JP2023102218A - 基板処理装置管理システム、基板処理装置管理方法および基板処理装置管理プログラム - Google Patents

基板処理装置管理システム、基板処理装置管理方法および基板処理装置管理プログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2023102218A
JP2023102218A JP2022002650A JP2022002650A JP2023102218A JP 2023102218 A JP2023102218 A JP 2023102218A JP 2022002650 A JP2022002650 A JP 2022002650A JP 2022002650 A JP2022002650 A JP 2022002650A JP 2023102218 A JP2023102218 A JP 2023102218A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate processing
processing apparatus
abnormality
substrate
information
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022002650A
Other languages
English (en)
Inventor
浩彬 松井
Hiroakira MATSUI
高明 生和
Takaaki Seiwa
大 稲木
Masaru Inagi
智宏 上野
Tomohiro Ueno
佑太 中野
Yuta Nakano
滉樹 吉原
Koki Yoshihara
拓也 大野
Takuya Ono
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Screen Holdings Co Ltd
Original Assignee
Screen Holdings Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Screen Holdings Co Ltd filed Critical Screen Holdings Co Ltd
Priority to JP2022002650A priority Critical patent/JP2023102218A/ja
Priority to PCT/JP2022/040548 priority patent/WO2023135904A1/ja
Priority to TW111140992A priority patent/TW202345203A/zh
Publication of JP2023102218A publication Critical patent/JP2023102218A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G05CONTROLLING; REGULATING
    • G05BCONTROL OR REGULATING SYSTEMS IN GENERAL; FUNCTIONAL ELEMENTS OF SUCH SYSTEMS; MONITORING OR TESTING ARRANGEMENTS FOR SUCH SYSTEMS OR ELEMENTS
    • G05B19/00Programme-control systems
    • G05B19/02Programme-control systems electric
    • G05B19/418Total factory control, i.e. centrally controlling a plurality of machines, e.g. direct or distributed numerical control [DNC], flexible manufacturing systems [FMS], integrated manufacturing systems [IMS], computer integrated manufacturing [CIM]
    • GPHYSICS
    • G05CONTROLLING; REGULATING
    • G05BCONTROL OR REGULATING SYSTEMS IN GENERAL; FUNCTIONAL ELEMENTS OF SUCH SYSTEMS; MONITORING OR TESTING ARRANGEMENTS FOR SUCH SYSTEMS OR ELEMENTS
    • G05B23/00Testing or monitoring of control systems or parts thereof
    • G05B23/02Electric testing or monitoring
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L21/00Processes or apparatus adapted for the manufacture or treatment of semiconductor or solid state devices or of parts thereof
    • H01L21/02Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P90/00Enabling technologies with a potential contribution to greenhouse gas [GHG] emissions mitigation
    • Y02P90/02Total factory control, e.g. smart factories, flexible manufacturing systems [FMS] or integrated manufacturing systems [IMS]

Abstract

【課題】複数の基板処理装置について複数の調査依頼があった場合に、管理者が調査の優先順位を容易かつ適切に短時間で把握することを可能にする。【解決手段】基板処理装置管理システム2においては、複数の基板処理装置1の各々から基板の処理に関連する動作または状態を示す複数の処理情報が収集される。各基板処理装置1について、複数の処理情報間のインバリアントな関係と当該基板処理装置1から収集される複数の処理情報とに基づいて当該基板処理装置1の異常の度合いが異常スコアとして算出される。管理装置4においては、各基板処理装置1から異常に関する調査依頼が受け付けられる。2以上の調査依頼が受け付けられたときに、それらの調査依頼に対応する基板処理装置の異常スコアが取得される。取得された複数の異常スコアに基づいて、2以上の調査依頼に対して応答すべき優先順位に関する優先順位情報が管理者に提示される。【選択図】図1

Description

本発明は、複数の基板処理装置を管理するために用いられる基板処理装置管理システム、基板処理装置管理方法および基板処理装置管理プログラムに関する。
液晶表示装置または有機EL(Electro Luminescence)表示装置等に用いられるFPD(Flat Panel Display)用基板、半導体基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板または太陽電池用基板等の各種基板に種々の処理を行うために、基板処理装置が用いられている。基板処理装置においては、例えば予め定められた処理手順(レシピ)に従って基板に一連の処理が施される。基板処理装置の異常に起因する基板の処理不良の発生を防止するために、基板処理装置の異常を判定するデータ処理システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
そのデータ処理システムにおいては、基板の処理中に基板処理装置に関する複数の物理量が測定され、それらの測定結果が時系列に並べられることにより複数の時系列データが生成される。複数の時系列データには、例えばノズルから吐出される処理液の流量、およびチャンバ内の圧力等の物理量のデータが含まれる。各時系列データが予め定められた基準データと比較されることにより、評価値が算出される。算出された評価値に基づいて時系列データに異常があるか否かが判定される。
特開2020-47847号公報
複数の基板処理装置は、例えば世界における複数の場所にそれぞれ設置される。各基板処理装置の保守作業は、当該基板処理装置を担当する現地の保守作業者によって行われる。保守作業者は、上記のデータ処理システムによる異常の判定結果に基づいて基板処理装置に異常が発生しているか否かを把握することができる。
保守作業者は、基板処理装置における異常の発生時に、異常の発生原因を特定することができない場合がある。この場合、保守作業者は、複数の基板処理装置を管理する管理者に、自己の担当する基板処理装置について詳細な調査を依頼する。調査依頼を受けた管理者は、調査対象となる基板処理装置について各種調査を行う。また、管理者は、調査を依頼した保守作業者に調査結果に基づく具体的な作業指示を与える。
複数の保守作業者から複数の基板処理装置について複数の調査依頼があると、管理者は複数の基板処理装置の調査を並行して行うことが難しい。この場合、管理者は、複数の基板処理装置について調査の優先順位を決定する。調査の優先順位を適切に決定するためには、調査対象となる複数の基板処理装置の異常の程度を把握する必要がある。複数の基板処理装置の異常の程度を把握するためには、複数の基板処理装置についてそれぞれ一次調査を行わなければならない。この一次調査には、例えば過去の時系列データの分析および保守作業者に対するヒアリング等が含まれる。このように、一次調査は煩雑である。したがって、管理者は、複数の調査依頼があった後、各調査依頼について、実際の調査を開始するまでの間に長時間を要する。
本発明の目的は、複数の基板処理装置について複数の調査依頼があった場合に、管理者が調査の優先順位を容易かつ適切に短時間で把握することを可能にする基板処理装置管理システム、基板処理装置管理方法および基板処理装置管理プログラムを提供することである。
(1)本発明の一局面に従う基板処理装置管理システムは、複数の基板処理装置を管理するために用いられる基板処理装置管理システムであって、各基板処理装置から基板の処理に関連する動作または状態を示す複数の処理情報を収集する情報収集部と、各基板処理装置について、複数の処理情報間のインバリアントな関係と当該基板処理装置から収集される複数の処理情報とに基づいて当該基板処理装置の異常の度合いを異常スコアとして算出するスコア算出部と、各基板処理装置から異常に関する調査依頼を受け付ける依頼受付部と、依頼受付部に調査依頼を送信した2以上の基板処理装置についてそれぞれ算出された2以上の異常スコアを取得するスコア取得部と、スコア取得部により取得された2以上の異常スコアに基づいて、2以上の調査依頼に対して応答すべき優先順位に関する優先順位情報を提示する優先順位提示部とを備える。
その基板処理装置管理システムにおいては、複数の基板処理装置の各々について、基板処理装置の異常の度合いが異常スコアとして算出される。2以上の基板処理装置について2以上の調査依頼があった場合に、調査依頼のあった2以上の基板処理装置の異常スコアに基づく優先順位情報が提示される。異常スコアは、複数の処理情報間のインバリアントな関係に基づいて算出される。したがって、複数の基板処理装置の管理者は、調査依頼があった複数の基板処理装置について、調査の優先順位を容易かつ適切に短時間で把握することができる。
(2)優先順位情報は、スコア取得部により取得された2以上の異常スコアを含み、優先順位提示部は、スコア取得部により取得された2以上の異常スコアを2以上の基板処理装置にそれぞれ対応付けて提示してもよい。この場合、複数の基板処理装置の管理者は、提示された異常スコアに基づいて、調査依頼のあった2以上の基板処理装置の異常の度合いを容易に把握することができる。
(3)基板処理装置管理システムは、スコア算出部により算出された異常スコアを当該異常スコアに対応する基板処理装置に送信するスコア送信部をさらに備えてもよい。この場合、各基板処理装置に異常スコアを記憶させることができる。それにより、各基板処理装置において、異常スコアに基づく異常の分析が可能になる。
(4)基板処理装置管理システムは、各基板処理装置について算出された異常スコアが予め定められたしきい値を超えるか否かを判定し、異常スコアがしきい値を超える場合に、当該異常スコアに対応する基板処理装置に警報を送信する警報送信部をさらに備えてもよい。この場合、各基板処理装置において、予め定められた程度を超える異常の発生を容易に把握することができる。
(5)情報収集部は、一定時間が経過するごとに収集される複数の処理情報の積算およびリセットを繰り返し、スコア算出部は、各基板処理装置について、複数の処理情報間のインバリアントな関係と当該基板処理装置により生成されかつ情報収集部により積算された複数の処理情報とに基づいて当該基板処理装置の異常の度合いを異常スコアとして算出してもよい。この場合、異常スコアに各処理情報の収集時に発生するノイズ等の影響が及ぶことが低減される。
(6)複数の処理情報について、互いに異なる2つの処理情報の複数の組み合わせが定められ、各組み合わせは、第1の処理情報および第2の処理情報を含み、スコア算出部は、各組み合わせについて、予め定められた条件で収集された第2の処理情報に基づいて、予め定められた条件で予測される第1の処理情報を、第1の予測処理情報として生成し、生成された第1の予測処理情報とデータ収集部により実際に収集された第1の処理情報との乖離の度合いを第1の乖離度として算出し、各組み合わせについて、予め定められた条件で収集された第1の処理情報に基づいて、予め定められた条件で予測される第2の処理情報を、第2の予測処理情報として生成し、生成された第2の予測処理情報とデータ収集部により実際に収集された第2の処理情報との乖離の度合いを第2の乖離度として算出し、複数の組み合わせについてそれぞれ算出された複数の第1の乖離度および複数の第2の乖離度に基づいて異常スコアを算出してもよい。この場合、実際に収集された各処理情報について、他の処理情報との間のインバリアントな関係に基づく異常スコアの算出が可能になる。
(7)スコア算出部は、複数の組み合わせについてそれぞれ算出された複数の第1の乖離度および複数の第2の乖離度の合計を異常スコアとして算出してもよい。この場合、各基板処理装置の異常の度合いを容易に算出することができる。
(8)複数の組み合わせの各々には、当該組み合わせと基板処理装置の複数種類の異常状態との関連性に応じて予め定められた重みが割り当てられ、スコア算出部は、複数の組み合わせと複数の重みとに基づいて複数の第1の乖離度および複数の第2の乖離度を算出してもよい。
この場合、複数の第1の乖離度および複数の第2の乖離度に基づいて算出される異常スコアを参照することにより、各基板処理装置の異常の度合いをより適切に把握することができる。
(9)複数の処理情報は、基板に供給される流体の供給量、基板に供給される流体の温度、基板に供給される処理液の濃度、基板が収容される処理室内の温度、基板が収容される処理室内の圧力、基板が収容される処理室から排出される気体の圧力、およびロボットにより搬送される基板の移動速度のうち少なくとも1つの物理量を含んでもよい。この場合、基板処理装置において取得される1または複数の物理量に基づいて異常スコアが算出される。
(10)複数の処理情報は、基板を搬送するロボットを駆動する駆動パルス信号、基板を搬送するロボットに設けられる検出器の出力信号、および制御バルブに与えられる開閉信号のうち少なくとも1つに関する情報を含んでもよい。この場合、基板処理装置において用いられる1または複数の信号に基づいて異常スコアが算出される。
(11)各基板処理装置は、洗浄液を用いて基板を洗浄する基板洗浄装置であり、複数の処理情報は、基板に供給される洗浄液の供給量、基板に供給される洗浄液の温度、基板に供給される洗浄液の濃度のうち少なくとも1つを含んでもよい。この場合、複数の基板洗浄装置について、複数の調査依頼があった場合に、調査の優先順位が適切に決定される。
(12)本発明の他の局面に従う基板処理装置管理方法は、複数の基板処理装置を管理するために用いられる基板処理装置管理方法であって、各基板処理装置から基板の処理に関連する動作または状態を示す複数の処理情報を収集するステップと、各基板処理装置について、複数の処理情報間のインバリアントな関係と当該基板処理装置から収集される複数の処理情報とに基づいて当該基板処理装置の異常の度合いを異常スコアとして算出するステップと、各基板処理装置から異常に関する調査依頼を受け付けるステップと、調査依頼を送信した2以上の基板処理装置についてそれぞれ算出された2以上の異常スコアを取得するステップと、取得するステップにより取得された2以上の異常スコアに基づいて、2以上の調査依頼に対して応答すべき優先順位に関する優先順位情報を提示するステップとを含む。
その基板処理装置管理方法においては、複数の基板処理装置の各々について、基板処理装置の異常の度合いが異常スコアとして算出される。2以上の基板処理装置について2以上の調査依頼があった場合に、調査依頼のあった2以上の基板処理装置の異常スコアに基づく優先順位情報が提示される。異常スコアは、複数の処理情報間のインバリアントな関係に基づいて算出される。したがって、複数の基板処理装置の管理者は、調査依頼があった複数の基板処理装置について、調査の優先順位を容易かつ適切に短時間で把握することができる。
(13)本発明のさらに他の局面に従う基板処理装置管理プログラムは、情報分析装置を用いて複数の基板処理装置を管理する処理をコンピュータに実行させる基板処理装置管理プログラムであって、情報分析装置は、各基板処理装置から基板の処理に関連する動作または状態を示す複数の処理情報を収集する情報収集部と、各基板処理装置について、複数の処理情報間のインバリアントな関係と当該基板処理装置から収集される複数の処理情報とに基づいて当該基板処理装置の異常の度合いを異常スコアとして算出するスコア算出部とを含み、複数の基板処理装置を管理する処理は、各基板処理装置から異常に関する調査依頼を受け付ける処理と、調査依頼を送信した2以上の基板処理装置についてそれぞれ算出された2以上の異常スコアを取得する処理と、取得する処理により取得された2以上の異常スコアに基づいて、2以上の調査依頼に対して応答すべき優先順位に関する優先順位情報を提示する処理とを含む。
その基板処理装置管理プログラムによれば、2以上の基板処理装置について2以上の調査依頼があった場合に、調査依頼のあった2以上の基板処理装置の異常スコアに基づく優先順位情報が提示される。異常スコアは、複数の処理情報間のインバリアントな関係に基づいて算出される。したがって、複数の基板処理装置の管理者は、調査依頼があった複数の基板処理装置について、調査の優先順位を容易かつ適切に短時間で把握することができる。
本発明によれば、複数の基板処理装置について複数の調査依頼があった場合に、管理者は調査の優先順位を容易かつ適切に短時間で把握することができる。
第1の実施の形態に係る基板処理装置管理システムの構成を説明するための図である。 第1の実施の形態に係る基板処理装置管理システムの機能的な構成を説明するためのブロック図である。 乖離度の具体的な算出例を説明するための図である。 異常スコアの具体的な算出例を説明するための図である。 図1の複数の基板処理装置の各々において実行される処理の一例を示すフローチャートである。 図1の情報分析装置において実行される処理の一例を示すフローチャートである。 図1の管理装置において実行される処理の一例を示すフローチャートである。 第2の実施の形態に係る基板処理装置管理システムの機能的な構成を説明するための図である。 図8の重み記憶部に記憶される複数の重みの一例を示す図である。
以下、本発明の一実施の形態に係る基板処理装置管理システム、基板処理装置管理方法および基板処理装置管理プログラムについて図面を用いて説明する。以下の説明において、基板とは、半導体基板、液晶表示装置もしくは有機EL(Electro Luminescence)表示装置等のFPD(Flat Panel Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板または太陽電池用基板等をいう。
1.第1の実施の形態
<1>基板処理装置管理システムの構成および動作
(1)全体構成
図1は、第1の実施の形態に係る基板処理装置管理システムの構成を説明するための図である。図1に示すように、本実施の形態に係る基板処理装置管理システム2は、主として情報分析装置3および管理装置4から構成され、複数(本例では5つ)の基板処理装置1を管理するために用いられる。以下の説明では、図1に示される5つの基板処理装置1を区別する場合に、5つの基板処理装置1をそれぞれ基板処理装置1A,1B,1C,1D,1Eと呼ぶ。本実施の形態では、基板処理装置1A~1Eは同じ構成を有するものとする。
(2)基板処理装置1Aの一構成例
図1に示すように、基板処理装置1Aは、いわゆるバッチ式の基板洗浄装置であり、処理槽11、基板保持部12、昇降装置13,洗浄液生成装置14、濃度計20、搬送ロボット30および制御装置40を含む。なお、基板処理装置1Aには、上記の複数の構成要素の他、図示しない表示装置、音声出力装置および操作部が設けられる。
基板保持部12は、複数の基板Wを保持可能に構成されている。処理槽11は、基板保持部12により保持された複数の基板Wを収容可能に構成されている。処理槽11内には、基板Wを洗浄するための洗浄液が貯留される。
昇降装置13は、基板保持部12を上下方向に移動可能に支持するとともに、制御装置40の制御により基板保持部12を上下方向に移動させる。それにより、昇降装置13は、基板保持部12に保持された複数の基板Wを処理槽11に貯留された洗浄液に浸漬させること、および洗浄液に浸漬された複数の基板Wを処理槽11から引き上げることができる。複数の基板Wは、洗浄液に浸漬されることにより洗浄される。また、昇降装置13には、基板保持部12を上下方向に移動させるための動力源として図示しないモータが設けられている。
洗浄液生成装置14は、貯留タンク14aおよび図示しない攪拌装置(バブリング装置等)を備える。貯留タンク14aには、薬液供給管91、純水供給管92、追加薬液供給管93および排液管94が接続されている。複数の配管(91~94)の各々には、バルブが設けられている。各バルブは、制御装置40の制御により開度を調整可能な制御バルブである。
薬液供給管91は、当該薬液供給管91に設けられたバルブが開かれることにより、図示しない薬液供給系から供給される薬液を貯留タンク14aに導く。薬液供給管91を通して貯留タンク14aに供給される薬液の流量(単位時間当たりの供給量)は、薬液供給管91に設けられたバルブの開度に応じて変化する。
純水供給管92は、当該純水供給管92に設けられたバルブが開かれることにより、図示しない純水供給系から供給される純水を貯留タンク14aに導く。純水供給管92を通して貯留タンク14aに供給される純水の流量(単位時間当たりの供給量)は、純水供給管92に設けられたバルブの開度に応じて変化する。
このようにして、洗浄液生成装置14の貯留タンク14a内に、所定量の薬液および純水が貯留される。さらに、貯留タンク14a内では、図示しない攪拌機構により貯留された薬液と純水とが混合され、処理槽11に貯留されるべき洗浄液が生成される。薬液としては、BHF(バッファードフッ酸)、DHF(希フッ酸)、フッ酸、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、酢酸、シュウ酸またはアンモニア等が用いられる。
追加薬液供給管93は、当該薬液供給管91に設けられたバルブが開かれることにより、図示しない薬液供給系から供給される薬液を貯留タンク14aに導く。追加薬液供給管93を通した貯留タンク14aへの薬液の供給については後述する。排液管94は、当該排液管94に設けられたバルブが開かれることにより、洗浄液生成装置14に貯留された洗浄液の一部または全てを基板処理装置1Aの外部に排出する。
貯留タンク14aには、さらに、液供給管15が接続されている。液供給管15は、処理槽11と洗浄液生成装置14とつなぐように設けられている。また、液供給管15には、ポンプ16およびバルブ17が設けられている。バルブ17は、制御装置40の制御により開度を調整可能な制御バルブである。ポンプ16の作動中にバルブ17が開かれることにより、貯留タンク14aに貯留された洗浄液が処理槽11内に供給される。貯留タンク14aから処理槽11に供給される洗浄液の流量(単位時間当たりの供給量)は、バルブ17の開度に応じて変化する。
処理槽11の底部には、液排出管18が接続されている。液排出管18には、バルブ19が設けられている。バルブ19は、制御装置40の制御により開度を調整可能な制御バルブである。バルブ19が開かれることにより、処理槽11内に貯留された洗浄液の一部が液排出管18を通して基板処理装置1Aから排出される。処理槽11から排出される洗浄液の流量(単位時間当たりの排出量)は、バルブ19の開度に応じて変化する。複数の基板Wの洗浄処理時には、洗浄液生成装置14から処理槽11に洗浄液が供給されるとともに、処理槽11内部の洗浄液が液排出管18を通して排出される。
濃度計20は、制御装置40からの指令に応答して貯留タンク14aに貯留される洗浄液中の薬液濃度を検出し、検出結果を制御装置40に与える。搬送ロボット30は、処理槽11よりも上方の位置で、基板保持部12により保持される複数の基板Wを搬送する。制御装置40は、例えばCPU(中央演算処理装置)およびメモリからなり、昇降装置13の動作、搬送ロボット30の動作およびバルブ17,19の開度等を制御する。制御装置40のメモリには、後述する第1の管理プログラムが記憶されている。
また、制御装置40は、濃度計20から与えられる薬液濃度の検出結果に基づいて、貯留タンク14aに貯留される洗浄液の薬液濃度が予め定められた範囲内となるように貯留タンク14aに供給される薬液の量をフィードバック制御する。例えば、制御装置40は、濃度計20により検出される洗浄液の薬液濃度が予め定められた範囲よりも低い場合、図示しない薬液供給系から追加薬液供給管93を通して洗浄液生成装置14に追加の薬液を供給する。
さらに、制御装置40は、基板処理装置1A内部の所定空間に人が進入したり、基板処理装置1A内に設けられる所定の検出器(例えば、濃度計20)が機能していない場合に、基板処理装置1Aの動作を停止させる緊急停止機能を有する。
(3)処理情報
各基板処理装置1には、当該基板処理装置1の異常を管理するための情報として、当該基板処理装置における基板Wの処理に関する動作または状態を示す複数の処理情報が定められる。これらの処理情報は、図1に太い実線の矢印で示すように、各基板処理装置1の制御装置40から基板処理装置管理システム2の情報分析装置3に所定周期で送信される。
図1の吹き出し内に示すように、基板処理装置1Aから情報分析装置3に送信される処理情報は、「a.薬液濃度」、「b.薬液供給量」、「c.濃度検出入力信号」、「d.濃度検出出力信号」、「e.モータ回転数」、「f.モータへの供給電力」、「g.薬液追加量」、「h.薬液供給バルブ開度」および「i.洗浄液排出バルブ開度」を含む。
「a.薬液濃度」は、濃度計20により検出される貯留タンク14a内の洗浄液の薬液濃度を示す。「b.薬液供給量」は、薬液供給管91から洗浄液生成装置14の貯留タンクに供給される洗浄液の流量(単位時間当たりの供給量)を示す。「b.薬液供給量」は、例えば薬液供給管91に流量計を設けることにより検出することができる。
基板処理装置1Aにおいては、制御装置40から濃度計20に濃度検出が指令されることにより洗浄液の薬液濃度が検出される。「c.濃度検出入力信号」は、制御装置40から濃度計20に与えられる濃度検出の指令信号である。「d.濃度検出出力信号」は、制御装置40からの指令に応答して濃度計20から出力される薬液濃度の検出結果を示す信号である。
「e.モータ回転数」は、昇降装置13に設けられるモータの回転数であり、例えば回転速度センサを用いてモータの回転速度を検出することにより算出することができる。「f.モータへの供給電力」は、昇降装置13に設けられるモータに供給される電力量であり、例えば電流計を用いてモータに供給される電流を検出することにより算出することができる。
「g.薬液追加量」は、貯留タンク14aに貯留される洗浄液の薬液濃度が予め定められた範囲内となるように、追加薬液供給管93から当該貯留タンク14aに追加で供給される薬液の単位時間当たりの供給量を示す。「g.薬液追加量」は、例えば追加薬液供給管93に流量計を設けることにより検出することができる。「h.薬液供給バルブ開度」は、薬液供給管91に設けられるバルブの開度を示す。「i.洗浄液排出バルブ開度」は、排液管94に設けられるバルブの開度を示す。
(4)情報分析装置3における基本動作
情報分析装置3は、例えばサーバであり、CPUおよびメモリを含む。情報分析装置3は、各基板処理装置1から送信される複数の処理情報を収集する。情報分析装置3においては、各基板処理装置1から情報分析装置3に送信される複数の処理情報について、互いに異なる2つの処理情報の複数の組み合わせが予め定められている。
ここで、基板処理装置1が予め定められた処理手順(レシピ)に従って理想的に動作している場合を想定する。この場合、各組み合わせを構成する2つの処理情報の間で、予め定められたインバリアント(不変)な関係(以下、インバリアント関係と呼ぶ。)が維持される。
一方、基板処理装置1に異常が発生した状態で基板処理が実行されることにより、意に反した基板処理が実行されている場合を想定する。この場合、複数の組み合わせのうち少なくとも一の組み合わせを構成する2つの処理情報の間の関係がインバリアント関係から乖離する。
そこで、情報分析装置3は、実際に収集された複数の処理情報の複数の組み合わせの関係と、それらの複数の処理情報について予め定められた複数のインバリアント関係との乖離の度合いを複数の乖離度として算出する。また、情報分析装置3は、算出された複数の乖離度に基づいて、当該基板処理装置1の異常の度合いを異常スコアとして算出する。異常スコアの算出方法の具体例は後述する。
また、情報分析装置3は、図1に太い一点鎖線の矢印で示すように、算出した異常スコアを各基板処理装置1に送信する。異常スコアの送信は、情報分析装置3における異常スコアの算出ごとに行われる。このとき、各基板処理装置1においては、情報分析装置3から送信された異常スコアが記憶される。
また、情報分析装置3は、各基板処理装置1について、異常スコアが予め定められた第1のしきい値を超えるか否かを判定する。異常スコアが第1のしきい値を超えている場合、情報分析装置3は、当該異常スコアに対応する基板処理装置1に警報を送信する。図1の例では、情報分析装置3は、波状の点線矢印で示すように、基板処理装置1A~1Eのうち基板処理装置1D,1Eに警報を送信している。このとき、警報を受けた基板処理装置1D,1Eにおいては、警報が出力される。
本実施の形態においては、異常スコア(異常の度合い)は、保守作業者による迅速な対応が要求されないものほど低く、保守作業者による迅速な対応が要求されるものほど高い。異常スコアが低い状態としては、複数の処理条件の全てが上記の複数の組み合わせにそれぞれ対応するインバリアント関係から正常と予測される範囲内に収まる状態が挙げられる。
一方、異常スコアが高い状態は、例えば、「a.薬液濃度」の時間的変化が「b.薬液供給量」の時間的変化に基づいて予測される時間的変化に比べて著しく大きい状態(以下、第1の異常状態と呼ぶ。)を含む。第1の異常状態の継続は、洗浄液の薬液濃度が調整できないことによる基板Wの処理不良、有害ガスの発生および基板処理装置1の構成部品の損傷を引き起こす。
また、異常スコアが高い状態は、例えば、濃度計20に対する濃度検出の指令時点から濃度計20からの薬液濃度の出力時点までの時間が著しく大きい状態(以下、第2の異常状態と呼ぶ。)を含む。第2の異常状態の継続は、薬液濃度について適切なフィードバック制御ができないことによる基板Wの処理不良、有害ガスの発生および基板処理装置1の構成部品の損傷を引き起こす。
また、異常スコアが高い状態は、例えば、「f.モータへの供給電力」が予測される値に比べて著しく大きい状態(以下、第3の異常状態と呼ぶ。)を含む。第3の異常状態においては、モータに想定外の負荷が作用している可能性が高い。そのため、第3の異常状態の継続は、モータを含む動作部の故障、基板Wの搬送不良、基板処理装置1の構成部品の損傷を引き起こす。
また、異常スコアが高い状態は、例えば、「g.薬液追加量」が予測される範囲を超えて変動している状態(以下、第4の異常状態と呼ぶ。)を含む。第4の状態においては、洗浄液の濃度を一定に保つことが難しい。そのため、第4の異常状態の継続は、基板Wの処理不良を引き起こす。
さらに、異常スコアが高い状態は、例えば、「h.薬液供給バルブ開度」および「i.洗浄液排出バルブ開度」の時間的変化が、「a.薬液濃度」および「b.薬液供給量」から予測される時間的変化に比べて著しく異なる状態(以下、第5の異常状態と呼ぶ。)を含む。基板処理装置1Aが第5の異常状態にある場合、基板処理装置1Aは、緊急停止機能による停止状態にあるか、または本体的に停止されるべき状態にあると考えられる。
(5)管理装置4における基本動作
管理装置4は、例えばパーソナルコンピュータであり、CPUおよびメモリを含む。また、管理装置4は、表示部4aおよび操作部4bを備え、複数の基板処理装置1を管理する管理者により使用される。
複数の基板処理装置1をそれぞれ担当する複数の保守作業者は、情報分析装置3から送信される異常スコアを確認することにより、自己の担当する基板処理装置1の異常の度合いを容易に把握することができる。また、各保守作業者は、自己の担当する基板処理装置1が警報を受信することにより、当該基板処理装置1に重大な異常が発生していることを把握することができる。
しかしながら、各保守作業者は、基板処理装置1の異常の度合いを把握することができても、当該基板処理装置1について異常の発生原因を特定することができない場合がある。この場合、保守作業者は、管理者に基板処理装置1の詳細な調査を依頼する。
それにより、図1に太い二点鎖線の矢印で示すように、例えば複数の基板処理装置1のうち一部(本例では、基板処理装置1A,1C,1E)または全ての基板処理装置1から管理装置4に調査依頼が送信される。さらに、図1に太い点線の矢印で示すように、調査依頼を送信した1または複数の基板処理装置1(本例では、基板処理装置1A,1C,1E)から管理装置4に、異常スコアが送信される。
これにより、管理装置4においては、例えば同時期に複数の基板処理装置1から調査依頼があった場合でも、調査依頼とともに受信した異常スコアに基づいて調査の優先順位を容易かつ迅速に決定することができる。すなわち、管理者は、調査依頼があった基板処理装置1A,1C,1Eの複数の異常スコアに基づいて調査の優先順位を決定することができる。
なお、管理装置4においては、1または複数の基板処理装置1から受信した調査依頼の各々は、当該調査依頼に対応する基板処理装置1の詳細な調査が行われるごとに、優先順位を決めるための対象から除外される。
<2>基板処理装置管理システム2の機能的な構成
図2は、第1の実施の形態に係る基板処理装置管理システム2の機能的な構成を説明するためのブロック図である。図2に示すように、情報分析装置3は、情報収集部31、スコア算出部32、スコア送信部33および警報送信部34を含む。情報分析装置3のメモリには、複数の基板処理装置1を管理するための第2の管理プログラムが記憶されている。図2の情報分析装置3の構成要素(31~34)は、情報分析装置3のCPUがメモリに記憶される第2の管理プログラムを実行することにより実現される。なお、情報分析装置3の構成要素(31~34)の一部または全てが電子回路等のハードウェアにより実現されてもよい。
また、管理装置4は、依頼受付部41、スコア取得部42およびスコア提示部43を含む。管理装置4のメモリには、複数の基板処理装置1を管理するための第3の管理プログラムが記憶されている。図2の管理装置4の構成要素(41~43)は、管理装置4のCPUがメモリに記憶される第3の管理プログラムを実行することにより実現される。なお、管理装置4の構成要素(41~43)の一部または全てが電子回路等のハードウェアにより実現されてもよい。
上記のように、複数の基板処理装置1の各々から複数の処理情報が情報分析装置3に所定周期で送信される(図2の太い実線の矢印参照)。情報分析装置3の情報収集部31は、各基板処理装置1から送信される複数の処理情報を収集し、スコア算出部32に与える。
情報分析装置3のスコア算出部32は、各基板処理装置1に対応する複数の処理情報に基づいて当該基板処理装置1の異常スコアを算出し、算出された異常スコアをスコア送信部33および警報送信部34に与える。
情報分析装置3のスコア送信部33は、スコア算出部32により算出された異常スコアを当該異常スコアに対応する基板処理装置1に送信する(図2の太い一点鎖線の矢印参照)。各基板処理装置1においては、スコア送信部33から送信される異常スコアが、例えば当該異常スコアの算出時刻、送信時刻または受信時刻等の時間に対応付けられた状態で記憶される。
情報分析装置3の警報送信部34は、各基板処理装置1について算出された異常スコアが上記の第1のしきい値を超えるか否かを判定する。また、警報送信部34は、異常スコアが第1のしきい値を超えている場合に、当該異常スコアに対応する基板処理装置1(図2の例では基板処理装置1D,1E)に警報を送信する(図2の波状の点線矢印参照)。
各基板処理装置1においては、保守作業者による操作に基づいて、当該基板処理装置1の異常に関する調査依頼が管理装置4に送信される。また、当該基板処理装置1に記憶された異常スコアが管理装置4に送信される。
管理装置4の依頼受付部41は、1または複数の基板処理装置1(図2の例では基板処理装置1A,1C,1E)から送信される調査依頼を受け付ける(図2の太い二点鎖線の矢印参照)。管理装置4のスコア取得部42は、1または複数の基板処理装置1(図2の例では基板処理装置1A,1C,1E)から調査依頼とともに送信される異常スコアを取得する(図2の太い点線の矢印参照)。管理装置4のスコア提示部43は、スコア取得部42により取得された1または複数の異常スコアの各々を、当該異常スコアに対応する基板処理装置1にそれぞれ対応付けて表示部4aに表示させる。
図2の例では、調査依頼があった基板処理装置1A,1C,1Eのそれぞれの異常スコアが、「264」、「210」および「322」となっている。これにより、管理者は、基板処理装置1E,1A,1Cの異常の度合いを容易に把握することができる。また、管理者は、基板処理装置1E,1A,1Cの順に詳細な調査を進めればよいことがわかる。
なお、スコア提示部43は、調査依頼を送信した未調査の複数の基板処理装置1について複数の異常スコアが算出された場合、それらの異常スコアに基づいて調査の優先順位を決定し、決定した優先順位を表示部4aに表示させてもよい。
<3>異常スコアの算出の具体例
上記のように、基板処理装置管理システム2においては、互いに異なる2つの処理情報の複数の組み合わせが定められている。異常スコアを算出するために、各組み合わせごとに乖離度が算出される。図3は、乖離度の具体的な算出例を説明するための図である。ここでは、図1の「e.モータ回転数」と「f.モータへの供給電力」との組み合わせに対応する乖離度の算出例を説明する。以下の説明では、「e.モータ回転数」のデータを適宜「e」データと呼び、「f.モータへの供給電力」のデータを適宜「f」データと呼ぶ。
乖離度を算出するためには、「e.モータ回転数」と「f.モータへの供給電力」との間のインバリアント関係に基づく基準のデータが必要となる。そこで、情報分析装置3には、各基板処理装置1における実際の基板Wの処理前に、当該基板処理装置1がレシピに従って理想的に動作しているときの「e」データおよび「f」データが保持される。
これらの理想的な「e」データおよび「f」データは、例えば実際に各基板処理装置1が正常に動作しているときに当該基板処理装置1から送信される複数の処理情報に基づいて取得される。あるいは、理想的な「e」データおよび「f」データは、シミュレーション等により生成されてもよい。
図3の上段に、理想的な「e」データおよび「f」データの経時変化の一例がグラフにより示される。「e」データのグラフにおいては、横軸は時間を表し、縦軸はモータの回転数を表す。「f」データのグラフにおいては、横軸は時間を表し、縦軸は図1の昇降装置13に設けられるモータに供給される電力量(供給電力)を表す。「e」データのグラフと「f」データのグラフとの間では、横軸(時間軸)は共通している。
図3の上段の2つのグラフによれば、モータの回転数が大きくなるにつれて、モータへの供給電力も略一定の割合で大きくなることがわかる。これらの関係は、基板処理装置1が理想的に動作するという条件のもとでインバリアントに維持される。そこで、情報分析装置3には、これらの関係(インバリアント関係)が相関情報として予め記憶される。
この状態で、各基板処理装置1において、基板Wの処理が行われ、実際の「e」データおよび「f」データが情報分析装置3の情報収集部31により収集される。図3の中段に、実際に収集された「e」データおよび「f」データの経時変化の一例がグラフにより示される。
実際の「e」データが収集されると、スコア算出部32は予め記憶された相関情報に基づいて「f」データを予測する。また、実際の「f」データが収集されると、スコア算出部32は予め記憶された相関情報に基づいて「e」データを予測する。図3の下段に、相関情報に基づいて予測された「e」データおよび「f」データの経時変化の一例がグラフにより示される。なお、図3の下段のグラフにおいては、予測された「e」データおよび「f」データが実線で示され、実際に収集された「e」データおよび「f」データが点線で示される。
基板処理装置1が理想的に動作している場合には、実際の「e」データと予測された「e」データとが一致するかまたはほぼ一致することになる。また、実際の「f」データと予測された「f」データとが一致するかまたはほぼ一致することになる。しかしながら、基板処理装置1に異常が発生している場合には、実際の「e」データと予測された「e」データとが乖離する可能性が高い。また、実際の「f」データと予測された「f」データとが乖離する可能性が高い。この乖離の度合いは、基板処理装置1に発生する異常の程度が大きいほど大きく、基板処理装置1に発生する異常の程度が小さいほど小さいと考えられる。
そこで、本実施の形態では、実際に収集された処理情報のデータと予測された処理情報のデータとの差分値が乖離度として算出される。図3の例では、スコア算出部32は、ある時点における乖離度の算出時に、実際の「e」データと予測された「e」データとの差分値を乖離度として算出する。また、スコア算出部32は、実際の「f」データと予測された「f」データとの差分値を乖離度として算出する。
図4は、異常スコアの具体的な算出例を説明するための図である。スコア算出部32は、複数の処理情報の全ての組み合わせに関して、上記の乖離度を算出する。図4では、複数の処理情報の全ての組み合わせに関して算出された複数の乖離度が示される。スコア算出部32は、全ての乖離度が算出されると、算出された複数の乖離度の合計を異常スコアとして算出する。
<4>複数の基板処理装置1の各々において実行される一連の処理
図5は、図1の複数の基板処理装置1の各々において実行される処理の一例を示すフローチャートである。図5に示される一連の処理は、各基板処理装置1の電源がオンし、制御装置40のCPUが第1の管理プログラムを実行することにより開始される。
まず、制御装置40は、基板処理装置1内部で取得される複数の処理情報を所定周期で情報分析装置3に送信する(ステップS10)。ステップS10で開始される複数の処理情報の送信処理は、基板処理装置1の電源がオフされるまで所定周期で繰り返される。複数の処理情報の送信時に、制御装置40は、送信した複数の処理情報をその送信時刻に対応付けて記憶してもよい。
次に、制御装置40は、情報分析装置3から異常スコアを受信したか否かを判定する(ステップS11)。制御装置40は、異常スコアを受信しない場合、後述するステップS13の処理に進む。一方、制御装置40は、異常スコアを受信した場合、受信した異常スコアをその受信時刻に対応付けて記憶する(ステップS12)。
次に、制御装置40は、情報分析装置3から警報を受信したか否かを判定する(ステップS13)。制御装置40は、警報を受信しない場合、後述するステップS15の処理に進む。一方、制御装置40は、警報を受信した場合、基板処理装置1の表示装置または音声出力装置により警報を出力する(ステップS14)。上記のステップS11,S12の処理は、ステップS14の処理後に行われてもよい。
次に、制御装置40は、管理装置4に対して調査依頼を送信すべき指令を受けたか否かを判定する(ステップS15)。調査依頼を送信すべき指令は、例えば、保守作業者が基板処理装置1の操作部を操作することにより制御装置40に与えられる。制御装置40は、調査依頼を送信すべき指令を受けない場合、後述するステップS17の処理に進む。一方、制御装置40は、調査依頼を送信すべき指令を受けた場合、調査依頼と現時点から最も近い時点で記憶された異常スコアとを管理装置4に送信する(ステップS16)。ステップS16においては、制御装置40は、現時点から予め定められた時間(例えば数時間)前までに記憶された複数の異常スコアをそれらの受信時刻とともに管理装置4に送信してもよい。
次に、制御装置40は、管理装置4から基板処理装置1についての特定の作業を行うべき作業指示を受信したか否かを判定する(ステップS17)。制御装置40は、作業指示を受信しない場合、後述するステップS19の処理に進む。一方、制御装置40は、作業指示を受信した場合、受信した作業指示を、例えば基板処理装置1が備える表示装置により保守作業者に提示する(ステップS18)。
その後、制御装置40は、基板処理装置1の動作を停止させる終了指令を受けたか否かを判定する(ステップS19)。制御装置40は、終了指令を受けない場合、ステップS11の処理に進む。一方、制御装置40は、終了指令を受けた場合、一連の処理を終了する。
<5>情報分析装置3において実行される一連の処理
図6は、図1の情報分析装置3において実行される処理の一例を示すフローチャートである。図6に示される一連の処理は、情報分析装置3の電源がオンし、情報分析装置3のCPUが第2の管理プログラムを実行することにより開始される。
まず、図2の情報収集部31は、複数の基板処理装置1の各々から送信される複数の処理情報の収集を開始する(ステップS20)。ステップS20で開始される複数の処理情報の収集処理は、情報分析装置3の電源がオフされるまで所定周期で繰り返される。
次に、図2のスコア算出部32は、ステップS20の処理で複数の処理情報が収集された1または複数の基板処理装置1のうち異常スコアが算出されていない一の基板処理装置1を選択する(ステップS21)。
次に、スコア算出部32は、選択された一の基板処理装置1について、収集された複数の処理情報から複数の乖離度を算出する(ステップS22)。また、スコア算出部32は、算出された複数の乖離度に基づいて一の基板処理装置1の異常スコアを算出し、算出された異常スコアを当該一の基板処理装置1に送信する(ステップS23)。
次に、図2の警報送信部34は、ステップS23で算出された異常スコアが第1のしきい値を超えているか否かを判定する(ステップS24)。警報送信部34は、異常スコアが第1のしきい値を超えていない場合、後述するステップS26の処理に進む。一方、警報送信部34は、異常スコアが第1のしきい値を超えている場合、一の基板処理装置1に警報を送信する(ステップS25)。
次に、スコア算出部32は、複数の処理情報が収集されかつ異常スコアが算出されていない基板処理装置1がないか否かを判定する(ステップS26)。スコア算出部32は、異常スコアが算出されていない基板処理装置1がある場合、ステップS21の処理に進む。一方、スコア算出部32は、異常スコアが算出されていない基板処理装置1がない場合、情報分析装置3の動作を停止させる終了指令を受けたか否かを判定する(ステップS27)。スコア算出部32は、終了指令を受けない場合、ステップS21の処理に進む。一方、スコア算出部32は、終了指令を受けた場合、一連の処理を終了する。
<6>管理装置4において実行される一連の処理
図7は、図1の管理装置4において実行される処理の一例を示すフローチャートである。図7に示される一連の処理は、管理装置4の電源がオンし、管理装置4のCPUが第3の管理プログラムを実行することにより開始される。
まず、図2の依頼受付部41は、複数の基板処理装置1のうち少なくとも1の基板処理装置1から調査依頼を受信したか否かを判定する(ステップS30)。依頼受付部41は、調査依頼を受信しない場合、後述するステップS33の処理に進む。一方、依頼受付部41は、少なくとも1の基板処理装置1から調査依頼を受信した場合、受信した調査依頼を受け付ける(ステップS31)。
上記のように、基板処理装置1から管理装置4への調査依頼の送信時には、基板処理装置1から管理装置4に調査依頼とともに異常スコアが送信される。それにより、図2のスコア取得部42は、調査依頼とともに送信される異常スコアを受信し、取得する(ステップS32)。このとき取得された調査依頼および異常スコアは、管理装置4のメモリに記憶される。
次に、図2のスコア提示部43は、基板処理装置1の調査を開始すべき指令を受けたか否かを判定する(ステップS33)。調査を開始すべき指令は、例えば、管理者が管理装置4の操作部4bを操作することによりスコア提示部43に与えられる。スコア提示部43は、調査を開始すべき指令を受けない場合、ステップS30の処理に進む。一方、スコア提示部43は、調査を開始すべき指令を受けた場合、調査対象となる基板処理装置1が複数であるか否かを判定する(ステップS34)。
スコア提示部43は、調査対象となる基板処理装置1が1つである場合、後述するステップS36の処理に進む。一方、スコア提示部43は、調査対象となる基板処理装置1(未調査の基板処理装置1)が複数である場合、調査対象の各基板処理装置1の異常スコアを当該基板処理装置1に対応付けて表示部4aに表示させる(ステップS35)。なお、スコア提示部43は、調査対象となる基板処理装置1が1つである場合に、当該基板処理装置1の異常スコアを表示部4aに表示させてもよい。また、スコア提示部43は、調査依頼を受けた未調査の複数の基板処理装置1について複数の異常スコアに基づいて調査の優先順位を決定してもよい。この場合、スコア提示部43は、決定した優先順位を表示部4aに表示させてもよい。
その後、管理装置4のCPUは、管理者による操作部4bの操作に応答して、調査対象である1または複数の基板処理装置1のうち一の基板処理装置1についての調査処理を行う(ステップS36)。また、管理装置4のCPUは、調査処理の結果に基づいて、保守作業者への作業指示を一の基板処理装置1に送信する(ステップS37)。
次に、管理装置4のCPUは、管理装置4の動作を停止させる終了指令を受けたか否かを判定する(ステップS38)。管理装置4のCPUは、終了指令を受けない場合、ステップS30の処理に進む。一方、管理装置4のCPUは、終了指令を受けた場合、一連の処理を終了する。
なお、ステップS36においては、調査処理が行われた基板処理装置1についての調査依頼および異常スコアは、調査処理の終了とともに管理装置4のメモリから消去される。あるいは、ステップS36においては、調査処理が行われた基板処理装置1は、調査対象の候補から外される。
また、ステップS38においては、調査対象とされた1または複数の基板処理装置1のうち調査されていない基板処理装置1が存在する場合、その調査依頼は管理装置4のメモリに記憶された状態で保持される。あるいは、ステップS38においては、調査対象とされかつ調査処理が行われていない基板処理装置1は、調査対象の候補に残る。
<7>第1の実施の形態の効果
上記の管理装置4においては、2以上の基板処理装置1について2以上の調査依頼があった場合に、調査依頼のあった2以上の基板処理装置1の異常の度合いが異常スコアとして表示部4aに表示される。この場合、管理者は、表示された異常スコアに基づいて、調査依頼のあった2以上の基板処理装置1の異常の度合いを容易に把握することができる。また、異常スコアは、複数の処理情報間のインバリアント関係に基づいて算出される。したがって、管理者は、調査依頼があった複数の基板処理装置1について、調査の優先順位を容易かつ適切に短時間で把握することができる。
また、上記の基板処理装置管理システム2においては、情報分析装置3において算出された異常スコアが、当該異常スコアに対応する基板処理装置1に送信される。各基板処理装置1においては、当該基板処理装置1に対応する異常スコアが時系列で記憶される。これにより、各基板処理装置1を担当する保守作業者は、当該基板処理装置1に記憶された異常スコアの経時変化を容易に確認することができる。
2.第2の実施の形態
上記の複数の処理情報の複数の組み合わせには、基板処理装置1の異常の程度を把握する場合に特に重視すべき組み合わせと、重視する必要がない組み合わせとが存在する。
例えば、第1の異常状態を考慮すると、「a.薬液濃度」と「b.薬液供給量」との組み合わせは、第1の異常状態の継続を回避するために、異常スコアを算出する上で関係性が高い組み合わせといえる。また、第2の異常状態を考慮すると、「c.濃度検出入力信号」と「d.濃度検出出力信号」との組み合わせは、第2の異常状態の継続を回避するために、異常スコアを算出する上で関係性が高い組み合わせといえる。一方、第1の異常状態~第5の異常状態を考慮する必要がない処理情報の組み合わせは、異常スコアを算出する上で関係性が低い組み合わせといえる。
第1の実施の形態に係る基板処理装置管理システム2においては、乖離度は、実際に収集された処理情報のデータと予測された処理情報のデータとの差分値である。そのため、上記実施の形態で算出される乖離度には、異常スコアを算出する際に本来的に重視されるべき基板処理装置1の複数種類の異常状態について考慮されていない。そこで、第2の実施の形態に係る基板処理装置管理システムは、以下の構成を有する。
第2の実施の形態に係る基板処理装置管理システムが第1の実施の形態に係る図2の基板処理装置管理システム2と異なる点について説明する。図8は、第2の実施の形態に係る基板処理装置管理システムの機能的な構成を説明するための図である。図8に示すように、本実施の形態に係る基板処理装置管理システム2においては、情報分析装置3は、機能部として、第1の実施の形態で説明した構成要素(31~34)に加えて重み記憶部39を含む。重み記憶部39は、第2の実施の形態に係る情報分析装置3のCPUがメモリに記憶される第2の管理プログラムを実行することにより実現される。なお、重み記憶部39は電子回路等のハードウェアにより実現されてもよい。
重み記憶部39には、複数の処理情報の複数の組み合わせにそれぞれ対応する複数の重みが記憶される。図9は、図8の重み記憶部39に記憶される複数の重みの一例を示す図である。本実施の形態では、基板処理装置1に発生し得る複数種類の異常状態について「第1レベル」~「第6レベル」までの6つの異常レベルが設定される。6つの異常レベルは、「第1レベル」、「第2レベル」、「第3レベル」、「第4レベル」、「第5レベル」および「第6レベル」の順に、異常の程度が大きいものとする。また、各異常状態との関連性が高い処理情報の組み合わせに、当該異常状態の異常レベルに対応する大きさの重みが割り当てられる。
具体的には、第5の異常状態に、最も高い「第6レベル」が設定される。その上で、第5の異常状態について関連性が高い「a.薬液濃度」、「b.薬液供給量」、「h.薬液供給バルブ開度」および「i.洗浄液排出バルブ開度」の相互間の組み合わせ(8つの組み合わせ)に重み「6」が割り当てられる。
また、第1の異常状態に、2番目に高い「第5レベル」が設定される。その上で、第1の異常状態について関連性が高い「a.薬液濃度」および「b.薬液供給量」の相互間の組み合わせ(2つの組み合わせ)に重み「5」が割り当てられる。
また、第3の異常状態に、3番目に高い「第4レベル」が設定される。その上で、第3の異常状態について関連性が高い「e.モータ回転数」および「f.モータへの供給電力」の相互間の組み合わせ(2つの組み合わせ)に重み「4」が割り当てられる。
また、第2の異常状態に、4番目に高い「第3レベル」が設定される。その上で、第2の異常状態について関連性が高い「c.濃度検出入力信号」および「d.濃度検出出力信号」の相互間の組み合わせ(2つの組み合わせ)に重み「3」が割り当てられる。
また、第4の異常状態に、5番目に高い「第2レベル」が設定される。その上で、第4の異常状態について関連性の高い「a.薬液濃度」、「b.薬液供給量」および「g.薬液追加量」の相互間の組み合わせ(4つの組み合わせ)に重み「2」が割り当てられる。
さらに、第1~第5の異常状態以外の異常状態に、最も低い「第1レベル」が設定される。その上で、第1~第5の異常状態を含む複数の異常状態について関連性の低い複数の処理情報の相互間の複数の組み合わせに重み「1」が割り当てられる。
図8のスコア算出部32は、図2のスコア算出部32と同様に、複数の処理情報の複数の組み合わせの各々について、実際に収集された処理情報のデータと予測された処理情報のデータとの差分値を算出する。また、図8のスコア算出部32は、重み記憶部39に記憶された複数の重みに基づいて、複数の処理情報の各組み合わせについて、算出された差分値と当該組み合わせに割り当てられた重みとを掛け合わせた値(乗算値)を乖離度として算出する。さらに、図8のスコア算出部32は、全ての乖離度が算出されると、算出された複数の乖離度の合計を異常スコアとして算出する。
このように、第2の実施の形態に係る基板処理装置管理システム2においては、異常スコアが、異常レベルに応じた重み付け量を含む乖離度に基づいて算出される。それにより、複数の基板処理装置1の管理者は、算出された異常スコアを参照することにより、各基板処理装置1の異常の度合いをより適切に把握することができる。
3.他の実施の形態
(1)上記実施の形態に係る基板処理装置管理システム2においては、情報収集部31は、予め定められた時間が経過するごとに、収集される処理情報の積算およびリセットを繰り返してもよい。また、情報収集部31は、予め定められた時間が経過するごとに、リセットされる直前まで積算された処理情報をスコア算出部32に与えてもよい。この場合、スコア算出部32においては、積算された複数の処理情報に基づいて異常スコアが算出される。この場合、異常スコアに各処理情報の収集時に発生するノイズ等の影響が及ぶことが低減される。
(2)上記実施の形態に係る基板処理装置管理システム2においては、情報分析装置3で行われる一連の処理が、管理装置4で行われてもよい。また、情報分析装置3で行われる一連の処理が、複数の基板処理装置1のうちいずれかの基板処理装置1で行われてもよい。この場合、情報分析装置3が不要となる。
(3)上記実施の形態に係る基板処理装置管理システム2においては、情報分析装置3が、複数の基板処理装置1からの調査依頼を受信し、受信した調査依頼およびその調査依頼に対応する異常スコアを管理装置4に送信してもよい。
(4)上記実施の形態に係る基板処理装置管理システム2においては、情報分析装置3から複数の基板処理装置1に異常スコアが送信されなくてもよい。この場合、複数の基板処理装置1のうちいずれかから調査依頼を受けた管理装置4は、調査依頼を受けた基板処理装置1の異常スコアを情報分析装置3から取得してもよい。
(5)上記実施の形態においては、複数の基板処理装置1A~1Eは同じ構成を有するが、本発明はこれに限定されない。複数の基板処理装置1A~1Eのうち一部または全てが互いに異なる構成を有してもよい。また、複数の基板処理装置1A~1Eのうち少なくとも1つは、バッチ式ではなく枚葉式の基板洗浄装置であってもよいし、洗浄処理以外の処理を行う構成を有してもよい。
(6)複数の処理情報は、上記実施の形態に記載された複数の具体例に加えてまたは複数の具体例に代えて、基板Wに供給される流体の温度、基板Wが収容される処理室内の温度、基板Wが収容される処理室内の圧力、基板Wが収容される処理室から排出される気体の圧力、およびロボットにより搬送される基板の移動速度のうち少なくとも1つの物理量を含んでもよい。
また、複数の処理情報は、基板Wを搬送するロボットを駆動する駆動パルス信号、および基板Wを搬送するロボットに設けられる検出器の出力信号のうち少なくとも1つに関する情報を含んでもよい。
(7)上記実施の形態に係る基板処理装置管理システム2においては、スコア算出部32は、予め定められた時間が経過するごとに、異常スコアの積算およびリセットを繰り返すことにより異常スコアの積分値をさらに算出してもよい。この場合、警報送信部34は、異常スコアの積分値が予め定められた第2のしきい値を超えるか否かを判定してもよい。また、警報送信部34は、異常スコアの積分値が第2のしきい値を超えている場合、当該異常スコアの積分値に対応する基板処理装置1に警報を送信してもよい。この場合、各基板処理装置1の保守作業者は、自己の担当する基板処理装置1における異常の発生をより高い精度で把握することができる。
4.請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応関係
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることもできる。
上記実施の形態においては、基板処理装置1,1A~1Eが複数の基板処理装置の例であり、基板処理装置管理システム2が基板処理装置管理システムの例であり、情報収集部31が情報収集部の例であり、スコア算出部32がスコア算出部の例であり、依頼受付部41が依頼受付部の例である。
また、スコア取得部42がスコア取得部の例であり、スコア提示部43が優先順位提示部の例であり、複数の基板処理装置1の複数の異常スコアおよび調査の優先順位が優先順位情報の例であり、スコア送信部33がスコア送信部の例であり、警報送信部34が警報送信部の例であり、情報分析装置3が情報分析装置の例である。
1,1A~1E…基板処理装置,2…基板処理装置管理システム,3…情報分析装置,4…管理装置,4a…表示部,4b…操作部,11…処理槽,12…基板保持部,13…昇降装置,14…洗浄液生成装置,14a:貯留タンク,15…液供給管,16…ポンプ,17,19…バルブ,18…液排出管,20…濃度計,30…搬送ロボット,31…情報収集部,32…スコア算出部,33…スコア送信部,34…警報送信部,39…重み記憶部,40…制御装置,41…依頼受付部,42…スコア取得部,43…スコア提示部,91…薬液供給管,92…純水供給管,93…追加薬液供給管,94…排液管,W…基板

Claims (13)

  1. 複数の基板処理装置を管理するために用いられる基板処理装置管理システムであって、
    各基板処理装置から基板の処理に関連する動作または状態を示す複数の処理情報を収集する情報収集部と、
    各基板処理装置について、前記複数の処理情報間のインバリアントな関係と当該基板処理装置から収集される複数の処理情報とに基づいて当該基板処理装置の異常の度合いを異常スコアとして算出するスコア算出部と、
    各基板処理装置から異常に関する調査依頼を受け付ける依頼受付部と、
    前記依頼受付部に調査依頼を送信した2以上の基板処理装置についてそれぞれ算出された2以上の異常スコアを取得するスコア取得部と、
    前記スコア取得部により取得された2以上の異常スコアに基づいて、前記2以上の調査依頼に対して応答すべき優先順位に関する優先順位情報を提示する優先順位提示部とを備える、基板処理装置管理システム。
  2. 前記優先順位情報は、前記スコア取得部により取得された2以上の異常スコアを含み、
    前記優先順位提示部は、前記スコア取得部により取得された2以上の異常スコアを前記2以上の基板処理装置にそれぞれ対応付けて提示する、請求項1記載の基板処理装置管理システム。
  3. 前記スコア算出部により算出された異常スコアを当該異常スコアに対応する基板処理装置に送信するスコア送信部をさらに備える、請求項1または2記載の基板処理装置管理システム。
  4. 各基板処理装置について算出された異常スコアが予め定められたしきい値を超えるか否かを判定し、前記異常スコアが前記しきい値を超える場合に、当該異常スコアに対応する基板処理装置に警報を送信する警報送信部をさらに備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の基板処理装置管理システム。
  5. 前記情報収集部は、一定時間が経過するごとに収集される複数の処理情報の積算およびリセットを繰り返し、
    前記スコア算出部は、各基板処理装置について、前記複数の処理情報間のインバリアントな関係と当該基板処理装置により生成されかつ前記情報収集部により積算された複数の処理情報とに基づいて当該基板処理装置の異常の度合いを前記異常スコアとして算出する、請求項1~4のいずれか一項に記載の基板処理装置管理システム。
  6. 前記複数の処理情報について、互いに異なる2つの処理情報の複数の組み合わせが定められ、
    各組み合わせは、第1の処理情報および第2の処理情報を含み、
    前記スコア算出部は、
    各組み合わせについて、予め定められた条件で収集された前記第2の処理情報に基づいて、前記予め定められた条件で予測される前記第1の処理情報を、第1の予測処理情報として生成し、生成された第1の予測処理情報と前記データ収集部により実際に収集された前記第1の処理情報との乖離の度合いを第1の乖離度として算出し、
    各組み合わせについて、前記予め定められた条件で収集された前記第1の処理情報に基づいて、前記予め定められた条件で予測される前記第2の処理情報を、第2の予測処理情報として生成し、生成された第2の予測処理情報と前記データ収集部により実際に収集された前記第2の処理情報との乖離の度合いを第2の乖離度として算出し、
    前記複数の組み合わせについてそれぞれ算出された複数の第1の乖離度および複数の第2の乖離度に基づいて前記異常スコアを算出する、請求項1~5のいずれか一項に記載の基板処理装置管理システム。
  7. 前記スコア算出部は、前記複数の組み合わせについてそれぞれ算出された複数の第1の乖離度および複数の第2の乖離度の合計を前記異常スコアとして算出する、請求項6記載の基板処理装置管理システム。
  8. 前記複数の組み合わせの各々には、当該組み合わせと基板処理装置の複数種類の異常状態との関連性に応じて予め定められた重みが割り当てられ、
    前記スコア算出部は、前記複数の組み合わせと前記複数の重みとに基づいて前記複数の第1の乖離度および複数の第2の乖離度を算出する、請求項6または7記載の基板処理装置管理システム。
  9. 前記複数の処理情報は、基板に供給される流体の供給量、基板に供給される流体の温度、基板に供給される処理液の濃度、基板が収容される処理室内の温度、基板が収容される処理室内の圧力、基板が収容される処理室から排出される気体の圧力、およびロボットにより搬送される基板の移動速度のうち少なくとも1つの物理量を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の基板処理装置管理システム。
  10. 前記複数の処理情報は、基板を搬送するロボットを駆動する駆動パルス信号、基板を搬送するロボットに設けられる検出器の出力信号、および制御バルブに与えられる開閉信号のうち少なくとも1つに関する情報を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の基板処理装置管理システム。
  11. 各基板処理装置は、洗浄液を用いて基板を洗浄する基板洗浄装置であり、
    前記複数の処理情報は、基板に供給される洗浄液の供給量、基板に供給される洗浄液の温度、基板に供給される洗浄液の濃度のうち少なくとも1つを含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の基板処理装置管理システム。
  12. 複数の基板処理装置を管理するために用いられる基板処理装置管理方法であって、
    各基板処理装置から基板の処理に関連する動作または状態を示す複数の処理情報を収集するステップと、
    各基板処理装置について、前記複数の処理情報間のインバリアントな関係と当該基板処理装置から収集される複数の処理情報とに基づいて当該基板処理装置の異常の度合いを異常スコアとして算出するステップと、
    各基板処理装置から異常に関する調査依頼を受け付けるステップと、
    調査依頼を送信した2以上の基板処理装置についてそれぞれ算出された2以上の異常スコアを取得するステップと、
    前記取得するステップにより取得された2以上の異常スコアに基づいて、前記2以上の調査依頼に対して応答すべき優先順位に関する優先順位情報を提示するステップとを含む、基板処理装置管理方法。
  13. 情報分析装置を用いて複数の基板処理装置を管理する処理をコンピュータに実行させる基板処理装置管理プログラムであって、
    前記情報分析装置は、
    各基板処理装置から基板の処理に関連する動作または状態を示す複数の処理情報を収集する情報収集部と、
    各基板処理装置について、前記複数の処理情報間のインバリアントな関係と当該基板処理装置から収集される複数の処理情報とに基づいて当該基板処理装置の異常の度合いを異常スコアとして算出するスコア算出部とを含み、
    前記複数の基板処理装置を管理する処理は、
    各基板処理装置から異常に関する調査依頼を受け付ける処理と、
    調査依頼を送信した2以上の基板処理装置についてそれぞれ算出された2以上の異常スコアを取得する処理と、
    前記取得する処理により取得された2以上の異常スコアに基づいて、前記2以上の調査依頼に対して応答すべき優先順位に関する優先順位情報を提示する処理とを含む、基板処理装置管理プログラム。
JP2022002650A 2022-01-11 2022-01-11 基板処理装置管理システム、基板処理装置管理方法および基板処理装置管理プログラム Pending JP2023102218A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022002650A JP2023102218A (ja) 2022-01-11 2022-01-11 基板処理装置管理システム、基板処理装置管理方法および基板処理装置管理プログラム
PCT/JP2022/040548 WO2023135904A1 (ja) 2022-01-11 2022-10-28 基板処理装置管理システム、基板処理装置管理方法および基板処理装置管理プログラム
TW111140992A TW202345203A (zh) 2022-01-11 2022-10-28 基板處理裝置管理系統、基板處理裝置管理方法以及基板處理裝置管理程式

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022002650A JP2023102218A (ja) 2022-01-11 2022-01-11 基板処理装置管理システム、基板処理装置管理方法および基板処理装置管理プログラム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023102218A true JP2023102218A (ja) 2023-07-24

Family

ID=87278769

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022002650A Pending JP2023102218A (ja) 2022-01-11 2022-01-11 基板処理装置管理システム、基板処理装置管理方法および基板処理装置管理プログラム

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP2023102218A (ja)
TW (1) TW202345203A (ja)
WO (1) WO2023135904A1 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1115518A (ja) * 1997-06-23 1999-01-22 Hitachi Ltd 電子回路基板・装置の故障診断方式
JP2005346482A (ja) * 2004-06-03 2005-12-15 Matsushita Electric Ind Co Ltd 生産指示計画作成システムおよび記録媒体
JP7423396B2 (ja) * 2020-04-13 2024-01-29 キヤノン株式会社 情報処理装置、検出方法、プログラム、基板処理システム、及び物品の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO2023135904A1 (ja) 2023-07-20
TW202345203A (zh) 2023-11-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6834256B2 (en) Method and system for determining motor reliability
Cheng et al. Multivariate state estimation technique for remaining useful life prediction of electronic products
JPWO2014091952A1 (ja) センサ監視装置、センサ監視方法、及びセンサ監視プログラム
US7957821B2 (en) Systems and methods for statistical process control
JP5975802B2 (ja) 点検保全データ検証装置、点検保全データ検証システムおよび点検保全データ検証方法
JP6482743B1 (ja) リスク評価装置、リスク評価システム、リスク評価方法、及び、リスク評価プログラム
US20090089112A1 (en) Service Resource Evaluation Method and System
CN113252544A (zh) 一种炼油装置腐蚀监测系统和方法
WO2023135904A1 (ja) 基板処理装置管理システム、基板処理装置管理方法および基板処理装置管理プログラム
US6714884B2 (en) Method and apparatus for providing communication between a defect source identifier and a tool data collection and control system
US6821792B1 (en) Method and apparatus for determining a sampling plan based on process and equipment state information
TWI280603B (en) Manufacturing system of semiconductor device and manufacturing method of semiconductor device
WO2006016436A1 (ja) 制御システム、制御方法、および処理システム、ならびにコンピュータ読取可能な記憶媒体およびコンピュータプログラム
JPS6332650A (ja) 製造設備の故障診断装置
JP2009283580A (ja) 半導体装置の生産管理システム
WO2022198404A1 (zh) 元件、功能模块和系统的剩余寿命评估方法
CN113887990A (zh) 电气设备维修决策优化方法
WO2023140005A1 (ja) 支援装置、支援方法および支援プログラム
JPH10223499A (ja) 物品の製造方法、物品の製造システムおよび複数の加工処理装置の運用方法
WO2020066196A1 (ja) 装置寿命評価方法、装置寿命評価装置、および装置寿命評価プログラム
TW202343537A (zh) 基板處理裝置管理系統、支援裝置、基板處理裝置、處理室間性能比較方法及處理室間性能比較程式
WO2023135990A1 (ja) 適正判定装置および適正判定方法
JP2009015654A (ja) ワークの品質管理システムおよびワークの品質管理方法
Huang et al. Software reliability prediction and analysis using queueing models with multiple change-points
JP2023122512A (ja) 基板処理装置管理システム、支援装置、基板処理装置、チャンバ間性能比較方法およびチャンバ間性能比較プログラム