JP2023096300A - 酵母でタンパク質を超過剰発現させる方法 - Google Patents

酵母でタンパク質を超過剰発現させる方法 Download PDF

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Kohei Ide
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梢栄 牟田口
Shoei Mutaguchi
倫治 赤田
Tomoharu Akata
尚司 星田
Shoji Hoshida
幸恵 美澄
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Abstract

【課題】酵母においてタンパク質を高発現させる方法の提供。【解決手段】宿主酵母の内在性遺伝子が破壊された宿主酵母を、目的タンパク質をコードする遺伝子を含むプラスミドで形質転換すること、および形質転換された酵母を培養することを含む、酵母におけるタンパク質の生産方法。【選択図】なし

Description

本発明は、例えば、酵母でタンパク質を過剰発現させることによりタンパク質を生産する方法に関する。
これまでに酵母宿主による遺伝子工学的なタンパク質の高発現は、様々な方法で行われてきた。例えば、高発現プロモーターの開発や、プラスミドベクターの開発などが挙げられる。
特に、高発現における多コピープラスミドの影響は強く、例えばYEpプラスミドと呼ばれるプラスミド群は、高い発現を示してきた(非特許文献1)。しかし、既知の方法でのタンパク質の発現量は必ずしも十分であるとはいえない。
ところで、KU70タンパク質は、DNA依存プロテインキナーゼのサブユニットとして、DNAの二本鎖切断修復に重要な役割を担うことが知られている。しかしながら、KU70が酵母におけるタンパク質の発現量に関与することは知られていない。
Jane C. Schneider, Methods in Enzymology, Volume 194, 1991, Pages 373-388
上述した背景の元、酵母においてタンパク質を高発現させる方法を提供することが求められている。
本発明者は、鋭意研究を行い、酵母においてタンパク質を高発現させる方法を見出した。すなわち、本発明は以下を包含する。
[1]
ku70遺伝子が破壊された宿主酵母を、目的タンパク質をコードする遺伝子を含むプラスミドで形質転換すること、および形質転換された酵母を培養することを含む、酵母におけるタンパク質の生産方法。
[2]
宿主酵母が、サッカロミセス属に属する酵母である、[1]に記載の方法。
[3]
宿主酵母が、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)である、[1]または[2]に記載の方法。
[4]
プラスミドが、YEpプラスミド、YHpプラスミド、YRpプラスミド、YCpプラスミドおよびYIpプラスミドから選択される、[1]~[3]のいずれか1項に記載の方法。
[5]
宿主酵母が、2μmプラスミドを保持しておらず、かつプラスミドが、YHpプラスミドである、[1]~[4]のいずれか1項に記載の方法。
[6]
宿主酵母が、2μmプラスミドを除いたサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)であり、かつプラスミドがYHpプラスミドである、[1]~[5]のいずれか1項に記載の方法。
[7]
目的タンパク質をコードする遺伝子が、酵母の染色体上に挿入される、または酵母の染色体上に挿入されない、[1]~[6]のいずれか1項に記載の方法。
[8]
ku70遺伝子が破壊されており、かつ目的タンパク質をコードする遺伝子を含むプラスミドを含む、形質転換された酵母。
[9]
形質転換の宿主酵母が、サッカロミセス属に属する酵母である、[8]に記載の形質転換された酵母。
[10]
形質転換の宿主酵母が、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)である、[8]または[9]に記載の形質転換された酵母。
[11]
プラスミドが、YEpプラスミド、YHpプラスミド、YRpプラスミド、YCpプラスミドおよびYIpプラスミドから選択される、[8]~[10]のいずれか1項に記載の形質転換された酵母。
[12]
形質転換の宿主酵母が、2μmプラスミドを保持しておらず、かつプラスミドが、YHpプラスミドである、[8]~[11]のいずれか1項に記載の形質転換された酵母。
[13]
形質転換の宿主酵母が、2μmプラスミドを除いたサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)であり、かつプラスミドがYHpプラスミドである、[8]~[12]のいずれか1項に記載の形質転換された酵母。
[14]
目的タンパク質をコードする遺伝子が、酵母の染色体上に挿入される、または酵母の染色体上に挿入されない、[8]~[13]のいずれか1項に記載の酵母。
本発明によれば、酵母のku70遺伝子を破壊することにより、酵母において目的のタンパク質を高発現させることができる。本発明の別の態様において、酵母のku70遺伝子を破壊することにより、多コピープラスミドでの目的タンパク発現量を大幅に向上させることが可能となる。
したがって、酵母におけるタンパク質の生産効率の大幅な向上と酵母でのタンパク質の生産コストの低減が期待される。また、本発明の一態様において、酵母において目的タンパク質を高発現させる方法、又は目的タンパク質を生産する方法が提供される。
プラスミドYHp17606のマップである。
本発明に係るタンパク質の生産方法(以下、「本方法」とも称する)は、ku70遺伝子が破壊された宿主酵母を、目的タンパク質をコードする遺伝子を含むプラスミドで形質転換すること、および形質転換された酵母(以下、「酵母形質転換体」とも称する)を培養することを含む。当該プラスミドは目的タンパク質をコードする遺伝子を含有し、酵母形質転換体の培養により、当該プラスミドから目的タンパク質をコードする遺伝子が高発現され、目的タンパク質を生産することができる。
ku70遺伝子を破壊した酵母に多コピープラスミドを導入すると、ku70遺伝子を破壊していない酵母に多コピープラスミドを導入した場合と比べてタンパク質の発現量が向上する。したがって、本方法は、タンパク質発現量を向上することにより、酵母でのタンパク質の生産コストの低減が期待される。
本方法では、先ず、内在性のku70遺伝子が破壊され、かつ目的タンパク質をコードする遺伝子を含むプラスミド含む酵母形質転換体を準備する。例えば、一つの態様として、目的タンパク質をコードする遺伝子を含むプラスミドを作製し、それと同時または別々に、ku70遺伝子が破壊された宿主酵母を用意する。そして、当該プラスミドをku70遺伝子が破壊された宿主酵母に導入する。別の態様として、目的タンパク質をコードする遺伝子を含むプラスミドを作製し、それと同時または別々に、内在性のku70遺伝子が破壊されていない宿主酵母を用意する。そして、当該プラスミドを宿主酵母に導入した後、当該酵母の内在性のku70遺伝子を破壊する。また別の態様として、目的タンパク質をコードする遺伝子を含むプラスミドを作製する。そして、宿主酵母への当該プラスミドの導入と酵母の内在性ku70遺伝子の破壊を同時に実施する。
本方法では、好ましくは、目的タンパク質をコードする遺伝子を含むプラスミドを作製し、それと同時または別々に、内在性のku70遺伝子が破壊された宿主酵母を用意する。目的タンパク質をコードする遺伝子を含むプラスミドの作製と、ku70遺伝子が破壊された宿主酵母の用意は、いずれを先に実施しても同時に実施してもよい。そして、当該プラスミドをku70遺伝子が破壊された宿主酵母に導入することにより、酵母形質転換体を作製する。
本発明において、宿主酵母は、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)等のサッカロミセス属に属する酵母、クルイベロマイセス・ラクティス(Kluyveromyces lactis)等のクルイベロマイセス属に属する酵母等の酵母が挙げられる。一の態様において、宿主酵母はサッカロミセス属に属する酵母である。別の態様において、宿主酵母は、サッカロミセス・セレビシエである。
本発明において、YHpプラスミド(yeast hyper-copy plasmid)を用いる場合は、宿主酵母として、2μmプラスミドを保持しない酵母が用いられる。2μmプラスミドを保持していない酵母(以下、「cir0株」とも称する)は、もともと2μmプラスミドを保持していない酵母、または2μmプラスミドを保持する酵母から2μmプラスミドを除くことにより作製した酵母のいずれでもよい。本発明の一の態様において、YHpプラスミドを用いる場合の宿主酵母は、2μmプラスミドを除いたサッカロミセス属に属する酵母である。別の態様において、YHpプラスミドを用いる場合の宿主酵母は、2μmプラスミドを除いたサッカロミセス・セレビシエである。
もともと2μmプラスミドを保持していない酵母としては、例えばサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)に属する酵母株である協会7号酵母またはその誘導株(変異株を含む)等が挙げられ、当該誘導株には、例えば、RAK2359株(a/a ura3Δ::LYS4/ura3Δ::LYS4 his3/his3 lys4/lys4, Ano et al., Biosci. Biotechnol. Biochem. 73, 633, 2009)、BY1847株((SH1847, NA87-11A-H [cir0])MATα ho trp1 his3 leu2-3,112 pho3-1 pho5-1 can1[cir0])、並びにBY21887株((YAT285, R-2-5D 1-36)MATα ade1 leu2 [cir0] cyh))、およびその他多くの清酒酵母、泡盛酵母(Nakazato et al., Jour. Agri. Sci. Tokyo Univ. of Agric., 47(3),226-230, 2002)等が挙げられる。協会7号酵母(清酒酵母 協会7号)は、例えば日本醸造協会から市販されている。また、cir0株は、2μmプラスミドを保持する酵母から、公知の方法(例えば、Haford MN;Peeter M, Current Genetics, 1987;11(4):315-319、Erhart E;Hollenberg CP, Current Genetics, 1981 May;3(2):83-39、A Toh-e;R B Wickner , J Bacteriol, 1981 May;145(3):1421-1424等)に基づき、人工的に2μmプラスミドを除くことにより作製した酵母を用いることができる。
酵母におけるku70遺伝子の破壊は、ku70遺伝子が、ku70遺伝子によってコードされるKU70タンパク質の活性を酵母において減少させるような様式で変化していることを意味する。一つの態様において、ku70遺伝子によってコードされるKU70タンパク質の活性は、酵母において除かれている。また別の態様において、ku70遺伝子によってコードされるKU70タンパク質の活性は、酵母において対照より減少している。ku70遺伝子の破壊は、遺伝子発現が除かれ、もしくは低下するように、または遺伝子産物の活性が除かれ、もしくは低下するように、内在性のku70遺伝子の全部または一部を欠失させることによって達成されてもよい。ku70遺伝子の破壊は、遺伝子の制御エレメント、例えば、遺伝子のプロモーターを、遺伝子発現が除かれ、もしくは低下するように突然変異することによって、または遺伝子のコード配列を、遺伝子産物の活性が除かれ、もしくは低下するように突然変異することによって、達成されてもよい。別の態様において、ku70遺伝子の破壊は、結果としてku70遺伝子の完全なオープンリーディングフレームの除去を生じる。別の態様において、ku70遺伝子の破壊は、外来性遺伝子および/または選別可能なマーカーをku70遺伝子またはku70遺伝子の制御エレメントに導入することによって、達成されてもよい。当業者であれば、宿主酵母におけるku70遺伝子の破壊は従来公知の方法にしたがって、実施することができる。
宿主酵母においてku70遺伝子が破壊されていることは、宿主酵母のku70遺伝子の全部または一部と相補的な配列を有するプローブを用いたサザンハイブリダイゼーション、または同遺伝子の配列に基づいて作製したプライマーを用いたPCR等によって確認することができる。また、宿主酵母のku70遺伝子の塩基配列に調べることによっても確認することができる。
ku70遺伝子によってコードされるKU70タンパク質の活性は、DNA依存プロテインキナーゼ活性を指標にして測定することができる。DNA依存プロテインキナーゼ活性は、例えば、D.W.Chan et al. Biochemistry 38, 1819-1828 (1999)に記載の従来公知の方法により測定することができる。
本発明において、破壊される対象であるku70遺伝子は、内在性のku70遺伝子である。内在性のku70遺伝子は、宿主酵母がもともと有するku70遺伝子である。酵母のku70遺伝子の塩基配列およびアミノ酸配列は公知であり、当業者であればGenBankやSaccharomyces Genome Database (SGD)などの公知のデータベースから入手することができる。例えば、Saccharomyces Genome Database (SGD)でのサッカロミセス・セレビシエのku70遺伝子の塩基配列はYKU70 YMR284W SGDID:S000004897, chrXIII:838187..839995であり、ku70のアミノ酸配列は「YKU70 YMR284W SGDID:S000004897」で検索することが可能である。なお、配列番号5および6は、それぞれBY4741株のku70遺伝子の塩基配列およびKU70のアミノ酸配列である。例えば、ku70遺伝子の塩基配列は、配列番号5で表される塩基配列に少なくとも90%同一な塩基配列、または配列番号6で表されるアミノ酸配列に少なくとも90%同一なアミノ酸配列をコードする塩基配列を含む。前記同一性の値は、90%以上であればよく、例えば90%、91%、92、%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%であり得る。
本方法では、ku70遺伝子が破壊された酵母は、上記のように当業者に公知の方法に基づき作製してもよいし、あるいは市販品から入手してもよい。例えば、特定の遺伝子が欠損された酵母クローンのセットの中から、ku70遺伝子の発現量が減少もしくは除かれた酵母またはku70遺伝子によってコードされるタンパク質の活性が減少もしくは除かれた酵母を選択してもよい。
本発明において、目的タンパク質は特に限定されず、いかなるタンパク質やペプチドであってもよい。また、本発明において、目的タンパク質をコードする遺伝子は特に限定されず、いかなるタンパク質やペプチドをコードする遺伝子であってもよい。当業者は、目的タンパク質のアミノ酸配列情報または目的タンパク質をコードする遺伝子情報をGenBankなどの公知のデータベースから入手することができ、当該情報および従来公知の方法に基づき、目的タンパク質をコードする遺伝子を作製することができる。
本方法では、目的タンパク質をコードする遺伝子を含むプラスミドが宿主酵母に導入される。プラスミドは、YEpプラスミド(yeast episomal plasmid)、YHpプラスミド(yeast hyper-copy plasmid)、YRpプラスミド(yeast replicative plasmid)、YCpプラスミド(yeast centromere plasmid)またはYIpプラスミド(yeast integrating plasmid)を使用することができる。一つの態様において、プラスミドは、YEpプラスミド、YHpプラスミド、YRpプラスミド、またはYCpプラスミドである。別の態様において、プラスミドは、YEpプラスミドまたはYHpプラスミドなどの多コピープラスミドである。別の態様において、プラスミドはYEpプラスミドである。別の態様において、プラスミドはYHpプラスミドである。
本発明の別の態様において、宿主酵母への目的タンパク質をコードする遺伝子を含むプラスミドは、それぞれ相同組換え領域を含む複数の断片の形で宿主酵母に導入し、酵母内でプラスミドが再構成されてもよい。
本発明の一態様において、目的タンパク質をコードする遺伝子は、酵母の染色体上に挿入されない。本発明の別の態様において、目的タンパク質をコードする遺伝子は、酵母の染色体上に挿入されてもよい。その場合、目的タンパク質をコードする遺伝子は酵母の染色体上に相同組換えにより挿入される。
2μmプラスミドは、酵母が元々保持するプラスミドであり、人工プラスミドを開発する際の基礎として使用される。
YEpプラスミドは、高いタンパク質発現量が必要な際に利用されるプラスミドであり、一般に広く使用されている。YEpプラスミドは、ほとんどの酵母が自然状態で保持している2μmプラスミド(Futcher AB, Yeast, 1988年, Vol. 4, No. 1, pp. 27-40)の複製機構を利用し、その複製起点(2μm origin)の部分だけをプラスミドに組み込んだものである。これは、細胞内で多コピー化し、維持される(YEpプラスミドは2μmプラスミドを保持する株でないと安定に保持されない)ので頻繁に利用されている(Chen Y, FEMS Yeast Res., 2012年, Vol. 12, No. 5, pp. 598-607)。特に、選択マーカー遺伝子の発現量を、プロモーター領域を削除することで減らした場合、高いコピー数にならない限り選択増殖ができないので、高コピー数が維持できることが知られている(leu2-dマーカー;Erhart E, J Bacteriol., 1983年, Vol. 156, No. 2, pp. 625-35)。
YHpプラスミドは、YEpプラスミドよりもさらに高いタンパク質発現量をもたらし得るプラスミドである。YHpプラスミドの作製方法は、特開2018-93806に記載される。
YHpプラスミドは、2μmプラスミドを再構成させたプラスミドである。そのため、2μmプラスミドと同様の特徴を有すると考えられている。それに加え、2μmプラスミドを再構成する際に、プロモーター、目的タンパク質をコードする遺伝子断片と選択マーカーを組み込むことで、目的タンパク質の発現量が高くなる。したがって、YHpプラスミドは、プロモーター、目的タンパク質をコードする遺伝子断片および選択マーカーを含む、2μmプラスミドを再構成させたプラスミドである。プロモーターは酵母内で機能するプロモーターであればよく、例えばPGK1やTDH3などの酵母内で強力に機能するプロモーターが挙げられるが、これらに限定されるものではない。選択マーカーはプラスミドが導入された酵母を選択可能なマーカーであればよく、例えばURA3などの栄養要求性マーカーが挙げられるが、これに限定されるものではない。
2μmプラスミドの構造上の特徴には:(1) FRT(FLP recombination target site)の呼ばれる特定領域を有すること;および(2) DNAプラスミド安定維持等のための酵素類をコードする遺伝子を有することが挙げられる。FRT領域(上記特徴(1))に特異的に働く酵素によって、プラスミド複製が連続的に行われる。YEpプラスミドは、複製起点(FRT領域、(1))のみを有する一方でその他の酵素類をコードする遺伝子(上記特徴(2))を有しないため、その多コピー性や安定性は2μmプラスミドを保持している株において発揮される。これに対し、YHpプラスミドは、それ自体に2μmプラスミド全体を含むことから、高い安定性とより顕著な多コピー性を有するものである。また、宿主株としては、2μmプラスミドを持たないcir0株を用いるのも特徴の一つである。
YHpプラスミドの例として、特開2018-93806に記載されるYHp17606のマップを図1に示す。YHp17606は、赤色蛍光タンパク質をコードする遺伝子を目的タンパク質として含む。図1において、FRT領域(上記特徴(1))はFLP1であり、プラスミド安定維持のための酵素類をコードする遺伝子(上記特徴(2))は、REP1、REP2、RAF1である。図1における各略語は以下のとおりである。FLP1:部位特異的組換え酵素、repeat_region:リピート配列領域、REP1:複製遺伝子1、Dprotein:RAF1遺伝子、TDH3p:恒常的高発現プロモーター、yEmRFP:赤色蛍光タンパク質yEmRFP遺伝子、URA3:ウラシル要求性相補遺伝子、REP2:複製遺伝子2、D+546c:配列番号1のプライマー、REP2+30c:配列番号2のプライマー、FLP1+30c:配列番号3のプライマー(特開2018-93806の配列番号3)、D+547:プライマー(特開2018-93806の配列番号4)、D+547(+40)c-YEp:プライマー(特開2018-93806の配列番号5)、D+546(-40)-TDH3:プライマー(特開2018-93806の配列番号6)。また、各DNAフラグメントは、プラスミドYHp17606における以下の領域に相当する。DNAフラグメント1:REP2の開始部分からFLP1-repeat_region-REP1-Dprotein (D+546c)まで、DNAフラグメント2:URA3の開始部分(D+547)からrepeat_region-REP2-FLP1の開始部分を含むところまで、DNAフラグメント3:TDH3p-yEmRFP-URA3まで。
YRpプラスミドも高いタンパク質発現量が必要な際に利用されるプラスミドであり、酵母染色体DNA由来の自立複製配列arsを含む。
YCpプラスミドは、YRpプラスミドの構成に加え、セントロメア配列を含むプラスミドであり、染色体上の遺伝子が増える仕組みと同様の挙動を示す。
YIpプラスミドは、染色体へ遺伝子導入するためのプラスミドである。
タンパク質発現量と安定性の観点から、YHpプラスミドまたはYEpプラスミドが好ましく、YHpプラスミドがより好ましい。
本発明において、当業者は、市販または公知のプラスミドを入手し、使用することができる。また、当業者は、市販または公知のプラスミドを従来公知の方法で適宜変更した上で、使用することもできる。
目的タンパク質をコードする遺伝子は発現可能となるようにプラスミドに組み込まれる。当業者は従来公知の方法にしたがい、目的タンパク質をコードする遺伝子をプラスミドに発現可能に組み込み、目的タンパク質をコードする遺伝子を含むプラスミドを作製することができる。目的タンパク質をコードする遺伝子は、制御配列(例えば、プロモーター、ターミネーター等)に機能的に連結されていることが好ましい。
本発明の別の態様において、目的タンパク質をコードする遺伝子を含むプラスミドは、それぞれ相同組換え領域を含む複数の断片の形で宿主酵母に導入することにより、酵母内でプラスミドが構成されてもよい。その場合、例えば、2μmプラスミドが酵母内で機能するのに必要なタンパク質をコードする遺伝子配列を除く2μmプラスミドの部分に、目的タンパク質をコードする遺伝子を組み込むことができる。当業者は従来公知の方法にしたがい、酵母内でプラスミドが再構成できるように相同組換え領域を含む複数の断片を設計し、作製することができる。
また、本発明の別の態様において、目的タンパク質をコードする遺伝子が酵母の染色体上に挿入されるように、目的タンパク質をコードする遺伝子は、酵母の染色体上に相同組換えされるようにプラスミドに組み込まれる。当業者は従来公知の方法にしたがい、酵母の染色体上に目的タンパク質をコードする遺伝子を挿入するためのプラスミドを作製することができる。
また、上述したプラスミドを酵母に導入する方法としては、酵母の形質転換方法として知られている従来公知のいかなる方法をも適用することができる。具体的には、例えば、エレクトロポレーション法、スフェロプラスト法、酢酸リチウム法等の方法で実施可能であるが、これに限定されない。
このようにして得られる、宿主酵母のku70遺伝子が破壊されており、かつ目的タンパク質をコードする遺伝子を含むプラスミドを含む、形質転換された酵母は、本発明に含まれる。
次いで、本方法では、ku70遺伝子が破壊されており、かつ目的タンパク質をコードする遺伝子を含むプラスミドを含む酵母形質転換体を、従来公知の酵母の培養条件下で培養する。例えば、培地としてYPD培地(1% 酵母エキス、2% ポリペプトン、2% グルコース)を用いて、27~33℃およびpH5~7下で振盪培養または静置培養を行う。
培養後、目的タンパク質を回収する。得られた培養物をそのまま目的タンパク質として使用してもよく、あるいは培養物から目的タンパク質を単離および/または精製してもよい。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更し実施し得る。
本実施例では、赤色蛍光タンパク質yEmRFPを連結したYEpプラスミドまたはYHpプラスミドを、酵母のKU70をコードするyku70遺伝子を破壊した酵母とyku70遺伝子を破壊していない酵母のそれぞれに導入した(yEmRFPは、酵母の最適化コドンで作製したことを表すyを遺伝子名の前に付した)。各酵母でのタンパク質の発現量は、蛍光強度を測定し赤色の濃さで比較した。ここで、赤色蛍光タンパク質であるRFP遺伝子を導入したプラスミドで酵母を形質転換すると、当該酵母は、発現した赤色蛍光タンパク質により、蛍光で赤く発色する。タンパク質の発現量と赤色の濃さは比例するため、赤色強度でタンパク質の発現量を確認することができる。なお、実施例において、多コピープラスミドの例としてYEpプラスミドおよびYHpプラスミドの2種類を用いた。
実施例において使用するプライマー、酵母(サッカロミセス・セレビシエ)の菌株およびプラスミドをそれぞれ表1~表3に示す。
Figure 2023096300000001
Figure 2023096300000002
Figure 2023096300000003
1.使用酵母の準備
yku70遺伝子破壊株(表2)は、BY4741株に由来する株であり(Giaever, et al., Nature 2002, 418, 387-391)、yku70遺伝子破壊後の遺伝子型はMATa his3Δ1 leu2Δ0 met15Δ0 ura3Δ0 yku70::KanMXである。対照としてBY4741株(表2)(MATa his3Δ1 leu2Δ0 met15Δ0 ura3Δ0)(Brachmann et al., Yeast, 1998, 14, 115-132)を用いた。これらの菌株をYEpプラスミドの導入に用いた。
yku70遺伝子破壊株(表2)から内在性の2μmプラスミドを除いたcir0株(表2中の「RAK31545」、MATa his3Δ1 leu2Δ0 met15Δ0 ura3Δ0 yku70::KanMX cir0)をYHpプラスミドの導入に用いた。対照として、BY4741株から内在性の2μmプラスミドを除いたcir0株(表2中の「RAK26396」株、MATa his3Δ1 leu2Δ0 met15Δ0 ura3Δ0 cir0)を用いた。cir0株の作製法は、Haford MN;Peeter M, Current Genetics, 1987;11(4):315-319、Erhart E;Hollenberg CP, Current Genetics, 1981 May;3(2):83-39、A Toh-e;R B Wickner , J Bacteriol, 1981 May;145(3):1421-1424などに記載されている。
2.導入プラスミドの準備
YEpプラスミドとして、YEpGAP-Cherryプラスミド(Keppler-Ross et al., Genetics, 2008, 179, 705-710)を使用した。
YHpプラスミドとして、RAK17606由来のプラスミドYHp17606(Misumi et al., Yeast, 2019, 36, 249-257)を使用した。
これらのプラスミド(表3)には、赤色蛍光タンパク質が発現可能に組み込まれている。
3.プラスミドの導入
プラスミドの導入に用いる形質転換液(70μl)は、60%PEG3350を62.2μl、4M LiOAcを2.6μl、5mg/ml キャリアーDNAを5.2μl含む。形質転換液は各成分をこれらの割合で混合することにより作製した。
24-wellプレートに添加したYPD培地1 mlに、酵母(表2)を植菌して30℃、150 rpmで一晩振とう培養した後、0.5 mlの培養液を6-wellプレートに移した。6-wellプレートの各ウェルに新しいYPD培地を4.5 ml加え、30℃、150 rpmで5時間培養した。培養液を5 mlチューブに移して12000 rpmで2分遠心して上清を除き、沈殿を15%グリセロールで1回洗浄した後、上清を完全に取り除いた。得られた沈殿を100μlの15%グリセロールに懸濁して宿主酵母液を得た。宿主酵母液は形質転換1回あたり30μl使用した。
RAK17606由来のプラスミドYHp17606は(YHpプラスミド)を鋳型に2つのプライマーセット、すなわち、D+1(35)(配列番号1)とScFLP1+40c(40)(配列番号2)のプライマーセット、および、ScRAF1+546c(40)(配列番号3)とScREP2+40c(40)(配列番号4)のプライマーセット(表1)を用いて、2本のDNA断片(PCRフラグメント)をPCR増幅した。YHp17606プラスミドは、得られた2本のPCRフラグメントを酵母に同時に導入し、酵母内でプラスミドを構成させることにより形質転換した。2つのPCRフラグメントは、相同組換え領域として、FLP1プロモーター領域とD protein領域、またはREP2のプロモーター領域とD protein領域を有する。
酵母へのプラスミド(表3)の導入は、宿主酵母液を30μl、形質転換液を70μl、プラスミド(YEpGAP-Cherryプラスミド)またはPCRフラグメント(YHp17606プラスミド)を1μlずつ混合し、42℃で30分インキュベートした後、全量を選択培地に塗り広げ、30℃で3日程度培養することにより実施した。
4.作製した株の評価方法
「3.」で得られた遺伝子導入酵母を、YPD寒天培地(1%酵母エキス、2%ポリペプトン、2%グルコース、2%寒天)に塗布した。YPD寒天培地に生育した酵母を500μlの滅菌水に1白金耳入れ、酵母懸濁液を作製した。作製した酵母懸濁液を蛍光顕微鏡(Nikon社製)にて観察し、画像解析した。蛍光観察は、赤色蛍光フィルター(励起/発光560/630nm 名称TexasRed)を取り付け、倍率200倍、露光時間100s、LED強度5%で行った。画像解析ソフトはNIS-Elements(Nikon社製)を使用した。
各遺伝子型で2コロニーの酵母を用いて、視野の異なる顕微鏡画像を3枚取得し、それぞれで蛍光強度解析をした際の平均値(n=6)により蛍光強度を比較した。
5.赤色蛍光強度の解析結果
赤色蛍光強度の解析結果を表4に示す。
Figure 2023096300000004
内在性のku70遺伝子を破壊した酵母は、ku70遺伝子を破壊していない酵母に比べて、高い赤色蛍光強度を示した。この結果は、YEpプラスミドを用いた場合(表4の「yku70遺伝子破壊株」)とYHpプラスミドを用いた場合(表4の「RAK31545」)の両方で示された。これらの結果より、宿主酵母の内在性のku70遺伝子を破壊した酵母に、目的タンパク質の遺伝子を組み込んだプラスミドを導入することにより、ku70遺伝子を破壊しない株と比べてプラスミドからの目的タンパク質の生産量が向上することが示された。
また、本実施例により、ku70遺伝子が破壊されており、かつ目的タンパク質をコードする遺伝子を含むプラスミドを含む酵母を培養することにより、大量のタンパク質の生産が可能になることが示された。
本発明によれば、酵母のku70遺伝子を破壊することにより、酵母において目的のタンパク質を高発現させることができる。本発明の別の態様において、酵母のku70遺伝子を破壊することにより、多コピープラスミドでの目的タンパク発現量を大幅に向上させることを可能となる。
したがって、酵母におけるタンパク質の生産効率の大幅な向上と酵母でのタンパク質の生産コストの低減が期待される。

Claims (14)

  1. ku70遺伝子が破壊された宿主酵母を、目的タンパク質をコードする遺伝子を含むプラスミドで形質転換すること、および形質転換された酵母を培養することを含む、酵母におけるタンパク質の生産方法。
  2. 宿主酵母が、サッカロミセス属に属する酵母である、請求項1に記載の方法。
  3. 宿主酵母が、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)である、請求項1または2に記載の方法。
  4. プラスミドが、YEpプラスミド、YHpプラスミド、YRpプラスミド、YCpプラスミドおよびYIpプラスミドから選択される、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 宿主酵母が、2μmプラスミドを保持しておらず、かつプラスミドが、YHpプラスミドである、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 宿主酵母が、2μmプラスミドを除いたサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)であり、かつプラスミドがYHpプラスミドである、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 目的タンパク質をコードする遺伝子が、酵母の染色体上に挿入される、または酵母の染色体上に挿入されない、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
  8. ku70遺伝子が破壊されており、かつ目的タンパク質をコードする遺伝子を含むプラスミドを含む、形質転換された酵母。
  9. 形質転換の宿主酵母が、サッカロミセス属に属する酵母である、請求項8に記載の形質転換された酵母。
  10. 形質転換の宿主酵母が、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)である、請求項8または9に記載の形質転換された酵母。
  11. プラスミドが、YEpプラスミド、YHpプラスミド、YRpプラスミド、YCpプラスミドおよびYIpプラスミドから選択される、請求項8~10のいずれか1項に記載の形質転換された酵母。
  12. 形質転換の宿主酵母が、2μmプラスミドを保持しておらず、かつプラスミドが、YHpプラスミドである、請求項8~11のいずれか1項に記載の形質転換された酵母。
  13. 形質転換の宿主酵母が、2μmプラスミドを除いたサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)であり、かつプラスミドがYHpプラスミドである、請求項8~12のいずれか1項に記載の形質転換された酵母。
  14. 目的タンパク質をコードする遺伝子が、酵母の染色体上に挿入される、または酵母の染色体上に挿入されない、請求項8~13のいずれか1項に記載の酵母。


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