JP2023095178A - 積層体の製造装置及び積層体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高品質の膜電極接合体を、生産効率を向上させ、且つ装置コストの低減を図りながら製造する。【解決手段】膜電極積層接合体の製造装置の塗工乾燥機1は、吸着ベルトb1と、吸着ベルトb1及び帯状の積層基材フィルムf1を、重ねた状態で吸着ベルトb1側から支持する塗工ロール32と、塗工ロール32の下流に設けられ、塗工ロール32と協働して吸着ベルトb1と積層基材フィルムf1とを下流方向に搬送する駆動ロール16a、16bと、積層基材フィルムf1に触媒層となる触媒インクを塗布するダイヘッド31と、塗工ロール32の下流に設けられ触媒インクを乾燥させる乾燥設備4と、触媒インクが積層基材フィルムf1に塗布される地点から触媒インクの乾燥が終了する地点までを含む区間において、積層基材フィルムf1を吸着ベルトb1に吸着させる吸着設備5と、を備える。【選択図】図2
Description
本発明は、積層体の製造装置及び積層体の製造方法に関する。
燃料電池部材である電解質膜の両面に一対の電極触媒層(アノード極とカソード極)を有する膜電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)は、典型的には白金(Pt)などを含む触媒粒子をアルコールなどの溶媒中に分散させた触媒インクを、電解質膜上に塗工し乾燥させて触媒層を形成することによって作製される。固体高分子型燃料電池においては、電解質膜は触媒インク溶媒や雰囲気中の水分を吸収し膨潤/収縮する性質を有するため、触媒インクの塗工及び乾燥時にシワやクラックが発生する。シワやクラックは、燃料電池の性能低下に繋がることから抑制する必要がある。
シワやクラックの発生を防止する方法として、電解質膜上への触媒インクの塗布及び乾燥を行う際に、電解質膜の、触媒インクの塗工面とは逆側に支持フィルムを配置し、かつ塗工中は、支持フィルムをステージに-40kPa以下の負圧で吸着することによって塗工及び乾燥中の電解質膜の膨潤又は収縮による変形を抑制できる。ここで、支持フィルムと塗工面の裏側とはその全面が十分に密着している必要がある。支持フィルムと塗工面の裏側とを十分に密着させる方法として、支持フィルムと塗工面の裏側とを接着することが考えられる。しかしながら、触媒層と支持フィルムとを接着することは、触媒層の破壊をもたらす。そのため、電解質膜の片面に触媒層を形成する際には、支持フィルムと塗工面の裏側とを接着することはできるが、続いてもう一方の面に触媒層を形成する際には、既に片面には触媒層が形成されているため、支持フィルムと塗工面の裏側、すなわち触媒層が形成された面とを接着することはできない。つまり、支持フィルムを利用した電解質膜の変形の抑制は実施できない。
これに対し、電解質膜の変形を抑制する方法として、搬送路全体に渡って、電解質膜の触媒層を形成した面を吸着固定した状態で、塗工から乾燥までの工程を行うことが考えられる。例えば、枚葉バッジ方式を用いて、吸着プレートに電解質膜を吸着保持した状態で触媒インクを塗工し、乾燥させて触媒層を得ることで解決することができる。しかしながら、枚葉バッジ方式では生産性の向上のために電解質膜の一枚の大きさを大きくした場合に吸着プレートも大面積化する必要があるが、研磨等により平坦性を出す際の寸法精度の担保が難しくなる。また、乾燥工程と一体化しているために乾燥機構の寸法も大きくする必要があり、装置の巨大化を招く。
また、吸着ロールに電解質膜を吸着させた状態で、触媒インクを塗工し乾燥させて触媒層を形成する、ロールtoロール方式の手法も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1で示した膜電極接合体の製造技術は、吸着ロールに乾燥設備を設け、触媒インクの塗工面が吸着ロールを通過する間に触媒インクの塗布と乾燥を行うようにしたものである。電解質膜上に塗工した触媒インクの溶媒成分を揮発させるためにはある程度の乾燥時間が必要であるため、触媒インクを乾燥する工程の乾燥時間を確保するためには、吸着ロールの直径を大きくしたり、搬送速度を低減したりする必要がある。
しかし、吸着ロールの直径を大きくすると、装置が大型化することになり、大型化に伴って装置コストの増大や、設置場所の制約等が生じる。また、搬送速度を低減すると、生産性が低下する。
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、触媒層にシワやクラックが発生することを防止し、高品質の膜電極接合体を、生産効率を向上させ、且つ装置コストの低減を図りながら製造することができる積層体の製造装置及び積層体の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するべく、本発明の一態様によれば、電解質膜を含む積層基材フィルムと積層基材フィルム上に積層された触媒層との積層体の製造装置であって、複数の貫通孔を有する帯状の吸着ベルトと、吸着ベルト及び帯状の積層基材フィルムを、重ねた状態で吸着ベルト側から支持する塗工ロールと、塗工ロールの下流に設けられ、塗工ロールと協働して吸着ベルトと積層基材フィルムとを重なった状態で下流方向に搬送する駆動ロールと、積層基材フィルムの、吸着ベルトを介して塗工ロールの外周と重なる領域の吸着ベルトとは逆側の面に、触媒層となる触媒インクを塗布する塗工ヘッドと、塗工ロールの下流に設けられ、積層基材フィルムに塗布された触媒インクを乾燥させる乾燥設備と、少なくとも触媒インクが積層基材フィルムに塗布される地点から触媒インクの乾燥が終了する地点までを含む区間において、積層基材フィルムを吸着ベルトに吸着させる吸着設備と、を備える、積層体の製造装置、が提供される。
本発明の他の態様によれば、電解質膜を含む帯状の積層基材フィルムに触媒インクを塗布する工程と、積層基材フィルムに塗布された触媒インクを乾燥させる工程と、を備えた、積層基材フィルムと触媒層との積層体の製造方法であって、複数の貫通孔を有する帯状の吸着ベルトと積層基材フィルムとを重ねた状態で、塗工ロールと、塗工ロールと協働する駆動ロールとにより吸着ベルト側から支持し、少なくとも積層基材フィルムに触媒インクを塗布する地点から触媒インクの乾燥が終了する地点までを含む区間において、積層基材フィルムを吸着ベルトに吸着させた状態で搬送する、積層体の製造方法、が提供される。
本発明に係る積層体の製造装置及び積層体の製造方法によれば、生産効率を向上させ装置コストの低減化を図りながら、シワやクラック等が生じていない良好な積層体を提供することができる。
次に、図面を参照して、本発明に係る実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
また、以下の実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
本実施形態に係る膜電極接合体の製造装置は、燃料電池用の膜電極接合体の製造装置に適用したものである。なお、本発明に係る膜電極接合体の製造装置は、燃料電池用の膜電極接合体に限るものではなく、例えば、水素関連電極における膜電極接合体の製造装置に適用することも可能である。
図1に示すように、燃料電池用膜電極接合体(以下、単に膜電極接合体ともいう。)101は、電解質膜102と、電解質膜102の一方の面(図1において、電解質膜102の上側の面)に積層されたアノード用の電極触媒層(以下、単に触媒層という。)103と、電解質膜102の他方の面(図1において、電解質膜102の下側の面)に積層されたカソード用の電極触媒層(以下、単に触媒層という。)103と、を備えている。
膜電極接合体101は、積層基材フィルムf1の両面それぞれに触媒層103となる触媒インクを塗布し、触媒インクを乾燥させた後、切断することにより形成される。
〔製造装置の構成〕
〔製造装置の構成〕
図2は、膜電極接合体の製造装置のうちの、触媒インクの塗布及びその乾燥を行う塗工乾燥機の一例を示す概略構成図、図3は、触媒インクを攪拌するための機構の一例を示す概略構成図、図4は、塗工乾燥機の要部の一例を示す概略構成図である。
図2に示すように、塗工乾燥機1は、保護フィルム剥離部2と、塗工部3と、乾燥設備4と、吸着設備5と、これら各部を制御する制御部6と、を備える。基材供給ロール11から送り出された、高分子電解質膜を含む帯状の積層基材フィルムf1が、案内ロール11aによって、ベルト供給ロール12から送り出された帯状の吸着ベルトb1と重ねられて、吸着ベルトb1の、積層基材フィルムf1とは逆側の面が、後述の塗工ロール32及び複数の搬送ロール15により支持されて搬送され、積層基材フィルムf1は、塗工ロール32と協働する駆動ロール16a及び駆動ロール16bを介して塗工品巻き取りロール13に巻き取られ、吸着ベルトb1は駆動ロール16aを介してベルト巻き取りロール14に巻き取られるようになっている。積層基材フィルムf1と吸着ベルトb1とは同一速度で搬送され、少なくとも後述の塗工部3による積層基材フィルムf1への塗工が開始される地点から乾燥設備4での乾燥が終了するまでの間は、積層基材フィルムf1と吸着ベルトb1とは一体に搬送される。
吸着ベルトb1は、積層基材フィルムf1と同一又はそれ以上の幅を有する帯状を有し、多孔質ベルトからなる。吸着ベルトb1の吸着面表面の平均孔径は、0.5μm以上1200μm以下、好ましくは0.5μm以上10μm以下であり、表面開口率は10%以上85%以下である。また、吸着ベルトb1は、乾燥設備4内を通過するため耐熱性を有する必要がある。乾燥設備4では、後述のように箱体41内を80℃程度に保つようにしているため、吸着ベルトb1は少なくとも80℃程度までは耐熱性を有していることが好ましく、より好ましくは100℃である。
吸着ベルトb1は、平均孔径(0.5μm以上1200μm以下)及び耐熱性(100℃まで)の条件を満足し、且つ厚み公差が20μm以内であれば、材質は特に制限されないが、金属、不織布、紙、樹脂などが挙げられる。
保護フィルム剥離部2は、剥離ロール(剥離機構)21を備える。積層基材フィルムf1は保護フィルム(保護層)f2が間に挟み込まれて基材供給ロール11に巻取られており、剥離ロール21は、基材供給ロール11から送り出された帯状の積層基材フィルムf1から、保護フィルムf2を剥ぎ、保護フィルムf2は巻き取りロール22に巻き取られる。
塗工部3は、ダイヘッド(塗工ヘッド)31と塗工ロール32とを備える。ダイヘッド31は、塗工ロール32の外周面のうちその接線が垂直となる位置に対して、この垂直となる接線及び塗工ロール32の回転軸と直交する方向から触媒インクを吐出する位置に配置され、且つ、触媒インクの吐出口と塗工ロール32との隙間が予め設定した値となるように配置される。触媒インクは、例えば触媒、炭素粒子、高分子電解質、繊維状物質、及び溶媒を含んで構成される。
なお、塗工部3は、図3に示すように、触媒インク301を収容するインク容器302と、インク容器302内の触媒インク301を攪拌する攪拌部303と、触媒インク301をインク容器302とダイヘッド31との間で循環させる循環部304と、を備えていてよい。また、図示しないが、ダイヘッド31のスリットの上流側に減圧チャンバ等の減圧機構を備えていてもよい。
塗工ロール32は、円柱形状を有し、塗工ロール32の軸方向の長さは、積層基材フィルムf1及び吸着ベルトb1の幅のうちの最大幅と同一又はそれ以上である。
塗工ロール32は、例えば、多孔質部材からなり、塗工ロール32の回転軸中心には、吸引孔(ロール負圧室)32aが設けられ、吸引孔32aには、図示しない吸引装置(例えば排気ポンプ)によって吸引されて負圧が与えられる。塗工ロール32は、多孔質部材で形成されているため、吸引孔32aに負圧が付与されると、内部の気孔を介して塗工ロール32の外周面にも所定値の負圧(周辺雰囲気から外周面に吸引する圧力)が均一に作用することとなり、多孔質ベルトからなる吸着ベルトb1を通して積層基材フィルムf1が吸着されるようになっている。
乾燥設備4は、図4に示すように、塗工ロール32の下流に設けられ、搬送ロール15、積層基材フィルムf1及び吸着ベルトb1、さらに後述の吸着設備5、これら全体を収納する箱体41と、箱体41の天井に配置されたヒータ42とを備える。また、箱体41は、積層基材フィルムf1の搬送路に沿って設けられ、箱体41の大きさ、ヒータ42の温度や設置数は、積層基材フィルムf1を一定速度で搬送したときに積層基材フィルムf1に塗布された触媒インクが十分に乾燥し得る値に設定される。なお、ヒータ42に限るものではなく、例えば、熱風、赤外線、等を利用して乾燥させてもよい。箱体41内の温度を80℃程度に保つことができればよい。また、箱体41の対向する2つの側面には、図示しない開口部が形成され、この開口部を通って、積層基材フィルムf1及び吸着ベルトb1が乾燥設備4内を通過できるようになっている。
吸着設備5は、塗工ロール32、複数の搬送ロール15及び駆動ロール16aのうちの隣り合うロール間それぞれに設けられた複数の箱体(搬送路負圧室)51を備える。箱体51の上面には、貫通孔が形成され、箱体51は、その上面と吸着ベルトb1とが対向して配置される。箱体51に設けられた吸引孔51aに、図示しない吸引装置(例えば排気ポンプ)を接続して吸引し、負圧を与えることによって、箱体51の上面の貫通孔及び吸着ベルトb1を介して積層基材フィルムf1が吸引され、その結果、積層基材フィルムf1が吸着ベルトb1に吸着されるようになっている。また、箱体51は、その上面に吸着ベルトf1及び積層基材フィルムf1が配置された状態で、箱体51の内部が積層基材フィルムf1を吸着ベルトb1に十分吸着することができる程度の負圧となるように形成され、さらに積層基材フィルムf1及び吸着ベルトb1を一定速度で移動させ得るように箱体51の上面に、吸着ベルトb1とが摺動可能に配置されている。
また、少なくとも、乾燥設備4の箱体41内に収納される吸着設備5の箱体51は、耐熱性を有する部材により形成される。
制御部6は、各部を駆動制御すると共に、吸着ベルトb1と積層基材フィルムf1が一体となって搬送されるように駆動ロール16a及び駆動ロール16bを駆動制御する。また、制御部6は、ダイヘッド31による触媒インクの塗布及び乾燥設備4における箱体41内の温度調整、各種ロールの速度制御等を行う。また、乾燥設備4の出口側、具体的には吸着ベルトb1と積層基材フィルムf1の吸着が解除される前の地点に設けられたインライン検査機4aの検査情報を入力する。インライン検査機4aは、例えば、CCDカメラであって、制御部6は、インライン検査機4aにより取得した画像情報に基づき、欠陥検査や目付量の測定等を行う。
〔製造装置の動作〕
〔製造装置の動作〕
ベルト供給ロール12から送り出された帯状の吸着ベルトb1は、塗工ロール32、複数の搬送ロール15、及び駆動ロール16aを経てベルト巻き取りロール14に巻き取られる。
一方、基材供給ロール11から送り出された積層基材フィルムf1は、積層基材フィルムf1に挟み込まれている保護フィルムf2が剥離ロール21によって剥離された後、案内ロール11aによって吸着ベルトb1と重ね合わせられて塗工ロール32に供給される。剥離ロール21で剥離された保護フィルムf2は、巻き取りロール22に巻き取られる。
また、制御部6は、各部を駆動制御すると共に吸着設備5を作動させ、塗工ロール32及び各箱体51に対する吸引を行う。
塗工ロール32に供給された積層基材フィルムf1及び吸着ベルトb1は、積層基材フィルムf1の吸着ベルトb1とは逆側の面に、ダイヘッド31により触媒インクが塗布された後、乾燥設備4の箱体41内を通過する。積層基材フィルムf1は、箱体41内を通過する間、ヒータ42によって加熱されることから、触媒インクが乾燥し触媒層が形成される。触媒インクが乾燥した後、積層基材フィルムf1及び吸着ベルトb1は、箱体41を抜け、吸着ベルトb1は、駆動ロール16aを経てベルト巻き取りロール14に巻き取られ、積層基材フィルムf1は、駆動ロール16a及び16bを経て塗工品巻き取りロール13に巻き取られる。積層基材フィルムf1は、保護フィルムf2が挟み込まれて塗工品巻き取りロール13に巻き取られる。
次に、一方の面に触媒層が形成された積層基材フィルムf1(以下、積層基材フィルムf11という。)の他方の面に触媒インクを塗布する。
塗工品巻き取りロール13は、基材供給ロール11として動作し、塗工品巻き取りロール13から積層基材フィルムf11を送り出す。このとき、積層基材フィルムf11の、触媒層が形成された面が吸着ベルトb1と接するように送り出す。
これにより、積層基材フィルムf11に挟み込まれた保護フィルムf2が剥離ロール21で剥離され、積層基材フィルムf11は、案内ロール11aによって、吸着ベルトb1と重ねられて塗工ロール32に供給される。一方、保護フィルムf21は巻き取りロール22に巻き取られる。塗工ロール32に供給された積層基材フィルムf11及び吸着ベルトb1は、積層基材フィルムf11の吸着ベルトb1とは逆側の面に、ダイヘッド31により触媒インクが塗布された後、箱体41内を通過し、箱体41内を通過する間、ヒータ42によって加熱され、触媒インクが乾燥した後、箱体41を抜ける。そして、吸着ベルトb1は、駆動ロール16aを経てベルト巻き取りロール14に巻き取られ、積層基材フィルムf11は、駆動ロール16a及び16bを経て塗工品巻き取りロール13に巻き取られる。積層基材フィルムf11は、保護フィルムf2が挟み込まれて塗工品巻き取りロール13に巻き取られる。これによって、高分子電解質膜を含む積層基材フィルムf1の両面それぞれに、触媒層が形成された積層体、すなわち膜電極接合体が得られる。
ここで、吸着設備5は吸着機構を作動させることによって、塗工ロール32及び各箱体51内が負圧となる。そのため、塗工ロール32では、積層基材フィルムf1、f11が吸着ベルトb1を介して吸引されて積層基材フィルムf1、f11は吸着ベルトb1に吸着され、さらに箱体51部分では積層基材フィルムf1、f11が吸着ベルトb1に吸着された状態で搬送される。そして、箱体51は、各搬送ロール15及び駆動ロール16aのうちの隣り合うロール間それぞれに設けられているため、吸着ベルトb1が塗工ロール32の外周に接した時点から駆動ロール16aに達するまでの間、すなわち、少なくとも積層基材フィルムf1、f11に触媒インクが塗布される時点から、乾燥設備4による乾燥が終了する時点までの間は、吸着ベルトb1を介して積層基材フィルムf1、f11は吸引されて吸着ベルトb1に吸着することになる。駆動ロール16aに達した後は、箱体51が設けられていないため、積層基材フィルムf1、f11が吸着ベルトb1に吸着された状態が解除され、吸着ベルトb1はベルト巻き取りロール14に巻き取られ、積層基材フィルムf1,f11は、駆動ロール16bを介して塗工品巻き取りロール13に巻き取られる。
上述のように、塗工及び乾燥が行われる間、積層基材フィルムf1,f11は、吸着ベルトb1に吸着されて一定の形状を維持したまま搬送されるため、塗工・乾燥時に触媒インクにシワやクラックが発生することを防止することができる。
また、積層基材フィルムの一方の面に触媒インクの塗布を行った後、積層基材フィルムの他方の面に触媒インクを塗布する際には、触媒インクが乾燥してなる触媒層と吸着ベルトb1とが接することになるが、触媒層は吸着ベルトb1に吸着されており、接着したものではない。
そのため、接着剤によって触媒層が破壊されることなく、積層基材フィルムf1,f11を吸着ベルトb1に吸着させることができ、触媒層にシワやクラックが発生することを抑制し、高品質な膜電極接合体を製造することができる。
また、塗工ロール32の下流の搬送路に、乾燥設備4を設け、乾燥設備4を通過させることで乾燥を行うようにしているため、塗工ロール32は、ダイヘッド31による塗工を行うことができる程度の直径を有していればよく、また、乾燥設備4は少なくとも、吸着設備5と積層基材フィルムf1、f11及び吸着ベルトb1とを収納することができればよいため、塗工ロール32に乾燥設備を設ける場合に比較して、塗工乾燥機1全体の大きさは小さくてすみ、装置コストも低い。
また、ロールtoロール方式で触媒層を製造することができるため、生産効率を向上させることができ、高品質な膜電極接合体の製造と共に生産効率の向上との両立を図ることができる。
〔変形例〕
(1)積層基材フィルムf1、f11が塗工ロール32に供給される前に、例えば、粘着ロール等のクリーナーによって、吸着ベルトb1に付着した塵や汚れを除去するようにしてもよい。
(2)上記実施形態においては、吸着ベルトb1をベルト巻き取りロール14に巻き取る構成としているが、吸着ベルトb1を塗工ロール32と駆動ロール16aとの間で循環させるように構成してもよい。
〔変形例〕
(1)積層基材フィルムf1、f11が塗工ロール32に供給される前に、例えば、粘着ロール等のクリーナーによって、吸着ベルトb1に付着した塵や汚れを除去するようにしてもよい。
(2)上記実施形態においては、吸着ベルトb1をベルト巻き取りロール14に巻き取る構成としているが、吸着ベルトb1を塗工ロール32と駆動ロール16aとの間で循環させるように構成してもよい。
ここで、吸着ベルトb1を、図2に示すように、ベルト巻き取りロール14で巻き取る構成とすることによって、ベルト巻き取りロール14で巻き取った吸着ベルトb1を、その都度クリーニングすることができ、新たに積層基材フィルムf1に触媒層を形成する場合には、常にクリーニング後の塵や汚れのない吸着ベルトb1によって搬送することができる。その反面、吸着ベルトb1を、ベルト巻き取りロール14で巻き取っているため、ベルト供給ロール12から吸着ベルトb1を全て送り出した時点、及び、基材供給ロール11から積層基材フィルムf1,f11を全て送り出した時点でベルト巻き取りロール14又は積層基材フィルムf1、f11を交換する必要があり、積層基材フィルムf1,f11の残存状況と、吸着ベルトb1の残存状況とを考慮して塗工乾燥機1を稼働させる必要がある。
これに対し、吸着ベルトb1を塗工ロール32と駆動ロール16aとの間で循環させるように構成した場合、吸着ベルトb1を交換する必要がないため、基材供給ロール11から積層基材フィルムf1、f11全てを送り出すまでは、塗工乾燥機1を停止させる必要はない。そのため、基材供給ロール11を交換するタイミングで塗工乾燥機1を停止させればよいため、吸着ベルトb1の残存状況を考慮する必要がない分、塗工乾燥機1を効率よく稼働させることができる。吸着ベルトb1を循環させる場合には、塗工ロール32の入り側に粘着ロール等のクリーナーを設け、吸着ベルトb1に付着した塵や汚れを除去するように構成してもよい。
(3)上記実施形態においては、塗工ロール32、各搬送ロール15及び駆動ロール16aのうちの隣り合うロールとの間それぞれに箱体51を設けた場合について説明したが、これに限るものではない。箱体51の大きさは、配管やポンプなどの吸引装置の吸引能力に応じて決定すればよく、例えば、3つの搬送ロールを一つの箱体51に収容することも可能であり、また、塗工ロール32の出口側から駆動ロール16aまでを一つの箱体51に収容してもよい。
(4)上記実施形態において、塗工ヘッドとしてダイヘッドを用いているが、ダイヘッドに限るものではなく、大面積を定量的に塗工可能な手法、例えばコンマコーター、インクジェット、カーテンコーター等であっても適用することができる。
(5)上記実施形態においては、駆動ロール16aと駆動ロール16bとを備えているが、これに限るものではない。例えば、駆動ロール16bに替えてブライドルロールを設け、駆動ロール16aを経た後、吸着ベルトb1はベルト巻き取りロール14で巻き取り、積層基材フィルムf1、f11は、ブライドルロールを介して塗工品巻き取りロール13で巻き取るようにしてもよく、ブライドルロールにより、塗工品巻き取りロール13における巻き取り時に張力変動が生じることを防止し、巻き取り時に積層基材フィルムf1、f11が変形することを防止することができる。
(3)上記実施形態においては、塗工ロール32、各搬送ロール15及び駆動ロール16aのうちの隣り合うロールとの間それぞれに箱体51を設けた場合について説明したが、これに限るものではない。箱体51の大きさは、配管やポンプなどの吸引装置の吸引能力に応じて決定すればよく、例えば、3つの搬送ロールを一つの箱体51に収容することも可能であり、また、塗工ロール32の出口側から駆動ロール16aまでを一つの箱体51に収容してもよい。
(4)上記実施形態において、塗工ヘッドとしてダイヘッドを用いているが、ダイヘッドに限るものではなく、大面積を定量的に塗工可能な手法、例えばコンマコーター、インクジェット、カーテンコーター等であっても適用することができる。
(5)上記実施形態においては、駆動ロール16aと駆動ロール16bとを備えているが、これに限るものではない。例えば、駆動ロール16bに替えてブライドルロールを設け、駆動ロール16aを経た後、吸着ベルトb1はベルト巻き取りロール14で巻き取り、積層基材フィルムf1、f11は、ブライドルロールを介して塗工品巻き取りロール13で巻き取るようにしてもよく、ブライドルロールにより、塗工品巻き取りロール13における巻き取り時に張力変動が生じることを防止し、巻き取り時に積層基材フィルムf1、f11が変形することを防止することができる。
吸着ベルトb1及び積層基材フィルムf1、f11をそれぞれ異なる駆動ロール16a、16bによって駆動する場合、吸着ベルトb1及び積層基材フィルムf1、f11が一体に搬送されるように、駆動ロール16a及び16bを個別に駆動制御する必要があるが、一つの駆動ロール16aによって吸着ベルトb1及び積層基材フィルムf1、f11を搬送することによって、吸着ベルトb1及び積層基材フィルムf1、f11の搬送速度制御をより容易に行うことができる。
なお、上述した実施形態は、本発明の一例であり、本発明は、上述した実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外の形態であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
1 膜電極接合体の製造装置の塗工乾燥機
2 保護フィルム剥離部
3 塗工部
4 乾燥設備
5 吸着設備
6 制御部
11 基材供給ロール
11a 案内ロール
12 ベルト供給ロール
13 塗工品巻き取りロール
14 ベルト巻き取りロール
15 搬送ロール
16a、16b 駆動ロール
21 剥離ロール
22 巻き取りロール
31 ダイヘッド
32 塗工ロール
b1 吸着ベルト
f1,f11 積層基材フィルム
2 保護フィルム剥離部
3 塗工部
4 乾燥設備
5 吸着設備
6 制御部
11 基材供給ロール
11a 案内ロール
12 ベルト供給ロール
13 塗工品巻き取りロール
14 ベルト巻き取りロール
15 搬送ロール
16a、16b 駆動ロール
21 剥離ロール
22 巻き取りロール
31 ダイヘッド
32 塗工ロール
b1 吸着ベルト
f1,f11 積層基材フィルム
Claims (10)
- 電解質膜を含む積層基材フィルムと当該積層基材フィルム上に積層された触媒層との積層体の製造装置であって、
複数の貫通孔を有する帯状の吸着ベルトと、
前記吸着ベルト及び帯状の前記積層基材フィルムを、重ねた状態で前記吸着ベルト側から支持する塗工ロールと、
前記塗工ロールの下流に設けられ、前記塗工ロールと協働して前記吸着ベルトと前記積層基材フィルムとを重なった状態で下流方向に搬送する駆動ロールと、
前記積層基材フィルムの、前記吸着ベルトを介して前記塗工ロールの外周と重なる領域の前記吸着ベルトとは逆側の面に、前記触媒層となる触媒インクを塗布する塗工ヘッドと、
前記塗工ロールの下流に設けられ、前記積層基材フィルムに塗布された前記触媒インクを乾燥させる乾燥設備と、
少なくとも前記触媒インクが前記積層基材フィルムに塗布される地点から前記触媒インクの乾燥が終了する地点までを含む区間において、前記積層基材フィルムを前記吸着ベルトに吸着させる吸着設備と、を備えることを特徴とする積層体の製造装置。 - 前記吸着設備は、前記吸着ベルトと接する面に貫通孔が形成され、前記吸着ベルトの前記積層基材フィルムとは逆側に設けられた負圧室と、
当該負圧室内を負圧に維持する吸引装置と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の積層体の製造装置。 - 前記負圧室は、前記塗工ロールに設けられたロール負圧室と、
前記塗工ロールと前記駆動ロールとの間の搬送路に設けられた搬送路負圧室と、
を備えることを特徴とする請求項2に記載の積層体の製造装置。 - 前記搬送路負圧室は、前記搬送路に沿って配置された複数の箱体からなることを特徴とする請求項3に記載の積層体の製造装置。
- 前記吸着ベルトの前記貫通孔は、孔径が0.5μm以上10μm以下であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の積層体の製造装置。
- 前記積層基材フィルムの前記吸着ベルトと逆側の面には保護層が積層されており、
前記塗工ヘッドの上流に、前記保護層を剥離する剥離機構を備えることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の積層体の製造装置。 - 前記触媒インクが収容された容器内を攪拌する機構と、前記触媒インクを前記容器と前記塗工ヘッドとの間で循環させる機構と、を備えることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の積層体の製造装置。
- 前記積層体は、膜電極接合体用の積層体であることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の積層体の製造装置。
- 電解質膜を含む帯状の積層基材フィルムに触媒インクを塗布する工程と、前記積層基材フィルムに塗布された触媒インクを乾燥させる工程と、を備えた、前記積層基材フィルムと触媒層との積層体の製造方法であって、
複数の貫通孔を有する帯状の吸着ベルトと前記積層基材フィルムとを重ねた状態で、塗工ロールと、当該塗工ロールと協働する駆動ロールとにより前記吸着ベルト側から支持し、
少なくとも前記積層基材フィルムに前記触媒インクを塗布する地点から前記触媒インクの乾燥が終了する地点までを含む区間において、前記積層基材フィルムを前記吸着ベルトに吸着させた状態で搬送することを特徴とする積層体の製造方法。 - 前記積層体は、膜電極接合体用の積層体であることを特徴とする請求項9に記載の積層体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021210915A JP2023095178A (ja) | 2021-12-24 | 2021-12-24 | 積層体の製造装置及び積層体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2021210915A JP2023095178A (ja) | 2021-12-24 | 2021-12-24 | 積層体の製造装置及び積層体の製造方法 |
Publications (1)
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JP2023095178A true JP2023095178A (ja) | 2023-07-06 |
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ID=87002122
Family Applications (1)
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JP2021210915A Pending JP2023095178A (ja) | 2021-12-24 | 2021-12-24 | 積層体の製造装置及び積層体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2023095178A (ja) |
-
2021
- 2021-12-24 JP JP2021210915A patent/JP2023095178A/ja active Pending
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