JP2023098293A - 塩化ビニル系シート - Google Patents

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Abstract

【課題】環境に対する影響が少ない塩化ビニル系シートを提供する。【解決手段】塩化ビニル樹脂を含む表皮層12を含み、表皮層における難燃剤の含有量が、塩化ビニル樹脂100質量部に対し、0.1質量部以下である塩化ビニル系シート20。【選択図】図1

Description

本開示は、塩化ビニル系シートに関する。
塩化ビニル系シートは、自動車、建築物、鉄道車輌、航空機等の内装材として広く用いられている。
塩化ビニル系シートは、塩化ビニル樹脂のほかに難燃剤を入れて難燃性を確保するのが一般的である。例えば、特許文献1には、難燃剤として三酸化アンチモンを含有する塩化ビニル樹脂組成物が提案されている。
特開平5-51504号公報
例えば、特許文献1に開示されている塩化ビニル樹脂組成物において難燃剤として含まれている三酸化アンチモンは、“アンチモン及びその化合物”として、化学物質排出把握管理促進法第一種指定化学物質、有害大気汚染物質に該当する可能性のある物質、水質汚濁に係る要監視項目に選定されている。アンチモン化合物に限らず、難燃剤は、塩化ビニル系シートを廃棄する際に環境に対する影響が懸念される。
本開示は、上記のような事情に鑑み、環境に対する影響が少ない塩化ビニル系シートを提供することを目的とする。
課題を解決するための手段は以下の実施形態を含む。
<1> 塩化ビニル樹脂を含む表皮層を含み、前記表皮層における難燃剤の含有量が、前記塩化ビニル樹脂100質量部に対し、0.1質量部以下である塩化ビニル系シート。
<2> 前記表皮層が可塑剤を含み、前記表皮層における前記可塑剤の含有量が、前記塩化ビニル樹脂100質量部に対し、5~30質量部である<1>に記載の塩化ビニル系シート。
<3> 前記表皮層が充填剤を含み、前記表皮層における前記充填剤の含有量が、前記塩化ビニル樹脂100質量部に対し、5~40質量部である<1>又は<2>に記載の塩化ビニル系シート。
<4> 前記塩化ビニル樹脂の平均重合度が、1000~3000である<1>~<3>のいずれか1つに記載の塩化ビニル系シート。
<5> 前記表皮層の厚みが、100~700μmである<1>~<4>のいずれか1つに記載の塩化ビニル系シート。
<6> FMVSS No.302に準拠して測定された燃焼性試験における最大燃焼速度が、100mm/min以下である<1>~<5>のいずれか1つに記載の塩化ビニル系シート。
本開示によれば、環境に対する影響が少ない塩化ビニル系シートを提供することができる。
本開示に係る塩化ビニル系シートの層構成の一例を示す概略図である。
以下、本開示に係る塩化ビニル系シートについて詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本開示の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本開示は以下の実施態様に限定されない。
なお、本開示において、数値範囲を示す「~」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
本開示に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値は他の段階的な記載の数値範囲の上限値に、又は一つの数値範囲で記載された下限値は他の段階的な記載の数値範囲の下限値に置き換えてもよい。
また、本開示に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において、好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
本開示において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本開示では、塩化ビニル樹脂をPVCと称することがある。
本開示に係る塩化ビニル系シートは、塩化ビニル樹脂を含む表皮層を含み、表皮層における難燃剤の含有量が、塩化ビニル樹脂100質量部に対し、0.1質量部以下である。
図1は、本開示に係る塩化ビニル系シートの層構成の一例を示している。図1に示す塩化ビニル系シート20は、基材層18、接着層16、表皮層12、表面処理層14がこの順に積層された構成を有している。なお、本開示に係る塩化ビニル系シートは、表皮層12が必須であるが、基材層18、接着層16、及び表面処理層14は任意の構成であり、必要に応じて備えればよい。以下、各層について具体的に説明する。
<表皮層>
表皮層は塩化ビニル樹脂を含んでおり、必要に応じて添加剤を含んでもよいが、塩化ビニル樹脂100質量部に対し、難燃剤の含有量は0.1質量部以下である。すなわち、表皮層は、難燃剤は含有しないか、含有するとしても塩化ビニル樹脂100質量部に対し、0.1質量部以下である。このように塩化ビニル樹脂を含む表皮層において難燃剤の含有量を抑えることにより、製造、廃棄する際に環境に対する影響が少ない塩化ビニル系シートとすることができる。一方、本開示に係る塩化ビニル系シートは、表皮層における難燃剤の含有量が、塩化ビニル樹脂100質量部に対し、0.1質量部以下であっても難燃性を確保することができる。
表皮層は、塩化ビニル樹脂に加え、その他の成分を含んでいてもよい。その他の成分としては、塩化ビニル樹脂100質量部に対し0.1質量部以下の難燃剤のほか、塩化ビニル以外の合成樹脂、可塑剤、充填剤、安定剤、着色剤、ゲル化促進剤、相溶剤などが挙げられる。
(塩化ビニル樹脂)
表皮層に含まれる塩化ビニル樹脂としては、塩化ビニルホモポリマー、エチレン/塩化ビニルコポリマー等が挙げられる。
塩化ビニル樹脂の平均重合度は特に限定されないが、平均重合度が1000以上であれば強度が良好であり、3000以下であれば加工性が良好である。かかる観点から、塩化ビニル樹脂の平均重合度は、1000~3000が好ましく、1300~2800がより好ましい。
塩化ビニル樹脂の平均重合度は、JIS K 6720-2:1999「附属書(規定)塩化ビニル樹脂試験方法」に準じて測定される。
なお、市販品の場合、カタログ値を参照することができる。
表皮層は、塩化ビニル樹脂以外の樹脂(その他の樹脂)を含んでいてもよい。その他の樹脂としては、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系エラストマー樹脂等が挙げられる。
なお、表皮層に含まれる全樹脂に対する塩化ビニル樹脂の含有量が少な過ぎると物性が低下する可能性がある。そのため、表皮層に含まれる全樹脂に対する塩化ビニル樹脂の含有量は70~100質量%であることが好ましく、80~100質量%であることがより好ましく、90~100質量%であることがさらに好ましい。
(難燃剤)
表皮層は、塩化ビニル樹脂100質量部に対し、難燃剤の含有量が0.1質量部以下であればよい。表皮層に難燃剤が含有されているとしても、塩化ビニル樹脂100質量部に対して難燃剤の含有量が0.1質量部以下であれば、塩化ビニル系シートの製造又は廃棄において環境への影響はほとんど問題にならない。
表皮層に含み得る難燃剤の種類は限定されず、1種類でもよいし2種類以上でもよい。ただし、2種類以上の難燃剤を含む場合、塩化ビニル樹脂100質量部に対し、難燃剤の合計含有量が0.1質量部以下である。
表皮層に含み得る難燃剤として、例えば以下の無機系又は有機系の各種難燃剤が挙げられるが、これらに限定されない。
無機系難燃剤として、炭酸アンモニウムや窒化ホウ素などの窒素系難燃剤、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどの金属水酸化物系難燃剤、酸化アンチモンなどのアンチモン系難燃剤が挙げられる。
有機系難燃剤として、臭素系などのハロゲン系難燃剤、リン酸エステルなどのリン系難燃剤などが挙げられる。
(可塑剤)
塩化ビニル樹脂の柔軟性を向上させるため、表皮層は可塑剤を含むことが好ましい。
表皮層に含まれる塩化ビニル樹脂100質量部に対し、可塑剤の含有量が5質量部以上であれば、可塑剤による柔軟性がより確実に発揮され、本開示に係る塩化ビニル系シートを各種内装材として使用し易くなる。一方、可塑剤の含有量が多過ぎると難燃性が低下する可能性がある。そのため、表皮層に含み得る可塑剤の含有量は、塩化ビニル樹脂100質量部に対し、5~30質量部が好ましく、10~20質量部がより好ましい。
表皮層に含み得る可塑剤は特に限定されず、例えば、ジイソデシルフタレート、ジ-2-エチルヘキシルフタレート、ジイソノニルフタレート等のフタル酸エステル系可塑剤、アジピン酸ジオクチル、セバシン酸ジオクチル等の脂肪酸エステル系可塑剤、トリメリット酸トリオクチル等のトリメリット酸エステル系可塑剤、トリクレジルホスフェート、トリキシリルホスフェート等のトリアリールリン酸エステル系可塑剤、エポキシ化大豆油等のエポキシ系可塑剤、ポリプロピレンアジペート等のポリエステル系可塑剤などが挙げられる。
(充填剤)
本開示に係る塩化ビニル系シートの寸法安定性、耐熱性、難燃性などを向上させるため、表皮層は充填剤を含むことが好ましい。
充填剤により寸法安定性、耐熱性、難燃性などを向上させる効果を得るため、表皮層に含まれる塩化ビニル樹脂100質量部に対し、充填剤の含有量は5質量部以上とすることが好ましい。一方、充填剤の含有量が多過ぎると、塩化ビニル系シートの強度が不十分となる可能性がある。そのため、表皮層に含み得る充填剤の含有量は、塩化ビニル樹脂100質量部に対し、5~40質量部であることが好ましく、10~30質量部であることがより好ましい。
表皮層に含み得る充填剤は特に限定されず、無機系又は有機系の各種充填剤が挙げられる。
無機質充填剤として、例えば、重炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、マグネシウム系ケイ酸塩、酸化アルミニウム、タルク、ハイドロタルサイト、シリカ(二酸化硅素)、マイカ(雲母)、硫酸バリウムなどが挙げられる。
有機質充填剤として、例えば、架橋塩化ビニル樹脂粉末、アクリル系樹脂粉末、ポリウレタン粉末などが挙げられる。
(着色剤)
表皮層は、着色剤を含有することができる。着色剤を含有することで、表皮層に所望の色相を付与することができ、意匠性を向上させることができる。
着色剤には特に制限はなく、顔料、染料などから目的に応じて適宜選択して用いることができる。
着色剤としては、チタン白(二酸化チタン)、亜鉛華、群青、コバルトブルー、弁柄、朱、黄鉛、チタン黄、カーボンブラック等の無機顔料、キナクリドン、パーマネントレッド4R、イソインドリノン、ハンザイエローA、フタロシアニンブルー、インダスレンブルーRS、アニリンブラック等の有機顔料又は染料、アルミニウム及び真鍮等金属の箔粉からなる群より選択される金属顔料、二酸化チタン被覆雲母及び塩基性炭酸鉛の箔粉からなる群より選択される真珠光沢(パール)顔料等が挙げられる。なかでも、耐久性、及び耐光性がより良好であるという観点からは、着色剤としては顔料が好ましい。
表皮層が着色剤として顔料を含む場合には、界面活性剤、高分子分散剤などの顔料分散剤を併用してもよい。
表皮層が着色剤を含む場合、着色剤の含有量としては、表皮層の塩化ビニル樹脂100質量部に対し、例えば、0.5~50質量部の範囲が挙げられる。
(表皮層の厚み)
表皮層の厚みは、本開示に係る塩化ビニル系シートの用途、要求される特性などに応じて設定すればよいが、柔軟性、強度などの観点から、表皮層の厚みは100~700μmの範囲が好ましく、300~500μmの範囲がより好ましい。
<基材層>
本開示に係る塩化ビニル系シートは基材層を備えてもよい。基材層を構成する材料は特に限定されず、例えば、フッ素樹脂、アクリル、PET、ポリオレフィン、PVC、ポリウレタンなどの合成樹脂でもよい。
基材層は、編物、織物、不織布などからなる基布で構成してもよいし、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタンなどの発泡層で構成してもよい。
基材層は、カレンダー法、押出法、キャスティング法などにより形成することができ、市販品を購入して使用してもよい。
基材層の厚みは、本開示に係る塩化ビニル系シートの用途に応じて適宜選択されるが、感触に優れ、柔軟性を低下させない範囲、例えば、0.05~10mmの範囲が好ましく、0.3~3mmの範囲がより好ましい。
<接着層>
本開示に係る塩化ビニル系シートは接着層を備えてもよい。所望により設けられる接着層の形成に使用される接着剤は特に限定されず、目的に応じて適宜選択される。
接着層の形成に使用しうる樹脂として、ポリウレタン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレンなどが挙げられ、要求される性能、接着層に隣接する部材(例えば基材層、表皮層)との接着性などから好適なものを選択すればよい。例えば、車両内装材における使用実績の観点からは、ポリウレタン又はポリ塩化ビニルが好適である。
接着層の厚みは限定されないが、隣接する層同士の接着性がより向上し、風合いがより良好となるという観点から、2~50μmが好ましく、3~30μmがより好ましい。
接着剤の形成は、転写法により行ってもよいし、塗布法により行ってもよい。
<表面処理層>
本開示に係る塩化ビニル系シートは、塩化ビニル系シートの外観、風合い(感触)、耐摩耗性などを向上させる目的で、表皮層上に表面処理層を備えてもよい。表面処理層の材質としては、ポリウレタン、アクリル樹脂、フッ素樹脂、塩化ビニル樹脂等が挙げられる。材質感触が良好であるという点からは、ポリウレタンを主剤として用いることが好ましい。
表面処理層の厚みは1~10μmの範囲であることが好ましく、2~5μmの範囲がより好ましい。
なお、本開示に係る塩化ビニル系シートが、表皮層以外の層(他の層)を含む場合、表皮層だけでなく、他の層も難燃剤の含有量が抑制されていることが好ましい。その他の層における難燃剤の含有量は0~0.1質量%が好ましく、0質量%、すなわち、難燃剤が含まれていないことが好ましい。
<難燃性>
本開示に係る塩化ビニル系シートは、FMVSS No.302に準拠して測定された燃焼性試験における最大燃焼速度が100mm/min以下であることが好ましく、81mm/min未満であることがより好ましい。
FMVSS No.302燃焼性試験は、自動車内装部品に使用される材料の燃焼性評価であり、以下のように行われる。
試験環境:温度22±2℃、相対湿度55±5%
試験サンプル:上記環境に少なくとも24時間以上放置された350×100mmの試験片
U型クランプ:腐食性処理を施した金属製で350×100mm、片側に300×50mm開口したU型のもの
試験手順:
試験片を2個のU型クランプで挟み水平に保持し、38mm炎を15秒間接炎し、A標線からB標線間254mmに対する燃焼速度を測定する。このとき、塩化ビニル系シートを内装材として使用する場合の外側となる面(露出面)に接炎させる。例えば、塩化ビニル系シートが、基材層と、接着層と、表皮層との積層体である場合は表皮層に接炎させ、表皮層上に表面処理層が積層されている場合は表面処理層に接炎させる。
燃焼中に試験片が垂れ下がる等して水平に支持しにくい場合は直径0.25mmの耐熱ワイヤを25.4mm間隔に水平に張ったU型クランプを使ってもよい。
炎がA標線に達しないうちに途中で消えた時は自己消化(不燃)とする。
炎がA標線を越えてB標線に達しないうちに途中で消えた時はA標線から炎が消えるまでの時間とA標線から焦げた最先端までの距離から、燃焼速度を算出する。
<用途>
本開示に係る塩化ビニル系シートの用途は特に限定されないが、例えば、自動車、建築物、鉄道車輌、航空機等の内装材として好適に用いることができる。
<塩化ビニル系シートの製造方法>
本開示に係る塩化ビニル系シートの製造方法は特に限定されないが、例えば、以下のような製造方法が挙げられる。
表皮層は、塩化ビニル樹脂のほか、必要に応じて添加剤を含む表皮層形成用組成物を用い、工法カレンダー法、ペースト加工法、溶融押出し法等によりシート状に成形することで表皮層を形成することができる。
離型紙上に表皮層形成用組成物を塗布して表皮層形成用組成物層を形成し、これを硬化させて表皮層を形成することもできる。
表皮層上に表面処理層を備えた塩化ビニル系シートとする場合は、表皮層の一方の面に表面処理層形成用組成物を塗布した後、加熱して表面処理層を形成することができる。
また、基材層を備えた塩化ビニル系シートとする場合は、例えば、基材層上に接着層を塗布、乾燥して接着層を形成する。次いで、接着層に表皮層を貼り合わせる。貼り合わせの際、エンボスロールを用いて表皮層側を所望の絞ロールに接触させてラミネートエンボスを行ってもよい。
以下、実施例を挙げて本開示の塩化ビニル系シートについて具体的に説明するが、本開示に係る塩化ビニル系シートはこれらの実施例に制限されるものではない。
<実施例1>
(工程I)表皮層形成用組成物の調製
(1)塩化ビニル樹脂(平均重合度2800) 100質量部
(2)可塑剤(フタル酸ジアルキル) 30質量部
(3)充填剤(重炭酸カルシウム) 20質量部
(4)安定剤(Ba-Zn系複合安定剤) 4質量部
(5)着色剤(黒色顔料:カーボンブラック) 5質量部
上記(1)~(5)を含む組成物を混合し、固形分約100質量%の表皮層形成用組成物を得た。
(工程II)表皮層の形成
カレンダー装置にて、表皮層形成用組成物を用いて、表皮層(厚み:400μm)を形成した。
<実施例2>
実施例1における工程Iの表皮層形成用組成物に難燃剤(三酸化アンチモン)0.1質量部を追加したこと以外は実施例1と同様にして表皮層を形成した。
<実施例3)
実施例1における工程Iの可塑剤を5質量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして表皮層を形成した。
<実施例4>
実施例1における工程Iの充填剤を5質量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして表皮層を形成した。
<実施例5>
実施例1における工程Iの充填剤を40質量部に変更したこと以外は実施例1と同様にして表皮層を形成した。
<実施例6>
実施例1における工程Iの塩化ビニル樹脂を平均重合度1000の塩化ビニル樹脂に変更したこと以外は実施例1と同様にして表皮層を形成した。
<実施例7>
実施例1における工程Iの塩化ビニル樹脂を平均重合度3000の塩化ビニル樹脂に変更したこと以外は実施例1と同様にして表皮層を形成した。
<実施例8>
実施例1における工程IIにおいて、厚みを100μmに変更したこと以外は実施例1と同様にして表皮層を形成した。
<実施例9>
実施例1における工程IIにおいて、厚みを700μmに変更したこと以外は実施例1と同様にして表皮層を形成した。
<実施例10>
実施例1と同様にして形成した表皮層に、以下の工程IIIを追加して表皮層上に表面処理層が積層された塩化ビニル系シートを製造した。
(工程III)表面処理層の形成
(1)1液型樹脂固形分15%のポリカーボネート系ポリウレタン樹脂 100質量部
(2)溶剤(MEK) 5質量部
上記(1)及び(2)を含む組成物を充分に混合し、固形分約14質量%の表面処理層形成用組成物を得た。
表皮層表面に、表面処理層形成用組成物をウェット塗布量が10g/mとなるように塗布した。
熱風乾燥機を用いて90℃で1分間加熱し、厚み1.5μmの表面処理層を形成した。
<実施例11>
実施例1と同様にして形成した表皮層に、以下の工程IV及び工程Vを追加して基材層上に表皮層が積層された塩化ビニル系シートを作製した。
(工程IV)基材層の準備
KFCフィルム FT-50Y(クレハエクステック(株)製商品名、フッ素樹脂であるポリフッ化ビニリデン含有層とアクリル樹脂であるポリメチルメタクリレート含有層との積層体、厚み:50μm)を準備した。
(工程V)表皮層-基材層の積層
基材層におけるポリメチルメタクリレート含有層側に、表皮層を積層し、一対のロール間に通過させて、ラミネート温度150℃でラミネート加工を行った。
<実施例12>
実施例1と同様にして形成した表皮層に、以下工程IV、VI、及びVを追加して基材層、接着層、及び表皮層が積層された塩化ビニル系シートを作製した。
(工程IV)基材層の準備
基材層として市販のポリプロピレン樹脂発泡体〔トーレペフ、東レ(株)、発泡倍率:15倍、厚み:3mm〕を入手した。
(工程VI)接着層の形成
基材層上にポリエステル樹脂〔ダイカラック(商品名)、大同化成工業(株)〕を塗布量45g/mで塗布し、乾燥膜厚が約14μmの接着層を形成した。
(工程V)表皮層-基材層の積層
基材層の接着層形成面と、表皮層を貼合せ、エンボスロールを用いて表皮層側を絞ロールに接触させてラミネートエンボス(表皮層表面温度:180℃、速度:6m/分)を行った。
<比較例1>
実施例1における工程Iの表皮層形成用組成物に難燃剤(三酸化アンチモン)1.0質量部を追加したこと以外は実施例1と同様にして表皮層を形成した。
[評価]
<環境面:表皮層におけるアンチモン含有量>
(評価方法)
JIS K 0119:2008に従い蛍光X線分析(XRF)にて各塩化ビニル系シートの表皮層におけるアンチモン元素としての含有濃度を分析した。
分析条件:エネルギー分散方式、常温・常圧測定、スポットサイズ100μm
(評価基準)
A:0.05%未満(検出限界以下で問題なし)
B:0.05%以上(検出有りで問題あり)
<難燃性>
(評価方法)
各塩化ビニル系シートについて前述したFMVSS No.302に準拠して燃焼性試験を行い、最大燃焼速度を測定した。下記評価基準でA及びBが実用上問題のないレベルである。
(評価基準)
A:不燃~81mm/min未満(問題なし)
B:81~100mm/min以下(やや問題あり)
C:100mm/minより大(問題あり)
各例における塩化ビニル系シートの構成及び評価結果を下記表1に示す。なお、表1において「-」は、該当する材料が含まれていないこと、又は、該当する層を備えていないことを示す。また、表1において「PVC重合度」とは、塩化ビニル樹脂の平均重合度を意味する。
Figure 2023098293000002
実施例の塩化ビニル系シートはいずれも比較例の塩化ビニル系シートに比べて、いずれも環境面で問題がなく、難燃性は同レベルであった。
12 表皮層
14 表面処理層
16 接着層
18 基材層
20 塩化ビニル系シート

Claims (6)

  1. 塩化ビニル樹脂を含む表皮層を含み、前記表皮層における難燃剤の含有量が、前記塩化ビニル樹脂100質量部に対し、0.1質量部以下である塩化ビニル系シート。
  2. 前記表皮層が可塑剤を含み、前記表皮層における前記可塑剤の含有量が、前記塩化ビニル樹脂100質量部に対し、5~30質量部である請求項1に記載の塩化ビニル系シート。
  3. 前記表皮層が充填剤を含み、前記表皮層における前記充填剤の含有量が、前記塩化ビニル樹脂100質量部に対し、5~40質量部である請求項1又は請求項2に記載の塩化ビニル系シート。
  4. 前記塩化ビニル樹脂の平均重合度が、1000~3000である請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の塩化ビニル系シート。
  5. 前記表皮層の厚みが、100~700μmである請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の塩化ビニル系シート。
  6. FMVSS No.302に準拠して測定された燃焼性試験における最大燃焼速度が、100mm/min以下である請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の塩化ビニル系シート。
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