JP2008137900A - 卵殻を用いたフロアブル製剤の製造方法、使用方法及び使用後の除去方法 - Google Patents

卵殻を用いたフロアブル製剤の製造方法、使用方法及び使用後の除去方法 Download PDF

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Abstract

【課題】卵殻を利用したフロアブル製剤であって、悪臭が無く、肥料として用いた場合には、少量で優れた肥料効果を発揮し、遮光剤として用いた場合には、種々の農業用フィルムに対して良好な散布性、付着性を示すとともに、使用後の除去も容易であるものを製造する方法を提供する。
【解決手段】卵殻を粗粉砕後、得られた卵殻の粗粉砕物5〜60%に、水30〜95%を加えて湿式粉砕により平均粒径0.5〜10ミクロンに粉砕するとともに、前記湿式粉砕の前又は後に、界面活性剤0.1〜5%及び天然物質からなる増粘剤0.1〜10%(固形成分量)を加え、更に抗菌抗黴剤0.1〜5%を加えて安定フロアブル製剤とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、産業廃棄物である卵殻を有効利用して安定フロアブル製剤を製造する方法と、当該製造方法により得られた安定フロアブル製剤を農業用の遮光剤又は肥料として使用する方法に関する。
卵は重要な食材であり、世界中で広く利用されている。卵が食品工場や大型店舗にて加工される際、多量に排出される卵殻は、一部分は利用されているが大部分は産業廃棄物として廃棄されている。利用されている例としては、卵殻を粗粉砕した農業用肥料(商品名:「活緑」(丸石株式会社)、特殊肥料 静岡県第3126号 副産石灰肥料)が挙げられる。また、卵殻の再資源化として、キューピー株式会社が開発した卵殻由来のカルシウム強化食品(商品名:「カルホープ」)が新聞報道等により紹介されている(例えば、非特許文献1参照)。
卵殻の主成分は卵殻カルシウムであり、炭酸カルシウムとは表面構造が異なることが知られている(例えば、非特許文献1参照)。また、鉱石から得られた炭酸カルシウムをフロアブル製剤とし、農業用遮光剤として利用することも公知である(例えば、特許文献1及び2参照)。このような農業用遮光剤は、炭酸カルシウムを合成樹脂エマルジョンで農業用フィルムなどに付着させ、雨で流されないようにすることに特長がある。
しかしながら、肥料用に粗粉砕された卵殻は、粉の飛散防止のために平均粒径が比較的大きな固形物であり、10アール当たりの土壌処理に40〜600kgもの処理量が必要であるため、重労働を要する。このように大量の処理量が必要な原因として、卵殻は水に不溶であり、粒径が大きいために土壌の中和や植物に利用され難いことが考えられる。また、産業廃棄物として排出される卵殻は、糖タンパク質からなる卵殻膜や卵白を含むとともに、水分などが混入した湿った状態にあり、2〜3日後には腐敗して、ガスの発生とともに強烈な悪臭を発生させるため、これを抑制すべく乾燥されるが、乾燥だけでは不十分である。卵殻と強く結合した卵殻膜を超音波処理で剥離したあと乾燥し、比重差を利用して風選にて卵殻膜を除去した卵殻の製造法も開発されているが(例えば、非特許文献2参照)、この方法は、超音波処理、攪拌、脱水、乾燥、裁断、風力分離などの工程が複雑であり、また粉の飛散防止のため微粒子化はできない。
また、鉱石から得られた炭酸カルシウムをフロアブル製剤とし、農業用遮光剤として利用する場合には、農業用フィルムにフロアブル製剤を散布して、フロアブル製剤中の炭酸カルシウムを同じくフロアブル製剤中に含まれる合成樹脂エマルジョンで農業用フィルムに付着させるが、使用する農業用フィルムによって、散布性や付着性が異なり、例えば、ポリプロピレンやF−クリン(商品名、旭硝子株式会社製のフッ素樹脂フィルム)などは水を弾くために上手く散布できない。このような事情から、ガラスを含めどの種類の農業用フィルムにも使用できる遮光剤の開発が望まれている。
更に、このように合成樹脂エマルジョンで付着させた炭酸カルシウムは、夏場の遮光が必要とされる期間を終えても除去し難いという欠点を有しており、遮光を要しない秋、冬、春の間の植物の生育の妨げとなっている。使用後に除去し易いように樹脂エマルジョンを改良する試みや、塩基性除去剤の開発もなされてはいるが(例えば、特許文献3及び4参照)、これらの手段を用いても十分効果的に固着された炭酸カルシウムを除去するのは困難であった。
鶏鳴新聞 2006年7月20日発行 ロボットメーション株式会社 資料No.29 超音波粉砕機により分離された卵殻と卵殻膜の再利用技術の開発 特表2001−524945号公報 特開2004−285091号公報 特開2001−521944号公報 特開2005−041985号公報
本発明は、このような従来の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、卵殻を利用したフロアブル製剤であって、悪臭が無く、肥料として用いた場合には、少量で優れた肥料効果を発揮し、遮光剤として用いた場合には、種々の農業用フィルムに対して良好な散布性、付着性を示すとともに、使用後の除去も容易であるものを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明によれば、以下のフロアブル製剤の製造方法、使用方法及び使用後の除去方法が提供される。
[1] 卵殻を粗粉砕後、得られた卵殻の粗粉砕物5〜60%に、水30〜95%を加えて湿式粉砕により平均粒径0.5〜10ミクロンに粉砕するとともに、前記湿式粉砕の前又は後に、界面活性剤0.1〜5%及び天然物質からなる増粘剤0.1〜10%(固形成分量)を加え、更に抗菌抗黴剤0.1〜5%を加えて安定フロアブル製剤とするフロアブル製剤の製造方法。
[2] 前記界面活性剤が、リグニンスルホン酸塩又はナフタレンスルホン酸塩とジアルキルスルホコハク酸塩との混合物である[1]に記載のフロアブル製剤の製造方法。
[3] 前記増粘剤が、でんぷん粉、アラビアゴム、でんぷん糊、粉末糊、キサンタンガム及びウエーラムガムからなる群より選ばれた少なくとも1種の天然物質である[1]又は[2]に記載のフロアブル製剤の製造方法。
[4] 前記抗菌抗黴剤が、2−メチルー4−イソティアゾリンー3−オン、1,2−ベンズイソチアゾリンー3−オン、過酸化水素水及び次亜塩素酸ソーダからなる群より選ばれた少なくとも1種の抗菌抗黴剤である[1]〜[3]の何れかに記載のフロアブル製剤の製造方法。
[5] [1]〜[4]の何れかに記載の方法により製造されたフロアブル製剤を、遮光剤として使用するフロアブル製剤の使用方法。
[6] [1]〜[4]の何れかに記載の方法により製造されたフロアブル製剤を、肥料として使用するフロアブル製剤の使用方法。
[7] [1]〜[4]の何れかに記載の方法により製造されたフロアブル製剤を、遮光剤として使用した後、前記フロアブル製剤を食酢を使用して除去するフロアブル製剤の除去方法。
本発明の製造方法によれば、産業廃棄物である卵殻から、遮光剤や肥料として使用可能なフロアブル製剤を得ることができる。そして、本発明の製造方法により得られたフロアブル製剤は、従来の遮光剤のように合成樹脂エマルジョンを使用せず、増粘剤として天然物質を使用しているため、遮光剤として使用した場合、遮光が必要な夏場等の期間だけ農業用フィルムに対する適度な付着性や耐雨性を保持し、当該期間経過後は、微生物による分解活動や風雨によって徐々に流れ落ち、また、必要であれば、食酢を散布することにより、いつでも完全に除去することができる。また、卵殻を湿式粉砕により微粒子化しているため、肥料として土壌処理に使用した場合、高い中和能力を示すとともに、植物に有効利用され易く、従来の粗粉砕された卵殻粉末からなる肥料(商品名:「活緑」)を使用した場合と比べ、固形成分として約50分の1相当量のフロアブル製剤を使用するだけで、植物の生育を著しく促進し、収量を増加させることができ、これにより著しく経済性を改良し、労働力を低減できる。更に、抗菌抗黴剤が所定量添加されていることにより、腐敗による不快臭やガスの発生が効果的に防止される。
以下、本発明を具体的な実施形態に基づき説明するが、本発明は、これに限定されて解釈されるもではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加え得るものである。
なお、本明細書中において、フロアブル製剤の製造に用いられる各構成成分の含有量(濃度)を示す「%」は、最終的に得られるフロアブル製剤に占める質量を基準とした各構成成分の比率である。
本発明のフロアブル製剤の製造方法においては、まず、卵殻を粗粉砕し、その後、得られた卵殻の粗粉砕物5〜60%、好ましくは10〜50%に、水30〜95%を加え、ミキサーやプルベライザーなどを使用して湿式粉砕する。この湿式粉砕は、卵殻の粗粉砕物の平均粒径が0.5〜10ミクロン、好ましくは1〜5ミクロンに粉砕されるまで行う。なお、粗粉砕された卵殻には、湿式粉砕され難い異物が含まれている場合があるが、そのような場合には、5〜30分間程度粉砕した後、未粉砕物を濾過により除去し、引き続き所定の平均粒径が得られるまで湿式粉砕を行うようにするのが好ましい。
また、本発明の製造法においては、この湿式粉砕の前又は後に、界面活性剤0.1〜5%及び天然物質からなる増粘剤0.1〜10%(固形成分量)を加え、更に抗菌抗黴剤0.1〜5%を加えて安定フロアブル製剤とする。
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシアルキレンアリールアリールエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエステル、ソルビタンアルキルエステル、ポリオキシアルキレンソルビタンアルキルエステル、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとのコポリマー、ポリオキシエチレンひまし油エーテル、POEアルキルエーテル、POEアリルフェニルエーテルホスフェートアミン塩等のノニオン界面活性剤、ポリオキシアルキレン系ノニオン界面活性剤の硫酸エステル塩やリンエステル及びその塩、アルキルサルフェート、アルキルベンゼンスルホン酸塩、高級アルコールの硫酸エステル塩、リグニンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸及びその縮合物の塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、ジオクチルスルホコハク酸塩、石鹸、硫酸化オレフィンの塩等のアニオン界面活性剤、アミノ酸型及びベタイン型界面活性剤、高級アルキルアミン塩、ポリオキシアルキレン高級アルキルアミン塩、イミダゾリン型、第4級アンモニウム塩型等のカチオン界面活性剤を挙げることができる。これらの界面活性剤は単独で使用してもよいし、2種以上を同時に使用してもよい。
特に、本発明の製造方法により得られるフロアブル製剤を遮光剤として用いる場合には、界面活性剤として、リグニンスルホン酸塩又はナフタレンスルホン酸塩とジアルキルスルホコハク酸塩との混合物を用いることが好ましい。このような界面活性剤を用いると、農業用フィルムとして使われている全ての種類のフィルムに対して、良好な濡れ性を付与し、フロアブル製剤の散布性や付着性を向上させて、卵殻微粒子を均一かつ効果的に付着させることができる。すなわち、このような界面活性剤を用いてフロアブル製剤を製造することにより、1つの製品でどのような農業用フィルムにも対応できる遮光剤が得られるので、利便性が大きい。
増粘剤としては、天然物の小麦粉、トウモロコシ粉、米粉、じゃがいも粉などのでんぷん粉、アラビアゴム、洗濯糊(永久糊)、粉末糊などのでんぷん糊、キサンタンガム、ウエーラムガムなどが好適なものとして挙げられ、固形分として0.1〜10%添加する。増粘剤は、フロアブル製剤の保存中に生じる卵殻粒子の沈降を防止し、液分離を防ぐとともに、遮光剤として用いる場合における農業用フィルムへの付着性を付与する役割を持つ。
増粘剤として、でんぷん粉を用いる場合は5〜7%を湿式粉砕前に加えることが好ましい。また、アラビアゴムを用いる場合は6〜8%を、洗濯糊又は粉末糊(例えば、株式会社永久糊製の商品名:「永久糊」又は「蛍光粉末糊」)を用いる場合は固形成分として1.5〜3%を、キサンタンガム又はウエーラムガムを用いる場合は0.1〜0.3%を、湿式粉砕後に加えることが好ましい。これらの増粘剤は単独で使用してもよいし、2種以上を同時に使用してもよい。
合成樹脂エマルジョンを使用せず、前記のような天然物質を増粘剤に用いて製造されたフロアブル製剤は、遮光剤として用いた場合に、夏場のような遮光を必要とする期間だけ卵殻微粒子の農業用フィルムに対する適度な付着性と耐雨性を保持し、前記期間経過後は微生物による分解活動や風雨によって徐々に流れ落ちる。また、必要に応じて、食酢などを散布することにより、いつでも完全に除去することができる。
抗菌抗黴剤としては、2−メチルー4−イソティアゾリンー3−オン、1,2−ベンズイソチアゾリンー3−オン、過酸化水素水、次亜塩素酸ソーダなどが好適なものとして挙げられ、0.1〜5%を添加する。これらの抗菌抗黴剤は単独で使用してもよいし、2種以上を同時に使用してもよい。
本発明のように主要成分として卵殻を使用し、また、増粘剤として天然物質を用いた場合、腐敗し易く、その腐敗により不快臭やガスが発生するが、前記のような抗菌抗黴剤を添加することにより、それを有効に防止することができる。特に、2−メチルー4−イソティアゾリンー3−オンと1,2−ベンズイソチアゾリンー3−オンの混合物であるActicide MBS(商品名、ソー・ジャパン株式会社製)を0.1〜2%添加した場合や、過酸化水素水を0.5〜3%添加した場合や、次亜鉛素酸ソーダを0.1〜1%添加した場合には、腐敗をほぼ完全に防止することができる。
本発明の製造方法においては、以上説明した構成成分の他、更に必要に応じて、消泡剤、凍結防止剤などを、前記湿式粉砕の前又は後に加えることができる。
消泡剤としては、シリコン系消泡剤が好ましい。具体的には、信越シリコーン社製のKM−71などが好適なものとして挙げられる。
凍結防止剤としては、プロピレングリコール、イソプロピレングリコール、イソブチレングリコール又はそれらの誘導体などを好適に用いることができる。
本発明の製造方法により得られるフロアブル製剤は、ガラス温室、プラスチックハウス、農業用フィルムを利用したトンネルなどの遮光剤として利用することができる。従来の遮光剤において遮光剤が除去され難い原因となっていた合成樹脂エマルジョンを使用することなく、天然物質からなる増粘剤を利用することにより、フロアブル剤の保存中に生じる沈降を防止し、更に必要な間だけ適度な付着性、耐雨性を保持することができる。天然物質からなる増粘剤は、微生物や風雨により徐々に付着性が低下し、一定期間を過ぎると卵殻微粒子は徐々に流れ落ちる。また、必要に応じて、食酢などを散布することにより完全に卵殻微粒子を除去することができる。また、適切な界面活性剤の使用により、ガラスを含む様々な種類の農業用フィルムに均一に散布できる。なお、遮光剤の除去に用いる食酢の種類は特に制限されるものではなく、例えば、株式会社ミツカン製のミツカン酢などが好適に使用できる。
また、本発明の製造方法により得られるフロアブル製剤は、農業用肥料として使用することもできる。水に不溶な卵殻を0.5〜10ミクロンの微粒子に湿式粉砕して安定したフロアブル製剤としたことにより、効率的に酸性化した土壌の中和を行い、また、植物へのカルシウムの吸収を促し、植物の健全生育を促進する。このため、従来の粗粉砕された卵殻粒子からなる肥料(商品名:「活緑」)を使用した場合と比べ、固形成分として約50分の1相当量の施用量で、植物の生育を著しく促進し、収量を増加させることができ、これにより施用量と労働力を大幅に低減できる。施用量は製剤の濃度と処理方法により異なるが、10アール当たり卵殻固形分として0.05〜10kg、好ましくは0.1〜5kgを施用する。本発明の製造方法により得られるフロアブル製剤を用いた肥料は、種子処理、種芋処理、苗箱の処理、苗移植時の株元処理、潅水時の混合処理、生育期処理又はこれらの組み合わせ処理などに使用できる。
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(フロアブル製剤の製造)
バッチ式レデーミルRMB−C8(AIMEX社製)に表1〜3に示した所定量の卵殻、界面活性剤、消泡剤及び水、並びにセラミックビーズ(直径:1.25〜1.6mm)230mlを加え、水で冷却しながら、2000rpmで10〜30分間湿式粉砕した後、ろ過してセラミックビーズを取り除いた。このろ液に表1〜3に示した所定量の増粘剤、抗菌抗黴剤を加え、実施例1〜16並びに比較例1及び2のフロアブル製剤を得た。ただし、増粘剤にでんぷん粉(小麦粉)を用いたものについては、湿式粉砕前に加えた。
なお、表中において、永久糊と粉末糊は株式会社永久糊製の市販品である。アクロナールはBASF社製の合成樹脂である。ウホキサン3AはBASF社製のリグニンスルホン酸Na、ニューカルゲンWG2は竹本油脂株式会社製のナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物Na、ニューカルゲンD1109は同じく竹本油脂株式会社製のPOEアルキルエーテル、ニューカルゲンSX−Cは同じく竹本油脂株式会社製のアルキルベンゼンスルホン酸Na、ニューカルゲンLX−Cは同じく竹本油脂株式会社製のアルキルサルフェート、ニューカルゲンEX70は同じく竹本油脂株式会社製のジオクチルスルホコハク酸Naである。Acticide MBSはソー・ジャパン株式会社製の2−メチルー4−イソティアゾリンー3−オンと1,2−ベンズイソチアゾリンー3−オンの混合物からなる抗菌抗黴剤である。KM−72は信越シリコーン社製の消泡剤である。
Figure 2008137900
Figure 2008137900
Figure 2008137900
(濡れ性テスト)
前記のようにして得られたフロアブル製剤の内、実施例8及び10並びに比較例2のフロアブル製剤と、市販品の遮光剤であるマルデンクロー社製のレデイソルエキストラ(比較例3)及びアキレス社製のファインシェード(比較例4)とを6倍、10倍又は20倍に希釈した後、各種の農業用フィルムに散布して濡れ性をテストし、その結果を表4に示した。濡れ性は、目視により次の5段階で評価した。
1:濡れ性なし
2:濡れ性少し有り
3:濡れ性あるが不十分
4:濡れ性有りほぼ十分
5:濡れ性に優れる
なお、表中のF、P、V、S、Gは、それぞれフロアブル製剤が散布されたフィルムの種類であり、FはF−クリン、Pはポリプロピレン、Vはビニール、Sはシックスライト(商品名、太洋興業社製のPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム)、Gはガラスを示している。
Figure 2008137900
表4に示す結果のとおり、本発明の製造方法によって製造された実施例8及び10のフロアブル製剤は、水を弾く性質を有するF−クリン及びシックスライトを含め、どのフィルムに対しても十分な濡れ性を示した。これに対し、本発明の製造方法とは異なる方法で製造された比較例2のフロアブル製剤は、F−クリンに対する濡れ性が不十分であった。また、市販品の比較例3及び4は、いずれのフィルムに対しても濡れ性が不十分であった。
(遮光性テスト)
実施例1、3及び7〜12のフロアブル製剤と、市販品の遮光剤であるアキレス社製のファインシェード(比較例4)とを6倍又は11倍に希釈して、各種農業用フィルムに散布し、乾燥後、透光率を求め、その結果を表5に示した。散布は、各フィルムにつき4枚ずつ行い、それら4枚の透光率から平均の透光率を求めた。透光率は、30cm四角の暗箱の天井の中央に直径10cmの穴を開け、その上に被試験体(フロアブル製剤が散布されたフィルム)を置き、長さ30cmの円筒状の光源を被せ、暗箱の底に置いた照度計で透過光の照度を測定し、その値を無処理のフィルムの透過光の照度で割るという方法で求めた。なお、表中のF、P、V、S、Gの意味は前述のとおりである。
Figure 2008137900
表5に示す結果のとおり、本発明の製造方法によって製造された実施例1、3及び7〜12のフロアブル製剤は、11倍に希釈して散布した場合においても、市販品の遮光剤である比較例4を6倍に希釈して散布した場合と同等以上の遮光性を示した。
(耐雨性テスト)
実施例1、3及び11〜13のフロアブル製剤と、市販品の遮光剤であるマルデンクロー社製のレデイソルエキストラ(比較例3)とを6倍又は11倍に希釈して、各種農業用フィルムに散布した後、室温で乾燥させた前記フィルムを地面に対し45度に傾けた板の上に固定し、1分間に750mlの降雨量で人工的に2分間降雨させた。その後、フィルムを乾燥させ、前記遮光性テストと同様にして透光率を求め、その結果を降雨前に求めた透光率とともに表6に示した。なお、表中の透光率は4回テストを行って得られた値の平均値である。また、表中のF、P、V、S、Gの意味は前述のとおりである。
Figure 2008137900
表6に示す結果のとおり、市販品の遮光剤である比較例3を散布したフィルムについては降雨前の透光率に対する降雨後の透光率の上昇はほとんど見られなかった。これに対し、本発明の製造方法によって製造された実施例1、3及び11〜13のフロアブル製剤を散布したフィルムについては、降雨前の透光率に対する降雨後の透光率の上昇がわずかながら見られるが、遮光剤として利用可能な適度の耐雨性を有していることが確認された。
(除去テスト)
前記耐雨性テストに使用したフィルムの内、実施例1、11のフロアブル製剤を、11倍に希釈して散布したものについて、耐雨性テスト後乾燥させた。その後、フィルムからフロアブル製剤を除去するための除去剤として、食酢(株式会社ミツカン製のミツカン酢を2倍に希釈したもの)と特許文献4(特開2005−041985号公報)に開示された塩基性除去剤とを、それぞれフィルム上に散布し、2分後に水で洗い落としてから乾燥させた。こうして乾燥させた除去剤散布後のフィルムについて、前記遮光性テストと同様にして透光率を求め、その結果を除去剤散布前に求めた透光率とともに表7に示した。なお、表中の透光率は2回テストを行って得られた値の平均値である。また、表中のF、P、V、S、Gの意味は前述のとおりである。
Figure 2008137900
表7に示す結果のとおり、食酢はどの種類のフィルムに付着させたフロアブル製剤に対しても優れた除去効果を示しており、本発明の製造方法により得られたフロアブル製剤の使用後の除去に有効なものであることが確認された。一方、特許文献4に開示された塩基性除去剤は、フィルムの種類によっては、あまり除去効果が見られない結果となった。
(肥料効果テスト)
本発明の製造方法により得られたフロアブル製剤を肥料として用いた場合の植物に対する肥料効果を調べるため、実施例13のフロアブル製剤と、卵殻を粗粉砕した卵殻粉末(平均粒径は数mmで、市販の「活緑」相当)と、苦土石灰とで肥料効果テストを実施した。テスト方法は、プランタの中に10Lの土を入れて、元肥として化成肥料(追肥3号8gとサングアノ8g)を均一に混ぜた後、それぞれのプランタに小松菜又はほうれん草の種子を10株播いた(1穴あたり2粒播き、発芽後間引きした)。実施例13のフロアブル製剤については、40%フロアブルを133倍に希釈した液を、100ml/土10L(卵殻カルシウム含有量:0.15g/土10L/プランタ)の割合で灌注した。卵殻粉末については、16g/土10L(卵殻カルシウム含有量:8g/土10L/プランタ)で、また、苦土石灰については、8g/土10L(CaCO換算含有量:3.2g/土10L/プランタ)の割合で混和処理した。小松菜は播種から37日後に、ほうれん草は播種から49日後に、生育及び収量を調査し、1プランタ内の1株当たりの平均重量と平均葉長とカルシウム含有量とを求めた。テストはそれぞれ2反復行い、その結果を表8(小松菜を播種した場合の結果)及び表9(ほうれん草を播種した場合の結果)に示した。
Figure 2008137900
Figure 2008137900
表8及び9に示す結果のとおり、実施例13のフロアブル製剤は、卵殻カルシウム換算の施用量が、「活緑」相当の卵殻粉末の約50分の1でも、より高い生育促進効果と収量増を示し、特にカルシウム含有量を著しく増大させた。また、慣行区の苦土石灰処理区に比べても、著しい増収効果を示した。
本発明は、農業用の遮光剤や肥料に好適なフロアブル製剤の製造方法、使用方法及び使用後の除去方法として利用することができる。

Claims (7)

  1. 卵殻を粗粉砕後、得られた卵殻の粗粉砕物5〜60%に、水30〜95%を加えて湿式粉砕により平均粒径0.5〜10ミクロンに粉砕するとともに、前記湿式粉砕の前又は後に、界面活性剤0.1〜5%及び天然物質からなる増粘剤0.1〜10%(固形成分量)を加え、更に抗菌抗黴剤0.1〜5%を加えて安定フロアブル製剤とするフロアブル製剤の製造方法。
  2. 前記界面活性剤が、リグニンスルホン酸塩又はナフタレンスルホン酸塩とジアルキルスルホコハク酸塩との混合物である請求項1に記載のフロアブル製剤の製造方法。
  3. 前記増粘剤が、でんぷん粉、アラビアゴム、でんぷん糊、粉末糊、キサンタンガム及びウエーラムガムからなる群より選ばれた少なくとも1種の天然物質である請求項1又は2に記載のフロアブル製剤の製造方法。
  4. 前記抗菌抗黴剤が、2−メチルー4−イソティアゾリンー3−オン、1,2−ベンズイソチアゾリンー3−オン、過酸化水素水及び次亜塩素酸ソーダからなる群より選ばれた少なくとも1種の抗菌抗黴剤である請求項1〜3の何れか一項に記載のフロアブル製剤の製造方法。
  5. 請求項1〜4の何れか一項に記載の方法により製造されたフロアブル製剤を、遮光剤として使用するフロアブル製剤の使用方法。
  6. 請求項1〜4の何れか一項に記載の方法により製造されたフロアブル製剤を、肥料として使用するフロアブル製剤の使用方法。
  7. 請求項1〜4の何れか一項に記載の方法により製造されたフロアブル製剤を、遮光剤として使用した後、前記フロアブル製剤を食酢を使用して除去するフロアブル製剤の除去方法。
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