JP2023099915A - 電子制御装置、及び点火制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】制御信号線の故障時にも点火制御の信頼性を高める。【解決手段】内燃機関の点火を制御する電子制御装置であって、内燃機関の各気筒の点火信号を生成する点火信号生成部と、点火信号の異常を検出する異常検出部と、イグナイタと点火信号生成部とを接続する信号回路を切り替える回路切替部とを備え、点火信号生成部は、異常検出部が異常を検出すると、異常が検出されていない第1の気筒の第1の点火信号と、異常が検出されている第2の気筒の第2の点火信号とが一つの信号線で出力されるように生成し、切替信号を回路切替部に出力する異常時モードに切り替え、回路切替部は、切替信号に従って、第1の点火信号の出力タイミングで、第1の点火信号が第1の気筒のイグナイタに送信されるように信号回路を接続し、第2の点火信号の出力タイミングで、第2の点火信号が第2の気筒のイグナイタに送信されるように信号回路を接続する。【選択図】図1
Description
本発明は、電子制御装置に関し、特に内燃機関の点火制御技術に関する。
内燃機関の制御装置において、気筒に噴射された燃料と空気の混合気体に点火するタイミングは、電子制御装置(Electronic Control Unit)から出力される制御信号によって制御される。電子制御装置は、点火角度及びドエル角(カムシャフト一回転中に点火放電のための充電回路が閉じている一気筒分の回転角度)の情報から点火信号を生成し、気筒数分設けられた制御信号線へ送出する。各制御信号線は、対応する気筒のイグナイタに接続されている。
本技術分野の背景技術として、以下の先行技術がある。特許文献1には、第1判別部でクランク角センサ信号間のカム角センサ信号の個数に応じて気筒を判別し、第2判別部でクランク角センサ信号の信号間隔の変化から気筒グループを判別し、第3判定部でカム角センサ信号の信号間隔の変化から気筒を判別する。また、カム角センサ異常検出部でカム角センサ信号間のクランク角センサ信号入力回数によってカム角センサ系の異常を検出し、クランク角センサ異常検出部でクランク角センサ信号間のカム角センサ信号入力回数によってクランク角センサ系の異常を検出する。そして、判別結果選択部で、両系統が共に正常の場合には第1判別部の判別結果を選択し、一方の系統に異常が検出された場合、第2判別部或いは第3判別部の判別結果を選択し、フェールセーフ制御を行なうエンジンの気筒判別装置が記載されている。
制御信号線に断線などのハードウェア故障が生じると、電子制御装置が生成した点火信号がイグナイタへ到達しなくなり、故障した制御信号線に対応する気筒の点火制御が困難になる。
本発明は、制御信号線の故障時にも点火制御の信頼性を高めることを目的とする。
本願において開示される発明の代表的な一例を示せば以下の通りである。すなわち、複数気筒の内燃機関の点火を制御する電子制御装置であって、前記内燃機関の各気筒の点火信号を生成する点火信号生成部と、前記点火信号の異常を検出する異常検出部と、イグナイタと前記点火信号生成部とを接続する信号回路を切り替える回路切替部とを備え、前記点火信号生成部は、前記異常検出部が異常を検出すると、異常が検出されていない第1の気筒の第1の点火信号と、前記異常が検出されている第2の気筒の第2の点火信号とが一つの信号線で出力されるように生成し、切替信号を前記回路切替部に出力する異常時モードに切り替え、前記回路切替部は、前記切替信号に従って、前記第1の点火信号の出力タイミングで、前記第1の点火信号が前記第1の気筒のイグナイタに送信されるように前記信号回路を接続し、前記第2の点火信号の出力タイミングで、前記第2の点火信号が前記第2の気筒のイグナイタに送信されるように前記信号回路を接続することを特徴とする。
本発明の一態様によれば、点火制御の信頼性を高めることができる。前述した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施例の説明によって明らかにされる。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための実施例を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施例の電子制御装置1の構成図である。
本実施例の電子制御装置1は、自動車への搭載に好適な、例えば4気筒の内燃機関の点火を制御するものであり、マイコン10、異常検出部20、回路切替部(マルチプレクサ)30、及び不揮発性メモリ40を有する。マイコン10は、メモリ(図示省略)に記憶されたプログラムの実行によって電子制御装置1の機能部を実現する。この機能部は、例えば、内燃機関の点火を制御するためイグナイタ50へ制御信号を生成する点火信号生成部11である。点火信号生成部11内には、点火信号生成部1~4が設けられており、各気筒毎の点火タイミングに合わせて点火信号を生成する。点火信号生成部11、異常検出部20、及び回路切替部30は、各々が気筒数mずつ設けられており。専ら自身の担当する気筒の点火信号の出力を制御し、対向する気筒の点火信号の出力を制御可能となっている。
図1に示す4個の点火信号を送信する制御信号線は、異常検出部20及び回路切替部30を介して4個のイグナイタ50と接続される。気筒数がN個の場合、制御信号線及びイグナイタ50は、それぞれN個ずつ設けられる。イグナイタ50は、内燃機関の気筒に噴射された燃料と空気の混合気体へ点火する。制御信号線は、点火角度及びドエル角を指定する点火信号を伝送し、異常検出部20を介して回路切替部30に伝えられる。図1に示す例では、異常検出部20は、マイコン10と別体に(例えばASICによって)構成されているが、マイコン10が実行するプログラムによって実装してもよい。
回路切替部30は、自身が担当する気筒及び代替制御を行う気筒の2本の制御信号線のいずれかを切り替えて、スイッチを介してイグナイタ50へ接続する。選択する信号線の組み合わせは、例えば、互いに点火のタイミングが離れる組み合わせが選出されるとよい。図1に示す例では、制御信号線1が第1気筒のイグナイタと接続される状態と、第3気筒のイグナイタと接続される状態に切り替えられるようにしている。これにより、制御信号線3に異常が発生した場合、第1気筒に用いる制御信号線1を用いて第3気筒の点火制御のバックアップ制御が可能になる。同様に、制御信号線1に異常が発生した場合、第3気筒に用いる制御信号線3を用いて第1気筒の点火制御のバックアップ制御が可能になる。これによって、制御信号線1と制御信号線3を相互に補完できる。
異常検出部20は、イグナイタ50から点火信号のループバックと点火信号生成部11から受信した点火信号を比較し、制御信号線の異常の有無を診断し、診断結果を点火信号生成部11へ送信し、診断結果を不揮発性メモリ40に格納する。点火信号生成部11は、異常検出部20から受信した診断結果を用いて、各イグナイタ50に対して接続している2本の制御信号線のうちどちらの制御信号線をイグナイタ50と接続するか決定し、切り替え信号を作成し、回路切替部30に伝達する。回路切替部30は、点火信号生成部11から受信した切り替え信号に従って、指定された制御信号線をイグナイタ50に接続する。
図2は、4気筒において、正常時に制御信号線に流れる点火信号の例を示す図である。一般的に、複数気筒の場合、それぞれの気筒における点火角度は重ならない様に配置される。本実施例では、1エンジンサイクル=クランク角720°とし、それを気筒数で除した角度で点火位置をずらして配置する。気筒1の点火角度をθ1とすると、θ1からドエル角分さかのぼった角度θ2(以下点火前角度と呼称する)で点火信号1の信号レベルをHiにし、点火角度θ1でLoにする。
図3は、4気筒において、気筒3及び気筒4の点火信号系の異常時に本実施例の点火制御を適用した場合の、制御信号線に流れる点火信号の例を示す図である。この例では、制御信号線1と制御信号線3、制御信号線2と制御信号線4を組み合わせた場合を説明する。点火信号1では、図2で生成した点火信号1に加え、点火信号3の点火前角度θ3及び点火角度θ4で制御信号線1の信号レベルを切り替える。同様に、点火信号2に対しても点火信号4の点火前角度及び点火角度で制御信号線2の信号レベルを切り替える。気筒数が偶数の場合、特定の気筒mに対して対向位置に存在する気筒はm+(N/2)となる(Nは気筒数)。ここで、m=1、2、…、(N/2)である。以降の説明では、気筒mの制御信号に、さらに気筒m+(N/2)の信号を重ねた信号を気筒mの制御信号として扱う。また、制御信号線3で制御信号線1をバックアップし(又は、制御信号線1で制御信号線3をバックアップし)、制御信号線2と制御信号線4については通常に制御してもよい。このように、内燃機関の気筒数が偶数の場合、点火信号生成部11は、点火順が奇数の気筒同士(例えば、気筒1と気筒3)を点火タイミングの順に組み合わせて、組み合わせられた気筒1と気筒3の点火信号1と点火信号3を一つの制御信号線で出力するように生成する。また、点火順が偶数の気筒同士(例えば、気筒2と気筒4)を点火タイミングの順に組み合わせて、組み合わせられた気筒2と気筒4の点火信号2と点火信号4を一つの制御信号線で出力するように生成する。
次に、本実施例の気筒mにおける制御方法を説明する。
図4は、本実施例の気筒1の制御を示す図であり、図3の出力を実現するための制御方法を示す。マイコン10は上位のアプリケーションから指示された点火角度やドエル角などの設定値に基づいて、点火信号の信号レベル及び信号レベルを変化させるタイミング(以下、出力設定と呼称する)を算出する。マイコン10は算出した出力設定から、制御信号線に流す点火信号レベルのHi又はLoを制御して回路切替部30へ点火信号を送信する。ここで、本来の出力信号が対象とする気筒である気筒1の出力設定に加えて、対向気筒3の出力設定を複製する。このようにして、1信号線に2種類の出力設定を割り当てる。また、点火信号生成部11は、出力設定切替フラグmを作成する。図では、出力設定切替フラグ1を用いて、気筒1の出力設定か対向気筒3の出力設定どちらを使用するかを切り替える。出力設定切替フラグ1は、自身の気筒の点火角度(角度θ1からθ2)で「本来の出力設定を使用する」に設定し、対向気筒の点火角度(角度θ3からθ4)で「対向気筒の出力設定を使用する」となるように制御する。図4の場合、気筒1の点火完了後、十分離れた角度(角度θ5)で「対向気筒の出力設定を使用する」に切り替え、対向気筒3の点火完了後、十分離れた角度(角度θ6)で「本来の出力設定を使用する」に切り替える。この様にして、気筒1の制御信号に気筒3の制御信号を重ねた信号を生成できる。
図5は、図4に示す気筒1に対向する気筒3の制御を示す図であり、図3の出力を実現するための制御方法を示す。気筒1側で気筒3の点火信号を制御する場合、気筒3側からは点火信号を出力しないため、信号レベルがLoとなるように制御する。この時、出力設定切替フラグ3は、自身の気筒の点火角度(角度θ3からθ4)で「対向気筒の出力設定を使用する」に設定し、対向気筒の点火角度(角度θ1からθ2)で「本来の出力設定を使用する」となるように制御する。図5の場合、出力設定切替フラグ3を気筒3の点火完了後、十分離れた角度(角度θ6)で「本来の出力設定を使用する」に切り替え、気筒1の点火完了後、十分離れた角度(角度θ5)で「対向気筒の出力設定を使用する」に切り替えることで、気筒3の点火信号はLo固定となる。このような制御によって、異常が発生した信号線の代替手段として正常な信号線で運転が可能となる。
図6は、制御機能切り替えフラグを用いる制御方法の例を示す図であり、従来の制御方法と本実施例の制御方法とを切り替える制御方法を示す。制御機能切り替えフラグは、従来の制御方法と本実施例の制御方法のどちらを使用するか切り替えるために使用される。マイコン10は、制御機能切り替えフラグがOFFの時は、切り替えフラグの値に関係なく、自身の出力設定を参照する。
図7、図8及び図9を参照して、図4及び図5のタイミングチャートに示す点火制御における異常検出部m、点火信号生成部m及び回路切替部mの動作を説明する。
図7は、異常検出部20が実行する処理のフローチャートである。異常検出部20は制御信号mについて断線などの異常を判定する(ステップS1)。例えば、異常検出部20は、イグナイタ50から受信した点火信号mのループバックと、点火信号生成部11から受信した点火信号mを比較し、制御信号線の異常を判定する。異常検出部20が異常を検出した場合、異常が発生した気筒の番号(m)を不揮発性メモリ40に記憶し、制御機能切り替えフラグをONにする(ステップS2)。
図8は、点火信号生成部11が実行する、気筒mの出力設定切替フラグmを生成する処理のフローチャートである。点火信号生成部11は、他のアプリケーションから現在のクランク角を取得できる。出力設定切替フラグmは、ONのときは対向気筒側の出力設定を使用し、OFFの時は自身の気筒の出力設定を使用することを意味する。
点火信号生成部11は、制御機能切り替えフラグがONであるかを判定する(ステップS3)。制御機能切り替えフラグがONの場合はステップS4以降の点火制御処理を実行し、制御機能切り替えフラグがOFFの場合は出力設定切替フラグmをOFFに設定し(ステップS11)、出力設定切替フラグ生成処理を終了する。
ステップS4では、点火信号生成部11は、異常検出部20が記憶した、異常が発生した気筒の番号を取得し、取得した異常気筒番号が自身の気筒の番号であるかを判定する。その結果、取得した異常気筒番号が自身の気筒の番号である場合(ステップS4でYES)、現在のクランク角を参照し、現在のクランク角と自身の気筒の点火角度の前後を判定する(ステップS5)。現在のクランク角が自身の気筒に対する点火角度より前の場合、出力設定切替フラグmをONに設定し(ステップS7)、現在のクランク角が対向気筒側の点火角度より前の場合、出力設定切替フラグmをOFFに設定する(ステップS8)。
一方、取得した異常気筒番号が自身の気筒の番号でない場合(ステップS4でNO)、自身の気筒に対する点火角度の前で出力設定切替フラグmをOFFに設定し(ステップS9)、対向気筒側の点火角度の前で出力設定切替フラグmをONに設定する(ステップS10)。その後、図4及び図5に記載した方法を用いて点火信号mを生成する。
図9は、回路切替部mによる気筒mの制御処理のフローチャートである。回路切替部mは気筒毎に一つずつ設けられる。回路切替部mは、自身の気筒mの出力設定切替フラグmを参照し(ステップS12)、出力設定切替フラグがONの場合、制御信号線mと対向気筒側のイグナイタm+(N/2)を接続する(ステップS13)。一方、出力設定切替フラグがOFFの場合、制御信号線mと自身のイグナイタmを接続する(ステップS14)。以上の制御によって、異常検知した場合は、一つの点火信号生成部11が生成した点火信号が複数のイグナイタ50に送信される。
実施例1では、内燃機関の気筒数が偶数であり、気筒mと対向気筒m+(N/2)の組み合わせを想定したが、点火角度及びドエル角度が十分離れている場合は別の組み合わせでもよい。また、気筒数が奇数でも点火の時間間隔が近接しない組み合わせを選択すればよい。例えば、3気筒の場合、互いに点火時間間隔が近接してない任意の2本の信号線を組み合わせるとよい。5気筒の場合、信号線mとm+(N/2)(ただし、(N/2)は小数点以下切り捨て)の組み合わせ等、点火時間が離れている組み合わせを選択すればよい。また、異常検出時は精密に制御せずに、制御機能切り替えフラグをOFFとし固定の組み合わせで制御してもよい。
また、異常検出部20が検出した異常情報は不揮発性メモリ40に記憶される。記憶された異常情報は、通常制御に復帰した場合も消去せずにログとして保存される。
ここまで制御信号線に異常が検出された気筒の点火信号を他の気筒の制御信号線で送る例を説明したが、点火信号生成部11は、異常が検出された気筒の点火信号の出力を停止してもよい。このとき、異常が検出された気筒への燃料の噴射も停止するとよい。
また、点火信号生成部11は、異常検出部20が前記異常が検出された気筒の回復を検出すると、各気筒の信号線で点火信号を出力し、各気筒が別個に制御されるような切替信号を回路切替部30に出力する通常モードに切り替えるとよい。この通常モードへの切り戻しは、内燃機関の再始動のタイミング(例えば、車両の再起動による内燃機関の再始動時や、アイドリングストップからの内燃機関の再始動時など)にすると、切り替えタイミングによる点火不良が生じなくてよい。
以上に説明したように、本実施例の電子制御装置1は、内燃機関の各気筒の点火信号を生成する点火信号生成部11と、点火信号の異常を検出する異常検出部20と、イグナイタ50と点火信号生成部11とを接続する信号回路を切り替える回路切替部30とを備え、点火信号生成部11は、異常検出部20が異常を検出すると、異常が検出されていない第1の気筒(気筒1)の第1の点火信号と、異常が検出されている第2の気筒(気筒3)の第2の点火信号とが一つの信号線で出力されるように生成し、切替信号を回路切替部30に出力する異常時モードに切り替え、回路切替部30は、切替信号に従って、気筒1用の点火信号を出力するタイミングで、気筒1のイグナイタ50に点火信号が送信されるように信号回路を接続し、気筒3用の点火信号を出力するタイミングで、気筒3のイグナイタ50に点火信号が送信されるように信号回路を接続するので、異常が発生した制御信号線の代替として別の制御信号線を使用することで、点火信号がイグナイタ50へ継続して到達するようにし、点火制御の信頼性を高めることができ、制御信号線に異常が生じた際も全気筒の動作が可能となる。
また、内燃機関の気筒の数は偶数であり、点火信号生成部11は、点火順が奇数の気筒同士(気筒1と3)又は点火順が偶数の気筒同士(気筒2と4)を点火タイミングの順に組み合わせて、組み合わせられた気筒の各々の点火信号を生成するので、点火タイミングが隣接しない気筒の制御信号線で信号回路を構成するので、点火信号の制御タイミングが遠くなり、制御に余裕が生じる。
また、異常検出部20は信号回路の断線を検出するので、簡単な回路構成で制御信号線の異常を検出できる。また、断線はマイコン10を使わずにハードウェアロジックで容易に検出可能であることから、マイコン10の処理負荷を増加させずに制御信号線の異常を検出できる。
また、回路切替部30は、気筒3の前の点火タイミングの気筒2の点火タイミング(図4のθ5)で、気筒3への信号回路を切り替える。すなわち、異常が発生した気筒3の点火タイミングから一つ以上前の気筒で切り替えるので、信号回路の切り換えから気筒3の点火タイミングまで十分な時間を確保し、切り替えが間に合わないことによって誤ったタイミングでイグナイタ50に点火信号が到達することによる異常燃焼を防止できる。
また、点火信号生成部11は、異常が検出された気筒3の点火信号の出力を停止するので、異常が発生した気筒の燃焼を休止して、安全を確保できる。
また、点火信号生成部11は、異常検出部20が気筒3の異常からの回復を検出すると、内燃機関の再始動のタイミングで異常時モードから通常モードに切り替え、通常モードでは、気筒1の点火信号と異なる信号回路で出力されるように気筒3の点火信号を生成し、さらに、各気筒が独立して制御されるように信号回路を切り替えるための切替信号を回路切替部30に出力するので、故障時の代替的な点火制御から通常制御に戻すことで、制御性の良い通常制御で運転できる。
また、点火信号生成部11は、内燃機関の再始動のタイミングで異常時モードから通常モードに切り替える。すなわち、内燃機関の動作中にも動作中に異常モードへ切り替えるが、内燃機関の再始動時に異常モードから正常モードへ切り戻す。内燃機関の動作中に正常モードに戻すと異常燃焼や燃焼不良が生じると危険であることから、内燃機関の再始動時に異常モードから正常モードへ切り戻すこととした。また、内燃機関の動作中に正常モードに戻すと運転者が違和感を感じることがあり、内燃機関の再始動時に異常モードから正常モードへ切り戻すことによって運転者が感じる違和感を防止できる。
また、電子制御装置1は、電源遮断時に記憶内容を保持可能な不揮発性メモリ40を備え、異常検出部20は、検出した異常の情報を不揮発性メモリ40に記憶し、気筒の異常の回復を検出しても、記憶された異常の情報を不揮発性メモリ40から消去しないので、後で点火信号の異常を解析でき、異常の原因の分析に使用できる。
なお、本発明は前述した実施例に限定されるものではなく、添付した特許請求の範囲の趣旨内における様々な変形例及び同等の構成が含まれる。例えば、前述した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに本発明は限定されない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えてもよい。また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えてもよい。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をしてもよい。
また、前述した各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等により、ハードウェアで実現してもよく、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し実行することにより、ソフトウェアで実現してもよい。
各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリ、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置、又は、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に格納することができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、実装上必要な全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には、ほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えてよい。
1 電子制御装置
10 マイコン
11 点火信号生成部
20 異常検出部
30 回路切替部
40 不揮発性メモリ
50 イグナイタ
10 マイコン
11 点火信号生成部
20 異常検出部
30 回路切替部
40 不揮発性メモリ
50 イグナイタ
Claims (11)
- 複数気筒の内燃機関の点火を制御する電子制御装置であって、
前記内燃機関の各気筒の点火信号を生成する点火信号生成部と、
前記点火信号の異常を検出する異常検出部と、
イグナイタと前記点火信号生成部とを接続する信号回路を切り替える回路切替部とを備え、
前記点火信号生成部は、前記異常検出部が異常を検出すると、異常が検出されていない第1の気筒の第1の点火信号と、前記異常が検出されている第2の気筒の第2の点火信号とが一つの信号線で出力されるように生成し、切替信号を前記回路切替部に出力する異常時モードに切り替え、
前記回路切替部は、前記切替信号に従って、前記第1の点火信号の出力タイミングで、前記第1の点火信号が前記第1の気筒のイグナイタに送信されるように前記信号回路を接続し、前記第2の点火信号の出力タイミングで、前記第2の点火信号が前記第2の気筒のイグナイタに送信されるように前記信号回路を接続することを特徴とする電子制御装置。 - 請求項1に記載の電子制御装置であって、
前記内燃機関の気筒の数は偶数であり、
前記点火信号生成部は、点火順が奇数の気筒同士又は点火順が偶数の気筒同士を点火タイミングの順に組み合わせて、前記組み合わせられた気筒の各々を前記第1の気筒及び前記第2の気筒とし、前記第1の点火信号及び前記第2の点火信号を生成することを特徴とする電子制御装置。 - 請求項1に記載の電子制御装置であって、
前記異常検出部は、前記信号回路の断線を検出することを特徴とする電子制御装置。 - 請求項1に記載の電子制御装置であって、
前記回路切替部は、前記第2の気筒の前の点火タイミングの気筒の点火タイミングで、前記第2の気筒への前記信号回路を切り替えることを特徴とする電子制御装置。 - 請求項1に記載の電子制御装置であって、
前記切替信号は、ハイ又はローの信号レベルを選択的に出力し、
前記回路切替部は、前記切替信号のレベルの変化に応じて前記信号回路を切り替えることを特徴とする電子制御装置。 - 請求項1に記載の電子制御装置であって、
前記点火信号生成部は、前記第2の点火信号の出力を停止することを特徴とする電子制御装置。 - 請求項1に記載の電子制御装置であって、
前記点火信号生成部は、
前記異常検出部が前記第2の気筒の異常からの回復を検出すると、前記異常時モードから通常モードに切り替え、
前記通常モードでは、前記第1の点火信号と異なる信号回路で出力されるように前記第2の点火信号を生成し、さらに、各気筒が独立して制御されるように前記信号回路を切り替えるための切替信号を前記回路切替部に出力することを特徴とする電子制御装置。 - 請求項7に記載の電子制御装置であって、
前記点火信号生成部は、前記内燃機関の再始動のタイミングで前記通常モードに切り替えることを特徴とする電子制御装置。 - 請求項1に記載の電子制御装置であって、
電源遮断時に記憶内容を保持可能な不揮発性メモリを備え、
前記異常検出部は、
検出した異常の情報を前記不揮発性メモリに記憶し、
前記第2の気筒の異常の回復を検出しても、前記記憶された異常の情報を前記不揮発性メモリから消去しないことを特徴とする電子制御装置。 - 請求項1に記載の電子制御装置であって、
前記内燃機関の気筒の数は奇数であり、
前記点火信号生成部は、点火順が離れた位置にある複数の気筒を組み合わせて、前記組み合わせられた気筒の各々を前記第1の気筒及び前記第2の気筒とし、前記第1の点火信号及び前記第2の点火信号を生成することを特徴とする電子制御装置。 - 電子制御装置が複数気筒の内燃機関の点火を制御する点火制御方法であって、
前記電子制御装置は、前記内燃機関の各気筒の点火信号を生成する点火信号生成部と、前記点火信号の異常を検出する異常検出部と、イグナイタと前記点火信号生成部とを接続する信号回路を切り替える回路切替部とを有し、
前記点火制御方法は、
前記異常検出部が、前記点火信号の異常が発生している気筒を検出し、
前記点火信号生成部が、前記異常検出部が異常を検出すると、異常が検出されていない第1の気筒の第1の点火信号と、前記異常が検出されている第2の気筒の第2の点火信号とが一つの信号線で出力されるように生成し、切替信号を前記回路切替部に出力し、
前記回路切替部が、前記切替信号に従って、前記第1の点火信号の出力タイミングで、前記第1の点火信号が前記第1の気筒のイグナイタに送信されるように前記信号回路を接続し、前記第2の点火信号の出力タイミングで、前記第2の点火信号が前記第2の気筒のイグナイタに送信されるように前記信号回路を接続することを特徴とする点火制御方法。
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