JP2023095076A - 電力変換装置および絶縁形電力変換システム - Google Patents
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Abstract
【課題】複数台のトランスの電流をバランスさせながら、一次電流と二次電流の双方を低減し、一次巻線と二次巻線の双方に細い電線を用いることが可能な電力変換装置を提供すること。【解決手段】一方の巻線が直列接続され、他方の巻線が並列接続された少なくとも2個のトランスを含むトランス群を少なくとも2群含む電力変換装置において、並列接続された巻線は、トランス群が直列に接続されるように構成され、直列接続された巻線は、トランス群が並列に接続されるように構成される。【選択図】図1
Description
本発明は電力変換装置および絶縁形電力変換システムに関し、特に電力変換の制御に関する。
電圧の変換を絶縁しながら行えるトランスは、民生用途から産業用途まであらゆる分野の電力変換回路に用いられている。一般的には、トランスは磁性体を用いた受動部品であるので、回路内で支配的な体積を持つ部品の一つである。したがって、トランスの小型化を目的とした構成が従来から検討されている。例えば、複数台のトランスを組み合わせた接続構成が提案されている(特許文献1及び2)。
特許文献1では、複数台のトランスの一方の巻線を並列に接続し、他方の巻線を整流ダイオードを介して並列に接続する構成となっている。特許文献1のように、トランスを複数台に分割することで、トランスの1台あたりの電力を低減し、コアを小型化できる。しかし、トランスの一次巻線と二次巻線を双方とも並列に接続すると、トランスの漏れインダクタンスのばらつきに起因してトランス間で電流のアンバランスが起こりやすい。したがって、電流アンバランスを考慮したトランス設計が必要となり、コアの小型化を妨げる結果となる。
特許文献2では、複数台のトランスの一方の巻線を直列接続し、他方の巻線を並列接続してトランスを複数台に分割する構成となっている。特許文献2の構成とすることで、直列接続した巻線の電流は同一であるので、直列接続した全てのトランスで電流が等しくなり、並列接続されたトランスの電流もバランスさせることが可能となる。
特許文献2に記載されている方法では、並列接続された各トランスは並列数に応じて電流が低減する。しかし、並列接続された各トランスの電流は低減しない。この場合、トランスを複数に分割してコアの小型化を図る目的があるにも関わらず、並列接続された各トランスの巻線には大電流に対応した太い電線を用いる必要がある。太い電線は銅の断面積が大きいため曲げにくいので、コアの巻枠に巻き付けづらく、巻線占積率(巻枠面積に対する巻線面積の比率)が低くなる。したがって、必要な巻数を確保できず、巻枠のより大きな大型コアを用いる必要がある場合もあり、トランスの小型化が困難になる場合がある。したがって、トランスを複数のトランスに分割した構成において、各トランスの電流をバランスさせながら、トランスの一次電流と二次電流の双方を低減する手法が必要である。
本願において開示されるもののうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。代表的な一実施形態の電力変換装置は、一方の巻線が直列接続され、他方の巻線が並列接続された少なくとも2個のトランスを含むトランス群を少なくとも2群含む電力変換装置において、前記並列接続された巻線は、前記トランス群が直列に接続されるように構成され、前記直列接続された巻線は、前記トランス群が並列に接続されるように構成されることを特徴とする。
上記一実施形態によれば、複数台のトランスの電流をバランスさせながら、一次電流と二次電流の双方を低減でき、一次巻線と二次巻線の双方に細い電線を用いることでトランスを小型化することが可能になる。
以下、実施の形態を図面を用いて説明する。
(実施の形態1)
<構成>
図1は、本開示の実施の形態1における電力変換装置100の回路構成の一例である。電力変換装置100は、第1トランス101a_1と第2トランス101b_1とで構成される第1トランス群102と、第3トランス101a_2と第4トランス101b_2とで構成される第2トランス群103とを備える。なお、第1トランス101a_1、第2トランス101b_1、第3トランス101a_2、及び、第4トランス101b_2の仕様は同一であるものとする。
<構成>
図1は、本開示の実施の形態1における電力変換装置100の回路構成の一例である。電力変換装置100は、第1トランス101a_1と第2トランス101b_1とで構成される第1トランス群102と、第3トランス101a_2と第4トランス101b_2とで構成される第2トランス群103とを備える。なお、第1トランス101a_1、第2トランス101b_1、第3トランス101a_2、及び、第4トランス101b_2の仕様は同一であるものとする。
第1トランス群102を構成する第1トランス101a_1と第2トランス101b_1は、図1の紙面左側(一次)の巻線が直列に接続されており、紙面右側(二次)の巻線が並列に接続されている。また、第2トランス群103を構成する第3トランス101a_2と第4トランス101b_2も同様に図1の紙面左側の一次の巻線が直列に接続されており、図1の紙面右側の二次の巻線が並列に接続されている。
第1トランス群102の一次端子104と第2トランス群103の一次端子105は全体一次端子108に対して並列に接続される。一方、第1トランス群102の二次端子106と第2トランス群103の二次端子107は全体二次端子109に対して直列に接続される。
すなわち、実施の形態1に係る電力変換装置は、一方の巻線が直列接続され、他方の巻線が並列接続された少なくとも2個のトランスを含むトランス群を少なくとも2群含む電力変換装置において、並列接続された巻線は、トランス群が直列に接続されるように構成され、直列接続された巻線は、トランス群が並列に接続されるように構成されることを特徴とする。
<動作:電流>
次に、図1を用いて本開示の実施の形態1における電力変換装置100の動作を説明する。全体一次端子108の全体一次端子電圧をv1、全体一次端子108に流れる全体一次電流をi1とする。また、全体二次端子109の全体二次端子電圧をv2、全体二次端子109に流れる全体二次電流をi2とする。
次に、図1を用いて本開示の実施の形態1における電力変換装置100の動作を説明する。全体一次端子108の全体一次端子電圧をv1、全体一次端子108に流れる全体一次電流をi1とする。また、全体二次端子109の全体二次端子電圧をv2、全体二次端子109に流れる全体二次電流をi2とする。
最初に、第1トランス群102を構成する第1トランス101a_1と第2トランス101b_1の動作を説明する。第1トランス101a_1と第2トランス101b_1の一次の巻線は直列に接続されているため、第1トランス101a_1の第1トランス一次電流i1a_1と第2トランス101b_1の第2トランス一次電流i1b_1は等しく、i1a_1=i1b_1である。したがって、第1トランス101a_1と第2トランス101b_1が並列に接続される二次の巻線においても、第1トランス101a_1の第1トランス二次電流i2a_1と第2トランス101b_1の第2トランス二次電流i2b_1は等しくなり、i2a_1=i2b_1となる。
同様に、第2トランス群103を構成する第3トランス101a_2の第3トランス一次電流i1a_2と第4トランス101b_2の第4トランス一次電流i1b_2は等しく、i1a_2=i1b_2である。したがって、第3トランス101a_2の第3トランス二次電流i2a_2と第4トランス101b_2の第4トランス二次電流i2b_2は等しくなり、i2a_2=i2b_2となる。ここで、第1トランス群102と第2トランス群103の二次の巻線は直列に接続されるため、以下の関係が成り立つ。
i2a_1+i2b_1=i2a_2+i2b_2 (1-1)
(1-1)式およびi2a_1=i2b_1、i2a_2=i2b_2より、各二次電流には以下の関係が成り立つ。
i2a_1=i2b_1=i2a_2=i2b_2 (1-2)
(1-2)式より、全てのトランスの二次電流が等しくなる。したがって、一次電流についても以下の関係が成り立つ。
i1a_1=i1b_1=i1a_2=i1b_2 (1-3)
以上の関係式によれば、電力変換装置100では全てのトランスの一次電流と二次電流がバランスする。
以上の関係式によれば、電力変換装置100では全てのトランスの一次電流と二次電流がバランスする。
次に、各トランスの電流と全体一次端子108に流れる全体一次電流i1および全体二次端子109に流れる全体二次電流i2との関係について説明する。第1トランス101a_1の第1トランス一次電流i1a_1と第3トランス101a_2の第3トランス一次電流i1a_2との間には以下の関係が成り立つ。
i1=i1a_1+i1a_2=2×i1a_1 (1-4)
したがって、(1-3)、(1-4)式より、各トランスの一次電流と全体一次電流i1には以下の関係が成り立つ。
i1a_1=i1b_1=i1a_2=i1b_2=i1/2 (1-5)
すなわち、第1トランス101a_1、第2トランス101b_1、第3トランス101a_2、及び、第4トランス101b_2の一次の巻線には、全体一次電流i1の半分の電流が流れる。
すなわち、第1トランス101a_1、第2トランス101b_1、第3トランス101a_2、及び、第4トランス101b_2の一次の巻線には、全体一次電流i1の半分の電流が流れる。
また、第1トランス101a_1の第1トランス二次電流i2a_1および第2トランス101b_1の第2トランス二次電流i2b_1と全体二次電流i2には以下の関係が成り立つ。
i2=i2a_1+i2b_1=2×i2a_1 (1-6)
したがって、(1-2)、(1-6)式より、各トランスの二次電流と全体二次電流i2には以下の関係が成り立つ。
i2a_1=i2b_1=i2a_2=i2b_2=i2/2 (1-7)
すなわち、第1トランス101a_1、第2トランス101b_1、第3トランス101a_2、及び、第4トランス101b_2の二次の巻線には、全体二次電流i2の半分の電流が流れる。
すなわち、第1トランス101a_1、第2トランス101b_1、第3トランス101a_2、及び、第4トランス101b_2の二次の巻線には、全体二次電流i2の半分の電流が流れる。
以上(1-5)、(1-7)式より、実施の形態1の構成により、全てのトランスの一次電流と二次電流が全体一次電流i1と全体二次電流i2から半減され、一次と二次の双方で全体一次電流および全体二次電流よりも電流容量の小さな巻線を使用することができ、トランスを小型化できる。
<動作:電圧>
次に各トランスの端子電圧と全体端子電圧との関係について説明する。全体一次端子108から見て、第1トランス群102と第2トランス群103は並列に接続される。したがって、全体一次端子電圧v1と第1トランス群102の第1トランス群一次端子電圧v1_1および第2トランス群103の第2トランス群一次端子電圧v1_2は同一の電圧となるので、以下の関係式が成り立つ。
次に各トランスの端子電圧と全体端子電圧との関係について説明する。全体一次端子108から見て、第1トランス群102と第2トランス群103は並列に接続される。したがって、全体一次端子電圧v1と第1トランス群102の第1トランス群一次端子電圧v1_1および第2トランス群103の第2トランス群一次端子電圧v1_2は同一の電圧となるので、以下の関係式が成り立つ。
v1_1=v1_2=v1 (1-8)
また、全体二次端子109から見て、同一の構成を有する第1トランス群102と第2トランス群103は直列に接続される。(1-8)式より、同一の構成を有する第1トランス群102と第2トランス群103の一次端子電圧が同一なので、第1トランス群102の第1トランス群二次端子電圧v2_1および第2トランス群103の第2トランス群二次端子電圧v2_2は同一の電圧となるので、以下の関係式が成り立つ。
v2_1=v2_2 (1-9)
したがって、全体二次端子電圧v2の半分の電圧が、第1トランス群102の第1トランス群二次端子電圧v2_1および第2トランス群103の第2トランス群二次端子電圧v2_2になるので、以下の関係式が成り立つ。
v2_1=v2_2=v2/2 (1-10)
また、第1トランス101a_1の第1トランス二次端子電圧v2a_1と第2トランス101b_1の第2トランス二次端子電圧v2b_1は等しいため、一次端子電圧についても以下の関係が成り立つ。
v1a_1=v1b_1=v1_1/2 (1-11)
同様に、第3トランス101a_2の第3トランス二次端子電圧v2a_2と第4トランス101b_2の第4トランス二次端子電圧v2b_2は等しいため、一次端子電圧について以下の関係が成り立つ。
v1a_2=v1b_2=v1_2/2 (1-12)
したがって、(1-8)、(1-9)、(1-11)、(1-12)式より、各トランスの一次端子電圧について以下の関係が成り立つ。
v1a_1=v1b_1=v1a_2=v1b_2=v1/2 (1-13)
同様に、各トランスの二次端子電圧についても(1-9)式から以下の関係が成り立つ。
v2a_1=v2b_1=v2a_2=v2b_2=v2/2 (1-14)
(1-13)、(1-14)式から、実施の形態1の構成により、各トランスの端子電圧も半減される。また、(1-8)、(1-10)式から、トランス群同士を直列に接続した巻線側ではトランス群の端子電圧が全体端子電圧から低減され、並列に接続した巻線側ではトランス群の端子電圧が全体端子電圧と等しくなる。
したがって、全体一次端子電圧v1と全体二次端子電圧v2のうち、電圧の高い方においてトランス群同士を直列に接続することで、高圧側のトランス群の端子電圧を低減でき、絶縁距離を短縮できることからトランスの小型化が可能である。すなわち、直列接続された複数のトランス群の各トランス群の電圧を加算した電圧は、並列接続されたトランス群に共通の電圧よりも高電圧であるように構成されることが可能である。
なお、実施の形態1において、図1に記載の接続構成を一次と二次で入れ替えても良い。すなわち、図1の紙面左側を2次、図1の紙面右側を1次とし、電力変換装置100の入出力を逆にすることも可能である。すなわち、電力変換装置は、並列接続された巻線を一次巻線とし、直列接続された巻線を二次巻線とすることが可能である。この場合には、二次側ではトランス群間が直列となるので、昇圧インバータ等の装置として使用される場合には、高圧となる二次側の一つのトランスに印加される電圧が低減され、電力変換装置の小型化に寄与する。また、逆に、電力変換装置は、直列接続された巻線を一次巻線とし、並列接続された巻線を二次巻線とすることが可能である。この場合には、一次側ではトランス群間が直列となるので、降圧インバータ等の装置として使用される場合には、高圧となる一次側の一つのトランスに印加される電圧が低減され、電力変換装置の小型化に寄与する。
(実施の形態2)
本開示における実施の形態2は、実施の形態1におけるトランス群の数およびトランス群を構成するトランスの数を拡張し、一般化したものである。図2は実施の形態2における電力変換装置100の回路構成の一例である。図2では、図1と比較して第1トランス群102と第2トランス群103に加えて別のトランス群が追加され、全部でN個のトランス群が接続されている。また、各トランス群を構成するトランスの数は全部でn個である。この場合においても、実施の形態1と同様の原理によって各トランスの電流が等しくなり、以下のような関係が成立する。
本開示における実施の形態2は、実施の形態1におけるトランス群の数およびトランス群を構成するトランスの数を拡張し、一般化したものである。図2は実施の形態2における電力変換装置100の回路構成の一例である。図2では、図1と比較して第1トランス群102と第2トランス群103に加えて別のトランス群が追加され、全部でN個のトランス群が接続されている。また、各トランス群を構成するトランスの数は全部でn個である。この場合においても、実施の形態1と同様の原理によって各トランスの電流が等しくなり、以下のような関係が成立する。
i1a_1=・・・=i1n_1=・・・=i1a_N=・・・=i1n_N=i1/N (2-1)
i2a_1=・・・=i2n_1=・・・=i2a_N=・・・=i2n_N=i2/n (2-2)
(2-1)式より、一次側ではトランス群間が並列に接続されており、トランス群内でトランスが直列に接続されているため、トランス群の個数Nで一次電流が分割される。一方、二次側ではトランス群間が直列に接続されており、トランス群内でトランスが並列に接続されているため、トランス群内でのトランス並列数である個数nで二次電流が分割される。
次に、トランス群の端子電圧についても実施の形態1と同様の原理によって、以下のような関係が成立する。
v1_1=・・・=v1_N=v1 (2-3)
v2_1=・・・=v2_N=v2/N (2-4)
(2-3)式より、一次側ではトランス群間が並列に接続されているため、各トランス群の一次端子電圧は全体一次端子電圧v1と等しくなる。一方、(2-4)式より、二次側ではトランス群間が直列に接続されているため、トランス群の直列数で二次端子電圧が分圧される。また、各トランスの一次端子電圧についても実施の形態1と同様の原理により、以下の関係が成り立つ。
v1a_1=・・・=v1n_1=・・・=v1a_N=・・・=v1n_N=v1/n (2-5)
v2a_1=・・・=v2n_1=・・・=v2a_N=・・・=v2n_N=v2/N (2-6)
(2-5)式より、一次側では各トランスの端子電圧は各トランス群を構成するトランスの個数nで分圧される。また、(2-6)式より、二次側では各トランスの端子電圧はトランス群の個数Nで分圧される。この場合には、トランス群に含まれるトランスの数は、全てのトランス群で同一の個数である。
上述したように、本開示においては任意のトランス群数およびトランス数に対しても実施の形態1と同様の効果を得ることができる。また、各トランスの電流および端子電圧は上記接続形態によってトランス群数またはトランス個数で分割、分圧される。また、トランス群を同一仕様のパッケージ製品として準備することで、製造負荷を低減して製造コストを低減することが可能となる。さらに、トランス群を同一仕様のパッケージ製品として準備することで、トランス群間の特性の製造バラツキを低減することも可能となる。さらに、同一仕様であれば、トランス群内の空中配線、及び、トランス群間の空中配線を基板のパターン配線とし、上記効果を一層増大させることが可能になる。
(実施の形態3)
本開示における実施の形態3は、実施の形態1または実施の形態2における各トランスをトランス群で構成したものである。図3は実施の形態3における電力変換装置100の回路構成の一例である。図3では、第1トランス群301を構成する各トランスがさらに第1小トランス群302a、302bで構成されている。また、第2トランス群303を構成する各トランスも第2小トランス群304a、304bで構成されている。すなわち、トランス群間の接続関係は維持されたまま、トランス群のそれぞれがトランス群間の前記接続関係を有する電力変換装置に置き換えられて構成されることが可能である。
本開示における実施の形態3は、実施の形態1または実施の形態2における各トランスをトランス群で構成したものである。図3は実施の形態3における電力変換装置100の回路構成の一例である。図3では、第1トランス群301を構成する各トランスがさらに第1小トランス群302a、302bで構成されている。また、第2トランス群303を構成する各トランスも第2小トランス群304a、304bで構成されている。すなわち、トランス群間の接続関係は維持されたまま、トランス群のそれぞれがトランス群間の前記接続関係を有する電力変換装置に置き換えられて構成されることが可能である。
本開示におけるトランス群は、単体でトランスとして機能するため、図3のようなトランス群の複合化が可能であり、この場合においても実施の形態1および実施の形態2と同様に一次電流と二次電流の双方を全体電流から低減できる。なお、図3ではトランス群を構成する小トランス群が2個であるが、本開示においてはこれに限定せず、3個以上で構成してもよい。
(実施の形態4)
本開示における実施の形態4は、実施の形態1における各トランスの二次側をセンタタップ形で構成したものである。図4は実施の形態4における電力変換装置100の回路構成の一例である。図4では、第1トランス401a_1、第2トランス401b_1、第3トランス401a_2、第4トランス401b_2の二次側がセンタタップ形である。各トランスおよびトランス群の一次側の構成は実施の形態1と同様のため説明を省略する。
本開示における実施の形態4は、実施の形態1における各トランスの二次側をセンタタップ形で構成したものである。図4は実施の形態4における電力変換装置100の回路構成の一例である。図4では、第1トランス401a_1、第2トランス401b_1、第3トランス401a_2、第4トランス401b_2の二次側がセンタタップ形である。各トランスおよびトランス群の一次側の構成は実施の形態1と同様のため説明を省略する。
第1トランス群402を構成する第1トランス401a_1と第2トランス401b_1は、第1トランス401a_1の第1二次巻線404と第2トランス401b_1の第1二次巻線405が並列に接続される。
また、第1トランス401a_1のセンタタップ線406と第2トランス401b_1のセンタタップ線407も並列に接続される。
さらに、第1トランス401a_1の第2二次巻線408と第2トランス401b_1の第2二次巻線409も並列に接続される。並列に接続された第1二次巻線と第2二次巻線は、第1ダイオード410と第2ダイオード411を介して並列に接続され、同様に並列接続されたセンタタップ線406、407とともに第1トランス群402の二次端子412に接続される。
第2トランス群403の二次側については、第1トランス群402と同様の接続形態であるため説明を省略する。
第1トランス群402の二次端子412と第2トランス群403の二次端子413は直列に接続され、全体二次端子414に接続される。なお、図4における全体二次端子414では電圧および電流が直流になる点で図1における全体二次端子109とは異なる。これは、センタタップ形にすることで整流用ダイオードの後段でトランス群間を接続する必要があるためである。
センタタップ形の場合、例えば第1トランス401a_1の第1トランス一次電流i1a_1が正の場合には第1二次電流i2a_11が流れ、負の場合には第2二次電流i2a_12が流れる(上記の極性については逆極性でも成り立ち、全体二次端子414の直流電圧の極性によって決まる)。実施の形態4の場合、各トランスの二次電流には以下の関係が成り立つ。なお、一次電流については実施の形態1の(1-5)式と同様である。
i2a_11=i2b_11=i2a_21=i2b_21 (4-1)
i2a_12=i2b_12=i2a_22=i2b_22 (4-2)
(4-1)式は各トランスの第1二次電流、(4-2)式は第2二次電流の関係を示しており、各トランスで等しくなる。各トランスの端子電圧についても実施の形態1と同様の原理によって以下の関係が成り立つ。
v2a_11=v2b_11=v2a_21=v2b_21 (4-3)
v2a_12=v2b_12=v2a_22=v2b_22 (4-4)
(4-3)式は各トランスの第1二次巻線端子電圧、(4-4)式は第2二次巻線端子電圧の関係を示しており、各トランスで等しくなる。なお、図4ではダイオードを用いているが、本開示ではこれに限定せず、МOSFET等のスイッチング素子を用いて同期整流する構成としても良い。
上述したように、本開示のセンタタップ形であっても実施の形態1~3と同様の原理で各トランスの電流をバランスさせつつ、一次電流と二次電流の双方を低減可能である。
(実施の形態5)
本開示における実施の形態5は、実施の形態1~4におけるトランス構成を絶縁形DC-DCコンバータに適用したものである。図5は実施の形態5における電力変換装置500の回路構成の一例である。図5では、一次側直流部に第1DCリンクコンデンサ501が接続され、その後段に直流を高周波交流に変換するブリッジ回路502が接続される。ブリッジ回路502の出力端子は複数のトランス群で構成される電力変換装置100の全体一次端子に接続される。電力変換装置100の全体二次端子は、高周波交流を直流に変換するブリッジ回路503の入力端子に接続される。ブリッジ回路503の後段の二次側直流部には第2DCリンクコンデンサ504が接続される。実施の形態1乃至4のいずれかの実施の形態に記載の電力変換装置を搭載した絶縁形電力変換システムを構築することが可能になる。
本開示における実施の形態5は、実施の形態1~4におけるトランス構成を絶縁形DC-DCコンバータに適用したものである。図5は実施の形態5における電力変換装置500の回路構成の一例である。図5では、一次側直流部に第1DCリンクコンデンサ501が接続され、その後段に直流を高周波交流に変換するブリッジ回路502が接続される。ブリッジ回路502の出力端子は複数のトランス群で構成される電力変換装置100の全体一次端子に接続される。電力変換装置100の全体二次端子は、高周波交流を直流に変換するブリッジ回路503の入力端子に接続される。ブリッジ回路503の後段の二次側直流部には第2DCリンクコンデンサ504が接続される。実施の形態1乃至4のいずれかの実施の形態に記載の電力変換装置を搭載した絶縁形電力変換システムを構築することが可能になる。
なお、図5において第1DCリンクコンデンサ501の紙面左側に任意の電力変換装置が直列または並列に接続されても良く、その形態を問わない。同様に、第2DCリンクコンデンサ504の紙面右側に任意の電力変換装置が直列または並列に接続されても良く、その形態を問わない。また、ブリッジ回路502は任意のブリッジ回路方式でよく、例えばフルブリッジやハーフブリッジでもよい。さらに、ブリッジ回路503についても任意のブリッジ回路方式でよく、フルブリッジ、ハーフブリッジやダイオードブリッジでもよい。電力変換装置500を構成する絶縁形DC-DCコンバータについても任意の方式としてよく、例えばDual Active Bridgeや共振形コンバータでもよい。
以上のように絶縁形DC-DCコンバータに本開示を適用することにより、トランス部がコンパクトになり電力変換システム全体を小型化することが可能になる。
100・・・電力変換装置、101a_1・・・第1トランス、101b_1・・・第2トランス、101a_2・・・第3トランス、101b_2・・・第4トランス、102・・・第1トランス群、103・・・第2トランス群、104、105・・・一次端子、106、107・・・二次端子、108・・・全体一次端子、109・・・全体二次端子、v1・・・ 全体一次端子電圧、v2・・・全体二次端子電圧、i1・・・全体一次電流、i2・・・全体二次電流、v1_1・・・第1トランス群一次端子電圧、v1_2・・・第2トランス群一次端子電圧、v2_1・・・第1トランス群二次端子電圧、v2_2・・・第2トランス群二次端子電圧、v1a_1・・・第1トランス一次端子電圧、v1b_1・・・第2トランス一次端子電圧、v1a_2・・・第3トランス一次端子電圧、v1b_2・・・第4トランス一次端子電圧、v2a_1・・・第1トランス二次端子電圧、v2b_1・・・第2トランス二次端子電圧、v2a_2・・・第3トランス二次端子電圧、v2b_2・・・第4トランス二次端子電圧、i1a_1・・・第1トランス一次電流、i1b_1・・・第2トランス一次電流、i1a_2・・・第3トランス一次電流、i1b_2・・・第4トランス一次電流、i2a_1・・・第1トランス二次電流、i2b_1・・・第2トランス二次電流、i2a_2・・・第3トランス二次電流、i2b_2・・・第4トランス二次電流
Claims (8)
- 一方の巻線が直列接続され、他方の巻線が並列接続された少なくとも2個のトランスを含むトランス群を少なくとも2群含む電力変換装置において、
前記並列接続された巻線は、前記トランス群が直列に接続されるように構成され、
前記直列接続された巻線は、前記トランス群が並列に接続されるように構成されることを特徴とする電力変換装置。 - 直列接続された複数の前記トランス群の各トランス群の電圧を加算した電圧は、並列接続された前記トランス群に共通の電圧よりも高電圧であるように構成されることを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
- 前記並列接続された巻線は一次巻線であり、前記直列接続された巻線は二次巻線であることを特徴とする請求項1または2に記載の電力変換装置。
- 前記直列接続された巻線は一次巻線であり、前記並列接続された巻線は二次巻線であることを特徴とする請求項1または2に記載の電力変換装置。
- 前記トランス群に含まれる前記トランスの数は、全ての前記トランス群で同一の個数であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電力変換装置。
- 前記トランス群間の接続関係は維持されたまま、前記トランス群のそれぞれが前記トランス群間の前記接続関係を有する前記電力変換装置に置き換えられて構成されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の電力変換装置。
- 前記トランスの二次巻線がセンタタップ形で構成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の電力変換装置。
- 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の電力変換装置を搭載した絶縁形電力変換システム。
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JP2021210747A JP2023095076A (ja) | 2021-12-24 | 2021-12-24 | 電力変換装置および絶縁形電力変換システム |
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