JP2023098016A - 液体噴射ヘッド、及び、液体噴射装置 - Google Patents

液体噴射ヘッド、及び、液体噴射装置 Download PDF

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Abstract

【課題】共通液室にフィルターを設けた場合であっても、液体の圧力損失の増大を抑制する。【解決手段】液体噴射ヘッドは、第1方向に液体を噴射する複数のノズルを第1方向に直交する第2方向に並べることで構成されたノズル列と、ノズル列の複数のノズルから液体を噴射させるための駆動素子と、ノズル列の前記複数のノズルに連通する共通液室を画定する複数の積層部品と、を備え、複数の積層部品は、共通液室を上流側共通液室と下流側共通液室とに区画するフィルターと、上流側共通液室の一部である第1共通液室部を画定し、フィルターに積層された第1ケースと、上流側共通液室の一部である第2共通液室部を画定し、第1ケースに積層された第2ケースと、を含み、第2共通液室部は、駆動素子よりも第1方向とは反対方向に位置し、第2共通液室部の第1方向及び第2方向に直交する第3方向の幅は、第1共通液室部の第3方向の幅よりも長い。【選択図】図5

Description

本発明は、液体噴射ヘッド、及び、液体噴射装置に関する。
インクジェット方式のプリンターに代表される液体噴射装置には、一般に、インク等の液体を噴射する液体噴射ヘッドが設けられる。例えば、特許文献1には、共通液室に貯留された液体をノズルから噴射する液体噴射装置が開示されている。特許文献2には、共通液室にフィルターが設けられた液体噴射装置が開示されている。
特開2021-133604号公報 特開2016-000461号公報
特許文献1に記載の共通液室に、特許文献2に記載のフィルターを設けると、共通液室内の液体の圧力損失が増大して、ノズルの噴射特性が低下する。噴射特性は、噴射量及び噴射速度の一方又は両方である。液体の圧力損失の増大を抑制するには、共通液室を大きくする必要がある。しかしながら、近年の液体噴射装置は、高密度化が望まれており、液体噴射ヘッドの大きさを維持したまま共通液室を大きくしようとすると、共通液室の形状が複雑になり、液体噴射ヘッドの製造が困難である。以上により、従来技術の液体噴射装置では、共通液室内にフィルターを設けた場合に、液体の圧力損失の増大を抑制することが困難であった。
以上の課題を解決するために、本発明の好適な態様にかかる液体噴射ヘッドは、第1方向に液体を噴射する複数のノズルを前記第1方向に直交する第2方向に並べることで構成されたノズル列と、前記ノズル列の前記複数のノズルから液体を噴射させるための駆動素子と、前記ノズル列の前記複数のノズルに連通する共通液室を画定する複数の積層部品と、を備え、前記複数の積層部品は、前記共通液室を上流側共通液室と下流側共通液室とに区画するフィルターと、前記上流側共通液室の一部である第1共通液室部を画定し、前記フィルターに積層された第1ケースと、前記上流側共通液室の一部である第2共通液室部を画定し、前記第1ケースに積層された第2ケースと、を含み、前記第2共通液室部は、前記駆動素子よりも前記第1方向とは反対方向に位置し、前記第2共通液室部の前記第1方向及び前記第2方向に直交する第3方向の幅は、前記第1共通液室部の前記第3方向の幅よりも長い。
本発明の好適な態様にかかる液体噴射装置は、前述の態様の液体噴射ヘッドと、前記液体噴射ヘッドへ供給する液体を貯留する液体貯留部と、を備える。
第1実施形態にかかる液体噴射装置100を例示する模式図。 第1実施形態に係る液体噴射ヘッド50及び支持体41の斜視図。 第1実施形態に係る液体噴射ヘッド50の分解斜視図。 ヘッドチップ54の分解斜視図。 図4中のA-A線断面図。 図4中のB-B線断面図。 図5中のC-C線断面図。 第1変形例におけるヘッドチップ54Aの分解斜視図。 図8中のD-D線断面図。 図8中のE-E線断面図。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。ただし、各図において、各部の寸法及び縮尺は、実際のものと適宜に異ならせてある。また、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
以下の説明は、便宜上、互いに交差するX軸、Y軸及びZ軸を適宜に用いて行う。また、以下の説明では、X軸に沿う一方向がX1方向であり、X1方向と反対の方向がX2方向である。同様に、Y軸に沿って互いに反対の方向がY1方向及びY2方向である。また、Z軸に沿って互いに反対の方向がZ1方向及びZ2方向である。また、Z軸方向にみることを単に「平面視」という場合がある。なお、Z2方向は、「第1方向」の一例である。Y1方向又はY2方向は、「第2方向」の一例である。X1方向又はX2方向は、「第3方向」の一例である。
ここで、典型的には、Z軸が鉛直な軸であり、Z2方向が鉛直方向での下方向に相当する。ただし、Z軸は、鉛直な軸でなくともよい。また、X軸、Y軸及びZ軸は、典型的には互いに直交するが、これに限定されず、例えば、80°以上100°以下の範囲内の角度で交差すればよい。
1.第1実施形態
1-1.液体噴射装置の概略構成
図1は、第1実施形態にかかる液体噴射装置100を例示する模式図である。液体噴射装置100は、「液体」の一例であるインクを液滴として媒体Mに噴射するインクジェット方式の印刷装置である。媒体Mは、典型的には印刷用紙である。なお、媒体Mは、印刷用紙に限定されず、例えば、樹脂フィルム又は布帛等の任意の材質の印刷対象でもよい。
図1に示すように、液体噴射装置100は、液体貯留部10と制御ユニット20と搬送機構30と移動機構40と液体噴射ヘッド50とを有する。
液体貯留部10は、インクを貯留する容器である。液体貯留部10の具体的な態様としては、例えば、液体噴射装置100に着脱可能なカートリッジ、可撓性のフィルムで形成された袋状のインクパック、及び、インクを補充可能なインクタンク等の容器が挙げられる。
図示しないが、液体貯留部10は、互いに種類の異なるインクを貯留する複数の容器を有する。当該複数の容器に貯留されるインクとしては、特に限定されないが、例えば、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ブラックインク、クリアインク、ホワイトインク及び処理液等が挙げられ、これらのうちの2種以上の組み合わせが用いられる。なお、インクの組成は、特に限定されず、例えば、染料又は顔料等の色材を水系溶媒に溶解させた水系インクでもよいし、色材を有機溶剤に溶解させた溶剤系インクでもよいし、紫外線硬化型インクでもよい。
本実施形態では、互いに異なる4種類のインクが用いられる構成が例示される。当該4種類のインクは、例えば、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク及びブラックインクのような互いに色の異なるインクである。
制御ユニット20は、液体噴射装置100の各要素の動作を制御する。例えば、制御ユニット20は、CPU又はFPGA等の処理回路と半導体メモリー等の記憶回路とを含む。CPUは、Central Processing Unitの略である。FPGAは、Field Programmable Gate Arrayの略である。制御ユニット20は、駆動信号Com及び制御信号Sを液体噴射ヘッド50に向けて出力する。駆動信号Comは、液体噴射ヘッド50の駆動素子を駆動する駆動パルスを含む信号である。制御信号Sは、当該駆動素子に駆動信号Comを供給するか否かを指定する信号である。
搬送機構30は、制御ユニット20による制御のもとで、媒体MをY1方向である搬送方向DMに搬送する。移動機構40は、制御ユニット20による制御のもとで、液体噴射ヘッド50をX1方向とX2方向とに往復させる。図1に示す例では、移動機構40は、液体噴射ヘッド50を収容するキャリッジと称される略箱型の支持体41と、支持体41が固定される搬送ベルト42と、を有する。なお、支持体41には、液体噴射ヘッド50のほかに、前述の液体貯留部10が搭載されてもよい。
液体噴射ヘッド50は、後述するように複数のヘッドチップ54を有しており、制御ユニット20による制御のもとで、液体貯留部10から供給されるインクを各ヘッドチップ54の複数のノズルNの夫々から媒体Mに向けて噴射方向であるZ2方向に噴射する。この噴射が搬送機構30による媒体Mの搬送と移動機構40による液体噴射ヘッド50の往復移動とに並行して行われることにより、媒体Mの表面にインクによる所定の画像が形成される。
1-2.液体噴射ヘッドの取付状態
図2は、第1実施形態に係る液体噴射ヘッド50及び支持体41の斜視図である。図2に示すように、液体噴射ヘッド50は、支持体41に支持される。支持体41は、液体噴射ヘッド50を支持する部材であり、前述のように、本実施形態では、略箱状のキャリッジである。支持体41の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、チタン又はマグネシウム合金等の金属材料を用いることが好ましい。支持体41を金属材料で構成する場合、支持体41の剛性を高めやすいので、支持体41に対して液体噴射ヘッド50を安定的に支持することができる。
ここで、支持体41には、開口41a及び複数のネジ孔41bが設けられる。本実施形態では、支持体41が板状の底部を有する略箱状をなしており、例えば、当該底部に開口41a及び複数のネジ孔41bが設けられる。液体噴射ヘッド50は、開口41aに挿入された状態で、複数のネジ孔41bを用いたネジ止めにより支持体41に固定される。以上のように、液体噴射ヘッド50は、支持体41に対して取り付けられる。
図2に示す例では、支持体41に取り付けられる液体噴射ヘッド50の数が1個である。なお、支持体41に取り付けられる液体噴射ヘッド50の数は、2個以上でもよい。この場合、支持体41には、例えば、当該数に応じた数又は形状の開口41aが適宜に設けられる。
1-3.液体噴射ヘッドの構成
図3は、第1実施形態に係る液体噴射ヘッド50の分解斜視図である。図3に示すように、液体噴射ヘッド50は、流路構造体51と基板ユニット52とホルダー53と4個のヘッドチップ54_1~54_4と固定板55とカバー58とを有する。これらは、Z2方向に向かって、カバー58、基板ユニット52、流路構造体51、ホルダー53、4個のヘッドチップ54、固定板55の順に並ぶように配置される。以下、液体噴射ヘッド50の各部を順次説明する。
流路構造体51は、前述の液体貯留部10に貯留されたインクを4個のヘッドチップ54に供給するための流路が内部に設けられる構造体である。流路構造体51は、流路部材51aと8個の接続管51bとを有する。
流路部材51aには、図示しないが、4種類のインクの種類ごとに設けられる4つの供給流路と、4種類のインクの種類ごとに設けられる4つの排出流路と、が設けられる。当該4つの供給流路の夫々は、接続管51bからインクの供給を受ける1つの導入口と、インクを後述のヘッドチップ54の接続口IOに向けて排出する2つの排出口と、を有する。当該4つの排出流路の夫々は、ヘッドチップ54の接続口IOからインクの供給を受ける2つの導入口と、接続管51bにインクを排出する1つの排出口と、を有する。各供給流路の導入口及び各排出流路の排出口の夫々は、流路部材51aのZ1方向を向く面に設けられる。これに対し、各供給流路の排出口及び各排出流路の導入口の夫々は、流路部材51aのZ2方向を向く面に設けられる。
また、流路部材51aには、複数の配線孔51cが設けられる。当該複数の配線孔51cの夫々は、ヘッドチップ54の後述の配線基板54iが基板ユニット52に向けて通される孔である。なお、流路部材51aの側面には、周方向での2箇所に切り欠いた部分が設けられる。また、流路部材51aには、図示しない孔が設けられており、ホルダー53に対して当該孔を用いたネジ止めにより固定される。
流路部材51aは、図示しないが、複数の基板をZ軸に沿う方向に積層した積層体で構成される。なお、本明細書において「要素Aと要素Bとが積層される」という表現は、要素Aと要素Bとが直接的に接触する構成には限定されない。すなわち、要素Aと要素Bとの間に他の要素Cが介在する構成も、「要素Aと要素Bとが積層される」という概念に包含される。また、「要素Aの面上に要素Bが形成される」という表現も同様に、要素Aと要素Bとが直接的に接触する構成には限定されない。すなわち、要素Aの表面に要素Cが形成され、要素Cの表面に要素Bが形成された構成でも、要素Aと要素Bとの少なくとも一部が平面視で重なる構成であれば、「要素Aの面上に要素Bが形成される」という概念に包含される。
当該複数の基板の夫々には、前述の供給流路及び排出流路のための溝及び孔が適宜に設けられる。当該複数の基板は、例えば、接着剤、ろう付け、溶接又はネジ止め等により互いに接合される。以下の記載にでは、当該複数の基板は、接着剤により互いに接合されるとして説明する。接着剤により接合される場合、接着剤を塗布した後に、接着剤が硬化するまで当該複数の部材を加圧する。なお、当該複数の基板の間には、必要に応じて、ゴム材料等で構成されるシート状のシール部材が適宜に配置されてもよい。また、流路部材51aを構成する基板の数又は厚さ等は、供給流路及び排出流路の形状等の態様に応じて決められ、特に限定されず、任意である。
8個の接続管51bの夫々は、流路部材51aのZ1方向を向く面から突出する管体である。8個の接続管51bは、前述の4つの供給流路と4つの排出流路とに対応しており、対応する供給流路の導入口又は排出流路の排出口に接続される。
以上の8個の接続管51bのうち、前述の4つの供給流路に対応する4個の接続管51bには、互いに異なる種類のインクの供給を受けるよう、前述の液体貯留部10に接続される。一方、8個の接続管51bのうち、前述の4つの排出流路に対応する4個の接続管51bは、液体噴射ヘッド50へのインクの初期充填時等の所定時にインクを排出するための排出容器又は液体貯留部10と液体噴射ヘッド50との間に配置されインクを保持可能なサブタンク等に接続して用いられる。印刷時等の通常時には、前述の4つの排出流路に対応する4個の接続管51bは、キャップ等の封止体により塞がれる。なお、液体貯留部10が循環機構を介して液体噴射ヘッド50に接続される場合、4つの排出流路に対応する4個の接続管51bは、通常時に、当該循環機構のインク回収用の流路に接続される。
基板ユニット52は、液体噴射ヘッド50を制御ユニット20に電気的に接続するための実装部品を有するアセンブリーである。基板ユニット52は、回路基板52aとコネクター52bと支持板52cとを有する。
回路基板52aは、各ヘッドチップ54とコネクター52bとを電気的に接続するための配線を有するリジッド配線基板等のプリント配線基板である。回路基板52aは、支持板52cを介して流路構造体51上に配置されており、回路基板52aのZ1方向を向く面には、コネクター52bが設置される。
コネクター52bは、液体噴射ヘッド50と制御ユニット20とを電気的に接続するための接続部品である。支持板52cは、回路基板52aを流路構造体51に対して取り付けるための板状の部材である。支持板52cの一方の面には、回路基板52aが載置されており、回路基板52aは、支持板52cに対してネジ止め等により固定される。また、支持板52cの他方の面は、流路構造体51に接触しており、その状態で、流路構造体51には、支持板52cがネジ止め等により固定される。支持板52cの構成材料は、例えば、ザイロン等の変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリプロピレン樹脂等の樹脂材料である。なお、ザイロンは、商標登録である。また、支持板52cの構成材料には、樹脂材料のほか、ガラス繊維等の繊維基材、又はアルミナ粒子等のフィラー等が含まれてもよい。
ホルダー53は、4個のヘッドチップ54を収容及び支持する構造体である。ホルダー53は、4個のヘッドチップ54を収容及び支持する構造体である。ホルダー53は、略トレイ状をなしており、凹部53aと複数のインク孔53bと複数の配線孔53cと複数の凹部53dと複数の孔53eと複数のネジ孔53iと複数のネジ孔53kとを有する。凹部53aは、Z1方向に向けて開口しており、前述の流路部材51aが配置される空間である。当該複数のインク孔53bの夫々は、ヘッドチップ54と流路構造体51との間でインクを流通させる流路である。当該複数の配線孔53cの夫々は、ヘッドチップ54の配線基板54iが基板ユニット52に向けて通される孔である。当該複数の凹部53dの夫々は、Z2方向に向けて開口しており、ヘッドチップ54が配置される空間である。複数の孔53eは、後述する複数のヘッドチップ54が備える複数の接続口IOの夫々と、流路部材51aの供給流路の排出口及び排出流路の導入口の夫々とを接続するための流路である。当該複数のネジ孔53iは、ホルダー53を支持体41に対してネジ止めするためのネジ孔である。当該複数のネジ孔53kは、ホルダー53に対してカバー58をネジ止めするためのネジ孔である。
各ヘッドチップ54は、インクを噴射する。各ヘッドチップ54は、第1インクを噴射する複数のノズルNと、第1インクとは異なる種類の第2インクを噴射する複数のノズルNと、を有する。ここで、第1インク及び第2インクは、前述の4種類のインクのうちの2種のインクである。例えば、ヘッドチップ54_1及びヘッドチップ54_2の夫々には、第1インク及び第2インクとして当該4種類のインクのうちの2種のインクが用いられる。そして、ヘッドチップ54_3及びヘッドチップ54_4の夫々には、当該4種類のインクのうちの残りの2種のインクが用いられる。各ヘッドチップ54には、配線基板54iが設けられる。なお、図3では、各ヘッドチップ54の構成が簡略化して図示される。ヘッドチップ54の構成については、後述の図4に基づいて詳述する。
固定板55は、4個のヘッドチップ54とホルダー53とが固定される板状部材である。具体的には、固定板55は、ホルダー53との間に4個のヘッドチップ54を挟む状態で配置され、各ヘッドチップ54及びホルダー53が接着剤等により固定される。固定板55には、4個のヘッドチップ54のノズル面FNを露出させる複数の開口部55aが設けられる。図3に示す例では、当該複数の開口部55aは、ヘッドチップ54ごとに個別に設けられる。固定板55は、例えば、ステンレス鋼、チタン及びマグネシウム合金等の金属材料等で構成される。
カバー58は、基板ユニット52を収容する箱状の部材である。カバー58は、例えば、前述の支持板52cと同様、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリプロピレン樹脂等の樹脂材料で構成される。
カバー58には、8個の貫通孔58aと開口部58bとが設けられる。当該8個の貫通孔58aは、流路構造体51の8個の接続管51bに対応しており、各貫通孔58aには、対応する接続管51bが挿入される。開口部58bには、カバー58の内側から外側に前述のコネクター52bが通される。
1-4.ヘッドチップの構成
図4は、ヘッドチップ54の分解斜視図である。図5は、図4中のA-A線断面図である。図6は、図4中のB-B線断面図である。但し、図の煩雑化を防ぐため、図6では、配線基板54iの図示を省略してある。図4及び図5に示すように、ヘッドチップ54は、Y軸に沿う方向に配列される複数のノズルNを有する。当該複数のノズルNは、X軸に沿う方向に互いに間隔をあけて並ぶ第1ノズル列L1と第2ノズル列L2とに区分される。第1ノズル列L1及び第2ノズル列L2の夫々は、Y軸に沿う方向に直線状に配列される複数のノズルNの集合である。
ヘッドチップ54は、X軸に沿う方向で互いに略対称な構成である。ただし、第1ノズル列L1の複数のノズルNと第2ノズル列L2の複数のノズルNとのY軸に沿う方向での位置は、互いに一致してもよいし異なってもよい。図5では、第1ノズル列L1の複数のノズルNと第2ノズル列L2の複数のノズルNとのY軸に沿う方向での位置が互いに一致する構成が例示される。
図4及び図5に示すように、ヘッドチップ54は、連通板54aと、圧力室基板54bと、ノズル板54cと、吸振体54dと、振動板54eと、複数の圧電素子54fと、保護基板54gと、配線基板54iと、駆動回路54jと、枠体54kと、第1ケース54mと、第2ケース54nと、フィルター54oと、を有する。但し、図の煩雑化を防ぐため、図4では、圧力室基板54bと振動板54eと複数の圧電素子54fと吸振体54dと配線基板54iと駆動回路54jと枠体54kとの図示を省略する。
連通板54a及び圧力室基板54bは、この順でZ1方向に積層されており、複数のノズルNにインクを供給するための流路を形成する。連通板54aよりもZ1方向に位置する領域には、フィルター54oと圧力室基板54bと振動板54eと複数の圧電素子54fと保護基板54gと第1ケース54mと第2ケース54nと配線基板54iと駆動回路54jとが設置される。他方、連通板54aよりもZ2方向に位置する領域には、ノズル板54cと吸振体54dと枠体54kとが設置される。ヘッドチップ54の各要素は、概略的にはY方向に長尺な板状部材であり、例えば接着剤により、互いに接合される。以下、ヘッドチップ54の各要素を順に説明する。
ノズル板54cは、第1ノズル列L1及び第2ノズル列L2の夫々の複数のノズルNが設けられた板状部材である。複数のノズルNの夫々は、インクを通過させる貫通孔である。ここで、ノズル板54cのZ2方向を向く面がノズル面FNである。つまり、ノズル面FNの法線方向は、ノズル面FNの法線ベクトルの方向であり、噴射方向であるZ2方向である。ノズル板54cは、例えば、ドライエッチング又はウェットエッチング等の加工技術を用いる半導体製造技術によりシリコン単結晶基板を加工することにより製造される。ただし、ノズル板54cの製造には、他の公知の方法及び材料が適宜に用いられてもよい。また、ノズルNの断面形状は、典型的には円形状であるが、これに限定されず、例えば、多角形又は楕円形等の非円形状であってもよい。
連通板54aには、第1ノズル列L1及び第2ノズル列L2の夫々について、後述する下流側共通液室DRと複数の供給流路Raと複数の連通流路Naとが設けられる。ここで、第1ノズル列L1の複数のノズルNに連通する下流側共通液室DRを、下流側共通液室DR[L1]と表現する。第2ノズル列L2の複数のノズルNに連通する下流側共通液室DRを、下流側共通液室DR[L2]と表現する。
下流側共通液室DR[L1]は、連通板54aをZ軸方向に貫通する開口DR1[L1]と、連通板54aをZ軸方向に貫通する開口DR2[L1]と、接続流路Xa[L1]とを含む。開口DR1[L1]と開口DR2[L1]とは、X軸方向に延在する連通板梁部BR2[L1]によって分割されている。開口DR1[L1]及び開口DR2[L1]の夫々は、Y軸方向に延在している。同様に、下流側共通液室DR[L2]は、連通板54aをZ軸方向に貫通する開口DR1[L2]と、連通板54aをZ軸方向に貫通する開口DR2[L2]と、接続流路Xa[L2]とを含む。開口DR1[L2]と開口DR2[L2]とは、X軸方向に延在する連通板梁部BR2[L2]によって分割されている。開口DR1[L2]及び開口DR2[L2]の夫々は、Y軸方向に延在している。
ここで、開口DR1[L1]とDR1[L2]を特に区別しない場合、単に開口DR1と呼称する。また、接続流路Xa[L1]と接続流路Xa[L2]を特に区別しない場合には、単に接続流路Xaと呼称する。
更に、開口DR2[L1]とDR2[L2]を特に区別しない場合、単に開口DR2と呼称する。連通板梁部BR2[L1]と連通板梁部BR2[L2]を特に区別しない場合には、単に連通板梁部BR2と呼称する。図4の例では、連通板梁部BR2は、第1ノズル列L1及び第2ノズル列L2の夫々に対応して1つ設けられているが、第1ノズル列L1及び第2ノズル例L2に対応して複数設けられてもよい。連通板梁部BR2は、「第2梁部」の一例である。
接続流路Xaは、X軸方向の一端で複数の供給流路Raと連通し、X軸方向の他端で開口DR1及び開口DR2の双方と連通する。つまり、開口DR1及び開口DR2を通過したインクは、接続流路Xaを介して複数の供給流路Raに流れる。供給流路Ra及び連通流路Naの夫々は、ノズルNごとに形成された貫通孔である。
図5に図示するように、第1ノズル列L1及び第2ノズル列L2の夫々について、複数のノズルNに連通する共通液室Rが設けられる。以下の記載において、第1ノズル列L1の複数のノズルNに連通する共通液室Rを共通液室R[L1]と表現することがある。第2ノズル列L2の複数のノズルNに連通する共通液室Rを共通液室R[L2]と表現することがある。共通液室Rは、複数の圧力室CBに供給されるインクを貯留する。共通液室Rは、吸振体54dと、連通板54aと、フィルター54oと、第1ケース54mと、第2ケース54nとによって画定される。吸振体54dと、連通板54aと、フィルター54oと、第1ケース54mと、第2ケース54nとが、「複数の積層部品」の一例である。フィルター54oは、共通液室Rを、上流側共通液室URと、下流側共通液室DRとに区画する。連通板54aは、下流側共通液室DRの一部を画定する。
圧力室基板54bは、第1ノズル列L1及び第2ノズル列L2の夫々について、複数の圧力室CBが設けられた板状部材である。複数の圧力室CBは、Y軸に沿う方向に配列される。各圧力室CBは、ノズルNごとに形成され、平面視でX軸に沿う方向に延びる長尺状の空間である。連通板54a及び圧力室基板54bの夫々は、前述のノズル板54cと同様に、例えば、半導体製造技術によりシリコン単結晶基板を加工することにより製造される。ただし、連通板54a及び圧力室基板54bの夫々の製造には、他の公知の方法及び材料が適宜に用いられてもよい。
圧力室CBは、連通板54aと振動板54eとの間に位置する空間である。第1ノズル列L1及び第2ノズル列L2の夫々について、複数の圧力室CBがY軸に沿う方向に配列される。また、圧力室CBは、連通流路Na及び供給流路Raの夫々に連通する。従って、圧力室CBは、連通流路Naを介してノズルNに連通し、かつ、供給流路Raを介して下流側共通液室DRに連通する。
圧力室基板54bのZ1方向を向く面には、振動板54eが配置される。振動板54eは、弾性的に振動可能な板状部材である。振動板54eは、例えば、第1層と第2層とを有し、これらがこの順でZ1方向に積層される。第1層は、例えば、酸化シリコンで構成される弾性膜である。当該弾性膜は、例えば、シリコン単結晶基板の一方の面を熱酸化することにより形成される。第2層は、例えば、酸化ジルコニウムで構成される絶縁膜である。当該絶縁膜は、例えば、スパッタ法によりジルコニウムの層を形成し、当該層を熱酸化することにより形成される。なお、振動板54eは、前述の第1層及び第2層の積層による構成に限定されず、例えば、単層で構成されてもよいし、3層以上で構成されてもよい。
振動板54eのZ1方向を向く面には、第1ノズル列L1及び第2ノズル列L2の夫々について、互いにノズルNに対応する複数の圧電素子54fが駆動素子として配置される。各圧電素子54fは、駆動信号Comの供給により変形する受動素子である。各圧電素子54fは、平面視でX軸に沿う方向に延びる長尺状をなす。複数の圧電素子54fは、複数の圧力室CBに対応するようにY軸に沿う方向に配列される。圧電素子54fは、平面視で圧力室CBに重なる。
各圧電素子54fは、図示しないが、第1電極と圧電体層と第2電極とを有し、この順でこれらがZ1方向に積層される。第1電極及び第2電極のうちの一方の電極は、圧電素子54fごとに互いに離間して配置される個別電極であり、当該一方の電極には、駆動信号Comが印加される。第1電極及び第2電極のうちの他方の電極は、複数の圧電素子54fにわたり連続するようにY軸に沿う方向に延びる帯状の共通電極であり、当該他方の電極には、所定の基準電位が供給される。これらの電極の金属材料としては、例えば、白金、アルミニウム、ニッケル、金、銅等の金属材料が挙げられ、これらのうち、1種を単独で又は2種以上を合金又は積層等の態様で組み合わせて用いることができる。圧電体層は、チタン酸ジルコン酸鉛等の圧電材料で構成されており、例えば、複数の圧電素子54fにわたり連続するようにY軸に沿う方向に延びる帯状をなす。ただし、圧電体層は、複数の圧電素子54fにわたり一体でもよい。この場合、圧電体層には、互いに隣り合う各圧力室CBの間隙に平面視で対応する領域に、当該圧電体層を貫通する貫通孔がX軸に沿う方向に延びて設けられる。以上の圧電素子54fの変形に連動して振動板54eが振動すると、圧力室CB内の圧力が変動することで、インクがノズルNから噴射される。なお、駆動素子として、当該圧電素子54fに代えて、圧力室CB内のインクを加熱する発熱素子を用いてもよい。
保護基板54gは、振動板54eのZ1方向を向く面に設置される板状部材であり、複数の圧電素子54fを保護するとともに振動板54eの機械的な強度を補強する。図4及び図5に示すように、保護基板54gには、開口h1が設けられる。開口h1は、配線基板54iが通される孔である。また、保護基板54gのZ2方向を向く面には、Z1方向に凹む凹部が2つの第1ノズル列L1と第2ノズル列L2との夫々に対応して2つ形成されている。保護基板54gの当該凹部と振動板54eとの間に、複数の圧電素子54fが収容される。保護基板54gは、例えば、シリコン単結晶基板で構成される。
フィルター54oは、連通板54aのZ1方向を向く面に積層される板状又はシート状の部材である。フィルター54oは、インクの通過を許容しつつ、インクに混入する異物等を捕捉する。
X軸に沿う方向において、フィルター54oの外形は、第1ケース54m及び第2ケース54nの外形と同一又は小さく、連通板54aの外形より大きい。図5の例示では、X軸に沿う方向において、フィルター54oの外形は、第2ケース54nの外形よりも小さい。
フィルター54oには、インクを通過する複数のフィルター孔h23と、開口h21とが設けられる。複数のフィルター孔h23は、「液体が通過する複数の孔」の一例である。開口h21は、圧力室基板54bが通される貫通孔である。複数のフィルター孔h23は、フィルター孔領域FR内に設けられる。以下の記載において、下流側共通液室DR[L1]に連通するフィルター孔h23が設けられたフィルター孔領域FRをフィルター孔領域FR[L1]と表現し、下流側共通液室DR[L2]に連通するフィルター孔h23が設けられたフィルター孔領域FRをフィルター孔領域FR[L2]と表現することがある。フィルター孔領域FR[L1]に設けられたフィルター孔h23を、フィルター孔h23[L1]と表現し、フィルター孔領域FR[L2]に設けられたフィルター孔h23を、フィルター孔h23[L2]と表現することがある。フィルター孔領域FRは、電鋳フィルターにより構成される。電鋳フィルターの構成材料は、例えば、Ni-Pd合金である。又は、電鋳フィルターの構成材料は、ステンレス鋼でもよい。
第1ケース54mは、フィルター54oのZ1方向を向く面に積層される部材である。第1ケース54mは、上流側共通液室URの一部である第1共通液室部UR1を画定する。第1ケース54mには、開口h31と、第1ノズル列L1の複数のノズルNに連通する第1共通液室部UR1と、第2ノズル列L2の複数のノズルNに連通する第1共通液室部UR1とが設けられる。開口h31は、配線基板54iが通される孔である。第1共通液室部UR1は、Z軸に沿う方向に見た平面視で、Y軸に沿う方向に延びる長尺状の貫通孔である。以下の記載において、共通液室R[L1]に含まれる第1共通液室部UR1を、第1共通液室部UR1[L1]と表現することがあり、共通液室R[L2]に含まれる第1共通液室部UR1を、第1共通液室部UR1[L2]と表現することがある。第1共通液室部UR1は、第1ケース54mをZ軸に沿う方向に貫通することにより形成される。
第1ケース54mは、第1共通液室部UR1内に設けられ、且つ、X軸に沿った方向に延在するケース梁部BR1を有する。以下の記載において、第1共通液室部UR1[L1]内に設けられるケース梁部BR1を、ケース梁部BR1[L1]と表現することがあり、第1共通液室部UR1[L2]内に設けられるケース梁部BR1を、ケース梁部BR1[L2]と表現することがある。なお、ケース梁部BR1が、「第1梁部」の一例である。図4に示すように、ケース梁部BR1[L1]は、第1共通液室部UR1[L1]内に3つ設けられ、ケース梁部BR1[L2]は、第1共通液室部UR1[L2]内に3つ設けられる。即ち、ケース梁部BR1は、第1ノズル列L1及び第2ノズル列L2の夫々に対応して3つ設けられているが、第1ノズル列L1及び第2ノズル例L2に対応して1つ設けられてもよいし、3以外の複数設けられてもよい。
第1ケース54mは、X軸に沿って配置された4つの側壁w31を有する。4つの側壁w31は、第1共通液室部UR1[L1]を画定する2つの側壁w31[L1]と、第1共通液室部UR1[L2]を画定する2つの側壁w31[L2]とである。4つの側壁w31の夫々は、第1共通液室部UR1を画定しない壁面に切欠きk32を有する。切り欠き32には、第1ケース54mとフィルター54oと接合するための接着剤70が流れ込む。そのため、余剰な接着剤70がフィルター孔h23に移動することで、フィルター孔h23が閉塞されてしまうことを抑制できる。
第2ケース54nは、第1ケース54mのZ1方向を向く面に積層される部材である。第2ケース54nは、上流側共通液室URの一部である第2共通液室部UR2を画定する。第2ケース54nには、開口h41と、ヘッドチップ54の外部、且つ、液体噴射ヘッド50の外部に位置する液体貯留部10から各共通液室Rにインクを流入、又は、各共通液室Rからインクを液体噴射ヘッド50の外部へ流出させるための複数の接続口IOと、が設けられる。第2共通液室部UR2は、面SZ2からZ1方向に凹むことにより形成される。面SZ2は、第2ケース54nの第1ケース54mの面SZ1に接合される面である。
第2ケース54nは、X軸に沿って配置された4つの側壁w44を有する。4つの側壁w44は、第2共通液室部UR2[L1]を画定する2つの側壁w44[L1]と、第2共通液室部UR2[L2]を画定する2つの側壁w44[L2]とである。4つの側壁w44の夫々は、第2共通液室部UR2を画定しない壁面に切欠きk45を有する。第1ケース54mと第2ケース54nとを接合するための接着剤71が切欠きk45に流れ込むことにより、切欠きk45を有さない態様と比較して、接着剤71が共通液室Rに流れ込むことを抑制できる。
第1ケース54m及び第2ケース54nは、前述の支持板52cと同様、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリプロピレン樹脂等の樹脂材料によって構成されている。第1ケース54m及び第2ケース54nを製造する場合には、例えば、射出成型によって製造される。具体的には、製造者は、第1ケース54m及び第2ケース54nの夫々と同一の形状の空洞を有する金型に、溶融した樹脂材料を射出し、この空洞内で樹脂材料を硬化させた後、硬化した樹脂材料から金型を取り外す。
図7は、図5中のC-C断面図である。図7から理解されるように、Z2方向に見て、第1ケース54mのZ1方向を向く面SZ1のうち第2共通液室部UR2を画定する部分の面積r38は、第1共通液室部UR1を画定するために面SZ1に形成された開口の面積r39よりも大きい。
図5に示すように、第2共通液室部UR2は、圧電素子54fよりもZ1方向に位置する。第2共通液室部UR2のX軸に沿う方向の幅dx2は、第1共通液室部UR1のX軸に沿う方向の幅dx1よりも長い。幅dx1は、例えば、約0.58mmである。図5に示すように、Z2方向に見て、第1共通液室部UR1は保護基板54gと重ならない。一方、第2共通液室部UR2は、Z2方向に見て、保護基板54gと重なる。2つの物体が重なるとは、一方の物体の一部又は全部と、他方の物体の一部又は全部とが重なることを意味する。図5の例では、第2共通液室部UR2は、Z2方向に見て、圧電素子54fと重なる。但し、第2共通液室部UR2は、Z2方向に見て、圧電素子54fと重ならなくてもよい。また、図5から理解されるように、X軸に沿う方向に見て、第1共通液室部UR1は保護基板54gと重なる。一方、第2共通液室部UR2は、X軸に沿う方向に見て、保護基板54gと重ならない。
吸振体54dは、コンプライアンス基板とも称され、共通液室Rの壁面を構成する可撓性の樹脂フィルムであり、共通液室R内のインクの圧力変動を吸収する。なお、吸振体54dは、金属製の可撓性を有する薄板であってもよい。吸振体54dのZ1方向を向く面は、連通板54aに接着剤等により接合される。一方、吸振体54dのZ2方向を向く面には、枠体54kが接着剤等により接合される。枠体54kは、吸振体54dの外周に沿う枠状の部材であり、前述の固定板55に接触する。ここで、枠体54kは、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、チタン及びマグネシウム合金等の金属材料で構成される。
配線基板54iは、振動板54eのZ1方向を向く面に実装されており、制御ユニット20とヘッドチップ54とを電気的に接続するための実装部品である。配線基板54iは、例えば、COF(Chip On Film)、FPC(Flexible Printed Circuit)又はFFC(Flexible Flat Cable)等の可撓性の配線基板である。本実施形態の配線基板54iには、各圧電素子54fに駆動電圧を供給するための駆動回路54jが実装される。駆動回路54jは、制御信号Sに基づいて、駆動信号Comに含まれる波形のうちの少なくとも一部を駆動パルスとして供給するか否かを切り替える回路である。
1-5.第1ケース54mと第2ケース54nとについて
第1実施形態において、上流側共通液室URを画定するケースを第1ケース54mと第2ケース54nとに分割した理由について説明する。共通液室R内にフィルター54oを設けると、共通液室R内の流路抵抗が大きくなる。流路抵抗が大きくなると、ノズルNにインクを供給することにかかるエネルギーが大きくなり、液体噴射ヘッド50の消費電力が増大するため、流路抵抗は低減することが好ましい。共通液室R内の流路抵抗を低減する方法として、共通液室Rの体積を大きくすることが考えられる。しかしながら、図5に示すように、ケースと保護基板54gとのレイアウトの都合上、第1共通液室部UR1のX軸に沿った幅を維持したまま、共通液室RをZ1方向に延ばすと、Z軸に沿った方向にヘッドチップ54が大型化する。一方、保護基板54gのZ1方向の空間に、共通液室Rを延在させることも考えられるが、1つのケースにおいて、X軸に沿った方向から見た場合、保護基板54gと重なる領域の共通液室Rの幅を狭くし、且つ、保護基板54gと重ならない領域の共通液室Rの幅を広くするという複雑な形状を射出成型により製造することが困難である。より詳細には、射出成型では、硬化した樹脂材料から金型を取り外す工程があるが、金型を取り外す方向において、硬化した樹脂材料と金型とが係合する部分が存在すると、硬化した樹脂材料から金型を取り外すことが困難となる。
そこで、第1実施形態に示すように、上流側共通液室URを画定するケースを第1ケース54mと第2ケース54nとに分割してある。図5から理解できるように、第1ケース54mの金型及び第2ケース54nの金型をZ2方向に取り外すことが容易であるため、共通液室Rの体積を大きくしつつ、第1ケース54m及び第2ケース54nを製造することが容易になる。
上流側共通液室URを画定するケースを第1ケース54mと第2ケース54nとに分割したことにより、第2ケース54nの剛性と比較して第1ケース54mの剛性が低下する現象が発生する。第2ケース54nは、Z1方向の外壁を有するため、剛性をある程度維持できる。一方、第1ケース54mは、第1共通液室部UR1を形成することにより、Y軸に沿う方向に延びる長尺状の開口が形成されるため、剛性が低下してしまう。第1ケース54mの剛性が低下すると、例えば接着剤を硬化する場合の加圧などによって、第1ケース54mが変形する虞がある。そこで、第1実施形態では、Y軸に交差するX軸に沿ったケース梁部BR1を設けることにより、第1ケース54mの剛性が低下することを抑制する。しかしながら、ケース梁部BR1がフィルター54oに接触していると、複数のフィルター孔h23の一部がケース梁部BR1によって閉塞してしまい、フィルター孔領域FRの有効面積が狭くなる。更に、ケース梁部BR1とフィルター54oとの間でインクの流れが発生しないため、気泡が滞留する部分が発生する。第1実施形態では、ケース梁部BR1を設けつつも、気泡が滞留する部分を抑制している。
1-6.ケース梁部BR1と連通板梁部BR2との詳細
ケース梁部BR1は、フィルター54oと間隔を空けて配置されている。具体的には、Z軸に沿う方向において、ケース梁部BR1は、フィルター54oから距離dz1離れて配置されている。距離dz1は、フィルター54oからケース梁部BR1の底面までの距離である。Z軸に沿う方向において、ケース梁部BR1の寸法は、距離dz2である。第1ケース54mのZ軸に沿った方向における寸法は、距離dz3である。距離dz1と距離dz2との合計が、距離dz3に一致する。距離dz2は、距離dz3の略半分である。距離dz3の略半分は、具体的には、距離dz3の40%から60%までである。好ましくは、距離dz3の略半分は、距離dz3の45%から55%までであり、より好ましくは、距離dz3の49%から51%までである。距離dz1は、例えば、約0.60mmである。
図6に示すように、ケース梁部BR1と連通板梁部BR2とは、Z2方向に見て重ならないようにY軸に沿った方向にずれて配置されている。具体的には、Y軸に沿った方向において、3つのケース梁部BR1のうち最も連通板梁部BR2に近いケース梁部BR1と連通板梁部BR2とは、距離dy1離れている。
図6に示すように、ケース梁部BR1の第2ケース54nを向く面SB1は、第1ケース54mの第2ケース54nを向く面SZ1と面一である。面一は、2つの面の間に段差が無いことを意味する。面SB1は、「第1梁部の第2ケースを向く面」の一例である。面SZ1は、「第1ケースの第2ケースに接合される面」の一例である。なお、面SB1は、面SZ1の一部であると言える。一方、ケース梁部BR1のZ2方向の面は、Z2方向に向かうことに応じてY軸に沿った幅が狭くなるテーパー面である。図6の例では、ケース梁部BR1のZ2方向の面は、X軸に沿う方向に見た場合、Z2方向に突出する半円状であるが、Z2方向に上辺を有する台形状であってもよい。
図6に示すように、連通板梁部BR2のZ1方向の面SB2は、連通板54aのZ1方向の面SZ3と面一である。
図6に示すように、複数のフィルター孔h23のうち一部のフィルター孔h23fは、フィルター54oのうち連通板梁部BR2に積層された部分に形成されている。
Y軸に沿う方向において、フィルター54oの外形は、第1ケース54m及び第2ケース54nの外形と同一又は小さく、連通板54aの外形よりも大きい。図6の例示では、Y軸に沿う方向において、フィルター54oの外形は、第2ケース54nの外形より小さい。図5及び図6から理解されるように、Z2方向に見て、フィルター54oの外形は、第2ケース54nの外形と同一又は小さく、連通板54aの外形より大きい。
図6に示すように、第2ケース54nは、第2共通液室部UR2を画定するとともに第2ケース54nのY軸に沿った方向に配置された2つの側壁w47を有する。2つの側壁w47は、Y2方向に配置された側壁w47と、Y1方向に配置された側壁w47とである。Y2方向に配置された側壁w47が有するテーパー面t48は、接続口IOからZ2方向に向かうことに応じてY2方向に接続口IOから離れる。Y1方向に配置された側壁w47が有するテーパー面t48は、接続口IOからZ2方向に向かうことに応じてY1方向に接続口IOから離れる。
1―7.第1実施形態のまとめ
液体噴射ヘッド50は、第1ノズル列L1及び第2ノズル列L2と、圧電素子54fと、複数の積層部品と、を有する。第1ノズル列L1及び第2ノズル列L2は、Z2方向にインクを噴射する複数のノズルNをZ2方向に直交するY軸に沿った方向に並べることで構成される。圧電素子54fは、第1ノズル列L1及び第2ノズル列L2の複数のノズルNからインクを噴射させる。複数の積層部品は、第1ノズル列L1及び第2ノズル列L2の複数のノズルNに連通する共通液室Rを画定する。複数の積層部品は、フィルター54oと、第1ケース54mと、第2ケース54nとを含む。フィルター54oは、共通液室Rを上流側共通液室URと下流側共通液室DRとに区画する。第1ケース54mは、上流側共通液室URの一部である第1共通液室部UR1を画定し、フィルター54oに積層される。第2ケース54nは、上流側共通液室URの一部である第2共通液室部UR2を画定し、第1ケース54mに積層される。第2共通液室部UR2は、圧電素子54fよりもZ1方向に位置する。第2共通液室部UR2のX軸に沿う方向の幅dx2は、第1共通液室部UR1のX軸に沿う方向の幅dx1よりも長い。
第1実施形態によれば、X軸に沿った方向から見た場合、保護基板54gと重なる領域の上流側共通液室URの幅が狭く、且つ、保護基板54gと重ならない領域の上流側共通液室URの幅が広いという、上流側共通液室URが複雑な形状であっても、上流側共通液室URを画定する1つのケースを製造する態様と比較して、容易に製造できる。このため、第1共通液室部UR1のX軸に沿う幅を維持したまま、共通液室RをZ1方向に延ばして第1実施形態の共通液室と同一の容積を確保する態様と比較して、ヘッドチップ54のZ軸に沿った方向の幅を小さくできる。ヘッドチップ54のZ軸に沿った方向の幅を小さくできるため、液体噴射ヘッド50のZ軸に沿った方向の幅も小さくできる。
液体噴射ヘッド50は、圧電素子54fを覆う保護基板54gを更に備える。第1共通液室部UR1は、X軸に沿う方向に見て保護基板54gと重なり、Z2方向に見て保護基板54gと重ならない。第2共通液室部UR2は、X軸に沿う方向に見て保護基板54gと重ならず、Z2方向に見て保護基板54gと重なる。
第1実施形態によれば、Z2方向に見て第2共通液室部UR2が保護基板54gと重ならない態様と比較して、Z2方向に見て第2ケース54nの外形を第1ケース54mの外形よりも大きくしないことを維持しつつ、共通液室Rを大きくできる。
第1共通液室部UR1は、第1ケース54mをZ2方向に貫通することにより形成される。第2共通液室部UR2は、第2ケース54nの面SZ2からZ1方向に凹むことにより形成される。第1ケース54mは、第1共通液室部UR1内に設けられ、且つ、X軸に沿う方向に延在するケース梁部BR1を有する。ケース梁部BR1は、フィルター54oと間隔を空けて配置されている。
第1実施形態によれば、第1ケース54mは、Z1方向の外壁を有する第2ケース54nと比較して剛性が低下するが、ケース梁部BR1によって剛性の低下を抑制できる。更に、ケース梁部BR1がフィルター54oと間隔を空けて配置されているので、ケース梁部BR1とフィルター54oとの間をインクが通過できるため、気泡を排出し易くすることができる。更に、ケース梁部BR1のX2方向の面はテーパー面であるから、Z1方向に気泡が移動し易いため、ケース梁部BR1のX2方向の面はテーパー面でない態様と比較して、気泡を排出し易くすることができる。
ケース梁部BR1の第2ケース54nを向く面SB1は、第1ケース54mの第2ケース54nに接合される面SZ1と面一である。
面SB1が面SZ1と面一でない態様、言い換えれば、面SB1が面SZ1とに段差がある態様では、第1ケース54mのZ1方向の面に段差が設けられるように、第1ケース54mを製造する必要がある。一方、面SB1が面SZ1と面一である態様では、第1ケース54mのZ1方向の面に段差を設けなくてよいため、第1ケース54mの製造が容易になる。また、面SB1が面SZ1と面一である態様は、面SB1が面SZ1よりもZ2方向に位置する態様と比較して、ケース梁部BR1のZ軸に沿う方向の幅が同一という前提において、ケース梁部BR1からフィルター54oの距離を長くできる。ケース梁部BR1からフィルター54oの距離を長くすることにより、ケース梁部BR1とフィルター54oとの間をインクが通過しやすくなるため、気泡を排出し易くすることができる。
ケース梁部BR1のZ2方向における寸法である距離dz2は、第1ケース54mのZ2方向における寸法である距離dz3の略半分である。
距離dz2が長くなることに応じて、第1ケース54mの剛性を高めることができるが、ケース梁部BR1とフィルター54oとの間をインクが通過しにくくなるため、気泡を排出し難くなる。一方、距離dz2が短くなることに応じて、気泡を排出し易くすることができるが、第1ケース54mの剛性が低下してしまう。第1実施形態によれば、距離dz2が距離dz3の略半分であるから、第1ケース54mの剛性をある程度維持しつつ、気泡が排出し難くなることも抑制できる。更に、フィルター54oからケース梁部BR1の底面までの距離dz1が、第1共通液室部UR1のX軸に沿う方向の幅dx1以上である場合、ケース梁部BR1を設けることによる圧力損失の影響を小さくできる。第1実施形態では、距離dz1が0.60mmであり、幅dx1が0.58mmであるため、距離dz1が幅dx1より短い態様と比較して、ケース梁部BR1を設けることによる圧力損失の影響を小さくできる。また、フィルター54oからケース梁部BR1の底面までの距離dz1は、第1共通液室部UR1のY軸に沿う方向の幅dy2以上であることが好ましい。
共通液室Rを画定する複数の積層部材は、下流側共通液室DRの一部を画定する連通板54aを更に含む。連通板54aは、X軸に沿う方向に延在する連通板梁部BR2を有する。ケース梁部BR1と連通板梁部BR2とは、Z2方向に見て重ならないようにY軸に沿う方向にずれて配置されている。
ケース梁部BR1と連通板梁部BR2とがZ2方向に見て重なる態様では、ケース梁部BR1及び連通板梁部BR2のY軸に沿う方向における位置と同一の位置にあるノズルNに、インクが流入しにくくなる。更に、ケース梁部BR1と連通板梁部BR2とがZ2方向に見て重なる態様では、ケース梁部BR1と連通板梁部BR2との間が狭くなり、インクが流れにくくなるので、気泡を排出し難くなる。従って、第1実施形態によれば、ケース梁部BR1と連通板梁部BR2とがZ2方向に見て重なる態様と比較して、インクが流れにくくなるノズルNを発生しにくくすることができ、更に、気泡を排出し易くすることができる。
フィルター54oは、連通板54aに積層される。フィルター54oには、インクが通過する複数のフィルター孔h23が形成される。複数のフィルター孔h23の一部のフィルター孔h23fは、フィルター54oのうち連通板梁部BR2に積層された部分に形成されている。
第1実施形態によれば、フィルター54oのうち連通板梁部BR2に積層された部分を避けてフィルター孔h23を形成する態様と比較して、フィルター54oの製造が容易になる。
第2ケース54nは、第2共通液室部UR2を画定するとともに第2ケース54nのY軸に沿う方向に配置された側壁w44と、第2ケース54nの第1ケース54mに接合される面SZ2よりもZ1方向に配置され、液体噴射ヘッド50の外部からインクを流入させるための接続口IOと、を有する。側壁w44は、第2共通液室部UR2を画定し、且つ、接続口IOからZ2方向に向かうことに応じてY軸に沿う方向に接続口IOから離れるテーパー面t48を有する。
本実施形態によれば、側壁w44がテーパー面t48を有さない態様と比較して、第2共通液室部UR2の容積が同一である前提において、第2ケース54nのZ1方向の壁厚を厚くできる。更に、本実施形態によれば、側壁w44がテーパー面t48を有さず、第2ケース54nのZ1方向の壁厚をZ2方向の端部まで維持する態様と比較して、第2共通液室部UR2の容積を大きくできる。
Z2方向に見て、第1ケース54mの第2ケース54nに接合される面SZ1のうち第2共通液室部UR2を画定する部分の面積r38は、第1共通液室部UR1を画定するために第1ケース54mの第2ケース54nに接合される面SZ1に形成された開口の面積r39よりも大きい。
第1ケース54m及び第2ケース54nは、樹脂材料によって構成されている。
樹脂材料は、金属及びセラミックスと比較して、一般的に、軽量であり且つ加工が容易であるという特徴がある。ただし、樹脂材料によって部材を構成する場合、複雑な形状を形成することが困難である。しかしながら、第1実施形態では、第1ケース54m及び第2ケース54nのように、2つの部材に分割することにより、上流側共通液室URの容積を大きくしつつ、複雑な形状を有する上流側共通液室URを画定するケースを容易に製造できる。また、樹脂材料によって構成される部材は、金属又はセラミックスによって構成される部材と比較して剛性が小さくなるが、ケース梁部BR1により第1ケース54mの剛性が低下することを抑制できる。
Z2方向に見て、フィルター54oの外形は、第2ケース54nの外形と同一又は小さく、連通板54aの外形より大きい。
第1実施形態によれば、Z2方向に見てフィルター54oの外形が連通板54aの外形と同一である態様と比較して、フィルター54oの剛性を高くできる。但し、Z2方向に見てフィルター54oの外形が第2ケース54nの外形より大きいと、液体噴射ヘッド50のZ軸に垂直な方向における外形が大きくなってしまう。従って、第1実施形態によれば、液体噴射ヘッド50のZ軸に垂直な方向における外形を維持しつつ、Z2方向に見てフィルター54oの外形が連通板54aの外形と同一である態様と比較して、フィルター54oの剛性を高くできる。
液体噴射装置100は、液体噴射ヘッド50と、液体噴射ヘッド50へ供給する液体を貯留する液体貯留部10と、を備える。
第1実施形態によれば、共通液室Rにフィルター54oを設けた場合でも、インクの圧力損失の増大を抑制した液体噴射装置100を提供できる。
2.変形例
以上に例示した各形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲で適宜に併合され得る。
2.1.第1変形例
第1実施形態では、フィルター54oを連通板54aに積層したが、これに限らない。第1変形例では、連通板54aとフィルター54oとの間に、スペーサー54pを有する。
図8は、第1変形例におけるヘッドチップ54Aの分解斜視図である。図9は、図8中のD-D線断面図である。図10は、図8中のE-E線断面図である。
ヘッドチップ54Aは、スペーサー54pを有する点で、ヘッドチップ54と相違する。図8から図10に示すように、スペーサー54pは、連通板54aに積層される。フィルター54oは、スペーサー54pに積層される。
スペーサー54pは、フィルター孔h23と連通板54aとの間の空間を確保するために用いられる。スペーサー54pは、金属又はセラミックスによって構成される。第1変形例では、連通板54aとスペーサー54pとが、下流側共通液室DRの一部を画定する。
図8に示すように、スペーサー54pは、開口h61と、2つの貫通孔SRとが設けられる。開口h61は、圧力室基板54bが通される貫通孔である。2つの貫通孔SRのうち一方の貫通孔SRは、複数のフィルター孔h23[L1]の一部又は全てに連通する。2つの貫通孔SRのうち他方の貫通孔SRは、複数のフィルター孔h23[L2]の一部又は全てに連通する。以下、複数のフィルター孔h23[L1]の一部又は全てに連通する貫通孔SRを、貫通孔SR[L1]と表現し、複数のフィルター孔h23[L2]の一部又は全てに連通する貫通孔SRを、貫通孔SR[L2]と表現することがある。フィルター孔領域FRの有効面積を広くするため、貫通孔SR[L1]は、複数のフィルター孔h23[L1]の全てに連通し、貫通孔SR[L2]は、複数のフィルター孔h23[L2]の全てに連通することが好ましい。図10に示すように、Z2方向に見て、複数のフィルター孔h23のうち連通板梁部BR2と重なるフィルター孔h23fは、貫通孔SRと重なる。
以上、第1変形例において、共通液室Rを画定する複数の積層部品は、下流側共通液室DRの一部を画定するスペーサー54pを更に含む。フィルター54oは、スペーサー54pに積層される。フィルター54oには、インクが通過する複数のフィルター孔h23fが形成される。スペーサー54pは、連通板54aに積層される。スペーサー54pは、金属又はセラミックスによって構成される。スペーサー54pは、スペーサー54pをZ2方向に貫通することにより形成される貫通孔SRを有する。Z2方向に見て、複数のフィルター孔h23fのうち連通板梁部BR2と重なるフィルター孔h23fは、貫通孔SRと重なる。
スペーサー54pが樹脂材料よりも剛性が高い金属又はセラミックスによって構成されるため、スペーサー54pが樹脂材料によって構成される態様と比較して、スペーサー54pの変形を抑制できる。また、貫通孔SRによって、連通板梁部BR2とフィルター孔h23fとの間に空間が確保できるため、フィルター孔h23fが閉塞することを抑制できる。従って、フィルター孔領域FRの有効面積が狭くなることを抑制できる。
2.2.第2変形例
上述した各態様において、ケース梁部BR1の第2ケース54nを向く面SB1は、第1ケース54mの第2ケース54nを向く面SZ1と面一であるが、面SB1が面SZ1よりもZ2方向に位置してもよい。
2.3.第3変形例
上述の各態様において、ケース梁部BR1のZ2方向における寸法である距離dz2は、第1ケース54mのZ2方向における寸法である距離dz3の略半分であるが、これに限らない。例えば、距離dz2を、距離dz3の略半分よりも短くしてもよい。その場合、第1ケース54mを、樹脂材料よりも剛性の高い金属又はセラミックスによって構成することが好ましい。また、距離dz2を、距離dz3の略半分よりも長くしてもよい。
2.4.第4変形例
上述の各態様において、連通板54aには、連通板梁部BR2が設けられていたが、連通板梁部BR2が設けられてなくてもよい。
2.5.第5変形例
上述の各態様において、第2ケース54nの側壁w47は、テーパー面t48を有したが、テーパー面t48を有さなくてもよい。
2.6.第6変形例
上述の各態様において、Z2方向に見て、第1ケース54mの第2ケース54nに接合される面SZ1のうち面積r38は、第1ケース54mの第2ケース54nに接合される面SZ1に形成された開口の面積r39よりも大きいが、これに限らない。例えば、面積r38が、面積r39と同一の大きさ、又は小さくてもよい。
2.7.第7変形例
上述した各態様において、第1ケース54mは、ケース梁部BR1を有したが、ケース梁部BR1を有さなくてもよい。例えば、第1ケース54mを樹脂材料でなく、金属又はセラミックにより構成することにより、第1ケース54mが、ケース梁部BR1を有さなくても、接着剤塗布後の加圧時に変形を抑制できる程度の剛性を有するようにしてもよい。また、第2ケース54nも樹脂材料によって構成されず、金属又はセラミックにより構成されてもよい。
2.8.第8変形例
上述の各形態では、液体噴射ヘッド50を支持する支持体41を往復させるシリアル方式の液体噴射装置100が例示されるが、複数のノズルNが媒体Mの全幅にわたり分布するライン方式の液体噴射装置にも本発明を適用することが可能である。すなわち、液体噴射ヘッド50を支持する支持体は、シリアル方式のキャリッジに限定されず、ライン方式において液体噴射ヘッド50を支持する構造体でもよい。この場合、例えば、複数の液体噴射ヘッド50が媒体Mの幅方向に並んで配置され、当該複数の液体噴射ヘッド50が1つの支持体に一括して支持される。
2.9.第9変形例
上述の形態で例示した液体噴射装置は、印刷に専用される機器のほか、ファクシミリ装置やコピー機等の各種の機器に採用され得る。もっとも、液体噴射装置の用途は印刷に限定されない。例えば、色材の溶液を噴射する液体噴射装置は、液晶表示パネル等の表示装置のカラーフィルターを形成する製造装置として利用される。また、導電材料の溶液を噴射する液体噴射装置は、配線基板の配線や電極を形成する製造装置として利用される。また、生体に関する有機物の溶液を噴射する液体噴射装置は、例えばバイオチップを製造する製造装置として利用される。
3.付記
以上に例示した形態から、例えば以下の構成が把握される。
好適な態様である態様1に係る液体噴射ヘッドは、第1方向に液体を噴射する複数のノズルを前記第1方向に直交する第2方向に並べることで構成されたノズル列と、前記ノズル列の前記複数のノズルから液体を噴射させるための駆動素子と、前記ノズル列の前記複数のノズルに連通する共通液室を画定する複数の積層部品と、を備え、前記複数の積層部品は、前記共通液室を上流側共通液室と下流側共通液室とに区画するフィルターと、前記上流側共通液室の一部である第1共通液室部を画定し、前記フィルターに積層された第1ケースと、前記上流側共通液室の一部である第2共通液室部を画定し、前記第1ケースに積層された第2ケースと、を含み、前記第2共通液室部は、前記駆動素子よりも前記第1方向とは反対方向に位置し、前記第2共通液室部の前記第1方向及び前記第2方向に直交する第3方向の幅は、前記第1共通液室部の前記第3方向の幅よりも長い。
態様1によれば、第3方向から見た場合、保護基板と重なる領域の共通液室Rの幅が狭く、且つ、保護基板と重ならない領域の共通液室の幅が広いという、上流側共通液室が複雑な形状であっても、上流側共通液室を画定する1つのケースを製造する態様と比較して、容易に製造できる。このため、第1共通液室部の第3方向の幅を維持したまま、共通液室を第1方向とは反対方向に延ばして態様1の共通液室と同一の容積を確保する態様と比較して、液体噴射ヘッドの第1方向の幅を小さくできる。
態様1の具体例である態様2において、前記駆動素子を覆う保護基板を更に備え、前記第1共通液室部は、前記第3方向に見て前記保護基板と重なり、前記第1方向に見て前記保護基板と重ならず、前記第2共通液室部は、前記第3方向に見て前記保護基板と重ならず、前記第1方向に見て前記保護基板と重なる。
態様2によれば、第1方向に見て第2共通液室部が保護基板と重ならない態様と比較して、第1方向に見て第2ケースの外形を第1ケースの外形よりも大きくしないことを維持しつつ、共通液室Rを大きくできる。
態様1又は態様2の具体例である態様3において、前記第1共通液室部は、前記第1ケースを前記第1方向に貫通することにより形成され、前記第2共通液室部は、前記第2ケースの前記第1ケースに接合される面から前記第1方向とは反対方向に凹むことにより形成され、前記第1ケースは、前記第1共通液室部内に設けられ、且つ、前記第3方向に延在する第1梁部を有し、前記第1梁部は、前記フィルターと間隔を空けて配置されている。
態様3によれば、第1ケースは、第1方向とは反対方向の外壁を有する第2ケースと比較して剛性が低下するが、第1梁部によって剛性の低下を抑制できる。更に、第1梁部がフィルターと間隔を空けて配置されているので、第1梁部とフィルターとの間を液体が通過できるため、気泡を排出し易くすることができる。
態様3の具体例である態様4において、第1梁部の前記第2ケースを向く面は、前記第1ケースの前記第2ケースに接合される面と面一である。
態様4において、第1梁部の第2ケースを向く面と第1ケースの第2ケースに接合される面とに段差がある態様では、第1ケースの第1方向の反対方向の面に段差が設けられるように、第1ケースを製造する必要がある。一方、態様4では、第2ケースの第1方向の反対の方向の面に段差を設けなくてよいため、第1ケースの製造が容易になる。
態様4の具体例である態様5において、前記第1梁部の前記第1方向における寸法は、前記第1ケースの前記第1方向における寸法の略半分である。
第1梁部の第1方向における寸法が長くなることに応じて、第1ケースの剛性を高めることができるが、第1梁部とフィルターとの間を液体が通過しにくくなるため、気泡を排出し難くなる。一方、第1梁部の第1方向における寸法が短くなることに応じて、気泡を排出し易くすることができるが、第1ケースの剛性が低下してしまう。態様5によれば、第1ケースの剛性をある程度維持しつつ、気泡が排出し難くなることも抑制できる。
態様3から態様5の具体例である態様6において、前記複数の積層部品は、前記下流側共通液室の一部を画定する連通板を更に含み、前記連通板は、前記第3方向に延在する第2梁部を有し、前記第1梁部と前記第2梁部とは、前記第1方向に見て重ならないように前記第2方向にずれて配置されている。
第1梁部と第2梁部とが第1方向に見て重なる態様では、第1梁部及び第2梁部の第2方向における位置と同一の位置にあるノズルに、液体が流入しにくくなる。更に、第1梁部と第2梁部とが第1方向に見て重なる態様では、態様6と比較して第1梁部と第2梁部との間が狭くなり、液体が流れにくくなるので、気泡を排出し難くなる。態様6によれば、第1梁部と第2梁部とが第1方向に見て重なる態様と比較して、液体が流れにくくなるノズルを発生しにくくすることができ、更に、気泡を排出し易くすることができる。
態様6の具体例である態様7において、前記フィルターは、前記連通板に積層され、前記フィルターには、液体が通過する複数の孔が形成され、前記複数の孔の一部は、前記フィルターのうち前記第2梁部に積層された部分に形成されている。
態様7によれば、フィルターのうち第2梁部に積層された部分を避けて孔を形成する態様と比較して、フィルターの製造が容易になる。
態様6の具体例である態様8において、前記複数の積層部品は、前記下流側共通液室の一部を画定するスペーサーを更に含み、前記フィルターは、前記スペーサーに積層され、前記フィルターには、液体が通過する複数の孔が形成され、前記スペーサーは、前記連通板に積層され、前記スペーサーは、金属又はセラミックスによって構成され、前記スペーサーは、前記スペーサーを前記第1方向に貫通することにより形成される貫通孔を有し、前記第1方向に見て、前記複数の孔のうち前記第2梁部と重なる孔は、前記貫通孔と重なる。
態様8によれば、スペーサーが樹脂材料よりも剛性が高い金属又はセラミックスによって構成されるため、スペーサーが樹脂材料によって構成される態様と比較して、スペーサーの変形を抑制できる。また、貫通孔によって、第2梁部とフィルターの孔との間に空間が確保できるため、フィルターの孔が閉塞することを抑制できる。従って、フィルターの有効面積が狭くなることを抑制できる。
態様1から態様8のいずれか1つの態様の具体例である態様9において、前記第2ケースは、前記第2共通液室部を画定するとともに前記第2ケースの前記第2方向に配置された側壁と、前記第2ケースの前記第1ケースに接合される面よりも前記第1方向の反対方向に配置され、外部から液体を流入又は外部に液体を流出させるための接続口と、を有し、前記側壁は、前記第2共通液室部を画定し、且つ、前記接続口から前記第1方向に向かうことに応じて前記第2方向に前記接続口から離れるテーパー面を有する。
態様9によれば、側壁がテーパー面を有さない態様と比較して、第2共通液室部の容積が同一である前提において、第2ケースの第1方向の反対方向の壁厚を厚くできる。更に、態様9によれば、側壁がテーパー面を有さず、第2ケースの第1方向とは反対方向の壁厚を第1方向の端部まで維持する態様と比較して、第2共通液室部の容積を大きくできる。
態様1から態様9のいずれか1つの態様の具体例である態様10において、前記第1方向に見て、前記第1ケースの前記第2ケースに接合される面のうち前記第2共通液室部を画定する部分の面積は、前記第1共通液室部を画定するために前記第1ケースの前記第2ケースに接合される前記面に形成された開口の面積よりも大きい。
態様1から態様10のいずれか1つの態様の具体例である態様11において、前記第1ケース及び前記第2ケースは、樹脂材料によって構成されている。
樹脂材料は、金属及びセラミックスと比較して、一般的に、軽量であり且つ加工が容易であるという特徴がある。ただし、樹脂材料によって部材を構成する場合、複雑な形状を形成することが困難である。しかしながら、態様11では、第1ケース及び第2ケースのように、2つの部材に分割することにより、上流側共通液室の容積を大きくしつつ、複雑な形状を有する上流側共通液室を画定するケースを容易に製造できる。また、樹脂材料によって構成される部材は、金属又はセラミックスによって構成される部材と比較して剛性が小さくなるが、第1梁部により第1ケースの剛性が低下することを抑制できる。
態様1から態様11のいずれか1つの態様の具体例である態様12において、前記複数の積層部品は、前記下流側共通液室の前記第2方向及び前記第3方向の少なくとも一部を画定する連通板を更に備え、前記第1方向に見て、前記フィルターの外形は、前記第2ケースの外形と同一又は小さく、前記連通板の外形より大きい。
態様12によれば、第1方向に見てフィルターの外形が連通板の外形と同一である態様と比較して、フィルターの剛性を高くできる。但し、第1方向に見てフィルターの外形が第2ケースの外形より大きいと、液体噴射ヘッドの第1方向に垂直な方向における外形が大きくなってしまう。従って、態様12によれば、液体噴射ヘッドの第1方向に垂直な方向における外形を維持しつつ、第1方向に見てフィルターの外形が連通板の外形と同一である態様と比較して、フィルターの剛性を高くできる。
好適な態様である態様13に係る液体噴射装置は、態様1から態様12のいずれか1つの態様の液体噴射ヘッドと、前記液体噴射ヘッドへ供給する液体を貯留する液体貯留部と、を備える。
共通液室にフィルターを設けた場合であっても、液体の圧力損失の増大を抑制した液体噴射装置100を提供できる。
10…液体貯留部、20…制御ユニット、30…搬送機構、40…移動機構、41…支持体、41a…開口、41b…ネジ孔、42…搬送ベルト、50…液体噴射ヘッド、51…流路構造体、51a…流路部材、51b…接続管、51c…配線孔、52…基板ユニット、52a…回路基板、52b…コネクター、52c…支持板、53…ホルダー、53a…凹部、53b…インク孔、53c…配線孔、53d…凹部、53e…孔、53i,53k…ネジ孔、54,54A,54_1,54_2,54_3,54_4…ヘッドチップ、54a…連通板、54b…圧力室基板、54c…ノズル板、54d…吸振体、54e…振動板、54f…圧電素子、54g…保護基板、54i…配線基板、54j…駆動回路、54k…枠体、54m…第1ケース、54n…第2ケース、54o…フィルター、54p…スペーサー、55…固定板、55a…開口部、58…カバー、58a…貫通孔、58b…開口部、100…液体噴射装置、BR1…ケース梁部、BR2…連通板梁部、CB…圧力室、Com…駆動信号、DM…搬送方向、DR…下流側共通液室、DR1,DR2…開口、FN…ノズル面、FR…フィルター孔領域、IO…接続口、L1…第1ノズル列、L2…第2ノズル列、M…媒体、N…ノズル、Na…連通流路、R…共通液室、Ra…供給流路、S…制御信号、SB1,SB2…面、SR…貫通孔、SZ1,SZ2,SZ3…面、UR…上流側共通液室、UR1…第1共通液室部、UR2…第2共通液室部、Xa…接続流路、dx1,dx2…幅、dy1,dy2,dz1,dz2,dz3…距離、h1,h21…開口、h23,h23f…フィルター孔、h31…開口、h41…開口、h49…凹み、h61…開口、k32,k45…切欠き、r38,r39…面積、t48…テーパー面、w31,w44,w47…側壁。

Claims (13)

  1. 第1方向に液体を噴射する複数のノズルを前記第1方向に直交する第2方向に並べることで構成されたノズル列と、
    前記ノズル列の前記複数のノズルから液体を噴射させるための駆動素子と、
    前記ノズル列の前記複数のノズルに連通する共通液室を画定する複数の積層部品と、
    を備え、
    前記複数の積層部品は、
    前記共通液室を上流側共通液室と下流側共通液室とに区画するフィルターと、
    前記上流側共通液室の一部である第1共通液室部を画定し、前記フィルターに積層された第1ケースと、
    前記上流側共通液室の一部である第2共通液室部を画定し、前記第1ケースに積層された第2ケースと、を含み、
    前記第2共通液室部は、前記駆動素子よりも前記第1方向とは反対方向に位置し、
    前記第2共通液室部の前記第1方向及び前記第2方向に直交する第3方向の幅は、前記第1共通液室部の前記第3方向の幅よりも長い、
    ことを特徴とする液体噴射ヘッド。
  2. 前記駆動素子を覆う保護基板を更に備え、
    前記第1共通液室部は、前記第3方向に見て前記保護基板と重なり、前記第1方向に見て前記保護基板と重ならず、
    前記第2共通液室部は、前記第3方向に見て前記保護基板と重ならず、前記第1方向に見て前記保護基板と重なる、
    請求項1に記載の液体噴射ヘッド。
  3. 前記第1共通液室部は、前記第1ケースを前記第1方向に貫通することにより形成され、
    前記第2共通液室部は、前記第2ケースの前記第1ケースに接合される面から前記第1方向とは反対方向に凹むことにより形成され、
    前記第1ケースは、前記第1共通液室部内に設けられ、且つ、前記第3方向に延在する第1梁部を有し、
    前記第1梁部は、前記フィルターと間隔を空けて配置されている、
    請求項1又は2に記載の液体噴射ヘッド。
  4. 前記第1梁部の前記第2ケースを向く面は、前記第1ケースの前記第2ケースに接合される面と面一である、
    請求項3に記載の液体噴射ヘッド。
  5. 前記第1梁部の前記第1方向における寸法は、前記第1ケースの前記第1方向における寸法の略半分である、
    請求項4に記載の液体噴射ヘッド。
  6. 前記複数の積層部品は、前記下流側共通液室の一部を画定する連通板を更に含み、
    前記連通板は、前記第3方向に延在する第2梁部を有し、
    前記第1梁部と前記第2梁部とは、前記第1方向に見て重ならないように前記第2方向にずれて配置されている、
    請求項3から5のいずれか1項に記載の液体噴射ヘッド。
  7. 前記フィルターは、前記連通板に積層され、
    前記フィルターには、液体が通過する複数の孔が形成され、
    前記複数の孔の一部は、前記フィルターのうち前記第2梁部に積層された部分に形成されている、
    請求項6に記載の液体噴射ヘッド。
  8. 前記複数の積層部品は、前記下流側共通液室の一部を画定するスペーサーを更に含み、
    前記フィルターは、前記スペーサーに積層され、
    前記フィルターには、液体が通過する複数の孔が形成され、
    前記スペーサーは、前記連通板に積層され、
    前記スペーサーは、金属又はセラミックスによって構成され、
    前記スペーサーは、前記スペーサーを前記第1方向に貫通することにより形成される貫通孔を有し、
    前記第1方向に見て、前記フィルターの前記複数の孔のうち前記第2梁部と重なる孔は、前記スペーサーの前記貫通孔と重なる、
    請求項6に記載の液体噴射ヘッド。
  9. 前記第2ケースは、前記第2共通液室部を画定するとともに前記第2ケースの前記第2方向に配置された側壁と、前記第2ケースの前記第1ケースに接合される面よりも前記第1方向の反対方向に配置され、外部から液体を流入又は外部に液体を流出させるための接続口と、を有し、
    前記側壁は、前記第2共通液室部を画定し、且つ、前記接続口から前記第1方向に向かうことに応じて前記第2方向に前記接続口から離れるテーパー面を有する、
    請求項1から8のいずれか1項に記載の液体噴射ヘッド。
  10. 前記第1方向に見て、前記第1ケースの前記第2ケースに接合される面のうち前記第2共通液室部を画定する部分の面積は、前記第1共通液室部を画定するために前記第1ケースの前記第2ケースに接合される前記面に形成された開口の面積よりも大きい、
    請求項1から9のいずれか1項に記載の液体噴射ヘッド。
  11. 前記第1ケース及び前記第2ケースは、樹脂材料によって構成されている、
    請求項1から10のいずれか1項に記載の液体噴射ヘッド。
  12. 前記複数の積層部品は、前記下流側共通液室の前記第2方向及び前記第3方向の少なくとも一部を画定する連通板を更に備え、
    前記第1方向に見て、前記フィルターの外形は、前記第2ケースの外形と同一又は小さく、前記連通板の外形より大きい、
    請求項1から11のいずれか1項に記載の液体噴射ヘッド。
  13. 請求項1から12のいずれか1項に記載の液体噴射ヘッドと、
    前記液体噴射ヘッドへ供給する液体を貯留する液体貯留部と、
    を備える液体噴射装置。
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