JP2023095365A - 水洗大便器 - Google Patents

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Abstract

【課題】非対称形状の貯水タンクを陶器製の便器本体に対してがたつきを抑制しつつ固定することができる水洗大便器を提供する。【解決手段】本発明の水洗大便器1は、便器本体4と、タンク装置Tと、を有し、このタンク装置は、非対称形状の貯水タンク20と、この貯水タンクが取り外し可能に取り付けられるタンク取付部材Mと、を備えており、タンク取付部材は、貯水タンクを支持するベース部44と、このベース部に設けられて貯水タンクの取付部62,64が取り外し可能に取り付けられる被取付部66,68と、を備えており、貯水タンクの取付部がタンク取付部材の被取付部に取り付けられた状態において、貯水タンクの取付部とタンク取付部材の被取付部との間には、タンク取付部材に対する貯水タンクの上下方向又は水平方向の相対位置を調整可能な隙間G1~G8が形成されている。【選択図】図5

Description

本発明は、水洗大便器に係り、特に、洗浄水により洗浄されて汚物を排出する水洗大便器に関する。
従来から、洗浄水により洗浄されて汚物を排出する水洗大便器として、例えば、特許文献1、2に記載されているように、便器本体に供給する洗浄水を貯水する貯水タンクが便器本体のボウル部よりも後方側に固定されているものが知られている。
これらの特許文献1、2に記載されている従来の水洗大便器においては、貯水タンクの形状が非対称の形状であるため、貯水タンク内の洗浄水量が便器本体の洗浄状況に応じて変化した際には、貯水タンクの重心の位置についても変化するようになっている。
特開2021-55320号公報 特開2019-173315号公報
しかしながら、上述した従来の水洗大便器においては、貯水タンク内の洗浄水量の変化に応じた貯水タンクの重心位置の変化により、貯水タンクの姿勢が傾いたり、貯水タンクが弾性的に変形したりしようとする現象が発生する場合がある。
また、このように貯水タンクの傾き等は、貯水タンクのがたつきを誘発し、異音の発生原因にもなるという問題がある。
特に、便器本体が陶器製である場合には、便器本体の製造誤差により便器本体と貯水タンクとの固定部にがたつきが発生しやすいという問題もある。
したがって、貯水タンク内の洗浄水量の変化に応じて重心位置が変化し、傾きが生じやすい非対称形状の貯水タンクについて、製造誤差のある陶器製の便器本体に対していかにがたつきを抑制しつつ固定し、異音を抑制するかが近年要請されている課題ともなっている。
そこで、本発明は、上述した従来技術の問題や近年要請されている課題を解決するためになされたものであり、非対称形状の貯水タンクを陶器製の便器本体に対してがたつきを抑制しつつ固定することができる水洗大便器を提供すること目的としている。
上述した課題を解決するために、本発明は、洗浄水により洗浄されて汚物を排出する水洗大便器であって、汚物を受けるボウル部と、このボウル部内の汚物を排出する排水トラップ部と、を備えた陶器製の便器本体と、この便器本体に洗浄水を供給するタンク装置と、を有し、このタンク装置は、上記便器本体の後方且つ床面よりも上方に離間して設けられ、上記便器本体に供給する洗浄水を貯水する非対称形状の貯水タンクと、上記便器本体のボウル部よりも後方側に固定され、上記貯水タンクが取り外し可能に取り付けられるタンク取付部材と、を備えており、上記タンク取付部材は、上記貯水タンクを支持するベース部と、このベース部に設けられて上記貯水タンクの取付部が取り外し可能に取り付けられる被取付部と、を備えており、上記貯水タンクの取付部が上記タンク取付部材の被取付部に取り付けられた状態において、上記貯水タンクの取付部と上記タンク取付部材の上記被取付部との間には、上記タンク取付部材に対する上記貯水タンクの上下方向又は水平方向の相対位置を調整可能な隙間が形成されていることを特徴としている。
このように構成された本発明においては、タンク装置の貯水タンクの取付部がタンク取付部材の被取付部に取り付けられた状態であっても、タンク装置の非対称形状の貯水タンク内の洗浄水量が便器本体の洗浄状況に応じて変化した際には、貯水タンクの重心の位置についても変化するため、貯水タンクの重心位置によっては、貯水タンクの姿勢が傾いたり、貯水タンクが弾性的に変形したりしようとする現象が発生する場合がある。
しかしながら、このような非対称形状の貯水タンクの傾きや変形が発生するような場合であっても、貯水タンクの取付部がタンク取付部材の被取付部に取り付けられた状態において、貯水タンクの取付部とタンク取付部材の被取付部との間の隙間が、貯水タンクの傾きや変形を許容し、タンク取付部材に対する貯水タンクの上下方向又は水平方向の相対位置を調整することができる。
したがって、貯水タンクの傾きや変形により貯水タンクの取付部とタンク取付部材の被取付部との間でがたつきが生ずることによって発生する異音を抑制することができる。
また、貯水タンクの傾きや変形により貯水タンクの取付部とタンク取付部材の被取付部との間の固定部に対する応力集中を緩和することができ、貯水タンクの取付部やタンク取付部材の被取付部の破損についても抑制することができる。
さらに、タンク取付部材が固定される陶器製の便器本体において製造誤差が生じていたとしても、貯水タンクの取付部とタンク取付部材の被取付部との間の隙間が、便器本体自体の製造誤差による貯水タンクの取付部とタンク取付部材の被取付部との取り付け不良を抑制することができるため、貯水タンクについてタンク取付部材を介して便器本体に容易に取り付けることができる。
これらの結果、非対称形状の貯水タンクを陶器製の便器本体に対してがたつきを抑制しつつ固定することができる。
本発明において、好ましくは、上記貯水タンクの底部の少なくとも一部には、上記貯水タンクの取付部が上記タンク取付部材の被取付部に取り付けられた状態において上記タンク取付部材のベース部に着座可能な着座部が設けられている。
このように構成された本発明においては、貯水タンクの取付部がタンク取付部材の被取付部に取り付けられた状態において、貯水タンク内の洗浄水量に応じて貯水タンクの重心変化が生じ、貯水タンクの傾きや変形が発生したとしても、貯水タンクの底部の少なくとも一部に設けられた着座部がタンク取付部材のベース部に着座することができる。
したがって、貯水タンクの取付部をタンク取付部材の被取付部に取り付けるだけで、タンク取付部材のベース部が貯水タンクを下側から容易にかつ確実に支持することができる。
また、タンク取付部材が固定される便器本体自体に製造誤差が生じていたとしても、貯水タンクの取付部とタンク取付部材の被取付部との間の隙間が、貯水タンク自体の傾きや変形を緩和することができるため、タンク取付部材のベース部が貯水タンクについて底部の着座部を介して下方から容易に支持することができる。
本発明において、好ましくは、上記貯水タンクは、さらに、上記貯水タンクの底部から下方に突出する下方リブを備えており、上記タンク取付部材のベース部は、上方に突出する上方リブを備えており、上記貯水タンクの取付部が上記タンク取付部材の被取付部に取り付けられた際、上記下方リブは、上記上方リブに近接するように配置されている。
このように構成された本発明においては、貯水タンクの取付部がタンク取付部材の被取付部に取り付けられた際、貯水タンクの底部の下方リブがタンク取付部材のベース部の上方リブに近接するように配置されているため、貯水タンク内の洗浄水量に応じて貯水タンクの重心変化が生じ、貯水タンクの傾きや変形が大きく生ずる場合であっても、貯水タンクの底部の下方リブがタンク取付部材のベース部の上方リブに対して接触するようになる。
したがって、貯水タンクの底部の下方リブとタンク取付部材のベース部の上方リブとの互いの接触によって、貯水タンクの傾きや変形を効果的に抑制することができる。
本発明において、好ましくは、上記タンク取付部材の被取付部は、上記貯水タンクの取付部の下方に設けられている。
このように構成された本発明においては、タンク取付部材の被取付部が貯水タンクの取付部の下方に設けられていることにより、貯水タンクの取付部がタンク取付部材の被取付部に取り付けられた状態では、タンク取付部材の被取付部が貯水タンクの取付部を下側から確実に支持することができる。
したがって、貯水タンク内の洗浄水量に応じて貯水タンクの重心変化が生じることにより、貯水タンクの傾きや変形が生じ、タンク取付部材に対する貯水タンクの相対位置が上下方向にばらついた場合であっても十分に対応することができる。
本発明において、好ましくは、上記貯水タンクの上記着座部は、上記下方リブよりも上記貯水タンクの重心側に設けられ、上記貯水タンクの上記下方リブは、上記貯水タンクが重心変化により傾くことにより、上記上方リブ側に傾くように設けられている。
このように構成された本発明においては、貯水タンクの底部の着座部が下方リブよりも貯水タンクの重心側に設けられているため、貯水タンクの取付部がタンク取付部材の被取付部に取り付けられた際、着座部がタンク取付部材のベース部に確実に着座することができる。
また、貯水タンクが重心変化により傾いた際、貯水タンクの底部の下方リブがタンク取付部材のベース部の上方リブ側に傾くように設けられていることにより、貯水タンクが大きく傾こうとしても、タンク取付部材のベース部の上方リブ側に傾いた貯水タンクの下方リブがタンク取付部材のベース部の上方リブに接触する。これにより、貯水タンクの重心変化による貯水タンクの過度な傾きを確実に抑制することができる。
さらに、貯水タンクの取付部がタンク取付部材の被取付部に取り付けられた際、タンク取付部材に接触する貯水タンクの接触部分について、貯水タンクの取付部以外では、貯水タンクの底部の着座部と下方リブに集約させることができる。
これにより、貯水タンクの周囲空間を確保することができ、周辺機器や関連部材のレイアウト等に有効的に活用することができる。
本発明において、好ましくは、上記貯水タンクは、水平方向に延びる横領域と、この横領域の左右一方側から下方に延びる縦領域と、を備えた前後方向、左右方向、又は、上下方向に非対称な形状であり、上記下方リブは、上記貯水タンクの上記横領域における底部に設けられている。
このように構成された本発明においては、貯水タンクが、水平方向に延びる横領域と、この横領域の左右一方側から下方に延びる縦領域と、を備えた前後方向、左右方向、又は、上下方向に非対称の形状であるため、貯水タンク内の洗浄水量に応じて貯水タンクの重心変化が生じやすく、このような重心変化によって貯水タンクが傾き易い。
しかしながら、貯水タンクの横領域の底部に下方リブが設けられているため、貯水タンクが大きく傾こうとしても、タンク取付部材のベース部の上方リブ側に傾いた貯水タンクの下方リブがタンク取付部材のベース部の上方リブに接触する。これにより、貯水タンクの重心変化による貯水タンクの過度な傾きを確実に抑制することができる。
本発明の水洗大便器によれば、非対称形状の貯水タンクを陶器製の便器本体に対してがたつきを抑制しつつ固定することができる。
本発明の一実施形態による水洗大便器の全体構成図である。 本発明の一実施形態による水洗大便器の平面図である。 本発明の一実施形態による水洗大便器の洗浄水供給装置におけるタンク装置の分解斜視図である。 本発明の一実施形態による水洗大便器のタンク装置における貯水タンクの上面図である。 本発明の一実施形態による水洗大便器のタンク装置における貯水タンクの底面である。 図2のV-V線に沿った断面図である。 図2のVI-VI線に沿った断面図である。 本発明の一実施形態による水洗大便器のタンク装置のタンク取付部材の底部の部分を斜め上方から見た部分拡大斜視図である。 本発明の一実施形態による水洗大便器のタンク装置の貯水タンクを斜め下方から見た斜視図である。 本発明の一実施形態による水洗大便器におけるタンク装置の貯水タンク及びタンク取付部材の底部の部分を拡大した部分拡大側面断面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の一実施形態による水洗大便器について説明する。
まず、図1及び図2により、本発明の一実施形態による水洗大便器の全体構成について概略的に説明する。
図1は、本発明の一実施形態による水洗大便器の全体構成図である。また、図2は、本発明の一実施形態による水洗大便器の平面図である。
図1及び図2に示すように、本発明の一実施形態による水洗大便器1は、水道等の主給水源W0から供給された洗浄水が通水する給水路(主給水路2)と、陶器製の便器本体4と、洗浄水供給装置6と、を備えている。
つぎに、図1及び図2に示すように、便器本体4は、汚物を受けるボウル部8と、このボウル部8の上縁に形成されるリム部10と、ボウル部8の底部から延びる排水トラップ部12と、を備えている。
また、図1及び図2に示すように、洗浄水供給装置6は、詳細については後述するが、便器本体4のボウル部8よりも後方側に設けられており、主給水路2から供給された洗浄水を便器本体4に供給可能にする機能部である。この機能部は、より具体的には、電力により作動し、便器本体4のボウル部8への洗浄水の吐止水を制御する機能を含む。
つぎに、図2に示すように、便器本体4の左右一方側(便器本体4を前方側から見て右側)のリム部10の内部には、リム導水路14が形成されている。
このリム導水路14は、便器本体4の左右一方側(便器本体4を前方側から見て右側)のリム部10の内部において、便器本体4の後方側から前方に向かって延びた後、その途中から後方側に向かって屈曲する、いわゆる、Uターン形状となっている。また、このリム導水路14の下流端(下流側後端)には、リム吐水口14aが設けられている。
さらに、便器本体4のリム導水路14の上流側には、詳細は後述する洗浄水供給装置6のリム側給水路2aが接続されている。このリム側給水路2aからリム吐水口14aに供給された洗浄水は、リム吐水口14aから後方に向けてボウル部8内に吐出され、リム吐水が行われるようになっている。
つぎに、図1及び図2に示すように、便器本体4のボウル部8の外側面から底部かけてジェット導水路16が形成されている。このジェット導水路16の下流側は、ボウル部8の底部における排水トラップ部12の入口部12aに向かって指向しており、ジェット導水路16の下流端には、ジェット吐水口16aが設けられている。
また、便器本体4のジェット導水路16の上流側には、詳細は後述する洗浄水供給装置6のジェット側給水路2bが設けられている。このジェット側給水路2bから便器本体4のジェット導水路16に供給された洗浄水は、ジェット吐水口16aから排水トラップ部12に向けて吐出され、ジェット吐水が行われるようになっている。
ここで、図1に示すように、洗浄水供給装置6のリム側給水路2aの上流側は、主給水路2の分岐部Bの切替弁18に接続されている。
一方、図1に示すように、洗浄水供給装置6のジェット側給水路2bの上流側は、洗浄水供給装置6の貯水タンク20の下流側に設けられた洗浄水供給装置6の加圧ポンプ22に接続されている。
つぎに、便器本体4の排水トラップ部12は、ボウル部8の底部に設けられた入口部12aと、この入口部12aから上昇する上昇管12bと、この上昇管12bから下降する下降管12cとからなり、上昇管12bと下降管12cとの間が頂部12dとなっている。
また、図1に示すように、排水トラップ部12の下降管12cの出口部12eは、便器本体4の後方かつ下方に配置された排水ソケットSの入口部に接続されている。
さらに、図1に示すように、排水ソケットSの後方側の出口部は、便器本体4の後方の壁(図示せず)側から延びる排水管Dの入口部に接続されている。これにより、便器本体4の排水トラップ部12の出口部12eから排出された排水が排水ソケットSから壁側の排水管Dに排出される、いわゆる、「壁側排水」の排水形態となっている。
なお、本実施形態の水洗大便器1においては、このような「壁側排水」の排水形態に限られず、便器本体4の排水トラップ部12の出口部12eから排出された排水が、排水ソケットSから便器本体4の底面の設置面(床面F)の下側の排水管に排出される、いわゆる、「床側排水」の排水形態に対しても適用可能である。
つぎに、図1により、本実施形態による水洗大便器1の洗浄水供給装置6の各構成について概略的に説明する。
まず、図1に示すように、洗浄水供給装置6は、主給水路2の上流側から下流側に向かって、止水栓24、分岐金具26、バルブユニット28、及び、切替弁18をそれぞれ備えている。
つぎに、バルブユニット28は、定流量弁30、ダイヤフラム式の主弁32、及び、ソレノイドバブル等の電磁弁34をそれぞれ備えている。
また、洗浄水供給装置6は、コントローラ36を備えている。このコントローラ36は、バルブユニット28の開閉弁(電磁弁34)の開閉操作、切替弁18の切替操作、及び、加圧ポンプ22の回転数や作動時間等を制御する制御部として機能することができるようになっている。
さらに、バルブユニット28の定流量弁30は、主給水路2における止水栓24から分岐金具26を通過した洗浄水について、所定の流量以下に絞るためのものである。
ちなみに、分岐金具26においては、水洗大便器1に対して局部衛生洗浄装置(図示せず)が設けられた形態では、局部衛生洗浄装置(図示せず)に洗浄水を供給するための給水管(図示せず)が接続可能にもなっている。
さらに、バルブユニット28においては、電磁弁34がコントローラ36の制御により開弁操作されると、主弁32が開弁し、定流量弁30から主弁32を通過した洗浄水が、主給水路2の下流側の分岐部Bの切替弁18に供給されるようになっている。
ここで、切替弁18は、主給水路2の洗浄水をリム側給水路2aとタンク側給水路2cの双方に同じタイミングで洗浄水を供給可能であり、リム側とタンク側への給水量の割合を任意に変更することができるようになっている。
つぎに、洗浄水供給装置6は、主給水路2から供給された洗浄水を便器本体4に供給可能にするタンク装置Tを備えている。
このタンク装置Tは、詳細については後述するが、便器本体4の後方に連結されて主給水路2から供給された洗浄水を貯水する貯水タンク20と、この貯水タンク20内の洗浄水を便器本体4に圧送するポンプ(加圧ポンプ22)と、貯水タンク20を便器本体4に固定するタンク取付部材Mとを備えている。
さらに、主給水路2の下流側の分岐部Bの下流側には、便器本体4のリム導水路14に連通するリム側給水路2a、及び、貯水タンク20に接続されるタンク側給水路2cがそれぞれ設けられている。
これにより、主給水源W0から主給水路2の分岐部Bに供給された洗浄水は、リム側給水路2aへのリム給水及びタンク側給水路2cへのタンク給水の少なくともいずれか一方の給水として利用されるようになっている。
また、洗浄水供給装置6には、タンク側給水路2cの下流側から加圧ポンプ22まで延びるポンプ給水路2d、及び、加圧ポンプ22から下流側に延びるジェット側給水路2bがそれぞれ設けられている。
これらにより、本実施形態の水洗大便器1では、主給水路2から供給された水道直圧の洗浄水が、洗浄水供給装置6のリム側給水路2aから便器本体4のリム導水路14を経てリム吐水口14aに供給され、リム吐水口14aからの吐水(いわゆる、「リム吐水」)が可能になっている。
さらに、主給水路2から洗浄水供給装置6に供給された洗浄水は、洗浄水供給装置6のタンク側給水路2c、貯水タンク20、ポンプ給水路2d及び加圧ポンプ22を経た後、ジェット側給水路2bから便器本体4のジェット導水路16を経てジェット吐水口16aに供給され、ジェット吐水口16aからの吐水(いわゆる、「ジェット吐水」)が可能になっている。
すなわち、本実施形態の水洗大便器1は、主給水路2から供給された水道直圧の洗浄水によるリム吐水と、貯水タンク20から加圧ポンプ22により加圧された洗浄水によるジェット吐水とを併用することができる、いわゆる、ハイブリット式の水洗大便器1として機能するようになっている。
つぎに、貯水タンク20の内部には、上側フロートスイッチ38及び下側フロートスイッチ40がそれぞれ配置されている。これらのフロートスイッチ38,40により貯水タンク20内の水位を検出することができるようになっている。
例えば、上側フロートスイッチ38は、貯水タンク20内の水位が所定の貯水水位に達するとオンに切り替わり、この上側フロートスイッチ38のオン状態をコントローラ36が検知して、電磁弁34を閉弁させるようになっている。
一方、下側フロートスイッチ40においては、貯水タンク20内の水位が、上側フロートスイッチ38が検知する所定の貯水水位よりも低い所定の水位まで低下するとオンに切り替わり、この下側フロートスイッチ40のオン状態をコントローラ36が検知して、加圧ポンプ22を停止させるようになっている。
また、加圧ポンプ22は、貯水タンク20に貯水された洗浄水をポンプ給水路2dに吸引し、このポンプ給水路2dから洗浄水をジェット側給水路2bに加圧することにより、ジェット吐水口16aから吐出させるためのものである。
これらの構造により、通常の便器洗浄時においては、コントローラ36が、使用者による便器洗浄スイッチ(図示せず)の操作等を検知し、電磁弁34、切替弁18、加圧ポンプ22を順次作動させるようになっている。
これにより、リム吐水口14a及びジェット吐水口16aからの吐水が順次開始されて、ボウル部8内を洗浄した洗浄水は、ボウル部8内の汚物と共に排水トラップ部12から排出されるようになっている。
さらに、コントローラ36は、洗浄終了後、電磁弁34を開放し、切替弁18がタンク側給水路2c側に切り替えられ、主給水路2内の洗浄水が貯水タンク20に補給されるようになっている。
そして、貯水タンク20内の水位が上昇し、上側フロートスイッチ38が規定の貯水量を検出すると、コントローラ36が電磁弁34を閉弁させることにより、主弁32が主給水路2を閉鎖し、給水が停止されるようになっている。
つぎに、図2~図9を参照して、本実施形態による水洗大便器1の洗浄水供給装置6におけるタンク装置Tの具体的な構造について説明する。
図3は、本発明の一実施形態による水洗大便器の洗浄水供給装置におけるタンク装置の分解斜視図である。また、図4Aは、本発明の一実施形態による水洗大便器のタンク装置における貯水タンクの上面図である。さらに、図4Bは、本発明の一実施形態による水洗大便器のタンク装置における貯水タンクの底面である。
図2及び図3に示すように、タンク装置Tは、便器本体4に対し、下方側からタンク取付部材M、貯水タンク20、及び、上側支持プレート42をそれぞれ備えている。
ここで、図3に示す貯水タンク20については、その内部が見えるように、上蓋20a(図2参照)を省略している。
まず、タンク取付部材Mは、ベース部44を備えており、このベース部44は、その後端側から上方に延びるように設けられた後壁部46を備えている。
図3に示すように、タンク取付部材Mのベース部44は、便器本体4の排水トラップ部12の後方側に設けられた台座部48に対して固定されるようになっている。
より具体的には、ベース部44は、左右一対の固定穴(ねじ穴44a,44b)を備えている。また、便器本体4の台座部48は、ベース部44の左右一対の各固定穴(ねじ穴44a,44b)の下方に位置する左右一対の固定穴(ねじ穴48a,48b)を備えている。
これらにより、ベース部44の各固定穴(ねじ穴44a,44b)が、便器本体4の台座部48の各固定穴(ねじ穴48a,48b)に対して上下方向に対向するように互いの中心軸線A1,A2を一致させた状態で、2つの固定ねじ50,52のそれぞれによって固定されるようになっている。
また、図3に示すように、タンク取付部材Mの後壁部46の左右両側には、固定穴(ねじ穴46c,46d)が設けられている。また、便器本体4の後方側内部の後端かつ左右両側の隅部には、上下方向に柱状に延びる左右一対の支持部54,56が設けられており、各支持部54,56の上端部には、各固定穴(ねじ穴54a,56a)がそれぞれ設けられている。
これらにより、タンク取付部材Mの後壁部46の各固定穴(ねじ穴46a,46b)が、便器本体4の各支持部54,56の各固定穴(ねじ穴54a,56b)に対して上下方向に対向するように互いの中心軸線A3,A4を一致させた状態で、2つの固定ねじ58,60のそれぞれによって固定されるようになっている。
つぎに、図3~図4Bに示すように、貯水タンク20は、水平方向に延びる横領域V1と、この横領域V1の左右一方側(貯水タンク20を前方から見て右側)から下方に延びる縦領域V2と、を備えており、前後方向、左右方向、及び、上下方向に非対称な形状である。
また、図3~図4Bに示すように、貯水タンク20は、タンク取付部材Mの一部に対して上方から取り付けられる取付部(左側取付部62、右側取付部64)を備えている。
さらに、図3に示すように、貯水タンク20の各取付部(左側取付部62、右側取付部64)は、その詳細については後述するが、これらの下方に位置しかつ上下方向に対向するタンク取付部材Mの各被取付部(中央側被取付部66、右側被取付部68)のそれぞれに対して上方から取り外し可能に取り付けられるようになっている。
すなわち、タンク取付部材Mの各被取付部66,68は、貯水タンク20の各取付部62,64の下方に設けられている。
ここで、貯水タンク20の左側取付部62及び右側取付部64は、左側取付部62と右側取付部64とを結ぶ仮想線C1(図4A参照)の上に貯水タンク20の重心が位置しないように配置されている。
また、各取付部62,64に対して隙間G1~G8を設けることにより、各取付部62,64について、両者62,64を結ぶ仮想線C1の上に重心が配置されるように設けなくても、各取付部62,64に荷重が集中し、各取付部62,64等が破損することを抑制することができるようになっている。これにより、貯水タンク20の重心の位置に関わる取付部62,64を設けることができるようになっている。
さらに、下方リブ90と上方リブ92を備えることにより、各取付部62,64を結ぶ仮想線C1の上に重心が配置されるように設けなくても、貯水タンク20について傾きを抑制ながら、安定して取り付けることができるようになっている。
つぎに、図2及び図3に示すように、上側支持プレート42は、貯水タンク20の各取付部(左側取付部62、右側取付部64)のそれぞれに上方から取り付けられる取付部(中央側取付部70、右側取付部72)を備えている。
すなわち、上側支持プレート42の各取付部70,72は、貯水タンク20の各取付部62,64の上方に設けられている。
また、図2及び図3に示すように、上側支持プレート42は、貯水タンク20を介さずにタンク取付部材Mの被取付部(左側被取付部74)に対して上方から直接的に取り付けられる左側取付部76を備えている。この上側支持プレート42の左側取付部76は、固定ねじ78によりタンク取付部材Mの左側被取付部74に固定されている。
つぎに、図2~図6を参照して、貯水タンク20の各取付部(左側取付部62、右側取付部64)、タンク取付部材Mの各被取付部(中央側被取付部66、右側被取付部68)、並びに、上側支持プレート42の各取付部(中央側取付部70、右側取付部72)における取付構造について具体的に説明する。
図5は、図2のV-V線に沿った断面図である。また、図6は、図2のVI-VI線に沿った断面図である。さらに、
まず、図3、図5及び図7に示すように、貯水タンク20の左側取付部62及び上側支持プレート42の中央側取付部70のそれぞれがタンク取付部材Mの中央側被取付部66に対して上方から取り付けられた状態では、タンク取付部材Mの中央側被取付部66の固定穴(ねじ穴66a)と上側支持プレート42の中央側取付部70の固定穴(ねじ穴70a)の互いの中心軸線A5が一致している。
これにより、上側支持プレート42の中央側取付部70がタンク取付部材Mの中央側被取付部66に対して固定ねじ80によって固定されている。
また、このような貯水タンク20の取付状態においては、図5に示すように、貯水タンク20の左側取付部62の取付穴62a内に対して、タンク取付部材Mの中央側被取付部66における円柱状の突出部分(円柱状突出部66b)が挿入されている。
さらに、貯水タンク20の取付状態においては、図5に示すように、タンク取付部材Mの中央側被取付部66における円柱状突出部66bの上端面66cと、上側支持プレート42の中央側取付部70の下端面70bとが互いに上下方向の隙間なく接触している。
一方、貯水タンク20の取付状態においては、図5に示すように、タンク取付部材Mの中央側被取付部66の突出部66bの上端面66cは、貯水タンク20の左側取付部62における取付穴62aの上端(拡径部62b)よりも上方に突出している。
これにより、貯水タンク20の左側取付部62における取付穴62aの上端(拡径部62b)と上側支持プレート42の中央側取付部70の下端面70bとの間に上下方向の隙間(上方隙間G1)が形成されている。
また、貯水タンク20の取付状態においては、図5に示すように、タンク取付部材Mの中央側被取付部66の突出部66bの基端部66dは、貯水タンク20の左側取付部62の取付穴62aの下端よりも下方に位置しているため、貯水タンク20の左側取付部62の取付穴62aの下端とタンク取付部材Mの中央側被取付部66の突出部66bの基端部66dとの間に上下方向の隙間(下方隙間G2)が形成されている。
さらに、貯水タンク20の取付状態においては、図5に示すように、タンク取付部材Mの中央側被取付部66における円柱状突出部66bの外周面と貯水タンク20の左側取付部62の取付穴62aの内周面との間には、径方向の隙間(径方向隙間G3,G4)が形成されている。
また、取付状態の貯水タンク20の左側取付部62は、固定された状態のタンク取付部材Mの中央側被取付部66及び上側支持プレート42の中央側取付部70に対して、これらの隙間G1,G2,G3,G4により、上下方向、並びに、水平前後方向及び水平左右方向に移動可能となっている。
これにより、貯水タンク20の取付位置や姿勢を微調整することができるようになっている。
さらに、隙間G1,G2,G3,G4の大きさについては、隙間G1,G2が互いにほぼ同一に設定されており、隙間G3,G4についても、互いにほぼ同一に設定されている。
また、隙間G1,G2については、隙間G3,G4よりも大きく設定されている。
ここで、隙間G1,G2の上下方向の長さ寸法H1,H2については、1.3mm~1.7mmに設定することが好ましく、1.5mmに設定することが最も好ましい。
また、隙間G3,G4における前後及び左右の水平方向を含む径方向の長さ寸法L1,L2については、0.2mm~0.6mmに設定することが好ましく、0.4mmに設定することが最も好ましい。
つぎに、図3及び図6に示すように、貯水タンク20の右側取付部64及び上側支持プレート42の右側取付部72のそれぞれがタンク取付部材Mの右側被取付部68に対して上方から取り付けられた状態では、タンク取付部材Mの右側被取付部68の固定穴(ねじ穴68a)と上側支持プレート42の右側取付部72の固定穴(ねじ穴72a)の互いの中心軸線A6が一致している。
これにより、上側支持プレート42の右側取付部72がタンク取付部材Mの右側被取付部68に対して固定ねじ82によって固定されている。
また、このような貯水タンク20の取付状態においては、図6に示すように、貯水タンク20の右側取付部64の取付穴64a内に対して、タンク取付部材Mの右側被取付部68における円柱状の突出部分(円柱状突出部68b)が挿入されている。
さらに、貯水タンク20の取付状態においては、図6に示すように、タンク取付部材Mの右側被取付部68における円柱状突出部68bの上端面68cと、上側支持プレート42の右側取付部72の下端面72bとが互いに上下方向の隙間なく接触している。
一方、貯水タンク20の取付状態においては、図6に示すように、タンク取付部材Mの右側被取付部68の突出部68bの上端面68cは、貯水タンク20の右側取付部64における取付穴64aの拡径部64bよりも上方に突出している。
これにより、貯水タンク20の右側取付部64における取付穴64aの拡径部64bと上側支持プレート42の右側取付部72の下端面72bとの間に上下方向の隙間(上方隙間G5)が形成されている。
また、貯水タンク20の取付状態においては、図6に示すように、タンク取付部材Mの右側被取付部68の突出部68bの基端部68dは、貯水タンク20の右側取付部64の取付穴64aの下端よりも下方に位置しているため、貯水タンク20の右側取付部64の取付穴64aの下端とタンク取付部材Mの右側被取付部68の突出部68bの基端部68dとの間に上下方向の隙間(下方隙間G6)が形成されている。
さらに、貯水タンク20の取付状態においては、図6に示すように、タンク取付部材Mの右側被取付部68における円柱状突出部68bの外周面と貯水タンク20の右側取付部64の取付穴64aの内周面との間には、径方向の隙間(径方向隙間G7,G8)が形成されている。
また、取付状態の貯水タンク20の右側取付部64は、固定された状態のタンク取付部材Mの右側被取付部68及び上側支持プレート42の右側取付部72に対して、これらの隙間G5,G6,G7,G8により、上下方向、並びに、水平前後方向及び水平左右方向に移動可能となっている。
これにより、貯水タンク20の取付位置や姿勢を微調整することができるようになっている。
さらに、隙間G5,G6,G7,G8の大きさについては、隙間G5,G6が互いにほぼ同一に設定されており、隙間G7,G8についても、互いにほぼ同一に設定されている。
また、隙間G5,G6については、隙間G7,G8よりも大きく設定されている。
ここで、隙間G5,G6の上下方向の長さ寸法H3,H4については、1.3mm~1.7mmに設定することが好ましく、1.5mmに設定することが最も好ましい。
また、隙間G7,G8における前後及び左右の水平方向を含む径方向の長さ寸法L3,L4については、0.2mm~0.6mmに設定することが好ましく、0.4mmに設定することが最も好ましい。
つぎに、図8は、本発明の一実施形態による水洗大便器のタンク装置の貯水タンクを斜め下方から見た斜視図である。また、図9は、本発明の一実施形態による水洗大便器におけるタンク装置の貯水タンク及びタンク取付部材の底部の部分を拡大した部分拡大側面断面図である。
まず、図4B及び図7~図9に示すように、貯水タンク20の左右中央における横領域V1の底部20bには、着座部84(前側着座部86、後側着座部88)及び下方リブ90が互いに前後方向に配置されるように設けられている。
また、図9に示すように、着座部84(前側着座部86、後側着座部88)は、貯水タンク20の取付部62,64がタンク取付部材Mの被取付部66,68に取り付けられた状態では、タンク取付部材Mのベース部44の底面44eに着座可能となっている。
一方、図9に示すように、下方リブ90は、貯水タンク20の底部20bから下方に突出しているが、貯水タンク20の取付部62,64がタンク取付部材Mの被取付部66,68に取り付けられた状態であっても、タンク取付部材Mのベース部44の固定穴(ねじ穴44b)よりも後方側の底面44fと接触していない状態となっている。
すなわち、下方リブ90の最低底面90aとタンク取付部材Mのベース部44の固定穴(ねじ穴44b)よりも後方側の底面44fとの上下方向の間には、隙間(底側隙間G9)が形成されている。
ここで、底側隙間G9の上下方向の長さ寸法H5については、1.3mm~1.7mmに設定することが好ましく、1.5mmに設定することが最も好ましい。
つぎに、図3、図7及び図9に示すように、タンク取付部材Mのベース部44の固定穴(ねじ穴44b)よりも後方側の底面44fには、上方に突出する上方リブ92が設けられている。
図9に示すように、貯水タンク20の取付部62,64がタンク取付部材Mの被取付部66,68に取り付けられた状態では、貯水タンク20の下方リブ90は、タンク取付部材Mのベース部44の上方リブ92に近接するように配置されている。
これにより、貯水タンク20の下方リブ90の後端部分90bとタンク取付部材Mのベース部44の上方リブ92の前端部分92aと間には、隙間(後方隙間G10)が形成されている。
ここで、後方隙間G10の前後方向の長さ寸法L5については、0.2mm~0.6mmに設定することが好ましく、0.4mmに設定することが最も好ましい。
ここで、図9に示すように、貯水タンク20の着座部84(前側着座部86、後側着座部88)は、下方リブ90よりも貯水タンク20の重心側(前側)に設けられている。
これにより、貯水タンクの下方リブ90は、例えば、貯水タンク20が重心変化により前側に傾くことにより、上方リブ92側(後側)に傾くようになっている。
しかしながら、貯水タンク20が傾くことにより、下方リブ90が上方リブ92側(後側)に傾いたとしても、下方リブ90の後端部分90bが上方リブ92の前端部分92aに接触するため、それ以上の貯水タンク20の傾きが抑制されるようになっている。
つぎに、図1~図9を参照して、上述した本発明の一実施形態による水洗大便器1の作用について説明する。
まず、本発明の一実施形態による水洗大便器1によれば、タンク装置Tの貯水タンク20の取付部62,64がタンク取付部材Mの被取付部66,68に取り付けられた状態であっても、タンク装置Tの非対称形状の貯水タンク20内の洗浄水量が便器本体4の洗浄状況に応じて変化した際には、貯水タンク20の重心の位置についても変化するため、貯水タンク20の重心位置によっては、貯水タンク20の姿勢が傾いたり、貯水タンク20が弾性的に変形したりしようとする現象が発生する場合がある。
しかしながら、このような非対称形状の貯水タンク20の傾きや変形が発生するような場合であっても、貯水タンク20の取付部62,64がタンク取付部材Mの被取付部66,68に取り付けられた状態において、貯水タンク20の取付部62,64とタンク取付部材Mの被取付部66,68との間の隙間G1~G8が、貯水タンク20の傾きや変形を許容し、タンク取付部材Mに対する貯水タンク20の上下方向及び水平方向の相対位置を調整することができる。
したがって、貯水タンク20の傾きや変形により貯水タンク20の取付部62,64とタンク取付部材Mの被取付部66,68との間でがたつきが生ずることによって発生する異音を抑制することができる。
また、貯水タンク20の傾きや変形により貯水タンク20の取付部62,64とタンク取付部材Mの被取付部66,68との間の固定部に対する応力集中を緩和することができ、貯水タンク20の取付部62,64やタンク取付部材Mの被取付部66,68の破損についても抑制することができる。
さらに、タンク取付部材Mが固定される陶器製の便器本体4において製造誤差が生じていたとしても、貯水タンク20の取付部62,64とタンク取付部材Mの被取付部66,68との間の隙間G1~G8が、便器本体4自体の製造誤差による貯水タンク20の取付部62,64とタンク取付部材Mの被取付部66,68との取り付け不良を抑制することができるため、貯水タンク20についてタンク取付部材Mを介して便器本体4に容易に取り付けることができる。
これらの結果、非対称形状の貯水タンク20を陶器製の便器本体4に対してがたつきを抑制しつつ固定することができる。
また、本実施形態による水洗大便器1によれば、貯水タンク20の取付部62,64がタンク取付部材Mの被取付部66,68に取り付けられた状態において、貯水タンク20内の洗浄水量に応じて貯水タンク20の重心変化が生じ、貯水タンク20の傾きや変形が発生したとしても、貯水タンク20の底部20bの一部に設けられた着座部84(86,88)がタンク取付部材Mのベース部44の底面44eに着座することができる。
したがって、貯水タンク20の取付部62,64をタンク取付部材Mの被取付部66,68に取り付けるだけで、タンク取付部材Mのベース部44が貯水タンク20を下側から容易にかつ確実に支持することができる。
また、タンク取付部材Mが固定される便器本体4自体に製造誤差が生じていたとしても、貯水タンク20の取付部62,64とタンク取付部材Mの被取付部66,68との間の隙間G1~G8が、貯水タンク20自体の傾きや変形を緩和することができる。
よって、タンク取付部材Mのベース部44が貯水タンク20について底部20bの着座部84(86,88)を介して下方から容易に支持することができる。
さらに、本実施形態による水洗大便器1によれば、貯水タンク20の取付部62,64がタンク取付部材Mの被取付部66,68に取り付けられた際、貯水タンク20の底部の下方リブ90がタンク取付部材Mのベース部44の上方リブ92に近接するように配置されている。
これにより、貯水タンク20内の洗浄水量に応じて貯水タンク20の重心変化が生じ、貯水タンク20の傾きや変形が大きく生ずる場合であっても、貯水タンク20の底部の下方リブ90がタンク取付部材Mのベース部44の上方リブ92に対して接触するようになる。
したがって、貯水タンク20の底部の下方リブ90とタンク取付部材Mのベース部44の上方リブ92との互いの接触によって、貯水タンク20の傾きや変形を効果的に抑制することができる。
また、本実施形態による水洗大便器1によれば、タンク取付部材Mの被取付部66,68が貯水タンク20の取付部62,64の下方に設けられていることにより、貯水タンク20の取付部62,64がタンク取付部材Mの被取付部66,68に取り付けられた状態では、タンク取付部材Mの被取付部66,68が貯水タンク20の取付部62,64を下側から確実に支持することができる。
したがって、貯水タンク20内の洗浄水量に応じて貯水タンク20の重心変化が生じることにより、貯水タンク20の傾きや変形が生じ、タンク取付部材Mに対する貯水タンク20の相対位置が上下方向にばらついた場合であっても十分に対応することができる。
さらに、本実施形態による水洗大便器1によれば、貯水タンク20の底部の着座部84(86,88)が下方リブ90よりも貯水タンクの重心側(前側)に設けられている。
これにより、貯水タンク20の取付部62,64がタンク取付部材Mの被取付部66,68に取り付けられた際、着座部84(86,88)がタンク取付部材Mのベース部44の底面44eに確実に着座することができる(図9参照)。
また、貯水タンク20が重心変化により傾いた際、貯水タンク20の底部の下方リブ90がタンク取付部材Mのベース部44の上方リブ92側(後側)に傾くように設けられている。
これにより、貯水タンク20が大きく傾こうとしても、タンク取付部材Mのベース部44の上方リブ92側に傾いた貯水タンク20の下方リブ90がタンク取付部材Mのベース部44の上方リブ92に接触する。これにより、貯水タンク20の重心変化による貯水タンク20の過度な傾きを確実に抑制することができる。
さらに、貯水タンク20の取付部62,64がタンク取付部材Mの被取付部66,68に取り付けられた際、タンク取付部材Mに接触する貯水タンク20の接触部分について、貯水タンク20の取付部62,64以外では、貯水タンク20の底部の着座部84(86,88)と下方リブ90に集約させることができる。
これにより、貯水タンク20の周囲空間を確保することができ、周辺機器や関連部材のレイアウト等に有効的に活用することができる。
また、本実施形態による水洗大便器1によれば、貯水タンク20が、水平方向に延びる横領域V1と、この横領域V1の左右一方側(貯水タンク20を前方から見て右側)から下方に延びる縦領域V2と、を備えており、前後方向、左右方向、及び、上下方向に非対称の形状であるため、貯水タンク20内の洗浄水量に応じて貯水タンク20の重心変化が生じやすく、このような重心変化によって貯水タンク20が傾き易い。
しかしながら、貯水タンク20の横領域V1の底部に下方リブ90が設けられているため、貯水タンク20が大きく傾こうとしても、タンク取付部材Mのベース部44の上方リブ92側に傾いた貯水タンク20の下方リブ90がタンク取付部材Mのベース部44の上方リブ92に接触する。これにより、貯水タンク20の重心変化による貯水タンク20の過度な傾きを確実に抑制することができる。
1 本発明の一実施形態による水洗大便器(ハイブリット式の水洗大便器)
2 主給水路
2a リム側給水路
2b ジェット側給水路
2c タンク側給水路
2d ポンプ給水路
4 便器本体
6 洗浄水供給装置(機能部)
8 ボウル部
10 リム部
12 排水トラップ部
12a 排水トラップ部の入口部
12b 排水トラップ部の上昇管
12c 排水トラップ部の下降管
12d 排水トラップ部の頂部
12e 排水トラップ部の出口部
14 リム導水路
14a リム吐水口
16 ジェット導水路
16a ジェット口
18 切替弁
20 貯水タンク
20a 上蓋
20b 貯水タンクの底部
22 加圧ポンプ
24 止水栓
26 分岐金具
26a 停電切替弁
28 バルブユニット
30 定流量弁
32 ダイヤフラム式の主弁
34 電磁弁
36 コントローラ
38 上側フロートスイッチ
40 下側フロートスイッチ
42 上側支持プレート
44 タンク取付部材のベース部
44a 固定穴、ねじ穴
44b 固定穴、ねじ穴
44c 固定穴、ねじ穴
44d 固定穴、ねじ穴
44e ベース部の底面
44f ベース部の底面
46 タンク取付部材のベース部の後壁部
46a 固定穴、ねじ穴
46b 固定穴、ねじ穴
46c 固定穴、ねじ穴
46d 固定穴、ねじ穴
48 便器本体の台座部
48a ねじ穴
48b ねじ穴
50 固定ねじ
52 固定ねじ
54 便器本体の支持部
54a ねじ穴
56 便器本体の支持部
56a ねじ穴
58 固定ねじ
60 固定ねじ
62 貯水タンクの左側取付部(貯水タンクの取付部)
62a 取付穴
62b 取付穴の上端、拡径部
64 貯水タンクの右側取付部(貯水タンクの取付部)
64a 取付穴
64b 拡径部
66 タンク取付部材の中央側被取付部(タンク取付部材の被取付部)
66a 固定穴、ねじ穴
66b 円柱状突出部
66c 円柱状突出部の上端面
66d 円柱状突出部の基端部
68 タンク取付部材の右側被取付部(タンク取付部材の被取付部)
68a 固定穴、ねじ穴
68b 円柱状突出部
68c 円柱状突出部の上端面
70 上側支持プレートの中央側取付部
70a 固定穴、ねじ穴
70b 上側支持プレートの中央側取付部の下端面
72 上側支持プレートの右側取付部
72a 固定穴、ねじ穴
74 タンク取付部材の左側被取付部
76 上側支持プレートの左側取付部
78 固定ねじ
80 固定ねじ
82 固定ねじ
84 着座部
86 前側着座部
88 後側着座部
90 下方リブ
90a 下方リブの最低底面
90b 下方リブの後端部分
92 上方リブ
92a 上方リブの前端部分
A1 固定穴の中心軸線
A2 固定穴の中心軸線
A3 固定穴の中心軸線
A4 固定穴の中心軸線
A5 固定穴の中心軸線
A6 固定穴の中心軸線
A7 固定穴の中心軸線
B 分岐部
C1 仮想線
D 排水管
E 二重壁部
F 床面
G1 上方隙間
G2 下方隙間
G3 径方向隙間
G4 径方向隙間
G5 上方隙間
G6 下方隙間
G7 径方向隙間
G8 径方向隙間
G9 底側隙間
G10 後方隙間
H1 上方隙間の上下方向の長さ寸法
H2 下方隙間の上下方向の長さ寸法
H3 上方隙間の上下方向の長さ寸法
H4 下方隙間の上下方向の長さ寸法
H5 底側隙間の上下方向の長さ寸法
L1 径方向隙間の径方向の長さ寸法
L2 径方向隙間の径方向の長さ寸法
L3 径方向隙間の径方向の長さ寸法
L4 径方向隙間の径方向の長さ寸法
L5 後方隙間の前後方向の長さ寸法
M タンク取付部材
S 排水ソケット
T タンク装置
V1 貯水タンク内の横領域
V2 貯水タンク内の縦領域
W0 主給水源

Claims (6)

  1. 洗浄水により洗浄されて汚物を排出する水洗大便器であって、
    汚物を受けるボウル部と、このボウル部内の汚物を排出する排水トラップ部と、を備えた陶器製の便器本体と、
    この便器本体に洗浄水を供給するタンク装置と、を有し、
    このタンク装置は、上記便器本体の後方且つ床面よりも上方に離間して設けられ、上記便器本体に供給する洗浄水を貯水する非対称形状の貯水タンクと、
    上記便器本体のボウル部よりも後方側に固定され、上記貯水タンクが取り外し可能に取り付けられるタンク取付部材と、を備えており、
    上記タンク取付部材は、上記貯水タンクを支持するベース部と、このベース部に設けられて上記貯水タンクの取付部が取り外し可能に取り付けられる被取付部と、を備えており、
    上記貯水タンクの取付部が上記タンク取付部材の被取付部に取り付けられた状態において、上記貯水タンクの取付部と上記タンク取付部材の上記被取付部との間には、上記タンク取付部材に対する上記貯水タンクの上下方向又は水平方向の相対位置を調整可能な隙間が形成されていることを特徴とする水洗大便器。
  2. 上記貯水タンクの底部の少なくとも一部には、上記貯水タンクの取付部が上記タンク取付部材の被取付部に取り付けられた状態において上記タンク取付部材のベース部に着座可能な着座部が設けられている請求項1記載の水洗大便器。
  3. 上記貯水タンクは、さらに、上記貯水タンクの底部から下方に突出する下方リブを備えており、上記タンク取付部材のベース部は、上方に突出する上方リブを備えており、上記貯水タンクの取付部が上記タンク取付部材の被取付部に取り付けられた際、上記下方リブは、上記上方リブに近接するように配置されている請求項2記載の水洗大便器。
  4. 上記タンク取付部材の被取付部は、上記貯水タンクの取付部の下方に設けられている請求項1乃至3の何れか1項に記載の水洗大便器。
  5. 上記貯水タンクの上記着座部は、上記下方リブよりも上記貯水タンクの重心側に設けられ、上記貯水タンクの上記下方リブは、上記貯水タンクが重心変化により傾くことにより、上記上方リブ側に傾くように設けられている請求項3記載の水洗大便器。
  6. 上記貯水タンクは、水平方向に延びる横領域と、この横領域の左右一方側から下方に延びる縦領域と、を備えた前後方向、左右方向、又は、上下方向に非対称な形状であり、上記下方リブは、上記貯水タンクの上記横領域における底部に設けられている請求項3又は5に記載の水洗大便器。
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