JP2023095838A - ホットメルト接着剤組成物、積層体及び車両用内装部材 - Google Patents

ホットメルト接着剤組成物、積層体及び車両用内装部材 Download PDF

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大生 早川
Daiki Hayakawa
敦史 宮田
Atsushi Miyata
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Inoac Technical Center Co Ltd
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Abstract

【課題】 優れた性能を有するホットメルト接着剤組成物、積層体及び車両用内装部材を提供する。【解決手段】 本発明のある形態は、ポリオレフィン(A)と、酸変性ポリプロピレン樹脂(B)と、を含み、前記ポリオレフィン(A)が、軟化点130℃以上のポリオレフィン(A1)と、軟化点130℃未満のポリオレフィン(A2)と、を含むこと特徴とするホットメルト接着剤組成物である。【選択図】 なし

Description

本発明は、ホットメルト接着剤組成物、積層体及び車両用内装部材に関する。
ホットメルト接着剤は、圧着後、冷却固化するのみで被着物を固定化可能であり、作業性が高いことから、種々の分野で使用されている。
自動車内装用等に用いる積層体の製造においては、例えば、特許文献1に開示されたオレフィンホットメルト接着剤等を使用することができる。
国際公開第2015/111488号
しかしながら、従来技術に係るホットメルト接着剤は十分な性能を満たすものではなかった。
そこで、本発明は、優れた性能を有するホットメルト接着剤組成物、積層体及び車両用内装部材を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究を行い、特定の成分を含むホットメルト接着剤組成物が前記課題を解決可能であることを見出し、本発明を完成させた。即ち、本発明は下記の通りである。
本発明は、
ポリオレフィン(A)と、酸変性ポリプロピレン樹脂(B)と、を含み、
前記ポリオレフィン(A)が、軟化点130℃以上のポリオレフィン(A1)と、軟化点130℃未満のポリオレフィン(A2)と、を含むことを特徴とするホットメルト接着剤組成物である。
前記ホットメルト接着剤組成物中の、前記ポリオレフィン(A1)の含有量をMA1、前記ポリオレフィン(A2)の含有量をMA2、前記酸変性ポリプロピレン樹脂の含有量をMとしたとき、MA2/(MA1+M)が1超5以下であることが好ましい。
前記ポリオレフィン(A1)の軟化点と、前記ポリオレフィン(A2)の軟化点との差が10~50℃であることが好ましい。
前記ホットメルト接着剤組成物の結晶化温度が50~130℃であることが好ましい。
前記ホットメルト接着剤組成物は、スプレー塗布用であることが好ましい。
前記ホットメルト接着剤組成物は、車両用内装部材用であることが好ましい。
また、本発明は、前記ホットメルト接着剤組成物の硬化物を含む、積層体であってもよい。
また、本発明は、前記ホットメルト接着剤組成物の硬化物を含む、車両用内装部材であってもよい。
また、本発明は、ポリオレフィン系樹脂発泡体と、ポリオレフィン系表皮部材と、前記ポリオレフィン系樹脂発泡体及び前記ポリオレフィン系表皮部材を接着するポリオレフィン系ホットメルト接着剤と、を含む車両用内装部材であってもよい。
上記列挙された各構成のうち任意の2以上の構成を組み合わせた全ての発明も本発明に含まれる。
本発明によれば、優れた性能を有するホットメルト接着剤組成物、積層体及び車両用内装部材を提供することができる。
本明細書において、複数の上限値と複数の下限値とが別々に記載されている場合、これらの上限値と下限値とを自由に組み合わせて設定可能な全ての数値範囲が本明細書に記載されているものとする。
以下において、ある化合物が記載されている場合、その異性体も同時に記載されているものとする。
また、本発明において、数平均分子量乃至は重量平均分子量の測定方法は、ゲルパーエミッションクロマトグラフィーを用いて測定される。
また、本発明において、軟化点は、JIS K 6863:1994『ホットメルト接着剤の軟化点試験方法』に準じて測定されたものとする。更に、本発明において、融点とは、DSCにて得られた融解ピーク温度を示す。
以下、ホットメルト接着剤組成物、ホットメルト接着剤組成物の使用方法/用途等について具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
<<<<ホットメルト接着剤組成物>>>>
<<<ホットメルト接着剤組成物の成分>>>
ホットメルト接着剤組成物は、ポリオレフィン(A)を含む。また、ホットメルト接着剤組成物は、酸変性ポリプロピレン樹脂(B)を含むことが好ましい。また、ホットメルト接着剤組成物は、その他の成分を含んでいてもよい。以下、それぞれの成分について説明する。
<<ポリオレフィン(A)>>
ホットメルト接着剤組成物は、ポリオレフィンベースのホットメルト接着剤組成物である。
ポリオレフィン(A)は、比較的軟化点の高いポリオレフィンと、比較的軟化点の低いポリオレフィンと、の混合物であることが好ましい。より具体的には、ポリオレフィン(A)は、軟化点130℃以上のポリオレフィン(A1)と、軟化点130℃未満のポリオレフィン(A2)と、を含むことが好ましい。
ポリオレフィン(A1)の軟化点は、135℃以上、140℃以上、145℃以上、150℃以上、又は、155℃以上であってもよい。また、ポリオレフィン(A1)の軟化点は、180℃未満、175℃未満、170℃未満、又は、165℃未満であってもよい。
ポリオレフィン(A2)の軟化点は、128℃未満、125℃未満、123℃未満、又は、120℃未満であってもよい。また、ポリオレフィン(A2)の軟化点は、100℃以上、105℃以上、110℃以上、又は、115℃以上であってもよい。
ポリオレフィン(A1)の軟化点と、ポリオレフィン(A2)の軟化点との差は、0℃超であればよいが、5℃以上、10℃以上、15℃以上、20℃以上、25℃以上、又は30℃以上であることが好ましく、また、55℃以下、50℃以下、又は、45℃以下であることが好ましい。
ポリオレフィン(A1)の軟化点やポリオレフィン(A2)の軟化点をこのような範囲とすることで、粘度特性や高温剥離強度に優れるホットメルト接着剤組成物を得ることができる。
ポリオレフィンの軟化点は、分子量や使用するモノマーの種類や組成比等を変更することで調整可能である。
ホットメルト接着剤組成物中のポリオレフィン全体の含有量(ポリオレフィン(A1)とポリオレフィン(A2)との合計の含有量)は、例えば、50質量%以上、55質量%以上、60質量%以上、又は、65質量%以上とすることができ、また、90質量%以下、85質量%以下、80質量%、又は、75質量%以下とすることができる。
る。
ホットメルト接着剤組成物中、ポリオレフィン(A1)の含有量MA1は、0.1質量%以上、1質量%以上、5質量%以上、8質量%以上、又は、10質量%以上であることが好ましく、また、30質量%以下、25質量%以下、又は、20質量%以下であることが好ましい。
ホットメルト接着剤組成物中、ポリオレフィン(A2)の含有量MA2は、0.1質量%以上、1質量%以上、10質量%以上、30質量%以上、40質量%以上、又は、50質量%以上であることが好ましく、また、80質量%以下、70質量%以下、又は、60質量%以下であることが好ましい。
ホットメルト接着剤組成物中、ポリオレフィン(A2)の含有量MA2とポリオレフィン(A1)の含有量MA1との比[MA2/MA1]は、1超、1.5以上、2以上、2.5以上、又は、3以上であることが好ましく、また、6以下、5.5以下、5以下、4.5以下、又は、4以下であることが好ましい。
ポリオレフィン(A1)やポリオレフィン(A2)の含有量をこのような範囲とすることで、粘度特性や高温剥離強度に優れるホットメルト接着剤組成物を得ることができる。
ポリオレフィンとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン-1、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-α-オレフィン共重合体、及びこれら相互のポリマーブレンドが例示される。ポリオレフィン(A1)とポリオレフィン(A2)とは、モノマーの種類が同じであってもよいし異なっていてもよい。ポリオレフィン(A2)は、ポリブテン-1を含むことが好ましい。
ポリオレフィンは、粘度特性等の観点から、ポリαオレフィンであることが好ましく、非晶性ポリαオレフィンであることがより好ましい。
ポリαオレフィンとは、αオレフィンを重合させることにより得られるポリマーを示す。また、非晶性ポリαオレフィンとは、ポリαオレフィンの中でも、明確な融点を有しないものを示す。
非晶性ポリαオレフィンは、公知のもの、例えば、特許第6001685号公報、特許第3153648号公報等に記載されたものを使用可能である。非晶性ポリαオレフィンは、例えば、プロピレン、エチレン、及び1-ブテンを単独で、又は、複数を組み合せて重合(又は共重合)させた非晶性のオレフィン系樹脂等とすることができる。
ポリオレフィン(A1)及びポリオレフィン(A2)のいずれか一方のみが、ポリαオレフィン乃至は非晶性ポリαオレフィンであってもよいが、ポリオレフィン(A1)及びポリオレフィン(A2)が、共に、ポリαオレフィン乃至は非晶性ポリαオレフィンであることが好ましい。
ポリオレフィン(ポリオレフィン(A1)及びポリオレフィン(A2))の重量平均分子量は、本発明の効果を阻害しない限りにおいて特に限定されないが、例えば、10,000~200,000、15,000~150,000、又は、20,000~100,000であることが好ましい。ポリオレフィンの重量平均分子量をこのようは範囲とすることで、粘度特性等に優れたホットメルト接着剤組成物とすることができる。
<<酸変性ポリプロピレン>>
酸変性ポリプロピレンとは、ポリプロピレンに、不飽和カルボン酸又はその誘導体をグラフト重合させたものである。
酸変性ポリプロピレンと、前述したポリオレフィンとを併用することにより、十分なオープンタイムを有し、高温での剥離強度等に優れたホットメルト接着剤組成物とすることができる。
不飽和カルボン酸としては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アクリル酸等が挙げられる。不飽和カルボン酸の誘導体としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、マレイン酸モノエチルエステル等が挙げられる。
酸変性ポリプロピレンは、高温剥離強度や塗工時の濡れ性を高めるという観点から、マレイン酸変性ポリプロピレン又は無水マレイン酸変性ポリプロピレンであることが好ましく、マレイン酸変性ポリプロピレンが特に好ましい。
酸変性ポリプロピレンは、酸価が1~100mgKOH/gを満たすか、又は、酸含有量が0.5~10wt%を満たすことが好ましい。酸価は、JIS K 0070に準拠して測定することができる。
酸変性ポリプロピレンの融点は、例えば、60~180℃、又は、70~170℃とすることができる。
酸変性ポリプロピレンの重量平均分子量は、例えば、5,000~200,000、7,500~100,000とすることができる。
ホットメルト接着剤組成物中、酸変性ポリプロピレンの含有量Mは、0.1質量%以上、1質量%以上、2質量%以上、又は、3質量%以上であることが好ましく、また、20質量%以下、15質量%以下、又は、12質量%以下であることが好ましい。
ホットメルト接着剤組成物中、MA2/(MA1+M)が、1超、1.5以上、又は、2以上であることが好ましく、また、5以下、4以下、又は、3以下であることが好ましい。このような範囲とすることで、オープンタイムを適切なものとしつつも粘度特性や高温剥離強度等をバランスよく高めることができる。
酸変性ポリプロピレンは、前述したようなポリプロピレンに不飽和カルボン酸又はその誘導体をグラフト重合させたものに限定されず、従来公知のものとすることができる。例えば、酸変性ポリプロピレンは、ポリプロピレンの末端部分が酸変性されたものであってもよい。ポリプロピレンの末端部分が酸変性されたものとしては、例えば、両末端に二重結合を含むポリプロピレン(例えば、ポリプロピレンを熱分解することで得られたもの)の末端二重結合部分を不飽和カルボン酸又はその誘導体によって酸変性させたもの等が挙げられる。このように、末端部分が酸変性された酸変性ポリプロピレンは、酸変性時における低分子量化が抑制される(適切な分子量範囲が維持され易い)ため低強度下を抑制することが可能であり、異種材料を接着させた際の接着性を向上させること等が可能である。
<<その他の成分>>
本発明のホットメルト接着剤組成物は、前述した成分以外に、必要に応じてその他の成分(例えば、各種の添加剤)を含有することができる。添加剤としては、例えば、粘着付与剤、酸化防止剤、老化防止剤、充填剤、可塑剤、顔料、染料、帯電防止剤、難燃剤、抗菌剤、光安定剤、安定剤、分散剤、溶剤等が挙げられる。
その他の成分として粘着付与剤を含む場合、粘着付与剤は、天然樹脂系であってもよいが、石油樹脂(炭化水素樹脂)、水素添加(水添)石油樹脂(炭化水素樹脂)、スチレン系樹脂、クマロン-インデン系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン樹脂等の合成樹脂であることが好ましい。また、粘着付与剤は、(水添)脂肪族系(C5系)石油樹脂、(水添)芳香族系(C9系)石油樹脂、(水添)共重合系(C5/C9系)石油樹脂、(水添)ジシクロペンタジエン系石油樹脂、脂環式飽和炭化水素樹脂等の(水添)石油樹脂であることが好ましく、(水添)脂肪族系(C5系)石油樹脂であることが特に好ましい。
ホットメルト接着剤組成物中、粘着付与剤の含有量は、5~40質量%、10~35質量%、又は、15~30質量%とすることができる。
<<<ホットメルト接着剤組成物の物性>>>
ホットメルト接着剤組成物の200℃における溶融粘度は、20,000mPa・s以下、10,000mPa・s以下、8,000mPa・s以下、6,000mPa・s以下、5,000mPa・s以下、又は、4,000mPa・s以下であることが好ましい。
ホットメルト接着剤組成物の180℃における溶融粘度は、30,000mPa・s以下、20,000mPa・s以下、15,000mPa・s以下、10,000mPa・s以下、8,000mPa・s以下、又は、6,000mPa・s以下であることが好ましい。
ホットメルト接着剤組成物の160℃における溶融粘度は、60,000mPa・s以下、40,000mPa・s以下、30,000mPa・s以下、15,000mPa・s以下、12,000mPa・s以下、又は、11,000mPa・s以下であることが好ましい。
溶融粘度は、所定の温度に加温されたホットメルト接着剤組成物について、平行平板レオメータを用い、振り角10%、角周波数1rad/sの条件で測定したものとする。
ホットメルト接着剤組成物の結晶化温度は、50~130℃、又は、60~125℃であることが好ましい。このような範囲とすることで、オープンタイムを適切なものとしつつも粘度特性や高温剥離強度等をバランスよく高めることができる。
結晶化温度は、JIS-K7121に準じて測定したものとする。
<<<ホットメルト接着剤組成物の製造方法>>>
ホットメルト接着剤組成物は、公知の方法により製造可能である。例えば、一軸又は二軸押出機等の連続混練機、もしくは、ロール、バンバリーミキサー、ニーダー、プラネタリーミキサー、高剪断Z翼ミキサー等のバッチ式混練機に、前述した原料を投入し、所定時間混練すればよい。
<<<<ホットメルト接着剤組成物の使用方法/用途>>>>
ホットメルト接着剤組成物は、従来公知の種々の使用方法を適用することができる。以下では、ホットメルト接着剤組成物をスプレー塗布用とした場合について説明するが、ホットメルト接着剤組成物の使用方法はこれには限定されず、公知の方法により接着対象面に塗布されてもよい。
先ず、ホットメルト接着剤組成物を溶融した状態で保持する(溶融工程)。
次に、溶融状態であるホットメルト接着剤組成物を、接着対象面の少なくとも一方に、所望の塗布量となるようにスプレー塗布する(塗布工程)。スプレー方法としては、公知の方法、例えば、カーテンスプレー、オメガスプレー、スパイラルスプレー、サミットスプレー等を適用可能である。
塗布工程後、一方の接着対象面に他方の接着対象面を押し付けた状態で維持し、ホットメルト接着剤組成物を冷却固化させる(固化工程)。
なお、塗布工程の前に、接着対象面に公知の表面処理を行ってもよい。
本形態に係るホットメルト接着剤組成物は、優れた性能を有することから、種々の用途に使用できる。特に、優れた粘度特性や高温剥離強度、十分なオープンタイム等を有し、スプレー塗布が可能であるため、接着対象の形状を問わずに適用可能である。また、本形態に係るホットメルト接着剤組成物は、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体等のポリオレフィン部材用の接着剤(ポリオレフィン部材同士の貼り合わせ、及び、ポリオレフィン部材とポリオレフィン以外の材料の部材との貼り合わせに使用される接着剤)に特に適する。換言すれば、本形態に係るホットメルト接着剤組成物は、ホットメルト接着剤組成物の硬化物である接着層を含む積層体(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体等のポリオレフィン部材を含む積層体)を製造する用途に適する。この場合、ポリオレフィン部材と積層させる部材の素材は、天然素材及び人工素材並びにこれらの複合素材のいずれであってもよく、本革、人工皮革、ファブリック素材等を幅広く使用可能である。
本形態に係るホットメルト接着剤組成物は、例えば、飛行機、船、車両(自動車、鉄道車両)等の乗物における内装部材用(内装部材固定用)として好適に使用可能であり、車両用内装部材用として特に好適に使用可能である。車両用内装部材用としては、より具体的には、自動車内装部材(インパネ、ピラー、ドアトリム等)の表皮固定用とすることができる。
本形態に係るホットメルト接着剤組成物の硬化物を含む部材(例えば、本形態に係るホットメルト接着剤組成物の硬化物を(接着層として)含む積層体乃至は車両用内装部材)は、安定して優れた剥離強度(特に、優れた高温剥離強度)を発揮し易い。
ここで、優れた性能を有する車両用内装部材として、ポリオレフィン系樹脂発泡体と、ポリオレフィン系表皮部材と、前記ポリオレフィン系樹脂発泡体及び前記ポリオレフィン系表皮部材を接着するポリオレフィン系ホットメルト接着剤と、を含む車両用内装部材が考えられる。このような構造を有する積層体は、2つの層と、この2つの層間に介在する接着剤層と、が全てポリオレフィン系材料で構成された積層体となることから、適切な接着強度を奏しやすく、また、リサイクル容易性が高まり、車両用内装部材として特に適する。より具体的には、積層体を単一素材から構成することで、複数の異種素材から構成された積層体と比べてリサイクルが容易となる。リサイクルが困難な複数の異種素材から構成された積層体では、廃棄(例えば焼却処分)されるのが一般的であるが、単一素材から構成された積層体はリサイクルすることが可能であり、温室効果ガスのひとつである二酸化炭素の排出量を抑えることに繋がる。
ポリオレフィン系樹脂発泡体は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体等のポリオレフィン系樹脂で構成された、従来公知の樹脂発泡体である。
ポリオレフィン系表皮部材は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体等のポリオレフィン系樹脂や、ポリオレフィン系樹脂を含む熱可塑性エラストマー等で構成された、従来公知のシート状の部材である。
ポリオレフィン系ホットメルト接着剤は、従来公知のものを使用可能であるが、本形態に係るホットメルト接着剤組成物であることが好ましい。例えば、車両用部材は、ポリオレフィン系樹脂発泡体と、ポリオレフィン系表皮部材と、ポリオレフィン系樹脂発泡体及びポリオレフィン系表皮部材を接着するポリオレフィン系ホットメルト接着剤と、を含み、ポリオレフィン系ホットメルト接着剤が、ポリオレフィン(A)を含むことが好ましい。ポリオレフィン系ホットメルト接着剤は、ポリオレフィン(A)と酸変性ポリプロピレン樹脂(B)とを含むことが好ましい。ポリオレフィン(A)が、軟化点130℃以上のポリオレフィン(A1)と、軟化点130℃未満のポリオレフィン(A2)と、を含むことが好ましい。ホットメルト接着剤組成物中の、ポリオレフィン(A1)の含有量をMA1、ポリオレフィン(A2)の含有量をMA2、酸変性ポリプロピレン樹脂の含有量をMとしたとき、MA2/(MA1+M)が1超5以下であることが好ましい。ポリオレフィン(A1)の軟化点と、前記ポリオレフィン(A2)の軟化点との差が10~50℃であることが好ましい。ポリオレフィン(A)が、ポリαオレフィンであることが好ましい。ポリオレフィン(A)が、非晶性ポリαオレフィンであることが好ましい。
<<<本形態に係るホットメルト接着剤組成物の好ましい形態>>>
本形態に係るホットメルト接着剤組成物は、
非晶性ポリαオレフィン(A)と、酸変性ポリプロピレン樹脂(B)と、を含み、
非晶性ポリαオレフィン(A)が、軟化点130℃以上の非晶性ポリαオレフィン(A1)と、軟化点130℃未満の非晶性ポリαオレフィン(A2)と、を含むホットメルト接着剤組成物であることが好ましい。
また、ホットメルト接着剤組成物中、非晶性ポリαオレフィン(A1)の含有量をMA1、非晶性ポリαオレフィン(A2)の含有量をMA2、酸変性ポリプロピレン樹脂(B)の含有量をMとしたとき、MA2/(MA1+M)が1超5以下であることが好ましい。
更に、非晶性ポリαオレフィン(A1)の軟化点と、非晶性ポリαオレフィン(A2)の軟化点との差が10~50℃であることが好ましい。
また、本形態に係るホットメルト接着剤組成物は、
軟化点130℃以上の非晶性ポリαオレフィン(A1)と、軟化点130℃未満の非晶性ポリαオレフィン(A2)と、を含む、スプレー塗布用のホットメルト接着剤組成物であってもよい。
以下、実施例により、本発明のホットメルト接着剤組成物を具体的に説明するが、本発明はこれらには限定されない。
<<ホットメルト接着剤組成物の製造>>
表に記載した通りの原料を準備し、全ての原料をミキサーに投入し、180℃で20分混練して、各実施例及び各比較例にかかるホットメルト接着剤組成物を得た。
<<分析/評価>>
<溶融粘度、結晶化温度>
前述した方法に従って、ホットメルト接着剤組成物の溶融粘度及び結晶化温度を測定した。
<剥離強度>
以下に示す方法に従って、剥離強度を測定した。
ファブリック等で構成された表皮及びPP樹脂を被着体とする。
ファブリック等で構成された表皮を塗布面とする。
100×25mm角の表皮に塗布量55g/mを目標に、溶融状態のホットメルト接着剤(180℃)をスプレー塗布する。
塗布してから30s又は60s経過後、PP樹脂と表皮とを貼り合わせる(圧着:500g×10s)。
得られた積層体を24h、23℃で湿度50%の恒温恒湿部屋に放置する。
放置後、オートグラフにて剥離試験(環境温度:90℃、引張速度:200mm/min)を実施する。
各ホットメルト接着剤は、30s経過後及び60s経過後の剥離強度が0.5N以上であることから、ある程度実用的な高温剥離強度を有すると考えられるが、30s経過後及び60s経過後の剥離強度が1.0N超乃至は1.5N以上である各実施例に係るホットメルト接着剤は、安定して優れた高温剥離強度を有すると考えられる。
Figure 2023095838000001

Claims (8)

  1. ポリオレフィン(A)と、酸変性ポリプロピレン樹脂(B)と、を含み、
    前記ポリオレフィン(A)が、軟化点130℃以上のポリオレフィン(A1)と、軟化点130℃未満のポリオレフィン(A2)と、を含むことを特徴とするホットメルト接着剤組成物。
  2. 前記ホットメルト接着剤組成物中の、前記ポリオレフィン(A1)の含有量をMA1、前記ポリオレフィン(A2)の含有量をMA2、前記酸変性ポリプロピレン樹脂の含有量をMとしたとき、MA2/(MA1+M)が1超5以下である、請求項1記載のホットメルト接着剤組成物。
  3. 前記ポリオレフィン(A1)の軟化点と、前記ポリオレフィン(A2)の軟化点との差が10~50℃である、請求項1又は2記載のホットメルト接着剤組成物。
  4. 前記ホットメルト接着剤組成物の結晶化温度が50~130℃である、請求項1又は2に記載のホットメルト接着剤組成物。
  5. スプレー塗布用である、請求項1又は2に記載のホットメルト接着剤組成物。
  6. 請求項1又は2に記載のホットメルト接着剤組成物の硬化物を含む、積層体。
  7. 請求項1又は2に記載のホットメルト接着剤組成物の硬化物を含む、車両用内装部材。
  8. ポリオレフィン系樹脂発泡体と、ポリオレフィン系表皮部材と、前記ポリオレフィン系樹脂発泡体及び前記ポリオレフィン系表皮部材を接着するポリオレフィン系ホットメルト接着剤と、を含む車両用内装部材。

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