すグラフである。図4において、縦軸は、吸光度(OD)を示し、横軸は、抗原の濃度を示す。図4に示すように、2次抗体にMAD IIを用いた場合、コントロール(Second Antibody)と比べて、抗原を高感度で検出できることがわかった。以上のことから、固相化抗体にFab抗体を採用することで、MAD II等のウイルス様粒子/HRP複合体を検出プローブとする抗体サンドイッチELISAが構築できることがわかった。
(7)MAD IIを用いたSARS-CoV-2抗原を投与したマウスの抗体の検出
SARS-CoV-2抗原を投与したマウスの抗体を、実施例のMAD IIを用いて検出できるか検討した。具体的には、SARS-CoV-2の全長のNタンパク質(BCL-CON-F01、ビークル社製)を、マウスに計3回投与した。前記投与は、2週間間隔で行った。前記投与後、前記マウスから抗血清を採取し、前記抗血清をプロテインGカラムで精製することで、抗Nタンパク質抗体を得た。次に、前記SARS-CoV-2の全長のNタンパク質を、1μg/mlの濃度に調製し、ELISAプレートに固相化し、ブロッキングした。プレートの各ウェルに、7つの濃度に調製した前記抗Nタンパク質抗体を添加した。前記7つの濃度は、0.05ng/ml、0.15ng/ml、0.5ng/ml、1.5ng/ml、5ng/ml、15ng/ml、および50ng/mlである。前記反応後、室温(約25℃、以下同様。)で1時間の条件下で、反応させた。前記反応後、実施例1(4)で得た50ng/mlのMAD IIを反応させた。2次抗体のコントロールには、100ng/mlのHRP標識抗マウス抗体(ビークル社製)を反応させた。前記反応後、前記プレートリーダーで吸収波長450nmにおける吸光度を測定した。これらの結果を図5に示す。
図5は、ELISAによる抗原の検出結果を示すグラフである。図5において、縦軸は、吸光度(OD)を示し、横軸は、検出対象抗体の濃度を示す。図5に示すように、2次抗体とMAD IIを併用した場合(MAD + 2nd Ab)、コントロール(2nd Ab alone)と比べて、SARS-CoV-2の全長のNタンパク質に対する抗体を10倍程度高感度で検出できることがわかった。
(8)MAD IIを用いたSARS-CoV-2抗原を投与したマウスの抗体の抗体価測定
SARS-CoV-2抗原を投与したマウスの抗体の抗体価を、実施例のMAD IIを用いて定量した。具体的には、SARS-CoV-2のNタンパク質のCTD領域タンパク質(BCL-CON-CO02、ビークル社製)を、マウス(n=8)に計3回投与した。前記投与は、2週間間隔で行った。前記投与後、前記マウスから血清、および尿を採取した。前記SARS-CoV-2の全長のNタンパク質を、1μg/mlの濃度に調製し、ELISAプレートに固相化し、ブロッキングした。プレートの各ウェルに、血清は1/2000、尿は1/100にPBSTで希釈し、
プレートに添加し、室温(約25℃)で1時間反応させた。反応終了後、50ng/mlのMADIIを反応させ、前記反応後、TMBで発色させ、前期プレートリーダーで吸収波長450nmにおける吸光度を測定した。なお、測定値は実施例1(7)で得た抗Nタンパク質抗体を標準抗体として定量した。
これらの結果を表1に示す。下記表1に示すように、SARS-CoV-2抗原を投与したマウスから採取した抗血清および尿の抗体価を、MAD IIを用いて測定することができた。抗体価は、各個体により差が認められたが、血清中の抗体価が高い個体では、尿中の抗体価も高い傾向が認められた。
Figure 2023102721000002
(9)MAD IIを用いたSARS-CoV-2臨床検体の抗体の検出
ヒトにおける、SARS-CoV-2抗原に対する抗体を、MAD IIを用いて検出できるか検討した。具体的には、SARS-CoV-2の感染患者の血清の抗体を、MAD IIを用いて検出した。SARS-CoV-2の感染患者(n=8)から、血清を採取した。前記血清は、1000倍希釈し、さらに7つの濃度に希釈し、8つの希釈した血清サンプルを得た。次に、SARS-CoV-2の全長のNタンパク質(BCL-CON-F01、ビークル社製)を固相化したELISAプレートに、前記血清サンプルを反応させた。また、標準抗体には、実施例1(7)で得たマウス抗Nタンパク質抗体を使用した。前記反応後、100ng/mlのMAD IIを反応させた。前記反応後、前期プレートリーダーで吸収波長450nmにおける吸光度を測定した。これらの結果を図6に示す。
図6は、ELISAによる抗原の検出結果、および抗体価を示すグラフである。図6において、縦軸は、吸光度(OD)を示し、横軸は、血清の希釈率を示す。また、図6において、血清サンプルの番号の後の括弧内の数値は、各血清サンプルにおける、標準抗体に対する相対抗体価を示す。図6に示すように、ヒト血清において、1万倍から、100万倍に希釈しても、抗体価を測定することができた。以上のことから、ヒトの臨床検体において、SARS-CoV-2抗原に対する抗体を、実施例のMAD IIを用いて検出できることがわかった。
(10)MAD IIを用いたSARS-CoV-2臨床検体の抗体の抗体価測定
ヒトにおける、SARS-CoV-2抗原に対する抗体の抗体価を、実施例のMAD IIを用いて定量した。具体的には、SARS-CoV-2の感染患者の血清、および尿の抗体価をMAD IIを用いて測定した。SARS-CoV-2の感染患者(n=40)から、血清、および尿を採取した。前記血清は、最大30万倍に希釈し、前記尿は、最大1万倍希釈し、血清サンプル、および尿サンプルを得た。次に、SARS-CoV-2の全長のNタンパク質(BCL-CON-F01、ビークル社製)を固相化したELISAプレートに、前記血清サンプル、および尿サンプルを反応させた。また、標準抗体には、実施例1(7)で得た抗Nタンパク質抗体を使用した。前記反応後、100ng/mlのMAD IIを反応させた。前記反応後、前期プレートリーダーで吸収波長450nmにおける吸光度を測定した。これらの結果を図7に示す。
図7は、ELISAによる抗原に対する抗体の抗体価を示すグラフである。図7において、縦軸は、抗体価を示し、単位は、血清ではμg/ml、尿ではng/mlである。図7に示すように、ヒト血清において、抗体価の平均は19.96μg/mlで、ヒト尿において、抗体価の平均は171.2ng/mlであった。尿中の抗体価は、血清の抗体価の0.86%が見られることがわかった。以上のことから、ヒトの臨床検体の血清、および尿において、SARS-CoV-2抗原に対する抗体の抗体値を、実施例のMAD IIを用いて検出できることがわかった。
以上の結果から、実施例のMAD IIは、動物種関係なく2次抗体の代替物として機能することがわかった。また、MAD IIを2次抗体として用いることで、動物種関係なく抗体価を測定できることがわかった。また、異なる動物種の抗体を標準抗体として利用可能であることがわかった。さらに、実施例のMAD IIは、1次抗体に対して、高感度で反応することがわかった。
以上、実施形態および実施例を参照して本開示を説明したが、本開示は、上記実施形態および実施例に限定されるものではない。本開示の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
<付記>
上記の実施形態および実施例の一部または全部は、以下の付記のように記載されうるが、以下には限られない。
<融合タンパク質>
(付記1)
B型肝炎ウイルス表面抗原タンパク質と、少なくとも1つのプロテインAの抗体結合ドメインと、少なくとも1つのプロテインGの抗体結合ドメインとを含み、
前記B型肝炎ウイルス表面抗原タンパク質は、S領域を含み、
前記プロテインAの抗体結合ドメインおよび前記プロテインGの抗体結合ドメインは、前記S領域のN末端側に配置されている、融合タンパク質。
(付記2)
前記S領域(S)、前記プロテインAの結合ドメイン(P)、および前記プロテインGの結合ドメイン(P)は、N末端から、下記(A)~(F)のいずれかの順序で配置されている、付記1に記載の融合タンパク質:
(A)P-P-P-P-S;
(B)P-P-P-P-S;
(C)P-P-P-S;
(D)P-P-P-S;
(E)P-P-P-S;
(F)P-P-S。
(付記3)
前記S領域は、下記(S)のポリペプチドを含む、付記1または2に記載の融合タンパク質:
(S)下記(S1)、(S2)、または(S3)のポリペプチド:
(S1)配列番号6または7のアミノ酸配列からなるポリペプチド;
(S2)前記(S1)のアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミノ酸が付加、欠失、置換、および/または挿入されたアミノ酸配列からなり、かつ自己組織可能を有するポリペプチド;
(S3)前記(S1)のアミノ酸配列に対して、70%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ抗体結合能を有するポリペプチド。
(付記4)
前記プロテインAの抗体結合ドメインは、プロテインAのBドメインまたはその変異体である、付記1から3のいずれかに記載の融合タンパク質。
(付記5)
前記Bドメインは、下記(B)のポリペプチドを含む、付記4に記載の融合タンパク質:
(B):(B1)、(B2)、または(B3)のポリペプチド:
(B1)配列番号14のアミノ酸配列からなるポリペプチド;
(B2)前記(B1)のアミノ酸配列に対して、70%以上の同一性を有するアミノ酸配列をからなり、抗体結合活性を有するポリペプチド;
(B3)前記(B1)のアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入および/または付加されたアミノ酸配列からなり、抗体結合活性を有するポリペプチド。
(付記6)
前記プロテインAの抗体結合ドメインは、Zドメインである、付記1から3のいずれかに記載の融合タンパク質。
(付記7)
前記Zドメインは、下記(Z)のポリペプチドを含む、付記6に記載の融合タンパク質:
(Z):(Z1)、(Z2)、または(Z3)のポリペプチド:
(Z1)配列番号16のアミノ酸配列からなるポリペプチド;
(Z2)前記(Z1)のアミノ酸配列に対して、70%以上の同一性を有するアミノ酸配列をからなり、抗体結合活性を有するポリペプチド;
(Z3)前記(Z1)のアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入および/または付加されたアミノ酸配列からなり、抗体結合活性を有するポリペプチド。
(付記8)
前記B型肝炎ウイルス表面抗原タンパク質は、Pre-S1領域またはその部分ペプチドを含み、
前記プロテインAの抗体結合ドメインおよび前記プロテインGの抗体結合ドメインは、前記Pre-S1領域またはその部分ペプチドのC末端側に配置されている、付記1から7のいずれかに記載の融合タンパク質。
(付記9)
前記Pre-S1領域またはその部分ペプチド(S1)、前記S領域(S)、前記プロテインAの結合ドメイン(PA)、および前記プロテインGの結合ドメイン(P)は、N末端から、下記(A1)~(F1)のいずれかの順序で配置されている、付記8に記載の融合タンパク質:
(A1)S1-P-P-P-P-S;
(B1)S1-P-P-P-P-S;
(C1)S1-P-P-P-S;
(D1)S1-P-P-P-S;
(E1)S1-P-P-P-S;
(F1)S1-P-P-S。
(付記10)
前記B型肝炎ウイルス表面抗原タンパク質は、Pre-S2領域が欠失されている、付記1から9のいずれかに記載の融合タンパク質。
(付記11)
前記融合タンパク質は、下記(Pa)、(Qa)、(Ra)、(Sa)、(Ta)、または(Ua)のポリペプチドを含む、付記1から10のいずれかに記載の融合タンパク質:
(Pa)下記(Pa1)、(Pa2)、または(Pa3)のポリペプチド:
(Pa1)配列番号23または24のアミノ酸配列からなるポリペプチド;
(Pa2)前記(Pa1)のアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミノ酸が付加、欠失、置換、および/または挿入されたアミノ酸配列からなり、かつ抗体結合能を有するポリペプチド;
(Pa3)前記(Pa1)のアミノ酸配列に対して、70%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ抗体結合能を有するポリペプチド;
(Qa)下記(Qa1)、(Qa2)、または(Qa3)のポリペプチド:
(Qa1)配列番号25または26のアミノ酸配列からなるポリペプチド;
(Qa2)前記(Qa1)のアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミノ酸が付加、欠失、置換、および/または挿入されたアミノ酸配列からなり、かつ抗体結合能を有するポリペプチド;
(Qa3)前記(Qa1)のアミノ酸配列に対して、70%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ抗体結合能を有するポリペプチド;
(Ra)下記(Ra1)、(Ra2)、または(Ra3)のポリペプチド:
(Ra1)配列番号27または28のアミノ酸配列からなるポリペプチド;
(Ra2)前記(Ra1)のアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミノ酸が付加、欠失、置換、および/または挿入されたアミノ酸配列からなり、かつ抗体結合能を有するポリペプチド;
(Ra3)前記(Ra1)のアミノ酸配列に対して、70%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ抗体結合能を有するポリペプチド;
(Sa)下記(Sa1)、(Sa2)、または(Sa3)のポリペプチド:
(Sa1)配列番号29または30のアミノ酸配列からなるポリペプチド;
(Sa2)前記(Sa1)のアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミノ酸が付加、欠失、置換、および/または挿入されたアミノ酸配列からなり、かつ抗体結合能を有するポリペプチド;
(Sa3)前記(Sa1)のアミノ酸配列に対して、70%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ抗体結合能を有するポリペプチド;
(Ta)下記(Ta1)、(Ta2)、または(Ta3)のポリペプチド:
(Ta1)配列番号31または32のアミノ酸配列からなるポリペプチド;
(Ta2)前記(Ta1)のアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミノ酸が付加、欠失、置換、および/または挿入されたアミノ酸配列からなり、かつ抗体結合能を有するポリペプチド;
(Ta3)前記(Ta1)のアミノ酸配列に対して、70%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ抗体結合能を有するポリペプチド;
(Ua)下記(Ua1)、(Ua2)、または(Ua3)のポリペプチド:
(Ua1)配列番号33または34のアミノ酸配列からなるポリペプチド;
(Ua2)前記(Ua1)のアミノ酸配列において、1もしくは数個のアミノ酸が付加、欠失、置換、および/または挿入されたアミノ酸配列からなり、かつ抗体結合能を有するポリペプチド;
(Ua3)前記(Ua1)のアミノ酸配列に対して、70%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ抗体結合能を有するポリペプチド。
(付記12)
前記融合タンパク質は、(Pa)のポリペプチドを含む、付記11に記載の融合タンパク質。
(付記13)
前記融合タンパク質は、自己組織化能を有する、付記1から12のいずれかに記載の融合タンパク質。
(付記14)
前記融合タンパク質において、少なくとも1つのシステイン残基のチオール基は、標識と結合している、付記1から13のいずれかに記載の融合タンパク質。
(付記15)
免疫学的測定に用いるための、付記1から14のいずれかに記載の融合タンパク質。
<ウイルス様粒子>
(付記16)
抗体結合タンパク質を含み、
前記抗体結合タンパク質は、付記1から15のいずれかに記載の融合タンパク質を含む、ウイルス様粒子。
(付記17)
免疫学的測定に用いるための、付記16に記載のウイルス様粒子。
<免疫学的測定用試薬>
(付記18)
付記1から15のいずれかに記載の融合タンパク質、および/または、付記16または17に記載のウイルス様粒子を含む、免疫学的測定用試薬。
<標的抗原に対する抗体の検出用キット>
(付記19)
付記1から15のいずれかに記載の融合タンパク質、および/または、付記16または17に記載のウイルス様粒子と、標的抗原とを含む、標的抗原に対する抗体の検出用キット。
<標的抗原に対する抗体の検出方法>
(付記20)
標的抗原とサンプル液とを接触させ、前記サンプル液における前記標的抗原に対する抗体と、前記標的抗原との第1の複合体を形成する工程と、
前記第1の複合体と、付記1から15のいずれかに記載の融合タンパク質、および/または、付記16または17に記載のウイルス様粒子とを接触させ、前記第1の複合体と、前記融合タンパク質または前記ウイルス様粒子との第2の複合体を形成する工程と、
前記第2の複合体を検出する工程とを含む、標的抗原に対する抗体の検出方法。
(付記21)
前記サンプル液は、尿検体またはその希釈液である、付記20に記載の検出方法。
(付記22)
前記標的抗原は、コロナウイルス由来の標的抗原である、付記20または21に記載の検出方法。
(付記23)
前記コロナウイルスは、SARS-Cov-2である、付記22に記載の検出方法。
<標的抗原の検出用キット>
(付記24)
付記1から15のいずれかに記載の融合タンパク質、および/または、付記16または17に記載のウイルス様粒子と、標的抗原に結合可能な第1の抗体と、前記標的抗原に結合可能な第2の抗体とを含む、標的抗原の検出用キット。
(付記25)
前記第1の抗体は、前記融合タンパク質、および/または、前記ウイルス様粒子と複合体を形成可能であり、
前記第2の抗体は、前記融合タンパク質、および/または、前記ウイルス様粒子との複合体形成能が、前記第1の抗体と比較して低減されている、付記24に記載の検出用キット。
<標的抗原の検出方法>
(付記26)
第1の複合体とサンプル液とを接触させ、前記サンプル液における標的抗原と、前記第1の複合体との第2の複合体を形成する工程であり、
前記第1の複合体は、付記1から15のいずれかに記載の融合タンパク質、および/または、付記16または17に記載のウイルス様粒子と、前記標的抗原に結合可能な第1の抗体との複合体である工程と、
前記第2の複合体と、前記標的抗原に対する第2の抗体とを接触させ、前記第2の複合体と、前記第2の抗体との第3の複合体を形成する工程と、
前記第3の複合体を検出する工程とを含む、標的抗原の検出方法。
以上のように、本開示の融合タンパク質は、抗体への結合能が改善されている。このため、本開示の融合タンパク質によれば、血液等の抗体測定に通常用いられる生体試料と比較して、尿等のより微量の抗体が含有される生体試料においても、前記生体試料中の抗体を検出可能である。また、本開示の融合タンパク質によれば、例えば、より微量の抗体および/または標的抗原を、感度良く検出できる。このため、本開示は、例えば、微量の抗体または抗原の検出を容易にできることから、臨床分野および生化学分野において極めて有用である。

Claims (20)

  1. B型肝炎ウイルス表面抗原タンパク質と、少なくとも1つのプロテインAの抗体結合ドメインと、少なくとも1つのプロテインGの抗体結合ドメインとを含み、
    前記B型肝炎ウイルス表面抗原タンパク質は、S領域を含み、
    前記プロテインAの抗体結合ドメインおよび前記プロテインGの抗体結合ドメインは、前記S領域のN末端側に配置されている、融合タンパク質。
  2. 前記S領域(S)、前記プロテインAの結合ドメイン(P)、および前記プロテインGの結合ドメイン(P)は、N末端から、下記(A)~(F)のいずれかの順序で配置されている、請求項1に記載の融合タンパク質:
    (A)P-P-P-P-S;
    (B)P-P-P-P-S;
    (C)P-P-P-S;
    (D)P-P-P-S;
    (E)P-P-P-S;
    (F)P-P-S。
  3. 前記B型肝炎ウイルス表面抗原タンパク質は、Pre-S1領域またはその部分ペプチドを含み、
    前記プロテインAの抗体結合ドメインおよび前記プロテインGの抗体結合ドメインは、前記Pre-S1領域またはその部分ペプチドのC末端側に配置されている、請求項1または2に記載の融合タンパク質。
  4. 前記Pre-S1領域またはその部分ペプチド(S1)、前記S領域(S)、前記プロテインAの結合ドメイン(P)、および前記プロテインGの結合ドメイン(P)は、N末端から、下記(A1)~(F1)のいずれかの順序で配置されている、請求項3に記載の融合タンパク質:
    (A1)S1-P-P-P-P-S;
    (B1)S1-P-P-P-P-S;
    (C1)S1-P-P-P-S;
    (D1)S1-P-P-P-S;
    (E1)S1-P-P-P-S;
    (F1)S1-P-P-S。
  5. 前記B型肝炎ウイルス表面抗原タンパク質は、Pre-S2領域が欠失されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
  6. 前記融合タンパク質は、下記(Pa)、(Qa)、(Ra)、(Sa)、(Ta)、または(Ua)のポリペプチドを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の融合タンパク質:
    (Pa)下記(Pa1)、(Pa2)、または(Pa3)のポリペプチド:
    (Pa1)配列番号23または24のアミノ酸配列からなるポリペプチド;
    (Pa2)前記(Pa1)のアミノ酸配列において、1~54個のアミノ酸が付加、欠失、置換、および/または挿入されたアミノ酸配列からなり、かつ抗体結合能を有するポリペプチド;
    (Pa3)前記(Pa1)のアミノ酸配列に対して、90%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ抗体結合能を有するポリペプチド;
    (Qa)下記(Qa1)、(Qa2)、または(Qa3)のポリペプチド:
    (Qa1)配列番号25または26のアミノ酸配列からなるポリペプチド;
    (Qa2)前記(Qa1)のアミノ酸配列において、1~55個のアミノ酸が付加、欠失、置換、および/または挿入されたアミノ酸配列からなり、かつ抗体結合能を有するポリペプチド;
    (Qa3)前記(Qa1)のアミノ酸配列に対して、90%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ抗体結合能を有するポリペプチド;
    (Ra)下記(Ra1)、(Ra2)、または(Ra3)のポリペプチド:
    (Ra1)配列番号27または28のアミノ酸配列からなるポリペプチド;
    (Ra2)前記(Ra1)のアミノ酸配列において、1~48個のアミノ酸が付加、欠失、置換、および/または挿入されたアミノ酸配列からなり、かつ抗体結合能を有するポリペプチド;
    (Ra3)前記(Ra1)のアミノ酸配列に対して、90%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ抗体結合能を有するポリペプチド;
    (Sa)下記(Sa1)、(Sa2)、または(Sa3)のポリペプチド:
    (Sa1)配列番号29または30のアミノ酸配列からなるポリペプチド;
    (Sa2)前記(Sa1)のアミノ酸配列において、1~48個のアミノ酸が付加、欠失、置換、および/または挿入されたアミノ酸配列からなり、かつ抗体結合能を有するポリペプチド;
    (Sa3)前記(Sa1)のアミノ酸配列に対して、90%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ抗体結合能を有するポリペプチド;
    (Ta)下記(Ta1)、(Ta2)、または(Ta3)のポリペプチド:
    (Ta1)配列番号31または32のアミノ酸配列からなるポリペプチド;
    (Ta2)前記(Ta1)のアミノ酸配列において、1~49個のアミノ酸が付加、欠失、置換、および/または挿入されたアミノ酸配列からなり、かつ抗体結合能を有するポリペプチド;
    (Ta3)前記(Ta1)のアミノ酸配列に対して、90%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ抗体結合能を有するポリペプチド;
    (Ua)下記(Ua1)、(Ua2)、または(Ua3)のポリペプチド:
    (Ua1)配列番号33または34のアミノ酸配列からなるポリペプチド;
    (Ua2)前記(Ua1)のアミノ酸配列において、1~42個のアミノ酸が付加、欠失、置換、および/または挿入されたアミノ酸配列からなり、かつ抗体結合能を有するポリペプチド;
    (Ua3)前記(Ua1)のアミノ酸配列に対して、90%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ抗体結合能を有するポリペプチド。
  7. 前記融合タンパク質は、(Pa)のポリペプチドを含む、請求項6に記載の融合タンパク質。
  8. 前記融合タンパク質は、自己組織化能を有する、請求項1から7のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
  9. 前記融合タンパク質において、少なくとも1つのシステイン残基のチオール基は、標識と結合している、請求項1から8のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
  10. 免疫学的測定に用いるための、請求項1から9のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
  11. 抗体結合タンパク質を含み、
    前記抗体結合タンパク質は、請求項1から10のいずれか一項に記載の融合タンパク質を含む、ウイルス様粒子。
  12. 免疫学的測定に用いるための、請求項11に記載のウイルス様粒子。
  13. 請求項1から10のいずれか一項に記載の融合タンパク質、および/または、請求項11または12に記載のウイルス様粒子を含む、免疫学的測定用試薬。
  14. 請求項1から10のいずれか一項に記載の融合タンパク質、および/または、請求項11または12に記載のウイルス様粒子と、標的抗原とを含む、標的抗原に対する抗体の検出用キット。
  15. 標的抗原とサンプル液とを接触させ、前記サンプル液における前記標的抗原に対する抗体と、前記標的抗原との第1の複合体を形成する工程と、
    前記第1の複合体と、請求項1から10のいずれか一項に記載の融合タンパク質または請求項11または12に記載のウイルス様粒子とを接触させ、前記第1の複合体と、前記融合タンパク質または前記ウイルス様粒子との第2の複合体を形成する工程と、
    前記第2の複合体を検出する工程とを含む、標的抗原に対する抗体の検出方法。
  16. 前記サンプル液は、尿検体またはその希釈液である、請求項15に記載の検出方法。
  17. 前記標的抗原は、コロナウイルス由来の標的抗原である、請求項15または16に記載の検出方法。
  18. 請求項1から10のいずれか一項に記載の融合タンパク質、および/または、請求項11または12に記載のウイルス様粒子と、標的抗原に結合可能な第1の抗体と、前記標的抗原に結合可能な第2の抗体とを含む、標的抗原の検出用キット。
  19. 前記第1の抗体は、前記融合タンパク質、および/または、前記ウイルス様粒子と複合体を形成可能であり、
    前記第2の抗体は、前記融合タンパク質、および/または、前記ウイルス様粒子との複合体形成能が、前記第1の抗体と比較して低減されている、請求項18に記載の検出用キット。
  20. 第1の複合体とサンプル液とを接触させ、前記サンプル液における標的抗原と、前記第1の複合体との第2の複合体を形成する工程であり、
    前記第1の複合体は、請求項1から10のいずれか一項に記載の融合タンパク質、および/または、請求項11または12に記載のウイルス様粒子と、前記標的抗原に結合可能な第1の抗体との複合体である工程と、
    前記第2の複合体と、前記標的抗原に対する第2の抗体とを接触させ、前記第2の複合体と、前記第2の抗体との第3の複合体を形成する工程と、
    前記第3の複合体を検出する工程とを含む、標的抗原の検出方法。

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