JP2023098195A - コンタクトプローブ及び検査治具 - Google Patents
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Abstract
【課題】電気抵抗率が低く、弾性復元力が高いコンタクトプローブ及び検査治具を提供する。【解決手段】コンタクトプローブPrは、芯材110と、被覆層120とを備える。被覆層120は、芯材110を被覆する。芯材110の材料と被覆層120の材料とは、異なる金属である。第1方向D1における被覆層120の厚さは、第1距離L1である。第2方向D2における被覆層120の厚さは、第2距離L2である。第1方向D1と第2方向D2とは、異なる。第1距離L1は、第2距離L2より大きい。芯材110は、銅を含有し、被覆層120は、ニッケルタングステンを含有することが好ましい。【選択図】図2
Description
本発明は、コンタクトプローブ及び検査治具に関する。
基板からなる検査対象の電気的特性を検出し又は動作試験の実施等をするための検査治具が知られている(例えば、特許文献1参照)。検査治具は、二枚のガイド板と、枠体と、プローブ(接触ピン)とを備える。二枚のガイド板は、枠体に固定されて所定間隔あけて対向配置される。プローブは、二枚のガイド板に挿通されることで、二枚のガイド板に保持される。検査治具は、プローブを、検査対象が有する検査対象部(検査点)に押し付け、検査対象部に電力(電気信号等)を供給するか、又は、検査対象からの電気出力信号を検出する。
しかしながら、特許文献1に記載のプローブに用いられた材料では、プローブの電気抵抗率が高いか、プローブの弾性復元力が低くかった。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は電気抵抗率が低く、弾性復元力が高いコンタクトプローブ及び検査治具を提供することにある。
本発明の例示的なコンタクトプローブは、芯材と、被覆層とを備える。前記被覆層は、前記芯材を被覆する。前記芯材の材料と前記被覆層の材料とは、異なる金属である。第1方向における前記被覆層の厚さは、第1距離である。第2方向における前記被覆層の厚さは、第2距離である。前記第1方向と前記第2方向とは、異なる。前記第1距離は、前記第2距離より大きい。
本発明の例示的な検査治具は、上記に記載のコンタクトプローブを、被検査対象に設定される検査点に対して接触させるための検査治具である。前記検査治具は、前記被検査対象に対向して配置される検査側支持体と、前記検査側支持体に対向して配置される電極側支持体と、前記検査側支持体と前記電極側支持体とを所定距離、隔てて保持する連結部材とを備える。前記検査側支持体は、前記コンタクトプローブの一端部を挿通するプローブ挿通孔を備える。前記電極側支持体は、前記コンタクトプローブの他端部を挿通するプローブ支持孔を備える。
例示的な本発明によれば、電気抵抗率が低く、弾性復元力が高い。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。図面において、互いに直交するX軸とY軸とZ軸とを含む三次元直交座標系を用いて説明する場合がある。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
図1を参照して、本発明の実施形態に係るバックリングビームプローブPrについて説明する。図1は、長手方向に平行なバックリングビームプローブPrの断面図である。図2は、図1に示すバックリングビームプローブPrのII-II線断面図である。図1及び図2に示すように、バックリングビームプローブPrは、芯材110と、被覆層120と、絶縁層130とを備える。バックリングビームプローブPrは、「コンタクトプローブ」の一例である。
芯材110は、一端部と、一端部と所定距離離れた他端部と有する。所定距離は、任意の距離である。所定距離は、例えば20mmである。具体的には、芯材110は、棒形状を有する。
芯材110は、銅を含有する。銅の電気抵抗率は約1.7×10-8Ωmであり、銅のヤング率は約130GPaである。その結果、芯材110の電気抵抗率が低くなる。
被覆層120は、芯材110を被覆する。第1方向D1における被覆層120の厚さは、第1距離L1である。第2方向D2における被覆層120の厚さは、第2距離L2である。第1方向D1と第2方向D2とは、異なる。具体的には、第1方向D1と長手方向とは直交する。また、第2方向D2と長手方向とは直交する。更に、第1方向D1と第2方向D2とは、直交する。第1方向D1は、Z軸に沿って延びている。第2方向D2は、X軸に沿って延びている。第1距離L1は、第2距離L2より大きい。第1距離L1は、第2距離L2の1.5倍以上であることが好ましい。
芯材110の材料と被覆層120の材料とは、異なる金属である。具体的には、被覆層120は、ニッケルタングステンを含有する。その結果、被覆層120の弾性復元力が高くなる。
以上、図1及び図2を参照して説明したように、本実施形態によれば、第1方向D1において、被覆層120で高い弾性係数と高い引っ張り強度とを得ることができ、弾性性能を効果的に高めることができる。また、芯材110が、電気抵抗率が低い銅であっても、第1方向D1において、被覆層120で高い弾性係数と高い引っ張り強度とを得ることができ、弾性性能を効果的に高めることができる。
第1方向D1と第2方向D2とは、直交する。その結果、被覆層120がニッケルタングステンであっても、第2方向D2において、導電性を確保できる。
詳細には、第1方向D1における芯材110の厚さは、第3距離L3である。また、第2方向D2における芯材110の厚さは、第4距離L4である。第3距離L3は、第4距離L4より小さい。第3距離L3は、第4距離L4の1.0倍以下であることが好ましく、第4距離L4の0.5倍以下であることが、より好ましい。その結果、導電性を確保できる。
また、被覆層120において、ニッケルタングステンは、アモルファス相を有する。アモルファス相とは、例えば、結晶構造を持たない物質の状態のことをいい、原子が不規則に配列されている。その結果、被覆層120で高い弾性係数と高い引っ張り強度とを得ることができ、弾性性能を効果的に高めることができる。被覆層120のヤング率は、120GPa以上200GPa以下である。
更に、絶縁層130は、被覆層120を被覆する。詳しくは、絶縁層130は、被覆層120の中央部を被覆する。絶縁層130の膜厚は、例えば0.5μm以上1.5μm以下である。例えば、絶縁層130は、パリレンを含有する。
ここで、図3及び図4を参照して、複数のバックリングビームプローブPrを製造する製造方法の一例について説明する。図3及び図4は、バックリングビームプローブPrの製造方法を示す断面図である。
まず、図3(a)に示すように、表面処理されたベース基板1110を準備する。
次に、図3(b)に示すように、ベース基板1110の第1領域上に、所定厚さを有するめっきレジスト1120を形成する。
次に、図3(c)に示すように、ベース基板1110の第2領域上に第1金属をめっきし、第1めっき層1130を形成する。第1金属は、例えば銅である。
次に、図3(d)に示すように、第1めっき層1130上に第2金属をめっきし、第2めっき層1140を形成する。第2金属は、例えばニッケルタングステンである。
次に、図3(e)に示すように、第2めっき層1140上に第1金属をめっきし、第3めっき層1150を形成する。
次に、図3(f)に示すように、第3めっき層1150上に第2金属をめっきし、第4めっき層1160を形成する。
次に、図4(a)に示すように、めっきレジスト1120上及び第4めっき層1160上にエッチングレジスト1170を形成する。
次に、図4(b)に示すように、ベース基板1110及び第1めっき層1130を除去する。
次に、図4(c)に示すように、めっきレジスト1120及びエッチングレジスト1170を除去する。
次に、図4(d)に示すように、第2金属でめっきし、被覆層120を形成する。詳しくは、陰極としての第3めっき層1150(芯材110)と、陽極としての金属片とを電解液(メッキ浴)中に浸し、両電極間に電圧を印加することにより、電解液中の第2金属イオンを周面に付着させることができる。
最後に、図4(e)に示すように、樹脂をコーティングし、絶縁層130を形成する。例えば、絶縁層130は、パリレンを含有する。
続けて図5を参照して、本実施形態に係る基板検査装置1について説明する。図5は、本実施形態に係る基板検査装置1の構成を概略的に示す正面図である。図5に示すように、基板検査装置1は、検査対象の基板100に形成された回路パターンを検査する。なお、本明細書中では基板100を想定して説明を行うが、電気信号等を利用して検査を行うことのできる半導体を検査するプローブカードにも用いることができる。基板100は、「被検査対象」の一例である。
基板100は、例えば、プリント配線基板、ガラスエポキシ基板、フレキシブル基板、セラミック多層配線基板、液晶ディスプレイ又はEL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等のディスプレイ用の電極板、タッチパネル用等の透明導電板、半導体パッケージ用のパッケージ基板又はフィルムキャリア、半導体ウェハや半導体チップやCSP(Chip size package)等の半導体基板等々種々の基板であってもよい。基板100には、配線パターン又は半田バンプ等の検査点が形成されている。
基板検査装置1は、筐体11と、基板固定装置12と、第一検査部13と、第二検査部14と、2つの検査治具4U、4Lと、制御部2とを備える。筐体11の内部空間には、基板固定装置12と、第一検査部13と、第二検査部14とが設けられている。基板固定装置12は、基板100を所定位置に固定する。
第一検査部13は、基板固定装置12の上方に位置する。第二検査部14は、基板固定装置12の下方に位置する。第一検査部13及び第二検査部14の各々は、電極板9と、図略のスキャナ回路と、検査部移動機構15とを備えている。電極板9は、2つの検査治具4U、4Lに対して電気的に接続される。検査部移動機構15は、第一検査部13及び第二検査部14の各々を筐体11内で適宜移動させる。
第一検査部13及び第二検査部14の各電極板9には、検査治具4U、4Lが取り付けられる。検査治具4U、4Lには、複数のバックリングビームプローブPrが取り付けられている。検査治具4U、4Lは、互いに同様に構成されている。以下、検査治具4U、4Lを総称して検査治具4と称する。
制御部2は、基板固定装置12、第一検査部13及び第二検査部14等の動作を制御する。制御部2は、例えばマイクロコンピュータを用いて構成されている。制御部2は、第一検査部13及び第二検査部14を適宜移動させ、基板固定装置12に固定された基板100に検査治具4U、4LのバックリングビームプローブPrを接触させることにより、基板100に形成された回路パターンを検査治具4U、4Lを用いて検査する。
続けて図6から図9を参照して、検査治具4について説明する。図6は、図5に示す検査治具4の一例を示す斜視図である。図7は、図5に示す検査治具4の分解斜視図である。図8は、図6に示す検査治具4のVIII-VIII線断面図である。図9は、図8に示す検査治具4における一本のバックリングビームプローブPrを拡大して示す断面図である。なお、図6及び図7では、バックリングビームプローブPrの記載を省略している。また、検査治具4を示す図については、下側の第二検査部14に取り付けられる検査治具4Lの向きを示しており、上側の検査治具4Uは、図示の上下左右とは逆向きに第一検査部13に取り付けられる。
図6から図9に示すように、検査治具4は、検査側支持体5と、電極側支持体6と、連結部材7とを備えている。
検査側支持体5は、基板100と対向して配置される。検査側支持体5は、対向プレート51、案内プレート52がこの順に、基板100が配置される上方から積層されることにより構成されている。対向プレート51は、基板100と対向して配置される対向面Fを有している。対向プレート51は、案内プレート52に対して、ボルト等の脱着可能な固定手段によって一体に固定されている。
対向プレート51には、バックリングビームプローブPrの先端部が挿通される複数のプローブ挿通孔16が形成されている。各プローブ挿通孔16は、基板100に設けられた複数の検査点に対してそれぞれバックリングビームプローブPrの先端を案内する。
案内プレート52には、複数のプローブ挿通孔16と連通する複数のプローブ案内孔21が形成されている。
電極側支持体6は、検査側支持体5と対向して配置される。電極側支持体6は、支持プレート61、スペーサフィルム63及びスペーサプレート62がこの順に、対向面Fとは反対側から積層されて構成されている。支持プレート61の下面は、電極板9に当接される背面Bとされている。支持プレート61には、複数のプローブ挿通孔16と対応する複数のプローブ支持孔23が形成されている。
連結部材7は、検査側支持体5及び電極側支持体6を所定距離、隔てて互いに平行に保持する。連結部材7は、壁部71と、壁部72と、壁部73とを備えている。壁部71は、前後方向に延び、案内プレート52に立設される。壁部72は、壁部71と略平行に間隔を空けて対向配置される。壁部73は、壁部71及び壁部72の後端部を連結する。壁部71、72、73には、窓状に貫通して開口された開口部711、721、731が形成されている。
バックリングビームプローブPrの先端部は、複数のプローブ挿通孔16に挿通される。バックリングビームプローブPrの先端部は、検査治具4の対向面Fが基板100に当接されていないときには、対向面Fから突出している。また、バックリングビームプローブPrの後端部は、複数のプローブ支持孔23に挿通されて、電極板9に接触する。なお、バックリングビームプローブPrは、検査側支持体5と電極側支持体6との間で、略S字状に湾曲している。
続けて基板検査装置1が基板100に形成された回路パターンを検査する検査方法について説明する。基板100を検査するべく検査治具4の対向面Fが基板100に当接されると、バックリングビームプローブPrの先端部は、検査点に当接して、プローブ挿通孔16内に押し込まれる。
バックリングビームプローブPrの先端部がプローブ挿通孔16内に押し込まれたとき、バックリングビームプローブPrが略S字状(第1方向D1)に湾曲していることによって、バックリングビームプローブPrの先端部の押し込みに応じてバックリングビームプローブPrがスムーズに更に湾曲し、バックリングビームプローブPrの先端部の押し込み量を吸収する。更に、略S字状(第1方向D1)に湾曲したバックリングビームプローブPrは、バックリングビームプローブPrの弾性復元力(スプリング力)によってバックリングビームプローブPrの先端部を検査点に付勢するので、バックリングビームプローブPrの先端部を検査点に弾性的に接触させることができる。その結果、検査点とバックリングビームプローブPrとの接触安定性を向上させることができる。
第一検査部13及び第二検査部14は、検査箇所に対応した一対のバックリングビームプローブPr間に所定の電流を供給し、検査箇所に対応した一対のバックリングビームプローブPr間の電圧を測定し、測定結果を制御部2へ送信する。
その結果、検査治具4は、芯材110は銅を含有するバックリングビームプローブPrを備えるため、検査箇所に対応した一対のバックリングビームプローブPr間に小さな電流を供給したときにも、検査箇所に対応した一対のバックリングビームプローブPr間の電圧を、精度よく測定できる。従って、基板100に形成された回路パターンを精密に検査できる。
以上、図面(図1~図9)を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質や形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(1)図3及び図4を参照して、複数のバックリングビームプローブPrを製造する製造方法の一例を説明したが、積層する層の種類及び順序を変更してもよい。
(2)図3及び図4を参照して、複数のバックリングビームプローブPrを製造する製造方法の一例を説明したが、図4(c)及び図4(d)の工程で、複数のバックリングビームプローブPrが分離しないように、平面視において第3めっき層1150の一部分が連結されていてもよい。
(3)図3及び図4を参照して、複数のバックリングビームプローブPrを製造する製造方法の一例を説明したが、1個のバックリングビームプローブPrを製造してもよい。
110 芯材
120 被覆層
D1 第1方向
D2 第2方向
L1 第1距離
L2 第2距離
Pr バックリングビームプローブ
120 被覆層
D1 第1方向
D2 第2方向
L1 第1距離
L2 第2距離
Pr バックリングビームプローブ
Claims (5)
- 芯材と、
前記芯材を被覆する被覆層と
を備える、コンタクトプローブであって、
前記芯材の材料と前記被覆層の材料とは、異なる金属であり、
第1方向における前記被覆層の厚さは、第1距離であり、
第2方向における前記被覆層の厚さは、第2距離であり、
前記第1方向と前記第2方向とは、異なり、
前記第1距離は、前記第2距離より大きい、コンタクトプローブ。 - 前記芯材は、銅を含有し、
前記被覆層は、ニッケルタングステンを含有する、請求項1に記載のコンタクトプローブ。 - 前記第1方向と前記第2方向とは、直交する、請求項1又は請求項2に記載のコンタクトプローブ。
- 前記第1方向における前記芯材の厚さは、第3距離であり、
前記第2方向における前記芯材の厚さは、第4距離であり、
前記第3距離は、前記第4距離より小さい、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のコンタクトプローブ。 - 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のコンタクトプローブを、被検査対象に設定される検査点に対して接触させるための検査治具であって、
前記被検査対象に対向して配置される検査側支持体と、
前記検査側支持体に対向して配置される電極側支持体と、
前記検査側支持体と前記電極側支持体とを所定距離、隔てて保持する連結部材と
を備え、
前記検査側支持体は、前記コンタクトプローブの一端部を挿通するプローブ挿通孔を備え、
前記電極側支持体は、前記コンタクトプローブの他端部を挿通するプローブ支持孔を備える、検査治具。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021214810A JP2023098195A (ja) | 2021-12-28 | 2021-12-28 | コンタクトプローブ及び検査治具 |
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