JP2023096504A - アワビの陸上養殖装置とアワビの陸上養殖方法 - Google Patents

アワビの陸上養殖装置とアワビの陸上養殖方法 Download PDF

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Abstract

【課題】アワビを死滅させることなく安定して効率よく生育させながら、自然環境を有効に利用する極めて簡単な構造で、ランニングコストを低減しながらアワビを養殖する。【解決手段】アワビの陸上養殖装置は、養殖槽1と、養殖槽1に海水を補給する海水の供給機構2とを備える。供給機構2は、地下海水20を吸入する地中に垂直に埋設された埋設管21と、埋設管21の水面下に沈設された水中ポンプ25とを備え、水中ポンプ25が地中で濾過された地下海水20を吸入して養殖槽1に供給している。【選択図】図1

Description

本発明はアワビの陸上養殖装置とアワビの陸上養殖方法に関し、とくに天然の海水を汲み上げて養殖槽に供給してアワビを養殖する陸上養殖装置と陸上養殖方法に関する。
アワビの陸上養殖は、アワビの好ましい生育環境を実現し、さらにランニングコストを低減することが特に大切である。高品質のアワビを低コストに提供して高い経済効果を実現できるからである。陸上養殖において、養殖槽に人工海水に代わって、天然の海水を使用することは、真水を海水とするための添加物を使用する必要がなく、ランニングコストを低減できる。この方式の陸上養殖は、陸上に設置するポンプで天然の海水を吸入して養殖槽に供給している(特許文献1参照)。
特許文献1の陸上養殖装置は、海面から海水を陸上ポンプで吸入して養殖槽に供給している。この方式は、干満で海面が上下に移動しても、常に海面から海水を吸入して養殖槽に供給できる。しかしながら、この構造は、海面に浮遊する浮体の上下動で吸入側を変形させる必要があるので、吸入側に可撓性のホースを使用する必要がある。可撓性のホースは毎日の干満で変形するので、長期間にわたって優れた耐久性を実現することが難しく、また、海面が波浪で激しく上下に移動する場所では使用できず、陸上養殖装置の設置場所が限定される弊害がある。
特開2019-208373号公報
以上の弊害を防止するために、現実に使用されている陸上養殖装置は、海底と陸上の両方に濾過装置を設けて、両方の濾過装置で濾過した海水をポンプで吸入して養殖槽に供給している。この構造の陸上養殖装置は、海底には比較的大きな異物を濾過する濾過装置を設け、陸上には微細な異物を濾過する砂濾過等の濾過装置を設けて、海底と陸上の両方の濾過装置で海水を濾過した海水をポンプで吸入して養殖槽に供給している。この構造の陸上養殖装置は、安定して天然海水を養殖槽に供給できるが、アワビが一時に多量死滅する現象が発生することがある。本発明者は、極めて清澄な天然海水を養殖槽に供給するにもかかわらず、アワビが多量死滅する原因を究明できず、種々の試行錯誤を繰り返してその原因を究明した。原因究明のために、海水の酸素濃度、海水温度、異物検査、pH等を測定したが、原因は究明できず、死滅したアワビの状態を観察した。その結果、死滅したアワビは、正常なアワビの表面にあるヌメリが消失しているという共通する状態を見いだした。その後、ヌメリが消失する原因を究明するために、さらに種々の実験を繰り返した結果、吸入側の圧力が低下したポンプのキャビテーションが原因で発生するOHラジカルが原因であることを究明した。すなわち、吸入側の圧力が低下してポンプがキャビテーションを起こすと、キャビテー内では水分子、溶存気体分子、揮発性化合物が存在し、これらが高温高圧のもとで熱分解し、水分子がOHラジカルとHラジカルに分解され、これらが有機物であるアワビ表面のヌメリを酸化分解して、アワビを死滅させることを見いだした。
本発明は、従来のアワビの陸上養殖における欠点を解消することに成功したもので、その目的は、アワビを死滅させることなく安定して効率よく生育させながら、自然環境を有効に利用する極めて簡単な構造で、ランニングコストを低減しながらアワビを養殖できる陸上養殖装置と陸上養殖方法を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明のある態様に係るアワビの陸上養殖装置は、養殖槽と、養殖槽に海水を補給する海水の供給機構とを備えるアワビの陸上養殖装置であって、供給機構が、地下海水を吸入する地中に垂直に埋設された埋設管と、埋設管の水面下に沈設された水中ポンプとを備え、水中ポンプが地中で濾過された地下海水を吸入して養殖槽に供給している。
以上のアワビの陸上養殖装置は、天然の海水を使用してアワビを死滅させることなく安定して効率よく生育でき、さらに地中の土砂を海水の濾過に有効利用する極めて簡単な構造として、設備コストとランニングコストを低減しながらアワビを快適な生育環境で生育できる特長がある。それは、以上の陸上養殖装置が、養殖槽に供給する海水を、従来の陸上養殖装置のように海から吸入するのではなく、海から地中に浸透して、地中で透過され、温度調整されて清澄となった地下海水を、地中に埋設した埋設管内に流入し、埋設管に流入した地下海水を水面下に沈設している水中ポンプで吸入して養殖槽に供給するからである。海から地中に浸透する海水は、土砂で濾過されて地下海水となるが、この地下海水は、極めて広い領域の土砂を透過して濾過されるので極めて清澄な海水となる。さらに、地下海水は、地中に浸透して地下海水となるので一年を通じて水温の変化が少なく、とくに夏期における水温の上昇が少なく、アワビの養殖に極めて好都合である。それは、アワビが急激な水温の上昇に弱く、また水温が20℃を超えると水質管理が困難となるなどによりアワビが死滅するので、養殖槽の水温を一定に保持することが極めて大切だからである。
このことを実現するために、特許文献1の陸上養殖装置では、養殖槽の海水を冷却して一定に保持するために熱交換器を使用し、この熱交換器を地下水で冷却する構造とする。地下海水を直接に養殖槽に供給する本発明の陸上養殖装置は、熱交換器を介して地下水で養殖槽の海水を冷却する構造に比較すると、熱交換器を必要としないことで構造を簡単にして設備コストを著しく低減でき、しかも極めて効率よく養殖槽の海水温度の上昇を抑制できる特長も実現する。さらに、以上の陸上養殖装置は、地中に埋設管を埋設して、ここに流入する地下海水を水中ポンプで吸入して養殖槽に供給するので、ポンプの吸入揚程が高くなって発生するキャビテーションに起因する海水中のOHラジカルによるアワビの死滅を解消して、アワビを快適な生育環境で効率よく成長できる特長も実現する。さらに、埋設管に流入する地下海水を吸入して養殖槽に供給する水中ポンプは、地下海水に沈設されて海水を吸入して養殖槽に供給するので、ポンプの効率が極めて高く、消費電力を小さくしながら、効率よく地下海水を養殖槽に供給してランニングコストを低減できる特長も実現する。
本発明の他の実施態様のアワビの陸上養殖装置は、埋設管が、地中に垂直に埋設されてなる筒状のケーシングと、ケーシングの内部に、ケーシング内面との間に隙間を設けて配置してなる配水パイプとを備えており、ケーシングの下端を配水パイプの下端よりも地中に深く埋設して、水中ポンプをケーシングの地下海水に沈設して、水中ポンプの吐出側を配水パイプに連結している。
以上の陸上養殖装置は、ケーシングに流入する地下海水を水中ポンプが吸入して、配水パイプを介して養殖槽に供給するので、ケーシングに流入する地下海水を水中ポンプが吸入して配水パイプを介して養殖槽に供給できる特長がある。
本発明の他の実施態様のアワビの陸上養殖装置は、ケーシングの上端を大気に開放して、水中ポンプとケーシングとの間に地下海水の通過隙間を設けている。
以上の陸上養殖装置は、水中ポンプの吸入側の揚程を変動させることなく、常に最低の吸入揚程で地下海水を吸入して効率よく配水パイプを介して養殖槽に供給できる特長がある。
本発明の他の実施態様のアワビの陸上養殖装置は、水中ポンプを、モーターの回転数を調整して流量を調整できる流量調整ポンプとしている。
以上の陸上養殖装置は、水中ポンプを流量調整ポンプとすることで、地下海水を吸収して養殖槽に供給する流量を最適にコントロールできる。
本発明の他の実施態様のアワビの陸上養殖装置は、ケーシングの液面レベルを検出するレベルセンサと、レベルセンサが検出する液面レベルで、流量調整ポンプの流量を調整して液面レベルを設定範囲に制御する制御回路とを備えている。
以上の陸上養殖装置は、レベルセンサの検出レベルで水中ポンプのモーターの回転数を制御して、ケーシング内の液面レベルを設定範囲にコントロールできる。
本発明の他の実施態様のアワビの陸上養殖装置は、さらに、養殖槽に連結されてなるスジアオノリの生育槽を備え、養殖槽と生育槽とを海水の循環路を介して連結し、養殖槽の海水を生育槽に、生育槽の海水を養殖槽に循環させている。このアワビの陸上養殖装置は、生育槽のスジアオノリが、養殖槽から供給される海水に含まれるアワビの排出物を肥料として生育しながら海水を浄化して、海水中の二酸化炭素を吸収して酸素を放出し、養殖槽が、生育槽のスジアオノリで浄化され、かつ、酸素濃度が向上した海水でアワビを養殖する。
以上の陸上養殖装置は、生育槽に生育して繁殖するスジアオノリが、アワビの排出物である有機物を肥料として吸収して海水を浄化できる。海水中のスジアオノリは、アワビの排出有機物を肥料として吸収して成長する。成長するスジアオノリは光合成して二酸化炭素を吸収して酸素を放出して海水に供給する。スジアオノリでアワビによる有機物濃度が低下して浄化され、かつ、酸素濃度が向上した海水は、アワビの生息に快適な状態を提供できる。また、スジアオノリの光合成による酸素供給は、停電などにより養殖槽への機械的な酸素供給が停止された場合にも、必要に応じてLEDなどで光合成を促すことで、停電復旧まで継続して酸素を供給でき、アワビが酸欠に陥ることを防止できる。さらに、スジアオノリは海水の浄化に理想的な形態をしているので、効率よく海水を浄化し、しかも増殖したスジアオノリは、極めて高額で商品価値の高い海藻として、アワビに加えて追加の商品として販売できるという、極めて高い経済効果がある。それは、スジアオノリが、アオサのように平面状の海藻ではなく、無数の細い筋が放射状に連結された形状であって、さらに筋の表面には無数の微細な毛根状の凹凸があるので、海水との接触面積が極めて大きいからある。また、海水中では細長い筋がユラユラと揺動して海水と相対運動するからである。海水との接触面積が大きく、しかも海水との相対運動の大きいスジアオノリは、アワビの排出物である有機物を効率よく吸収して生育し、さらに海水中に効率よく酸素を放出して海水を浄化する。さらに、以上の装置は、スジアオノリを使用することで、アオサと異なり、立体的飼育が可能で、水槽内の空間を効率的に利用でき、小スペースでの生産力を向上できる利点もある。アオサが水槽の底面や壁面の平面に付着して成長する平面状の海藻であるのに対し、スジアオノリは底面や壁面に付着することなく浮遊飼育することで立体的に水槽を有効利用でき、単位容積当たりの生産量を増加させ、小スペース化にも資するからである。
以上の特長に加えて、生育して繁殖したスジアオノリが、生育槽から取り出して高価な製品として販売できることが、養殖経営において極めて高い経済効果を実現する。スジアオノリは淡水と海水が混じり合う汽水~海水でみられ、上品な磯の香りと溶けるような口当たりが特徴で、2016年以来収穫量が激減し、高級品として取り扱われている。これに対し、アオサは、香り風味が劣り、葉が厚く食感も口に残り、例えばお好み焼きなどに使用される。スジアオノリは、アオサに対して、約10倍近い高額な販売価格で販売されている。また、スジアオノリは養殖しているアワビよりも短期間で繁殖するので、アワビよりも頻繁に採集して販売できることも高い経済効果を実現する。アワビの養殖は、販売できる大きさに成長するまでの期間が長く、短期間では商品化できない。アワビの養殖では、養殖を開始して1年ないし3年は商品として出荷できないので、この間のキャシュフローが極めて難しく、このことは養殖産業の経営を難しくする原因となる。水温管理が可能な陸上養殖において、短期間で繁殖するスジアオノリは成長期間が短く、アワビが成長するまでの間に何回も高額な商品として販売できるので、アワビが成長するまでの間に、スジアオノリを販売できることは、好ましいキャシュフローの実現に最適である。さらに好ましいことに、生育槽で繁殖するスジアオノリは、アワビの排出物を肥料として成長するので、陸上繁殖しながらスジアオノリの生産コストを著しく低減できる。このことは、スジアオノリの販売価格が高額なこととの相乗効果で極めて高い経済効果を実現する。
本発明の他の実施態様のアワビの陸上養殖装置は、さらに、海水中の排出物の一部を泡沫で分離する泡沫分離槽を備え、泡沫分離槽が、泡沫分離槽の海水中に気泡を供給するバブリング器と、バブリング器に空気を供給する空気ポンプとを備えている。
以上の陸上養殖装置は、泡沫分離槽のバブリングにより上昇する気泡で養殖槽からの海水中に浮遊しているアワビの排出物を均等に分散できる。均等に分散されたアワビの排出物が肥料として生育槽全体に供給されてスジアオノリが効率良く繁殖して海水を浄化できる。また、泡沫分離槽はアワビの排出物を液面に浮上させて、排出物の一部を除去廃棄できる。養殖槽において高い密度でアワビが養殖され、アワビの排出物による海水の汚れが甚だしく、浄化が十分でないと病気による弊害を招き、安定的な養殖を阻害する。そこで生育槽のスジアオノリによる海水の浄化に加えて、泡沫分離槽でさらに海水を浄化でき、効率よく安定的な養殖を実現できる。また、小型の泡沫分離槽で海水の浄化に寄与できることは、陸上養殖装置全体の小スペース化につながり養殖の効率化及びコスト低減に資する。
本発明の他の実施態様のアワビの陸上養殖装置は、生育槽が、生育槽の海水を浮上する気泡で攪拌する攪拌機構を備え、攪拌機構が、生育槽の海水中に気泡を供給する排気口を開口してなる放出器と、放出器に空気を供給するブロワーとを備えている。
以上の陸上養殖装置は、生育槽の海水中において、スジアオノリの絡まりと、攪拌機構への付着を抑制して、海水にスジアオノリを均一に分散し、さらに海水を攪拌して、スジアオノリと海水とを相対運動させて、スジアオノリでもって極めて効率よく海水を浄化できる特長がある。それは、海水中を浮上する気泡が、生育槽の海水を攪拌するからである。
本発明の他の実施態様のアワビの陸上養殖装置は、攪拌機構の放出器に開口する排気口の開口面積が10mm以上である。
以上の陸上養殖装置は、生育槽に気泡を供給する放出器が、攪拌機構の排気口から大きな気泡を海水中に放出できる。大きな気泡は浮力が大きく、海水中を速やかに浮上して、生育槽の海水を効率よく攪拌する。大粒の気泡で効率よく攪拌される海水は、浮遊するスジアオノリを絡ませることなく、海水中に均一に分散でき、さらに気泡で効果的に攪拌される海水は、スジアオノリと接触状態が向上して、効率よく海水を浄化する。このことは、生育槽のスジアオノリの生育と海水の浄化に極めて大切である。それは、スジアオノリは、海水との接触面積が大きい特長はあるが、無数の筋状の海藻が放射状に連結された形態が極めて絡まりやすく、また、スジアオノリは海水中では岩などに付着して成長することから、生育槽で接触物に付着しやすい特性かあるからである。さらに、以上の装置は、放出器の排気口の開口面積を大きくして、空気をスムーズに通過できる構造とするので、放出器の圧力損失が小さく、ブロワーの排出圧力を低くして多量の気泡を海水中に供給して、消費電力の小さいブロワーで効率よく生育槽の海水を浄化できる。
本発明の他の実施態様のアワビの陸上養殖装置は、攪拌機構の放出器に開口する排気口の開口面積が100mm以上である。
以上の陸上養殖装置は、さらに大きな気泡を海水中に放出して、生育槽の海水をさらに効率よく攪拌して、浮遊するスジアオノリを絡ませることなく海水中に分散し、海水とスジアオノリと接触状態をさらに向上して、海水をより効果的に浄化できる。さらに、以上の装置は、放出器の排気口をさらに大きく開口して、空気をよりスムーズに通過して、放出器の圧力損失を小さできる。このため、放出器に空気を供給するブロワーで効率よく多量の空気を送風して大きな気泡を無数に海水中に供給して、効率よく生育槽の海水を攪拌してスジアオノリで有効に浄化できる。
本発明の他の実施態様のアワビの陸上養殖装置は、攪拌機構が、ブロワーを放出器に連結してなる空気の搬送パイプを有し、搬送パイプの開口された先端を放出器の排気口としている。
以上の陸上養殖装置は、搬送パイプの先端から空気を排気して生育槽の海水に大きな気泡を供給するので、生育槽の海水を大きな気泡で効率よく攪拌して速やかに浄化しながら、放出器にスジアオノリが付着するのを防止できる特長がある。生育槽は、複数の排気口を設けている放出器を配置すると表面にスジアオノリが付着して、付着するスジアオノリによる海水の浄化作用が低下する。表面に付着するスジアオノリは、平面状に配置されるので、海水中を遊泳するスジアオノリに比較して、海水との接触効果が低下して、海水の浄化作用が低下するからである。
本発明の他の実施態様のアワビの陸上養殖装置は、搬送パイプが、内径を13mmφ~21mmφとする水道配管用のプラスチックパイプである。
以上の陸上養殖装置は、塩ビパイプ(硬質ポリ塩化ビニル管)やポリエチレンパイプなどの水道用のプラスチックパイプを使用して攪拌機構を制作できるので、プラスチックパイプを所定の長さに切断し、エルボやチーズなどの市販部品を使用して攪拌機構を最適形状とし、さらに、プラスチックパイプの先端から、あるいはプラスチックパイプに連結している、エルボやチーズの開口部から海水中に空気を排出して大きな気泡を供給して、海水を効率よく攪拌してスジアオノリで浄化でき、さらに製造コストと加工手間を低減して、海水を効率よく攪拌できる攪拌機構を安価に制作できる特長がある。
本発明の他の実施態様のアワビの陸上養殖装置は、養殖槽が海水に酸素を補給するエアレーション機構を備えている。エアレーション機構は、養殖槽の海水中に微細気泡を噴射する無数の噴射開口を有する噴出器と、噴出器に加圧空気を供給する空気ポンプとを備え、噴出器が、攪拌機構の放出器が海水中に噴出する気泡よりも微細な気泡を噴出する。
以上の陸上養殖装置は、養殖槽には微細な気泡を噴出し、空気をエアレーションして海水中の酸素濃度を高くして、アワビを養殖できる。
本発明のある態様に係るアワビの陸上養殖方法は、陸上に設置してなる養殖槽に供給機構で海水を供給してアワビを養殖するアワビの陸上養殖方法であって、地下海水を吸入する地中に垂直にケーシングを埋設し、ケーシングに、ケーシングの内径よりも小さい外径の配水パイプを吐出側に連結してなる水中ポンプを挿入して、ケーシングの地下海水中に水中ポンプを配置し、水中ポンプでもって、地中からケーシング内に流入する海水を汲み上げて配水パイプを介して養殖槽に供給する。
以上のアワビの陸上養殖方法は、天然の海水を使用してアワビを死滅させることなく安定して効率よく生育させながら、自然環境を有効に利用する極めて簡単な構造で、ランニングコストを低減してアワビを養殖できる。
本発明の他の実施態様のアワビの陸上養殖方法は、養殖槽にスジアオノリの生育槽を連結し、養殖槽の海水をスジアオノリの生育槽に循環して、生育槽でスジアオノリを生育させると共に、生育槽の海水を、浮上する気泡で攪拌してスジアオノリを海水中で分散し、海水中に分散されたスジアオノリを、養殖槽から供給される海水に含まれるアワビの排出物を肥料として生育させ、スジアオノリで海水中の二酸化炭素を吸収して酸素を供給して浄化し、生育槽で浄化した海水を養殖槽に供給する。
以上の陸上養殖方法は、生育槽に生育するスジアオノリでもって、アワビから排出される有機物を吸収して浄化する。海水中のスジアオノリは、アワビの排出有機物を肥料として吸収して成長する。成長するスジアオノリは光合成して二酸化炭素を吸収して酸素を放出して海水に供給する。スジアオノリでアワビの有機物濃度が低下して酸素濃度が向上した海水は、アワビの生息に快適な状態に浄化される。とくに、スジアオノリはアオサなどに比較して海水との接触面積が極めて大きいことに加えて、筋状の海藻が海水中でユラユラと揺動して海水と相対運動する。海水との接触面積が大きく、しかも海水と相対運動するスジアオノリは、海水中の有機物を効率よく吸収して生育し、さらに海水中に効率よく酸素を放出して効果的に海水を浄化する。生育して繁殖したスジアオノリは、生育槽から取り出して高価な製品として販売できる特長もある。さらに、生育槽で生育するスジアオノリは、肥料を供給することなく繁殖できるので、スジアオノリの製造コストを著しく低減しながら、商品価値の高いスジアオノリを多量に生産できる特長も実現する。
本発明の一実施形態に係るアワビの陸上養殖装置を示す概略構成図である。 本発明の一実施形態に係るアワビの陸上養殖装置を示す概略斜視図である。 アワビの陸上養殖装置の養殖槽を示す概略垂直断面図である。 アワビの陸上養殖装置の供給機構を示す拡大断面図である。 アワビの陸上養殖装置の泡沫分離槽を示す概略垂直断面図である。 アワビの陸上養殖装置の生育槽を示す概略水平断面図である。 アワビの陸上養殖装置の生育槽を示す概略垂直断面図である。
以下、図面に基づいて本発明を詳細に説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、及びそれらの用語を含む別の用語)を用いるが、それらの用語の使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が制限されるものではない。また、複数の図面に表れる同一符号の部分は同一もしくは同等の部分又は部材を示す。
さらに以下に示す実施形態は、本発明の技術思想の具体例を示すものであって、本発明を以下に限定するものではない。また、以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、例示することを意図したものである。また、一の実施の形態、実施例において説明する内容は、他の実施の形態、実施例にも適用可能である。また、図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張していることがある。
(実施の形態1)
本発明のアワビの陸上養殖装置は、陸上に設置されてアワビを養殖する。図1の陸上養殖装置100は、アワビの養殖槽1と、この養殖槽1に海水を供給する供給機構2とを備えている。さらに、図1に示すアワビの陸上養殖装置100は、養殖槽1に連結されて養殖槽1の海水を浄化する浄化部3と、養殖槽1と浄化部3に海水を循環するポンプ7とを備えている。
(養殖槽1)
図1及び図2に示す養殖槽1は、アワビを養殖する水槽10である。養殖槽1は、上方を開口している箱形で、アワビの養殖槽1は、好ましくは上方開口部を細長い長方形、ないしは両端の周壁をアーチ状に湾曲している上方開口の細長い箱形である。
図3の養殖槽1は、海水に酸素を供給するエアレーション機構11を備えている。図3に示すエアレーション機構11は、養殖槽1の海水中に微細気泡を噴射する無数の噴射開口12aを有する噴出器12と、噴出器12に加圧空気を供給する空気ポンプ13とを備える。エアレーション機構11は、気泡を小さくすることで、海水との接触面積を大きくして酸素を効率よく海水に補給し、さらに、微細な気泡として浮上速度を遅くして、海水中の滞在時間を長くして、海水との接触時間を長くして酸素を効率よく海水に補給する。噴出器12は、海水中に放出する気泡を小さくするために、微細な空隙から空気を海水中に噴出して微細な気泡とする。噴出器12は、好ましくは気泡をナノバブルとして海水中に噴出する。エアレーション機構11は海水に酸素を補給することを目的として養殖槽1に設けられるので、できる限り微細な気泡の状態で海水中に噴出する。噴出された気泡は、海水中を浮上するが、できる限り浮上速度を遅くして、停滞時間を長くしているので、エアレーションによる海水の攪拌は局所的に限られ、養殖槽1全体の海水が均一に攪拌されることはない。とくに、アワビは魚のように遊泳して多くのエネルギーを消費することがないので、エアレーションによる酸素の補給量は、魚の養殖槽1のようには要求されない。エアレーションによる酸素補給を少なくできることから、アワビの養殖槽1は気泡による海水の攪拌はさらに少なくできる。
図2及び図3に示すように、養殖槽1でアワビを養殖する場合、複数の棚19を設けることで養殖槽1内の立体的空間を効率よく利用できる。複数の棚19を設けて棚19にアワビを付着させて養殖できるからである。棚19は、水槽10に対して垂直方向または水平方向、あるいは斜め方向などに間隔をもって複数設置できる。棚19の枚数及び間隔はアワビの量、生育状況などに応じて調整できる。また、棚19を水槽10に対して垂直方向に設ける場合、棚19が水槽10の長手方向または短手方向に伸びるように配置できる。図1及び図2に示すように、複数の棚19を垂直方向に間隔をもって設置することで、糞尿、餌の残渣などアワビの排出物を棚上に溜めることなく、下方に落とすことができ、排出口14から排出物を排出し易くできる。
(供給機構2)
養殖槽1に海水を供給する供給機構2は、図1及び図4に示すように、地下海水20を吸入する地中に垂直に埋設された埋設管21と、埋設管21の水面下に沈設している水中ポンプ25とを備える。この供給機構2は、海の海水を吸入することなく、水中ポンプ25が地中で濾過された地下海水20を吸入して養殖槽1に供給する。
(埋設管21)
埋設管21は、海水に匹敵する塩分濃度の地下海水20を吸入できる海沿いに埋設される。地下海水20の塩分濃度は、一般的には海に近い領域で高くなるので、好ましくは海沿いに近い領域に埋設管21を埋設されるが、地下海水20の塩分濃度は、地中の状態で大幅に異なるので、沿岸から離れた領域においても塩分濃度の高い地下海水20が地中に浸透している領域には埋設管21を埋設することができる。
図4の埋設管21は、ケーシング22と配水パイプ23の二重構造で、地中に垂直に埋設しているケーシング22の内部に配水パイプ23を挿入している。配水パイプ23は、ケーシング22の内面との間に隙間ができるように、ケーシング22の内径よりも小さい外径としている。配水パイプ23は、ケーシング22との間に、好ましくは、5mm以上の隙間ができる外径としている。ケーシング22は金属パイプで、配水パイプ23の下端よりも地中に深く埋設されている。ケーシング22は、地下海水20が内部に流入する複数のスリットや貫通穴などの流入開口22aを下端部に設けている。ケーシング22は、地下海水20の水面レベル以下に流入開口22aを配置している。ケーシング22は、流入開口22aから流入する地下海水20の溜部24を下端部に設けている。水中ポンプ25は、溜部24に沈設されて地下海水20を吸入する。ケーシング22は、例えば地面から5m以上、好ましくは6m以上、より好ましくは10m以上の深さに埋設されて、下端部を地下海水20の溜部24としている。ケーシング22は、深く埋設して吸入する地下海水20の水温を低く一定に保持できる。配水パイプ23は、好ましくは塩化ビニルやポリエチレンなどのプラスチック製、あるいは金属製で、水中ポンプ25の吐出側に連結されて、水中ポンプ25が吸入する地下海水20を外部に配出する。配水パイプ23は配管29を介して養殖槽1に地下海水20を供給する。
埋設管21は、ケーシング22の上端を大気に開放して、水中ポンプ25の外周面とケーシング22の内周面との間に地下海水20の通過隙間26を設けている。この構造の埋設管21は、地下海水20の液面レベルが上下に変動する状態で、吸入揚程を増加することなく地下海水20を吸入して養殖槽1に供給できる。地下海水20の液面レベルは変動することがある。たとえば、近隣の土木工事や海水面レベルの変動で地下海水20の液面レベルは変動する。供給機構2は、地下海水20の液面レベルが最低レベルまで低下した状態においても、地下海水20を吸入して養殖槽1に供給する必要があるので、液面レベルが最低レベルまで低下した状態においても、水中ポンプ25が地下海水20を吸入するために、ケーシング22は、地下海水20の液面レベルが最低レベルまで低下する状態においても、下端部の溜部24に地下海水20が流入する深さまで埋設される。液面レベルが最低レベルまで低下する地下海水20を吸入できる位置に沈設される水中ポンプ25は、地下海水20の液面レベルが変動して地下海水20を吸入でき、さらに地下海水20の液面レベルが最低レベルよりも上昇した状態では、より効率よく地下海水20を吸入して養殖槽1に供給できる。とくに、水中ポンプ25とケーシング22との間に通過隙間26を設けている埋設管21は、水中ポンプ25上に流入している地下海水20を効率よく吸入して養殖槽1に供給できる特長がある。水中ポンプ25は、地下海水20に沈設して使用されるが、絶縁破壊等を防止する等の弊害を防止するために、使用できる最大水深が規定されている。したがって、水中ポンプ25は液面レベルが最低レベルから最高レベルまで変動する状態で、地下海水20を吸入して養殖槽1に供給できる水深に設置される。
(水中ポンプ25)
水中ポンプ25は、好ましくは吸水量を可変できる流量調整ポンプ25Aを使用する。流量調整ポンプ25Aは養殖槽1の使用環境と、ケーシング22内の海水の液面レベルとを検出して養殖槽1に供給する海水の流量をコントロールできる。養殖槽1に供給する海水の流量は、たとえば、一時的に養殖槽1の海水が汚濁した状態で流量を増加して、速やかに清澄な海水にできる。また、海水を供給する養殖槽1の個数に対応して最適な流量で海水を供給できる。陸上養殖装置100は、複数の養殖槽1を使用してアワビを養殖するが、養殖するアワビの個数や成長状態で養殖槽1の個数を調整する。流量をコントロールできる流量調整ポンプ25Aで海水を吸収して養殖槽1に供給する陸上養殖装置100は、養殖槽1に最適な流量で海水を供給できる。
流量調整ポンプ25Aは、吸入する海水の流量が変動するので、ケーシング22内の海水の液面レベルも変動する。流量調整ポンプ25Aが吸入する海水の流量が増加すると、ケーシング22の海水の液面レベルが低下する。流量調整ポンプ25Aは、ケーシング22内の海水の最低レベルよりも下方に配置されるが、水中ポンプ25の流量や自然環境によってケーシング22内の海水の最低レベルが変動する。流量調整ポンプ25Aが多量の海水を吸入すると液面レベルが低下するが、この状態で水中ポンプ25の吸入口25aが液面レベルよりも高くなると、空気を吸入して故障の原因となる。水中ポンプ25が空気を吸入する弊害は、ケーシング22内に海水の液面を検出するレベルセンサ27と水中ポンプ25のモーターの制御回路28を設けて、制御回路28で水中ポンプ25の運転を制御して解消できる。制御回路28は、レベルセンサ27の信号で水中ポンプ25のモーターの回転数を制御し、あるいはモーターの運転を制御して、水中ポンプ25を常にケーシング22の海水中に配置できる。この制御回路28は、ケーシング22内の液面レベルが設定値よりも低下すると、水中ポンプ25のモーターの回転数を低下し、あるいはモーターの運転を停止して、液面レベルを設定レベルにコントロールできる。モーターの回転数を制御する制御回路28は、レベルセンサ27の検出レベルでモーターの回転数を比例制御して、ケーシング22内の液面レベルを設定範囲にコントロールできる。この制御回路28は、液面レベルが低下するに従って、水中ポンプ25のモーターの回転数を低くして、ケーシング22内の海水の液面レベルを設定範囲にコントロールする。制御回路28は、流量調整ポンプ25Aのモーターに供給する電圧や周波数で回転数を調整できる。直流モーターの流量調整ポンプは電圧を低下して回転数を低下でき、交流モーターの流量調整ポンプは、電圧と周波数の両方を低下してモーターの回転数を低下できる。
図1の陸上養殖装置100は、養殖槽1の海水を浄化する浄化部3を設けているので、供給機構2が連続して地下海水20を養殖槽1に供給することなく、必要なタイミングで新鮮な地下海水20を養殖槽1に供給することができる。供給機構2は、水中ポンプ25で吸入する地下海水20を直接に養殖槽1に供給し、あるいは中間タンク(図示せず)を介して養殖槽1に供給することもできる。
(浄化部3)
浄化部3は、海藻で海水を浄化するスジアオノリの生育槽4と、泡沫分離槽5とを設けている。泡沫分離槽5は、養殖槽1と浄化部3の間に連結され、海水にバブリングする気泡で海水中の排出物の一部を分離する。さらにまた、図の浄化部3は、海水を一時的に蓄える複数のクッションタンク6を設けている。図1において、養殖槽1と、浄化部3の生育槽4と泡沫分離槽5は、上方開口部を細長い長方形として平行に配置している。複数のクッションタンク6は、細長い長方形の生育槽4の長手方向に離して配置している。
(排出口14)
アワビが養殖される養殖槽1は、アワビから排出物などが生じるため、養殖槽1内の海水の汚れの原因となる。アワビの排出物は、例えば、糞尿など排泄物、よだれ(唾液)、粘液、餌の残渣などが挙げられる。図3の養殖槽1は、底に沈むアワビの排出物をスムーズに排出するために、底部の複数カ所に排出口14を設けている。排出口14は、養殖槽1の両端部と中間部の複数カ所に開口される。排出口14は、排出弁15を介してポンプ7を連結している。ポンプ7は、養殖槽1の海水を底部から吸入して、泡沫分離槽5を介して生育槽4に供給する。ポンプ7は、各々の排出口14に連結して吸入する海水を泡沫分離槽5に供給し、あるいは複数の排出口14を集合配管で連結して、ひとつのポンプ7で養殖槽1の海水を吸入して泡沫分離槽5に供給する。
図2に示す泡沫分離槽5は、複数の流入口51を設けている。ひとつのポンプ7で養殖槽1の海水を泡沫分離槽5に供給する装置は、複数の流入口51を集合配管59でひとつの配管に集合して、ポンプ7に連結する。複数の排出口14の養殖槽1と、複数の流入口51のある泡沫分離槽5は、養殖槽1の各々の排出口14を別々の配管で泡沫分離槽5の各流入口51に連結することができる。この装置は、各々の配管にポンプ7を連結している。ただ、陸上養殖装置100は養殖槽1の液面を泡沫分離槽5よりも高くして、養殖槽1と泡沫分離槽5に落差を設けて、ポンプ7を使用することなく養殖槽1から泡沫分離槽5に自然に海水を流入することもできる。
(泡沫分離槽5)
泡沫分離槽5は、微細な気泡を多量に発生させて泡沫とし、養殖槽1からの海水中の排出物を均等に分散し、また一部の排出物を除去する水槽である。図2の陸上養殖装置100は、養殖槽1の海水を泡沫分離槽5を介して生育槽4に供給する。この装置は、養殖槽1の海水を直接には生育槽4に流入することなく、泡沫分離槽5で海水に含まれる排出物を均等に分散して生育槽4に供給する。泡沫分離槽5から生育槽4に流入される海水は、生育槽4のスジアオノリに均等に分散した排出物を肥料として供給して、スジアオノリを均等に好ましい環境で培養させる。ただし、図示しないが、陸上養殖装置100は、養殖槽1→生育槽4→泡沫分離槽5の順で海水を循環させることもできる。
図2の陸上養殖装置100は、養殖槽1と生育槽4との間に泡沫分離槽5を設けている。この装置は、養殖槽1の海水を泡沫分離槽5を介して生育槽4に供給する。さらに、図5の泡沫分離槽5は、バブリングして、底部に噴射する微細な気泡を多量に発生させて泡沫ができ、上昇する泡沫で海水中を浮遊しているアワビの排出物の一部、例えばよだれ、粘液などアミン質を液面に浮上させる。浮上した排出物は、手作業で除去し、あるいは液面の近傍に開口した廃棄口55から外部に廃棄する。アワビの排出物の一部であるよだれ、粘液などアミン質は、海水に粘性を与え、アワビなどアワビやスジアオノリの生育に悪影響を及ぼすためである。泡沫分離槽5は、底部に配置されて海水中に微細な気泡を噴出するバブリング器52と、このバブリング器52に加圧空気を供給する空気ポンプ53とを備える。バブリング器52は、微細な空隙のある多孔質材や小さい噴射口のノズルで、空気ポンプ53から供給される加圧空気を海水中に噴射して微細な気泡を海水中に噴出する。空気ポンプ53は外気を吸入し、加圧してバブリング器52に供給する。
泡沫分離槽5は、複数の配管を介して生育槽4に連結している。細長い泡沫分離槽5は、縦方向に離して複数の流入口51と、複数の排出口54を開口している。図5において複数の排出口54は、泡沫分離槽5の両端部及び中間部の底部に開口している。泡沫分離槽5は、一方の端部に設けた流入口51に養殖槽1からの海水を供給して、他方の端部に設けた排出口54から生育槽4に供給することもできる。この泡沫分離槽5は、養殖槽1から供給される海水を長手方向に流しながらバブリングして排出物の一部を除去して海藻の生育槽4に供給する。ただ、複数の流入口51と複数の排出口54は、対向しない位置に開口して、流入口51から流入する海水を対向しない位置に配置している排出口54から排出して養殖槽1の海水を攪拌して生育槽4に供給することもできる。
(生育槽4)
生育槽4は、スジアオノリを生育させ、かつ、スジアオノリで養殖槽1から供給される海水を浄化させる水槽である。図2の生育槽4は、泡沫分離槽5を介して養殖槽1に連結されている。生育槽4は、繁殖するスジアオノリで養殖槽1から供給される海水を浄化できる容積とする。生育槽4のスジアオノリは、養殖槽1から供給される海水に含まれる、アワビの排出物を肥料として繁殖して海水を浄化し、海水の二酸化炭素を吸収して酸素を放出して、海水の酸素濃度を高くするので、生育槽4は、養殖槽1から供給される海水を浄化できる量のスジアオノリを栽培できる容積に設定される。養殖槽1から生育槽4に供給される海水中に含まれるアワビからの排出物量は、養殖槽1で養殖するアワビの種類と量と生育状態とで特定される。生育槽4は、生育するスジアオノリを多くして、海水の排出物の吸収量を大きくできるので、生育槽4の容積は、養殖槽1から供給される海水を浄化して養殖槽1に供給できるように、養殖槽1の容積に比例して大きくする。好ましいことに、スジアオノリの繁殖量は供給される肥料の量で変化するので、生育槽4に多量の排出物が供給されると、スジアオノリの繁殖量が増加して排出物の吸収能力が増加し、供給される排出物が減少すると、スジアオノリの繁殖力は低下して、スジアオノリによる海水の浄化量はコントロールされる。生育槽4の容積は、養殖するアワビの種類や大きさによって最適容積に調整する必要はあるが、たとえば、アワビの陸上養殖装置においては、生育槽4の容積を養殖槽1の容積の約50%~200%として、養殖槽1の海水を浄化できる。
以上の陸上養殖装置100は、アワビに加えて、極めて商品価値の高いスジアオノリも生産するので、生育槽4を養殖槽1よりも大容量として、高価なスジアオノリの栽培量を多くして、スジアオノリの経済効果を大きくすることもできる。この装置は、多量のスジアオノリで養殖槽1の海水を常に清澄な状態に浄化できる特長もある。大容量の生育槽4は、生育槽4から供給されるアワビの排出物に加えて、肥料を追加することで、常にスジアオノリを生産できる。
(攪拌機構40)
生育槽4は、底部の海水中に大きな気泡を排出して、海水を局所的に強制的に上昇流として攪拌する攪拌機構40を設けている。攪拌機構40から海水中に供給される気泡は、養殖槽1や泡沫分離槽5の海水中に噴出される気泡とは比較にならない程大きい。攪拌機構40が海水中に供給する気泡と、養殖槽1や泡沫分離槽5に噴射される気泡は海水中に供給されるのは同じであっても、気泡の目的が全く異なる。養殖槽1のエアレーション機構11で海水中に噴射される気泡は、海水に酸素を供給することを目的とし、できる限り微細な気泡として海水との接触面積を大きくして酸素濃度を高くする。泡沫分離槽5のバブリング器52はバブリングして海水の排出物を均等に分散し、また排出物の一部を除去することを目的とし、海水中に極めて微細な無数の気泡を噴出して、海水中を浮遊しているアワビの排出物に接触し、これを付着して浮上させる。これに対し、生育槽4の海水中に噴出される気泡は、大きな気泡で速やかに海水中を浮上して、海水の上昇流の流速を早くして海水を効率よく攪拌することを目的とする。
以上の目的で生育槽4の海水を局所的に上昇流とする攪拌機構40は、図6及び図7に示すように、生育槽4の海水中に気泡を供給する大きい排気口41aを開口している放出器41と、放出器41に空気を供給するブロワー42とを備える。放出器41は、排気口41aの開口面積を、例えば10mm以上、さらに好ましくは100mmとして、海水中に大きな気泡を供給する。図6と図7の攪拌機構40は、ブロワー42と放出器41を搬送パイプ43で連結して、搬送パイプ43の先端を開口して放出器41の排気口41aとしている。この構造の攪拌機構40は、搬送パイプ43に、内径を13mmφ~21mmφとする水道配管用のプラスチックパイプを使用することで、微細な気泡を噴出するエアレーションやバブリングに比較して、部品コストと、制作コストの両方を著しく安くできる。
図6と図7に示す攪拌機構40は、細長い浄化部3の両側の側壁に、各々複数の搬送パイプ43を配置して、搬送パイプ43の先端を側壁の内面に開口している。図示しないが、搬送パイプ43の先端を底面の内面に開口することもできる。複数の搬送パイプ43は、生育槽4の両側部に設けられて、生育槽4全体の海水を攪拌する。各々の搬送パイプ43は開度を調整して流量を調整する調整弁44を介してブロワー42に連結している。この攪拌機構40は、調整弁44の開度を調整して、各々の搬送パイプ43から均一に空気を排出できる。搬送パイプ43から生育槽4の底部に排出された空気は、気泡となって海水中を浮上して海水を攪拌する。複数の搬送パイプ43は、生育槽4の片側、もしくは中央部に設けることもできる。
以上の攪拌機構40は、排気口41aの開口面積が大きいので、ブロワー42の排出圧が低く、海水中に排出する空気の流量を多く、すなわち大きな気泡を多量に排出して海水を効率よく攪拌できる特長も実現する。それは、エアレーションやバブリングのように、水中に微細な気泡を噴射しないので、微細な無数の空隙の放出器41を使用する必要がなく、また放出器41の圧力損失を低くして、海水中に大きな気泡を多量に排出できるからである。
生育槽4の攪拌機構40は、前述したように、海水に酸素を補給することを目的とするものでなく、大きな気泡の浮上作用で海水を局所的に上昇流として全体的には対流状態に流動して攪拌し、スジアオノリの絡まりを防止して海水中に均一に分散させることができる。スジアオノリは、細長く糸状の藻体で、長いものは1mにもなり、多数の側枝を出し、さらにその枝からも分岐することが多く、葉状のアオサに比べ絡まりやすい。気泡の浮上作用で局所的に上昇流ができる海水は、図7に示すように、気泡が上昇する領域で上昇流となる。この断面図に示す生育槽4は、両側部に気泡を排出して、海水を両側の側壁に沿う上昇流とするので、生育槽4の中央部では下降流となって対流して、生育槽4内において海水全体が攪拌される。図7の生育槽4は、両側の底部から気泡を供給し、例えば、生育槽4は両側の側壁または両側の底面から気泡を供給できる。またさらに、生育槽4の片側の底部から気泡を供給し、あるいは生育槽4の中央部の底部から気泡を供給して海水を対流させることもできる。生育槽4の片側の底部から気泡を排出する攪拌機構40は、気泡が供給される一方の側壁に沿って海水は上昇流となり、反対側の側壁の内側で下降流となって海水全体が攪拌される。生育槽4の中央部の底部から気泡を供給する攪拌機構40は、生育槽4の中央部で上昇流となり、両側で下降流となって海水全体が攪拌される。
上昇流と下降流とに対流させて海水を攪拌する生育槽4は、上昇流と下降流とで海水を上下反対方向に流動させるので、この領域においてスジアオノリは、損傷されることなく絡まりが解消される。スジアオノリは、海水を攪拌して絡まりを解消できるので、たとえば、海水中でスクリューなどの羽根を回転する攪拌機構40によっても絡まりは解消できる。しかしながら、羽根を回転する攪拌機構40は、羽根にスジアオノリが付着して、継続的に安定して使用できない。また、スジアオノリが羽根に接触して損傷される弊害もある。大きな気泡の浮上作用で海水を上昇流と、他の領域で下降流として対流させて攪拌する攪拌機構40は、スジアオノリが付着することがなく、またスジアオノリを損傷することもなく、速やかに絡まりを防止して、海水中に均一に分散させることができる。スジアオノリは、細長い筋が放射状に伸びる形態で、絡まりやすい形状をしているが、上昇流と下降流との間で上下逆方向に流動する海水で攪拌して絡まりを防止する攪拌機構40は、スジアオノリの絡まりを有効に解消できる。
以上の陸上養殖装置100は、ポンプ7で、海水を以下のように養殖槽1と泡沫分離槽5と生育槽4とクッションタンク6とに移送して養殖槽1でアワビを養殖する。養殖槽1はアワビを養殖し、生育槽4は養殖槽1の海水をスジアオノリで浄化し、泡沫分離槽5は気泡分離でアワビの排出物をバブリングして海面に浮上させて分離し、クッションタンク6は各々の水槽に移送する海水を一時的に蓄える。海水はポンプ7を介して、ひとつの水槽から他の水槽に移送できるが、海水を移送する水槽を上下に配置して、上の水槽から下の水槽に自然に海水を流して供給することもできるので、図示しないが全ての水槽の間にポンプ7を連結することなく、海水を移送することもできる。
(クッションタンク6)
クッションタンク6は各々の水槽に移送する海水を一時的に蓄える。図1において、海水は、養殖槽1→泡沫分離槽5→生育槽4→クッションタンク6→養殖槽1に循環されるが、クッションタンク6を介することなく、生育槽4から直接に養殖槽1に移送することもできる。生育槽4の海水をクッションタンク6に一時的に蓄えて養殖槽1に供給する装置は、クッションタンク6に常に浄化された海水を蓄えて、養殖槽1の海水が汚染された状態では、速やかに浄化された海水を供給して養殖槽1の海水を清澄な状態にできる。
養殖槽1の海水は、アワビの排出物で海水が汚れると、海水中の亜硝酸や二酸化炭素の濃度が高くなるので、亜硝酸や二酸化炭素の汚染濃度を検出して、汚染濃度の検出値が閾値よりも高くなると、海水を泡沫分離槽5に排出して、クッションタンク6や生育槽4から浄化された海水を供給する。この工程は、養殖槽1の一方の端部から海水を泡沫分離槽5に排出しながら、他方の端部にクッションタンク6の海水を供給して養殖槽1の汚染濃度を低下することもできる。養殖槽1の海水は、汚染濃度が閾値を超える期間、たとえば、1日~数日に1回の割合で海水を泡沫分離槽5に排出して、クッションタンク6や生育槽4から浄化された海水を供給して海水を入れ替える。養殖槽1の海水の入れ替えは、一度に全体の海水の1/10~1/2を泡沫分離槽5に排出して、クッションタンク6や生育槽4からは排出した量の海水を養殖槽1に供給する工程を複数回繰り返して、養殖槽1の海水を浄化された海水に入れ替える。ただ、養殖槽1は、海水を連続的に排出しながら、排出量の海水をクッションタンク6や生育槽4から供給して、連続的に浄化された海水に入れ替えることもできる。この方法は、養殖槽1の汚染濃度が設定値を超えないように、海水の入れ替える海水量をコントロールできる。
さらに、クッションタンク6は、スジアオノリの出荷調整用の水槽としても利用できる。出荷状況や必要に応じて、成長したスジアオノリをクッションタンク6に貯蔵保管できる。スジアオノリは腐ったり臭い匂いを出さない限り、クッションタンク6内の浄化された海水への水質悪化の影響がほとんどないからである。したがって、クッションタンク6をスジアオノリの出荷調整用の水槽として利用しつつ、クッションタンク6から養殖槽1など各水槽に浄化された海水を供給することができる。
以上の陸上養殖装置100は、バブリングして海水中の排出物の一部を分離する泡沫分離槽5と、浄化された海水を一時的に蓄えるクッションタンク6を備えて、海水を理想的に浄化して養殖槽1に供給できるが、本発明の陸上養殖装置100は、泡沫分離槽5を設けることなく、養殖槽1にバブリングして排出物の一部を気泡分離することができ、また、クッションタンク6を設けることなく、浄化部3で浄化された海水を浄化部3から養殖槽1に供給することもできる。
本発明のアワビの陸上養殖装置と陸上養殖方法は、アワビを死滅させることなく安定して効率よく生育させながら、自然環境を有効に利用することでランニングコストを低減しながらアワビを養殖できる陸上養殖装置と陸上養殖方法として有効に利用できる。
100…陸上養殖装置
1…養殖槽
2…供給機構
3…浄化部
4…生育槽
5…泡沫分離槽
6…クッションタンク
7…ポンプ
10…水槽
11…エアレーション機構
12…噴出器
12a…噴射開口
13…空気ポンプ
14…排出口
15…排出弁
16…集合配管
19…棚
20…地下海水
21…埋設管
22…ケーシング
22a…流入開口
23…配水パイプ
24…溜部
25…水中ポンプ
25A…流量調整ポンプ
25a…吸入口
26…通過隙間
27…レベルセンサ
28…制御回路
29…配管
40…攪拌機構
41…放出器
41a…排気口
42…ブロワー
43…搬送パイプ
44…調整弁
51…流入口
52…バブリング器
53…空気ポンプ
54…排出口
55…廃棄口
59…集合配管

Claims (15)

  1. 養殖槽と、
    前記養殖槽に海水を補給する海水の供給機構と、
    を備えるアワビの陸上養殖装置であって、
    前記供給機構が、
    地下海水を吸入する地中に垂直に埋設された埋設管と、
    前記埋設管の水面下に沈設された水中ポンプとを備え、
    前記水中ポンプが地中で濾過された地下海水を吸入して前記養殖槽に供給することを特徴とするアワビの陸上養殖装置。
  2. 請求項1に記載のアワビの陸上養殖装置であって、
    前記埋設管が、
    地中に垂直に埋設されてなる筒状のケーシングと、
    前記ケーシングの内部に、前記ケーシング内面との間に隙間を設けて配置してなる配水パイプとを備え、
    前記ケーシングの下端が前記配水パイプの下端よりも地中に深く埋設され、
    前記水中ポンプは、
    前記ケーシングの地下海水に沈設され、
    吐出側を前記配水パイプに連結してなることを特徴とするアワビの陸上養殖装置。
  3. 請求項2に記載のアワビの陸上養殖装置であって、
    前記ケーシングの上端が大気に開放されて、
    前記水中ポンプと前記ケーシングとの間に地下海水の通過隙間を設けてなることを特徴とするアワビの陸上養殖装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載のアワビの陸上養殖装置であって、
    前記水中ポンプが、モーターの回転数を調整して流量を調整できる流量調整ポンプであることを特徴とするアワビの陸上養殖装置。
  5. 請求項4に記載のアワビの陸上養殖装置であって、
    前記埋設管が、地中に垂直に埋設されてなる筒状のケーシングを備え、
    さらに、
    前記ケーシングの液面レベルを検出するレベルセンサと、
    前記レベルセンサが検出する液面レベルで、前記流量調整ポンプの流量を調整して液面レベルを設定範囲に制御する制御回路とを備えるアワビの陸上養殖装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載のアワビの陸上養殖装置であって、さらに、
    前記養殖槽に連結されてなるスジアオノリの生育槽を備え、
    前記養殖槽と前記生育槽とは海水の循環路を介して連結されて、前記養殖槽の海水が前記生育槽に、前記生育槽の海水が前記養殖槽に循環されており、
    前記生育槽のスジアオノリが、前記養殖槽から供給される海水に含まれるアワビの排出物を肥料として生育しながら海水を浄化して、海水中の二酸化炭素を吸収して酸素を放出し、
    前記養殖槽が前記生育槽のスジアオノリで浄化された海水でアワビを養殖するアワビの陸上養殖装置。
  7. 請求項6に記載のアワビの陸上養殖装置であって、さらに、
    海水中の排出物の一部を泡沫で分離する泡沫分離槽を備え、
    前記泡沫分離槽が、
    前記泡沫分離槽の海水中に気泡を供給するバブリング器と、
    前記バブリング器に空気を供給する空気ポンプとを備えるアワビの陸上養殖装置。
  8. 請求項6または7に記載のアワビの陸上養殖装置であって、
    前記生育槽が、前記生育槽の海水を浮上する気泡で攪拌する攪拌機構を備え、
    前記攪拌機構が、
    前記生育槽の海水中に気泡を供給する排気口を開口してなる放出器と、
    前記放出器に空気を供給するブロワーと、
    を備えるアワビの陸上養殖装置。
  9. 請求項8に記載のアワビの陸上養殖装置であって、
    前記攪拌機構の前記放出器に開口する排気口の開口面積が10mm以上であるアワビの陸上養殖装置。
  10. 請求項8に記載のアワビの陸上養殖装置であって、
    前記攪拌機構の前記放出器に開口する排気口の開口面積が100mm以上であるアワビの陸上養殖装置。
  11. 請求項8ないし10のいずれかに記載のアワビの陸上養殖装置であって、
    前記攪拌機構が、前記ブロワーを前記放出器に連結してなる空気の搬送パイプを有し、
    前記搬送パイプの開口された先端が前記放出器の排気口であるアワビの陸上養殖装置。
  12. 請求項11に記載のアワビの陸上養殖装置であって、
    前記搬送パイプが、内径を13mmφ~21mmφとする水道配管用のプラスチックパイプであるアワビの陸上養殖装置。
  13. 請求項8ないし12のいずれかに記載のアワビの陸上養殖装置であって、
    前記養殖槽が、海水に酸素を補給するエアレーション機構を備え、
    前記エアレーション機構が、
    前記養殖槽の海水中に微細気泡を噴射する無数の噴射開口を有する噴出器と、
    前記噴出器に加圧空気を供給する空気ポンプとを備え、
    前記噴出器が、前記攪拌機構の前記放出器が海水中に噴出する気泡よりも微細な気泡を噴出するアワビの陸上養殖装置。
  14. 陸上に設置してなる養殖槽に供給機構で海水を供給してアワビを養殖するアワビの陸上養殖方法であって、
    地下海水を吸入する地中に垂直にケーシングを埋設し、
    前記ケーシングに、前記ケーシングの内径よりも小さい外径の配水パイプを吐出側に連結してなる水中ポンプを挿入して、前記ケーシングの地下海水中に前記水中ポンプを配置し、
    前記水中ポンプでもって、地中から前記ケーシング内に流入する海水を汲み上げて前記配水パイプを介して前記養殖槽に供給することを特徴とするアワビの陸上養殖方法。
  15. 請求項14に記載のアワビの陸上養殖方法であって、
    前記養殖槽にスジアオノリの生育槽を連結し、
    前記養殖槽の海水をスジアオノリの生育槽に循環して、前記生育槽でスジアオノリを生育させると共に、
    前記生育槽の海水を、浮上する気泡で攪拌してスジアオノリを海水中で分散し、
    海水中に分散されたスジアオノリが、前記養殖槽から供給される海水に含まれるアワビの排出物を肥料として生育しながら海水を浄化させ、
    スジアオノリで海水中の二酸化炭素を吸収して酸素を供給し、
    前記生育槽で浄化した海水を前記養殖槽に供給するアワビの陸上養殖方法。
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