JP2023097923A - 液晶ポリマーフィルムおよびその製造方法ならびに該液晶ポリマーフィルムを含む積層体および多層基板 - Google Patents

液晶ポリマーフィルムおよびその製造方法ならびに該液晶ポリマーフィルムを含む積層体および多層基板 Download PDF

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Abstract

【課題】等方性および誘電性に十分に優れ、かつ、耐熱性を備えた液晶ポリマーフィルムを提供すること。【解決手段】液晶ポリマー(A)とポリエチレンナフタレート(B)を含み、前記ポリエチレンナフタレート(B)の含有量が1~50質量%であり、配向度が55%以下である、液晶ポリマーフィルム。【選択図】なし

Description

本発明は、液晶ポリマーフィルム(特に液晶ポリマーブレンドフィルム)およびその製造方法ならびに該液晶ポリマーフィルムを含む積層体および多層基板)に関するものである。
次世代通信技術とされる第5世代(5G)移動通信システムには、これまで以上の高周波数及び広帯域が用いられる。そのため、5G移動通信システムのため、回路基板用の基板フィルムとして、低誘電率及び低誘電正接の特性(誘電性)を有するものが、求められており、各社種々の素材による開発を進めている。その一つとして液晶ポリマー(LCP;liquid crystal polymer)フィルムがある。
液晶ポリマーは棒状の分子構造を有しているため、配向性が強く、液晶ポリマーを溶融押出する際、ダイスリットによるせん断応力及び伸長流動などにより、液晶ポリマーが流れ方向(MD方向;Machine Direction)に配向しやすい。そのため、溶融押出によって製造された液晶ポリマーフィルムは、一軸配向性フィルムとなる傾向にある。この液晶性ポリマーの強い配向性に起因して、MD方向と直交するTD方向(Transverse Direction)の物性に大きな異方性が生じるという問題があった。
異方性が緩和されたフィルムを製造する方法としていくつかの方法が提案されている。例えば、特許文献1においては、製膜したフィルムを延伸する方法(例えばインフレーション法)が提案されている。特許文献2においては、液晶ポリマーにオレフィン成分を含有させて製膜する方法が提案されている。
特許公開番号平5-43664 国際公開番号WO2021/060455
特許文献1のインフレーションによる製造方法では、製膜後に延伸することにより異方性を低減する効果がある程度期待できるものの、厚物化、厚み精度、大型・高速化に課題が残っている。昨今の液晶ポリマーフィルムの需要増に基づく基材不足の現状より、生産性の向上は非常に重要である。
特許文献2の製造方法では、高周波電気回路基板の製造に際し、金属箔とフィルムの積層工程、電気回路を形成した金属箔積層フィルムの積層工程、および、部品実装時にハンダ浴へ浸漬させる工程において、フィルムの耐熱性が不足して、変形や厚み変化が生じてしまい耐熱性が十分とはいえない場合が多い。
本発明は、等方性および誘電性に十分に優れ、かつ、耐熱性を備えた液晶ポリマーフィルムを提供することを目的とする。
本発明はまた、ダイからの押し出しにより製膜を行うダイ押出製膜法のような簡便な方法で、等方性および誘電性に十分に優れ、かつ、耐熱性を備えた液晶ポリマーフィルムを得ることができる、液晶ポリマーフィルムの製造方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
<1> 液晶ポリマー(A)とポリエチレンナフタレート(B)を含み、前記ポリエチレンナフタレート(B)の含有量が1~50質量%であり、配向度が55%以下である、液晶ポリマーフィルム。
<2> 前記液晶ポリマー(A)は、モノマー成分として、芳香族ヒドロキシカルボン酸を含有し、さらに芳香族ジカルボン酸および脂肪族ジオールを含有するか、または含有しない、<1>に記載の液晶ポリマーフィルム。
<3> 前記芳香族ヒドロキシカルボン酸の含有量は、前記液晶ポリマー(A)を構成する全モノマー量に対して、50モル%以上であり、
前記芳香族ジカルボン酸の含有量は、前記液晶ポリマー(A)を構成する全モノマー量に対して、25モル%以下であり、
前記脂肪族ジオールの含有量は、前記液晶ポリマー(A)を構成する全モノマー量に対して、25モル%以下である、<2>に記載の液晶ポリマーフィルム。
<4> 液晶ポリマー(A)が、6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸を共重合成分とする共重合体である、<1>~<3>のいずれかに記載の液晶ポリマーフィルム。
<5> 液晶ポリマー(A)が、6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸と4-ヒドロキシ安息香酸の共重合体または6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸とテレフタル酸とエチレングリコールの共重合体である、<1>~<4>のいずれかに記載の液晶ポリマーフィルム。
<6> 前記ポリエチレンナフタレート(B)の含有量が20~50質量%であり、前記配向度が50%以下である、<1>~<5>のいずれかに記載の液晶ポリマーフィルム。
<7> 前記ポリエチレンナフタレート(B)の含有量が35~50質量%であり、前記配向度が39.5%以下である、<1>~<6>のいずれかに記載の液晶ポリマーフィルム。
<8> 液晶ポリマー(A)およびポリエチレンナフタレート(B)を、前記ポリエチレンナフタレート(B)含有量1~50質量%でブレンドする工程;
ブレンド混合物を溶融および混練後、ダイより押し出して未延伸フィルムを得るダイ押出製膜工程;および
前記未延伸フィルムを延伸して配向度55%以下の液晶ポリマーフィルムを得る延伸工程
を含む、液晶ポリマーフィルムの製造方法。
<9> 前記ダイはフラットダイである、<8>に記載の液晶ポリマーフィルムの製造方法。
<10> 液晶ポリマーフィルムは<1>~<7>のいずれかの液晶ポリマーフィルムである、<8>または<9>に記載の液晶ポリマーフィルムの製造方法。
<11> <1>~<7>のいずれかに記載の液晶ポリマーフィルムの片面または両面に金属層を有する積層体。
<12> 金属層が金属箔である、<11>に記載の積層体。
<13> 金属層がスパッタリングまたは蒸着により形成されている、<11>に記載の積層体。
<14> <11>~<13>のいずれに記載の積層体を含む多層基板。
<15> 前記多層基板は電気回路基板である、<14>に記載の多層基板。
<16> 前記多層基板は高周波電気回路基板である、<14>または<15>に記載の多層基板。
本発明によれば、等方性および誘電性に十分に優れ、かつ、耐熱性に優れた液晶ポリマーフィルムおよびその製造方法を提供することができる。
[液晶ポリマーフィルム]
本発明の液晶ポリマーフィルム(以下、単に「フィルム」ということがある)は、液晶ポリマー(A)およびポリエチレンナフタレート(B)(以下、「PEN(B)」と称する場合がある)を含有する。
本発明において、液晶ポリマー(A)とは、溶融時に液晶状態を示すか、あるいは光学的に複屈折する性質を有するポリマーを指し、具体的には、溶融時に液晶性を示すサーモトロピック液晶ポリマーを指す。液晶ポリマー(A)は、熱変形温度によって、I型・II型・III型と分類され、いずれの型であっても構わない。液晶ポリマー(A)としては、溶融成形可能な熱可塑性液晶ポリマーであれば特にその化学的組成は限定されない。熱可塑性液晶ポリマーとしては、熱可塑性液晶ポリエステルや熱可塑性液晶ポリエステルアミドが挙げられるが、中でも、溶融成形しやすいことから、熱可塑性液晶ポリエステルが好ましい。
熱可塑性液晶ポリエステルは、芳香族ジオール、芳香族ジカルボン酸、芳香族ヒドロキシカルボン酸等からなる群から選択される1種以上の化合物に由来する反復構成単位から構成される。本発明において熱可塑性液晶ポリエステルは、溶融成形をしやすくするため、脂肪族ジカルボン酸、脂肪族ジオール等のその他の成分を含有してもよい。
芳香族ジオールとしては、例えば、ハイドロキノン、レゾルシン、4,4’-ジヒドロキシジフェニル、2,6-ナフタレンジオール、4,4’-ジヒドロキシジフェニルエーテル、ビス(4-ヒドロキシフェノキシ)エタン、3,3’-ジヒドロキシジフェニル、3,3’-ジヒドロキシジフェニルエーテル、1,6-ナフタレンジオール、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、メチルハイドロキノン、t-ブチルハイドロキノン、フェニルハイドロキノン、フェノキシハイドロキノン、4-メチルレゾルシンハイドロキノンが挙げられる。
芳香族ジオールは、等方性、誘電性および耐熱性のさらなる向上ならびに液晶性および汎用性の観点から、好ましくは以下の群Iaからなる群から選択される1種以上の化合物であり、好ましくは以下の群Ibからなる群から選択される1種以上の化合物である。
群Ia:ハイドロキノン、レゾルシン、4,4’-ジヒドロキシジフェニル、2,6-ナフタレンジオール、4,4’-ジヒドロキシジフェニルエーテル;
群Ib:ハイドロキノン、2,6-ナフタレンジオール。
芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、4,4’-ジフェニルジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、1,6-ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルエーテル-4,4’-ジカルボン酸、ジフェノキシエタン-4,4’-ジカルボン酸、ジフェノキシブタン-4,4’-ジカルボン酸、ジフェニルエタン-4,4’-ジカルボン酸、ジフェニルエーテル-3,3’-ジカルボン酸、ジフェノキシエーテル-3,3’-ジカルボン酸、ジフェニルエタン-3,3’-ジカルボン酸等が挙げられる。
芳香族ジカルボン酸は、等方性、誘電性および耐熱性のさらなる向上ならびに液晶性の発現の観点から、好ましくは以下の群IIaからなる群から選択される1種以上の化合物であり、より好ましくは以下の群IIbからなる群から選択される1種以上の化合物である。
群IIa:テレフタル酸、4,4’-ジフェニルジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルエーテル-4,4’-ジカルボン酸、ジフェノキシエタン-4,4’-ジカルボン酸、ジフェニルエタン-4,4’-ジカルボン酸;
群IIb:テレフタル酸、4,4’-ジフェニルジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸。
芳香族ヒドロキシカルボン酸としては、4-ヒドロキシ安息香酸、3-ヒドロキシ安息香酸、6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、6-ヒドロキシ-1-ナフトエ酸、3-メチル-4-ヒドロキシ安息香酸、3-メトキシ-4-ヒドロキシ安息香酸が挙げられる。
芳香族ヒドロキシカルボン酸は、等方性、誘電性および耐熱性のさらなる向上ならびに液晶性の発現の観点から、好ましくは以下の群IIIaからなる群から選択される1種以上の化合物であり、より好ましくは以下の群IIIbからなる群から選択される1種以上の化合物である。
群IIIa:4-ヒドロキシ安息香酸、6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、3-メチル-4-ヒドロキシ安息香酸、3-メトキシ-4-ヒドロキシ安息香酸;
群IIIb:4-ヒドロキシ安息香酸、6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸。
脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオール、2-アミノ-2-エチル-1,3-プロパンジオール、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-エチル-2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジール、ネオペンチルグリコール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられる。
脂肪族ジオールは、等方性、誘電性および耐熱性のさらなる向上ならびに汎用性および植物由来材料の観点から、好ましくは以下の群IVaからなる群から選択される1種以上の化合物であり、より好ましくは以下の群IVbからなる群から選択される1種以上の化合物である。
群IVa:エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール;
群IVb:エチレングリコール。
脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、脂肪族ジカルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、水添ダイマー酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、ダイマー酸等が挙げられる。
脂肪族ジカルボン酸は、等方性、誘電性および耐熱性のさらなる向上ならびに汎用性の向上の観点から、好ましくは以下の群Vaからなる群から選択される1種以上の化合物であり、好ましくは以下の群Vbからなる群から選択される1種以上の化合物である。
群Va:シュウ酸、マロン酸、コハク酸;
群Vb:シュウ酸。
液晶ポリマー(A)は、等方性、誘電性および耐熱性のさらなる向上ならびに成形性の向上の観点から、モノマー成分として、好ましくは芳香族ヒドロキシカルボン酸を含有し、さらに芳香族ジカルボン酸および脂肪族ジオールを含有してもよい。詳しくは、このような好ましい液晶ポリマー(A)は、芳香族ヒドロキシカルボン酸を含有し、さらに芳香族ジカルボン酸および脂肪族ジオールを含有してもよいし、または含有しなくてもよい。このような好ましい液晶ポリマー(A)における、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸および脂肪族ジオールの含有量は以下の通りである。
芳香族ヒドロキシカルボン酸:好ましくは50モル%以上(すなわち50~100モル%)、より好ましくは70モル%以上(すなわち70~100モル%)、さらに好ましくは80モル%以上(80~100モル%)、特に好ましくは90モル%以上(すなわち90~100モル%)、最も好ましくは100モル%;
芳香族ジカルボン酸:好ましくは25モル%以下(すなわち0~25モル%)、より好ましくは15モル%以下(すなわち0~15モル%)、さらに好ましくは10モル%以下(すなわち0~10モル%)、特に好ましくは5モル%以下(すなわち0~5モル%)、最も好ましくは0モル%;
脂肪族ジオール:好ましくは25モル%以下(すなわち0~25モル%)、より好ましくは15モル%以下(すなわち0~15モル%)、さらに好ましくは10モル%以下(すなわち0~10モル%)、特に好ましくは5モル%以下(すなわち0~5モル%)、最も好ましくは0モル%。
なお、モノマー成分としての化合物の含有量は、液晶ポリマー(A)を構成する全モノマー量に対する割合で表される。含有量「0モル%」は、液晶ポリマー(A)が当該化合物を含有しないことを意味する。
液晶ポリマー(A)が、モノマー成分として、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸および脂肪族ジオールを含有する場合、そのモノマー配列は特に限定されず、当該液晶ポリマー(A)はランダム型ポリエステルであってもよいし、またはブロック型ポリエステルであってもよい。このとき、液晶ポリマー(A)は、等方性、誘電性および耐熱性のさらなる向上の観点から、ブロック型ポリエステルであることが好ましい。
ランダム型ポリエステルは、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸および脂肪族ジオールが任意の順序で配列および重合されてなるポリエステルのことである。
ブロック型ポリエステルは、芳香族ジカルボン酸および脂肪族ジオールのエステルオリゴマー部(ブロック部)と、芳香族ヒドロキシカルボン酸のエステルオリゴマー部(ブロック部)とを含むブロック型ポリエステルのことである。
液晶ポリマー(A)としては、液晶性を発現させながらも、PEN(B)との相溶性が高くなることから、6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸を共重合成分とする共重合体(以下、共重合体(a1)ということがある)である液晶ポリマーが好ましい。中でも、等方性、誘電性および耐熱性のさらなる向上ならびに液晶性の発現の観点から、6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸と4-ヒドロキシ安息香酸の共重合体(以下、共重合体(a1-1)ということがある)または6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸とテレフタル酸とエチレングリコールの共重合体(以下、共重合体(a1-2)ということがある)がより好ましい。
共重合体(a1)は、モノマー成分として、6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸以外に、前記した芳香族ジオール、芳香族ジカルボン酸、芳香族ヒドロキシカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、および脂肪族ジオールからなる群から選択される1種以上の化合物を含有してもよい。共重合体(a1)は、等方性、誘電性および耐熱性のさらなる向上の観点から、モノマー成分として、前記した芳香族ヒドロキシカルボン酸(6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸以外)、芳香族ジカルボン酸、および脂肪族ジオールからなる群から選択される1種以上の化合物を含有することが好ましい。
共重合体(a1)において、6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸の含有量は、等方性、誘電性および耐熱性のさらなる向上の観点から、好ましくは1~100モル%、より好ましくは10~95モル%、さらに好ましくは20~90モル%、特に好ましくは20~50モル%、最も好ましくは20~40モル%である。このとき、芳香族ヒドロキシカルボン酸(6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸以外)、芳香族ジカルボン酸、および脂肪族ジオールの好ましい含有量は以下の通りである。
芳香族ヒドロキシカルボン酸(6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸以外):好ましくは90モル%以下(すなわち0~90モル%)、より好ましくは20~90モル%、さらに好ましくは40~90モル%)、特に好ましくは60~90モル%、最も好ましくは60~80モル%;
芳香族ジカルボン酸:好ましくは25モル%以下(すなわち0~25モル%)、より好ましくは15モル%以下(すなわち0~15モル%)、さらに好ましくは10モル%以下(すなわち0~10モル%)、特に好ましくは5モル%以下(すなわち0~5モル%)、最も好ましくは0モル%;
脂肪族ジオール:好ましくは25モル%以下(すなわち0~25モル%)、より好ましくは15モル%以下(すなわち0~15モル%)、さらに好ましくは10モル%以下(すなわち0~10モル%)、特に好ましくは5モル%以下(すなわち0~5モル%)、最も好ましくは0モル%。
なお、モノマー成分としての化合物の含有量は、共重合体(a1)を構成する全モノマー量に対する割合で表される。含有量「0モル%」は、共重合体(a1)が当該化合物を含有しないことを意味する。
共重合体(a1-1)において、6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸の含有量は、等方性、誘電性および耐熱性のさらなる向上の観点から、好ましくは1~99モル%、より好ましくは10~95モル%、さらに好ましくは20~90モル%、特に好ましくは20~50モル%、最も好ましくは20~40モル%である。
共重合体(a1-1)において、4-ヒドロキシ安息香酸の含有量は、等方性、誘電性および耐熱性のさらなる向上の観点から、好ましくは1~99モル%、より好ましくは5~90モル%、さらに好ましくは10~80モル%、特に好ましくは50~80モル%、最も好ましくは60~80モル%である。
共重合体(a1-1)はランダム型ポリエステルであってもよいし、またはブロック型ポリエステルであってもよく、誘電性および耐熱性のさらなる向上の観点から、ランダム型ポリエステルであることが好ましい。
共重合体(a1-2)において、6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸の含有量は、等方性、誘電性および耐熱性のさらなる向上の観点から、好ましくは10~98モル%、より好ましくは30~95モル%、さらに好ましくは50~95モル%、特に好ましくは60~90モル%、最も好ましくは70~90モル%である。
共重合体(a1-2)において、テレフタル酸の含有量は、等方性、誘電性および耐熱性のさらなる向上の観点から、好ましくは1~30モル%、より好ましくは2~25モル%、さらに好ましくは5~20モル%、特に好ましくは8~15モル%、最も好ましくは10~15モル%である。
共重合体(a1-2)において、エチレングリコールの含有量は、等方性、誘電性および耐熱性のさらなる向上の観点から、好ましくは1~30モル%、より好ましくは2~25モル%、さらに好ましくは5~20モル%、特に好ましくは8~15モル%、最も好ましくは10~15モル%である。
共重合体(a1-2)はランダム型ポリエステルであってもよいし、またはブロック型ポリエステルであってもよく、誘電性および耐熱性のさらなる向上の観点から、ブロック型ポリエステルであることが好ましい。
液晶ポリマー(A)の融点は、特に限定されず、等方性、誘電性および耐熱性のさらなる向上の観点から、220~360℃であることが好ましく、270~340℃であることがより好ましく、270~320℃であることがさらに好ましい。
本明細書中、融点は、示差走査型熱量計(パーキンエルマー社製、DSC-7型)を用い、昇温速度20℃/分で測定した際の結晶融解ピークから求めた温度を用いている。
液晶ポリマー(A)のメルトフローレート(MFR)は、特に限定されず、等方性、誘電性および耐熱性のさらなる向上の観点から、0.5~300g/10分であることが好ましく、2~100g/10分であることがより好ましく、20~100g/10分であることがより好ましい。
本明細書中、液晶ポリマー(A)のMFRはJIS K 7210に準拠して、融点+20℃(例えば、300℃)で2.16kgf荷重で測定された値を用いている。
液晶ポリマー(A)は、所定のモノマー成分を用いて公知の方法で重合することにより製造することもできるし、または市販品として入手することもできる。なお、液晶ポリマー(A)としてブロック型ポリエステルを製造する場合、例えば以下の方法を採用することができる。例えば、まず、特定のブロック部を構成するモノマー成分を予め重合させオリゴマーを得る。次いで、得られたオリゴマーに、他のブロック部を構成するモノマー成分を混合し、さらに重合させる。
液晶ポリマー(A)の市販品の具体例としては、例えば、ポリプラスチック社製「ラペロス」、セラニーズ社製「ベクトラ」、上野製薬社製「UENOLCP」、住友化学社製「スミカスーパーLCP」、ENEOS社製「ザイダー」、東レ社製「シベラス」、及び、ユニチカ社製「ロッドラン」が挙げられる。
液晶ポリマー(A)の含有量は、特に限定されず、等方性、誘電性および耐熱性のさらなる向上の観点から、液晶ポリマーフィルムの全質量に対して、40~99質量%とすることが好ましく、50~99質量%とすることより好ましく、50~80質量%とすることがさらに好ましく、50~65質量%とすることが特に好ましく、55~65質量%とすることが最も好ましい。
本発明のフィルムはPEN(B)を含有する必要がある。液晶ポリマー(A)にPEN(B)を所定量含有した溶融押出シートを延伸することで、フィルムの等方性を制御することができる。
本発明に用いるPEN(B)とは、エチレンナフタレートの繰り返し単位を有するポリエステルポリマーのことをいう。PEN(B)は、具体的には、ジカルボン酸成分としてナフタレンジカルボン酸、ジオール成分としてエチレングリコールを用いたポリエステルポリマーのことをいう。PEN(B)は通常、液晶ポリマー(A)を構成する芳香族ヒドロキシカルボン酸を含有しない。ナフタレンジカルボン酸としては、例えば、2,6-ナフタレンジカルボン酸、1、4-ナフタレンジカルボン酸、1、5-ナフタレンジカルボン酸、2,7-ナフタレンジカルボン酸が挙げられるが、中でも、等方性、誘電性および耐熱性のさらなる向上ならびに汎用性の向上の観点から、2,6-ナフタレンジカルボン酸が好ましい。
PEN(B)は、ジカルボン酸成分として、ナフタレンジカルボン酸以外に、他のジカルボン酸成分をモノマー成分として含有してもよい。他のジカルボン酸成分として、例えば、液晶ポリマー(A)を構成する芳香族ジカルボン酸および脂肪族ジカルボン酸として例示した化合物が挙げられる。PEN(B)は、等方性、誘電性および耐熱性のさらなる向上の観点から、このような他のジカルボン酸成分を含有しないことが好ましい。
PEN(B)は、ジオール成分として、エチレングリコール以外に、他のジオール成分をモノマー成分として含有してもよい。他のジオール成分として、例えば、液晶ポリマー(A)を構成する芳香族ジオールおよび脂肪族ジオールとして例示した化合物が挙げられる。PEN(B)は、等方性、誘電性および耐熱性のさらなる向上の観点から、このような他のジオール成分を含有しないことが好ましい。
PEN(B)のメルトフローレート(MFR)は、特に限定されず、等方性、誘電性および耐熱性のさらなる向上の観点から、1~50g/10分であることが好ましく、3~20g/10分であることがより好ましく、3~7g/10分であることがさらに好ましい。
本明細書中、PEN(B)のMFRは、JIS K 7210に準拠して、300℃で2.16kgf荷重で測定された値を用いている。
PEN(B)の融点は、特に限定されず、等方性、誘電性および耐熱性のさらなる向上の観点から、240~280℃であることが好ましく、250~280℃であることがより好ましい。
PEN(B)の融点は、上記した液晶ポリマー(A)の融点と同様の方法により測定された融点を用いている。
PEN(B)は、所定のモノマー成分を用いて公知の方法で重合することにより製造することもできるし、または市販品として入手することもできる。
PEN(B)の市販品の具体例としては、例えば、帝人のTN8050SCやTN8065Sなどが挙げられる。
PEN(B)の含有量は、液晶ポリマーフィルムの全質量に対して、1~50質量%であり、特に限定されず、等方性、誘電性および耐熱性のさらなる向上の観点から、20~50質量%とすることが好ましく、35~50質量%とすることがより好ましく、35~45質量%とすることがさらに好ましい。PEN(B)の含有量が1質量%未満であると、溶融押出シートを延伸したとき破断しやすい。破断なく延伸できたとしても、フィルムの配向度が増大し、等方性が不十分となってしまう。一方、PEN(B)の含有量が50質量%を超えると、回路基板用として必要な線膨張係数が大きくなり、耐熱性も劣ってしまうため、回路用基板として使用できない。
本発明のフィルムが、PEN(B)の代わりに、PEN(B)と構造が近いポリエチレンテレフタレートおよび/またはポリブチレンナフタレートを含有すると、耐熱性が足りないため、本発明の効果を実現できない。
本発明のフィルムが、PEN(B)の代わりに、融点がより高いポリエーテルサルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトンまたはポリフェニレンサルファイド等を含有すると、溶融時の分散性や、延伸工程では破断や厚み不良の問題が発生してしまう。これらの結果としてフィルムを得ることができない。
本発明のフィルムがPEN(B)を本発明の範囲内で含有する場合、PEN(B)以外の樹脂を、液晶ポリマーフィルムの全質量に対して、25質量%以下で添加しても、本発明の効果を奏する本発明のフィルムを得ることができる。PEN(B)以外の樹脂とは、PEN(B)ではないポリマーであり、例えば、上記したポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトンおよびポリフェニレンサルファイドからなる群から選択される1種以上のポリマーであってもよい。
本発明のフィルムは、液晶ポリマー(A)とPEN(B)との相溶性を向上させるため、相溶成分を含有させてもよい。相溶成分としては、例えば、エポキシ基含有ポリオレフィン系共重合体、無水マレイン酸含有ポリオレフィン系共重合体、オキサゾリン基含有ビニル系共重合体、カルボキシル基含有オレフィン系共重合体、アイオノマー樹脂が挙げられる。
相溶成分の含有量は通常、液晶ポリマーフィルムの全質量に対して、30質量%以下(すなわち0~30質量%)であり、液晶ポリマー(A)とPEN(B)との相溶性の向上の観点から、0.05~30質量%とすることが好ましく、0.1~10質量%とすることがより好ましく、0.5~8質量%とすることがさらに好ましい。
本発明のフィルムには、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて、各種の添加剤が含有されていてもよい。添加剤としては、粒子や脂肪酸エステルなどの滑剤;顔料、染料などの着色剤;熱安定剤;着色防止剤、酸化防止剤、耐候性改良剤、難燃剤、可塑剤、離型剤、強化剤、改質剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、防曇剤、各種ポリマー樹脂などが挙げられる。
本発明のフィルムには、製膜時の熱安定性を高め、フィルムの強度や伸度の劣化を防ぎ、使用時においても酸化や分解などに起因するフィルムの劣化を防止するため、熱安定剤を含有させることが好ましい。熱安定剤としては、ヒンダードフェノール系熱安定剤、ヒンダードアミン系熱安定剤、リン系熱安定剤、イオウ系熱安定剤、2官能型熱安定剤などが挙げられる。
[液晶ポリマーフィルムの製造方法]
本発明の液晶ポリマーフィルムの製造方法は、液晶ポリマー(A)、PEN(B)、および添加剤をブレンドするブレンド工程、ブレンド混合物を用いて未延伸フィルムを形成する工程、および未延伸フィルムを1軸方向または2軸方向に延伸する延伸工程を含む。
(ブレンド工程)
本工程では、液晶ポリマー(A)およびポリエチレンナフタレート(B)を所定の比率でブレンドする。ブレンドは、単に機械的混合を行う乾式混合であってもよいし、または溶融および混錬を行いペレットを得る湿式混合であってもよい。ブレンドは、等方性、誘電性および耐熱性のさらなる向上の観点から、湿式混合であることが好ましく、より好ましくは乾式混合した後、湿式混合を行う。
乾式混合は、例えば、タンブラーまたはヘンシェルミキサー等の混合装置を用いて、行うことができる。
湿式混合に用いる溶融混練装置としては、特に限定されず、例えば、一軸または二軸押出機や、各種ニーダー等が用いられる。溶融混練装置は特に、等方性、誘電性および耐熱性のさらなる向上の観点から、二軸混練押出機の使用が好ましい。ブレンド工程および後述の製膜工程の装置として、押出機を用いる場合、これらの工程を1つの装置で行うことができる。
(製膜工程)
本工程では、ブレンド工程で得られたブレンド混合物(例えばペレット)を溶融および混練後、溶融混練物をフィルム化する。相溶成分、熱安定剤等の添加剤は、本工程で添加されてもよい。本工程において、溶融および混錬は、ブレンド工程の説明で例示した一軸または二軸押出機により行うことができる。
フィルム化は、従来公知の方法によって実施することができ、例えば、溶融混練物をダイより押し出して未延伸フィルムを得る(ダイ押出製膜工程)。詳しくは、溶融混練物を、Tダイなどのフラットダイを用いて、フィルム状に押出すことが好ましい。ダイ押出製膜工程(特にフラットダイによる押出製膜工程)は、厚物化、厚み精度、大型・高速に有利なプロセスであるため、本発明のフィルムの製造方法は、液晶ポリマーフィルム不足の現状において、生産性の向上の観点から、非常に重要である。フィルム状の溶融物は、冷却ロールやスチールベルトなどの移動冷却体の冷却面に接触させて冷却することにより、未延伸フィルムを得ることができる。この未延伸フィルムは、MD方向に配向している未延伸フィルムである。
(延伸工程)
本工程では、製膜工程で得られた未延伸フィルムを延伸し、フィルムの配向度を所定の範囲に制御する。詳しくは、未延伸フィルムはMD方向に強く配向しているため、予熱後に、少なくともTD方向(例えば、TD方向の1軸方向、または、MD方向およびTD方向の両方の2軸方向)に延伸する。予熱温度としては、100℃以上「液晶ポリマーが実質的に溶融する温度」未満であることが好ましく、120~200℃であることがより好ましい。予熱温度をこの範囲とすることで、所定の成分を含む液晶ポリマーフィルムであれば、延伸ムラやフィルムの破断が発現することなく、安定して延伸をおこなうことができる。100℃未満であると、延伸時にフィルムが変形できずに破断する場合がある。一方、「液晶ポリマーが実質的に溶融する温度」を超えると、延伸ムラ大きく、また溶融による破断が生じたりする場合がある。この温度域で延伸する場合、従来、液晶ポリマー未延伸フィルムは、本発明の延伸工程では、延伸されずに破断しやすいが、本発明の液晶ポリマーフィルムの構成にすることで、延伸しやすくなる。延伸前のフィルムの予熱時間は、特に限定されず、1~60秒が現実的な範囲である。
この延伸工程は、未延伸フィルムに対して、後述する所望の等方性を与える。延伸倍率は、未延伸フィルムに所望の等方性を与えることができる限り、特に限定されない。例えば、MD方向の延伸倍率が1倍(特に0.7~1.3倍)であるとき、TD方向の延伸倍率2.2~4.0倍(特に2,2~3.5倍)であってもよい。
延伸装置および延伸方法としては、従来公知の装置および延伸方法を用いることができる。一軸および二軸延伸法としては、テンター式同時二軸機により縦方向と横方向に同時に延伸する同時二軸延伸法や、ロール式延伸機で縦方向に延伸した後にテンター式横延伸機で横方向に延伸する逐次二軸延伸法等が挙げられる。
延伸をおこなった後、延伸のためのクリップでフィルムを把持したまま、熱固定処理を行うことが好ましい。熱固定処理を行うことで、得られるフィルムの高温での寸法安定性を向上させることができる。
熱固定処理温度は、フィルムの耐熱性や寸法安定性の観点から、200℃~「Tm-5」℃であることが好ましく、240℃~「Tm-10」℃であることがより好ましい。Tmは液晶ポリマー(A)の融点(℃)である。
熱固定処理時間は、特に限定されず、フィルムの耐熱性や寸法安定性の観点から、1秒間~90秒間、特に5秒間~30秒間であってもよい。
熱固定処理をおこなった後、クリップでフィルムを把持したまま1~10%の弛緩処理を行うことが好ましく、3~7%の弛緩処理を行うことがより好ましい。弛緩処理をおこなうことで、得られるフィルムの高温での寸法安定性をさらに向上させることができる。
(後処理工程)
延伸工程の後、得られた延伸フィルムを比較的高温および長時間での熱処理に基づく後処理工程に付してもよい。詳しくは、延伸フィルムを、窒素雰囲気下、熱固定処理工程における処理温度および処理時間それぞれと比較して高温および長時間で保持することにより熱処理を行う。
後処理工程での熱処理温度は通常、230℃~「Tm+15」℃であることが好ましく、250℃~「Tm+10」℃であることがより好ましい。Tmは液晶ポリマー(A)の融点(℃)である。
後処理工程での熱処理時間は通常、5分間~12時間、特に1時間~5時間であってもよい。
得られ熱可塑性樹脂フィルムは、枚葉とされてもよいし、巻き取りロールに巻き取られることでフィルムロールの形態とされてもよい。各種用途への利用に際しての生産性の点から、フィルムロールの形態とすることが好ましい。フィルムロールとされた場合は、所望の巾にスリットされてもよい。
本発明のフィルムには、必要に応じてコロナ放電処理等の表面処理を施してもよい。
本発明のフィルムは、配向度が、フィルムの等方性の観点から、55%以下である必要があり、好ましくは53%以下、より好ましくは50%以下、さらに好ましくは45%以下、特に好ましくは、40%以下、最も好ましくは39.5%以下である。この数値は、フィルム面内において完全にランダムな配向の場合は0%となり、フィルム面内でMD方向に完全に一軸配向している場合は無限大に大きくなり、TD方向に配向している場合は、100%となる。
本明細書中、配向度は、X線広角回折により、X線源:Cu-Kα線および出力50kV-300mAにて測定された方位角強度分布から、回折ピーク位置における半値幅A°を求め、以下の式に基づいて算出された値を用いている。
配向度=(180°-A°)/180°
本発明のフィルムの厚みは、特に限定されず、例えば、1μm以上、特に10μm以上であってもよい。本発明のフィルムは、厚物化が容易なダイ押出製膜法による製造が可能であることから、厚みは好ましくは40μm以上、より好ましくは60μm以上である。本発明のフィルムの厚みの上限値は特に限定されず、当該厚みは通常、1000μm以下であり、特に400μm以下であってもよい。
本明細書中、フィルムの厚みは、ハイデンハイン社製 HEIDENHAIN-METRO MT1287により任意の50箇所で測定された厚みの平均値を用いている。
等方性はフィルム面内において直交する2つの方向(特にMD方向およびTD方向)において、特性(特に機械的特性)が近似している性能のことである。
誘電性はフィルムの比誘電率および誘電正接がより小さい特性のことである。
耐熱性はフィルムの熱変形温度がより高い特性のことである。
[積層体および多層基板]
本発明の液晶ポリマーフィルムは電気回路基板用(特に高周波電気回路基板用)のフィルム基材として有用である。詳しくは、本発明の液晶ポリマーフィルムを用いて電気回路基板用(特に高周波電気回路基板用)の積層体および多層基板を製造することができる。例えば、本発明の液晶ポリマーフィルムは、その表面(例えば、片面または両面)に金属層を形成させることにより、積層体とすることができる。この場合、金属層を構成する金属としては、Cu、Ni合金、Al、Ag、Au、Sn、ステンレススチール(SUS)等の各種のものが挙げられる。高周波電気回路基板とは、3~300GHzの高周波数で挙動する電気回路の基板のことである。本発明のフィルム、積層体および多層基板は、このような高周波数環境下であっても、十分に優れた誘電性を有する。
フィルム表面に金属層を形成する方法としては、特に限定されず、フィルム上に金属箔を積層し、両層を接着(融着)させる方法や、スパッタリングや蒸着などの物理法(乾式法)、無電解めっきや無電解めっき後の電解めっきなどの化学法(湿式法)、金属ペーストを塗布する方法等が挙げられる。金属層の厚さは、特に限定されず、例えば、500Å~100μm程度であり、金属ラミネートフィルムの厚さは、例えば、3~1100μmであり、特に10~500μm程度である。金属ラミネートフィルムとは、本発明のフィルムの片面または両面に金属層を有する積層体のことである。
本発明の積層体は、多層基板用材料として使用し得る他、以下の材料またはフィルムとして、好適に用いることができる:高放熱基板;アンテナ基板;医薬品の包装材料;レトルト食品等の食品の包装材料;半導体パッケージ等の電子部品の包装材料;モーター、トランス、ケーブル、電線、多層プリント配線板等のための電気絶縁材料;コンデンサ用途等のための誘電体材料;カセットテープ、デジタルデータストレージ向けデータ保存用磁気テープ、ビデオテープ等の磁気テープ用材料;太陽電池基板、液晶板、導電性フィルム、ガラス、デジタルサイネージ、その他表示機器等のための保護材料;LED実装基板、有機EL基板、フレキシブルプリント配線板、フレキシブルフラットケーブル、フレキシブルアンテナ、スピーカー振動板等の電子基板材料;フレキシブルプリント配線用カバーレイフィルム、耐熱マスキング用テープ等の耐熱保護フィルム;耐熱バーコードラベル、各種工業用工程テープ等の耐熱粘着フィルム;耐熱リフレクター;耐熱離型フィルム;熱伝導フィルム;ダイシングテープ、ダイシングテープ一体型ダイアタッチフィルム(ダイシング・ダイアタッチフィルム)、ダイシングテープ一体型ダイボンディングフィルム(ダイシング・ダイボンディングフィルム)、ダイシングテープ一体型ウェハ裏面保護フィルム、バックグライディングフィルム等の半導体工程用フィルム;インモールド成形、フィルムインサート成形、真空成形、圧空成形等の成形加飾用材料;積層体や多層プリント配線板用の層間接着剤、フレキシブルプリント配線板用ボンディングシート、フレキシブルフラットケーブル用ボンディングシート、カバーレイフィルム用ボンディングシート等の接着用材料;チューブ被覆、電線被覆、衝撃吸収フィルム、封止フィルム等の衝撃吸収材料;写真フィルム;農業用材料;医療用材料;土木、建築用材料;濾過膜;家庭用、産業資材;繊維材料用のフィルムとして、好適に用いることができる。
本発明の多層基板は、前記積層体を複数で用いて積層熱圧着させることにより得ることができる。本発明の多層基板に含まれる前記積層体の数は、特に限定されず、例えば、2~100であり、特に2~50であってもよい。
本発明の多層基板は、回路基板として使用し得る。回路基板は、半導体素子(例えば、ICチップ)を搭載している回路基板(または半導体素子実装基板)、光電子混載基板等に用いることができる。回路基板は、例えば、同軸線路、ストリップ線路、マイクロストリップ線路、コプレナー線路、平行線路などの公知または慣用の伝送線路に用いられてもよいし、アンテナに用いられてもよい。回路基板は、電気回路基板(特に高周波電気回路基板)であってもよい。
1.測定方法
(1)フィルムの配向度
X線広角回折装置(リガク社製RINT-TTR III、X線源:Cu-Kα線、出力50kV-300mA)を用いて、サンプルを、X線の照射方向がフィルム面と垂直となるように試料台に取り付けた。次いで、(006)面のブラッグ角(2θ=約44度)において、サンプルを、X線照射方向を回転軸として、方位角を0度から360度まで回転させて透過法で測定した。方位角強度分布から、回折ピーク位置における半値幅A°を求め、以下の式に代入することにより配向度を算出した。
配向度=(180°-A°)/180°
配向度:
◎:39以下(優良);
〇:39超50以下(良);
△:50超55以下(実用上問題なし);
×:55超(実用上問題あり)。
(2)フィルムの結晶強度比
X線広角回折装置(リガク社製RINT-TTR III、X線源:Cu-Kα線、出力50kV-300mA)を用いて、サンプルを、フィルム厚み方向が試料台の法線方向となるように取り付けた。次いで、X線の入射角度を変えながら、2θ-θ連続スキャンにて反射法で測定した。測定条件は、スキャン範囲は2θ=2°~60°、スキャン速度:2°/分、0.02°ステップである。測定により得られた回折ピークのうち、2θ=11~13°付近のピーク強度C1cpsと2θ=18~20°付近のピーク強度C2cpsから、以下の式に代入することにより結晶強度比を算出した。
結晶強度比=C1cps/C2cps
(3)フィルムの引張弾性率(等方性)
JIS K7127に準拠し、10mm×150mmの試験片を作製して、オートグラフ(引張試験機)AG-IS(島津製作所社製)を用いて引張弾性率の測定を行った。また、MDとTDの強度比より以下のように等方性を評価した。
◎:MD/TD=0.9以上1.2未満(優良);
○:MD/TD=0.7以上0.9未満または1.2以上1.5未満(良);
△:MD/TD=0.5以上0.7未満または1.6以上2.0未満(実用上問題なし);
×:MD/TD=0.5未満または2.0以上(実用上問題あり)。
(4)フィルムの熱変形温度(耐熱性)
熱機械分析装置(TMA)を用いて、幅5mm、長さ10mmのフィルムの両端に40mNの引張荷重をかけ、室温から5℃/分の速度で、フィルムが破断するまで昇温したときの、急激な膨張(伸び)が発生した温度を求めた。詳しくは、温度~変形曲線における高温側のベースラインの接線と低温側のベースラインの接線の交点の温度を熱変形温度とする。MDとTDの平均値より、下記のように耐熱性評価をした。
◎◎:265℃以上(最良);
◎:260℃以上265℃未満(優良);
○:257℃以上260℃未満(良);
△:255℃以上257℃未満(実用上問題なし);
×:255℃未満(実用上問題あり)。
(5)フィルムの比誘電率および誘電正接(誘電性)
空洞共振器摂動法により、5GHzにおける比誘電率および誘電正接を測定した。試料の大きさは2mm×50mmとし、温度22~24℃、湿度45~55%RH下で12時間以上調湿した。
・比誘電率
◎:3.2以下(優良);
〇:3.2超3.3以下(良);
△:3.3超3.4以下(実用上問題なし);
×:3.4超(実用上問題あり)。
・誘電正接
◎:0.0030以下(優良);
〇:0.0030超0.0040以下(良);
△:0.0040超0.0050以下(実用上問題なし);
×:0.0050超(実用上問題あり)。
(6)総合評価
等方性、耐熱性および誘電性の評価結果について、総合的に評価した。
◎:等方性、耐熱性および誘電性の評価結果の全てが◎以上であった。
○:等方性、耐熱性および誘電性の評価結果のうち最低の評価結果が○であった。
△:等方性、耐熱性および誘電性の評価結果のうち最低の評価結果が△であった。
×:等方性、耐熱性および誘電性の評価結果のうち最低の評価結果が×であるか、または延伸工程で破断が起こった。
(7)融点
ポリマーの融点は、示差走査型熱量計(パーキンエルマー社製、DSC-7型)を用い、昇温速度20℃/分で測定した際の結晶融解ピークから求めた温度である。より具体的には、まず、所定のポリマー試料を、室温から20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm1)の観測後、Tm1より20℃以上50℃以下高い温度で10分間保持した。次いで、20℃/分の降温条件で室温まで試料を冷却した後に、再度20℃/分の昇温条件で測定した際の吸熱ピークを観測し、そのピークトップを示す温度を当該ポリマーの融点とする。
(8)メルトフローレート(MFR)
東洋精機製作所社製メルトインデクサーF-B01を用いて、JIS K 7210に準拠して測定した。試験温度は、LCP融点+20℃とし、試験荷重2.16kgの条件で測定した。
原料
実施例および比較例に用いた原料は下記のとおりである。
(1)LCP1
撹拌翼のついた重合管に、4-ヒドロキシ安息香酸:6230g(72モル%)および、6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸:3300g(28モル%)さらに全モノマーの水酸基量(モル)に対して1.02倍モルの無水酢酸を仕込み、窒素ガス雰囲気下に室温から145℃まで1時間かけて昇温し、145℃で30分保持した。次いで、副生する酢酸を留出させつつ320℃まで7時間かけて昇温した後、80分かけて10mmHgにまで減圧した。所定のトルクを示した時点で重合反応を終了し、反応容器から内容物を取り出し、粉砕機により液晶ポリマーのペレットを得た。得られたペレットの融点(Tm)は280℃であって、MFR=80g/10分であった。
(2)LCP2
撹拌翼のついた重合管にポリエチレンテレフタレート1452g(13モル%)を仕込み、窒素ガス雰囲気下に260℃に昇温し、これに6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸9292g(87モル%)を4回に分けて20分間の間隔をおいて添加し、添加終了後、その温度を保ちながら120分間アシドリシス反応を行った。次いで、系内温度を140℃に下げた後、無水酢酸6650g(117モル%)を加えてアセチル化反応を2時間行った。最後に、反応系の温度を3時間かけて 300℃まで昇温した後、80分かけて10mmHgにまで減圧した。所定のトルクを示した時点で重合反応を終了し、反応容器から内容物を取り出し、粉砕機により液晶ポリマーのペレットを得た。得られたペレットの融点(Tm)は285℃であって、MFR=39g/10分であった。
(3)ポリエチレンナフタレート:PEN
帝人社製 TN8065S、MFR(300℃、2.16kgf)=5g/10分、融点=265℃
(4)オレフィン:PE
日本ポリエチレン社製ノバテックLD(低密度ポリエチレン)、MFR(190℃、2.16kgf=2.8g/10分、融点=113℃
(5)ポリエチレンテレフタレート:PET
ユニチカ社製NEH-2050、MFR(300℃、2.16kgf)=30g/10分、融点=255℃
<実施例1>
(ブレンド工程)
表1に記載する成分(液晶ポリマー成分、および液晶ポリマー以外の成分)を表1に示す通りの配合で混合し、押出機を用いて混練ペレット化した。混練ペレット化して得られたペレットを120℃で真空乾燥機を用いて12時間乾燥させて含有水分量を50ppm以下とした。このようにして乾燥されたペレットを原料Aともいう。
(製膜工程)
原料Aを、スクリュ径40mmのフルフライトスクリュー単軸押出機に供給し、320℃で加熱溶融し、ダイ幅350mm、リップ間隔0.6mmのTダイへ8kg/時で供給した後、60℃に温調した2m/分の速度で回転する金属ドラム上にシート状に押出し、約150μmの厚みの未延伸フィルムを得た。
(延伸工程)
得られた未延伸フィルムを、フィルムの端部を、テンター式同時二軸延伸機のクリップに保持させ、150℃で20秒の予熱をしたのち、TD方向に3.0倍に延伸した。その後、260℃で10秒間の熱処理(熱固定処理)を施し、室温まで徐冷して、厚みが50μmのフィルムを得た。
<実施例2および3ならびに比較例2、4、5、6、7、8および9>
配合する原料や配合量を表1に記載のように変更する以外は、実施例1と同様に液晶ポリマーフィルムを得た。
<実施例4>
実施例1と同様に厚み50μmフィルムを得た後、窒素雰囲気下、285℃のイナートオーブン内で2時間、熱処理したフィルムを評価した。
<比較例1および3>
配合する原料や配合量を表1に記載のように変更する以外は、実施例1と同様に液晶ポリマーフィルムを得ようとしたが、ポリエチレンナフタレートの含有量が少なかったため、延伸工程時に破断し、フィルムを得ることができなかった。
Figure 2023097923000001
<考察>
実施例1~4の液晶ポリマーフィルムは、本発明の要件を満たしていたため、等方性および誘電性に優れ、耐熱性が比較的高かった。等方性、耐熱性および誘電性の総合評価結果より、好ましくは実施例2~4の液晶ポリマーフィルムであり、より好ましくは実施例3の液晶ポリマーフィルムであった。
比較例2、4、6の液晶ポリマーフィルムは、ポリエチレンナフタレートの含有量が本発明で規定する含有量よりも小さかったため、配向度が比較的高く、等方性に劣った。
比較例5の液晶ポリマーフィルムは、TDの延伸倍率が低かったため、配向度が比較的高く、等方性に劣った。
比較例7の液晶ポリマーフィルムは、ポリエチレンナフタレートのかわりにポリエチレンを用いたため、配向度が比較的高く、等方性に劣り、熱変形温度が比較的低く、耐熱性が低かった。
比較例8の液晶ポリマーフィルムは、ポリエチレンナフタレートのかわりに結晶性が高いポリエチレンテレフタレートを用いたが、熱変形温度が比較的低く、耐熱性が低かった。
本発明の液晶ポリマーフィルムは、等方性、誘電性および耐熱性が要求される用途で有用である。例えば、本発明の液晶ポリマーフィルムは、積層体および多層基板の用途として前記した用途と同様の用途で有用である。

Claims (16)

  1. 液晶ポリマー(A)とポリエチレンナフタレート(B)を含み、前記ポリエチレンナフタレート(B)の含有量が1~50質量%であり、配向度が55%以下である、液晶ポリマーフィルム。
  2. 前記液晶ポリマー(A)は、モノマー成分として、芳香族ヒドロキシカルボン酸を含有し、さらに芳香族ジカルボン酸および脂肪族ジオールを含有するか、または含有しない、請求項1に記載の液晶ポリマーフィルム。
  3. 前記芳香族ヒドロキシカルボン酸の含有量は、前記液晶ポリマー(A)を構成する全モノマー量に対して、50モル%以上であり、
    前記芳香族ジカルボン酸の含有量は、前記液晶ポリマー(A)を構成する全モノマー量に対して、25モル%以下であり、
    前記脂肪族ジオールの含有量は、前記液晶ポリマー(A)を構成する全モノマー量に対して、25モル%以下である、請求項2に記載の液晶ポリマーフィルム。
  4. 液晶ポリマー(A)が、6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸を共重合成分とする共重合体である、請求項1~3のいずれかに記載の液晶ポリマーフィルム。
  5. 液晶ポリマー(A)が、6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸と4-ヒドロキシ安息香酸の共重合体または6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸とテレフタル酸とエチレングリコールの共重合体である、請求項1~4のいずれかに記載の液晶ポリマーフィルム。
  6. 前記ポリエチレンナフタレート(B)の含有量が20~50質量%であり、前記配向度が50%以下である、請求項1~5のいずれかに記載の液晶ポリマーフィルム。
  7. 前記ポリエチレンナフタレート(B)の含有量が35~50質量%であり、前記配向度が39.5%以下である、請求項1~6のいずれかに記載の液晶ポリマーフィルム。
  8. 液晶ポリマー(A)およびポリエチレンナフタレート(B)を、前記ポリエチレンナフタレート(B)含有量1~50質量%でブレンドする工程;
    ブレンド混合物を溶融および混練後、ダイより押し出して未延伸フィルムを得るダイ押出製膜工程;および
    前記未延伸フィルムを延伸して配向度55%以下の液晶ポリマーフィルムを得る延伸工程
    を含む、液晶ポリマーフィルムの製造方法。
  9. 前記ダイはフラットダイである、請求項8に記載の液晶ポリマーフィルムの製造方法。
  10. 液晶ポリマーフィルムは請求項1~7のいずれかの液晶ポリマーフィルムである、請求項8または9に記載の液晶ポリマーフィルムの製造方法。
  11. 請求項1~7のいずれかに記載の液晶ポリマーフィルムの片面または両面に金属層を有する積層体。
  12. 金属層が金属箔である、請求項11に記載の積層体。
  13. 金属層がスパッタリングまたは蒸着により形成されている、請求項11に記載の積層体。
  14. 請求項11~13のいずれに記載の積層体を含む多層基板。
  15. 前記多層基板は電気回路基板である、請求項14に記載の多層基板。
  16. 前記多層基板は高周波電気回路基板である、請求項14または15に記載の多層基板。
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