JP2023097157A - 樹脂組成物及び樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

樹脂組成物及び樹脂組成物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】抗菌性が付与された樹脂組成物およびその製造方法を提供する。【解決手段】樹脂組成物は、ズイナ原料と、水酸化カルシウムと、樹脂とを含有し、前記ズイナ原料は、ズイナ葉の破砕物、粉砕物、摺砕物、ペースト及び搾汁、並びにズイナ樹液からなる群から選択される少なくとも一種である。【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂組成物及び樹脂組成物の製造方法に関する。
合成樹脂は、各種日用品、包装材料、飲料容器、家電製品、住宅用品、建設資材及び電気・電子機器等の様々な用途に用いられている。そして、その中でも、人が接触する機会の多い製品は病原菌や雑菌の感染源となる可能性があることから、衛生上安全であることが望まれ、それらの製品にはバクテリア等の細菌の発生・生育・増殖を抑制する抗菌性や、真菌の発生・生育・増殖を抑制する抗かび性等の特性が求められている。
例えば、特許文献1には、ホタテ貝の貝殻を粉砕し焼成し更に水和させたものに、酸化ホウ素粉末を混合して得られた粉末抗菌剤を熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂に配合した抗菌性製品が開示されている。
また、ズイナ属の植物は、希少糖と称されるD-プシコースとアリトールをその植物体内で生産し含有してなることが知られている植物であり、これまで新葉が食用にされたり、また一部の種は、その長い穂と香りの良い頭花から観賞用として育てられたりしている。特許文献2には、ズイナ原料、及び水酸化カルシウムを90質量%以上含む焼成貝殻の消化粉末からなる除草相乗剤、を含有する除草剤が記載されている。
特許第5515106号公報 特開2017-095390号公報
上述したように、これまでにも貝殻焼成粉末を、樹脂と混合した樹脂組成物並びに成形品の提案がある。一方、貝殻と同様に炭酸カルシウムを主成分とする卵殻についても利用が望まれていた。
本発明は、抗菌性が付与された樹脂組成物及びその製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは鋭意研究を行った結果、ズイナ原料と水酸化カルシウムとを組み合わせて、樹脂に配合することで、抗菌性に優れることを見出し、本発明を完成させた。
したがって、前記課題は、ズイナ原料と、水酸化カルシウムと、樹脂とを含有し、前記ズイナ原料は、ズイナ葉の破砕物、粉砕物、摺砕物、ペースト及び搾汁、並びにズイナ樹液からなる群から選択される少なくとも一種である樹脂組成物により解決される。
また、上記の樹脂組成物からなる成形品であると好適である。
また、成形品が、ペットボトルのキャップであると好適である。
したがって、前記課題は、ズイナ原料と、水酸化カルシウムと、樹脂粉末とを混合する工程、及び前記混合する工程の後、混合物を混練する工程とを含み、前記ズイナ原料は、ズイナ葉の破砕物、粉砕物、摺砕物、ペースト及び搾汁、並びにズイナ樹液からなる群から選択される少なくとも一種である樹脂組成物の製造方法により解決される。
また、上記の製造方法により得られる樹脂組成物を用いる成形品の製造方法であると好適である。
また、成形品がペットボトルのキャップであると好適である。
本発明によれば、ズイナ原料および水酸化カルシウムを含有し、抗菌性が付与された樹脂組成物およびその製造方法を提供することが可能となる。
本発明に係る樹脂組成物の製造方法を示すフロー図である。 本発明に係る成形品の一例としてのペットボトルおよびペットボトルキャップを示す模式図である。
以下、本発明に係る、樹脂組成物及び樹脂組成物の製造方法に関する実施形態(以下、「本実施形態」)について、図面を参照しながら説明する。
<樹脂組成物>
本実施形態の樹脂組成物は、ズイナ原料と、水酸化カルシウムと、樹脂とを含有し、ズイナ原料は、ズイナ葉の破砕物、粉砕物、摺砕物、ペースト及び搾汁、並びにズイナ樹液からなる群から選択される少なくとも一種である。
(ズイナ原料)
樹脂組成物に含まれるズイナ原料としては、ズイナ葉を破砕、粉砕、摺砕、ペースト化、あるいは搾汁して得られる破砕物、粉砕物、摺砕物、ペースト及び搾汁が使用され、またズイナの樹液を使用することもできる。これら破砕、粉砕、摺砕、ペースト化、あるいは搾汁は当業者に既知の手段及び装置にて実施し得る。例えば上記ズイナ葉を、マイクロカッター、フードプロセッサー、ミキサー、ジューサー、ブレンダー等を用いて破砕、粉砕、摺砕でき、またその後に既知のペースト化法(スラリー化法、磨砕法)を適用することによってペースト状とすることができる。また搾汁の調製方法としては、ズイナ葉をフードカッター、マスコロイダー、スクリュープレス処理などを経て実施し得、その後所望により粗繊維を除去してもよい。なお上記ズイナ葉の破砕物、粉砕物、摺砕物、ペースト及び搾汁や、ズイナ樹液の処理物も使用することもできる。該処理物としては、凍結物、乾燥物、濃縮物又は希釈物が挙げられる。
ズイナ原料は、原料100g当たりプシコースを1mg乃至50mg程度、好ましくは5mg乃至30mg、より好ましくは5mg乃至20mg、例えば10mg前後含有する原料であることが好ましい。あるいは上記ズイナ原料は、原料100g当たり0.01mg乃至10mg程度、好ましくは0.05mg乃至8mg、より好ましくは0.5mg乃至5mg、最も好ましくは1mg乃至5mg含有する原料であってもよい。さらに上記ズイナ原料は、原料100g当たり10mg乃至1000mg程度、例えば100mg乃至800mg、好ましくは300mg乃至600mg含有する原料であってもよい。
本実施形態の樹脂組成物に含まれる水酸化カルシウムとしては、通常の水酸化カルシウム、卵殻由来の水酸化カルシウム、ホタテ貝などの貝殻由来の水酸化カルシウムなどを用いることが可能である。
(卵殻粉末)
樹脂組成物に含まれる水酸化カルシウムの元となる卵殻粉末の原料としては、例えば、ニワトリ卵殻、アヒル卵殻、ウズラ卵殻、ダチョウ卵殻など、天然又は飼育された鳥類の卵殻を使用し得る。中でも、卵殻組成が均一である点、並びに、供給量が多く一定量を安価で確保できる観点から、ニワトリ卵殻を使用することが好ましい。
これらの卵殻は、そのまま、または粉砕して粉砕物或いは粉末状とし、90~120℃で乾燥させることにより、卵殻粉末が得られる。上記卵殻粉末には、焼成卵殻の消化粉末が含まれてもいてもよい。なお以下の説明において、便宜上、卵殻粉末と焼成卵殻の消化粉末とを分けて記載しているが、「焼成卵殻の消化粉末」は「卵殻粉末」に内包される概念である。また本発明において使用する卵殻粉末には焼成卵殻の消化粉末が含まれていてもよいし、含まれていなくてもよい。すなわち、卵殻粉末における焼成卵殻の消化粉末の配合割合(質量割合)は0~100質量%とすることができ、例えば0.001~99質量%、0.01~80質量%、0.005~50質量%、0.1~40質量%、1~30質量%、あるいはまた1~90質量%、10~80質量%、20~70質量%、30~60質量%など、様々な割合とすることができる。
焼成卵殻の消化粉末とするには、まず卵殻をそのまま、または粉砕して粉砕物或いは粉末状とした後、例えば600℃~1500℃で、例えば700℃~1200℃で、また例えば850℃~1000℃で、例えば炭酸ガスを導入しながら焼成する。焼成は空気中で行ってもよいし、窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行なってもよい。焼成時間は焼成温度等によって適宜設定されるが、通常、雰囲気温度が所定の焼成温度に到達した後、1分~60分、例えば3分~30分、また例えば4分~20分である。こうした焼成処理により、不要な有機物を熱分解によって除去する。
焼成後、続いて700℃~1200℃の温度下にて、例えば850℃~1000℃の温度下にて、加水し水和(消化)させて水酸化カルシウム主体の焼成物を得る。なお生物由来のカルシウム化合物の組成は、一般的に炭酸カルシウム(CaCO3)であり、これを焼成することによって酸化カルシウム(CaO)が得られる。本発明においては、焼成後に所定の加水処理を施すことにより、酸化カルシウムを水和させて水酸化カルシウム(Ca(OH))に変成させる。水酸化カルシウムは、pH12~13にも及ぶ強アルカリ性を示すことにより、消臭効果、抗菌効果、防腐効果などの各種の効果が発揮されることになる。すなわち、焼成卵殻の消化粉末(水酸化カルシウム)は抗菌剤としての機能も有することとなる。
前述の卵殻粉末を得る際(乾燥の過程)、また、焼成卵殻の消化粉末を得る際(焼成又は水和(消化)の過程)で、適宜粉砕を実施し、また必要に応じて粉砕を繰り返し実施することにより、最終的に平均粒径0.1μm~200μm、例えば0.1μm~150μm、0.1μm~100μm、0.1μm~80μm、0.1μm~60μm、1μm~60μm、また例えば10μm~100μm、20μm~100μm、30μm~100μm、40μm~150μm、50μm~200μmの微粉末形態の卵殻粉末、焼成卵殻の消化粉末(水酸化カルシウム)を得る。平均粒径は樹脂組成物が適用される製品(成形品)の種類によって適宜選択され得、例えばフィルム状など薄層の成形品に適用される場合にはその厚さに応じて10μm程度まで、より厚みのある成形物の場合にはその厚さに応じて100μm~200μm程度まで選択可能である。ただ、卵殻粉末、焼成卵殻(水酸化カルシウム)の消化粉末の平均粒径が0.1μmより小さいと、粉末自体の製造が困難となり、また凝集しやすくなるなど取り扱いが困難となり得るため注意を要する。なお本発明において平均粒径とは、光学顕微鏡により測定した値や、篩分けによって得られる値をいう。またレーザ回折式粒度分布測定装置で測定した50%径(X50、D50ともいう)として得られた値を採用してもよい。
本発明にあっては、卵殻粉末(水酸化カルシウム)はその粒径が一定に近いものであること、すなわち単分散であり、また、粒度分布が狭いものであることが好ましい。粒径が一定に近いものとすることにより、後述する樹脂粉末との混合をより均一なものとすることができる。例えば、粒度分布の幅の広さ(狭さ)を表す指標として均一度が挙げられる。均一度は、粒度分布測定あるいは篩分けによって測定した粒度分布により得られる、篩い下60%粒子径を篩い下60%粒子径で除した値であり、この値がより1に近いと、粒度分布の幅が狭く、粒子径が揃っており、凝集性が低く、流動性の高い粒子(粉末)であることを意味する。例えば均一度が10以下、8以下、5以下、3以下、また2以下の粉末を用いることができる。なお篩分けを利用することで、卵殻粉末(水酸化カルシウム)の粒径を測定するとともに、卵殻粉末(粒子)の粒径を一定のものとする(分散度(粒度分布)を狭いものとする)ことを同時に実現できる。
このように、粒子径を0.1~200μm程度に微細化することによって、焼成卵殻の消化粉末(水酸化カルシウム)とした際のpHは13.2程度にまで上昇し、消臭・抗菌効果が極めて強力になることが確認されている。また卵殻粉末の粒径をより細かくすることにより、後述する樹脂との混合において、より均一な混合を実現でき、ひいては機械的強度及び耐熱性に優れ、また抗菌性にも優れ得る樹脂組成物を得ることができる。
なお、卵殻粉末を得る際の乾燥の前後、また、焼成粉末を得る際の焼成処理の前後において、卵殻(又はその粉砕物等)の洗浄を実施することが好ましい。洗浄により、卵殻に付着する汚れ等の不純物や、卵殻膜を除去することができる。乾燥後や焼成処理後においてこれら不純物や卵殻膜が残存した場合、これを後述する樹脂と混合して樹脂組成物と為した際、性能の低下や望まない着色、望ましくない臭いが残存することがある。例えば卵殻膜はケラチン(硫黄分を含有)を主成分とする蛋白質よりなるため、残存したまま樹脂に配合して樹脂組成物を為し、これを成形した場合、硫黄分に由来する不快な臭いが発生する虞がある。
洗浄にかかる条件は特に限定されず、卵殻の状態により適宜設定され得、例えば水を用いて、室温~50℃程度にて、1分~60分程度から適宜選択される。また抗菌水を使用して洗浄を実施してもよい。洗浄は複数回実施してもよい。
またこれらの処理過程において、必要に応じて例えば70℃乃至120℃の温度下にて卵殻又はその粉砕物(粉末)等の乾燥を適宜実施する。乾燥によって、洗浄後に焼成処理や粉砕処理を行う場合にそれらの速やかな実施が実現でき、また乾燥により、卵殻に付着する好ましくない臭いを減少させることもできる。乾燥は複数回実施することができる。
(樹脂)
本実施形態の樹脂組成物に使用可能な樹脂として、従来公知の樹脂を使用することができる。樹脂としては、例えば、ポリエチレン(PE、高密度、中密度又は低密度)、ポリプロピレン(PP、アイソタクチック型又はシンジオタクチック型)、ポリブテン、エチレン-プレピレン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-プロピレン-ブテン共重合体等のポリオレフィン、環状ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、アイオノマー、アクリル系樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート-ブチル(メタ)アクリレート共重合体、メチル(メタ)アクリレート-スチレン共重合体、アクリル-スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン-スチレン共重合体、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプチレンテレフタレート(PBT)、エチレン-テレフタレート-イソフタレート共重合体、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート(PCT)等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、ナイロン、ニトロセルロース、酢酸セルロース、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース系樹脂等、又はこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられる。
(生分解性樹脂)
本実施形態の樹脂組成物に含まれる樹脂として生分解性樹脂を用いても良い。生分解性樹脂として、例えば、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸(PLA)、ポリヒドロキシブチレート(PHB)、ポリ(ヒドロキシブチレート/ヒドロキシヘキサノエート)(PHBH)等のポリヒドロキシアルカン酸;ポリカプロラクトン(PCL)、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリ(カプロラクトン/ブチレンサクシネート)(PCLBS)、ポリ(ブチレンサクシネート/アジペート)(PBSA)、ポリ(ブチレンスクシネート/カーボネート)(PEC)、ポリ(エチレンテレフタレート/サクシネート)(PETS)、ポリ(ブチレンアジペート/テレフタレート)(PTMAT)、ポリエチレンサクシネート(PES)、ポリ(エチレンサクシネート/アジペート)等のポリエステル樹脂;(ポリ乳酸/ポリブチレンサクシエート系)ブロックコポリマー;ポリビニルアルコール(PVA);変性でんぷん;酢酸セルロース;キチン;キトサン;リグニンなど、並びにこれらの組み合わせを挙げることができ、これらに限定されるものではない。生分解性樹脂は適用箇所(用途)に求められる特性に応じて適宜選択され得る。
樹脂は、粉砕機を用いて平均粒径0.1μm~200μm、例えば0.1μm~150μm、0.1μm~100μm、0.1μm~80μm、0.1μm~60μm、1μm~60μm、また例えば10μm~100μm、20μm~100μm、30μm~100μm、40μm~150μm、50μm~200μmの微粉末形態とする。また前述の卵殻粉末(水酸化カルシウム)と同様に、樹脂粉末はその粒径が一定に近いもの(単分散であり、粒度分布が狭い)であることが好ましい。例えば該粉末は均一度が10以下のもの、また例えば8以下、5以下、3以下、また2以下であるものを用いることができる。
(配合量)
前述の卵殻粉末(水酸化カルシウム)の配合量(焼成卵殻の消化粉末を含む場合には該消化粉末を含んだ配合量)は、樹脂の種類によって異なるものの、例えば樹脂組成物の総質量に基いて1質量%乃至80質量%の割合にて、また例えば10質量%乃至70質量%、30質量%乃至65質量%の割合にて、配合することができる。あるいは、卵殻粉末の配合量は、樹脂100質量部に対して例えば1質量部乃至400質量部であり、また例えば10質量部乃至250質量部、40質量部乃至200質量部などとすることができる。卵殻粉末(水酸化カルシウム)の配合量を上述の配合量範囲とすることにより、機械的強度や耐熱性、そして抗菌性に優れる樹脂組成物を得ることができる。本発明にあっては、充填剤等が配合されてなる従来の樹脂組成物と比べても多量の卵殻粉末を配合することができるため、これまで樹脂を使用した各種材料において問題とされたコスト高の問題の解消にもつながり得る。但し、配合量が少なすぎる場合には配合による効果:所望の強度、抗菌性等を得られず、また配合量が多すぎる場合には、その後に得られる成形物における機械特性や表面外観に悪影響を及ぼす虞があり、組み合わせる樹脂の種類や、樹脂組成物の用途により、卵殻粉末の配合量は適宜決定される。
<樹脂組成物の製造方法>
本実施形態の樹脂組成物の製造方法は、ズイナ原料と、水酸化カルシウムと、樹脂粉末とを混合する工程(ステップS1)、及び前記混合する工程の後、混合物を混練する工程(ステップS2)とを含み、前記ズイナ原料は、ズイナ葉の破砕物、粉砕物、摺砕物、ペースト及び搾汁、並びにズイナ樹液からなる群から選択される少なくとも一種である(図1)。
混合する工程(ステップS1)では、ズイナ原料と、水酸化カルシウムと、樹脂粉末とを、混合する。ここで均一に混合した後、該混合物を溶融混練し、水酸化カルシウムと樹脂とが均一に混合した樹脂組成物を得る水酸化カルシウムと樹脂粉末との混合にあたり、これら粉末の平均粒径の比率(一方の粉末の平均粒径に対する、他方の粉末の平均粒径の比率)が±1000%以内となることが好適であり、例えば±900%以内、±800%以内、±700%以内、±600%以内、±500%以内、±400%以内、±300%以内、±250%以内、±200%以内、±150%以内、±100%以内、±50%以内などとすることができる。
なお、平均粒径が異なる水酸化カルシウム及び/又は樹脂粉末を組み合わせて混合する場合、例えば水酸化カルシウムとして、卵殻粉末が焼成卵殻の消化粉末を含み、該卵殻粉末(消化粉末以外)と該消化粉末の平均粒径が異なる場合、上記平均粒径の比率は、一方の粉末(例:卵殻粉末(水酸化カルシウム))を構成する主たる粉末の平均粒径と、他方の粉末(例:樹脂粉末)の平均粒径の比率として考慮すればよい。このように、卵殻粉末(水酸化カルシウム)と樹脂粉末の平均粒径を±10倍以内の程度の同程度の大きさとすることにより、卵殻粉末(水酸化カルシウム)と樹脂粉末のより均一な混合が可能となる。なお、卵殻粉末(水酸化カルシウム)の平均粒径は樹脂粉末の平均粒径より小さい態様であることが好ましい。
上記の混合は、当業者に既知の装置、例えばタンブラー、単軸押出機、2軸押出機、ニーダー、ミキサー、2本ロールミルを用いて実施することができる。粉末状態で十分に均一となるように混合した後、溶融・混練し、樹脂組成物とする。その後、射出成形、押出成形、ブロー成形等を用いて所望の形状に成形されて製造される。或いはカレンダー法やキャスティング法などによりフィルム・シート状に成形したり、用途によっては発泡させたりした製品としてもよい。
(その他添加剤)
本発明の樹脂組成物には、所望により、従来の熱可塑性樹脂からなる成形製品に慣用されている添加剤、例えば可塑剤、安定剤、酸化防止剤、充填剤、紫外線吸収剤、着色剤(顔料、染料など)、つや消し剤、劣化防止剤、蛍光増白剤、防炎剤、帯電防止剤、粘度調整剤、抗菌剤等の補助成分を添加することもできる。これらは、水酸化カルシウムと樹脂粉末とを混合した後、該混合物を溶融混練する際に添加することができる。また、水酸化カルシウムと樹脂粉末との混合時に、これら補助成分を添加してもよい。
なお、本発明は、水酸化カルシウムと樹脂とを含有する樹脂材料も対象とする。前記樹脂材料において、水酸化カルシウム及び樹脂粉末は、それぞれ0.1μm~200μmの平均粒径を有する粉末であり、かつ、それらの平均粒径の比率が±1000%以内であることを特徴とする。なお水酸化カルシウムとしての卵殻粉末は、焼成卵殻の消化粉末を含んでいてもよい。また本発明は、焼成卵殻の消化粉末(水酸化カルシウム)からなり、0.1μm~200μmの平均粒径を有する、生分解促進性抗菌フィラーも対象とする。
本発明の樹脂組成物は、優れた抗菌効果を有するとともに、強度に優れる樹脂組成物である。そのため、本発明の樹脂組成物には、様々な用途に適用可能である。例えば、ペットボトル1のキャップ2(図2)、トレー、発泡トレー、ストレッチフィルム、シュリンクフィルム、ブローボトル、リフィル容器、飲料用ボトル、歯ブラシ用ブリスター等の各種包装資材;各種食品用容器(デザート、惣菜、インスタント食品、レトルト食品、弁当容器等);乳製品、清涼飲料水、酒類等の飲料用コップ及び飲料用ボトル;飲料・調味料等のキャップ等の飲食品関連製品;ゴミ袋、レジ袋、ポリ袋、水切りネット、皿、箸、スプーン、フォーク、ナイフ等の食器、食器トレー、弁当箱、箸ケース等;容器、結束テープ、歯ブラシや剃刀の柄、シャンプー・リンス用ボトル、化粧品ボトル、ペン、マーカー等の日用品・生活関連用品;定規、クリップ等の文具類;各種電子機器・OA機器・電化製品等のハウジング(携帯電話、プリンター、複写機、ランプシェード等)ハウス用フィルム、トンネルフィルム、マルチフィルム、植生フィルム、苗木用ポット、種ひも、肥料・農薬の被覆材等の農業・園芸用資材、植生ネット、土嚢袋、工事用型枠、土木用シート、芝止め杭等の土木用資材;住宅建材、住宅資材;漁網、海苔網、養殖用網、釣り糸、釣り餌袋などの漁業用資材;紙おむつや生理用品等の防水シート;注射器、創傷被覆材等の医療器具・医療用資材;空気用フィルター、その他磁気カード、ラベル、離型紙、ゴルフティ等、各種用途への適用が可能である。
<実施例>
以下、具体的実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
ニワトリの卵殻を洗浄して卵殻表面に付着する汚れや卵殻膜を除去した。洗浄した卵殻を水分がなくなる程度に乾燥し、900℃で10分間焼成を行った。ついで、約700乃至850℃の温度下で焼成物に水を加えて消化し、得られた消化物(水酸化カルシウム主体)を粉砕機でさらに微粉砕して、平均粒径が3~10μmの粉末状の焼成卵殻の消化粉末を得た。なお、該焼成卵殻の消化粉末を元素分析した結果、カルシウムを99%以上含む点が確認され、また熱重量分析した結果、水酸化カルシウムを95.7質量%含む点が確認された。
ズイナ葉を乳鉢ですりつぶしてズイナ原料(ズイナ葉摺砕物)、焼成卵殻の消化粉末を混合して粉末組成物を調製した。得られたズイナ原料と卵殻粉末の混合物(15重量%~80重量%)を各種ポリマー材料(85重量%~20重量%)と混合した混合物を様々な形態のポリマー成形品として製造した。また、焼成卵殻の消化粉末の代わりに、平均粒径が3~10μmの水酸化カルシウムの粉末を用いて同様にポリマー成形品を製造した。
各ポリマー成形品を、ペットボトル1のキャップ2とした結果、抗菌性を示すことが分かった。
1 ペットボトル
2 キャップ

Claims (6)

  1. ズイナ原料と、水酸化カルシウムと、樹脂とを含有し、
    前記ズイナ原料は、ズイナ葉の破砕物、粉砕物、摺砕物、ペースト及び搾汁、並びにズイナ樹液からなる群から選択される少なくとも一種である樹脂組成物。
  2. 請求項1に記載の樹脂組成物からなる成形品。
  3. ペットボトルのキャップである請求項2に記載の成形品。
  4. ズイナ原料と、水酸化カルシウムと、樹脂粉末とを混合する工程、及び
    前記混合する工程の後、混合物を混練する工程とを含み、
    前記ズイナ原料は、ズイナ葉の破砕物、粉砕物、摺砕物、ペースト及び搾汁、並びにズイナ樹液からなる群から選択される少なくとも一種である樹脂組成物の製造方法。
  5. 請求項4に記載の製造方法により得られる樹脂組成物を用いる成形品の製造方法。
  6. 成形品がペットボトルのキャップである請求項5に記載の成形品の製造方法。
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