JP2023094802A - 噴霧熱分解装置 - Google Patents

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紀彦 三崎
Norihiko Misaki
雄一 館山
Yuichi Tateyama
広樹 山崎
Hiroki Yamazaki
秀樹 徳田
Hideki Tokuda
賢太 増田
Kenta Masuda
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Abstract

Figure 2023094802000001
【課題】多大なコストを要することなく窒素酸化物を除去可能な噴霧熱分解装置を提供すること。
【解決手段】噴霧熱分解装置10は、熱分解炉1内に原料溶液のミスト2を噴霧するための第1の噴霧装置3と、ミスト2を燃焼ガスにより熱分解するための1以上の燃焼バーナー4と、脱硝剤のミスト5を噴霧するための第2の噴霧装置6を備えるものである。燃焼バーナー4は、燃焼ガスが旋回流を生じるように配置され、第2の噴霧装置6は、燃焼ガスの流れ方向に沿って又は流れ方向に対向して脱硝剤のミストを噴霧するように設置されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、噴霧熱分解装置に関する。
微粒子の製造装置として、噴霧熱分解法を活用した内燃式の噴霧熱分解装置が使用されており、例えば、熱分解炉の内部に、原料溶液をノズルから噴霧してミスト(液滴)として供給し、燃焼バーナーから生成された燃焼ガスを熱源としてミストを熱分解し、微粒子が製造されている。
一方、高温で焼却処理を行う焼却炉においては、燃焼時に廃棄物中の窒素分や空気中の窒素が酸化し、窒素酸化物(NOx)が生成することが報告されている。窒素酸化物は有害物質であるため、排ガス中の窒素酸化物を除去する目的で、焼却炉内に水酸化ナトリウムと、アンモニア水又は尿素水とを吹き込む導入管を設けるか(特許文献1)、焼却炉外に脱硝設備を設ける(特許文献2)ことが提案されている。
特開2013-142481号公報 特開2015-93222号公報
脱硝装置には乾式と湿式があるところ、乾式においては、排ガス中の窒素酸化物の濃度が高いほど、添加剤の量や脱硝装置の規模が大きくなる。他方、湿式においては、水と薬剤を使用して窒素酸化物を一旦捕集するが、窒素酸化物の濃度が高いほど、水や薬剤を多く使用するため排水量が多くなる。加えて、その排水をそのまま河川等の公共流域に放流できないため、排水を目的とする処理設備が別途必要になり、その設備規模が必然と大きくなるため、コスト増加が避けられない。
噴霧熱分解装置においても焼却炉と同様に高温処理を行うため、熱分解炉内に窒素酸化物が生成するが、窒素酸化物の除去を目的に脱硝設備を設けると、製造コストが過大となる。そのため、多大なコストを要することなく窒素酸化物を除去可能な噴霧熱分解装置が求められている。
本発明の課題は、多大なコストを要することなく窒素酸化物を除去可能な噴霧熱分解装置及びそれを用いた無機酸化物粒子の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく検討した結果、噴霧熱分解装置内に、原料溶液のミストを噴霧するための第1の噴霧装置と、原料溶液のミストを熱分解するための燃焼バーナーを設置し、燃焼バーナーから生成した燃焼ガスによって熱分解炉内に旋回流を発生させた状態で脱硝剤を所定方向に噴霧可能な第2の噴霧装置を更に設けることで、多大なコストを要することなく熱分解炉内に発生した窒素酸化物を効率的に除去しつつ、微粒子の生成に影響を及ぼさずに無機酸化物粒子を製造できることを見出した。
すなわち、本発明は、次の〔1〕~〔12〕を提供するものである。
〔1〕熱分解炉内に原料溶液のミストを噴霧するための第1の噴霧装置と、
燃焼ガスが旋回流を生じるように配置され、ミストを燃焼ガスにより熱分解するための1以上の燃焼バーナーと
燃焼ガスの流れ方向に沿って又は流れ方向に対向して脱硝剤のミストを噴霧するための第2の噴霧装置
を備える、噴霧熱分解装置。
〔2〕第2の噴霧装置は、第1の噴霧装置の外周に設けられ、燃焼ガスの流れ方向に沿って脱硝剤のミストを噴霧する、前記〔1〕記載の噴霧熱分解装置。
〔3〕第2の噴霧装置は、熱分解炉の排出口に設けられ、燃焼ガスの流れ方向に対向して脱硝剤のミストを噴霧する、前記〔1〕記載の噴霧熱分解装置。
〔4〕第2の噴霧装置は、熱分解炉の側壁に設けられ、燃焼ガスの流れ方向に対向して脱硝剤のミストを噴霧する、前記〔1〕記載の噴霧熱分解装置。
〔5〕第2の噴霧装置は、該噴霧装置の中心軸と、熱分解炉内壁の第2の噴霧装置接続部上端における水平方向とのなす角度が5~75°の範囲内となるように熱分解炉の側壁に設置されている、前記〔4〕記載の噴霧熱分解装置。
〔6〕第2の噴霧装置は、第1の噴霧装置から噴霧されたミストの半径延長線上であって、熱分解炉内壁と交差する位置から、第1の噴霧装置の吐出口側端部と前記交差位置との鉛直方向距離に対して5倍以下となる距離離れた熱分解炉の排出口鉛直方向へ移動した位置までの範囲内に第2の噴霧装置の先端が配置されるように熱分解炉の側壁に設けられている、前記〔4〕又は〔5〕記載の噴霧熱分解装置。
〔7〕脱硝剤が尿素及びアンモニアから選択される1以上を含む溶液である、前記〔1〕~〔6〕のいずれか一に記載の噴霧熱分解装置。
〔8〕第2の噴霧装置から噴霧されたミストは、1個当たりの平均粒子径が30μm以下である、前記〔1〕~〔7〕のいずれか一に記載の噴霧熱分解装置。
〔9〕燃焼バーナーは、熱分解炉の中心軸よりずらして燃焼ガスが旋回流を生じるように配置されている、前記〔1〕~〔8〕のいずれか一に記載の噴霧熱分解装置。
〔10〕第1及び第2の噴霧装置は、流体ノズルである、前記〔1〕~〔9〕のいずれか一に記載の噴霧熱分解装置。
〔11〕前記〔1〕~〔10〕のいずれか一に記載の噴霧熱分解装置を用い、原料無機化合物含有溶液のミストを第1の噴霧装置から噴霧し、熱分解する工程を含む、無機酸化物粒子の製造方法。
〔12〕原料無機化合物がアルミニウム塩、チタン塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、ホウ酸塩、アルカリ金属塩、亜鉛塩、ジルコニウム塩、バリウム塩、セシウム塩、イットリウム塩、アルミノケイ酸塩、アルミニウムアルコキシド及びケイ酸アルコキシドから選ばれる1種又は2種以上である、前記〔11〕記載の無機酸化物粒子の製造方法。
本発明の噴霧熱分解装置は、燃焼バーナーから生成した燃焼ガスにより熱分解炉内に旋回流を発生させた状態で脱硝剤のミストを所定方向に噴霧可能な第2の噴霧装置が設置されているため、多大なコストを要することなく熱分解炉内に発生した窒素酸化物を効率的に除去しつつ、微粒子の生成に影響を及ぼさずに無機酸化物粒子を製造できる。
本発明の噴霧熱分解装置の一実施形態を示す模式図である。 本発明の噴霧熱分解装置の他の一実施形態を示す模式図である。 本発明の噴霧熱分解装置の他の一実施形態を示す模式図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図示の便宜上、図面の寸法比率は説明のものと必ずしも一致しない。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の噴霧熱分解装置の一実施形態を示す模式図である。
噴霧熱分解装置10は、内燃式であり、図1に示されるように、熱分解炉1内に原料溶液のミスト2を噴霧するための第1の噴霧装置3と、ミスト2を燃焼ガスにより加熱するための燃焼バーナー4とを備えるものである。また、第1の噴霧装置の外周には、燃焼ガスの流れ方向に沿って脱硝剤のミスト5を噴霧するための第2の噴霧装置6が設けられ、更にミスト2の下流側には、熱分解炉内で生成した窒素酸化物の脱硝反応、及び/又はミストの熱分解反応を促進するための補助熱源7が設けられている。
(熱分解炉)
熱分解炉は、炉材として使用されている材質であれば何れも用いることができ、加熱温度等を考慮して選定すればよい。また、金属製のシェルの内壁に、耐火レンガ、断熱レンガ、キャスタブル等を単体、層状、又はこれらを組み合わせて用いるのが一般的である。
熱分解炉の形状は、熱分解炉内に旋回流を発生させることができる点で、堅型円筒状が好ましい。
熱分解炉の大きさは、製造スケールに応じて適宜選択することが可能であるが、例えば、堅型円筒状である場合、内径が好ましくは200~1600mmであり、高さが好ましくは2000~30000mmである。
(噴霧装置)
第1及び第2噴霧装置としては、例えば、流体ノズルを挙げることができる。流体ノズルとしては、例えば、1流体ノズル、2流体ノズル、3流体ノズル、4流体ノズルが挙げられる。中でも、2流体ノズル、3流体ノズル、4流体ノズルが好ましい。なお、噴霧装置は、耐熱性を考慮し、必要に応じて周囲を断熱材で保護しても、周囲に冷却水や冷却エア等を循環させてもよい。
流体ノズルの方式には、気体と原料溶液とをノズル内部で混合する内部混合方式と、ノズル外部で気体と原料溶液を混合する外部混合方式があるが、いずれも採用することができる。ノズルに供給する気体としては、例えば、空気や、窒素、アルゴン等の不活性ガス等を使用することができる。中でも、経済性の観点から、空気が好ましい。
第1の噴霧装置の設置位置は、熱分解炉の中央部でも、端部でもよく、また熱分解炉の上方及び下方のいずれでも構わないが、熱分解炉壁面への固着物の発生を防止しつつ、熱分解反応を十分に進行させる観点から、熱分解炉下方の略中央部に設置することが好ましい。なお、第1の噴霧装置は、1基又は2基以上設置することができる。なお、図1に示される噴霧熱分解装置は、熱分解炉下方の略中央部に第1の噴霧装置が1基設置されている。
第2の噴霧装置の設置位置は、第1の噴霧装置の外周であれば特に限定されない。例えば、熱分解炉の中央部付近でも、端部でも構わないが、熱分解炉内で生成した窒素酸化物の脱硝反応促進、窒素酸化物の効率的除去、熱分解炉壁面への脱硝剤の固着防止の観点から、熱分解炉下方の略中央部に第1の噴霧装置に隣接して設置することが好ましい。なお、第2の噴霧装置は、1基又は2基以上設置することができる。なお、図1に示される噴霧熱分解装置は、熱分解炉下方の略中央部に第1の噴霧装置に隣接して第2の噴霧装置が1基設置されている。
脱硝剤は、尿素及びアンモニアから選択される1以上を含む溶液であることが好ましい。第2の噴霧装置から噴霧された脱硝剤のミストに尿素又はアンモニアが含まれていると、例えば、下記式(1)、(2)、(3)、(4)に示されるように、一酸化窒素及び二酸化窒素を脱硝反応により無害の窒素と水に分解することができる。
4NO+2(NH2)2CO+O2 → 4N2+4H2O+2CO2 (1)
4NO+4NH3+O2 → 4N2+6H2O (2)
6NO2+4(NH2)2CO+4H2O → 7N2+12H2O+4CO2 (3)
6NO2+8NH3 → 7N2+12H2O (4)
脱硝反応は、通常、700~1000℃の温度範囲で促進される。そのため、第2の噴霧装置は、熱分解炉内で生成した窒素酸化物の脱硝反応促進、窒素酸化物の効率的除去の観点から、熱分解炉内の温度が700~1000℃の領域に脱硝剤のミストを噴霧可能な位置に設置することが好ましい。例えば、図1において、第2の噴霧装置を配管等で延伸させ、第1の噴霧装置から噴霧された原料溶液のミストの下流側であって、補助熱源によって上記した温度に加熱された領域に第2の噴霧装置から脱硝剤のミストを噴霧できるように設置すればよい。
尿素及びアンモニアを溶解する溶媒としては、例えば、水、有機溶媒を挙げることができる。有機溶媒としては、適宜選択可能であるが、例えば、アルコールが挙げられる。また、水の蒸発熱による炉内の温度低下を抑制する目的で、水にアルコール等の有機溶媒を混合したものも良い。中でも、溶媒としては、環境への影響、製造コストの点から、水が好ましい。
溶液中の尿素及びアンモニアの合計含有量は、適宜設定可能であるが、熱分解炉内で生成した窒素酸化物の脱硝反応促進、窒素酸化物の効率的除去の観点から、1質量%以上100質量%未満が好ましく、5~70質量%がより好ましく、10~50質量%が更に好ましい。
脱硝剤の供給量は、例えば、脱硝剤として尿素及びアンモニアから選択される1以上を含む溶液を使用する場合、排ガス中の一酸化窒素及び二酸化窒素の合計量を指標に、溶液中の尿素及びアンモニアをアンモニアに換算した合計モル数と排ガス中の一酸化窒素及び二酸化窒素の合計モル数との比(尿素及びアンモニアをアンモニア換算した合計モル数/一酸化窒素及び二酸化窒素の合計モル数)が好ましくは0.2~5.0の範囲内、更に好ましくは1.0~4.0の範囲内となるように制御すればよい。
第2の噴霧装置から噴霧される脱硝剤のミストの大きさは、熱分解炉内で生成した窒素酸化物の脱硝反応促進、窒素酸化物の効率的除去の観点から、ミスト1個当たりの平均粒子径として30μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましく、10μm以下が更に好ましい。ミスト1個当たりの平均粒子径の下限値は特に限定されないが、通常0.1μm以上であり、好ましくは0.5μm以上である。なお、ミストの平均粒子径は、噴霧装置の噴出口の形状、噴霧装置へ供給する気体の圧力や溶液の供給量によって調整することができる。
(燃焼バーナー)
燃焼バーナーは、当該燃焼バーナーから生じた燃焼ガスにより、熱分解炉内に強力な旋回流を発生させるために、熱分解炉の中心軸よりずらして設置することが好ましい。旋回流を発生させることで、熱分解炉の長さよりも長い距離をミストが熱分解炉内に滞留できるため、長時間熱処理され、熱分解反応を十分に進行できるとともに、窒素酸化物も旋回流により旋回しながら上昇するため脱硝反応が促進され除去しやすくなる。
燃焼ガスの流量は、旋回流を発生させるよう適宜調整すれば良いが、例えば、100~5000Nm3/hである。
燃焼バーナーは、一般的に販売されているものであれば、いずれも使用することができる。熱分解炉の容積、仕様等を考慮し、これにあった型式の燃焼バーナーを選択すればよい。また、熱分解炉の仕様に応じたものを製作しても構わない。
燃焼バーナーは、1基又は2基以上設置することが可能であり、好ましくは1~4基である。燃焼バーナーを複数基設置する場合、燃焼バーナーの設置位置は、同じ高さとすることを要しない。なお、図1に示される噴霧熱分解装置は、燃焼バーナー2基がそれぞれ熱分解炉の中心軸よりずらして同一円周上で対向設置されており、より強力な旋回流が熱分解炉の下方から上方に進行するため、ミストと窒素酸化物は旋回流により旋回しながら上昇することができる。
燃焼バーナーに用いる燃料は特に限定されないが、例えば、気体燃料、液体燃料、固体燃料を挙げられ、これら燃料の2種以上を混焼してもよい。気体燃料としては、例えば、LPG、都市ガス、気化した有機物が挙げられる。また、液体燃料としては、例えば、灯油、軽油、重油や再生油など液化した有機物を挙げることができる。固体燃料としては、例えば、石炭、木炭、木材などを粉末状にしたものを挙げられる。
燃焼バーナーは、当該燃焼バーナーの火炎がミストに直接接触しないように設置することが好ましい。このようにするには、第1の燃焼バーナーの火炎が熱分解炉内に入らないように設置すればよく、例えば、前後方向に燃焼バーナーを可動できる機構を設け、必要に応じて調整すればよい。これにより、燃焼バーナーから生じた火炎に直接接触することなく、熱分解炉の長さよりも長い距離、熱分解炉内に滞留し、長時間の熱分解反応と脱硝反応を受けることができる。
(補助熱源)
補助熱源は、熱分解炉内で生成した窒素酸化物の脱硝反応に十分な熱量、及び/又は、ミストの熱分解反応に必要な熱量を付与できれば特に限定されないが、例えば、燃焼バーナー、熱風ヒーター、電気ヒーターが挙げられる。
補助熱源は、熱分解炉内を700~1000℃の範囲内となるように制御するために、1基以上設置することが好ましい。補助熱源を2基以上設置する場合、同じ高さ(同一円周上)に対面に並べても、高さを変えて段違いとして設置してもよい。なお、図1に示される噴霧熱分解装置は、補助熱源として2基の燃焼バーナーが高さを変えて段違いとして設置されている。
補助熱源の設置位置は、熱分解炉内で生成した窒素酸化物の脱硝反応促進の観点から、第2の噴霧装置の設置位置に応じて、第2の噴霧装置から噴霧された脱硝剤のミストが700~1000℃の温度で加熱可能な位置に設置することが好ましい。
なお、補助熱源として燃焼バーナーを使用する場合、その火炎がミストに直接接触しないように設置することが、過剰反応や粒子の溶融や変形等を防止するうえで好ましい。燃焼バーナーの火炎が炉内に入らないようにするには、燃焼バーナーを前後方向に可動できる機構を設けて、火炎の長さなどに応じて調整すればよい。
〔第2実施形態〕
図2は、本発明の噴霧熱分解装置の一実施形態を示す模式図である。
本実施形態に係る噴霧熱分解装置20は、図2に示されるように、熱分解炉1内に原料溶液のミスト2を噴霧するための第1の噴霧装置3と、ミスト2を燃焼ガスにより加熱するための燃焼バーナー4と、熱分解炉内で生成した窒素酸化物の脱硝反応、及び/又はミストの熱分解反応を促進するための補助熱源7を備えている点で、第1実施形態と同様の構成を具備している。但し、本実施形態に係る噴霧熱分解装置20は、第2の噴霧装置6が、燃焼ガスの流れ方向に対向して脱硝剤のミスト5を噴霧するために熱分解炉1の排出口に設けられているのに対し、第1実施形態に係る噴霧熱分解装置10は、第2の噴霧装置6が、燃焼ガスの流れ方向に沿って脱硝剤のミスト5を噴霧するために第1の噴霧装置3の外周に設けられている点で異なっている。
第2の噴霧装置の設置位置は、熱分解炉の排出口であれば特に限定されず、排出口の中央部でも、端部でも構わないが、熱分解炉内で生成した窒素酸化物の脱硝反応促進、熱分解炉壁面への脱硝剤の固着防止の観点から、排出口の略中央部に第2の噴霧装置を設置することが好ましい。なお、第2の噴霧装置は、1基又は2基以上設置することができる。なお、図2に示される噴霧熱分解装置は、熱分解の排出口の略中央部に第2の噴霧装置が1基設置されている。
また、第2の噴霧装置は、熱分解炉内の温度が700~1000℃の領域に脱硝剤のミストを噴霧可能な位置に設置することが好ましい。例えば、図2において、第2の噴霧装置を配管等で延伸させ、第1の噴霧装置から噴霧された原料溶液のミストの下流側であって、補助熱源によって上記した温度に加熱された領域に第2の噴霧装置から脱硝剤のミストを噴霧できるように設置すればよい。
なお、熱分解炉、第1及び第2の噴霧装置、燃焼バーナー、補助熱源の具体的構成は、第1実施形態において説明したとおりである。
〔第3実施形態〕
図3は、本発明の噴霧熱分解装置の一実施形態を示す模式図である。
本実施形態に係る噴霧熱分解装置30は、図3に示されるように、熱分解炉1内に原料溶液のミスト2を噴霧するための第1の噴霧装置3と、ミスト2を燃焼ガスにより加熱するための燃焼バーナー4と、熱分解炉内で生成した窒素酸化物の脱硝反応、及び/又はミストの熱分解反応を促進するための補助熱源7を備えている点で、第1実施形態と同様の構成を具備している。但し、本実施形態に係る噴霧熱分解装置30は、第2の噴霧装置6が、燃焼ガスの流れ方向に対向して脱硝剤のミスト5を噴霧するために熱分解炉1の側壁に設けられているのに対し、第1実施形態に係る噴霧熱分解装置10は、第2の噴霧装置6が、燃焼ガスの流れ方向に沿って脱硝剤のミスト5を噴霧するために第1の噴霧装置3の外周に設けられている点で異なっている。
第2の噴霧装置の設置位置は、燃焼ガスの流れ方向に対向して脱硝剤のミストを噴霧することが可能な熱分解炉の側壁に設置すれば特に限定されず、排出口付近の熱分解炉側壁でも構わないが、熱分解炉内で生成した窒素酸化物の脱硝反応促進、窒素酸化物の効率的除去、熱分解炉壁面への脱硝剤の固着防止の観点から、次のように設置することが好ましい。
即ち、図3に示されるように、第2の噴霧装置の中心軸aと、熱分解炉内壁の第2の噴霧装置接続部上端における水平方向bとのなす角度θが5~75°の範囲内となるように熱分解炉の側壁に設置することが好ましい。かかる設置角度の上限値は、熱分解炉内で生成した窒素酸化物の脱硝反応促進、窒素酸化物の効率的除去の観点から、70°以下が好ましく、65°以下がより好ましく、50°以下が更に好ましい。
更に、第2の噴霧装置の設置は、熱分解炉内で生成した窒素酸化物の脱硝反応促進、窒素酸化物の効率的除去の観点から、設置角度を制御したうえで、次のようにすることが好ましい。
第1の噴霧装置から噴霧された原料溶液のミストは、通常、第1の噴霧装置の吐出口から扇状に放射され、ミストの鉛直方向の中心が最も高く、半径方向に向けて段階的に低くなる形状となる。本発明者らは、このようなミストの形状に着目し、第1の噴霧装置から噴霧された原料溶液のミストの半径延長線c上であって、熱分解炉内壁との交差位置dから熱分解炉の排出口鉛直方向へ特定の距離離れた位置までの範囲内に第2の噴霧装置の先端が配置されるように熱分解炉の側壁に設けることで、窒素酸化物の脱硝反応促進がより一層促進され、窒素酸化物を効率よく除去できることを見出した。即ち、熱分解炉内壁と交差する位置dから、第1の噴霧装置の吐出口端部oと交差位置dとの鉛直方向距離tに対して、好ましくは5倍以下、より好ましくは4.5倍以下、更に好ましくは4倍以下、殊更に好ましくは2倍以下となる距離離れた熱分解炉の排出口鉛直方向へ移動した位置eまでの範囲内に第2の噴霧装置の先端が配置されるように熱分解炉側壁に設けることが、窒素酸化物の脱硝反応促進、窒素酸化物の効率的除去の観点から望ましい。
なお、熱分解炉、第1及び第2の噴霧装置、燃焼バーナー、補助熱源の具体的構成は、第1実施形態において説明したとおりである。
以上、本発明をその実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。例えば、上記実施形態においては、第2の噴霧装置を1基設置する場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、上記実施形態で説明した第2の噴霧装置の設置態様を組み合わせて2基以上設置することができる。
また、本発明の噴霧熱分解装置は、熱分解炉のミストの流れ方向の下流側端部に、回収装置と誘引ファンを設置することができる。これにより、生成した粒子が誘引ファンによって回収装置に移動するため、粒子を容易に回収することができる。回収装置としては、例えば、バグフィルターを挙げることができる。
また、熱分解炉の下流側端部に冷却エアを導入することにより、冷却回収してもよい。冷却エアの導入手段としては、冷却エアの吸入部の設置、ファンやブロアから冷却エアを送り込む手段等を採用することができる。これらは複数の箇所から行なってもよい。また、冷却エアの代わりに、水冷してもよく、イオン交換水や上水等を用いることができる。更に、回収装置の上流側には、回収装置の負荷低減、粗粒や異物回収のため、サイクロンを配置してもよく、熱交換器を配置すると、余熱利用や排ガス量を低減することもできる。他方、回収装置の下流側には、必要に応じて、スクラバー等の除塵、脱硫設備、脱硝設備などの浄化設備を配置してもよい。
次に、本実施形態に係る噴霧熱分解装置を用いた、無機酸化物粒子の製造方法について説明する。
先ず、原料無機化合物含有溶液を調製する。
原料無機化合物含有溶液は、原料無機化合物と溶媒とを混合して調製すればよい。原料無機化合物と溶媒との混合方法は、両者を同時に添加して混合しても、他方を一方に添加して混合してもよく、混合方法は特に限定されない。
原料無機化合物としては、無機酸化物を構成する元素を含有し、水等の溶媒に溶解する化合物であれば特に限定されないが、例えば、無機塩、金属アルコキシド等を挙げることができる。無機塩としては、例えば、アルミニウム塩、チタン塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、ホウ酸塩、アルカリ金属塩、亜鉛塩、ジルコニウム塩、バリウム塩、セシウム塩、イットリウム塩、アルミノケイ酸塩が挙げられる。また、金属アルコキシドとしては、アルミニウムアルコキシド、ケイ酸アルコキシドを挙げることができる。原料無機化合物は、1種又は2種以上を使用することができる。
アルミニウム塩としては、例えば、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、燐酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、酢酸アルミニウム、シュウ酸アルミニウムが挙げられる。マグネシウム塩としては、例えば、硝酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、燐酸マグネシウム、水酸化マグネシウムを挙げることができる。カルシウム塩としては、例えば、硝酸カルシウム、塩化カルシウム、水酸化カルシウム、蟻酸カルシウム、酢酸カルシウム、プロピオン酸カルシウムが挙げられる。ホウ酸塩としては、例えば、ホウ酸、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム等のメタホウ酸塩、四ホウ酸ナトリウム、四ホウ酸カリウム等の四ホウ酸塩、五ホウ酸ナトリウム、五ホウ酸カリウム等の五ホウ酸塩を挙げることができる。アルカリ金属塩としては、例えば、炭酸リチウム、クエン酸リチウム、塩化リチウム、硫酸リチウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、硝酸カリウム、塩化カリウム、水酸化カリウムを挙げることができる。水酸化カルシウムケイ酸アルコキシドとしては、例えば、オルトケイ酸テトラメチル(TMOS)、オルトケイ酸テトラエチル(TEOS)、オルトケイ酸テトラプロピル(TPOS)、テトラブトキシシランを挙げることができる。また、アルミニウム酸化物、ケイ素酸化物を溶媒に分散した溶液、アルミニウム酸化物、ケイ素酸化物のゾル溶液も原料溶液として用いることができる。
中でも、原料無機化合物としては、本発明の効果を享受しやすい点で、アルミニウム塩、チタン塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、ホウ酸塩、アルカリ金属塩、亜鉛塩、ジルコニウム塩、バリウム塩、セシウム塩、イットリウム塩、アルミノケイ酸塩、アルミニウムアルコキシド及びケイ酸アルコキシドから選ばれる1種又は2種以上が好ましく、アルミニウム塩、チタン塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、ホウ酸塩、アルカリ金属塩、亜アルミノケイ酸塩、アルミニウムアルコキシド及びケイ酸アルコキシドから選ばれる1種又は2種以上がより好ましく、アルミニウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、ホウ酸塩、アルカリ金属塩及びケイ酸アルコキシドから選ばれる1種又は2種以上が更に好ましい。
原料無機化合物から得られる無機酸化物としては、例えば、金属酸化物、アルミナ、シリカ、アルミニウム及びケイ素からなる酸化物等が挙げられる。より具体的には、アルミナ、シリカ、アルミニウム及びケイ素からなる酸化物、チタン酸化物、マグネシウム酸化物、亜鉛酸化物、ジルコニウム酸化物、バリウム酸化物、セリウム酸化物、イットリウム酸化物等が挙げられ、これら酸化物を組みあわせた複合酸化物も挙げることができる。
原料無機化合物を溶解又は分散する溶媒としては、水、有機溶媒を挙げることができる。中でも、環境への影響、製造コストの点から、水が好ましい。
原料無機化合物含有溶液中の原料無機化合物の濃度は、得られる無機酸化物粒子の密度、強度等を考慮し、0.01mol/L~飽和濃度が好ましく、0.1~1.0mol/Lが更に好ましい。
次に、第1の噴霧装置から原料無機化合物含有溶液のミストを噴霧する。これにより、ミストは、第1の燃焼バーナーから発生した燃焼ガスの流れに巻き込まれ、ミストから溶媒が蒸発して速やかに乾燥し、熱分解して無機酸化物粒子を生成する。
第1の噴霧装置からの噴霧は、第2の噴霧装置から脱硝剤のミストを噴霧した状態で行うことが好ましい。第2の噴霧装置からの噴霧は、連続で行っても、断続的に行ってもよい。これにより、熱分解炉内で生成した窒素酸化物を脱硝剤により無害の窒素と水に分解し除去することができる。
第1及び第2の噴霧装置、脱硝剤の具体的態様は、上記において説明したとおりである。
原料溶液のミストは、1個当たりの平均粒子径が、好ましくは0.5~60μm、より好ましくは1~20μm、更に好ましくは1~15μmである。なお、ミストの平均粒子径は、噴霧装置の噴出口の形状や噴霧装置へ供給する気体の圧力によって調整することができる。
熱分解炉内の温度は、熱分解反応促進、脱硝反応促進の観点から、700~1000℃が好ましく、750~980℃がより好ましく、800~950℃が更に好ましい。700℃未満であると、熱分解反応及び脱硝反応が不十分となりやすく、また1000℃を超えると、脱硝反応が不十分となるだけでなく、粒子同士が凝集しやすくなる。
次に、熱分解反応によって生じた無機酸化物粒子を、例えば、熱分解炉の排出口から誘引ファンによって回収装置に移動させ回収する。回収装置としては、例えば、サイクロン粉体回収機、バグフィルターを挙げることができる。また、無機酸化物粒子の回収にあたっては、フィルターを通過させることにより、粒子径を調整してもよい。さらに、回収装置の下流側に、必要に応じて、スクラバー等の除塵、脱硫設備、脱硝設備等の浄化設備を配置してもよい。
本発明の方法により製造される無機酸化物粒子は、中実粒子、多孔質粒子、中空粒子のいずれでも、これら2以上の混合物でも構わない。ここで、本明細書において「中実粒子」とは、内部に空洞を有さない構造の粒子をいい、例えば、単一の層からなる粒子、及び、コア(内核とも言われる)とシェル層(外殻とも言われる)を有する粒子を挙げることができる。また、「中空粒子」とは、内部に空洞(中空部)を有する構造のものであり、外殻に包囲された空洞を有する粒子をいう。空洞の数は、単数でも複数でもよい。更に、「多孔質粒子」とは、粒子表面から内部まで連結した貫通孔を多数有する粒子をいう。貫通孔の大きさや形状は、特に限定されない。また、粒子内部に閉気孔を有していてもよい。
本発明の方法により製造される無機酸化物粒子は、次の特性を具備することができる。
無機酸化物粒子は、平均円形度が、通常0.85以上であり、好ましくは0.90以上である。なお、粒子の形状がほぼ球状であれば、平均円形度は0.85以上となる。ここで、「円形度」は、走査型電子顕微鏡写真から粒子の投影面積(A)と周囲長(PM)を測定し、周囲長(PM)に対する真円の面積を(B)とすると、その粒子の円形度はA/Bとして表される。そこで、試料粒子の周囲長(PM)と同一の周囲長を持つ真円の周囲長及び面積は、それぞれPM=2πr、B=πr2であるから、B=π×(PM/2π)2となり、この粒子の円形度は、円形度=A/B=A×4π/(PM)2として算出される。100個の粒子について円形度を測定し、その平均値でもって平均円形度とする。
無機酸化物粒子は、粒子密度が、通常0.1~2.5g/cm3であり、好ましくは0.2~1.5 g/cm3であり、更に好ましくは0.3~1.0 g/cm3である。なお、粒子密度は、JIS R 1620に準拠して気体置換法により測定することができる。粒子密度測定装置として、例えば、乾式自動密度計「アキュピック(島津製作所製)」を使用することができる。
無機酸化物粒子は、平均粒子径が、通常0.5~50μmであり、好ましくは1~20μmであり、更に好ましくは2~10μmである。ここで、本明細書において「平均粒子径」とは、JIS R 1629に準拠して試料の粒度分布を体積基準で作成したときに積算分布曲線の50%に相当する粒子径(d50)を意味する。なお、粒子径分布測定装置として、例えば、マイクロトラック(日機装株式会社製)を使用することができる。
以下、実施例を挙げて、本発明の実施の形態をさらに具体的に説明する。但し、本発明は、下記の実施例に限定されるものではない。
調製例
10%尿素水の調製
水道水90kgに対し、尿素10kgを投入して10%尿素水を100kg調製した。なお、尿素として、関東化学社製(純度98%、鹿一級)を使用した。
実施例1~10
図1~3に示す噴霧熱分解装置を用いて、次の方法により無機酸化物粒子を製造した。
先ず、イオン交換水100Lに、オルトケイ酸テトラエチル1992g、硝酸アルミニウム九水和物131g、硝酸マグネシウム六水和物455g、硝酸カルシウム四水和物516g、四ホウ酸ナトリウム十水和物1666gを混合したものを溶液タンクに投入し攪拌した。
次いで、熱分解炉内に第2の噴霧装置(2流体ノズル)から10%尿素水のミストを噴霧した状態で、原料溶液を送液ポンプにより第1の噴霧装置(2流体ノズル)に送液し、熱分解炉内に原料溶液のミストを噴霧した。そして、バグフィルターを用いて無機酸化物粒子を回収した。表1に各実施例における製造条件を示したが、熱分解炉のタイプ、第2の噴霧装置の設置位置及び先端位置は、下記の記号等を用いて示した。
また、熱分解炉の反応部のサイズは、φ200mm×3000mmであり、燃焼バーナーは、熱分解炉内に旋回流が発生するように熱分解炉の中心軸とずらし、火炎がミストと直接接触しないように設置した。
第1の噴霧装置、第2の噴霧装置として用いた2流体ノズルは、屋内の無風状態で、溶液送入量3kg/h時のミストのなす角度(噴霧角度)を測定したところ、21°であった。
なお、第2の噴霧装置から噴霧した尿素水のミスト1個当たりの平均粒子径はノズルエア量で調整した。
(1)熱分解炉のタイプ
A:熱分解炉の下方に燃焼バーナー(ガスバーナー)1基、上方に補助熱源(ガスバ
ーナー)1基を設置した。
B:熱分解炉の下方に燃焼バーナー(ガスバーナー)1基、上方に補助熱源(電気ヒ
ーター)1基を設置した。
(2)第2の噴霧装置の設置位置
1:図1に示されるように、第1の噴霧装置の外周(熱分解炉の下方)に第2の噴霧
装置を設置し、第1の噴霧装置と第2の噴霧装置とのノズル間距離は64mmと
した。
2:図3に示されるように、第2の噴霧装置の中心軸と、熱分解炉内壁の第2の噴霧
装置接続部上端における水平方向とが表1に示す角度となるように熱分解炉側壁
に第2の噴霧装置を設置した。
3:図2に示されるように、熱分解炉の排出口の略中央部に第2の噴霧装置を設置し
た。
(3)第2の噴霧装置の先端位置
第2の噴霧装置の先端位置をミストの鉛直方向最大長に対する倍数で示した。即ち、倍数は、図3に示されるように、第1の噴霧装置から噴霧された原料溶液のミストの半径延長線c上であって、熱分解炉内壁との交差位置dを基準とし、交差位置dから熱分解炉の排出口鉛直方向(上方)へ移動した位置eまでの距離を、第1の噴霧装置の上端部oと交差位置dとの鉛直方向距離tに対する倍数で示した。例えば、表1において「鉛直方向距離tに対する倍数」が「0」とは、第2の噴霧装置の先端が上記した交差位置dと同じ高さであることを意味し、「鉛直方向距離tに対する倍数」が「1」とは、第2の噴霧装置の先端が上記した交差位置dから第1の噴霧装置の上端部oと交差位置dとの鉛直方向距離tと同一距離移動した位置であることを意味する。
比較例1
第2の噴霧装置から10%尿素水のミストを噴霧しなかったこと以外は、実施例1と同一条件で無機酸化物粒子を製造した。
Figure 2023094802000002
そして、実施例及び比較例で得られた無機酸化物粒子について、次の分析を行った。その結果を表2に示す。
1.脱硝率
内燃焼式噴霧熱分解装置を用い、原料溶液及び脱硝剤を噴霧せずに燃焼バーナーを燃焼させ、熱分解炉の排出口で排出ガス量を測定し、排ガス中のNOx量をJIS K 0104に準拠し、イオンクロマトグラフを用いて分析した。排ガス量は、JIS Z 8808のピトー管法で測定した結果、306m3N/hであり、排ガス中のNOx量は82ppmであった。そして、下記式により、脱硝率を算出した。
脱硝率(%)=(82-N)/82×100
〔式中、Nは、実施例又は比較例で測定された排ガス中のNOx量(ppm〕を示す。〕
2.平均円形度
平均円形度は、次の手順で測定した。即ち、走査型電子顕微鏡写真から粒子の投影面積(A)と周囲長(PM)を測定し、周囲長(PM)に対する真円の面積を(B)とすると、その粒子の円形度はA/Bとして表される。そこで、試料粒子の周囲長(PM)と同一の周囲長を持つ真円の周囲長及び面積は、それぞれPM=2πr、B=πr2であるから、B=π×(PM/2π)2となり、この粒子の円形度は、円形度=A/B=A×4π/(PM)2として算出される。そして、100個の粒子について円形度を測定し、その平均値でもって平均円形度とした。
3.粒子密度
乾式自動密度計(アキュピック1340、島津製作所製)を用いて、定容積膨張法により測定した。即ち、セル内にサンプルを投入した後、これに不活性ガスを充填してサンプルの体積を測定し、この体積と予め測定しておいたサンプル質量より粒子密度を求めた。
4.平均粒子径
粒子径分布測定装置としてマイクロトラック(日機装株式会社製)を使用し、JIS R 1629に準拠して体積基準の粒度分布を作成し、積算分布曲線の50%に相当する粒子径(d50)を求めた。
Figure 2023094802000003
表2の実施例と比較例の対比から、従来の噴霧熱分解装置から排出された排ガスにはNOxが82ppm含まれていたところ(比較例1)、本発明の噴霧熱分解装置を用いることで、従来の噴霧熱分解装置に比べて、排ガス中のNOx量を最大で80%低減できることがわかる(実施例3)。
また、本発明の噴霧熱分解装置を用いて製造された無機酸化物粒子は、従来の噴霧熱分解装置を用いて製造された無機酸化物粒子と物性に差異がなく、十分な性能を有していることから、熱分解内に脱硝剤を所定条件にて噴霧すれば、無機酸化物粒子の生成に影響を及ぼさないことがわかる。
以上から、本発明の噴霧熱分解装置を用いれば、無機酸化物粒子の生成に影響を及ぼすことなく、熱分解炉内に発生した窒素酸化物を効率的に除去しつつ、無機酸化物粒子を製造できることがわかる。
1 熱分解炉
2 原料溶液のミスト(液滴)
3 第1の噴霧装置
4 燃焼バーナー
5 脱硝剤のミスト(液滴)
6 第2の噴霧装置
7 補助熱源
10 噴霧熱分解装置
20 噴霧熱分解装置
30 噴霧熱分解装置

Claims (12)

  1. 熱分解炉内に原料溶液のミストを噴霧するための第1の噴霧装置と、
    燃焼ガスが旋回流を生じるように配置され、ミストを燃焼ガスにより熱分解するための1以上の燃焼バーナーと
    燃焼ガスの流れ方向に沿って又は流れ方向に対向して脱硝剤のミストを噴霧するための第2の噴霧装置
    を備える、噴霧熱分解装置。
  2. 第2の噴霧装置は、第1の噴霧装置の外周に設けられ、燃焼ガスの流れ方向に沿って脱硝剤のミストを噴霧する、請求項1記載の噴霧熱分解装置。
  3. 第2の噴霧装置は、熱分解炉の排出口に設けられ、燃焼ガスの流れ方向に対向して脱硝剤のミストを噴霧する、請求項1記載の噴霧熱分解装置。
  4. 第2の噴霧装置は、熱分解炉の側壁に設けられ、燃焼ガスの流れ方向に対向して脱硝剤のミストを噴霧する、請求項1記載の噴霧熱分解装置。
  5. 第2の噴霧装置は、該噴霧装置の中心軸と、熱分解炉内壁の第2の噴霧装置接続部上端における水平方向とのなす角度が5~75°の範囲内となるように熱分解炉の側壁に設置されている、請求項4記載の噴霧熱分解装置。
  6. 第2の噴霧装置は、第1の噴霧装置から噴霧されたミストの半径延長線上であって、熱分解炉内壁と交差する位置から、第1の噴霧装置の吐出口側端部と前記交差位置との鉛直方向距離に対して5倍以下となる距離離れた熱分解炉の排出口鉛直方向へ移動した位置までの範囲内に第2の噴霧装置の先端が配置されるように熱分解炉の側壁に設けられている、請求項4又は5記載の噴霧熱分解装置。
  7. 脱硝剤が尿素及びアンモニアから選択される1以上を含む溶液である、請求項1~6のいずれか1項に記載の噴霧熱分解装置。
  8. 第2の噴霧装置から噴霧されたミストは、1個当たりの平均粒子径が30μm以下である、請求項1~7のいずれか1項に記載の噴霧熱分解装置。
  9. 燃焼バーナーは、熱分解炉の中心軸よりずらして燃焼ガスが旋回流を生じるように配置されている、請求項1~8のいずれか1項に記載の噴霧熱分解装置。
  10. 第1及び第2の噴霧装置は、流体ノズルである、請求項1~9のいずれか1項に記載の噴霧熱分解装置。
  11. 請求項1~10のいずれか1項に記載の噴霧熱分解装置を用い、原料無機化合物含有溶液のミストを噴霧装置から噴霧し、熱分解する工程を含む、無機酸化物粒子の製造方法。
  12. 原料無機化合物がアルミニウム塩、チタン塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、ホウ酸塩、アルカリ金属塩、亜鉛塩、ジルコニウム塩、バリウム塩、セシウム塩、イットリウム塩、アルミノケイ酸塩、アルミニウムアルコキシド及びケイ酸アルコキシドから選ばれる1種又は2種以上である、請求項11記載の無機酸化物粒子の製造方法。
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