JP2023092510A - 印象変更支援方法 - Google Patents

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Rina Shigegaki
千尋 三枝
Chihiro Saegusa
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【課題】質感印象種別情報または光沢髪色情報の一方を指定することにより、他方を選定する技術を提供する。【解決手段】印象変更支援方法は、頭髪の質感印象種別情報と、髪色変更部位である光沢領域の髪色を示す光沢髪色情報と、についての相関関係を示す相関情報を用い、質感印象種別情報または光沢髪色情報の一方を指定することにより、他方を選定する。【選択図】図4

Description

本発明は、頭髪の印象変更支援方法に関する。
毛髪の美しさを表すツヤの度合いと好みに関する研究はこれまでも行われており、毛髪のツヤおよび明るさを段階的に変化させた画像に対して受ける印象の度合いを定量的に測定することで、ツヤや明るさの変化で移り変わる印象の特定を研究したものがある(非特許文献1)。
また、毛髪のツヤと髪色が印象に与える影響を調査したものもある(非特許文献2)。
青池広樹、渕上幾太郎、上條洋士、細川博史、松下戦具、森川和則著、「毛髪のツヤおよび明るさと印象の関連性」日本化粧品技術者会 Vol.52 No.2(2018)第105頁~第110頁 上條洋士、篠原恵、渕上幾太郎、吉田直史、細川博史、富田瑛智、森川和則著、「毛髪におけるツヤとヘアカラーの調和の知覚特性」毛髪科学No.125(2020)第35頁~第38頁
非特許文献1および2では、毛髪のツヤの明るさと印象の関係は明らかになっている。しかし、研究を進めていく中で、毛髪のツヤの印象への影響は、ツヤの明るさ以外の要因もあり、ツヤの明るさだけでは印象への影響を明らかにするうえで十分でない虞があり、改善の余地があった。また、ヘアカラー業界において、部分的に髪を染める製品が近年増加しているが、顧客がなりたい印象となるために髪のツヤ部分に色味が出せる製品を提案することが望まれていた。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、頭髪の質感印象と、髪色変更部位である光沢領域の髪色の一方を指定することにより、他方を選定する技術に関するものである。
本発明は、頭髪の質感印象種別情報と、髪色変更部位である光沢領域の髪色を示す光沢髪色情報と、についての相関関係を示す相関情報を用い、前記質感印象種別情報または前記光沢髪色情報の一方を指定することにより、他方を選定することを特徴とする印象変更支援方法に関する。
また、本発明は、頭髪の質感印象種別情報と、髪色変更部位である光沢領域の髪色を示す光沢髪色情報と、頭髪の全頭領域の髪色情報と、についての相関関係を示す相関情報を用いる頭髪の質感評価方法であって、頭髪を含む人の頭部画像を取得する取得工程と、前記取得工程によって取得した頭部画像を画像解析し、前記光沢髪色情報と前記全頭領域の髪色情報を算出する算出工程と、を含み、前記相関情報、および、前記算出工程による算出結果に基づき、前記質感印象種別情報を選定し、選定結果に基づき頭髪の質感印象を評価することを特徴とする頭髪の質感評価方法に関する。
また、本発明は、頭髪の質感印象種別情報と、髪色変更部位である光沢領域の髪色を示す光沢髪色情報と、頭髪の全頭領域の髪色情報と、についての相関関係を示す相関情報を用いる頭髪画像の編集方法であって、頭髪を含む人の頭部画像を取得する取得工程と、前記取得工程によって取得した頭部画像を画像解析し、前記光沢髪色情報と前記全頭領域の髪色情報を算出する算出工程と、前記質感印象種別情報を指定する指定工程と、前記相関情報、および、指定した前記質感印象種別情報に基づき、相関関係の高い前記光沢髪色情報または前記全頭領域の髪色情報を選定する選定工程と、を含み、前記選定工程による選定結果に基づき、前記取得した頭部画像における頭髪の色を変更することを特徴とする頭髪画像の編集方法に関する。
また、本発明は、頭髪の質感印象種別情報と、髪色変更部位である光沢領域の髪色を示す光沢髪色情報と、についての相関関係を示す相関情報を記憶する記憶手段と、前記質感印象種別情報または前記光沢髪色情報の一方をユーザが指定可能な指定手段と、前記相関情報と前記指定手段により指定された前記質感印象種別情報または前記光沢髪色情報の一方とに基づき異なる他方を選定する選定手段と、前記選定手段による選定結果を出力する出力手段と、を備えることを特徴とする印象変更支援装置に関する。
また、本発明は、頭髪の質感印象種別情報と、髪色変更部位である光沢領域の髪色を示す光沢髪色情報と、全頭領域の髪色情報と、についての相関関係を示す相関情報を記憶する記憶手段と、前記頭髪の質感印象種別情報、前記光沢髪色情報、および前記全頭領域の髪色情報の一部をユーザが指定可能な指定手段と、前記相関情報と前記指定手段により指定された前記一部とに基づき、当該一部とは異なる前記頭髪の質感印象種別情報、前記光沢髪色情報、および前記全頭領域の髪色情報を選定する選定手段と、前記選定手段による選定結果を出力する出力手段と、を備えることを特徴とする印象変更支援装置に関する。
また、本発明は、頭髪の質感印象種別情報と、髪色変更部位である光沢領域の髪色を示す光沢髪色情報と、についての相関関係を示す相関情報を記憶する記憶手段を備えた印象変更支援装置を動作させるアプリケーションプログラムであって、前記質感印象種別情報または前記光沢髪色情報の一方を指定する指定処理と、前記相関情報と前記指定処理により指定された前記質感印象種別情報または前記光沢髪色情報の一方とに基づき他方を選定する選定処理と、を含むことを特徴とするアプリケーションプログラムに関する。
また、本発明は、頭髪の質感印象種別情報と、髪色変更部位である光沢領域の髪色を示す光沢髪色情報と、全頭領域の髪色情報との相関関係を示す相関情報を記憶する記憶手段を備えた印象変更支援装置を動作させるアプリケーションプログラムであって、前記質感印象種別情報、前記光沢髪色情報、および前記全頭領域の髪色情報のうちの1つを指定する指定処理と、前記相関情報と前記指定処理により指定された前記1つとに基づき、残りの2つの組合せを選定する選定処理と、を含むことを特徴とするアプリケーションプログラムに関する。
また、本発明は、頭髪の質感印象種別情報と、髪色変更部位である光沢領域の髪色を示す光沢髪色情報と、全頭領域の髪色情報との相関関係を示す相関情報を記憶する記憶手段を備えた印象変更支援装置を動作させるアプリケーションプログラムであって、前記質感印象種別情報、前記光沢髪色情報、および前記全頭領域の髪色情報のうちの2つを指定する指定処理と、前記相関情報と前記指定処理により指定された前記2つとに基づき、残りの1つを選定する選定処理と、を含むことを特徴とするアプリケーションプログラムに関する。
また、本発明は、頭髪の質感印象種別情報と、髪色変更部位である光沢領域の髪色を示す光沢髪色情報と、頭髪の全頭領域の髪色情報についての相関関係を示す相関情報を用いる光沢領域変更画像の作成方法であって、全頭領域の頭髪画像を取得する取得工程と、取得した頭髪画像を画像解析し、前記光沢領域を抽出する抽出工程と、抽出結果に基づき、前記頭髪画像から前記光沢領域を切出した部分頭髪画像を作成する作成工程と、前記質感印象種別情報および前記全頭領域の髪色情報を指定する指定工程と、前記指定工程の指定結果および前記相関情報に基づき前記光沢髪色情報を選定する選定工程と、前記選定された前記光沢髪色情報に基づき前記光沢領域の髪色が変更された前記部分頭髪画像を用いて光沢領域変更画像を作成する画像作成工程と、を含むことを特徴とする光沢領域変更画像の作成方法に関する。
また、本発明は、全頭領域の頭髪画像で構成された第一レイヤーと、透過色で構成された第二レイヤーと、を少なくとも含み、前記第一レイヤー、前記第二レイヤーの順に積層された光沢領域変更画像を複数含む画像セットであって、前記第二レイヤーは、互いに色相、彩度、または明度の少なくとも何れかが異なる複数のパターンを含み、複数の前記光沢領域変更画像における前記第二レイヤーの透過色の色相、彩度、または明度の少なくとも何れかが互いに異なることを特徴とする画像セットに関する。
本発明により提供される方法によれば、頭髪の質感印象種別情報と、髪色変更部位である光沢領域の髪色を示す光沢髪色情報と、についての相関関係を示す相関情報を用い、質感印象種別情報または光沢髪色情報の一方を指定することにより、他方を抽出できるため、質感印象種別情報から光沢髪色情報を、または、光沢髪色情報から質感印象種別情報を客観的に選定でき、ユーザや美容師が得たいと考える頭髪の質感印象を元に光沢領域の髪色を選定する、または、選択した光沢領域の髪色を元に施術した場合の当該施術後に得られる質感印象を推測することが可能となる。
(a)は全頭領域の髪色が7トーンの場合の刺激画像の概要を示す図であり、(b)は全頭領域の髪色が黒色の場合の刺激画像の概要を示す図である。 (a)は刺激画像の作成方法の概要を示す図であり、(b)は刺激画像の作成方法の概要を示す図であり、(c)は刺激画像の作成方法の概要を示す図である。 本実施形態における実験方法の概要を示す図である。 本実施形態における実験方法の概要を示す図である。 (a)は全頭領域の髪色が7トーンの場合の相関情報の一例を示す図であり、(b)は全頭領域の髪色が黒色の場合の相関情報の一例を示す図である。 全頭領域の髪色が7トーンの場合の相関情報の一例を示す図である。 全頭領域の髪色が黒色の場合の相関情報の一例を示す図である。 (a)は全頭領域の髪色が7トーンの場合の相関情報の一例を示す図であり、(b)は全頭領域の髪色が黒色の場合の相関情報の一例を示す図である。 髪色情報の選定装置の概念図である。 表示部の画面イメージを示す図である。 本実施形態における実験方法の概要を示す図である。 (a)は全頭領域の髪色が黒色の場合の刺激画像の概要を示す図であり、(b)は全頭領域の髪色が7トーンの場合の刺激画像の概要を示す図であり、(c)は全頭領域の髪色が赤系の7トーンの場合の刺激画像の概要を示す図であり、(d)は全頭領域の髪色が緑系の7トーンの場合の刺激画像の概要を示す図である。 (a)は全頭領域の髪色が黒色の場合の相関情報の一例を示す図であり、(b)は全頭領域の髪色が7トーンの場合の相関情報の一例を示す図である。 (a)は全頭領域の髪色が赤系の7トーンの場合の相関情報の一例を示す図であり、(b)は全頭領域の髪色が緑系の7トーンの場合の相関情報の一例を示す図である。 (a)は全頭領域の髪色が黒色の場合の相関情報の一例を示す図であり、(b)は全頭領域の髪色が7トーンの場合の相関情報の一例を示す図である。 (a)は全頭領域の髪色が赤系の7トーンの場合の相関情報の一例を示す図であり、(b)は全頭領域の髪色が緑系の7トーンの場合の相関情報の一例を示す図である。 変形例(実験2)での因子分析結果を示す図である。 (a)は全頭領域の髪色が黒色の場合の相関情報の一例を示す図であり、(b)は全頭領域の髪色が7トーンの場合の相関情報の一例を示す図であり、(c)は全頭領域の髪色が赤系の7トーンの場合の相関情報の一例を示す図であり、(d)は全頭領域の髪色が緑系の7トーンの場合の相関情報の一例を示す図である。 (a)は全頭領域の髪色が黒色の場合の相関情報の一例を示す図であり、(b)は全頭領域の髪色が7トーンの場合の相関情報の一例を示す図であり、(c)は全頭領域の髪色が赤系の7トーンの場合の相関情報の一例を示す図であり、(d)は全頭領域の髪色が緑系の7トーンの場合の相関情報の一例を示す図である。 (a)は全頭領域の髪色が赤系の7トーンと7トーンとの比較結果を示す図であり、(b)は全頭領域の髪色が緑系の7トーンと7トーンとの比較結果を示す図である。 部分ウィッグを示す図である。 (a)は前髪部分ウィッグを示した図、(b)は毛先部分ウィッグを示した図、(c)は結った髪型に用いる毛先部分ウィッグを示した図である。
以下、本発明の好ましい実施形態の例について、図面を参照して説明する。なお、本実施形態の図面は、いずれも本発明の技術思想、構成及び動作を説明するためのものであり、その構成を具体的に限定するものではない。また、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
<印象変更支援方法>
本実施形態における印象変更支援方法について説明する。詳細は後述するが、本実施形態における印象変更支援方法は、所定の相関情報を用いて、例えば、所定の質感印象となるように(見えるように)するには、光沢領域の髪色および/または全頭領域の髪色をどのように変更したらよいかを選定し、選定結果に基づき光沢領域の髪色および/または全頭領域の髪色を変更することで、所定の質感印象になれる(質感印象が所定の質感印象に変更される)ため、印象の変更を支援する方法である。なお、本実施形態では、「印象変更支援方法」を「印象支援方法」と記載することもある。
「頭髪」とは、人の頭部に生える毛であり、毛髪、髪の毛であるが、本実施形態では、人の頭部に生える毛以外にも、人毛、獣毛、天然繊維、または人工繊維なども頭髪に含まれるものとする。人の頭部に生える毛以外の場合は、ウィッグに使われるような頭髪に類するもの、頭髪の代替えとして機能するものが好ましい。
「頭髪の質感印象種別情報」とは、頭髪を見たときに、見た目から看者が受け取る頭髪の質感に対する印象を示した種別情報(印象語)であり、質感を表す印象語としては、物理質感を表す印象語、感性質感を表す印象語、オノマトペ系(質感を音で表したもの)の印象語、ヘアスタイルを表す印象語、視覚的な質感を表す印象語、感覚的な質感を表す印象語などがある。具体的には、物理質感を表す印象語として例えば、柔らかい(soft)、硬い(stiff)、細い(fine,thin)、太い(thick,coarse)、ハリのある(bouncy)、コシのある(body)、重みのある(enriched)、光沢感のある(shiny)、均一な(uniform)、などであり、感性質感を表す印象語として例えば、しなやかな(supple)、なめらかな(smooth)、揃っている(aligned)、まとまりのよい(manageable)、立体感のある(3-dimensional)、自然な(natural)、油っぽい(oily)、傷んだ(damaged)、透明感のある(clear)、くすんだ(dull)、潤いのある(moisturizing)、ツヤのある(glossy)、触りたくなる(attractive)、などであり、オノマトペ系を表す印象語して例えば、パサついた(dry)、しっとりした(moist)、サラサラとした(silky)、ベタベタした(sticky)、などであり、ヘアスタイルを表す印象語として例えば、ボリュームのある(voluminous)、ふんわりとした(airy,fluffy)、ぺたんこな(flat)、などであり、視覚的な質感を表す印象語として例えば、揃っている(aligned)、まとまりのよい(manageable)、きれいな(beautiful)、まっすぐな(straight)、ふんわりとした(airy,fluffy)、などであり、頭髪をみて触ったときを想像した際の触覚的な質感を表す印象語として例えば、柔らかい(soft)、なめらかな(smooth)、サラサラとした(silky)、ベタベタした(sticky)、指通りが悪い(tangled,rough)、などである。なお、頭髪の質感を表す印象語は、上述したように、捉え方(分類の仕方)によって、例えば、物理質感を表す印象語であり、かつ、触覚的な質感を表す印象語であるように、複数の質感の種類(物理質感、感性質感、オノマトペ系、ヘアスタイル、視覚的な質感、触覚的な質感など)を表す印象語もある。また、感性質感を表す印象語を、ポジティブなもの(例えば、しなやかな、なめらかな、揃っている、まとまりのよい、立体感のある、自然な、透明感のある、潤いのある)と、ネガティブなもの(例えば、油っぽい、傷んだ、くすんだ)とに種類を分けることも可能である。同様に、オノマトペ系を表す印象語を、ポジティブなもの(例えば、しっとりとした、サラサラとした)と、ネガティブなもの(例えば、パサついた、ベタベタした)とに種類を分けることも可能である。同様に、触覚的な質感を表す印象語をポジティブなもの(例えば、柔らかい、なめらかな、サラサラとした)と、ネガティブなもの(例えば、ベタベタした、指通りが悪い)とに種類を分けることも可能である。なお、上述した印象語は一例でありこれに限らない。また、上述した印象語に対する英訳は一例でありこれに限らない。また、本実施形態では「頭髪の質感印象種別情報」を「頭髪の質感印象項目」と記載することもある。「頭髪の質感印象項目」は、「頭髪の質感印象種別情報」と同様に、頭髪を見たときに、見た目から看者が受け取る頭髪の質感に対する印象を示した項目(印象語)であり、質感を表す印象語としては、物理質感を表す印象語、感性質感を表す印象語、オノマトペ系(質感を音で表したもの)の印象語、ヘアスタイルを表す印象語、視覚的な質感を表す印象語、感覚的な質感を表す印象語などがある。具体的な印象語については上述した通りである。
なお、質感印象は、頭髪1本に対するもの、複数本に対するもの(頭髪全体に対するもの)の何れも含むものとする。
「光沢領域」とは、頭髪のいわゆるツヤがある領域であり、髪に光があたったときに光が反射する領域のことであり、例えば、一般的に「天使の輪」と呼ばれる領域である。
「髪色変更部位である光沢領域の髪色を示す光沢髪色情報」とは、光沢領域に所定の色を入れること、すなわち、光沢領域の髪色を変更する色相、明度および彩度の情報である。本実施形態では、光沢領域に所定の色を入れない場合、すなわち、光沢領域の髪色が頭髪の全頭領域の髪色の場合は、光沢髪色項目は「全頭領域の髪色」として扱うものとする。また、「髪色」の「色」とは、測色計やカラーコードを抽出するソフトウェアなどを用いて計測した計測色とする。また、本実施形態では「髪色変更部位である光沢領域の髪色を示す光沢髪色情報」を「髪色変更部位である光沢領域の髪色を示す光沢髪色項目」と記載することもある。「光沢髪色項目」は、「光沢髪色情報」と同様に、光沢領域に所定の色を入れること、すなわち、光沢領域の髪色を変更する色相、明度および彩度の情報である。
「頭髪の全頭領域」とは、頭髪全ての領域であり、光沢領域も含まれる。
「頭髪の全頭領域の髪色情報」とは、全頭領域の髪色に関する情報であり、光沢領域を除いた頭髪の髪色に関する情報、いわゆる、頭髪のベースの髪色に関する情報である。また、本実施形態では「頭髪の全頭領域の髪色情報」を「頭髪の全頭領域の髪色項目」と記載することもある。「頭髪の全頭領域の髪色項目」は、「頭髪の全頭領域の髪色情報」と同様に、全頭領域の髪色に関する情報であり、光沢領域を除いた頭髪の髪色に関する情報、いわゆる、頭髪のベースの髪色に関する情報である。
「相関関係を示す相関情報」とは、詳細は後述するが、1人または多数の被験者母集団に対して所定の実験を行った結果に基づく回帰式や相関係数のほか、クラスター分析による分類結果や多数の実験結果を機械学習した学習済みモデルも相関情報に含まれる。「相関情報」は、所定の実験を行った結果に基づき算出されたグラフ、テーブル、マップ、式、数値など情報の形態は問わない。被験者の人数も問わないため、例えば、特定の被験者(ヘアアーティストやスタイリストのように髪の色や髪の質感印象に対する意識の高い被験者)1人が所定の実験を行い、その結果に基づき算出した相関関係を示す相関情報でもよい。このような相関情報を用いることで、どのような人が本実施形態の印象変更支援方法を用いても、頭髪の質感印象種別情報から髪色変更部位である光沢領域の髪色を示す光沢髪色情報を、または、髪色変更部位である光沢領域の髪色を示す光沢髪色情報から頭髪の質感印象種別情報を客観的に同様の結果を選定することができる。また、1人の被験者に対し、所定の実験を複数回行った結果に基づいてもよい。所定の実験を行った複数の結果に基づき相関関係を示す相関情報を算出する場合は、複数の結果に対し所定の統計処理を行い算出するため、統計的に得られた相関関係を示す相関情報となる。
質感印象項目と、光沢髪色項目との相関関係を示す相関情報を用いた場合、質感印象項目を指定すれば質感印象項目と相関の高い光沢髪色項目が選定され、光沢髪色項目を指定すれば光沢髪色項目と相関の高い質感印象項目を選定することが可能となる。また、質感印象項目と、光沢髪色項目と、全頭領域の髪色項目との相関関係を示す相関情報を用いた場合、質感印象項目を指定すれば質感印象項目と相関の高い光沢髪色項目、全頭領域の髪色項目が選定され、光沢髪色項目を指定すれば光沢髪色項目と相関の高い質感印象項目、全頭領域の髪色項目が選定され、全頭領域の髪色項目を指定すれば全頭領域の髪色項目と相関の高い質感印象項目、光沢髪色項目が選定されることが可能となる。
頭髪の質感印象種別情報と、髪色変更部位である光沢領域の髪色を示す光沢髪色情報と、についての相関関係を示す相関情報、または、頭髪の質感印象種別情報と、髪色変更部位である光沢領域の髪色を示す光沢髪色情報と、全頭領域の髪色情報と、についての相関関係を示す相関情報を算出する際に行う実験方法について、図1から図4を用いて説明する。
図1は、実験に用いる画像の作成方法について示している。
本実施形態では、20~30代日本人女性の平均毛髪径に最も近いウィッグを撮影し、撮影画像から実験に用いる画像を作成する。ウィッグは、人毛黒髪の根元揃えのものを使用し、カラー剤で明るさが7トーンの茶系色(以下、7トーンを「7T」と記載することもある。また、単に7トーンと表記した場合は茶系で明るさが7トーンの髪色を意味する。)に染毛したものを使用する。また、日本人の黒髪を使用して黒髪トレス(黒髪毛束)を作製する。
そして、7Tのウィッグを撮影する。この撮影画像が、全頭領域が7Tの画像となる(図1(a)参照)。
次に、黒髪トレスを7Tのウィッグの一部分に固定し、7Tのウィッグと同じ曲率で撮影する。この撮影画像に基づき、画像編集ソフトウェアを用いて全頭領域が黒色の画像を作成する(図1(b)参照)。
このようにして、図1に示す同一の髪型、同一の曲率で、全頭領域の髪色が7Tと黒色の2画像作成する。
本実施形態でウィッグを撮影した際の撮影条件は、ISO:500、F値(絞り):13、SS(シャッタースピード):1/8[sec.]である。また、光沢領域が一つになるように照明を配置し、ウィッグの奥行きを考慮して焦点を設定し、髪の繊維を高解像で撮影するようにする。
図1で作成した画像を用いて、髪色変更部位である光沢領域の髪色が異なる画像を作成する方法について図2を用いて説明する。
図2(a)の(1)は、図1で作成した画像である。ここでは7Tの画像を例に説明する。
図2(a)の(2)は、光沢領域の色相を示したレイヤー画像である。光沢領域の色相は、ツヤが自然に見える濃度範囲のものとする。
図2(a)の(3)は、図1で作成した画像に対し、光沢領域を切り抜いた画像である。光沢領域は、例えば、図1で作成した画像の各画素の輝度値に基づき、光沢領域とするか否かを算出してもよいし、美容師、美容研究者など、ヘアスタイルに精通している人が図1で作成した画像に対し、光沢領域を指定してもよいし、併用して行ってもよい。
図2(b)は、図2(a)の(1)、(2)、(3)の画像について、(1)の画像を一番下に、次に(2)の画像、一番上に(3)の画像を重ね合わせることにより、光沢領域の髪色を(2)の画像の色相に変更した画像を作成できる。図2(c)に作成した画像を示す。なお、(3)の画像は、光沢領域以外が不透過画像であるため、図2(a)の(1)、(2)、(3)を重ね合わせた際に、光沢領域以外の全頭領域は、図2(a)の(3)の画像となる。
このように、光沢領域の髪色を所定の色相に変更した画像を作成することにより、同一の髪型、同一の全頭領域の髪色、同一の光沢領域の画像に対し、光沢領域の色相のみ異なる画像を作成することが可能となる。上記例では、7Tの画像を例に説明したが、黒色についても同様に画像を作成する。
図3に、図2(a)の(2)に示した光沢領域の色相を示したレイヤー画像の色相について説明する。
本実施形態では、光沢領域の髪色を含む光沢髪色項目として、Violet、Blue、Cyan、Green、Yellow、Orange、Redの7種類の有彩色、および、Grayの無彩色を用いる。光沢領域の髪色の明るさを有彩色を付与した場合の明るさと揃えるためにGrayの無彩色を用いている。有彩色は色相によって被験者が感じる明るさ知覚が異なるため、予め、基準とする無彩色と比較を行い、レイヤー画像に用いる有彩色の明るさが基準とする無彩色の明るさと同じ(知覚的な明るさが等しいまたは目視したときに明るさが等しく感じる)になるように調整を行う。図3に調整方法を示す。
図3に示すように、モニタに基準とする無彩色画像と有彩色画像との両方を表示する。表示する無彩色画像は、輝度が5段階に異なる5種類の画像を準備し、有彩色画像は、色毎に輝度が15段階に異なる15種類の画像を準備する。そして、被験者(本実施形態では、8名の被験者)に基準とする無彩色画像に対し同じ明るさに感じる有彩色画像を選択してもらい、その結果により図2(a)の(2)に示した有彩色画像(レイヤー画像)を作成する。図3に示す評価の基準範囲では、同一色相内で明るさ知覚に差は無かったため、基準とした無彩色画像の5段階に対する評価結果の平均値に対応する有彩色画像を15種類の画像から決定し、図2(a)の(2)に示した有彩色画像(レイヤー画像)を作成する。
なお、本実施形態では、不透明度2~4%で5段階の無彩色レイヤーを白色画像に重ねることにより、輝度が5段階に異なる5種類の画像を、不透明度1~8%で15段階の有彩色レイヤーを白色画像に重ねることにより、輝度が15段階に異なる15種類の画像を作成する。
<実験1>
図1から図3に示した方法で作成した頭髪画像(以下、刺激画像ということもある)を用いた実験1の内容について、図4を用いて説明する。
図4に示すモニタには、2つの頭髪画像が表示され、頭髪画像の下方には被験者に対し評価項目である印象語と、スケールを表示し、被験者が何れの頭髪画像の方が表示された印象語にあてはまるかスケールを用いて評価するようにする。本実施形態では、左の頭髪画像は、光沢領域を無彩色(Gray)としたものであり、右の頭髪画像は、光沢領域を有彩色(例えば、Red)としたものである。すなわち、図4に表示される2つの頭髪画像は、全頭領域の髪色が同一の頭髪画像(ここでは、7T)に対し、光沢領域の髪色が異なる2つの頭髪画像である。光沢領域の髪色以外は、左の頭髪画像と右の頭髪画像は、髪型、全頭領域の髪色、光沢領域(ツヤの範囲)は同一のものである。なお、図4では左側の頭髪画像に無彩色の光沢、右側の頭髪画像に有彩色の光沢を示したが、無彩色と有彩色の配置は逆でも良く、ランダムに表示されることが好ましい。
本実施形態で用いる印象語を表1に示す。表1に示す印象語は本実施形態における、「頭髪の質感印象項目」である。図4のモニタには、表1に示した印象語を1つずつ表示する。
Figure 2023092510000002
本実施形態では、過去に行った調査結果から、日本人の「なりたい髪」の要素を考慮して表1に示す印象語を用いることとしたが、他の印象語を用いてもよい。また、例えば、細い、光沢感のある、均一な、のように、視覚的な質感を示す印象語だけでなく、柔らかい、なめらかな、のように、頭髪を見て触ったときを想像した触覚的な質感(あくまでも触れることなく、視覚的に想起される見た目の質感)も印象語に含まれていてもよい。
本実施形態では、20~30代日本人女性30名の被験者に対し実験を行った。被験者は、図4のモニタに表示される2つの頭髪画像に対し、表示された印象語はどちらの画像のほうがあてはまるかを評価する。なお、2つの画像にどのような違いがあるか(どちらが無彩色の頭髪画像か)は被験者には教えないこととする。スケールは左から、「左の画像のほうがあてはまる」、「同じ」、「右の画像のほうがあてはまる」を設定し、一番左を-3、順に右に進むにつれ、-2、-1、0、1、2、3の得点とする。そして、被験者30人の得点の平均を算出する。図5に、全頭領域が7Tの頭髪画像および黒色の頭髪画像に対して行った結果を示す。図5(a)は、全頭領域が7Tの頭髪画像の結果であり、図5(b)は、全頭領域が黒色の頭髪画像の結果である。図5(a)、(b)の横軸は、印象語を示し、縦軸は、上述したスケールの得点の被験者30人の平均値である。軸の上に行くほど、有彩色の頭髪画像のほうが該当の印象語にあてはまると回答した平均得点が高く、軸の下に行くほど、無彩色の頭髪画像のほうが該当の印象語にあてはまると回答した平均得点が高いことを示す。
図5(a)および(b)より、質感印象項目、光沢髪色項目、および、全頭領域の髪色項目との間には、例えば、以下の相関関係があることがいえる。
同一の光沢髪色項目の場合でも全頭領域の髪色によって、与える質感印象は異なる。例えば、光沢髪色項目がCyanの場合、全頭領域の髪色が7Tでは質感印象項目:ハリのあると高い相関があるが、全頭領域の髪色が黒色では質感印象項目:ハリのあるは7Tに比べ相関が高くない。同様に、光沢髪色項目がCyanの場合、全頭領域の髪色が7Tでは質感印象項目:パサついたと高い相関があるが、全頭領域の髪色が黒色では質感印象項目:パサついたは7Tに比べ相関が高くない。
また、同一の光沢髪色項目の場合でも全頭領域の髪色に関わらず、同程度の質感印象を与える場合もある。例えば、光沢髪色項目がCyanの場合、全頭領域の髪色が7Tでも黒色でも質感印象項目:くすんだと同程度の相関がある。同様に、光沢髪色項目がCyanの場合、全頭領域の髪色が7Tでも黒色でも質感印象項目:傷んだと高い相関がある。
図5(a)より、全頭領域の髪色項目が7Tの場合、光沢髪色項目のBlueは高い相関の質感印象項目も低い相関の質感印象項目もない。すなわち、全頭領域の髪色項目が7Tの場合、光沢髪色項目のBlueは質感印象に与える影響は低い傾向である。
図5(a)より、全頭領域の髪色項目が7Tの場合、傷んだ、くすんだ、パサついた、のような好意的ではない質感印象項目と光沢髪色項目のGreen、Cyanは高い相関がある。すなわち、全頭領域の髪色項目が7Tの場合、好意的ではない質感印象項目と光沢髪色項目の色相がCyan~Greenは高い相関がある。
図5(a)より、全頭領域の髪色項目が7Tの場合、柔らかい、しなやかな、しっとりとした、サラサラとした、のような好意的な質感印象項目と光沢髪色項目のGreen、Cyanは低い相関がある。すなわち、全頭領域の髪色項目が7Tの場合、好意的な質感印象項目と光沢髪色項目の色相がCyan~Greenは低い相関がある。
図5(b)より、全頭領域の髪色項目が黒色の場合、傷んだ、くすんだ、パサついた、のような好意的ではない質感印象項目と光沢髪色項目のCyanは高い相関がある。
図5(b)より、全頭領域の髪色項目が黒色の場合、しなやかな、なめらかな、透明感のある、ツヤのある、しっとりとした、のような好意的な質感印象項目と光沢髪色項目のCyanは低い相関がある。
図5(b)より、全頭領域の髪色項目が黒色の場合、柔らかい、光沢感のある、なめらかな、ツヤのある、のような好意的な質感印象項目と光沢髪色項目のRed、Orangeは高い相関がある。すなわち、全頭領域の髪色項目が黒色の場合、好意的な質感印象項目と光沢髪色項目の色相がRed~Orangeは高い相関がある。
質感印象項目によっては、光沢髪色項目により、与える印象に差が大きいものもある。例えば、質感印象項目:柔らかいを与えるのに光沢髪色項目がRedやOrangeは有効であるが、CyanやGreenは質感印象項目:柔らかいを与えられない。すなわち、光沢髪色項目の色相がRed~Orangeは柔らかい印象を与えられるのに対し、光沢髪色項目の色相がCyan~Greenは柔らかい印象を与えられない。
このように、質感印象項目と、光沢髪色項目と、全頭領域の髪色項目とには、様々な相関関係があることは明らかである。
なお、上記した内容は、一例であり、図5(a)、(b)から読み取れる相関関係は他にもあり、後述する頭髪の質感評価方法、頭髪画像の編集方法、印象支援装置、アプリケーションプログラム、光沢領域変更画像の作成方法で用いる相関情報は、質感印象項目と、光沢髪色項目と、全頭領域の髪色項目との相関関係を示し、読み取れる相関関係のうち何れの相関関係を用いるかは、目的に応じて取捨選択すればよい。
次に、図5の結果に基づき、因子分析を行い、表1に示した印象語(23語)を意味の近い印象語でまとめた結果を図6、図7に示す。
図6は全頭領域の髪色項目が7T、図7は全頭領域の髪色項目が黒色の結果である。本実施形態では、全頭領域の髪色項目に応じて、因子数、因子名が異なっている。これは、実験条件や因子分析条件によるものであり、全頭領域の髪色項目に関わらず、共通の因子数、因子名としてもよい。
図6に示すように、全頭領域の髪色が7Tの場合、印象語(23語)を良質感、軽やかさ、ツヤ感・透明感、光沢感・弾力感、髪の落ち着きの5因子に分類する。
「良質感」とは、指通りのよさそうな印象、清潔な印象、清楚な印象、状態が整った印象、上等な印象など、手入れの行き届いた髪質を想起する因子であり、このようなことを想起する印象語が分類されている。「良質感」に、「傷んだ」の印象語が分類されているが、例えば、傷んだ印象が低ければ「良質感」を想起するからであり、考慮される印象語であるからである。
「軽やかさ」とは、髪1本1本が絡み合うことのない印象、指を通すと絡むことなく指の間をすり抜ける印象など、サラサラとした髪質を想起する因子であり、このようなことを想起する印象語が分類されている。「軽やかさ」に、「パサついた」の印象語が分類されているが、例えば、パサついた印象が低ければ「軽やかさ」を想起するからであり、考慮される印象語であるからである。
「ツヤ感・透明感」とは、くすみのない印象、清潔な印象、髪全体に統一された輝きがある印象などを想起する因子であり、このようなことを想起する印象語が分類されている。「ツヤ感・透明感」に、「くすんだ」の印象語が分類されているが、例えば、くすんだ印象が低ければ「ツヤ感・透明感」を想起するからであり、考慮される印象語であるからである。
「光沢感・弾力感」とは、髪全体が光輝いている印象、豊かな印象、ハリやコシがある印象などを想起する因子であり、このようなことを想起する印象語が分類されている。「光沢感・弾力感」に、「細い」の印象語が分類されているが、例えば、細い印象が低ければ「光沢感・弾力感」を想起するからであり、考慮される印象語であるからである。
「髪の落ち着き」とは、髪全体として整った印象、髪1本1本の方向が揃っている印象、髪型が決まる印象などを想起する因子であり、このようなことを想起する印象語が分類されている。「髪の落ち着き」に、「立体感のある」の印象語が分類されているが、例えば、立体感のある印象が低ければ「髪の落ち着き」を想起するからであり、考慮される印象語であるからである。
また、図7に示すように、全頭領域の髪色が黒色の場合、印象語(23語)をしっとり感、軽やかさ、光沢感・弾力感、まとまり・透明感、健康感、髪の揃いの6因子に分類する。
「しっとり感」とは、潤いがある印象、つやのある印象、髪全体がまとまっている印象などを想起する因子であり、このようなことを想起する印象語が分類されている。「しっとり感」に、「パサついた」、「傷んだ」の印象語が分類されているが、例えば、パサついた印象が低ければ「しっとり感」を想起するからであり、考慮される印象語であるからである。
「軽やかさ」とは、髪1本1本が絡み合うことのない印象、指を通すと絡むことなく指の間をすり抜ける印象など、サラサラとした髪質を想起する因子であり、このようなことを想起する印象語が分類されている。「軽やかさ」に、「重みのある」の印象語が分類されているが、例えば、重みのある印象が低ければ「軽やかさ」を想起するからであり、考慮される印象語であるからである。
「光沢感・弾力感」とは、髪全体が光輝いている印象、豊かな印象、ハリやコシがある印象などを想起する因子であり、このようなことを想起する印象語が分類されている。
「まとまり・透明感」とは、状態が整った印象、髪全体で統一感のある印象、くすみのない印象、清潔な印象、清楚な印象など、手入れの行き届いた髪質を想起する因子であり、このようなことを想起する印象語が分類されている。「まとまり・透明感」に、「くすんだ」の印象語が分類されているが、例えば、くすんだ印象が低ければ「まとまり・透明感」を想起するからであり、考慮される印象語であるからである。
「健康感」とは、髪1本1本の状態がよい印象、ボリュームのある印象、髪全体が生き生きとした印象など、パワーを感じさせる印象を想起する因子であり、このようなことを想起する印象語が分類されている。
「髪の揃い」とは、髪1本1本の方向が揃っている印象、髪全体として整った印象、髪全体としてまとまっている印象などを想起する因子であり、このようなことを想起する印象語が分類されている。
なお、上述した各因子の印象(解釈)は、人により異なることも含まれるため、この限りではない。
これらの分類した因子単位を質感印象項目とし、質感印象項目と光沢髪色項目との相関関係を算出する。算出結果を図8(a)、(b)に示す。
図8(a)は全頭領域の髪色項目が7T、図8(b)は全頭領域の髪色項目が黒色の場合の相関関係を示す。図8(a)、(b)は、光沢髪色項目を各項目に設定し、図6、図7で分類した因子毎にグラフ化している。各項目の目盛りは、尺度得点であり、図6、図7で分類した因子に含まれる印象語の図5に示す得点から算出したものである。各項目の目盛りが外側となるほど、その光沢髪色項目が与える質感印象が大きいことを示している。
図8(a)および図8(b)より、質感印象項目、光沢髪色項目、および、全頭領域の髪色項目との間には、例えば、以下の相関関係があることがいえる。
全頭領域の髪色項目が7Tであり、光沢髪色項目がOrange、Yellow、Green、Cyan、Violetの場合、質感印象項目:光沢感・弾力感と高い相関がある(光沢感・弾力感の質感印象を与えられる)。
全頭領域の髪色項目が7Tであり、光沢髪色項目がBlueの場合、質感印象項目:ツヤ感・透明感および良質感の質感印象と高い相関がある(ツヤ感・透明感および良質感の質感印象を与えられる)。
全頭領域の髪色項目が7Tの場合、Orange以外の光沢髪色項目の場合、質感印象項目:軽やかさとは相関があまり高くない(軽やかな質感印象をあまり与えることができていない)。
全頭領域の髪色項目が黒色であり、光沢髪色項目がOrangeの場合、質感印象項目:光沢感・弾力感と高い相関がある(光沢感・弾力感の質感印象を高く与えられる)。
全頭領域の髪色項目が黒色であり、光沢髪色項目がRed、Orange、Violetの場合、質感印象項目:健康感と高い相関があり(健康感の質感印象を与えられ)、特にRed、Orangeの場合高い相関がある。
全頭領域の髪色項目が黒色の場合、何れの光沢髪色項目の場合も、質感印象項目:まとまり・透明感とは相関があまり高くない(まとまり・透明感の質感印象をあまり与えることができない)。
なお、上記した内容は、一例であり、図8(a)、(b)から読み取れる相関関係は他にもあり、後述する頭髪の質感評価方法、頭髪画像の編集方法、印象支援装置、アプリケーションプログラム、光沢領域変更画像の作成方法で用いる相関情報は、質感印象項目と、光沢髪色項目と、全頭領域の髪色項目との相関関係を示し、読み取れる相関関係のうち何れの相関関係を用いるかは、目的に応じて取捨選択すればよい。
このように、統計的に得られた相関関係を示す相関情報を用いて、次のように頭髪の印象変更支援を行う。
例えば、相関情報として図5(a)を用いる場合、質感印象項目として「ハリのある」を指定した場合、光沢髪色項目はCyanが選定される。これは所定の質感印象項目を指定(例えば、「ハリのある」を指定)したことにより選定される第一の光沢髪色項目(例えば、「Cyan」が相当)は、所定の質感印象項目(例えば、「ハリのある」が相当)と他の光沢髪色項目(例えば、「Violet」が相当)との相関関係よりも高い相関関係であるから選定される。
また例えば、相関情報として図5(a)、(b)を用いる場合、質感印象項目として「光沢感のある」を指定した場合、全頭領域の髪色項目は「黒色」、光沢髪色項目は「Orange」が選定される。相関情報は、質感印象項目と、光沢髪色項目と、全頭領域の髪色項目との相関関係を示し(例えば、図5(a)、(b)が相当)、項目の一部について指定することにより(例えば、質感印象項目として「光沢感のある」を指定)、指定した項目とは異なる項目を選定(例えば、全頭領域の髪色項目として「黒色」、光沢髪色項目として「Orange」を選定)することである。
また例えば、相関情報として図8(b)を用いる場合、質感印象項目として「健康感」を指定した場合、光沢髪色項目は「Red」、「Orange」、「Violet」が選定される。ここで、光沢髪色項目が3つ選定されているのは、質感印象項目「健康感」に対し、最も高い相関関係にある光沢髪色項目を選定するのではなく、図8(b)の座標において、基準値以上(例えば、0.3以上)のものを選定しているからである。これは所定の質感印象項目を指定(例えば、「健康感」を指定)したことにより選定される光沢髪色項目は、相関関係が第一基準値以上(例えば、図8(b)の座標で0.3以上が相当)であることである。
また例えば、相関情報として図8(b)を用いる場合、質感印象項目として「健康感」と「光沢感・弾力感」の2つを指定した場合、光沢髪色項目は「Red」と「Orange」が選定される。ここで、質感印象項目を複数指定した場合は、指定した全ての項目に対し図8(b)の座標において基準値以上(例えば、0.2以上)のものを選定しているからである。これは複数の質感印象項目を指定(例えば、「健康感」と「光沢感・弾力感」が相当)したことにより選定される光沢髪色項目は、指定した複数の質感印象項目の全てについて相関関係が第二基準値以上(例えば、0.2以上)である光沢髪色項目を選定することである。したがって、例えば、「Violet」は、「健康感」は基準以上ではあるが、「光沢感・弾力感」は基準以上ではないため、選定していない。このようにすることで、複数の質感印象項目を高められる光沢髪色項目を知りたいユーザの要求に対応できる。
また例えば、相関情報として図5(b)を用いる場合、全頭領域の髪色項目が「黒色」で、質感印象項目として「自然な」を指定したことにより選定される光沢髪色項目は、「全頭領域の髪色」としてもよい。言い換えると、所定の質感印象項目を指定した場合に、所定基準以上である光沢髪色項目がない場合は、「全頭領域の髪色」を選定する、または、所定の質感印象項目を指定した場合に、所定基準以上である光沢髪色項目がない場合は、光沢髪色項目として「該当なし」を選定してもよい。このように、所定の質感印象項目に対し、最も相関の高い光沢髪色項目選定するだけではなく、所定基準以上の光沢髪色項目がない場合は、選定しない方が適切な選定結果であるためである。このようにすることで、光沢領域を所定の髪色にしない方がよい(全頭領域の髪色のままがよい)旨をユーザが把握可能となる。
また例えば、相関情報として図5(a)を用いる場合、所定の質感印象項目を指定した場合、指定した質感印象項目と各光沢髪色項目との相関関係とが所定順となるように(例えば、相関関係が高い順となるように)、光沢髪色項目を選定する。所定の質感印象項目として「柔らかい」を指定した場合であれば、「Violet」、「Red」、「Orange」、「Yellow」、「Blue」、「Green」、「Cyan」の順に選定する。このようにすることで、指定した質感印象項目と相関関係が高い光沢髪色項目をユーザが把握できるだけでなく、指定した質感印象項目と相関関係が低い光沢髪色項目もユーザが把握できる。
また例えば、相関情報として図8(b)を用いる場合、質感印象項目として「健康感」を指定した場合、光沢髪色項目は「Orange」、「Red」、「Violet」、「Blue」、「Yellow」、「Green」、「Cyan」の順に選定する。このようにすることで、指定した質感印象項目と相関関係が高い光沢髪色項目をユーザが把握できるだけでなく、指定した質感印象項目と相関関係が低い光沢髪色項目もユーザが把握できる。
また例えば、相関情報として図8(b)を用いる場合、光沢髪色項目として「Red」を指定した場合、質感印象項目は「健康感」、「軽やかさ」、「光沢感・弾力感」、「髪の揃い」、「しっとり感」、「まとまり・透明感」の順に選定する。このようにすることで、光沢髪色項目を「Red」にすると、どのような質感印象項目と相関関係が高いかだけでなく、どのような質感印象項目と相関関係が低いかもユーザが把握可能となる。
<印象変更支援装置>
上述した印象支援方法を実行する印象変更支援装置50について説明する。図9に、印象変更支援装置50の概念図を示す。
印象変更支援装置50(以下、「本装置」、「印象支援装置50」ともいう)は、一般的に携帯端末と称される携帯電話、タブレット端末、PDA、モバイルパーソナルコンピュータやウェアラブルデバイス、パーソナルコンピュータなどの何れでもよい。印象変更支援装置50は、記憶手段である記憶部51、指定手段である指定部52、選定手段である選定部53、取得手段である取得部54、算出手段である算出部55、表示手段である表示部56を備える。また、図示はしていないが、キーボード(タッチキーボードを含む)、ポインティングデバイスなどの入力装置、演算処理装置などを備えている。
記憶部51は、頭髪の質感印象種別情報と、髪色変更部位である光沢領域の髪色を示す光沢髪色情報と、についての相関関係を示す相関情報(以下、相関情報ともいう)を記憶する手段である。上述した実験により得られた相関情報を含む様々な相関情報を記憶している。また、上述した印象変更支援方法を実行するアプリケーションプログラムも記憶する手段である。
指定部52は、質感印象種別情報または光沢髪色情報の一方を指定する手段である。携帯端末50に備えられたキーボード(タッチキーボードを含む)、ポインティングデバイスなどの入力装置が相当する。
選定部53は、相関情報と指定手段により指定された一方(質感印象種別情報または光沢髪色情報の何れか)に基づき、他方(指定手段により指定されなかった質感印象種別情報または光沢髪色情報の何れか)を選定(抽出)する手段である。携帯端末50に備えられた演算処理装置が相当する。
取得部54は、顔画像(頭髪を含むユーザの顔の画像)を取得する手段である。携帯端末50以外で撮影された画像を取得する機能や、携帯端末50が備えるカメラが相当する。
算出部55は、取得した顔画像を解析し、全頭領域の髪色および光沢領域の髪色を算出する手段である。携帯端末50に備えられた演算処理装置が相当し、画像解析を行うことで算出する。
表示部56は、取得手段により取得した顔画像の表示、選定手段による選定結果(抽出結果)の表示などを行う手段である。携帯端末50に備えられた表示装置が相当する。なお、表示部56は、選定結果の表示を行うことにより、選定結果を出力する出力手段でもある。
次に、印象変更支援装置50の使用例を示す。なお、以下に示す使用例は一例であり、ユーザのニーズに合わせた使用方法とすればよい。
<使用例1>
質感印象項目を指定し、指定した質感印象項目に適した光沢髪色項目を選定する。
例えば、ユーザが「ハリのある」質感印象を与えたいため、所定の入力装置を用いて質感印象項目について「ハリのある」を指定する。印象支援装置50は、記憶している相関情報に基づき、ハリのあると高い相関にある光沢髪色項目(例えば、Cyan)を選定し、選定結果を表示部56に表示する。また、印象支援装置50は、光沢髪色項目だけでなく、ハリのあると高い相関のある全頭領域の髪色項目(例えば7T)を選定し、選定結果を表示部56に表示する。ユーザが「ハリのある」を指定したことにより、印象支援装置50は、光沢髪色項目および全頭領域の髪色項目の両方を選定して表示してもよいし、ユーザが所定の入力装置を用いて全頭領域の髪色項目を指定することにより、印象支援装置50は所定の項目を抽出するように段階的に指定および選定結果を表示してもよい。なお、上述したように、質感印象項目によっては、全頭領域の髪色項目と光沢髪色項目との組合せで、相関関係が大きく異なるものがあるため、予め、全頭領域の髪色項目も指定することが好ましい。また、選定結果通りに塗布した場合をユーザがイメージできるように、印象支援装置50は、表示部56に選定された色を塗布した画像を表示することが好ましい。
このようにすることで、ユーザは与えたい質感印象に適合した光沢領域の髪色について把握でき、望んだ質感印象に近いヘアカラーを実現することが可能となる。また、例えば、選定結果に基づき、写真などの画像を画像編集ソフトウェアを用いて編集することで、望んだ質感印象に近い画像を作成することが可能となる。
上述したように、例えば、ユーザが「ハリのある」を指定したことにより、印象支援装置50は、光沢髪色項目(光沢髪色情報)および全頭領域の髪色項目(全頭領域の髪色情報)の両方を選定して表示する場合は、記憶部51に、頭髪の質感印象種別情報と、髪色変更部位である光沢領域の髪色を示す光沢髪色情報と、全頭領域の髪色情報との相関関係を示す相関情報を記憶しておく。ユーザは、指定部52により頭髪の質感印象種別情報、光沢髪色情報、および全頭領域の髪色情報の一部として、頭髪の質感印象種別情報を指定する。選定部53は相関情報と指定部52により指定された一部(この場合は、頭髪の質感印象種別情報)とは異なる頭髪の質感印象種別情報、光沢髪色情報、および全頭領域の髪色情報(この場合は、光沢髪色情報および全頭領域の髪色情報)を選定する。選定結果を出力手段の1つである表示部56に出力する。頭髪の質感印象種別情報、光沢髪色情報、および全頭領域の髪色情報の一部として、1つ(この場合は、頭髪の質感印象種別情報)を指定した場合は、選定結果として残りの2つ(この場合は、光沢髪色情報および全頭領域の髪色情報)が出力される。出力される残りの2つの組合せが複数ある場合は、ユーザが何れかの組合せを選択可能な選択手段(選択部(図示しない))を設ける。選択部は、携帯端末50に備えられたキーボード(タッチキーボードを含む)、ポインティングデバイスなどの入力装置が相当する。
<使用例2>
光沢髪色項目を指定し、指定した光沢髪色項目の場合、人に与える質感印象項目を選定する。
例えば、ユーザが「Cyan」の光沢髪色項目を用いている、または用いたため、所定の入力装置を用いて、光沢髪色項目として「Cyan」を指定する。印象支援装置50は、記憶している相関情報に基づきCyanと高い相関のある質感印象項目(例えば、「ハリのある」)を選定し、選定結果を表示部56に表示する。また、ユーザが光沢髪色項目と合わせて全頭領域の髪色項目を指定すると、両方の項目と高い相関にある質感印象項目を選定し、選定結果を表示部56に表示する。なお、上述したように、光沢髪色項目によっては、全頭領域の髪色項目と光沢髪色項目との組合せで、相関関係が大きく異なるものがあるため、予め、全頭領域の髪色項目も指定することが好ましい。
このようにすることで、ユーザは自身の好みの光沢髪色項目を施したヘアカラーは他人にどのような質感印象を与えているか把握することが可能となる。
上述したように、例えば、ユーザが光沢髪色項目(光沢髪色情報)と全頭領域の髪色項目(全頭領域の髪色情報)を指定したことにより、両方と高い相関にある質感印象項目(質感印象種別情報)を選定し出力する場合は、記憶部51に、頭髪の質感印象種別情報と、髪色変更部位である光沢領域の髪色を示す光沢髪色情報と、全頭領域の髪色情報との相関関係を示す相関情報を記憶しておく。ユーザは、指定部52により頭髪の質感印象種別情報、光沢髪色情報、および全頭領域の髪色情報の一部として、光沢髪色情報および全頭領域の髪色情報を指定する。選定部53は相関情報と指定部52により指定された一部(この場合は、光沢髪色情報および全頭領域の髪色情報)とは異なる頭髪の質感印象種別情報、光沢髪色情報、および全頭領域の髪色情報(この場合は、頭髪の質感印象種別情報)を選定する。選定結果を出力手段の1つである表示部56に出力する。
上述した印象支援装置50に記憶される相関情報は、相関関係の高い相関情報、例えば、所定の基準以上の得点だった相関情報のみ記憶部51に記憶してもよいし、得点に関わらず、算出した相関情報を全て記憶してもよい。前者の場合、ユーザが希望する質感印象項目に適合する全頭領域の髪色項目や光沢髪色項目、または、全頭領域の髪色項目や光沢髪色項目に適合する質感印象項目を選定する場合、低い相関情報に基づいた結果を選定することはないため、用いられる可能性の低い相関情報を記憶しておかなくてすむ。
上述した印象支援装置50は、指定した項目に対し、高い相関関係の項目がなかった場合、もしくは、所定の基準以上の得点だった項目がなかった場合、選定結果として「該当項目なし」を選定してもよい。このようにすることで、ユーザが自由に項目を指定しても、適切な結果を選定することが可能となる。
上述した印象支援装置50は、複数の質感印象項目を指定し、高い相関の光沢髪色項目を選定することも可能である。例えば、相関情報として、図8(b)を用いる場合、質感印象項目として、「まとまり・透明感」と「軽やかさ」を指定した場合、「Red」、「Orange」は、「まとまり・透明感」については相関関係が低いが「軽やかさ」については相関関係が高く、「Yellow」、「Green」、「Cyan」、「Blue」、および「Violet」は、「まとまり・透明感」、「軽やかさ」何れについても相関関係が低い。したがって、指定した質感印象項目の両方を満たす光沢髪色項目はないため、「該当項目なし」を選定してもよい。また、例えば、指定した項目の「軽やかさ」だけであれば、光沢髪色項目として「Red」、「Orange」が選定される旨を選定結果として表示してもよい。また、予め、成立しない質感印象項目(例えば、図8(b)の場合、「まとまり・透明感」と「軽やかさ」)を同時に指定できないようにしてもよい。すなわち、予め、相反する質感印象項目を同時に指定できないようにすることで、ユーザの利便性を高めることができる。
図10に、携帯端末50が備える表示部56の表示イメージの一例を示す。
図10(1)は、表示部56に、取得部54で取得したユーザの顔画像を表示している。当該顔画像は、携帯端末50が備えるカメラ(取得部54)を用いて撮影したものでもよいし、他の装置で撮影された顔画像を取得部54で取得したものでもよい。ここで、ユーザの顔画像の下に表示されている「ベースカラー 黒」は、全頭領域の髪色項目が黒色であることを示しており、「ツヤ色 無」は、光沢領域の髪色を変更していない状態、すなわち、全頭領域の髪色項目の髪色であることを示している。「ベースカラー 黒」および「ツヤ色 無」は、ユーザが指定(申告)してもよいし、ユーザの顔画像から算出部55によって、算出した全頭領域の髪色を指定してもよい。そして、与えたい質感印象項目として例えば、「光沢感のある」を指定すると(図示しない)、表示部56は図10(2)のように選定結果が表示される。図10(2)のユーザの顔画像の下に表示されている「ベースカラー 黒」および「ツヤ色 Orange」は選定された全頭領域の髪色項目と光沢髪色項目を選定結果として表示している。また、ユーザの顔画像に選定された「ベースカラー 黒」および「ツヤ色 Orange」を入れた画像を表示部56に表示している。
このように、ユーザの現状の全頭領域の髪色項目と与えたい質感印象項目に適合する光沢髪色項目をユーザが把握することが可能となり、また、光沢髪色項目の髪色を光沢領域に入れた状態のシミュレーション画像を表示するため、ユーザがイメージしやすくなる。
図10(3)は、表示部56に、取得部54で取得したユーザの顔画像を表示している。当該顔画像は、携帯端末50が備えるカメラ(取得部54)を用いて撮影したものでもよいし、他の装置で撮影された画像を取得部54で取得したものでもよい。ここでユーザの顔画像の下に表示されている「ベースカラー 7T」は全頭領域の髪色項目が7Tであることを示しており、「ツヤ色 Cyan」は光沢領域の髪色がCyanであることを示している。「ベースカラー 7T」および「ツヤ色 Cyan」は、ユーザが指定(申告)してもよいし、ユーザの顔画像から算出部55によって、算出した全頭領域の髪色を指定してもよい。そして、「印象 パサついた」は、「ベースカラー 7T」および「ツヤ色 Cyan」を指定したことにより選定される質感印象項目である。すなわち、図10(3)のユーザの顔画像は、パサついた質感印象を与える。そして、与えたい質感印象項目として例えば、「なめらかな」を指定すると(図示しない)、表示部56は図10(4)のように選定結果が表示される。図10(4)のユーザの顔画像の下に表示されている「ベースカラー 黒」および「ツヤ色 Red」は選定された全頭領域の髪色項目と光沢髪色項目を選定結果として表示している。また、ユーザの顔画像に選定された「ベースカラー 黒」および「ツヤ色 Red」を入れた画像を表示部56に表示している。
このように、ユーザの現状の全頭領域の髪色項目と与えたい質感印象項目に適合する光沢髪色項目をユーザが把握することが可能となり、また、光沢髪色項目の髪色を光沢領域に入れた状態のシミュレーション画像を表示するため、ユーザがイメージしやすくなる。
<アプリケーションプログラム>
携帯端末50には、上述した印象変更支援方法を携帯端末50に実行させるためのアプリケーションプログラム(以下、本プログラムともいう)がインストールされている。本実施形態では、アプリケーションプログラムは、印象変更支援方法を実行するアプリケーションソフトウェアである。
本プログラムには、指定処理と選定処理が含まれている。
指定処理は、質感印象種別情報または光沢髪色情報の一方(質感印象種別情報、光沢髪色情報の何れか)を指定する処理である。ユーザが携帯端末50に備えられた入力装置を用いて指定した内容を受け付ける処理である。
選定処理は、携帯端末50に記憶されている質感印象種別情報と、光沢髪色情報と、についての相関関係を示す相関情報と指定処理により指定された項目に基づき、他方(指定処理で指定されなかった質感印象種別情報、光沢髪色情報の何れか)を選定する処理である。
また、本プログラムには、取得処理、算出処理、表示処理をさらに備えていることが好ましい。
取得処理は、人の顔画像(頭髪を含むユーザの顔画像)を取得する処理である。所定の媒体から取得する、ネットワーク経由で取得する、撮影装置から取得するなど画像の取得元は問わない。
算出処理は、取得した顔画像を画像解析し、全頭領域の髪色または光沢髪色項目を算出する処理である。
表示処理は、携帯端末50が備える表示装置に、取得した顔画像を表示させたり、指定処理が受け付けた項目や選定処理が選定した結果を表示させる処理である。
本プログラムは、上述した使用例で示した髪色情報の選定を携帯端末50に実行させるためのプログラムが含まれるものとする。したがって、以下のアプリケーションプログラムでもよい。
例えば、携帯端末50に質感印象種別情報と、光沢髪色情報と、全頭領域の髪色情報との相関関係を示す相関情報が記憶されている。指定処理は、質感印象種別情報、光沢髪色情報、および全頭領域の髪色情報のうちの1つ(例えば、質感印象種別情報)を指定する。選定処理は、携帯端末50に記憶されている相関情報と指定処理により指定された1つとに基づき残りの2つ(例えば、光沢髪色情報および全頭領域の髪色情報)の組合せを選定する。
また例えば、携帯端末50に質感印象種別情報と、光沢髪色情報と、全頭領域の髪色情報との相関関係を示す相関情報が記憶されている。指定処理は、質感印象種別情報、光沢髪色情報、および全頭領域の髪色情報のうちの2つ(例えば、質感印象種別情報および全頭領域の髪色情報)を指定する。選定処理は、携帯端末50に記憶されている相関情報と指定処理により指定された2つとに基づき残りの1つ(例えば、光沢髪色情報)を選定する。
また、携帯端末50に複数の相関情報を記憶し、何れの相関情報を用いるか、質感印象種別情報、光沢髪色情報、および全頭領域の髪色情報の何れの情報を指定し、何れの情報を選定するかを選択する処理をアプリケーションプログラムに含めるようにしてもよい。
<頭髪の質感評価方法>
頭髪の質感評価方法は、上述した質感印象種別情報、全頭領域の髪色情報、光沢髪色情報との相関情報を用いた頭髪の見た目の質感の評価方法である。
「頭髪の質感印象種別情報」、「髪色変更部位である光沢領域の髪色を示す光沢髪色情報」、「頭髪の全頭領域の髪色情報」、および「相関関係を示す相関情報」は、上述した通りである。
「頭髪を含む人の頭部画像」は、頭髪の質感評価を行うために撮像した人の頭部画像だけでなく、画像編集ソフトウェアで加工した人の頭部画像も含まれる。「頭部画像」とは、人の顔を含むいわゆる正面からの画像、人の顔を含まないいわゆる後ろ向き(頭髪のみ)の画像、および人の顔の一部を含むいわゆる横顔を含む画像の何れでもよい。「頭髪を含む人の頭部画像を取得する取得工程」は、頭部画像を取得する工程であり、回線を用いた取得、所定の媒体からの取得など、取得方法は問わない。
「取得工程によって取得した頭部画像を画像解析し、前記光沢髪色項目と前記全頭領域の髪色項目を算出する算出工程」は、取得した顔画像を画像解析し、光沢領域を特定し、光沢領域の髪色および全頭領域の髪色を算出する工程である。頭部画像の各画素の輝度値に基づき、光沢領域を算出してもよいし、操作者が顔画像に対し光沢領域を指定することにより光沢領域を算出してもよい。光沢領域および全頭領域の髪色は、カラーコードを抽出するソフトウェアを用いて算出する、予め準備した教示データと比較して算出するなど、算出方法は問わない。
そして、上述した相関情報、および、算出工程による算出結果に基づき、質感印象項目を選定し、選定結果に基づき頭髪の質感印象を評価する。評価結果は、表示装置に表示してもよいし、印刷してもよい。このように、質感印象項目、全頭領域の髪色項目、光沢髪色項目との相関情報を用いることで、頭髪の見た目の質感を評価することが可能となる。
<頭髪画像の編集方法>
頭髪画像の編集方法は、上述した質感印象種別情報、全頭領域の髪色情報、光沢髪色情報との相関情報を用いて、所定の質感を与えることが可能となる頭髪画像の編集方法である。
「頭髪の質感印象種別情報」、「髪色変更部位である光沢領域の髪色を示す光沢髪色情報」、「頭髪の全頭領域の髪色情報」、および「相関関係を示す相関情報」は、上述した通りである。
「頭髪を含む人の頭部画像」は、頭髪の質感評価を行うために撮像した人の頭部画像だけでなく、画像編集ソフトウェアで加工した人の頭部画像も含まれる。また、人(ユーザ)の頭部画像に基づいて作成されたキャラクター画像(いわゆる、アバター画像)の頭部画像や人を摸して創作されたキャラクター(イラスト)の頭部画像も含まれる。
「頭部画像」とは、人の顔を含むいわゆる正面からの画像、人の顔を含まないいわゆる後ろ向き(頭髪のみ)の画像、および人の顔の一部を含むいわゆる横顔を含む画像の何れでもよい。「頭髪を含む人の頭部画像を取得する取得工程」は、頭部画像を取得する工程であり、回線を用いた取得、所定の媒体からの取得など、取得方法は問わない。
「取得工程によって取得した頭部画像を画像解析し、前記光沢髪色情報と前記全頭領域の髪色情報を算出する算出工程」は、取得した頭部画像を画像解析し、光沢領域を特定し、光沢領域の髪色および全頭領域の髪色を算出する工程である。頭部画像の各画素の輝度値に基づき、光沢領域を算出してもよいし、操作者が頭部画像に対し光沢領域を指定することにより光沢領域を算出してもよい。光沢領域および全頭領域の髪色は、カラーコードを抽出するソフトウェアを用いて算出する、予め準備した教示データと比較して算出するなど、算出方法は問わない。
「質感印象種別情報を指定する指定工程」は、与えたい質感印象を指定する工程である。指定する質感印象種別情報は1つでも複数でもよい。複数の場合は、上述したように、予め、相反する質感印象種別情報を同時に指定できないようにすることが好ましい。
「選定工程」では、上述した相関情報、および、指定した質感印象種別情報に基づき、相関関係の高い光沢髪色情報および/または全頭領域の髪色情報を選定する。選定内容は、上述した「印象変更支援方法」に記載した内容と同様である。
そして、選定工程による選定結果に基づき、取得した顔画像に画像編集ソフトウェアを用いて色を付加することで、与えたい質感印象の画像を作成することが可能となる。したがって撮影した画像を、与えたい質感印象の画像に編集できるため、例えば、記念写真、宣材写真などを与えたい質感印象の写真に編集することが可能となる。また、オンライン会議や宣材動画などの特定の人物を与えたい質感印象に編集することが可能となる。加えて、実際の髪色を変更することなく与えたい質感印象の写真、動画像を作成することが可能となる。また、人を摸して創作したキャラクター画像、キャラクターのイラスト、またはキャラクターによるアニメーション画像についても、質感印象種別情報、全頭領域の髪色情報、光沢髪色情報の相関関係は人の場合と同様の関係があるため、これらのキャラクター画像についても与えたい質感印象で編集(作成)することが可能となる。このようにすることで、例えば、ゲームや映画のキャラクターに対し、与えたい質感印象を付加して提供可能となる。
<光沢領域変更画像の作成方法>
光沢領域変更画像の作成方法は、上述した質感印象種別情報、全頭領域の髪色情報、光沢髪色情報との相関情報を用いて、所定の質感を与えることが可能となる光沢領域変更画像の作成方法である。
「頭髪の質感印象種別情報」、「髪色変更部位である光沢領域の髪色を示す光沢髪色情報」、「頭髪の全頭領域の髪色情報」、および「相関関係を示す相関情報」は、上述した通りである。
「全頭領域の頭髪画像を取得する工程」は、全頭領域の頭髪画像を取得する工程であり、回線を用いた取得、所定媒体からの取得など、取得方法は問わない。
「取得した頭髪画像を解析し、前記光沢領域を抽出する抽出工程」は、取得した頭髪画像を画像解析し、光沢領域を特定し、光沢領域の髪色および全頭領域の髪色を算出する工程である。頭髪画像の各画素の輝度値に基づき、光沢領域を算出してもよいし、操作者が頭髪画像に対し光沢領域を指定することにより光沢領域を算出してもよい。
「抽出結果に基づき、前記頭髪画像から前記光沢領域を切出した部分頭髪画像を作成する作成工程」とは、光沢領域を切出した、部分頭髪画像を作成する。例えば、いわゆる天使の輪を切出した画像が「部分頭髪画像」に相当する。
「前記質感印象種別情報および前記全頭領域の髪色情報を指定する指定工程」は、与えたい質感印象と、全頭領域の髪色をユーザが指定する。
「前記指定工程の指定結果および前記相関情報に基づき前記光沢髪色情報を選定する選定工程」は、指定した質感印象種別情報および全頭領域の髪色情報と、高い相関の光沢髪色情報を選定する。選定内容は、上述した「印象変更支援方法」に記載した内容と同様である。
「前記選定された前記光沢髪色情報を用いて前記光沢領域の髪色が変更された前記部分頭髪画像を用い光沢領域変更画像を作成する画像作成工程」は、選定工程による選定結果に基づき、作成した部分頭髪画像に画像編集ソフトウェアを用いて色を付加することで、与えたい質感印象の光沢領域変更画像を作成することが可能となる。
なお、頭髪画像から光沢領域を切抜いた画像(例えば、図2(a)の(3)の画像)を、部分頭髪画像に替えて作成してもよい。選定工程による選定結果に基づき、作成した光沢領域を切抜いた画像に画像編集ソフトウェアを用いて色を付加することで、与えたい質感印象の光沢領域変更画像を作成することが可能となる。
<画像セット>
画像セットは、上述した質感印象種別情報、全頭領域の髪色情報、光沢髪色情報との相関情報を算出する際に行った実験で用いた頭髪画像の画像セットである。画像セットは第一レイヤー、第二レイヤー、および、第三レイヤーを備える。
「第一レイヤー」とは、全頭領域の頭髪画像で構成されたレイヤーであり、例えば、図2(a)の(1)が相当する。
「第二レイヤー」とは、透過色で構成されたレイヤーである、有彩色の透過色および無彩色の透過色であり、例えば、図2(a)の(2)が相当する。
「第三レイヤー」とは、頭髪画像から光沢領域が切り抜かれた切抜頭髪画像で構成されたレイヤーであり、例えば、図2(a)の(3)が相当する。
「光沢領域変更画像」とは、第一レイヤー、第二レイヤー、第三レイヤーの順に積層された画像であり、例えば、図2(c)が相当する。
「画像セット」とは、この光沢領域変更画像を複数含んだもののことである。
ここで、第二レイヤーは、互いに色相が異なる複数の透過色でそれぞれ構成された複数のパターンを含んでいる。これは、例えば、図3で説明した所定の不透明度(例えば、1~8%)のレイヤーを有彩色画像または無彩色画像に重ねることで作成したものであり、重ね合わせる画像(例えば、Violet、Blue、Cyan、Green、Yellow、Orange、Redの有彩色画像が相当)の色相が異なることで、互いに色相が異なる複数の透過色でそれぞれ構成された複数のパターンを作成し、複数の光沢領域変更画像における第二レイヤーの透過色の色相が互いに異なるようになる。
このように、第二レイヤーを変更することで、頭髪画像の光沢領域の髪色が異なる複数の光沢領域変更画像を含んだ画像セットを作成できるため、例えば、本実施形態における相関情報を算出する実験に用いる頭髪画像を効率よく準備できる。
なお、レイヤー数は3つに限られず、例えば、第一レイヤーと第二レイヤーとの2つのレイヤーを用いる場合や、第一レイヤー、第二レイヤー、および第三レイヤーの他にレイヤーを追加して4つ以上のレイヤーとしてもよく、2つ以上のレイヤーがあれば、レイヤーの数に制限はない。
第一レイヤーと第二レイヤーとの2つのレイヤーを用いる場合は、例えば、全頭領域の頭髪画像で構成された第一レイヤーと、透過色で構成された第二レイヤーとを少なくとも備える。第一レイヤーは、例えば、図2(a)の(1)が相当し、第二レイヤーは、例えば、図2(a)の(2)を光沢領域(の形)に切り出した画像が相当する。そして、第一レイヤー(全頭領域の頭髪画像)に第二レイヤー(透過色で構成され、光沢領域に切り出したレイヤー)を重ね、重ねる第二レイヤーを変更することで、頭髪画像の光沢領域の髪色が異なる複数の光沢領域変更画像を含んだ画像セットを作成できる。
第一レイヤー、第二レイヤー、第三レイヤーに加えて、もう1つレイヤーを追加し、4つのレイヤーを用いる場合は、第二レイヤーに加え、第二レイヤーの例えば、明度を異ならせるためのレイヤーを追加し、追加するレイヤーの明度を異ならせることで、頭髪画像の光沢領域の髪色(明度)が異なる複数の光沢領域変更画像を含んだ画像セットを作成できる。
また、本実施形態の第二レイヤーのように互いに色相が異なるだけでなく、互いに明度が異なる、互いに彩度が異なる、光沢領域内の明度が異なる位置が互いに異なる、光沢領域内の彩度が異なる位置が互いに異なる、例えば、パール顔料を塗布した際の粒子感を表現する空間周波数調整レイヤーのように互いに空間分布が異なるなどでもよい。このような第二レイヤーを含めることで、複数の光沢領域変更画像における第二レイヤーの透過色の色相、彩度、明度、光沢領域内の粒子感が互いに異なる画像セットを作成できる。
<変形例>
本実施形態では、図4に示した相関関係を求める実験1において、光沢領域の髪色を無彩色で作成した頭髪画像と(図4の左側画像)光沢領域の髪色を所定の有彩色(例えば、Red)で作成した頭髪画像(図4の右側画像)とを比較し、所定の印象語(例えば、柔らかい)は、左側画像の方があてはまるか、右側画像の方があてはまるかを被験者に回答してもらった。このような実験1を行うことにより、微細な色の差異による質感・印象の違いを評価することができる。しかし、図4に示した相関関係を求める実験はこれに限らず、例えば、図11に示すように、表示装置に1つの頭髪画像を表示し、頭髪画像の下方に所定の印象語(例えば、柔らかい)を表示し、被験者は表示されている頭髪画像をみて、表示された印象語があてはまらないと感じたらスケールの一番左を指定し、スケールの右側へ進むほど表示された印象語に当てはまると感じた場合に指定するようにする。スケールは、一番左側から-4、-3、-2、-1、0、1、2、3、4と得点を設け、複数の被験者の平均点を求めるようにしてもよい。図4のように、光沢領域の髪色を無彩色で作成した頭髪画像と比較する場合は、光沢領域の髪色を所定の有彩色で作成した頭髪画像と比較する光沢領域の髪色を無彩色で作成した頭髪画像は、同じ全頭領域の髪色項目で作成したものであるため(例えば、光沢領域の髪色を所定の有彩色で作成した頭髪画像の全頭領域の髪色項目:7Tの場合は、光沢領域の髪色を無彩色で作成した頭髪画像の全頭領域の髪色項目も7Tとする)、全頭領域の髪色項目に応じて、比較する頭髪画像が異なる。これに対し、図11の方法では、頭髪画像に対し印象語が当てはまるか否か(どの程度あてはまるか)を被験者が評価するため、絶対的な評価を行うことが可能となる。さらに、全頭領域の髪色項目が何れの場合でも、頭髪画像に対する評価条件が同じになるため、比較対象に影響されず、頭髪を見たときの質感・印象を評価することができる。
なお、光沢髪色項目の異なる頭髪画像はランダムに表示することが好ましい。ランダムに表示する方が、表示された頭髪画像に対する被験者の質感印象が正確な値となる可能性が高いからである。また、得点はスケールの一番左から0、1、2、3、4、5、6、7、8(9段階)でもよい。また、頭髪画像には、光沢髪色項目が「無彩色」を含ませることが好ましい。
本実施形態では、全頭領域の髪色項目は、2種類の色相(7Tと黒色)としたがこれに限らない。例えば、頭髪の全頭領域の髪色が基準色(例えば、黒色)から所定の色差内であれば、全頭領域の髪色項目としては黒色としてもよい。被験者によって全頭領域の髪色が黒色といっても例えば、明度や彩度の違いによる色差があるため、同一の色相であっても色差の異なるものを全頭領域の髪色項目としては同一項目とする方が、実際の髪色に近い相関情報として用いることが可能となる。
本実施形態では、全頭領域の髪色項目は、茶系の7Tと黒色の2種類としたがこれに限らない。例えば、赤系の7Tや緑系の7Tなどを全頭領域の髪色項目に含めてもよい。赤系の7Tとは、茶系の7Tに比べて色相を茶色の範囲内で赤色に近づけた色であり、緑系の7Tとは、茶系の7Tに比べて色相を茶色の範囲内で緑色に近づけた色である。この場合、全頭領域の髪色項目を赤系の7Tや緑系の7Tとした頭髪画像を作成し、同様の実験を行い、頭髪の質感印象項目と、髪色変更部位である光沢領域の髪色を示す光沢髪色項目と、全頭領域の髪色項目との相関関係を算出すればよい。
本実施形態では、光沢髪色項目として、Violet、Blue、Cyan、Green、Yellow、Orange、Redの7種類の有彩色、および、無彩色の8項目としたがこれに限らない。例えば、寒色系、暖色系のように所定の概念で髪色を分類した項目でもよい。また、光沢領域項目には、色相の違いだけでなく、明度および彩度の違いを含めてもよい。例えば、同一色相のRedに対し、明度の違いを設けてもよい。また、同一色相の光沢領域に対し、例えば、上方から下方に進むにつれて彩度を異ならせる(彩度の高い位置の設ける位置を異ならせる)情報を含めてもよい。さらに、光沢髪色項目にパール顔料のような粒子の有無や割合に関する情報を含めるようにしてもよい。
本実施形態では、所定の質感印象項目を指定したことにより選定される光沢髪色項目は相関関係が第一基準値以上とし、複数の質感印象項目を指定したことにより選定される光沢髪色項目は相関関係が第二基準値以上とした。すなわち、質感印象項目を1つ指定した場合と複数指定した場合とで基準値を異ならせたが、同じでもよい。選定目的などを考慮し、基準値を設定すればよい。
本実施形態では、質感印象項目を複数指定した場合、指定した質感印象項目全てについて相関関係が第二基準値以上である光沢髪色項目を選定するようにしたがこれに限らない。例えば、指定した質感印象項目と光沢髪色項目毎の得点(相関の強さを表す得点)の合計により選定してもよい。この場合、例えば、図5(a)に示す、質感印象項目に対する光沢髪色項目の得点をそのまま加算してもよいが、例えば、得点を二乗した値の合計得点(ただし、負の得点の場合、二乗した値を引くこととする)を基準に選定するようにしてもよい。このようにしても、複数の質感印象項目を高められる光沢髪色項目を知りたいユーザの要求に対応できる。
本実施形態では、選定(抽出)される項目は、高い相関関係である1項目としていたがこれに限らない。所定の基準点以上の項目が複数選定(抽出)された場合は、複数選定(抽出)してもよい。この場合、得点順位を合わせて選定(抽出)してもよい。
本実施形態では、質感印象は、頭髪1本に対するもの、複数本に対するもの(頭髪全体に対するもの)としたが、これに限らない。頭髪に加え、顔つき画像から感じる印象を質感印象に含めてもよい。このようにすることで、頭髪に近い場所にある顔つきは、頭髪の質感印象に影響する可能性が高いため、顔つきの画像から感じる印象を質感印象に含めることで、さらに人が感じる頭髪の質感印象を正確に把握することが可能となる。
頭髪の質感印象項目、光沢髪色項目、全頭領域の髪色項目の選定にあたり、相関情報としてクラスター分析によるカテゴリー分類結果を用いてもよい。例えば、図5の実験で得られたスケールの得点の被験者30人の平均値を用いて、カテゴリー分類し(例えば、光沢領域項目:Redは、質感印象項目:「ツヤのある」を高めるグループ、光沢領域項目:Blueは、質感印象項目:「しっとりとした」を高めるグループに分類)、分類結果を用いて、質感印象項目または光沢髪色項目の一方の項目を指定することにより、他方の項目を抽出する。このようにカテゴリー分類結果を用いても、質感印象項目から光沢髪色項目を、または、光沢髪色項目から質感印象項目を客観的に選定することができる。
頭髪の質感印象項目、光沢髪色項目、全頭領域の髪色項目の選定にあたり、相関情報として学習済みモデルを用いてもよい。例えば、異なる光沢髪色項目、異なる全頭領域の髪色の頭髪画像に対し、各頭髪画像が与える質感印象項目を予め官能評価により取得し、この取得結果のデータを教師データとして機械学習させた学習済みモデルを用いてもよい。学習済みモデルを用いた場合でも、質感印象項目または光沢髪色項目の一方の項目を指定することにより、他方の項目を抽出できるため、質感印象項目から光沢髪色項目を、または、光沢髪色項目から質感印象項目を客観的に選定することができる。なお、この場合の光沢髪色項目、全頭領域の髪色頭髪画像、および質感印象項目は、本実施形態で例示した項目と同一でもよいし、異なっていてもよい。
人の頭髪は、例えば、太さの違い、断面形状の違い、キューティクル構造の違い、色の違いなどが、ユーザの属性(性別、年齢、頭髪の色、生活環境、人種など)により頭髪自体の質感が異なるため、ユーザの属性により与えたい質感印象(質感印象項目)が異なることも考えられる。相関関係を求める際に採用する印象語(質感印象項目)、被験者の属性、使用する頭髪画像、機械学習させる際の教師データなどは、ユーザを考慮して決定することが好ましい。なお、本実施形態と異なる印象語(質感印象項目)、被験者の属性、使用する頭髪画像、機械学習させる際の教師データなどを用いたとしても、採用した質感印象項目から光沢髪色項目を、または、光沢髪色項目から質感印象項目を客観的に選定することができる。また、予め、属性A用(例えば、ベースの髪色が黒)、および、属性B用(例えば、ベースの髪色がブロンド)それぞれの質感印象項目、光沢髪色項目、全頭領域の髪色項目、との相関関係を示す相関情報を準備し、属性を選択し、選択した属性によって用いる相関情報を選択できるようにしてもよい。このようにすることで、ユーザの属性による頭髪自体の質感の違いを考慮して、項目の一部について指定することより、指定した項目とは異なる項目を選定することで、ユーザの属性にあった項目を選定することが可能となる。
本実施形態では、選定結果を出力手段である表示部56に表示するようにしたが、これに限らない。例えば、選定結果を紙媒体に出力するようにしてもよく、この場合の出力手段は紙媒体および紙媒体に印刷するプリンターが相当する。
<実験2>
変形例に記載した図11に示す方法で相関関係を求める実験方法および実験結果について説明する。
図11に示すモニタには、1つの頭髪画像が表示され、頭髪画像の下方には被験者に対して評価項目である印象語と、スケールを表示し、被験者は表示されている頭髪画像を見て、表示された印象語があてはまらないと感じたらスケールの一番左を指定し、スケールの右側へ進むほど表示された印象語に当てはまると感じた場合に指定するようにした。スケールは、9段階とし、一番左側から例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9と得点を設け、複数の被験者の平均点を求めるようにした。
実験2で用いる印象語は、実験1と同様の表1に示す印象語とした。なお、印象語は、本実施形態における「頭髪の質感印象種別情報」である。図11に示すモニタには、表1に示した印象語を1つずつ表示した。
ここで、実験2でモニタに表示される頭髪画像について説明する。
実験2では、全頭領域の髪色項目は、黒、7T、赤系の7トーン(赤系の7Tと記載することもある)、緑系の7トーン(緑系の7Tと記載することもある)の4種類とした。赤系の7Tは、7Tと同じ明度Lにおけるa色平面において、色相(h=tan-1(b/a))を正の方向に回転し、彩度(C={(a+(b0.5)を正の方向に移動させた色であり、緑系の7Tは、7Tと同じ明度におけるa色平面において、色相を負の方向に回転し、彩度を正の方向に移動させた色である。なお、7T、赤系の7T、緑系の7Tは、明度は全て同じであり、彩度は赤系の7Tおよび緑系の7Tが同じであり、色相は全て異なるものとした。図12に、全頭領域が黒色(図12(a))、茶色の7T(図12(b))、赤系の7T(図12(c))、緑系の7T(図12(d))の4つの画像を示す。図12に示した全頭領域の画像の作成方法は、図1と同様である。この4種類の全頭領域の画像に対し、図2に示した髪色変更部位である光沢領域の髪色が異なる画像を作成する方法および図3に示した光沢領域の色相を示したレイヤー画像に基づき、各全頭領域の画像に対し、8種類(Violet、Blue、Cyan、Green、Yellow、Orange、Redの7種類の有彩色、および、Grayの無彩色)ずつ、計32種類の頭髪画像(刺激画像)を作成した。
実験2では、20~30代日本人女性54名の被験者に対して実験を行った。各被験者は、図11のモニタに表示される頭髪画像に対し、表示された印象語はスケールのどのあたりであると感じたかを指定した。なお、光沢髪色項目の異なる頭髪画像はランダムに表示されることが好ましい。
頭髪画像ごとに被験者の回答の平均値を求め、この平均値を用いて因子分析を行った。実験2では、実験に用いた頭髪画像全てに対して一括で設定した共通の因子構造を用いて因子分析を行った。
図13-1、図13-2は、被験者の回答結果を全頭領域の髪色項目ごとに示したものである。図13-1(a)は全頭領域が黒色の頭髪画像の結果であり、図13-1(b)は全頭領域が7Tの頭髪画像の結果であり、図13-2(a)は全頭領域が赤系の7Tの頭髪画像の結果であり、図13-2(b)は全頭領域が緑系の7Tの頭髪画像の結果である。それぞれの横軸は印象語を示し、縦軸は被験者54人のスケール得点の平均値である。縦軸の上に行くほど平均点が高いため、該当の印象語があてはまると回答した被験者が多いことを示し、縦軸の下に行くほど平均点が低いため、該当の印象語があてはまらないと回答した被験者が多いことを示す。
図14-1、図14-2は、被験者の回答結果について、各被験者の光沢領域の髪色が無彩色(Gray)の得点と光沢領域の髪色が有彩色の得点との差を有彩色ごとに求め、当該差の有彩色ごとの平均値を全頭領域の色ごとに示したものである。図14-1(a)は全頭領域が黒色の頭髪画像の無彩色との比較結果であり、図14-1(b)は全頭領域が7Tの頭髪画像の無彩色との比較結果であり、図14-2(a)は全頭領域が赤系の7Tの頭髪画像の無彩色との比較結果であり、図14-2(b)は全頭領域が緑系の7Tの頭髪画像の無彩色との比較結果である。縦軸は被験者54人の無彩色と有彩色との得点差の平均値である。縦軸の上に行くほど(正値ほど)光沢領域の髪色が有彩色の方が当該の印象語にあてはまることを示し、縦軸の値が0の場合は、光沢領域の髪色が無彩色でも有彩色でも当該の印象語にあてはまるか否かは変わらなく、縦軸の下に行くほど(負値ほど)、光沢領域の髪色が無彩色の方が当該の印象語にあてはまることを示している。
図13-1および図13-2より、質感印象項目、光沢髪色項目、および、全頭領域の髪色項目との間には、例えば、以下の相関関係があることが分かった。
同一の光沢髪色項目の場合でも全頭領域の髪色によって、与える質感印象は異なった。例えば、光沢髪色項目がVioletの場合、全頭領域の髪色が黒色の場合は、全頭領域の髪色が7T、赤系の7Tおよび緑系の7Tの場合よりも質感印象項目:重みのある、の相関が高かった。また、例えば、光沢髪色項目がVioletの場合、全頭領域の髪色が7Tの場合に質感印象項目:柔らかい、の相関が高かった。また、例えば、光沢髪色項目がGreenの場合、全頭領域の髪色が黒色の場合は、全頭領域の髪色が7T、赤系の7Tおよび緑系の7Tの場合よりも質感印象項目:サラサラとした、の相関が低かった。また、例えば、光沢髪色項目がCyanの場合、全頭領域の髪色が黒色の場合および緑系の7Tの場合よりも7Tおよび赤系の7Tの場合の方が質感印象項目:柔らかい、の相関が高かった。
このように、同一の光沢髪色項目の場合でも、全頭領域の髪色によって与える質感印象は異なり、また、同一の光沢髪色項目の場合でも、質感印象項目の種類によって全頭領域の髪色との相関関係が異なることが分かった。また、同一の質感印象項目の場合でも、光沢髪色項目によって全頭領域の髪色との相関関係が異なることが分かった。
図14-1および図14-2より、質感印象項目、光沢髪色項目、および、全頭領域の髪色項目との間には、例えば、以下の相関関係があることが分かった。
全体的に、全頭領域の髪色が黒色の場合は、全頭領域の髪色が7T、赤系の7Tおよび緑系の7Tの場合より、無彩色(Gray)との差が大きく、特に、光沢髪色項目がGreenおよびCyanは無彩色との差が大きかった。また、全頭領域の髪色が黒色、7Tおよび緑系の7Tの場合は、光沢髪色項目がGreenの場合、質感印象項目:傷んだ、は無彩色との差が大きかった。また、全頭領域の髪色が黒色の場合は、光沢髪色項目がRedの場合、無彩色との差が正値または0に近い質感印象項目が多かった。また、全頭領域の髪色が7Tの場合は、光沢髪色項目がGreenの場合、無彩色との差が負値の質感印象項目が多かった。また、全頭領域の髪色が赤系の7Tの場合は、光沢髪色項目がOrangeの場合、無彩色との差が正値または0に近い質感印象項目が多かった。また、全頭領域の髪色が緑系の7Tの場合は、光沢髪色項目がBlueの場合、無彩色との差が0に近い質感印象項目が多かった。
このように、全頭領域の髪色項目によっては光沢髪色項目に所定の有彩色を設定することにより、光沢髪色項目に無彩色を設定したときよりも、所定の質感印象を与えることになる場合があることが分かった。また、全頭領域の髪色項目によっては光沢髪色項目に所定の有彩色を設定することにより、光沢髪色項目に無彩色を設定したときよりも所定の質感印象を与えられない(光沢髪色項目に無彩色を設定した方が所定の質感印象を与えられる)場合があることが分かった。したがって、所定の質感印象を与えるために光沢髪色項目に有彩色を設定する場合は、全頭領域の髪色項目と光沢髪色項目とを適切な関係とする必要があるといえる。
なお、上記した図13-1、図13-2、図14-1および図14-2に関する内容は、一例であり、図13-1、図13-2、図14-1および図14-2から読み取れる相関関係は他にもあり、質感印象項目と、光沢髪色項目と、全頭領域の髪色項目との他の相関関係を含めて示し、読み取れる相関関係のうち何れの相関関係を用いるかは、目的に応じて取捨選択すればよい。
次に、図13-1および図13-2の結果に基づき因子分析を行い、表1に示した印象語(23語)を意味の近い印象語でまとめた結果を図15に示す。
実験1では、全頭領域の髪色項目ごとに因子分析を行ったが、上述したように実験2では、全頭領域の髪色項目全てに対して共通の因子構造を用いて因子分析を行ったため、共通の因子数、因子名となっている。
図15に示すように、実験2では印象語(23語)を「透明感・良質感(Clear/High Quality)」、「量感・健康感(Volume/Healthy)」、「軽やかさ・ツヤ感(Airy/Glossy)」の3因子に分類した。
「透明感・良質感」とは、くすみのない印象、清潔な印象、清楚な印象、状態が整った印象、上等な印象など、手入れの行き届いた髪質を想起する因子であり、このようなことを想起する印象語が分類されている。「透明感・良質感」に、「傷んだ」、「パサついた」の印象語が分類されているが、例えば、傷んだ印象が低ければ「透明感・良質感」を想起するからであり、考慮される印象語であるからである。
「量感・健康感」とは、ふんわりとした豊かな印象、ハリやコシがある印象、潤いがある印象など、髪全体の量や髪1本1本の状態が良好であることを想起する因子であり、このようなことを想起する印象語が分類されている。「量感・健康感」に、「細い」の印象語が分類されているが、例えば、細い印象が低ければ「量感・健康感」を想起するからであり、考慮される印象語であるからである。
「軽やかさ・ツヤ感」とは、髪1本1本が絡み合うことのない印象、指を通すと絡むことなく指の間をすり抜ける印象、髪全体に統一された輝きがある印象を想起する因子であり、このようなことを想起する印象語が分類されている。「軽やかさ・ツヤ感」に、「くすんだ」の印象語が分類されているが、例えば、くすんだ印象が低ければ「軽やかさ・ツヤ感」を想起するからであり、考慮される印象語であるからである。
そして、この分類した因子単位を質感印象項目とし、全頭領域の髪色項目、質感印象項目および光沢髪色項目との相関関係を算出する。算出結果を図16に示す。
図16(a)は全頭領域の髪色項目が黒色、図16(b)は全頭領域の髪色項目が7T、図16(c)は全頭領域の髪色項目が赤系の7T、図16(d)は全頭領域の髪色項目が緑系の7Tの場合の相関関係を示す。図16は、光沢髪色項目を各項目に設定し、図15で分類した因子毎にグラフ化している。各項目の目盛りは、尺度得点であり、図15で分類した因子に含まれる印象語の図13-1、図13-2に示す得点から算出したものである。各項目の目盛りが外側となるほど、その光沢髪色項目が与える質感印象が大きいことを示している。
図16より、質感印象項目、光沢髪色項目、および、全頭領域の髪色項目との間には、例えば、以下の相関関係があることが分かった。
全頭領域の髪色項目が黒色であり、光沢髪色項目が無彩色、Red、Orangeの場合、質感印象項目:透明感・良質感の質感印象と高い相関がある。
質感印象項目:軽やかさ・ツヤ感は、光沢髪色項目がGreen、Cyanの場合、全頭領域の髪色項目が黒色だと低い相関であるが、全頭領域の髪色項目が7Tおよび赤系の7Tだと高い相関がある。
質感印象項目:透明感・良質感は、光沢髪色項目の項目に問わず、全頭領域の髪色項目が黒色の場合、相関が高い傾向にある。
質感印象項目:量感・健康感は、光沢髪色項目の項目に問わず、全頭領域の髪色項目が7T、赤系の7Tおよび緑系の7Tの場合、相関が低い傾向にある。
全頭領域の髪色項目が緑系の7Tの場合、何れの質感印象項目とも他の全頭領域の髪色項目に比べて低い相関である。特に、質感印象項目:量感・健康感については光沢髪色項目の項目に問わず、低い相関である。
上記相関関係より、以下のことが言える。
質感印象項目:透明感・良質感を高めたい場合は、全頭領域の髪色項目を黒色にするとよい。
質感印象項目:量感・健康感を高めたい場合は、全頭領域の髪色項目に茶系、特に緑系の7Tとしないほうがよい。
光沢髪色項目の項目にGreenまたはCyanを設定した場合は、全頭領域の髪色項目を7Tまたは赤系の7Tとすることで、質感印象項目:軽やかさ・ツヤ感を高めることができる。
なお、上記した内容は、一例であり、図16から読み取れる相関関係は他にもあり、質感印象項目と、光沢髪色項目と、全頭領域の髪色項目との他の相関関係を含めて示し、読み取れる相関関係のうち何れの相関関係を用いるかは、目的に応じて取捨選択すればよい。
図17は、光沢髪色項目の有彩色ごとに、図15で分類した因子に含まれる印象語の図14-1および図14-2に示す得点から算出したものである。具体的には、例えば、全頭領域の髪色項目が黒色、質感印象項目が透明感・良質感の場合の光沢髪色項目がRedに位置する尺度得点は、図14-1に示した全頭領域の髪色項目が黒色、質感印象項目が透明感のある、自然な、まとまりのよい、そろっている、傷んだ、しなやかな、なめらかなおよびパサついた、の得点から算出したものである。このように無彩色との差を求めることで、各全頭領域の髪色項目における光沢髪色項目の有彩色による質感印象項目に対する効果を把握できる。
図17(a)は全頭領域の髪色項目が黒色、図17(b)は全頭領域の髪色項目が7T、図17(c)は全頭領域の髪色項目が赤系の7T、図17(d)は全頭領域の髪色項目が緑系の7Tの相関関係を示す。
各項目の目盛りは、図15で分類した因子に含まれる印象語の図14-1および図14-2に示す得点から算出したものである。各項目の目盛りが外側となるほど、その光沢髪色項目の有彩色が与える質感印象が無彩色よりも大きいことを示しており、目盛りが0の場合、その光沢髪色項目の有彩色が与える質感印象が無彩色の場合と差がなく、目盛りが内側となるほど、その光沢髪色項目が与える質感印象が無彩色のほうが大きいことを示している。
図17より、質感印象項目、光沢髪色項目、および、全頭領域の髪色項目との間には、例えば、以下の相関関係があることが分かった。
全頭領域の髪色項目が黒色であり、光沢髪色項目がRedまたはOrangeの場合、光沢髪色項目が無彩色の場合より、質感印象項目:軽やかさ・ツヤ感の質感印象を与えられる。全頭領域の髪色項目が黒色の場合、上記の組合せ以外は、何れの質感印象項目の場合も無彩色より質感印象を与えない。また、光沢髪色項目がViolet、Blue、Cyan、GreenまたはYellowの場合、光沢髪色項目が無彩色の場合の方が何れの質感印象項目の場合も質感印象を与えることができる。特に、光沢髪色項目がGreenまたはCyanの場合、光沢髪色項目が無彩色の場合の方が質感印象項目:透明感・良質感および軽やかさ・ツヤ感について質感印象を与えることができる。言い方を変えると、質感印象項目:透明感・良質感および軽やかさ・ツヤ感を与えたい場合、全頭領域の髪色項目が黒色の場合では、光沢髪色項目をGreenおよびCyanにはしないほうがよい。
全頭領域の髪色項目が7Tの場合、光沢髪色項目がGreenおよびYellow以外は、無彩色の場合より質感印象項目:量感・健康感の質感印象を与えられる。ここで、図16の結果と合わせて検討すると、全頭領域の髪色項目が7Tの場合、全頭領域の髪色項目が黒色の場合より、何れの光沢髪色項目の場合でも量感・健康感の質感印象を与えられていないため、量感・健康感の質感印象を与えたい場合は、全頭領域の髪色項目を黒色とするほうがよいが、仮に、全頭領域の髪色項目が7Tであり当該全頭領域の髪色を変更しにくい場合は、光沢髪色項目にGreenおよびYellow以外、例えば、Blueを設定することで、光沢髪色項目が無彩色の場合より量感・健康感の質感印象を与えることが可能となる。
全頭領域の髪色項目が赤系の7Tの場合、光沢髪色項目がBlue、Violet、Red、OrangeまたはYellowは無彩色の場合より、質感印象項目:透明感・良質感の質感印象を与えられる。
全頭領域の髪色項目が緑系の7Tの場合、光沢髪色項目および質感印象項目が何れの場合でも、無彩色の方が質感印象を与えることが可能もしくは無彩色の場合とほぼ同じであり、特に、光沢髪色項目がCyanまたはGreen、質感印象項目;透明感・良質感または量感・健康感の場合は、無彩色の方が質感印象を与えられる。
なお、上記した内容は、一例であり、図17から読み取れる相関関係は他にもあり、質感印象項目と、光沢髪色項目と、全頭領域の髪色項目との他の相関関係を含めて示し、読み取れる相関関係のうち何れの相関関係を用いるかは、目的に応じて取捨選択すればよい。
実験1および実験2の結果に基づき、頭髪の質感評価方法、頭髪画像の編集方法、印象変更支援装置、アプリケーションプログラム、光沢領域変更画像の作成方法では、与えたい質感印象項目と相関の高い全頭領域の髪色項目および光沢髪色項目を提案するようにしたが、これに限らない。例えば、「透明感・良質感」の質感印象を与えたくない場合、言い換えると、透明感がなく良質感のない印象を与えたい場合(例えば、演者が荒んだ雰囲気を作りたい場合、荒んだキャラクター画像を作成したい場合)は、透明感・良質感の印象を与えることが低い全頭領域の髪色項目および光沢髪色項目の組合せを提案するようにしてもよい。また、実験1または実験2の実験を行う際の印象語に、透明感がないことを示す印象語(例えば、乾燥した、けばだった)を含め、当該質感印象項目、全頭領域の髪色項目および光沢髪色項目の相関情報を作成するようにしてもよい。このように、良い髪質としての印象を与える場合だけでなく、一般的にはよくない髪質、好まれない髪質としての印象を与えることができる全頭領域の髪色項目および光沢髪色項目の組合せを提案することもできる。
図18(a)は、被験者の回答について、全頭領域の髪色項目が赤系の7Tの場合の得点と全頭領域の髪色項目が茶系の7Tの場合の得点との差を光沢髪色項目ごとに各被験者内で求めた上で、図15で分類した因子に含まれる印象語の各得点差から算出したものであり、図18(b)は、被験者の回答について、各被験者の全頭領域の髪色項目が緑系の7Tの場合の得点と全頭領域の髪色項目が茶系の7Tの場合の得点との差を光沢髪色項目ごとに求めた上で、図15で分類した因子に含まれる印象語の各得点差から算出したものである。各グラフの縦軸が正値であると全頭領域の髪色項目が赤系の7Tまたは緑系の7Tの方が該当の質感印象項目の印象を与えることができ、負値であると全頭領域の髪色項目が茶系の7Tの方が該当の質感印象項目の印象を与えることができることを示している。
図18より、例えば、次のことが分かった。
質感印象項目が透明感・良質感の場合、光沢髪色項目の項目に関わらず、全頭領域の髪色項目が茶系の7Tの方が赤系の7Tよりも透明感・良質感の印象を与えることができる。また、質感印象項目が透明感・良質感の場合、光沢髪色項目の項目に関わらず、全頭領域の髪色項目が緑系の7Tの方が茶系の7Tよりも透明感・良質感の印象を与えることができる。
質感印象項目が量感・健康感の場合、光沢髪色項目の項目に関わらず、全頭領域の髪色項目が赤系の7Tの方が茶系の7Tよりも量感・健康感の印象を与えることができる。また、質感印象項目が量感・健康感の場合、光沢髪色項目の項目に関わらず、全頭領域の髪色項目が茶系の7Tの方が緑系の7Tよりも量感・健康感の印象を与えることができる。
質感印象項目が軽やかさ・ツヤ感の場合、光沢髪色項目の項目に関わらず、全頭領域の髪色項目が茶系の7Tの方が緑系の7Tよりも軽やかさ・ツヤ感の印象を与えることができる。また、質感印象項目が軽やかさ・ツヤ感の場合、全頭領域の髪色項目を茶系の7Tと赤系の7Tとで比較すると光沢髪色項目の項目によって茶系の7Tの方が軽やかさ・ツヤ感の印象を与えることができる場合と赤系の7Tの方が軽やかさ・ツヤ感の印象を与えることができる場合とがある。
このように、全頭領域の髪色項目が茶色の場合、茶色の種類(色相の違い)によって与えられる質感印象項目に差がある。さらに、光沢髪色項目の項目(色相の違い)によっても、与えられる質感印象項目に差がある。したがって、なりたい質感印象項目を考慮して全頭領域の項目(茶色の色相)を決定し、さらに、光沢髪色項目の項目を決定することが好ましい。
本実施形態では、頭髪全体に対して、質感印象項目と、光沢髪色項目と、全頭領域の髪色項目との相関関係を用いて、項目の一部について指定することにより、指定した項目と異なる項目を選定するようにしたがこれに限らず、例えば、所定の毛束に対して、項目の一部について指定する事により、指定した項目と異なる項目を選定するようにしてもよい。この場合、光沢領域以外の領域であるベースカラー領域を全頭領域に相当するようにすればよい。このようにすることで、毛束に対して、質感印象項目と、光沢髪色項目と、ベースカラー領域の髪色項目との相関関係を用いて、項目の一部について指定する事により、指定した項目と異なる項目を選定することが可能となる。また、頭髪全体が同一の材質(例えば、毛髪)であっても、一部が異なる材質(例えば、所定の毛束は頭髪に類する材質)であってもよい。例えば、図19に示すような部分ウィッグを用いる場合でもよい。図19に示すような部分ウィッグに光沢領域が含まれる場合は、当該部分ウィッグに選定された光沢髪色項目のヘアカラー剤を塗布(染色)するようにすればよい。なお、部分ウィッグは図19に示すようなものに限らず、図20(a)に示す前髪部分ウィッグ、図20(b)に示す毛先部分ウィッグ、図20(c)に示すポニーテールなど結った髪型に用いる毛先部分ウィッグでもよい。
<ウィッグセット>
上述した部分ウィッグと当該部分ウィッグを塗布(染色)するヘアカラー剤とのウィッグセットについて説明する。
ウィッグセットは、部分ウィッグ、ヘアカラー剤、および上述した質感印象種別情報、光沢髪色情報および全頭領域の髪色情報と、についての相関関係を示す相関情報で構成される。ウィッグセットに含まれるヘアカラー剤は、ウィッグセットに含まれる部分ウィッグのカラーおよび/または当該部分ウィッグを頭部に装着した場合に認識可能な頭髪を全頭領域とし、その全頭領域に対し、所定の質感印象種別情報と相関関係の高いヘアカラー剤のみ、または、複数のヘアカラー剤である。複数のヘアカラー剤が含まれる場合は、ユーザがウィッグセットに含まれる相関情報に基づき、なりたい質感印象種別情報と相関関係の高いヘアカラー剤を塗布するようできる。相関情報は、ユーザがなりたい質感印象種別情報と相関関係の高いヘアカラー剤1つを示す情報、相関関係の高いヘアカラー剤の高低順を示す情報、塗布の仕方(時間、面積など)の情報の少なくとも1つを含むようにする。また、相関情報を紙媒体に記録(印刷)することによる提供、相関情報を電子媒体に記録することによる提供、二次元コードを用いた提供(二次元コードをユーザが読み取ることにより、相関情報を閲覧可能なWEBサイトにアクセスできる)など、提供方法を問わない。具体的には、ヘアカラー剤とともにパッケージに同梱される取扱説明書、またはヘアカラー剤を収容するパッケージ表面への印刷物を例示することができる。このようにすることで、ユーザが与えたい質感印象となるウィッグを装着することができ、また、光沢領域の髪色を変更するだけで同一の部分ウィッグでも与えたい質感印象を変更できるため、ユーザが部分ウィッグを使用する楽しみが増える。
<ヘアカラー剤セット>
ヘアカラー剤セットは、質感印象種別情報と、光沢髪色情報、および全頭領域の髪色情報と、についての相関関係を示す相関情報と、当該相関情報に基づき頭髪の髪色を塗布するヘアカラー剤と、からなる。相関情報は、上述したように、紙媒体による提供、電子媒体による提供、二次元コードによる提供などの方法で提供する。また、ヘアカラー剤は単色または複数色の何れでもよい。
このような相関情報とヘアカラー剤とのヘアカラー剤セットにより、ユーザが相関情報に基づき、なりたい質感印象の頭髪の髪色になることが可能となる。
上記実施形態は、以下の技術思想を包含する。
<1>
頭髪の質感印象種別情報と、髪色変更部位である光沢領域の髪色を示す光沢髪色情報と、についての相関関係を示す相関情報を用い、
前記質感印象種別情報または前記光沢髪色情報の一方を指定することにより、他方を選定することを特徴とする印象変更支援方法。
<2>
前記頭髪の全頭領域の髪色が基準色から所定の色差内であることを特徴とする<1>に記載の印象変更支援方法。
<3>
前記相関情報は、前記質感印象種別情報と、前記光沢髪色情報と、全頭領域の髪色情報との相関関係を示し、
前記質感印象種別情報と、前記光沢髪色情報と、および全頭領域の髪色情報のうちの2つを指定することにより、残りの1つを選定することを特徴とする<2>に記載の印象変更支援方法。
<4>
前記相関情報は、前記質感印象種別情報と、前記光沢髪色情報と、全頭領域の髪色情報との相関関係を示し、
前記質感印象種別情報と、前記光沢髪色情報と、および全頭領域の髪色情報のうちの1つを指定することにより、残りの2つの組合せを選定することを特徴とする<2>に記載の印象変更支援方法。
<5>
前記質感印象種別情報は、頭髪の質感を表す複数の印象語を含むことを特徴とする<1>から<4>の何れか1に記載の印象変更支援方法。
<6>
所定の質感印象種別情報を指定したことにより選定される前記光沢髪色情報は、相関関係が第一基準値以上であることを特徴とする<1>から<5>の何れか1に記載の印象変更支援方法。
<7>
複数の質感印象種別情報を指定したことにより選定される前記光沢髪色情報は、指定した前記複数の質感印象種別情報の全てについて相関関係が第二基準値以上である光沢髪色項目を選定することを特徴とする<1>から<6>の何れか1に記載の印象変更支援方法。
<8>
前記質感印象種別情報を指定して前記相関情報を用いて前記光沢髪色情報を選定する方法であって、
所定の質感印象種別情報を指定したことにより当該質感印象種別情報と各光沢髪色情報との相関関係とが所定順となるように前記光沢髪色情報を選定することを特徴とする<1>から<3>、<5>から<7>の何れか1に記載の印象変更支援方法。
<9>
ユーザの属性を選択し、選択した属性に対応した前記質感印象種別情報と、前記光沢髪色情報と、についての相関関係を示す相関情報を用いることを特徴とする<1>から<8>の何れか1に記載の印象変更支援方法。
<10>
前記光沢髪色情報が、少なくとも髪色変更部位である光沢領域の色相のみ異なる複数の髪色を含むことを特徴とする<1>から<9>の何れか1に記載の印象支援方法。
<11>
前記光沢髪色情報が、知覚的な明るさが等しくなるように調整された色相のみ異なる複数の髪色を含む<1>から<10>の何れか1に記載の印象支援方法。
<12>
頭髪の質感印象種別情報と、髪色変更部位である光沢領域の髪色を示す光沢髪色情報と、頭髪の全頭領域の髪色情報についての相関関係を示す相関情報を用いる頭髪の質感評価方法であって、
頭髪を含む人の頭部画像を取得する取得工程と、
前記取得工程によって取得した頭部画像を画像解析し、前記光沢髪色情報と前記全頭領域の髪色情報を算出する算出工程と、を含み、
前記相関情報、および、前記算出工程による算出結果に基づき、前記質感印象種別情報を選定し、選定結果に基づき頭髪の質感印象を評価することを特徴とする頭髪の質感評価方法。
<13>
頭髪の質感印象種別情報と、髪色変更部位である光沢領域の髪色を示す光沢髪色情報と、頭髪の全頭領域の髪色情報についての相関関係を示す相関情報を用いる頭髪画像の編集方法であって、
頭髪を含む人の頭部画像を取得する取得工程と、
前記取得工程によって取得した頭部画像を画像解析し、前記光沢髪色情報と前記全頭領域の髪色情報を算出する算出工程と、
前記質感印象種別情報を指定する指定工程と、
前記相関情報、および、指定した前記質感印象種別情報に基づき、相関関係の高い前記光沢髪色情報または前記全頭領域の髪色情報を選定する選定工程と、を含み、
前記選定工程による選定結果に基づき、前記取得した頭部画像における頭髪の色を変更することを特徴とする頭髪画像の編集方法。
<14>
頭髪の質感印象種別情報と、髪色変更部位である光沢領域の髪色を示す光沢髪色情報と、についての相関関係を示す相関情報を記憶する記憶手段と、
前記質感印象種別情報または前記光沢髪色情報の一方をユーザが指定可能な指定手段と、
前記相関情報と前記指定手段により指定された前記質感印象種別情報または前記光沢髪色情報の一方とに基づき異なる他方を選定する選定手段と、
前記選定手段による選定結果を出力する出力手段と、を備えることを特徴とする印象変更支援装置。
<15>
頭髪の質感印象種別情報と、髪色変更部位である光沢領域の髪色を示す光沢髪色情報と、全頭領域の髪色情報との相関関係を示す相関情報を記憶する記憶手段と、
前記頭髪の質感印象種別情報、前記光沢髪色情報、および前記全頭領域の髪色情報の一部をユーザが指定可能な指定手段と、
前記相関情報と前記指定手段により指定された前記一部とに基づき、当該一部とは異なる前記頭髪の質感印象種別情報、前記光沢髪色情報、および前記全頭領域の髪色情報を選定する選定手段と、
前記選定手段による選定結果を出力する出力手段と、を備えることを特徴とする印象変更支援装置。
<16>
前記指定手段によって前記頭髪の質感印象種別情報、前記光沢髪色情報、および前記全頭領域の髪色情報のうちの1つを指定した場合、前記選定手段は、残りの2つの組合せを選定し、
前記出力手段は、選定結果として前記残りの2つの組合せを出力し、
前記出力された前記残りの2つの組合せのうち何れかの組合せをユーザが選択可能な選択手段を含むことを特徴とする<15>に記載の印象変更支援装置。
<17>
頭髪の質感印象種別情報と、髪色変更部位である光沢領域の髪色を示す光沢髪色情報と、についての相関関係を示す相関情報を記憶する記憶手段を備えた印象変更支援装置を動作させるアプリケーションプログラムであって、
前記質感印象種別情報または前記光沢髪色情報の一方を指定する指定処理と、
前記相関情報と前記指定処理により指定された前記質感印象種別情報または前記光沢髪色情報の一方とに基づき他方を選定する選定処理と、を含むことを特徴とするアプリケーションプログラム。
<18>
頭髪の質感印象種別情報と、髪色変更部位である光沢領域の髪色を示す光沢髪色情報と、全頭領域の髪色情報との相関関係を示す相関情報を記憶する記憶手段を備えた印象変更支援装置を動作させるアプリケーションプログラムであって、
前記質感印象種別情報、前記光沢髪色情報、および前記全頭領域の髪色情報のうちの1つを指定する指定処理と、
前記相関情報と前記指定処理により指定された前記1つとに基づき、残りの2つの組合せを選定する選定処理と、を含むことを特徴とするアプリケーションプログラム。
<19>
頭髪の質感印象種別情報と、髪色変更部位である光沢領域の髪色を示す光沢髪色情報と、全頭領域の髪色情報との相関関係を示す相関情報を記憶する記憶手段を備えた印象変更支援装置を動作させるアプリケーションプログラムであって、
前記質感印象種別情報、前記光沢髪色情報、および前記全頭領域の髪色情報のうちの2つを指定する指定処理と、
前記相関情報と前記指定処理により指定された前記2つとに基づき、残りの1つを選定する選定処理と、を含むことを特徴とするアプリケーションプログラム。
<20>
<17>から<19>に記載のアプリケーションプログラムがコンピュータに読み取り可能に記録された記録媒体。
<21>
頭髪の質感印象種別情報と、髪色変更部位である光沢領域の髪色を示す光沢髪色情報と、頭髪の全頭領域の髪色情報についての相関関係を示す相関情報を用いる光沢領域変更画像の作成方法であって、
全頭領域の頭髪画像を取得する取得工程と、
取得した頭髪画像を画像解析し、前記光沢領域を抽出する抽出工程と、
抽出結果に基づき、前記頭髪画像から前記光沢領域を切出した部分頭髪画像を作成する作成工程と、
前記質感印象種別情報および前記全頭領域の髪色情報を指定する指定工程と、
前記指定工程の指定結果および前記相関情報に基づき前記光沢髪色情報を選定する選定工程と、
前記選定された前記光沢髪色情報に基づき前記光沢領域の髪色が変更された前記部分頭髪画像を用いて光沢領域変更画像を作成する画像作成工程と、
を含むことを特徴とする光沢領域変更画像の作成方法。
<22>
全頭領域の頭髪画像で構成された第一レイヤーと、透過色で構成された第二レイヤーと、を少なくとも含み、前記第一レイヤー、前記第二レイヤーの順に積層された光沢領域変更画像を複数含む画像セットであって、
前記第二レイヤーは、互いに色相、彩度、または明度の少なくとも何れかが異なる複数のパターンを含み、
複数の前記光沢領域変更画像における前記第二レイヤーの透過色の色相、彩度、または明度の少なくとも何れかが互いに異なることを特徴とする画像セット。
<23>
<1>から<11>に記載の印象変更支援方法、<12>に記載の頭髪の質感評価方法、<13>に記載の頭髪画像の編集方法、<14>から<16>に記載の印象変更支援装置、<17>から<19>に記載のアプリケーションプログラム、<20>に記載の記憶媒体、<21>に記載の光沢領域変更画像の作成方法、または<22>に記載の画像セットであって、前記頭髪が人毛、獣毛、天然繊維、または人工繊維から選出された1つ以上であることを特徴とする。
<24>
前記質感印象種別情報について複数指定し、前記光沢髪色情報および/または前記全頭領域の髪色情報を選定する<5>の印象変更支援方法であって、
前記質感印象種別情報のうち相反する質感印象種別情報を同時に指定できないように規制することを特徴とする<5>の印象変更支援方法。
<25>
前記質感印象種別情報について複数指定し、前記光沢髪色情報および/または前記全頭領域の髪色情報を選定する<5>の印象変更支援方法であって、
当該指定した質感印象種別情報ごとに光沢髪色情報および/または前記全頭領域の髪色情報との相関の強さを示す得点も選定し、当該指定した質感印象種別情報ごとの当該得点に対し所定の演算を行い、演算結果に基づき選定することを特徴とする<5>の印象変更支援方法。
<26>
前記第一基準値のほうが前記第二基準値より高いことを特徴とする<7>の印象変更支援方法。
<27>
頭髪の質感印象種別情報と、髪色変更部位である光沢領域の髪色を示す光沢髪色情報と、頭髪の全頭領域の髪色情報について統計的に得られた相関関係を示す相関情報と、
ウィッグと、
前記ウィッグの少なくとも一部に前記相関情報に基づき前記頭髪を塗布するヘアカラー剤と、を含むウィッグセット。
<28>
頭髪の質感印象種別情報と、髪色変更部位である光沢領域の髪色を示す光沢髪色情報と、頭髪の全頭領域の髪色情報についての相関関係を示す相関情報と、
前記頭髪の少なくとも一部に前記相関情報に基づき前記頭髪を塗布するヘアカラー剤と、を含むヘアカラー剤セット。
<a>
頭髪の質感印象項目と、髪色変更部位である光沢領域の髪色を示す光沢髪色項目と、について統計的に得られた相関関係を示す相関情報を用い、
前記質感印象項目または前記光沢髪色項目の一方の項目を指定することにより、他方の項目を選定することを特徴とする印象支援方法。
<b>
前記頭髪の全頭領域の髪色が基準色から所定の色差内であることを特徴とする<a>の印象支援方法。
<c>
前記相関情報は、前記質感印象項目と、前記光沢髪色項目と、全頭領域の髪色項目との相関関係を示し、
前記項目の一部について指定することにより、前記指定した項目とは異なる項目を選定することを特徴とする<b>の印象支援方法。
<d>
前記質感印象項目は、頭髪の質感を表す複数の印象語を含むことを特徴とする<a>から<c>の何れか1に記載の印象支援方法。
<e>
所定の質感印象項目を指定したことにより選定される前記光沢髪色項目は、相関関係が第一基準値以上であることを特徴とする<a>から<d>の何れか1に記載の印象支援方法。
<f>
複数の質感印象項目を指定したことにより選定される前記光沢髪色項目は、指定した前記複数の質感印象項目の全てについて相関関係が第二基準値以上である光沢髪色項目を選定することを特徴とする<a>から<e>の何れか1に記載の印象支援方法。
<g>
前記質感印象項目を指定して前記相関情報を用いて前記光沢髪色項目を選定する方法であって、
所定の質感印象項目を指定したことにより当該質感印象項目と各光沢髪色項目との相関関係とが所定順となるように前記光沢髪色項目を選定することを特徴とする<a>から<f>の何れか1に記載の印象支援方法。
<h>
ユーザの属性を選択し、選択した属性に対応した前記質感印象項目と、前記光沢髪色項目と、について統計的に得られた相関関係を示す相関情報を用いることを特徴とする<a>から<g>の何れか1に記載の印象支援方法。
<i>
前記光沢髪色項目が、少なくとも髪色変更部位である光沢領域の色相のみ異なる複数の髪色を含むことを特徴とする<a>から<h>の何れか1に記載の印象支援方法。
<j>
前記光沢髪色項目が、知覚的な明るさが等しくなるように調整された色相のみ異なる複数の髪色を含む<a>から<i>の何れか1に記載の印象支援方法。
<k>
頭髪の質感印象項目と、髪色変更部位である光沢領域の髪色を示す光沢髪色項目と、頭髪の全頭領域の髪色項目について統計的に得られた相関関係を示す相関情報を用い、
頭髪を含む人の頭部画像を取得する取得工程と、
前記取得工程によって取得した頭部画像を画像解析し、前記光沢髪色項目と前記全頭領域の髪色項目を算出する算出工程と、
前記相関情報、および、前記算出工程による算出結果に基づき、前記質感印象項目を選定し、選定結果に基づき頭髪の質感印象を評価することを特徴とする頭髪の質感評価方法。
<l>
頭髪の質感印象項目と、髪色変更部位である光沢領域の髪色を示す光沢髪色項目と、頭髪の全頭領域の髪色項目について統計的に得られた相関関係を示す相関情報を用い、
頭髪を含む人の頭部画像を取得する取得工程と、
前記取得工程によって取得した頭部画像を画像解析し、前記光沢髪色項目と前記全頭領域の髪色項目を算出する算出工程と、
前記質感印象項目を指定する指定工程と、
前記相関情報、および、指定した前記質感印象項目に基づき、相関関係の高い前記光沢髪色項目または前記全頭領域の髪色項目を選定する選定工程と、
前記選定工程による選定結果に基づき、前記取得した頭部画像における頭髪の色を変更することを特徴とする頭髪画像の編集方法。
<m>
頭髪の質感印象項目と、髪色変更部位である光沢領域の髪色を示す光沢髪色項目と、について統計的に得られた相関関係を示す相関情報を記憶する記憶手段と、
前記質感印象項目または前記光沢髪色項目の一方の項目を指定する指定手段と、
前記相関情報と前記指定手段により指定された項目とは異なる他方の項目を選定する選定手段と、を備えることを特徴とする印象支援装置。
<n>
頭髪の質感印象項目と、髪色変更部位である光沢領域の髪色を示す光沢髪色項目と、について統計的に得られた相関関係を示す相関情報を記憶する記憶手段を備えた印象支援装置を動作させるアプリケーションプログラムであって、
前記質感印象項目または前記光沢髪色項目の一方の項目を指定する指定処理と、
前記相関情報と前記指定処理により指定された項目とは異なる他方の項目を選定する選定処理と、を含むことを特徴とするアプリケーションプログラム。
<о>
<n>に記載のアプリケーションプログラムがコンピュータに読み取り可能に記録された記録媒体。
<p>
頭髪の質感印象項目と、髪色変更部位である光沢領域の髪色を示す光沢髪色項目と、頭髪の全頭領域の髪色項目について統計的に得られた相関関係を示す相関情報を用いる光沢領域変更画像の作成方法であって、
全頭領域の頭髪画像を取得する取得工程と、
取得した頭髪画像を画像解析し、前記光沢領域を抽出する抽出工程と、
抽出結果に基づき、前記頭髪画像から前記光沢領域を切出した部分頭髪画像を作成する作成工程と、
前記質感印象項目および前記全頭領域の髪色項目を指定する指定工程と、
前記指定工程の指定結果および前記相関情報に基づき前記光沢髪色項目を選定する選定工程と、
前記選定された前記光沢髪色項目に基づき前記光沢領域の髪色が変更された前記部分頭髪画像を用いて光沢領域変更画像を作成する画像作成工程と、
を含むことを特徴とする光沢領域変更画像の作成方法。
<q>
全頭領域の頭髪画像で構成された第一レイヤーと、透過色で構成された第二レイヤーと、を少なくとも含み、前記第一レイヤー、前記第二レイヤーの順に積層された光沢領域変更画像を複数含む画像セットであって、
前記第二レイヤーは、互いに色相、彩度、または明度の少なくとも何れかが異なる複数のパターンを含み、
複数の前記光沢領域変更画像における前記第二レイヤーの透過色の色相、彩度、または明度の少なくとも何れかが互いに異なることを特徴とする画像セット。
<r>
<a>から<j>に記載の印象支援方法、<k>に記載の頭髪の質感評価方法、<l>に記載の頭髪画像の編集方法、<m>に記載の印象支援装置、<n>に記載のアプリケーションプログラム、<о>に記載の記憶媒体、<p>に記載の光沢領域変更画像の作成方法、または<q>に記載の画像セットであって、前記頭髪が人毛、獣毛、天然繊維、または人工繊維から選出された1つ以上であることを特徴とする。
<s>
前記質感印象項目について複数指定し、前記光沢髪色項目および/または前記全頭領域の髪色項目を選定する<d>の印象支援方法であって、
前記質感印象項目のうち相反する質感印象項目を同時に指定できないように規制することを特徴とする<d>の印象支援方法。
<t>
前記質感印象項目について複数指定し、前記光沢髪色項目および/または前記全頭領域の髪色項目を選定する<d>の印象支援方法であって、
当該指定した質感印象項目ごとに光沢髪色項目および/または前記全頭領域の髪色項目との相関の強さを示す得点も選定し、当該指定した質感印象項目ごとの当該得点に対し所定の演算を行い、演算結果に基づき選定することを特徴とする<d>の印象支援方法。
<u>
前記第一基準値のほうが前記第二基準値より高いことを特徴とする<f>の印象支援方法。
<v>
頭髪の質感印象項目と、髪色変更部位である光沢領域の髪色を示す光沢髪色項目と、頭髪の全頭領域の髪色項目について統計的に得られた相関関係を示す相関情報と、
ウィッグと、
前記ウィッグの少なくとも一部に前記相関情報に基づき前記頭髪を塗布するヘアカラー剤と、を含むウィッグセット。
<w>
頭髪の質感印象項目と、髪色変更部位である光沢領域の髪色を示す光沢髪色項目と、頭髪の全頭領域の髪色項目について統計的に得られた相関関係を示す相関情報と、
前記頭髪の少なくとも一部に前記相関情報に基づき前記頭髪を塗布するヘアカラー剤と、を含むヘアカラー剤セット。
50 印象変更支援装置(印象支援装置(携帯端末))
51 記憶部
52 指定部
53 選定部(抽出部)
54 取得部
55 算出部
56 表示部

Claims (20)

  1. 頭髪の質感印象種別情報と、髪色変更部位である光沢領域の髪色を示す光沢髪色情報と、についての相関関係を示す相関情報を用い、
    前記質感印象種別情報または前記光沢髪色情報の一方を指定することにより、他方を選定することを特徴とする印象変更支援方法。
  2. 前記頭髪の全頭領域の髪色が基準色から所定の色差内であることを特徴とする請求項1に記載の印象変更支援方法。
  3. 前記相関情報は、前記質感印象種別情報と、前記光沢髪色情報と、全頭領域の髪色情報との相関関係を示し、
    前記質感印象種別情報と、前記光沢髪色情報と、および全頭領域の髪色情報のうちの2つを指定することにより、残りの1つを選定することを特徴とする請求項2に記載の印象変更支援方法。
  4. 前記相関情報は、前記質感印象種別情報と、前記光沢髪色情報と、全頭領域の髪色情報との相関関係を示し、
    前記質感印象種別情報と、前記光沢髪色情報と、および全頭領域の髪色情報のうちの1つを指定することにより、残りの2つの組合せを選定することを特徴とする請求項2に記載の印象変更支援方法。
  5. 前記質感印象種別情報は、頭髪の質感を表す複数の印象語を含むことを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の印象変更支援方法。
  6. 所定の質感印象種別情報を指定したことにより選定される前記光沢髪色情報は、相関関係が第一基準値以上であることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の印象変更支援方法。
  7. 複数の質感印象種別情報を指定したことにより選定される前記光沢髪色情報は、指定した前記複数の質感印象種別情報の全てについて相関関係が第二基準値以上である光沢髪色項目を選定することを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の印象変更支援方法。
  8. 前記質感印象種別情報を指定して前記相関情報を用いて前記光沢髪色情報を選定する方法であって、
    所定の質感印象種別情報を指定したことにより当該質感印象種別情報と各光沢髪色情報との相関関係とが所定順となるように前記光沢髪色情報を選定することを特徴とする請求項1、2、4から7の何れか1項に記載の印象変更支援方法。
  9. ユーザの属性を選択し、選択した属性に対応した前記質感印象種別情報と、前記光沢髪色情報と、についての相関関係を示す相関情報を用いることを特徴とする請求項1から8の何れか1項に記載の印象変更支援方法。
  10. 頭髪の質感印象種別情報と、髪色変更部位である光沢領域の髪色を示す光沢髪色情報と、頭髪の全頭領域の髪色情報と、についての相関関係を示す相関情報を用いる頭髪の質感評価方法であって、
    頭髪を含む人の頭部画像を取得する取得工程と、
    前記取得工程によって取得した頭部画像を画像解析し、前記光沢髪色情報と前記全頭領域の髪色情報を算出する算出工程と、を含み、
    前記相関情報、および、前記算出工程による算出結果に基づき、前記質感印象種別情報を選定し、選定結果に基づき頭髪の質感印象を評価することを特徴とする頭髪の質感評価方法。
  11. 頭髪の質感印象種別情報と、髪色変更部位である光沢領域の髪色を示す光沢髪色情報と、頭髪の全頭領域の髪色情報と、についての相関関係を示す相関情報を用いる頭髪画像の編集方法であって、
    頭髪を含む人の頭部画像を取得する取得工程と、
    前記取得工程によって取得した頭部画像を画像解析し、前記光沢髪色情報と前記全頭領域の髪色情報を算出する算出工程と、
    前記質感印象種別情報を指定する指定工程と、
    前記相関情報、および、指定した前記質感印象種別情報に基づき、相関関係の高い前記光沢髪色情報または前記全頭領域の髪色情報を選定する選定工程と、を含み、
    前記選定工程による選定結果に基づき、前記取得した頭部画像における頭髪の色を変更することを特徴とする頭髪画像の編集方法。
  12. 頭髪の質感印象種別情報と、髪色変更部位である光沢領域の髪色を示す光沢髪色情報と、についての相関関係を示す相関情報を記憶する記憶手段と、
    前記質感印象種別情報または前記光沢髪色情報の一方をユーザが指定可能な指定手段と、
    前記相関情報と前記指定手段により指定された前記質感印象種別情報または前記光沢髪色情報の一方とに基づき異なる他方を選定する選定手段と、
    前記選定手段による選定結果を出力する出力手段と、を備えることを特徴とする印象変更支援装置。
  13. 頭髪の質感印象種別情報と、髪色変更部位である光沢領域の髪色を示す光沢髪色情報と、全頭領域の髪色情報と、についての相関関係を示す相関情報を記憶する記憶手段と、
    前記頭髪の質感印象種別情報、前記光沢髪色情報、および前記全頭領域の髪色情報の一部をユーザが指定可能な指定手段と、
    前記相関情報と前記指定手段により指定された前記一部とに基づき、当該一部とは異なる前記頭髪の質感印象種別情報、前記光沢髪色情報、および前記全頭領域の髪色情報を選定する選定手段と、
    前記選定手段による選定結果を出力する出力手段と、を備えることを特徴とする印象変更支援装置。
  14. 前記指定手段によって前記頭髪の質感印象種別情報、前記光沢髪色情報、および前記全頭領域の髪色情報のうちの1つを指定した場合、前記選定手段は、残りの2つの組合せを選定し、
    前記出力手段は、選定結果として前記残りの2つの組合せを出力し、
    前記出力された前記残りの2つの組合せのうち何れかの組合せをユーザが選択可能な選択手段を含むことを特徴とする請求項13に記載の印象変更支援装置。
  15. 頭髪の質感印象種別情報と、髪色変更部位である光沢領域の髪色を示す光沢髪色情報と、についての相関関係を示す相関情報を記憶する記憶手段を備えた印象変更支援装置を動作させるアプリケーションプログラムであって、
    前記質感印象種別情報または前記光沢髪色情報の一方を指定する指定処理と、
    前記相関情報と前記指定処理により指定された前記質感印象種別情報または前記光沢髪色情報の一方とに基づき他方を選定する選定処理と、を含むことを特徴とするアプリケーションプログラム。
  16. 頭髪の質感印象種別情報と、髪色変更部位である光沢領域の髪色を示す光沢髪色情報と、全頭領域の髪色情報との相関関係を示す相関情報を記憶する記憶手段を備えた印象変更支援装置を動作させるアプリケーションプログラムであって、
    前記質感印象種別情報、前記光沢髪色情報、および前記全頭領域の髪色情報のうちの1つを指定する指定処理と、
    前記相関情報と前記指定処理により指定された前記1つとに基づき、残りの2つの組合せを選定する選定処理と、を含むことを特徴とするアプリケーションプログラム。
  17. 頭髪の質感印象種別情報と、髪色変更部位である光沢領域の髪色を示す光沢髪色情報と、全頭領域の髪色情報との相関関係を示す相関情報を記憶する記憶手段を備えた印象変更支援装置を動作させるアプリケーションプログラムであって、
    前記質感印象種別情報、前記光沢髪色情報、および前記全頭領域の髪色情報のうちの2つを指定する指定処理と、
    前記相関情報と前記指定処理により指定された前記2つとに基づき、残りの1つを選定する選定処理と、を含むことを特徴とするアプリケーションプログラム。
  18. 頭髪の質感印象種別情報と、髪色変更部位である光沢領域の髪色を示す光沢髪色情報と、頭髪の全頭領域の髪色情報についての相関関係を示す相関情報を用いる光沢領域変更画像の作成方法であって、
    全頭領域の頭髪画像を取得する取得工程と、
    取得した頭髪画像を画像解析し、前記光沢領域を抽出する抽出工程と、
    抽出結果に基づき、前記頭髪画像から前記光沢領域を切出した部分頭髪画像を作成する作成工程と、
    前記質感印象種別情報および前記全頭領域の髪色情報を指定する指定工程と、
    前記指定工程の指定結果および前記相関情報に基づき前記光沢髪色情報を選定する選定工程と、
    前記選定された前記光沢髪色情報に基づき前記光沢領域の髪色が変更された前記部分頭髪画像を用いて光沢領域変更画像を作成する画像作成工程と、
    を含むことを特徴とする光沢領域変更画像の作成方法。
  19. 全頭領域の頭髪画像で構成された第一レイヤーと、透過色で構成された第二レイヤーと、を少なくとも含み、前記第一レイヤー、前記第二レイヤーの順に積層された光沢領域変更画像を複数含む画像セットであって、
    前記第二レイヤーは、互いに色相、彩度、または明度の少なくとも何れかが異なる複数のパターンを含み、
    複数の前記光沢領域変更画像における前記第二レイヤーの透過色の色相、彩度、または明度の少なくとも何れかが互いに異なることを特徴とする画像セット。
  20. 請求項1から9に記載の印象変更支援方法、請求項10に記載の頭髪の質感評価方法、請求項11に記載の頭髪画像の編集方法、請求項12から14に記載の印象変更支援装置、請求項15から17に記載のアプリケーションプログラム、請求項18に記載の光沢領域変更画像の作成方法、または請求項19に記載の画像セットであって、前記頭髪が人毛、獣毛、天然繊維、または人工繊維から選出された1つ以上であることを特徴とする。
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