JP2023100957A - 通信制御方法、ユーザ装置及びプロセッサ - Google Patents
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Abstract
【課題】基地局からユーザ装置に対してマルチキャスト・ブロードキャストサービス(MBS)を提供する移動通信システムで用いる通信制御方法を提供する。【解決手段】マルチキャスト・ブロードキャストサービス(MBS)を提供する移動通信システムで用いる通信制御方法は、基地局からユーザ装置に対して、ユーザ装置のRLC(Radio Link Control)エンティティに関する設定を行うためのメッセージを送信する。メッセージは、MBSデータを伝送するMBSトラフィックチャネルに対するRLCエンティティの動作モードを指定する情報要素を含む。【選択図】図7
Description
本発明は、移動通信システムで用いる通信制御方法、ユーザ装置及びプロセッサに関する。
近年、第5世代(5G)の移動通信システムが注目されている。5Gシステムの無線アクセス技術(RAT:Radio Access Technology)であるNR(New Radio)は、第4世代の無線アクセス技術であるLTE(Long Term Evolution)に比べて、高速・大容量かつ高信頼・低遅延といった特徴を有する。
3GPP技術仕様書「3GPP TS 38.300 V16.2.0 (2020-07)」
第1の態様に係る通信制御方法は、基地局からユーザ装置に対してマルチキャスト・ブロードキャストサービス(MBS)を提供する移動通信システムで用いる通信制御方法であって、前記基地局から前記ユーザ装置に対して、前記ユーザ装置のRLC(Radio Link Control)エンティティに関する設定を行うためのメッセージを送信することを有し、前記メッセージは、MBSデータを伝送するMBSトラフィックチャネルに対する前記RLCエンティティの動作モードを指定する情報要素を含む。
第2の態様に係る通信制御方法は、基地局からユーザ装置に対してマルチキャスト・ブロードキャストサービス(MBS)を提供する移動通信システムで用いる通信制御方法であって、前記ユーザ装置が、前記基地局からMBSデータを受信することと、前記ユーザ装置のRLC(Radio Link Control)エンティティが、前記基地局から最初に受信したMBSデータのシーケンス番号を、所定RLC動作に用いる変数の初期値として設定することとを有する。
第3の態様に係る通信制御方法は、基地局からユーザ装置に対してマルチキャスト・ブロードキャストサービス(MBS)を提供する移動通信システムで用いる通信制御方法であって、前記ユーザ装置が、前記基地局からMBSデータを受信することと、前記ユーザ装置のPDCP(Packet Data Convergence Protocol)エンティティが、前記MBSデータに対するMBS受信処理を行うことと、を有し、前記MBS受信処理を行うことは、前記PDCPエンティティが暗号解除処理及びヘッダ圧縮解除処理の少なくとも一方を行わずに、前記PDCPエンティティが重複パケット破棄処理及びパケット並べ替え処理の少なくとも一方を行うことを含む。
第4の態様に係る通信制御方法は、基地局からユーザ装置に対してマルチキャスト・ブロードキャストサービス(MBS)を提供する移動通信システムで用いる通信制御方法であって、前記ユーザ装置が、第1セルからMBSデータを受信することと、前記ユーザ装置が、前記第1セルから第2セルへのハンドオーバを行うことと、前記ユーザ装置のPDCP(Packet Data Convergence Protocol)エンティティが、前記ハンドオーバの際に前記MBSデータの受信に失敗した場合、受信に失敗したMBSデータを示すシーケンス番号を前記第2セルに送信することとを有する。
5Gシステム(NR)にマルチキャスト・ブロードキャストサービスを導入することが検討されている。NRのマルチキャスト・ブロードキャストサービスは、LTEのマルチキャスト・ブロードキャストサービスよりも改善されたサービスを提供することが望まれる。
そこで、本開示は、改善されたマルチキャスト・ブロードキャストサービスを実現することを目的とする。
図面を参照しながら、実施形態に係る移動通信システムについて説明する。図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。
(移動通信システムの構成)
まず、実施形態に係る移動通信システムの構成について説明する。図1は、実施形態に係る移動通信システムの構成を示す図である。この移動通信システムは、3GPP(登録商標)規格の第5世代システム(5GS:5th Generation System)に準拠する。以下において、5GSを例に挙げて説明するが、移動通信システムにはLTE(Long Term Evolution)システムが少なくとも部分的に適用されてもよい。
まず、実施形態に係る移動通信システムの構成について説明する。図1は、実施形態に係る移動通信システムの構成を示す図である。この移動通信システムは、3GPP(登録商標)規格の第5世代システム(5GS:5th Generation System)に準拠する。以下において、5GSを例に挙げて説明するが、移動通信システムにはLTE(Long Term Evolution)システムが少なくとも部分的に適用されてもよい。
図1に示すように、移動通信システムは、ユーザ装置(UE:User Equipment)100と、5Gの無線アクセスネットワーク(NG-RAN:Next Generation Radio Access Network)10と、5Gのコアネットワーク(5GC:5G Core Network)20とを有する。
UE100は、移動可能な無線通信装置である。UE100は、ユーザにより利用される装置であればどのような装置であっても構わないが、例えば、UE100は、携帯電話端末(スマートフォンを含む)やタブレット端末、ノートPC、通信モジュール(通信カード又はチップセットを含む)、センサ若しくはセンサに設けられる装置、車両若しくは車両に設けられる装置(Vehicle UE)、飛行体若しくは飛行体に設けられる装置(Aerial UE)である。
NG-RAN10は、基地局(5Gシステムにおいて「gNB」と呼ばれる)200を含む。gNB200は、基地局間インターフェイスであるXnインターフェイスを介して相互に接続される。gNB200は、1又は複数のセルを管理する。gNB200は、自セルとの接続を確立したUE100との無線通信を行う。gNB200は、無線リソース管理(RRM)機能、ユーザデータ(以下、単に「データ」という)のルーティング機能、モビリティ制御・スケジューリングのための測定制御機能等を有する。「セル」は、無線通信エリアの最小単位を示す用語として用いられる。「セル」は、UE100との無線通信を行う機能又はリソースを示す用語としても用いられる。1つのセルは1つのキャリア周波数に属する。
なお、gNBがLTEのコアネットワークであるEPC(Evolved Packet Core)に接続することもできる。LTEの基地局が5GCに接続することもできる。LTEの基地局とgNBとが基地局間インターフェイスを介して接続されることもできる。
5GC20は、AMF(Access and Mobility Management Function)及びUPF(User Plane Function)300を含む。AMFは、UE100に対する各種モビリティ制御等を行う。AMFは、NAS(Non-Access Stratum)シグナリングを用いてUE100と通信することにより、UE100のモビリティを管理する。UPFは、データの転送制御を行う。AMF及びUPFは、基地局-コアネットワーク間インターフェイスであるNGインターフェイスを介してgNB200と接続される。
図2は、実施形態に係るUE100(ユーザ装置)の構成を示す図である。
図2に示すように、UE100は、受信部110、送信部120、及び制御部130を備える。
受信部110は、制御部130の制御下で各種の受信を行う。受信部110は、アンテナ及び受信機を含む。受信機は、アンテナが受信する無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換して制御部130に出力する。
送信部120は、制御部130の制御下で各種の送信を行う。送信部120は、アンテナ及び送信機を含む。送信機は、制御部130が出力するベースバンド信号(送信信号)を無線信号に変換してアンテナから送信する。
制御部130は、UE100における各種の制御を行う。制御部130は、少なくとも1つのプロセッサ及び少なくとも1つのメモリを含む。メモリは、プロセッサにより実行されるプログラム、及びプロセッサによる処理に用いられる情報を記憶する。プロセッサは、ベースバンドプロセッサと、CPU(Central Processing Unit)とを含んでもよい。ベースバンドプロセッサは、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号等を行う。CPUは、メモリに記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行う。
図3は、実施形態に係るgNB200(基地局)の構成を示す図である。
図3に示すように、gNB200は、送信部210、受信部220、制御部230、及びバックホール通信部240を備える。
送信部210は、制御部230の制御下で各種の送信を行う。送信部210は、アンテナ及び送信機を含む。送信機は、制御部230が出力するベースバンド信号(送信信号)を無線信号に変換してアンテナから送信する。
受信部220は、制御部230の制御下で各種の受信を行う。受信部220は、アンテナ及び受信機を含む。受信機は、アンテナが受信する無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換して制御部230に出力する。
制御部230は、gNB200における各種の制御を行う。制御部230は、少なくとも1つのプロセッサ及び少なくとも1つのメモリを含む。メモリは、プロセッサにより実行されるプログラム、及びプロセッサによる処理に用いられる情報を記憶する。プロセッサは、ベースバンドプロセッサと、CPUとを含んでもよい。ベースバンドプロセッサは、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号等を行う。CPUは、メモリに記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行う。
バックホール通信部240は、基地局間インターフェイスを介して隣接基地局と接続される。バックホール通信部240は、基地局-コアネットワーク間インターフェイスを介してAMF/UPF300と接続される。なお、gNBは、CU(Central Unit)とDU(Distributed Unit)とで構成され(すなわち、機能分割され)、両ユニット間はF1インターフェイスで接続されてもよい。
図4は、データを取り扱うユーザプレーンの無線インターフェイスのプロトコルスタックの構成を示す図である。
図4に示すように、ユーザプレーンの無線インターフェイスプロトコルは、物理(PHY)レイヤと、MAC(Medium Access Control)レイヤと、RLC(Radio Link Control)レイヤと、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)レイヤと、SDAP(Service Data Adaptation Protocol)レイヤとを有する。
PHYレイヤは、符号化・復号、変調・復調、アンテナマッピング・デマッピング、及びリソースマッピング・デマッピングを行う。UE100のPHYレイヤとgNB200のPHYレイヤとの間では、物理チャネルを介してデータ及び制御情報が伝送される。
MACレイヤは、データの優先制御、ハイブリッドARQ(HARQ)による再送処理、及びランダムアクセスプロシージャ等を行う。UE100のMACレイヤとgNB200のMACレイヤとの間では、トランスポートチャネルを介してデータ及び制御情報が伝送される。gNB200のMACレイヤはスケジューラを含む。スケジューラは、上下リンクのトランスポートフォーマット(トランスポートブロックサイズ、変調・符号化方式(MCS))及びUE100への割当リソースブロックを決定する。
RLCレイヤは、MACレイヤ及びPHYレイヤの機能を利用してデータを受信側のRLCレイヤに伝送する。UE100のRLCレイヤとgNB200のRLCレイヤとの間では、論理チャネルを介してデータ及び制御情報が伝送される。
PDCPレイヤは、ヘッダ圧縮・伸張、及び暗号化・復号化を行う。
SDAPレイヤは、コアネットワークがQoS制御を行う単位であるIPフローとAS(Access Stratum)がQoS制御を行う単位である無線ベアラとのマッピングを行う。なお、RANがEPCに接続される場合は、SDAPが無くてもよい。
図5は、シグナリング(制御信号)を取り扱う制御プレーンの無線インターフェイスのプロトコルスタックの構成を示す図である。
図5に示すように、制御プレーンの無線インターフェイスのプロトコルスタックは、図4に示したSDAPレイヤに代えて、RRC(Radio Resource Control)レイヤ及びNAS(Non-Access Stratum)レイヤを有する。
UE100のRRCレイヤとgNB200のRRCレイヤとの間では、各種設定のためのRRCシグナリングが伝送される。RRCレイヤは、無線ベアラの確立、再確立及び解放に応じて、論理チャネル、トランスポートチャネル、及び物理チャネルを制御する。UE100のRRCとgNB200のRRCとの間に接続(RRC接続)がある場合、UE100はRRCコネクティッド状態にある。UE100のRRCとgNB200のRRCとの間に接続(RRC接続)がない場合、UE100はRRCアイドル状態にある。UE100のRRCとgNB200のRRCとの間の接続がサスペンドされている場合、UE100はRRCインアクティブ状態にある。
RRCレイヤの上位に位置するNASレイヤは、セッション管理及びモビリティ管理等を行う。UE100のNASレイヤとAMF300のNASレイヤとの間では、NASシグナリングが伝送される。
なお、UE100は、無線インターフェイスのプロトコル以外にアプリケーションレイヤ等を有する。
(MBS)
次に、実施形態に係るMBSについて説明する。MBSは、NG-RAN10からUE100に対してブロードキャスト又はマルチキャスト、すなわち、1対多(PTM:Point To Multipoint)でのデータ送信を行うサービスである。MBSは、MBMS(Multimedia Broadcast and Multicast Service)と呼ばれてもよい。なお、MBSのユースケース(サービス種別)としては、公安通信、ミッションクリティカル通信、V2X(Vehicle to Everything)通信、IPv4又はIPv6マルチキャスト配信、IPTV、グループ通信、及びソフトウェア配信等がある。
次に、実施形態に係るMBSについて説明する。MBSは、NG-RAN10からUE100に対してブロードキャスト又はマルチキャスト、すなわち、1対多(PTM:Point To Multipoint)でのデータ送信を行うサービスである。MBSは、MBMS(Multimedia Broadcast and Multicast Service)と呼ばれてもよい。なお、MBSのユースケース(サービス種別)としては、公安通信、ミッションクリティカル通信、V2X(Vehicle to Everything)通信、IPv4又はIPv6マルチキャスト配信、IPTV、グループ通信、及びソフトウェア配信等がある。
LTEにおけるMBSの送信方式には、MBSFN(Multicast Broadcast Single Frequency Network)送信及びSC-PTM(Single Cell Point To Multipoint)送信の2種類がある。図6は、実施形態に係る下りリンクの論理チャネル(Logical channel)とトランスポートチャネル(Transport channel)との対応関係を示す図である。
図6に示すように、MBSFN送信に用いる論理チャネルはMTCH(Multicast Traffic Channel)及びMCCH(Multicast Control Channel)であり、MBSFN送信に用いるトランスポートチャネルはMCH(Multicast Control Channel)である。MBSFN送信は、主にマルチセル送信用に設計されており、複数のセルからなるMBSFNエリアにおいて各セルが同じMBSFNサブフレームで同じ信号(同じデータ)の同期送信を行う。
SC-PTM送信に用いる論理チャネルはSC-MTCH(Single Cell Multicast Traffic Channel)及びSC-MCCH(Single Cell Multicast Control Channel)であり、SC-PTM送信に用いるトランスポートチャネルはDL-SCH(Downlink Shared Channel)である。SC-PTM送信は、主に単一セル送信用に設計されており、セル単位でブロードキャスト又はマルチキャストでのデータ送信を行う。SC-PTM送信に用いる物理チャネルはPDCCH(Physical Downlink Control Channel)及びPDSCH(Physical Downlink Control Channel)であり、動的なリソース割当が可能になっている。
以下において、SC-PTM伝送方式を用いてMBSが提供される一例について主として説明するが、MBSFN伝送方式を用いてMBSが提供されてもよい。また、MBSがマルチキャストにより提供される一例について主として説明する。このため、MBSをマルチキャストと読み替えてもよい。但し、MBSがブロードキャストにより提供されてもよい。
また、以下において、MBSデータとは、MBSにより送信されるデータをいう。MBS制御チャネルとは、MCCH又はSC-MCCHをいい、MBSトラフィックチャネルとは、MTCH又はSC-MTCHをいうものとする。
ネットワークは、MBSセッションごとに異なるMBSサービスを提供できる。MBSサービスは、TMGI(Temporary Mobile Group Identity)及びセッション識別子のうち少なくとも1つにより識別され、これらの識別子のうち少なくとも1つをMBSサービス識別子と呼ぶ。このようなMBSサービス識別子は、MBSセッション識別子又はマルチキャストグループ識別子と呼ばれてもよい。
(第1実施形態)
次に、上述の移動通信システム及びMBSを前提として、第1実施形態について説明する。第1実施形態は、MBS向けのRLC動作に関する実施形態である。
次に、上述の移動通信システム及びMBSを前提として、第1実施形態について説明する。第1実施形態は、MBS向けのRLC動作に関する実施形態である。
(1)MBS向けのRLC設定動作
RLCレイヤの動作モードには、AM(Acknowledged Mode)、UM(Unacknowledged Mode)、及びTM(Transparent Mode)の3つがある。これらのモードのうち、自動再送制御(ARQ:Automatic Repeat reQuest)による再送機能をサポートするモードはAMのみである。AMは、受信側のRLCエンティティから送信側のRLCエンティティに対してACKフィードバックを行うことにより再送制御を行うモードである。
RLCレイヤの動作モードには、AM(Acknowledged Mode)、UM(Unacknowledged Mode)、及びTM(Transparent Mode)の3つがある。これらのモードのうち、自動再送制御(ARQ:Automatic Repeat reQuest)による再送機能をサポートするモードはAMのみである。AMは、受信側のRLCエンティティから送信側のRLCエンティティに対してACKフィードバックを行うことにより再送制御を行うモードである。
LTEのマルチキャストサービスにおいて、RLCエンティティの動作モードはUMに設定される。しかしながら、NRのマルチキャストサービスにAMを適用可能とする仕組みを実現できれば、マルチキャスト通信の信頼性及び柔軟性を改善できると考えられる。
図7は、第1実施形態に係る動作の一例を示す図である。
図7に示すように、gNB200が管理するセルCに、RRCコネクティッド状態にあるUE100aとRRCアイドル状態にあるUE100bとが存在する。UE100a及びUE100bは、同じMBSサービス(同じMBSセッション)に属するMBSデータの受信に興味があるものとする。
gNB200は、UE100のRLCエンティティに関する設定を行うためのメッセージ(以下、「設定メッセージ」と呼ぶ)を送信する。設定メッセージは、MBSデータを伝送するMBSトラフィックチャネルに対するRLCエンティティの動作モードを指定する情報要素(以下、「RLC設定情報」と呼ぶ)を含む。
RLC設定情報は、RLCエンティティの動作モードとして、自動再送制御を行う第1モード(すなわち、AM)及び自動再送制御を行わない第2モードのいずれか一方を指定する。第2モードは、UM又はTMであるが、以下において第2モードがUMである一例について主として説明する。
例えば、gNB200は、設定メッセージをブロードキャストで送信する。RRCコネクティッド状態にあるUE100a及びRRCアイドル状態にあるUE100bのそれぞれは、設定メッセージを受信する。設定メッセージをブロードキャストで送信することにより、RRCアイドル状態にあるUE100bも設定メッセージを受信可能になる。
例えば、設定メッセージは、ブロードキャスト制御チャネル(BCCH:Broadcast Control Channel)を介して送信されるMBSシステム情報であってもよい。設定メッセージは、MBS制御チャネルを介して送信されるMBS制御情報であってもよい。
或いは、設定メッセージは、UE個別シグナリングであってもよい。例えば、設定メッセージは、RRCメッセージの一種であるRRC Reconfiguration)メッセージであってもよい。このようなUE個別シグナリングとブロードキャストシグナリングとが併用されてもよい。
この場合、MBSシステム情報又はMBS制御チャネル中でブロードキャストされている設定内容と、個別シグナリングでの設定内容とが異なっていてもよい。但し、個別シグナリングを受信するUE100(具体的には、RRCコネクティッド状態にあるUE100a)は、ブロードキャストシグナリングよりも個別シグナリングを優先して適用する。これにより、ある特定のUE100はフィードバック許可(AM)、その他のUE100はフィードバック不可(UM)といった設定を可能とする。
設定メッセージは、RLC設定情報と対応付けられた識別子を含んでもよい。この識別子は、MBSトラフィックチャネルを特定するための識別子であって、例えば、MBSサービス識別子及び/又はグループRNTI(Radio Network Temporary Identifier)である。これにより、MBSトラフィックチャネルごとにRLCエンティティの動作モードを指定可能になる。以下において、このような識別子としてMBSサービス識別子(例えば、TMGI)を用いる一例について主として説明する。
設定メッセージは、RLC設定情報及びMBSサービス識別子のセットを複数含んでもよい。例えば、設定メッセージにおいて、MBSサービス識別子#1がAMを指定するRLC設定情報と対応付けられ、MBSサービス識別子#2がUMを指定するRLC設定情報と対応付けられていてもよい。
第1実施形態において、UE100がRRCコネクティッド状態にある場合、UE100は、設定メッセージに含まれるRLC設定情報に従ってRLCエンティティの動作モードを設定してもよい。UE100は、RRCアイドル状態又はRRCインアクティブ状態にある場合、設定メッセージに含まれるRLC設定情報にかかわらず第2モード(UM)を設定してもよい。RRCアイドル状態又はRRCインアクティブ状態にあるUE100は、ACK/NACKのフィードバック(STATUS PDU)をgNB200に送信できないため、第2モード(UM)で動作させることとしている。
但し、gNB200において、MBSトラフィックチャネルと対応付けられたRLCエンティティはAMで動作する。このため、UMのRLCエンティティを有するUE100bは、gNB200からのAMのパケット(AMD PDU)を処理できる必要がある。よって、gNB200は、AMで用いるシーケンス番号長を、UMで存在するシーケンス番号長と合わせた設定に限定してもよい。例えば、AMで用いるシーケンス番号長を、UMで存在する最大のシーケンス番号長である12ビットとする。或いは、UMのパケット(UMD PDU)のシーケンス番号長を18ビットに拡張してもよい。
設定メッセージにより各UE100のRLCエンティティの動作モードが設定された後、gNB200は、MBSトラフィックチャネルを介してMBSデータを送信する。各UE100は、このMBSデータを受信する。
図8は、第1実施形態に係る動作の具体例を示す図である。
図8に示すように、ステップS101において、gNB200は、設定メッセージを送信する。ここでは、設定メッセージがブロードキャスト制御チャネル又はMBS制御チャネルで送信されるものとする。UE100は、設定メッセージを受信する。
設定メッセージを受信したUE100は、自身がRRCコネクティッド状態にあり(ステップS102:YES)、かつ設定メッセージでAMが指定された場合(ステップS103:YES)、ステップS104において、MBSトラフィックチャネルのためにAMのRLCエンティティ(AM RLCエンティティ)を設定する。
一方、設定メッセージを受信したUE100は、自身がRRCコネクティッド状態ではない(ステップS102:NO)、又は設定メッセージでUMが指定された場合(ステップS103:NO)、ステップS106において、MBSトラフィックチャネルのためにUMのRLCエンティティ(UM RLCエンティティ)を設定する。
ステップS106において、gNB200は、MBSトラフィックチャネルを介してMBSデータを送信する。UE100は、MBSデータを受信する。ここで、UE100のRLCエンティティは、MBSデータに対応するパケット(AMD PDU)を処理する。
なお、自動再送制御を行わない第2モードがUMである一例について説明したが、第2モードは、新たに定義されたRLC動作モードであってもよい。このようなRLC動作モードは、AMD PDUを受信できるもののフィードバック関連の動作(例えば、ARQ用のポーリングやStatus Reporting)は行わないという動作モードである。ブロードキャストシグナリングによりAMが指定されている場合、RRCアイドル状態又はRRCインアクティブ状態にあるUE100のRLCエンティティは、このような新たなRLC動作モードで動作してもよい。
(2)MBS向けのRLC動作
次に、第1実施形態に係るMBS向けのRLC動作について説明する。受信側のRLCエンティティは、RLCパケットの受信に応じて移動するスライディングウィンドウを用いて受信処理を行う。このようなスライディングウィンドウは、RLCエンティティの各変数により制御される。
次に、第1実施形態に係るMBS向けのRLC動作について説明する。受信側のRLCエンティティは、RLCパケットの受信に応じて移動するスライディングウィンドウを用いて受信処理を行う。このようなスライディングウィンドウは、RLCエンティティの各変数により制御される。
このようなスライディングウィンドウ制御に用いる各変数は、RLCエンティティが確立又は再確立された際に初期化される。初期値に相当するシーケンス番号は基本的に“0”であり、これを基準にスライディングウィンドウの初期位置が決まる。ユニキャスト通信の場合、UE100は、最初にシーケンス番号“0”のRLCパケットをgNB200から受信できるため、このような変数の取り扱いで問題ない。
しかしながら、MBSの場合、MBSセッションの途中からUE100が参加可能であり、どのシーケンス番号をUE100が最初に受信するか不定である。このため、最初に受信したパケットがスライディングウィンドウ外である場合がある。この場合、その後にパケットがスライディングウィンドウに入るまでRLCの受信処理ができない。よって、MBS受信の最初にバーストエラーが起きる可能性がある。
そこで、UE100のRLCエンティティは、上述のような変数を、最初に受信したRLCパケットのシーケンス番号に合わせて変更する。図9は、第1実施形態に係るRLC動作を示す図である。
図9に示すように、ステップS201において、UE100のRLCエンティティは、gNB200からMBSデータ(RLCパケット)を受信する。
ステップS202において、UE100のRLCエンティティは、gNB200から最初に受信したMBSデータ(RLCパケット)のシーケンス番号を、所定RLC動作(例えば、スライディングウィンドウ制御)に用いる変数の初期値として設定する。
これにより、最初に受信したパケットがスライディングウィンドウに入ることが保証され、RLCの受信処理が正常に動作する。よって、MBS受信の最初にバーストエラーが起きる可能性を低減できる。
図10は、第1実施形態に係るAMのRLC動作を示す図である。図10に示すように、UE100のAM RLCエンティティは、スライディングウィンドウの一種である受信ウィンドウ(Reciving window)を管理する。UE100のAM RLCエンティティは、受信ウィンドウ内で受信するパケットを受信バッファ(Reception buffer)に一時的に格納して再構築(Reassemble)したうえで上位レイヤに渡す。UE100のAM RLCエンティティは、受信ウィンドウ外のシーケンス番号(SN)を有するパケットを破棄(Discard)する。受信ウィンドウのサイズは、シーケンス番号長(SN length)に応じて定まる。このような受信ウィンドウの始点を定める変数は“RX_Next”と呼ばれる。UE100のAM RLCエンティティは、gNB200から最初に受信したMBSデータ(RLCパケット)のシーケンス番号を変数“RX_Next”の初期値として設定する。
図11は、第1実施形態に係るUMのRLC動作を示す図である。図11に示すように、UE100のUM RLCエンティティは、スライディングウィンドウの一種である再構築ウィンドウ(Reassembly window)と、パケット破棄に用いるウィンドウ(ここではDiscard windowと呼ぶ)とを管理する。UE100のUM RLCエンティティは、Reassembly window内であって、かつDiscard window外のシーケンス番号を有するパケットを受信バッファ(Reception buffer)内で再構築(Reassemble)したうえで上位レイヤに渡す。それ以外のシーケンス番号を有するパケットは破棄(Discard)する。このようなReassembly windowの終点を定める変数は“RX_Next_Highest”と呼ばれる。UE100のUM RLCエンティティは、gNB200から最初に受信したMBSデータ(RLCパケット)のシーケンス番号を変数“RX_Next_Highest”の初期値として設定する。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について、第1実施形態との相違点を主として説明する。第2実施形態は、MBS向けのPDCP動作に関する実施形態である。
次に、第2実施形態について、第1実施形態との相違点を主として説明する。第2実施形態は、MBS向けのPDCP動作に関する実施形態である。
(1)MBS向けのPDCP動作
LTEのマルチキャスト・ブロードキャストのサービスにおいてPDCPエンティティは用いられていない。しかしながら、NRのMBSではハンドオーバがサポートされることが想定されており、ハンドオーバ時のパケット損失の補償をPDCPエンティティが実施できることが望まれる。また、PDCPエンティティが2つのパスで同一PDCPパケットを二重に送信するPDCPデュプリケーションをMBSに適用する場合、PDCPエンティティが必要である。
LTEのマルチキャスト・ブロードキャストのサービスにおいてPDCPエンティティは用いられていない。しかしながら、NRのMBSではハンドオーバがサポートされることが想定されており、ハンドオーバ時のパケット損失の補償をPDCPエンティティが実施できることが望まれる。また、PDCPエンティティが2つのパスで同一PDCPパケットを二重に送信するPDCPデュプリケーションをMBSに適用する場合、PDCPエンティティが必要である。
ここで、マルチキャストの場合、例えばMBSセッションの途中から通信に参加したUE100が次のPDCP受信動作を行うと、パケットを正常に処理できない虞がある。
・ヘッダ圧縮解除処理(Header Decompression)
PDCPのヘッダ圧縮は、最初に受信側PDCPエンティティで受信したパケットの上位レイヤのヘッダ(IPヘッダ等)を保存し、送信側PDCPエンティティが2つ目のパケットからヘッダを除去して送信し、受信側PDCPエンティティで保存してあるヘッダを結合して上位エンティティへ渡すことでヘッダ圧縮(IPヘッダ圧縮等)を実現している。このため、途中からMBSセッションに参加したUE100は最初のパケットを受信していないため、ヘッダ圧縮解除(すなわち、パケット再生)ができない。
PDCPのヘッダ圧縮は、最初に受信側PDCPエンティティで受信したパケットの上位レイヤのヘッダ(IPヘッダ等)を保存し、送信側PDCPエンティティが2つ目のパケットからヘッダを除去して送信し、受信側PDCPエンティティで保存してあるヘッダを結合して上位エンティティへ渡すことでヘッダ圧縮(IPヘッダ圧縮等)を実現している。このため、途中からMBSセッションに参加したUE100は最初のパケットを受信していないため、ヘッダ圧縮解除(すなわち、パケット再生)ができない。
・暗号解除処理(De-ciphering)
PDCPパケットが暗号化されている場合、UE識別子等から導かれるキーやシーケンス番号などの情報が無いと暗号解除(復号)ができない。例えば、途中からMBSセッションに参加したUE100は、暗号解除に必要な情報を有していないため、暗号解除ができない。
PDCPパケットが暗号化されている場合、UE識別子等から導かれるキーやシーケンス番号などの情報が無いと暗号解除(復号)ができない。例えば、途中からMBSセッションに参加したUE100は、暗号解除に必要な情報を有していないため、暗号解除ができない。
一方で、PDCPデュプリケーションのように複数のベアラ(すなわち、複数のデータパス)を1つのPDCPエンティティで終端する場合、次のPDCP受信動作が必要になり得る。
・重複パケット破棄処理(Duplicate discarding)
複数のベアラを介して重複PDCPパケット(すなわち、同一のシーケンス番号を有する複数のPDCPパケット)を受信した場合、重複を避けるためにパケット破棄を行う必要がある。具体的には、受信側PDCPエンティティは、同一のシーケンス番号を有する複数のPDCPパケットのうち1つを残して上位レイヤに渡すとともに他のPDCPパケットを破棄する。
複数のベアラを介して重複PDCPパケット(すなわち、同一のシーケンス番号を有する複数のPDCPパケット)を受信した場合、重複を避けるためにパケット破棄を行う必要がある。具体的には、受信側PDCPエンティティは、同一のシーケンス番号を有する複数のPDCPパケットのうち1つを残して上位レイヤに渡すとともに他のPDCPパケットを破棄する。
・パケット並べ替え処理(Reordering)
受信側PDCPエンティティは、PDCPパケットをシーケンス番号順に受信しない場合、PDCPパケットをシーケンス番号順に並べ替えたうえで上位レイヤに渡す必要がある。但し、UMベアラの場合、パケット並べ替え処理は行わなくてもよい。
受信側PDCPエンティティは、PDCPパケットをシーケンス番号順に受信しない場合、PDCPパケットをシーケンス番号順に並べ替えたうえで上位レイヤに渡す必要がある。但し、UMベアラの場合、パケット並べ替え処理は行わなくてもよい。
よって、第2実施形態において、MBSサービスのベアラを含む複数のベアラを介してPDCPパケットを受信する受信側PDCPエンティティは、MBS受信用のPDCP受信動作を行う。具体的には、MBS受信用のPDCP受信動作において、受信側PDCPエンティティは、暗号解除処理及びヘッダ圧縮解除処理の少なくとも一方を行わずに、重複パケット破棄処理及びパケット並べ替え処理の少なくとも一方を行う。受信側PDCPエンティティは、PDCPヘッダ除去も行ってもよい。
図12及び図13は、第2実施形態に係るPDCP動作モードを説明するための図である。第2実施形態において、PDCPエンティティは、3つの動作モードのうちいずれかで動作する。
図12に示すように、モードAは、MBSデータ以外のユーザデータ(例えば、ユニキャストデータ)のベアラに適用されるモードである。モードAにおいて、送信側PDCPエンティティは、上位レイヤからのパケットに対して、シーケンス番号付与処理、ヘッダ圧縮処理、暗号化処理、PDCPヘッダ付与処理、及びルーティング/デュプリケーション処理を行う。受信側PDCPエンティティは、送信側PDCPエンティティからのパケットに対して、PDCPヘッダ除去処理、暗号解除処理、パケット並べ替え処理、重複パケット破棄処理、及びヘッダ圧縮解除処理を行う。
モードBは、RRCメッセージ等の制御データのベアラに適用されるモードである。モードBにおいて、送信側PDCPエンティティは、上位レイヤからのパケットに対して、シーケンス番号付与処理、ヘッダ圧縮処理、PDCPヘッダ付与処理、及びルーティング/デュプリケーション処理を行う。受信側PDCPエンティティは、送信側PDCPエンティティからのパケットに対して、PDCPヘッダ除去処理、及びヘッダ圧縮解除処理を行う。
図13に示すように、モードCは、MBSデータのベアラ(MBSベアラ)に適用されるモードである。モードCにおいて、送信側PDCPエンティティは、上位レイヤからのパケットに対して、シーケンス番号付与処理、PDCPヘッダ付与処理、及びルーティング/デュプリケーション処理を行う。受信側PDCPエンティティは、送信側PDCPエンティティからのパケットに対して、PDCPヘッダ除去処理、パケット並べ替え処理、及び重複パケット破棄処理を行う。
MBSのためにgNB200は、UE100のPDCPエンティティがモードCで動作するようにUE100に設定を行う。例えば、gNB200は、ベアラを設定するためのRRCメッセージ(例えば、RRC Reconfigurationメッセージ)をUE100に送信する。
ここで、gNB200は、当該ベアラがMBS用のベアラ(MBSベアラ)であることを示す情報要素を設定情報に含める。例えば、RRCメッセージ中の各ベアラ設定において、”multicast-bearer ENUM(true) optional”といった情報要素が追加される。
UE100は、このようなRRCメッセージをgNB200から受信すると、モードCで動作するMBS用のPDCPエンティティを生成する。MBS用のPDCPエンティティは、MBSベアラに属するMBSデータに対してMBS受信処理を行う。
図14は、第2実施形態に係るPDCP動作の一例を示す図である。
図14に示すように、ステップS301において、UE100のPDCPエンティティは、gNB200からMBSデータ(PDCPパケット)を受信する。ここで、gNB200のPDCPエンティティは、MBSサービス(MBSセッション)に属するPDCPパケットに対してヘッダ圧縮処理及び暗号化処理を行っていないものとする。
ステップS302において、UE100のPDCPエンティティは、受信したPDCPパケットに対してPDCPヘッダ除去を行った後、受信バッファを用いて重複パケット破棄処理及び/又はパケット並べ替え処理を行う。但し、UE100のPDCPエンティティは、受信したPDCPパケットに対して、ヘッダ圧縮解除処理及び暗号解除処理を行わない。
(2)MBS受信中のハンドオーバ時のPDCP動作
次に、第2実施形態に係るMBS受信中のハンドオーバ時のPDCP動作について説明する。UE100は、MBS受信中にハンドオーバを実行し得る。ハンドオーバとは、RRCコネクティッド状態にあるUE100のセル切替動作をいう。以下において、ハンドオーバ前後の各セル(すなわち、ソースセル及びターゲットセル)が同じMBSサービス(同じMBSセッション)を提供する場合を主として想定する。
次に、第2実施形態に係るMBS受信中のハンドオーバ時のPDCP動作について説明する。UE100は、MBS受信中にハンドオーバを実行し得る。ハンドオーバとは、RRCコネクティッド状態にあるUE100のセル切替動作をいう。以下において、ハンドオーバ前後の各セル(すなわち、ソースセル及びターゲットセル)が同じMBSサービス(同じMBSセッション)を提供する場合を主として想定する。
UE100がMBS受信中にハンドオーバを実行すると、ターゲットセルへの接続動作等に起因して、MBSデータのパケット欠損が発生する虞がある。PDCPレイヤは、UE100からgNB200へのフィードバック(status report)に基づくPDCPパケットの再送機能を有する。第2実施形態では、MBS受信中のハンドオーバ時のパケット欠損をPDCPレイヤの再送機能によりターゲットセルで補完可能にする。
図15は、第2実施形態に係るハンドオーバ動作を示す図である。図15において、ソースセルC1及びターゲットセルC2を1つのgNB200が管理している一例を示している。
図15に示すように、RRCコネクティッド状態にあるUE100は、ソースセルC1からMBSデータを受信しつつ、ソースセルC1からターゲットセルC2へのハンドオーバを行う。ここで、UE100のPDCPエンティティは、ハンドオーバの際にMBSデータの受信に失敗した場合、ハンドオーバ後において、受信に失敗したMBSデータ(PDCPパケット)を示すシーケンス番号(具体的には、PDCPシーケンス番号)をターゲットセルC2に送信する。
UE100のPDCPエンティティは、ソースセルC1からハンドオーバコマンドが設定された場合(RRCレイヤがPDCP再確立を要求した場合)、PDCP再確立処理の完了後に、ターゲットセルC2に対して欠損パケットのシーケンス番号を送信する。UE100は、欠損パケットのシーケンス番号と対応付けられたMBSサービス識別子をターゲットセルC2にさらに送信してもよい。UE100のPDCPエンティティは、PDCPレイヤの状態報告(Status Report)メッセージに、受信に失敗したMBSデータ(すなわち、欠損したPDCPパケット)を示すシーケンス番号を含めて、状態報告メッセージをターゲットセルC2に送信してもよい。
gNB200は、ターゲットセルC2を介してUE100から欠損パケットのシーケンス番号を受信すると、当該シーケンス番号に基づいて、ターゲットセルC2を介して欠損パケットをUE100に送信(再送)する。これにより、MBS受信中のハンドオーバ時のパケット欠損をPDCPレイヤの再送機能によりターゲットセルC2で補完できるため、MBS受信の信頼性を高めることができる。
図16は、第2実施形態に係るハンドオーバ動作の他の例を示す図である。図15において、ソースセルC1及びターゲットセルC2を別々のgNB200(gNB200A及びgNB200B)が管理している一例を示している。
図16に示す動作環境において、ソースセルC1及びターゲットセルC2が非同期でMBSサービスを提供しているものとする。すなわち、ターゲットセルC2は、ターゲットセルC1が提供するMBSサービス(MBSセッション)を提供していない。
このような場合において、ターゲットセルC2を管理するgNB200Bは、UE100から欠損パケットのシーケンス番号を受信しても、当該欠損パケットを保持していない。このため、gNB200Bは、ソースセルC1を管理するgNB200Aに対して、当該欠損シーケンス番号(及びMBSサービス識別子)を通知する。gNB200Aは、gNB200Bからの通知に基づいて当該欠損パケット(PDCPパケット)をgNB200Bに転送する(データフォワーディング)。gNB200Bは、gNB200AからのPDCPパケットをUE100に送信する。
(その他の実施形態)
上述の各実施形態は、別個独立に実施する場合に限らず、2以上の実施形態を組み合わせて実施可能である。
上述の各実施形態は、別個独立に実施する場合に限らず、2以上の実施形態を組み合わせて実施可能である。
UE100又はgNB200が行う各処理をコンピュータに実行させるプログラムが提供されてもよい。プログラムは、コンピュータ読取り可能媒体に記録されていてもよい。コンピュータ読取り可能媒体を用いれば、コンピュータにプログラムをインストールすることが可能である。ここで、プログラムが記録されたコンピュータ読取り可能媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD-ROMやDVD-ROM等の記録媒体であってもよい。
また、UE100又はgNB200が行う各処理を実行する回路を集積化し、UE100又はgNB200の少なくとも一部を半導体集積回路(チップセット、SoC)として構成してもよい。
以上、図面を参照して実施形態について詳しく説明したが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
本願は、日本国特許出願第2020-132044号(2020年8月3日出願)の優先権を主張し、その内容の全てが本願明細書に組み込まれている。
Claims (3)
- 基地局からユーザ装置に対してマルチキャスト・ブロードキャストサービス(MBS)を提供する移動通信システムで用いる通信制御方法であって、
前記ユーザ装置が、前記基地局からMBSデータを受信することと、
前記ユーザ装置のRLC(Radio Link Control)エンティティが、前記基地局から最初に受信したMBSデータのシーケンス番号を、所定RLC動作に用いる変数の初期値として設定することと、を有する
通信制御方法。 - ユーザ装置であって、
基地局からマルチキャスト・ブロードキャストサービス(MBS)データを受信する受信部と、
前記基地局から最初に受信したMBSデータのシーケンス番号を、所定RLC(Radio Link Control)動作に用いる変数の初期値として設定する制御部と、を備える
ユーザ装置。 - ユーザ装置を制御するプロセッサであって、
基地局からマルチキャスト・ブロードキャストサービス(MBS)データを受信する処理と、
前記基地局から最初に受信したMBSデータのシーケンス番号を、所定RLC(Radio Link Control)動作に用いる変数の初期値として設定する処理と、を実行する
プロセッサ。
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