JP2023098258A - 地上装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】一般に開放されている周波数帯域を利用する場合であっても、踏切の支障状態に関する情報を地上から車上に無線通信で伝達できる仕組みを実現すること。【解決手段】踏切障害物報知システム1は、踏切5における踏切支障の検知情報に基づく報知情報30を送出する踏切地上装置10と、軌道3に沿って配置され、報知情報30を中継送出可能な中継地上装置20とを具備する。踏切地上装置10は、検知情報に基づく列車40への指示と、踏切5の踏切IDとを対応付けて報知情報30に含めて送出する。中継地上装置20は、受信した報知情報30に含まれる踏切IDが、報知情報の中継対象の踏切として記憶している要中継踏切IDと一致する場合に、当該受信した報知情報30を中継送出する。【選択図】図1

Description

本発明は、踏切障害物報知システムにおいて報知情報を中継送出する地上装置に関する。
鉄道の踏切には、事故防止のために、踏切内の障害物を検知する障害物検知装置や支障報知装置(非常ボタン)が設置されている。障害物検知装置が障害物を検知したときや支障報知装置が操作されたときには、特殊信号発光機が点滅発光して接近する列車の乗務員へ踏切支障が報知されるようになっている。この特殊信号発光機の点滅発光を運転士が視認することでブレーキを作動させ、列車を停止させる運用が採用されているケースが多い。特殊信号発光機は、所定距離以上手前の位置から当該特殊信号発光機を視認できる位置に設置されるが、天候の影響等で見通しが悪く、特殊信号発光機に近づかなければ運転士が視認できない場合が起こり得た。
そこで、踏切の支障状態に関する情報を車上装置へ伝達して速度制御を行うためのパターン制御により列車を停止させる技術が考えられている(例えば、特許文献1~3参照)。車上装置への伝達方法としては、レールを介する方法(例えば、特許文献1,2参照)や、無線通信による方法(例えば、特許文献3参照)などがある。また、運転士の判断を前提としてその判断を支援するために、踏切の支障状態を監視・把握するための監視カメラを踏切(地上)に設置し、監視カメラの映像を無線通信によって車上装置に送信する技術が考えられている(例えば、特許文献4参照)。
特開2018-207687号公報 特開2008-239054号公報 特開平02-109773号公報 特開2021-45994号公報
踏切の支障状態に関する情報を地上から車上へ伝達する伝達方法として無線通信を用いる方法が考えられる。但し、専用の周波数帯域を確保することが出来ない場合は、一般に開放されている周波数帯域を利用する方式が好適である。例えば、免許が不要なISM(Industrial Scientific and Medical)バンドと呼ばれる周波数帯域の使用が考えられる。しかし、このISMバンドは、無線LANやBluetooth(登録商標)などの様々な無線通信システムで広く一般に使用されている。このような一般に開放されている周波数帯域を利用する方式を採用する場合には、地上から車上への無線通信において、他の無線通信システムからの電波干渉を受けることが避けられない。
また、ISMバンドを使用する無線通信においては、送信時に空いている通信帯域を探すキャリアセンスが要求されるのが通常であり、空いている通信帯域がない場合には時間をおいてリトライする動作となる。このため、踏切の支障状態に関する情報を送信しようとする時に、通信帯域が、ISMバンドを利用する別の無線通信システムで使用されている場合には、待機時間が発生する。踏切の支障状態に関する情報という緊急性を要する情報でありながら、地上から即時に送信することができるとは限らない、という問題が生じ得るのである。
更に、地上から車上への情報の伝達を確実にするためには、送信するデータ量をより少ないものとすることが望ましい。
本発明が解決しようとする課題は、一般に開放されている周波数帯域を利用する場合であっても、踏切の支障状態に関する情報を地上から車上に問題なく無線通信で伝達することが可能な新たな仕組みを実現すること、である。
上記課題を解決するための第1の発明は、
踏切毎に当該踏切における踏切支障の検知情報に基づく報知情報を列車の車上装置が受信可能な無線通信プロトコルで送出する踏切地上装置と、軌道に沿って配置され、前記報知情報を中継送出可能な中継機能を有する地上装置(例えば、図1の中継地上装置20、図7の踏切地上装置10D-2)と、を具備する踏切障害物報知システムにおける前記地上装置であって、
前記踏切地上装置は、前記検知情報に基づく前記列車への指示と、当該踏切地上装置に係る踏切の踏切識別情報と、を対応付けて前記報知情報に含めて送出し、
前記報知情報の中継対象の踏切の前記踏切識別情報を要中継踏切識別情報として記憶する記憶手段(例えば、図3の記憶部600)と、
前記報知情報を受信する受信手段(例えば、図3の無線通信部500)と、
前記受信した前記報知情報に含まれる前記踏切識別情報を、前記要中継踏切識別情報と照合することで中継するか否かを判定し、肯定判定した場合に当該受信した報知情報を前記無線通信プロトコルで中継送出する中継手段(例えば、図3の中継部404)と、
を備える地上装置である。
第1の発明によれば、一般に開放されている周波数帯域を利用する場合であっても、踏切の支障状態に関する情報を地上から車上に無線通信で伝達する仕組みを実現することができる。つまり、踏切地上装置は、踏切における踏切支障の検知情報に基づく報知情報を列車の車上装置が受信可能な無線通信プロトコルで送出するが、その報知情報は、当該報知情報を受信した地上装置も中継送出する。踏切地上装置は列車の存在に関わらず報知情報を送出するが、送出する情報を踏切の状態に係る列車の停止制御に必要な情報に限定することで、不必要に無線通信帯域を占有することなく他の無線通信を妨げないようにして、当該報知情報も速やかに伝達できるようにする。ゆえに、無線通信として、例えば、一般に開放されている周波数帯域の1つであるISMバンドを使用した場合であっても、報知情報を車上装置へ速やかに伝達することが可能となる。また、踏切から当該踏切の制動開始点までの距離は例えば600m程度といった比較的長い距離であるが、制動開始点に到達していない列車の車上装置に対しても、中継地上装置による中継送信を介することで、当該踏切に関する報知情報を伝達することが可能となる。
また、地上装置に、報知情報を中継すべき踏切の踏切識別情報を要中継踏切識別情報として記憶しておくことで、踏切地上装置から列車の車上装置への通信経路の探索が不要となる。これにより、通信経路の探索に係る通信を削減することができ、システム全体として無線通信されるデータ量を削減することが可能となる。
第2の発明は、第1の発明において、
前記記憶手段は、当該地上装置から踏切に向かう方向が所定方向にある踏切の前記踏切識別情報を要中継踏切識別情報として記憶する、
地上装置である。
第2の発明によれば、例えば、所定方向を列車進来方向とするならば、地上装置は、列車進来方向と一致する方向にある踏切から送出される報知情報のみを中継送出するといったことができる。これにより、踏切地上装置から送出された報知情報を、例えば、上り方向や下り方向といった列車進来方向別に伝達させることが可能となる。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、
前記踏切地上装置は、上り方向に向けて送出する前記報知情報には上り方向を示す列車進来方向情報を含めた前記報知情報を送出し、下り方向に向けて送出する前記報知情報には下り方向を示す列車進来方向情報を含めた前記報知情報を送出し、
前記中継手段は、前記受信手段により受信された前記報知情報に含まれる前記列車進来方向情報が、当該地上装置から当該報知情報に係る踏切に向かう方向とは異なる場合には、当該報知情報の中継を不要と判定する、
地上装置である。
第3の発明によれば、地上装置は、当該地上装置から踏切に向かう方向が一致する列車進来方向情報を含む報知情報のみを中継することができる。これにより、地上装置は、踏切地上装置から送出された報知情報を、上り方向や下り方向といった列車進来方向別に伝達させることが可能となる。
第4の発明は、第1~第3の何れかの発明において、
前記報知情報は、当該報知情報のIDと、当該報知情報が中継された中継回数を示す情報と、を更に含み、
前記中継手段は、前記受信手段により前記IDが同じ前記報知情報が受信された場合に、当該報知情報に含まれる前記中継回数が最も少ない前記報知情報であって、当該報知情報に含まれる前記踏切識別情報が前記要中継踏切識別情報に適合する前記報知情報を、中継する前記報知情報として決定し、当該報知情報に含まれる前記中継回数を更新した上で当該報知情報を中継送信する、
地上装置である。
地上装置が軌道に沿って複数配置される場合、同一の報知情報が異なる複数の地上装置それぞれによって中継される事態が生じ得る。第4の発明によれば、そのような場合に、地上装置による中継回数を報知情報に含めておき、同一の報知情報のうち中継回数が最も少ない報知情報を中継することで、踏切障害物報知システム全体としての通信量を削減することが可能となる。
第5の発明は、第1~第4の何れかの発明において、
前記踏切地上装置の機能を備える地上装置である。
第5の発明によれば、地上装置を第1~第4の発明と同様の中継送出が可能な踏切地上装置として実現することができる。踏切が近接して設けられている箇所においては、中継機能のみを有する地上装置を配置せず、踏切地上装置の機能を有した地上装置(すなわち踏切地上装置)を配置することで、配置する地上装置の数を削減し、システム全体としてより簡素な構成とすることができる。
踏切障害物報知システムの概略構成例。 報知情報の一例。 踏切障害物報知システムの機能構成例。 第1実施例である踏切障害物報知システムの構成例。 第2実施例である踏切障害物報知システムの構成例。 第3実施例である踏切障害物報知システムの構成例。 第4実施例である踏切障害物報知システムの構成例。 第5実施例である踏切障害物報知システムの構成例。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。なお、本発明を適用可能な形態が以下の実施形態に限定されるものではない。また、図面の記載において、同一要素には同一符号を付す。
[システム構成]
図1は、本実施形態における踏切障害物報知システム1の概略構成例を示す図であり、上方から線路を俯瞰した俯瞰図である。踏切障害物報知システム1は、踏切5での事故防止のために、無線通信によって、踏切5での障害物の検知状態に応じた指示を列車40の車上装置42へ報知するためのシステムである。踏切障害物報知システム1において用いられる無線通信は、一般に開放されている周波数帯域の1つである、2.4GHz帯や5.7GHz帯、920MHz帯などのISM(Industrial Scientific and Medical)バンドを利用した無線通信である。また、列車40は、車上装置42により自動運転制御されることとして説明する。図1に示すように、踏切障害物報知システム1は、踏切地上装置10と、中継地上装置20とを備えて構成される。なお、図1では、それぞれ1台の踏切地上装置10及び中継地上装置20を図示しているが、踏切地上装置10及び中継地上装置20をそれぞれ複数台備えた構成とすることも勿論できる。
踏切地上装置10は、報知対象の踏切(対象踏切)5の近傍に配置され、当該踏切5に設置された障害物検知装置7の検知情報に基づく報知情報30を、列車40の車上装置42が受信可能な無線通信プロトコルで送出する。踏切地上装置10は、報知情報30の送出を、例えば、所定時間間隔で繰り返し行う。また、踏切地上装置10は、後述する中継地上装置20の機能(受信した報知情報30を中継送出する機能)をも有する。
報知情報30は、図2に示すように、当該報知情報30のIDである報知IDに対応付けて、当該報知情報30が中継送出された回数を示す情報である中継回数と、検知情報に基づく列車40への指示であるトピックと、当該報知情報30の報知対象となっている踏切地上装置10に係る踏切(対象踏切)5の踏切識別情報である踏切IDとを含む情報である。中継回数は、後述のように、中継地上装置20や他の踏切地上装置10により中継送出された回数である。トピックは、列車40の“停止指示(EM)”や“運転指示(CL)”等である。例えば、検知情報が障害物有りを示す情報の場合に“停止指示(EM)”とし、検知情報が障害物無しを示す情報の場合に“運転指示(CL)”とすることができる。なお、報知情報30の送出は、踏切5の遮断が完了している状態において行うようにしてもよい。また、“停止指示(EM)”を含む報知情報30を送出した後に、トピックとして“運転指示(CL)”を含む報知情報30を送出する場合には、指令員による解除指示等の外部からの解除指示が踏切地上装置10に入力されたことを条件として、踏切地上装置10がトピック“運転指示(CL)”を含む報知情報30を送出するようにしてもよい。
障害物検知装置7は、踏切5上の障害物を検知してその有無を示す検知情報を出力する。障害物の検知方式は、例えば、光式や、ミリ波方式、ステレオカメラ方式、画像式、等の何れの方式を作用することとしてもよい。光式とは、一対の発光器と受光器とを設置して発光器から発光した光信号の受光器での受光有無に基づいて障害物を検知する方式である。ミリ波方式とは、送受信器がミリ波を送信してその反射信号を受信するまでの時間等から障害物を検知する方式である。ステレオカメラ方式とは、左右2つのカメラを用いた測距により障害物を検知する方式である。画像式とは、カメラによる撮影画像を画像処理して障害物を検知する方式である。
中継地上装置20は、軌道3に沿って配置され、踏切地上装置10から送出された報知情報30を中継送出する。このとき、受信した報知情報30に含まれる中継回数を「1」だけ加算した値に更新して中継送出する。中継地上装置20は、踏切5から軌道3に沿って所定の制動距離だけ離れた制動開始点までの範囲に在線する列車40の車上装置42が連続的に報知情報30を受信できるように配置される。より具体的には、車上装置42が、踏切地上装置10から直接に報知情報30を受信するか、又は、中継地上装置20を介して報知情報30を受信するかの何れかの方法で、当該範囲において報知情報30を連続的に受信できるよう、中継地上装置20が配置される。図1の例では、中継地上装置20は、その無線通信範囲22が、踏切5から軌道3に沿って所定の制動距離だけ離れた制動開始点までの範囲であって踏切地上装置10の無線通信範囲12に含まれない範囲を含むとともに、踏切地上装置10の無線通信範囲12に含まれるように配置されている。
中継地上装置20は、踏切地上装置10から送出される報知情報30、又は、他の中継地上装置20から中継送出される報知情報30を受信し、受信した報知情報30に含まれる踏切IDを、記憶している要中継踏切IDと照合することで中継するか否かを判定し、肯定判定した場合に当該受信した報知情報30を、列車40の車上装置42が受信可能な無線通信プロトコルで中継送出する。要中継踏切IDは、中継地上装置20の中継対象の踏切の踏切IDである。当該中継地上装置20の無線通信範囲が、ある踏切5についての報知情報30を送信したい範囲を含む場合に、当該踏切5が中継対象として定められる。
列車40の車上装置42は、受信した報知情報30に含まれるトピックに従って、自列車の速度制御を行う。具体的には、トピックとして“停止指示(EM)”を含む報知情報30を受信すると、踏切5の手前で停止するための緊急停止パターンに切り替えて減速する。それとともに、当該報知情報30に含まれる踏切IDを、停止すべき踏切IDとして記憶しておく。その後、車上装置42は、トピックとして“運転指示(CL)”を含む報知情報30を受信すると、当該報知情報30に含まれる踏切IDが停止すべきとして記憶している踏切IDと一致するならば、緊急停止パターンを解除し、元の速度制御パターンに切り替えて走行を再開する。また、車上装置42は、報知IDが同一である複数の報知情報30をほぼ同時に(所定の短時間の間に)受信した場合には、含まれる中継回数が最小の報知情報30を採用する。
このように、踏切障害物報知システム1における踏切地上装置10や中継地上装置20の各装置が有する無線装置は、一般に開放されており免許が不要な周波数帯域の1つであるISMバンドを使用する無線装置で構成することができる。このため、踏切地上装置10が有する無線装置に許容される送信出力が、踏切5の手前に列車40を停止させるのに必要な制動距離に相当する通信距離を満足しない場合であっても、中継地上装置20による中継送出を介することで、当該踏切5に係る報知情報30を列車40の車上装置42へ伝達して当該列車40を当該踏切5の手前で停止させることができる。また、報知情報30に含める情報を、列車40への指示(トピック)及び踏切5の識別情報である踏切IDといった踏切5の手前に列車を停止させるために必要十分な内容に限定することで、報知情報30のデータ量を少なくして使用する通信帯域を占有することなく他の無線通信を妨げないようにすることができる。これにより、報知情報30を速やかに伝達できることにもなり、無線装置を安定動作させることができる。
図3は、踏切障害物報知システム1の機能構成を示すブロック図である。図3に示すように、踏切障害物報知システム1は、踏切地上装置10と、中継地上装置20とを備える。
踏切地上装置10は、処理部100と、無線通信部200と、記憶部300とを備え、一種のコンピュータシステムとして構成される。
処理部100は、例えばCPU(Central Processing Unit)等の演算装置で実現され、記憶部300に記憶されたプログラムやデータ等に基づいて、踏切地上装置10を構成する各部への指示やデータ転送を行い、踏切地上装置10の全体制御を行う。また、処理部100は、本実施形態に係る機能部として、報知情報送出部102と、中継部104とを有する。但し、これらの機能部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等によってそれぞれ独立した演算回路として構成することも可能である。
報知情報送出部102は、報知対象の踏切5に設置された障害物検知装置7の検知情報に基づく報知情報30を、列車40の車上装置42が受信可能な無線通信プロトコルで送出する。また、検知情報に基づく列車40への指示と、当該踏切地上装置10に係る踏切5の踏切識別情報である踏切ID(記憶部300に踏切ID304として記憶されている)とを対応付けて報知情報30に含めて送出する(図2参照)。列車40への指示は、例えば、“停止指示(EM)”や“運転指示(CL)”である。
中継部104は、無線通信部200が受信した報知情報30に含まれる踏切識別情報である踏切IDを、要中継踏切識別情報である要中継踏切IDと照合することで中継するか否かを判定し、肯定判定した場合に当該受信した報知情報30を、所定の無線通信プロトコルで中継送出する。要中継踏切IDは、要中継踏切IDリスト306として記憶されている。
無線通信部200は、処理部100の制御に基づいて実際の通信を行う機能部であり、無線装置で実現され、中継地上装置20や他の踏切地上装置10、車上装置42といった外部装置との無線通信を行う。例えば、中継地上装置20や他の踏切地上装置10から送出される報知情報30を受信する。
記憶部300は、ハードディスクやROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の記憶装置で実現され、処理部100が踏切地上装置10を統合的に制御するためのプログラムやデータ等を記憶している。また、記憶部300は処理部100の作業領域として用いられ、処理部100が各種プログラムに従って実行した演算結果や、無線通信部200を介した入力データ等が一時的に格納される。本実施形態では、記憶部300には、報知対象の踏切(対象踏切)5の踏切ID304と、要中継踏切IDの一覧である要中継踏切IDリスト306と、自装置宛ての報知情報として採用するトピックのリストである採用トピックリスト308と、報知ログ310と、中継ログ312とが記憶される。
報知ログ310は、報知情報送出部102が送出した報知情報30に関するデータであり、各報知情報30の報知IDやその内容、送出日時等を含む。中継ログ312は、中継部104が中継送出した報知情報30に関するデータであり、報知情報30の報知IDやその内容、送出日時等を含む。
本実施形態では、踏切地上装置10は、中継地上装置20の一部機能(報知情報30を中継送出する機能)を有する装置とするが、中継送出する機能を有さない装置として構成することも可能である。
次に、中継地上装置20は、処理部400と、無線通信部500と、記憶部600とを備え、一種のコンピュータシステムとして構成される。
処理部400は、踏切地上装置10の中継部104と同様の機能部である中継部404を有する。
無線通信部500は、無線装置で実現され、踏切地上装置10や他の中継地上装置20、車上装置42といった外部装置との無線通信を行う。
記憶部600には、自装置のIDである装置ID602と、要中継踏切IDリスト606と、採用トピックリスト608と、中継ログ612とが記憶される。要中継踏切IDリスト606は、踏切地上装置10の記憶部300に記憶された要中継踏切IDリスト306と同様のデータである。採用トピックリスト608は、踏切地上装置10の記憶部300に記憶された採用トピックリスト308と同様のデータである。中継ログ612は、踏切地上装置10の記憶部300に記憶された中継ログ312と同様のデータである。
続いて、踏切障害物報知システム1の具体的な5つの実施例(第1~第5実施例)を説明する。各実施例ともに、踏切地上装置10および中継地上装置20の機能構成は、図3を参照して説明した構成と同様である。但し、実施例を分けて説明する便宜上、符号を違えている。
<第1実施例>
図4は、第1実施例である踏切障害物報知システム1Aを説明する図である。図4の下側に示すグラフは、車上装置42が列車40の走行速度を制御する際の基準とする速度制御パターンであって、横軸を位置、縦軸を速度として示している。図4の例では、踏切障害物報知システム1Aは、踏切5Aを報知対象の踏切(対象踏切)とする踏切地上装置10Aと、踏切5Aの制動開始点の近傍に配置された中継地上装置20Aとを備える。踏切5Aから制動開始点までの軌道3に沿った範囲は踏切地上装置10A及び中継地上装置20Aの無線通信範囲でカバーされている。また、中継地上装置20Aは、踏切地上装置10Aの無線通信範囲内に設置されている。したがって、制動開始点から踏切5Aまでの間に在線する列車40の車上装置42は、踏切地上装置10Aが送出する報知情報30を連続的に受信可能となっている。踏切地上装置10Aは、踏切5Aの障害物検知装置(不図示)による検知情報に基づく報知情報30であって、踏切5Aの踏切IDである“0001”を含む報知情報30を送出する。また、中継地上装置20Aは、踏切5Aの踏切IDである“0001”を要中継踏切IDとして記憶している。
踏切障害物報知システム1Aの動作を説明する。列車40は右方向を進来方向として踏切5Aに接近しつつある。踏切5Aの制動開始点に到達する前の位置L1を列車40が走行している時に、踏切地上装置10Aが、トピックとして“停止指示(EM)”を含む報知情報30a-1を送出したとする。送出された報知情報30a-1は中継地上装置20Aにて受信される。中継地上装置20Aは、受信した報知情報30a-1に含まれる踏切IDが、記憶している要中継踏切IDと一致するので、当該報知情報30a-1を中継送出する。この時点では列車40は、踏切地上装置10Aの無線通信範囲に含まれず、中継地上装置20Aの無線通信範囲にのみ含まれている。そのため、中継地上装置20Aが中継送出した報知情報30a-1が、列車40の車上装置42にて受信される。車上装置42は、受信した報知情報30a-1に含まれるトピックである“停止指示(EM)”に従って、緊急停止するための速度制御パターン(緊急停止パターン)に切り替え、この緊急停止パターンに従って列車40を減速させる。
その後、列車40が踏切5Aに到達する前の位置L2を走行している時に、踏切地上装置10Aが、トピックとして“運転指示(CL)”を含む報知情報30a-2を送出したとする。この時点での列車の位置L2は、踏切地上装置10Aの無線通信範囲に含まれている。そのため、送出された報知情報30a-2は、中継地上装置20Aによる中継送信を介さずに列車40の車上装置42にて受信される。車上装置42は、受信した報知情報30a-2に含まれるトピックである“運転指示(CL)”に従って、現在の緊急停止パターンを消去して元の速度制御パターンに切り替え、この速度制御パターンに従った運転を再開して踏切5Aを通過する。
<第2実施例>
踏切地上装置10による報知情報30の送出タイミングとその時の列車40の位置との関係によっては、列車40は、緊急停止パターンに従って減速するものの、踏切5を通過してしまうケースが生じ得る。第2実施例は、このようなケースに対処するために、踏切5を通過して停止した列車40が、トピックとして“運転指示(CL)”を含む報知情報30を受信して運転を再開できるように、踏切5の前方(奥方)にも中継地上装置20を配置した踏切障害物報知システム1Bの例である。
図5は、第2実施例である踏切障害物報知システム1Bを説明する図である。図4と同じく、図5の下側には、車上装置42が列車40の走行速度を制御する際の基準とする速度制御パターンを示す。図5の例では、踏切障害物報知システム1Bは、踏切5Bを報知対象の踏切(対象踏切)とする踏切地上装置10Bと、踏切5Bの前方(奥方)に配置された中継地上装置20Bとを備える。中継地上装置20Bは、踏切地上装置10Bの無線通信範囲に含まれる位置に配置される。これにより、列車40が緊急停止パターンに従ってブレーキを作動させたが踏切5Bを通過して停止した場合であっても、当該列車40の車上装置42は、踏切地上装置10B又は中継地上装置20Bから報知情報30を受信することができる。
中継地上装置20Bは、踏切5Bの踏切IDである“0001”が要中継踏切IDとして記憶している。なお、踏切5Bの前方(奥方)に配置される中継地上装置20Bについては、トピックとして“運転指示(CL)”を含む報知情報30のみを中継送出するように設定される(つまり、トピックとして“停止指示(EM)”を含む報知情報30は中継送出しない)。そのため、踏切5Bの前方(奥方)に配置される中継地上装置20Bは、要中継踏切IDを、中継送出すべきトピックである“運転指示(CL)”と組み合わせて記憶しておくようにしてもよい。
踏切障害物報知システム1Bの動作を説明する。踏切5Bに到達する前の位置L3を列車40が走行している時に、踏切地上装置10Bが、トピックとして“停止指示(EM)”含む報知情報30b-1を送出したとする。この時点での列車40の位置L3は、踏切地上装置10Bの無線通信範囲に含まれるため、列車40の車上装置42は、踏切地上装置10Bから送出された報知情報30b-1を受信する。そして、受信した報知情報30b-1に含まれるトピックである“停止指示(EM)”に従い、緊急停止パターンに従って減速するが、踏切5Bをかなり通過した位置L4において停止したとする。
列車40が停止した後に、中継地上装置20Bが、トピックとして“運転指示(CL)”を含む報知情報30b-2を送出したとする。送出された報知情報30b-2は、中継地上装置20Bにて受信・中継送出される。その時点での列車40の位置L4は、踏切地上装置10Bの無線通信範囲外であり、中継地上装置20Bの無線通信範囲内である。そのため、列車40の車上装置42は、中継地上装置20Bにより中継送出された報知情報30b-2を受信する。そして、受信した報知情報30b-2に含まれるトピックである“運転指示(CL)”に従って、緊急停止パターンを消去して運転を再開する速度制御パターンに復帰して運転を再開させる。
<第3実施例>
第1及び第2実施例では、踏切地上装置10から見て軌道3に沿った各方向(手前方・奥方)それぞれに最大1台の中継地上装置20が配置される例を示した。この例に限らず、踏切地上装置10から見て軌道3に沿った各方向に複数台の中継地上装置20が配置されるケースもある。このようなケースでは、各中継地上装置20に記憶される要中継踏切IDは、踏切地上装置10や各中継地上装置20の無線通信範囲を考慮して、報知情報30の中継回数が少なくなるように設定される。具体的には、踏切地上装置10から見て軌道3に沿った同一方向に中継地上装置20が複数台配置されており、且つ、その複数の中継地上装置20の何れもが当該踏切地上装置10の無線通信範囲内に配置されている場合が、該当のケースとなる。このケースでは、複数の中継地上装置20のうち、踏切地上装置10から軌道3に沿って最も遠い位置に設置された中継地上装置20のみに、当該踏切地上装置10の対象踏切の踏切IDを、要中継踏切IDとして記憶させる。
図6は、第3実施例である踏切障害物報知システム1Cを説明する図である。図4と同じく、図6の下側には、車上装置42が列車40の走行速度を制御する際の基準とする速度制御パターンを示す。図6の例では、踏切障害物報知システム1Cは、踏切5Cを報知対象の踏切(対象踏切)とする踏切地上装置10Cと、列車40から見て踏切5Cの手前側に配置された中継地上装置20C-1,20C-2とを備える。中継地上装置20C-1,20C-2は、何れも、踏切地上装置10Cの無線通信範囲に含まれ、踏切地上装置10Cが送出する報知情報を受信することができる。しかし、第3実施例では、踏切地上装置10Cから遠いほうの中継地上装置20C-2のみが、要中継踏切IDとして、踏切地上装置10Cの対象踏切である踏切5Cの踏切IDを記憶する。従って、中継地上装置20C-1は、踏切地上装置10Cからの報知情報を中継送出しない。中継地上装置20C-2のみが、踏切地上装置10Cからの報知情報を中継送出することとなる。
具体的に踏切障害物報知システム1Cの動作を説明する。踏切5Cの制動開始点に到達する前の位置L5を列車40が走行している時に、踏切地上装置10Cが、トピックとして“停止指示(EM)”を含む報知情報30c-1を送出したとする。送出された報知情報30c-1は中継地上装置20C-2にて受信・中継送出される。中継地上装置20C-1も報知情報30c-1を受信するが、当該報知情報30c-1に含まれる踏切IDは、記憶している要中継踏切IDに一致しないので、当該報知情報30c-1を中継送出しない。そして、列車40の車上装置42は、中継地上装置20C-2から送出される報知情報30c-1を受信し、当該報知情報30c-1に含まれるトピックである“停止指示(EM)”に従って緊急停止パターンに切り替え、この緊急停止パターンに従って減速する。
その後、列車40が踏切5Cの手前の位置L6を走行している時に、踏切地上装置10Cが、トピックとして“運転指示(CL)”を含む報知情報30c-2を送出したとする。この時点での列車40の位置L6は、踏切地上装置10Cの無線通信範囲に含まれる。そのため、列車40の車上装置42は、踏切地上装置10Cから送出される報知情報30c-2を受信できる。車上装置42は、受信した報知情報30c-2に含まれるトピックである“運転指示(CL)”に従って、現在の緊急停止パターンを消去して元の速度制御パターンに切り替え、この速度制御パターンに従った運転に復帰して踏切5Cを通過する。
<第4実施例>
路線によっては複数の踏切が近接して設けられている箇所がある。踏切地上装置10は中継地上装置20の機能(報知情報30を中継送出する機能)をも有していることから、そのような箇所では、踏切地上装置10が中継機能を発揮するため、中継地上装置20を別途配置する必要がない。
図7は、第4実施例である踏切障害物報知システム1Dを説明する図である。図4と同じく、図7の下側には、車上装置42が列車40の走行速度を制御する際の基準とする速度制御パターンを示す。図7の例では、踏切障害物報知システム1Dは、近接する2箇所の踏切5D-1,5D-2それぞれを報知対象の踏切(対象踏切)とする2台の踏切地上装置10D-1,10D-2を備える。踏切地上装置10D-1,10D-2は、それぞれ、対象踏切の障害物検知装置(不図示)からの検知情報に基づく報知情報30を送出する。踏切地上装置10D-1,10D-2は、互いに、他方の踏切地上装置10D-1,10D-2の無線通信範囲に含まれるように配置されている。また、踏切地上装置10D-1,10D-2は、それぞれ、他方の踏切地上装置10D-1,10D-2に対して報知情報30を中継送出する機能を実現するために、他方の踏切地上装置10D-1,10D-2の対象踏切の踏切IDを、要中継踏切IDとして記憶している。
踏切障害物報知システム1Dの動作を説明する。踏切5D-1の制動開始点に到達する前の位置L7を列車40が走行している時に、踏切地上装置10D-1が、トピックとして“停止指示(EM)”を含む報知情報30d-1を送出したとする。送出された報知情報30d-1は、踏切地上装置10D-2にて受信・中継送出され、列車40の車上装置42にて受信される。列車40の車上装置42は、受信した報知情報30d-1に含まれるトピックである“停止指示(EM)”に従って、緊急停止パターンに切り替えて列車40を減速させる。
その後、列車40が踏切5D-1に到達する前の位置L8を走行している時に、踏切地上装置10D-1が、トピックとして“運転指示(CL)”を含む報知情報30d-2を送出したとする。その時点での列車40の位置L8は、踏切地上装置10D-1の無線通信範囲内であるから、列車40の車上装置42は、踏切地上装置10D-1から送出された報知情報30d-2を受信し、当該報知情報30d-2に含まれるトピックである“運転指示(CL)”に従って元の列車制御パターンに復帰させるように走行制御を行い、踏切5D-1を通過する。
<第5実施例>
第1~第4実施例は、列車40が一方向のみから進来する例とした。第5実施例は、列車40が双方向(上り方向及び下り方向)から進来する例である。
図8は、第5実施例である踏切障害物報知システム1Eを説明する図である。なお、図8では複線の例を示しているが、単線を双方向に列車が走行する場合も同様である。図8に示す例では、踏切障害物報知システム1Eは、踏切5E-1,5E-2それぞれを報知対象の踏切(対象踏切)とする踏切地上装置10E-1,10E-2と、中継地上装置20E-1~20E-3と、を備える。踏切地上装置10E-1,10E-2は、報知対象の踏切(対象踏切)に対する進来方向が上り方向である列車40に向けて送出する報知情報30には、上り方向を示す列車進来方向情報を報知情報30に含めて送出する。また、踏切地上装置10E-1,10E-2は、対象踏切に対する進来方向が下り方向である列車40に向けて送出する報知情報30には、下り方向を示す列車進来方向情報を報知情報30に含めて送出する。踏切5の遮断制御は列車40の接近に応じてなされる。踏切地上装置10E-1,10E-2は、不図示の踏切制御装置等から列車40の進来方向を取得するように構成されている。
中継地上装置20E-1,20E-2は、当該中継地上装置20E-1,20E-2から踏切5に向かう方向が所定の列車進来方向にある当該踏切5の踏切IDを、要中継踏切IDとして記憶する。そして、受信された報知情報30に含まれる列車進来方向情報が、当該中継地上装置20E-1,20E-2から当該報知情報30に係る踏切5に向かう方向とは異なる場合には、当該報知情報30の中継を不要と判定する。
具体的には、中継地上装置20E-1,20E-2は、当該中継地上装置20E-1,20E-2から向かう方向が上り方向にある踏切5の踏切IDを、当該方向“上り”と対応付けて要中継踏切IDとして記憶する。また、中継地上装置20E-1,20E-2は、当該中継地上装置20E-1,20E-2から向かう方向が下り方向にある踏切5の踏切IDを、当該方向“下り”と対応付けて要中継踏切IDとして記憶する。そして、中継地上装置20E-1,20E-2は、受信した報知情報30に含まれる踏切ID及び列車進来方向情報の組み合わせが、記憶している要中継踏切ID及び方向の組み合わせに一致しないならば、当該受信した報知情報30の中継を不要と判定して中継送出せず、一致する場合にのみ当該報知情報30を中継送出する。したがって、踏切地上装置10E-1,10E-2が送出した報知情報30は、対象踏切に向かって接近してくる列車40に向かう方向のみに中継送出されてゆくことになる。
図8の例では、中継地上装置20E-1は、下り方向にある踏切5E-1の踏切ID “0001”を、当該踏切5E-1に向かう方向“下り”と対応付けて要中継踏切IDとして記憶している。中継地上装置20E-2は、上り方向にある踏切5E-1の踏切ID“0001”を、当該踏切5E-1に向かう方向“上り”と対応付けて要中継踏切IDとして記憶している。また、中継地上装置20E-2は、下り方向にある踏切5E-2の踏切ID“0002”を、当該踏切5E-2に向かう方向“下り”と対応付けて要中継踏切IDとして記憶している。
踏切障害物報知システム1Eの動作を説明する。踏切5E-1の制動開始点に接近した位置L9を列車40が走行している時に、踏切5E-1を対象踏切とする踏切地上装置10E-1が、上り方向を走行する列車40に向けた報知情報30として、列車進来方向「情報“上り方向”を含む報知情報30eを送出したとする。この報知情報30eは、中継地上装置20E-2にて受信される。中継地上装置20E-2は、受信した報知情報30eに含まれる踏切ID“0001”と列車進来方向情報“上り方向”との組み合わせが、記憶している要中継踏切IDと方向との組み合わせに一致するので、当該報知情報30eを中継送出する。中継送出された報知情報30eは、列車40の車上装置42にて受信される。また、踏切地上装置10E-1が送出した報知情報30eは、中継地上装置20E-1においても受信されるが、当該報知情報30eに含まれる列車進来方向情報“上り方向”は、中継地上装置20E-1が要中継踏切IDと対応付けて記憶している方向“下り”とは一致しないので、中継は不要と判定して中継送出を行われない。
なお、踏切地上装置10、及び、中継地上装置20は、列車進来方向(上り方向及び下り方向)別の装置として構成・配置してもよい。具体的には、上り方向専用の踏切地上装置10と、下り方向専用の踏切地上装置10とを配置する。上り方向専用の踏切地上装置10は、対象踏切に対する進来方向が上り方向である列車40に向けた報知情報30(列車進来方向情報“上り方向”を含む報知情報)を送出する踏切地上装置10である。下り方向専用の踏切地上装置10は、対象踏切に対する進来方向が下り方向である列車40に向けた報知情報30(列車進来方向情報“下り方向”を含む報知情報30)を送出する踏切地上装置である。また、中継地上装置20も同様に、上り方向専用の中継地上装置20と、下り方向専用の中継地上装置20とを配置する。上り方向専用の中継地上装置20は、当該中継地上装置20から向かう方向が上り方向にある踏切5の踏切IDを要中継踏切IDとして記憶した中継地上装置20である。下り方向専用の中継地上装置20は、当該中継地上装置20から向かう方向が下り方向にある踏切5の踏切IDを要中継踏切IDとして記憶した中継地上装置20である。
[作用効果]
本実施形態によれば、一般に開放されている周波数帯域を利用する場合であっても、踏切5の支障状態に関する情報を地上から車上に無線通信で伝達する仕組みを実現することができる。つまり、踏切地上装置10は、障害物検知装置7による踏切5における障害物の検知情報に基づく報知情報30を列車40の車上装置42が受信可能な無線通信プロトコルで送出するが、その報知情報30は、当該報知情報30を受信した中継地上装置20も中継送出する。踏切地上装置10は列車40の存在に関わらず報知情報30を送出するが、送出する情報を踏切の状態に係る列車の停止制御に必要な情報に限定することで、不必要に無線通信帯域を占有することなく他の無線通信を妨げないようにして、当該報知情報も速やかに伝達できるようにする。ゆえに、無線通信として、例えば、一般に開放されている周波数帯域の1つであるISMバンドを使用した場合であっても、報知情報30を車上装置42へ速やかに伝達することが可能となる。また、踏切5から当該踏切5の制動開始点までの距離は例えば600m程度といった比較的長い距離であるが、制動開始点に到達していない列車40の車上装置42に対しても、中継地上装置20による中継送信を介することで、当該踏切5に関する報知情報30を伝達することが可能となる。
また、中継地上装置20に、報知情報30を中継送出すべき踏切5の踏切識別情報である踏切IDを要中継踏切識別情報である要中継踏切IDとして記憶しておくことで、踏切地上装置10から列車40の車上装置42への通信経路の探索が不要となる。これにより、通信経路の探索に係る通信を削減することができ、システム全体として無線通信されるデータ量を削減することが可能となる。
[変形例]
なお、本発明の適用可能な実施形態は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能なのは勿論である。
(A)車上装置42からの通信
上述の実施形態では、踏切地上装置10から車上装置42への一方向通信としたが、車上装置42から踏切地上装置10への通信も行うようにしてもよい。具体的には、車上装置42は、前方の踏切5の支障状態を取得したい場合に、トピックとして“伝達指示(RQ)”を含む報知情報30を送出する、といった例が考えられる。この場合、車上装置42は、自装置の装置IDを報知情報30に含めて送出する。中継地上装置20は、この報知情報30を受信すると、例えば、装置IDから送出元が車上装置42であることを把握して、トピック“伝達指示(RQ)”を含む報知情報30を中継送出する。踏切地上装置10は、この報知情報30を受信すると、報知対象の踏切(対象踏切)5についての最新の報知情報30を送出して送り返す。以降は、中継地上装置20が、送り返された最新の報知情報30を中継送出して、車上装置42が受信する。
(B)列車進来方向情報
また、第5実施例において、報知情報30に列車進来方向情報を含める替わりに、当該報知情報30の搬送周波数の違いを列車進来方向としてもよい。
(C)中継地上装置20
自動列車制御装置(ATC:Automatic Train Control)や、連続式ATS(Automatic Train Stop)が導入されている路線では、中継地上装置20に替えて、軌道回路を介して報知情報30を車上装置42へ送信するようにしてもよい。また、点制御式ATSが導入されている路線では、踏切5の制動開始点の手前に地上子を設け、この地上子を介して、トピックとして“停止指示(EM)”を含む報知情報30を車上装置42へ送信するようにしてもよい。
(D)同一の報知情報30の中継送出
中継地上装置20は、報知IDが同じ報知情報30が受信された場合に、当該報知情報30に含まれる中継回数が最も少ない報知情報30であって、当該報知情報30に含まれる踏切識別情報である踏切IDが要中継踏切識別情報である要中継踏切IDに適合する報知情報30を、中継する報知情報30として決定し、当該報知情報30に含まれる中継回数を更新した上で当該報知情報30を中継送信するようにしてもよい。
つまり、中継地上装置20は、記憶している要中継踏切IDと一致する踏切IDを含む報知情報30を中継送出するが、踏切地上装置10や中継地上装置20は複数配置されているので、それぞれから送出又は中継送出されて、同一の報知IDの報知情報30がほぼ同時に(すなわち所定の短時間の間に)複数受信される場合がある。そのような場合に、所定の短時間の間に受信した報知IDが同じである報知情報30のうち、中継回数が最も少ない報知情報30のみを中継送出する。このようにすることで、報知情報の伝達エラーを少なくするとともに、踏切障害物報知システム1全体としての通信量を削減することが可能となる。
(E)踏切支障の検知情報
また、報知情報30は踏切5における踏切支障の検知情報に基づく情報であるが、その検知情報を、当該踏切5に設置された障害物検知装置7による検知情報以外とすることもできる。例えば、踏切5に設置された支障検知装置(非常ボタン)が操作(押下)されたことを検知した検知情報や、踏切しゃ断機の故障等によるしゃ断不良が発生したことを検知した検知情報、しゃ断桿の折損を検知した検知情報等、列車40が踏切5を通過する際に支障となることが検知された検知情報を採用してもよい。さらに、検知内容(障害物検知や非常ボタン操作など)を報知情報30に含めるとしてもよい。
1(1A~1E)…踏切障害物報知システム
10(10A~10E)…踏切地上装置
12…無線通信範囲
100…処理部
102…報知情報送出部
104…中継部
200…無線通信部
300…記憶部
302…装置ID
304…対象踏切ID
306…要中継踏切IDリスト
308…採用トピックリスト
310…報知ログ
312…中継ログ
20(20A~20E)…中継地上装置
22…無線通信範囲
400…処理部
404…中継部
500…無線通信部
600…記憶部
602…装置ID
606…要中継踏切IDリスト
608…採用トピックリスト
612…中継ログ
30(30a~30e)…報知情報
3…軌道
5(5A~5E)…踏切
7…障害物検知装置
40…列車
42…車上装置

Claims (5)

  1. 踏切毎に当該踏切における踏切支障の検知情報に基づく報知情報を列車の車上装置が受信可能な無線通信プロトコルで送出する踏切地上装置と、軌道に沿って配置され、前記報知情報を中継送出可能な中継機能を有する地上装置と、を具備する踏切障害物報知システムにおける前記地上装置であって、
    前記踏切地上装置は、前記検知情報に基づく前記列車への指示と、当該踏切地上装置に係る踏切の踏切識別情報と、を対応付けて前記報知情報に含めて送出し、
    前記報知情報の中継対象の踏切の前記踏切識別情報を要中継踏切識別情報として記憶する記憶手段と、
    前記報知情報を受信する受信手段と、
    前記受信した前記報知情報に含まれる前記踏切識別情報を、前記要中継踏切識別情報と照合することで中継するか否かを判定し、肯定判定した場合に当該受信した報知情報を前記無線通信プロトコルで中継送出する中継手段と、
    を備える地上装置。
  2. 前記記憶手段は、当該地上装置から踏切に向かう方向が所定方向にある踏切の前記踏切識別情報を要中継踏切識別情報として記憶する、
    請求項1に記載の地上装置。
  3. 前記踏切地上装置は、上り方向に向けて送出する前記報知情報には上り方向を示す列車進来方向情報を含めた前記報知情報を送出し、下り方向に向けて送出する前記報知情報には下り方向を示す列車進来方向情報を含めた前記報知情報を送出し、
    前記中継手段は、前記受信手段により受信された前記報知情報に含まれる前記列車進来方向情報が、当該地上装置から当該報知情報に係る踏切に向かう方向とは異なる場合には、当該報知情報の中継を不要と判定する、
    請求項1又は2に記載の地上装置。
  4. 前記報知情報は、当該報知情報のIDと、当該報知情報が中継された中継回数を示す情報と、を更に含み、
    前記中継手段は、前記受信手段により前記IDが同じ前記報知情報が受信された場合に、当該報知情報に含まれる前記中継回数が最も少ない前記報知情報であって、当該報知情報に含まれる前記踏切識別情報が前記要中継踏切識別情報に適合する前記報知情報を、中継する前記報知情報として決定し、当該報知情報に含まれる前記中継回数を更新した上で当該報知情報を中継送信する、
    請求項1~3の何れか一項に記載の地上装置。
  5. 前記踏切地上装置の機能を備える請求項1~4の何れか一項に記載の地上装置。
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