JP2023101304A - 弁素子 - Google Patents

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JP2023101304A JP2022001868A JP2022001868A JP2023101304A JP 2023101304 A JP2023101304 A JP 2023101304A JP 2022001868 A JP2022001868 A JP 2022001868A JP 2022001868 A JP2022001868 A JP 2022001868A JP 2023101304 A JP2023101304 A JP 2023101304A
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佳孝 多田羅
Yoshitaka Tatara
雄喜 内田
Yuki Uchida
孝哲 西岡
Takaaki Nishioka
義秀 東狐
Yoshihide Toko
佳彦 佐野
Yoshihiko Sano
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MMI Semiconductor Co Ltd
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Abstract

【課題】静電引力を用いて駆動する方式の弁素子の小型化及び低消費電力化を両立できる技術を提供する。【解決手段】流体の流通を制御するための弁素子であって、前記流体が流通する流体導入口を備える固定電極部と、前記固定電極部の一方の面側に、前記流体導入口を覆うようにして前記固定電極部から間隔を設けて配置され、前記固定電極部に対して可動に形成される可動電極部と、前記可動電極部を支持する支持部と、を有し、前記固定電極部と前記可動電極部の各電極に電圧を印加することにより生じる静電引力によって、前記可動電極部を前記固定電極部に引き付けて前記流体導入口を封止可能に構成されており、前記固定電極部と前記可動電極部との前記間隔は、前記支持部近傍よりも前記可動電極部が前記流体導入口を覆う部分のほうが大きくなるように形成されている。【選択図】図2

Description

本発明は、弁素子に関する。
従前より、流体の流通を制御する弁素子として、対向して配置される2つの電極部を有し、該2つの電極部の各電極に電圧を印加することによって静電引力を発生させて、一方の電極部に備えられた流体の導入口を、他方の電極部で封止する構造のものが知られている(例えば特許文献1)。図1に、このような構造の弁素子9の概略図を示す。
図1Aは弁が「開」状態の弁素子9の概略断面図を、図1Bは弁が「閉」状態の弁素子9の概略断面図を、それぞれ示している。図1に示すように、弁素子9は、基板91(固定電極)に設けられた流体導入口92から流体が導入され、該流体は基板91に対して可動に形成されているダイアフラム93(可動電極)に設けられた排出口(図示せず)から排出される構成となっている。そして、基板91(固定電極)とダイアフラム93(可動電極)とに電圧を印可することにより静電引力を発生させると、当該引力によりダイアフラム93が基板91に引き寄せられ、ダイアフラム93によって流体導入口92を封止することができる。このようにして、流体の流通を遮断、或いは印可電圧を調整してダイアフラム93と基板91の距離を調節することにより、流体の流量を制御することができる。
そして、この場合の静電引力は次式(1)によってあらわすことができる。
Figure 2023101304000002

上記式(1)において、Fは静電引力、εは空気の誘電率、Sは両電極が対向する面積、Vは印加電圧、dは両電極間の距離を示している。即ち、静電引力Fは、印加電圧V、電極間距離dに大きく依存しており、印加電圧Vを下げたり、電極間距離dを拡げたりすると著しく静電引力Fが弱くなり、弁を駆動する(即ち、ダイアフラム93を基板91側に引き寄せる)駆動力が低下することになる。
一方、流体の排出特性の観点から見ると、両電極間の距離が大きいほど、また、流体導入口92及び排出口の面積が大きい(即ち、両電極間の対向する面積が狭くなる)ほど、流体の排出を効率的に行うことができる。
特開昭63-307959号公報
上記のように、従来から知られている静電引力により駆動する方式の弁は、弁が「開」状態の際の良好な流体排出特性を得るためには、両電極間の距離をある程度確保する必要
がある。そうすると、弁の駆動力として十分な静電引力Fを得るためには、電極面積Sを大きくすることによって調整する、又は印加電圧Vを大きくすることによって調整する、ということになる。即ち、良好な流体排出特性を得たうえで、弁素子の小型化・低消費電力化を両立することは困難であった。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、静電引力を用いて駆動する方式の弁素子の小型化及び低消費電力化を両立できる技術を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するための本発明は、以下の構成を採用する。即ち、
流体の流通を制御するための弁素子であって、
前記流体が流通する流体導入口を備える固定電極部と、
前記固定電極部の一方の面側に、前記流体導入口を覆うようにして前記固定電極部から間隔を設けて配置され、前記固定電極部に対して可動に形成される可動電極部と、
前記可動電極部を支持する支持部と、を有し、
前記固定電極部と前記可動電極部の各電極に電圧を印加することにより生じる静電引力によって、前記可動電極部を前記固定電極部に引き付けて前記流体導入口を封止可能に構成されており、
前記固定電極部と前記可動電極部との前記間隔は、前記支持部近傍よりも前記可動電極部が前記流体導入口を覆う部分のほうが大きくなるように形成されている、
ことを特徴とする弁素子である。
上記のような構成を備えることにより、弁が「開」状態である時には、流体導入口部分における固定電極部と可動電極部の間隔は大きく(即ち、良好な流体排出特性が得られるように)確保することができる。一方、支持部近傍では、固定電極部と可動電極部の間隔は小さく設定されているため、弁を「閉」状態にする際には低い印加電圧で可動電極部を固定電極部に引き寄せることができる。そして、支持部近傍において固定電極部と可動電極部が当接すると、その他の部分の可動電極も一体的に固定電極部に引き寄せられることで、流体導入口部分の可動電極部と固定電極部との間隔は完全な「開」状態の時よりも小さくなるため、当該部分の可動電極部を固定電極部に引き寄せるための印加電圧を小さくすることが可能になる。
このようにして、良好な流体排出特性を得るとともに、電極面積を大きくすることなく、弁を閉じる際の印加電圧を小さくすることができ、弁素子の小型化・低消費電力化を実現することが可能になる。
また、前記可動電極部が、前記支持部近傍から前記固定電極部の前記流体導入口を覆う部分に向けて徐々に前記間隔が大きくなるように形成されていてもよい。或いは、前記固定電極部が、前記支持部近傍から前記流体導入口に向けて徐々に前記間隔が大きくなるように形成されているのであってもよい。なお、ここでいう「徐々に」とは、段階的な変化及び無段階的な変化のいずれも含む意味である。
このような構成によれば、可動電極部が電極間の間隔が小さい支持部近傍から順次引き込まれるようにして(連鎖的に)固定電極側に引き寄せられるため、全体としてより少ない印加電圧で、弁を閉じることが可能になる。
また前記可動電極部が、前記支持部近傍から前記流体導入口を覆う部分に向けて段階的に前記間隔が大きくなるように形成されており、前記支持部近傍の段における前記間隔が最も小さく設定されており、前記流体導入口を覆う部分の段における、1つ前の段との段差は、前記支持部近傍の段における前記間隔よりも大きく、かつ、その他の段階における
前記段差よりも小さく設定されているのであってもよい。このような構成であると、効率的に可動電極部を固定電極部に引き寄せることが可能になる。
また、前記固定電極部が、前記支持部近傍から前記流体導入口に向けて段階的に前記間隔が大きくなるように形成されており、前記支持部近傍の段における前記間隔が最も小さく設定されており、前記流体導入口部分の段における、1つ前の段との段差は、前記支持部近傍の段における前記間隔よりも大きく、かつ、その他の段階における前記段差よりも小さく設定されているのであってもよい。このような構成であると、効率的に可動電極部を固定電極部に引き寄せることが可能になる。
また、上記の課題を解決するため、本発明は、次のような構成を採用してもよい。即ち、
流体の流通を制御するための弁素子であって、
前記流体が流通する流体導入口を備える固定電極部と、
前記固定電極部の一方の面側に、前記流体導入口を覆うようにして前記固定電極部から間隔を設けて配置され、前記固定電極部に対して可動に形成される可動電極部と、
前記可動電極部を支持する支持部と、を有し、
前記固定電極部と前記可動電極部の各電極に電圧を印加することにより生じる静電引力によって、前記可動電極部を前記固定電極部に引き付けて前記流体導入口を封止可能に構成されており、
前記固定電極部と前記可動電極部との前記間隔は、前記支持部近傍よりも前記可動電極部の中央部のほうが大きくなるように形成されている、
ことを特徴とする弁素子である。
このような構成を有することにより、可動電極部の外周縁部に支持部が形成されているような場合において、弁が「開」状態である時には、可動電極部の中央部において固定電極部と可動電極部の間隔を大きく確保することができる。一方、外周縁部となる支持部近傍では、固定電極部と可動電極部の間隔は小さく設定されているため、弁を「閉」状態にする際には低い印加電圧で可動電極部を固定電極部に引き寄せることができる。そして、支持部近傍において固定電極部と可動電極部が当接すると、その他の部分の可動電極部も一体的に固定電極部に引き寄せられることで、可動電極部の中央部では固定電極部との間隔が完全な「開」状態の時よりも小さくなるため、当該部分の可動電極部を固定電極部に引き寄せるための印加電圧を小さくすることが可能になる。
また、前記可動電極部が、前記支持部近傍から前記中央部に向けて徐々に前記間隔が大きくなるように形成されていてもよい。或いは前記固定電極部が、前記支持部近傍から前記可動電極部の前記中央部に向けて徐々に前記間隔が大きくなるように形成されているのであってもよい。
また、前記可動電極部が、前記支持部近傍から前記中央部に向けて段階的に前記間隔が大きくなるように形成されており、前記支持部近傍の段における前記間隔が最も小さく設定されており、前記中央部の段における、1つ前の段との段差は、前記支持部近傍の段における前記間隔よりも大きく、かつ、その他の段階における前記段差よりも小さく設定されていてもよい。このような構成であると、効率的に可動電極部を固定電極部に引き寄せることが可能になる。
前記固定電極部が、前記支持部近傍から前記可動電極部の前記中央部に向けて段階的に前記間隔が大きくなるように形成されており、前記支持部近傍の段における前記間隔が最も小さく設定されており、前記可動電極部の前記中央部の段における、1つ前の段との段差は、前記支持部近傍の段における前記間隔よりも大きく、かつ、その他の段階における
前記段差よりも小さく設定されていてもよい。このような構成であると、効率的に可動電極部を固定電極部に引き寄せることが可能になる。
なお、上記構成の各々は技術的な矛盾が生じない限り互いに組み合わせて本発明を構成することができる。
本発明によれば、静電引力を用いて駆動する方式の弁素子の小型化及び低消費電力化を両立できる技術を提供することが可能となる。
図1Aは、従来から知られる静電引力により弁を駆動する方式の弁素子の概略を示す第1の図である。図1Aは、従来から知られる静電引力により弁を駆動する方式の弁素子の概略を示す第2の図である。 図2Aは、本発明の実施例1に係る弁素子の概略を示す平面図である。図2Bは、本発明の実施例1に係る弁素子の断面の概略を示す第1の図である。図2Cは、本発明の実施例1に係る弁素子の断面の概略を示す第2の図である。 図3は、本発明の実施例1に係る弁素子における段差の詳細を説明する図である。 図4Aは、本発明の実施例2に係る弁素子の概略を示す平面図である。図4Bは、本発明の実施例2に係る弁素子の断面の概略を示す第1の図である。図4Cは、本発明の実施例2に係る弁素子の断面の概略を示す第2の図である。 図5Aは、本発明に係る弁素子のその他の実施の態様を示す図である。図5Bは、本発明に係る弁素子のさらに他の実施の態様を示す図である。
<適用例>
以下に本発明の適用例の概要について一部の図面を用いて説明する。本発明は、例えば半導体製造工程により製造されるMEMS(Micro Electro Mechanical System)弁の弁素子1として適用することができる。図2は、本適用例に係る弁素子1の概略を示す図であり、図2Aは、適用例に係る弁素子1の概略平面図である。図2Bは図2Aにおける弁素子1のAA断面を示す概略断面図であり、弁が「開」状態における断面を表している。図2Cは図2Aにおける弁素子1のAA断面を示す概略断面図であり、弁が「閉」状態における断面を表している。なお、図2B中の白矢印は、流体が流通する際の流れを示している。
図2A、図2B、図2Cに示すように、弁素子1は概略、可動電極部11及び固定電極部12を備えており、固定電極部12の上面側全体に亘って可動電極部11が配置される構成となっている。そして、図2Bに示すように、弁が「開」の状態においては可動電極部11と固定電極部12との間には、中空部14が形成されている。このように弁が「開」の状態においては、固定電極部12に設けられている導入口121から流体を導入し、可動電極部11に設けられている複数の排出口111から流体を排出することで、流体を流通させることができる。
本適用例に係る弁素子1は、いわゆる静電駆動方式により弁を開閉し、流体の流通を制御(流通の遮断を含む流量の制御)することができる。具体的には、固定電極部12の固定電極120、及び可動電極部11の可動電極110に電圧を印加することにより両電極間に静電引力を発生させ、これによって可動電極部11を固定電極部12に引き寄せることで、可動電極部11と固定電極部12との間隔(即ち、中空部14の体積)を小さくすることができる。そして、この間隔の大小を変更することで流体の流量を制御でき、図2
Cに示すように可動電極部11と固定電極部12が完全に密着することで弁を「閉」状態、即ち流体の流通を遮断することができる。
可動電極部11は、中空部14の形成されていない外周縁部において、絶縁素材からなる支持部13に固定されるとともに、支持部13により固定電極部12から絶縁されている。即ち、支持部13は可動電極部11を支持するとともに固定電極部12から絶縁する役割を果たしている。そして、本適用例に係る弁素子1は、図2Bに示すように、中空部14における可動電極部11と固定電極部12の間隔(以下、電極間距離という)は、支持部13が設けられている外周縁部近傍から中央部に向かって、段階的に大きくなるように設定されている。
このような構成を備えることにより、弁が「開」状態である時には、中空部14の中央部において電極間距離を大きく確保することができる。中空部14の中央部は、図2に示す通り、可動電極部11及び固定電極部12の中央部でもあり、可動電極部11の中央部近傍には排出口111が、固定電極部12の中央部には導入口121が、それぞれ設けられている。このため、流体が流れる流路を広く確保することができ、良好な流体排出特性を得ることができる。
一方、外周縁部となる支持部13近傍では、電極間距離は小さく設定されているため、弁を「閉」状態にする際には低い印加電圧で可動電極部11を固定電極部12に引き寄せることができる。そして、支持部13近傍において固定電極部12と可動電極部11が当接すると、その他の部分の可動電極部11も一体的に固定電極部12に引き寄せられることで、中空部14の中央部では電極間距離が完全な「開」状態の時よりも小さくなるため、当該部分の可動電極部11を固定電極部12に引き寄せるための印加電圧を小さくすることが可能になる。
上述のように、静電引力を用いて駆動する弁の場合、電極間距離を広くしようとすると(即ち、排出特性を向上させようとすると)、両電極の対向する面積を大きくするか、印可電圧を大きくして、静電引力を大きくする必要がある。この点、本適用例に係る弁素子1によれば、電極の面積を広くせずとも、また、印加電圧を大きくせずとも、良好な流体排出特性を得ることができる。即ち、良好な流体排出特性を備えつつ、弁素子の小型化、低消費電力化を両立することができる。
<実施例1>
以下に、各図面(上記の適用例で一旦説明した図も含む)を順次参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいてさらに詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている具体的構成は、特に記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
(弁素子の構成)
本実施例に係る弁素子1は、例えば、血圧計のカフに気体の供給と排出を行うMEMS弁として用いることができ、図2A、図2B、図2Cに示すように、概略、可動電極部11、固定電極部12及び支持部13を有する構成となっている。即ち、適用例において説明した弁素子1と同様の構成を有するため、適用例において説明した内容については、詳細な説明は省略する。また、本明細書では同一の構成要素については同一の符号を用いて説明を行う。
可動電極部11は、例えばSiからなる可動電極110を絶縁膜(例えば、SiN膜)113で被覆して構成された可撓性を有する薄膜状の電極部材であり、中央部近傍に複数の排出口111を備えている。また、可動電極110は電極パッド112と接続されてお
り、該電極パッド112を介して外部の電源と電気的に接続され、電圧が印加されるようになっている。
固定電極部12は、例えばSiからなる固定電極120の中央部に、流体の流路となる導入口121を設けた構成となっている。また、固定電極120は電極パッド122と接続されており、該電極パッド122を介して外部の電源と電気的に接続され、電圧が印加されるようになっている。
そして、可動電極110及び固定電極120の両電極に電圧が印可されると、静電引力が発生、可動電極部11が固定電極部12に引き寄せられ、両者が完全に密着した状態では、導入口121が可動電極部11で封止されることで、弁が「閉」の状態となる。なお、静電引力の方式で弁を駆動することについての説明は上述しているため、これ以上の説明は省略する。
また、可動電極部11と固定電極部12との間には中空部14が形成されており、当該中空部14の形成されない外周縁部において、可動電極部11を固定電極部12に対して固定するとともに、両電極部を絶縁する支持部13が設けられている。支持部13の素材には、例えば二酸化ケイ素(SiO)などを用いることができ、PSG(Phosphorus Silicon Glass)、BPSG(Boron Phosphorus Silicon Glass)などを用いてもよい。
可動電極部11は、図2Bに示すように、支持部13の近傍から、排出口111が設けられている中央部に向けて段階的に固定電極部12からの間隔(以下では、高さともいう)が大きくなる構成となっている。ここで、図3に基づいて、中空部14における可動電極部11の構造について詳細に説明する。図3に示すように、中空部14において可動電極部11は、5段階でその高さが変わる構成となっており、固定電極部12との間隔が最も小さい段の高さをh1として、その次の段までの高さをh2、さらにその次の段までの高さをh3、同様に順次h4、h5とする。そして、本実施例においては、h1乃至h5の関係は、h1<h5<h2=h3=h4、としてあらわすことができる。
即ち、本実施例における可動電極部11は、最下段とその次の段の段差h1が最も小さく設定されている。なお、h1は、支持部13近傍における固定電極部12と可動電極部11との間隔ともいえる。そして、最上段(即ち、排出口111が設けられた中央部)とその1つ前の段との段差h5は、h1(即ち、支持部13近傍における可動電極部11と固定電極部12との間隔)よりも大きく、かつ、最下段及び最上段を除く各段における段差h2、h3、h4よりも小さく設定されている。
このような構成を有する本実施例によれば、静電引力により弁を閉じる際に、効率よく可動電極部11を固定電極部12に引き寄せることが可能になる。即ち、より少ない印加電圧で弁を「閉」状態にすることができ、良好な流体排出特性を備えつつ、弁素子の小型化、低消費電力化を両立することができる。
<実施例2>
次に、図4に基づいて、本発明の第二の実施例に係る弁素子2について説明する。図4Aは、本実施例に係る弁素子2の概略平面図である。図4Bは図4Aにおける弁素子2が「開」状態におけるBB断面を示す概略断面図であるが、両端部分を一部省略した図となっている。図4Cは図4Aにおける弁素子2が「閉」状態におけるBB断面を示す概略断面図であるが、両端部分を一部省略した図となっている。なお、図4B中の白矢印は、流体が流通する際の流れを示している。
本実施例に係る弁素子4についても、可動電極部21、固定電極部22を有し、電圧を印加することにより生じる静電引力によって駆動されるという概略の構成は実施例1の弁素子1と同様である。このため、実施例1と同様の構成については詳細な説明を適宜省略する。
可動電極部21は、例えばSiからなる可動電極210を絶縁膜213で被覆して構成された可撓性を有する薄膜状の電極部材であり、可動電極210と後述する絶縁部23上に設けられた電極パッドが配線を介して接続されている。
固定電極部22は、実施例1の固定電極部12と同様に、例えばSiからなる固定電極220に、流体の流路となる導入口221を設けた構成となっている。また、固定電極部22の上面全体に亘って、例えばSiOからなる絶縁部23が設けられおり、固定電極220と絶縁部23上に配置された電極パッド222が接続されている。
図4に示すように、本実施例における弁素子2は、可動電極部21の構造が弁素子1のそれとは異なっており、固定電極部22の上面全体を覆う構造ではなく、固定電極部の導入口221上部を含む一定の領域のみを覆う構成となっている。図4Bに示すように、可動電極部21は、「開」状態において、固定電極部22との間隔が段階的に変わる階段状の構成を備えており、その最下段部分において、絶縁部23に固定されるとともに、固定電極部22と絶縁されている。即ち、絶縁部23は、可動電極部21が固定されている部分において可動電極部21を支持する支持部231となる。なお、可動電極部21と固定電極部22との間隔は、可動電極部21の最下段である支持部231近傍において最も小さくなっており、導入口221を覆う最上段に向けて段階的に大きくなっている。
また、図2Bに示すように、可動電極部21は、弁が「開」状態において階段状の構成における最下段以外の部分はいずれの部材とも接続されずに宙に浮いた状態となっており、固定電極部22と可動電極部21との間は解放された構造となっている。そして、弁が「開」の時には、図4Bに示すように導入口221から導入された流体は、上記の解放された部分から排出される。即ち、本実施例における可動電極部21は排出口を設けずとも、流体を流通させることができる。
そして、可動電極210及び固定電極220に電圧を印加することで静電引力を発生させ、可動電極部21を固定電極部22に引き寄せると、図4Cに示すように、導入口221を覆う位置にある可動電極部21の最上段部分で導入口221を密閉することができ、これによって弁を「閉」の状態にすることができる。
このような構成により、本実施例に係る弁素子2においては、弁が「開」状態においては、良好な流体排出特性を得るために十分な流体排出部(解放部分)を設けることができるとともに、弁と「閉」状態にするために駆動する際には、可動電極部21の階段状の構成により、印加電圧や電極面積を大きくせずとも、可動電極部21を固定電極部22に引き寄せるために十分な駆動力を得ることができる。
<その他>
上記実施例の説明は、本発明を例示的に説明するものに過ぎず、本発明は上記の具体的な形態には限定されない。本発明は、その技術的思想の範囲内で種々の変形及び組み合わせが可能である。図5にそのような変形例を示す。
上記実施例では、可動電極部と固定電極部との間隔が段階的に大きくなる例を説明したが、両者の間隔は無段階的に変化するのであってもよい。図5Aはそのような実施例に係る弁素子3を示す図である。図5Aに示すように、可動電極部31と固定電極部32との
間隔が無段階的に変わるように、可動電極部31がいわゆるテーパー状の形状を有するように構成されていてもよい。
また、上記実施例では、いずれも固定電極部が平坦な形状であり、可動電極部が階段状の構成を備える例を説明したが、必ずしもそのような構成である必要はない。図5Bはこのような実施例に係る弁素子4を示す図である。弁素子4では、可動電極部41が平坦な形状を有し、固定電極部42が階段状の形状を有して、可動電極部41からの距離が大きくなっていく構成となっている。
また、固定電極部がテーパー状の形状を備える構成としてもよいし、可動電極部及び固定電極部のいずれもが反対向きに階段状又はテーパー状の形状を有するような構成を採用することもできる。
<付記1>
流体の流通を制御するための弁素子(2)であって、
前記流体が流通する流体導入口(221)を備える固定電極部(21)と、
前記固定電極部の一方の面側に、前記流体導入口を覆うようにして前記固定電極部から間隔を設けて配置され、前記固定電極部に対して可動に形成される可動電極部(21)と、
前記可動電極部を支持する支持部(231)と、を有し、
前記固定電極部と前記可動電極部の各電極に電圧を印加することにより生じる静電引力によって、前記可動電極部を前記固定電極部に引き付けて前記流体導入口を封止可能に構成されており、
前記固定電極部と前記可動電極部との前記間隔は、前記支持部近傍よりも前記可動電極部が前記流体導入口を覆う部分のほうが大きくなるように形成されている、
ことを特徴とする弁素子。
<付記2>
流体の流通を制御するための弁素子(1)であって、
前記流体が流通する流体導入口(121)を備える固定電極部(12)と、
前記固定電極部の一方の面側に、前記流体導入口を覆うようにして前記固定電極部から間隔を設けて配置され、前記固定電極部に対して可動に形成される可動電極部(11)と、
前記可動電極部を支持する支持部(13)と、を有し、
前記固定電極部と前記可動電極部の各電極に電圧を印加することにより生じる静電引力によって、前記可動電極部を前記固定電極部に引き付けて前記流体導入口を封止可能に構成されており、
前記固定電極部と前記可動電極部との前記間隔は、前記支持部近傍よりも前記可動電極部の中央部のほうが大きくなるように形成されている、
ことを特徴とする弁素子。
1、2、3、4・・・弁素子
11、21、31、41・・・可動電極部
12、22、32、42・・・固定電極部
13、231・・・支持部
14・・・中空部
110、210・・・可動電極
111・・・排出口
112、122、212、222・・・電極パッド
113、213・・・絶縁膜
120、220・・・固定電極
121、221・・・導入口

Claims (10)

  1. 流体の流通を制御するための弁素子であって、
    前記流体が流通する流体導入口を備える固定電極部と、
    前記固定電極部の一方の面側に、前記流体導入口を覆うようにして前記固定電極部から間隔を設けて配置され、前記固定電極部に対して可動に形成される可動電極部と、
    前記可動電極部を支持する支持部と、を有し、
    前記固定電極部と前記可動電極部の各電極に電圧を印加することにより生じる静電引力によって、前記可動電極部を前記固定電極部に引き付けて前記流体導入口を封止可能に構成されており、
    前記固定電極部と前記可動電極部との前記間隔は、前記支持部近傍よりも前記可動電極部が前記流体導入口を覆う部分のほうが大きくなるように形成されている、
    ことを特徴とする弁素子。
  2. 前記可動電極部が、前記支持部近傍から前記流体導入口を覆う部分に向けて徐々に前記間隔が大きくなるように形成されている、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の弁素子。
  3. 前記可動電極部が、前記支持部近傍から前記流体導入口を覆う部分に向けて段階的に前記間隔が大きくなるように形成されており、
    前記支持部近傍の段における前記間隔が最も小さく設定されており、前記流体導入口を覆う部分の段における、1つ前の段との段差は、前記支持部近傍の段における前記間隔よりも大きく、かつ、その他の段階における前記段差よりも小さく設定されている、
    ことを特徴とする、請求項2に記載の弁素子。
  4. 前記固定電極部が、前記支持部近傍から前記流体導入口に向けて徐々に前記間隔が大きくなるように形成されている、
    ことを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の弁素子。
  5. 前記固定電極部が、前記支持部近傍から前記流体導入口に向けて段階的に前記間隔が大きくなるように形成されており、
    前記支持部近傍の段における前記間隔が最も小さく設定されており、前記流体導入口部分の段における、1つ前の段との段差は、前記支持部近傍の段における前記間隔よりも大きく、かつ、その他の段階における前記段差よりも小さく設定されている、
    ことを特徴とする、請求項4に記載の弁素子。
  6. 流体の流通を制御するための弁素子であって、
    前記流体が流通する流体導入口を備える固定電極部と、
    前記固定電極部の一方の面側に、前記流体導入口を覆うようにして前記固定電極部から間隔を設けて配置され、前記固定電極部に対して可動に形成される可動電極部と、
    前記可動電極部を支持する支持部と、を有し、
    前記固定電極部と前記可動電極部の各電極に電圧を印加することにより生じる静電引力によって、前記可動電極部を前記固定電極部に引き付けて前記流体導入口を封止可能に構成されており、
    前記固定電極部と前記可動電極部との前記間隔は、前記支持部近傍よりも前記可動電極部の中央部のほうが大きくなるように形成されている、
    ことを特徴とする弁素子。
  7. 前記可動電極部が、前記支持部近傍から前記中央部に向けて徐々に前記間隔が大きくなるように形成されている、
    ことを特徴とする、請求項6に記載の弁素子。
  8. 前記可動電極部が、前記支持部近傍から前記中央部に向けて段階的に前記間隔が大きくなるように形成されており、
    前記支持部近傍の段における前記間隔が最も小さく設定されており、前記中央部の段における、1つ前の段との段差は、前記支持部近傍の段における前記間隔よりも大きく、かつ、その他の段階における前記段差よりも小さく設定されている、
    ことを特徴とする、請求項7に記載の弁素子。
  9. 前記固定電極部が、前記支持部近傍から前記可動電極部の前記中央部に向けて徐々に前記間隔が大きくなるように形成されている、
    ことを特徴とする、請求項6から8のいずれか一項に記載の弁素子。
  10. 前記固定電極部が、前記支持部近傍から前記可動電極部の前記中央部に向けて段階的に前記間隔が大きくなるように形成されており、
    前記支持部近傍の段における前記間隔が最も小さく設定されており、前記可動電極部の前記中央部の段における、1つ前の段との段差は、前記支持部近傍の段における前記間隔よりも大きく、かつ、その他の段階における前記段差よりも小さく設定されている、
    ことを特徴とする、請求項9に記載の弁素子。
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