JP2023094677A - 空間モード分散測定装置および測定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、結合型マルチコアファイバの空間モード分散を安価な装置で、且つ少ない測定工数で測定できる空間モード分散測定装置及び測定方法を提供することを目的とする。【解決手段】本発明に係る空間モード分散測定は、測定対象の結合型マルチコアファイバを単独で測定するのではなく、構造パラメータが既知である単一コアファイバを2本を測定対象の結合型マルチコアファイバに直列接続した伝送路を測定する。単一コアファイバからの後方散乱光と結合型マルチコアファイバからの後方散乱光との比較により結合型マルチコアファイバの空間モード分散を算出する。【選択図】図1

Description

本開示は、結合型マルチコアファイバの空間モード分散を測定する測定装置および測定方法に関する。
結合型マルチコアファイバは、将来の大容量光通信を実現するための媒体として有望な光ファイバの一つである。そして、結合型マルチコアファイバにおける空間モード分散は、光検出器で受信した送信信号を復元するための信号処理の負荷に関連する重要なパラメータである。空間モード分散を測定する手法として、波長掃引法(例えば、非特許文献1を参照。)と光周波数領域反射測定法(OFDR:Optical Frequency Domain Reflectometry)(例えば、非特許文献2を参照。)が知られている。
T. Sakamoto et al., "Fiber twisting- and bending-induced adiabatic/nonnadiabatic super-mode transition in coupled multicore fiber," Journal of Lightwave Technology, vol. 34, no. 4, pp. 1228-1237, 2016. S. Ohno et al., "Distributed spatial mode dispersion measurement along strongly coupled multicore fibers based on the correlation analysis of Rayleigh backscattering amplitudes," Optics Express, vol. 25, no. 24, pp. 29650-29658, 2017. Ohashi et al., "Measurement of fiber parameters of pure silica core fibers based on the OTDR technique," Optics Express, vol. 29, no. 10, pp. 15078-, 2021. Ohashi et al., "Simple backscattered power technique for measuring crosstalk of multi-core fibers," in Proc. 17th Opto-Electronics and Communications Conference, P1_25, 2012. C. D. Poole, "Statistical treatment of polarization dispersion in single-mode fiber," Optics Letters, vol. 13, no. 8, pp. 687-689, 1998. A. Rossaro et al., "Spatially resolved chromatic dispersion measurement by a bidirectional OTDR technique," Journal of Lightwave Technology, vol. 7, no. 3, pp. 475-483, 2001.
しかし、非特許文献1の方法は、結合型マルチコアファイバの一つのコアから出力される光強度及び全コアから出力される光強度を測定する必要があるため、測定工数が多い。また、非特許文献2の方法は、結合型マルチコアファイバの一つのコアに光を入射した際に生じる後方散乱光を測定する方法であるため測定工数は少ないが、測定器が非常に高価である。つまり、開示されている方法には、結合型マルチコアファイバの空間モード分散を安価な装置で、且つ少ない測定工数で測定することが困難という問題がある。
前記課題を解決するために、本発明は、結合型マルチコアファイバの空間モード分散を安価な装置で、且つ少ない測定工数で測定できる空間モード分散測定装置及び測定方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る空間モード分散測定装置は、安価な光時間領域反射測定法(OTDR:Optical Time Domain Reflectometry)の測定装置で、簡単な手順で測定したパラメータから、結合型マルチコアファイバの空間モード分散を算出することとした。
具体的には、本発明に係る空間モード分散測定装置は、結合型マルチコアファイバの空間モード分散を測定する空間モード分散測定装置であって、
前記結合型マルチコアファイバの1つのコア、2つの単一コアファイバのそれぞれのコアが直列になるように、且つ前記単一コアファイバが隣接するように接続された伝送路に光パルスを入力する試験光入力部と、
前記伝送路から出力する後方散乱光を受信する受信部と、
前記空間モード分散を計算する演算部と、
を備え、
前記受信部は、
前記伝送路の両端のうち、前記結合型マルチコアファイバの前記1つのコアに入力された光パルスにより、前記結合型マルチコアファイバの前記1つのコアに戻ってくる第1の後方散乱光と前記結合型マルチコアファイバの他のコアに戻ってくる第2の後方散乱光を測定すること、及び
前記伝送路の両端のうち、前記単一コアファイバの前記コアに入力された光パルスにより、前記単一コアファイバの前記コアに戻ってくる第3の後方散乱光を測定すること、
前記演算部は、
前記第1の後方散乱光と前記第3の後方散乱光との相加平均、既知である前記単一コアファイバのコア半径及び比屈折率差、及び既知である前記伝送路の全長を用いて前記結合型マルチコアファイバのコア半径及び比屈折率差を計算すること、
前記結合型マルチコアファイバの前記コア半径、前記比屈折率差、及び既知のコア間距離から群遅延時間差を計算すること、
前記第1の後方散乱光と前記第2の後方散乱光との強度比から電力結合係数を計算すること、及び
前記群遅延時間差、前記電力結合係数及び既知である前記結合型マルチコアファイバのファイバ長から前記空間モード分散を計算すること
を特徴とする。
また、本発明に係る空間モード分散測定方法は、結合型マルチコアファイバの空間モード分散を測定する空間モード分散測定方法であって、
前記結合型マルチコアファイバの1つのコア、2つの単一コアファイバのそれぞれのコアが直列になるように、且つ前記単一コアファイバが隣接するように接続して伝送路を形成すること、
前記伝送路の両端のうち、前記結合型マルチコアファイバの前記1つのコアに光パルスを入力し、前記結合型マルチコアファイバの前記1つのコアに戻ってくる第1の後方散乱光と前記結合型マルチコアファイバの他のコアに戻ってくる第2の後方散乱光を測定すること、
前記伝送路の両端のうち、前記単一コアファイバの前記コアに光パルスを入力し、前記単一コアファイバの前記コアに戻ってくる第3の後方散乱光を測定すること、
前記第1の後方散乱光と前記第3の後方散乱光との相加平均、既知である前記単一コアファイバのコア半径及び比屈折率差、及び既知である前記伝送路の全長を用いて前記結合型マルチコアファイバのコア半径及び比屈折率差を計算すること、
前記結合型マルチコアファイバの前記コア半径、前記比屈折率差、及び既知のコア間距離から群遅延時間差を計算すること、
前記第1の後方散乱光と前記第2の後方散乱光との強度比から電力結合係数を計算すること、及び
前記群遅延時間差、前記電力結合係数及び既知である前記結合型マルチコアファイバのファイバ長から前記空間モード分散を計算すること
を特徴とする。
本発明に係る空間モード分散測定は、測定対象の結合型マルチコアファイバを単独で測定するのではなく、構造パラメータが既知である単一コアファイバを2本を測定対象の結合型マルチコアファイバに直列接続した伝送路を測定する。単一コアファイバからの後方散乱光と結合型マルチコアファイバからの後方散乱光との比較により結合型マルチコアファイバの空間モード分散を算出する。
従って、本発明は、結合型マルチコアファイバの空間モード分散を安価な装置で、且つ少ない測定工数で測定できる空間モード分散測定装置及び測定方法を提供することができる。
なお、本空間モード分散測定装置の前記演算部は、コンピュータとプログラムによっても実現でき、プログラムを記録媒体に記録することも、ネットワークを通して提供することも可能である。
本発明は、結合型マルチコアファイバの空間モード分散を安価な装置で、且つ少ない測定工数で測定できる空間モード分散測定装置及び測定方法を提供することができる。
本発明に係る空間モード分散測定装置を説明する図である。 本発明に係る空間モード分散測定方法を説明するフローチャートである。 本発明に係る空間モード分散測定方法を説明する図である。 本発明に係る空間モード分散測定装置が測定するOTDR波形である。 本発明に係る空間モード分散測定方法の演算を説明する概要図である。 光伝送路の構造不整損失を説明する図である。 本発明に係る空間モード分散測定装置が測定する後方散乱光のコア間強度比を説明する図である。 測定系を説明する図である。 他のコアに結合した光パルスのOTDR波形を説明する図である。
添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施例であり、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではない。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
図1は、本実施形態の空間モード分散測定装置301を説明する図である。空間モード分散測定装置301は、結合型マルチコアファイバ50aの空間モード分散を測定する測定装置であって、
結合型マルチコアファイバ50aの1つのコア(図1ではコア#m)、2つの単一コアファイバ(50b1、50b2)のそれぞれのコア#oが直列になるように、且つ単一コアファイバ(50b1、50b2)が隣接するように接続された伝送路50に光パルスを入力する試験光入力部10と、
伝送路50から出力する後方散乱光を受信する受信部20と、
空間モード分散を計算する演算部30と、
を備える。
受信部20は、伝送路50の両端のうち、結合型マルチコアファイバ50aの1つのコア(図1の場合、コア#m)に入力された光パルスにより、結合型マルチコアファイバ50aの1つのコア(図1の場合、コア#m)に戻ってくる第1の後方散乱光と結合型マルチコアファイバ50aの他のコア(図1の場合、コア#n)に戻ってくる第2の後方散乱光を測定する。さらに、受信部20は、伝送路50の両端のうち、単一コアファイバ50b2のコア#oに入力された光パルスにより、単一コアファイバ50b2のコア#oに戻ってくる第3の後方散乱光を測定する。
演算部30は、第1の後方散乱光と第3の後方散乱光との相加平均、既知である単一コアファイバ(50b1、50b2)のコア半径及び比屈折率差、及び既知である伝送路50の全長を用いて結合型マルチコアファイバ50aのコア半径a及び比屈折率差Δを計算すること、
コア半径a、前記比屈折率差Δ、及び結合型マルチコアファイバ50aの既知のコア間距離Dから群遅延時間差Gを計算すること、
第1の後方散乱光と第2の後方散乱光との強度比から電力結合係数hを計算すること、及び
群遅延時間差G、電力結合係数h及び既知である結合型マルチコアファイバ50aのファイバ長lから空間モード分散を計算すること、を行う。
試験光入力部10は、パルス光源11、光サーキュレータ12、光スイッチ13、及び入出力デバイス14を有する。パルス光源11は任意波長の光パルスを出力する。光サーキュレータ12は、パルス光源11からの光パルスを光伝送路50の方向へ通過させる。入出力デバイス14は、光伝送路50の一端Aに現れている複数のコアのそれぞれに光パルスを入力することができる。例えば、入出力デバイス14は、マルチコアファイバ用ファンイン/ファンアウトデバイスである。光スイッチ13は、光伝送路50の一端Aに戻ってくる後方散乱光のいずれか(コア#m又は#n)を選択するための経路選択を行う。
受信部20は、光電変換器21及びAD変換器22を有する。光伝送路50の一端Aに現れているコアのひとつ(例えばコア#m)に光パルスが入力されると、当該光パルスが光伝送路50を伝搬することによりコア#mに後方散乱光(レイリー散乱光)が発生する。また、結合型マルチコアファイバ50aであるので、当該光パルスはコア#nにも結合し、コア#nにも後方散乱光(レイリー散乱光)が発生する。当該後方散乱光は、入出力デバイス14、光スイッチ13、及び光サーキュレータ12を介して光電変換部21に受光される。光電変換器21は、例えば、フォトダイオードである。光電変換器21は受光した後方散乱光の光強度(光伝送路50の一端Aからの距離に対する光強度)を電気信号に変換する。AD変換器22はアナログの当該電気信号をデジタル信号に変換する。
演算部30は、波形解析部31及びクロストーク算出部32を有する。演算部30の動作については後述する。
図2は、空間モード分散測定装置301を用いて結合型マルチコアファイバ50aの空間モード分散を測定する方法を説明するフローチャートである。本方法は、
結合型マルチコアファイバ50aの1つのコア(図1の場合コア#m)、2つの単一コアファイバ(50b1、50b2)のそれぞれのコア#oが直列になるように、且つ前記単一コアファイバ(50b1、50b2)が隣接するように接続して伝送路50を形成すること(ステップS01)、
伝送路50の両端のうち一端A側において、結合型マルチコアファイバ50aの前記1つのコア(図1の場合コア#m)に光パルスを入力し、結合型マルチコアファイバ50aの1つのコア(図1の場合コア#m)に戻ってくる第1の後方散乱光と結合型マルチコアファイバ50aの他のコア(図1の場合コア#n)に戻ってくる第2の後方散乱光を測定すること(ステップS02)、
伝送路50の両端のうち他端Bにおいて、単一コアファイバ50b2のコア#oに光パルスを入力し、単一コアファイバ50b2のコア#oに戻ってくる第3の後方散乱光を測定すること(ステップS03)、及び
第1から第3の後方散乱光から空間モード分散を演算すること(ステップS04)
を特徴とする。
ステップS01では、伝送路50を形成する。具体的には、図1のように、結合型マルチコアファイバ50a、単一コアファイバ50b1、単一コアファイバ50b2の順で、結合型マルチコアファイバ50aのコア#m、単一コアファイバ50b1のコア#o、及び単一コアファイバ50b2のコア#oの中心軸が揃うように接続する。ここで、伝送路50の両端のうち、結合型マルチコアファイバ50a側を一端Aとし、反対側を他端Bとする。伝送路50の長さは、一端Aが0[km]、結合型マルチコアファイバ50aと単一コアファイバ50b1との接続点がz[km]、単一コアファイバ50b1と単一コアファイバ50b2との接続点がz[km]、他端Bがz[km]である。
図3(1)と(2)はステップS02を説明する図である。
まず、伝送路50の一端Aに空間モード分散測定装置301を接続する。
ステップS02-1では、空間モード分散測定装置301が結合型マルチコアファイバ50aのコア#mに光パルスを入力する。そして、ステップS02-2では、空間モード分散測定装置301が結合型マルチコアファイバ50aのコア#m、単一コアファイバ50b1のコア#o、及び単一コアファイバ50b2のコア#oで発生した後方散乱光を受光する。ステップS02-3では、空間モード分散測定装置301が受光した後方散乱光から伝送路50の長手方向に対する後方散乱光の光強度分布(OTDR波形)P(λ,z)[W]を取得する(図4(1)参照)。
Figure 2023094677000002
ここで、λは光パルスの波長[m]、zは一端Aからの距離[km]、Pは光伝送路50の一端Aから入力する光パルスの強度[W]、α(z)はレイリー散乱係数(同一ファイバであれば一定値とみなしてもよい。)、αは純石英シングルコアファイバの損失係数、B(λ、z)は次式の後方散乱光の捕獲率、hは後述する電力結合係数である。
Figure 2023094677000003
ここで、n1はコアの屈折率、2wはモードフィールド径である。
次に、光スイッチ13を結合型マルチコアファイバ50aのコア#n側に切り替える。ステップS02-4では、空間モード分散測定装置301が結合型マルチコアファイバ50aのコア#mに光パルスを入力する。そして、ステップS02-5では、空間モード分散測定装置301が、結合型マルチコアファイバ50aのコア#nに結合した当該光パルスによりコア#nで発生した後方散乱光を受光する。ステップS02-6では、空間モード分散測定装置301が受光した後方散乱光から伝送路50(結合型マルチコアファイバ50aのみ)の長手方向に対する後方散乱光の光強度分布(OTDR波形)P(λ,z)[W]を取得する(図4(2)参照)。
Figure 2023094677000004
図3(3)はステップS03を説明する図である。
ステップS02に続いて、伝送路50の他端Bに空間モード分散測定装置301を接続し直す。このとき、入出力デバイス14のうち、光サーキュレータ12側の接続端を単一コアファイバ50b2のコア#oに接続する。
ステップS03-1では、空間モード分散測定装置301が単一コアファイバ50b2のコア#oに光パルスを入力する。そして、ステップS03-2では、空間モード分散測定装置301が結合型マルチコアファイバ50aのコア#m、単一コアファイバ50b1のコア#o、及び単一コアファイバ50b2のコア#oで発生した後方散乱光を受光する。ステップS03-3では、空間モード分散測定装置301が受光した後方散乱光から伝送路50の長手方向に対する後方散乱光の光強度分布(OTDR波形)P(λ,z)[W]を取得する(図4(3)参照)。
Figure 2023094677000005
ここで、L[km]は光伝送路50の全長である。
ステップS04では、演算部30が図4の各OTDR波形から空間モード分散を算出する。図5は、演算部30が行う演算を説明するイメージ図である。ステップS04は、ステップS10、ステップS20、ステップS30から構成される。
まず、ステップS10を説明する。ステップS10では、前記第1の後方散乱光P(λ,z)と前記第3の後方散乱光P(λ,z)との相加平均(ステップS11)、既知である単一コアファイバ(50b1、50b2)のコア半径及び比屈折率差、及び既知である伝送路50の全長Lを用いて結合型マルチコアファイバ50aのコア半径a及び比屈折率差Δを計算する(ステップS12、S13)。
ステップS11では、第1の後方散乱光P(λ,z)と第3の後方散乱光P(λ,z)を常用対数とした値を計算し、それらを相加平均する。
Figure 2023094677000006
ただし、
は、距離zに依存しない定数項(例えば、入力パワーP0やファイバ全長での損失exp(-2αL)など)である。
(λ,z)=10logP(λ,z)[dB]
(λ,z)=10logP(λ,z)[dB]
である。
図6は、I(λ、z)の値についてのz方向の分布であり、構造不整合損失[dB]を表わす。ここで、位置zにおける構造不整合損失を基準に次の規格化構造不整合損失を定義する。
(λ、z)=I(λ、z)-I(λ、z
式(4)の通り、I(λ、z)には、光ファイバの構造パラメータの情報を含む式(1a)の捕獲率B(λ、z)が含まれている。このため、式(4)と式(1a)より、次式のように結合型マルチコアファイバ50aのコア半径aと比屈折率差Δを算出できる(ステップS12、S13)。
Figure 2023094677000007
なお、ここで、参照ファイバである2つの単一コアファイバ(50b1、50b2)の構造パラメータであるコア半径a(z)とa(z)、および比屈折率差Δ(z)とΔ(z)については、既知のデータを使うものとする。
次に、ステップS20を説明する。ステップS20では、第1の後方散乱光P(λ,z)と第2の後方散乱光P(λ,z)との強度比ηから電力結合係数hを計算する(ステップS21、S22)。
ステップS21では、第1の後方散乱光P(λ,z)と第2の後方散乱光P(λ,z)との電力比ηを計算する。図7は、電力比ηのz方向の分布である。そして、hz<<1の領域では、電力比ηと電力結合比hとの間には次の関係がある。
Figure 2023094677000008
従って、ステップS22では次のように電力結合係数hを計算する。
Figure 2023094677000009
最後に、ステップS30を説明する。ステップS30では、結合型マルチコアファイバ50aのコア半径a、比屈折率差Δ、及び既知のコア間距離Dから群遅延時間差Gを計算し(ステップS31)、群遅延時間差G、電力結合係数h及び既知である結合型マルチコアファイバ50aのファイバ長zから空間モード分散を計算する(ステップS32)。
ステップS31では、ステップS12で得たコア径a、ステップS13で得た比屈折率差Δ、既知である光パルスの波長λおよび既知であるコア間距離Dを用い、数値解析により電界分布を計算する(例えば、文献1を参照。)。そして、電界分布の重なり積分により、モード結合係数κを計算する。なお、屈折率分布がステップ型の場合、モード結合係数を近似式f等を用いて算出してもよい(例えば、文献2を参照。)。
κ=f(λ,a,Δ,D)
文献1:左貝潤一 著、「導波光学」、共立出版、ISBN978-4-320-08616-6
文献2:岡本勝就 著、「光導波路の基礎」、コロナ社、ISBN978-4-339-00602-5
非特許文献1の式(2)及び(3)において、各コアの伝搬定数が等しい(コア構造が同じ)とすると、式(3)においてΔβがゼロとなるので、式(2)が
δβ=2κ
となる。ここで、δβはコア#mとコア#nのスーパーモードの伝搬定数差である。伝搬定数差δβもモード結合係数κも光パルスの光周波数ωに依存する。
群遅延時間差Gは伝搬定数差δβから次式で得ることができる。
Figure 2023094677000010
ステップS32では、空間モード分散を算出する。結合型2コアファイバのあるコアにインパルスを入射したときに遠端から出力される光パルスの幅は、単一モード光ファイバにおける偏波モード分散と同様の手順(例えば、非特許文献5を参照。)で導出することができる。そして、空間モード分散Δτは以下の式で表すことができる。
Figure 2023094677000011
ここで、zは結合型マルチコアファイバ50aのファイバ長である。
式(9)に、ステップS31で計算した群遅延時間差、ステップS22で計算した電力結合係数h、既知である結合型マルチコアファイバ50aのファイバ長zを代入することにより、空間モード分散Δτを算出することができる。
[付録1]
式(5)の結合型マルチコアファイバ50aのコア半径aと比屈折率差Δについて説明を補足する。
測定系を図8に示す。
参照ファイバは、純石英コアファイバであり、被測定ファイバも純石英コアファイバである。また、参照ファイバのモードフィールド径(MFD)、比屈折率差Δ、コア径(2a)および実効断面積Aeffは既知であるとする。ファイバの全長をLとする。このとき、OTDR測定をAから行った際の距離zからの後方散乱光は、式(101)で記述できる。
Figure 2023094677000012
ここで、Pは入射パワー、Bは後方散乱の捕獲率、αはレイリー散乱係数、αは光ファイバ損失を表す。
また、単一モード光ファイバの後方散乱光の捕獲率Bは、式(102)で記述できる。
Figure 2023094677000013
ここで、λは波長、nはコアの屈折率、2wはモードフィールド径、νは正規化周波数、NAは開口数を表す。
式(101)の両辺の常用対数をとると
Figure 2023094677000014
一方、AからOTDR測定した際の距離zからの後方散乱光は、式(104)で記述できる。
Figure 2023094677000015
次に、式(103)および(104)を用いて、式(105)のように構造不整損失成分I(λ,z)を求める(非特許文献6)。
Figure 2023094677000016
したがって、式(102)を式(105)に代入すると次式のように書き直せる。
Figure 2023094677000017
ここで、Iは式(107)で定義した。
Figure 2023094677000018
また、式(108)のように、構造不整損失成分を参照ファイバの位置z(zは参照ファイバ#1における任意の地点)の構造不整損失成分で規格化する。ここで、レイリー散乱係数は、ファイバ長手方向で均一と仮定する。
Figure 2023094677000019
式(108)は参照ファイバのz(zは参照ファイバ#2における任意の地点)でも成り立つので式(109)が得られる。
Figure 2023094677000020
式(108)および式(109)から、被測定ファイバのMFDは式(110)のように記述できる(非特許文献6)。
Figure 2023094677000021
また、純石英コアファイバの場合には、式(108)より、z=zの参照ファイバ1本で被測定ファイバのMFDを評価できる。
Figure 2023094677000022
なお、純石英コアファイバの場合であっても、式(108)を用いることでより精度よく測定できるという利点がある。

(1) 比屈折率差Δについて
式(106)を用いると、zおよびzにおける規格化構造不整損失寄与Iは式(112)及び式(113)で表すことができる。
Figure 2023094677000023
Figure 2023094677000024
式(112)と式(113)よりα(λ,z)を求める。導出過程を式(114)に示す。
Figure 2023094677000025
したがって、レイリー散乱係数は、式(115)のように求まる。
Figure 2023094677000026
レイリー散乱係数αは比屈折率差Δに比例して増加するので(非特許文献4)、式(115)は、式(116)のように書き直せる。
Figure 2023094677000027
式(116)は、GeO2添加コアファイバの場合においても適用できる。

(2) コア半径aについて
モードフィールド径は、コア半径aに比例するので、式(123)のようにおく。
Figure 2023094677000028
ここで、k(λ,z)は比例定数である。
式(123)を式(102)に代入すると後方散乱光の捕獲率Bは、式(124)で記述できる。
Figure 2023094677000029
式(124)を式(105)に代入して整理すると構造不整損失寄与I(λ,z)は式(125)のように表すことができる。

Figure 2023094677000030
次に、z=zおよびzにおけるzの値で規格化した規格化構造不整損失I(λ,z)を計算すると式(126)のように表すことができる。
Figure 2023094677000031
上記の式の導出では、レイリー散乱係数、屈折率および補正係数は式(126a)に示すように、長手方向で均一と仮定した。
Figure 2023094677000032
したがって、規格化構造不整損失I(λ,z)は、式(127)のようになる。
Figure 2023094677000033
式(126)と式(127)より、コア半径a(z)は式(128)で記述できる。
Figure 2023094677000034
[付録2]
電力結合係数の算出について説明を補足する。図9は、結合型マルチコアファイバの1つのコアに光パルスを入力したときに当該コアから出力される後方散乱光の強度のファイバ長の方向についての分布(OTDR波形)である。
結合型マルチコアファイバが強結合である場合、hz>>1の領域において、OTDR波形の傾き(dB表示)が2つのモード(コア#mを伝搬する光と、コア#mから#nに結合してコア#nを伝搬する光)の平均損失(式(1)~(3)で純石英シングルコアファイバの損失係数として説明した損失に相当)を表す。つまり、図9のOTDR波形は、次式で記述できる。
Figure 2023094677000035
ただし、aは各モードの損失である。
ここで、hz>>1の領域では
Figure 2023094677000036
であるから、式(201)は次式となる。
Figure 2023094677000037
一方、hz<1の領域については、下記関数で近似して電力結合係数hを計算する。
Figure 2023094677000038
ここで、mおよびmは近似曲線の係数を表し、mが電力結合係数hに対応する。
10:試験光入力部
11:パルス光源
12:光サーキュレータ
13:光スイッチ
14:入出力デバイス
20:受信部
21:光電変換部
22:AD変換器
30:演算部
31:波形解析部
32:空間モード分散算出部
50:光伝送路
50a:結合型マルチコアファイバ
50b1、50b2:単一コアファイバ(参照ファイバ)

Claims (2)

  1. 結合型マルチコアファイバの空間モード分散を測定する空間モード分散測定装置であって、
    前記結合型マルチコアファイバの1つのコア、2つの単一コアファイバのそれぞれのコアが直列になるように、且つ前記単一コアファイバが隣接するように接続された伝送路に光パルスを入力する試験光入力部と、
    前記伝送路から出力する後方散乱光を受信する受信部と、
    前記空間モード分散を計算する演算部と、
    を備え、
    前記受信部は、
    前記伝送路の両端のうち、前記結合型マルチコアファイバの前記1つのコアに入力された光パルスにより、前記結合型マルチコアファイバの前記1つのコアに戻ってくる第1の後方散乱光と前記結合型マルチコアファイバの他のコアに戻ってくる第2の後方散乱光を測定すること、及び
    前記伝送路の両端のうち、前記単一コアファイバの前記コアに入力された光パルスにより、前記単一コアファイバの前記コアに戻ってくる第3の後方散乱光を測定すること、
    前記演算部は、
    前記第1の後方散乱光と前記第3の後方散乱光との相加平均、既知である前記単一コアファイバのコア半径及び比屈折率差、及び既知である前記伝送路の全長を用いて前記結合型マルチコアファイバのコア半径及び比屈折率差を計算すること、
    前記結合型マルチコアファイバの前記コア半径、前記比屈折率差、及び既知のコア間距離から群遅延時間差を計算すること、
    前記第1の後方散乱光と前記第2の後方散乱光との強度比から電力結合係数を計算すること、及び
    前記群遅延時間差、前記電力結合係数及び既知である前記結合型マルチコアファイバのファイバ長から前記空間モード分散を計算すること
    を特徴とする空間モード分散測定装置。
  2. 結合型マルチコアファイバの空間モード分散を測定する空間モード分散測定方法であって、
    前記結合型マルチコアファイバの1つのコア、2つの単一コアファイバのそれぞれのコアが直列になるように、且つ前記単一コアファイバが隣接するように接続して伝送路を形成すること、
    前記伝送路の両端のうち、前記結合型マルチコアファイバの前記1つのコアに光パルスを入力し、前記結合型マルチコアファイバの前記1つのコアに戻ってくる第1の後方散乱光と前記結合型マルチコアファイバの他のコアに戻ってくる第2の後方散乱光を測定すること、
    前記伝送路の両端のうち、前記単一コアファイバの前記コアに光パルスを入力し、前記単一コアファイバの前記コアに戻ってくる第3の後方散乱光を測定すること、
    前記第1の後方散乱光と前記第3の後方散乱光との相加平均、既知である前記単一コアファイバのコア半径及び比屈折率差、及び既知である前記伝送路の全長を用いて前記結合型マルチコアファイバのコア半径及び比屈折率差を計算すること、
    前記結合型マルチコアファイバの前記コア半径、前記比屈折率差、及び既知のコア間距離から群遅延時間差を計算すること、
    前記第1の後方散乱光と前記第2の後方散乱光との強度比から電力結合係数を計算すること、及び
    前記群遅延時間差、前記電力結合係数及び既知である前記結合型マルチコアファイバのファイバ長から前記空間モード分散を計算すること
    を特徴とする空間モード分散測定方法。
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