JP2023101115A - サンドイッチパネルの製造方法およびサンドイッチパネル - Google Patents

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Masao Kamisaka
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Abstract

【課題】サンドイッチパネルのピンホールを低減できる技術を提供する。【解決手段】サンドイッチパネル100の製造方法は、ハニカム構造を有するシート状のコア層10と、シート状の複数のプリプレグ20とを準備する工程と、コア層10の両面にそれぞれ、プリプレグ20を1層以上積層配置して積層体を形成し、当該積層体の最外層に離型フィルム25を配置する工程と、離型フィルム25とともに前記積層体に対して加熱加圧処理を行う工程と、を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、サンドイッチパネルの製造方法およびサンドイッチパネルに関する。
サンドイッチパネルは、断面が六角形の壁で構成された中空状のハニカムコアと、このハニカムコアの両面に接合された一対のプリプレグ等の表皮材とで構成されている。軽量で高剛性な特徴をもつサンドイッチパネルは、例えば航空機用の構造部材などに使用されている。
サンドイッチパネルの製造方法としては、各種の手法が開示されている。一般的な手法として、例えば、特許文献1に記載の技術がある。同文献には、高品質かつ低コストでボイドの残存を低減する点から、ハニカムコアの上下面にプリプレグが積層された未硬化の複合材ハニカムサンドイッチパネルを真空バックで覆い、オートクレーブ内に配置した後、前記真空バック内を真空引きし、該真空引きを継続しながら、前記オートクレーブにより加熱・加圧する方法が開示されている。
特開2020-1268公報
近年、サンドイッチパネルに求められる要求は益々高まっている。なかでも、サンドイッチパネルの表面に残存するボイドは、ピンホールと呼ばれ、サンドイッチパネルの外観を損ねるといった問題があった。特許文献1に開示される技術においても、サンドイッチパネルの表面のピンホールを低減する点で改善の余地があった。
本発明者は、ピンホールをより高水準で低減すべく鋭意検討を行った結果、ハニカムコアとプリプレグを積層一体化する際に離型フィルムを用いることが有効であることを見出した。すなわち、プリプレグを構成する繊維基材の織目による凹凸がサンドイッチパネルでのピンホールの一要因となることに着目し、コア層とプリプレグを一体化する際に離型フィルムを用いることで、当該離型フィルムが上記凹凸に追従しプリプレグの表面をより均一に加熱加圧できる結果、ボイドがプリプレグの表面に顕在化しピンホールとなることを抑制できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明によれば、
ハニカム構造を有するシート状のコア層と、シート状の複数のプリプレグとを準備する工程と、
前記コア層の両面にそれぞれ、前記プリプレグを1層以上積層配置して積層体を形成し、当該積層体の最外層に離型フィルムを配置する工程と、
前記離型フィルムとともに前記積層体に対して加熱加圧処理を行う工程と、
を含む、サンドイッチパネルの製造方法が提供される。
また本発明によれば、
ハニカム構造を有するコア層と、前記コア層の両面に設けられた1層以上のプリプレグの硬化物とを備えるサンドイッチパネルであって、
前記プリプレグの硬化物の一部が前記コア層内に陥入し、
前記サンドイッチパネルの最外面を観察したときのピンホールの数密度が0~50個/cmである、サンドイッチパネルが提供される。
本発明によれば、サンドイッチパネルのピンホールを低減できる技術が提供される。
本実施形態に係るサンドイッチパネルの一例を示す概略図である。 本実施形態に係るサンドイッチパネルの製造方法の一例を示す工程断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
本明細書中、数値範囲の説明における「a~b」との表記は、特に断らない限り、a以上b以下のことを表す。例えば、「1~5質量%」とは「1質量%以上5質量%以下」を意味する。
本明細書中、MD方向とはMachine Directionを表し、樹脂の流れ方向を意図し、TD方向とは、Transverse Directionを表し、MD方向に対して垂直方向を意図する。
<サンドイッチパネル>
図1は、本実施形態に係るサンドイッチパネルの一例を示す概略図である。
本実施形態のサンドイッチパネル100は、ハニカム構造を有するコア層10と、コア層10の両面に設けられたプリプレグ20の硬化物40と、を備え、プリプレグ20の硬化物40の一部がコア層10内に陥入している。より詳細には、プリプレグ20を構成するバインダー樹脂の一部がコア層10のハニカム構造の貫通孔内に入り込み、硬化している。これは、サンドイッチパネル100の製造過程において、Bステージ状態のプリプレグ20とコア層10とを加熱加圧により一体化する際に、プリプレグ20に含まれるバインダー樹脂の一部がコア層10の上記貫通孔内に流れ込むことによって生じるものである。これにより、プリプレグ20とコア層10との強固な接合が得られる。
本実施形態において、サンドイッチパネル100の最外面を観察したときのピンホールの数密度が0~50個/cmである。
すなわち、本実施形態のサンドイッチパネル100は、後述する製造方法によって得られたものであるため従来よりもボイドの顕在化が抑制され、その結果、表面のピンホールの数密度が低減されている。
ピンホールの数密度は、少なければ少ないほど好ましく、40個/cm以下であることがより好ましく、30個/cm以下であることがさらに好ましく、20個/cm以下であることがことさらに好ましく、10個/cm以下であることが一層さらに好ましい。また、サンドイッチパネル100の両面において、上記のピンホール数密度となっていることが好適である。
ピンホールの数密度は、サンドイッチパネル100の表面を拡大鏡(4~50倍)で観察したときに視認できる穴を数え、観察した面積で割ることによって求められる。
以下、サンドイッチパネル100を構成する各部材について説明する。
[コア層]
コア層10は、例えば、ハニカム構造を備えるコア層用基材に、バインダー樹脂を含浸してなるシート状の部材を用いることができる。コア層10は、ハニカム構造により、高強度と軽量性を有することができる。
なお、ハニカム構造とは、公知の構造であり、上面から下面に亘って貫通する略正六角性の貫通孔が複数配列した構造を意図する。
コア層10のハニカム構造を備える基材としては、例えば、アラミド繊維、紙、バルサ材、プラスチック、アルミニウム、チタン、ガラス及びその合金等を公知の方法によりハニカム状に成型したものが挙げられる。耐熱性の観点から、コア層10のハニカム構造を備える基材としては、アラミド繊維を含むことが好ましい。
コア層10は、基材の形状として、織物状の繊維クロスが好ましい。これにより、ハニカム構造への加工性が良好になるとともに、サンドイッチパネル100を軽量化できる。
コア層10が織物状の繊維クロスを含む場合、繊維と繊維がクロスする箇所は製造工程において加圧されにくく、ボイドが残存しやすくなるが、本実施形態のサンドイッチパネル100においては、後述の製造方法により、ボイドが表面に顕在化しピンホールの発生要因となることを効果的に抑制できる。
コア層10の層厚としては、特に限定されないが、例えば、1mm以上50mm以下でもよく、3mm以上40mm以下でもよく、5mm以上30mm以下でもよい。
コア層10中の各コアセルサイズは、特に限定されないが、例えば、1辺が1mm以上10mm以下とすることができる。
コア層10の表面(上面、下面)の面積は限定されないが、例えば、サンドイッチパネル100一つ分の表面を有していてもよいし、サンドイッチパネル複数分を合計した表面積を有していてもよい。これにより、1枚のサンドイッチパネル100を個片化して、複数のパネルを切り出して得ることが可能になり、生産性を向上させることができる。たとえば、コア層10の表面(上面、下面)の面積は、大面積とすることができ、例えば、1m以上であってもよい。
また、コア層10は、内部および/または外部について、耐食性や耐熱性を向上させる観点から、各種の表面処理がされたものであってもよい。
[プリプレグ]
プリプレグ20としては、例えば、バインダー樹脂をプリプレグ用基材に含浸してなる、Bステージ状態のシート部材を用いることができる。
プリプレグ20の一枚当たりの厚みは、用途に応じて適宜調整されるが、好ましくは0.05~10mmであり、より好ましくは0.1~5mmである。
Bステージ状態とは、プリプレグ用基材に含浸されたバインダー樹脂について、DSC(示差走査熱量計)の測定結果から算出される反応率が、好ましくは0%を超え60%以下であり、より好ましくは0.5%以上55%以下であり、さらに好ましくは1%以上50%以下の状態であることを意味する。
プリプレグ20の上記プリプレグ用基材としては、例えば、繊維基材が挙げられる。
上記繊維基材としては、アラミド繊維、ポリエステル繊維、ポリフェニレンスルフィド繊維、炭素繊維、黒鉛繊維、ガラス繊維、および炭化珪素繊維等を用いることができる。高い耐熱性の観点から、上記繊維基材は、ガラス繊維を含むことが好ましい。
これら繊維は織物状であってもよい。織物状である場合、繊維(縦糸)と繊維(横糸)が交差する箇所は製造工程において加圧されにくく、ボイドが残存しやすくなるが、本実施形態のサンドイッチパネル100においては、後述の製造方法により、ボイドが表面に顕在化しピンホールの発生要因となることを効果的に抑制できる。
プリプレグ20は繊維基材を備えることにより、サンドイッチパネル100の耐熱性を一層向上させることができる。また、プリプレグ20とコア層10との線膨張係数差を小さくできるので、サンドイッチパネル100の反りを抑制することができる。
本実施形態において、コア層10、プリプレグ20で用いられるバインダー樹脂は、互いに同じであっても、異なっていてもよいが、効果的に密着性を向上し、耐燃焼性を高める点から、互いに同じバインダー樹脂であることが好ましい。バインダー樹脂については、後述する。
[硬化物]
プリプレグ20の硬化物のガラス転移温度(Tg)の上限値としては、例えば、250℃以下であり、好ましくは220℃以下であり、さらに好ましくは200℃以下である。これにより、低温条件にて加熱加圧処理を実施することが可能である。一方で、上記ガラス転移温度(Tg)の下限値としては、例えば、110℃以上でもよく、120℃以上でもよい。これにより、熱時特性を向上させることができる。
[用途]
本実施形態のサンドイッチパネル100は、トイレやパーテーション等の内装パネル、ワゴンの筐体等の航空機内の備品用パネル等に好適に用いることができる。
<サンドイッチパネルの製造方法>
本実施形態のサンドイッチパネル100の製造方法は、以下の工程を含む。
(工程1)ハニカム構造を有するシート状のコア層10と、シート状の複数のプリプレグ20とを準備する工程、
(工程2)コア層10の両面にそれぞれ、プリプレグ20を1層以上積層配置して積層体とし、当該積層体の最外層に離型フィルム25を配置する工程、
(工程3)離型フィルム25とともに前記積層体に対して加熱加圧処理を行う工程。
以下、各工程について説明する。
(工程1)コア層10およびプリプレグ20の準備
コア層用基材を準備する。コア層用基材は、ハニカム構造を有するものであり、アラミド繊維から形成されることが好ましい。
ハニカム構造を備える基材を準備し、バインダー樹脂を当該基材に含浸させる。その後、基材を乾燥させ、コア層10が得られる。
一方で、プリプレグ用基材を準備する。プリプレグ用基材としては、繊維基材が挙げられる。バインダー樹脂を当該プリプレグ用基材に含浸し、その後乾燥させることで、Bステージ状態のプリプレグ20が得られる。
コア層10およびプリプレグ20において、バインダー樹脂の含浸方法は、例えば、バインダー樹脂を溶媒に溶かし、得られたバインダー溶液をスプレーノズルなどの噴射装置を用いてバインダー基材に噴射して塗工する方法;当該バインダー溶液中にバインダー基材を浸漬する方法;ナイフコーター、コンマコーター等の各種コーターにより当該バインダー溶液をバインダー基材に塗工する方法;転写ロールにより当該バインダー溶液をバインダー基材に転写する方法等が挙げられる。なかでも、当該バインダー溶液中にバインダー基材を浸漬する方法が好ましい。
また、加熱乾燥する条件としては特に限定されないが、通常100~220℃、好ましくは120~190℃で2~10分間行う。
[バインダー溶液]
バインダー溶液は、バインダー樹脂などを公知の有機溶剤に溶解したものであり、公知のものを用いることができる。
バインダー樹脂は、熱硬化性樹脂が好ましく、例えば、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂およびフラン樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられる。
上記のフェノール樹脂は、縮合水が生じやすくボイドが発生しやすい傾向があるが、本実施形態のサンドイッチパネルの製造方法によれば、フェノール樹脂を用いた場合であっても、ボイドがサンドイッチパネルの表面に残存し、ピンホールとなることを効果的に低減できる。
上記のフェノール樹脂としては、分子内にフェノール性水酸基を1つ以上有する化合物が含まれ、例えば、ノボラック型フェノール、ノボラック型クレゾール、ノボラック型ナフトールなどのノボラック樹脂;ビスフェノールF、ビスフェノールAなどのビスフェノール樹脂;パラキシリレン変性フェノール樹脂などのフェノールアラルキル樹脂;ジメチレンエーテル型レゾール、メチロール型フェノール等のレゾール型フェノール樹脂;水溶性フェノール樹脂;上記樹脂等をさらにメチロール化させた化合物などが挙げられる。
また、上記の水溶性フェノール樹脂としては、具体的にはリグニン、リグニン誘導体、リグニン分解物およびこれらの変性物の中から選ばれる1種または2種以上を用いて合成されるフェノール樹脂が挙げられる。例えば、リグニン変性物としては、例えば、特公昭48-22340号公報に開示されるものが挙げられる。リグニン変性フェノール樹脂は、後述するリグニン類と、フェノール類と、アルデヒド類とを、触媒の存在下で反応させて得られる。
リグニン変性フェノール樹脂に用いるリグニン類は、リグニンおよびリグニン誘導体から選択される少なくとも1つを含む。
リグニンは、セルロース及びヘミセルロースとともに、植物体の構造を形成する主要成分であり、また、自然界に最も豊富に存在する芳香属化合物の1つである。リグニンとしては、クラフトリグニン、ソーダリグニン、ソーダ-アントラキノンリグニン等のアルカリリグニンやリグニンスルホン酸を含むパルプリグニン;オルガノソルブリグニン;高温高圧水処理リグニン;爆砕リグニン;酵素糖化リグニン;リグノフェノール;フェノール化リグニン;等が挙げられる。
リグニンの由来は特に限定されず、リグニンを含み木質部が形成される木材や草本類等が挙げられ、スギ、マツ及びヒノキ等の針葉樹、ブナ、白樺、ナラ及びケヤキ等の広葉樹、イネ、ムギ、トウモロコシ及びタケ等のイネ科植物(草本類)が挙げられる。なかでも、機械物性の観点から針葉樹由来のリグニンが好ましい。
本実施形態において、「リグニン誘導体」とは、リグニンを構成する単位構造、又はリグニンを構成する単位構造に類似する構造を有する化合物をいう。リグニン誘導体は、フェノール誘導体を単位構造とする。この単位構造は化学的及び生物学的に安定な炭素-炭素結合や炭素-酸素-炭素結合を有するため、化学的な劣化や生物的分解を受け難い。
リグニン誘導体としては、以下の式(A)で表わされるグアイアシルプロパン(フェルラ酸)、式(B)で表わされるシリンギルプロパン(シナピン酸)、及び式(C)で表わされる4-ヒドロキシフェニルプロパン(クマル酸)等が挙げられる。リグニン誘導体の組成は、原料となるバイオマスによって異なる。針葉樹類からは主にグアイアシルプロパン構造を含むリグニン誘導体が抽出される。広葉樹類からは主にグアイアシルプロパン構造及びシリンギルプロパン構造を含むリグニン誘導体が抽出される。草本類からは主にグアイアシルプロパン構造、シリンギルプロパン構造及び4-ヒドロキシフェニルプロパン構造を含むリグニン誘導体が抽出される。
Figure 2023101115000002
リグニン誘導体は、バイオマスを分解して得られたものが好ましい。バイオマスは光合成の過程で大気中の二酸化炭素を取り込み固定化したものであることから、バイオマスは大気中の二酸化炭素の増加抑制に寄与しており、バイオマスを工業的に利用することによって、地球温暖化の抑制に寄与することができる。バイオマスとしては、リグノセルロース系バイオマスが挙げられる。リグノセルロース系バイオマスとしては、リグニンを含有する植物の葉、樹皮、枝及び木材、並びにこれらの加工品等が挙げられる。リグニンを含有する植物としては、上述の広葉樹、針葉樹、及びイネ科植物等が挙げられる。
リグニン誘導体としては、リグニンとセルロースとヘミセルロースとが結合したリグノセルロースを分解したもの等が挙げられる。リグニン誘導体は、リグニン骨格を有する化合物を主成分とするリグニン分解物、セルロース分解物及びヘミセルロース分解物等を含み得る。
リグニン誘導体は、芳香環への親電子置換反応によって硬化剤が作用する反応サイトを多く有することが好ましく、反応サイト近傍の立体障害が少ない方が反応性に優れる点から、フェノール性水酸基を含む芳香環のオルト位及びパラ位の少なくとも一方が無置換であることが好ましく、リグニンの芳香族単位としてグアイアシル核や4-ヒドロキシフェニル核の構造を多く含む、針葉樹や草本類由来のリグニンが好ましい。
また、リグニン誘導体は、上記基本構造の他、リグニン誘導体に官能基を有するもの(リグニン二次誘導体)であってもよい。
また、エポキシ樹脂は、プリプレグ20の力学特性、および耐熱性の向上の点から好ましい。
上記のフラン樹脂は、フルフラール、またはフルフラールを還元して得られるフルフリルアルコールを出発物質とする重合物あるいはその前駆体(オリゴマー)である。フラン樹脂としては、例えば、フルフリルアルコール型、フルフリルアルコール・フルフラール共縮合型、フルフリルアルコール・アルデヒド共縮合型、フルフラール・ケトン共縮合型、フルフラール・フェノール共縮合型、フルフリルアルコール・尿素共縮合型、フルフリルアルコール・フェノール共縮合型等が挙げられる。また、変性フラン樹脂としては、例えばエポキシ変性、フェノール変性、アルデヒド変性、尿素変性、メラミン変性等のものが挙げられる。
上記の熱硬化性樹脂は、天然物または合成物を原料として用いたものであってもよい。なかでも、天然物由来の原料を用いた樹脂であってもよい。天然物由来の樹脂としては、例えば、リグニン変性フェノール樹脂、バイオマス由来のフルフラールから得られるフラン樹脂等が挙げられる。
また、バインダー溶液には、上記の熱硬化性樹脂以外に、他の添加剤を含むことができる。添加剤としては、特に限定されないが、例えば、無機充填材などの充填材、ゴム、熱可塑性樹脂などが挙げられる。
(工程2)積層体の形成と離型フィルムの配置
次に、図2(a)に示すように、コア層10の両面にそれぞれ準備したプリプレグ20を積層配置して積層体を形成し、当該積層体の最外層にそれぞれ離型フィルム25を配置する。
なお、プリプレグ20は、コア層10の一方の面側において、1枚であってもよく、複数枚を積層してもよい。積層数は特に限定されないが、コア層10の一方の面側において、2~5枚程度を積層することが好適である。また、プリプレグ20が複数である場合、各プリプレグ20は同一の材料および厚みのものであってもよく、互いに異なるものであってもよい。また、コア層10の各面上に配置するプリプレグ20の積層数は、互いに同じ(コア層10を中心とした対称構造)であてもよく、異なるものであってもよい。
また、本実施形態において、離型フィルム25を用いることで、加熱加圧時にプリプレグ20の微細な凹凸などに対して離型フィルム25が高度に追従できより一層均一に加熱加圧を施すことができるため、ボイドが表面に顕在化してピンホールとなることを抑制できる。また、かりにプリプレグ20の内部にボイドが発生していたとしても、離型フィルム25とプリプレグ20との界面の隙間が低減されるため、表面にボイドが顕在化することを抑制できる。
なお、かりにプリプレグ20の内部にボイドが残存していたとしても、プリプレグ20はその後硬化されるため、得られるサンドイッチパネル100の表面に顕在化することはない。
離型フィルム25は、後述する表面粗さが両面とも同じであってもよく、異なるものであってもよい。表面粗さが異なる場合、表面粗さが高い側の面がプリプレグ20となり、表面粗さが低い側の面が後述する金属板30側となることが好ましい。
なお、本実施形態では離型フィルム25を積層体の両最外層に配置した例について説明するが、離型フィルム25は積層体の少なくとも一方の最外層側に配置されればよい。
[離型フィルム]
本実施形態の離型フィルム25は、プリプレグ20とコア層10による積層体の最外層に配置され、加熱加圧時にプリプレグ20に対して追従するように加熱加圧され、その後、剥離される。また、離型フィルム25は、後述の金属板30に対しても良好な離型性を有する。
(弾性率等)
離型フィルム25は、180℃で120秒間の加熱処理を行った後に測定される貯蔵弾性率(周波数100Hz、100℃)E’が、0.05GPa以上10GPa以下を満たすことが好ましく、0.1GPa以上5GPa以下であることがより好ましい。
こうすることで、離型フィルム25の使用後(加熱プレス後)における離型フィルム25の凸凹からの剥離性を向上させることが可能である。すなわち、熱履歴を加えた後の貯蔵弾性率E’の値が上記数値範囲内となるように制御することで、離型フィルム25の使用前後(加熱プレス前後)での離型フィルム25の結晶化度の変動を大きくすることが可能となり、結果として、追従性を保持しつつ、離型性を向上させることが可能となる。また、加熱加圧処理の際に適度な弾性が得られ、より一層均一に圧力をかけることができ、サンドイッチパネル100のボイドの発生を効果的に低減できる。
また、離型フィルム25は、以下の式(1)により特定される剛性パラメーターGが25~1500であることが好ましく、50~1000であることがより好ましく、100~800であることがさらに好ましい。
剛性パラメーターG=離型フィルム25の厚み[μm]×貯蔵弾性率E’[GPa] (1)
離型フィルム25は、動的粘弾性測定装置(引張りモード、周波数1Hz、昇温速度5℃/min)で測定される150℃での貯蔵弾性率が、30MPa以上70MPa以下であることが好ましく、40MPa以上60MPa以下であることがより好ましい。
当該150℃での貯蔵弾性率を上記下限値以上とすることにより、離型フィルム25を用いて熱プレスをおこなったとしても、離型フィルム25全体において良好な硬さ、剛性が得られる結果、離型性を向上することができる。また、良好な外観の成型品が得られる。
一方、当該150℃での貯蔵弾性率を上記上限値以下とすることにより、離型フィルム25を用いて熱プレスをおこなった時の良好な離型性を保持しつつ、埋め込み性が得られやすくなる。また、また、成型品の良好な外観を保持できる。
離型フィルム25は、動的粘弾性測定装置(引張りモード、周波数1Hz、昇温速度5℃/min)で測定される150℃での損失弾性率が、4MPa以上20MPa以下であることが好ましく、5MPa以上15MPa以下であることがより好ましい。
当該150℃での損失弾性率を上記下限値以上とすることにより、離型フィルム25を用いて熱プレスをおこなったとしても、離型フィルム25全体において良好な粘性が得られる結果、離型性を保持しつつ、埋め込み性も得られるようになる。
一方、当該150℃での損失弾性率を上記上限値以下とすることにより、熱プレス時の良好な埋め込み性を保持しつつ、離型性が得られやすくなる。
離型フィルム25は、動的粘弾性測定装置(引張りモード、周波数1Hz、昇温速度5℃/min)で測定される150℃でのtanδが、0.05以上0.3以下であることが好ましく、0.1以上0.2以下であることがより好ましい。
当該150℃でのtanδを上記下限値以上とすることにより、離型フィルム25を用いて熱プレスをおこなったとしても、離型フィルム25全体において適度な粘弾性が得られる結果、離型性と埋め込み性のバランスを高めることができる。
[ループスティフネス]
実施形態において、離型フィルム25は、23℃、50%RH、幅10mm、周長120mm、押込距離20mmの条件で測定されるMD方向のループスティフネス値が45~90mNであることが好ましく、50~80mNであることがより好ましく、55~75mNであることがさらに好ましい。
当該ループスティフネス値を上記下限値以上とすることにより、離型フィルム25全体において良好な硬さ、剛性が得られる。
一方、ループスティフネス値を上記上限値以下とすることにより、良好な離型性を保持しつつ、埋め込み性が得られやすくなる。
なお、当該ループスティフネスは、ループスティフネステスター(東洋精機株式会社社製)を用いて、試験片サイズ:幅10mm×180mm、または幅15mm×180mm(離型フィルムの製膜時の流れ方向)、ループ長さ:120mm、押し込み量:20mmの条件で経時的にスティフネス強度を測定し、その間における最大値を「ループスティフネス試験により測定された値」(mN/cm)とすることができる。
本実施形態の離型フィルム25の上記貯蔵弾性率、損失弾性率等は、公知の方法で調整することができるが、例えば、離型フィルム25の全体の厚み、離型フィルム25の層構成およびその材料の組み合わせ等を制御することによって調整することができる。
(厚み)
離型フィルム25の厚みは、好ましくは50μm以上150μm以下であり、より好ましくは75μm以上140μm以下であり、さらに好ましくは90μm以上130μm以下である。こうすることで、離型フィルム25に対してより一層均一に印加することが可能となり、ボイドが表面に顕在化しピンホールとなることをより一層高度に抑制できる。
また離型フィルム25の厚みは、コア層10の一方の面に配置されたプリプレグ20全体の厚みに対して、5~40%であることが好ましく、10~30%であることがより好ましい。
(表面粗さ)
離型フィルム25の一方の面(プリプレグ20側となる面)の算術平均高さSaは0.6μm以上2.3μm以下であることが好ましく、0.7μm以上2.0μm以下であることがより好ましい。
算術平均高さSaを上記下限値以上とすることにより、プリプレグ20との離型性を高めることができる。一方、算術平均粗さSaを上記上限値以下とすることにより、プリプレグ20に対する追従性を良好に保持することができるようになる。
なお、算術平均高さSaは、ISO25178に準じて測定することができる。
離型フィルム25の一方の面(プリプレグ20側となる面)の十点平均粗さRzは、1μm以上10μm以下が好ましく、2μm以上7μm以下がより好ましい。
十点平均粗さRzを上記下限値以上とすることにより、離型性を高めることができる。一方、十点平均粗さRzを上記上限値以下とすることにより、追従性を良好に保持することができるようになる。
なお、十点平均粗さRzは、JIS B 0601(1994)に準じて測定することができる。
離型フィルム25の一方の面(プリプレグ20側となる面)の凹凸平均間隔Smは、100μm以上350μm以下であることが好ましく、150μm以上310μm以下であることがより好ましく、180μm以上300μm以下であることがさらに好ましい。凹凸平均間隔Smが上記範囲内であることにより、離型フィルム25とプリプレグ20との間のエア抜けが良好であるため、エア残りによるボイドやシワの発生が抑制される。
凹凸平均間隔Smは、JIS B 0601(1994)に準じて測定することができる。
本実施形態において離型フィルム25の表面粗さは、離型フィルム25の厚みや離型フィルム25の製造法を制御したり、後述する粒子の配合や粒子の粒径などを制御することによって調整することができる。
離型フィルム25を構成する樹脂は、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート樹脂(PTT)、ポリヘキサメチレンテレフタレート樹脂(PHT)等のポリアルキレンテレフタレート樹脂、ポリ4-メチル1-ペンテン樹脂(TPX)、シンジオタクチックポリスチレン樹脂(SPS)、およびポリプロピレン樹脂(PP)の中から選ばれる1種または2種以上を含むものであることが好ましい。なかでも、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、ポリ4-メチル1-ペンテン樹脂(TPX)、およびポリプロピレン樹脂(PP)がより好ましい。
本実施形態の離型フィルム25は、粒子を含んでもよい。粒子の平均粒径d50は、好ましくは3μm以上、より好ましくは10μm以上である。一方、粒子の平均粒径d50は、好ましくは35μm以下、より好ましくは25μm以下である。
粒子の平均粒径d50を上記下限値以上とすることで、離型フィルム25の剛性を向上させるとともに、プリプレグ20との離型性を向上させることができる。一方、粒子の平均粒径d50を上記上限値以下とすることで、離型性と追従性とのバランスを良好にし、仕上がり外観が良好なサンドイッチパネル100を作製することができる。
粒子は、離型フィルム25の剛性を効果的に向上させる観点から、無機粒子であることが好ましい。無機粒子としては、結晶性シリカ、非晶性シリカ、および溶融シリカなどのシリカ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、アルミナ、窒化アルミニウム、ほう酸アルミウイスカ、窒化ホウ素、アンチモン酸化物、Eガラス、Dガラス、Sガラス、およびゼオライトからなる群から得られる1種または2種以上を用いてなる粒子が挙げられる。無機粒子は、1種類のみの粒子を単独で使用してもよいし、異なる種類の粒子を併用してもよい。無機粒子は、樹脂との密着性を向上させる目的でシランカップリング剤など用いて表面処理を行ってもよいし、分散性を向上させる目的で無機粒子に有機被膜処理を行ったコアシェル型粒子を用いてもよい。
粒子の含有量は、離型フィルム25全体に対して、好ましくは1質量%以上30質量%以下であり、より好ましくは5質量%以上20質量%以下である。
離型フィルム25は、上記の樹脂および粒子のほか、酸化防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、染料および顔料等着色剤、安定剤等の添加剤、フッ素樹脂、シリコーンゴム等の耐衝撃性付与剤など公知の添加剤を含有してもよい。
離型フィルム25の製造方法は、上記樹脂等を含む樹脂組成物を用いて、共押出法、押出ラミネート法、ドライラミネート法、インフレーション法等公知の方法を用い、フィルム化することで得られる。また、延伸処理を施してもよい。延伸処理は、同時二軸延伸であっても逐次二軸延伸であってもよい。
また、表面粗さを調整する点から、エンボス加工等を施してもよい。
また、離型フィルム25は、単層であってもよく、多層構造であってもよい。多層構造である場合、離型面を構成する離型層の他、クッション層、補強層などの機能を有する層を備えていてもよい。例えば、離型層、クッション層、および離型層がこの順に積層された多層構造を備える離型フィルムとしてもよい。
(工程3)加熱加圧処理
続けて、図2(b)に示すように、離型フィルム25とともに上記の積層体に対して金属板30により加熱加圧処理を行う。すなわち、積層されたシート状のプリプレグ20の上下面から、離型フィルム25を介して加熱加圧し、プリプレグ20を硬化させコア層10と一体化する。これにより、プリプレグ20の硬化物40とコア層10とが強固に接合されたサンドイッチパネル100とすることができる。また、プリプレグ20の一部がコア層40の内部に陥入し、プリプレグ20とコア層10との密着性を高めることができる。
加熱加圧処理は、好ましくは110~150℃、0.1~3.0MPaであり、より好ましくは120~140℃、0.3~1.0MPaである。
加熱加圧処理の温度、および圧力を上記下限値以上とすることにより、プリプレグ20の硬化物40とコア層10とを強固に一体化できる。
一方、加熱加圧処理の温度、および圧力を上記上限値以下とすることにより、プリプレグ20の破損を抑制しつつ、適切に一体化できる。
また、本実施形態おいて、離型フィルム25を介することで、プリプレグ20の全面により一層均一に圧力をかけることができ、サンドイッチパネル100の表面にボイドが顕在化し、サンドイッチパネル100の表面にピンホールが生じることを効果的に抑制できる。なかでも、プリプレグ20の繊維基材の織目による凹凸部分に離型フィルム25が追従することでより均一に圧力が付加でき、ボイドがサンドイッチパネル100の表面に生じることを抑制できる。また、かりにプリプレグ20の一部がコア層10の内部に陥入することでプリプレグ20の表面に凹部が生じたとしても、本実施形態においては離型フィルム25を用いることにより、同様にして、ピンホールの発生を抑制できる。
金属板30は、公知のものを用いることができるが、例えば、SUS板、ブリキ板、アルミニウム板、およびマグネシウム板等の金属板が挙げられる。
また、金属板30の膜厚は、特に限定されないが、例えば、0.5mm以上10mm以下でもよく、0.8mm以上5mm以下でもよく、1.0mm以上2.0mm以下でもよい。このような範囲内とすることにより、剛性と熱伝導性のバランスを図ることができる。
その後、図2(c)に示すように、離型フィルム25および金属板30を分離することによって、サンドイッチパネル100が得られる。また、離型フィルム25は、良好な離型性を有するため、サンドイッチパネル100が金属板30に貼り付くことが抑制され、サンドイッチパネル100を容易に取り出すことができる。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
たとえば、本実施形態のサンドイッチパネル100は、目的に応じてコア層10とプリプレグ20との間にそれぞれ接着層を備えてもよい。
以下、本発明について実施例を参照して詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例の記載に何ら限定されるものではない。
(1)サンドイッチパネルの作製
<実施例1>
まず、以下手順でプリプレグを作製した。フェノール樹脂1(レゾール型フェノール樹脂、Durez社製「34370」)を配合し、ガラス繊維(#7781、HEXCEL社製)に含浸させて、シート状のプリプレグ(厚さ250μm)を得た。当該プリプレグはBステージ状態であった。
次に、得られたプリプレグを用いて、以下の手順でサンドイッチパネルを作製した。
ハニカムコア(アラミド繊維、厚み:10mm、HRH-10-1/8-3.0(HEXCEL社製)、面積:1m×3m)の両面に上記で作製したプリプレグをそれぞれ配置し積層体を得た。
続いて、表1に示すようにして、離型フィルム1(TPX(登録商標)フィルム「スミライト CEL-E960D」住友ベークライト社製、厚み120μm)を得られた積層体の上下面に配置し、さらに上下面にSUS板(厚み:1.5mm、Rz:1.0μm)を押し当て、機械プレスを用い、0.3MPa、130℃、60分で加熱加圧を行い、プリプレグを硬化させて、コア層とプリプレグとを一体化した。その後、離型フィルム1およびSUS板を分離して、サンドイッチパネルを得た。
<実施例2>
離型フィルム1の厚みを60μmとした以外は、実施例1と同様にして、サンドイッチパネルを得た。
<実施例3>
離型フィルム1を離型フィルム2(ポリプロピレンフィルム「トレファン」(登録商標)東レ社製、厚み60μm)に変更した以外は、実施例1と同様にして、サンドイッチパネルを得た。
<実施例4>
離型フィルム1を離型フィルム3(ポリエチレンテレフタレートフィルム、厚み100μm)に変更した以外は、実施例1と同様にして、サンドイッチパネルを得た。
<実施例5>
プリプレグに用いたフェノール樹脂1をフェノール樹脂2(リグニン変性フェノール樹脂「LMR-02-R4」住友ベークライト社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして、サンドイッチパネルを得た。
<比較例1>
離型フィルム1を用いなかった以外は、実施例1と同様にして、サンドイッチパネルを得た。
(2)離型フィルムの物性
上記の離型フィルムの各物性は、以下のようにして測定した。
(a)離型フィルムに対して180℃で120秒間の加熱処理を行った。その後、昇温速度5℃/分、周波数100Hzの条件で動的粘弾性(DMA)測定したとき、100℃における貯蔵弾性率E’を求めた。
(3)サンドイッチパネルの評価・測定
上記のサンドイッチパネルについて、以下の評価を行った。評価結果を表1に示す。
・ピンホールの測定
得られたサンドイッチパネルの表面側となる面を拡大鏡(4倍)を用いて観察し、ピンホールの数を測定し、密度を算出した。
また、サンドウィッチパネルの断面を観察したところ、プリプレグのバインダー樹脂の一部がコア層の内部に陥入し硬化していたことを確認した。
Figure 2023101115000003
10 コア層
20 プリプレグ
25 離型フィルム
30 金属板
40 硬化物
100 サンドイッチパネル

Claims (11)

  1. ハニカム構造を有するシート状のコア層と、シート状の複数のプリプレグとを準備する工程と、
    前記コア層の両面にそれぞれ、前記プリプレグを1層以上積層配置して積層体を形成し、当該積層体の最外層に離型フィルムを配置する工程と、
    前記離型フィルムとともに前記積層体に対して加熱加圧処理を行う工程と、
    を含む、サンドイッチパネルの製造方法。
  2. 請求項1に記載のサンドイッチパネルの製造方法であって、
    前記加熱加圧処理は、110~150℃、0.1~3.0MPaである、サンドイッチパネルの製造方法。
  3. 請求項1または2に記載のサンドイッチパネルの製造方法であって、
    前記プリプレグは、バインダー樹脂をプリプレグ用基材に含浸してなる、Bステージ状態のシート部材である、サンドイッチパネルの製造方法。
  4. 請求項3に記載のサンドイッチパネルの製造方法であって、
    前記バインダー樹脂は、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂およびフラン樹脂の中から選ばれる1種または2種以上を含む、サンドイッチパネルの製造方法。
  5. 請求項3または4に記載のサンドイッチパネルの製造方法であって、
    前記プリプレグ用基材は、織物状の繊維クロスを含む、サンドイッチパネルの製造方法。
  6. 請求項1乃至5いずれか一項に記載のサンドイッチパネルの製造方法であって、
    前記離型フィルムは、以下の式(1)により特定される剛性パラメーターGが25~1500である、サンドイッチパネルの製造方法。
    剛性パラメーターG=前記離型フィルムの厚み[μm]×貯蔵弾性率E’[GPa] (1)
    (式(1)において、当該貯蔵弾性率E’は、前記離型フィルムを180℃で120秒間の加熱処理を行った後に周波数1Hz、100℃の条件で測定される。)
  7. 請求項1乃至6いずれか一項に記載のサンドイッチパネルの製造方法であって、
    前記離型フィルムは、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート樹脂(PTT)、ポリヘキサメチレンテレフタレート樹脂(PHT)、ポリ4-メチル1-ペンテン樹脂(TPX)、シンジオタクチックポリスチレン樹脂(SPS)、およびポリプロピレン樹脂(PP)の中から選ばれる1種または2種以上を含む、サンドイッチパネルの製造方法。
  8. 請求項1乃至7いずれか一項に記載のサンドイッチパネルの製造方法であって、
    前記離型フィルムの厚みは、50μm以上150μm以下である、サンドイッチパネルの製造方法。
  9. ハニカム構造を有するコア層と、前記コア層の両面に設けられた1層以上のプリプレグの硬化物とを備えるサンドイッチパネルであって、
    前記プリプレグの硬化物の一部が前記コア層内に陥入し、
    前記サンドイッチパネルの最外面を観察したときのピンホールの数密度が0~50個/cmである、サンドイッチパネル。
  10. 請求項9に記載のサンドイッチパネルであって、
    前記プリプレグの硬化物のガラス転移温度が、110℃以上、250℃以下である、サンドイッチパネル。
  11. 請求項9または10に記載のサンドイッチパネルであって、
    内装パネルに用いられる、サンドイッチパネル。
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