JP2023095120A - チタン合金材および部品 - Google Patents

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Kazuhiro Takahashi
知徳 國枝
Tomonori Kunieda
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Abstract

【課題】切削性が良好なチタン合金材、チタン合金部品を提供する。【解決手段】化学組成が、所定の化学組成を満足するとともに、[-4.0≦Mo+0.67V+0.28Nb+2.9Fe+1.6Cr+1.1Ni+1.6Mn-Al≦2.0]を満足し、長手方向に対して、α相の(0001)面の面積比が、65°超90°以下の範囲で、90%以上であり、α相の(10-10)面の面積比が、55°超65°以下の範囲で、20%以上であり、α相の(11-20)面の面積比が、25°超35°以下の範囲で、20%以上である、チタン合金材。【選択図】なし

Description

本発明は、チタン合金材および部品に関する。
バイク、自動車、航空機といった輸送機には、ボルトやナットを初めとする様々な部品が使用されている。性能向上および環境負荷低減の観点から、これらの部品の軽量化も進められており、部品の素材には、比強度が高く、軽量化しやすいことが要求される。また、輸送機以外でも様々な機械類、精密機器の駆動部、回転体などでも同様に、部品の軽量化が求められている。このような部品の多くは、素材を切削加工することで、所定の形状になる。そのため、部品の素材には、軽量化を目的とする場合を含めて高精度での加工が施される場合も多く、切削加工のしやすさも要求される。
チタン合金材は、比強度が高く、軽量である。特に、特許文献1に記載されているようなα+β型チタン合金材は、チタン合金材の中でも強度が高く、上述した部品の素材として適している。
国際公開第2013/094647号
その一方、α+β型チタン合金材には、切削した際に生じる切りくずが、工具に絡まったり、詰まったりすることで、切削がしにくいという課題がある。本発明は、切削性が良好なチタン合金材およびそれを用いた部品を提供することを目的とする。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、下記のチタン合金材およびそれを用いた部品を要旨とする。
(1)化学組成が、質量%で、
Al:4.50%以上6.75%以下、
C:0.100%以下、
N:0.050%以下、
H:0.016%以下、
O:0.35%以下、
Mo:0%以上5.5%以下、
V:0%以上4.50%以下、
Nb:0%以上3.0%以下、
Fe:0%以上2.50%以下、
Cr:0%以上0.25%未満、
Ni:0%以上0.15%未満、
Mn:0%以上0.25%未満、
Si:0%以上0.50%以下、
残部:Tiおよび不純物であり、
下記(i)式を満足し、
長手方向に垂直な断面において、
前記長手方向に対してα相の(0001)面が65°超90°以下の角度をなす領域の面積率が、90%以上であり、
前記長手方向に対してα相の(10-10)面が55°超65°以下の角度をなす領域の面積率が、20%以上であり、
前記長手方向に対してα相の(11-20)面が25°超35°以下の角度をなす領域の面積率が、20%以上である、チタン合金材。
-4.0≦Mo+0.67V+0.28Nb+2.9Fe+1.6Cr+1.1Ni+1.6Mn-Al≦2.0 ・・・(i)
但し、上記式中の各元素記号はチタン合金材中に含まれる各元素の含有量(質量%)を表し、含有されない場合はゼロとする。
(2)前記化学組成が、質量%で、
Al:4.50%以上6.40%以下、
Fe:0.50%以上2.10%以下、
を含有する、上記(1)に記載のチタン合金材。
(3)前記長手方向に垂直な断面において、
前記長手方向に対してα相の(0001)面が0°以上15°以下の角度をなす領域の面積率が1%以下である、上記(1)または(2)に記載のチタン合金材。
(4)前記長手方向に垂直な断面におけるビッカース硬さと、前記長手方向に平行な断面におけるビッカース硬さとの差の絶対値|ΔHV|が、下記(ii)式を満足する、上記(1)~(3)のいずれかに記載のチタン合金材。
10≦|ΔHV|≦30・・・(ii)
但し、上記式中の|ΔHV|は、以下により定義される。
|ΔHV|:試験力を1kgfとし、前記長手方向に垂直な断面と前記長手方向に平行な断面において、それぞれ5点の硬さ測定を行った場合に、前記長手方向に垂直な断面におけるビッカース硬さの平均値と、前記長手方向に平行な断面におけるビッカース硬さの平均値との差の絶対値
(5)排出される切りくずのカール径が5mm以下である、上記(1)~(4)のいずれかに記載のチタン合金材。
(6)前記切りくずの長さが10mm以下である、上記(5)に記載のチタン合金材。
(7)棒線または板材である、上記(1)~(6)のいずれかに記載のチタン合金材。
(8)上記(1)~(7)のいずれかに記載のチタン合金材を用いた部品。
本発明によれば、切削性が良好なチタン合金材を得ることができる。
図1は、各チタン合金棒線の長手方向に垂直な断面(T断面)におけるα相の結晶方位の配向分布を示した図である。 図2は、従来例、本発明1、本発明2を切削した際に排出された切りくずの写真である。 図3は、第一熱間加工における熱間加工方法を模式的に示した図である。
本発明者らは、チタン合金材の切削性について検討を行い、以下の(a)~(c)の知見を得た。
(a)一般的に、切削時に、排出される切りくずは、所定のカール径が繰り返される規則的な円筒らせん形状で、さらに、長さが短いことが望ましい。その一方、α+β型のチタン合金材の切りくずは、不規則な形状であり、また、長さも長くなる傾向にある。このような切りくずの形状は、切削工具に絡まったり、切りくず同士がもつれたりしやすくなる。この結果、切削性が低下すると考えられる。
(b)α+β型チタン合金材の切りくずが不規則な形状で長くなる理由として、α+β型のチタン合金材の強度が高いことに加え、熱伝導性が低く、反応性に富む物性を有していることが挙げられる。このような物性は、チタンのα相が、異方性の大きいhcp構造であることを一因とする。このため、本発明者らは、α相の結晶方位を制御することが有効であることを明らかにした。
(c)α相の結晶方位を制御することで、従来のα+β型チタン合金材と比較し、一定の狭い範囲に方位が集積した組織となる。これにより、切りくずが、より望ましい形状や長さに調整され、切削性が向上する。
本発明の一実施形態は上記の知見に基づいてなされたものである。以下、本実施形態の各要件について詳しく説明する。
1.チタン合金材の化学組成
各元素の限定理由は下記のとおりである。なお、以下の説明において含有量についての「%」は、「質量%」を意味する。ここで、C、N、H、O等の含有量については、例えば、不活性ガス溶融赤外線吸収法、不活性ガス溶融熱伝導度法、高周波燃焼赤外線吸収他、誘導結合プラズマ(ICP)発光分析法により、測定すればよい。
Al:4.50%以上6.75%以下
Al(アルミニウム)は、α相に固溶してα相を強化する元素である。α+β型チタン合金材では、この効果を得るため、Al含有量は、4.50%以上とする。Al含有量は、4.80%以上とするのが好ましく、4.85%以上とするのがより好ましい。しかしながら、Alを過剰に含有させると、熱間加工性などの加工性が低下する。このため、Al含有量は、6.75%以下とする。Al含有量は、6.40%以下とするのが好ましく、5.40%以下とするのがより好ましい。
C:0.100%以下
C(炭素)は、α相に固溶してα相を強化する。しかしながら、Cを過剰に含有させると、炭化物が過度に増加するなどによって、靭延性が低下する場合がある。そのため、C含有量は、0.100%以下とする。C含有量は、0.080%以下とするのが好ましく、0.060%以下とするのがより好ましい。一方、α+β型チタン合金材では、Cを含まなくともよいが、Cを過剰に低減すると原料などの製造コストが増加してしまう点と上記効果を得る点とから、C含有量は、0.001%以上とするのが好ましく、0.002%以上とするのがより好ましい。
N:0.050%以下
N(窒素)は、α相に固溶してα相を強化する。しかしながら、Nを過剰に含有させると、窒化物が過剰に生成するなどして、靭延性が低下する場合がある。そのため、N含有量は、0.050%以下とする。N含有量は、0.030%以下とするのが好ましい。一方、α+β型チタン合金材では、Nを含まなくともよいが、Nを過剰に低減すると原料などの製造コストが増加してしまう点と上記効果を得る点とを考慮し、N含有量は、0.001%以上とするのが好ましく、0.002%以上とするのがより好ましい。
H:0.016%以下
H(水素)は、チタン合金材中に含まれる不純物元素である。Hを過剰に含有させると、靭延性を低下させる場合がある。そのため、H含有量は、0.016%以下とする。H含有量は、0.012%以下とするのが好ましい。なお、過剰なHの低減は、製造コストを増加させることから、H含有量は、0.001%以上とするのが好ましい。
O:0.35%以下
O(酸素)は、α相に固溶してα相を強化する。しかしながら、Oを過剰に含有させると、靭延性が低下する場合がある。そのため、O含有量は、0.35%以下とする。O含有量は、0.25%以下とするのが好ましい。一方、α+β型チタン合金材では、Oを含まなくともよいが、Oを過剰に低減すると原料などの製造コストが増加してしまう点と上記効果を得る点とから、O含有量は、0.050%以上とするのが好ましく、0.100%以上とするのがより好ましい。
Mo:0%以上5.5%以下
Mo(モリブデン)は、β相を安定化し、熱間加工性を改善する効果を有する。このため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、Moを過剰に含有させると、Moの偏析によって、製造性および靭延性が低下してしまう場合がある。また、高温域でもβ相率が増加してしまい、上述した効果が得られなくなる場合がある。このため、Mo含有量は、5.5%以下とする。Mo含有量は、3.0%以下とするのが好ましい。一方、上記効果を得るためには、Mo含有量は、0.9%以上とするのが好ましく、1.0%以上とするのが好ましい。
V:0%以上4.50%以下
V(バナジウム)は、β相を安定化し、熱間加工性を改善する効果を有する。このため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、Vを過剰に含有させると、β相率が、増加して強度を低下させてしまう場合がある。また、高温域でもβ相率が増加してしまい、上述した効果が得られなくなる場合がある他、却って原料コストが増加してしまう場合がある。このため、V含有量は、4.50%以下とする。V含有量は、4.20%以下とするのが好ましい。一方、上記効果を得るためには、V含有量は、0.10%以上とするのが好ましい。
Nb:0%以上3.0%以下
Nb(ニオブ)は、耐酸化性を向上させる効果を有する。このため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、Nbを過剰に含有させると、β相率が増加して強度を低下させてしまう場合がある。また、高温域でもβ相率が増加してしまい、上述した効果が得られなくなる場合がある。このため、Nb含有量は、3.0%以下とする。Nb含有量は、1.0%以下とするのが好ましい。一方、上記効果を得るためには、Nb含有量は、0.1%以上とするのが好ましく、0.2%以上とするのがより好ましい。
Fe:0%以上2.50%以下
Fe(鉄)も、β相を安定化し、熱間加工性を改善する効果を有する。このため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、Feを過剰に含有させると、Feの偏析が起きやすくなり、製造性および靭延性が低下してしまう場合がある。また、β相率が増加してしまうため、上述した効果が得られなくなる場合がある。このため、Fe含有量は、2.50%以下とする。Fe含有量は、1.50%以下とするのが好ましい。一方、上記効果を得るためには、Fe含有量は、0.05%以上とするのが好ましく、0.10%以上とするのがより好ましい。
Cr:0%以上0.25%未満
Cr(クロム)は、β相を安定化し、チタン合金材の強度を向上させる効果を有する。このため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、Crを過剰に含有させると、Crの偏析によって、製造性および靭延性が低下してしまう場合がある。また、β相率が増加してしまうため、上述した効果が得られなくなる場合がある。このため、Cr含有量は、0.25%未満とする。Cr含有量は、0.10%以下とするのが好ましい。一方、上記効果を得るためには、Cr含有量は、0.03%以上とするのが好ましい。
Ni:0%以上0.15%未満
Ni(ニッケル)は、β相を安定化し、チタン合金材の強度を向上させる効果がある。このため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、Niを過剰に含有させると、Niの偏析によって、製造性および靭延性が低下してしまう場合がある。また、β相率が増加してしまうため、上述した効果が得られなくなる場合がある。このため、Ni含有量は、0.15%未満とする。Ni含有量は、0.10%以下とするのが好ましい。一方、上記効果を得るためには、Ni含有量は、0.03%以上とするのが好ましい。
Mn:0%以上0.25%未満
Mn(マンガン)は、β相を安定化し、チタン合金材の強度を向上させる効果がある。このため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、Mnを過剰に含有させると、Mnの偏析や蒸発によって、製造性および靭延性が低下してしまう場合がある。また、β相率が増加してしまうため、上述した効果が得られなくなる場合がある。このため、Mn含有量は、0.25%未満とする。Mn含有量は、0.15%以下とするのが好ましい。一方、上記効果を得るためには、Mn含有量は、0.03%以上とするのが好ましい。
Si:0%以上0.50%以下
Si(シリコン)は、チタン合金材の耐熱性を改善し、強度を高める効果を有する。しかしながら、Siを過剰に含有させると、偏析が生じやすくなり、シリサイドを多く析出させてしまうことで、靭延性が低下する場合がある。このため、Si含有量は、0.50%以下とする。Si含有量は、0.35%以下とするのが好ましい。一方、上記効果を得るためには、Si含有量は、0.04%以上とするのが好ましく、0.07%以上とするのがより好ましい。
また、Mo、V、Nb、Fe、Cr、Ni、MnおよびAl含有量については、下記(i)式を満足する必要がある。
-4.0≦Mo+0.67V+0.28Nb+2.9Fe+1.6Cr+1.1Ni+1.6Mn-Al≦2.0 ・・・(i)
但し、上記式中の各元素記号はチタン合金材中に含まれる各元素の含有量(質量%)を表し、含有されない場合はゼロとする。
(i)式中辺値が-4.0未満であると、β相が過剰に少なくなり、上述した効果が得られなくなる場合があり、切削性を向上させにくくなる。このため、(i)式中辺値は、-4.0以上とする。(i)式中辺値は、-3.5以上とするのが好ましく、-3.0以上とするのがより好ましい。一方、(i)式中辺値が、2.0を超えると、β相が過剰に多くなり、α相の結晶方位の制御だけでは、切削性を向上させることが困難になる。このため、(i)式中辺値は、2.0以下とする。(i)式中辺値は、1.5以下とするのが好ましく、1.0以下とするのがより好ましい。なお、チタン合金材の化学組成が(i)式を満足する場合、実質的にα+β型合金であると言える。
本実施形態の化学組成において、残部はTiおよび不純物である。ここで「不純物」とは、チタン合金材を工業的に製造する際に、スポンジチタン等の原料、製造工程の種々の要因によって混入する成分であって、本実施形態に悪影響を与えない範囲で許容されるものを意味する。上記記載した元素以外の不純物として混入する可能性が高い金属元素は、Sn、Zr、Cuなどがある。これらは原料からの混入の可能性があり、特にスクラップや低級のスポンジチタンなどの原料を使用した場合に混入する。これらは含有量が多くなる懸念があることから管理することが望ましい元素である。これら金属元素含有量を合計で0.3%未満、各元素個別では0.1%以下とすると好ましい。
2.結晶方位および硬さ
2-1.結晶方位および硬さの検討
本実施形態のチタン合金材では、切削性に関し、以下のような検討を行った。表1に示すように、化学組成が近いチタン合金(α+β型チタン合金)棒線を用意した。これらのチタン合金棒線について、長手方向に垂直な断面(以下、単に「T断面」と記載する。)を観察した場合のα相の結晶方位の配向分布を調査した。
Figure 2023095120000001
図1に、各チタン合金棒線の棒線のα相の結晶方位の配向分布を示す。本発明1および2の方が、従来材と比較し、(0001)面、(10-10)面、(11-20)面の全ての極点において、一定の狭い範囲に、α相の方位が集中していることが分かる。その一方、従来材は、例えば、(10-10)面、(11-20)面において、α相の方位が特定の角度範囲において集中しているのではなく、全ての角度範囲で、およそ均等に分散している。
次に、従来例、本発明1、本発明2を、1回の取量を0.5mm、周速1000mm/分、送り150mm/分として、切削試験を行った場合の切りくずを図2に示す。従来材の切りくずは、一部で不均一にカールしていたり、もつれたりしており、所謂、リボン状と呼ばれる形状を呈していた。その一方、本発明1の切りくずは、従来材の切りくずと比較し、規則的なカールを有していた。本発明2の切りくずは、本発明1と同様、規則的なカールを有し、さらに本発明1と比較しても、長さが短かった。このため、従来例より本発明1の方が切削性に優れ、さらに、本発明1より本発明2の方が切削性に優れていることが分かる。
また、これらのチタン合金棒線について、長手方向に垂直な断面のビッカース硬さと、長手方向に平行な断面のビッカース硬さとの差の絶対値|ΔHV|を算出したところ、従来例、本発明1は、|ΔHV|が7であったのに対し、本発明2は、|ΔHV|が20であった。
2-2.結晶方位
以上を踏まえ、本実施形態のチタン合金材では、長手方向を基準として、α相の結晶方位の配向分布を以下の範囲に制御する。具体的には、T断面において、長手方向に対してα相の(0001)面が65°超90°以下の角度をなす領域の面積率を90%以上とする。また、T断面において、長手方向に対してα相の(10-10)面が55°超65°以下の角度をなす領域の面積率を20%以上とする。同様に、長手方向に対してα相の(11-20)面が25°超35°以下の角度をなす領域の面積率を20%以上とする。
2-2-1.(0001)面
T断面において、長手方向に対してα相の(0001)面が65°超90°以下の角度をなす領域の面積率が90%未満であると、十分な切削性向上効果を得ることができない。このため、上述したα相の(0001)面が65°超90°以下の角度をなす領域の面積率を90%以上とし、93%以上とするのが好ましい。
なお、T断面において、長手方向に対してα相の(0001)面が0°以上15°以下の角度をなす領域の面積率は1%以下であるのが好ましい。長手方向に対してα相の(0001)面が65°超90°以下にあるのが望ましいが、この65°超90°以下の角度範囲に対し、0~15°の角度は大きく方位が異なる。このため、その面積率が1%を超えると、切りくず長さが、10mm以下ではあるが若干長めの傾向になる。
2-2-2.(10-10)面
また、T断面において、長手方向に対してα相の(10-10)面が55°超65°以下の角度をなす領域の面積率が20%未満である場合も、十分な切削性向上効果を得ることができない。このため、T断面において、長手方向に対してα相の(10-10)面が55°超65°以下の角度をなす領域の面積率を20%以上とし、30%以上とするのが好ましい。なお、上記面積率の上限については、特に限定しないが、結晶の対称性から、通常、上限は45%程度であると考えられる。
2-2-3.(11-20)面
さらに、T断面において、長手方向に対してα相の(11-20)面が25°超35°以下の角度をなす領域の面積率が20%未満である場合も、十分な切削性向上効果を得ることができない。このため、T断面において、長手方向に対してα相の(11-20)面が25°超35°以下の角度をなす領域の面積率を20%以上とし、30%以上とするのが好ましい。なお、上記面積率の上限については、特に限定しないが、結晶の対称性から、通常、上限は45%程度であると考えられる。
2-2-4.各面の面積率の測定
ここで、上述したα相の各面の面積率とは、T断面を観察した場合に、(0001)面、(10-10)面、(11-20)面の各面の極点において、長手方向を0°として、その直交方向である90°までで、5°間隔で、算出した集積度比のことである。なお、結晶の対称性から、上述した0~90°の範囲までを測定すればよく、0~90°で、各面の集積度比が100%になるように、規格化している。つまり、各面の面積率は、指定する範囲の角度での結晶方位の配向分布を示す指標になる。
上記面積率は、EBSDを用いて、測定すればよい。測定用試料は、T断面を電解研磨またはコロイダルシリカ研磨によって鏡面にしたものを使用すればよい。EBSDで測定する際、200μm×250μmの領域を、ステップ間隔0.3~0.5μmとし、2~5視野観察する。
上述したように、各視野におけるhcpの各面(各方位)について、チタン合金材の長手方向との成す角度(0~90°までを5°ごとに区分)と面積率の分布を作成する。所定のチタン合金材の長手方向とのなす角度域において、全測定箇所の平均値を算出する。なお、hcpの柱面である(10-10)および(11-20)は3方向存在するため、解析ソフトウェアで求めた面積率をさらに合計で割り規格化(合計1)する。EBSDの測定結果に基づき、解析ソフトウェア(株式会社TSLソリューションズ製 OIM AnalysisTMソフトウェア(Ver.8.1.0))を用いることで、各方向での面積率を算出することができる。
2-3.硬さ
上述したように、切削性をより向上させるには、長手方向に垂直な断面におけるビッカース硬さと、長手方向に平行な断面におけるビッカース硬さとの差の絶対値|ΔHV|を大きくするのが望ましい。具体的には、長手方向に垂直な断面のビッカース硬さと、長手方向に平行な断面のビッカース硬さとの差の絶対値|ΔHV|が下記(ii)式を満足するのが好ましい。
10≦|ΔHV|≦30・・・(ii)
但し、上記式中の|ΔHV|は、以下により定義される。
|ΔHV|:試験力を1kgfとし、長手方向に垂直な断面と長手方向に平行な断面において、それぞれ5点の硬さ測定を行った場合に、長手方向に垂直な断面におけるビッカース硬さの平均値と、長手方向に平行な断面におけるビッカース硬さの平均値との差の絶対値である。
|ΔHV|が10未満であると、切削性の向上効果が限定的になる。すなわち、切りくずの変形を一定に安定させる効果が不十分となるため、切りくずの変形方向が変動したり、分断しなかったりして、本発明1の切りくず形状となりやすい。このため、|ΔHV|は、10以上とするのが好ましく、15以上とするのがより好ましい。一方、|ΔHV|が、30を超えるように制御することは、α+β型のチタン合金材の特性上、現実的ではない。このため、|ΔHV|は、30以下とするのが好ましく、25以下とするのがより好ましい。
なお、硬さ試験では、長手方向に垂直な断面と長手方向に平行な断面を測定面とし、試験力を1kgfとして、5点、ビッカース硬さ試験機を用いて測定する。得られたそれぞれの断面の硬さ平均値の差から、|ΔHV|を求めることができる。
また、(ii)式を満足させ、さらに良好な切削性を得る上で、化学組成において、Al:4.50%以上6.40%以下、Fe:0.50%以上2.10%以下、を含有するのが好ましい。また、Vを任意元素として含有しなくもよい。なお、他の元素の組成範囲については、上述した範囲とすればよい。
3.目標とする特性
本実施形態のチタン合金材では、切削性の指標として、所定の切削加工をした場合に、排出される切りくずが以下の範囲を満足するのがよい。具体的には、図2で示した場合と同様の条件、すなわち1回の取量を0.5mm、周速1000mm/分、送り150mm/分として、切削試験を行った場合に、本発明2のように、排出される切りくずのカール径が5mm以下であるのが好ましい。また、さらに切削性が良好である指標として、上記カール径の大きさに加え、切りくずの長さが10mm以下であるのが好ましい。
4.チタン合金材の形状
上述したように、本実施形態のチタン合金材の形状は、例えば、棒線、板材等が考えられる。なお、形状に関して具体的な寸法は問わない。
5.部品
本実施形態の部品は、上述した本実施形態のチタン合金材を用いて製造すればよい。
6.製造方法
本実施形態に係るチタン合金材の好ましい製造方法について説明する。本実施形態のチタン合金材は、以下に記載する方法で、安定して製造することができる。
上述した範囲の化学組成を有するチタン合金の鋳片、スラブ、ブルーム、ビレットといった熱間加工用素材を製造する。上記熱間加工用素材の製造方法は、特に、限定されない。常法に従えばよい。続いて、得られた熱間加工用素材に第一の熱間加工(以下、単に「第一熱間加工」と記載する。)と、第二の熱間加工(以下、単に「第二熱間加工」と記載する。)とを行う。以下、これら二つの熱間加工工程について、説明する。
6-1.第一熱間加工工程
上述した熱間加工用素材に第一熱間加工を行う。第一熱間加工では、冷却中にチタン合金材の長手方向に、α相(hcp構造)へ変態するβ相(bcc構造)の結晶方位を、発達させる必要がある。いわゆるファイバー集合組織を発達させる。これにより、上述した結晶方位の配向を有するチタン合金材を得ることができる。具体的には、チタン合金材のβ相率が20%以上の温度域で熱間加工をする。すなわち、熱間加工時の最低温度におけるβ相率が20%以上となるように熱間加工する。β相率が20%未満の温度域で熱間加工を行うと、後の工程で所望する結晶方位の配向を有するα相を得ることができないからである。なお、β相率とは、後述する方法で算出できる最小のβ相率のことである。
また、第一熱間加工では、図3のように、矩形断面で、熱間加工を行う。なお、この熱間加工においては、周囲の四面全ての面から圧下を加えればよい。この際の圧下の配分は適宜、調整すればよいが、後述する総減面率を満足するのが好ましい。
矩形断面で熱間加工を加えることで、より内部まで均一に変形させることができる。また、圧下面以外の面で生じる噛み出しを、その後の圧下で押し込んでやることで、四面の表層でも内部同様の変形を得ることができる。これに対して、円形断面(楕円断面)に対する圧下では、噛み出し領域が狭いため、内部・表層に均等に変形を付与することが困難になる。
なお、第一熱間加工においては、全ての熱間加工において、断面を矩形とした加工を行う必要はなく、矩形断面から矩形断面への熱間加工を伴う工程があればよい。これにより、各面において所望する角度範囲のα相を得ることができるからである。例えば、円形断面または矩形断面の熱間加工用素材を矩形断面に熱間加工した後、さらに矩形断面のまま、熱間加工してもよい。また、円形断面または矩形断面の熱間加工用素材を矩形断面となるよう熱間加工し、さらに矩形断面のまま熱間加工した後、円形断面または矩形断面となるよう熱間加工を行ってもよい。なお、矩形断面から矩形断面へ熱間加工する際の総減面率は、50%以上とするのが好ましく、60%以上とするのがより好ましい。
上述した矩形断面については、四つのコーナーがあればよく、R、チャンファー等があってもよい。
6-2.第二熱間加工工程
第二熱間加工では、α相およびβ相の相率を大きく変化させながら大きな加工度(強加工)を加えることで、所望する結晶方位を発達させる。また、加工中に温度が低下し、β相からα相への変態が生じても、加工発熱を積極的にさせることで、α相からβ相への変態を生じさせ、加工を進めることが望ましい。
このような第二熱間加工を行うことで、第一熱間加工の際に形成させた組織を、所望する、結晶方位を有する組織に発達させることができる。そして、第二熱間加工において、上述した組織制御を行うためには、β相率が30~60%の温度域に加熱し、熱間加工を行う。熱間加工の際、チタン合金材の温度が徐々に低下していくが、温度が低下した場合であっても、β相率が7%以上となる温度を維持し、熱間加工を行うのが好ましい。熱間加工の際には、β相率が最低でも10%以上となるような温度域を維持するのがより好ましい。
熱間加工の際の温度低下は、避けられないため、熱間加工の際の温度を制御するためには、加工発熱を利用するのが好ましい。加工発熱は、通常、抑制されるのが望ましいが、本実施形態のチタン合金材では、温度低下を抑制し、上述した範囲のβ相率となるような温度域で熱間加工をしやすくなるため、積極的に加工発熱を利用する。加工発熱させるためには、ひずみ速度を、10/s以上とする。これにより、積極的に加工発熱を利用できる。加工の際のひずみ速度が10/s未満であると、十分な加工発熱が生じずに、熱間加工の際の温度低下が大きくなる結果、所望する結晶方位の配向を得られなくなる。このため、加工の際のひずみ速度は、10/s以上とするのが好ましく、15/s以上とするのがより好ましい。
なお、加工の際のひずみ速度が50/sを超えると、加工発熱が生じすぎて、所望する組織を得ることができない。このため、加工の際のひずみ速度は、50/s以下とする。特に、長手方向に対してα相の(0001)面が0°以上15°以下の角度をなす領域の面積率を1%以下にするためには、40/s以下とするのが好ましい。
第二熱間加工工程においては、第一熱間加工工程とは異なり、加工の際の断面形状は、特に限定されない。断面形状は、円形、矩形、いずれであってもよい。加工の際の総減面率は、70%以上とし、80%以上とするのが好ましい。なお、この第二熱間加工工程より後は、減面率が5%超となる加工、具体的には、冷間圧延、伸線、引抜き加工等は施さない方がよい。チタン合金材の結晶方位の配向が崩れるからである。
第一熱間加工工程および第二熱間加工工程の前後において、必要に応じて、表面の手入れ、形状の矯正、熱処理等を行ってもよい。このため、必ずしも、第一熱間加工工程と第二熱間加工工程は、連続して行われなくてもよい。例えば、第一熱間加工後に、室温または500℃以下に温度が低下させた後に、第二熱間加工を行ってもよく、第二熱間加工を2回、3回に分けて実施してもよい。なお、熱処理を行う場合、例えば、β変態点-50℃以下の温度で熱処理を行ってもよい。また、上記熱間加工とは、熱間圧延もしくは熱間鍛造のいずれか、またはその両方の組み合わせのことをいう。
上述した第一熱間加工および第二熱間加工において、温度制御の際に必要となるβ相率と温度との対応関係は、チタン合金材自体の化学組成に加え、CALPHAD(Comuter Coupling of Phase Diagrams and Thermochemistry)法により取得することができ、例えば、Thermo-Calc Software AB社製の総合型熱力学計算システムであるThermo-Calcおよび所定のデータベース(TI3)を用いることで、確認することができる。なお、β変態点についても、同様である。
上記第一熱間加工工程および第二熱間加工工程後は、適宜、冷却を行い、α+β型のチタン合金材を得ることができる。
以下、実施例によって本発明に係るチタン合金材をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
表2に示す化学組成を有する熱間加工用素材を製造した。この熱間加工用素材に表3に示す製造条件で、第一熱間加工および第二熱間加工を行い、チタン合金材を得た。なお、第一熱間加工および第二熱間加工における断面形状の変化は、表4および表5に示すとおりである。すなわち、表3中の第一熱間加工工程の加工時の変化(表4)の項目におけるA~Dが、表4中の工程A~Dにそれぞれ対応する。同様に、表3中の第二熱間加工工程の加工時の変化(表5)の項目における1~4が、表5中の工程1~4に対応する。
Figure 2023095120000002
Figure 2023095120000003
Figure 2023095120000004
Figure 2023095120000005
上記工程を経て得られたチタン合金材について、結晶方位の分布および|ΔHV|を以下の手順で調べるとともに、切削試験を行い、切削性を評価した。
(結晶方位の分布)
チタン合金材のT断面を電解研磨またはコロイダルシリカ研磨により鏡面にした後、EBSDを用いて測定した。EBSDの測定では、200μm×250μmの領域を、ステップ0.3~0.5μmで、2~5視野程度測定を行った。各視野における各面について、チタン合金材の長手方向とのなす角度(0~90°までを5°ごとに区分)と面積率の分布を作成した。
それぞれのチタン合金材の長手方向とのなす角度域において、全測定箇所の平均値を算出した。なお、hcpの柱面である(10-10)および(11-20)は3方向存在するため、解析ソフトウェアで求めた面積率をさらに合計で割り規格化とした。EBSDの測定結果に基づき解析ソフトウェア(株式会社TSLソリューションズ製 OIM AnalysisTMソフトウェア(Ver.8.1.0))を用いることで、各方向での面積率を算出した。
(硬さ試験)
硬さ試験では、長手方向に垂直な断面と長手方向に平行な断面を測定面とし、試験力を1kgfとして、5点、ビッカース硬さ試験機を用いて測定した。得られたそれぞれの断面の硬さ平均値の差から、|ΔHV|を求めた。
(切削性の評価)
切削性を評価するために、切削試験を行った。切削試験では、市販の超硬製切削チップ、市販の水溶性金属加工油(ブラザー社製シナジー735)を使用し、1回の取量を0.5mm、周速およそ1000mm/分、送り約150mm/分として、切削し、切りくずの形状を評価した。切りくずの形状が、らせん状にカールし、かつ長さが短く分断されているものについては、Aと評価した。Aよりも切りくずが若干長いものについては、Bと評価した。切りくずの形状がらせん状にカールしており、もつれがないものをCと評価し、切りくずの形状が、リボン状でもつれがあるものをDと評価した。ここで、Aが、切りくずのカール径が5mm以下で、かつ切りくずの長さが10mm以下ものであり、Bが、切りくずの長さが10mmを超えるものであった。以下、結果を表6に示す。
Figure 2023095120000006
本実施形態の要件を満足する、No.1~23は、良好な切削性を示した。特に、硬さの要件を満足するNo.10~23は、より優れた切削性を示した。なお、α相の(0001)面の0~15°の角度をなす領域の面積率についての要件を満足しないNo.17は、比較的優れた切削性を示したが、例えば、同じ組成のNo.12~16と比較し、切りくずが長かった。
その一方、本実施形態の要件を満足しないNo.24~31は、切削性が不良であった。特に、No.24および27は、第一熱間加工工程において、矩形で熱間加工されなかったため、所望するα相の組織とならず、切削性が低下した。また、No.25および28は、第二熱間加工工程におけるひずみ速度が遅すぎたため、加工発熱が十分にされず、所望するα相の組織とならなかったため、切削性が低下した。No.26および29は、第二熱間加工工程における温度条件が好ましい範囲外であったため、所望するα相の組織とならず、切削性が低下した。また、No.30および31は、化学組成が、本実施形態の要件を満足しなかったため、切削性が低下した。

Claims (8)

  1. 化学組成が、質量%で、
    Al:4.50%以上6.75%以下、
    C:0.100%以下、
    N:0.050%以下、
    H:0.016%以下、
    O:0.35%以下、
    Mo:0%以上5.5%以下、
    V:0%以上4.50%以下、
    Nb:0%以上3.0%以下、
    Fe:0%以上2.50%以下、
    Cr:0%以上0.25%未満、
    Ni:0%以上0.15%未満、
    Mn:0%以上0.25%未満、
    Si:0%以上0.50%以下、
    残部:Tiおよび不純物であり、
    下記(i)式を満足し、
    長手方向に垂直な断面において、
    前記長手方向に対してα相の(0001)面が65°超90°以下の角度をなす領域の面積率が、90%以上であり、
    前記長手方向に対してα相の(10-10)面が55°超65°以下の角度をなす領域の面積率が、20%以上であり、
    前記長手方向に対してα相の(11-20)面が25°超35°以下の角度をなす領域の面積率が、20%以上である、チタン合金材。
    -4.0≦Mo+0.67V+0.28Nb+2.9Fe+1.6Cr+1.1Ni+1.6Mn-Al≦2.0 ・・・(i)
    但し、上記式中の各元素記号はチタン合金材中に含まれる各元素の含有量(質量%)を表し、含有されない場合はゼロとする。
  2. 前記化学組成が、質量%で、
    Al:4.50%以上6.40%以下、
    Fe:0.50%以上2.10%以下、
    を含有する、請求項1に記載のチタン合金材。
  3. 前記長手方向に垂直な断面において、
    前記長手方向に対してα相の(0001)面が0°以上15°以下の角度をなす領域の面積率が1%以下である、請求項1または2に記載のチタン合金材。
  4. 前記長手方向に垂直な断面におけるビッカース硬さと、前記長手方向に平行な断面におけるビッカース硬さとの差の絶対値|ΔHV|が、下記(ii)式を満足する、請求項1~3のいずれかに記載のチタン合金材。
    10≦|ΔHV|≦30・・・(ii)
    但し、上記式中の|ΔHV|は、以下により定義される。
    |ΔHV|:試験力を1kgfとし、前記長手方向に垂直な断面と前記長手方向に平行な断面において、それぞれ5点の硬さ測定を行った場合に、前記長手方向に垂直な断面におけるビッカース硬さの平均値と、前記長手方向に平行な断面におけるビッカース硬さの平均値との差の絶対値
  5. 排出される切りくずのカール径が5mm以下である、請求項1~4のいずれかに記載のチタン合金材。
  6. 前記切りくずの長さが10mm以下である、請求項5に記載のチタン合金材。
  7. 棒線または板材である、請求項1~6のいずれかに記載のチタン合金材。
  8. 請求項1~7のいずれかに記載のチタン合金材を用いた部品。
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