JP2023099234A - 有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子機器 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子機器 Download PDF

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JP2023099234A
JP2023099234A JP2020065976A JP2020065976A JP2023099234A JP 2023099234 A JP2023099234 A JP 2023099234A JP 2020065976 A JP2020065976 A JP 2020065976A JP 2020065976 A JP2020065976 A JP 2020065976A JP 2023099234 A JP2023099234 A JP 2023099234A
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聡美 田崎
Satomi Tazaki
和樹 西村
Kazuki Nishimura
良多 高橋
Ryota Takahashi
裕基 中野
Hironori Nakano
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Idemitsu Kosan Co Ltd
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Abstract

【課題】発光効率が向上した有機エレクトロルミネッセンス素子を提供すること。【解決手段】陽極3と、陰極4と、第一の発光層51と、第一の発光層51と陰極4との間に配置された第二の発光層52と、を有し、第一の発光層51は、特定の化合物である第一の化合物を第一のホスト材料として含有し、第二の発光層52は、特定の化合物である第二の化合物を第二のホスト材料として含有し、第一の発光層51と第二の発光層52とが、直接、接している、有機エレクトロルミネッセンス素子1。【選択図】図1

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子機器に関する。
有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」という場合がある。)は、携帯電話及びテレビ等のフルカラーディスプレイへ応用されている。有機EL素子に電圧を印加すると、陽極から正孔が発光層に注入され、また陰極から電子が発光層に注入される。そして、発光層において、注入された正孔と電子とが再結合し、励起子が形成される。このとき、電子スピンの統計則により、一重項励起子が25%の割合で生成し、及び三重項励起子が75%の割合で生成する。
有機EL素子の性能向上を図るため、有機EL素子に用いる化合物について様々な検討がなされている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。有機EL素子の性能としては、例えば、輝度、発光波長、色度、発光効率、駆動電圧、及び寿命が挙げられる。
特開2019-161218号公報 特開2019-96823号公報
本発明の目的の一つは、性能が向上した有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することである。また、本発明の別の目的の一つは、発光効率が向上した有機エレクトロルミネッセンス素子を提供すること、及び当該有機エレクトロルミネッセンス素子を搭載した電子機器を提供することである。
本発明の一態様によれば、陽極と、陰極と、前記陽極及び前記陰極の間に配置された第一の発光層と、前記第一の発光層と前記陰極との間に配置された第二の発光層と、を有し、前記第一の発光層は、下記一般式(11)で表される基を少なくとも1つ有し、かつ下記一般式(1)で表される第一の化合物を第一のホスト材料として含有し、前記第二の発光層は、下記一般式(2)で表される第二の化合物を第二のホスト材料として含有し、前記第一の発光層と前記第二の発光層とが、直接、接している、有機エレクトロルミネッセンス素子が提供される。
Figure 2023099234000002
(前記一般式(1)において、
101~R110のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、又は
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成し、
前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ及び前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR101~R110は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
-C(=O)R801で表される基、
-COOR802で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基、又は
前記一般式(11)で表される基であり、
ただし、前記置換もしくは無置換の単環が置換基を有する場合の当該置換基、前記置換もしくは無置換の縮合環が置換基を有する場合の当該置換基、並びにR101~R110の少なくとも1つが、前記一般式(11)で表される基であり、
前記一般式(11)で表される基が複数存在する場合、複数の前記一般式(11)で表される基は、互いに同一であるか又は異なり、
101は、
単結合、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
Ar101は、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
mxは、0、1、2、3、4又は5であり、
101が2以上存在する場合、2以上のL101は、互いに同一であるか、又は異なり、
Ar101が2以上存在する場合、2以上のAr101は、互いに同一であるか、又は異なり、
前記一般式(11)中の*は、前記一般式(1)で表される環との結合位置を示す。)
Figure 2023099234000003
(前記一般式(2)において、
201~R208は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
-N(R906)(R907)で表される基、
置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
-C(=O)R801で表される基、
-COOR802で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
201及びL202は、それぞれ独立に、
単結合、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
Ar201及びAr202は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
(前記一般式(1)で表される第一の化合物及び前記一般式(2)で表される第二の化合物中、R901、R902、R903、R904、R905、R906、R907、R801及びR802は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
901が複数存在する場合、複数のR901は、互いに同一であるか又は異なり、
902が複数存在する場合、複数のR902は、互いに同一であるか又は異なり、
903が複数存在する場合、複数のR903は、互いに同一であるか又は異なり、
904が複数存在する場合、複数のR904は、互いに同一であるか又は異なり、
905が複数存在する場合、複数のR905は、互いに同一であるか又は異なり、
906が複数存在する場合、複数のR906は、互いに同一であるか又は異なり、
907が複数存在する場合、複数のR907は、互いに同一であるか又は異なり、
801が複数存在する場合、複数のR801は、互いに同一であるか又は異なり、
802が複数存在する場合、複数のR802は、互いに同一であるか又は異なる。)
本発明の一態様によれば、前述の本発明の一態様に係る有機エレクトロルミネッセンス素子を搭載した電子機器が提供される。
本発明の一態様によれば、性能が向上した有機エレクトロルミネッセンス素子を提供できる。また、本発明の一態様によれば、発光効率が向上した有機エレクトロルミネッセンス素子を提供できる。また、本発明の一態様によれば、当該有機エレクトロルミネッセンス素子を搭載した電子機器を提供できる。
本発明の一実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子の一例の概略構成を示す図である。
[定義]
本明細書において、水素原子とは、中性子数が異なる同位体、即ち、軽水素(protium)、重水素(deuterium)、及び三重水素(tritium)を包含する。
本明細書において、化学構造式中、「R」等の記号や重水素原子を表す「D」が明示されていない結合可能位置には、水素原子、即ち、軽水素原子、重水素原子、又は三重水素原子が結合しているものとする。
本明細書において、環形成炭素数とは、原子が環状に結合した構造の化合物(例えば、単環化合物、縮合環化合物、架橋化合物、炭素環化合物、及び複素環化合物)の当該環自体を構成する原子のうちの炭素原子の数を表す。当該環が置換基によって置換される場合、置換基に含まれる炭素は環形成炭素数には含まない。以下で記される「環形成炭素数」については、別途記載のない限り同様とする。例えば、ベンゼン環は環形成炭素数が6であり、ナフタレン環は環形成炭素数が10であり、ピリジン環は環形成炭素数5であり、フラン環は環形成炭素数4である。また、例えば、9,9-ジフェニルフルオレニル基の環形成炭素数は13であり、9,9’-スピロビフルオレニル基の環形成炭素数は25である。
また、ベンゼン環に置換基として、例えば、アルキル基が置換している場合、当該アルキル基の炭素数は、ベンゼン環の環形成炭素数に含めない。そのため、アルキル基が置換しているベンゼン環の環形成炭素数は、6である。また、ナフタレン環に置換基として、例えば、アルキル基が置換している場合、当該アルキル基の炭素数は、ナフタレン環の環形成炭素数に含めない。そのため、アルキル基が置換しているナフタレン環の環形成炭素数は、10である。
本明細書において、環形成原子数とは、原子が環状に結合した構造(例えば、単環、縮合環、及び環集合)の化合物(例えば、単環化合物、縮合環化合物、架橋化合物、炭素環化合物、及び複素環化合物)の当該環自体を構成する原子の数を表す。環を構成しない原子(例えば、環を構成する原子の結合を終端する水素原子)や、当該環が置換基によって置換される場合の置換基に含まれる原子は環形成原子数には含まない。以下で記される「環形成原子数」については、別途記載のない限り同様とする。例えば、ピリジン環の環形成原子数は6であり、キナゾリン環の環形成原子数は10であり、フラン環の環形成原子数は5である。例えば、ピリジン環に結合している水素原子、又は置換基を構成する原子の数は、ピリジン環形成原子数の数に含めない。そのため、水素原子、又は置換基が結合しているピリジン環の環形成原子数は、6である。また、例えば、キナゾリン環の炭素原子に結合している水素原子、又は置換基を構成する原子については、キナゾリン環の環形成原子数の数に含めない。そのため、水素原子、又は置換基が結合しているキナゾリン環の環形成原子数は10である。
本明細書において、「置換もしくは無置換の炭素数XX~YYのZZ基」という表現における「炭素数XX~YY」は、ZZ基が無置換である場合の炭素数を表し、置換されている場合の置換基の炭素数を含めない。ここで、「YY」は、「XX」よりも大きく、「XX」は、1以上の整数を意味し、「YY」は、2以上の整数を意味する。
本明細書において、「置換もしくは無置換の原子数XX~YYのZZ基」という表現における「原子数XX~YY」は、ZZ基が無置換である場合の原子数を表し、置換されている場合の置換基の原子数を含めない。ここで、「YY」は、「XX」よりも大きく、「XX」は、1以上の整数を意味し、「YY」は、2以上の整数を意味する。
本明細書において、無置換のZZ基とは「置換もしくは無置換のZZ基」が「無置換のZZ基」である場合を表し、置換のZZ基とは「置換もしくは無置換のZZ基」が「置換のZZ基」である場合を表す。
本明細書において、「置換もしくは無置換のZZ基」という場合における「無置換」とは、ZZ基における水素原子が置換基と置き換わっていないことを意味する。「無置換のZZ基」における水素原子は、軽水素原子、重水素原子、又は三重水素原子である。
また、本明細書において、「置換もしくは無置換のZZ基」という場合における「置換」とは、ZZ基における1つ以上の水素原子が、置換基と置き換わっていることを意味する。「AA基で置換されたBB基」という場合における「置換」も同様に、BB基における1つ以上の水素原子が、AA基と置き換わっていることを意味する。
「本明細書に記載の置換基」
以下、本明細書に記載の置換基について説明する。
本明細書に記載の「無置換のアリール基」の環形成炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、6~50であり、好ましくは6~30、より好ましくは6~18である。
本明細書に記載の「無置換の複素環基」の環形成原子数は、本明細書に別途記載のない限り、5~50であり、好ましくは5~30、より好ましくは5~18である。
本明細書に記載の「無置換のアルキル基」の炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、1~50であり、好ましくは1~20、より好ましくは1~6である。
本明細書に記載の「無置換のアルケニル基」の炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、2~50であり、好ましくは2~20、より好ましくは2~6である。
本明細書に記載の「無置換のアルキニル基」の炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、2~50であり、好ましくは2~20、より好ましくは2~6である。
本明細書に記載の「無置換のシクロアルキル基」の環形成炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、3~50であり、好ましくは3~20、より好ましくは3~6である。
本明細書に記載の「無置換のアリーレン基」の環形成炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、6~50であり、好ましくは6~30、より好ましくは6~18である。
本明細書に記載の「無置換の2価の複素環基」の環形成原子数は、本明細書に別途記載のない限り、5~50であり、好ましくは5~30、より好ましくは5~18である。
本明細書に記載の「無置換のアルキレン基」の炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、1~50であり、好ましくは1~20、より好ましくは1~6である。
・「置換もしくは無置換のアリール基」
本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアリール基」の具体例(具体例群G1)としては、以下の無置換のアリール基(具体例群G1A)及び置換のアリール基(具体例群G1B)等が挙げられる。(ここで、無置換のアリール基とは「置換もしくは無置換のアリール基」が「無置換のアリール基」である場合を指し、置換のアリール基とは「置換もしくは無置換のアリール基」が「置換のアリール基」である場合を指す。)本明細書において、単に「アリール基」という場合は、「無置換のアリール基」と「置換のアリール基」の両方を含む。
「置換のアリール基」は、「無置換のアリール基」の1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基を意味する。「置換のアリール基」としては、例えば、下記具体例群G1Aの「無置換のアリール基」の1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基、及び下記具体例群G1Bの置換のアリール基の例等が挙げられる。尚、ここに列挙した「無置換のアリール基」の例、及び「置換のアリール基」の例は、一例に過ぎず、本明細書に記載の「置換のアリール基」には、下記具体例群G1Bの「置換のアリール基」におけるアリール基自体の炭素原子に結合する水素原子がさらに置換基と置き換わった基、及び下記具体例群G1Bの「置換のアリール基」における置換基の水素原子がさらに置換基と置き換わった基も含まれる。
・無置換のアリール基(具体例群G1A):
フェニル基、
p-ビフェニル基、
m-ビフェニル基、
o-ビフェニル基、
p-ターフェニル-4-イル基、
p-ターフェニル-3-イル基、
p-ターフェニル-2-イル基、
m-ターフェニル-4-イル基、
m-ターフェニル-3-イル基、
m-ターフェニル-2-イル基、
o-ターフェニル-4-イル基、
o-ターフェニル-3-イル基、
o-ターフェニル-2-イル基、
1-ナフチル基、
2-ナフチル基、
アントリル基、
ベンゾアントリル基、
フェナントリル基、
ベンゾフェナントリル基、
フェナレニル基、
ピレニル基、
クリセニル基、
ベンゾクリセニル基、
トリフェニレニル基、
ベンゾトリフェニレニル基、
テトラセニル基、
ペンタセニル基、
フルオレニル基、
9,9’-スピロビフルオレニル基、
ベンゾフルオレニル基、
ジベンゾフルオレニル基、
フルオランテニル基、
ベンゾフルオランテニル基、
ペリレニル基、及び
下記一般式(TEMP-1)~(TEMP-15)で表される環構造から1つの水素原子を除くことにより誘導される1価のアリール基。
Figure 2023099234000004
Figure 2023099234000005
・置換のアリール基(具体例群G1B):
o-トリル基、
m-トリル基、
p-トリル基、
パラ-キシリル基、
メタ-キシリル基、
オルト-キシリル基、
パラ-イソプロピルフェニル基、
メタ-イソプロピルフェニル基、
オルト-イソプロピルフェニル基、
パラ-t-ブチルフェニル基、
メタ-t-ブチルフェニル基、
オルト-t-ブチルフェニル基、
3,4,5-トリメチルフェニル基、
9,9-ジメチルフルオレニル基、
9,9-ジフェニルフルオレニル基
9,9-ビス(4-メチルフェニル)フルオレニル基、
9,9-ビス(4-イソプロピルフェニル)フルオレニル基、
9,9-ビス(4-t-ブチルフェニル)フルオレニル基、
シアノフェニル基、
トリフェニルシリルフェニル基、
トリメチルシリルフェニル基、
フェニルナフチル基、
ナフチルフェニル基、及び
前記一般式(TEMP-1)~(TEMP-15)で表される環構造から誘導される1価の基の1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基。
・「置換もしくは無置換の複素環基」
本明細書に記載の「複素環基」は、環形成原子にヘテロ原子を少なくとも1つ含む環状の基である。ヘテロ原子の具体例としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、ケイ素原子、リン原子、及びホウ素原子が挙げられる。
本明細書に記載の「複素環基」は、単環の基であるか、又は縮合環の基である。
本明細書に記載の「複素環基」は、芳香族複素環基であるか、又は非芳香族複素環基である。
本明細書に記載の「置換もしくは無置換の複素環基」の具体例(具体例群G2)としては、以下の無置換の複素環基(具体例群G2A)、及び置換の複素環基(具体例群G2B)等が挙げられる。(ここで、無置換の複素環基とは「置換もしくは無置換の複素環基」が「無置換の複素環基」である場合を指し、置換の複素環基とは「置換もしくは無置換の複素環基」が「置換の複素環基」である場合を指す。)本明細書において、単に「複素環基」という場合は、「無置換の複素環基」と「置換の複素環基」の両方を含む。
「置換の複素環基」は、「無置換の複素環基」の1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基を意味する。「置換の複素環基」の具体例は、下記具体例群G2Aの「無置換の複素環基」の水素原子が置き換わった基、及び下記具体例群G2Bの置換の複素環基の例等が挙げられる。尚、ここに列挙した「無置換の複素環基」の例や「置換の複素環基」の例は、一例に過ぎず、本明細書に記載の「置換の複素環基」には、具体例群G2Bの「置換の複素環基」における複素環基自体の環形成原子に結合する水素原子がさらに置換基と置き換わった基、及び具体例群G2Bの「置換の複素環基」における置換基の水素原子がさらに置換基と置き換わった基も含まれる。
具体例群G2Aは、例えば、以下の窒素原子を含む無置換の複素環基(具体例群G2A1)、酸素原子を含む無置換の複素環基(具体例群G2A2)、硫黄原子を含む無置換の複素環基(具体例群G2A3)、及び下記一般式(TEMP-16)~(TEMP-33)で表される環構造から1つの水素原子を除くことにより誘導される1価の複素環基(具体例群G2A4)を含む。
具体例群G2Bは、例えば、以下の窒素原子を含む置換の複素環基(具体例群G2B1)、酸素原子を含む置換の複素環基(具体例群G2B2)、硫黄原子を含む置換の複素環基(具体例群G2B3)、及び下記一般式(TEMP-16)~(TEMP-33)で表される環構造から誘導される1価の複素環基の1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基(具体例群G2B4)を含む。
・窒素原子を含む無置換の複素環基(具体例群G2A1):
ピロリル基、
イミダゾリル基、
ピラゾリル基、
トリアゾリル基、
テトラゾリル基、
オキサゾリル基、
イソオキサゾリル基、
オキサジアゾリル基、
チアゾリル基、
イソチアゾリル基、
チアジアゾリル基、
ピリジル基、
ピリダジニル基、
ピリミジニル基、
ピラジニル基、
トリアジニル基、
インドリル基、
イソインドリル基、
インドリジニル基、
キノリジニル基、
キノリル基、
イソキノリル基、
シンノリル基、
フタラジニル基、
キナゾリニル基、
キノキサリニル基、
ベンゾイミダゾリル基、
インダゾリル基、
フェナントロリニル基、
フェナントリジニル基、
アクリジニル基、
フェナジニル基、
カルバゾリル基、
ベンゾカルバゾリル基、
モルホリノ基、
フェノキサジニル基、
フェノチアジニル基、
アザカルバゾリル基、及びジアザカルバゾリル基。
・酸素原子を含む無置換の複素環基(具体例群G2A2):
フリル基、
オキサゾリル基、
イソオキサゾリル基、
オキサジアゾリル基、
キサンテニル基、
ベンゾフラニル基、
イソベンゾフラニル基、
ジベンゾフラニル基、
ナフトベンゾフラニル基、
ベンゾオキサゾリル基、
ベンゾイソキサゾリル基、
フェノキサジニル基、
モルホリノ基、
ジナフトフラニル基、
アザジベンゾフラニル基、
ジアザジベンゾフラニル基、
アザナフトベンゾフラニル基、及び
ジアザナフトベンゾフラニル基。
・硫黄原子を含む無置換の複素環基(具体例群G2A3):
チエニル基、
チアゾリル基、
イソチアゾリル基、
チアジアゾリル基、
ベンゾチオフェニル基(ベンゾチエニル基)、
イソベンゾチオフェニル基(イソベンゾチエニル基)、
ジベンゾチオフェニル基(ジベンゾチエニル基)、
ナフトベンゾチオフェニル基(ナフトベンゾチエニル基)、
ベンゾチアゾリル基、
ベンゾイソチアゾリル基、
フェノチアジニル基、
ジナフトチオフェニル基(ジナフトチエニル基)、
アザジベンゾチオフェニル基(アザジベンゾチエニル基)、
ジアザジベンゾチオフェニル基(ジアザジベンゾチエニル基)、
アザナフトベンゾチオフェニル基(アザナフトベンゾチエニル基)、及び
ジアザナフトベンゾチオフェニル基(ジアザナフトベンゾチエニル基)。
・下記一般式(TEMP-16)~(TEMP-33)で表される環構造から1つの水素原子を除くことにより誘導される1価の複素環基(具体例群G2A4):
Figure 2023099234000006
Figure 2023099234000007
前記一般式(TEMP-16)~(TEMP-33)において、X及びYは、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、NH、又はCHである。ただし、X及びYのうち少なくとも1つは、酸素原子、硫黄原子、又はNHである。
前記一般式(TEMP-16)~(TEMP-33)において、X及びYの少なくともいずれかがNH、又はCHである場合、前記一般式(TEMP-16)~(TEMP-33)で表される環構造から誘導される1価の複素環基には、これらNH、又はCHから1つの水素原子を除いて得られる1価の基が含まれる。
・窒素原子を含む置換の複素環基(具体例群G2B1):
(9-フェニル)カルバゾリル基、
(9-ビフェニリル)カルバゾリル基、
(9-フェニル)フェニルカルバゾリル基、
(9-ナフチル)カルバゾリル基、
ジフェニルカルバゾール-9-イル基、
フェニルカルバゾール-9-イル基、
メチルベンゾイミダゾリル基、
エチルベンゾイミダゾリル基、
フェニルトリアジニル基、
ビフェニリルトリアジニル基、
ジフェニルトリアジニル基、
フェニルキナゾリニル基、及び
ビフェニリルキナゾリニル基。
・酸素原子を含む置換の複素環基(具体例群G2B2):
フェニルジベンゾフラニル基、
メチルジベンゾフラニル基、
t-ブチルジベンゾフラニル基、及び
スピロ[9H-キサンテン-9,9’-[9H]フルオレン]の1価の残基。
・硫黄原子を含む置換の複素環基(具体例群G2B3):
フェニルジベンゾチオフェニル基、
メチルジベンゾチオフェニル基、
t-ブチルジベンゾチオフェニル基、及び
スピロ[9H-チオキサンテン-9,9’-[9H]フルオレン]の1価の残基。
・前記一般式(TEMP-16)~(TEMP-33)で表される環構造から誘導される1価の複素環基の1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基(具体例群G2B4):
前記「1価の複素環基の1つ以上の水素原子」とは、該1価の複素環基の環形成炭素原子に結合している水素原子、XA及びYAの少なくともいずれかがNHである場合の窒素原子に結合している水素原子、及びXA及びYAの一方がCH2である場合のメチレン基の水素原子から選ばれる1つ以上の水素原子を意味する。
・「置換もしくは無置換のアルキル基」
本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアルキル基」の具体例(具体例群G3)としては、以下の無置換のアルキル基(具体例群G3A)及び置換のアルキル基(具体例群G3B)が挙げられる。(ここで、無置換のアルキル基とは「置換もしくは無置換のアルキル基」が「無置換のアルキル基」である場合を指し、置換のアルキル基とは「置換もしくは無置換のアルキル基」が「置換のアルキル基」である場合を指す。)以下、単に「アルキル基」という場合は、「無置換のアルキル基」と「置換のアルキル基」の両方を含む。
「置換のアルキル基」は、「無置換のアルキル基」における1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基を意味する。「置換のアルキル基」の具体例としては、下記の「無置換のアルキル基」(具体例群G3A)における1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基、及び置換のアルキル基(具体例群G3B)の例等が挙げられる。本明細書において、「無置換のアルキル基」におけるアルキル基は、鎖状のアルキル基を意味する。そのため、「無置換のアルキル基」は、直鎖である「無置換のアルキル基」、及び分岐状である「無置換のアルキル基」が含まれる。尚、ここに列挙した「無置換のアルキル基」の例や「置換のアルキル基」の例は、一例に過ぎず、本明細書に記載の「置換のアルキル基」には、具体例群G3Bの「置換のアルキル基」におけるアルキル基自体の水素原子がさらに置換基と置き換わった基、及び具体例群G3Bの「置換のアルキル基」における置換基の水素原子がさらに置換基と置き換わった基も含まれる。
・無置換のアルキル基(具体例群G3A):
メチル基、
エチル基、
n-プロピル基、
イソプロピル基、
n-ブチル基、
イソブチル基、
s-ブチル基、及び
t-ブチル基。
・置換のアルキル基(具体例群G3B):
ヘプタフルオロプロピル基(異性体を含む)、
ペンタフルオロエチル基、
2,2,2-トリフルオロエチル基、及び
トリフルオロメチル基。
・「置換もしくは無置換のアルケニル基」
本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアルケニル基」の具体例(具体例群G4)としては、以下の無置換のアルケニル基(具体例群G4A)、及び置換のアルケニル基(具体例群G4B)等が挙げられる。(ここで、無置換のアルケニル基とは「置換もしくは無置換のアルケニル基」が「無置換のアルケニル基」である場合を指し、「置換のアルケニル基」とは「置換もしくは無置換のアルケニル基」が「置換のアルケニル基」である場合を指す。)本明細書において、単に「アルケニル基」という場合は、「無置換のアルケニル基」と「置換のアルケニル基」の両方を含む。
「置換のアルケニル基」は、「無置換のアルケニル基」における1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基を意味する。「置換のアルケニル基」の具体例としては、下記の「無置換のアルケニル基」(具体例群G4A)が置換基を有する基、及び置換のアルケニル基(具体例群G4B)の例等が挙げられる。尚、ここに列挙した「無置換のアルケニル基」の例や「置換のアルケニル基」の例は、一例に過ぎず、本明細書に記載の「置換のアルケニル基」には、具体例群G4Bの「置換のアルケニル基」におけるアルケニル基自体の水素原子がさらに置換基と置き換わった基、及び具体例群G4Bの「置換のアルケニル基」における置換基の水素原子がさらに置換基と置き換わった基も含まれる。
・無置換のアルケニル基(具体例群G4A):
ビニル基、
アリル基、
1-ブテニル基、
2-ブテニル基、及び
3-ブテニル基。
・置換のアルケニル基(具体例群G4B):
1,3-ブタンジエニル基、
1-メチルビニル基、
1-メチルアリル基、
1,1-ジメチルアリル基、
2-メチルアリル基、及び
1,2-ジメチルアリル基。
・「置換もしくは無置換のアルキニル基」
本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアルキニル基」の具体例(具体例群G5)としては、以下の無置換のアルキニル基(具体例群G5A)等が挙げられる。(ここで、無置換のアルキニル基とは、「置換もしくは無置換のアルキニル基」が「無置換のアルキニル基」である場合を指す。)以下、単に「アルキニル基」という場合は、「無置換のアルキニル基」と「置換のアルキニル基」の両方を含む。
「置換のアルキニル基」は、「無置換のアルキニル基」における1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基を意味する。「置換のアルキニル基」の具体例としては、下記の「無置換のアルキニル基」(具体例群G5A)における1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基等が挙げられる。
・無置換のアルキニル基(具体例群G5A):
エチニル基
・「置換もしくは無置換のシクロアルキル基」
本明細書に記載の「置換もしくは無置換のシクロアルキル基」の具体例(具体例群G6)としては、以下の無置換のシクロアルキル基(具体例群G6A)、及び置換のシクロアルキル基(具体例群G6B)等が挙げられる。(ここで、無置換のシクロアルキル基とは「置換もしくは無置換のシクロアルキル基」が「無置換のシクロアルキル基」である場合を指し、置換のシクロアルキル基とは「置換もしくは無置換のシクロアルキル基」が「置換のシクロアルキル基」である場合を指す。)本明細書において、単に「シクロアルキル基」という場合は、「無置換のシクロアルキル基」と「置換のシクロアルキル基」の両方を含む。
「置換のシクロアルキル基」は、「無置換のシクロアルキル基」における1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基を意味する。「置換のシクロアルキル基」の具体例としては、下記の「無置換のシクロアルキル基」(具体例群G6A)における1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基、及び置換のシクロアルキル基(具体例群G6B)の例等が挙げられる。尚、ここに列挙した「無置換のシクロアルキル基」の例や「置換のシクロアルキル基」の例は、一例に過ぎず、本明細書に記載の「置換のシクロアルキル基」には、具体例群G6Bの「置換のシクロアルキル基」におけるシクロアルキル基自体の炭素原子に結合する1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基、及び具体例群G6Bの「置換のシクロアルキル基」における置換基の水素原子がさらに置換基と置き換わった基も含まれる。
・無置換のシクロアルキル基(具体例群G6A):
シクロプロピル基、
シクロブチル基、
シクロペンチル基、
シクロヘキシル基、
1-アダマンチル基、
2-アダマンチル基、
1-ノルボルニル基、及び
2-ノルボルニル基。
・置換のシクロアルキル基(具体例群G6B):
4-メチルシクロヘキシル基。
・「-Si(R901)(R902)(R903)で表される基」
本明細書に記載の-Si(R901)(R902)(R903)で表される基の具体例(具体例群G7)としては、
-Si(G1)(G1)(G1)、
-Si(G1)(G2)(G2)、
-Si(G1)(G1)(G2)、
-Si(G2)(G2)(G2)、
-Si(G3)(G3)(G3)、及び
-Si(G6)(G6)(G6)
が挙げられる。ここで、
G1は、具体例群G1に記載の「置換もしくは無置換のアリール基」である。
G2は、具体例群G2に記載の「置換もしくは無置換の複素環基」である。
G3は、具体例群G3に記載の「置換もしくは無置換のアルキル基」である。
G6は、具体例群G6に記載の「置換もしくは無置換のシクロアルキル基」である。
-Si(G1)(G1)(G1)における複数のG1は、互いに同一であるか、又は異なる。
-Si(G1)(G2)(G2)における複数のG2は、互いに同一であるか、又は異なる。
-Si(G1)(G1)(G2)における複数のG1は、互いに同一であるか、又は異なる。
-Si(G2)(G2)(G2)における複数のG2は、互いに同一であるか、又は異なる。
-Si(G3)(G3)(G3)における複数のG3は、互いに同一であるか、又は異なる。
-Si(G6)(G6)(G6)における複数のG6は、互いに同一であるか、又は異なる。
・「-O-(R904)で表される基」
本明細書に記載の-O-(R904)で表される基の具体例(具体例群G8)としては、
-O(G1)、
-O(G2)、
-O(G3)、及び
-O(G6)
が挙げられる。
ここで、
G1は、具体例群G1に記載の「置換もしくは無置換のアリール基」である。
G2は、具体例群G2に記載の「置換もしくは無置換の複素環基」である。
G3は、具体例群G3に記載の「置換もしくは無置換のアルキル基」である。
G6は、具体例群G6に記載の「置換もしくは無置換のシクロアルキル基」である。
・「-S-(R905)で表される基」
本明細書に記載の-S-(R905)で表される基の具体例(具体例群G9)としては、
-S(G1)、
-S(G2)、
-S(G3)、及び
-S(G6)
が挙げられる。
ここで、
G1は、具体例群G1に記載の「置換もしくは無置換のアリール基」である。
G2は、具体例群G2に記載の「置換もしくは無置換の複素環基」である。
G3は、具体例群G3に記載の「置換もしくは無置換のアルキル基」である。
G6は、具体例群G6に記載の「置換もしくは無置換のシクロアルキル基」である。
・「-N(R906)(R907)で表される基」
本明細書に記載の-N(R906)(R907)で表される基の具体例(具体例群G10)としては、
-N(G1)(G1)、
-N(G2)(G2)、
-N(G1)(G2)、
-N(G3)(G3)、及び
-N(G6)(G6)
が挙げられる。
ここで、
G1は、具体例群G1に記載の「置換もしくは無置換のアリール基」である。
G2は、具体例群G2に記載の「置換もしくは無置換の複素環基」である。
G3は、具体例群G3に記載の「置換もしくは無置換のアルキル基」である。
G6は、具体例群G6に記載の「置換もしくは無置換のシクロアルキル基」である。
-N(G1)(G1)における複数のG1は、互いに同一であるか、又は異なる。
-N(G2)(G2)における複数のG2は、互いに同一であるか、又は異なる。
-N(G3)(G3)における複数のG3は、互いに同一であるか、又は異なる。
-N(G6)(G6)における複数のG6は、互いに同一であるか、又は異なる。
・「ハロゲン原子」
本明細書に記載の「ハロゲン原子」の具体例(具体例群G11)としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子等が挙げられる。
・「置換もしくは無置換のフルオロアルキル基」
本明細書に記載の「置換もしくは無置換のフルオロアルキル基」は、「置換もしくは無置換のアルキル基」におけるアルキル基を構成する炭素原子に結合している少なくとも1つの水素原子がフッ素原子と置き換わった基を意味し、「置換もしくは無置換のアルキル基」におけるアルキル基を構成する炭素原子に結合している全ての水素原子がフッ素原子で置き換わった基(パーフルオロ基)も含む。「無置換のフルオロアルキル基」の炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、1~50であり、好ましくは1~30であり、より好ましくは1~18である。「置換のフルオロアルキル基」は、「フルオロアルキル基」の1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基を意味する。尚、本明細書に記載の「置換のフルオロアルキル基」には、「置換のフルオロアルキル基」におけるアルキル鎖の炭素原子に結合する1つ以上の水素原子がさらに置換基と置き換わった基、及び「置換のフルオロアルキル基」における置換基の1つ以上の水素原子がさらに置換基と置き換わった基も含まれる。「無置換のフルオロアルキル基」の具体例としては、前記「アルキル基」(具体例群G3)における1つ以上の水素原子がフッ素原子と置き換わった基の例等が挙げられる。
・「置換もしくは無置換のハロアルキル基」
本明細書に記載の「置換もしくは無置換のハロアルキル基」は、「置換もしくは無置換のアルキル基」におけるアルキル基を構成する炭素原子に結合している少なくとも1つの水素原子がハロゲン原子と置き換わった基を意味し、「置換もしくは無置換のアルキル基」におけるアルキル基を構成する炭素原子に結合している全ての水素原子がハロゲン原子で置き換わった基も含む。「無置換のハロアルキル基」の炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、1~50であり、好ましくは1~30であり、より好ましくは1~18である。「置換のハロアルキル基」は、「ハロアルキル基」の1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基を意味する。尚、本明細書に記載の「置換のハロアルキル基」には、「置換のハロアルキル基」におけるアルキル鎖の炭素原子に結合する1つ以上の水素原子がさらに置換基と置き換わった基、及び「置換のハロアルキル基」における置換基の1つ以上の水素原子がさらに置換基と置き換わった基も含まれる。「無置換のハロアルキル基」の具体例としては、前記「アルキル基」(具体例群G3)における1つ以上の水素原子がハロゲン原子と置き換わった基の例等が挙げられる。ハロアルキル基をハロゲン化アルキル基と称する場合がある。
・「置換もしくは無置換のアルコキシ基」
本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアルコキシ基」の具体例としては、-O(G3)で表される基であり、ここで、G3は、具体例群G3に記載の「置換もしくは無置換のアルキル基」である。「無置換のアルコキシ基」の炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、1~50であり、好ましくは1~30であり、より好ましくは1~18である。
・「置換もしくは無置換のアルキルチオ基」
本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアルキルチオ基」の具体例としては、-S(G3)で表される基であり、ここで、G3は、具体例群G3に記載の「置換もしくは無置換のアルキル基」である。「無置換のアルキルチオ基」の炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、1~50であり、好ましくは1~30であり、より好ましくは1~18である。
・「置換もしくは無置換のアリールオキシ基」
本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアリールオキシ基」の具体例としては、-O(G1)で表される基であり、ここで、G1は、具体例群G1に記載の「置換もしくは無置換のアリール基」である。「無置換のアリールオキシ基」の環形成炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、6~50であり、好ましくは6~30であり、より好ましくは6~18である。
・「置換もしくは無置換のアリールチオ基」
本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアリールチオ基」の具体例としては、-S(G1)で表される基であり、ここで、G1は、具体例群G1に記載の「置換もしくは無置換のアリール基」である。「無置換のアリールチオ基」の環形成炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、6~50であり、好ましくは6~30であり、より好ましくは6~18である。
・「置換もしくは無置換のトリアルキルシリル基」
本明細書に記載の「トリアルキルシリル基」の具体例としては、-Si(G3)(G3)(G3)で表される基であり、ここで、G3は、具体例群G3に記載の「置換もしくは無置換のアルキル基」である。-Si(G3)(G3)(G3)における複数のG3は、互いに同一であるか、又は異なる。「トリアルキルシリル基」の各アルキル基の炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、1~50であり、好ましくは1~20であり、より好ましくは1~6である。
・「置換もしくは無置換のアラルキル基」
本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアラルキル基」の具体例としては、-(G3)-(G1)で表される基であり、ここで、G3は、具体例群G3に記載の「置換もしくは無置換のアルキル基」であり、G1は、具体例群G1に記載の「置換もしくは無置換のアリール基」である。従って、「アラルキル基」は、「アルキル基」の水素原子が置換基としての「アリール基」と置き換わった基であり、「置換のアルキル基」の一態様である。「無置換のアラルキル基」は、「無置換のアリール基」が置換した「無置換のアルキル基」であり、「無置換のアラルキル基」の炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、7~50であり、好ましくは7~30であり、より好ましくは7~18である。
「置換もしくは無置換のアラルキル基」の具体例としては、ベンジル基、1-フェニルエチル基、2-フェニルエチル基、1-フェニルイソプロピル基、2-フェニルイソプロピル基、フェニル-t-ブチル基、α-ナフチルメチル基、1-α-ナフチルエチル基、2-α-ナフチルエチル基、1-α-ナフチルイソプロピル基、2-α-ナフチルイソプロピル基、β-ナフチルメチル基、1-β-ナフチルエチル基、2-β-ナフチルエチル基、1-β-ナフチルイソプロピル基、及び2-β-ナフチルイソプロピル基等が挙げられる。
本明細書に記載の置換もしくは無置換のアリール基は、本明細書に別途記載のない限り、好ましくはフェニル基、p-ビフェニル基、m-ビフェニル基、o-ビフェニル基、p-ターフェニル-4-イル基、p-ターフェニル-3-イル基、p-ターフェニル-2-イル基、m-ターフェニル-4-イル基、m-ターフェニル-3-イル基、m-ターフェニル-2-イル基、o-ターフェニル-4-イル基、o-ターフェニル-3-イル基、o-ターフェニル-2-イル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ピレニル基、クリセニル基、トリフェニレニル基、フルオレニル基、9,9’-スピロビフルオレニル基、9,9-ジメチルフルオレニル基、及び9,9-ジフェニルフルオレニル基等である。
本明細書に記載の置換もしくは無置換の複素環基は、本明細書に別途記載のない限り、好ましくはピリジル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、キノリル基、イソキノリル基、キナゾリニル基、ベンゾイミダゾリル基、フェナントロリニル基、カルバゾリル基(1-カルバゾリル基、2-カルバゾリル基、3-カルバゾリル基、4-カルバゾリル基、又は9-カルバゾリル基)、ベンゾカルバゾリル基、アザカルバゾリル基、ジアザカルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ナフトベンゾフラニル基、アザジベンゾフラニル基、ジアザジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ナフトベンゾチオフェニル基、アザジベンゾチオフェニル基、ジアザジベンゾチオフェニル基、(9-フェニル)カルバゾリル基((9-フェニル)カルバゾール-1-イル基、(9-フェニル)カルバゾール-2-イル基、(9-フェニル)カルバゾール-3-イル基、又は(9-フェニル)カルバゾール-4-イル基)、(9-ビフェニリル)カルバゾリル基、(9-フェニル)フェニルカルバゾリル基、ジフェニルカルバゾール-9-イル基、フェニルカルバゾール-9-イル基、フェニルトリアジニル基、ビフェニリルトリアジニル基、ジフェニルトリアジニル基、フェニルジベンゾフラニル基、及びフェニルジベンゾチオフェニル基等である。
本明細書において、カルバゾリル基は、本明細書に別途記載のない限り、具体的には以下のいずれかの基である。
Figure 2023099234000008
本明細書において、(9-フェニル)カルバゾリル基は、本明細書に別途記載のない限り、具体的には以下のいずれかの基である。
Figure 2023099234000009
前記一般式(TEMP-Cz1)~(TEMP-Cz9)中、*は、結合位置を表す。
本明細書において、ジベンゾフラニル基、及びジベンゾチオフェニル基は、本明細書に別途記載のない限り、具体的には以下のいずれかの基である。
Figure 2023099234000010
前記一般式(TEMP-34)~(TEMP-41)中、*は、結合位置を表す。
本明細書に記載の置換もしくは無置換のアルキル基は、本明細書に別途記載のない限り、好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、及びt-ブチル基等である。
・「置換もしくは無置換のアリーレン基」
本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアリーレン基」は、別途記載のない限り、上記「置換もしくは無置換のアリール基」からアリール環上の1つの水素原子を除くことにより誘導される2価の基である。「置換もしくは無置換のアリーレン基」の具体例(具体例群G12)としては、具体例群G1に記載の「置換もしくは無置換のアリール基」からアリール環上の1つの水素原子を除くことにより誘導される2価の基等が挙げられる。
・「置換もしくは無置換の2価の複素環基」
本明細書に記載の「置換もしくは無置換の2価の複素環基」は、別途記載のない限り、上記「置換もしくは無置換の複素環基」から複素環上の1つの水素原子を除くことにより誘導される2価の基である。「置換もしくは無置換の2価の複素環基」の具体例(具体例群G13)としては、具体例群G2に記載の「置換もしくは無置換の複素環基」から複素環上の1つの水素原子を除くことにより誘導される2価の基等が挙げられる。
・「置換もしくは無置換のアルキレン基」
本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアルキレン基」は、別途記載のない限り、上記「置換もしくは無置換のアルキル基」からアルキル鎖上の1つの水素原子を除くことにより誘導される2価の基である。「置換もしくは無置換のアルキレン基」の具体例(具体例群G14)としては、具体例群G3に記載の「置換もしくは無置換のアルキル基」からアルキル鎖上の1つの水素原子を除くことにより誘導される2価の基等が挙げられる。
本明細書に記載の置換もしくは無置換のアリーレン基は、本明細書に別途記載のない限り、好ましくは下記一般式(TEMP-42)~(TEMP-68)のいずれかの基である。
Figure 2023099234000011
Figure 2023099234000012
前記一般式(TEMP-42)~(TEMP-52)中、Q~Q10は、それぞれ独立に、水素原子、又は置換基である。
前記一般式(TEMP-42)~(TEMP-52)中、*は、結合位置を表す。
Figure 2023099234000013
前記一般式(TEMP-53)~(TEMP-62)中、Q~Q10は、それぞれ独立に、水素原子、又は置換基である。
式Q及びQ10は、単結合を介して互いに結合して環を形成してもよい。
前記一般式(TEMP-53)~(TEMP-62)中、*は、結合位置を表す。
Figure 2023099234000014
前記一般式(TEMP-63)~(TEMP-68)中、Q~Qは、それぞれ独立に、水素原子、又は置換基である。
前記一般式(TEMP-63)~(TEMP-68)中、*は、結合位置を表す。
本明細書に記載の置換もしくは無置換の2価の複素環基は、本明細書に別途記載のない限り、好ましくは下記一般式(TEMP-69)~(TEMP-102)のいずれかの基である。
Figure 2023099234000015
Figure 2023099234000016
Figure 2023099234000017
前記一般式(TEMP-69)~(TEMP-82)中、Q~Qは、それぞれ独立に、水素原子、又は置換基である。
Figure 2023099234000018
Figure 2023099234000019
Figure 2023099234000020
Figure 2023099234000021
前記一般式(TEMP-83)~(TEMP-102)中、Q~Qは、それぞれ独立に、水素原子、又は置換基である。
以上が、「本明細書に記載の置換基」についての説明である。
・「結合して環を形成する場合」
本明細書において、「隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は互いに結合せず」という場合は、「隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成する」場合と、「隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成する」場合と、「隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合しない」場合と、を意味する。
本明細書における、「隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成する」場合、及び「隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成する」場合(以下、これらの場合をまとめて「結合して環を形成する場合」と称する場合がある。)について、以下、説明する。母骨格がアントラセン環である下記一般式(TEMP-103)で表されるアントラセン化合物の場合を例として説明する。
Figure 2023099234000022
例えば、R921~R930のうちの「隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、環を形成する」場合において、1組となる隣接する2つからなる組とは、R921とR922との組、R922とR923との組、R923とR924との組、R924とR930との組、R930とR925との組、R925とR926との組、R926とR927との組、R927とR928との組、R928とR929との組、並びにR929とR921との組である。
上記「1組以上」とは、上記隣接する2つ以上からなる組の2組以上が同時に環を形成してもよいことを意味する。例えば、R921とR922とが互いに結合して環Qを形成し、同時にR925とR926とが互いに結合して環Qを形成した場合は、前記一般式(TEMP-103)で表されるアントラセン化合物は、下記一般式(TEMP-104)で表される。
Figure 2023099234000023
「隣接する2つ以上からなる組」が環を形成する場合とは、前述の例のように隣接する「2つ」からなる組が結合する場合だけではなく、隣接する「3つ以上」からなる組が結合する場合も含む。例えば、R921とR922とが互いに結合して環Qを形成し、かつ、R922とR923とが互いに結合して環Qを形成し、互いに隣接する3つ(R921、R922及びR923)からなる組が互いに結合して環を形成して、アントラセン母骨格に縮合する場合を意味し、この場合、前記一般式(TEMP-103)で表されるアントラセン化合物は、下記一般式(TEMP-105)で表される。下記一般式(TEMP-105)において、環Q及び環Qは、R922を共有する。
Figure 2023099234000024
形成される「単環」、又は「縮合環」は、形成された環のみの構造として、飽和の環であっても不飽和の環であってもよい。「隣接する2つからなる組の1組」が「単環」、又は「縮合環」を形成する場合であっても、当該「単環」、又は「縮合環」は、飽和の環、又は不飽和の環を形成することができる。例えば、前記一般式(TEMP-104)において形成された環Q及び環Qは、それぞれ、「単環」又は「縮合環」である。また、前記一般式(TEMP-105)において形成された環Q、及び環Qは、「縮合環」である。前記一般式(TEMP-105)の環Qと環Qとは、環Qと環Qとが縮合することによって縮合環となっている。前記一般式(TMEP-104)の環Qがベンゼン環であれば、環Qは、単環である。前記一般式(TMEP-104)の環Qがナフタレン環であれば、環Qは、縮合環である。
「不飽和の環」とは、芳香族炭化水素環、又は芳香族複素環を意味する。「飽和の環」とは、脂肪族炭化水素環、又は非芳香族複素環を意味する。
芳香族炭化水素環の具体例としては、具体例群G1において具体例として挙げられた基が水素原子によって終端された構造が挙げられる。
芳香族複素環の具体例としては、具体例群G2において具体例として挙げられた芳香族複素環基が水素原子によって終端された構造が挙げられる。
脂肪族炭化水素環の具体例としては、具体例群G6において具体例として挙げられた基が水素原子によって終端された構造が挙げられる。
「環を形成する」とは、母骨格の複数の原子のみ、あるいは母骨格の複数の原子とさらに1以上の任意の元素で環を形成することを意味する。例えば、前記一般式(TEMP-104)に示す、R921とR922とが互いに結合して形成された環Qは、R921が結合するアントラセン骨格の炭素原子と、R922が結合するアントラセン骨格の炭素原子と、1以上の任意の元素とで形成する環を意味する。具体例としては、R921とR922とで環Qを形成する場合において、R921が結合するアントラセン骨格の炭素原子と、R922とが結合するアントラセン骨格の炭素原子と、4つの炭素原子とで単環の不飽和の環を形成する場合、R921とR922とで形成する環は、ベンゼン環である。
ここで、「任意の元素」は、本明細書に別途記載のない限り、好ましくは、炭素元素、窒素元素、酸素元素、及び硫黄元素からなる群から選択される少なくとも1種の元素である。任意の元素において(例えば、炭素元素、又は窒素元素の場合)、環を形成しない結合は、水素原子等で終端されてもよいし、後述する「任意の置換基」で置換されてもよい。炭素元素以外の任意の元素を含む場合、形成される環は複素環である。
単環または縮合環を構成する「1以上の任意の元素」は、本明細書に別途記載のない限り、好ましくは2個以上15個以下であり、より好ましくは3個以上12個以下であり、さらに好ましくは3個以上5個以下である。
本明細書に別途記載のない限り、「単環」、及び「縮合環」のうち、好ましくは「単環」である。
本明細書に別途記載のない限り、「飽和の環」、及び「不飽和の環」のうち、好ましくは「不飽和の環」である。
本明細書に別途記載のない限り、「単環」は、好ましくはベンゼン環である。
本明細書に別途記載のない限り、「不飽和の環」は、好ましくはベンゼン環である。
「隣接する2つ以上からなる組の1組以上」が、「互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成する」場合、又は「互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成する」場合、本明細書に別途記載のない限り、好ましくは、隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、母骨格の複数の原子と、1個以上15個以下の炭素元素、窒素元素、酸素元素、及び硫黄元素からなる群から選択される少なくとも1種の元素とからなる置換もしくは無置換の「不飽和の環」を形成する。
上記の「単環」、又は「縮合環」が置換基を有する場合の置換基は、例えば後述する「任意の置換基」である。上記の「単環」、又は「縮合環」が置換基を有する場合の置換基の具体例は、上述した「本明細書に記載の置換基」の項で説明した置換基である。
上記の「飽和の環」、又は「不飽和の環」が置換基を有する場合の置換基は、例えば後述する「任意の置換基」である。上記の「単環」、又は「縮合環」が置換基を有する場合の置換基の具体例は、上述した「本明細書に記載の置換基」の項で説明した置換基である。
以上が、「隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成する」場合、及び「隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成する」場合(「結合して環を形成する場合」)についての説明である。
・「置換もしくは無置換の」という場合の置換基
本明細書における一実施形態においては、前記「置換もしくは無置換の」という場合の置換基(本明細書において、「任意の置換基」と呼ぶことがある。)は、例えば、
無置換の炭素数1~50のアルキル基、
無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)、
-O-(R904)、
-S-(R905)、
-N(R906)(R907)、
ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、
無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、及び
無置換の環形成原子数5~50の複素環基
からなる群から選択される基等であり、
ここで、R901~R907は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。
901が2個以上存在する場合、2個以上のR901は、互いに同一であるか、又は異なり、
902が2個以上存在する場合、2個以上のR902は、互いに同一であるか、又は異なり、
903が2個以上存在する場合、2個以上のR903は、互いに同一であるか、又は異なり、
904が2個以上存在する場合、2個以上のR904は、互いに同一であるか、又は異なり、
905が2個以上存在する場合、2個以上のR905は、互いに同一であるか、又は異なり、
906が2個以上存在する場合、2個以上のR906は、互いに同一であるか、又は異なり、
907が2個以上存在する場合、2個以上のR907は、互いに同一であるか又は異なる。
一実施形態においては、前記「置換もしくは無置換の」という場合の置換基は、
炭素数1~50のアルキル基、
環形成炭素数6~50のアリール基、及び
環形成原子数5~50の複素環基
からなる群から選択される基である。
一実施形態においては、前記「置換もしくは無置換の」という場合の置換基は、
炭素数1~18のアルキル基、
環形成炭素数6~18のアリール基、及び
環形成原子数5~18の複素環基
からなる群から選択される基である。
上記任意の置換基の各基の具体例は、上述した「本明細書に記載の置換基」の項で説明した置換基の具体例である。
本明細書において別途記載のない限り、隣接する任意の置換基同士で、「飽和の環」、又は「不飽和の環」を形成してもよく、好ましくは、置換もしくは無置換の飽和の5員環、置換もしくは無置換の飽和の6員環、置換もしくは無置換の不飽和の5員環、又は置換もしくは無置換の不飽和の6員環を形成し、より好ましくは、ベンゼン環を形成する。
本明細書において別途記載のない限り、任意の置換基は、さらに置換基を有してもよい。任意の置換基がさらに有する置換基としては、上記任意の置換基と同様である。
本明細書において、「AA~BB」を用いて表される数値範囲は、「AA~BB」の前に記載される数値AAを下限値とし、「AA~BB」の後に記載される数値BBを上限値として含む範囲を意味する。
〔第一実施形態〕
(有機エレクトロルミネッセンス素子)
本実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子は、陽極と、陰極と、前記陽極及び前記陰極の間に配置された第一の発光層と、前記第一の発光層と前記陰極との間に配置された第二の発光層と、を有する。前記第一の発光層は、下記一般式(11)で表される基を少なくとも1つ有し、かつ下記一般式(1)で表される第一の化合物を第一のホスト材料として含有し、前記第二の発光層は、下記一般式(2)で表される第二の化合物を第二のホスト材料として含有する。前記第一の発光層と前記第二の発光層とが、直接、接している。
本明細書において、「ホスト材料」とは、例えば、「層の50質量%以上」含まれる材料である。したがって、例えば、第一の発光層は、下記一般式(1)で表される第一の化合物を、第一の発光層の全質量の50質量%以上、含有する。第二の発光層は、例えば、下記一般式(2)で表される第二の化合物を、第二の発光層の全質量の50質量%以上、含有する。
(有機EL素子の発光波長)
本実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子は、素子駆動時に主ピーク波長が430nm以上480nm以下の光を放射することが好ましい。
素子駆動時に有機EL素子が放射する光の主ピーク波長の測定は、以下のようにして行う。電流密度が10mA/cmとなるように有機EL素子に電圧を印加した時の分光放射輝度スペクトルを分光放射輝度計CS-2000(コニカミノルタ社製)で計測する。得られた分光放射輝度スペクトルにおいて、発光強度が最大となる発光スペクトルのピーク波長を測定し、これを主ピーク波長(単位:nm)とする。
本実施形態に係る有機EL素子は、第一の発光層及び第二の発光層以外に、1以上の有機層を有していてもよい。有機層としては、例えば、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子注入層、電子輸送層、正孔障壁層及び電子障壁層からなる群から選択される少なくともいずれかの層が挙げられる。
本実施形態に係る有機EL素子において、有機層は、第一の発光層及び第二の発光層だけで構成されていてもよいが、例えば、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層、正孔障壁層、及び電子障壁層等からなる群から選択される少なくともいずれかの層をさらに有していてもよい。
(正孔輸送層)
本実施形態に係る有機EL素子において、前記陽極と、前記第一の発光層との間に、正孔輸送層を有することが好ましい。
本実施形態に係る有機EL素子において、前記陰極と、前記第二の発光層との間に、電子輸送層を有することが好ましい。
図1に、本実施形態に係る有機EL素子の一例の概略構成を示す。
有機EL素子1は、透光性の基板2と、陽極3と、陰極4と、陽極3と陰極4との間に配置された有機層10と、を含む。有機層10は、陽極3側から順に、正孔注入層6、正孔輸送層7、第一の発光層51、第二の発光層52、電子輸送層8、及び電子注入層9が、この順番で積層されて構成される。
(第一の化合物)
本実施形態に係る有機EL素子において、第一の化合物は、下記一般式(1)で表される化合物である。
Figure 2023099234000025
(前記一般式(1)において、
101~R110のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、又は
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成し、
前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ及び前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR101~R110は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
-C(=O)R801で表される基、
-COOR802で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基、又は
前記一般式(11)で表される基であり、
ただし、前記置換もしくは無置換の単環が置換基を有する場合の当該置換基、前記置換もしくは無置換の縮合環が置換基を有する場合の当該置換基、並びにR101~R110の少なくとも1つが、前記一般式(11)で表される基であり、
前記一般式(11)で表される基が複数存在する場合、複数の前記一般式(11)で表される基は、互いに同一であるか又は異なり、
101は、
単結合、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
Ar101は、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
mxは、0、1、2、3、4又は5であり、
101が2以上存在する場合、2以上のL101は、互いに同一であるか、又は異なり、
Ar101が2以上存在する場合、2以上のAr101は、互いに同一であるか、又は異なり、
前記一般式(11)中の*は、前記一般式(1)で表される環との結合位置を示す。)
(本実施形態に係る第一の化合物中、R901、R902、R903、R904、R905、R906、R907、R801及びR802は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
901が複数存在する場合、複数のR901は、互いに同一であるか又は異なり、
902が複数存在する場合、複数のR902は、互いに同一であるか又は異なり、
903が複数存在する場合、複数のR903は、互いに同一であるか又は異なり、
904が複数存在する場合、複数のR904は、互いに同一であるか又は異なり、
905が複数存在する場合、複数のR905は、互いに同一であるか又は異なり、
906が複数存在する場合、複数のR906は、互いに同一であるか又は異なり、
907が複数存在する場合、複数のR907は、互いに同一であるか又は異なり、
801が複数存在する場合、複数のR801は、互いに同一であるか又は異なり、
802が複数存在する場合、複数のR802は、互いに同一であるか又は異なる。)
前記一般式(1)において、R101~R110のうちの隣接する2つからなる組とは、R101とR102との組、R102とR103との組、R103とR104との組、R104とR105との組、R105とR106との組、R107とR108との組、R108とR109との組、並びにR109とR110との組である。
本実施形態に係る有機EL素子において、R101~R110のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が互いに結合して形成する置換もしくは無置換の単環及び置換もしくは無置換の縮合環の数は、1以上5以下であることが好ましく、1以上3以下であることがより好ましく、1又は2であることがさらに好ましく、1であることがよりさらに好ましい。
本実施形態に係る有機EL素子において、R101~R110のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成することが好ましく、前記置換もしくは無置換の単環は、置換もしくは無置換の5員環又は置換もしくは無置換の6員環であることが好ましく、置換もしくは無置換の6員環であることがより好ましい。
本実施形態に係る有機EL素子において、前記一般式(1)で表される第一の化合物は、前記一般式(11)で表される基を少なくとも1つ有し、かつ下記一般式(101)~(104)で表されるいずれかの化合物であることが好ましい。
Figure 2023099234000026
Figure 2023099234000027
(前記一般式(101)~(104)において、
101~R114は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
-C(=O)R801で表される基、
-COOR802で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基、又は
前記一般式(11)で表される基であり、
ただし、R101~R114の少なくとも1つが、前記一般式(11)で表される基であり、
前記一般式(11)で表される基が複数存在する場合、複数の前記一般式(11)で表される基は、互いに同一であるか又は異なり、
前記一般式(101)~(104)中、R901、R902、R903、R904、R905、R906、R907、R801及びR802は、それぞれ独立に、前記一般式(1)と同義である。)
101とR102との組が、互いに結合して、置換もしくは無置換の6員環を形成した第一の化合物の例として、前記一般式(101)で表される化合物が挙げられる。
本実施形態に係る有機EL素子において、前記第一の化合物は、前記一般式(101)で表される化合物であることが好ましい。
本実施形態に係る有機EL素子において、前記第一の化合物は、前記一般式(11)で表される基を1つ有することが好ましい。
本実施形態に係る有機EL素子において、前記第一の化合物は、前記一般式(11)で表される基を2つ以上有することも好ましい。
本実施形態に係る有機EL素子において、R107及びR110の少なくともいずれかが、前記一般式(11)で表される基であることも好ましい。
本実施形態に係る有機EL素子において、前記第一の化合物は、下記一般式(1011)で表されることも好ましい。
Figure 2023099234000028
(前記一般式(1011)において、
101、mx及びAr101は、それぞれ、前記一般式(11)におけるL101、mx及びAr101と同義であり、
101~R107、R111~R114は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
-C(=O)R801で表される基、
-COOR802で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基、又は
前記一般式(11)で表される基であり、
前記一般式(11)で表される基が複数存在する場合、複数の前記一般式(11)で表される基は、互いに同一であるか又は異なり
前記一般式(1011)中、R901、R902、R903、R904、R905、R906、R907、R801及びR802は、それぞれ独立に、前記一般式(1)と同義である。)
本実施形態に係る有機EL素子において、R102及びR105の少なくともいずれかが、前記一般式(11)で表される基であることも好ましい。
本実施形態に係る有機EL素子において、前記第一の化合物は、下記一般式(1012)で表されることも好ましい。
Figure 2023099234000029
(前記一般式(1012)において、
101、mx及びAr101は、それぞれ、前記一般式(11)におけるL101、mx及びAr101と同義であり、
101、R103~R107、R110~R114は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
-C(=O)R801で表される基、
-COOR802で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基、又は
前記一般式(11)で表される基であり、
前記一般式(11)で表される基が複数存在する場合、複数の前記一般式(11)で表される基は、互いに同一であるか又は異なり、
前記一般式(1012)中、R901、R902、R903、R904、R905、R906、R907、R801及びR802は、それぞれ独立に、前記一般式(1)と同義である。)
本実施形態に係る有機EL素子において、R112及びR113の少なくともいずれかが、前記一般式(11)で表される基であることも好ましい。
本実施形態に係る有機EL素子において、前記第一の化合物は、下記一般式(1013)で表されることも好ましい。
Figure 2023099234000030
(前記一般式(1013)において、
101、mx及びAr101は、それぞれ、前記一般式(11)におけるL101、mx及びAr101と同義であり、
101~R107、R110~R112、R114は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
-C(=O)R801で表される基、
-COOR802で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基、又は
前記一般式(11)で表される基であり、
前記一般式(11)で表される基が複数存在する場合、複数の前記一般式(11)で表される基は、互いに同一であるか又は異なり、
前記一般式(1013)中、R901、R902、R903、R904、R905、R906、R907、R801及びR802は、それぞれ独立に、前記一般式(1)と同義である。)
本実施形態に係る有機EL素子において、Ar101は、置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であることが好ましい。
本実施形態に係る有機EL素子において、前記一般式(11)におけるAr101は、下記一般式(111)で表される基であることが好ましい。
Figure 2023099234000031
(前記一般式(111)において、
maは、3であり、3つのR121は、互いに同一であるか、又は異なり、
3つのR121のうち隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は互いに結合せず、
mbは、4であり、4つのR122は、互いに同一であるか、又は異なり、
4つのR122のうち隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は互いに結合せず、
は、CR123124、酸素原子、硫黄原子、又はNR125であり、
123及びR124からなる組が、互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は互いに結合せず、
前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR121、R122、R123及びR124、並びにR125は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
-C(=O)R801で表される基、
-COOR802で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
901、R902、R903、R904、R905、R906、R907、R801及びR802は、それぞれ、前記一般式(1)におけるR901、R902、R903、R904、R905、R906、R907、R801及びR802と同義であり、
前記一般式(111)中の*は、結合位置を示す。)
本実施形態に係る有機EL素子において、R123及びR124からなる組は、前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ、前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないことが好ましい。
本実施形態に係る有機EL素子において、3つのR121は、前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ、前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないことが好ましい。
本実施形態に係る有機EL素子において、3つのR122は、前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ、前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないことが好ましい。
本実施形態に係る有機EL素子において、前記一般式(11)におけるAr101は、下記一般式(111A)、(111B)、(111C)又は(111D)で表される基であることが好ましい。
Figure 2023099234000032
(前記一般式(111A)、(111B)、(111C)及び(111D)において、
は、前記一般式(111)におけるXと同義であり、
131~R139は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
-C(=O)R801で表される基、
-COOR802で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
901、R902、R903、R904、R905、R906、R907、R801及びR802は、それぞれ、前記一般式(1)におけるR901、R902、R903、R904、R905、R906、R907、R801及びR802と同義であり、
前記一般式(111A)、(111B)、(111C)及び(111D)中の*は、結合位置を示す。)
本実施形態に係る有機EL素子において、Xは、C(R123)(R124)又は酸素原子であることが好ましい。
本実施形態に係る有機EL素子において、Ar101は、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であることも好ましい。
本実施形態に係る有機EL素子において、Ar101は、
置換もしくは無置換のフェニル基、
置換もしくは無置換のナフチル基、
置換もしくは無置換のビフェニル基、
置換もしくは無置換のターフェニル基、
置換もしくは無置換のピレニル基、
置換もしくは無置換のフェナントリル基、又は
置換もしくは無置換のフルオレニル基であることも好ましい。
本実施形態に係る有機EL素子において、mxは、0、1又は2であることが好ましい。
本実施形態に係る有機EL素子において、L101は、単結合、又は置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基であることが好ましい。
本実施形態に係る有機EL素子において、mxは、1又は2であることが好ましい。
本実施形態に係る有機EL素子において、mxは、1又は2であり、かつ、L101は、単結合、又は置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基であることが好ましい。
本実施形態に係る有機EL素子において、mxは、1又は2であり、かつ、L101は、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基であることが好ましい。
本実施形態に係る有機EL素子において、
Ar101は、置換もしくは無置換のベンゾフルオランテニル基ではなく、
101は、置換もしくは無置換のベンゾフルオランテンジイル基ではなく、
前記一般式(11)で表される基ではない前記第一の化合物中の置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基は、置換もしくは無置換のベンゾフルオランテニル基ではないことが好ましい。
本実施形態に係る有機EL素子において、前記一般式(11)で表される基ではないR101~R110は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であることが好ましい。
本実施形態に係る有機EL素子において、前記一般式(11)で表される基ではないR101~R110は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、又は
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であることが好ましい。
本実施形態に係る有機EL素子において、前記一般式(11)で表される基ではないR101~R110は、水素原子又は置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であることが好ましい。
本実施形態の前記第一の化合物において、「置換もしくは無置換」と記載された基は、いずれも「無置換」の基であることが好ましい。
(第一の化合物の製造方法)
第一の化合物は、公知の方法により製造できる。また、第一の化合物は、公知の方法に倣い、目的物に合わせた既知の代替反応及び原料を用いることによっても、製造できる。
(第一の化合物の具体例)
第一の化合物の具体例としては、例えば、以下の化合物挙げられる。ただし、本発明は、これら第一の化合物の具体例に限定されない。
Figure 2023099234000033
Figure 2023099234000034
Figure 2023099234000035
(第二の化合物)
本実施形態に係る有機EL素子において、第二の化合物は、下記一般式(2)で表される化合物である。
Figure 2023099234000036
(前記一般式(2)において、
201~R208は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
-N(R906)(R907)で表される基、
置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
-C(=O)R801で表される基、
-COOR802で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
201及びL202は、それぞれ独立に、
単結合、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
Ar201及びAr202は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
(本実施形態に係る第二の化合物中、R901、R902、R903、R904、R905、R906、R907、R801及びR802は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
901が複数存在する場合、複数のR901は、互いに同一であるか又は異なり、
902が複数存在する場合、複数のR902は、互いに同一であるか又は異なり、
903が複数存在する場合、複数のR903は、互いに同一であるか又は異なり、
904が複数存在する場合、複数のR904は、互いに同一であるか又は異なり、
905が複数存在する場合、複数のR905は、互いに同一であるか又は異なり、
906が複数存在する場合、複数のR906は、互いに同一であるか又は異なり、
907が複数存在する場合、複数のR907は、互いに同一であるか又は異なり、
801が複数存在する場合、複数のR801は、互いに同一であるか又は異なり、
802が複数存在する場合、複数のR802は、互いに同一であるか又は異なる。)
本実施形態に係る有機EL素子において、
201~R208は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
-N(R906)(R907)で表される基、
置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
-C(=O)R801で表される基、
-COOR802で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、又は
ニトロ基であり、
201及びL202は、それぞれ独立に、
単結合、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
Ar201及びAr202は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であることが好ましい。
本実施形態に係る有機EL素子において、
201及びL202は、それぞれ独立に、
単結合、又は
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基であり、
Ar201及びAr202は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であることが好ましい。
本実施形態に係る有機EL素子において、
Ar201及びAr202は、それぞれ独立に、
フェニル基、
ナフチル基、
フェナントリル基、
ビフェニル基、
ターフェニル基、
ジフェニルフルオレニル基、
ジメチルフルオレニル基、
ベンゾジフェニルフルオレニル基、
ベンゾジメチルフルオレニル基、
ジベンゾフラニル基、
ジベンゾチエニル基、
ナフトベンゾフラニル基、又は
ナフトベンゾチエニル基であることが好ましい。
本実施形態に係る有機EL素子において、前記一般式(2)で表される第二の化合物は、下記一般式(201)、一般式(202)、一般式(203)、一般式(204)、一般式(205)、一般式(206)、一般式(207)、一般式(208)又は一般式(209)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2023099234000037
Figure 2023099234000038
Figure 2023099234000039
Figure 2023099234000040
Figure 2023099234000041
Figure 2023099234000042
Figure 2023099234000043
Figure 2023099234000044
Figure 2023099234000045
(前記一般式(201)~(209)中、
201及びAr201は、前記一般式(2)におけるL201及びAr201と同義であり、
201~R208は、それぞれ独立に、前記一般式(2)におけるR201~R208と同義である。)
前記一般式(2)で表される第二の化合物は、下記一般式(221)、一般式(222)、一般式(223)、一般式(224)、一般式(225)、一般式(226)、一般式(227)、一般式(228)又は一般式(229)で表される化合物であることも好ましい。
Figure 2023099234000046
Figure 2023099234000047
Figure 2023099234000048
Figure 2023099234000049
Figure 2023099234000050
Figure 2023099234000051
Figure 2023099234000052
Figure 2023099234000053
Figure 2023099234000054
(前記一般式(221)、一般式(222)、一般式(223)、一般式(224)、一般式(225)、一般式(226)、一般式(227)、一般式(228)及び一般式(229)において、
201並びにR203~R208は、それぞれ独立に、前記一般式(2)におけるR201並びにR203~R208と同義であり、
201及びAr201は、それぞれ、前記一般式(2)におけるL201及びAr201と同義であり、
203は、前記一般式(2)におけるL201と同義であり、
203とL201は、互いに同一であるか、又は異なり、
Ar203は、前記一般式(2)におけるAr201と同義であり、
Ar203とAr201は、互いに同一であるか、又は異なる。)
前記一般式(2)で表される第二の化合物は、下記一般式(241)、一般式(242)、一般式(243)、一般式(244)、一般式(245)、一般式(246)、一般式(247)、一般式(248)又は一般式(249)で表される化合物であることも好ましい。
Figure 2023099234000055
Figure 2023099234000056
Figure 2023099234000057
Figure 2023099234000058
Figure 2023099234000059
Figure 2023099234000060
Figure 2023099234000061
Figure 2023099234000062
Figure 2023099234000063
(前記一般式(241)、一般式(242)、一般式(243)、一般式(244)、一般式(245)、一般式(246)、一般式(247)、一般式(248)及び一般式(249)において、
201、R202並びにR204~R208は、それぞれ独立に、前記一般式(2)におけるR201、R202並びにR204~R208と同義であり、
203は、前記一般式(2)におけるL201と同義であり、
203とL201は、互いに同一であるか、又は異なり、
Ar203は、前記一般式(2)におけるAr201と同義であり、
Ar203とAr201は、互いに同一であるか、又は異なる。)
前記一般式(2)で表される第二の化合物中、前記一般式(21)で表される基ではないR201~R208は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、又は
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基であることが好ましい。
101は、
単結合、又は
無置換の環形成炭素数6~22のアリーレン基であり、
Ar101は、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~22のアリール基であることが好ましい。
本実施形態に係る有機EL素子において、
前記一般式(2)で表される第二の化合物中、R201~R208は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、又は
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基であることが好ましい。
本実施形態に係る有機EL素子において、
前記一般式(2)で表される第二の化合物中、R201~R208は、水素原子であることが好ましい。
前記第二の化合物において、「置換もしくは無置換」と記載された基は、いずれも「無置換」の基であることが好ましい。
本実施形態に係る有機EL素子において、例えば、前記一般式(2)で表される第二の化合物中のAr201は置換もしくは無置換のジベンゾフラニル基である。
本実施形態に係る有機EL素子において、例えば、前記一般式(2)で表される第二の化合物中のAr201は無置換のジベンゾフラニル基である。
本実施形態に係る有機EL素子において、例えば、前記一般式(2)で表される第二の化合物中は少なくとも1つの水素を有し、前記水素のうち少なくとも1つが重水素である。
本実施形態に係る有機EL素子において、例えば、前記一般式(2)で表される第二の化合物中のL201はTEMP-63ないしTEMP-68である。
Figure 2023099234000064
本実施形態に係る有機EL素子において、例えば、前記一般式(2)で表される第二の化合物中のAr201は置換もしくは無置換の
アントリル基、
ベンゾアントリル基、
フェナントリル基、
ベンゾフェナントリル基、
フェナレニル基、
ピレニル基、
クリセニル基、
ベンゾクリセニル基、
トリフェニレニル基、
ベンゾトリフェニレニル基、
テトラセニル基、
ペンタセニル基、
フルオランテニル基、
ベンゾフルオランテニル基、及び
ペリレニル基からなる群から選択される少なくともいずれかの基である。
本実施形態に係る有機EL素子において、例えば、前記一般式(2)で表される第二の化合物中のAr201は置換もしくは無置換のフルオレニル基である。
本実施形態に係る有機EL素子において、例えば、前記一般式(2)で表される第二の化合物中のAr201は置換もしくは無置換のキサンテニル基である。
本実施形態に係る有機EL素子において、例えば、前記一般式(2)で表される第二の化合物中のAr201はベンゾキサンテニル基である。
(第二の化合物の製造方法)
第二の化合物は、公知の方法により製造できる。また、第二の化合物は、公知の方法に倣い、目的物に合わせた既知の代替反応及び原料を用いることによっても、製造できる。
(第二の化合物の具体例)
第二の化合物の具体例としては、例えば、以下の化合物挙げられる。ただし、本発明は、これら第二の化合物の具体例に限定されない。
Figure 2023099234000065
Figure 2023099234000066
Figure 2023099234000067
Figure 2023099234000068
Figure 2023099234000069
Figure 2023099234000070
Figure 2023099234000071
Figure 2023099234000072
Figure 2023099234000073
Figure 2023099234000074
Figure 2023099234000075
Figure 2023099234000076
Figure 2023099234000077
Figure 2023099234000078
Figure 2023099234000079
Figure 2023099234000080
Figure 2023099234000081
Figure 2023099234000082
Figure 2023099234000083
Figure 2023099234000084
Figure 2023099234000085
Figure 2023099234000086
Figure 2023099234000087
Figure 2023099234000088
Figure 2023099234000089
Figure 2023099234000090
Figure 2023099234000091
Figure 2023099234000092
Figure 2023099234000093
Figure 2023099234000094
Figure 2023099234000095
Figure 2023099234000096
Figure 2023099234000097
Figure 2023099234000098
Figure 2023099234000099
Figure 2023099234000100
Figure 2023099234000101
Figure 2023099234000102
Figure 2023099234000103
Figure 2023099234000104
Figure 2023099234000105
Figure 2023099234000106
(第三の化合物及び第四の化合物)
本実施形態に係る有機EL素子において、第一の発光層は、蛍光発光性の第三の化合物をさらに含有することも好ましい。
本実施形態に係る有機EL素子において、第二の発光層は、蛍光発光性の第四の化合物をさらに含有することも好ましい。
第一の発光層が第三の化合物を含有し、かつ第二の発光層が第四の化合物を含有する場合、第三の化合物と第四の化合物とは、互いに同一であるか又は異なる。
第三の化合物及び第四の化合物は、それぞれ独立に、
下記一般式(3)で表される化合物、
下記一般式(4)で表される化合物、
下記一般式(5)で表される化合物、
下記一般式(6)で表される化合物、
下記一般式(7)で表される化合物、
下記一般式(8)で表される化合物、
下記一般式(9)で表される化合物、及び
下記一般式(10)で表される化合物からなる群から選択される1以上の化合物である。
(一般式(3)で表される化合物)
一般式(3)で表される化合物について説明する。
Figure 2023099234000107
(前記一般式(3)において、
301~R310のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
301~R310の少なくとも1つは下記一般式(31)で表される1価の基であり、
前記単環を形成せず、前記縮合環を形成せず、かつ下記一般式(31)で表される1価の基ではないR301~R310は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
-N(R906)(R907)で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。
Figure 2023099234000108
(前記一般式(31)において、
Ar301及びAr302は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
301~L303は、それぞれ独立に、
単結合、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~30のアリーレン基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~30の2価の複素環基であり、
*は、前記一般式(3)中のピレン環における結合位置を示す。)
第三の化合物及び第四の化合物中、R901、R902、R903、R904、R905、R906及びR907は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、又は
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であり、
901が複数存在する場合、複数のR901は、互いに同一であるか又は異なり、
902が複数存在する場合、複数のR902は、互いに同一であるか又は異なり、
903が複数存在する場合、複数のR903は、互いに同一であるか又は異なり、
904が複数存在する場合、複数のR904は、互いに同一であるか又は異なり、
905が複数存在する場合、複数のR905は、互いに同一であるか又は異なり、
906が複数存在する場合、複数のR906は、互いに同一であるか又は異なり、
907が複数存在する場合、複数のR907は、互いに同一であるか又は異なる。
前記一般式(3)において、R301~R310のうち2つが前記一般式(31)で表される基であることが好ましい。
一実施形態において、前記一般式(3)で表される化合物は、下記一般式(33)で表される化合物である。
Figure 2023099234000109
(前記一般式(33)において、
311~R318は、それぞれ独立に、前記一般式(3)における、前記一般式(31)で表される1価の基ではないR301~R310と同義であり、
311~L316は、それぞれ独立に、
単結合、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~30のアリーレン基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~30の2価の複素環基であり、
Ar312、Ar313、Ar315及びAr316は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
前記一般式(31)において、L301は、単結合であることが好ましく、L302及びL303は単結合であることが好ましい。
一実施形態において、前記一般式(3)で表される化合物は、下記一般式(34)又は一般式(35)で表される。
Figure 2023099234000110
(前記一般式(34)において、
311~R318は、それぞれ独立に、前記一般式(3)における、前記一般式(31)で表される1価の基ではないR301~R310と同義であり、
312、L313、L315及びL316は、それぞれ独立に、前記一般式(33)におけるL312、L313、L315及びL316と同義であり、
Ar312、Ar313、Ar315及びAr316は、それぞれ独立に、前記一般式(33)におけるAr312、Ar313、Ar315及びAr316と同義である。)
Figure 2023099234000111
(前記一般式(35)において、
311~R318は、それぞれ独立に、前記一般式(3)における、前記一般式(31)で表される1価の基ではないR301~R310と同義であり、
Ar312、Ar313、Ar315及びAr316は、それぞれ独立に、前記一般式(33)におけるAr312、Ar313、Ar315及びAr316と同義である。)
前記一般式(31)において、好ましくは、Ar301及びAr302のうち少なくとも1つが下記一般式(36)で表される基である。
前記一般式(33)~一般式(35)において、好ましくは、Ar312及びAr313のうち少なくとも1つが下記一般式(36)で表される基である。
前記一般式(33)~一般式(35)において、好ましくは、Ar315及びAr316のうち少なくとも1つが下記一般式(36)で表される基である。
Figure 2023099234000112
(前記一般式(36)において、
は、酸素原子又は硫黄原子を示し、
321~R327のうち隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
前記単環を形成せず、かつ前記縮合環を形成しないR321~R327は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
-N(R906)(R907)で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
*は、L302、L303、L312、L313、L315又はL316との結合位置を示す。)
は、酸素原子であることが好ましい。
321~R327のうち少なくとも1つは、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であることが好ましい。
前記一般式(31)において、Ar301が前記一般式(36)で表される基であり、Ar302が置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であることが好ましい。
前記一般式(33)~一般式(35)において、Ar312が前記一般式(36)で表される基であり、Ar313が置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であることが好ましい。
前記一般式(33)~一般式(35)において、Ar315が前記一般式(36)で表される基であり、Ar316が置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であることが好ましい。
一実施形態において、前記一般式(3)で表される化合物は、下記一般式(37)で表される。
Figure 2023099234000113
(前記一般式(37)において、
311~R318は、それぞれ独立に、前記一般式(3)における、前記一般式(31)で表される1価の基ではないR301~R310と同義であり、
321~R327のうち隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
341~R347のうち隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
前記単環を形成せず、かつ前記縮合環を形成しないR321~R327並びにR341~R347は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
-N(R906)(R907)で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
331~R335並びにR351~R355は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
-N(R906)(R907)で表される基、
ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
前記一般式(3)で表される化合物としては、例えば、以下に示す化合物が具体例として挙げられる。
Figure 2023099234000114
Figure 2023099234000115
Figure 2023099234000116
Figure 2023099234000117
Figure 2023099234000118
(一般式(4)で表される化合物)
一般式(4)で表される化合物について説明する。
Figure 2023099234000119
(前記一般式(4)において、
Zは、それぞれ独立に、CRa又は窒素原子であり、
A1環及びA2環は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50の芳香族炭化水素環、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環であり、
Raが複数存在する場合、複数のRaのうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
n21及びn22は、それぞれ独立に、0、1、2、3又は4であり、
Rbが複数存在する場合、複数のRbのうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
Rcが複数存在する場合、複数のRcのうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
前記単環を形成せず、かつ前記縮合環を形成しないRa、Rb及びRcは、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
-N(R906)(R907)で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
A1環及びA2環の「芳香族炭化水素環」は、上述した「アリール基」に水素原子を導入した化合物と同じ構造である。
A1環及びA2環の「芳香族炭化水素環」は、前記一般式(4)中央の縮合2環構造上の炭素原子2つを環形成原子として含む。
「置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50の芳香族炭化水素環」の具体例としては、具体例群G1に記載の「アリール基」に水素原子を導入した化合物等が挙げられる。
A1環及びA2環の「複素環」は、上述した「複素環基」に水素原子を導入した化合物と同じ構造である。
A1環及びA2環の「複素環」は、前記一般式(4)中央の縮合2環構造上の炭素原子2つを環形成原子として含む。
「置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環」の具体例としては、具体例群G2に記載の「複素環基」に水素原子を導入した化合物等が挙げられる。
Rbは、A1環としての芳香族炭化水素環を形成する炭素原子のいずれか、又は、A1環としての複素環を形成する原子のいずれかに結合する。
Rcは、A2環としての芳香族炭化水素環を形成する炭素原子のいずれか、又は、A2環としての複素環を形成する原子のいずれかに結合する。
Ra、Rb及びRcのうち、少なくとも1つが、下記一般式(4a)で表される基であることが好ましく、少なくとも2つが、下記一般式(4a)で表される基であることがより好ましい。
Figure 2023099234000120
(前記一般式(4a)において、
401は、
単結合、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~30のアリーレン基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~30の2価の複素環基であり、
Ar401は、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基、又は
下記一般式(4b)で表される基である。
Figure 2023099234000121
(前記一般式(4b)において、
402及びL403は、それぞれ独立に、
単結合、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~30のアリーレン基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~30の2価の複素環基であり、
Ar402及びAr403からなる組は、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
前記単環を形成せず、かつ前記縮合環を形成しないAr402及びAr403は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
一実施形態において、前記一般式(4)で表される化合物は下記一般式(42)で表される。
Figure 2023099234000122
(前記一般式(42)において、
401~R411のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
前記単環を形成せず、かつ前記縮合環を形成しないR401~R411は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
-N(R906)(R907)で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
401~R411のうち、少なくとも1つが、前記一般式(4a)で表される基であることが好ましく、少なくとも2つ前記一般式(4a)で表される基であることがより好ましい。
404及びR411が前記一般式(4a)で表される基であることが好ましい。
一実施形態において、前記一般式(4)で表される化合物は、A1環に下記一般式(4-1)又は一般式(4-2)で表される構造が結合した化合物である。
また、一実施形態において、前記一般式(42)で表される化合物は、R404~R407が結合する環に下記一般式(4-1)又は一般式(4-2)で表される構造が結合した化合物である。
Figure 2023099234000123
(前記一般式(4-1)において、2つの*は、それぞれ独立に、前記一般式(4)のA1環としての芳香族炭化水素環の環形成炭素原子もしくは複素環の環形成原子と結合するか、又は前記一般式(42)のR404~R407のいずれかと結合し、
前記一般式(4-2)の3つの*は、それぞれ独立に、前記一般式(4)のA1環としての芳香族炭化水素環の環形成炭素原子もしくは複素環の環形成原子と結合するか、又は前記一般式(42)のR404~R407のいずれかと結合し、
421~R427のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
431~R438のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
前記単環を形成せず、かつ前記縮合環を形成しないR421~R427並びにR431~R438は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
-N(R906)(R907)で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
一実施形態においては、前記一般式(4)で表される化合物は、下記一般式(41-3)、一般式(41-4)又は一般式(41-5)で表される化合物である。
Figure 2023099234000124
Figure 2023099234000125
Figure 2023099234000126
(前記一般式(41-3)、式(41-4)及び式(41-5)中、
A1環は、前記一般式(4)で定義した通りであり、
421~R427は、それぞれ独立に、前記一般式(4-1)におけるR421~R427と同義であり、
440~R448は、それぞれ独立に、前記一般式(42)におけるR401~R411と同義である。)
一実施形態においては、前記一般式(41-5)のA1環としての置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50の芳香族炭化水素環は、
置換もしくは無置換のナフタレン環、又は
置換もしくは無置換のフルオレン環である。
一実施形態においては、前記一般式(41-5)のA1環としての置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環は、
置換もしくは無置換のジベンゾフラン環、
置換もしくは無置換のカルバゾール環、又は
置換もしくは無置換のジベンゾチオフェン環である。
一実施形態においては、前記一般式(4)又は前記一般式(42)で表される化合物は、下記一般式(461)~一般式(467)で表される化合物からなる群から選択される。
Figure 2023099234000127
Figure 2023099234000128
Figure 2023099234000129
Figure 2023099234000130
Figure 2023099234000131
(前記一般式(461)、一般式(462)、一般式(463)、一般式(464)、一般式(465)、一般式(466)及び一般式(467)中、
421~R427は、それぞれ独立に、前記一般式(4-1)におけるR421~R427と同義であり、
431~R438は、それぞれ独立に、前記一般式(4-2)におけるR431~R438と同義であり、
440~R448並びにR451~R454は、それぞれ独立に、前記一般式(42)におけるR401~R411と同義であり、
は、酸素原子、NR801、又はC(R802)(R803)であり、
801、R802及びR803は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、又は
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であり、
801が複数存在する場合、複数のR801は、互いに同一であるか又は異なり、
802が複数存在する場合、複数のR802は、互いに同一であるか又は異なり、
803が複数存在する場合、複数のR803は、互いに同一であるか又は異なる。)
一実施形態において、前記一般式(42)で表される化合物は、R401~R411のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、又は互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成し、当該実施形態について、以下一般式(45)で表される化合物として詳述する。
(一般式(45)で表される化合物)
一般式(45)で表される化合物について説明する。
Figure 2023099234000132
(前記一般式(45)において、
461とR462とからなる組、R462とR463とからなる組、R464とR465とからなる組、R465とR466とからなる組、R466とR467とからなる組、R468とR469とからなる組、R469とR470とからなる組、及び、R470とR471とからなる組からなる群から選択される組のうち2以上は、互いに結合して、置換もしくは無置換の単環又は置換もしくは無置換の縮合環を形成し、
ただし、
461とR462とからなる組及びR462とR463とからなる組;
464とR465とからなる組及びR465とR466とからなる組;
465とR466とからなる組及びR466とR467とからなる組;
468とR469とからなる組及びR469とR470とからなる組;並びに
469とR470とからなる組及びR470とR471とからなる組が、同時に環を形成することはなく、
461~R471が形成する2つ以上の環は、互いに同一であるか、又は異なり、
前記単環を形成せず、かつ前記縮合環を形成しないR461~R471は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)、-N(R906)(R907)で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
前記一般式(45)において、RとRn+1(nは461、462、464~466、及び468~470から選ばれる整数を表す)は互いに結合して、RとRn+1が結合する2つの環形成炭素原子と共に、置換もしくは無置換の単環又は置換もしくは無置換の縮合環を形成する。当該環は、好ましくは、炭素原子、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子からなる群から選択される原子で構成され、当該環の原子数は、好ましくは3~7であり、より好ましくは5又は6である。
前記一般式(45)で表される化合物における上記の環構造の数は、例えば、2つ、3つ、又は4つである。2つ以上の環構造は、それぞれ前記一般式(45)の母骨格上の同一のベンゼン環上に存在してもよいし、異なるベンゼン環上に存在してもよい。例えば、環構造を3つ有する場合、前記一般式(45)の3つのベンゼン環のそれぞれに1つずつ環構造が存在してもよい。
前記一般式(45)で表される化合物における上記の環構造としては、例えば、下記一般式(451)~(460)で表される構造等が挙げられる。
Figure 2023099234000133
(前記一般式(451)~(457)において、
*1と*2、*3と*4、*5と*6、*7と*8、*9と*10、*11と*12及び*13と*14のそれぞれは、RとRn+1が結合する前記2つの環形成炭素原子を表し、
が結合する環形成炭素原子は、*1と*2、*3と*4、*5と*6、*7と*8、*9と*10、*11と*12及び*13と*14が表す2つの環形成炭素原子のどちらであってもよく、
45は、C(R4512)(R4513)、NR4514、酸素原子又は硫黄原子であり、
4501~R4506及びR4512~R4513のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
前記単環を形成せず、かつ前記縮合環を形成しないR4501~R4514は、それぞれ独立に、前記一般式(45)におけるR461~R471と同義である。)
Figure 2023099234000134
(前記一般式(458)~(460)において、
*1と*2、及び*3と*4のそれぞれは、RとRn+1が結合する前記2つの環形成炭素原子を表し、
が結合する環形成炭素原子は、*1と*2、又は*3と*4が表す2つの環形成炭素原子のどちらであってもよく、
45は、C(R4512)(R4513)、NR4514、酸素原子又は硫黄原子であり、
4512~R4513及びR4515~~R4525のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
前記単環を形成せず、かつ前記縮合環を形成しないR4512~R4513、R4515~R4521及びR4522~R4525、並びにR4514は、それぞれ独立に、前記一般式(45)におけるR461~R471と同義である。)
前記一般式(45)において、R462、R464、R465、R470及びR471の少なくとも1つ(好ましくは、R462、R465及びR470の少なくとも1つ、さらに好ましくはR462)が、環構造を形成しない基であると好ましい。
(i)前記一般式(45)において、RとRn+1により形成される環構造が置換基を有する場合の置換基、
(ii)前記一般式(45)において、環構造を形成しないR461~R471、及び
(iii)式(451)~(460)におけるR4501~R4514、R4515~~R4525は、好ましくは、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-N(R906)(R907)で表される基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基、又は
下記一般式(461)~一般式(464)で表される基からなる群から選択される基のいずれかである。
Figure 2023099234000135
(前記一般式(461)~(464)中、
は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
-N(R906)(R907)で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
46は、C(R801)(R802)、NR803、酸素原子又は硫黄原子であり、
801、R802及びR803は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、又は
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であり、
801が複数存在する場合、複数のR801は、互いに同一であるか又は異なり、
802が複数存在する場合、複数のR802は、互いに同一であるか又は異なり、
803が複数存在する場合、複数のR803は、互いに同一であるか又は異なり、
p1は、5であり、
p2は、4であり、
p3は、3であり、
p4は、7であり、
前記一般式(461)~(464)中の*は、それぞれ独立に、環構造との結合位置を示す。)
第三の化合物及び第四の化合物において、R901~R907は、前述のように定義した通りである。
一実施形態において、前記一般式(45)で表される化合物は、下記一般式(45-1)~(45-6)のいずれかで表される。
Figure 2023099234000136
Figure 2023099234000137
(前記一般式(45-1)~(45-6)において、
環d~iは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の単環又は置換もしくは無置換の縮合環であり、
461~R471は、それぞれ独立に、前記一般式(45)におけるR461~R471と同義である。)
一実施形態において、前記一般式(45)で表される化合物は、下記一般式(45-7)~(45-12)のいずれかで表される。
Figure 2023099234000138
Figure 2023099234000139
(前記一般式(45-7)~(45-12)において、
環d~f、k、jは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の単環又は置換もしくは無置換の縮合環であり、
461~R471は、それぞれ独立に、前記一般式(45)におけるR461~R471と同義である。)
一実施形態において、前記一般式(45)で表される化合物は、下記一般式(45-13)~(45-21)のいずれかで表される。
Figure 2023099234000140
Figure 2023099234000141
Figure 2023099234000142
(前記一般式(45-13)~(45-21)において、
環d~kは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の単環又は置換もしくは無置換の縮合環であり、
461~R471は、それぞれ独立に、前記一般式(45)におけるR461~R471と同義である。)
前記環g又は前記環hがさらに置換基を有する場合の置換基としては、例えば、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、
前記一般式(461)で表される基、
前記一般式(463)で表される基、又は
前記一般式(464)で表される基が挙げられる。
一実施形態において、前記一般式(45)で表される化合物は、下記一般式(45-22)~(45-25)のいずれかで表される。
Figure 2023099234000143
(前記一般式(45-22)~(45-25)において、
46及びX47は、それぞれ独立に、C(R801)(R802)、NR803、酸素原子又は硫黄原子であり、
461~R471並びにR481~R488は、それぞれ独立に、前記一般式(45)におけるR461~R471と同義である。
801、R802及びR803は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、又は
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であり、
801が複数存在する場合、複数のR801は、互いに同一であるか又は異なり、
802が複数存在する場合、複数のR802は、互いに同一であるか又は異なり、
803が複数存在する場合、複数のR803は、互いに同一であるか又は異なる。)
一実施形態において、前記一般式(45)で表される化合物は、下記一般式(45-26)で表される。
Figure 2023099234000144
(前記一般式(45-26)において、
46は、C(R801)(R802)、NR803、酸素原子又は硫黄原子であり、
463、R464、R467、R468、R471、及びR481~R492は、それぞれ独立に、前記一般式(45)におけるR461~R471と同義である。
801、R802及びR803は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、又は
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であり、
801が複数存在する場合、複数のR801は、互いに同一であるか又は異なり、
802が複数存在する場合、複数のR802は、互いに同一であるか又は異なり、
803が複数存在する場合、複数のR803は、互いに同一であるか又は異なる。)
前記一般式(4)で表される化合物としては、例えば、以下に示す化合物が具体例として挙げられる。下記具体例中、Phは、フェニル基を示し、Dは、重水素原子を示す。
Figure 2023099234000145
Figure 2023099234000146
Figure 2023099234000147
Figure 2023099234000148
Figure 2023099234000149
Figure 2023099234000150
Figure 2023099234000151
Figure 2023099234000152
Figure 2023099234000153
Figure 2023099234000154
(一般式(5)で表される化合物)
一般式(5)で表される化合物について説明する。一般式(5)で表される化合物は、上述した一般式(41-3)で表される化合物に対応する化合物である。
Figure 2023099234000155
(前記一般式(5)において、
501~R507及びR511~R517のうち隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
前記単環を形成せず、かつ前記縮合環を形成しないR501~R507及びR511~R517は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
-N(R906)(R907)で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。
521及びR522は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
-N(R906)(R907)で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
「R501~R507及びR511~R517のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組」は、例えば、R501とR502からなる組、R502とR503からなる組、R503とR504からなる組、R505とR506からなる組、R506とR507からなる組、R501とR502とR503からなる組等の組合せである。
一実施形態において、R501~R507及びR511~R517の少なくとも1つ、好ましくは2つが-N(R906)(R907)で表される基である。
一実施形態においては、R501~R507及びR511~R517は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。
一実施形態においては、前記一般式(5)で表される化合物は、下記一般式(52)で表される化合物である。
Figure 2023099234000156
(前記一般式(52)において、
531~R534及びR541~R544のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
前記単環を形成せず、かつ前記縮合環を形成しないR531~R534、R541~R544、並びにR551及びR552は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
561~R564は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
一実施形態においては、前記一般式(5)で表される化合物は、下記一般式(53)で表される化合物である。
Figure 2023099234000157
(前記一般式(53)において、R551、R552及びR561~R564は、それぞれ独立に、前記一般式(52)におけるR551、R552及びR561~R564と同義である。)
一実施形態においては、前記一般式(52)及び一般式(53)におけるR561~R564は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基(好ましくはフェニル基)である。
一実施形態においては、前記一般式(5)におけるR521及びR522、前記一般式(52)及び一般式(53)におけるR551及びR552は、水素原子である。
一実施形態においては、前記一般式(5)、一般式(52)及び一般式(53)における、「置換もしくは無置換の」という場合における置換基は、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。
前記一般式(5)で表される化合物としては、例えば、以下に示す化合物が具体例として挙げられる。
Figure 2023099234000158
Figure 2023099234000159
Figure 2023099234000160
Figure 2023099234000161
Figure 2023099234000162
Figure 2023099234000163
Figure 2023099234000164
Figure 2023099234000165
Figure 2023099234000166
Figure 2023099234000167
Figure 2023099234000168
Figure 2023099234000169
Figure 2023099234000170
Figure 2023099234000171
Figure 2023099234000172
Figure 2023099234000173
Figure 2023099234000174
(一般式(6)で表される化合物)
一般式(6)で表される化合物について説明する。
Figure 2023099234000175
(前記一般式(6)において、
a環、b環及びc環は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50の芳香族炭化水素環、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環であり、
601及びR602は、それぞれ独立に、前記a環、b環又はc環と結合して、置換もしくは無置換の複素環を形成するか、あるいは置換もしくは無置換の複素環を形成せず、
前記置換もしくは無置換の複素環を形成しないR601及びR602は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
a環、b環及びc環は、ホウ素原子及び2つの窒素原子から構成される前記一般式(6)中央の縮合2環構造に縮合する環(置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50の芳香族炭化水素環、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環)である。
a環、b環及びc環の「芳香族炭化水素環」は、上述した「アリール基」に水素原子を導入した化合物と同じ構造である。
a環の「芳香族炭化水素環」は、前記一般式(6)中央の縮合2環構造上の炭素原子3つを環形成原子として含む。
b環及びc環の「芳香族炭化水素環」は、前記一般式(6)中央の縮合2環構造上の炭素原子2つを環形成原子として含む。
「置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50の芳香族炭化水素環」の具体例としては、具体例群G1に記載の「アリール基」に水素原子を導入した化合物等が挙げられる。
a環、b環及びc環の「複素環」は、上述した「複素環基」に水素原子を導入した化合物と同じ構造である。
a環の「複素環」は、前記一般式(6)中央の縮合2環構造上の炭素原子3つを環形成原子として含む。b環及びc環の「複素環」は、前記一般式(6)中央の縮合2環構造上の炭素原子2つを環形成原子として含む。「置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環」の具体例としては、具体例群G2に記載の「複素環基」に水素原子を導入した化合物等が挙げられる。
601及びR602は、それぞれ独立に、a環、b環又はc環と結合して、置換もしくは無置換の複素環を形成してもよい。この場合における複素環は、前記一般式(6)中央の縮合2環構造上の窒素原子を含む。この場合における複素環は、窒素原子以外のヘテロ原子を含んでいてもよい。R601及びR602がa環、b環又はc環と結合するとは、具体的には、a環、b環又はc環を構成する原子とR601及びR602を構成する原子が結合することを意味する。例えば、R601がa環と結合して、R601を含む環とa環が縮合した2環縮合(又は3環縮合以上)の含窒素複素環を形成してもよい。当該含窒素複素環の具体例としては、具体例群G2のうち、窒素を含む2環縮合以上の複素環基に対応する化合物等が挙げられる。
601がb環と結合する場合、R602がa環と結合する場合、及びR602がc環と結合する場合も上記と同じである。
一実施形態において、前記一般式(6)におけるa環、b環及びc環は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50の芳香族炭化水素環である。
一実施形態において、前記一般式(6)におけるa環、b環及びc環は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のベンゼン環又はナフタレン環である。
一実施形態において、前記一般式(6)におけるR601及びR602は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
好ましくは置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基である。
一実施形態において、前記一般式(6)で表される化合物は下記一般式(62)で表される化合物である。
Figure 2023099234000176
(前記一般式(62)において、
601Aは、R611及びR621からなる群から選択される1以上と結合して、置換もしくは無置換の複素環を形成するか、あるいは置換もしくは無置換の複素環を形成せず、
602Aは、R613及びR614からなる群から選択される1以上と結合して、置換もしくは無置換の複素環を形成するか、あるいは置換もしくは無置換の複素環を形成せず、
前記置換もしくは無置換の複素環を形成しないR601A及びR602Aは、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
611~R621のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
前記置換もしくは無置換の複素環を形成せず、前記単環を形成せず、かつ前記縮合環を形成しないR611~R621は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
-N(R906)(R907)で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
前記一般式(62)のR601A及びR602Aは、それぞれ、前記一般式(6)のR601及びR602に対応する基である。
例えば、R601AとR611が結合して、これらを含む環とa環に対応するベンゼン環が縮合した2環縮合(又は3環縮合以上)の含窒素複素環を形成してもよい。当該含窒素複素環の具体例としては、具体例群G2のうち、窒素を含む2環縮合以上の複素環基に対応する化合物等が挙げられる。R601AとR621が結合する場合、R602AとR613が結合する場合、及びR602AとR614が結合する場合も上記と同じである。
611~R621のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、又は
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成してもよい。
例えば、R611とR612が結合して、これらが結合する6員環に対して、ベンゼン環、インドール環、ピロール環、ベンゾフラン環又はベンゾチオフェン環等が縮合した構造を形成してもよく、形成された縮合環は、ナフタレン環、カルバゾール環、インドール環、ジベンゾフラン環又はジベンゾチオフェン環となる。
一実施形態において、環形成に寄与しないR611~R621は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。
一実施形態において、環形成に寄与しないR611~R621は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。
一実施形態において、環形成に寄与しないR611~R621は、それぞれ独立に、
水素原子、又は
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基である。
一実施形態において、環形成に寄与しないR611~R621は、それぞれ独立に、
水素原子、又は
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基であり、
611~R621のうち少なくとも1つは、置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基である。
一実施形態において、前記一般式(62)で表される化合物は、下記一般式(63)で表される化合物である。
Figure 2023099234000177
(前記一般式(63)において、
631は、R646と結合して、置換もしくは無置換の複素環を形成するか、あるいは置換もしくは無置換の複素環を形成せず、
633は、R647と結合して、置換もしくは無置換の複素環を形成するか、あるいは置換もしくは無置換の複素環を形成せず、
634は、R651と結合して、置換もしくは無置換の複素環を形成するか、あるいは置換もしくは無置換の複素環を形成せず、
641は、R642と結合して、置換もしくは無置換の複素環を形成するか、あるいは置換もしくは無置換の複素環を形成せず、
631~R651のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
前記置換もしくは無置換の複素環を形成せず、前記単環を形成せず、かつ前記縮合環を形成しないR631~R651は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
-N(R906)(R907)で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
631は、R646と結合して、置換もしくは無置換の複素環を形成してもよい。例えば、R631とR646が結合して、R646が結合するベンゼン環と、Nを含む環と、a環に対応するベンゼン環とが縮合した3環縮合以上の含窒素複素環を形成してもよい。当該含窒素複素環の具体例としては、具体例群G2のうち、窒素を含む3環縮合以上の複素環基に対応する化合物等が挙げられる。R633とR647が結合する場合、R634とR651が結合する場合、及びR641とR642が結合する場合も上記と同じである。
一実施形態において、環形成に寄与しないR631~R651は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。
一実施形態において、環形成に寄与しないR631~R651は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。
一実施形態において、環形成に寄与しないR631~R651は、それぞれ独立に、
水素原子、又は
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基である。
一実施形態において、環形成に寄与しないR631~R651は、それぞれ独立に、
水素原子、又は
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基であり、
631~R651のうち少なくとも1つは置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基である。
一実施形態において、前記一般式(63)で表される化合物は、下記一般式(63A)で表される化合物である。
Figure 2023099234000178
(前記一般式(63A)において、
661は、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、又は
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であり、
662~R665は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、又は
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基である。)
一実施形態において、R661~R665は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、又は
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基である。
一実施形態において、R661~R665は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基である。
一実施形態において、前記一般式(63)で表される化合物は、下記一般式(63B)で表される化合物である。
Figure 2023099234000179
(前記一般式(63B)において、
671及びR672は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-N(R906)(R907)で表される基、又は
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であり、
673~R675は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-N(R906)(R907)で表される基、又は
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基である。)
一実施形態において、前記一般式(63)で表される化合物は、下記一般式(63B’)で表される化合物である。
Figure 2023099234000180
(前記一般式(63B’)において、R672~R675は、それぞれ独立に、前記一般式(63B)におけるR672~R675と同義である。)
一実施形態において、R671~R675のうち少なくとも1つは、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-N(R906)(R907)で表される基、又は
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基である。
一実施形態において、
672は、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
-N(R906)(R907)で表される基、又は
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であり、
671及びR673~R675は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
-N(R906)(R907)で表される基、又は
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基である。
一実施形態において、前記一般式(63)で表される化合物は、下記一般式(63C)で表される化合物である。
Figure 2023099234000181
(前記一般式(63C)において、
681及びR682は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、又は
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基である。
683~R686は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、又は
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基である。)
一実施形態において、前記一般式(63)で表される化合物は、下記一般式(63C’)で表される化合物である。
Figure 2023099234000182
(前記一般式(63C’)において、R683~R686は、それぞれ独立に、前記一般式(63C)におけるR683~R686と同義である。)
一実施形態において、R681~R686は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、又は
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基である。
一実施形態において、R681~R686は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基である。
前記一般式(6)で表される化合物は、まずa環、b環及びc環を連結基(N-R601を含む基及びN-R602を含む基)で結合させることで中間体を製造し(第1反応)、a環、b環及びc環を連結基(ホウ素原子を含む基)で結合させることで最終生成物を製造することができる(第2反応)。第1反応ではバッハブルト-ハートウィッグ反応等のアミノ化反応を適用できる。第2反応では、タンデムヘテロフリーデルクラフツ反応等を適用できる。
以下に、前記一般式(6)で表される化合物の具体例を記載するが、これらは例示に過ぎず、前記一般式(6)で表される化合物は下記具体例に限定されない。
Figure 2023099234000183
Figure 2023099234000184
Figure 2023099234000185
Figure 2023099234000186
Figure 2023099234000187
Figure 2023099234000188
Figure 2023099234000189
Figure 2023099234000190
Figure 2023099234000191
Figure 2023099234000192
Figure 2023099234000193
Figure 2023099234000194
(一般式(7)で表される化合物)
一般式(7)で表される化合物について説明する。
Figure 2023099234000195
Figure 2023099234000196
(前記一般式(7)において、
r環は、隣接環の任意の位置で縮合する前記一般式(72)又は一般式(73)で表される環であり、
q環及びs環は、それぞれ独立に、隣接環の任意の位置で縮合する前記一般式(74)で表される環であり、
p環及びt環は、それぞれ独立に、隣接環の任意の位置で縮合する前記一般式(75)又は一般式(76)で表される構造であり、
は、酸素原子、硫黄原子、又はNR702である。
701が複数存在する場合、隣接する複数のR701は、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
前記単環を形成せず、かつ前記縮合環を形成しないR701及びR702は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
-N(R906)(R907)で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
Ar701及びAr702は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
701は、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキレン基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニレン基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニレン基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキレン基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
m1は、0、1又は2であり、
m2は、0、1、2、3又は4であり、
m3は、それぞれ独立に、0、1、2又は3であり、
m4は、それぞれ独立に、0、1、2、3、4又は5であり、
701が複数存在する場合、複数のR701は、互いに同一であるか、又は異なり、
が複数存在する場合、複数のXは、互いに同一であるか、又は異なり、
702が複数存在する場合、複数のR702は、互いに同一であるか、又は異なり、
Ar701が複数存在する場合、複数のAr701は、互いに同一であるか、又は異なり、
Ar702が複数存在する場合、複数のAr702は、互いに同一であるか、又は異なり、
701が複数存在する場合、複数のL701は、互いに同一であるか、又は異なる。)
前記一般式(7)において、p環、q環、r環、s環及びt環の各環は、隣接環と炭素原子2つを共有して縮合する。縮合する位置及び向きは限定されず、任意の位置及び向きで縮合可能である。
一実施形態において、r環としての前記一般式(72)又は一般式(73)において、m1=0又はm2=0である。
一実施形態において、前記一般式(7)で表される化合物は、下記一般式(71-1)~(71-6)のいずれかで表される。
Figure 2023099234000197
Figure 2023099234000198
Figure 2023099234000199
Figure 2023099234000200
Figure 2023099234000201
Figure 2023099234000202
(前記一般式(71-1)~一般式(71-6)において、R701、X、Ar701、Ar702、L701、m1及びm3は、それぞれ、前記一般式(7)におけるR701、X、Ar701、Ar702、L701、m1及びm3と同義である。)
一実施形態において、前記一般式(7)で表される化合物は下記一般式(71-11)~一般式(71-13)のいずれかで表される。
Figure 2023099234000203
Figure 2023099234000204
Figure 2023099234000205
(前記一般式(71-11)~一般式(71-13)において、R701、X、Ar701、Ar702、L701、m1、m3及びm4は、それぞれ、前記一般式(7)におけるR701、X、Ar701、Ar702、L701、m1、m3及びm4と同義である。)
一実施形態において、前記一般式(7)で表される化合物は下記一般式(71-21)~(71-25)のいずれかで表される。
Figure 2023099234000206
Figure 2023099234000207
Figure 2023099234000208
Figure 2023099234000209
Figure 2023099234000210
(前記一般式(71-21)~一般式(71-25)において、R701、X、Ar701、Ar702、L701、m1及びm4は、それぞれ、前記一般式(7)におけるR701、X、Ar701、Ar702、L701、m1及びm4と同義である。)
一実施形態において、前記一般式(7)で表される化合物は下記一般式(71-31)~一般式(71-33)のいずれかで表される。
Figure 2023099234000211
Figure 2023099234000212
Figure 2023099234000213
(前記一般式(71-31)~一般式(71-33)において、R701、X、Ar701、Ar702、L701、m2~m4は、それぞれ、前記一般式(7)におけるR701、X、Ar701、Ar702、L701、m2~m4と同義である。)
一実施形態においては、Ar701及びAr702が、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基である。
一実施形態においては、Ar701及びAr702の一方が置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であり、Ar701及びAr702の他方が置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。
前記一般式(7)で表される化合物としては、例えば、以下に示す化合物が具体例として挙げられる。
Figure 2023099234000214
Figure 2023099234000215
Figure 2023099234000216
Figure 2023099234000217
Figure 2023099234000218
Figure 2023099234000219
(一般式(8)で表される化合物)
一般式(8)で表される化合物について説明する。
Figure 2023099234000220
(前記一般式(8)において、
801とR802、R802とR803、及びR803とR804の少なくとも一組は、互いに結合して下記一般式(82)で示される2価の基を形成し、
805とR806、R806とR807、及びR807とR808の少なくとも一組は、互いに結合して下記一般式(83)で示される2価の基を形成する。)
Figure 2023099234000221
(前記一般式(82)で示される2価の基を形成しないR801~R804、及びR811~R814の少なくとも1つは下記一般式(84)で表される1価の基であり、
前記一般式(83)で示される2価の基を形成しないR805~R808、及びR821~R824の少なくとも1つは下記一般式(84)で表される1価の基であり、
は、酸素原子、硫黄原子、又はNR809であり、
前記一般式(82)及び一般式(83)で表される2価の基を形成せず、かつ、前記一般式(84)で表される1価の基ではないR801~R808、前記一般式(84)で表される1価の基ではないR811~R814及びR821~R824、並びにR809は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
-N(R906)(R907)で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
Figure 2023099234000222
(前記一般式(84)において、
Ar801及びAr802は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
801~L803は、それぞれ独立に、
単結合、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~30のアリーレン基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5~30の2価の複素環基、又は
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~30のアリーレン基及び置換もしくは無置換の環形成原子数5~30の2価の複素環基からなる群から選択される2~4個の基が結合して形成される2価の連結基であり、
前記一般式(84)中の*は、前記一般式(8)で表される環構造、一般式(82)又は一般式(83)で表される基との結合位置を示す。)
前記一般式(8)において、前記一般式(82)で示される2価の基及び一般式(83)で示される2価の基が形成される位置は特に限定されず、R801~R808の可能な位置において当該基を形成し得る。
一実施形態において、前記一般式(8)で表される化合物は、下記一般式(81-1)~(81-6)のいずれかで表される。
Figure 2023099234000223
Figure 2023099234000224
Figure 2023099234000225
(前記一般式(81-1)~一般式(81-6)において、
は、前記一般式(8)におけるXと同義であり、
801~R824のうち少なくとも2つは、前記一般式(84)で表される1価の基であり、
前記一般式(84)で表される1価の基ではないR801~R824は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
-N(R906)(R907)で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
一実施形態において、前記一般式(8)で表される化合物は、下記一般式(81-7)~(81-18)のいずれかで表される。
Figure 2023099234000226
Figure 2023099234000227
Figure 2023099234000228
Figure 2023099234000229
Figure 2023099234000230
Figure 2023099234000231
(前記一般式(81-7)~一般式(81-18)において、
は、前記一般式(8)におけるXと同義であり、
*は、前記一般式(84)で表される1価の基と結合する単結合であり、
801~R824は、それぞれ独立に、前記一般式(81-1)~一般式(81-6)における前記一般式(84)で表される1価の基ではないR801~R824と同義である。)
前記一般式(82)及び一般式(83)で表される2価の基を形成せず、かつ、前記一般式(84)で表される1価の基ではないR801~R808、及び、前記一般式(84)で表される1価の基ではないR811~R814及びR821~R824は、好ましくは、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。
前記一般式(84)で表される1価の基は、好ましくは下記一般式(85)又は一般式(86)で表される。
Figure 2023099234000232
(前記一般式(85)において、
831~R840は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
-N(R906)(R907)で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
前記一般式(85)中の*は、前記一般式(84)中の*と同義である。)
Figure 2023099234000233
(前記一般式(86)において、
Ar801、L801及びL803は、前記一般式(84)におけるAr801、L801及びL803と同義であり、
HAr801は、下記一般式(87)で表される構造である。)
Figure 2023099234000234
(前記一般式(87)において、
81は、酸素原子又は硫黄原子であり、
841~R848のいずれか1つは、L803に結合する単結合であり、
単結合ではないR841~R848は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
-N(R906)(R907)で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
前記一般式(8)で表される化合物としては、国際公開第2014/104144号に記載の化合物の他、例えば、以下に示す化合物が具体例として挙げられる。
Figure 2023099234000235
Figure 2023099234000236
Figure 2023099234000237
Figure 2023099234000238
Figure 2023099234000239
Figure 2023099234000240
(一般式(9)で表される化合物)
一般式(9)で表される化合物について説明する。
Figure 2023099234000241
(前記一般式(9)において、
91環及びA92環は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50の芳香族炭化水素環、又は、
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環であり、
91環及びA92環からなる群から選択される1以上の環は、
下記一般式(92)で表される構造の*と結合する。
Figure 2023099234000242
(前記一般式(92)において、
93環は、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50の芳香族炭化水素環、又は、
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環であり、
は、NR93、C(R94)(R95)、Si(R96)(R97)、Ge(R98)(R99)、酸素原子、硫黄原子又はセレン原子であり、
91及びR92は、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
前記単環を形成せず、かつ前記縮合環を形成しないR91及びR92、並びにR93~R99は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
-N(R906)(R907)で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
91環及びA92環からなる群から選択される1以上の環は、前記一般式(92)で表される構造の*と結合する。即ち、一実施形態において、A91環の前記芳香族炭化水素環の環形成炭素原子、又は前記複素環の環形成原子は、前記一般式(92)で表される構造の*と結合する。また、一実施形態において、A92環の前記芳香族炭化水素環の環形成炭素原子、又は前記複素環の環形成原子は、前記一般式(92)で表される構造の*と結合する。
一実施形態において、A91環及びA92環のいずれか又は両方に下記一般式(93)で表される基が結合する。
Figure 2023099234000243
(前記一般式(93)において、
Ar91及びAr92は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
91~L93は、それぞれ独立に、
単結合、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~30のアリーレン基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5~30の2価の複素環基、又は
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~30のアリーレン基及び置換もしくは無置換の環形成原子数5~30の2価の複素環基からなる群から選択される2~4個結合して形成される2価の連結基であり、
前記一般式(93)中の*は、A91環及びA92環のいずれかとの結合位置を示す。)
一実施形態において、A91環に加えて、A92環の前記芳香族炭化水素環の環形成炭素原子、又は前記複素環の環形成原子は、前記一般式(92)で表される構造の*と結合する。この場合、前記一般式(92)で表される構造は、互いに同一でもよいし異なってもよい。
一実施形態において、R91及びR92は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基である。
一実施形態において、R91及びR92は、互いに結合してフルオレン構造を形成する。
一実施形態において、環A91及び環A92は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50の芳香族炭化水素環であり、例えば、置換もしくは無置換のベンゼン環である。
一実施形態において、環A93は、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50の芳香族炭化水素環であり、例えば、置換もしくは無置換のベンゼン環である。
一実施形態において、Xは、酸素原子又は硫黄原子である。
前記一般式(9)で表される化合物としては、例えば、以下に示す化合物が具体例として挙げられる。
Figure 2023099234000244
Figure 2023099234000245
Figure 2023099234000246
Figure 2023099234000247
(一般式(10)で表される化合物)
一般式(10)で表される化合物について説明する。
Figure 2023099234000248
Figure 2023099234000249
(前記一般式(10)において、
Ax環は、隣接環の任意の位置で縮合する前記一般式(10a)で表される環であり、
Ax環は、隣接環の任意の位置で縮合する前記一般式(10b)で表される環であり、
前記一般式(10b)中の2つの*は、Ax環の任意の位置と結合し、
及びXは、それぞれ独立に、C(R1003)(R1004)、Si(R1005)(R1006)、酸素原子又は硫黄原子であり、
Ax環は、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50の芳香族炭化水素環、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環であり、
Ar1001は、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
1001~R1006は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
-N(R906)(R907)で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
mx1は、3であり、mx2は、2であり、
複数のR1001は、互いに同一であるか、又は異なり、
複数のR1002は、互いに同一であるか、又は異なり、
axは、0、1又は2であり、
axが0又は1の場合、「3-ax」で示されるカッコ内の構造は、互いに同一であるか、又は異なり、
axが2の場合、複数のAr1001は、互いに同一であるか、又は異なる。)
一実施形態において、Ar1001は、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基である。
一実施形態において、Ax環は、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50の芳香族炭化水素環であり、例えば、置換もしくは無置換のベンゼン環、置換もしくは無置換のナフタレン環、又は置換もしくは無置換のアントラセン環である。
一実施形態において、R1003及びR1004は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基である。
一実施形態において、axは1である。
前記一般式(10)で表される化合物としては、例えば、以下に示す化合物が具体例として挙げられる。
Figure 2023099234000250
一実施形態においては、前記発光層が、第三の化合物及び第四の化合物の少なくともいずれかの化合物として、
前記一般式(4)で表される化合物、
前記一般式(5)で表される化合物、
前記一般式(7)で表される化合物、
前記一般式(8)で表される化合物、
前記一般式(9)で表される化合物及び
下記一般式(63a)で表される化合物からなる群から選択される1以上の化合物を含有する。
Figure 2023099234000251
(前記一般式(63a)において、
631は、R646と結合して、置換もしくは無置換の複素環を形成するか、あるいは置換もしくは無置換の複素環を形成しない。
633は、R647と結合して、置換もしくは無置換の複素環を形成するか、あるいは置換もしくは無置換の複素環を形成しない。
634は、R651と結合して、置換もしくは無置換の複素環を形成するか、あるいは置換もしくは無置換の複素環を形成しない。
641は、R642と結合して、置換もしくは無置換の複素環を形成するか、あるいは置換もしくは無置換の複素環を形成しない。
631~R651のうちの隣接する2つ以上の1組以上は、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
前記置換もしくは無置換の複素環を形成せず、前記単環を形成せず、かつ前記縮合環を形成しないR631~R651は、それぞれ独立に、
水素原子、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
-N(R906)(R907)で表される基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
但し、前記置換もしくは無置換の複素環を形成せず、前記単環を形成せず、かつ前記縮合環を形成しないR631~R651のうちの少なくとも1つは、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
-N(R906)(R907)で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
一実施形態においては、前記一般式(4)で表される化合物が、前記一般式(41-3)、一般式(41-4)又は一般式(41-5)で表される化合物であり、前記一般式(41-5)中のA1環が、置換もしくは無置換の環形成炭素数10~50の縮合芳香族炭化水素環、又は置換もしくは無置換の環形成原子数8~50の縮合複素環である。
一実施形態においては、前記一般式(41-3)、一般式(41-4)、及び一般式(41-5)における、前記置換もしくは無置換の環形成炭素数10~50の縮合芳香族炭化水素環が、
置換もしくは無置換のナフタレン環、
置換もしくは無置換のアントラセン環、又は
置換もしくは無置換のフルオレン環であり、
前記置換もしくは無置換の環形成原子数8~50の縮合複素環が、
置換もしくは無置換のジベンゾフラン環、
置換もしくは無置換のカルバゾール環、又は
置換もしくは無置換のジベンゾチオフェン環である。
一実施形態においては、前記一般式(41-3)、一般式(41-4)又は一般式(41-5)における、前記置換もしくは無置換の環形成炭素数10~50の縮合芳香族炭化水素環が、
置換もしくは無置換のナフタレン環、又は
置換もしくは無置換のフルオレン環であり、
前記置換もしくは無置換の環形成原子数8~50の縮合複素環が、
置換もしくは無置換のジベンゾフラン環、
置換もしくは無置換のカルバゾール環、又は
置換もしくは無置換のジベンゾチオフェン環である。
一実施形態においては、前記一般式(4)で表される化合物が、
下記一般式(461)で表される化合物、
下記一般式(462)で表される化合物、
下記一般式(463)で表される化合物、
下記一般式(464)で表される化合物、
下記一般式(465)で表される化合物、
下記一般式(466)で表される化合物、及び
下記一般式(467)で表される化合物からなる群から選択される。
Figure 2023099234000252
Figure 2023099234000253
Figure 2023099234000254
Figure 2023099234000255
Figure 2023099234000256
(前記一般式(461)~(467)中、
421~R427、R431~R436、R440~R448及びR451~R454のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
437、R438、並びに前記単環を形成せず、かつ前記縮合環を形成しないR421~R427、R431~R436、R440~R448及びR451~R454は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
-N(R906)(R907)で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
は、酸素原子、NR801、又はC(R802)(R803)であり、
801、R802及びR803は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、又は
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であり、
801が複数存在する場合、複数のR801は、互いに同一であるか又は異なり、
802が複数存在する場合、複数のR802は、互いに同一であるか又は異なり、
803が複数存在する場合、複数のR803は、互いに同一であるか又は異なる。)
一実施形態においては、R421~R427及びR440~R448が、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。
一実施形態においては、R421~R427及びR440~R447が、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~18のアリール基、及び
置換もしくは無置換の環形成原子数5~18の複素環基からなる群から選択される。
一実施形態においては、前記一般式(41-3)で表される化合物が、下記一般式(41-3-1)で表される化合物である。
Figure 2023099234000257
(前記一般式(41-3-1)中、R423、R425、R426、R442、R444及びR445は、それぞれ独立に、前記一般式(41-3)におけるR423、R425、R426、R442、R444及びR445と同義である。)
一実施形態においては、前記一般式(41-3)で表される化合物が、下記一般式(41-3-2)で表される化合物である。
Figure 2023099234000258
(前記一般式(41-3-2)中、R421~R427及びR440~R448は、それぞれ独立に、前記一般式(41-3)におけるR421~R427及びR440~R448と同義であり、
但し、R421~R427及びR440~R446の少なくとも1つは、-N(R906)(R907)で表される基である。)
一実施形態においては、前記式(41-3-2)における、R421~R427及びR440~R446のいずれか2つが、-N(R906)(R907)で表される基である。
一実施形態においては、前記式(41-3-2)で表される化合物が、下記式(41-3-3)で表される化合物である。
Figure 2023099234000259
(前記一般式(41-3-3)中、R421~R424、R440~R443、R447及びR448は、それぞれ独立に、前記一般式(41-3)におけるR421~R424、R440~R443、R447及びR448と同義であり、
、R、R及びRは、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~18のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~18の複素環基である。)
一実施形態においては、前記式(41-3-3)で表される化合物が、下記式(41-3-4)で表される化合物である。
Figure 2023099234000260
(前記一般式(41-3-4)中、R447、R448、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、前記式(41-3-3)におけるR447、R448、R、R、R及びRと同義である。)
一実施形態においては、R、R、R及びRが、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~18のアリール基である。
一実施形態においては、R、R、R及びRが、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のフェニル基である。
一実施形態においては、R447及びR448が、水素原子である。
一実施形態においては、前記各式中の「置換もしくは無置換の」という場合における置換基が、
無置換の炭素数1~50のアルキル基、
無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901a)(R902a)(R903a)、
-O-(R904a)、
-S-(R905a)、
-N(R906a)(R907a)、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
901a~R907aは、それぞれ独立に、
水素原子、
無置換の炭素数1~50のアルキル基、
無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
901aが2以上存在する場合、2以上のR901aは、互いに同一であるか、又は異なり、
902aが2以上存在する場合、2以上のR902aは、互いに同一であるか、又は異なり、
903aが2以上存在する場合、2以上のR903aは、互いに同一であるか、又は異なり、
904aが2以上存在する場合、2以上のR904aは、互いに同一であるか、又は異なり、
905aが2以上存在する場合、2以上のR905aは、互いに同一であるか、又は異なり、
906aが2以上存在する場合、2以上のR906aは、互いに同一であるか、又は異なり、
907aが2以上存在する場合、2以上のR907aは、互いに同一であるか、又は異なる。
一実施形態においては、前記各式中の「置換もしくは無置換の」という場合における置換基が、
無置換の炭素数1~50のアルキル基、
無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。
一実施形態においては、前記各式中の「置換もしくは無置換の」という場合における置換基が、
無置換の炭素数1~18のアルキル基、
無置換の環形成炭素数6~18のアリール基、又は
無置換の環形成原子数5~18の複素環基である。
本実施形態に係る有機EL素子において、前記第二の発光層は、蛍光発光性の第四の化合物をさらに含有し、
前記第四の化合物は、主ピーク波長が430nm以上480nm以下の発光を示す化合物であることが好ましい。
本実施形態に係る有機EL素子において、前記第一の発光層は、蛍光発光性の第三の化合物をさらに含有し、前記第三の化合物は、主ピーク波長が430nm以上480nm以下の発光を示す化合物であることが好ましい。
化合物の主ピーク波長の測定方法は、次の通りである。測定対象となる化合物の10-6mol/L以上10-5mol/L以下のトルエン溶液を調製して石英セルに入れ、常温(300K)でこの試料の発光スペクトル(縦軸:発光強度、横軸:波長とする。)を測定する。発光スペクトルは、株式会社日立ハイテクサイエンス製の分光光度計(装置名:F-7000)により測定できる。なお、発光スペクトル測定装置は、ここで用いた装置に限定されない。
発光スペクトルにおいて、発光強度が最大となる発光スペクトルのピーク波長を発光主ピーク波長とする。なお、本明細書において、主ピーク波長を蛍光発光主ピーク波長(FL-peak)と称する場合がある。
本実施形態に係る有機EL素子において、第一の発光層が第一の化合物及び第三の化合物を含む場合、第一の化合物は、ホスト材料(マトリックス材料と称する場合もある。)であることが好ましく、第三の化合物は、ドーパント材料(ゲスト材料、エミッター、又は発光材料と称する場合もある。)であることが好ましい。
本実施形態に係る有機EL素子において、第一の発光層が第一の化合物及び第三の化合物を含む場合、第一の化合物の一重項エネルギーS(H1)と、第三の化合物の一重項エネルギーS(D3)とが、下記数式(数1)の関係を満たすことが好ましい。
(H1)>S(D3)…(数1)
本実施形態に係る有機EL素子において、第二の発光層が第二の化合物及び第四の化合物を含む場合、第二の化合物は、ホスト材料(マトリックス材料と称する場合もある。)であることが好ましく、第四の化合物は、ドーパント材料(ゲスト材料、エミッター、又は発光材料と称する場合もある。)であることが好ましい。
本実施形態に係る有機EL素子において、第二の発光層が第二の化合物及び第四の化合物を含む場合、第二の化合物の一重項エネルギーS(H2)と、第四の化合物の一重項エネルギーS(D4)とが、下記数式(数2)の関係を満たすことが好ましい。
(H2)>S(D4)…(数2)
(一重項エネルギーS
溶液を用いた一重項エネルギーSの測定方法(溶液法と称する場合がある。)としては、下記の方法が挙げられる。
測定対象となる化合物の10-5mol/L以上10-4mol/L以下のトルエン溶液を調製して石英セルに入れ、常温(300K)でこの試料の吸収スペクトル(縦軸:吸収強度、横軸:波長とする。)を測定する。この吸収スペクトルの長波長側の立ち下がりに対して接線を引き、その接線と横軸との交点の波長値λedge[nm]を次に示す換算式(F2)に代入して一重項エネルギーを算出する。
換算式(F2):S[eV]=1239.85/λedge
吸収スペクトル測定装置としては、例えば、日立社製の分光光度計(装置名:U3310)が挙げられるが、これに限定されない。
吸収スペクトルの長波長側の立ち下がりに対する接線は以下のように引く。吸収スペクトルの極大値のうち、最も長波長側の極大値から長波長方向にスペクトル曲線上を移動する際に、曲線上の各点における接線を考える。この接線は、曲線が立ち下がるにつれ(つまり縦軸の値が減少するにつれ)、傾きが減少しその後増加することを繰り返す。傾きの値が最も長波長側(ただし、吸光度が0.1以下となる場合は除く)で極小値をとる点において引いた接線を当該吸収スペクトルの長波長側の立ち下がりに対する接線とする。
なお、吸光度の値が0.2以下の極大点は、上記最も長波長側の極大値には含めない。
第一の発光層及び第二の発光層は、燐光発光性材料(ドーパント材料)を含まないことが好ましい。
また、第一の発光層及び第二の発光層は、重金属錯体及び燐光発光性の希土類金属錯体を含まないことが好ましい。ここで、重金属錯体としては、例えば、イリジウム錯体、オスミウム錯体、及び白金錯体等が挙げられる。
また、第一の発光層及び第二の発光層は、金属錯体を含まないことも好ましい。
(発光層の膜厚)
本実施形態に係る有機EL素子の発光層の膜厚は、5nm以上50nm以下であることが好ましく、7nm以上50nm以下であることがより好ましく、10nm以上50nm以下であることがさらに好ましい。発光層の膜厚が5nm以上であると、発光層を形成し易く、色度を調整し易い。発光層の膜厚が50nm以下であると、駆動電圧の上昇を抑制し易い。
(発光層における化合物の含有率)
第一の発光層が第一の化合物及び第三の化合物を含有する場合、第一の発光層における第一の化合物及び第三の化合物の含有率は、例えば、それぞれ、以下の範囲であることが好ましい。
第一の化合物の含有率は、80質量%以上99質量%以下であることが好ましく、90質量%以上99質量%以下であることがより好ましく、95質量%以上99質量%以下であることがさらに好ましい。
第三の化合物の含有率は、1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、1質量%以上7質量%以下であることがより好ましく、1質量%以上5質量%以下であることがさらに好ましい。
ただし、第一の発光層における第一の化合物及び第三の化合物の合計含有率の上限は、100質量%である。
なお、本実施形態は、第一の発光層に、第一の化合物及び第三の化合物以外の材料が含まれることを除外しない。
第一の発光層は、第一の化合物を1種のみ含んでもよいし、2種以上含んでもよい。第一の発光層は、第三の化合物を1種のみ含んでもよいし、2種以上含んでもよい。
第二の発光層が第二の化合物及び第四の化合物を含有する場合、第二の発光層における第二の化合物及び第四の化合物の含有率は、例えば、それぞれ、以下の範囲であることが好ましい。
第二の化合物の含有率は、80質量%以上99質量%以下であることが好ましく、90質量%以上99質量%以下であることがより好ましく、95質量%以上99質量%以下であることがさらに好ましい。
第四の化合物の含有率は、1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、1質量%以上7質量%以下であることがより好ましく、1質量%以上5質量%以下であることがさらに好ましい。
ただし、第二の発光層における第二の化合物及び第四の化合物の合計含有率の上限は、100質量%である。
なお、本実施形態は、第二の発光層に、第二の化合物及び第四の化合物以外の材料が含まれることを除外しない。
第二の発光層は、第二の化合物を1種のみ含んでもよいし、2種以上含んでもよい。第二の発光層は、第四の化合物を1種のみ含んでもよいし、2種以上含んでもよい。
有機EL素子1の構成についてさらに説明する。以下、符号の記載は省略することがある。
(基板)
基板は、有機EL素子の支持体として用いられる。基板としては、例えば、ガラス、石英、及びプラスチック等を用いることができる。また、可撓性基板を用いてもよい。可撓性基板とは、折り曲げることができる(フレキシブル)基板のことであり、例えば、プラスチック基板等が挙げられる。プラスチック基板を形成する材料としては、例えば、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルスルフォン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリフッ化ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、及びポリエチレンナフタレート等が挙げられる。また、無機蒸着フィルムを用いることもできる。
(陽極)
基板上に形成される陽極には、仕事関数の大きい(具体的には4.0eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを用いることが好ましい。具体的には、例えば、酸化インジウム-酸化スズ(ITO:Indium Tin Oxide)、珪素もしくは酸化珪素を含有した酸化インジウム-酸化スズ、酸化インジウム-酸化亜鉛、酸化タングステン、および酸化亜鉛を含有した酸化インジウム、グラフェン等が挙げられる。この他、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、チタン(Ti)、または金属材料の窒化物(例えば、窒化チタン)等が挙げられる。
これらの材料は、通常、スパッタリング法により成膜される。例えば、酸化インジウム-酸化亜鉛は、酸化インジウムに対し1質量%以上10質量%以下の酸化亜鉛を加えたターゲットを用いることにより、スパッタリング法で形成することができる。また、例えば、酸化タングステン、および酸化亜鉛を含有した酸化インジウムは、酸化インジウムに対し酸化タングステンを0.5質量%以上5質量%以下、酸化亜鉛を0.1質量%以上1質量%以下含有したターゲットを用いることにより、スパッタリング法で形成することができる。その他、真空蒸着法、塗布法、インクジェット法、スピンコート法などにより作製してもよい。
陽極上に形成されるEL層のうち、陽極に接して形成される正孔注入層は、陽極の仕事関数に関係なく正孔(ホール)注入が容易である複合材料を用いて形成されるため、電極材料として可能な材料(例えば、金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物、その他、元素周期表の第1族または第2族に属する元素も含む)を用いることができる。
仕事関数の小さい材料である、元素周期表の第1族または第2族に属する元素、すなわちリチウム(Li)やセシウム(Cs)等のアルカリ金属、およびマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)等のアルカリ土類金属、およびこれらを含む合金(例えば、MgAg、AlLi)、ユーロピウム(Eu)、イッテルビウム(Yb)等の希土類金属およびこれらを含む合金等を用いることもできる。なお、アルカリ金属、アルカリ土類金属、およびこれらを含む合金を用いて陽極を形成する場合には、真空蒸着法やスパッタリング法を用いることができる。さらに、銀ペーストなどを用いる場合には、塗布法やインクジェット法などを用いることができる。
(陰極)
陰極には、仕事関数の小さい(具体的には3.8eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを用いることが好ましい。このような陰極材料の具体例としては、元素周期表の第1族または第2族に属する元素、すなわちリチウム(Li)やセシウム(Cs)等のアルカリ金属、およびマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)等のアルカリ土類金属、およびこれらを含む合金(例えば、MgAg、AlLi)、ユーロピウム(Eu)、イッテルビウム(Yb)等の希土類金属およびこれらを含む合金等が挙げられる。
なお、アルカリ金属、アルカリ土類金属、これらを含む合金を用いて陰極を形成する場合には、真空蒸着法やスパッタリング法を用いることができる。また、銀ペーストなどを用いる場合には、塗布法やインクジェット法などを用いることができる。
なお、電子注入層を設けることにより、仕事関数の大小に関わらず、Al、Ag、ITO、グラフェン、珪素もしくは酸化珪素を含有した酸化インジウム-酸化スズ等様々な導電性材料を用いて陰極を形成することができる。これらの導電性材料は、スパッタリング法やインクジェット法、スピンコート法等を用いて成膜することができる。
(正孔注入層)
正孔注入層は、正孔注入性の高い物質を含む層である。正孔注入性の高い物質としては、モリブデン酸化物、チタン酸化物、バナジウム酸化物、レニウム酸化物、ルテニウム酸化物、クロム酸化物、ジルコニウム酸化物、ハフニウム酸化物、タンタル酸化物、銀酸化物、タングステン酸化物、マンガン酸化物等を用いることができる。
また、正孔注入性の高い物質としては、低分子の有機化合物である4,4’,4’’-トリス(N,N-ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’-トリス[N-(3-メチルフェニル)-N-フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、4,4’-ビス[N-(4-ジフェニルアミノフェニル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DPAB)、4,4’-ビス(N-{4-[N’-(3-メチルフェニル)-N’-フェニルアミノ]フェニル}-N-フェニルアミノ)ビフェニル(略称:DNTPD)、1,3,5-トリス[N-(4-ジフェニルアミノフェニル)-N-フェニルアミノ]ベンゼン(略称:DPA3B)、3-[N-(9-フェニルカルバゾール-3-イル)-N-フェニルアミノ]-9-フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA1)、3,6-ビス[N-(9-フェニルカルバゾール-3-イル)-N-フェニルアミノ]-9-フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA2)、3-[N-(1-ナフチル)-N-(9-フェニルカルバゾール-3-イル)アミノ]-9-フェニルカルバゾール(略称:PCzPCN1)等の芳香族アミン化合物等やジピラジノ[2,3-f:20,30-h]キノキサリン-2,3,6,7,10,11-ヘキサカルボニトリル(HAT-CN)も挙げられる。
また、正孔注入性の高い物質としては、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)を用いることもできる。例えば、ポリ(N-ビニルカルバゾール)(略称:PVK)、ポリ(4-ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)、ポリ[N-(4-{N’-[4-(4-ジフェニルアミノ)フェニル]フェニル-N’-フェニルアミノ}フェニル)メタクリルアミド](略称:PTPDMA)、ポリ[N,N’-ビス(4-ブチルフェニル)-N,N’-ビス(フェニル)ベンジジン](略称:Poly-TPD)などの高分子化合物が挙げられる。また、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS)、ポリアニリン/ポリ(スチレンスルホン酸)(PAni/PSS)等の酸を添加した高分子化合物を用いることもできる。
(正孔輸送層)
正孔輸送層は、正孔輸送性の高い物質を含む層である。正孔輸送層には、芳香族アミン化合物、カルバゾール誘導体、アントラセン誘導体等を使用する事ができる。具体的には、4,4’-ビス[N-(1-ナフチル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)やN,N’-ビス(3-メチルフェニル)-N,N’-ジフェニル-[1,1’-ビフェニル]-4,4’-ジアミン(略称:TPD)、4-フェニル-4’-(9-フェニルフルオレン-9-イル)トリフェニルアミン(略称:BAFLP)、4,4’-ビス[N-(9,9-ジメチルフルオレン-2-イル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DFLDPBi)、4,4’,4’’-トリス(N,N-ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’-トリス[N-(3-メチルフェニル)-N-フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、4,4’-ビス[N-(スピロ-9,9’-ビフルオレン-2-イル)-N―フェニルアミノ]ビフェニル(略称:BSPB)などの芳香族アミン化合物等を用いることができる。ここに述べた物質は、主に10-6cm/(V・s)以上の正孔移動度を有する物質である。
正孔輸送層には、CBP、9-[4-(N-カルバゾリル)]フェニル-10-フェニルアントラセン(CzPA)、9-フェニル-3-[4-(10-フェニル-9-アントリル)フェニル]-9H-カルバゾール(PCzPA)のようなカルバゾール誘導体や、t-BuDNA、DNA、DPAnthのようなアントラセン誘導体を用いても良い。ポリ(N-ビニルカルバゾール)(略称:PVK)やポリ(4-ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)等の高分子化合物を用いることもできる。
但し、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものを用いてもよい。なお、正孔輸送性の高い物質を含む層は、単層のものだけでなく、上記物質からなる層が二層以上積層したものとしてもよい。
(電子輸送層)
電子輸送層は、電子輸送性の高い物質を含む層である。電子輸送層には、1)アルミニウム錯体、ベリリウム錯体、亜鉛錯体等の金属錯体、2)イミダゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、アジン誘導体、カルバゾール誘導体、フェナントロリン誘導体等の複素芳香族化合物、3)高分子化合物を使用することができる。具体的には低分子の有機化合物として、Alq、トリス(4-メチル-8-キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq)、ビス(10-ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq)、BAlq、Znq、ZnPBO、ZnBTZなどの金属錯体等を用いることができる。また、金属錯体以外にも、2-(4-ビフェニリル)-5-(4-tert-ブチルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3-ビス[5-(ptert-ブチルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル]ベンゼン(略称:OXD-7)、3-(4-tert-ブチルフェニル)-4-フェニル-5-(4-ビフェニリル)-1,2,4-トリアゾール(略称:TAZ)、3-(4-tert-ブチルフェニル)-4-(4-エチルフェニル)-5-(4-ビフェニリル)-1,2,4-トリアゾール(略称:p-EtTAZ)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)、4,4’-ビス(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)スチルベン(略称:BzOs)などの複素芳香族化合物も用いることができる。本実施態様においては、ベンゾイミダゾール化合物を好適に用いることができる。ここに述べた物質は、主に10-6cm/(V・s)以上の電子移動度を有する物質である。なお、正孔輸送性よりも電子輸送性の高い物質であれば、上記以外の物質を電子輸送層として用いてもよい。また、電子輸送層は、単層で構成されていてもよいし、上記物質からなる層が二層以上積層されて構成されていてもよい。
電子輸送層に用い得る化合物の具体例としては、例えば、以下の化合物挙げられる。ただし、本発明は、これら化合物の具体例に限定されない。
Figure 2023099234000261
また、電子輸送層には、高分子化合物を用いることもできる。例えば、ポリ[(9,9-ジヘキシルフルオレン-2,7-ジイル)-co-(ピリジン-3,5-ジイル)](略称:PF-Py)、ポリ[(9,9-ジオクチルフルオレン-2,7-ジイル)-co-(2,2’-ビピリジン-6,6’-ジイル)](略称:PF-BPy)などを用いることができる。
(電子注入層)
電子注入層は、電子注入性の高い物質を含む層である。電子注入層には、リチウム(Li)、セシウム(Cs)、カルシウム(Ca)、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(CaF)、リチウム酸化物(LiOx)等のようなアルカリ金属、アルカリ土類金属、またはそれらの化合物を用いることができる。その他、電子輸送性を有する物質にアルカリ金属、アルカリ土類金属、またはそれらの化合物を含有させたもの、具体的にはAlq中にマグネシウム(Mg)を含有させたもの等を用いてもよい。なお、この場合には、陰極からの電子注入をより効率良く行うことができる。
あるいは、電子注入層に、有機化合物と電子供与体(ドナー)とを混合してなる複合材料を用いてもよい。このような複合材料は、電子供与体によって有機化合物に電子が発生するため、電子注入性および電子輸送性に優れている。この場合、有機化合物としては、発生した電子の輸送に優れた材料であることが好ましく、具体的には、例えば上述した電子輸送層を構成する物質(金属錯体や複素芳香族化合物等)を用いることができる。電子供与体としては、有機化合物に対し電子供与性を示す物質であればよい。具体的には、アルカリ金属やアルカリ土類金属や希土類金属が好ましく、リチウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、エルビウム、イッテルビウム等が挙げられる。また、アルカリ金属酸化物やアルカリ土類金属酸化物が好ましく、リチウム酸化物、カルシウム酸化物、バリウム酸化物等が挙げられる。また、酸化マグネシウムのようなルイス塩基を用いることもできる。また、テトラチアフルバレン(略称:TTF)等の有機化合物を用いることもできる。
(層形成方法)
本実施形態の有機EL素子の各層の形成方法としては、上記で特に言及した以外には制限されないが、真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマ法、イオンプレーティング法などの乾式成膜法や、スピンコーティング法、ディッピング法、フローコーティング法、インクジェット法などの湿式成膜法などの公知の方法を採用することができる。
(膜厚)
本実施形態の有機EL素子の各有機層の膜厚は、上記で特に言及した場合を除いて限定されない。一般に、膜厚が薄すぎるとピンホール等の欠陥が生じやすく、膜厚が厚すぎると高い印加電圧が必要となり効率が悪くなるため、通常、有機EL素子の各有機層の膜厚は、数nmから1μmの範囲が好ましい。
本実施形態によれば、発光効率が向上した有機エレクトロルミネッセンス素子を提供できる。
本実施形態に係る有機EL素子においては、前記一般式(1)等で表される第一の化合物を第一のホスト材料として含有する第一の発光層と、前記一般式(2)等で表される第二の化合物を第二のホスト材料として含有する第二の発光層とが、直接、接している。第一の発光層と第二の発光層とをこのように積層させることで、有機EL素子の発光効率が向上する。また、本実施形態の一態様に係る有機EL素子によれば、低電圧で駆動する。
〔第二実施形態〕
(電子機器)
本実施形態に係る電子機器は、上述の実施形態のいずれかの有機EL素子を搭載している。電子機器としては、例えば、表示装置及び発光装置等が挙げられる。表示装置としては、例えば、表示部品(例えば、有機ELパネルモジュール等)、テレビ、携帯電話、タブレット、及びパーソナルコンピュータ等が挙げられる。発光装置としては、例えば、照明及び車両用灯具等が挙げられる。
〔実施形態の変形〕
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されず、本発明の目的を達成できる範囲での変更、改良等は、本発明に含まれる。
例えば、発光層は、2層に限られず、2を超える複数の発光層が積層されていてもよい。有機EL素子が2を超える複数の発光層を有する場合、少なくとも2つの発光層が上記実施形態で説明した条件を満たしていればよい。例えば、その他の発光層が、蛍光発光型の発光層であっても、三重項励起状態から直接基底状態への電子遷移による発光を利用した燐光発光型の発光層であってもよい。
また、有機EL素子が複数の発光層を有する場合、これらの発光層が互いに隣接して設けられていてもよいし、中間層を介して複数の発光ユニットが積層された、いわゆるタンデム型の有機EL素子であってもよい。
3以上の発光層を有する有機EL素子の一態様として、例えば、次の有機EL素子が挙げられる。
陽極と、
陰極と、
前記陽極及び前記陰極の間に配置された第一の発光層と、
前記第一の発光層と前記陰極との間に配置された第二の発光層と、
前記陽極及び前記陰極の間に配置され、前記第一の発光層及び前記第二の発光層のいずれにも直接接していない第三の発光層と、を有し、
前記第一の発光層は、前記一般式(11)で表される基を少なくとも1つ有し、かつ前記一般式(1)で表される第一の化合物を第一のホスト材料として含有し、
前記第二の発光層は、前記一般式(2)で表される第二の化合物を第二のホスト材料として含有し、
前記第一の発光層と前記第二の発光層とが、直接、接している、
有機エレクトロルミネッセンス素子。
前記第三の発光層は、前記第一の化合物を含有することも好ましい。
前記第三の発光層は、前記第二の化合物を含有することも好ましい。
前記有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記第三の発光層と、前記第一の発光層及び前記第二の発光層との間に、中間層を含むことが好ましい。
中間層は、一般的に、中間電極、中間導電層、電荷発生層、電子引抜層、接続層、コネクター層、又は中間絶縁層とも呼ばれる。
中間層は、当該中間層よりも陽極側に配置された層に電子を供給し、当該中間層よりも陰極側に配置された層に正孔を供給する層である。中間層は、公知の材料により形成できる。中間層は、1層であっても、2以上の層で構成されていてもよい。2以上の中間層で構成される単位を、中間ユニットと称する場合がある。中間ユニットが含む複数の中間層の組成は、互いに同一であるか又は異なる。
また、中間層又は中間ユニットと、陽極又は陰極と、の間に配置された、発光層を含む複数の層を発光ユニットと称する場合がある。複数の発光ユニットを有する有機EL素子の素子構成としては、例えば、下記(TND1)~(TND4)のような素子構成が挙げられる。
(TND1)陽極/第1発光ユニット/中間層/第2発光ユニット/陰極
(TND2)陽極/第1発光ユニット/中間ユニット/第2発光ユニット/陰極
(TND3)陽極/第1発光ユニット/第1中間層/第2発光ユニット/第2中間層/第3発光ユニット/陰極
(TND4)陽極/第1発光ユニット/第1中間ユニット/第2発光ユニット/第2中間ユニット/第3発光ユニット/陰極
発光ユニット及び中間層(又は中間ユニット)の数は、ここに示した例に限定されない。
前記第一の発光層及び前記第二の発光層が第1発光ユニット、第2発光ユニット及び第3発光ユニットの少なくともいずれかに含まれていることが好ましい。
前記第一の発光層及び前記第二の発光層が、有機EL素子が有するすべての発光ユニットに含まれていることも好ましい。
また、例えば、発光層の陽極側、及び陰極側の少なくとも一方に障壁層を隣接させて設けてもよい。障壁層は、発光層に接して配置され、正孔、電子、及び励起子の少なくともいずれかを阻止することが好ましい。
例えば、発光層の陰極側で接して障壁層が配置された場合、当該障壁層は、電子を輸送し、かつ正孔が当該障壁層よりも陰極側の層(例えば、電子輸送層)に到達することを阻止する。有機EL素子が、電子輸送層を含む場合は、発光層と電子輸送層との間に当該障壁層を含むことが好ましい。
また、発光層の陽極側で接して障壁層が配置された場合、当該障壁層は、正孔を輸送し、かつ電子が当該障壁層よりも陽極側の層(例えば、正孔輸送層)に到達することを阻止する。有機EL素子が、正孔輸送層を含む場合は、発光層と正孔輸送層との間に当該障壁層を含むことが好ましい。
また、励起エネルギーが発光層からその周辺層に漏れ出さないように、障壁層を発光層に隣接させて設けてもよい。発光層で生成した励起子が、当該障壁層よりも電極側の層(例えば、電子輸送層及び正孔輸送層等)に移動することを阻止する。
発光層と障壁層とは接合していることが好ましい。
その他、本発明の実施における具体的な構造、及び形状等は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造等としてもよい。
<化合物>
実施例1に係る有機EL素子の製造に用いた一般式(1)で表される化合物の構造を以下に示す。
Figure 2023099234000262
実施例1に係る有機EL素子の製造に用いた一般式(2)で表される化合物の構造を以下に示す。
Figure 2023099234000263
実施例1及び比較例1に係る有機EL素子の製造に用いた、他の化合物の構造を以下に示す。
Figure 2023099234000264
Figure 2023099234000265
Figure 2023099234000266
<有機EL素子の作製>
有機EL素子を以下のように作製し、評価した。
〔実施例1〕
25mm×75mm×1.1mm厚のITO(Indium Tin Oxide)透明電極(陽極)付きガラス基板(ジオマテック株式会社製)をイソプロピルアルコール中で超音波洗浄を5分間行なった後、UVオゾン洗浄を30分間行なった。ITO透明電極の膜厚は、130nmとした。
洗浄後の透明電極ライン付きガラス基板を真空蒸着装置の基板ホルダーに装着し、まず透明電極ラインが形成されている側の面上に透明電極を覆うようにして化合物HA1を蒸着し、膜厚5nmの正孔注入層(HI)を形成した。
正孔注入層の成膜に続けて化合物HT1を蒸着し、膜厚80nmの第一の正孔輸送層(HT)を成膜した。
第一の正孔輸送層の成膜に続けて化合物HT2を蒸着し、膜厚10nmの第二の正孔輸送層(電子障壁層ともいう)(EBL)を成膜した。
第二の正孔輸送層上に化合物BH1-1(第一のホスト材料(BH))及び化合物BD1(ドーパント材料(BD))を、化合物BD1の割合が2質量%となるように共蒸着し、膜厚5nmの第一の発光層を成膜した。
第一の発光層上に化合物2BH-1(第二のホスト材料(BH))及び化合物BD1(ドーパント材料(BD))を、化合物BD1の割合が2質量%となるように共蒸着し、膜厚20nmの第二の発光層を成膜した。
第二の発光層上に化合物ET1を蒸着し、膜厚10nmの第1の電子輸送層(正孔障壁層ともいう)(HBL)を形成した。
第1の電子輸送層上に化合物ET2を蒸着し、膜厚15nmの第2の電子輸送層(ET)を形成した。
第2の電子輸送層上にLiFを蒸着して膜厚1nmの電子注入層を形成した。
電子注入層上に金属Alを蒸着して膜厚80nmの陰極を形成した。
実施例1の素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
ITO(130)/HA1(5)/HT1(80)/HT2(10)/BH1-1:BD1(5,98%:2%)/2BH-1:BD1(20,98%:2%)/ET1(10)/ET2(15)/LiF(1)/Al(80)
なお、括弧内の数字は、膜厚(単位:nm)を示す。
同じく括弧内において、パーセント表示された数字(98%:2%)は、第一の発光層又は第二の発光層におけるホスト材料(化合物BH1-1又は化合物2BH-1)及び化合物BD1の割合(質量%)を示す。
〔比較例1〕
比較例1の有機EL素子は、表1に記載のとおり、第一の発光層を形成せずに、第二の正孔輸送層の上に発光層として膜厚25nmの第二の発光層を形成したこと以外、実施例1と同様にして作製した。
<有機EL素子の評価>
実施例1及び比較例1で作製した有機EL素子について、以下の評価を行った。評価結果を表1に示す。
・外部量子効率EQE
電流密度が10mA/cmとなるように素子に電圧を印加した時の分光放射輝度スペクトルを分光放射輝度計CS-2000(コニカミノルタ株式会社製)で計測した。得られた分光放射輝度スペクトルから、ランバシアン放射を行ったと仮定し外部量子効率EQE(単位:%)を算出した。
・駆動電圧
電流密度が10mA/cmとなるように陽極と陰極との間に通電したときの電圧(単位:V)を計測した。
・素子駆動時の主ピーク波長λp
有機EL素子の電流密度が10mA/cmとなるように素子に電圧を印加した時の分光放射輝度スペクトルを分光放射輝度計CS-2000(コニカミノルタ株式会社製)で計測した。得られた分光放射輝度スペクトルから、主ピーク波長λ(単位:nm)を算出した。
Figure 2023099234000267
表1に示すとおり、第一の化合物を第一のホスト材料として含有する第一の発光層と第二の化合物を第二のホスト材料として含有する第二の発光層とが、直接、接した層構成を備える実施例1に係る有機EL素子によれば、第二の発光層だけを備える比較例1に係る有機EL素子に比べて、発光効率が向上した。また、実施例1に係る有機EL素子は、比較例1に係る有機EL素子に比べて、低電圧で駆動した。
<化合物の評価>
(トルエン溶液の調製)
化合物BD1を、4.9×10-6mol/Lの濃度でトルエンに溶解し、化合物BD1のトルエン溶液を調製した。
(蛍光発光主ピーク波長(FL-peak)の測定)
蛍光スペクトル測定装置(分光蛍光光度計F-7000(株式会社日立ハイテクサイエンス製))を用いて、化合物BD1のトルエン溶液を390nmで励起した場合の蛍光発光主ピーク波長を測定した。
化合物BD1の蛍光発光主ピーク波長は、453nmであった。
1…有機EL素子、2…基板、3…陽極、4…陰極、51…第一の発光層、52…第二の発光層、6…正孔注入層、7…正孔輸送層、8…電子輸送層、9…電子注入層。

Claims (31)

  1. 陽極と、
    陰極と、
    前記陽極及び前記陰極の間に配置された第一の発光層と、
    前記第一の発光層と前記陰極との間に配置された第二の発光層と、を有し、
    前記第一の発光層は、下記一般式(11)で表される基を少なくとも1つ有し、かつ下記一般式(1)で表される第一の化合物を第一のホスト材料として含有し、
    前記第二の発光層は、下記一般式(2)で表される第二の化合物を第二のホスト材料として含有し、
    前記第一の発光層と前記第二の発光層とが、直接、接している、
    有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2023099234000268

    (前記一般式(1)において、
    101~R110のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
    互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、又は
    互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成し、
    前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ及び前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR101~R110は、それぞれ独立に、
    水素原子、
    置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
    置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
    -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
    -O-(R904)で表される基、
    -S-(R905)で表される基、
    置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
    -C(=O)R801で表される基、
    -COOR802で表される基、
    ハロゲン原子、
    シアノ基、
    ニトロ基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、
    置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基、又は
    前記一般式(11)で表される基であり、
    ただし、前記置換もしくは無置換の単環が置換基を有する場合の当該置換基、前記置換もしくは無置換の縮合環が置換基を有する場合の当該置換基、並びにR101~R110の少なくとも1つが、前記一般式(11)で表される基であり、
    前記一般式(11)で表される基が複数存在する場合、複数の前記一般式(11)で表される基は、互いに同一であるか又は異なり、
    101は、
    単結合、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
    置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
    Ar101は、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
    置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
    mxは、0、1、2、3、4又は5であり、
    101が2以上存在する場合、2以上のL101は、互いに同一であるか、又は異なり、
    Ar101が2以上存在する場合、2以上のAr101は、互いに同一であるか、又は異なり、
    前記一般式(11)中の*は、前記一般式(1)で表される環との結合位置を示す。)
    Figure 2023099234000269

    (前記一般式(2)において、
    201~R208は、それぞれ独立に、
    水素原子、
    置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
    置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
    -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
    -O-(R904)で表される基、
    -S-(R905)で表される基、
    -N(R906)(R907)で表される基、
    置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
    -C(=O)R801で表される基、
    -COOR802で表される基、
    ハロゲン原子、
    シアノ基、
    ニトロ基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
    置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
    201及びL202は、それぞれ独立に、
    単結合、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
    置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
    Ar201及びAr202は、それぞれ独立に、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
    置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
    (前記一般式(1)で表される第一の化合物及び前記一般式(2)で表される第二の化合物中、R901、R902、R903、R904、R905、R906、R907、R801及びR802は、それぞれ独立に、
    水素原子、
    置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
    置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
    901が複数存在する場合、複数のR901は、互いに同一であるか又は異なり、
    902が複数存在する場合、複数のR902は、互いに同一であるか又は異なり、
    903が複数存在する場合、複数のR903は、互いに同一であるか又は異なり、
    904が複数存在する場合、複数のR904は、互いに同一であるか又は異なり、
    905が複数存在する場合、複数のR905は、互いに同一であるか又は異なり、
    906が複数存在する場合、複数のR906は、互いに同一であるか又は異なり、
    907が複数存在する場合、複数のR907は、互いに同一であるか又は異なり、
    801が複数存在する場合、複数のR801は、互いに同一であるか又は異なり、
    802が複数存在する場合、複数のR802は、互いに同一であるか又は異なる。)
  2. 請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    前記有機エレクトロルミネッセンス素子は、素子駆動時に主ピーク波長が430nm以上480nm以下の光を放射する、
    有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    前記第二の発光層は、蛍光発光性の第四の化合物をさらに含有し、
    前記第四の化合物は、主ピーク波長が430nm以上480nm以下の発光を示す化合物である、
    有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    前記第一の発光層は、蛍光発光性の第三の化合物をさらに含有し、
    前記第三の化合物は、主ピーク波長が430nm以上480nm以下の発光を示す化合物である、
    有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    前記一般式(1)で表される第一の化合物は、前記一般式(11)で表される基を少なくとも1つ有し、かつ下記一般式(101)~(104)で表されるいずれかの化合物である、
    有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2023099234000270

    Figure 2023099234000271

    (前記一般式(101)~(104)において、
    101~R114は、それぞれ独立に、
    水素原子、
    置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
    置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
    -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
    -O-(R904)で表される基、
    -S-(R905)で表される基、
    置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
    -C(=O)R801で表される基、
    -COOR802で表される基、
    ハロゲン原子、
    シアノ基、
    ニトロ基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、
    置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基、又は
    前記一般式(11)で表される基であり、
    ただし、R101~R114の少なくとも1つが、前記一般式(11)で表される基であり、
    前記一般式(11)で表される基が複数存在する場合、複数の前記一般式(11)で表される基は、互いに同一であるか又は異なり、
    前記一般式(101)~(104)中、R901、R902、R903、R904、R905、R906、R907、R801及びR802は、それぞれ独立に、前記一般式(1)と同義である。)
  6. 請求項5に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    前記第一の化合物は、前記一般式(101)で表される化合物である、
    有機エレクトロルミネッセンス素子。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    前記第一の化合物は、前記一般式(11)で表される基を1つ有する、
    有機エレクトロルミネッセンス素子。
  8. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    前記第一の化合物は、前記一般式(11)で表される基を2つ以上有する、
    有機エレクトロルミネッセンス素子。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    107及びR110の少なくともいずれかが、前記一般式(11)で表される基である、
    有機エレクトロルミネッセンス素子。
  10. 請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    前記第一の化合物は、下記一般式(1011)で表される、
    有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2023099234000272

    (前記一般式(1011)において、
    101、mx及びAr101は、それぞれ、前記一般式(11)におけるL101、mx及びAr101と同義であり、
    101~R107、R111~R114は、それぞれ独立に、
    水素原子、
    置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
    置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
    -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
    -O-(R904)で表される基、
    -S-(R905)で表される基、
    置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
    -C(=O)R801で表される基、
    -COOR802で表される基、
    ハロゲン原子、
    シアノ基、
    ニトロ基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、
    置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基、又は
    前記一般式(11)で表される基であり、
    前記一般式(11)で表される基が複数存在する場合、複数の前記一般式(11)で表される基は、互いに同一であるか又は異なり
    前記一般式(1011)中、R901、R902、R903、R904、R905、R906、R907、R801及びR802は、それぞれ独立に、前記一般式(1)と同義である。)
  11. 請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    Ar101は、置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である、
    有機エレクトロルミネッセンス素子。
  12. 請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    前記一般式(11)におけるAr101は、下記一般式(111)で表される基である、
    有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2023099234000273

    (前記一般式(111)において、
    maは、3であり、3つのR121は、互いに同一であるか、又は異なり、
    3つのR121のうち隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は互いに結合せず、
    mbは、4であり、4つのR122は、互いに同一であるか、又は異なり、
    4つのR122のうち隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は互いに結合せず、
    は、CR123124、酸素原子、硫黄原子、又はNR125であり、
    123及びR124からなる組が、互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は互いに結合せず、
    前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR121、R122、R123及びR124、並びにR125は、それぞれ独立に、
    水素原子、
    置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
    置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
    -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
    -O-(R904)で表される基、
    -S-(R905)で表される基、
    置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
    -C(=O)R801で表される基、
    -COOR802で表される基、
    ハロゲン原子、
    シアノ基、
    ニトロ基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
    置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
    901、R902、R903、R904、R905、R906、R907、R801及びR802は、それぞれ、前記一般式(1)におけるR901、R902、R903、R904、R905、R906、R907、R801及びR802と同義であり、
    前記一般式(111)中の*は、結合位置を示す。)
  13. 請求項12に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    は、C(R123)(R124)又は酸素原子である、
    有機エレクトロルミネッセンス素子。
  14. 請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    Ar101は、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基である、
    有機エレクトロルミネッセンス素子。
  15. 請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    Ar101は、
    置換もしくは無置換のフェニル基、
    置換もしくは無置換のナフチル基、
    置換もしくは無置換のビフェニル基、
    置換もしくは無置換のターフェニル基、
    置換もしくは無置換のピレニル基、
    置換もしくは無置換のフェナントリル基、又は
    置換もしくは無置換のフルオレニル基である、
    有機エレクトロルミネッセンス素子。
  16. 請求項1から請求項15のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    mxは、0、1又は2である、
    有機エレクトロルミネッセンス素子。
  17. 請求項1から請求項16のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    101は、
    単結合、又は
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基である、
    有機エレクトロルミネッセンス素子。
  18. 請求項1から請求項17のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    Ar101は、置換もしくは無置換のベンゾフルオランテニル基ではなく、
    101は、置換もしくは無置換のベンゾフルオランテンジイル基ではなく、
    前記一般式(11)で表される基ではない前記第一の化合物中の置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基は、置換もしくは無置換のベンゾフルオランテニル基ではない、
    有機エレクトロルミネッセンス素子。
  19. 請求項1から請求項18のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    前記一般式(11)で表される基ではないR101~R110は、それぞれ独立に、
    水素原子、
    置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
    置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である、
    有機エレクトロルミネッセンス素子。
  20. 請求項1から請求項19のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    前記一般式(11)で表される基ではないR101~R110は、それぞれ独立に、
    水素原子、
    置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、又は
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基である、
    有機エレクトロルミネッセンス素子。
  21. 請求項1から請求項20のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    前記一般式(11)で表される基ではないR101~R110は、水素原子又は
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基である、
    有機エレクトロルミネッセンス素子。
  22. 請求項1から請求項21のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    201~R208は、それぞれ独立に、
    水素原子、
    置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
    置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
    -Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
    -O-(R904)で表される基、
    -S-(R905)で表される基、
    -N(R906)(R907)で表される基、
    置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
    -C(=O)R801で表される基、
    -COOR802で表される基、
    ハロゲン原子、
    シアノ基、又は
    ニトロ基であり、
    201及びL202は、それぞれ独立に、
    単結合、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
    置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
    Ar201及びAr202は、それぞれ独立に、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
    置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である、
    有機エレクトロルミネッセンス素子。
  23. 請求項1から請求項22のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    201及びL202は、それぞれ独立に、
    単結合、又は
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基であり、
    Ar201及びAr202は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基である、
    有機エレクトロルミネッセンス素子。
  24. 請求項1から請求項23のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    Ar201及びAr202は、それぞれ独立に、
    フェニル基、
    ナフチル基、
    フェナントリル基、
    ビフェニル基、
    ターフェニル基、
    ジフェニルフルオレニル基、
    ジメチルフルオレニル基、
    ベンゾジフェニルフルオレニル基、
    ベンゾジメチルフルオレニル基、
    ジベンゾフラニル基、
    ジベンゾチエニル基、
    ナフトベンゾフラニル基、又は
    ナフトベンゾチエニル基である、
    有機エレクトロルミネッセンス素子。
  25. 請求項1から請求項24のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    前記一般式(2)で表される第二の化合物は、下記一般式(201)、一般式(202)、一般式(203)、一般式(204)、一般式(205)、一般式(206)、一般式(207)、一般式(208)又は一般式(209)で表される化合物である、
    有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2023099234000274

    Figure 2023099234000275

    Figure 2023099234000276

    Figure 2023099234000277

    Figure 2023099234000278

    Figure 2023099234000279

    Figure 2023099234000280

    Figure 2023099234000281

    Figure 2023099234000282

    (前記一般式(201)~(209)中、
    201及びAr201は、前記一般式(2)におけるL201及びAr201と同義であり、
    201~R208は、それぞれ独立に、前記一般式(2)におけるR201~R208と同義である。)
  26. 請求項1から請求項25のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    前記一般式(2)で表される第二の化合物中、R201~R208は、それぞれ独立に、
    水素原子、
    置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、又は
    -Si(R901)(R902)(R903)で表される基である、
    有機エレクトロルミネッセンス素子。
  27. 請求項1から請求項26のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    前記一般式(2)で表される第二の化合物中、R201~R208は、水素原子である、
    有機エレクトロルミネッセンス素子。
  28. 請求項1から請求項27のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    前記第一の化合物及び前記第二の化合物において、「置換もしくは無置換」と記載された基は、いずれも「無置換」の基である、
    有機エレクトロルミネッセンス素子。
  29. 請求項1から請求項28のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    前記陽極と、前記第一の発光層との間に、正孔輸送層を有する、
    有機エレクトロルミネッセンス素子。
  30. 請求項1から請求項29のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    前記陰極と、前記第二の発光層との間に、電子輸送層を有する、
    有機エレクトロルミネッセンス素子。
  31. 請求項1から請求項30のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を搭載した電子機器。
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