JP2023094268A - タイヤ摩耗量推定システム、演算モデル生成システムおよびタイヤ摩耗量推定方法 - Google Patents

タイヤ摩耗量推定システム、演算モデル生成システムおよびタイヤ摩耗量推定方法 Download PDF

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Abstract

Figure 2023094268000001
【課題】タイヤの摩耗量の推定精度を向上することができるタイヤ摩耗量推定システム、演算モデル生成システムおよびタイヤ摩耗量推定方法を提供する。
【解決手段】タイヤ摩耗量推定システム100は、車両情報取得部12、旋回算出部13および摩耗量算出部14を備える。車両情報取得部12は、車両の走行距離を含む情報を取得する。旋回算出部13は、車両の旋回半径が所定半径よりも小さい旋回回数を算出する。摩耗量算出部14は、入力された情報に基づいてタイヤ7の摩耗量を算出する演算モデル14aを有し、車両情報取得部12により取得した走行距離、および旋回算出部13により算出した旋回回数を演算モデル14aに入力してタイヤ7の摩耗量を算出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両に装着されるタイヤの摩耗量を推定するタイヤ摩耗量推定システム、演算モデル生成システムおよびタイヤ摩耗量推定方法に関する。
一般に、タイヤは走行状態や走行距離等に応じて摩耗が進行する。また昨今ではタイヤの圧力および温度を計測するセンサをタイヤに取り付け、計測した圧力および温度を表示する装置などが製品化されている。
特許文献1には従来のタイヤの摩耗量推定システムが記載されている。この摩耗量推定システムは、位置情報取得部および摩耗量算出部を備える。位置情報取得部は、タイヤが装着された車両の位置データを取得する。摩耗量算出部は、車両の高度に関する情報に基づいてタイヤ摩耗量を算出する演算モデルを有し、位置データにおける高度データを入力して演算モデルによりタイヤの摩耗量を算出する。更に摩耗量推定システムは、位置データに基づいて車両の旋回回数を算出し演算モデルの入力とする。
特開2021-067607号公報
特許文献1に記載の摩耗量推定システムは、車両の旋回回数を演算モデルへの入力とする。本発明者は、例えば倉庫エリアや操車エリア内で車両を移動させるような場合に、走行距離は短いものの操舵が頻繁に発生することによってタイヤの摩耗進行が進むことから、タイヤの摩耗量の推定に改善の余地があることに気づいた。また本発明者は、とくに操車エリア等においてトラクタ車がトレーラ車両を牽引するような場合に、トラクタ車の旋回によって生じるトレーラ車両のタイヤ摩耗の推定精度を高める必要があると考えた。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、タイヤの摩耗量の推定精度を向上することができるタイヤ摩耗量推定システム、演算モデル生成システムおよびタイヤ摩耗量推定方法を提供することにある。
本発明のある態様のタイヤ摩耗量推定システムは、車両の走行距離を含む情報を取得する車両情報取得部と、車両の旋回半径が所定半径よりも小さい旋回回数を算出する旋回算出部と、入力された情報に基づいてタイヤの摩耗量を算出する演算モデルを有し、前記車両情報取得部により取得した走行距離、および前記旋回算出部により算出した旋回回数を前記演算モデルに入力してタイヤの摩耗量を算出する摩耗量算出部と、を備える。
本発明の別の態様は演算モデル生成システムである。演算モデル生成システムは、車両の走行距離を含む情報を取得する車両情報取得部と、車両の旋回半径が所定半径よりも小さい旋回回数を算出する旋回算出部と、入力された情報に基づいてタイヤの摩耗量を算出する演算モデルを有し、前記車両情報取得部により取得した走行距離、および前記旋回算出部により算出した旋回回数を前記演算モデルに入力してタイヤの摩耗量を算出する摩耗量算出部と、前記タイヤで計測される摩耗量と前記摩耗量算出部により算出された摩耗量とを比較して前記演算モデルを学習させる学習処理部と、を備える。
本発明の別の態様はタイヤ摩耗量推定方法である。タイヤ摩耗量推定方法は、車両の走行距離を含む情報を取得する車両情報取得ステップと、車両の旋回半径が所定半径よりも小さい旋回回数を算出する旋回算出ステップと、入力された情報に基づいてタイヤの摩耗量を算出する演算モデルに、前記車両情報取得ステップにより取得した走行距離、および前記旋回算出ステップにより算出した旋回回数を入力してタイヤの摩耗量を算出する摩耗量算出ステップと、を備える。
本発明によれば、タイヤの摩耗量の推定精度を向上することができる。
実施形態に係るタイヤ摩耗量推定システムの機能構成を示すブロック図である。 車載計測装置の機能構成を示すブロック図である。 特定エリアで車両が旋回を繰り返す場合について説明するための模式図である。 演算モデルの摩耗量推定および学習について説明するための模式図である。 演算モデル生成システムの機能構成を示すブロック図である。 演算モデル生成システムによる演算モデル生成の手順を示すフローチャートである。
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図1から図6を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。また、各図面において実施の形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。
(実施形態)
図1は、実施形態に係るタイヤ摩耗量推定システム100の機能構成を示すブロック図である。タイヤ摩耗量推定システム100は、車両に搭載された車載計測装置70と、気象情報サーバ装置80と、車両に装着された各タイヤ7の摩耗量を推定する摩耗量推定装置10とを備える。
摩耗量推定装置10は、例えばインターネット等の通信ネットワーク9を介して車両に搭載された車載計測装置70から車両の速度および位置情報等の車両計測情報、並びにタイヤ7で計測されるタイヤ計測情報を取得する。また摩耗量推定装置10は、気象情報サーバ装置80から気象情報を取得する。摩耗量推定装置10は、取得した情報に基づいて学習型の演算モデルによる演算を行って各タイヤ7の摩耗量を推定する。
タイヤ摩耗量推定システム100は、走行距離は短いものの車両の旋回が頻繁に発生する場合や、倉庫エリアや操車エリア内においてトラクタ車がトレーラ車両を牽引し車両の旋回が頻繁に発生する場合に、タイヤ摩耗量の推定精度が向上するものである。
図2は、車載計測装置70の機能構成を示すブロック図である。車載計測装置70は、車両計測部71、タイヤ計測部72、情報取得部73および通信部74を備える。車載計測装置70における各部は、ハードウェア的には、コンピュータのCPUをはじめとする電子素子や機械部品などで実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラムなどによって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろな形態で実現できることは、当業者には理解されるところである。
車両計測部71は、車両に搭載された速度メータ71a、GPS受信機71bおよび加速度センサ71cを有する。速度メータ71aは、車両の速度を計測する。GPS受信機71bは、車両の現在の位置情報(緯度、経度および高度)を計測する。加速度センサ71cは、車両の3軸方向の加速度を計測する。
タイヤ計測部72は、温度センサ72aおよび圧力センサ72bを有する。温度センサ72aおよび圧力センサ72bは、車両に装着されたタイヤ7のエアバルブ等に配設されていたり、あるいはベルト等でホイールに強固に巻き付け固定されており、タイヤ7の温度および空気圧を計測する。温度センサ72aは、タイヤ7のインナーライナー等に配設されていてもよい。
情報取得部73は、車両計測部71で計測された車両計測情報(速度、位置情報、加速度等)およびタイヤ計測部72で計測されたタイヤ計測情報(タイヤの温度および空気圧等)を取得する。情報取得部73は、車両計測情報およびタイヤ計測情報に含まれる各計測データに対して、計測された時刻情報、または取得した時刻情報を対応付ける。情報取得部73は、車両計測情報およびタイヤ計測情報を各計測データに対応付けられた時刻情報とともに通信部74から摩耗量推定装置10へ送信する。
情報取得部73は、車両にデジタルタコメータ等の装置が搭載されている場合には、当該装置において収集した車両の速度、加速度および位置情報等を取得するようにしてもよい。通信部74は、例えばWiFi(登録商標)等の無線通信によって通信ネットワーク9に通信接続し、情報取得部73が取得した車両計測情報、タイヤ計測情報および時刻情報を通信ネットワーク9を介して摩耗量推定装置10へ送信する。
図1に戻り、気象情報サーバ装置80は各地における気象情報を提供する。気象情報サーバ装置80が提供する気象情報は、各地における降水量、積雪量、降雪量、気温および日照時間等を含む情報である。摩耗量推定装置10は、気象情報サーバ装置80から車両が走行している場所における気象情報を取得する。
摩耗量推定装置10は、通信部11、車両情報取得部12、旋回算出部13、摩耗量算出部14および記憶部15を備える。摩耗量推定装置10における各部は、ハードウェア的には、コンピュータのCPUをはじめとする電子素子や機械部品などで実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラムなどによって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろな形態で実現できることは、当業者には理解されるところである。
通信部11は、無線または有線通信によって通信ネットワーク9に通信接続し、車載計測装置70の通信部74との間で通信する。また通信部11は、通信ネットワーク9を介して気象情報サーバ装置80との間で通信する。
車両情報取得部12は、車両に搭載された車載計測装置70から送信された車両計測情報(速度、位置情報、加速度等)およびタイヤ計測情報(タイヤの温度および空気圧等)を取得する。車両情報取得部12は、車両計測情報に基づいて車両の走行距離を算出して取得する。
車両情報取得部12は、車両計測情報の位置情報に基づいて走行距離を算出して取得することができる。また、車両の走行距離は、車両計測情報における速度のデータと、当該データに対応付けられた時刻のデータに基づいて算出してもよい。即ち、時系列的に並んだ速度データに、次の時点までの時間差分を乗算することによって車両の走行距離を算出することができる。
車両情報取得部12は、車両の走行距離に関する情報が、車両または車両管理用の外部装置等から提供されていれば、自ら走行距離を算出する必要はなく、車両または外部装置から走行距離に関する情報を取得してもよい。
車両情報取得部12は、取得した走行距離を摩耗量算出部14へ出力する。車両情報取得部12は、取得したタイヤ計測情報(タイヤの温度および空気圧等)を摩耗量算出部14へ出力する。車両情報取得部12は、車両計測情報における速度の情報および位置情報を旋回算出部13へ出力する。
車両情報取得部12は、摩耗量算出部14において車両の加速度を入力要素として用いる演算モデルに基づくタイヤの摩耗量推定を行う場合、車両計測情報における加速度のデータを摩耗量算出部14へ出力する。
また車両情報取得部12は、車両仕様データ15aおよびタイヤ仕様データ15bのうちタイヤ7の摩耗量の推定に用いるデータを記憶部15から取得し、摩耗量算出部14へ出力する。記憶部15は、例えばSSD(Solid State Drive)、ハードディスク、CD-ROM、DVD等によって構成される記憶装置であり、予め各種の車両およびタイヤ7の仕様に関して提供されているデータを記憶している。
車両仕様データ15aには、例えばメーカー、車両名、車両型式、車体重量、ドライブトレーン、全長、車幅、車高および最大積載荷重、並びにセミトレーラおよびフルトレーラの種別などの車両の性能等に関する情報が含まれる。また、タイヤ仕様データ15bには、例えばメーカー、商品名、タイヤサイズ、タイヤ幅、扁平率、耐摩耗性能、タイヤ強度、静的剛性、動的剛性、タイヤ外径、ロードインデックス、製造年月日など、タイヤ7の性能に関する情報が含まれる。
旋回算出部13は、車両情報取得部12から入力された位置情報に基づいて、車両の旋回半径を算出し、所定半径よりも小さい旋回半径で旋回している回数(以下、旋回回数と表記する。)を算出する。所定半径は、例えば半径10m以上、半径20m以下の範囲で設定し、具体的には半径15mなどと設定する。所定半径を設定する範囲は、例えば法令(車両制限令)で定める10トン車の最小回転半径10m前後や、トレーラ車両およびトラクタ車両の最小回転半径12mの基準を考慮する。所定半径を設定する範囲は、実際の倉庫エリアや操車エリアなどの特定エリア内での車両の典型的な走行を模した値を設定するとよい。また所定半径を設定する範囲は、トレーラ車両の全長を考慮してもよい。
また旋回算出部13は、車両情報取得部12から入力された車両の速度が所定速度よりも低い場合に、旋回回数をカウントするものとする。所定速度は、例えば時速10km以上、時速20km以下の範囲で設定する。所定速度は、倉庫エリアや操車エリアなどの特定エリア内での徐行速度を想定して設定するとよい。
図3は、特定エリアで車両が旋回を繰り返す場合について説明するための模式図である。図3に示す特定エリアは、例えば幅120m×奥行100mの倉庫エリアや操車エリアなどを模しており、車両が入退場口から特定エリアに進入し、エリア内を走行する。例えばトレーラ車両を牽引するトラクタ車両では、荷物の載せ変えや、トレーラ車両の脱着作業などが行われる。
トラクタ車両は、走行ルートに沿って走行した場合に特定エリア内で複数の旋回を行う。各旋回箇所での旋回半径をR1からR10とし、並記した線分の長さで凡その旋回半径を表している。また車両情報取得部12は、走行ルート中の黒丸の各箇所における位置情報を取得しており、旋回算出部13は、時系列的に連続して取得される位置情報に基づいて旋回半径R1からR10を算出する。
旋回算出部13は、例えば所定半径を15mと設定し、この所定半径よりも小さい半径となる旋回回数を算出する。図3に示す例ではR1からR6、およびR8からR10が所定半径よりも小さく、旋回回数は9回であると算出する。旋回算出部13は、旋回半径R7の箇所では、所定半径よりも大きいので旋回回数には入れていない。
トレーラ車両を牽引するトラクタ車両が所定半径よりも小さい急旋回を行った場合、たとえ低速で走行していても、トレーラ車両のタイヤには横滑りが発生し、摩耗量が大きくなる。またトレーラ車両におけるタイヤ7の軸位置に応じて横滑りの状況が変わるため、タイヤ7毎に摩耗量を推定する場合には、タイヤ7の軸位置を演算モデルへの入力要素とするとよい。
摩耗量算出部14は、演算モデル14aを有し、タイヤ7の摩耗量を推定する。演算モデル14aは、入力された情報に基づいてタイヤ7の摩耗量を算出する学習型モデルである。図4は、演算モデル14aの摩耗量推定および学習について説明するための模式図である。演算モデル14aへの入力データは、概ね車両計測情報、タイヤ計測情報、旋回情報およびその他情報の各系統に分類される。
車両計測情報関連の入力データは、車両の加速度および走行距離を含む。走行距離は、上述のように車両情報取得部12において取得される。タイヤ計測情報関連の入力データは、タイヤ7の温度および空気圧を含む。尚、車両の加速度は、適宜演算モデルへの入力データとして用いられるものとする。旋回情報関連の入力データは、旋回算出部13において算出された旋回回数である。
その他情報による入力データは、気象情報に基づいて推定される路面状態、車両仕様データ15aに含まれる車両の最大積載荷重、タイヤ仕様データ15bに含まれるタイヤ7の耐摩耗性能等である。タイヤ7の耐摩耗性能は、例えばランボーン摩耗試験に基づき標準配合を100として各種トレッド配合の耐摩耗性能を指標化したタイヤ摩耗指標値等を用いる。
演算モデル14aは、例えばニューラルネットワーク等の学習型モデルを用いる。演算モデル14aは、例えばDNN(Deep Neural Network)や、決定木などの手法を用いて構築される。また演算モデル14aは、例えば入力情報に対する多重線形回帰モデルとし、学習によってモデル生成されるものであってもよい。
図5は、演算モデル生成システム110の機能構成を示すブロック図である。演算モデル生成システム110は、タイヤ摩耗量推定システム100の構成に加えて、タイヤ摩耗量計測装置60、および学習処理部21を有する演算モデル生成装置20を備える。
タイヤ摩耗量計測装置60は、タイヤ7のトレッドに設けられた溝の深さを直接計測し、タイヤ7の摩耗量を取得する。作業者が計測器具やカメラ、目視等によって各溝の深さを計測し、タイヤ摩耗量計測装置60は、作業者が入力する計測データを記憶するものであってもよい。また、タイヤ摩耗量計測装置60は、機械的あるいは光学的な方法によって溝の深さを計測して摩耗量を記憶する専用の装置であってもよい。
具体的には、タイヤ摩耗量計測装置60は、例えば、タイヤの溝が4本あった場合に、幅方向の4か所で計測し、さらに同一溝の周方向、例えば120°間隔で、3か所計測する。これにより、タイヤの幅方向または周方向での偏摩耗データもタイヤ摩耗量計測装置60に記憶される。なお、タイヤ摩耗量計測装置60は、タイヤの摩耗で直径が変わるため、走行距離とタイヤの回転数・速度の情報から計算によって溝の深さを間接的に計測してもよい。加えて、溝の深さを直接計測するものに、走行距離とタイヤの回転数・速度から計算によって予測するもの、とを併用してもよい。
演算モデル生成装置20は、摩耗量推定装置10の各構成に加えて学習処理部21を有する。演算モデル生成装置20における摩耗量推定装置10の各構成に相当する部分は、摩耗量推定装置10のそれらと同等の機能を有するが、演算モデル14aは学習前または学習中のものとなる。
学習処理部21は、通信部11を介してタイヤ摩耗量計測装置60からタイヤ7の摩耗量を取得する。図4を参照し、演算モデル14aの学習過程では、入力情報に基づいて演算モデル14aによって出力データとしてのタイヤ7の摩耗量を推定し、教師データと比較する。教師データは、タイヤ摩耗量計測装置60によって計測されたタイヤ7の摩耗量を用いる。
学習処理部21は、演算モデル14aによって推定したタイヤ7の摩耗量と教師データとを比較し、重みづけ等の演算過程における各種係数を演算モデル14aに新たに設定し、モデルの更新を繰り返すことで学習を実行する。タイヤ摩耗量推定システム100は、演算モデル生成システム110によって学習済みの演算モデル14aを用いてタイヤ7の摩耗量を推定する。尚、学習処理部21は、勾配ブースティングなどの公知の学習方法を用いることができる。また演算モデル14aの検証には、ランダムデータサンプリングや交差検証などの公知の検証方法を用いることができる。
次にタイヤ摩耗量推定システム100および演算モデル生成システム110の動作を説明する。図6は、演算モデル生成システム110による演算モデル生成の手順を示すフローチャートである。車両情報取得部12は、車両計測情報およびタイヤ計測情報の取得を開始する(S1)。また、演算モデル生成装置20の車両情報取得部12は、ステップS1において、その他情報として車両の最大積載荷重、およびタイヤの耐摩耗性能を記憶部15から読み出す。車両情報取得部12は、走行距離の算出を開始する(S2)。
旋回算出部13は、車両の位置情報に基づいて算出した旋回半径が所定半径よりも小さい旋回回数を算出する(S3)。旋回算出部13は、上述のように、予め定めた所定半径(例えば半径15m)を用いて旋回回数を算出する。更に、旋回算出部13は、車両の速度が所定速度(例えば時速20km)以下の場合に旋回回数をカウントするようにしてもよい。
摩耗量算出部14は、車両情報取得部12および旋回算出部13からの入力データを取得し、演算モデル14aによってタイヤ7の摩耗量を算出して推定する(S4)。尚、路面状態等を演算モデル14aの入力データとする場合には、路面状態を推定する処理部(図示略)を設け、当該処理部から摩耗量算出部14へ推定した路面状態を入力するようにしてもよい。
学習処理部21は、演算モデル14aによって算出されたタイヤ7の摩耗量と、タイヤ摩耗量計測装置60によって計測された教師データとしてのタイヤ7の摩耗量とを比較する(S5)。学習処理部21は、ステップS5による比較結果に基づいて演算モデル14aを更新し(S6)、処理を終了する。演算モデル生成装置20は、これらの処理を繰り返すことによって、演算モデル14aを更新し、タイヤ摩耗量の推定の精度が高められる。
タイヤ摩耗量推定システム100は、演算モデル生成装置20によって生成された学習済みの演算モデル14aを利用して、タイヤ7の摩耗量を推定する。タイヤ摩耗量推定システム100は、図6に示したフローチャートにおけるステップS1からステップS4までの処理を実行することによって、タイヤ7の摩耗量を推定する。
タイヤ摩耗量推定システム100は、走行距離、および所定半径よりも小さい旋回における旋回回数を演算モデル14aの入力データとして用いることにより、旋回によるタイヤ摩耗が大きい車両に対するタイヤ摩耗量の推定精度を向上することができる。旋回によるタイヤ摩耗が大きい車両は、倉庫エリアや操車エリアなどでの特定エリアでの旋回が多いトレーラ車両およびトラクタ車両などである。演算モデル生成システム110は、所定半径よりも小さい旋回における旋回回数を入力データとして演算モデル14aを学習させることにより、旋回によるタイヤ摩耗が大きい車両に対するタイヤ摩耗量の推定精度の高い演算モデルを生成することができる。
所定半径よりも小さい旋回における旋回回数に代えて、車両の位置情報に基づいて所定半径よりも小さい旋回回数が所定閾値よりも大きい特定エリアを判定し、当該特定エリアにおける情報を、演算モデル14aの入力データとして用いてもよい。この場合、判定された当該特定エリアにおいて用いられたトラクタ車両の車両番号、トラクタ車両を運転した運転者を識別する情報(運転者名など)、当該特定エリアで用いられたトラクタ車両での所定半径よりも小さい旋回における旋回回数の平均値などを演算モデル14aの入力データとして用いれば、タイヤ摩耗量を推定することができる。
また運送用のトラック車両なども、特定エリアでの旋回が多い傾向があり、トレーラ車両およびトラクタ車両のような車両構成ではないものの、旋回によるタイヤ摩耗が大きくなる傾向にある。タイヤ摩耗量推定システム100は、トレーラ車両およびトラクタ車両、並びにトラック車両などの車両において、タイヤ7の摩耗量推定の精度を向上することができる。
とくにトレーラ車両は、荷物を載せた際に重量が大きくなり、トラクタ車両によって旋回が生じた場合に、装着したタイヤ7を引きずって移動する距離が長くなるので、旋回によるタイヤ摩耗の影響を大きく受ける。
また、車両の旋回半径が大きい場合には、トレーラ車両に装着したタイヤ7の引きずりは生じ難くなる。タイヤ摩耗量推定システム100は、車両の旋回半径が所定半径よりも小さい旋回回数を演算モデル14aの入力データとして用いることで、タイヤ7の引きずりによるタイヤ摩耗の発生メカニズムに応じたタイヤ摩耗量の推定を行うことができる。
トレーラ車両およびトラクタ車両、並びにトラック車両では、車両の構造上、軸毎の摩耗形態が大きく異なるため、軸位置の影響を考慮し、タイヤ7を装着した軸位置を演算モデル14aの入力要素としてもよい。具体的には、トラクタ車両およびトラック車両における駆動軸は、重量物をけん引するためにタイヤ摩耗が大きくなる。また、トレーラ車両では、複数の車軸のうち、前後方向の中心位置が旋回中心になり、この旋回中心と軸位置の距離が長くなるほど引き摺り量が多くなってタイヤ摩耗が大きくなる。タイヤ摩耗量推定システム100は、タイヤ7を装着した軸位置を演算モデル14aの入力要素とすることによって、タイヤ7の摩耗量推定の精度を向上することができる。
またタイヤ摩耗量推定システム100は、旋回算出部13において旋回時の走行距離(以下、旋回走行距離と表記する。)を算出し、演算モデル14aの入力要素としてもよい。上述のように、トレーラ車両では旋回によってタイヤ7の引きずりが生じるので旋回走行距離もタイヤ摩耗量に大きく影響する。タイヤ摩耗量推定システム100は、旋回走行距離を演算モデル14aの入力要素とすることによって、タイヤ7の摩耗量推定の精度を向上することができる。
タイヤ摩耗量推定システム100の旋回算出部13は、所定半径を10m以上、20m以下の範囲で設定することにより、法令における制限や実際の倉庫エリアおよび操車エリア等の特定エリアでの車両運用に即したタイヤ摩耗量の推定を行うことができる。
タイヤ摩耗量推定システム100の旋回算出部13は、車両の速度が所定速度(例えば時速20km)以下である場合に旋回回数を算出する。これにより、タイヤ摩耗量推定システム100は、実際の倉庫エリアおよび操車エリア等の特定エリアでの徐行速度に基づく車両運用に即したタイヤ摩耗量の推定を行うことができる。
次に各実施形態に係るタイヤ摩耗量推定システム100、演算モデル生成システム110およびタイヤ摩耗量推定方法の特徴について説明する。
タイヤ摩耗量推定システム100は、車両情報取得部12、旋回算出部13および摩耗量算出部14を備える。車両情報取得部12は、車両の走行距離を含む情報を取得する。旋回算出部13は、車両の旋回半径が所定半径よりも小さい旋回回数を算出する。摩耗量算出部14は、入力された情報に基づいてタイヤ7の摩耗量を算出する演算モデル14aを有し、車両情報取得部12により取得した走行距離、および旋回算出部13により算出した旋回回数を演算モデル14aに入力してタイヤ7の摩耗量を算出する。これにより、タイヤ摩耗量推定システム100は、車両の旋回回数を用いてタイヤ摩耗量の推定精度を向上することができる。
また旋回算出部13は、車両の旋回走行距離を算出する。摩耗量算出部14は、旋回走行距離を演算モデル14aに入力する。タイヤ摩耗量推定システム100は、旋回走行距離を演算モデル14aの入力要素とすることによって、タイヤ7の摩耗量推定の精度を更に向上することができる。
また所定半径は10m以上、20m以下の範囲で設定されている。これにより、タイヤ摩耗量推定システム100は、法令における制限や実際の倉庫エリアおよび操車エリア等の特定エリアでの車両運用に即したタイヤ摩耗量の推定を行うことができる。
また旋回算出部13は、車両の速度が所定速度以下である場合に旋回回数を計数する。これにより、タイヤ摩耗量推定システム100は、実際の倉庫エリアおよび操車エリア等の特定エリアでの徐行速度に基づく車両運用に即したタイヤ摩耗量の推定を行うことができる。
演算モデル生成システム110は、車両情報取得部12、旋回算出部13、摩耗量算出部14および学習処理部21を備える。車両情報取得部12は、車両の走行距離を含む情報を取得する。旋回算出部13は、車両の旋回半径が所定半径よりも小さい旋回回数を算出する。摩耗量算出部14は、入力された情報に基づいてタイヤ7の摩耗量を算出する演算モデル14aを有し、車両情報取得部12により取得した走行距離、および旋回算出部13により算出した旋回回数を演算モデル14aに入力してタイヤ7の摩耗量を算出する。学習処理部21は、タイヤ7で計測される摩耗量と摩耗量算出部14により算出された摩耗量とを比較して演算モデル14aを学習させる。これにより、演算モデル生成システム110は、旋回によるタイヤ摩耗が大きい車両に対するタイヤ摩耗量の推定精度の高い演算モデルを生成することができる。
タイヤ摩耗量推定方法は、車両情報取得ステップ、旋回算出ステップおよび摩耗量算出ステップを備える。車両情報取得ステップは、車両の走行距離を含む情報を取得する。旋回算出ステップは、車両の旋回半径が所定半径よりも小さい旋回回数を算出する。摩耗量算出ステップは、入力された情報に基づいてタイヤ7の摩耗量を算出する演算モデル14aに、車両情報取得ステップにより取得した走行距離、および旋回算出ステップにより算出した旋回回数を入力してタイヤ7の摩耗量を算出する。このタイヤ摩耗量推定方法によれば、車両の旋回回数を用いてタイヤ摩耗量の推定精度を向上することができる。
以上、本発明の実施の形態をもとに説明した。これらの実施の形態は例示であり、いろいろな変形および変更が本発明の特許請求範囲内で可能なこと、またそうした変形例および変更も本発明の特許請求の範囲にあることは当業者に理解されるところである。従って、本明細書での記述および図面は限定的ではなく例証的に扱われるべきものである。
7 タイヤ、12 車両情報取得部、 13 旋回算出部、
14 摩耗量算出部、 14a 演算モデル、 21 学習処理部、
100 タイヤ摩耗量推定システム、 110 演算モデル生成システム。

Claims (6)

  1. 車両の走行距離を含む情報を取得する車両情報取得部と、
    車両の旋回半径が所定半径よりも小さい旋回回数を算出する旋回算出部と、
    入力された情報に基づいてタイヤの摩耗量を算出する演算モデルを有し、前記車両情報取得部により取得した走行距離、および前記旋回算出部により算出した旋回回数を前記演算モデルに入力してタイヤの摩耗量を算出する摩耗量算出部と、
    を備えることを特徴とするタイヤ摩耗量推定システム。
  2. 前記旋回算出部は、車両の旋回走行距離を算出し、
    前記摩耗量算出部は、前記旋回走行距離を前記演算モデルに入力することを特徴とする請求項1に記載のタイヤ摩耗量推定システム。
  3. 前記所定半径は10m以上、20m以下の範囲で設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載のタイヤ摩耗量推定システム。
  4. 前記旋回算出部は、車両の速度が所定速度以下である場合に旋回回数を計数することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のタイヤ摩耗量推定システム。
  5. 車両の走行距離を含む情報を取得する車両情報取得部と、
    車両の旋回半径が所定半径よりも小さい旋回回数を算出する旋回算出部と、
    入力された情報に基づいてタイヤの摩耗量を算出する演算モデルを有し、前記車両情報取得部により取得した走行距離、および前記旋回算出部により算出した旋回回数を前記演算モデルに入力してタイヤの摩耗量を算出する摩耗量算出部と、
    前記タイヤで計測される摩耗量と前記摩耗量算出部により算出された摩耗量とを比較して前記演算モデルを学習させる学習処理部と、
    を備えることを特徴とする演算モデル生成システム。
  6. 車両の走行距離を含む情報を取得する車両情報取得ステップと、
    車両の旋回半径が所定半径よりも小さい旋回回数を算出する旋回算出ステップと、
    入力された情報に基づいてタイヤの摩耗量を算出する演算モデルに、前記車両情報取得ステップにより取得した走行距離、および前記旋回算出ステップにより算出した旋回回数を入力してタイヤの摩耗量を算出する摩耗量算出ステップと、
    を備えることを特徴とするタイヤ摩耗量推定方法。
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