JP2023101853A - デジタルロードセル - Google Patents
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Abstract
【課題】気密状態の確認を行うことができるデジタルロードセルを提供する。【解決手段】デジタルロードセルは、被計量物の荷重を受ける荷重受け部と、荷重受け部を支持する起歪体と、内部を気密状態に保持し、内部に起歪体を収容する筐体と、筐体の内部に設けられ、内部の湿度を測定する湿度センサと、制御部と、を備え、筐体の内部は、不活性ガスが封入され、制御部は、湿度センサの計測値を取得し、計測値が所定の基準値以下である場合に、筐体の内部における気密状態が異常であると判定し、所定の異常処理を行う。【選択図】図1
Description
本発明は、デジタルロードセルに関する。
トラックスケール等のロードセルにおいて、荷重受け部で受けた荷重によって起歪体に生じた歪みを歪ゲージにより電気信号として検出し、AD変換して出力するデジタルロードセルが知られている。
このようなデジタルロードセルでは、歪ゲージにおける検出の精度向上および歪ゲージおよびそれに接続される配線部の錆付着防止等のために、起歪体および歪ゲージを含むロードセル本体部が筐体内等に収容され、筐体内に窒素等の不活性ガスが封入される。これにより筐体内が気密状態に保持される(例えば下記特許文献1等)。
しかし、気密状態が保持できているかどうか(例えば経年劣化等で筐体内の不活性ガスが漏れ出していないかどうか)は見た目からは判断できない。気密状態が崩れた状態で、使用を続けると、検出精度の悪化および故障の原因になる恐れがある。
そこで本発明は、気密状態の確認を行うことができるデジタルロードセルを提供することを目的とする。
本発明の一態様に係るデジタルロードセルは、被計量物の荷重を受ける荷重受け部と、前記荷重受け部を支持する起歪体と、内部を気密状態に保持し、前記内部に前記起歪体を収容する筐体と、前記筐体の内部に設けられ、前記内部の湿度を測定する湿度センサと、制御部と、を備え、前記筐体の内部は、不活性ガスが封入され、前記制御部は、前記湿度センサの計測値を取得し、前記計測値が所定の基準値以下である場合に、前記筐体の内部における気密状態が異常であると判定し、所定の異常処理を行うように構成される。
上記構成によれば、気密状態に保持される筐体の内部に湿度センサが設けられ、筐体の内部の湿度が計測される。筐体の内部における気密状態が崩れると、筐体の内部に空気が侵入し、湿度が上昇する。そのため、上記構成においては、湿度センサが計測した湿度の計測値が所定の基準値以下である場合に、筐体の内部における気密状態が異常であると判定される。このように、筐体の内部の湿度を計測することにより、筐体の内部における気密状態の異常の有無についての確認を行うことができる。
前記デジタルロードセルは、前記起歪体に設けられ、前記起歪体の歪み量を電気信号として検出する歪ゲージと、前記筐体の内部に設けられ、前記歪ゲージで検出される電気信号に基づいて前記荷重受け部で受けた荷重の大きさを示すデジタル荷重信号を生成する荷重信号生成回路が形成される基板と、を備え、前記湿度センサは、前記基板上に設けられてもよい。これにより、デジタルロードセルを構成する電子部品を一まとめにすることができ、製造コストの低減を図ることができる。
前記デジタルロードセルは、前記起歪体に設けられ、前記起歪体の歪み量を電気信号として検出する歪ゲージと、前記筐体の内部に設けられ、前記歪ゲージで検出される電気信号に基づいて前記荷重受け部で受けた荷重の大きさを示すデジタル荷重信号を生成する荷重信号生成回路が形成される基板と、を備え、前記制御部は、前記基板上に設けられていてもよい。これにより、別途デジタルロードセルにおける検出出力が有効か否かを判定し、異常処理を行うための制御部を設ける必要がなくなり、デジタルロードセルを含むシステムにおいて質量検出系統を簡単化することができる。
本発明によれば、デジタルロードセルにおいて気密状態の確認を行うことができる。
以下、本発明の一実施の形態に係るデジタルロードセルについて説明する。図1および図2に示すように、本実施の形態におけるデジタルロードセル1は、被計量物の荷重を受ける荷重受け部2と、荷重受け部2を支持する起歪体3と、内部に起歪体3を収容する筐体4と、を備えている。
筐体4は、中空の円筒形状を有しており、筐体4の上部に荷重受け部2が設けられる。荷重受け部2は、例えば円柱形状に形成される。起歪体3は、筐体4の内部に設置された状態で一端部が荷重受け部2に接続される。起歪体3は、荷重受け部2が受けた被計量物による荷重の大きさに応じた歪みを発生する。
起歪体3には、起歪体3で生じた歪み量を電気信号(アナログ荷重信号)として検出する歪ゲージ5が設けられる。本実施の形態においては、4つの歪ゲージ5が起歪体3の表面に取り付けられる。なお、図1においてはそのうちの2つの歪ゲージ5が示されている。
筐体4の側面の一部には、中空の側方延出部6が形成されている。側方延出部6は、図2に示すように、外側が矩形断面を有し、内側が円形断面を有している。側方延出部6には、外部へ後述する重量信号を出力するための信号取り出し部7が設けられている。側方延出部6は、先端部に筐体4の内部と外部とを連通する開口部8を有している。開口部8は、筐体4の内部へのアクセスポートとして機能する。側方延出部6には、開口部8を塞ぐための蓋9が取り付けられる。
筐体4の内部は、側方延出部6に蓋9が取り付けられた状態で気密状態が保持される。このとき、筐体4の内部には不活性ガスが封入される。本実施の形態では不活性ガスとして窒素が筐体4の内部に封入される。
筐体4の内部における開口部8の近傍には、後述する荷重信号生成回路13が形成される基板10が取り付けられる。基板10は、側方延出部6内において筐体4に支持される支持体11に固定部材12によって取り付けられる。本実施の形態では、基板10の長手方向一端部に長手方向に直交する方向に並ぶ2つの取付穴20(後述する図4参照)が形成されている。基板10は、長手方向が鉛直方向に沿った状態で、2つの取付穴20が形成される長手方向一端部が他端部に対して下方に位置するように、取り付けられる。
図3に示すように、荷重信号生成回路13は、歪ゲージ5で検出される電気信号に基づいて荷重受け部2で受けた荷重の大きさを示すデジタル荷重信号を生成する。このために、荷重信号生成回路13は、アンプ14、AD変換器15、および演算器16を備えている。4つの歪ゲージ5は、ブリッジ回路17を構成している。ブリッジ回路17の入力端および出力端は、基板10に設けられる第1コネクタ21に接続される。第1コネクタ21は、電源回路18およびアンプ14に接続されている。これにより、ブリッジ回路17の入力端は電源回路18に接続され、ブリッジ回路17の出力端はアンプ14に接続される。歪ゲージ5には、基板10に設けられた電源回路18を介して、所定の電圧が印加される。なお、電源回路18は、基板10の荷重信号生成回路13を動作させるための電源としても用いられる。
アンプ14は、ブリッジ回路17の出力端子に接続され、ブリッジ回路17の出力であるアナログ荷重信号を増幅する。AD変換器15は、アンプ14で増幅されたアナログ荷重信号をデジタル荷重信号に変換する。演算器16は、例えばマイクロコントローラ(MPU)として構成される。演算器16は、デジタル荷重信号を読み込み、所定のプログラムに従って重量値を演算し、その演算結果に基づく重量信号を出力する。
演算器16の出力端子には第2コネクタ22が接続されている。さらに、第2コネクタ22には、電源回路18が接続されている。電源回路18に第2コネクタ22を介して接続される配線は、電源電圧を定める電源配線pwおよび基準電圧を定めるコモン配線comを有する。コモン配線comは、図3においては図示を省略しているが第2コネクタ22と電源回路18との間で分岐し、第1コネクタ21を介してブリッジ回路17の基準電圧を定める配線に接続される。
第2コネクタ22に外部からの電源線および通信線を接続することにより、基板10およびブリッジ回路17に電源電力が供給されるとともに、演算器16から出力される信号(重量信号等)が外部(デジタルロードセル1が属するシステムの制御器等)に出力される。演算器16から出力される信号は、信号取り出し部7から筐体4の外部へ出力される。なお、図1および図2においては、歪ゲージ5間の配線、歪ゲージ5と第1コネクタ21との間の配線および外部と第2コネクタ22との間の配線は、図示を省略している。
図4(a)に示すように、基板10の第1面(図1に示すIVA面)側には、第1コネクタ21、第2コネクタ22およびAD変換チップ24が取り付けられている。第2コネクタ22は、基板10の長手方向に関して、第1コネクタ21より取付穴20に近い側に位置する。AD変換チップ24は、アンプ14およびAD変換器15を備えている。図4(b)に示すように、基板10の第2面(図1に示すIVB面)側には、ICチップとして構成される演算器16および電源回路18が取り付けられている。各素子16,18,24は、何れも基板10の長手方向に関して第1コネクタ21と第2コネクタ22との間に設けられる。基板10は、第1面(IVA面)が外側を向くように支持体11に取り付けられている。
ここで、本実施の形態において、デジタルロードセル1は、湿度センサ23を備えている。湿度センサ23は、例えば湿度に応じて静電容量が変化する静電容量式の湿度センサ、または湿度に応じて抵抗が変化する抵抗式の湿度センサを用いることができる。湿度センサ23は、基板10のIVB面側(図4(b))に取り付けられている。すなわち、湿度センサ23は、基板10の起歪体3に対向する側の面に設けられる。湿度センサ23も基板10の長手方向に関して第1コネクタ21と第2コネクタ22との間に設けられる。さらに、湿度センサ23は、基板10の長手方向に関して第1コネクタ21と演算器16との間に設けられる。湿度センサ23は、荷重信号生成回路13の演算器16に接続され、演算器16は、湿度センサ23の制御部として機能し、湿度センサ23の計測値を取得する。
演算器16は、取得した計測値を所定の基準値と比較する。演算器16は、計測値が基準値以下である場合に、筐体4の内部における気密状態が異常であると判定し、所定の異常処理を行う。例えば、演算器16は、異常処理として、外部(デジタルロードセル1が属するシステムの制御器等)に異常信号を出力する。この際、演算器16は、異常時における重量信号を出力しないようにしてもよい。
上記構成によれば、気密状態に保持される筐体の内部に湿度センサ23が設けられ、筐体4の内部の湿度が計測される。筐体4の内部における気密状態が崩れると、筐体4の内部に空気(水分)が侵入し、湿度が上昇する。そのため、上記構成においては、湿度センサ23が計測した湿度の計測値が所定の基準値以下である場合に、筐体4の内部における気密状態が異常であると判定される。このように、筐体4の内部の湿度を計測することにより、筐体4の内部における気密状態の異常の有無についての確認を行うことができる。
また、本実施の形態では、湿度センサ23が、荷重信号生成回路13が形成される基板10上に設けられる。これにより、デジタルロードセル1を構成する電子部品を一まとめにすることができ、製造コストの低減を図ることができる。
また、本実施の形態では、湿度センサ23に対する制御を行う制御部が、基板10上に設けられた荷重信号生成回路13の演算器16により実現される。これにより、別途デジタルロードセル1における検出出力が有効か否かを判定し、異常処理を行うための制御部を設ける必要がなくなり、デジタルロードセル1を含むシステムにおいて質量検出系統を簡単化することができる。
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲でその構成を変更、追加、または削除することができる。
例えば、上記実施の形態では、所定の異常処理として、外部に異常信号を出力する態様を例示したが、異常処理は、これに限られない。
例えば、デジタルロードセル1が警告ランプ等の報知器を備えている場合には、演算器16は、気密状態が異常であると判定した場合に、報知器による報知(例えば警告ランプを点灯させる等)を行ってもよい。これにより、デジタルロードセル1の気密状態の確認(水平設置できているかどうかの確認)を目視により容易に行うことができる。
また、上記実施の形態では、湿度センサ23が筐体4に設置される基板10上に設けられる態様を例示したが、筐体4内に設置される限り、基板10とは別に設けられてもよい。また、湿度センサ23が基板10上に設けられる場合、その配置位置は上記例に限定されない。
また、上記実施の形態では、基板10が、ロードセル1の長手方向(鉛直方向)に沿った状態で、ロードセル1に取り付けられる態様を例示したが、これに限られず、基板10の取り付け方向は、ロードセル1に応じて適宜変更可能である。
また、上記実施の形態では、演算器16が、湿度センサ23に対する制御を行う制御部として機能する態様を例示したが、これに限られない。例えば、演算器16とは別に制御部が設けられていてもよい。この場合、その制御部は、筐体4内(例えば基板10上)に設けられてもよいし、筐体4の外部に設けられてもよい。例えば、デジタルロードセル1が属するシステムの制御器(上位の制御器)が、湿度センサ23に対する制御を行う制御部として機能してもよい。すなわち、その制御器が、湿度センサの計測値を取得し、計測値が所定の基準値以下であるか否かの判定を行うとともに、計測値が基準値以下である場合に異常処理を実行してもよい。
また、上記実施の形態では、1つの起歪体3に4つの歪ゲージ5が設けられる態様を例示したが、歪ゲージ5の数は4つ未満でもよいし、5つ以上でもよい。
また、上記実施の形態では、筐体4の内部に封入される不活性ガスとして窒素を例示したが、不活性ガスであればこれに限られず、例えばアルゴンを筐体4の内部に封入してもよい。
1 デジタルロードセル
2 荷重受け部
3 起歪体
4 筐体
5 歪ゲージ
10 基板
13 荷重信号生成回路
18 演算器(制御部)
23 湿度センサ
2 荷重受け部
3 起歪体
4 筐体
5 歪ゲージ
10 基板
13 荷重信号生成回路
18 演算器(制御部)
23 湿度センサ
Claims (3)
- 被計量物の荷重を受ける荷重受け部と、
前記荷重受け部を支持する起歪体と、
内部を気密状態に保持し、前記内部に前記起歪体を収容する筐体と、
前記筐体の内部に設けられ、前記内部の湿度を測定する湿度センサと、
制御部と、を備え、
前記筐体の内部は、不活性ガスが封入され、
前記制御部は、前記湿度センサの計測値を取得し、前記計測値が所定の基準値以下である場合に、前記筐体の内部における気密状態が異常であると判定し、所定の異常処理を行う、デジタルロードセル。 - 前記起歪体に設けられ、前記起歪体の歪み量を電気信号として検出する歪ゲージと、
前記筐体の内部に設けられ、前記歪ゲージで検出される電気信号に基づいて前記荷重受け部で受けた荷重の大きさを示すデジタル荷重信号を生成する荷重信号生成回路が形成される基板と、を備え、
前記湿度センサは、前記基板上に設けられる、請求項1に記載のデジタルロードセル。 - 前記起歪体に設けられ、前記起歪体の歪み量を電気信号として検出する歪ゲージと、
前記筐体の内部に設けられ、前記歪ゲージで検出される電気信号に基づいて前記荷重受け部で受けた荷重の大きさを示すデジタル荷重信号を生成する荷重信号生成回路が形成される基板と、を備え、
前記制御部は、前記基板上に設けられている、請求項1または2に記載のデジタルロードセル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022002040A JP2023101853A (ja) | 2022-01-11 | 2022-01-11 | デジタルロードセル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022002040A JP2023101853A (ja) | 2022-01-11 | 2022-01-11 | デジタルロードセル |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2023101853A true JP2023101853A (ja) | 2023-07-24 |
Family
ID=87425344
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022002040A Pending JP2023101853A (ja) | 2022-01-11 | 2022-01-11 | デジタルロードセル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2023101853A (ja) |
-
2022
- 2022-01-11 JP JP2022002040A patent/JP2023101853A/ja active Pending
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